JP2002020171A - バタフライ弁 - Google Patents

バタフライ弁

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JP2002020171A
JP2002020171A JP2000195802A JP2000195802A JP2002020171A JP 2002020171 A JP2002020171 A JP 2002020171A JP 2000195802 A JP2000195802 A JP 2000195802A JP 2000195802 A JP2000195802 A JP 2000195802A JP 2002020171 A JP2002020171 A JP 2002020171A
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JP2000195802A
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Shigeharu Matsubayashi
重治 松林
Tetsuo Nose
哲郎 野瀬
Akira Tsuyuki
明 露木
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Nippon Steel Corp
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Nippon Steel Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、熱的安定性、機械的安定性に優
れ、長期耐久性を有するバタフライ弁を提供することを
目的とする。 【解決手段】 1 種類以上の希土類酸化物3 〜12質量%
、酸窒化アルミニウムポリタイプおよび/ または21R
型サイアロン4 〜10質量% 及び残部が実質的に窒化珪素
からなる混合粉末を成形し、該成形体を0.1 〜0.2MPaの
窒素ガス雰囲気中において1700〜1800℃の温度で焼結し
た窒化珪素質セラミックス焼結体を成形加工してなるこ
とを特徴とするバタフライ弁である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高温の熱風の流量
を制御するためのバタフライ弁に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、1200℃以上の高温に熱せられ
た製鉄用高炉の羽口から吹き込む熱風ガスの流量調整等
の弁として、バタフライ弁が使用されている。このバタ
フライ弁は、一般的には円板状の弁板とこの円周部に対
向するように配置された2 本の回転軸からなる弁体であ
り、耐火断熱材で構成されるケーシングの流体流路内に
おいて弁板を回転軸により回動自在に支持し、弁板の回
動により流路の開放度を調節して流量制御を行うもので
ある。バタフライ弁は、このような構造となっているた
め、高温に加え、高圧・高速のガス流体に常時曝される
と共に、風量調整のために弁体を回転させる際には大き
な負荷が掛かり、さらには熱風の流路と回転軸の軸受部
との温度差が大きい上に、不規則な振動を常時受けると
いう静的疲労に長時間曝されるなど、その使用環境は極
めて厳しいものである。このため、バタフライ弁の材質
としては、金属では実用に耐えないため、セラミックス
の適用が検討されている。
【0003】実公平2-32944 号公報には、窒化珪素質、
サイアロン質、炭化珪素質、ジルコニア質、アルミナ質
又はムライト質のセラミックスで弁板と軸とを一体に成
形したバタフライ弁の弁体が提案されている。また、特
開平9-42472 号公報には、1200℃における曲げ強度が30
kg/mm2以上のセラミックスで弁板と軸部を一体的に形成
し、軸部の端部に金属軸を焼き嵌めにより嵌着したバタ
フライ弁が提案され、セラミックスとして窒化珪素系又
は炭化珪素系の緻密質セラミックスが開示されている。
このように耐熱性、抗折強度に優れたセラミックスを適
用することが試みられているが、実際に製鉄用高炉の羽
口のバタフライ弁に使用したところ、寿命が短く、短期
間の内に破損するという耐久性に関して基本的な問題が
解決されていないことが判明した。
【0004】これまで、窒化珪素質焼結体は破壊靭性に
優れるものの、高温強度、耐熱衝撃性、耐熱疲労性や硬
度が低かった。例えば、酸化イットリウムと酸化アルミ
ニウムを添加した系では、耐熱衝撃性においては優れた
ものが得られているが、耐熱性、靭性、高温での機械的
強度に劣っている場合があった。そこで、高温下での特
性改善を図る目的で、特開昭53-14717号公報、特開昭62
-207766 号公報および特開平2-296769号公報に開示され
ている酸化イットリウム+酸化アルミニウム+窒化アル
ミニウムを添加した系、特開昭62-207765 号公報に開示
されている酸化イットリウム+酸化セリウム+酸化マグ
ネシウムを添加した系などが試みられており、高温強度
の向上等に効果があることが知られている。また、1MPa
以上の窒素ガス雰囲気中にてガス圧焼結する方法が、靭
性の改善に効果があることが知られている。
【0005】しかしながら、上記材料では、耐熱衝撃
性、耐熱性は優れるものの、機械的強度及び靭性を同時
に飛躍的に改善するには至っていないため、より厳しい
使用環境下、特に、高炉支管風量調整用バタフライ弁や
ガスタービン部品のように、1200〜1300℃以上の高温環
境下で、高い高温強度と靭性が必要である構造部材へ適
用するにあたっては、信頼性に欠ける等の問題点があっ
た。従って、1200℃以上の高温における機械的強度及び
靭性の両方を同時に向上したものが望まれている。窒素
ガス圧焼結を利用する方法については、このことにより
特性の改善は認めれるものの、生産性に劣るなどの問題
点があった。従って、高温強度の向上に加えて、耐酸化
性、耐熱衝撃性および靭性の向上した材料が要望されて
いる。
【0006】また、窒化アルミニウムは窒化珪素の焼結
過程で焼結を促進するとともに、窒化珪素に固溶し、安
定なSi-Al-O-N 相を形成するため、高温特性の向上に寄
与することが知られている。しかし、窒化珪素との均一
混合粉末を作製する際、窒化アルミニウムの酸化を抑制
するため混練用の溶媒として、アセトン、エタノール等
の有機溶媒を用いる必要があり、安価もしくは装置購入
により自給可能な精製水を用いることができない等、工
業的生産性に劣る問題点があった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】このように、実際のバ
タフライ弁の使用環境では、単なる耐熱性や高温強度の
みならず、ガス流体中に含まれる塵埃や耐火物の剥離粒
子等の粉粒体による粒子衝突損傷や耐酸化性、回転駆動
時の捻りや風量変動時の振動に対する耐久性、ハンドリ
ング時の耐欠損性等の熱疲労的安定性や機械的安定性に
も優れている必要があり、このような特性に優れている
材質を有するバタフライ弁の提供が望まれていた。
【0008】そこで、本発明は、上述の従来のセラミッ
クス製バタフライ弁の問題点を解決し、1200℃以上の熱
的安定性、機械的安定性に優れ、長期耐久性を有するバ
タフライ弁を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、上記問題
点を解決するために、窒化珪素質セラミックス焼結体の
組成に関する検討を鋭意行った結果、前記組成から構成
される場合にバタフライ弁として優れた特性を有する焼
結体が得られることを見出し、本発明を完成させるに至
った。
【0010】即ち、本発明は、(1) 1 種類以上の希土類
酸化物3 〜12質量% 、酸窒化アルミニウムポリタイプ4
〜10質量% 及び残部が実質的に窒化珪素からなる混合粉
末の成形体を成形し、該成形体を0.1 〜0.2MPaの窒素ガ
ス雰囲気中において1700〜1800℃の温度で焼結した窒化
珪素質セラミックス焼結体を成形加工してなることを特
徴とするバタフライ弁、(2) 1 種類以上の希土類酸化物
3 〜12質量% 、21R 型サイアロン4 〜10質量% 及び残部
が実質的に窒化珪素からなる混合粉末の成形体を成形
し、該成形体を0.1〜0.2MPaの窒素ガス雰囲気中におい
て1700〜1800℃の温度で焼結した窒化珪素質セラミック
ス焼結体を成形加工してなることを特徴とするバタフラ
イ弁、(3) 1 種類以上の希土類酸化物3 〜12質量% 、酸
窒化アルミニウムポリタイプ4〜10質量% 、21R 型サイ
アロン4 〜10質量% 及び残部が実質的に窒化珪素からな
る混合粉末の成形体を成形し、該成形体を0.1 〜0.2MPa
の窒素ガス雰囲気中において1700〜1800℃の温度で焼結
した窒化珪素質セラミックス焼結体を成形加工してなる
ことを特徴とするバタフライ弁、(4) 前記酸窒化アルミ
ニウムポリタイプがAl9O3N7 、Al7O3N5 及びAl6O3N4
ら選ばれる少なくとも1 種のAl-O-N化合物である(1) ま
たは(3) 記載のバタフライ弁、(5) 前記窒化珪素質セラ
ミックス焼結体の相対密度が95% 以上である(1) 〜(4)
のいずれかに記載のバタフライ弁、である。
【0011】
【発明の実施の形態】以下に、本発明を詳細に説明す
る。本発明者等は、従来使用されていたセラミックス製
バタフライ弁について、その損耗状況を鋭意解析した結
果、高温高圧のガス流体が高速で流通される場合、耐酸
化性に劣る材料では、表面に耐摩耗性に劣る酸化層を形
成し、その酸化層が容易に摩耗し、消耗していくことを
見出した。また、摩耗部周囲には、チッピングや割れ等
の欠損が認められることが多く、この欠損は熱疲労や流
体中の粒子の衝突に伴う機械的衝撃により生成、進展
し、バタフライ弁の破損に至ることも見出した。これら
の摩耗と欠損は、バタフライ弁の材質が耐酸化性に劣
り、靭性や耐熱衝撃性の特性が低い場合に特に顕著に認
められた。したがって、バタフライ弁を長期間安定して
使用するためには、耐摩耗性と耐欠損性を同時に向上さ
せることが必要で、そのためには耐酸化性や耐熱衝撃性
に優れ、高靭性な材質のセラミックスを用いることが必
要不可欠である。
【0012】そこで、これらの特性を同時に向上させる
ために、各種窒化珪素質セラミックス焼結体を作製し、
その特性を評価した結果、1 種類以上の希土類酸化物3
〜12質量% 、酸窒化アルミニウムポリタイプおよび/ ま
たは21R 型サイアロン4 〜10質量% 及び残部が実質的に
窒化珪素からなる混合粉末を成形し、該成形体を0.1〜
0.2MPaの窒素ガス雰囲気中において1700〜1800℃の温度
で焼結した窒化珪素質セラミックス焼結体が優れた特性
を有することを見出した。本発明の窒化珪素質焼結体を
成形加工したバタフライ弁は、従来の低融点ガラス相を
有する窒化珪素製バタフライ弁に比べて、耐酸化性、耐
熱衝撃性に優れ、使用環境下で弁体中に生じる温度勾配
に起因する静疲労特性、また休風時の急冷に伴う熱応力
破壊抵抗特性を高めるなどの特徴を有する。
【0013】本発明の窒化珪素質焼結体は、アルミナや
ジルコニア等を主成分とするセラミックス焼結体と異な
り、700 〜1400℃の耐熱性に優れると共に、高温下にお
ける機械強度も保持できることから、高温高圧環境下で
使用されるバタフライ弁の材質として最適である。本発
明において、希土類酸化物、酸窒化アルミニウムポリタ
イプや21R 型サイアロンは焼結助剤として用いるが、こ
れらはSi3N4 の焼結時にその融液中でα-Si3N4相からβ
-Si3N4相への結晶相転移を促進させる機能を持ち、さら
にβ-Si3N4の柱状相の成長を助長する作用もあり、高温
強度および靭性を向上させる。
【0014】本発明の希土類酸化物としては、例えば、
酸化イットリウム、酸化エルビウム、酸化イッテルビウ
ム、酸化スカンジウム、酸化セリウム等が挙げられる。
これら希土類酸化物の合計が12質量% を越えると得られ
た焼結体の高温での耐酸化性が低下するので、12質量%
以下であることが必要である。また、3 質量% より少な
いと液相が十分生成せず、十分緻密化がなされないため
好ましくない。従って、これらの添加量としては、3 〜
12質量% の範囲とし、特に十分に高い高温強度および靭
性を得るためには、4 〜8 質量% の範囲であることが好
ましい。
【0015】酸窒化アルミニウムポリタイプとしては、
Al-O-Nの化合物であり、窒化アルミニウムに所定量の酸
化アルミニウムを予め固溶させることにより形成された
ものである。酸窒化アルミニウムのポリタイプとして
は、酸化アルミニウムの窒化アルミニウムへの固溶量に
応じて、32H 、27R 、21R 、12H 、15R 型など、数多く
の形態( 多形) が存在する。27R 型酸窒化アルミニウム
ポリタイプはAl9O3N7 であり、21R 型酸窒化アルミニウ
ムポリタイプはAl7O3N5 であり、12H 型酸窒化アルミニ
ウムポリタイプはAl6O3N4 である。
【0016】本発明に用いられる焼結助剤は、Al9O
3N7 、Al7O3N5 及びAl6O3N4 から選ばれる少なくとも1
種のAl-O-N化合物である。これらAl-O-N化合物は、他の
酸窒化アルミニウムポリタイプに比べて、化合物中のAl
N モル比が高く、かつ水中でも安定である特徴を有して
おり、水中での混合工程でも変質せず、安定なセラミッ
クス粉末である。また、21R 型サイアロンは、Si6-xAl8
+xOxN16-x(xの範囲3.75≦x ≦5.00) で表わされるSi-A
l-O-N 化合物である。
【0017】これらの酸窒化アルミニウムポリタイプお
よび/または21R 型サイアロンは、単相の窒化アルミニ
ウムもしくは他の型の酸窒化アルミニウムポリタイプと
比べて、焼結過程において、窒化珪素に固溶し易く、焼
結後に窒化珪素の結晶粒界に残存しにくいため、均質か
つ高温まで高い強度を示す焼結体を得ることができる。
本発明においては、焼結助剤として、酸窒化アルミニウ
ムポリタイプのAl9O3N 7 、Al7O3N5 及びAl6O3N4 から選
ばれる少なくとも1 種のAl-O-N化合物および/または21R
型サイアロンを合計で4 〜10質量% 含むが、4 質量%
より少ないと十分緻密な焼結体が得られない。また、10
質量% を越えると耐酸化性が劣化する。特に、高い高温
強度および高い靭性の焼結体を得るためには、6 〜8 質
量% の範囲であることがより望ましい。
【0018】本発明の焼結助剤である希土類酸化物、酸
窒化アルミニウムポリタイプ及び21R 型サイアロンは、
均質かつ高密度の焼結体を得るために、平均粒径が2 μ
m 以下の微粒子であることが好ましい。本発明におい
て、使用される窒化珪素粉末は、α型の結晶構造をもつ
Si3N4 粉末が、焼結性の点から好適であるが、β型ある
いは非晶質Si3N4 粉末が含まれていても構わない。焼結
時に十分に高い密度とするためには、平均粒径1 μm 以
下の微粒子であることが望ましい。本発明の窒化珪素質
セラミックス焼結体の相対密度は、理論密度に対して95
% 以上であることが望ましい。相対密度が95% 未満で
は、熱的安定性、機械的安定性が不充分になり易く、長
期耐久性の向上効果が見られない恐れが高くなる。
【0019】成形法としては、公知の成形法により行う
ことができる。例えば、板状体では1 軸成形圧10〜100M
Paで成形した後、2 次静水圧成形圧150 〜700MPaで成形
する。焼結方法としては、窒素ガスを含む雰囲気にて、
例えば、無加圧焼結法、ガス圧焼結法、熱間静水圧プレ
ス焼結法、ホットプレス焼結法、等の各種焼結法を用い
ることができ、さらにこれらの焼結法を複数組合せても
良い。窒素ガスを含む雰囲気で焼結するのは、焼結中で
のSi3N4 の分解を抑制するためである。Si3N4は、窒素
ガス1 気圧下では、約1850℃以上で分解が生じるため、
1850℃以上にて焼結を行う場合は、一般に窒素ガス圧を
焼結温度におけるSi3N4 の臨界分解圧力以上に設定する
ことが知られている。
【0020】また、大型厚肉形状のバタフライ弁を製造
する場合には、十分な緻密化を図るために、無加圧焼結
後に、さらに窒素ガス雰囲気中での熱間静水圧プレス焼
結を行うことが好ましい。無加圧または0.1 〜0.2MPaの
窒素ガス圧焼結条件としては、焼結温度が1700〜1800℃
であることが望ましい。1700℃未満では、緻密な焼結体
が得られず、固溶体粒子近傍に残留応力を十分に発生さ
せることが困難となり、高靭性の焼結体とすることがで
きない。一方、1800℃を越える高温では、β-Si3N4結晶
粒が粗大化し強度低下を起こし、高硬度と耐熱衝撃性が
得られない。また、焼結の際には1550〜1650℃で、希土
類酸化物および酸窒化アルミニウムポリタイプの液相を
均一に分布させるために、30分以上保持する。さらに、
1700〜1800℃で、上記液相中に窒化珪素が溶解し、再析
出することで、結晶相転移が生じるとともに、緻密化
し、焼結する。
【0021】本発明により得られる焼結体は、Si3N4
平均結晶粒径が1 〜3 μm 程度と大きく、かつ柱状結晶
粒が絡み合った組織を呈し、高温まで高い強度を維持し
たまま、高い靭性を有し、抗折強さが大気中1300℃にて
700MPa以上の高強度で、かつ靭性値KIC が6MPam1/2の高
靭性を有する。
【0022】
【実施例】次に、本発明の実施例を比較例と共に説明す
る。 (実施例1〜4)窒化珪素(Si3N4) 粉末( α化率97% 以
上、純度99.7% 、平均粒径0.3 μm)に酸化イットリウム
(Y2O3)粉末( 平均粒径1.5 μm)、27R 型酸窒化アルミニ
ウムポリタイプ(Al9O3N7) 粉末( 平均粒径1.5 μm) 、
21R 型酸窒化アルミニウムポリタイプ(Al7O3N5) 粉末(
平均粒径2.2 μm)、12H 型酸窒化アルミニウムポリタイ
プ(Al6O3N4) 粉末( 平均粒径1.2 μm)、21R 型サイアロ
ン(SiAl6O3N5) 粉末( 平均粒径1.8 μm)を表1に示す所
定量( 質量%)添加し、分散媒として精製水またはアセト
ンを用い、炭化珪素セラミックスを内貼りしたボールミ
ルで、24時間混練した。精製水またはアセトンの添加量
は、セラミックス全粉末原料100gに対し、120gとした。
【0023】次いで、得られた混合粉末を成形後、焼結
した。成形条件としては、冷間静水圧による加圧150MPa
とし、250mm ×700mm ×厚さ65mmの平板を成形した。こ
れを素地加工し、弁体径φ220mm ×厚さ28mmの外周部に
対向するように配置された2本の等長軸部径φ55mm×長
さ220mm の形状を有する成形体を得た。焼結条件として
は、0.15MPa の窒素ガス密閉中にて、昇温時に1600℃で
表1中に示す時間保持を行い、続いてさらに昇温し、同
じく表1記載の最高温度で8 時間保持の焼結を行った。
得られた焼結体から、弁体径φ160mm ×厚さ20mmの外周
部に対向するように配置された2 本の等長軸部径φ40mm
×長さ170mm を研削加工し、熱風ガスの通風中での耐久
試験に供した。
【0024】得られた焼結体から各種形状の試験片を切
り出し、機械的特性を評価した。抗折強さは、JIS R160
1 により、大気中室温および1300℃にて測定した。硬さ
は、押込荷重98N にてビッカース硬さとして測定した。
靭性については、JIS R1607のSEPB法により、室温にて
破壊靭性値KIC を測定した。また、耐熱衝撃性として
は、曲げ試験片を大気中にて所定の温度に加熱後、水中
急冷し、抗折強さの劣化が始まる急冷温度差ΔT で評価
した。焼結体密度は、アルキメデス法により、相対密度
として測定した。
【0025】得られた各焼結体の諸特性を表2に示す。
熱風ガス通風試験としては、ガス成分は空気+酸素3 体
積% 、ガス圧力0.3MPa、ガス温度1200℃、羽口通風速度
120m/ 秒の条件にて行った。弁体は、通風方向に対して
45°になるような向き( 弁=半開) に固定し、2 ヶ月の
通風後、弁体の外周部に発生した摩耗痕跡の深さh を投
影型顕微鏡にて測定した。また、摩耗痕跡周囲の損傷有
無、チッピング深さ、および割れ深さを蛍光探傷法およ
び断面研磨面の光学顕微鏡観察により評価した。 (比較例5〜6)比較例5 〜6 は、実施例1 〜4 と同一
原料を用い、同じく精製水またはアセトンで調製した
が、それぞれ焼結助剤の添加割合が不適である比較例で
ある。これらを併せて、表1に示す。また、これら比較
例の材料も実施例1 〜4 と同様の条件で通風試験を行
い、その結果を表2に示した。
【0026】
【表1】
【0027】
【表2】
【0028】表2に示すように、本発明の実施例による
ものは、摩耗痕跡深さが20μm 以下と非常に少なく、か
つ、摩耗痕跡周囲には、割れ・チッピングの欠損が何れ
の場合も認められず、耐摩耗性、耐欠損性共に優れる
が、比較例の各弁体は、本発明の実施例に比べて、破損
や破断が発生するまでの短期間の摩耗痕跡深さ80μm 以
上と大きく、その上、ヒビ等の欠損が発生しており、耐
摩耗性、耐欠損性が不充分であることが確認された。
【0029】
【発明の効果】以上述べたように、本発明の窒化珪素質
セラミックス焼結体を成形加工してなるバタフライ弁
は、熱的安定性、機械的安定性に優れ、長期耐久性を有
することから、高温高圧環境下での長期信頼性の非常に
優れたバタフライ弁である。そして、例えば製鉄用高炉
の羽口から吹き込む熱風ガスの流量調整等の弁として、
本発明のバタフライ弁を使用すれば、長期間熱風流量調
整に供することができ、高炉等の安定操業による生産性
向上と共に製造コスト低減に寄与すること大である。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例の高炉熱風ガスの支管風量調節用バタフ
ライ弁( 全長500mm)の模式図。
【図2】実施例におけるバタフライ弁の設置状況を示す
模式図。
【符号の説明】
1 …バタフライ弁の軸部 2 …バタフライ弁の弁板 3 …バタフライ弁
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 露木 明 千葉県君津市君津1番地 新日本製鐵株式 会社君津製鐵所内 Fターム(参考) 3H052 AA02 BA22 BA23 BA24 CA16 CC06 CD09 EA03 4G001 BA09 BA32 BA51 BA52 BB09 BB32 BB51 BB52 BC12 BC13 BC54 BD01 BD11 BE33

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 1種類以上の希土類酸化物3〜12質量
    % 、酸窒化アルミニウムポリタイプ4〜10質量% 及び
    残部が実質的に窒化珪素からなる混合粉末の成形体を成
    形し、該成形体を0.1〜0.2MPa の窒素ガス雰囲気
    中において1700〜1800℃の温度で焼結した窒化
    珪素質セラミックス焼結体を成形加工してなることを特
    徴とするバタフライ弁。
  2. 【請求項2】 1種類以上の希土類酸化物3〜12質量
    % 、21R 型サイアロン4〜10質量% 及び残部が実質
    的に窒化珪素からなる混合粉末の成形体を成形し、該成
    形体を0.1〜0.2MPa の窒素ガス雰囲気中において
    1700〜1800℃の温度で焼結した窒化珪素質セラ
    ミックス焼結体を成形加工してなることを特徴とするバ
    タフライ弁。
  3. 【請求項3】 1種類以上の希土類酸化物3〜12質量
    % 、酸窒化アルミニウムポリタイプ4〜10質量% 、2
    1R 型サイアロン4〜10質量% 及び残部が実質的に窒
    化珪素からなる混合粉末の成形体を成形し、該成形体を
    0.1〜0.2MPa の窒素ガス雰囲気中において170
    0〜1800℃の温度で焼結した窒化珪素質セラミック
    ス焼結体を成形加工してなることを特徴とするバタフラ
    イ弁。
  4. 【請求項4】 前記酸窒化アルミニウムポリタイプが、
    Al9O3N7 、Al7O3N5及びAl6O3N4 から選ばれる少なくと
    も1種のAl-O-N化合物であることを特徴とする請求項1
    または3記載のバタフライ弁。
  5. 【請求項5】 前記窒化珪素質セラミックス焼結体の相
    対密度が95% 以上であることを特徴とする請求項1〜
    4のいずれかに記載のバタフライ弁。
JP2000195802A 2000-06-29 2000-06-29 バタフライ弁 Pending JP2002020171A (ja)

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