JP5595118B2 - 転写印刷用ベースフィルム - Google Patents
転写印刷用ベースフィルム Download PDFInfo
- Publication number
- JP5595118B2 JP5595118B2 JP2010115159A JP2010115159A JP5595118B2 JP 5595118 B2 JP5595118 B2 JP 5595118B2 JP 2010115159 A JP2010115159 A JP 2010115159A JP 2010115159 A JP2010115159 A JP 2010115159A JP 5595118 B2 JP5595118 B2 JP 5595118B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- film
- base film
- transfer
- design
- transfer printing
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Active
Links
Landscapes
- Decoration By Transfer Pictures (AREA)
Description
本発明の転写印刷用ベースフィルムは、ポリビニルアルコール系フィルムからなるものであり、液圧転写印刷用途や熱転写印刷用途等に使用できるものであるが、とりわけ液圧転写印刷用ベースフィルムとしては特に有効である(以下、ポリビニルアルコールをPVAと略記する。)。
(I)PVA系フィルムを30℃の水面に浮かべてから30秒以内におけるフィルムの最小面積(S1)が水面に浮かべる前のフィルムの初期面積(S0)に対して100%以下である。なお、ベースフィルムを水面に浮かべたあと、吸水開始時はフィルムに皺が入り最小面積(S1)は測定できないことから、ここでの最小面積(S1)とは、吸水時に皺が急激に入り平滑になっていない状態を除き、平滑になった時点の最小面積のことを指すこととする。
まず、上記PVA系樹脂、可塑剤等の各原料を所定の配合量にて配合しフィルム形成材料を調製する。つぎに、Tダイからフィルム形成材料を製膜ベルト上または製膜ドラム上に流延させ、乾燥させることによりフィルム状化させ、必要に応じて熱処理を行い、PVA系フィルムを得る。そして、本発明においては、更に上記で得られたPVA系フィルムに二軸延伸を行い、二軸延伸PVA系フィルムとする。二軸延伸を行った後は必要に応じて熱処理を行ってもよい。
延伸するにあたっては、縦(MD方向)・横(TD方向)両方向に二軸延伸することが意匠性を損なわないことから好ましく、更には、縦(MD方向)・横(TD方向)両方向の延伸倍率も同じであることがより高意匠性を得ることから好ましい。
延伸時の延伸速度については、好ましくは0.05〜100m/minであり、更には
0.1〜80m/minが好ましい。
なお、ベースフィルムの全光線透過率は、例えば、ヘイズメーター(日本電色工業社製、NDH 2000)を用いて測定することができる。
液圧転写印刷方法としては、連続方式による液圧転写印刷方法、バッチ方式による液圧転写印刷方法があげられる。
すなわち、上記のようにして得られたベースフィルム面に所定の意匠を印刷する。その後、上記意匠印刷面にインク活性剤を塗工する。そして、吸水後にベースフィルムが伸展し、意匠がぼけないように上記ベースフィルムの流れ方向に対し幅方向に1.1倍以下、好ましくは1.05倍以下の規制を設けて、インク活性剤が塗布された意匠印刷面を上方にしてベースフィルムを液面に浮かべるとともに移動させる。移動する上記ベースフィルムの上方から被転写体を押し当て、ベースフィルム面に印刷された意匠を被転写体表面に転写し固着することにより液圧転写印刷が行われる。そして、固着した後は、ベースフィルムを除去し意匠を転写した被転写体を充分に乾燥させることにより目的とする製品を得るのである。
すなわち、上記のようにして得られたベースフィルム面に所定の意匠を印刷する。その後、上記意匠印刷面にインク活性剤を塗工する。そして、上記連続方式と同様、吸水後にベースフィルムが一旦収縮、若しくは殆ど大きさが変化しない状態となった後、伸展の規制枠が無い場合はフィルムが伸展するため、意匠がぼけないように伸展するまでの間に上記ベースフィルムに対して縦横それぞれの方向に、1.1倍以下、好ましくは1.05倍以下の縦横規制を設けて、インク活性剤が塗布された意匠印刷面を上方にしてベースフィルムを液面に浮かべる。そして、静止状態にて上記ベースフィルムの上方から被転写体を押し当て、ベースフィルム面に印刷された意匠を被転写体に転写し充分に固着することにより液圧転写印刷が行われる。固着した後は、ベースフィルムを除去し意匠を転写した被転写体を充分に乾燥させることにより目的とする製品を得るのである。
なお、例中「%」とあるのは、断りのない限り重量基準を意味する。
<ベースフィルムの作製>
平均ケン化度88モル%、4%水溶液の平均粘度(20℃)50mPa・sのPVA系樹脂100部、グリセリン3部、澱粉3部、界面活性剤(ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート)0.7部からなる20%(固形分濃度)のドープをTダイより、表面温度が90℃に調整された回転するステンレス製エンドレスベルトに吐出して流延製膜し、引き続き95℃に調整された熱ロールにて熱処理を行い、PVAフィルムを得た。さらにこのフィルムを二軸延伸するため100mm×100mmのサイズに切断したものを二軸延伸機にセットし、90℃に調整された温室内で5秒間放置した後、その環境下で延伸速度10m/minで縦横それぞれ1.3倍に同時延伸し、その後室温に戻し、液圧転写用のベースフィルムを得た。
上記で得られたベースフィルムについて、以下の通り評価を行った。
得られた液圧転写用ベースフィルムを100mm×100mmのサイズに切断したものに、その中央付近に直径40mmの円を水性ペンで描き、このフィルムを水性ペンで描いた面を上にして予め30℃に調整した水面に浮かべ、30秒以内における円の最小面積と水面に浮かべる前の円の初期面積をデジタルカメラで撮影し測定して、その比よりS1/S0 (%)を算出した。
得られたベースフィルムを100mm×100mmのサイズに切断したものに、建材用インキ[赤色染料と硫酸バリウムの混合物(70%)とアルキッド樹脂とニトロセルロースの混合物(30%)の混合物]を、フィルムを流延製膜した際のベルト面側にグラビア印刷で均一に塗布(インク層の乾燥厚み2μm)した。その後、その上にインク活性剤(ブチルメタクリレート/顔料/可塑剤/ブチルセロソルブアセテート/ブチルカルビトールアセテート=8/20/20/26/26(重量部))を、ワイヤーバーコーター(#10)で塗布して、液圧転写印刷用フィルムを作製した。
得られた液圧転写印刷用フィルムについて、以下の通り意匠性を評価した。
上記で得られた100mm×100mmのサイズに切断した液圧転写用フィルムの中央付近に直径40mmの円を水性ペンで描いた後、活性剤を塗工して2分後に、塗工された面を上にして30℃の水溶液中に浮かべ、吸水による皺が急激に入ったときに見かけ上の面積が小さくなり、この時に、伸展抑制のための所定サイズの固定枠を液圧転写用フィルムが接触しないように素早く浮かべた。フィルムを浮かべてから60秒後にABS樹脂成型品(平板)へ水平に液圧転写を行い、転写前の意匠に対する転写後の意匠の寸法変化率(%)を以下の通り測定した。浮かべる前の意匠サイズと比べ転写後の意匠サイズの寸法変化率を測定することにより、意匠性を評価した。
なお、固定枠がない場合に、水面に浮かべたときには一旦収縮しても、その後徐々に拡がってしまうため、目的とするサイズ以上に拡がらないようにすることを目的に所定サイズの固定枠を用いるものであり、かかる固定枠内にフィルムを浮かべることとする。
(寸法変化率)
寸法変化率(%)=[(転写後の円の直径)/(転写前の円の直径)]×100
表1に示す通りの組成及び配合量にてPVA系樹脂を用いた以外は実施例1と同様に行い、延伸前のPVAフィルムを得、さらに、このフィルムを表1に示す条件で二軸延伸し、液圧転写用のベースフィルム及び転写印刷用フィルムを得た。
上記で得られたベースフィルム及び転写印刷用フィルムについて実施例1と同様の評価を行った。
なお、実施例5のPVA系樹脂については、平均ケン化度100モル%、4%水溶液の平均粘度(20℃)30mPa・s、側鎖1,2−ジオール結合量(変性量3モル%)のPVAを用いた。
実施例及び比較例の処方及び評価結果を表1及び2に示す。
Claims (3)
- ポリビニルアルコール系フィルムからなる転写印刷用ベースフィルムであって、前記ポリビニルアルコール系フィルムが、縦1.1〜5倍、横1.1〜5倍に二軸延伸されたポリビニルアルコール系フィルムであり、かつ、以下の条件(I)を満足するフィルムであることを特徴とする転写印刷用ベースフィルム。
(I)ポリビニルアルコール系フィルムを30℃の水面に浮かべてから30秒以内におけるフィルムの最小面積(S1)が水面に浮かべる前のフィルムの初期面積(S0)に対して100%以下である。 - 二軸延伸倍率が縦横等倍であることを特徴とする請求項1記載の転写印刷用ベースフィルム。
- ポリビニルアルコール系フィルムの厚みが、20〜50μmであることを特徴とする請求項1または2いずれか記載の転写印刷用ベースフィルム。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2010115159A JP5595118B2 (ja) | 2009-06-05 | 2010-05-19 | 転写印刷用ベースフィルム |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2009135650 | 2009-06-05 | ||
JP2009135650 | 2009-06-05 | ||
JP2010115159A JP5595118B2 (ja) | 2009-06-05 | 2010-05-19 | 転写印刷用ベースフィルム |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2011011540A JP2011011540A (ja) | 2011-01-20 |
JP5595118B2 true JP5595118B2 (ja) | 2014-09-24 |
Family
ID=43590863
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2010115159A Active JP5595118B2 (ja) | 2009-06-05 | 2010-05-19 | 転写印刷用ベースフィルム |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP5595118B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP5713745B2 (ja) * | 2011-03-23 | 2015-05-07 | 日本合成化学工業株式会社 | 熱転写印刷用ポリビニルアルコールフィルムの製造方法、及び片面に梨地模様を有する熱転写印刷用ポリビニルアルコールフィルム |
Family Cites Families (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP3346624B2 (ja) * | 1993-10-26 | 2002-11-18 | 日本合成化学工業株式会社 | 転写印刷用薄膜 |
JP4663842B2 (ja) * | 2000-03-10 | 2011-04-06 | 日本合成化学工業株式会社 | ポリビニルアルコール系フィルム及びその製造方法 |
JP4188205B2 (ja) * | 2003-10-27 | 2008-11-26 | 株式会社クラレ | 水圧転写方法 |
-
2010
- 2010-05-19 JP JP2010115159A patent/JP5595118B2/ja active Active
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2011011540A (ja) | 2011-01-20 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP2010155453A (ja) | 液圧転写印刷用ベースフィルム | |
JP6242192B2 (ja) | 液圧転写用ベースフィルム | |
WO2017043509A1 (ja) | 水溶性フィルム、薬剤包装体及び水溶性フィルムの製造方法 | |
JP2009001009A (ja) | 液圧転写印刷用ベースフィルム、液圧転写印刷用ベースフィルムの製造方法および液圧転写方法 | |
JP4854282B2 (ja) | 転写印刷用ベースフィルムの製造方法 | |
WO2018230583A1 (ja) | 水溶性フィルム及び薬剤包装体、ならびに水溶性フィルムの製造方法 | |
TW201509956A (zh) | 薄膜 | |
WO2017043510A1 (ja) | 液体洗剤包装用水溶性フィルム及び液体洗剤包装体 | |
JP6992253B2 (ja) | 水溶性フィルム及び薬剤包装体 | |
JP7240423B2 (ja) | 水圧転写用ベースフィルムおよび水圧転写用印刷フィルム | |
JP2009190328A (ja) | 液圧転写印刷用ベースフィルムおよびその製造方法 | |
JP5179283B2 (ja) | 液圧転写印刷用ベースフィルム | |
JP7344907B2 (ja) | 水溶性フィルムおよび包装体 | |
JP5363083B2 (ja) | 液圧転写印刷用ベースフィルムの製造方法 | |
JP5595118B2 (ja) | 転写印刷用ベースフィルム | |
JP5738514B2 (ja) | 液圧転写印刷用ベースフィルム | |
TWI425033B (zh) | 液壓轉移印刷用基膜及其製造方法 | |
JP7005894B2 (ja) | 水溶性フィルム及び薬剤包装体 | |
JP5178316B2 (ja) | 液圧転写印刷用ベースフィルム | |
JP2011046188A (ja) | 液圧転写印刷用ベースフィルム及びそれを用いた転写方法 | |
JP6706257B2 (ja) | 液圧転写用ベースフィルム | |
JP2008143969A (ja) | 液圧転写印刷用ベースフィルムおよびそれを用いた液圧転写方法 | |
JP2006327881A (ja) | ガラス表面の保護方法 | |
JP2007092041A (ja) | ポリビニルアルコール系フィルムおよびポリビニルアルコール系フィルムの製造方法 | |
JP2009280638A (ja) | 液圧転写印刷用ベースフィルム |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20130419 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20140326 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20140401 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20140529 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20140805 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20140805 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 5595118 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
S111 | Request for change of ownership or part of ownership |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313111 |
|
R350 | Written notification of registration of transfer |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350 |