JP2004342822A - 液処理装置および液処理方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】液処理装置のサブタンク内に保管している薬液の新液を常温で保管することにより液の劣化を抑制しながら、液交換時の液温低下による装置稼働率の低下を防止する。
【解決手段】液処理装置は、所定の液温に温調された薬液を用いて基板に付着したレジストもしくは汚染物質の除去、または基板の洗浄を行う薬液処理槽2と、薬液を前記薬液処理槽へと供給する循環タンク4と、循環タンクとは独立して設けられたサブタンク12と、サブタンク内の液温を所定の温度に温調する温調手段5と、薬液処理槽の薬液の交換時期に対応して、サブタンク内の薬液の新液を温調手段によりあらかじめ所定の液温に温調した後に、サブタンク内に常温で保管された薬液を前記循環タンクへと供給する薬液供給手段とを備えている。
【選択図】 図1
【解決手段】液処理装置は、所定の液温に温調された薬液を用いて基板に付着したレジストもしくは汚染物質の除去、または基板の洗浄を行う薬液処理槽2と、薬液を前記薬液処理槽へと供給する循環タンク4と、循環タンクとは独立して設けられたサブタンク12と、サブタンク内の液温を所定の温度に温調する温調手段5と、薬液処理槽の薬液の交換時期に対応して、サブタンク内の薬液の新液を温調手段によりあらかじめ所定の液温に温調した後に、サブタンク内に常温で保管された薬液を前記循環タンクへと供給する薬液供給手段とを備えている。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、液晶表示装置等の半導体装置あるいは電気光学素子の製造における、薬液を用いた洗浄処理、エッチング処理、あるいはレジスト剥離処理等に使用可能な液処理装置、および液処理方法に関する。特に、レジスト剥離液などの薬液を使用して基板表面のレジストや汚染物質を除去、あるいは基板表面を洗浄するための液処理装置、および液処理方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
液晶表示装置の製造過程におけるレジスト剥離工程では、高温の剥離液を使用しており、規定枚数または規定使用時間に達すると液交換を実施することで、液のリフレッシュを図っている(例えば特許文献1参照)。その際交換される新液が常温で供給されると液処理装置が有する循環タンク内で温調する必要があるため、温調に要する時間がダウンタイムとなり装置稼働率の低下となる。そのダウンタイムを短縮するために、従来は、装置外のサブタンクにて事前に温調された薬液と交換する方式が主流となっている。
【0003】
【特許文献1】
特開2002−1245号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
従来の液交換システムにおいて薬液を高温に温調した状態で保持する場合、何らかの異種金属のタンク内への混入やタンク内のフロートセンサー等からの漏電等を要因とした電池反応により、例えばステンレス(SUS)等のタンク材質の腐食が加速され、タンクの寿命が著しく短くなることがあった。また薬液を高温に温調した状態で長期間保持することは、前記腐食の加速以外にも、局所排気への昇華による薬液の浪費もしくは薬液調合比率の変化や、長期間の高温保持による薬液の変質等の劣化を引き起こすという不具合が生じる。特に、レジスト剥離液のように、防曝仕様上かつ耐腐食性向上のために電界研磨されたステンレス(SUS)等の材質で形成されたタンクを用い、かつ、一般的なエッチング液よりも高温で液処理に供する薬液の場合、上記の問題が深刻であった。
【0005】
本発明は、サブタンク内で常時高温に温調された薬液を保持するのではなく、薬液交換に近くなったタイミングで温調を開始させることにより、サブタンク内での液の劣化やサブタンクの腐食を極力低減させることができるとともに、薬液交換時の装置のダウンタイムを短縮させ、生産能力の低下を極力低減させることを目的とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明の液処理装置は、所定の液温に温調された薬液を用いて、基板に付着したレジストや汚染物質の除去、または基板の洗浄を行う薬液処理槽と、前記薬液を前記薬液処理槽へ供給する循環タンクと、前記循環タンクとは別に少なくとも一つ以上のサブタンクと、前記サブタンク内の液温を所定の温度で温調する温調機構と、を有する液処理装置であって、前記サブタンク内には通常常温で薬液の新液が保管されており、前記薬液を前記薬液の新液に交換する時期に応じて前記サブタンク内の前記薬液の新液を前記温調機構により所定の液温に温調した後に、該所定の液温に温調した薬液の新液を前記循環タンクへと供給または前記循環タンク内の前記薬液との交換を実施する液交換手段を有することを特徴とするものである。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。図1に示すのが、温調された薬液を用いて、レジストや汚染物質の除去、または基板洗浄を行う装置の一例である。図2はカウンターの一例である。搬送ローラー1により薬液処理槽2に搬送された基板3を循環タンク4内の温調された薬液を薬液処理槽2に循環またはスプレー7によって薬液をふきかけることにより、基板3を浸漬またはスプレー処理するものである。規定時間処理後は次ユニットの薬液処理槽または水洗浄槽(図示せず)へと搬出されるものである。
【0008】
図1には薬液処理槽の概略図を示している。薬液処理槽2には循環タンク4が直結されており、該循環タンク4は温調器5およびヒーター6を有している。ここで処理中の薬液温度を制御している。また循環タンク4には新液を貯えたサブタンク12がつながっており、両タンク間にある新液供給バルブ11は、薬液処理中は常時閉じられている。サブタンク12内の新液は通常時は常温で貯蔵されるが、サブタンク12が有する温調器13およびヒーター14によりサブタンク12内の新液を温調することも可能である。この明細書でいう常温とは、薬液の劣化速度を充分低く維持できる程度の温度を言い、薬液の種類により異なるが、具体的例としては、薬液の融点以上30℃以下である。
【0009】
薬液処理装置には図2に一例として示すように、基板の処理枚数の表示値15が薬液交換設定値17に達した場合または薬液使用時間の表示値16が薬液交換設定値18に達した場合に薬液交換を開始するためのカウンター8が付帯してある。前記基板の処理枚数の表示値15と前記薬液使用時間の表示値16とは、薬液を交換した時点でいったんゼロにリセットされ、薬液交換後の装置稼動に伴って薬液交換後の累積値をカウントしていくものである。
【0010】
本実施例では前記カウンター8においてサブタンク温調開始設定枚数19とサブタンク温調開始設定時間20とを設定することが可能であり、これらの設定値は以下のようにして算出される。サブタンク12内の薬液温調に要する時間内に処理可能な基板枚数を算出し、該枚数を薬液交換設定枚数17から差し引いた枚数をサブタンク温調開始設定枚数19とする。同様に、サブタンク12内の薬液温調時間に要する時間を薬液交換設定時間18から差し引いた時間をサブタンク温調開始設定時間20とする。従って、管理パラメータとしては累積の基板枚数と累積時間の2種類が存在するが、これらは適宜使い分けてもよい。例えば、1枚ごとの処理時間が同一である場合は基板枚数のみで管理を行っても良い。また、例えば薬液疲労や基板上の設定膜厚が異なるといった事情などにより基板1枚当たりの処理時間が変化するような場合は、累積時間で管理してもよい。または、基板枚数と時間との両方でどちらか早い方またはどちらか遅い方のタイミングで液交換を行う運用でも良い。
【0011】
サブタンク温調開始設定枚数19とサブタンク温調開始設定時間20の入力は人手で行ってもよいし、薬液交換設定値17、18からサブタンク12内の薬液温調に要する時間内に処理可能な基板枚数またはサブタンク12内の薬液温調時間に要する時間を差し引いた値に自動的に設定されるようにしてもよい。前記カウンター8において、基板の処理枚数の表示値15がサブタンク温調開始設定枚数19に達するか、または、薬液使用時間の表示値16がサブタンク温調開始設定枚数20に達した場合、温調器13とヒーター14とが作動してサブタンク12内の新液の温調を開始する。温調が開始されてから、基板の処理枚数の表示値15が薬液交換設定値17に達して薬液交換動作を開始するまでの時間、または、薬液使用時間の表示値16が薬液交換設定値18に達して薬液交換動作を開始するまでの時間は、サブタンク12内の薬液温調に要する時間に実質的に等しいので、薬液交換動作開始時点ではサブタンク12内の薬液は所定の温度に温調されている。
【0012】
薬液交換動作においては、まず、薬液処理槽ドレインバルブ10および循環タンク廃液バルブ9が開き液処理装置内の廃液が実施される。次に廃液完了後は新液供給バルブ11が開きサブタンク12より新液が循環タンク4へ供給される。薬液交換後の循環タンク4内の新液は温調が完了した状態にあるため循環タンク4内の温調は不要であり薬液交換による装置のダウンタイムは廃液、給液に要する時間のみとなる。従って循環タンク4内の温調に要するはずだった時間が不要となるので稼働率の低下も起こらない。さらに、サブタンク12内の薬液は保持時間の大半において常温であるために、薬液の浪費や劣化、タンク内の劣化を極限に抑える事が可能となる。薬液交換が完了した後、サブタンク12内には再び薬液の新液が補充され、そのまま常温下で保管される。
【0013】
ここで、サブタンク12内に保管している新液の量が薬液交換に必要な量より多過ぎると、薬液交換後のサブタンク12内に温調された薬液が残留し、その後供給される常温の新液と混在したまま常温状態で保持されるため、サブタンク12内の薬液が劣化しやすくなる。また、温調に要する時間も長期になる。以上の不具合を防止するには、サブタンク12内に保管する新液の量としては1回の薬液交換に必要な量と同程度であることが望ましい。また、サブタンク12の容量も、1回の薬液交換に必要な容量と同程度であるのが、タンク熱容量やタンク製作費用の点からみて効率的であり望ましい。
【0014】
以上のように本実施例では新液温調と薬液交換のタイミングを事前に算出し、サブタンク12に設けた温調器13とヒーター14を用いてあらかじめ所定の温度に新液を温調しておくことによって、薬液と装置との劣化を抑えかつ処理効率の低下を抑制することが可能となる。ここで、温調の設定温度は、薬液がレジスト剥離液の場合は、レジストを良好に除去するために通常50〜80℃で使用される。また、薬液がアルミやアルミ合金膜をエッチングするエッチャントの場合は、適切なエッチングレートを得るために通常35〜60℃で使用される。
【0015】
また、本実施例においては、サブタンク温調開始設定枚数19またはサブタンク温調開始設定時間20の値として、薬液交換設定枚数17からサブタンク12内の薬液温調に要する時間内に処理可能な基板枚数を差し引いた枚数、または、薬液交換設定時間18からサブタンク12内の薬液温調時間に要する時間を差し引いた時間を使用した。この値をさらに多くまたは長くしても良い。もし、薬液交換時の循環槽4からの廃液に要する時間が充分長い場合、廃液動作中もサブタンク12内の温調は独立して行うことが可能であるから、廃液に要する時間もサブタンク12内の新液の温調時間として使用することが可能である。
【0016】
この場合、サブタンク温調開始設定枚数19の値は、廃液に要する時間内に処理可能な基板枚数に薬液交換設定枚数17を加えた値から、サブタンク12内の薬液温調に要する時間内に処理可能な基板枚数を差し引いた枚数となる。または、廃液に要する時間に薬液交換設定時間18を加えた値から、サブタンク12内の薬液温調時間に要する時間を差し引いた値となる。いずれの場合にもサブタンク12の温調開始のタイミングを本実施例よりも遅らせることが可能であるため、サブタンク12やサブタンク12内の新液に熱を加える時間もその分減少し、液やタンクの劣化を低減することができるという効果を奏する。また、温調を開始する方法としては、液処理装置の処理シーケンスで自動的に行っても良いし、カウンター8の表示やカウンター8と連動するアラーム(図示せず)により作業者が判断して行っても良い。
【0017】
また本発明の効果は前述の実施例で説明したような液処理装置単体の場合のみに限定されるものではない。例えば、他の装置に組み込まれた液処理装置ユニットの場合でも、本発明の液交換手段を適用することにより、同様の効果を奏することが可能である。さらに、本発明の効果は、特にレジスト剥離液のように、防曝仕様上かつ耐腐食性向上のために電界研磨されたステンレス(SUS)等の材質で形成されたタンクを用い、かつ、一般的なエッチング液よりも高温で液処理に供する薬液の場合に著しい効果を奏する。
【0018】
【発明の効果】
以上のように、本発明においては基板を処理する薬液を供給する循環タンクとは別に新液を保管する少なくともひとつ以上のサブタンクと、基板処理枚数および時間と処理規定値を表示するカウンターとを備えるとともに、前記サブタンクには温調器とヒーターを備えてあらかじめ保管新液を温調してから前記循環処理タンクに新液を供給するような液交換手段を有する液処理装置としたので、薬液とともに装置の劣化を抑え、かつ基板処理効率の低下を抑制することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の薬液を用いたレジスト除去や洗浄等の液処理装置の構成の一例を示す図である。
【図2】本発明の液処理装置に備えられるカウンターの一例を示す図である。
【符号の説明】
1 搬送ローラー
2 薬液処理槽
3 基板
4 循環タンク
5 温調器
6 ヒーター
7 スプレー
8 カウンター
9 循環タンク廃液バルブ
10 薬液処理槽ドレインバルブ
11 新液供給バルブ
12 サブタンク
13 温調器
14 ヒーター
15 処理枚数の表示値
16 薬液使用時間の表示値
17 薬液交換設定枚数
18 薬液交換設定時間
19 サブタンク温調開始設定枚数
20 サブタンク温調開始設定時間
【発明の属する技術分野】
本発明は、液晶表示装置等の半導体装置あるいは電気光学素子の製造における、薬液を用いた洗浄処理、エッチング処理、あるいはレジスト剥離処理等に使用可能な液処理装置、および液処理方法に関する。特に、レジスト剥離液などの薬液を使用して基板表面のレジストや汚染物質を除去、あるいは基板表面を洗浄するための液処理装置、および液処理方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
液晶表示装置の製造過程におけるレジスト剥離工程では、高温の剥離液を使用しており、規定枚数または規定使用時間に達すると液交換を実施することで、液のリフレッシュを図っている(例えば特許文献1参照)。その際交換される新液が常温で供給されると液処理装置が有する循環タンク内で温調する必要があるため、温調に要する時間がダウンタイムとなり装置稼働率の低下となる。そのダウンタイムを短縮するために、従来は、装置外のサブタンクにて事前に温調された薬液と交換する方式が主流となっている。
【0003】
【特許文献1】
特開2002−1245号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
従来の液交換システムにおいて薬液を高温に温調した状態で保持する場合、何らかの異種金属のタンク内への混入やタンク内のフロートセンサー等からの漏電等を要因とした電池反応により、例えばステンレス(SUS)等のタンク材質の腐食が加速され、タンクの寿命が著しく短くなることがあった。また薬液を高温に温調した状態で長期間保持することは、前記腐食の加速以外にも、局所排気への昇華による薬液の浪費もしくは薬液調合比率の変化や、長期間の高温保持による薬液の変質等の劣化を引き起こすという不具合が生じる。特に、レジスト剥離液のように、防曝仕様上かつ耐腐食性向上のために電界研磨されたステンレス(SUS)等の材質で形成されたタンクを用い、かつ、一般的なエッチング液よりも高温で液処理に供する薬液の場合、上記の問題が深刻であった。
【0005】
本発明は、サブタンク内で常時高温に温調された薬液を保持するのではなく、薬液交換に近くなったタイミングで温調を開始させることにより、サブタンク内での液の劣化やサブタンクの腐食を極力低減させることができるとともに、薬液交換時の装置のダウンタイムを短縮させ、生産能力の低下を極力低減させることを目的とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明の液処理装置は、所定の液温に温調された薬液を用いて、基板に付着したレジストや汚染物質の除去、または基板の洗浄を行う薬液処理槽と、前記薬液を前記薬液処理槽へ供給する循環タンクと、前記循環タンクとは別に少なくとも一つ以上のサブタンクと、前記サブタンク内の液温を所定の温度で温調する温調機構と、を有する液処理装置であって、前記サブタンク内には通常常温で薬液の新液が保管されており、前記薬液を前記薬液の新液に交換する時期に応じて前記サブタンク内の前記薬液の新液を前記温調機構により所定の液温に温調した後に、該所定の液温に温調した薬液の新液を前記循環タンクへと供給または前記循環タンク内の前記薬液との交換を実施する液交換手段を有することを特徴とするものである。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。図1に示すのが、温調された薬液を用いて、レジストや汚染物質の除去、または基板洗浄を行う装置の一例である。図2はカウンターの一例である。搬送ローラー1により薬液処理槽2に搬送された基板3を循環タンク4内の温調された薬液を薬液処理槽2に循環またはスプレー7によって薬液をふきかけることにより、基板3を浸漬またはスプレー処理するものである。規定時間処理後は次ユニットの薬液処理槽または水洗浄槽(図示せず)へと搬出されるものである。
【0008】
図1には薬液処理槽の概略図を示している。薬液処理槽2には循環タンク4が直結されており、該循環タンク4は温調器5およびヒーター6を有している。ここで処理中の薬液温度を制御している。また循環タンク4には新液を貯えたサブタンク12がつながっており、両タンク間にある新液供給バルブ11は、薬液処理中は常時閉じられている。サブタンク12内の新液は通常時は常温で貯蔵されるが、サブタンク12が有する温調器13およびヒーター14によりサブタンク12内の新液を温調することも可能である。この明細書でいう常温とは、薬液の劣化速度を充分低く維持できる程度の温度を言い、薬液の種類により異なるが、具体的例としては、薬液の融点以上30℃以下である。
【0009】
薬液処理装置には図2に一例として示すように、基板の処理枚数の表示値15が薬液交換設定値17に達した場合または薬液使用時間の表示値16が薬液交換設定値18に達した場合に薬液交換を開始するためのカウンター8が付帯してある。前記基板の処理枚数の表示値15と前記薬液使用時間の表示値16とは、薬液を交換した時点でいったんゼロにリセットされ、薬液交換後の装置稼動に伴って薬液交換後の累積値をカウントしていくものである。
【0010】
本実施例では前記カウンター8においてサブタンク温調開始設定枚数19とサブタンク温調開始設定時間20とを設定することが可能であり、これらの設定値は以下のようにして算出される。サブタンク12内の薬液温調に要する時間内に処理可能な基板枚数を算出し、該枚数を薬液交換設定枚数17から差し引いた枚数をサブタンク温調開始設定枚数19とする。同様に、サブタンク12内の薬液温調時間に要する時間を薬液交換設定時間18から差し引いた時間をサブタンク温調開始設定時間20とする。従って、管理パラメータとしては累積の基板枚数と累積時間の2種類が存在するが、これらは適宜使い分けてもよい。例えば、1枚ごとの処理時間が同一である場合は基板枚数のみで管理を行っても良い。また、例えば薬液疲労や基板上の設定膜厚が異なるといった事情などにより基板1枚当たりの処理時間が変化するような場合は、累積時間で管理してもよい。または、基板枚数と時間との両方でどちらか早い方またはどちらか遅い方のタイミングで液交換を行う運用でも良い。
【0011】
サブタンク温調開始設定枚数19とサブタンク温調開始設定時間20の入力は人手で行ってもよいし、薬液交換設定値17、18からサブタンク12内の薬液温調に要する時間内に処理可能な基板枚数またはサブタンク12内の薬液温調時間に要する時間を差し引いた値に自動的に設定されるようにしてもよい。前記カウンター8において、基板の処理枚数の表示値15がサブタンク温調開始設定枚数19に達するか、または、薬液使用時間の表示値16がサブタンク温調開始設定枚数20に達した場合、温調器13とヒーター14とが作動してサブタンク12内の新液の温調を開始する。温調が開始されてから、基板の処理枚数の表示値15が薬液交換設定値17に達して薬液交換動作を開始するまでの時間、または、薬液使用時間の表示値16が薬液交換設定値18に達して薬液交換動作を開始するまでの時間は、サブタンク12内の薬液温調に要する時間に実質的に等しいので、薬液交換動作開始時点ではサブタンク12内の薬液は所定の温度に温調されている。
【0012】
薬液交換動作においては、まず、薬液処理槽ドレインバルブ10および循環タンク廃液バルブ9が開き液処理装置内の廃液が実施される。次に廃液完了後は新液供給バルブ11が開きサブタンク12より新液が循環タンク4へ供給される。薬液交換後の循環タンク4内の新液は温調が完了した状態にあるため循環タンク4内の温調は不要であり薬液交換による装置のダウンタイムは廃液、給液に要する時間のみとなる。従って循環タンク4内の温調に要するはずだった時間が不要となるので稼働率の低下も起こらない。さらに、サブタンク12内の薬液は保持時間の大半において常温であるために、薬液の浪費や劣化、タンク内の劣化を極限に抑える事が可能となる。薬液交換が完了した後、サブタンク12内には再び薬液の新液が補充され、そのまま常温下で保管される。
【0013】
ここで、サブタンク12内に保管している新液の量が薬液交換に必要な量より多過ぎると、薬液交換後のサブタンク12内に温調された薬液が残留し、その後供給される常温の新液と混在したまま常温状態で保持されるため、サブタンク12内の薬液が劣化しやすくなる。また、温調に要する時間も長期になる。以上の不具合を防止するには、サブタンク12内に保管する新液の量としては1回の薬液交換に必要な量と同程度であることが望ましい。また、サブタンク12の容量も、1回の薬液交換に必要な容量と同程度であるのが、タンク熱容量やタンク製作費用の点からみて効率的であり望ましい。
【0014】
以上のように本実施例では新液温調と薬液交換のタイミングを事前に算出し、サブタンク12に設けた温調器13とヒーター14を用いてあらかじめ所定の温度に新液を温調しておくことによって、薬液と装置との劣化を抑えかつ処理効率の低下を抑制することが可能となる。ここで、温調の設定温度は、薬液がレジスト剥離液の場合は、レジストを良好に除去するために通常50〜80℃で使用される。また、薬液がアルミやアルミ合金膜をエッチングするエッチャントの場合は、適切なエッチングレートを得るために通常35〜60℃で使用される。
【0015】
また、本実施例においては、サブタンク温調開始設定枚数19またはサブタンク温調開始設定時間20の値として、薬液交換設定枚数17からサブタンク12内の薬液温調に要する時間内に処理可能な基板枚数を差し引いた枚数、または、薬液交換設定時間18からサブタンク12内の薬液温調時間に要する時間を差し引いた時間を使用した。この値をさらに多くまたは長くしても良い。もし、薬液交換時の循環槽4からの廃液に要する時間が充分長い場合、廃液動作中もサブタンク12内の温調は独立して行うことが可能であるから、廃液に要する時間もサブタンク12内の新液の温調時間として使用することが可能である。
【0016】
この場合、サブタンク温調開始設定枚数19の値は、廃液に要する時間内に処理可能な基板枚数に薬液交換設定枚数17を加えた値から、サブタンク12内の薬液温調に要する時間内に処理可能な基板枚数を差し引いた枚数となる。または、廃液に要する時間に薬液交換設定時間18を加えた値から、サブタンク12内の薬液温調時間に要する時間を差し引いた値となる。いずれの場合にもサブタンク12の温調開始のタイミングを本実施例よりも遅らせることが可能であるため、サブタンク12やサブタンク12内の新液に熱を加える時間もその分減少し、液やタンクの劣化を低減することができるという効果を奏する。また、温調を開始する方法としては、液処理装置の処理シーケンスで自動的に行っても良いし、カウンター8の表示やカウンター8と連動するアラーム(図示せず)により作業者が判断して行っても良い。
【0017】
また本発明の効果は前述の実施例で説明したような液処理装置単体の場合のみに限定されるものではない。例えば、他の装置に組み込まれた液処理装置ユニットの場合でも、本発明の液交換手段を適用することにより、同様の効果を奏することが可能である。さらに、本発明の効果は、特にレジスト剥離液のように、防曝仕様上かつ耐腐食性向上のために電界研磨されたステンレス(SUS)等の材質で形成されたタンクを用い、かつ、一般的なエッチング液よりも高温で液処理に供する薬液の場合に著しい効果を奏する。
【0018】
【発明の効果】
以上のように、本発明においては基板を処理する薬液を供給する循環タンクとは別に新液を保管する少なくともひとつ以上のサブタンクと、基板処理枚数および時間と処理規定値を表示するカウンターとを備えるとともに、前記サブタンクには温調器とヒーターを備えてあらかじめ保管新液を温調してから前記循環処理タンクに新液を供給するような液交換手段を有する液処理装置としたので、薬液とともに装置の劣化を抑え、かつ基板処理効率の低下を抑制することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の薬液を用いたレジスト除去や洗浄等の液処理装置の構成の一例を示す図である。
【図2】本発明の液処理装置に備えられるカウンターの一例を示す図である。
【符号の説明】
1 搬送ローラー
2 薬液処理槽
3 基板
4 循環タンク
5 温調器
6 ヒーター
7 スプレー
8 カウンター
9 循環タンク廃液バルブ
10 薬液処理槽ドレインバルブ
11 新液供給バルブ
12 サブタンク
13 温調器
14 ヒーター
15 処理枚数の表示値
16 薬液使用時間の表示値
17 薬液交換設定枚数
18 薬液交換設定時間
19 サブタンク温調開始設定枚数
20 サブタンク温調開始設定時間
Claims (10)
- 所定の液温に温調された薬液を用いて、基板に付着したレジストもしくは汚染物質の除去、または基板の洗浄を行う薬液処理槽と、
前記薬液を前記薬液処理槽へと供給する循環タンクと、
前記循環タンクとは独立して設けられたサブタンクと、
前記サブタンク内の液温を所定の温度に温調する温調手段と、
前記薬液処理槽の薬液の交換時期に対応して、前記サブタンク内の薬液の新液を前記温調手段によりあらかじめ所定の液温に温調した後に、前記サブタンク内に常温で保管された薬液を前記循環タンクへと供給する薬液供給手段と、
を備えたことを特徴とする液処理装置。 - 前記薬液供給手段は、
前記薬液処理槽の薬液の交換後における前記基板の処理枚数を記録する第1のカウンターと、
前記薬液処理槽の薬液の交換が必要となる前記基板の処理枚数を設定する第2のカウンターと、
を備えることを特徴とする請求項1記載の液処理装置。 - 前記薬液処理槽の薬液の交換が必要となる前記基板の処理枚数を設定する第2のカウンターの値から、前記サブタンク内の薬液を所定の液温に温調するために必要な時間内に処理可能な前記基板の枚数を差し引いた値を設定する第3のカウンターをさらに備えることを特徴とする請求項2記載の液処理装置。
- 前記薬液供給手段は、
前記薬液処理槽の薬液の交換後における前記基板の処理時間の累積値を記録する第4のカウンターと、
前記薬液処理槽の薬液の交換が必要となる前記基板の処理時間を設定する第5のカウンターと、
を備えることを特徴とする請求項1記載の液処理装置。 - 前記薬液処理槽の薬液の交換が必要となる前記基板の処理時間を設定する第5のカウンターの値から、前記サブタンク内の薬液を所定の液温に温調するために必要な時間を差し引いた値を設定する第6のカウンターをさらに備えることを特徴とする請求項4記載の液処理装置。
- 薬液処理槽において所定の液温に温調された薬液を用いて、基板に付着したレジストもしくは汚染物質の除去、または基板の洗浄を行う工程と、
循環タンクから前記薬液処理槽へと前記薬液を供給する工程と、
前記循環タンクとは独立して設けられたサブタンク内の液温を温調する工程と、
前記薬液処理槽の薬液の交換時期に対応して、前記サブタンク内に常温で保管された薬液を所定の液温に温調した後に前記循環タンクへと供給する工程と、
を含むことを特徴とする液処理方法。 - 前記サブタンク内に保管された薬液を前記循環タンクへと供給する工程は、
前記薬液処理槽の薬液の交換後における前記基板の処理枚数を第1のカウンターにより記録する工程と、
前記薬液処理槽の薬液の交換が必要となる前記基板の処理枚数を第2のカウンターにより設定する工程と、
第3のカウンターにより前記サブタンク内に保管された薬液の温調を開始する前記基板の処理枚数を設定する工程と、
前記第1のカウンターの累積値が前記第3のカウンターの設定値に達した時点で、前記サブタンク内の薬液の温調を開始する工程と、
前記サブタンク内の薬液を所定の液温に温調した後に前記循環タンクへと供給する工程と、
を備えることを特徴とする請求項6記載の液処理方法。 - 前記薬液処理槽の薬液の交換が必要となる前記基板の処理枚数を設定する第2のカウンターの値から、前記サブタンク内の薬液を所定の液温に温調するために必要な時間内に処理可能な前記基板の枚数を差し引いた値を第3のカウンターに設定する工程をさらに備えることを特徴とする請求項7記載の液処理方法。
- 前記サブタンク内に保管された薬液を前記循環タンクへと供給する工程は、
第4のカウンターにより前記薬液処理槽の薬液の交換後における前記基板の処理時間の累積値を記録する工程と、
第5のカウンターにより前記薬液処理槽の薬液の交換が必要となる前記基板の処理時間を設定する工程と、
第6のカウンターにより前記サブタンク内に保管された薬液の温調を開始する前記基板の処理時間を設定する工程と、
前記第4のカウンターの累積値が、前記第6のカウンターの設定値に達した時点で、前記サブタンク内の薬液の温調を開始する工程と、
前記サブタンク内の薬液を所定の液温に温調した後に前記循環タンクへと供給する工程と、
を備えることを特徴とする請求項6記載の液処理方法。 - 前記薬液処理槽の薬液の交換が必要となる前記基板の処理時間を設定する第5のカウンターの値から、前記サブタンク内の薬液を所定の液温に温調するために必要な時間を差し引いた値を第6のカウンターにより設定する工程をさらに備えることを特徴とする請求項9記載の液処理方法。
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