JP2000143351A - 高靭性窒化珪素質焼結体 - Google Patents

高靭性窒化珪素質焼結体

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JP2000143351A
JP2000143351A JP10311442A JP31144298A JP2000143351A JP 2000143351 A JP2000143351 A JP 2000143351A JP 10311442 A JP10311442 A JP 10311442A JP 31144298 A JP31144298 A JP 31144298A JP 2000143351 A JP2000143351 A JP 2000143351A
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toughness
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Masashi Sakagami
勝伺 坂上
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Abstract

(57)【要約】 【課題】窒化珪素質焼結体の高強度、高靱性、高硬度化
を図る。 【解決手段】窒化ケイ素を主成分としたマトリックス1
中に、Tiの窒化物、炭化物および炭窒化物などのTi
化合物2を分散含有してなり、Ti化合物2が密に存在
する凝集領域3がマトリックス1中に点在してなり、特
に、Ti化合物2が、少なくとも平均短径が0.1〜2
μm、平均アスペクト比が2〜50の繊維体を含有し、
全量中10〜40体積%の割合で含有するとともに、凝
集領域3が20〜200μmの大きさで存在するが望ま
しい。また、マトリックス1は、β−窒化珪素結晶相を
主成分とし、周期律表第3a族元素を含有する粒界相と
から構成され前記Ti化合物との界面に、Ni、Co、
W、Mo、Mn、CuおよびFeの少なくとも1種が、
酸化物、窒化物、酸窒化物もしくはケイ化物として存在
することが望ましい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、切削工具に関連す
る部品や耐摩耗部品、摺動部品、耐熱用部品、もしくは
装飾用部品などに適用でき、靭性の高い窒化珪素質焼結
体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、セラミックスは、金属に比べ密
度が低いため、製品重量が軽く、金属より高い硬度を有
し、耐摩耗性、耐酸化性、耐蝕性及び耐熱性に優れてい
ることから耐摩耗性を有する工具や一般産業部品、ベア
リング用ボールなどの摺動用部品、バルブ、ヘッドライ
ナー、発熱体、焼成管などの耐熱性部品から、時計ケー
ス、釣り具のリール用ガイドなどの装飾用部品などの耐
摩耗性が必要となる用途など幅広い分野で用いられてい
る。
【0003】このような用途に用いられるセラミックス
材料としては、アルミナ、炭化珪素、窒化アルミニウ
ム、グラファイト又は窒化珪素が使用されているが、こ
れらのセラミックスは、金属より破壊靭性や強度が低い
ために、セラミックスの改良が行われており、具体的に
は、上記セラミックス中に、主成分とは異なるウイスカ
ー、例えば炭化珪素ウイスカーなどの繊維体や、微細粒
子を分散させて強化することが行われている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、アルミ
ナに対して、炭化珪素ウイスカーを強化させる場合にお
いては、破壊靭性を7MPa・m1/2 程度、抗折強度を
100kg/cm2 程度まで高めることができるが、実
用化において、破壊靱性や強度が不十分であるために、
使用できる用途は限定されている。
【0005】これに対して、窒化珪素質焼結体は、針状
の窒化珪素粒子がからみあった組織構造を有するため
に、セラミックスの中でも靭性や強度が高いことから注
目されている。そして、これらの特性をさらに改善すべ
く、窒化珪素質焼結体中に炭化珪素ウイスカーを分散さ
せることも提案されている。
【0006】しかしながら、窒化珪素および炭化珪素
は、いずれもアルミナ等に比較して、金属との凝着、溶
着性が高く、また硬度が低いため耐摩耗性の点で劣るも
のである。
【0007】そこで、本発明者は、窒化珪素質焼結体の
強化にあたり、炭化珪素ウイスカーに代えて、耐摩耗性
の優れたTiの炭化物、窒化物などを均一に分散させる
ことを試みた。しかしながら、ウイスカーを均一に分散
させると、クラックの進展を抑制させるだけの十分な量
のウイスカーを分散させる必要があり、これら多くのウ
イスカーを分散させると焼結性の低下やマトリックスと
の密着性が不十分であるために、十分な靱性の向上、硬
度の向上が行われず、Ti化合物の分散による効果が十
分に発揮されないという問題があった。
【0008】よって、本発明は、窒化珪素質焼結体中に
Ti化合物を分散させて、Ti化合物を分散させた高靱
性、高硬度、高強度の窒化珪素質焼結体を得ることを目
的とするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者は、窒化珪素質
焼結体の靭性や強度を向上させる場合、ウイスカー強化
材料の強化メカニズムについて調査し、この特性を向上
させるための方法について検討を重ねた結果、第1に分
散相自身の焼結体中での分散状態が、特性に大きく影響
を及ぼすという見地から検討を重ねた結果、窒化珪素か
らなるマトリックス中に、分散相となるTi化合物が、
密に存在する凝集領域をマトリックス中に点在させたと
ころ、高い強度を維持しつつ靱性および硬度が向上する
ことを見出し本発明に至った。
【0010】即ち、本発明の高靭性窒化珪素質焼結体
は、窒化ケイ素を主成分としたマトリックス中に、Ti
の窒化物、炭化物および炭窒化物の群から選ばれる少な
くとも1種のTi化合物を分散含有し、前記Ti化合物
が密に存在する凝集領域が前記マトリックス中に点在し
てなることを特徴とするものであり、特に、前記Ti化
合物が、平均短径が0.1〜2μm、平均アスペクト比
が2〜50の繊維体を含有すること、前記Ti化合物
を、全量中10〜40体積%の割合で含有すること、前
記凝集領域が20〜200μmの大きさで存在すること
が望ましい。
【0011】また、マトリックスとしては、β−窒化珪
素結晶相を主成分とし、周期律表第3a族元素を含有す
る粒界相とから構成されること、β−窒化珪素結晶相の
平均アスペクト比が3以上であることが望ましい。
【0012】さらには、マトリックスの前記Ti化合物
との界面に、Ni、Co、W、Mo、Mn、Cuおよび
Feの少なくとも1種が、酸化物、窒化物、酸窒化物も
しくはケイ化物として存在することが望ましい。
【0013】マトリックス中に高硬度のTi化合物を分
散させることにより、焼結体全体の硬度を高めることが
できる。また、異相の分散によって靱性が向上するメカ
ニズムとしては、マトリックス中を進展したクラック
が、分散相に達するとクラックが偏向され、その繰り返
しによって徐々にクラックのエネルギーが消失すること
により靱性が向上するものである。
【0014】しかし、クラックを効果的に偏向させるた
めには分散相を多量に含めることが必要であるが、その
結果、焼結性が低下したり、マトリックスの成分が減少
するために、マトリックス自体が有する特性が劣化して
しまう。
【0015】これに対して、本発明に基づき、Ti化合
物からなる凝集領域をマトリックス中に点在させること
により、窒化珪素からなるマトリックス中を進展したク
ラックは、凝集領域にて急激にエネルギーを消失するこ
とができる結果、マトリックスが有する特性を維持しつ
つ飛躍的に硬度および靱性を高めることができる。
【0016】
【発明の実施の形態】本発明の高靱性窒化珪素質焼結体
は、組織的にはマトリックス成分とTi化合物からなる
分散相とに大別される。この分散相は、全量中10〜4
0体積%、特に15〜30体積%の割合で分散含有する
ことにより、分散相による靱性及び硬度を効果的に向上
することができる。但し、分散相の量が10体積%より
も少ないと、特性向上効果が小さく、40体積%より多
くなると系全体の焼結性が低下し、所望の特性を得るこ
とが難しくなる。
【0017】かかるマトリックス−分散相複合系におい
て、靭性や強度が向上するのは、分散相によるクラック
の偏向、さらに分散相が繊維体の場合には、これに加
え、引き抜き効果(プルアウト効果)によるものとされ
るが、本発明によれば、図1の組織構造の模式図に示す
ように、マトリックス1中にTi化合物2が局在的に密
に存在する凝集領域3を点在させた構造からなる。
【0018】この凝集領域3は、その平均直径が20〜
200μm、特に40〜150μmであることが望まし
く、また隣接する凝集領域3間距離は、平均で0.5〜
50μm、特に3〜30μmであることが望ましい。
【0019】かかる構造において、マトリックス中に分
散させるTi化合物としては、Tiの炭化物、窒化物お
よび炭窒化物の群から選ばれる少なくとも1種、さらに
は、これらの化合物中に酸素が混入したものも使用でき
る。これらのTi化合物は、化学量論組成又は非化学量
論組成からなっているものでもよい。
【0020】Ti化合物は、マトリックス中において、
平均短径が0.1〜2μm、特に好ましくは0.5〜
1.5μmであり、平均アスペクト比が2〜50、好ま
しくは5〜30の粒子あるいは繊維体として存在するこ
とが高靱性化を図る上で望ましい。
【0021】一方、マトリックスは、β−窒化珪素結晶
相を主相とし、助剤成分として周期律表第3a族元素を
含有する粒界相とから構成されることが望ましい。ま
た、粒界相中には、さらにSi,Al,N等が含まれて
いてもよい。なお、β−窒化珪素結晶相は、平均アスペ
クト比が3以上、平均短軸径が0.5〜2μmの柱状結
晶の針状結晶として存在することが靱性および強度向上
の点で望ましい。また、前記周期律表第3a族元素、ア
ルミニウムは、粒界においてはガラス相を形成するか、
または希土類元素−Si3 4 −SiO2 系の結晶相と
して存在してもよい。なお、アルミニウムはβ−窒化珪
素結晶相中に一部固溶していてもよい。
【0022】また、マトリックスの組成としては、窒化
珪素を75〜95重量%、特に、80〜90重量%含
み、さらに、周期律表第3a族元素を酸化物換算で1〜
12重量%、好適には3〜10重量%含むことが焼結性
を高める上で望ましい。さらに焼結性を向上させる上
で、アルミニウムを酸化物換算量7重量%以下、好適に
は5重量%以下を含み、さらに不純物的酸素を酸化珪素
換算量で10重量%以下、好適には8重量%以下含むこ
とが望ましく、かかる組成によって、緻密化が促進さ
れ、高硬度、高靱性化が促進される。
【0023】なお、周期律表第3a族元素としては、特
に、Y、Er、Yb、Lu、Sm、Dy、Tb、Ho、
Nd、Ceの群から選ばれる少なくとも1種、さらに
は、Y、Er、Yb、Sm、Dyの群から選ばれる少な
くとも1種が好適である。
【0024】なお、前記不純物的酸素とは、マトリック
ス中の全酸素量から焼結体中のYまたは希土類元素(R
E)およびAlに対して化学量論組成(RE2 3 およ
びAl2 3 )で結合していると仮定される酸素量を差
し引いた残りの酸素量であり、そのほとんどは窒化珪素
粉末中の不可避的酸素または意図的に添加されたSiO
2 成分より構成される。
【0025】また、上記窒化珪素質焼結体には、他の成
分として、Ni、Co、W、Mo、Mn、CuおよびF
eの少なくとも1種が、酸化物、窒化物、酸窒化物もし
くはケイ化物を0.01〜8重量%の割合で含有させる
ことにより、さらに特性の改善を図ることができる。特
に、これらの成分は、前記Ti化合物との界面に存在す
ることにより、マトリックスとTi化合物の親和性及び
濡れ性を向上させ、粒子間の結合力を高める作用をな
し、特性の改善を図ることができる。
【0026】本発明の窒化珪素質焼結体は、理論密度が
95%以上、好適には98%以上にであり、気孔率が3
%以下、好適には1.5%以下であることが望ましい。
例えば、靭性が必要な切削工具では、さらに、耐摩耗性
を維持する上で重要であり、理論密度が95%未満では
焼結体の摩耗が大きくなる。
【0027】本発明の高靱性窒化珪素質焼結体を作製す
る方法としては、まず、マトリックス形成成分として、
窒化珪素粉末、特にα化率が90%以上、平均粒径が
0.4〜1.2μm、不純物酸素量が0.5〜1.5重
量%の粉末を用いるか、あるいは窒化珪素粉末の0〜8
0重量%相当量を珪素粉末に置き換え、珪素粉末を低温
で窒化するとα−Si3 4 が生成されやすくなり、窒
化後の成形体のα−Si3 4 の含有量を高めることが
できる。このようなα−Si3 4 の含有量の大きい成
形体を焼成すると、針状のβ−窒化珪素結晶相の生成を
増加させることができ、焼結体の強度および靱性を高く
させることができる。
【0028】次に、上記主原料に対して、周期律表第3
a族元素酸化物粉末、Al2 3 粉末、場合によっては
SiO2 粉末を、焼成前の成形体組成が、周期律表第3
a族元素の酸化物換算量が1〜12重量%、特に3〜1
0重量%、アルミニウムが酸化物換算で7重量%以下、
特に5重量%以下であること、さらには、成形体中の全
酸素量から希土類元素酸化物粉末、Al2 3 粉末中の
酸素分を差し引いた残りの酸素量が、SiO2 換算で1
0重量%以下、特に8重量%以下となるように添加す
る。
【0029】これらの焼結助剤成分の含有量を上記のよ
うに限定したのは、各成分が上記の値より低いと焼成過
程で液相が不足し緻密体が得られず強度は低下し、各成
分が上記の値より多いと焼成中の液相が増加する結果、
窒化珪素が異常な粒成長を引き起こしやすくなり、その
異常粒が破壊源となり強度を低下させてしまい、また表
層では窒化珪素の分解が激しくなり強度低下してしまう
ためである。
【0030】また、さらには、Ni、Co、W、Mo、
Mn、CuおよびFeの少なくとも1種が、酸化物、窒
化物、酸窒化物もしくはケイ化物を0.01〜8重量%
の割合で添加する。
【0031】この混合物に適宜有機バインダー及び溶媒
を添加し、公知の方法で充分に混合してスラリーを調整
した後、スプレードライ造粒法により乾燥し、平均粒径
が20〜200μmの大きさの造粒体を形成する。
【0032】本発明によれば、このスプレードライ造粒
法により得られる造粒体中には、その造粒体の中心部に
Ti化合物が密に存在し、その周囲にTi化合物が疎と
なる領域が存在する。このような粉体の形成はスプレー
ドライにおける諸条件を制御することにより作製するこ
とができる。具体的には、調合後のスラリー粘度を1.
5ポイズ以下、特に1ポイズ以下に制御することが必要
で、1.5ポイズより高いと、Ti化合物が密に存在す
る凝集部とウイスカーが粗に存在した表層部の形成が難
しくなる。
【0033】また、スプレードライ内の温風乾燥温度は
80℃〜200℃であるが、望ましくは80℃〜100
℃がよい。この場合、入口温度が出口温度より高いと、
前述した望ましい組織になりやすい。アトマイザー回転
数は5000rpm〜20000rpmで行うが、望ま
しくは6000rpm〜15000rpmで凝集部の平
均直径が20〜200μmの大きさの造粒体を形成しや
すい。回転数が5000rpmより遅いと凝集部の直径
が大きく、又、20000rpmより速いと凝集部の直
径が小さくなる傾向になる。
【0034】次に、上記のようにして得られた造粒体を
粗大粒をメッシュパスにて除去させた後、公知のプレス
成形、鋳込み成形、押し出し成形、射出成形、冷間静水
圧成形などにより所望の形状に成形する。
【0035】つぎに、この成形体を1650〜1850
℃の窒素雰囲気中で公知の焼成により、焼結体密度が理
論密度の95%以上となる条件で焼成緻密化する。焼成
方法としては、次に、得られた成形体をSiOを含む窒
素雰囲気下で1650〜1850℃、特に1700〜1
800℃の温度で焼成する。また、この焼結体を熱間静
水圧焼成によって、1600〜1800℃の温度で窒素
ガス、またはアルゴンガス中で1000〜2000at
mの圧力下で焼成して、さらに緻密化を図ることもでき
る。これらの、焼成手段として、ホットプレス法、常圧
焼成、窒素ガス圧焼成、熱間静水圧焼成法など公知の手
法を用いることができる。
【0036】
【実施例】平均粒径が1μm、α化率98%、酸素含有
量が1.2%の窒化珪素(Si34 )粉末、平均粒径
が1μm以下の各種の周期律表第3a族元素酸化物粉
末、酸化アルミニウム(Al2 3 )および酸化珪素
(SiO2 )のマトリックスとなる各粉末と、平均粒径
0.8μmの粒子状(P)あるいは平均粒径(短軸径)
0.8μm、平均アスペクト比25の各種Ti化合物ウ
イスカー(W)を用いて、各成分が表1に示す組成にな
るように調合し、溶媒としてメタノールを用いてナイロ
ンボールにて混合し、スラリーを作製した。
【0037】次にこのスラリーを粘度1.5ポイズ以下
に調整し、入口温度150℃出口温度100℃及びアト
マイザー回転数10000rpmにてスプレードライを
行い、平均粒径80μmの造粒粉体を作製した。その
後、0.3〜3トン/cm2 の圧力でもってラバープレ
ス(アイソスタテイックプレス)成形を行った。その
後、表1の条件で5時間、常圧焼成した。
【0038】成形体中にSi粉末を含まない場合には、
窒素圧9気圧の窒素中、表1の焼成温度で5時間焼成
し、その後に炉冷して焼結体を得た。
【0039】また、比較として、同一組成系において混
合スラリーを均一に混合したものを同様な方法で焼結体
の作製を行った。
【0040】かくして得られた各焼結体に対して、電子
顕微鏡によりTi化合物の凝集領域の大きさ及び凝集領
域の間隔を10点測定し、平均値を求めた。JISR1
601にて規定された条件の形状にまで加工し、アルキ
メデス法に基づく比重測定から調合理論密度に対する比
率を相対密度として求めた。強度は、JISR1601
に基づき室温の4点曲げ抗折強度試験をおこなって求め
た。靭性は鏡面仕上げをおこなった試料に対して、JI
S−R1607に基づく室温での破壊靱性を測定するこ
とで求めた。
【0041】摩耗試験として下記のとおり切削試験によ
る摩耗量を求める試験を行った。
【0042】試料形状 CNGN120408 被削材 FC−25 切削速度 500m/min 切り込み 2mm 送り 0.5mm/rev 切削時間 30分
【0043】
【表1】
【0044】
【表2】
【0045】表1および表2の結果から明らかなとお
り、本発明の試料No.1、2、4、5、7〜11、13
〜22については、Ti化合物を均一に分散させた試料
No.3、6、12より靭性が高く、靭性7.5MPa・
1/2 以上、強度900MPa以上、硬度15.0GP
a以上の機械的特性を達成でき、また摩耗率1.0mm
以下の優れた摩耗特性を得ることを確認した。
【0046】
【発明の効果】以上のとおり、本発明の高靱性窒化珪素
質焼結体によれば、Ti化合物を凝集領域として点在さ
せることにより、高い強度を維持したまま、高靱性およ
び高硬度化することができることから、耐摩耗性の試験
でも摩耗が小さく、チッピング等の異常摩耗を抑制で
き、焼結体の長寿命化を達成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の窒化珪素質焼結体(試料No.8)の組
織構造の図である。
【符号の説明】
1 マトリックス 2 Ti化合物 3 凝集領域
フロントページの続き Fターム(参考) 3C046 FF38 FF39 FF40 FF45 FF55 FF57 4G001 BA01 BA03 BA04 BA08 BA09 BA12 BA32 BA48 BA57 BA61 BA73 BA86 BB01 BB03 BB04 BB08 BB09 BB12 BB25 BB31 BB32 BB37 BB38 BB48 BB49 BB51 BB53 BB57 BC03 BC12 BC13 BD12 BD13 BD16 BE03 BE11 BE22 BE23

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】窒化ケイ素を主成分としたマトリックス中
    に、Tiの炭化物、窒化物および炭窒化物の群から選ば
    れる少なくとも1種のTi化合物を分散含有し、前記T
    i化合物が密に存在する凝集領域が前記マトリックス中
    に点在してなることを特徴とする高靱性窒化珪素質焼結
    体。
  2. 【請求項2】前記Ti化合物の平均短径が0.1〜2μ
    m、平均アスペクト比が2〜50である請求項1記載の
    高靱性窒化珪素質焼結体。
  3. 【請求項3】前記Ti化合物を、全量中10〜40体積
    %の割合で含有する請求項1記載の高靱性窒化珪素質焼
    結体。
  4. 【請求項4】前記マトリックスが、β−窒化珪素結晶相
    を主成分とし、周期律表第3a族元素を含有する粒界相
    とから構成される請求項1記載の高靱性窒化珪素質焼結
    体。
  5. 【請求項5】前記β−窒化珪素結晶相の平均アスペクト
    比が3以上である請求項1記載の高靱性窒化珪素質焼結
    体。
  6. 【請求項6】前記凝集領域が20〜200μmの大きさ
    で存在する請求項1記載の高靱性窒化珪素質焼結体。
  7. 【請求項7】前記マトリックスの前記Ti化合物との界
    面に、Ni、Co、W、Mo、Mn、CuおよびFeの
    少なくとも1種が、酸化物、窒化物、酸窒化物もしくは
    ケイ化物として存在する請求項1記載の高靱性窒化珪素
    質焼結体。
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