JP2007317705A - 基板処理装置、装置検査方法、装置検査プログラム、及びそのプログラムを記録した記録媒体 - Google Patents

基板処理装置、装置検査方法、装置検査プログラム、及びそのプログラムを記録した記録媒体 Download PDF

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Abstract

【課題】基板を処理する複数のモジュールを具備する基板処理装置において、全てのモジュールを検査する作業効率を向上させ、その検査結果に係る情報を容易に管理する。
【解決手段】基板を処理する複数のモジュールを具備すると共に、前記複数のモジュールに対し所定の測定検査を行う基板処理装置であって、複数の異なる種別の測定を行う複数の検出手段30〜34及び該複数の検出手段による測定データを記録する記録手段42を有する検査用基板WSと、前記検査用基板WSに対し前記複数のモジュールにおいて所定の処理が施されるよう制御する制御手段36とを備え、前記制御手段36は、前記複数のモジュールにおいて所定の処理が施された前記検査用基板WSから、前記記録手段42に記録された複数の異なる種別の測定データをデータ通信により取得する。
【選択図】図4

Description

本発明は、基板に一連の処理を行う複数のモジュールを具備する基板処理装置、装置検査方法、装置検査プログラム、及びそのプログラムを記録した記録媒体に関する。
例えば半導体等の電子デバイス製造工程のうち、フォトリソグラフィ工程においては、ウエハ等の基板へのレジスト液(以下、レジストと称する)の塗布や現像処理を行なうユニット装置であるレジスト塗布現像装置と、レジストが塗布された基板に露光処理を行なう露光機とが組み合わされて、インライン処理を行なっている。具体的には、例えば基板は主な工程として、洗浄処理→脱水ベーク→アドヒージョン(疎水化)処理→レジスト塗布→プリベーク→露光処理→現像前ベーク→現像→ポストベークという一連の処理を経てレジスト層に所定の回路パターンが形成される。尚、このようなフォトリソグラフィ工程におけるインライン処理については、特許文献1に記載されている。
特開2000−235949号公報
ところで、前記レジスト塗布現像装置にあっては、高精度に基板処理を行い、且つ不具合が生じないように、その設置時や、その後の定期的な点検時において、各処理を行うモジュールに対し所定の測定検査を行う必要がある。例えば、塗布処理装置(モジュール)では、基板をスピンチャックにより吸着保持した際の水平度等を測定検査し、熱処理装置(モジュール)では、基板に対する風力、加熱温度を測定検査する必要がある。また、各モジュール内で保持された基板の表面における気圧、湿度等も測定検査することが望ましい。
このため従来は、モジュール毎に各種測定を実施する検査を行い、その検査結果に基づいて調整を行っている。
前記レジスト塗布現像装置にあっては、多数の基板を例えば毎葉式に順次処理するため、通常、複数の熱処理装置や塗布処理装置等のモジュールを多段に有する構成になされている。したがって、その全てのモジュールについて前記のような測定検査を行う必要があるが、各モジュールについて複数種(水平度、加熱温度、風速、気圧、湿度等)の測定を順次行う必要があり、装置全体を検査するまでに人手と時間とを要し、作業効率が低下するという課題があった。
また、従来は、前記のように各モジュールについて複数種の測定を順次行うため、その種別毎の測定データをその都度取得し管理する必要があり、装置全体の検査結果をデータとして得るまでに人的作業と時間を要し効率的ではなかった。
本発明は、前記したような事情の下になされたものであり、基板に対し処理を行う複数のモジュールを具備する基板処理装置において、全てのモジュールを検査する作業効率を向上させ、その検査結果に係る情報を容易に管理することのできる基板処理装置、装置検査方法、装置検査プログラム及びそのプログラムを記録した記録媒体を提供することを目的とする。
前記課題を解決するために、本発明にかかる基板処理装置は、基板に対し処理を行う複数のモジュールを具備すると共に、前記複数のモジュールに対し所定の測定検査を行う基板処理装置であって、複数の異なる種別の測定を行う複数の検出手段及び該複数の検出手段による測定データを記録する記録手段を有する検査用基板と、前記検査用基板に対し前記複数のモジュールにおいて所定の処理が施されるよう制御する制御手段とを備え、前記制御手段は、前記複数のモジュールにおいて所定の処理が施された前記検査用基板から、前記記録手段に記録された複数の異なる種別の測定データをデータ通信により取得することに特徴を有する。尚、前記検査用基板に対し前記複数のモジュールにおいて所定の処理が施されない期間に、前記検査用基板を収容する基板待機部を備えることが望ましく、前記基板待機部は、前記制御手段の制御により前記検査用基板とデータ通信するための第一の通信手段を備え、前記検査用基板は、前記第一の通信手段とデータ通信するための第二の通信手段を有し、前記第一の通信手段と前記第二の通信手段とは、有線または無線によりデータ通信を行うことが望ましい。
このような構成によれば、一枚の検査用基板に設けられた複数の異なる種別の検査手段によって、各モジュールにおいて一度に複数種の測定を行うことができる。さらにその測定データを記録手段に記録する構成であるため、この複数種の測定を検査対象となる全てのモジュールに対し連続して実施することができ、検査を実施した全てのモジュールに係る測定データを、最終的にデータ通信により一度に取得することができる。
したがって、全てのモジュールを検査する作業効率を向上することができ、その検査結果に係る情報を容易に管理することができる。
また、前記基板待機部は、前記検査用基板に対し電源供給する電源供給手段を備え、前記検査用基板は、少なくとも前記複数の検出手段を含む電気回路を駆動させるための駆動電源を保持するバッテリを有し、前記電源供給手段は、前記バッテリに対し、有線または無線により電源供給して充電を行うことが好ましい。
このように検査用基板にバッテリを持たせ、そのバッテリを充電する電源供給手段を設けることにより、検査用基板が有する検出手段等を各モジュール内において動作させることができる。
また、前記基板待機部は、前記検査用基板の表面にパージガスを吹きつけるパージガス供給手段を備えることが望ましい。
このように構成すれば基板待機部において検査用基板の表面にパージガスを吹きつけることができ、検出手段に付着する埃等を除去することができる。
また、前記制御手段は、前記検査用基板を、設定された所定の時間が経過後、または、所定枚数の基板処理が完了後に、前記複数のモジュールにおいて所定の処理が施されるよう搬送制御することが望ましい。
このような構成によれば、所定時間毎あるいは所定枚数の基板処理ごと(例えばロット単位ごと)にモジュールの測定検査を行うことができ、定期的に測定した結果に基づいて、測定結果の正確な変動傾向を求めることができる。
また、前記複数の異なる種別の測定を行う複数の検出手段は、前記検査用基板の水平度を測定する検出手段と、前記検査用基板の表面温度を検出する検出手段と、前記検査用基板の表面に対する風速を検出する手段と、前記検査用基板の表面における気圧を検出する手段と、前記検査用基板の表面における湿度を検出する手段のいずれか複数を含むことが望ましい。
このような複数の種別の検出手段により、各々における測定データの検証が可能であるだけでなく、複数種の測定データを組み合わせることにより、一種の測定内容では予測できない検査事項、例えば、温度と風速から、熱処理装置での乾燥後膜厚変化の相関、温度と水平度から、熱板上のゴミによる表面温度傾斜、即ち熱板表面状態の推測、温度と気圧又は湿度から、塗布処理装置でのレジスト膜厚変化の相関などを予測することが可能となる。
また、前記課題を解決するために、本発明にかかる装置検査方法は、基板に対し処理を行う複数のモジュールを具備する基板処理装置に対し所定の測定検査を行う装置検査方法であって、複数の異なる種別の測定を行う複数の検出手段及び該複数の検出手段による測定データを記録する記録手段を有する検査用基板に対し、前記複数のモジュールにおいて所定の処理を実施させるステップと、前記各モジュールにおいて、前記検査用基板の前記検出手段により測定を行い、測定データを前記記録手段に記録させるステップと、前記複数のモジュールにおいて所定の処理が施された前記検査用基板から、前記記録手段に記録された複数の異なる種別の測定データを取得するステップとを実行することに特徴を有する。
尚、前記記録手段に記録された複数の異なる種別の測定データを取得するステップにおいて、前記測定データを有線または無線のデータ通信により取得することが望ましい。
このようなステップを実行する方法によれば、一枚の検査用基板に設けられた複数の異なる種別の検査手段によって、各モジュールにおいて一度に複数種の測定を行うことができる。さらにその測定データを記録手段に記録させるため、この複数種の測定を検査対象となる全てのモジュールに対し連続して実施することができ、検査を実施した全てのモジュールに係る測定データを、最終的にデータ通信により一度に取得することができる。
したがって、全てのモジュールを検査する作業効率を向上することができ、その検査結果に係る情報を容易に管理することができる。
また、前記一連のステップを所定の時間ごと、或いは前記基板処理装置における所定枚数の基板の処理ごとに実施するステップと、同一の前記検出手段による複数の測定結果から、その後の測定対象値及び複数種の測定から予測される検査事項が適正値外となるまでの基板処理可能枚数を予測するステップとを実行することが望ましい。尚、前記基板処理可能枚数を予測するステップにおいて、前記基板処理可能枚数が所定枚数以下である場合、警告を発するステップを実行し、また、その予測に係る測定対象値が適正値となるよう調整するステップを実行することが望ましい。
このように、その後の測定対象値や複数種の測定から予測される検査事項がスペックアウト(適正値外)となるまでの基板処理可能枚数を予測することにより、メンテナンスの管理をより効率的に行うことができ、歩留まりを向上することができる。
また、前記複数の異なる種別の測定を行う複数の検出手段は、前記検査用基板の水平度を測定する検出手段と、前記検査用基板の表面温度を検出する検出手段と、前記検査用基板の表面に対する風速を検出する手段と、前記検査用基板の表面における気圧を検出する手段と、前記検査用基板の表面における湿度を検出する手段のいずれか複数を含むことが望ましい。
このような複数の種別の検出手段により、各々における測定データの検証が可能であるだけでなく、複数種の測定データを組み合わせることにより、一種の測定内容では予測できない検査事項、例えば、温度と風速から、熱処理装置での乾燥後膜厚変化の相関、温度と水平度から、熱板上のゴミによる表面温度傾斜、即ち熱板表面状態の推測、温度と気圧又は湿度から、塗布処理装置でのレジスト膜厚変化の相関などを予測することが可能となる。
本発明によれば、基板に対し処理を行う複数のモジュールを具備する基板処理装置において、全てのモジュールを検査する作業効率を向上させ、その検査結果に係る情報を容易に管理することのできる基板処理装置、装置検査方法、装置検査プログラム及びそのプログラムを記録した記録媒体を得ることができる。
以下、本発明にかかる基板処理装置、装置検査方法、装置検査プログラムにつき、図に示す実施の形態に基づいて説明する。図1は、例えば半導体や液晶ディスプレイ等の電子デバイス製造工程のフォトリソグラフィ工程において使用されるパターン形成装置の全体を示す斜視図である。図2は、図1のパターン形成装置における処理工程のフローを模式的に示したブロック図である。
図1に示すパターン形成装置100は、本発明の基板処理装置が適用されるレジスト塗布現像装置50と、これと連携してインライン処理を行う露光機60とで構成される。このうち、レジスト塗布現像装置50は、キャリアステーションブロック(CSB)1、プロセスブロック(PRB)2、インタフェイスブロックメイン(IFBM)3、インタフェイスブロックサブ(IFBS)4と呼ばれる4つのブロックから構成される。
図2に示すようにキャリアステーションブロック(CSB)1は、被処理基板である例えばウエハが複数枚密閉収納された複数のキャリアカセット(FOUP)5を搬入出するためのブロックであり、その搬入出のためのキャリアステーション搬送アーム(CRA)6を備えている。プロセスブロック(PRB)2は、処理目的別にPRAタワー10、SPINタワー11、連結オーブン(HP)タワー12、背面オーブン(HPB)タワー13と呼ばれる4種類のタワーで構成されている。各タワーは、ウエハの処理を行うモジュールと呼ばれる装置が縦に積み上げられている。
このうち、PRAタワー10は、図2に示すようなプロセスブロック搬送アーム(PRA)15を有し、この搬送アーム15が昇降自在、及び鉛直軸回りに回転可能に構成されることにより、その周辺のタワーの各モジュールとのウエハの搬入・搬出を行うようになされている。
また、SPINタワー11は、ウエハへのレジスト塗布処理を行うコートプロセスステーション(COT)16と、現像処理を行うデベロッププロセスステーション(DEV)17とが夫々多段に、例えば5段ずつ重ねられて構成されている。
また、連結オーブン(HP)タワー12は、例えば、冷却プレートを具備したチルプレートプロセスステーション(CPL)18、チリング高精度ホットプレートプロセスステーション(CPHP)19、ウエハ搬送に用いるステージとしてのトランジションステージ(TRS)20等が多段に積層されている。また、背面オーブン(HPB)タワー13は、低温での熱処理を行う低温ホットプレートプロセスステーション(LHP)21と、疎水化処理を行うアドヒージョンプロセスステーション(ADH)22が多段に積層されている。
インタフェイスブロックメイン(IFBM)3は、ウエハ周辺の露光処理のみ行う周辺露光プロセスステーション(WEE)23、ステーショナリーバッファリングステージ(SBU)24、図2に示すようなインタフェイスブロック搬送アームメイン(IRAM)25等が多段に積層されている。
尚、この実施の形態においては、インタフェイスブロックメイン(IFBM)3における一つのモジュールスペースに、後述するセンサ付ウエハWSの待機部(WP)14(基板待機部)が設けられている。
そして、搬送アームメイン(IRAM)25が昇降自在及び鉛直軸回りに回動可能に構成されることにより、その周囲のモジュールとの間でウエハの搬入・搬出が可能となるようになされている。
また、インタフェイスブロックサブ(IFBS)4は、図2に示すようなインタフェイスブロック搬送アームサブ(IRAS)26を備え、この搬送アームサブ(IRAS)26により塗布現像装置50と後述の露光機60の露光機インタフェイス(EIF)27との間でウエハの搬入・搬出を行うように構成されている。
また、露光機60は、レジストが塗布されたウエハに対し、回路パターンを形成したレクチルを介し、レーザ光により照射露光する。この露光機60は、ウエハの搬送手段としての露光機インタフェイス(EIF)27を備え、露光機60側からは、この露光機インタフェイス(EIF)27を介してレジスト塗布現像装置50との間でウエハの搬入出を行うように構成されている。
このように構成されたパターン形成装置100において、通常のウエハ処理を行う場合、先ず、キャリアステーションブロック(CSB)1において、キャリアステーション搬送アーム(CRA)6により未処理のウエハを収容したキャリアカセット(FOUP)5が搬入され、そこから1枚のウエハが図示しない搬送機構により受け渡しステージであるトランジションステージ(TRS)20に搬送される。そこでウエハは位置合わせが行われた後、搬送アーム(PRA)15によりアドヒージョンプロセスステーション(ADH)22へ搬送され疎水化処理が行われる。次いでチルプレートプロセスステーション(CPL)にて所定の冷却処理が行われ、コートプロセスステーション(COT)16に搬送されて、ウエハ表面上へのレジスト塗布処理が行われる。
そして、低温ホットプレートプロセスステーション(LHP)21で所定の加熱処理、即ちプリベーク処理が行われ、インタフェイスブロックメイン(IFBM)3のトランジションステージ(TRS)20に搬送される。そして、ウエハは、インタフェイスブロック搬送アームメイン(IRAM)25により周辺露光プロセスステーション(WEE)23に搬送され、ウエハ周辺に対する露光処理が行われ、その後、ステーショナリーバッファリングステージ(SBU)24に一時的に載置される。
そして、ウエハはチルプレートプロセスステーション(CPL)において冷却処理され、その後インタフェイスブロック搬送アームサブ(IRAS)26によりインタフェイスブロックサブ(IFBS)4を介して露光装置60により露光処理が行われる。
露光処理を終えたウエハは、再びインタフェイスブロックサブ(IFBS)4を介してインタフェイスブロックメイン(IFBM)3のトランジションステージ(TRS)20に搬送される。そして、チリング高精度ホットプレートプロセスステーション(CPHP)19において、所定の加熱処理が行われ、チルプレートプロセスステーション(CPL)18にて冷却処理が行われる。
次いで、ウエハはデベロッププロセスステーション(DEV)17に搬送されて現像処理が行われ、低温ホットプレートプロセスステーション(LHP)21でレジストを乾燥させてウエハとの密着性をよくするための加熱処理、即ちポストエクスポージャベーク(PEB)処理が行われる。そしてウエハはチルプレートプロセスステーション(CPL)18で冷却処理が行われ、キャリアカセット(FOUP)5に戻される。
続いて、前記レジスト塗布現像装置50において各モジュールでの各種測定検査(本実施の形態では、ウエハの水平度、ウエハが受ける風速、温度、ウエハ表面における気圧、湿度の5種とする)を実施するための構成及び方法について説明する。
前記したように、例えばインタフェイスブロックメイン(IFBM)3の一つのモジュール内には検査用基板としてのセンサ付ウエハWSの待機部(WP)14が設けられ、そこにセンサ付ウエハWSが収容される。尚、待機部(WP)14は、プロセスブロック(PRB)2内のモジュールに設けられてもよい。
このセンサ付ウエハWSの上面には、図3の平面図に示すようにウエハWSの水平度(傾斜)を検出する水平度センサ30(検出手段)がウエハWSの略中央に設けられている。また、水平度センサ30の左右には、ウエハ表面における気圧を検出する気圧センサ33(検出手段)と、ウエハ表面における湿度を検出する湿度センサ34(検出手段)とが夫々設けられている。さらに、ウエハWS上面の各部における温度及び風速を測定できるよう、複数の温度センサ31(検出手段)、及び複数の微風速センサ32(検出手段)が分散して設けられている。即ち一枚のウエハにより、複数の異なる種別の測定を行うことができるよう、同一ウエハに水平度センサ30、温度センサ31、微風速センサ32、気圧センサ33、湿度センサ34が設けられている。
また、待機部(WP)14においては、図示しない開口部からインタフェイスブロック搬送アームメイン(IRAM)25によりウエハWSの搬入出がなされる。図4の待機部(WP)14の断面図に示すように、待機部(WP)14内には、ベースユニット47が設けられ、このベースユニット47の上にはウエハWSを吸着保持し、ベースユニット47内に設けられたモータ48aにより鉛直軸回りに回転自在となされたスピンチャック48が設けられている。
一方、待機部(WP)14の天井部には、前記したようにウエハWS上面に設けられた複数のセンサの検出結果(測定データ)を例えば赤外線通信により取得するための通信ユニット35(第一の通信手段)が設けられている。
尚、この通信ユニット35は、レジスト塗布現像装置50が有するコンピュータとしての制御部36(制御手段)に接続されており、複数のセンサから取得したデータを制御部36に供給するようになされている。また、制御部36においては、供給されたデータをハードディスク等の記録手段37に記録すると共に、モニタ38に表示し、さらにプリンタ39によって印字出力可能に構成されている。
また、制御部36により読み出し/書き込み動作が制御される記録手段37には、前述したようなセンサ付ウエハWSを用いた各モジュールに対する検査動作が予め決められたソフトウエアからなる装置検査プログラムが格納されている。そして、制御部36は当該プログラムを読み出し、後述の検査工程が実施されるよう制御を行う。尚、このプログラムは、前記したように例えばハードディスクとしての記録手段37に記録され格納されてもよいが、記録手段37は、ハードディスクに限定されず、その他、コンパクトディスク、マグネットオプティカルディスク、メモリーカードなどの記録媒体であってもよい。
また、待機部(WP)14内において、スピンチャック48により保持されるセンサ付ウエハWSの上方には、ウエハWSの表面にパージガスを吹きつけるためのパージガスノズル45(パージガス供給手段)が設けられ、このパージガスノズル45には制御部36の制御により、パージガス供給部46(パージガス供給手段)から所定流量のパージガスが供給される。
即ち、ウエハWSの表面にパージガスノズル45からパージガスが吹き付けられることによって、ウエハWS上に付着した埃等が除去され、次のモジュール検査における各センサでの検出動作に悪影響を与えないようになされている。
尚、ウエハWSに吹きつけられたパージガスは、排気口49から排気されるように構成されている。また、パージガスノズル45からパージガスが供給される際には、スピンチャック48によりセンサ付ウエハWSが所定の回転速度で回転するよう制御され、より埃等を除去し易くなされている。
また、このパージガスの供給動作は、センサ付ウエハWSが待機部(WP)14内に保持される間、定期的に所定時間行われるのが望ましい。或いは、制御部36から測定開始命令が発行された際、即ち待機部(WP)14からセンサ付ウエハWSが搬出される直前に所定時間パージガスを吹きつけるよう動作制御されるのが好ましい。
また、センサ付ウエハWSにおいては、例えば図5の回路構成ブロック図に示すように、ウエハ上面に露出して設けられる前記水平センサ30、温度センサ31、微風速センサ32、気圧センサ33、湿度センサ34が、例えばウエハ内部に埋設されたコンピュータとしてのCPU(中央処理装置)40に接続されている。
CPU40には、前記通信ユニット35と例えば赤外線通信を行うための無線通信回路であるRF(Radio Frequency)回路41(第二の通信手段)が接続されている。さらにCPU40には、記録手段としての不揮発メモリ42、ウエハWS内における動作制御を行うためのプログラムを記憶するROM43、一時的にデータを置くためのRAM44が接続されている。尚、これらメモリは、ウエハ内部に埋設されている。
また、このようなウエハWS内の電気回路においては、その駆動電源となる図示しない充電式バッテリが設けられる。このバッテリに対する電源供給は、例えばセンサ付ウエハWSがスピンチャック48上に載置された際、ベースユニット47を電源供給手段として機能させ、電気的に接続することにより実現される。或いは、スピンチャック48に電磁誘導コイル部(一次コイル)を内蔵し、ウエハWSに受信コイル(二次コイル)を内蔵することにより、無線によりバッテリ充電する構成でもよい。または、マイクロ波を用いた無線電力伝送技術によりバッテリ充電する構成も採用することができる。
続いて、このように構成されたレジスト塗布現像装置50における制御部36の制御によるモジュールの検査工程について図6のフローに基づいて説明する。レジスト塗布現像装置50の設置時、或いは定期的な点検時において各モジュールの検査を行う場合、先ず、センサ付ウエハWSをインタフェイスブロック搬送アームメイン(IRAM)25により取り出し、さらにプロセスブロック搬送アーム(PRA)15によりPRAタワー10に搬送し、そこで検査対象となるモジュールに搬入される。
そして、ウエハWSが搬入されたモジュール内では、例えばウエハWSに対し加熱処理やチャンバ内への給気処理等を行う(図6のステップS1)。
ウエハWSにおいては、水平度センサ30により、チャック(図示せず)による吸着保持状態、熱板上での載置状態、或いはクールプレート状での載置状態等における水平度(傾斜角)をデータとしてCPU40に供給し、CPU40が不揮発メモリ42における所定アドレスに取得データを書き込む(図6のステップS2)。
また、温度センサ31により、ウエハ面上の各部位における温度を検出してCPU40に供給し、CPU40が不揮発メモリ42における所定アドレスに取得データを書き込む(図6のステップS2)。
また、微風速センサ32により、ウエハ面上の各部位において吹き付けられる風速を検出してCPU40に供給し、CPU40が不揮発メモリ42における所定アドレスに取得データを書き込む(図6のステップS2)。
また、気圧センサ33によりウエハ表面における気圧を検出してCPU40に供給し、CPU40が不揮発メモリ42における所定アドレスに取得データを書き込む(図6のステップS2)。
さらに、湿度センサ34によりウエハ表面における湿度を検出してCPU40に供給し、CPU40が不揮発メモリ42における所定アドレスに取得データを書き込む(図6のステップS2)。
そして、検査対象とする全てのモジュールに対する測定検査が終了すると(図6のステップS3)、ウエハWSを待機部(WP)14に戻して収容する(図6のステップS4)。
待機部(WP)14に収容されたウエハWSに対し、制御部36は、通信ユニット35を介してデータ送信コマンドを赤外線通信により送信し、これに対しウエハWSは、不揮発メモリ42に記録されている検査結果であるデータをRF回路41を介して送信する。これにより、制御部36は検査対象とする全てのモジュールにおける測定検査結果をデータとして取得し、それを記録手段37の所定領域に記録する(図6のステップS5)。
一方、ウエハWSにおいては、次回の検査に備え、不揮発メモリ42に記録されているデータを送信後、そのデータを消去する動作を行う(図6のステップS6)。尚、このデータ消去の動作は、ROM43に記録されたプログラムに従って行われてもよいし、或いは制御部36から送信される命令によって行われてもよい。
また、ウエハWSが待機部14内に収容されている間、ウエハWSが有する電気回路のバッテリに対し充電動作が行われる。
また、このように制御部36では、複数の種別の測定データを同時に得られるため、各々のセンサによる測定データの検証が可能であるだけでなく、複数種の測定データを組み合わせることにより、一種の測定内容では予測できない検査事項、例えば、温度と風速から、熱処理装置での乾燥後膜厚変化の相関、温度と水平度から、熱板上のゴミによる表面温度傾斜、即ち熱板表面状態の推測、温度と気圧又は湿度から、塗布処理装置でのレジスト膜厚変化の相関などを予測することが可能となる。
また、前記ステップS1〜S6による測定検査を、所定枚数(例えば1ロット)のウエハを処理するごと(或いは所定に時間ごと)に実施するのが望ましい。
即ち、図7のフローに示すように、先ず、所定枚数(或いは所定時間の間)のウエハ処理を実施後(図7のステップS11)、ウエハWSを用いた検査(図7のステップS12、即ち図6のフロー)を行う。
制御部36において、各モジュールにつき、今回の測定データと、前回調整後(温度、気圧、湿度、風速、水平度の各適正調整後)の過去の測定データとを解析し、同一センサでの測定結果の変化(変化率)に基づき、その後の測定対象値(温度、気圧、湿度、風速、水平度)、及び複数種の測定から予測される検査事項がスペックアウト(適正値外)となるまでのウエハ処理可能枚数を予測する(図7のステップS13)。
尚、このステップS13における解析結果は、グラフ表示等によりモニタ38に表示されるのが望ましい。
ここで、全てのモジュールの全ての測定対象及び複数種の測定から予測される検査事項についてスペックアウトになる虞がなければ、ステップS11の処理に戻って新たなウエハ処理を実施する。一方、いずれかの測定対象及び複数種の測定から予測される検査事項についてスペックアウトの虞がある場合(図7のステップS14)、即ち、ステップS13で予測したウエハ処理可能枚数が所定枚数以下である場合には、音声や視覚的なアラームにより警告し(図7のステップS15)、さらに、その測定対象について自動的に適正値に調整がなされる(図7のステップS16)。
以上のように、本発明にかかる実施の形態によれば、一枚のセンサ付ウエハWSに設けられた複数の異なる種別のセンサによって、各モジュールにおいて一度に複数種の(検査内容の)測定を行うことができる。さらにその測定データを不揮発メモリ42に記録する構成であるため、この複数種の測定を検査対象となる全てのモジュールに対し連続して実施することができ、検査を実施した全てのモジュールに係る測定データを、最終的にデータ通信により一度に取得することができる。したがって、全てのモジュールを検査する作業効率を向上することができ、その検査結果に係る情報を容易に管理することができる。
また、所定枚数のウエハ処理毎にセンサ付ウエハWSを用いた検査を実施することにより、同一センサでの測定結果の変化率から、その測定対象値、及び複数種の測定から予測される検査事項がスペックアウトとなる時期を予測することができ、アラームでの警告や自動的に調整することにより、メンテナンスを容易且つ効率的に実施し、歩留まりを向上することができる。
尚、前記実施の形態においては、赤外線通信を用いた無線通信により制御部36がウエハWSから測定データを取得する構成としたが、例えば通信ユニット35とウエハWSとを接触させ、有線通信によりデータ取得する構成としてもよい。また、無線通信によりデータ通信を行う場合、赤外線通信に限定されず、例えばブルートゥース等の他の通信方式を利用してもよい。
また、前記実施の形態においては、検出手段として、ウエハの水平度、ウエハが受ける風速、温度、ウエハ表面上の気圧、湿度の5種を検出する構成としたが、その種類、測定内容に限定されず、2〜4種であっても、6種以上であってもよい。
また、この実施の形態においては、インタフェイスブロックメイン(IFBM)3における一つのモジュールスペースに、センサ付ウエハWSの待機部(WP)14を設ける構成としたが、その構成に限定されず、他のブロックの空きモジュールスペースに待機部14を設けてもよい。
また、待機部14及びそこに収容するセンサ付ウエハWSの数も一つに限定しなくてもよく、複数の場合は、複数のセンサ付ウエハWSを別々のモジュールで用いて測定検査を実施するようにしてもよい。
また、前記実施の形態においては、被処理基板として半導体ウエハを例としたが、本発明における基板は、半導体ウエハに限らず、LCD基板、CD基板、ガラス基板、フォトマスク、プリント基板等も可能である。
本発明は、半導体ウエハ等の基板を処理するレジストパターン形成装置等に適用でき、半導体製造業界、電子デバイス製造業界等において好適に用いることができる。
図1は、本発明に係る基板処理装置が適用されるレジスト塗布現像装置を含むパターン形成装置の全体を示す斜視図である。 図2は、図1のパターン形成装置における処理工程のフローを模式的に示したブロック図である。 図3は、図1のレジスト塗布現像装置が備えるセンサ付ウエハの平面図である。 図4は、図1のレジスト塗布現像装置が備える待機部(WP)の断面図である。 図5は、センサ付ウエハの回路ブロック図である。 図6は、レジスト塗布現像装置において、制御部の制御による検査工程の流れを示すフローである。 図7は、図6の検査工程を所定枚数のウエハ処理毎に実施する場合の工程の流れを示すフローである。
符号の説明
1 キャリアステーションブロック(CSB)
2 プロセスブロック(PRB)
3 インタフェイスブロックメイン(IFBM)
4 インタフェイスブロックサブ(IFBS)
14 待機部(WP)
30 水平度センサ(検出手段)
31 温度センサ(検出手段)
32 微風速センサ(検出手段)
33 気圧センサ(検出手段)
34 湿度センサ(検出手段)
35 通信ユニット(第一の通信手段)
36 制御部(制御手段)
37 記録手段
40 CPU
41 RF回路(第二の通信手段)
42 不揮発メモリ(記録手段)
43 ROM
44 RAM
45 パージガスノズル(パージガス供給手段)
46 パージガス供給部(パージガス供給手段)
47 ベースユニット
48 スピンチャック
50 レジスト塗布現像装置(基板処理装置)
60 露光機
100 パターン形成装置
WS センサ付ウエハ(検査用基板)

Claims (15)

  1. 基板を処理する複数のモジュールを具備すると共に、前記複数のモジュールに対し所定の測定検査を行う基板処理装置であって、
    複数の異なる種別の測定を行う複数の検出手段及び該複数の検出手段による測定データを記録する記録手段を有する検査用基板と、
    前記検査用基板に対し前記複数のモジュールにおいて所定の処理が施されるよう制御する制御手段とを備え、
    前記制御手段は、前記複数のモジュールにおいて所定の処理が施された前記検査用基板から、前記記録手段に記録された複数の異なる種別の測定データをデータ通信により取得することを特徴とする基板処理装置。
  2. 前記検査用基板に対し前記複数のモジュールにおいて所定の処理が施されない期間に、前記検査用基板を収容する基板待機部を備えることを特徴とする請求項1に記載された基板処理装置。
  3. 前記基板待機部は、前記制御手段の制御により前記検査用基板とデータ通信するための第一の通信手段を備え、
    前記検査用基板は、前記第一の通信手段とデータ通信するための第二の通信手段を有し、
    前記第一の通信手段と前記第二の通信手段とは、有線または無線によりデータ通信を行うことを特徴とする請求項2に記載された基板処理装置。
  4. 前記基板待機部は、前記検査用基板に対し電源供給する電源供給手段を備え、
    前記検査用基板は、少なくとも前記複数の検出手段を含む電気回路を駆動させるための駆動電源を保持するバッテリを有し、
    前記電源供給手段は、前記バッテリに対し、有線または無線により電源供給して充電を行うことを特徴とする請求項2または請求項3に記載された基板処理装置。
  5. 前記基板待機部は、前記検査用基板の表面にパージガスを吹きつけるパージガス供給手段を備えることを特徴とする請求項2乃至請求項4のいずれかに記載された基板処理装置。
  6. 前記制御手段は、前記検査用基板を、設定された所定の時間が経過後、または、所定枚数の基板処理が完了後に、前記複数のモジュールにおいて所定の処理が施されるよう搬送制御することを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれかに記載された基板処理装置。
  7. 前記複数の異なる種別の測定を行う複数の検出手段は、前記検査用基板の水平度を測定する検出手段と、前記検査用基板の表面温度を検出する検出手段と、前記検査用基板の表面に対する風速を検出する手段と、前記検査用基板の表面における気圧を検出する手段と、前記検査用基板の表面における湿度を検出する手段のいずれか複数を含むことを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載された基板処理装置。
  8. 基板に対し処理を行う複数のモジュールを具備する基板処理装置に対し所定の測定検査を行う装置検査方法であって、
    複数の異なる種別の測定を行う複数の検出手段及び該複数の検出手段による測定データを記録する記録手段を有する検査用基板に対し、前記複数のモジュールにおいて所定の処理を実施させるステップと、
    前記各モジュールにおいて、前記検査用基板の前記検出手段により測定を行い、測定データを前記記録手段に記録させるステップと、
    前記複数のモジュールにおいて所定の処理が施された前記検査用基板から、前記記録手段に記録された複数の異なる種別の測定データを取得するステップとを実行することを特徴とする装置検査方法。
  9. 前記請求項8に記載の一連のステップを、所定の時間ごと、或いは前記基板処理装置における所定枚数の基板の処理ごとに実行するステップと、
    同一の前記検出手段による複数の測定結果から、その後の測定対象値及び複数種の測定から予測される検査事項が適正値外となるまでの基板処理可能枚数を予測するステップとを実行することを特徴とする請求項8に記載された装置検査方法。
  10. 前記基板処理可能枚数を予測するステップにおいて、
    前記基板処理可能枚数が所定枚数以下である場合、警告を発するステップを実行することを特徴とする請求項9に記載された装置検査方法。
  11. 前記基板処理可能枚数を予測するステップにおいて、
    前記基板処理可能枚数が所定枚数以下である場合、その予測に係る測定対象値が適正値となるよう調整するステップを実行することを特徴とする請求項9または請求項10に記載された装置検査方法。
  12. 前記記録手段に記録された複数の異なる種別の測定データを取得するステップにおいて、
    前記測定データを有線または無線のデータ通信により取得することを特徴とする請求項8乃至請求項11のいずれかに記載された装置検査方法。
  13. 前記複数の異なる種別の測定を行う複数の検出手段は、前記検査用基板の水平度を測定する検出手段と、前記検査用基板の表面温度を検出する検出手段と、前記検査用基板の表面に対する風速を検出する手段と、前記検査用基板の表面における気圧を検出する手段と、前記検査用基板の表面における湿度を検出する手段のいずれか複数を含むことを特徴とする請求項8乃至請求項12のいずれかに記載された装置検査方法。
  14. 前記請求項8乃至13のいずれかに記載された装置検査方法をコンピュータに実行させるためのプログラム。
  15. 前記請求項14に記載のプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
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