JP2007315669A - 熱処理炉及び熱処理炉用バーナーポート - Google Patents

熱処理炉及び熱処理炉用バーナーポート Download PDF

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Abstract

【課題】加熱バーナー周囲の炉壁等の亀裂や剥落を防止でき、かつ、熱処理炉の立ち上げ、休止の時間を短縮できる鋼材の加熱式熱処理炉の提供。
【解決手段】熱処理炉は、少なくとも炉壁内側にセラミックファイバー3が配設された炉壁構造を具備し、炉壁に設けられた挿入孔にバーナー2が設置され、該バーナー2の炉内側に、YSi相とErSi相とYbSi相の少なくとも1相を2.5〜4.8質量%、SiO相を2〜6.5質量%、平均粒径0.1μm以上0.7μm以下のSiC質粒子を2〜5質量%、及び、β-Si及び不可避的不純物を残部とする組成である窒化珪素質セラミックス焼結体で構成されたバーナーポート4が隣接して配置され、かつ、該バーナーポートの先端が炉内壁面より炉内側に突出して配置されている。
【選択図】図1

Description

本発明は、鋼材等にバーナーから燃焼ガスを吹き付けて加熱、熱処理するための熱処理炉、及びこの熱処理炉に用いられる熱処理炉用バーナーポートに関するものである。
従来、鋼材等を加熱して熱処理する炉の一つとして、炉壁に加熱バーナーを設けて、加熱バーナーの燃焼ガスを鋼材に吹き付け、または輻射的に加熱する熱処理炉が用いられている。その代表的な炉としては、線材や鋼片の熱延前または連続式溶融金属めっきのめっき前の熱処理炉がある。
例えば、連続式溶融金属めっきラインでは、冷延鋼板を加熱焼鈍する熱処理炉と溶融めっき槽とから構成されている。具体的には、冷延鋼板に高温の燃焼ガスをバーナーから吹き付ける直火加熱式熱処理炉にて加熱し、次いで間接加熱式熱処理炉、例えばラジアントチューブ式熱処理炉の還元性雰囲気中で鋼板を加熱する。直火加熱式熱処理炉では、還元バーナーから燃焼ガスを吹き付けて加熱するため、鋼板を急速に加熱でき、そして、鋼板表面に薄い酸化膜を形成する。
この酸化膜は間接加熱式熱処理炉の還元雰囲気により還元され、鋼板表面の酸化膜が除去されて溶融めっきに適した鋼板の表面が形成される。このため、連続溶融金属めっきラインにおいては直火加熱式熱処理炉と間接加熱式熱処理炉とを組み合わせて用いる設備が一般的に使用されている。
間接加熱式熱処理炉の還元雰囲気中で還元処理した鋼板は、引き続き均熱炉で均熱した後に、冷却炉内の徐冷炉で所定の温度まで徐冷し、急冷炉で急冷して、溶融金属めっき槽で溶融めっきが行われる。
連続式溶融金属めっきラインに設けられている直火加熱式熱処理炉は、従来その炉壁等が不定形耐火物或いはレンガで構成されており、炉壁に設置されているバーナーは不定形耐火物(耐火キャスタブル)で取り囲まれていた。
バーナー周囲の耐火物は、バーナーの点火燃焼、消火の切り替えによる長年のヒートサイクルおよび熱衝撃を受け、バーナー周囲の壁面に亀裂や層状の剥落が生じていた。剥落した耐火物は、鋼板に付着したり、鋼板とハースロールの間に挟まって鋼板を疵付けていた。
また、不定形耐火物或いはレンガは熱容量が大きいため、炉の立ち上げ時間(例えば約8時間)または休止のための冷却時間(例えば約24時間)に長時間を要し、補修が長引き、生産性低下の主因となっていた。
耐火物の亀裂や層状の剥落を防止する技術として、特許文献1で開示されているように、熱衝撃に強いセラミックファイバー製バーナータイルを用いることが提案されている。この特許文献1で開示される一例としては、セラミックファイバーブランケットを十文字または放射状あるいはモザイク状に積層し、バーナータイルの中央部に形成する炉内面側で拡開するラッパ状または円筒状のバーナー挿入孔にセラミックファイバーブランケットの繊維先端を位置せしめ、バーナー挿入孔の局部的な繊維の吹き飛びを防止し、耐用年数の延長を計る発明である。
しかし、加熱式バーナーは高流速炎を発生し、その流速は50m/秒にも達するものであるから、この発明の炉壁では耐風速性が十分とは言えず、しかもセラミックファイバーブランケットを複雑な構造に加工し、設置するのが困難であり、材料コストも高くなるので、工業的設備としては問題があるものと考えられる。
他に、例えば特許文献2で開示されているように、従来の角型セラミックバーナータイルでは、タイル内部に熱応力による歪が発生し、亀裂が生じるので、円筒状二層構造のセラミックバーナータイルを使用し、寿命の延長を計る技術が提案されている。この特許文献2では、外形円筒状で円形ラッパ状のセラミックバーナータイルと、これに嵌着する円筒状のスリーブからなる円筒二層構造のセラミックバーナータイルが開示されている。
しかし、このようなセラミックバーナータイルはバーナー火炎の直進性を維持するものでなく、円筒状セラミックバーナーポート材の耐熱性に関する記述もないため十分でないと考えられる。
そこで、例えば特許文献3で開示されているように、抗折強さが大気中1400℃にて500MPa以上の焼結体をセラミックバーナーポート材に適用することが考えられる。
しかし、この特許文献3に開示された焼結体を用いたとしても、鋼材等にバーナーから燃焼ガスを吹き付けて加熱、熱処理するための熱処理炉等では、1500℃以上のより高い温度に晒される使用環境であるため、長期耐久性に劣り、粒界相の主相(β-Si34)に対する割合が高いことにより、繰り返し熱衝撃による膨張・収縮に伴う劣化の速度が高まるため、十分ではなく、1500℃以上の高温でも長期耐久性に優れた焼結体が望まれていた。
特開平6−281132号公報 実開平5−17338号公報 特開2004−59346号公報
そこで、本発明では、1500℃以上の高温でも長期耐久性に優れた焼結体をセラミックバーナーポート材に適用することにより、鋼板に付着したり、鋼板とハースロールとの間に挟まって鋼板表面を疵付ける原因となる加熱バーナー周囲の炉壁等の亀裂や剥落を防止でき、かつ、熱処理炉の立ち上げ、休止の時間を短縮できる鋼材の加熱式熱処理炉、及びこの熱処理炉に用いられる熱処理炉用バーナーポートを提供することを目的とするものである。
本発明者らは、加熱式熱処理炉の炉壁耐火物の亀裂や剥落を防止できる耐火材として、熱容量の小さいセラミックファイバーに着目し、これを炉壁耐火材として使用することについて鋭意研究をした。
その結果、熱延前の熱処理炉や、連続式溶融金属めっきのめっき前の熱処理炉等について、セラミックファイバーを炉壁材として使用し、炉壁に設けられたバーナー用挿入孔にバーナーポートを設置して使用すると、セラミックファイバーは、耐熱スポール性に優れており、耐熱衝撃性が高いので炉壁に亀裂や剥落は生じないが、バーナーポート部材の経年劣化という問題が生じたり、また、炉内を通板する鋼板が炉内で板厚方向に揺動した際に、炉壁のセラミックファイバーと鋼板とが接触して、炉壁のセラミックファイバーが破損するという問題が生じることが判った。
これらの問題は、バーナー燃焼管外側にYSi相とErSi相とYbSi相の少なくとも1相を2.5〜4.8質量%、SiO相を2〜6.5質量%、平均粒径0.1μm以上0.7μm以下のSiC質粒子を2〜5質量%、並びに、β-Si及び不可避的不純物を残部とする組成である窒化珪素質セラミックス焼結体バーナーポート(筒)を配置することで、解決できることを知見し、1500℃以上の高温でも長期耐久性に優れた焼結体とすることができることを知見した。
また、該バーナーポートを炉壁面より突出させてプロテクターの機能を具備させることで、板厚方向に揺動した鋼板が該バーナーポートの先端と先に接触してプロテクトするので、セラミックファイバー炉壁との接触が防止できることを知見した。
そして、セラミックファイバーは熱容量が不定形耐火物或いはレンガに比較して小さいので、セラミックファイバーを炉壁に用いた炉は、炉の立ち上げのための昇温に要する時間及び休止のための冷却に要する時間を大幅に(半分以下に)短縮できることを知見した。
また、炉内のドッグボーンを吹き抜ける加熱バーナーから炉内に噴出した排ガス流速は、25m/秒にも達し、セラミックファイバー製炉壁のセラミックファイバーを吹き飛ばし炉壁を損傷させる問題が生じるが、この問題は該セラミックバーナーポートがセラミックファイバーを固定するアンカーの役割を果たし、解決できることを知見した。
本発明は、これらの新たな知見に基づいて完成したもので、その発明の要旨は次の通りである。
(1) 炉壁に1つ以上のバーナーが配設されている熱処理炉において、少なくとも炉壁内側にセラミックファイバーが配設された炉壁構造を具備し、炉壁に設けられた挿入孔にバーナーが設置され、該バーナーの炉内側に、YSi相とErSi相とYbSi相の少なくとも1相を2.5〜4.8質量%、SiO相を2〜6.5質量%、平均粒径0.1μm以上0.7μm以下のSiC質粒子を2〜5質量%、並びに、β-Si及び不可避的不純物を残部とする組成である窒化珪素質セラミックス焼結体で構成されたバーナーポートが隣接して配置され、かつ、該バーナーポートの先端が炉内壁面より炉内側に突出して配置されたことを特徴とする熱処理炉。
(2) 前記バーナーポートの外側に、前記窒化珪素質セラミックス焼結体で構成されたバーナーポート支持用部材が配置され、かつ、該バーナーポート支持用部材の先端が炉内壁面より炉内側に突出して配置されたことを特徴とする(1)に記載の熱処理炉。
(3) 炉壁に1つ以上のバーナーが配設されている熱処理炉において、少なくとも炉壁内側にセラミックファイバーが配設された炉壁構造を具備し、炉壁に設けられた挿入孔にバーナーが設置され、該バーナーの先端部の外側に、YSi相とErSi相とYbSi相の少なくとも1相を2.5〜4.8質量%、SiO相を2〜6.5質量%、平均粒径0.1μm以上0.7μm以下のSiC質粒子を2〜5質量%、並びに、β-Si及び不可避的不純物を残部とする組成である窒化珪素質セラミックス焼結体で構成されたバーナーポートが嵌合され、かつ、該バーナーポートの先端が炉内壁面より炉内側に突出して配置されたことを特徴とする熱処理炉。
(4) 前記窒化珪素質セラミックス焼結体が、98%以上の相対密度を有することを特徴とする(1)〜(3)のいずれかに記載の熱処理炉。
(5) 前記バーナーポートの先端、またはバーナーポートの支持用部材の先端が、炉内壁面より炉内側に5mm以上30mm以下突出して配置されたことを特徴とする(1)〜(4)のいずれかに記載の熱処理炉。
(6) 少なくとも炉壁内側にセラミックファイバーが配設された炉壁構造を具備し、炉壁に設けられた挿入孔にバーナーが設置された熱処理炉の前記バーナーの炉内側に隣接して配置される熱処理炉用バーナーポートであって、YSi相とErSi相とYbSi相の少なくとも1相を2.5〜4.8質量%、SiO相を2〜6.5質量%、平均粒径0.1μm以上0.7μm以下のSiC質粒子を2〜5質量%、並びに、β-Si及び不可避的不純物を残部とする組成である窒化珪素質セラミックス焼結体から構成されることを特徴とする熱処理炉用バーナーポート。
本発明の加熱式熱処理炉は、炉壁等に熱容量が小さく、耐衝撃性、耐スポール性に優れたセラミックファイバーを用い、また、熱的安定性、機械的安定性に優れ、長期耐久性を有する窒化珪素質セラミックス焼結体をバーナーポート用部材等に用いていることにより、加熱バーナー周囲の炉壁等の亀裂や剥落を防止でき、バーナー火炎の風速によってその破片が炉内を通板する鋼板に付着したり、炉壁剥落に起因する疵がついたりすることも無い。
また、炉の立ち上げや休止に要する時間が大幅に短縮できるので、生産性の向上を図ることができる。
以下本発明を詳細に説明する。
加熱式熱処理炉は、その炉壁等が不定形耐火物で構成されていて、炉壁に設置されているバーナーは不定形耐火物(耐火キャスタブル)或いはレンガで取り囲まれている。
バーナー周囲の耐火物は、バーナーの点火燃焼、消火の切り替えによる長年のヒートサイクルおよび熱衝撃を受け、バーナー周囲の壁面に亀裂や層状の剥落が生じたり、アンカー煉瓦の首切れにより追出し(せりだし)が大きくなる。
また、耐火物は熱容量が大きいため、炉の立ち上げ時間(例えば約8時間)または休止のための冷却時間(例えば約24時間)に長時間を要し、定期修理が長引き、生産性の向上を阻害するという問題があった。
本発明は、加熱式熱処理炉の炉壁等に熱容量が小さく、耐衝撃性、耐スポール性に優れたセラミックファイバー、およびYSi相とErSi相とYbSi相の少なくとも1相を2.5〜4.8質量%、SiO相を2〜6.5質量%、平均粒径0.1μm以上0.7μm以下のSiC質粒子を2〜5質量%、並びに、β-Si及び不可避的不純物を残部とする組成である窒化珪素質セラミックス焼結体バーナーポートを用いることでこれらの問題を解決したものである。
〔第1の実施の形態〕
図1は、本発明の直火加熱式熱処理炉の炉壁構造の第1の実施の形態を例示的に示す図である。
図1に示すように、内部に鋼板1が通板する加熱式熱処理炉の炉壁等は、炉内壁側に炉内上昇気流に対する耐風速性セラミックファイバー3を設置し、その外側にセラミックファイバーのブランケット材8を設置している。そして、炉壁の挿入孔に燃焼バーナー2を配置している。
炉壁をセラミックファイバーのブランケット材だけで構成した場合、燃焼バーナーから炉内に噴出し、炉内側面にある煙道を吹き抜ける排ガス流速は、25m/秒にも達し、炉壁のセラミックファイバーのブランケット材のファイバーを吹き飛ばすこととなり、炉壁を損傷させる。
さらに、耐風速性セラミックファイバーだけで炉壁内側を構成した場合、炉内側面にある煙道を吹き抜ける排ガス流速である25m/秒程度であれば、耐風速性は確保できるものの、炉壁のバーナー挿入孔における燃焼バーナーからの燃焼ガスの流速については50m/秒にも達するので、燃焼バーナーの燃焼ガス炎と接触する耐風速性セラミックファイバーでも耐風速性が足りず、燃焼ガス流によってファイバーが吹き飛ばされ、炉壁の損傷が発生し、火炎の直進性を損なうことになる。
そこで、第1の実施の形態では、図1に示すように、燃焼バーナー2の燃焼ガス炎に起因する炉壁の損傷の発生を防止するために、YSi相とErSi相とYbSi相の少なくとも1相を2.5〜4.8質量%、SiO相を2〜6.5質量%、平均粒径0.1μm以上0.7μm以下のSiC質粒子を2〜5質量%、並びに、β-Si及び不可避的不純物を残部とする組成である窒化珪素質セラミックス焼結体のバーナーポート4を、燃焼バーナー2の炉内側に隣接して配置し、その先端を炉壁面(パネル面)より突出させて配置している。
これにより、バーナー燃焼炎とセラミックファイバー3との接触がバーナーポート4によって防止できるので、炉壁の損傷を生じることがない。
また、炉壁面よりバーナーポート4先端を炉内側へ突出させることで、セラミックファイバー炉壁と鋼板1との接触による炉壁面損傷のプロテクターの機能を持たせることができる。
ここで、炉壁面からのバーナーポート4の炉内側への突出距離L1を5〜30mmとすることで、炉内を通板する鋼板1(板厚0.6〜6.0mm)が板厚方向に揺動しても、鋼板1はバーナーポート4と先に接触し、炉壁セラミックファイバー面と直接接触することがないため、好ましい。
この突出距離が5mm未満であるとプロテクターの機能を持たせることが十分にはできず、一方30mmを超えると鋼板との不必要な接触が生じやすくなるので好ましくない。
さらに、図1に示す様に、バーナーポート4の外側に、YSi相とErSi相とYbSi相の少なくとも1相を2.5〜4.8質量%、SiO相を2〜6.5質量%、平均粒径0.1μm以上0.7μm以下のSiC質粒子を2〜5質量%、並びに、β-Si及び不可避的不純物を残部とする組成である窒化珪素質セラミックス焼結体で構成されたバーナーポート支持用部材5が配置されていても良い。
このバーナーポート支持用部材5の先端も、炉内壁面より炉内側に突出して配置されていることが好ましく、炉内側への突出距離L2は、バーナーポート4の場合と同様の理由により、5〜30mmが好ましい。
また、上記の窒化珪素質セラミックス焼結体は、バーナーポートやバーナーポート支持材に限らず、バーナー本体や、バーナータイルの外周部、鋼板の接触からセラミックファイバー等を防御する各種プロテクター部材への適用も可能である。
なお、セラミックファイバーは、例えば、アルミナ含有量が40〜75質量%、シリカ含有量が25〜60質量%のアルミナ−シリカを主成分とするものを用いることができる。
セラミックファイバーの熱容量は、8.4〜16.7×10J/m3・℃程度であり、不定形キャスタブル或いはレンガの熱容量167.4〜251.1×10J/m3・℃程度と比較して、熱容量が十分に小さく、耐熱衝撃性も優れている。
従って、加熱式熱処理炉の炉壁等にセラミックファイバーを使用すると、炉壁等は熱しやすく、冷めやすいので、加熱式熱処理炉の立ち上げのための昇温時間、および、休止(消火)のための冷却時間を大幅に短縮できる。
即ち、従来の耐火物構造の加熱式熱処理炉では、例えば、熱処理炉の立ち上げに約8時間、休止のために約24時間を要したが、本発明の加熱式熱処理炉によれば、それぞれその約1/2の時間で立ち上げ、休止を行なうことが可能である。
また、セラミックファイバーは、耐熱衝撃性、耐スポール性に優れているため、炉壁に亀裂や層状の剥落が発生することも防止できる。
さらに、図1に示す様に、炉壁内側にセラミックファイバー3とし、その外側にセラミックファイバーブランケット材8が配設された炉壁構造としても良い。
セラミックファイバーブランケットは、セラミックファイバーをブランケット状やフェルト状等に成形したものが代表的で、高温断熱材、炉の天井や炉壁等に用いることができる材料として知られている汎用の材料を用いることができる。
〔第2の実施の形態〕
また、図2は、本発明の直火加熱式熱処理炉の炉壁構造の第2の実施の形態を例示的に示す図である。この様に、燃焼バーナー2の先端部に筒状のバーナーポート7を被せて嵌合し、ホルダー機能を付与しても構わない。
すなわち、バーナー燃焼火炎とセラミックファイバー炉壁との部分的な接触による炉壁の損傷をも防止する手段として、燃焼バーナー2の先端部に筒状のバーナーポート7を嵌合し、ホルダー機能を合わせもつことができる。
具体的には、燃焼バーナー2の外周には、バーナー支持用のガイドパイプ6が設けられており、このガイドパイプ6の外周面には、突条部61が形成されている。
一方、バーナーポート7の内周面には、リング状の溝部71が形成されている。
そして、ガイドパイプ6の突条部61にバーナーポート7の溝部71を嵌合することにより、バーナーポート7は、燃焼バーナー2の先端部に保持される。
尚、バーナーポート7の先端を炉壁面(パネル面)から突出させて、プロテクターの機能を持たせるのは前述のバーナーポートの場合と同様である。
バーナーポート7を配置することにより、バーナー燃焼炎がバーナーポート7の内側面に当たって、燃焼炎の流れの直進性が維持され、炉内の鋼板1にバーナー燃焼炎が均一な状態で吹き付けられるため、還元性の均一化が図れる。
〔バーナーポート、バーナーポート用支持部材の材質〕
また、前記バーナーポート4,7、及びバーナーポート用支持部材5の材質の選定に関し、本発明者らは、耐酸化性や耐熱衝撃性に優れ、高強度、高靭性で、かつ、1500℃以上の高温でも長期耐久性に優れたセラミックスを開発した。
窒化珪素質焼結体は、アルミナやジルコニア等を主成分とするセラミックス焼結体と異なり、耐熱性に優れると共に、高温下における機械強度も保持できる特徴を有するため、バーナーポートの材質へ適用することを検討した。
しかし、従来の低融点ガラス相を有する窒化珪素焼結体では、高温下における耐酸化性、耐熱衝撃性に劣る。
そこで、窒化珪素質セラミックス焼結体を構成する結晶相及び結晶粒の微細化に関する検討を鋭意行った。より詳しくは、本発明者等は各種結晶相より構成される窒化珪素質焼結体を作製し、その特性を評価した。
その結果、YSi相とErSi相とYbSi相の少なくとも1相を2.5〜4.8質量%、SiO相を2〜6.5質量%、平均粒径0.1μm以上0.7μm以下のSiC質粒子を2〜5質量%、並びに、β-Si及び不可避的不純物を残部とする組成である窒化珪素質セラミックス焼結体は、常温から高温(〜1500℃程度)までの強度低下が少なく、耐酸化性、耐熱衝撃性に優れ、温度勾配等に起因する静疲労特性、また急冷に伴う熱応力破壊抵抗特性を高める等の、優れた特性を有することを見出した。
Si相、ErSi相、YbSi相の少なくとも1相が質量比で2.5%質量未満ではSiのα→β転移時の液相が少な過ぎて相転移を十分に進行させず焼結体中の気孔率が高まるため好ましくなく、4.8質量%を超えるとβ-Si結晶粒の粗大化や低アスペクト比化が進み、柱状相が十分に絡み合わず強度や靭性が低下し好ましくない。
さらに1500℃以上のより高い温度で長期耐久性を保つためには、粒界相の主相(β-Si34)に対する割合が高い場合には、熱膨張の僅かに異なる2相の繰り返し熱衝撃による膨張・収縮に伴う劣化の速度が高まるため好適ではない。
すなわち、YSi相、ErSi相、YbSi相の少なくとも1相を4.8質量%以下とすることで、高温での長期耐久性を確保できた。
また、SiO相の質量比が全体の2質量%未満では焼結体中の気孔率が高くなり機械的強度に寄与する効果が少なく、6.5質量%を超えるとβ-Si結晶粒が異常成長したり、十分に絡み合わず強度や靭性が低下するため好ましくない。
さらに、本発明の熱処理炉に用いる窒化珪素質セラミックス焼結体は、平均粒径0.1μm以上0.7μm以下のSiC質微粒子の分散効果によって、母相の結晶粒成長が抑制され、β-Siの平均結晶粒径(一線切断法)が0.5〜2μm、平均アスペクト比が1.5〜10程度と細かく、かつ、β-Siの柱状結晶粒が絡み合った組織を呈し、また粒界に高融点のYSi相、ErSi相、YbSi相の少なくとも1相及びSiO相が微細に析出している。
以上の通り、粒界相の主相(β-Si34)に対する割合を小さくし、かつ、SiC質粒子を微粒化したことによる分散効果により、高温まで高い強度を維持したまま高い靭性を有し、抗折強さが大気中1500℃以上にて500MPa以上の高強度で、かつ靭性値KICが5MPa・m1/2以上の高靭性を有すことが可能となった。
但し、抗折強さ500MPa以上の高強度が維持できる温度は、特に規定をするものではないが、1550〜1600℃程度までは、高強度が十分に維持できる。
ここで、SiO結晶相は、粉末X線回折法により同定されるSiO結晶と同じ型のX線回折パターンを持ち、SiとSiOとからなる化合物の中で高温酸化雰囲気中にて最も安定な化合物である。
同様に、YSi結晶相、ErSi相、YbSi相は、粉末X線回折法により同定されるYSi結晶、ErSi結晶、YbSi結晶と同じ型のX線回折パターンを持ち、それぞれYとSiO、Er3とSiO2、Yb3とSiOからなる化合物の中で高温酸化雰囲気中にて最も安定な化合物である。
また、β-Si結晶相はJCPDSカード33−1160で示されるβ-Si結晶と同じ型のX線回折パターンを持つ。
さらに、YSi相、ErSi相、YbSi相の少なくとも1相、及び、β-Si相、SiO相により構成される窒化珪素質焼結体の相対密度は理論密度に対して98%以上であることが望ましい。
相対密度が98%未満では、熱的安定性、機械的安定性が不充分になり易く、長期耐久性の向上効果が見られない恐れが高くなる。
〔窒化硅素質セラミックス焼結体の製造方法〕
次に、本発明の熱処理炉に用いる窒化珪素質セラミックス焼結体の製造方法について説明する。
原料として使用される窒化珪素粉末は、α型の結晶構造をもつSi粉末が焼結性の点から好適であるが、β型あるいは非晶質Si粉末が含まれていても構わない。焼結時に十分に高い密度とするためには、平均粒径1μm以下の微粒子であることが望ましい。
窒化珪素は共有結合性の強い物質であり、単独では焼結が困難であることが多いため、一般に緻密化するために焼結助剤を添加する。
焼結助剤としては、酸化珪素と酸化イットリウム、酸化エルビウム、酸化イッテルビウムの少なくとも1種を用いることができる。
あるいは、これらに酸化物換算によって添加量が求められる、酸窒化物(SiO)、及び酸化珪素、酸化イットリウム、酸化エルビウム、酸化イッテルビウムの複合酸化物(YSiO5やYSi、ErSiO5やErSi、YbSiO5やYbSiなど)でも構わない。
ここで用いる酸化珪素と酸化イットリウム、酸化エルビウム、酸化イッテルビウムの少なくとも1種などは、Siの焼結時にα-Si相からβ-Si相への結晶相転移をその融液中で進行させる機能を持ち、さらにβ-Siの柱状相の成長を促すことにより、高温強度および靭性を向上させる。それぞれの添加量は、酸化珪素3〜7質量%、酸化イットリウム、酸化エルビウム、酸化イッテルビウムの少なくとも1種ならびにこれらの複合酸化物は2〜6質量%が好ましい。
酸化珪素が3質量%未満の場合、焼結昇温時の液相生成温度が高くなり十分緻密な焼結体が得られないが、原料として用いる窒化珪素粉末の表面層に数質量%の酸化物層または酸窒化物層が存在する場合は3質量%未満でも目的の焼結体が得られる場合がある。
しかし、通常の酸化層を有する窒化珪素粉末ならば、酸化珪素が3質量%未満の場合は、YSi相、ErSi相、YbSi相の少なくとも1相及びSiO相が形成されない。
一方、酸化珪素が7質量%を超えると、YSi相、ErSi相、YbSi相の少なくとも1相及びSiO相が形成されず、比較的低融点のSiO相が形成され、高温での機械的強度が低下するため好ましくない。
酸化イットリウム、酸化エルビウム、酸化イッテルビウムの少なくとも1種の添加量が2質量%より少ないと融液形成が不十分で、相対密度が98%未満となり緻密化が進行しない。
一方、酸化イットリウム、酸化エルビウム、酸化イッテルビウムの少なくとも1種の添加量が6質量%を超えると、YSi相、ErSi相、YbSi相の少なくとも1相が形成されず、比較的低融点のYSiO相、ErSiO相、YbSiO相が形成され、得られた焼結体の高温での機械的強度および耐酸化性が低下する。
酸化珪素も酸化イットリウム、酸化エルビウム、酸化イッテルビウムの少なくとも1種は、均質かつ高密度の焼結体を得るためには平均粒径が3μm以下の微粒子であることが好ましい。
焼結助剤として用いるこれら原料粉末は比較的安価であり、水中での混合工程での変質せず安定なセラミックス粉末である。
本発明の平均粒径0.1μm以上0.7μm以下のSiC質微粒子の生成・分散方法としては、回転式ポットミル(=トロンメル)、遊星型ボールミル、アトライター、振動ボールミル、アトリッションミル、自転・公転混在型ポットミル、等の方法を用いることが出来る。
用いるポットやボールの材質としては、実質的にSiC質焼結体の本体及び蓋からなるものが好ましく、大量製造用のポットミルではライナーとしてSiC製タイルを貼り付けたものを用いても構わない。
混入する球状SiCの結晶相は、α-SiC型(=3C)、β-SiC型(=2H、4H、6Hなど)のいずれでも構わないが、1770から1850℃の温度範囲で焼結を行うため、基本的には6H相で同定されることが多い。
また、摩耗混入質量について、混合方法、回転数、他の原料粉末の粒径等によって若干の違いは認められるが、おおよそポット内壁摩耗:ボール摩滅=1:10〜20(質量比)でボール摩滅が圧倒的に多い。
したがって、混入量を変化させたい場合は、ボール添加量の増減に加え、ボール表面積の増減、即ちボール径の大小を概ね直径0.5mm〜20mmの範囲で制御することが効果的である。
混入量としては、2質量%未満では母相結晶粒の成長抑制効果が乏しく、5質量%を超すと母相の柱状成長並びに結晶相の交差による高靭化を阻害するため好ましくない。
焼結方法としては、窒素ガスを含む雰囲気にて、例えば無加圧焼結法、ガス圧焼結法、熱間静水圧プレス焼結法、ホットプレス焼結法、等の各種焼結法を用いることができ、さらにこれらの焼結法を複数組合せても良い。
窒素ガスを含む雰囲気で焼結するのは、焼結中でのSiの分解を抑制するためである。Siは窒素ガス0.1MPa下では約1800℃以上で分解が生じるため、1800℃以上にて焼結を行う場合は、窒素ガス圧を焼結温度におけるSiの臨界分解圧力以上に設定するようにする。
また、大型厚肉形状の成形体を製造する場合には、十分な緻密化を図るために、無加圧焼結後に、さらに窒素ガス雰囲気中での熱間静水圧プレス焼結を行うことがより好ましい。
無加圧及び熱間静水圧プレス焼結条件としては、焼結温度が1770〜1850℃であることが望ましい。
1770℃未満では、緻密な焼結体が得られず、固溶体粒子近傍に残留応力を十分に発生させることが困難となり、高靭性の焼結体とすることができない。
一方、1850℃を超える高温では、β-Si結晶粒が粗大化したり、SiO相、YSi相、ErSi相、YbSi相の分解などにより強度低下を起こし、高硬度と耐熱衝撃性が得られない。
また、保持時間が8時間未満では、成形体の肉厚にも依存するが緻密化が十分に進行しない。
粒界相として、YSi相、ErSi相、YbSi相の少なくとも1相及びSiO相を結晶化させるためには、降温過程で、降温速度を10℃/分以下とすることが好ましいが、より望ましくは5℃/分〜10℃/分である。降温速度が5℃/分より遅い場合は、炉寿命縮減や生産効率の低下などを引き起こし、10℃/分より速い場合は、YSi相、ErSi相、YbSi相の少なくとも1相及びSiO相が生成しにくい。
次に、本発明の実施例を比較例と共に説明する。尚、本発明はこれら実施例に限られるものではない。
(実施例1〜5)
窒化珪素(Si)粉末(α化率97%以上、純度99.7%、平均粒径0.7μm)に、
酸化イットリウム(Y)粉末(平均粒径2.5μm)、酸化エルビウム(Er)粉末(平均粒径2.4μm)、酸化イッテルビウム(Yb)粉末(平均粒径1.8μm)、酸化イットリウムと酸化珪素の複合酸化物(YSiO5)粉末(平均粒径2.9μm)、酸化イッテルビウムと酸化珪素の複合酸化物(YbSi7)粉末(平均粒径2.7μm)、酸化珪素(SiO)粉末(平均粒径1.9μm)を、下記表1に示す所定量(質量%)添加し、
分散媒として精製水またはアセトンを用い、
混合用ボールは直径10mmのSiCボールをセラミックス全粉末原料100gに対し2倍の200gの割合で用い、SiCタイルを内壁及び蓋に内貼りしたボールミルで48時間混練した。尚、精製水またはアセトンの添加量は、セラミックス全粉末原料100gに対し120gとした。
SiCタイルやSiCボールの質量減少量から混入量を求めた。SiCの平均粒径は、の平均粒径は、0.2〜0.5μmであり、各実施例における混入量は表1に示す通りである。
また、各実施例において、X線回折パターンより求められる結晶相割合と比較を行った。尚、各種結晶相の比率に関して、予めX線回折ピーク高さから求めた検量線に従って求めた。結果を表1に示す。
次いで得られた混合粉末を成形後、焼結した。成形条件としては冷間静水圧による加圧130MPaとし、外径140mm(内径100mm)×高さ150mmの円筒を成形した。
実施例1〜2については、焼結条件としては、窒素ガス0.4MPa加圧雰囲気中にて、表1中に示す温度で8時間保持のガス圧焼結を行い、降温時に1550℃で同じく表1記載の時間だけ保持と室温まで表1記載の降温速度にて炉冷を行った。
実施例3〜5については、窒素ガス0.4MPa加圧雰囲気中にて、表1中に示す温度で8時間保持のガス圧焼結を行い、表1記載の常温までの降温時放冷を行った後に、窒素雰囲気中1550℃まで再加熱し表1記載の保持時間の後、降温時放冷を行い、実施例1〜5の焼結体を得た。
(比較例1、2)
比較例1、2は実施例1〜5と同一原料を用いるが、ポットの内壁や蓋もボールもSiC材を用いずSi材を用い、同じく精製水またはアセトンで調製したが、それぞれ異常粒成長により相対密度が98%を下回った場合(比較例1)、SiO相、YSi相が得られなかった場合(比較例2)の各比較例である。これらを併せて表1に示す。
Figure 2007315669
(評価方法)
実施例1〜5、及び比較例1、2で得られた焼結体からJIS規格の曲げ試験片を切り出し、機械的特性を評価した。抗折強さは、JIS R1601により、大気中常温および1500℃にて測定した。硬さは、押込荷重98Nにてビッカース硬さとして測定した。
靭性についてはJIS R1607のSEPB法により室温にて破壊靭性値KICを測定した。また、耐熱衝撃性としては、曲げ試験片を大気中にて所定の温度に加熱後、水中急冷し、抗折強さの劣化が始まる急冷温度差ΔTで評価した。耐酸化性としては、曲げ試験片を大気中にて1400℃に加熱後、64時間保持し、単位表面積当たりの質量変化量ΔWで評価した。
焼結体密度は、アルキメデス法により相対密度として測定した。得られた各焼結体の諸特性を表2に示す。
Figure 2007315669
(考察)
その結果、表2に示すように、本発明の実施例によるものは、比較例に対して、常温及び高温の強度も高く、耐熱衝撃性、耐酸化性が極めて優れることが確認された。
また、上記の実施例1〜5、および比較例1、2の焼結体を、実際の操業設備であるスラブの熱延前の熱処理炉、および連続式溶融金属めっきのめっき前の熱処理炉について、それぞれ図2に示す形態で、バーナーポート7として適用した。バーナーポート7の先端は、炉内側に5mm突き出して配置した。
そこで、実施例1〜5、および比較例1、2の焼結体をバーナーポート7として、実機搭載して、2年の耐久性を確認した。実機の稼動条件は、月産3万トンを超える鋼板の熱処理を行い、鋼板の通材速度も100〜150m/分と高速処理であった。
その結果、実施例1〜5の焼結体をバーナーポートとして適用した場合、2年後でも、破損、酸化層の形成による表面の凹凸、スケール等の付着は観測されなかった。
これに対し、比較例1、2の焼結体をバーナーポートとして適用した場合、常温及び高温の強度が低く、耐熱衝撃性、耐酸化性が劣り、実機搭載時も3ヶ月以内に破損、酸化層の形成による表面の凹凸、スケール等の付着が観測された。
本発明の第1の実施の形態に係る熱処理炉の内壁構造を示す模式図。 本発明の第2の実施の形態に係る熱処理炉の内壁構造を示す模式図。
符号の説明
1…鋼板、2…燃焼バーナー、3…セラミックファイバー、4、7…バーナーポート、5…バーナーポート用支持部材、6…ガイドパイプ、8…ブランケット材、61…突条部、71…溝部

Claims (6)

  1. 炉壁に1つ以上のバーナーが配設されている熱処理炉において、
    少なくとも炉壁内側にセラミックファイバーが配設された炉壁構造を具備し、炉壁に設けられた挿入孔にバーナーが設置され、
    該バーナーの炉内側に、
    Si相とErSi相とYbSi相の少なくとも1相を2.5〜4.8質量%、SiO相を2〜6.5質量%、
    平均粒径0.1μm以上0.7μm以下のSiC質粒子を2〜5質量%、並びに、
    β-Si及び不可避的不純物を残部とする組成である窒化珪素質セラミックス焼結体で構成されたバーナーポートが隣接して配置され、かつ、
    該バーナーポートの先端が炉内壁面より炉内側に突出して配置されたことを特徴とする熱処理炉。
  2. 前記バーナーポートの外側に、前記窒化珪素質セラミックス焼結体で構成されたバーナーポート支持用部材が配置され、かつ、
    該バーナーポート支持用部材の先端が炉内壁面より炉内側に突出して配置されたことを特徴とする請求項1に記載の熱処理炉。
  3. 炉壁に1つ以上のバーナーが配設されている熱処理炉において、
    少なくとも炉壁内側にセラミックファイバーが配設された炉壁構造を具備し、炉壁に設けられた挿入孔にバーナーが設置され、
    該バーナーの先端部の外側に、
    Si相とErSi相とYbSi相の少なくとも1相を2.5〜4.8質量%、
    SiO相を2〜6.5質量%、平均粒径0.1μm以上0.7μm以下のSiC質粒子を2〜5質量%、並びに、
    β-Si及び不可避的不純物を残部とする組成である窒化珪素質セラミックス焼結体で構成されたバーナーポートが嵌合され、かつ、
    該バーナーポートの先端が炉内壁面より炉内側に突出して配置されたことを特徴とする熱処理炉。
  4. 前記窒化珪素質セラミックス焼結体は、98%以上の相対密度を有することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の熱処理炉。
  5. 前記バーナーポートの先端、または該バーナーポートの支持用部材の先端が、炉内壁面より炉内側に5mm以上30mm以下突出して配置されたことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の熱処理炉。
  6. 少なくとも炉壁内側にセラミックファイバーが配設された炉壁構造を具備し、炉壁に設けられた挿入孔にバーナーが設置された熱処理炉の前記バーナーの炉内側に隣接して配置される熱処理炉用バーナーポートであって、
    Si相とErSi相とYbSi相の少なくとも1相を2.5〜4.8質量%、SiO相を2〜6.5質量%、
    平均粒径0.1μm以上0.7μm以下のSiC質粒子を2〜5質量%、並びに、
    β-Si及び不可避的不純物を残部とする組成である窒化珪素質セラミックス焼結体から構成されることを特徴とする熱処理炉用バーナーポート。
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