JP2007313892A - 回収ポリビニルアルコール系樹脂フィルムから得られる製膜用ペレットを用いたポリビニルアルコール系樹脂フィルムの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】回収ポリビニルアルコール系樹脂を一部再利用しても、新ポリビニルアルコール系樹脂粉末を全量使用した場合と同じ程度のフィルム物性及び製膜性等の作業効率を損なうことなく、ポリビニルアルコール系樹脂フィルムを提供する。
【解決手段】回収ポリビニルアルコール系樹脂フィルムと新ポリビニルアルコール系樹脂及び水からなる混合物を、押出成形してポリビニルアルコール系樹脂フィルムを製造するに当たり、回収ポリビニルアルコール系樹脂フィルムを、含水率10〜30重量%に含水させ、該フィルムを紐状に収束したストランドにして、裁断することにより得られるペレットとして、新ポリビニルアルコール系樹脂粉末と混合することを特徴とするポリビニルアルコール系樹脂フィルムの製造方法。
【選択図】なし

Description

本発明は、フィルムの製造工程や市場において不要となったポリビニルアルコール系樹脂フィルムを一部再利用して、新ポリビニルアルコール系樹脂を単独使用した時とほとんど同等の製膜性やフィルム物性をもつポリビニルアルコール系樹脂フィルムを製造する方法に関するものである。
ポリビニルアルコール系樹脂を原料として製造されるフィルムはその優れた特性と品質の多様性とが相まって多方面で応用されており、更に、逐次二軸延伸を施したポリビニルアルコール系樹脂フィルムはガスバリヤー性や機械的強度、透明性、光沢性等に優れ、食品包装や医療用輸液バッグ、農薬包材等の非食品分野等に利用されている。
かかるポリビニルアルコール系フィルムを製造するに当たっては、生産速度が大きいこと等の利点を期待して、含水ポリビニルアルコール系樹脂を押出機にて溶融製膜する方法が行われることが多い。そして、得られたポリビニルアルコール系フィルムは必要に応じて延伸処理が施されている。
この方法においては、運転開始時や品種切替時にロスが生じトリミングフィルムエッジ、フィルムの端尺が発生したり、運転条件の変動によってスペックアウトとなる製品フィルムも発生することがある。
また、製品フィルムとして市場に供給したものでも、使用後のフィルムの処分を要請されることもある。
従って、上記の如きロス品を回収して、いわゆる回収ポリビニルアルコール系樹脂フィルムの再利用を図ることが考えられ、かかる技術の一つとして本出願人は特開昭55−21214号公報で、回収ポリビニルアルコール系樹脂フィルムの水溶液と新ポリビニルアルコール系樹脂粉末を混合した、ポリビニルアルコール系樹脂濃度40〜60重量%の含水ポリビニルアルコール系樹脂混合物をフィルム状に押出成形する方法を提案した。
しかしながら、上記方法では回収ポリビニルアルコール系樹脂フィルムを全量水溶液として使用するため、その濃度を高くすると水溶液粘度が増加し配管の詰まりを起こしたり、新ポリビニルアルコール系樹脂粉末との均一な相溶性に多大の条件管理が必要とされ、ひいては製品のフィルム自体の品質を左右しかねない問題も潜んでいる。
かかる問題を避けるため回収ポリビニルアルコール系樹脂フィルムの水溶液の濃度を低くすることは、回収物を再利用するという本来の目的にそぐわなくなり、経済的メリットは全く失われることとなる。
しかるに、本発明者等がかかる課題について鋭意研究した結果、回収ポリビニルアルコール系樹脂フィルムと新ポリビニルアルコール系樹脂及び水からなる混合物を、押出成形してポリビニルアルコール系樹脂フィルムを製造するに当たり、回収ポリビニルアルコール系樹脂フィルムを、含水率10〜30重量%に含水させ、該フィルムを紐状に収束したストランドにして、裁断することにより得られるペレットとして、新ポリビニルアルコール系樹脂粉末と混合するとき、新ポリビニルアルコール系樹脂粉末を全量使用した場合と同じ程度のフィルム物性及び製膜性等の作業効率を損なうことなく、ポリビニルアルコール系樹脂フィルムが得られること、並びに上記ペレットはその製造に当たって、一般の熱可塑性樹脂のペレット化時に不可避の熱履歴を殆ど受けないのでフィルムの原液調製やフィルム物性に全く悪影響を及ぼさない顕著な効果を有することを見出し、本発明を完成した。
更に、かかるポリビニルアルコール系樹脂フィルムに、二軸延伸を施こせば機械的強度、ガスバリヤー性、耐水性、耐薬品性、耐熱性、離型性等の点で好ましい性能も付与可能である。
本発明では、回収ポリビニルアルコール系樹脂フィルムと新ポリビニルアルコール系樹脂及び水からなる混合物を、押出成形してポリビニルアルコール系樹脂フィルムを製造するに当たり、回収ポリビニルアルコール系樹脂フィルムを、含水率10〜30重量%に含水させ、該フィルムを紐状に収束したストランドにして、裁断することにより得られるペレットとして、新ポリビニルアルコール系樹脂粉末と混合するとき、新ポリビニルアルコール系樹脂粉末を全量使用した場合と同じ程度のフィルム物性及び製膜性等の作業効率を損なうことなく、ポリビニルアルコール系樹脂フィルムが得られる。
以下に、本発明を詳細に述べる。
本発明で用いられるポリビニルアルコール系樹脂としては、ポリビニルアルコール、変性ポリビニルアルコールいずれでもよく、該ポリビニルアルコールは酢酸ビニルを単独重合し、更にそれをケン化して製造される。また変性ポリビニルアルコールは酢酸ビニルと他の不飽和単量体との共重合体をケン化して製造されたり、ポリビニルアルコールを後変性して製造される。
上記で他の不飽和単量体としては、例えばエチレン、プロピレン、イソブチレン、α−オクテン、α−ドデセン、α−オクタデセン等のオレフィン類、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、マレイン酸、無水マレイン酸、イタコン酸等の不飽和酸類あるいはその塩あるいはモノ又はジアルキルエステル等、アクリロニトリル、メタアクリロニトリル等のニトリル類、アクリルアミド、メタクリルアミド等のアミド類、エチレンスルホン酸、アリルスルホン酸、メタアリルスルホン酸等のオレフィンスルホン酸あるいはその塩、アルキルビニルエーテル類、N−アクリルアミドメチルトリメチルアンモニウムクロライド、アリルトリメチルアンモニウムクロライド、ジメチルアリルビニルケトン、N−ビニルピロリドン、塩化ビニル、塩化ビニリデン、ポリオキシエチレン(メタ)アリルエーテル、ポリオキシプロピレン(メタ)アリルエーテルなどのポリオキシアルキレン(メタ)アリルエーテル、ポリオキシエチレン(メタ)アクリレート、ポリオキシプロピレン(メタ)アクリレート等のポリオキシアルキレン(メタ)アクリレート、ポリオキシエチレン(メタ)アクリルアミド、ポリオキシプロピレン(メタ)アクリルアミド等のポリオキシアルキレン(メタ)アクリルアミド、ポリオキシエチレン(1−(メタ)アクリルアミドー1,1−ジメチルプロピル)エステル、ポリオキシエチレンビニルエーテル、ポリオキシプロピレンビニルエーテル、ポリオキシエチレンアリルアミン、ポリオキシプロピレンアリルアミン、ポリオキシエチレンビニルアミン、ポリオキシプロピレンビニルアミン等が挙げられる。
又後変性の方法としては、ポリビニルアルコールをアセト酢酸エステル化、アセタール化、ウレタン化、エーテル化、グラフト化、リン酸エステル化、オキシアルキレン化する方法等が挙げられる。
かかるポリビニルアルコール系樹脂のなかでも、特にケン化度が90〜100モル%が好ましく、更には95〜100モル%が好ましい。かかるケン化度が90モル%未満ではフィルムの強度が劣る傾向にあり好ましくない。
又、平均重合度は500〜4000が好ましく、更には1500〜2800が好ましく、該平均重合度が500未満ではフィルムの強度が劣り、4000を越えると製膜性が悪くなり好ましくない。尚、上記ケン化度、平均重合度はJIS K 6726に準じて測定されるものである。
本発明で用いる回収ポリビニルアルコール系樹脂フィルムは、トリミングエッジフィルム、フィルムの端尺品、運転開始時や品種切替時のロス品、スペックアウトの製品フィルム、市場での不要処分品等である。
熱処理、延伸、各種物質でのコート、他樹脂とのラミネートされたものであっても、水溶性を有する範囲であれば使用可能である。
本発明では、回収ポリビニルアルコール系樹脂フィルムはペレットとして新ポリビニルアルコール系樹脂粉末に混合されるが、ペレットを調製する際には圧着式ペレット造粒機等の周知の造粒機が使用される。
回収ポリビニルアルコール系樹脂フィルムを含水率10〜30重量%、好ましくは15〜25重量%に含水させ、通常はそれを連続的に造粒機に供給する。この造粒機中でフィルムはまず細い紐状態に束ねられそしてストランド化されると共にニップロールによって、その含水率が5〜50重量%、好ましくは10〜40重量%に調整される。かかる状態で該ストランドはロータリーカッター等のカッターでペレット状に切断される。
ペレットの形状は任意であり、直方体、円柱、立方体等いずれであっても良いが、縦3〜20mm、横3〜20mm、高さ3〜10mmの直方体や直径3〜20mm、高さ3〜10mmの円柱であることが溶解性の点で望ましい。
また、最終のペレットの含水率は5〜50重量%、好ましくは10〜40重量%に調整することにより、新ポリビニルアルコール系樹脂粉末との相溶性が向上し、新ポリビニルアルコール系樹脂を全量使用した場合と同じ程度のフィルム物性及び製膜性等の作業効率を損なうことなく、ポリビニルアルコール系樹脂フィルムが製造できる。
ペレットの大きさが上記範囲の下限未満ではペレット化する場合に機械的に困難となり、上限を越えると溶解の遅延を招くなどの問題がある。
更にペレットの含水率が50重量%を越えると保管、搬送時などにブロッキングなどの難点を生ずる。
尚、含水率の測定は、以下のように行われる。
(フィルムの含水率)
含水したフィルムを10cm角に切り抜き、表面の水をふき取った後、その質量(a)を測定し、その後乾燥機で100℃、1時間放置した後再度質量(b)を測定し、以下の式より算出する。
含水率(%)=(a−b)×100/a
(ストランドの含水率)
ストランドを、長さ10cmづつで5本に切断して質量(a)を測定し、その後乾燥機で100℃、1時間放置した後再度質量(b)を測定し、上記と同様に算出する。
(ペレットの含水率)
ペレットを100ccカップに取り質量(a)を測定し、ろ紙上に広げて乾燥機で100℃、1時間放置した後再度カップに戻し質量(b)を測定し、上記と同様に算出する。
本発明では、回収ポリビニルアルコール系樹脂フィルムと新ポリビニルアルコール系樹脂及び水からなる混合物を得るに当たり、水あるいは、樹脂分濃度が50重量%以下、好ましくは30重量%以下となるように回収ポリビニルアルコール系樹脂フィルムを溶解した水溶液と、回収ポリビニルアルコール系樹脂フィルムから得られる上記ペレット及び新ポリビニルアルコール系樹脂粉末とを混合し、溶解することが好ましい。
かかる水溶液の樹脂分濃度が50重量%を越えると溶解の手間がかかりすぎたり、配管の閉塞やフィルム物性への悪影響が起こり易くなる。
回収ポリビニルアルコール系樹脂フィルムを水に溶解する溶解方法は特に制限はなく任意の方法が採用され、回収フィルムを直接、又はフィルムの裁断品や破砕品を撹拌機付の溶解槽の水中に供給し、加熱撹拌すれば良い。
溶解操作終了後は通常のフィルターで浮遊物、未溶解物を濾過、除去する。
ポリビニルアルコール系樹脂フィルムを製造するに当たっては、新ポリビニルアルコール系樹脂の粉末(粒子、ペレットを含む)に回収ポリビニルアルコール系樹脂フィルムを上記ペレットの形で混合する。
混合する方法は任意であるが、好ましくは新ポリビニルアルコール系樹脂の粉末、粒子、ペレットに回収ポリビニルアルコール系樹脂フィルムのペレットをまず混合し、次いで水中あるいは回収ポリビニルアルコール系樹脂フィルムの水溶液中に配合する。場合によっては新ポリビニルアルコール系樹脂の粉末、粒子、ペレットに、水あるいは回収ポリビニルアルコール系樹脂フィルムの水溶液を混合し、次いでそれに回収ポリビニルアルコール系樹脂フィルムのペレットを混合したり、新ポリビニルアルコール系樹脂の粉末、粒子、ペレット、回収ポリビニルアルコール系樹脂フィルムのペレット、水あるいは回収ポリビニルアルコール系樹脂フィルムの水溶液を同時に混合することもできる。
混合に当たっては、新ポリビニルアルコール系樹脂100重量部に対して回収ポリビニルアルコール系樹脂フィルムのペレットを100重量部以下、好ましくは60重量部以下を配合する。回収ポリビニルアルコール系樹脂フィルムペレットの使用量が100重量部を越えるとフィルム物性の低下が起こる。
混合及び溶解装置としては、押出機、二軸押出機、三軸押出機、連続ニーダー等の周知の混練機が用いられる。溶解時の脱泡を容易にするためベント付の混練機の使用が有利である。また、加圧溶解釜等で溶解した後に上記混練機で脱泡してもよい。溶解時の温度は50〜270℃、好ましくは70〜200℃程度とするのが実用的である。
そして、最終的に押出成形用の原液として、ポリビニルアルコール系樹脂濃度が10〜60重量%、好ましくは25〜55重量%の水−ポリビニルアルコール系樹脂の組成物を調製、製膜される。
又、必要に応じて、上記組成物には着色料、香料、増量剤、消泡剤、剥離剤、紫外線吸収剤、無機粉体、界面活性剤等の通常の添加剤や澱粉、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース等の他の水溶性樹脂が適宜配合されていても差し支えない。
上記で調製した水−ポリビニルアルコール系樹脂の組成物は製膜機(押出機)に連動させるか、あるいは一旦ペレット化、フレーク化してから後製膜機に供給され押出製膜される。
尚、水−ポリビニルアルコール系樹脂の組成物の調製と製膜操作を同一の押出機を用いて行うこともできるが、L/Dを大きくしたり、多軸押出機を使用したり、ギアポンプを利用する等均一な混和と製膜安定性に留意する必要がある。
ポリビニルアルコール系樹脂フィルムの製膜法については、特に限定されないが、上記原液を押出機に供給して溶融混練した後、Tダイ法(溶融押出法、溶解流延法)、インフレーション法、中空成形法により押出し製膜し、乾燥する方法が好ましい。
製膜後のフィルムは乾燥され製品化される。
かかる乾燥については、50〜150℃、等には70〜110℃で行うことが好ましい。
本発明では上記のポリビニルアルコール系樹脂フィルムの単層製膜の製造のみならず、金属箔、紙、プラスチックフィルム等に押出コートすることも可能である。
更に本発明ではポリビニルアルコール系樹脂フィルムは延伸処理、熱処理、他の基材との積層、耐水処理、エンボス処理等の任意の後処理を実施し得る。
特に本発明では、得られるフィルムを更に、二軸延伸好ましくは逐次二軸延伸を施して機械的強度や酸素遮断性、赤外線遮断性等の物性を付与することも有利である。
かかる延伸については、縦方向の延伸倍率が1.5〜5.0倍、横方向の延伸倍率が2.0〜4.0倍であることが好ましく、より好ましくは縦方向の延伸倍率が3.0〜3.3倍、横方向の延伸倍率が2.5〜4.0倍である。該縦方向の延伸倍率が1.5倍未満では延伸による物性向上が得難く、5.0倍を越えるとフィルムが縦方向へ裂けやすくなり好ましくない。又横方向の延伸倍率が2.0倍未満では延伸による物性向上が得難く、4.0倍を越えるとフィルムが破断するなどして生産性が低下することとなり好ましくない。
かかる逐次二軸延伸を行うに当たっては、上記ポリビニルアルコール系フィルムの含水率を5〜50重量%、好ましくは20〜30重量%に調整しておくことが好ましく、上記で得られた乾燥前のポリビニルアルコール系フィルムを引き続き乾燥して含水率を調整したり、含水率5重量%未満のポリビニルアルコール系フィルムを水に浸漬あるいは調湿等を施して含水率を調整したりする方法等がある。
かかる含水率が5重量%未満では延伸倍率を充分に高めることができず、50重量%を越えると同様に延伸工程で縦横の延伸倍率を高めるのに充分なフィルム強度が得られず好ましくない。
更に、逐次二軸延伸を施した後は、熱固定を行うことが好ましく、かかる熱固定の温度は、ポリビニルアルコール系樹脂の融点ないし融点より40℃低い温度までの範囲から選択することが好ましい。融点より40℃低い温度より低い場合は寸法安定性が悪く、収縮率が大きくなり、一方融点より高い場合はフィルムの厚み変動が大きくなり好ましくない。ポリビニルアルコール系樹脂が酢酸ビニル単独重合体のケン化物である場合の熱固定温度は、例えば160〜230℃である。又、熱固定時間は1〜30秒間であることが好ましく、より好ましくは5〜10秒間である。
得られた延伸フィルムはそのままで、あるいは表面に他の樹脂をコーティングし、あるいは他の樹脂とラミネートして、食品包装用をはじめ種々の用途に用いることができるのである。
以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明する。
尚、例中「部」、「%」とあるのは、断りのない限り重量基準を意味する。
実施例1
回収ポリビニルアルコール系樹脂フィルムペレットの調製
重合度1700、ケン化度99.7モル%のポリビニルアルコール(日本合成化学工業社製、「ゴーセノールNH−17Q」)のフィルム(幅800mm、厚み14μm、含水率3%)を30m/minの速度で、水槽を通し含水率20%に含水させ、その後圧着式ペレット造粒機に供給し、含水率30%のストランドをロータリーカッター刃により切断した。縦10〜15mm、横10〜13mm、高さ4〜6mmの直方体のペレット(含水率25%)を得た。
回収ポリビニルアルコール系樹脂フィルムの水溶液の調製
上記の回収ポリビニルアルコールフィルムの粉砕品を溶解槽の水中に供給し、温度98℃に昇温し6時間かけて完全溶解して、濃度18%のポリビニルアルコール水溶液を調製し、濾過して不純物を除去した。
ポリビニルアルコール系樹脂フィルムの製造
ジャケット温度を50〜150℃に設定した二軸押出機型混練機(スクリューL/D=40)のホッパーから含水率3%、平均粒径900μmの新ポリビニルアルコール(重合度1700、ケン化度99.7モル%、日本合成化学工業社製、「ゴーセノールNH−17Q」)100部に対して、上記のペレット50部を混合した組成物を200kg/hrの割合で供給し、ホッパーよりスクリュー進行方向の箇所からは、前記のポリビニルアルコール水溶液を定量ポンプにより、300kg/hrの割合で供給し、温度90〜120℃にて混練し吐出量500kg/hrの条件で吐出した。
この吐出物を直ちに一軸押出機(スクリューL/D=30)に圧送し温度85〜140℃にて混練後、Tダイより5℃のキャストロールに押出し、熱風乾燥機で90℃で30秒間乾燥し、含水率25%のフィルム(A)(厚み150μm)を作製した。引き続き、かかるフィルム(A)を縦方向に3倍延伸した後、テンターで横方向に3倍延伸し、次いで220℃で8秒間熱固定し、二軸延伸フィルム(B)(厚み14μm)を得た。
上記フィルムについて引張強度、フィッシュアイ、酸素透過性、水蒸気透過性、リサイクル適性を評価した。結果を表1に示す。
評価法は以下に従った。
引張強度:JIS K7127に準じて引張強度(MPa)を測定した。試験片は15mm×200mm、試験速度は200mm/minで行った。
フィッシュアイ:フィルム1m2中に観測される直径1mm以上の樹脂塊の個数を測定し、以下の基準で評価した。
○・・・1個以下
×・・・2個以上
酸素透過性:JIS K7126 B法(等圧法)の「プラスチックフィルム及びシートの気体透過性試験方法」に準じて、20℃にて酸素透過度(cc/m2・day)を測定した。
水蒸気透過性:JIS Z0208(カップ法)の「防湿包装材料の透過度試験方法」に準じて、(1)20℃×60%RH、及び(2)20℃×90%RHにて水蒸気透過度(g/m2・day)を測定した。
リサイクル適性:以下の基準で評価した。
◎・・・生産ラインからの廃棄物及び市場からの廃棄物を回収してリサイクルする ことができる
○・・・生産ラインからの廃棄物を回収してリサイクルすることができる
×・・・生産ラインからの廃棄物を回収してリサイクルすることができない
実施例2
実施例1において、ペレットを直径15〜20mm、高さ5〜8mmの円柱ペレットに、含水率を25%に変更した以外は、同例と同じ実験を行った。結果を表1に示す。
実施例3
実施例1において、ペレットを縦8〜10mm、横8〜10mm、高さ3〜5mmの直方体ペレットに、含水率を20%に変更した以外は、同例と同じ実験を行った。結果を表1に示す。
実施例4
実施例1において、水溶液の濃度を15%に変更して回収ポリビニルアルコールを使用した以外は、同例と同じ実験を行った。結果を表1に示す。
比較例1
実施例1において、新ポリビニルアルコールのみを使用した以外は同例と同じ実験を行った。結果を表1に示す。
Figure 2007313892

Claims (6)

  1. 回収ポリビニルアルコール系樹脂フィルムと新ポリビニルアルコール系樹脂及び水からなる混合物を、押出成形してポリビニルアルコール系樹脂フィルムを製造するに当たり、回収ポリビニルアルコール系樹脂フィルムを、含水率10〜30重量%に含水させ、該フィルムを紐状に収束したストランドにして、裁断することにより得られるペレットとして、新ポリビニルアルコール系樹脂粉末と混合することを特徴とするポリビニルアルコール系樹脂フィルムの製造方法。
  2. 上記ペレットが縦3〜20mm、横3〜20mm、高さ3〜10mmの直方体であることを特徴とする請求項1記載のポリビニルアルコール系フィルムの製造方法。
  3. 上記ペレットが直径3〜20mm、高さ3〜10mmの円柱であることを特徴とする請求項1又は2記載のポリビニルアルコール系フィルムの製造方法。
  4. 上記ペレットの含水率が5〜50重量%であることを特徴とする請求項1〜3いずれか記載のポリビニルアルコール系フィルムの製造方法。
  5. 樹脂分濃度が50重量%以下となるように回収ポリビニルアルコール系樹脂フィルムを溶解した水溶液と、回収ポリビニルアルコール系樹脂フィルムを含水率10〜30重量%に含水させ、該フィルムを紐状に収束したストランドにして、裁断することにより得られるペレット及び新ポリビニルアルコール系樹脂粉末とを混合し溶解することを特徴とする請求項1〜4いずれか記載のポリビニルアルコール系樹脂フィルムの製造方法。
  6. 更に、二軸延伸を施こすことを特徴とする請求項1〜5いずれか記載のポリビニルアルコール系樹脂フィルムの製造方法。
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