JP2007307777A - 液体吐出ヘッド、液体吐出装置及び画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】個別液室内に液体を加圧する圧力が共通液室側に逃げるとともに、共通液室側から個別液室側への液体の充填性、供給性を確保することが難しい。
【解決手段】流路板1と、この流路板1の下面に接合した振動板部材2と、流路板1の上面に接合したノズル板3とによって液滴を吐出するノズル4が連通する個別液室6を構成するとともに、フレーム部材17に複数の個別液室6に記録液を供給する共通液室8を形成し、圧電素子12によって変形されるダイアフラム部2Aの長さよりも共通液室8からダイアフラム部2Aまでの長さを長くし、個別液室6と共通液室8との間に個別液室6より開口断面積の小さい流体抵抗部を設けない。
【選択図】図2
【解決手段】流路板1と、この流路板1の下面に接合した振動板部材2と、流路板1の上面に接合したノズル板3とによって液滴を吐出するノズル4が連通する個別液室6を構成するとともに、フレーム部材17に複数の個別液室6に記録液を供給する共通液室8を形成し、圧電素子12によって変形されるダイアフラム部2Aの長さよりも共通液室8からダイアフラム部2Aまでの長さを長くし、個別液室6と共通液室8との間に個別液室6より開口断面積の小さい流体抵抗部を設けない。
【選択図】図2
Description
本発明は液体吐出ヘッド、液体吐出装置及び画像形成装置に関する。
プリンタ、ファクシミリ、複写装置、これらの複合機等の画像形成装置として、例えば、記録液(液体)の液滴を吐出する液体吐出ヘッドで構成した記録ヘッドを含む液体吐出装置を用いて、媒体(以下「用紙」ともいうが材質を限定するものではなく、また、被記録媒体、記録媒体、転写材、記録紙なども同義で使用する。)を搬送しながら、液体としての記録液(以下、インクともいう。)を用紙に付着させて画像形成(記録、印刷、印写、印字も同義語で用いる。)を行なうものがある。
なお、画像形成装置は、紙、糸、繊維、布帛、皮革、金属、プラスチック、ガラス、木材、セラミックス等の媒体に液体を吐出して画像形成を行う装置を意味し、また、「画像形成」とは、文字や図形等の意味を持つ画像を媒体に対して付与することだけでなく、パターン等の意味を持たない画像を媒体に付与することをも意味する。また、液体とは記録液、インクに限るものではなく、画像形成を行うことができる液体であれば特に限定されるものではない。また、液体吐出装置とは、液体吐出ヘッドから液体を吐出する装置を意味し、画像を形成するものに限られない。
このような液体吐出装置や画像形成装置で使用される液体吐出ヘッドとしては、ノズルが連通する個別液室(個別流路、加圧液室、加圧室、圧力室などともいう。)の壁面を変形可能な領域を有する振動板部材で形成し、圧電素子によって変形可能な領域を変形させることで液滴を吐出させる圧力を発生する圧電型ヘッド、個別流路内に配置した発熱抵抗体による膜沸騰で気泡を発生させることで液滴を吐出させる圧力を発生するサーマル型ヘッド、個別液室(個別流路)の壁面を変形可能な領域を有する振動板部材で形成し、振動板部材に対向する電極との間で静電力を発生させて振動板部材の機械的変位によって変形可能な領域を変形させる静電型ヘッドなどが知られている。
ところで、ヘッド内に液体を充填ないし供給するときにノズル、個別液室、複数の個別液室に液体を供給する共通液室(共通流路)内に気泡が残留すると、安定した液滴吐出を行うことができなくなる。また、液滴を吐出するノズル数が増加するに従って共通液室から個別液室に対して速やかに液体を補充供給しなければならなくなり、供給が追いつかないと滴吐出不良が発生しまうことになる。
従来、液体吐出ヘッドにおける充填性や気泡排出性を向上するために、例えば、特許文献1には、インク液室の前面壁のインクノズル部の直後に位置する部分の発熱抵抗体を設けた基板に対する角度60°以上とすることが記載されている。
特開2004−098466号公報
特許文献2には、ノズル及び圧力室の一部を構成するノズル板と、ノズル板のインク吐出面と反対側の面に接してノズル板を支持し、ノズル近傍のノズル板に対して圧電素子による変位を抑止する一方、ノズル近傍以外の圧力室の一部を構成するノズル板に対して圧電素子による変位を妨げない構造を有するノズル板支持部材とを備え、ノズルと圧電素子とを近接配置することで、圧電素子が与える圧力をノズル近傍まで効率よく伝えることができるようにし、また、ノズルから共通流路までの距離を短くすることで圧力室内の残留気泡付着を防ぎ、充填性を確保することが記載されている。
特開2005−096438号公報
特許文献3には、インクリザーバタンク2と共通液室15を連通するインク供給流路18を、インクリザーバタンク2に連結される親流路20と、共通液室15に連結される2M系統の子流路21とで構成し、インク供給流路18から共通液室15にインクを分散して供給することが記載されている。
特開2002−361892号公報
特許文献4には、圧力室となる圧力室空部を、圧力室の全長に亘って形成されて、その一端が液体供給口を介してリザーバに連通された浅溝部と、流路基板を貫通して浅溝部とノズル開口との間を連通する貫通孔部とを有し、貫通孔部を、液体供給口とは反対側の浅溝部先端側とノズル開口との間を連通する第1貫通孔部と、液体供給口側の浅溝部基端側とノズル開口との間を連通する第2貫通孔部とから構成し、第2貫通孔部を流路基板の厚さ方向に対して斜めに延在する斜め貫通孔部とすることが記載されている。
特開2005−001211号公報
特許文献5には、印字液用の貯蔵器と、この貯蔵器に連通するインク通路とを備え、インク通路は貯蔵器側からノズル側までストレートに形成することが記載されている。
特開昭59−159358号公報
ところで、上述した圧電型ヘッドのように振動板部材の変形可能な領域(ダイアフラム部)を変形させて個別液室内の液体を加圧する圧力を発生させるヘッドにおいては、ダイアフラム部を変形させて個別液室内液体を加圧したときに、圧力が共通液室側へ逃げると、圧電素子の変位がノズルから液滴を吐出させるために効率的に利用されなくなる。そこで、一般的には、共通液室から個別液室に至る流路中に流体抵抗部を配置して、個別液室に加えた圧力が共通液室側に逃げることを抑制するようにしている。
しかしながら、共通液室から個別液室に至る流路中に流体抵抗部を配置すると、共通液室から個別液室側に液体を充填するときに流体抵抗部による抵抗を受けて充填性が低下するという課題が生じる。
この点、特許文献5には流体抵抗部を持たないインク通路を有するヘッドが記載されているが、流体抵抗部がないために、上述したように圧電素子による変位で液滴を吐出させる構成とした場合には圧力損失が大きくなるという課題がある。
本発明は上記の課題に鑑みてなされたものであり、圧力損失を低減しつつ充填性を向上した液体吐出ヘッド、この液体吐出ヘッドを備える液体吐出装置及び画像形成装置を提供することを目的とする。
上記の課題を解決するため、本発明に係る液体吐出ヘッドは、液体を吐出するノズルが連通する個別液室の少なくとも一部が変形可能な領域を有する振動板部材で形成され、複数の個別液室に液体を供給する共通液室を有する液体吐出ヘッドにおいて、個別液室は振動板部材の変形可能な領域の長さよりも共通液室から変形可能な領域に至るまでの長さが長く、共通液室から振動板部材の変形可能な領域に至るまでの部分に流体抵抗部がない構成とした。
ここで、個別液室の長さをL(μm)、幅をW(μm)、高さをH(μm)としたとき、20≦H−0.02×L+0.15×W≦70、の関係が成り立つことが好ましい。また、45≦H−0.008×L+0.2×Wの関係が成り立つことが好ましい。また、個別液室の高さH(μm)は、40≦H≦70の範囲内であることが好ましい。
また、ノズルは個別液室の長さ方向と直交する方向に形成され、直接個別液室に臨んでいる構成、或いは、ノズルは個別液室の長さ方向に沿う方向に形成され、直接個別液室に臨んでいる構成とすることができる。また、個別液室は金属部材により形成されている構成とできる。また、振動板部材の変形可能な領域を変形させる圧電素子を備えていることが好ましい。
本発明に係る液体吐出装置、本発明に係る画像形成装置は、本発明に係る液体吐出ヘッドを備えたものである。
本発明に係る液体吐出ヘッドによれば、個別液室は振動板部材の変形可能な領域の長さよりも共通液室から変形可能な領域に至るまでの長さが長く、共通液室から振動板部材の変形可能な領域に至るまでの部分に流体抵抗部がない構成としたので、流体抵抗部をなくしつつ、変形可能な領域を変形させて生じさせる圧力が共通液室側へ逃げるのを低減することができ、圧力損失を低減しつつ充填性を向上することができる。
本発明に係る液体吐出装置及び本発明に係る画像形成装置によれば、本発明に係る液体吐出ヘッドを備えているので、ノズル数を増加した場合でも、圧力の利用効率が高く、また、個別液室に対する速やかな液体の充填、供給を行うことができ、高密度画像を高速で形成することができる。
以下、本発明の実施形態について添付図面を参照して説明する。本発明に係る液体吐出ヘッドの一例について図1ないし図4を参照して説明する。なお、図1は同ヘッドの分解斜視説明図、図2は同ヘッドの液室長手方向に沿う断面説明図、図3は同じく同ヘッドの個別液室の説明に供する断面説明図、図4は同ヘッドの液室短手方向に沿う断面説明図である。
この液体吐出ヘッドは、流路板(液室基板)1と、この流路板1の下面に接合した振動板部材2と、流路板1の上面に接合したノズル板3とを有し、これらによって液滴(液体の滴)を吐出するノズル4がノズル連通路(連通管)5を介して連通する個別液室(加圧液室、圧力室、加圧室、流路などとも称される。)6を形成し、この個別液室6には各個別液室6に液体としての記録液を供給する後述する共通液室8との間に流体抵抗部となる部分を形成していない。なお、ここでいう「流体抵抗部」とは個別液室6の開口断面積よりも開口断面積が小さい部分を意味する。
ここで、流路板1は、SUS基板を、酸性エッチング液を用いてエッチング、あるいは打ち抜きなどの機械加工することで形成したもの、流路板1とノズル板3とを電鋳で一体形成したもの、結晶面方位(110)の単結晶シリコン基板を水酸化カリウム水溶液(KOH)などのアルカリ性エッチング液を用いて異方性エッチングすることで形成したものや、その他感光性樹脂などを用いることもできる。流路板1をSUS基板、Niなどの金属部材で形成することによって剛性を上げつつシリコン基板などに比べてコストを低減できる。
振動板部材2は、図2に示すように個別液室6側から第1層2a、第2層2b、第3層2cの3層構造のニッケルプレートで形成したもので、例えば電鋳によって作製している。なお、この振動板2は、例えば、ポリイミドなどの樹脂部材とSUS基板などの金属プレートとの積層部材、或いは、樹脂部材から形成したものなどを用いることもできる。
ノズル板3は、各個別液室6に対応して多数のノズル4を形成し、流路板1に接着剤接合している。このノズル板3としては、ステンレス、ニッケルなどの金属、ポリイミド樹脂フィルムなどの樹脂、シリコン、及びそれらの組み合わせからなるものを用いることができる。また、ノズル4の内部形状(内側形状)は、ホーン形状(略円柱形状又は略円錘台形状でもよい。)に形成し、このノズル4の穴径はインク滴出口側の直径で約20〜35μmとしている。さらに、各列のノズルピッチは150dpiとした。
また、ノズル板3のノズル面(吐出方向の表面:吐出面)には、図示しない撥水性の表面処理を施した撥水処理層を設けている。撥水処理層としては、例えば、PTFE−Ni共析メッキやフッ素樹脂の電着塗装、蒸発性のあるフッ素樹脂(例えばフッ化ピッチなど)を蒸着コートしたもの、シリコーン系樹脂・フッ素系樹脂の溶剤塗布後の焼き付け等、記録液物性に応じて選定した撥水処理膜を設けて、記録液の滴形状、飛翔特性を安定化し、高品位の画像品質を得られるようにしている。
そして、振動板部材2には、図2に示すように、各個別液室6に対応して第1層2aで形成した変形可能な領域であるダイアフラム部2Aの中央部に第2層2b、第3層2cの2層構造の凸部2Bを形成し、この凸部2Bに圧力発生手段(アクチュエータ手段)を構成する圧電素子12をそれぞれ接合している。また、各個別液室6の隔壁6Aに対応して3層構造部分(厚肉部2B)に支柱部13を接合している。
これらの圧電素子12及び支柱部13は積層型圧電素子部材14にハーフカットのダイシングによるスリット加工を施して櫛歯状に分割して形成したもので、支柱部13も圧電素子であるが駆動電圧を印加しないために単なる支柱となっている。この積層型圧電素子部材14はベース部材15に接合している。
なお、圧電素子12(圧電素子部材14)は、例えば厚さ10〜50μm/1層のチタン酸ジルコン酸鉛(PZT)の圧電層と、厚さ数μm/1層の銀・パラジューム(AgPd)からなる内部電極層とを交互に積層したものであり、内部電極を交互に端面の端面電極(外部電極)である個別電極、共通電極に電気的に接続し、これらの電極にFPCケーブル16を介して駆動信号を供給するようにしている。
また、圧電素子12の圧電方向としてd33方向の変位を用いて個別液室6内記録液を加圧する構成とすることも、圧電素子12の圧電方向としてd31方向の変位を用いて個別液室6内記録液を加圧する構成とすることもできる。本実施形態ではd33方向の変位を用いた構成をとっている。
さらに、振動板部材2の周囲には例えばエポキシ系樹脂或いはポリフェニレンサルファイトで射出成形により形成したフレーム部材17を接着剤で接合している。
このフレーム部材17には、各個別液室6に記録液を供給する共通液室8を形成し、共通液室8から振動板部材2に形成した供給口9を介して個別液室6に記録液が供給される。なお、フレーム部材17には共通液室8に外部から記録液を供給するための記録液供給口19も形成される。この供給口19は更に図示しないサブタンクや記録液カートリッジなどの記録液供給源に接続される。
ここで、図3に示すように、個別液室6の長さ(ノズル並び方向と交差する方向の長さ)Lのうち、振動板部材2の変形可能な領域であるダイアフラム部2Aの長さL3よりも共通液室8から変形可能な領域(ダイアフラム部2A)に至るまでの長さL2が長く(L2>L3)、上述したように、共通液室8から振動板部材2の変形可能な領域(ダイアフラム部2A)に至るまでの部分に流体抵抗部がない形状としている。
なお、共通液室8から変形可能な領域(ダイアフラム部2A)に至るまでの長さL2は、ダイアフラム部2Aの上流側部分の長さであり、供給口9は流体に対して影響を与えない十分な開口を有しているので、長さL2の共通液室8側の基点は供給口9のダイアフラム部2A側としている。
このように構成した液体吐出ヘッドにおいては、例えば圧電素子12に印加する電圧を基準電位から下げることによって圧電素子12が収縮し、振動板2が下降して個別液室6の容積が膨張することで、個別液室6内にインクが流入し、その後圧電素子12に印加する電圧を上げて圧電素子12を積層方向に伸長させ、振動板部材2のダイアフラム部2をノズル4方向に変形させて個別液室6の容積/体積を収縮させることにより、個別液室6内の記録液が加圧され、ノズル4から記録液の滴が吐出(噴射)される。
そして、圧電素子12に印加する電圧を基準電位に戻すことによって振動板部材2のダイアフラム部2Aが初期位置に復元し、個別液室6が膨張して負圧が発生するので、このとき、共通液室8から個別液室6内に記録液が充填される。そこで、ノズル4のメニスカス面の振動が減衰して安定した後、次の液滴吐出のための動作に移行する。
なお、このヘッドの駆動方法については上記の例(引き−押し打ち)に限るものではなく、駆動波形の与えた方によって引き打ちや押し打ちなどを行うこともできる。
この液体吐出ヘッドにおいては、共通液室8側から連通管5までの個別液室6部分の断面積を同じにして個別液室6と共通液室8との間に流体抵抗部を形成していないが、圧電素子12で変形させる振動板部材2のダイアフラム部2Aの長さL3よりも個別液室6に記録液を供給する共通液室8からダイアフラム部2Aまでの長さL2が長いので、圧電素子12でダイアフラム部2Aを変形させて記録液を加圧したとき、圧力が共通液室8側に逃げる度合いが少なくなり、圧電素子12の変位を効率的に滴吐出に利用することができる。
一方、個別液室6と共通液室8との間に流体抵抗部を形成していないので、初期充填において外部から共通液室8を通じて個別液室6に記録液を充填するとき、記録液はスムーズに個別液室6に流入することができ、また、これにより気泡の発生が少なく、気泡排出性も向上する。そして、滴吐出後における共通液室8から個別液室6に対する記録液の補充供給を行うときも流体抵抗部がないのでスムーズな供給が行われて、高速駆動した場合であっても十分に間に合うように共通液室8から個別液室6に記録液を供給することができる。
ここで、個別液室6と共通液室8との間に開口断面積が個別流路6よりも狭い流体抵抗部を設けた場合と、本件発明のように流体抵抗部がない場合について、個別液室6の高さHを20〜120μmまで変化させてそれぞれの流速を測定した結果を図5に示している。これより、流体抵抗部の無い方が充填性の指標となる流速が相対的に速くなり、充填性が向上することが分かる。
また、この構成を採用することによって、個別液室の高さを相対的に低くすることができる。つまり、個別液室の高さを低くすると、個別液室の高さが相対的に高い場合に比べて、流体抵抗は大きくなるが、流速が速くなり、流速が速くなることで個別液室に対する記録液の充填性が向上することになる。この場合、個別液室と共通液室との間に流体抵抗部を設けていると、個別液室の高さを低くすることで格段に流体抵抗が大きくなってしまい、充填性が悪化することになるが、本発明に係る液体吐出ヘッドのように流体抵抗部を設けないことで、個別液室の高さを低くして流速を速くし、より充填性を向上することができるようになる。
このように流体抵抗部を設けない場合、流速を速くして充填性を高めるための個別液室6の構造について検討した。この点について図6及び図7をも参照して説明する。
先ず、個別液室6の長さL(図3に示すように全体の長さ)が、1472μm、1972μm、2472μmであるものについて、それぞれ個別液室6の高さHを20〜120μmまで変化させたときの流速の変化を測定した結果を図5に示している。なお、流速は、個別液室幅W(図4参照)の1/2、個別液室高さHの1/2、個別液室長手方向長さの1/2の位置における流速である。
先ず、個別液室6の長さL(図3に示すように全体の長さ)が、1472μm、1972μm、2472μmであるものについて、それぞれ個別液室6の高さHを20〜120μmまで変化させたときの流速の変化を測定した結果を図5に示している。なお、流速は、個別液室幅W(図4参照)の1/2、個別液室高さHの1/2、個別液室長手方向長さの1/2の位置における流速である。
この結果から、個別液室6の高さHがある高さにおいて流速が最も速くなること、流速が最も速くなる高さHは個別液室の長さLによって異なることが分かる。
また、個別液室の長さLが1972μmで、個別液室の幅Wを139μm(150dpi相当)、70μm(300dpi相当)のものについて、それぞれ個別液室6の高さHを20〜120μmまで変化させたときの流速の変化を測定した結果を図7に示している。なお、流速の測定位置は前述と同様である。
この結果から、個別液室6の高さHがある高さにおいて流速が最も速くなること、流速が最も速くなる高さHは個別液室の幅Wによって異なることが分かる。
これらの結果に基づいて、最も速い流速が得られる個別液室6の構造について検討した。ここで、個別液室の長さL(μm)、幅W(μm)、高さH(μm)としたとき、
K=a×L+b×W+c×H
で表わされるパラメータKで流速が最も速くなるときの個別液室の構造を指標化すると、a=−0.02、b=0.15、c=1であるときに、上述した測定結果が表わされる。
K=a×L+b×W+c×H
で表わされるパラメータKで流速が最も速くなるときの個別液室の構造を指標化すると、a=−0.02、b=0.15、c=1であるときに、上述した測定結果が表わされる。
次に、流速が向上する個別液室の構造における充填性について評価した。評価方法は、上述した「K」を−10〜100まで変化させたインク流路が見える可視化したヘッドに対してインクを充填して気泡の有無を確認し、気泡の残留がなく十分な充填性が得られた場合には「○」、気泡の残留があり十分な充填性が得られなかった場合には「×」と評価した。この結果を図8に示している。
この結果から、「K」が「20≦K≦70」の範囲内であれば、充填性を向上させるのに有効であることが分かる。
これらの結果から、個別液室の長さをL(μm)、幅をW(μm)、高さをH(μm)としたとき、20≦H−0.02×L+0.15×W≦70、の関係が成り立つことで、個別液室6の高さHを相対的に低くしつつ充填性を向上することができる。
次に、個別液室構造と流量との関係について説明する。
先ず、個別液室6の長さL(図3に示すように全体の長さ)が、1472μm、1972μm、2472μmであるものについて、それぞれ個別液室6の高さHを20〜120μmまで変化させたときの流量の変化を測定した結果を図9に示している。
先ず、個別液室6の長さL(図3に示すように全体の長さ)が、1472μm、1972μm、2472μmであるものについて、それぞれ個別液室6の高さHを20〜120μmまで変化させたときの流量の変化を測定した結果を図9に示している。
流量は供給性(単位時間でどれだけの量の記録液を供給できるか)の指標であり、流量が多いほど供給性が良い。図9の結果から、個別液室6の高さHが高くなるほど流量は多くなることが分かる。
また、個別液室の長さLが1972μmで、個別液室の幅Wを139μm(150dpi相当)、70μm(300dpi相当)のものについて、それぞれ個別液室6の高さHを20〜120μmまで変化させたときの流量の変化を測定した結果を図10に示している。
この結果からも、個別液室6の高さHが高くなるほど流量も多くなることが分かる。
これらの結果に基づいて、流量と個別液室6の構造について検討した。ここで、個別液室の長さL(μm)、幅W(μm)、高さH(μm)としたとき、
J=s×L+t×W+u×H
で表わされるパラメータJで所要の流量が得られる個別液室の構造を指標化すると、s=0.008、t=0.2、u=1であるときに、必要な流量を確保しつつ、充填性を向上させるのに有効である。
J=s×L+t×W+u×H
で表わされるパラメータJで所要の流量が得られる個別液室の構造を指標化すると、s=0.008、t=0.2、u=1であるときに、必要な流量を確保しつつ、充填性を向上させるのに有効である。
さらに、流量の下限を得るために個別液室の構造と流量の関係について評価した。評価方法は、上述した「J」を20〜100まで変化させた液体吐出ヘッドを画像形成装置に搭載して評価チャートの印字を行ない、印字サンプルの画像異常の発生の有無で判定し、滴不吐出が起こらなかった場合には「○」、滴不吐出が起こった場合には「×」と評価した。この結果を図11に示している。
この結果から、「J」が「45≦J」の範囲内であれば、流量を確保して充填性を向上させるのに有効であることが分かる。
これらの結果から、個別液室の長さをL(μm)、幅をW(μm)、高さをH(μm)としたとき、40≦H−0.008×L+0.2×W、の関係が成り立つことで、個別液室6の高さHを相対的に低くしつつ、必要な流量を確保して、充填性を向上することができる。
以上ことから、個別液室の高さH(μm)は、40≦H≦70、の範囲内にすることで、充填性と供給性を向上することができる。
次に、液体吐出ヘッドの他の例について図12及び図13を参照して説明する。なお、各図は同液体吐出ヘッドの模式的断面説明図である。これらの図において、振動板部材は変形可能な領域とそれ以外の部分について区別して図示していないが、前記実施形態と同様である。
図12に示す液体吐出ヘッドは、ノズル4が個別液室6の長さ方向と直交する方向に形成され、かつ、連通管が無く、直接個別液室6に臨んでいる構成としたものである。また、図13に示す液体吐出ヘッドは、ノズル4は個別液室6の長さ方向に沿う方向に形成され、かつ、連通管が無く、直接個別液室6に臨んでいる構成としたものである。
図12に示す液体吐出ヘッドは、ノズル4が個別液室6の長さ方向と直交する方向に形成され、かつ、連通管が無く、直接個別液室6に臨んでいる構成としたものである。また、図13に示す液体吐出ヘッドは、ノズル4は個別液室6の長さ方向に沿う方向に形成され、かつ、連通管が無く、直接個別液室6に臨んでいる構成としたものである。
前述した実施形態のように個別液室とノズルとの間に連通管(ノズル連通路)5を設けた例(連通管有り)と、図12及び図13に示す例のように個別液室とノズルとの間に連通管(ノズル連通路)を設けない例(連通管無し)について、それぞれ流速分布を測定した結果を図14に示している。
この結果から、連通管が無い方が全体的な流速が速く、連通管がある場合に比べて、充填性の向上に効果があることが分かる。また、連通管がある場合には、連通管部分で極端に流速が遅くなるので、連通管の角に気泡が留まる可能性があったが、連通管が無くなることにより、気泡の滞留のおそれが低減する。
ここで、具体的な実施例について説明する。なお、ヘッド構成はノズルが直接個別液室に臨む構成を採用した例である。
〈実施例1〉
流路板1として高さ60μmのシリコン基板を用い、高さ60μm、長さ2000μm、幅150μmの個別液室6を形成した。ノズル4の径はφ30μmとした。
〈比較例1〉
個別液室6の高さを140μmとした以外は実施例1と同様である。
〈実施例1〉
流路板1として高さ60μmのシリコン基板を用い、高さ60μm、長さ2000μm、幅150μmの個別液室6を形成した。ノズル4の径はφ30μmとした。
〈比較例1〉
個別液室6の高さを140μmとした以外は実施例1と同様である。
実施例1、比較例1の各ヘッドを画像形成装置に搭載して印字試験を行なったところ、実施例1のヘッドを搭載した装置では不良画質を発生することの無い、良好な結果が得られたが、比較例1のヘッドを搭載した装置では印字されるべきところに印字がされずに白スジが発生する等のインク不吐出が発生した。
〈実施例2〉
流路板1として高さ50μmのニッケル基板を用いて、高さ50μm、長さ2000μm、幅150μmの個別液室6を形成した。ノズル径はφ30μmとした。また、Ni電鋳により、厚さ3μmの振動板、及び厚さ6μm、長さ800μmの連結部(凸部2B)を圧電素子12の中央部に形成した。圧電素子12は、チタン酸ジルコン酸鉛による圧電素子を用いて、銀・パラジュームによる電極を上下に挟んだ16層積層配置構造とした。各層は25μm厚さとし、16層の上部に100μm、下部に300μmの不活性部を配置し、全体として圧電素子の高さは800μmとした。また、活性部の長さは800μm、不活性部の長さは活性部の両側とも350μmとし、全体として圧電素子長さは1500μmとした。
〈比較例2〉
個別液室6の高さを140μmとした以外は実施例2と同様である。
流路板1として高さ50μmのニッケル基板を用いて、高さ50μm、長さ2000μm、幅150μmの個別液室6を形成した。ノズル径はφ30μmとした。また、Ni電鋳により、厚さ3μmの振動板、及び厚さ6μm、長さ800μmの連結部(凸部2B)を圧電素子12の中央部に形成した。圧電素子12は、チタン酸ジルコン酸鉛による圧電素子を用いて、銀・パラジュームによる電極を上下に挟んだ16層積層配置構造とした。各層は25μm厚さとし、16層の上部に100μm、下部に300μmの不活性部を配置し、全体として圧電素子の高さは800μmとした。また、活性部の長さは800μm、不活性部の長さは活性部の両側とも350μmとし、全体として圧電素子長さは1500μmとした。
〈比較例2〉
個別液室6の高さを140μmとした以外は実施例2と同様である。
実施例2、比較例2の各ヘッドを画像形成装置に搭載して印字試験を行なったところ、実施例2のヘッドを搭載した装置では不良画質を発生することの無い、良好な結果が得られたが、比較例2のヘッドを搭載した装置では印字されるべきところに印字がされずに白スジが発生する等のインク不吐出が発生した。
次に、本発明に係る液体吐出ヘッドを備える本発明に係る液体吐出装置を含む画像形成装置の一例について図15を参照して説明する。なお、図15は同装置の機構部の全体構成を説明する概略構成図である。
この画像形成装置は、媒体の印字領域幅以上の長さのノズル列(ノズル4を並べたもの)を有するフルライン型ヘッドからなる記録ヘッドを搭載したライン型画像形成装置である。
この画像形成装置は、媒体の印字領域幅以上の長さのノズル列(ノズル4を並べたもの)を有するフルライン型ヘッドからなる記録ヘッドを搭載したライン型画像形成装置である。
この画像形成装置は、例えばブラック(K)、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)の各色の液滴を吐出する、フルライン型の4個の本発明に係る液体吐出ヘッドで構成した記録ヘッド101k、101c、101m、101y(色を区別しないときには「記録ヘッド101」という。)を備え、各記録ヘッド101はノズル4を形成した面を下方に向けて図示しないヘッドホルダに装着している。また、各記録ヘッド101に対応してヘッドの性能を維持回復するための維持回復機構102を備え、パージ処理、ワイピング処理などのヘッドの性能維持動作時には、記録ヘッド101と維持回復機構102とを相対的に移動させて、記録ヘッド101のノズル面に維持回復機構102を構成するキャッピング部材などを対向させる。
なお、ここでは、記録ヘッド101は、用紙搬送方向上流側から、ブラック、シアン、マゼンダ、イエローの順に各色の液滴を吐出する配置としているが、配置及び色数はこれに限るものではない。また、ライン型ヘッドとしては、各色の液滴を吐出する複数のノズル列を所定間隔で設けた1又は複数のヘッドを用いることもできるし、ヘッドとこのヘッドに記録液を供給する記録液カートリッジを一体とすることも別体とすることもできる。
給紙トレイ103は、用紙104を載置する底板105と、用紙104を給送するための給紙コロ(半月コロ)106を備えている。底板105はベース108に取り付けられた回転軸109を中心に回転可能であって、加圧ばね110によって給紙コロ106側に付勢されている。なお、給紙コロ106に対向して、用紙104の重送を防止するため、摩擦係数の大きい材質からなる図示しない分離パッドが設けられている。また、底板105と給紙コロ106の当接を解除する図示しないリリースカムが設けられている。
そして、この給紙トレイ103から給紙された用紙104を搬送ローラ112とピンチローラ113との間に送り込むために用紙104を案内するガイド部材110、111を設けている。
搬送ローラ112は、図示しない駆動源によって回転されて、送り込まれる用紙104を記録ヘッド101に対向して配置したプラテン115に向けて搬送する。プラテン115は、記録ヘッド101と用紙104とのギャップを維持することができるものであれば、剛体構造体でもよいし、搬送ベルトなどを用いることもできる。
プラテン115の下流側には、画像が形成された用紙104を排紙するための排紙ローラ116及びこれに対向する拍車117を配置し、排紙ローラ116によって画像が形成された用紙104を排紙トレイ118に排紙する。
また、排紙トレイ118と反対側には、用紙104を手差し給紙するための手差しトレイ121と、手差しトレイ121に載置された用紙104を給紙する給紙コロ122を配置している。この手差しトレイ121から給紙される用紙104はガイド部材111に案内されて搬送ローラ112とピンチローラ113との間に送り込まれる。
この画像形成装置においては、待機状態では、リリースカムが給紙トレイ103底板105を所定位置まで押し下げ、底板105と給紙コロ106との当接を解除している。そして、この状態で、搬送ローラ112が回転されることによって、この回転駆動力が図示しないギア等により給紙コロ106及び図示しないリリースカムに伝達されて、リリースカムが底板105から離れて底板105が上昇し、給紙コロ106と用紙104が当接し、給紙コロ106の回転に伴って用紙104がピックアップされて給紙が開始され、図示しない分離爪によって一枚ずつ分離される。
そして、給送コロ106の回転によって用紙104がガイド部材110、111に案内されて搬送ローラ112とピンチローラ113との間に送り込まれ、搬送ローラ112によって用紙104がプラテン115上に送り出される。その後、用紙104の後端は給紙コロ106のDカット部に対向して当接が解除され、搬送ローラ112によってプラテン115上に搬送される。なお。給紙コロ106と搬送ローラ112との間に、補助的に、搬送回転対を設けることもできる。
このようにしてプラテン115上を搬送される用紙104に対して、記録ヘッド1から液滴を吐出して画像を形成し、画像が形成された用紙104は排紙ローラ116によって排紙トレイ118に排紙される。なお、画像形成時における紙搬送の速度と液滴吐出のタイミングは図示しない制御部によって制御される。
このように、本発明に係るライン型の液体吐出ヘッドを備えることによって、高速で高画質画像を形成することができる。
次に、本発明に係る液体吐出ヘッドを備える本発明に係る液体吐出装置を含む画像形成装置の他の例について図16及び図17を参照して説明する。なお、図16は同装置の機構部の全体構成を説明する概略構成図、図17は同機構部の要部平面説明図である。
この画像形成装置はシリアル型画像形成装置であり、左右の側板201A、201Bに横架したガイド部材である主従のガイドロッド231、232でキャリッジ233を主走査方向に摺動自在に保持し、図示しない主走査モータによってタイミングベルトを介して図17で矢示方向(キャリッジ主走査方向)に移動走査する。
この画像形成装置はシリアル型画像形成装置であり、左右の側板201A、201Bに横架したガイド部材である主従のガイドロッド231、232でキャリッジ233を主走査方向に摺動自在に保持し、図示しない主走査モータによってタイミングベルトを介して図17で矢示方向(キャリッジ主走査方向)に移動走査する。
このキャリッジ233には、イエロー(Y)、シアン(C)、マゼンタ(M)、ブラック(K)の各色のインク滴を吐出するための本発明に係る液体吐出ヘッドからなる記録ヘッド234a、234b(区別しないときは「記録ヘッド234」という。)を複数のノズルからなるノズル列を主走査方向と直交する副走査方向に配列し、インク滴吐出方向を下方に向けて装着している。
記録ヘッド234は、それぞれ2つのノズル列を有し、記録ヘッド234aの一方のノズル列はブラック(K)の液滴を、他方のノズル列はシアン(C)の液滴を、記録ヘッド234bの一方のノズル列はマゼンタ(M)の液滴を、他方のノズル列はイエロー(Y)の液滴を、それぞれ吐出する。
また、キャリッジ233には、記録ヘッド234のノズル列に対応して各色のインクを供給するためのヘッドタンク235a、235b(区別しないときは「ヘッドタンク35」という。)を搭載している。このサブタンク235には各色の供給チューブ36を介して、各色のインクカートリッジ210から各色のインクが補充供給される。
一方、給紙トレイ202の用紙積載部(圧板)241上に積載した用紙242を給紙するための給紙部として、用紙積載部241から用紙242を1枚ずつ分離給送する半月コロ(給紙コロ)243及び給紙コロ243に対向し、摩擦係数の大きな材質からなる分離パッド244を備え、この分離パッド244は給紙コロ243側に付勢されている。
そして、この給紙部から給紙された用紙242を記録ヘッド234の下方側に送り込むために、用紙242を案内するガイド部材245と、カウンタローラ246と、搬送ガイド部材247と、先端加圧コロ249を有する押さえ部材248とを備えるとともに、給送された用紙242を静電吸着して記録ヘッド234に対向する位置で搬送するための搬送手段である搬送ベルト251を備えている。
この搬送ベルト251は、無端状ベルトであり、搬送ローラ252とテンションローラ253との間に掛け渡されて、ベルト搬送方向(副走査方向)に周回するように構成している。また、この搬送ベルト251の表面を帯電させるための帯電手段である帯電ローラ256を備えている。この帯電ローラ256は、搬送ベルト251の表層に接触し、搬送ベルト251の回動に従動して回転するように配置されている。この搬送ベルト251は、図示しない副走査モータによってタイミングを介して搬送ローラ252が回転駆動されることによって図17のベルト搬送方向に周回移動する。
さらに、記録ヘッド234で記録された用紙242を排紙するための排紙部として、搬送ベルト251から用紙242を分離するための分離爪261と、排紙ローラ262及び排紙コロ263とを備え、排紙ローラ262の下方に排紙トレイ203を備えている。
また、装置本体1の背面部には両面ユニット271が着脱自在に装着されている。この両面ユニット271は搬送ベルト251の逆方向回転で戻される用紙242を取り込んで反転させて再度カウンタローラ246と搬送ベルト251との間に給紙する。また、この両面ユニット271の上面は手差しトレイ272としている。
さらに、図17に示すように、キャリッジ233の走査方向一方側の非印字領域には、記録ヘッド234のノズルの状態を維持し、回復するための維持回復機構281を配置している。
この維持回復機構281には、記録ヘッド234の各ノズル面をキャピングするための各キャップ部材(以下「キャップ」という。)282a、282b(区別しないときは「キャップ282」という。)と、ノズル面をワイピングするためのブレード部材であるワイパーブレード283と、増粘した記録液を排出するために記録に寄与しない液滴を吐出させる空吐出を行うときの液滴を受ける空吐出受け284などを備えている。
また、図17に示すように、キャリッジ233の走査方向他方側の非印字領域には、記録中などに増粘した記録液を排出するために記録に寄与しない液滴を吐出させる空吐出を行うときの液滴を受ける液体回収容器であるインク回収ユニット(空吐出受け)288を配置し、このインク回収ユニット288には記録ヘッド234のノズル列方向に沿った開口部289などを備えている。
このように構成したこの画像形成装置においては、給紙トレイ202から用紙242が1枚ずつ分離給紙され、略鉛直上方に給紙された用紙242はガイド245で案内され、搬送ベルト251とカウンタローラ246との間に挟まれて搬送され、更に先端を搬送ガイド237で案内されて先端加圧コロ249で搬送ベルト251に押し付けられ、略90°搬送方向を転換される。
このとき、帯電ローラ256に対してプラス出力とマイナス出力とが交互に繰り返すように、つまり交番する電圧が印加され、搬送ベルト251が交番する帯電電圧パターン、すなわち、周回方向である副走査方向に、プラスとマイナスが所定の幅で帯状に交互に帯電されたものとなる。このプラス、マイナス交互に帯電した搬送ベルト251上に用紙242が給送されると、用紙242が搬送ベルト251に吸着され、搬送ベルト251の周回移動によって用紙242が副走査方向に搬送される。
そこで、キャリッジ233を移動させながら画像信号に応じて記録ヘッド234を駆動することにより、停止している用紙242にインク滴を吐出して1行分を記録し、用紙242を所定量搬送後、次の行の記録を行う。記録終了信号又は用紙242の後端が記録領域に到達した信号を受けることにより、記録動作を終了して、用紙242を排紙トレイ203に排紙する。
このようなシリアル型画像形成装置であっても、本発明に係る液体吐出ヘッドを備えることによって、安定した滴吐出特性が得られるので、高速で高画質画像を記録できるようになる。
なお、上記実施形態では本発明に係る液体吐出装置をプリンタ構成の画像形成装置に適用した例で説明したが、これに限るものではなく、例えば、プリンタ/ファックス/コピア複合機などの画像形成装置にも適用することができる。また、記録液以外の液体を用いる液体吐出装置や画像形成装置にも適用することができる。
1…流路板
2…振動板部材
3…ノズル板
4…ノズル
6…個別液室
8…共通液室
12…圧電素子
13…支柱部
101…記録ヘッド(液体吐出ヘッド)
234…記録ヘッド(液体吐出ヘッド)
2…振動板部材
3…ノズル板
4…ノズル
6…個別液室
8…共通液室
12…圧電素子
13…支柱部
101…記録ヘッド(液体吐出ヘッド)
234…記録ヘッド(液体吐出ヘッド)
Claims (10)
- 液体を吐出するノズルが連通する個別液室の少なくとも一部が変形可能な領域を有する振動板部材で形成され、複数の前記個別液室に液体を供給する共通液室を有する液体吐出ヘッドにおいて、
前記個別液室は前記振動板部材の変形可能な領域の長さよりも前記共通液室から前記変形可能な領域に至るまでの長さが長く、
前記共通液室から前記振動板部材の変形可能な領域に至るまでの部分に流体抵抗部がない
ことを特徴とする液体吐出ヘッド。 - 請求項1に記載の液体吐出ヘッドにおいて、前記個別液室の長さをL(μm)、幅をW(μm)、高さをH(μm)としたとき、20≦H−0.02×L+0.15×W≦70、の関係が成り立つことを特徴とする液体吐出ヘッド。
- 請求項2に記載の液体吐出ヘッドにおいて、45≦H−0.008×L+0.2×Wの関係が成り立つことを特徴とする液体吐出ヘッド。
- 請求項2又は3に記載の液体吐出ヘッドにおいて、個別液室の高さH(μm)は、40≦H≦70の範囲内であることを特徴とする液体吐出ヘッド。
- 請求項1ないし4のいずれかに記載の液体吐出ヘッドにおいて、前記ノズルは前記個別液室の長さ方向と直交する方向に形成され、直接前記個別液室に臨んでいることを特徴とする液体吐出ヘッド。
- 請求項1ないし4のいずれかに記載の液体吐出ヘッドにおいて、前記ノズルは前記個別液室の長さ方向に沿う方向に形成され、直接前記個別液室に臨んでいることを特徴とする液体吐出ヘッド。
- 請求項1ないし6のいずれかに記載の液体吐出ヘッドにおいて、前記個別液室は金属部材により形成されていることを特徴とする液体吐出ヘッド。
- 請求項1ないし7のいずれかに記載の液体吐出ヘッドにおいて、前記振動板部材の変形可能な領域を変形させる圧電素子を備えていることを特徴とする液体吐出ヘッド。
- 液体吐出ヘッドから液滴を吐出する液体吐出装置において、前記液体吐出ヘッドが請求項1ないし8のいずれかに記載の液体吐出ヘッドであることを特徴とする液体吐出装置。
- 液体吐出ヘッドから液滴を吐出して画像を形成する画像形成装置において、前記液体吐出ヘッドが請求項1ないし8のいずれかに記載の液体吐出ヘッドであることを特徴とする画像形成装置。
Priority Applications (1)
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JP2006138365A JP2007307777A (ja) | 2006-05-18 | 2006-05-18 | 液体吐出ヘッド、液体吐出装置及び画像形成装置 |
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Publications (1)
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ID=38841063
Family Applications (1)
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2017210003A (ja) * | 2017-09-07 | 2017-11-30 | セイコーエプソン株式会社 | 液体噴射ヘッド、および、液体噴射装置 |
-
2006
- 2006-05-18 JP JP2006138365A patent/JP2007307777A/ja active Pending
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
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