JP6015143B2 - プラズマ照射加熱装置用のコリメータノズルの耐熱部材 - Google Patents

プラズマ照射加熱装置用のコリメータノズルの耐熱部材 Download PDF

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Description

本発明は、製鉄時に溶銑を精錬工程で成分調整した後、その溶鋼を連続鋳造する際に溶鋼温度が低下した場合に加温するプラズマ照射加熱装置用のコリメータノズルの耐熱部材に関するものである。
図1は、溶鋼温度制御用のプラズマ照射加熱装置である。この図1に示すように、良好な品質の鋳片を得るためにはタンディシュから鋳型へ注湯する際、溶鋼温度を一定に制御する必要がある。このような溶鋼の温度制御装置として、例えば、特許文献1記載のプラズマ照射加熱装置が使われている。
プラズマが拡散して入熱効率の低下を避けるため、コリメータノズルと呼ばれる直進装置がある。コリメータノズルには、プラズマを外部に誘導するためのプラズマ流路が設けられている。図2に示すように、コリメータノズルのプラズマ流路の内面は、高温のプラズマに曝される部分であり、耐熱性を改善することが課題であった。
そこで、本発明者らは、プラズマ流が接触しても腐食せず、着火時の急速加熱にも耐える熱衝撃耐性を有するコリメータノズルの耐熱部材を検討した。例えば特許文献2で開示されているような、大気中1400℃の抗折強さが500MPa以上の焼結体をコリメータノズルの耐熱部材に適用することが考えられる。
特開平3−124351号公報 特開2004−059346号公報
しかし、この特許文献2に開示された焼結体を用いたとしても、1500℃以上のプラズマが直接接触することが想定される用途には、長期耐久性に劣り、また、繰り返し熱衝撃が印加されることに伴う劣化の速度が高い。そこで、1500℃以上の高温でも長期耐久性に優れた焼結体が望まれていた。
本発明では、1500℃以上の高温でも長期耐久性に優れた焼結体を、鉄鋼製造ラインのタンディシュのプラズマ照射加熱装置のコリメータノズルの耐熱部材に適用することでコリメータノズルの長寿命化と熱ロスの最小化を達成することを目的とする。
上記課題を解決するために本発明者らが鋭意検討した結果、YSi相とErSi相とYbSi相の少なくとも1相を2.5〜4.8質量%、SiO相を2〜6.5質量%、平均粒径0.1μm以上0.7μm以下のSiC質粒子を2〜5質量%、並びに、β-Si及び不可避的不純物を残部とする組成である窒化珪素質セラミックス焼結体を成形加工してなる耐熱部材をコリメータノズルに配置することで、解決できることを知見し、本発明に至った。
本発明は、これらの新たな知見に基づいて完成したもので、その発明の要旨は次の通りである。
(1) YSi相、ErSi相、YbSi相の少なくとも1相を2.5〜4.8質量%、SiO相を2〜6.5質量%、平均粒径0.1μm以上0.7μm以下のSiC質粒子を2〜5質量%含み、残部がβ−Si及び不可避的不純物からなり、95%以上の相対密度を有する窒化珪素質セラミックス焼結体からなるプラズマ照射加熱装置用のコリメータノズルの耐熱部材であって、当該耐熱部材は、中空円筒状の部材で、コリメータノズルのプラズマ流路に配置されており、肉厚が1mm以上5mm以下であることを特徴とするプラズマ照射加熱装置用のコリメータノズルの耐熱部材。
(2) 前記耐熱部材は、複数の分割部材が組合わされてなる中空円筒状の部材であり、前記複数の分割部材はそれぞれ、前記中空円筒状の部材をその軸方向に沿って複数に分割されたものであることを特徴とする(1)記載のプラズマ照射加熱装置用のコリメータノズルの耐熱部材
本発明は、精錬工程で成分調整した後の溶鋼を連続鋳造する際に、溶鋼温度が低下した場合に加温するプラズマ照射加熱装置に関し、該プラズマ照射加熱装置のコリメータノズルの耐熱部材として、本発明の耐熱部材を適用することにより、コリメータノズルの長寿命化と熱ロスの最小化を達成できる。
図1は本発明の実施形態であるプラズマ照射加熱装置を含む連続鋳造設備を示す模式図である。 図2は、本発明の実施形態であるプラズマ照射加熱装置を含む連続鋳造設備の要部を示す模式図である。 図3は、本発明の実施形態の一例であるプラズマ照射加熱装置の要部を示す模式図である。 図4は、本発明の実施形態であるプラズマ照射加熱装置用のコリメータノズルの耐熱部材を示す模式図である。 図5は、本発明の実施形態の別の例であるプラズマ照射加熱装置の要部を示す模式図である。
以下、本発明の実施形態について詳細に説明する。
図1には、本実施形態に係る照射加熱装置が備えられた連続鋳造設備を示す。図1に示す連続鋳造設備は、溶鋼鍋1と、溶銑鍋1の底部に設けられたスライディングノズル2と、タンディッシュ3と、タンディッシュ3内の溶鋼を加熱するプラズマ照射加熱装置4と、タンディッシュ3の底部に設けられた浸漬ノズル5と、鋳型6とを少なくとも備えている。
溶銑鍋1内の溶鋼10が、スライディングノズル2を介してタンディッシュ3に供給される。タンディッシュに供給された溶鋼は、プラズマ照射加熱装置4のプラズマ照射によって加熱されつつ、浸漬ノズル5を介して鋳型6に連続的に供給されて鋳片11となる。
図2には本発明に係るプラズマ照射加熱装置4を示す。プラズマ加熱装置4は、プラズマトーチ4aと、電源4bと、スイッチング装置4cとから構成されている。電源4b、プラズマトーチ、タンディッシュ3内の溶鋼10及びタンディッシュ3によって回路が形成されている。
また、図3にはプラズマトーチ4aの先端部の拡大断面図を示す。プラズマトーチ4aは、トーチ本体14aと、トーチ本体14aの内部に備えられた電極14bと、トーチ本体14aの先端に取り付けられ、プラズマ流路14cを有するコリメータノズル14dと、コリメータノズル14dのプラズマ流路14cに挿入された耐熱部材15とが少なくとも備えられている。また、図5に示すように、ダンディッシュ3からの溶鋼の跳ね返り(スパッター)による浸食を防ぐ目的で外筒16を備えることも有効である。この外筒16は、トーチ本体14a及びコリメータノズル14dを覆うようにトーチ本体14aの先端に挿入されている。外筒16は、コリメータノズル14dプラズマの輻射熱によって、直接、熱せられるものではないが、耐熱部材15と同じ材質であってもよい。
発生したプラズマPは、コリメータノズル14dによって導かれ、タンディッシュ3に貯留されている溶鋼10の表面に向けて照射される。
図4に示すように、耐熱部材15は、複数の分割部材15aが組合わされてなる中空円筒状の部材である。耐熱部材15の基端部15bにはフランジ部15cが設けられ、このフランジ部15cがコリメータノズル14dに係合するようになっている。複数の分割部材15aはそれぞれ、中空円筒状の耐熱部材15をその軸方向に沿って3分割させた部材である。分割部材15aが集合することによってプラズマ流路となる中空部15dが形成される。
耐熱部材15の形状として、長手方向に2つ以上に分割された分割部材15aを組み合わせた中空円筒形状が好ましい理由は、長手方向に2つ以上に分割することにより、急激な温度変化が加わった際に熱応力を緩和することができ、破損を避けることができるためである。
また、各分割部材15aの肉厚は、1mm以上5mm以下であることが好ましい。肉厚が1mm以上であればコリメータノズル14dを十分に保護することができる。また、肉厚が5mm以下であれば、プラズマに向いた面とその裏面との温度勾配が小さくなり、熱応力による割れを避ける効果がある。肉厚が5mmを超えると温度勾配が大きくなり、割れるリスクが大きくなるため好ましくない。
本実施形態の耐熱部材15を構成する分割部材15aは、窒化珪素質焼結体で構成される。窒化珪素質焼結体は、アルミナやジルコニア等を主成分とするセラミックス焼結体とは異なり、耐熱性に優れると共に、高温下における機械強度も保持できる特徴を有するため、プラズマ照射加熱装置用のコリメータノズルの耐熱部材の材質に適用可能である。
しかし、従来の低融点ガラス相を有する窒化珪素焼結体は、高温下における耐熱衝撃性、耐酸化性が劣る。そこで、窒化珪素質セラミックス焼結体を構成する結晶相及び結晶粒の微細化に関する検討を鋭意行った。より詳しくは、本発明者等は各種結晶相より構成される窒化珪素質焼結体を作製し、その特性を評価した。
特性評価の結果、β−Si相と、第二相である粒界相としてYSi相、ErSi相、YbSi相の少なくとも1相と、SiO相と、SiC質粒子とを含む緻密な窒化珪素質セラミックス焼結体が優れた特性を有することを見出した。
すなわち、YSi 相とErSi 相とYbSi相の少なくとも1相を2.5〜4.8質量%、SiO相を2〜6.5質量%、平均粒径0.1μm以上0.7μm以下のSiC質粒子を2〜5質量%、並びに、β−Si及び不可避的不純物を残部とする組成である窒化珪素質セラミックス焼結体は、常温から高温(少なくとも1500℃程度)までの強度低下が少なく、誘電損失も少なく、高温での耐クリープ特性、耐酸化性、耐熱衝撃性に優れ、温度勾配等に起因する静疲労特性、また急冷に伴う熱応力破壊抵抗特性を高める等の、優れた特性を有するものとなる。
Si相、ErSi相、YbSi相のうちの少なくとも1 相が質量比で2.5%質量未満ではSiのα型からβ型への転移時の液相が少な過ぎて相転移を十分に進行させず焼結体中の気孔率が高まるため好ましくない。また、これらの少なくとも1相が質量比で4.8質量%を超えるとβ−Si結晶粒の粗大化や低アスペクト比化が進み、柱状相が十分に絡み合わず強度や靭性が低下するので好ましくない。
さらに、粒界相の主相(β-Si34 )に対する割合が高過ぎると、粒界相と主相の熱膨張の僅かな違いによるこれら2相の繰り返し熱衝撃によって、膨張・収縮に伴う劣化の速度が高まり、プラズマによる1500℃以上のより高い温度で長期耐久性が保てなくなるので好適ではない。
すなわち、YSi相、ErSi相、YbSi相の少なくとも1相を4.8質量%以下とすることで、高温での長期耐久性を確保できる。
また、SiO相の質量比が全体の2質量%未満では焼結体中の気孔率が高くなり機械的強度に寄与する効果が少なくなるので好ましくない。また、SiO相の質量比が6.5質量%を超えるとβ−Si結晶粒が異常成長したり、β−Si結晶粒同士が十分に絡み合わず強度や靭性が低下するため好ましくない。
さらに、本発明に係る窒化珪素質セラミックス焼結体は、平均粒径0.1μm以上0.7μm以下のSiC質微粒子の分散効果によって、母相の結晶粒成長が抑制され、β−Siの平均結晶粒径(一線切断法)が0.5〜2μm、平均アスペクト比が1.5〜10程度と細かく、かつ、β−Siの柱状結晶粒が絡み合った組織を呈し、また粒界に高融点のYSi相、ErSi相、YbSi相の少なくとも1相及びSiO相が微細に析出している。
以上の通り、粒界相の主相(β−Si34 )に対する割合を小さくし、かつ、SiC質粒子を微粒化したことによる分散効果により、高温まで高い強度を維持したまま高い靭性を有し、抗折強さが大気中1500℃以上にて500MPa以上の高強度で、かつ靭性値KI Cが5MPa・m1/2以上の高靭性を有すことが可能になる。
但し、抗折強さ500MPa以上の高強度が維持できる温度は、特に規定をするものではないが、少なくとも1400〜1600℃程度までは十分に維持できる。
ここで、SiO結晶相は、粉末X線回折法により同定されるSiO結晶と同じ型のX線回折パターンを持ち、SiとSiOとからなる化合物の中で高温酸化雰囲気中にて最も安定な化合物である。
同様に、YSi結晶相、ErSi相、YbSi相は、粉末X線回折法により同定されるYSi結晶、ErSi結晶、YbSi結晶と同じ型のX線回折パターンを持ち、それぞれYとSiO、ErとSiO、YbとSiOからなる化合物の中で高温酸化雰囲気中にて最も安定な化合物である。
また、β−Si 結晶相はJCPDSカード33−1160で示されるβ−Si結晶と同じ型のX線回折パターンを持つ。
さらに、YSi 相、ErSi相、YbSi相の少なくとも1相、及び、β−Si相、SiO相により構成される窒化珪素質セラミックス焼結体の相対密度は理論密度に対して95%以上であることが望ましい。相対密度が95%未満では、熱的安定性、機械的安定性が不充分になり易く、長期耐久性の向上効果が見られない恐れが高くなる。
〔窒化珪素質セラミックス焼結体の製造方法〕
次に、本発明に用いる窒化珪素質セラミックス焼結体の製造方法について説明する。
原料として使用される窒化珪素粉末は、α型の結晶構造をもつSi粉末が焼結性の点から好適であるが、β型あるいは非晶質Si粉末が含まれていても構わない。焼結時に十分に高い密度とするためには、平均粒径1μm以下の微粒子であることが望ましい。
窒化珪素は共有結合性の強い物質であり、単独では焼結が困難であることが多いため、一般に緻密化するために焼結助剤を添加する。
焼結助剤としては、酸化珪素と、酸化イットリウム、酸化エルビウム、酸化イッテルビウムの少なくとも1種と、を用いることができる。
あるいは、これらに酸化物換算によって添加量が求められる、酸窒化物(SiO)、及び酸化珪素、酸化イットリウム、酸化エルビウム、酸化イッテルビウムの複合酸化物(YSiOやYSi、ESiOやErSi、YbSiOやYbSiなど)でも構わない。
ここで用いる酸化珪素や、酸化イットリウム、酸化エルビウム、酸化イッテルビウムの少なくとも1種以上や、複合酸化物は、Siの焼結時にα−Si相からβ−Si相への結晶相転移をその融液中で進行させる機能を持ち、さらにβ−Siの柱状相の成長を促すことにより、高温強度および靭性を向上させる。それぞれの添加量は、酸化珪素3〜7質量%、酸化イットリウム、酸化エルビウム、酸化イッテルビウムの少なくとも1種ならびにこれらの複合酸化物は2〜6質量%が好ましい。
酸化珪素が3質量%未満の場合、焼結昇温時の液相生成温度が高くなり十分緻密な焼結体が得られないが、原料として用いる窒化珪素粉末の表面層に数質量%の酸化物層または酸窒化物層が存在する場合は3質量%未満でも目的の焼結体が得られる場合がある。
しかし、通常の酸化層を有する窒化珪素粉末ならば、酸化珪素が3質量%未満の場合は、YSi相、ErSi相、YbSi相の少なくとも1相及びSiO相が形成されない。
一方、酸化珪素が7質量%を超えると、YSi相、ErSi相、YbSi相の少なくとも1相及びSiO相が形成されず、比較的低融点のSiO相が形成され、高温での機械的強度が低下するため好ましくない。
酸化イットリウム、酸化エルビウム、酸化イッテルビウムの少なくとも1種の添加量が2質量%より少ないと融液形成が不十分で、相対密度が95%未満となり緻密化が進行しない。
一方、酸化イットリウム、酸化エルビウム、酸化イッテルビウムの少なくとも1種の添加量が6質量%を超えると、YSi相、ErSi相、YbSi相の少なくとも1相が形成されず、比較的低融点のYSiO相、ErSiO相、YbSiO相が形成され、得られた焼結体の高温での機械的強度および耐酸化性が低下するので好ましくない。特に十分に高い高温強度、および靭性を得るためには酸化イットリウム、酸化エルビウム、酸化イッテルビウムの少なくとも1種の添加量を4〜8質量%の範囲とすることが好ましい。
酸化珪素、及び酸化イットリウム、酸化エルビウム、酸化イッテルビウムの少なくとも1種は、均質かつ高密度の焼結体を得るためには平均粒径が3μm以下の微粒子であることが好ましい。
焼結助剤として用いるこれら原料粉末は比較的安価であり、水中での混合工程で変質せず安定なセラミックス粉末であるから、分散媒の選択の範囲が広くなる点で好都合である。
次に、平均粒径0.1μm以上0.7μm以下のSiC質微粒子の生成・分散方法としては、回転式ポットミル(=トロンメル)、遊星型ボールミル、アトライター、振動ボールミル、アトリッションミル、自転・公転混在型ポットミル、等の方法を用いることが出来る。
SiC質微粒子の生成・分散に用いるポットやボールの材質としては、実質的にSiC質焼結体の本体及び蓋からなるものが好ましく、大量製造用のポットミルではライナーとしてSiC製タイルを貼り付けたものを用いても構わない。
混入される球状SiCの結晶相は、α−SiC型(=3C)、β−SiC型(=2H、4H、6Hなど)のいずれでも構わないが、1770〜1850℃の温度範囲で焼結を行うため、基本的には6H相で同定されることが多い。
また、摩耗混入質量について、混合方法、回転数、他の原料粉末の粒径等によって若干の違いは認められるが、おおよそポット内壁摩耗:ボール摩滅=1:10〜20(質量比)でボール摩滅が圧倒的に多い。
したがって、混入量を変化させたい場合は、ボール添加量の増減に加え、ボール表面積の増減、即ちボール径の大小を概ね直径0.5〜20mmの範囲で制御することが効果的である。
混入量としては、2質量%未満では母相結晶粒の成長抑制効果が乏しく、5質量%を超すと母相の柱状成長並びに結晶相の交差による高靭化を阻害するため好ましくない。
焼結方法としては、窒素ガスを含む雰囲気にて、例えば無加圧焼結法、ガス圧焼結法、熱間静水圧プレス焼結法、ホットプレス焼結法、等の各種焼結法を用いることができ、さらにこれらの焼結法を複数組合せても良い。
窒素ガスを含む雰囲気で焼結するのは、焼結中でのSiの分解を抑制するためで
ある。Siは窒素ガス0.1MPa下では約1800℃以上で分解が生じるため、1800℃以上にて焼結を行う場合は、窒素ガス圧を焼結温度におけるSiの臨界分解圧力以上に設定するようにする。
また、本発明の形状の成形体を製造する場合には、十分な緻密化を図るために、無加圧焼結後に、さらに窒素ガス雰囲気中での熱間静水圧プレス焼結を行うことがより好ましい。
無加圧及び熱間静水圧プレス焼結条件としては、焼結温度が1770〜1850℃であることが望ましい。1770℃未満では、緻密な焼結体が得られず、固溶体粒子近傍に残留応力を十分に発生させることが困難となり、高靭性の焼結体とすることができない。
一方、1850℃を超える高温では、β−Si結晶粒が粗大化したり、SiO相、YSi相、ErSi相、YbSi相の分解などにより強度低下を起こし、高硬度と耐熱衝撃性が得られない。
また、保持時間が8時間未満では、成形体の肉厚にも依存するが緻密化が十分に進行しない。粒界相として、YSi相、ErSi相、YbSi相の少なくとも1相及びSiO相を結晶化させるためには、降温過程で、降温速度を10℃/分以下とすることが好ましいが、より望ましくは5〜10℃/分である。降温速度が5℃/分より遅い場合は、炉寿命縮減や生産効率の低下などを引き起こし、10℃/分より速い場合は、YSi相、ErSi相、YbSi相の少なくとも1相及びSiO相が生成し難い。
次に、本発明の実施例を比較例と共に説明する。尚、本発明はこれら実施例に限られるものではない。
(実施例1〜5)
窒化珪素(Si)粉末(α化率97%以上、純度99.7%、平均粒径0.7μm)に、酸化イットリウム(Y)粉末(平均粒径2.5μm)、酸化エルビウム(Er)粉末(平均粒径2.4μm)、酸化イッテルビウム(Yb)粉末(平均粒径1.8μm)、酸化イットリウムと酸化珪素の複合酸化物(YSiO)粉末(平均粒径2.9μm)、酸化イッテルビウムと酸化珪素の複合酸化物(YbSi)粉末(平均粒径2.7μm)、酸化珪素(SiO)粉末(平均粒径1.9μm)を、下記表1に示す所定量(質量%)添加し、分散媒として精製水またはアセトンを用い、混合用ボールは直径10mmのSiCボールをセラミックス全粉末原料100gに対し2倍の200gの割合で用い、SiCタイルを内壁及び蓋に内貼りしたボールミルで48時間混練した。尚、精製水またはアセトンの添加量は、セラミックス全粉末原料100gに対し120gとした。
SiCタイルやSiCボールの質量減少量から混入量を求めた。SiCの平均粒径は、0.2〜0.5μmであり、各実施例における混入量は表1に示す通りである。
また、各実施例において、X線回折パターンより求められる結晶相割合と比較を行った。尚、各種結晶相の比率に関して、予めX線回折ピーク高さから求めた検量線に従って求めた。結果を表1に示す。
次いで、得られた混合粉末を成形後、焼結した。成形条件としては冷間静水圧による加圧130MPaとし、フランジ部の外径77mm(フランジ部以外では外径56mm、内径50mm)× 高さ100mmの中空円筒体を成形した。
実施例1〜2については、焼結条件として、窒素ガス0.4MPa加圧雰囲気中にて、表1中に示す最高温度で8時間保持のガス圧焼結を行い、降温時に1550℃で同じく表1記載の時間だけ保持と室温まで表1記載の降温速度にて炉冷を行った。
実施例3〜5については、窒素ガス0.4MPa加圧雰囲気中にて、表1中に示す最高温度で8時間保持のガス圧焼結を行い、常温までの降温時放冷を行った後に、窒素雰囲気中1550℃まで再加熱し表1記載の保持時間の後、降温時放冷を行い、実施例1〜5の焼結体を得た。
その後、強度評価用のJIS R1601準拠の試験片を切り出し、機械的摩耗に対する指標としてビッカース硬度、大気中1400℃で300MPaの4点曲げ負荷をかけた際の歪速度、大気中1400℃で100時間保持を行った際の酸化増量を測定した結果を表2に示す。
(比較例1、2)
比較例1、2は実施例1〜5と同一原料を用いるが、ポットの内壁や蓋もボールもSiC材を用いずSi材を用い、同じく精製水またはアセトンで調製した。しかしながら、それぞれ異常粒成長により相対密度が90%を下回わり(比較例2)、SiO相、YSi相が得られなかった(比較例2)ものである。これらを併せて表1に示す。
表2に示すように、本発明の実施例1〜5によるものは、比較例1、2に対して、常温及び高温(1400℃、1500℃)の抗折強度も高く、耐クリープ性、耐酸化性が極めて優れることが確認された。
また、上記の実施例1〜5、および比較例1、2の焼結体を、実際の操業設備であるプラズマ照射加熱装置のコリメータノズルへそれぞれ図3に示す配置で、プラズマを誘導する耐熱部材として適用した。実機搭載後、耐久性を確認した結果、実施例1〜5の焼結体は、稼働時間100時間でも、破損や酸化層の形成による表面の凹凸、クリープ変形等は観測されなかった。セラミックス内筒によるプラズマ誘導部材への熱ロスも最小化できたことを確認できた。
これに対し、比較例1、2の焼結体は、常温及び高温の強度が低く、耐クリープ性、耐酸化性が劣り、50時間以内に破損、クリープ変形や酸化層の形成による表面の凹凸等が観測された。
Figure 0006015143
Figure 0006015143
4…プラズマ照射加熱装置、14d…コリメータノズル、15…耐熱部材、15a…分割部材。

Claims (2)

  1. Si相、ErSi相、YbSi相の少なくとも1相を2.5〜4.8質量%、SiO相を2〜6.5質量%、平均粒径0.1μm以上0.7μm以下のSiC質粒子を2〜5質量%含み、残部がβ−Si及び不可避的不純物からなり、95%以上の相対密度を有する窒化珪素質セラミックス焼結体からなるプラズマ照射加熱装置用のコリメータノズルの耐熱部材であって、
    当該耐熱部材は、中空円筒状の部材で、コリメータノズルのプラズマ流路に配置されており、肉厚が1mm以上5mm以下であることを特徴とするプラズマ照射加熱装置用のコリメータノズルの耐熱部材。
  2. 前記耐熱部材は、複数の分割部材が組合わされてなる中空円筒状の部材であり、前記複数の分割部材はそれぞれ、前記中空円筒状の部材をその軸方向に沿って複数に分割されたものであることを特徴とする請求項1記載のプラズマ照射加熱装置用のコリメータノズルの耐熱部材
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