JP2007305197A - 磁気記録媒体 - Google Patents

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建 原澤
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Abstract

【課題】走行安定性に優れ面記録密度が4Gbit/inch以上の磁気記録媒体を提供する。
【解決手段】線記録密度300kbpi以上、面記録密度4〜20Gbpsi、記録ヘッドのBs≧1.5T、0.15≦gap長≦0.25μm、再生ヘッドのsh−sh長0.07〜0.2μmのシステムで用いられ、(1)磁性体が六方晶フェライト磁性粉末を含み、粒子体積1000〜4000nm、σs:30〜70A・m/kg、磁化反転体積1000〜12000nm、(2)Ra0.5〜3.0nm、Rz5〜30nm、(3)磁性層厚みδ:10〜100nm、(4)垂直方向SQ:0.4〜0.7、長手方向SQ:0.3〜0.7、(5)磁性層厚み変動率≦15%、(6)Sdc/Sac0.8〜2.0、(7)Mrδ:1〜5mT・μm、(8)平均粒径0.5δ〜1.5δ(nm)の粒子を磁性層に含有する。
【選択図】なし

Description

本発明は、磁気記録媒体に関するものであり、詳しくは、塗布型媒体に関するものである。
近年、テラバイト級の情報を高速に伝達するための手段が著しく発達し、莫大な情報をもつ画像およびデータ転送が可能となる一方、それらを記録、再生および保存するための高度な技術が要求されるようになってきた。記録、再生媒体には、フレキシブルディスク、磁気ドラム、ハードディスクおよび磁気テープが挙げられるが、特に、磁気テープは1巻あたりの記録容量が大きく、データバックアップ用をはじめとしてその役割を担うところが大きい。
特許文献1では支持体上に実質的に非磁性である非磁性層と強磁性金属微粉末または強磁性六方晶フェライト微粉末を結合剤中に分散してなる磁性層をこの順に設けた磁気記録媒体において、前記磁気記録媒体は面記録密度が0.2〜2Gbit/inchの信号を記録する磁気記録媒体であり、前記磁性層の乾燥厚みが0.05〜0.25μmであり、且つΦmが8.0×10−3〜1.0×10−3emu/cmであり、前記磁性層の抗磁力が1800Oe以上であり、かつ前記支持体の算術平均粗さが4.0nm以下であることを特徴とする磁気記録媒体が開示されている。その実施例においてはその面記録密度が一番大きな磁気テ−プの実施例は0.85Gbit/inchである。また特許文献2では支持体上に強磁性粉末及び結合剤を主体とする磁性層が形成されてなる、面記録密度が0.5〜2Gbit/inch(0.08〜0.31Gbit/cm)の記録信号を磁気抵抗型磁気ヘッド(MRヘッド)で再生するための磁気記録媒体であって、該磁気記録媒体はエージング処理されてなり、かつ該磁性層表面には原子間力顕微鏡(AFM)により測定された30nm以上の高さの突起が100個/900μm以下であって、該磁性層の磁化反転体積Vが(0.1〜5)×10−17mlで、磁性層の抗磁力が2000エルステッド(160kA/m)以上であり、支持体が2,6−ポリエチレンナフタレートであることを特徴とする磁気記録媒体が提案されている。その実施例においてはその面記録密度が一番大きな磁気テ−プの実施例は1.5Gbit/inchである。
また平成18年3月8日に日本記録メデイア工業会の講演会があったが、「高密度磁気記録技術(テ−プ記録技術)の動向と将来動向」のテ−マで講演され、薄層蒸着テ−プでの高容量化が報告されている。しかし塗布型磁気テ−プではまだ実現されていない。
特に磁気テ−プでは特許文献2の実施例に記載の1.5Gbit/inchが現時点での最高の値であり、記録密度を更に大きくすることが求められている。
一方、記録密度が大きくなればなるほど、走行安定性に対する要求は高まることは当業界ではよく知られている。走行を不安定にする要因の1つにヘッドと媒体間の摩擦がある。一般に、高記録密度の磁気媒体は、スペースロスを最小限にするため、表面を平滑にしており、摩擦が大きい。従って、走行中のヘッドと媒体間の摩擦を低くし、かつ摩擦変動を小さくすることと、高記録密度化の両立が要求される。更に、走行中の摩擦上昇を抑制することによって走行耐久性の向上にもつながる。
特開平10−228622号公報 特開2003−22515号公報
したがって本発明の目的は、走行安定性に優れた面記録密度が4Gbit/inch以上の塗布型磁気記録媒体を提供することにある。
本発明者らは、鋭意検討した結果、以下のような媒体とすることで、上述の課題解決策を見出し、発明に至った。
即ち、本発明は、支持体上に非磁性層を介して、または非磁性層を介さずに強磁性粉末と結合剤を含む磁性層を設けた磁気記録媒体において、
以下の特徴を有するシステムで用いられ、
(1)線記録密度300kbpi以上、面記録密度が4〜20Gbpsi
(2)記録ヘッドのBs≧1.5T、0.15≦gap長≦0.25μm
(3)再生ヘッドのsh−sh長:0.07〜0.2μm
以下の特徴を有する磁気記録媒体。
(1)磁性体が六方晶フェライト磁性粉末を含み、粒子体積が1000〜4000nm
σs:30〜70emu/g(A・m/kg)、磁化反転体積が1000〜12000nm
(2)AFMで測定した算術平均粗さRa:0.5〜3.0nm
光干渉法で測定した十点平均粗さRz:5〜25nm
(3)磁性層厚みδ:10〜100nm
(4)垂直方向のSQ:0.4〜0.7、長手方向のSQ:0.3〜0.7
(5)磁性層厚み変動率≦15%
(6)磁気力顕微鏡(MFM)で測定したDC磁化状態の磁気クラスターの平均面積SdcとAC消磁状態の磁気クラスターの平均面積Sacとの比(Sdc/Sac)が0.8〜2.0
(7)残留磁化Mrと磁性層厚δの積であるMrδが、1〜5mT・μm
(8)平均粒径0.5δ〜1.5δ(nm)の粒子を磁性層に含有する。
高記録密度媒体において、電磁変換特性と走行安定性を両立できたのは、理由は定かではないが、磁性層の厚み変動を低減し、磁性層厚みδに対して0.5δ〜1.5δのフィラ−を添加することで従来媒体表面に対して均一なサイズ及び高さの突起が形成され安定したスペ−シング距離を確保することで両立していると推定している。
以下、本発明をさらに詳細に説明する。
[システム]
本発明は塗布型の磁気テ−プであって支持体上に非磁性層を介して、または非磁性層を介さずに強磁性粉末と結合剤を含む磁性層を設けた磁気記録媒体において、前記磁気記録媒体は線記録密度が300kbpiであり、面記録密度が4〜20Gbpsiのシステムで用いられる磁気記録媒体である。
線記録密度は300〜600kbpi、好ましくは400〜600kbpiである。トラック密度は7〜35ktpi、好ましくは10〜35ktpi、更に好ましくは15〜35ktpiである。リ−ドトラック幅は0.2〜2.5μmである事が好ましい。記録ヘッドのBsは、1.5T以上、好ましくは1.8T以上である。gap長は、0.15〜0.25μm、好ましくは、0.15〜0.18μm、再生ヘッドのsh−sh長は、0.07〜0.2μmでさらに好ましくは0.08〜0.12μmである。
[非磁性支持体]
本発明に用いられる非磁性支持体は、ポリエチレンテレフタレ−ト、ポリエチレンナフタレート、等のポリエステル類、ポリオレフィン類、セルロ−ストリアセテ−ト、ポリカ−ボネ−ト、ポリアミド、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリスルフォン、ポリアラミド、芳香族ポリアミド、ポリベンゾオキサゾ−ルなどの公知のフィルムが使用できる。ポリエチレンナフタレ−ト、ポリアミドなどの高強度支持体を用いることが好ましい。また必要に応じ、磁性面とベース面の表面粗さを変えるため特開平3−224127に示されるような積層タイプの支持体を用いることもできる。これらの支持体にはあらかじめコロナ放電処理、プラズマ処理、易接着処理、熱処理、除塵処理、などをおこなっても良い。また本発明の支持体としてアルミまたはガラス基板を適用することも可能である。
中でもポリエステル支持体(以下、単にポリエステルという)が好ましい。このようなポリエステルはポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレートなどジカルボン酸およびジオールからなるポリエステルである。
主要な構成成分のジカルボン酸成分としては、テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、2,7−ナフタレンジカルボン酸、ジフェニルスルホンジカルボン酸、ジフェニルエーテルジカルボン酸、ジフェニルエタンジカルボン酸、シクロヘキサンジカルボン酸、ジフェニルジカルボン酸、ジフェニルチオエーテルジカルボン酸、ジフェニルケトンジカルボン酸、フェニルインダンジカルボン酸などを挙げることができる。
また、ジオール成分としては、エチレングリコール、プロピレングリコール、テトラメチレングリコール、シクロヘキサンジメタノール、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシエトキシフェニル)プロパン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホン、ビスフェノールフルオレンジヒドロキシエチルエーテル、ジエチレングリコール、ネオペンチルグリコール、ハイドロキノン、シクロヘキサンジオールなどを挙げることができる。
これらを主要な構成成分とするポリエステルの中でも透明性、機械的強度、寸法安定性などの点から、ジカルボン酸成分として、テレフタル酸及び/または2,6−ナフタレンジカルボン酸、ジオール成分として、エチレングリコール及び/または1,4−シクロヘキサンジメタノールを主要な構成成分とするポリエステルが好ましい。
中でも、ポリエチレンテレフタレートまたはポリエチレン−2,6−ナフタレートを主要な構成成分とするポリエステルや、テレフタル酸と2,6−ナフタレンジカルボン酸とエチレングリコールからなる共重合ポリエステル、およびこれらのポリエステルの二種以上の混合物を主要な構成成分とするポリエステルが好ましい。特に好ましくはポリエチレン−2,6−ナフタレートを主要な構成成分とするポリエステルである。
なお、本発明に用いられるポリエステルは、二軸延伸されていてもよいし、2層以上の積層体であってもよい。
また、ポリエステルは、さらに他の共重合成分が共重合されていても良いし、他のポリエステルが混合されていても良い。これらの例としては、先に挙げたジカルボン酸成分やジオール成分、またはそれらから成るポリエステルを挙げることができる。
本発明に用いられるポリエステルには、フィルム時におけるデラミネーションを起こし難くするため、スルホネート基を有する芳香族ジカルボン酸またはそのエステル形成性誘導体、ポリオキシアルキレン基を有するジカルボン酸またはそのエステル形成性誘導体、ポリオキシアルキレン基を有するジオールなどを共重合してもよい。
中でもポリエステルの重合反応性やフィルムの透明性の点で、5−ナトリウムスルホイソフタル酸、2−ナトリウムスルホテレフタル酸、4−ナトリウムスルホフタル酸、4−ナトリウムスルホ−2,6−ナフタレンジカルボン酸およびこれらのナトリウムを他の金属(例えばカリウム、リチウムなど)やアンモニウム塩、ホスホニウム塩などで置換した化合物またはそのエステル形成性誘導体、ポリエチレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、ポリエチレングリコール−ポリプロピレングリコール共重合体およびこれらの両端のヒドロキシ基を酸化するなどしてカルボキシル基とした化合物などが好ましい。この目的で共重合される割合としては、ポリエステルを構成するジカルボン酸を基準として、0.1〜10モル%が好ましい。
また、耐熱性を向上する目的では、ビスフェノール系化合物、ナフタレン環またはシクロヘキサン環を有する化合物を共重合することができる。これらの共重合割合としては、ポリエステルを構成するジカルボン酸を基準として、1〜20モル%が好ましい。
本発明において、ポリエステルの合成方法は、特に限定があるわけではなく、従来公知のポリエステルの製造方法に従って製造できる。例えば、ジカルボン酸成分をジオール成分と直接エステル化反応させる直接エステル化法、初めにジカルボン酸成分としてジアルキルエステルを用いて、これとジオール成分とでエステル交換反応させ、これを減圧下で加熱して余剰のジオール成分を除去することにより重合させるエステル交換法を用いることができる。この際、必要に応じてエステル交換触媒あるいは重合反応触媒を用い、あるいは耐熱安定剤を添加することができる。
また、合成時の各過程で着色防止剤、酸化防止剤、結晶核剤、すべり剤、安定剤、ブロッキング防止剤、紫外線吸収剤、粘度調節剤、消泡透明化剤、帯電防止剤、pH調整剤、染料、顔料、反応停止剤などの各種添加剤の1種又は2種以上を添加させてもよい。
また、ポリエステルにはフィラーが添加されてもよい。フィラーの種類としては、球形シリカ、コロイダルシリカ、酸化チタン、アルミナ等の無機粉体、架橋ポリスチレン、シリコーン樹脂等の有機フィラー等が挙げられる。
また、支持体を高剛性化するために、これらの材料を高延伸したり、表面に金属や半金属または、これらの酸化物の層を設けることもできる。
本発明において、非磁性支持体であるポリエステルの厚みは、好ましくは3〜80μm、より好ましくは3〜50μm、とくに好ましくは3〜10μmである。また支持体の磁性層を塗布する面の算術平均粗さ(Ra)は、6nm以下、より好ましくは4nm以下である。一方支持体の磁性層塗布面の裏面の算術平均粗さ(Ra)は、10nm以下、より好ましくは6nm以下である。このRaは、WYKO社製HD2000で測定した。
また、非磁性支持体の長手方向及び幅方向のヤング率は、6.0GPa以上が好ましく、7.0GPa以上がさらに好ましい。
本発明の磁気記録媒体は、前記の非磁性支持体の少なくとも一方の面に強磁性粉末と結合剤とを含む磁性層を設けたものであり、非磁性支持体と磁性層との間に実質的に非磁性である非磁性層(下層)を設けたものが好ましい。
[磁性層]
本発明の磁性層には六方晶フェライト磁性粉末が全磁性粉末の50%以上含有する。更に好ましくは80〜100%であり、最も好ましくは100%である。
六方晶フェライト粉末には、例えば、バリウムフェライト、ストロンチウムフェライト、鉛フェライト、カルシウムフェライト、それらのCo等の置換体等がある。より具体的には、マグネトプランバイト型のバリウムフェライト及びストロンチウムフェライト、スピネルで粒子表面を被覆したマグネトプランバイト型フェライト、さらに一部にスピネル相を含有したマグネトプランバイト型のバリウムフェライト及びストロンチウムフェライト等が挙げられる。その他、所定の原子以外にAl、Si、S、Sc、Ti、V、Cr、Cu、Y、Mo、Rh、Pd、Ag、Sn、Sb、Te、Ba、Ta、W、Re、Au、Hg、Pb、Bi、La、Ce、Pr、Nd、P、Co、Mn、Zn、Ni、Sr、B、Ge、Nbなどの原子を含んでもかまわない。一般には、Co−Zn、Co−Ti、Co−Ti−Zr、Co−Ti−Zn、Ni−Ti−Zn、Nb−Zn−Co、Sb−Zn−Co、Nb−Zn等の元素を添加した物を使用できる。また原料・製法によっては特有の不純物を含有するものもある。
六方晶フェライト磁性粉末の粒子サイズは、以下の方法で測定する。磁性層を適当量剥ぎ取る。剥ぎ取った磁性層30〜70mgにn−ブチルアミンを加え、ガラス管中に封かんし熱分解装置にセットして140℃で約1日加熱する。冷却後にガラス管から内容物を取り出し、遠心分離し、液と固形分を分離する。分離した固形分をアセトンで洗浄し、TEM用の粉末試料を得る。この試料を日立製透過型電子顕微鏡H−9000型を用いて粒子を撮影倍率100000倍で撮影し、総倍率500000倍になるように印画紙にプリントして粒子写真を得る。粒子写真から目的の磁性体を選びデジタイザ−で粉体の輪郭をトレースしカ−ルツァイス製画像解析ソフトKS−400で粒子のサイズを測定する。500個の粒子のサイズを測定し、測定値を平均して平均サイズとする。六方晶系フェライト粉末の体積は、形状を6角柱と想定して板径、軸長(板厚)から求める。
六方晶フェライト磁性粉末の粒子サイズは、1000〜4000nmであり、好ましくは、1000〜3000nmある。この範囲とすることにより、熱揺らぎにより磁気特性の低下を有効に抑えることができると共に低ノイズを維持したまま良好なC/N(S/N)を得ることができる。平均板径は、10〜50nmであり、15〜40nmが好ましく、20〜30nmがさらに好ましい。
平均板状比{(板径/板厚)の平均}は1〜15であり、さらに1〜7であることが好ましい。平均板状比が1〜15であれば、磁性層で高充填性を保持しながら充分な配向性が得られ、かつ、粒子間のスタッキングによるノイズ増大を抑えることができる。また、上記粒子サイズの範囲内におけるBET法による比表面積(SBET)は、40m/g以上が好ましく、40〜200m/gであることがさらに好ましく、60〜100m/gであることが最も好ましい。
六方晶フェライト粉末の粒子板径・板厚の分布は、通常狭いほど好ましい。粒子板径・板厚を数値化することは、粒子TEM写真より500粒子を無作為に測定することで比較できる。粒子板径・板厚の分布は正規分布ではない場合が多いが、計算して平均サイズに対する標準偏差で表すと、σ/平均サイズ=0.1〜1.0である。粒子サイズ分布をシャープにするには、粒子生成反応系をできるだけ均一にすると共に、生成した粒子に分布改良処理を施すことも行われている。例えば、酸溶液中で超微細粒子を選別的に溶解する方法等も知られている。
六方晶フェライト粉末の抗磁力(Hc)は、143.3〜278.5kA/m(1800〜3500Oe)が好ましいが、さらに好ましくは175.1〜238.9kA/m(2200〜3000Oe)である。抗磁力(Hc)は、粒子サイズ(板径・板厚)、含有元素の種類と量、元素の置換サイト、粒子生成反応条件等により制御できる。
六方晶フェライト粉末の飽和磁化(σs)は30〜70A・m/kg(emu/g)であり、好ましくは、40〜60A・m/kg(emu/g)である。飽和磁化(σs)は高い方が好ましいが、微粒子になるほど小さくなる傾向がある。飽和磁化(σs)の改良のため、マグネトプランバイトフェライトにスピネルフェライトを複合することや、含有元素の種類と添加量の選択等がよく知られている。またW型六方晶フェライトを用いることも可能である。磁性体を分散する際に磁性体粒子表面を分散媒、ポリマーに合った物質で処理することも行われている。表面処理剤としては、無機化合物及び有機化合物が使用される。主な化合物としてはSi、Al、P等の酸化物又は水酸化物、各種シランカップリング剤、各種チタンカップリング剤が代表例である。添加量は磁性体の質量に対して0.1〜10質量%である。磁性体のpHも分散に重要である。通常4〜12程度で分散媒、ポリマーにより最適値があるが、媒体の化学的安定性、保存性から6〜11程度が選択される。磁性体に含まれる水分も分散に影響する。分散媒、ポリマーにより最適値があるが通常0.01〜2.0%が選ばれる。
六方晶フェライト粉末の製法としては、(1)酸化バリウム・酸化鉄・鉄を置換する金属酸化物とガラス形成物質として酸化ホウ素等を所望のフェライト組成になるように混合した後溶融し、急冷して非晶質体とし、次いで再加熱処理した後、洗浄・粉砕してバリウムフェライト結晶粉体を得るガラス結晶化法、(2)バリウムフェライト組成金属塩溶液をアルカリで中和し、副生成物を除去した後100℃以上で液相加熱した後洗浄・乾燥・粉砕してバリウムフェライト結晶粉体を得る水熱反応法、(3)バリウムフェライト組成金属塩溶液をアルカリで中和し、副生成物を除去した後乾燥し1100℃以下で処理し、粉砕してバリウムフェライト結晶粉体を得る共沈法等があるが、本発明は製法を選ばない。六方晶フェライト粉末は、必要に応じ、Al、Si、P又はこれらの酸化物などで表面処理を施してもかまわない。その量は強磁性粉末に対し0.1〜10%であり表面処理を施すと脂肪酸などの潤滑剤の吸着が100mg/m以下になり好ましい。強磁性粉末には可溶性のNa、Ca、Fe、Ni、Srなどの無機イオンを含む場合がある。これらは、本質的に無い方が好ましいが、200ppm以下であれば特に特性に影響を与えることは少ない。
本発明の製造方法により製造される磁性粒子は、磁気記録媒体の磁性層に好適に使用することができる。当該磁気記録媒体としては、ビデオテープ、コンピュータテープ等の磁気テープ;フロッピー(登録商標)ディスク、ハードディスク等の磁気ディスク;等が挙げられる。
[結合剤]
本発明の磁気記録媒体の磁性層および非磁性層の結合剤、潤滑剤、分散剤、添加剤、溶剤、分散方法その他は磁性層、非磁性層の公知技術が適用できる。特に、結合剤量、種類、添加剤、分散剤の添加量、種類に関しては磁性層に関する公知技術が適用できる。
本発明に使用される結合剤としては従来公知の熱可塑性樹脂、熱硬化系樹脂、反応型樹脂やこれらの混合物が使用される。熱可塑系樹脂としては、ガラス転移温度が−100〜150℃、数平均分子量が1,000〜200,000、好ましくは10,000〜100,000、重合度が約50〜1000程度のものである。
このような例としては、塩化ビニル、酢酸ビニル、ビニルアルコール、マレイン酸、アクルリ酸、アクリル酸エステル、塩化ビニリデン、アクリロニトリル、メタクリル酸、メタクリル酸エステル、スチレン、ブタジエン、エチレン、ビニルブチラール、ビニルアセタール、ビニルエーテル、等を構成単位として含む重合体または共重合体、ポリウレタン樹脂、各種ゴム系樹脂がある。また、熱硬化性樹脂または反応型樹脂としてはフェノール樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン硬化型樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、アルキド樹脂、アクリル系反応樹脂、ホルムアルデヒド樹脂、シリコ−ン樹脂、エポキシ−ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂とイソシアネートプレポリマーの混合物、ポリエステルポリオールとポリイソシアネートの混合物、ポリウレタンとポリイソシアネートの混合物等があげられる。これらの樹脂については朝倉書店発行の「プラスチックハンドブック」に詳細に記載されている。また、公知の電子線硬化型樹脂を各層に使用することも可能である。これらの例とその製造方法については特開昭62−256219に詳細に記載されている。以上の樹脂は単独または組合せて使用できるが、好ましいものとして塩化ビニル樹脂、塩化ビニル酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル酢酸ビニルビニルアルコール共重合体、塩化ビニル酢酸ビニル無水マレイン酸共重合体、から選ばれる少なくとも1種とポリウレタン樹脂の組合せ、またはこれらにポリイソシアネートを組み合わせたものがあげられる。
ポリウレタン樹脂の構造はポリエステルポリウレタン、ポリエーテルポリウレタン、ポリエーテルポリエステルポリウレタン、ポリカーボネートポリウレタン、ポリエステルポリカーボネートポリウレタン、ポリカプロラクトンポリウレタンなど公知のものが使用できる。ここに示したすべての結合剤について、より優れた分散性と耐久性を得るためには必要に応じ、−COOM,−SO M、−OSO M、−P=O(OM)、−O−P=O(OM)、(以上につきMは水素原子、またはアルカリ金属塩基)、−OH、−NR、−N(Rは炭化水素基)、エポキシ基、−SH、−CN、などから選ばれる少なくともひとつ以上の極性基を共重合または付加反応で導入したものを用いることが好ましい。このような極性基の量は10−1〜10−8モル/gであり、好ましくは10−2〜10−6モル/gである。
本発明に用いられるこれらの結合剤の具体的な例としてはダウケミカル社製VAGH、VYHH、VMCH、VAGF、VAGD,VROH,VYES,VYNC,VMCC,XYHL,XYSG,PKHH,PKHJ,PKHC,PKFE,日信化学工業社製、MPR−TA、MPR−TA5,MPR−TAL,MPR−TSN,MPR−TMF,MPR−TS、MPR−TM、MPR−TAO、電気化学社製1000W、DX80,DX81,DX82,DX83、100FD、日本ゼオン社製MR−104、MR−105、MR110、MR100、MR555、400X−110A、日本ポリウレタン社製ニッポランN2301、N2302、N2304、大日本インキ社製パンデックスT−5105、T−R3080、T−5201、バ−ノックD−400、D−210−80、クリスボン6109,7209,東洋紡社製バイロンUR8200,UR8300、UR−8700、RV530,RV280、大日精化社製、ダイフェラミン4020,5020,5100,5300,9020,9022、7020,三菱化学社製、MX5004,三洋化成社製サンプレンSP−150、旭化成社製サランF310,F210などが挙げられる。
本発明の非磁性層、磁性層に用いられる結合剤は非磁性粉末または磁性粉末に対し、5〜50質量%の範囲、好ましくは10〜30質量%の範囲で用いられる。塩化ビニル系樹脂を用いる場合は5〜30%、ポリウレタン樹脂を用いる場合は2〜20質量%、ポリイソシアネ−トは2〜20質量%の範囲でこれらを組み合わせて用いることが好ましいが、例えば、微量の脱塩素によりヘッド腐食が起こる場合は、ポリウレタンのみまたはポリウレタンとイソシアネートのみを使用することも可能である。本発明において、ポリウレタンを用いる場合はガラス転移温度が−50〜150℃、好ましくは0℃〜100℃、破断伸びが100〜2000%、破断応力は0.05〜10kg/mm(0.49〜98MPa)、降伏点は0.05〜10kg/mm(0.49〜98MPa)が好ましい。
本発明に用いるポリイソシアネートとしては、トリレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、ナフチレン−1,5−ジイソシアネート、o−トルイジンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、トリフェニルメタントリイソシアネート等のイソシアネート類、また、これらのイソシアネート類とポリアルコールとの生成物、また、イソシアネート類の縮合によって生成したポリイソシアネート等を使用することができる。これらのイソシアネート類の市販されている商品名としては、日本ポリウレタン社製、コロネートL、コロネートHL,コロネート2030、コロネート2031、ミリオネートMR,ミリオネートMTL、武田薬品社製、タケネートD−102,タケネートD−110N、タケネートD−200、タケネートD−202、住友バイエル社製、デスモジュールL,デスモジュールIL、デスモジュールN,デスモジュールHL等がありこれらを単独または硬化反応性の差を利用して二つもしくはそれ以上の組合せで各層とも用いることができる。
本発明における磁性層には、必要に応じて添加剤を加えることができる。添加剤としては、研磨剤、潤滑剤、分散剤・分散助剤、防黴剤、帯電防止剤、酸化防止剤、溶剤、カーボンブラックなどを挙げることができる。これら添加剤としては、例えば、二硫化モリブデン、二硫化タングステン、グラファイト、窒化ホウ素、フッ化黒鉛、シリコーンオイル、極性基を持つシリコーン、脂肪酸変性シリコーン、フッ素含有シリコーン、フッ素含有アルコール、フッ素含有エステル、ポリオレフィン、ポリグリコール、ポリフェニルエーテル、フェニルホスホン酸、ベンジルホスホン酸、フェネチルホスホン酸、α−メチルベンジルホスホン酸、1−メチル−1−フェネチルホスホン酸、ジフェニルメチルホスホン酸、ビフェニルホスホン酸、ベンジルフェニルホスホン酸、α−クミルホスホン酸、トルイルホスホン酸、キシリルホスホン酸、エチルフェニルホスホン酸、クメニルホスホン酸、プロピルフェニルホスホン酸、ブチルフェニルホスホン酸、ヘプチルフェニルホスホン酸、オクチルフェニルホスホン酸、ノニルフェニルホスホン酸等の芳香族環含有有機ホスホン酸及びそのアルカリ金属塩、オクチルホスホン酸、2−エチルヘキシルホスホン酸、イソオクチルホスホン酸、イソノニルホスホン酸、イソデシルホスホン酸、イソウンデシルホスホン酸、イソドデシルホスホン酸、イソヘキサデシルホスホン酸、イソオクタデシルホスホン酸、イソエイコシルホスホン酸等のアルキルホスホン酸及びそのアルカリ金属塩、リン酸フェニル、リン酸ベンジル、リン酸フェネチル、リン酸α−メチルベンジル、リン酸1−メチル−1−フェネチル、リン酸ジフェニルメチル、リン酸ビフェニル、リン酸ベンジルフェニル、リン酸α−クミル、リン酸トルイル、リン酸キシリル、リン酸エチルフェニル、リン酸クメニル、リン酸プロピルフェニル、リン酸ブチルフェニル、リン酸ヘプチルフェニル、リン酸オクチルフェニル、リン酸ノニルフェニル等の芳香族リン酸エステル及びそのアルカリ金属塩、リン酸オクチル、リン酸2−エチルヘキシル、リン酸イソオクチル、リン酸イソノニル、リン酸イソデシル、リン酸イソウンデシル、リン酸イソドデシル、リン酸イソヘキサデシル、リン酸イソオクタデシル、リン酸イソエイコシル等のリン酸アルキルエステル及びそのアルカリ金属塩、アルキルスルホン酸エステル及びそのアルカリ金属塩、フッ素含有アルキル硫酸エステル及びそのアルカリ金属塩、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸、ステアリン酸ブチル、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、エライジン酸、エルカ酸等の炭素数10〜24の不飽和結合を含んでも分岐していても良い一塩基性脂肪酸及びこれらの金属塩、又はステアリン酸ブチル、ステアリン酸オクチル、ステアリン酸アミル、ステアリン酸イソオクチル、ミリスチン酸オクチル、ラウリル酸ブチル、ステアリン酸ブトキシエチル、アンヒドロソルビタンモノステアレート、アンヒドロソルビタントリステアレート等の炭素数10〜24の不飽和結合を含んでも分岐していても良い一塩基性脂肪酸と、炭素数2〜22の不飽和結合を含んでも分岐していても良い1〜6価アルコール、炭素数12〜22の不飽和結合を含んでも分岐していても良いアルコキシアルコールまたはアルキレンオキサイド重合物のモノアルキルエーテルのいずれか一つとからなるモノ脂肪酸エステル、ジ脂肪酸エステル又は多価脂肪酸エステル、炭素数2〜22の脂肪酸アミド、炭素数8〜22の脂肪族アミンなどが使用できる。また、上記炭化水素基以外にもニトロ基およびF、Cl、Br、CF、CCl、CBr等の含ハロゲン炭化水素等炭化水素基以外の基が置換したアルキル基、アリール基、アラルキル基を持つものでもよい。
また、アルキレンオキサイド系、グリセリン系、グリシドール系、アルキルフエノールエチレンオキサイド付加体等のノニオン界面活性剤、環状アミン、エステルアミド、第四級アンモニウム塩類、ヒダントイン誘導体、複素環類、ホスホニウム又はスルホニウム類等のカチオン系界面活性剤、カルボン酸、スルホン酸、硫酸エステル基等の酸性基を含むアニオン界面活性剤、アミノ酸類、アミノスルホン酸類、アミノアルコールの硫酸又はリン酸エステル類、アルキルベタイン型等の両性界面活性剤等も使用できる。これらの界面活性剤については、「界面活性剤便覧」(産業図書株式会社発行)に詳細に記載されている。
上記潤滑剤、帯電防止剤等は必ずしも純粋ではなく主成分以外に異性体、未反応物、副反応物、分解物、酸化物等の不純分が含まれても構わない。これらの不純分は30質量%以下が好ましく、さらに好ましくは10質量%以下である。
これらの添加物の具体例としては、例えば、日本油脂社製:NAA−102、ヒマシ油硬化脂肪酸、NAA−42、カチオンSA、ナイミーンL−201、ノニオンE−208、アノンBF、アノンLG、竹本油脂社製:FAL−205、FAL−123、新日本理化社製:エヌジエルブOL、信越化学社製:TA−3、ライオン社製:アーマイドP、ライオン社製:デュオミンTDO、日清オイリオ社製:BA−41G、三洋化成社製:プロフアン2012E、ニューポールPE61、イオネットMS−400等が挙げられる。
また、本発明における磁性層には、必要に応じてカーボンブラックを添加することができる。磁性層で使用可能なカーボンブラックとしては、ゴム用ファーネス、ゴム用サーマル、カラー用ブラック、アセチレンブラック等を挙げることができる。比表面積は5〜500m/g、DBP吸油量は10〜400ml/100g、粒子径は5〜300nm、pHは2〜10、含水率は0.1〜10%、タップ密度は0.1〜1g/mlが好ましい。
本発明に用いられるカーボンブラックの具体的な例としては、キャボット社製BLACKPEARLS 2000、1300、1000、900、905、800、700、VULCAN XC−72、旭カーボン社製#80、#60、#55、#50、#35、三菱化学社製#2400B、#2300、#900、#1000、#30、#40、#10B、コロンビアンカーボン社製CONDUCTEX SC、RAVEN150、50、40、15、RAVEN−MT−P、ケッチェン・ブラック・インターナショナル社製ケッチェンブラックECなどが挙げられる。カーボンブラックを分散剤などで表面処理したり、樹脂でグラフト化して使用しても、表面の一部をグラファイト化したものを使用したりしてもかまわない。また、カーボンブラックを磁性塗料に添加する前にあらかじめ結合剤で分散してもかまわない。これらのカーボンブラックは単独又は組み合せで使用することができる。カーボンブラックを使用する場合、磁性体の質量に対して0.1〜30質量%で用いることが好ましい。カーボンブラックは磁性層の帯電防止、摩擦係数低減、遮光性付与、膜強度向上などの働きがあり、これらは用いるカーボンブラックにより異なる。したがって本発明で使用されるこれらのカーボンブラックは、磁性層及び非磁性層でその種類、量、組み合せを変え、粒子サイズ、吸油量、電導度、pHなどの先に示した諸特性を基に目的に応じて使い分けることはもちろん可能であり、むしろ各層で最適化すべきものである。本発明の磁性層で使用できるカーボンブラックは、例えば「カーボンブラック便覧」カーボンブラック協会編、を参考にすることができる。
[研磨剤]
本発明に用いられる研磨剤としてはα化率90%以上のα−アルミナ、β−アルミナ、炭化ケイ素、酸化クロム、酸化セリウム、α−酸化鉄、コランダム、人造ダイアモンド、窒化珪素、炭化珪素チタンカ−バイト、酸化チタン、二酸化珪素、窒化ホウ素、など主としてモ−ス硬度6以上の公知の材料が単独または組合せで使用される。また、これらの研磨剤同士の複合体(研磨剤を他の研磨剤で表面処理したもの)を使用してもよい。これらの研磨剤には主成分以外の化合物または元素が含まれる場合もあるが主成分が90%以上であれば効果にかわりはない。これら研磨剤の粒子サイズは0.01〜2μmが好ましく、特に電磁変換特性を高めるためには、その粒度分布が狭い方が好ましい。また耐久性を向上させるには必要に応じて粒子サイズの異なる研磨剤を組み合わせたり、単独の研磨剤でも粒径分布を広くして同様の効果をもたせることも可能である。タップ密度は0.3〜2g/cc、含水率は0.1〜5%、pHは2〜11、比表面積は1〜30m/gが好ましい。本発明に用いられる研磨剤の形状は針状、球状、サイコロ状、板状のいずれでも良いが、形状の一部に角を有するものが研磨性が高く好ましい。具体的には住友化学社製AKP−12、AKP−15、AKP−20、AKP−30、AKP−50、HIT−20、HIT−30、HIT−55、HIT−60、HIT−70、HIT−80、HIT−100、レイノルズ社製、ERC−DBM、HP−DBM、HPS−DBM、不二見研磨剤社製、WA10000、上村工業社製、UB20、日本化学工業社製、G−5、クロメックスU2、クロメックスU1、戸田工業社製、TF100、TF140、イビデン社製、ベータランダムウルトラファイン、昭和鉱業社製、B−3などが挙げられる。これらの研磨剤は必要に応じ非磁性層に添加することもできる。非磁性層に添加することで表面形状を制御したり、研磨剤の突出状態を制御したりすることができる。これら磁性層、非磁性層の添加する研磨剤の粒径、量はむろん最適値に設定すべきものである。
本発明で用いられる有機溶剤は公知のものが使用できる。本発明で用いられる有機溶媒は、任意の比率でアセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、ジイソブチルケトン、シクロヘキサノン、イソホロン、テトラヒドロフラン、等のケトン類、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、イソブチルアルコール、イソプロピルアルコール、メチルシクロヘキサノールなどのアルコール類、酢酸メチル、酢酸ブチル、酢酸イソブチル、酢酸イソプロピル、乳酸エチル、酢酸グリコール等のエステル類、グリコールジメチルエーテル、グリコールモノエチルエーテル、ジオキサンなどのグリコールエーテル系、ベンゼン、トルエン、キシレン、クレゾール、クロルベンゼンなどの芳香族炭化水素類、メチレンクロライド、エチレンクロライド、四塩化炭素、クロロホルム、エチレンクロルヒドリン、ジクロルベンゼン等の塩素化炭化水素類、N,N−ジメチルホルムアミド、ヘキサン等を使用することができる。
これら有機溶媒は必ずしも100%純粋ではなく、主成分以外に異性体、未反応物、副反応物、分解物、酸化物、水分等の不純分が含まれてもかまわない。これらの不純分は30%以下が好ましく、さらに好ましくは10%以下である。本発明で用いる有機溶媒は磁性層と非磁性層でその種類は同じであることが好ましい。その添加量は変えてもかまわない。非磁性層に表面張力の高い溶媒(シクロヘキサノン、ジオキサンなど)を用い塗布の安定性を上げる、具体的には上層溶剤組成の算術平均値が非磁性層溶剤組成の算術平均値を下回らないことが肝要である。分散性を向上させるためにはある程度極性が強い方が好ましく、溶剤組成の内、誘電率が15以上の溶剤が50%以上含まれることが好ましい。また、溶解パラメータは8〜11であることが好ましい。
本発明で使用されるこれらの分散剤、潤滑剤、界面活性剤は、磁性層、さらに後述する非磁性層でその種類、量を必要に応じて使い分けることができる。例えば、無論ここに示した例のみに限られるものではないが、分散剤は極性基で吸着又は結合する性質を有しており、磁性層では主に強磁性金属粉末の表面に、また非磁性層では主に非磁性粉末の表面に前記の極性基で吸着又は結合し、例えば、一度吸着した有機リン化合物は、金属又は金属化合物等の表面から脱着し難いと推察される。したがって、本発明の強磁性金属粉末表面又は非磁性粉末表面は、アルキル基、芳香族基等で被覆されたような状態になるので、該強磁性金属粉末又は非磁性粉末の結合剤樹脂成分に対する親和性が向上し、さらに強磁性金属粉末あるいは非磁性粉末の分散安定性も改善される。また、潤滑剤としては遊離の状態で存在するため非磁性層、磁性層で融点の異なる脂肪酸を用い、表面へのにじみ出しを制御する、沸点や極性の異なるエステル類を用い表面へのにじみ出しを制御する、界面活性剤量を調節することで塗布の安定性を向上させる、潤滑剤の添加量を非磁性層で多くして潤滑効果を向上させるなどが考えられる。また本発明で用いられる添加剤のすべて又はその一部は、磁性層又は非磁性層用の塗布液の製造時のいずれの工程で添加してもよい。例えば、混練工程前に強磁性粉末と混合する場合、強磁性粉末と結合剤と溶剤による混練工程で添加する場合、分散工程で添加する場合、分散後に添加する場合、塗布直前に添加する場合などがある。
[非磁性層]
次に非磁性層に関する詳細な内容について説明する。本発明の磁気記録媒体は、非磁性支持体上に非磁性粉末と結合剤を含む非磁性層を有することができる。非磁性層に使用できる非磁性粉末は、無機物質でも有機物質でもよい。また、カーボンブラック等も使用できる。無機物質としては、例えば金属、金属酸化物、金属炭酸塩、金属硫酸塩、金属窒化物、金属炭化物、金属硫化物などが挙げられる。
具体的には二酸化チタン等のチタン酸化物、酸化セリウム、酸化スズ、酸化タングステン、ZnO、ZrO、SiO、Cr、α化率90〜100%のα−アルミナ、β−アルミナ、γ−アルミナ、α−酸化鉄、ゲータイト、コランダム、窒化珪素、チタンカーバイト、酸化マグネシウム、窒化ホウ素、2硫化モリブデン、酸化銅、MgCO、CaCO、BaCO、SrCO、BaSO、炭化珪素、炭化チタンなどが単独又は2種類以上を組み合わせて使用される。好ましいのは、α−酸化鉄、酸化チタンである。
非磁性粉末の形状は、針状、球状、多面体状、板状のいずれでもあってもよい。非磁性粉末の結晶子サイズは、4nm〜500nmが好ましく、40〜100nmがさらに好ましい。結晶子サイズが4nm〜500nmの範囲であれば、分散が困難になることもなく、また好適な表面粗さを有するため好ましい。これら非磁性粉末の平均粒径は、5nm〜500nmが好ましいが、必要に応じて平均粒径の異なる非磁性粉末を組み合わせたり、単独の非磁性粉末でも粒径分布を広くしたりして同様の効果をもたせることもできる。とりわけ好ましい非磁性粉末の平均粒径は、10〜200nmである。5nm〜500nmの範囲であれば、分散も良好で、かつ好適な表面粗さを有するため好ましい。
非磁性粉末の比表面積は、1〜150m/gであり、好ましくは20〜120m/gであり、さらに好ましくは50〜100m/gである。比表面積が1〜150m/gの範囲内にあれば、好適な表面粗さを有し、かつ、所望の結合剤量で分散できるため好ましい。ジブチルフタレート(DBP)を用いた吸油量は、5〜100ml/100g、好ましくは10〜80ml/100g、さらに好ましくは20〜60ml/100gである。比重は1〜12、好ましくは3〜6である。タップ密度は0.05〜2g/ml、好ましくは0.2〜1.5g/mlである。タップ密度が0.05〜2g/mlの範囲であれば、飛散する粒子が少なく操作が容易であり、また装置にも固着しにくくなる傾向がある。非磁性粉末のpHは2〜11であることが好ましいが、pHは6〜9の間が特に好ましい。pHが2〜11の範囲にあれば、高温、高湿下又は脂肪酸の遊離により摩擦係数が大きくなることはない。非磁性粉末の含水率は、0.1〜5質量%、好ましくは0.2〜3質量%、さらに好ましくは0.3〜1.5質量%である。含水量が0.1〜5質量%の範囲であれば、分散も良好で、分散後の塗料粘度も安定するため好ましい。強熱減量は、20質量%以下であることが好ましく、強熱減量が小さいものが好ましい。
また、非磁性粉末が無機粉体である場合には、モース硬度は4〜10のものが好ましい。モース硬度が4〜10の範囲であれば耐久性を確保することができる。非磁性粉末のステアリン酸吸着量は、1〜20μmol/mであり、さらに好ましくは2〜15μmol/mである。非磁性粉末の25℃での水への湿潤熱は、200〜600erg/cm(200〜600mJ/m)の範囲にあることが好ましい。また、この湿潤熱の範囲にある溶媒を使用することができる。100〜400℃での表面の水分子の量は1〜10個/100Åが適当である。水中での等電点のpHは、3〜9の間にあることが好ましい。これらの非磁性粉末の表面には表面処理が施されることによりAl、SiO、TiO、ZrO、SnO、Sb、ZnOが存在することが好ましい。特に分散性に好ましいのはAl、SiO、TiO、ZrOであるが、さらに好ましいのはAl、SiO、ZrOである。これらは組み合わせて使用してもよいし、単独で用いることもできる。また、目的に応じて共沈させた表面処理層を用いてもよいし、先ずアルミナで処理した後にその表層をシリカで処理する方法、またはその逆の方法を採ることもできる。また、表面処理層は目的に応じて多孔質層にしても構わないが、均質で密である方が一般には好ましい。
本発明の非磁性層に用いられる非磁性粉末の具体的な例としては、例えば、昭和電工製ナノタイト、住友化学製HIT−100、ZA−G1、戸田工業社製DPN−250、DPN−250BX、DPN−245、DPN−270BX、DPB−550BX、DPN−550RX、石原産業製酸化チタンTTO−51B、TTO−55A、TTO−55B、TTO−55C、TTO−55S、TTO−55D、SN−100、MJ−7、α−酸化鉄E270、E271、E300、チタン工業製STT−4D、STT−30D、STT−30、STT−65C、テイカ製MT−100S、MT−100T、MT−150W、MT−500B、T−600B、T−100F、T−500HDなどが挙げられる。堺化学製FINEX−25、BF−1、BF−10、BF−20、ST−M、同和鉱業製DEFIC−Y、DEFIC−R、日本アエロジル製AS2BM、TiO2P25、宇部興産製100A、500A、チタン工業製Y−LOP及びそれを焼成したものが挙げられる。特に好ましい非磁性粉末は二酸化チタンとα−酸化鉄である。
非磁性層には非磁性粉末と共に、カーボンブラックを混合し表面電気抵抗を下げ、光透過率を小さくすると共に、所望のマイクロビッカース硬度を得ることができる。非磁性層のマイクロビッカース硬度は、通常25〜60kg/mm(245〜588MPa)、好ましくはヘッド当りを調整するために、30〜50kg/mm(294〜490MPa)であり、薄膜硬度計(日本電気製HMA−400)を用いて、稜角80度、先端半径0.1μmのダイヤモンド製三角錐針を圧子先端に用いて測定することができる。詳細は「薄膜の力学的特性評価技術」リアライズ社を参考にできる。光透過率は一般に波長900nm程度の赤外線の吸収が3%以下、たとえばVHS用磁気テープでは0.8%以下であることが規格化されている。このためにはゴム用ファーネス、ゴム用サーマル、カラー用ブラック、アセチレンブラック等を用いることができる。
本発明の非磁性層に用いられるカーボンブラックの比表面積は100〜500m/g、好ましくは150〜400m/g、DBP吸油量は20〜400ml/100g、好ましくは30〜200ml/100gである。カーボンブラックの粒子径は5〜80nm、好ましく10〜50nm、さらに好ましくは10〜40nmである。カーボンブラックのpHは2〜10、含水率は0.1〜10%、タップ密度は0.1〜1g/mlが好ましい。
本発明の非磁性層に用いることができるカーボンブラックの具体的な例としては、キャボット社製BLACKPEARLS 2000、1300、1000、900、800、880、700、VULCAN XC−72、三菱化学社製#3050B、#3150B、#3250B、#3750B、#3950B、#950、#650B、#970B、#850B、MA−600、コロンビアカーボン社製CONDUCTEX SC、RAVEN8800、8000、7000、5750、5250、3500、2100、2000、1800、1500、1255、1250、ケッチェン・ブラック・インターナショナル社製ケッチェンブラックECなどが挙げられる。
また、カーボンブラックを分散剤などで表面処理したり、樹脂でグラフト化して使用しても、表面の一部をグラファイト化したものを使用してもかまわない。また、カーボンブラックを塗料に添加する前にあらかじめ結合剤で分散してもかまわない。これらのカーボンブラックは上記無機粉末に対して50質量%を越えない範囲、非磁性層総質量の40%を越えない範囲で使用できる。これらのカーボンブラックは単独、または組み合せで使用することができる。本発明の非磁性層で使用できるカーボンブラックは例えば「カーボンブラック便覧」カーボンブラック協会編、を参考にすることができる。
また非磁性層には目的に応じて有機質粉末を添加することもできる。このような有機質粉末としては、例えば、アクリルスチレン系樹脂粉末、ベンゾグアナミン樹脂粉末、メラミン系樹脂粉末、フタロシアニン系顔料が挙げられるが、ポリオレフィン系樹脂粉末、ポリエステル系樹脂粉末、ポリアミド系樹脂粉末、ポリイミド系樹脂粉末、ポリフッ化エチレン樹脂も使用することができる。その製法は、特開昭62−18564号公報、特開昭60−255827号公報に記されているようなものが使用できる。
非磁性層の結合剤樹脂、潤滑剤、分散剤、添加剤、溶剤、分散方法その他は、磁性層のそれが適用できる。特に、結合剤樹脂量、種類、添加剤、分散剤の添加量、種類に関しては磁性層に関する公知技術が適用できる。
また、本発明の磁気記録媒体は、下塗り層を設けてもよい。下塗り層を設けることによって支持体と磁性層又は非磁性層との接着力を向上させることができる。下塗り層としては、溶剤への可溶性のポリエステル樹脂が使用される。
[層構成]
本発明で用いられる磁気記録媒体の厚み構成は、非磁性支持体の厚みが前述のように3〜80μm、より好ましくは3〜50μm、とくに好ましくは3〜10μmである。また、非磁性支持体と非磁性層又は磁性層の間に下塗り層を設けた場合、下塗り層の厚みは、0.01〜0.8μm、好ましくは0.02〜0.6μmである。
本発明の磁性層厚みは、用いる磁気ヘッドの飽和磁化量やヘッドギャップ長、記録信号の帯域により最適化されるものであるが、10〜100nmであり、好ましくは20〜80nmであり、さらに好ましくは30〜70nmである。また、磁性層の厚み変動率(標準偏差/磁性層厚み(σ/δ))は15%以内であり、好ましくは5%以内である。磁性層は少なくとも一層あればよく、磁性層を異なる磁気特性を有する2層以上に分離してもかまわず、公知の重層磁性層に関する構成が適用できる。
本発明の磁性層には、磁性層厚みδ(nm)に対して平均粒径0.5δ〜1.5δ(nm)の粒子を含有しており、平均粒径0.75δ〜1.25δ(nm)の粒子を含有することが好ましい。特に限定されるものではないが、ダイヤモンド、アルミナ、炭化珪素、カーボンブラック等が好ましく使用できる。
上記の平均粒径0.5δ〜1.5δ(nm)の粒子は、磁性層中の磁性体に対し、好ましくは0.5〜10質量%、さらに好ましくは1.5〜5質量%存在するのがよい。
本発明の非磁性層の厚みは、0.1〜3.0μmであり、0.3〜2.0μmであることが好ましく、0.5〜1.5μmであることが更に好ましい。なお、本発明の磁気記録媒体の非磁性層は、実質的に非磁性であればその効果を発揮するものであり、例えば不純物として、あるいは意図的に少量の磁性体を含んでいても、本発明の効果を示すものであり、本発明の磁気記録媒体と実質的に同一の構成とみなすことができる。なお、実質的に同一とは、非磁性層の残留磁束密度が10mT以下又は抗磁力が7.96kA/m(100Oe)以下であることを示し、好ましくは残留磁束密度と抗磁力を持たないことを意味する。
[バック層]
本発明の磁気記録媒体には、非磁性支持体の他方の面にバック層を設けるのが好ましい。バック層には、カーボンブラックと無機粉末が含有されていることが好ましい。結合剤、各種添加剤は、磁性層や非磁性層の処方が適用される。バック層の厚みは、0.9μm以下が好ましく、0.1〜0.7μmが更に好ましい。
またバック表面の算術平均粗さ(Ra)は、2nm〜10nmの範囲でシステムにあわせ制御する必要がある。このRaは、WYKO社製HD2000で測定した。
[製造方法]
本発明の製造方法は、非磁性支持体の少なくとも一方の面に強磁性粉末と結合剤とを含む磁性層用塗料を塗布し、塗布原反を得る工程と、前記塗布原反を巻き取りロールに巻き取る工程と、前記巻き取りロールに巻き取られた塗布原反を巻き出し、カレンダー処理する工程とを有する。
本発明で用いられる磁性層用塗料または非磁性層用塗料を製造する工程は、少なくとも混練工程、分散工程、及びこれらの工程の前後に必要に応じて設けた混合工程からなる。個々の工程はそれぞれ2段階以上に分かれていてもかまわない。本発明で用いられる強磁性粉末、非磁性粉末、結合剤、カーボンブラック、研磨材、帯電防止剤、潤滑剤、溶剤などすべての原料はどの工程の最初又は途中で添加してもかまわない。また、個々の原料を2つ以上の工程で分割して添加してもかまわない。例えば、ポリウレタンを混練工程、分散工程、分散後の粘度調整のための混合工程で分割して投入してもよい。本発明の目的を達成するためには、従来の公知の製造技術を一部の工程として用いることができる。混練工程ではオープンニーダ、連続ニーダ、加圧ニーダ、エクストルーダなど強い混練力をもつものを使用することが好ましい。これらの混練処理の詳細については特開平1−106338号公報、特開平1−79274号公報に記載されている。また、磁性層用塗料及び非磁性層用塗料を分散させるには、ガラスビーズを用いることができる。このようなガラスビーズは、高比重の分散メディアであるジルコニアビーズ、チタニアビーズ、スチールビーズが好適である。これら分散メディアの粒径と充填率は最適化して用いられる。分散機は公知のものを使用することができる。
本発明の磁気記録媒体の製造方法では、例えば、走行下にある非磁性支持体の表面に磁性層用塗料を所定の膜厚となるようにして磁性層を塗布して形成する。ここで複数の磁性層用塗料を逐次又は同時に重層塗布してもよく、非磁性層用塗料と磁性層用塗料とを逐次又は同時に重層塗布してもよい。上記磁性層用塗料又は非磁性層用塗料を塗布する塗布機としては、エアードクターコート、ブレードコート、ロッドコート、押出しコート、エアナイフコート、スクイズコート、含浸コート、リバースロールコート、トランスファーロールコート、グラビヤコート、キスコート、キャストコート、スプレイコート、スピンコート等が利用できる。これらについては例えば(株)総合技術センター発行の「最新コーティング技術」(昭和58年5月31日)を参考にできる。
磁性層用塗料の塗布層は、磁気テープの場合、磁性層用塗料の塗布層中に含まれる強磁性粉末にコバルト磁石やソレノイドを用いて磁場配向処理してもかまわない。ディスクの場合、配向装置を用いず無配向でも十分に等方的な配向性が得られることもあるが、コバルト磁石を斜めに交互に配置すること、ソレノイドで交流磁場を印加するなど公知のランダム配向装置を用いることが好ましい。等方的な配向とは強磁性金属粉末の場合、一般的には面内2次元ランダムが好ましいが、垂直成分をもたせて3次元ランダムとすることもできる。また異極対向磁石など公知の方法を用い、垂直配向とすることで円周方向に等方的な磁気特性を付与することもできる。特に高密度記録を行う場合は垂直配向が好ましい。また、スピンコートを用いて円周配向することもできる。
乾燥風の温度、風量、塗布速度を制御することで塗膜の乾燥位置を制御できる様にすることが好ましく、塗布速度は20m/分〜1000m/分、乾燥風の温度は60℃以上が好ましい、また磁石ゾーンに入る前に適度の予備乾燥を行うこともできる。
このようにして得られた塗布原反は、一旦巻き取りロールにより巻き取られ、しかる後、この巻き取りロールから巻き出され、カレンダー処理に施される。
カレンダー処理には、例えばスーパーカレンダーロールなどが利用される。カレンダー処理によって、表面平滑性が向上するとともに、乾燥時の溶剤の除去によって生じた空孔が消滅し磁性層中の強磁性粉末の充填率が向上するので、電磁変換特性の高い磁気記録媒体を得ることができる。カレンダー処理する工程は、塗布原反の表面の平滑性に応じて、カレンダー処理条件を変化させながら行うことが好ましい。
塗布原反は、概ね、巻き取りロールの芯側から外側に向かって光沢値が低下し、長手方向において品質にばらつきがあることがある。なお光沢値は、表面粗さRaと相関(比例関係)があることが知られている。したがって、カレンダー処理工程で、カレンダー処理条件、例えばカレンダーロール圧力を変化させず一定に保持すると、塗布原反の巻き取りによって生じた長手方向における平滑性の相違について何ら対策が講じられていないことになり、最終製品も長手方向に品質のばらつきが生じる。
したがって、カレンダー処理工程で、カレンダー処理条件、例えばカレンダーロール圧力を変化させ、塗布原反の巻き取りによって生じた長手方向における平滑性の相違を相殺するのが好ましい。具体的には、巻き取りロールから巻き出された塗布原反の芯側から外側に向かってカレンダーロールの圧力を低下させていくのが好ましい。本発明者らの検討によれば、カレンダーロールの圧力を下げると光沢値は低下する(平滑性が低下する)ことが見出されている。これにより、塗布原反の巻き取りによって生じた長手方向における平滑性の相違が相殺され、長手方向において品質にばらつきのない最終製品が得られる。
なお、前記ではカレンダーロールの圧力を変化させる例について説明したが、これ以外にも、カレンダーロール温度、カレンダーロール速度、カレンダーロールテンションを制御することによって行うことができる。塗布型媒体の特性を考慮すると、カレンダーロール圧力、カレンダーロール温度を制御するのが好ましい。カレンダーロール圧力を低くする、あるいはカレンダーロール温度を低くすることにより、最終製品の表面平滑性は低下する。逆に、カレンダーロール圧力を高くする、あるいはカレンダーロール温度を高くすることにより、最終製品の表面平滑性は高まる。
これとは別に、カレンダー処理工程後に得られた磁気記録媒体を、サーモ処理して熱硬化を進行させることもできる。このようなサーモ処理は、磁性層用塗料の配合処方により適宜決定すればよいが、例えば35〜100℃であり、好ましくは50〜80℃である。またサーモ処理時間は、12〜72時間、好ましくは24〜48時間である。
カレンダーロールとしてはエポキシ、ポリイミド、ポリアミド、ポリアミドイミド等の耐熱性プラスチックロールを使用する。また金属ロールで処理することもできる。
本発明の磁気記録媒体に採用されるカレンダー処理条件としては、カレンダーロールの温度を60〜100℃の範囲、好ましくは70〜100℃の範囲、特に好ましくは80〜100℃の範囲であり、圧力は100〜500kg/cm(98〜490kN/m)の範囲であり、好ましくは200〜450kg/cm(196〜441kN/m)の範囲であり、特に好ましくは300〜400kg/cm(294〜392kN/m)の範囲の条件が好ましい。
得られた磁気記録媒体は、裁断機などを使用して所望の大きさに裁断して使用することができる。裁断機としては、特に制限はないが、回転する上刃(雄刃)と下刃(雌刃)の組が複数設けられたものが好ましく、適宜、スリット速度、噛み合い深さ、上刃(雄刃)と下刃(雌刃)の周速比(上刃周速/下刃周速)、スリット刃の連続使用時間等が選定される。
[物理特性]
Mrδは磁性層厚み(δ)、飽和磁束密度(Bm)、角型比(SQ)により制御される。磁性層厚み(δ)は10nm〜100nmの範囲で制御される。飽和磁束密度(Bm)は磁性層中の結合剤量、及びカレンダー条件により0.12T〜0.18Tに制御される。本発明の磁気記録媒体の磁性層は、残留磁化Mrと磁性層厚δの積であるMrδが、1mT・μm〜5mT・μmであることが必要である。好ましいMrδは、1mT・μm〜4mT・μmである。本発明の磁気記録媒体の磁性層は、垂直方向の角型比(SQ)が0.4〜0.7であり、好ましくは、0.5〜0.65である。かつ、長手方向の角型比(SQ)が0.3〜0.7以下であり、好ましくは、0.35〜0.5である。さらに好ましい垂直方向のSQは、0.55〜0.6であり、長手方向のSQは0.4〜0.45である。
SQは、塗布液の分散レベル、配向磁石強度、磁場中での乾燥により制御される。所望のSQを達成するには、塗布液の磁性体分散強度と配向磁場強度により制御される。SQを高くしたい場合、磁性体分散強度をあげ、配向磁場強度をあげることで達成される。また、上記制御で達成されたSQを保持するために配向磁場磁場中で乾燥することで磁性体をセットすることができる。
本発明の磁気記録媒体の磁性層の飽和磁束密度は120〜200mTであり、好ましくは、140〜180mTである。また磁性層の抗磁力(Hc)は、143.2〜278.5kA/m(1800〜3500Oe)が好ましく、175.1〜238.7kA/m(2200〜3000Oe)が更に好ましい。抗磁力の分布は狭い方が好ましく、SFD及びSFDrは0.6以下、さらに好ましくは0.3以下である。
本発明の磁気記録媒体は、磁化反転体積が1000nm〜12000nmの範囲であるが、1000nm〜8000nmの範囲がより好ましい。
本発明の磁気記録媒体を、上記のような磁化反転体積範囲にするための手段としては、特に限定されないが、例えば粒子体積が1000〜4000nmでσs≦60emu/gであるような磁性体を用いることで達成できる。
本発明の磁気記録媒体は、磁気力顕微鏡(MFM)で測定したDC磁化状態の磁気クラスターの平均面積SdcとAC消磁状態の磁気クラスターの平均面積Sacとの比(Sdc/Sac)が0.8〜2.0であり、好ましくは、0.8〜1.2である。
「磁気クラスター面積比」について、以下の通り説明する。
微粒子の磁性粒子を高充填すると低ノイズ化することは理論的にも周知である。しかし、特に微粒子の磁性粒子を用いると、磁性体粒子が凝集し、あたかも1つの大きな磁性体として振舞う部分が生じ、S/N比の低減を引き起こすという問題がある。本発明者らは、磁気力顕微鏡(MFM)を用いて測定した磁気的な塊(以下「磁気クラスター」という)が、媒体ノイズと相関し、磁性粒子の凝集・静磁気結合によって変化することを見出した。そこで、直流(DC)消磁状態の磁気クラスターの平均面積Sdcと交流(AC)消磁状態の磁気クラスターの平均面積Sacとの比(Sdc/Sac)とS/N比との相関について鋭意検討を重ねた結果、Sdc/Sacが、0.8〜2.0の範囲で良好なS/N比が得られることを見出した。Sdc/Sacが0.8より小さくなることは実質的にはない。2.0より大きくなると、ノイズが大きくなり良好なS/N比を得ることができない。
本発明の磁気記録媒体において、Sdc及びSacは、いずれも3000〜30000nmであることが好ましく、より好ましくは3000〜20000nm、更に好ましくは3000〜12000nmの範囲である。磁気クラスター面積の最小値は磁性粒子の一次粒子の大きさで決定されるが、3000nm以上であれば、熱揺らぎにより磁化が不安定になることがなく、30000nm以下であれば、磁化反転単位が小さく、高密度記録時に高分解能を得ることができる。
磁気クラスターの大きさは、基本的には磁性粒子の分散と分散安定性に依存する。従来の磁気記録媒体では、塗布・配向・乾燥過程の再凝集を防止しきれないので、0.8〜2.0というSdc/Sacを達成することは不可能であった。
そこで、上記範囲のSdc/Sacを得るためには、磁性粒子を高度に分散し、かつ安定化させること、及び塗布過程でその分散安定状態を保持するか、又は塗布過程で生じた再凝集を破壊することが必要である。特開2004−103186号公報では、分散性の良好なバインダーを微粒子磁性体に吸着させ、高比重の分散メディアで分散したのち、塗布時に強い剪断を与えて再凝集した凝集クラスターを破壊することで、上記Sdc/Sacを実現することができる。上記バインダーとしては、溶媒との親和性が高いバインダーを用いることが好ましく、例えば、シクロヘキサノン中の慣性半径が5〜25nmであるポリウレタンを含有するバインダーを用いることが好ましい。その詳細は、特開平9−27115号公報に記載されている。前記バインダーは少ない量で分散安定化できるので、同時に体積充填率を向上させることが可能である。また、上記Sdc/Sacを実現するためには、塗布配向後に強い剪断を与えることにより、配向によって再凝集したクラスターを破壊することが有効である。配向後の剪断には、例えば、スムーザーを用いることができる。ここで、スムーザーとは、表面が平滑な剛体(板状、ロッド状)を湿潤状態にある磁性層表面に接触させ、強い剪断力を与えるものである。用いる剛体は、表面粗さがRaで2nm以下になるように鏡面研磨したものであることが好ましい。剪断力は、塗布液の粘度、塗布速度、塗布厚の関数であり、目的に応じて最適化することができる。また、上記Sdc/Sacを実現するためには、磁性層用塗料組成物のそれぞれについて、オープンニーダーで60分間混練した後、ジルコニアビーズ0.5mmを用いたサンドミルで1440分分散させ、分級処理することが有効である。
また、本発明を重層構成の磁気記録媒体に適用する場合、非磁性層を乾燥してから磁性層を塗布する方法(wet on dry)を用いることが好ましい。また、磁性層、非磁性層の両層が湿潤状態にあるうちに重層塗布する場合(wet on wet)は、磁性粒子の凝集による磁気記録媒体の電磁変換特性等の低下を防止するため、特開昭62−95174号公報や特開平1−236968号公報に開示されているような方法により塗布ヘッド内部の塗布液にせん断を付与することが望ましい。
AFMで測定した算術平均粗さ(算術平均高さ)Raは0.5〜3.0nm、好ましくは、1.0〜2.0nmであり、光干渉法で測定した十点平均粗さRzが5〜30nm、さらに好ましくは、10〜20nmである。
本発明で用いられる磁気記録媒体のヘッドに対する摩擦係数は、温度−10〜40℃、湿度0〜95%の範囲において0.50以下であり、好ましくは0.3以下である。また、表面固有抵抗は、好ましくは磁性面10〜10Ω/sq、帯電位は−500V〜+500V以内が好ましい。磁性層の0.5%伸びでの弾性率は、面内各方向で好ましくは0.98〜19.6GPa(100〜2000kg/mm)、破断強度は、好ましくは98〜686MPa(10〜70kg/mm)、磁気記録媒体の弾性率は、面内各方向で好ましくは0.98〜14.7GPa(100〜1500kg/mm)、残留のびは、好ましくは0.5%以下、100℃以下のあらゆる温度での熱収縮率は、好ましくは1%以下、さらに好ましくは0.5%以下、最も好ましくは0.1%以下である。
磁性層のガラス転移温度(110Hzで測定した動的粘弾性測定の損失正接の極大点)は50〜180℃が好ましく、非磁性層のそれは0〜180℃が好ましい。損失弾性率は1×10〜8×10Pa(1×10〜8×10dyne/cm)の範囲にあることが好ましく、損失正接は0.2以下であることが好ましい。損失正接が大きすぎると粘着故障が発生しやすい。これらの熱特性や機械特性は媒体の面内各方向において10%以内でほぼ等しいことが好ましい。
磁性層中に含まれる残留溶媒は好ましくは100mg/m以下、さらに好ましくは10mg/m以下である。塗布層が有する空隙率は非磁性層、磁性層とも好ましくは30容量%以下、さらに好ましくは20容量%以下である。空隙率は高出力を果たすためには小さい方が好ましいが、目的によってはある値を確保した方が良い場合がある。例えば、繰り返し用途が重視されるディスク媒体では空隙率が大きい方が走行耐久性は好ましいことが多い。
本発明の磁気記録媒体として非磁性層と磁性層で構成した場合、目的に応じ非磁性層と磁性層でこれらの物理特性を変えることができる。例えば、磁性層の弾性率を高くし走行耐久性を向上させると同時に非磁性層の弾性率を磁性層より低くして磁気記録媒体のヘッドへの当りを良くすることができる。
以下に本発明を実施例によりさらに具体的に説明する。なお、ここに示す成分、割合、操作、順序等は本発明の精神から逸脱しない範囲で変更し得るものであり、下記の実施例に制限されるべきものではない。また、実施例中の「部」特に示さない限り質量部を示す。
以下、本発明を実施例によって説明するが、本発明は下記例に限定されるものではない。
実施例1〜4、比較例1〜2
上層磁性塗料液の調製
(実施例1用)
強磁性板状六方晶フェライト粉末・・・100部
酸素を除く組成(モル比):Ba/Fe/Co/Zn=1/9/0.2/1
Hc:176kA/m(2200Oe)、平均板径:21.3nm、平均板状比:3
粒子体積:2100nm、BET比表面積:65m/g、
σs:50A・m/kg(50emu/g)
ポリウレタン樹脂・・・17部
分岐側鎖含有ポリエステルポリオール/ジフェニルメタンジイソシアネート系、
−SONa=400eq/ton
α−Al(粒子サイズ0.15μm)・・・3部
ダイヤモンド粉末(平均粒径:60nm)・・・1.5部
カーボンブラック(粒子サイズ 20nm)・・・1部
シクロヘキサノン・・・110部
メチルエチルケトン・・・100部
トルエン・・・100部
ブチルステアレート・・・2部
ステアリン酸・・・1部
上層磁性塗料液の調製
(実施例2用)
強磁性板状六方晶フェライト粉末・・・100部
酸素を除く組成(モル比):Ba/Fe/Co/Zn=1/9/0.2/1
Hc:176kA/m(2200Oe)、平均板径:26.4nm、平均板状比:3
粒子体積:4000nm、BET比表面積:50m/g、
σs:55A・m/kg(55emu/g)
ポリウレタン樹脂・・・17部
分岐側鎖含有ポリエステルポリオール/ジフェニルメタンジイソシアネート系、
−SONa=400eq/ton
α−Al(粒子サイズ0.15μm)・・・3部
ダイヤモンド粉末(平均粒径:60nm)・・・1.5部
カーボンブラック(粒子サイズ 20nm)・・・1部
シクロヘキサノン・・・110部
メチルエチルケトン・・・100部
トルエン・・・100部
ブチルステアレート・・・2部
ステアリン酸・・・1部
上層磁性塗料液の調製
(実施例3用)
強磁性板状六方晶フェライト粉末・・・100部
酸素を除く組成(モル比):Ba/Fe/Co/Zn=1/9/0.2/1
Hc:176kA/m(2200Oe)、平均板径:18.6nm、平均板状比:3
粒子体積1400nm、BET比表面積:75m/g、
σs:45A・m/kg(45emu/g)
ポリウレタン樹脂・・・17部
分岐側鎖含有ポリエステルポリオール/ジフェニルメタンジイソシアネート系、
−SONa=400eq/ton
α−Al(粒子サイズ0.15μm)・・・3部
ダイヤモンド粉末(平均粒径:60nm)・・・1.5部
カーボンブラック(粒子サイズ 20nm)・・・1部
シクロヘキサノン・・・110部
メチルエチルケトン・・・100部
トルエン・・・100部
ブチルステアレート・・・2部
ステアリン酸・・・1部
下層用非磁性塗料液の調製(実施例1〜3用)
非磁性無機質粉体・・・85部
α−酸化鉄
表面処理層:Al、SiO、長軸径:0.15μm、タップ密度:0.8、
針状比:7、BET比表面積:52m/g、pH8、
DBP吸油量:33g/100g
カーボンブラック・・・15部
DBP吸油量:120ml/100g、pH:8、BET比表面積:250m/g、
揮発分:1.5%
塩化ビニル樹脂 MR104・・・12部
ポリウレタン樹脂・・・8部
分岐側鎖含有ポリエステルポリオール/ジフェニルメタンジイソシアネート系、
−SONa=150eq/ton
フェニルホスホン酸・・・3部
シクロヘキサノン・・・140部
メチルエチルケトン・・・170部
ブチルステアレート・・・2部
ステアリン酸・・・1部
バック処方(実施例1〜3用)
非磁性無機質粉体・・・85部
α−酸化鉄
表面処理層:Al、SiO、長軸径:0.15μm、タップ密度:0.8
針状比:7、BET比表面積:52m/g、pH8、
DBP吸油量:33g/100g
カーボンブラック・・・20部
DBP吸油量:120ml/100g、pH:8
BET比表面積:250m/g、揮発分:1.5%
塩化ビニル共重合体 MR104・・・13部
ポリウレタン樹脂・・・8部
分岐側鎖含有ポリエステルポリオール/ジフェニルメタンジイソシアネート系、
−SONa=150eq/ton
フェニルホスホン酸・・・3部
アルミナ粉末(0.25μm)・・・5部
シクロヘキサノン・・・140部
メチルエチルケトン・・・170部
ブチルステアレート・・・2部
ステアリン酸・・・1部
実施例1
上層用磁性塗料、下層用非磁性塗料、バック塗料のそれぞれについて、各成分をオープンニーダーで240分間混練した後、サンドミルで上層を24時間、及び下層、バックは、24時間分散した。得られた分散液に3官能性低分子量ポリイソシアネート化合物(日本ポリウレタン製 コロネート3041)をそれぞれ4部加え、更に20分間撹拌混合したあと、0.5μmの平均孔径を有するフィルターを用いて濾過し、磁性塗料及び非磁性塗料を調製した。次に非磁性支持体(PEN、厚み6μm、表面性は、磁性層形成側面Ra:1.2nm、バック面側Ra:2.0nm)上に上記非磁性塗料を乾燥後の厚さが1.5μmになるように塗布後、100℃で乾燥させた後、巻き取りサ−モ処理を行う。その後金属ロ−ルからなる7段のカレンダーで速度10m/min、線圧400kg/cm、温度110℃で処理を行う。その後、上層液を乾燥後の厚さが60nmになるように塗布乾燥させる。次に、この非磁性支持体の非磁性層および磁性層の形成面とは反対面側に、上記のバック層用塗料を塗布し、乾燥した。その後金属ロ−ルからなる7段のカレンダーで速度10m/min、線圧400kg/cm、温度110℃で処理を行った。その後70℃24時間の熱処理を行い1/2インチ幅にスリットして磁気テ−プを作成した。
実施例2
実施例1において、上層処方、及び上層分散時間を12時間に変更し、上層塗布直後、長手配向(6000Oe)し乾燥させた以外は実施例1と同様にして実施例2の磁気テープを作製した。
実施例3
実施例1において、上層処方、及び上層分散時間を48時間に変更し、かつ支持体の両面のRaを1.0nmに変更した以外は実施例1と同様にして実施例3の磁気テープを作製した。
実施例4
実施例2の媒体を用いてヘッドのみ変更した。
比較例1
実施例2において、下層及び上層を上下層同時重層塗布で形成した後、実施例2と同様にして比較例1の磁気テープを作製した。
比較例2
実施例2において、下層及び上層を上下層同時重層塗布で形成した後、実施例3と同様にして比較例2の磁気テープを作製した。
得られた磁気テープを以下により測定、評価した。結果を表1に示す。
記録再生システム
ドラムテスターで1/4インチテープを相対速度2m/secで走行させヘッドを押し当て記録、再生を行った。
記録ヘッド:飽和磁化1.8T、ギャップ長0.15μm、トラック幅20μmのMIGヘッドを用いた。記録電流は、各テープの最適記録電流に設定した。
再生ヘッド:トラック幅1.3μm、シールド間隔0.08μmの巨大磁気抵抗型MRヘッド(GMRヘッド)を用いた。
SNRは7.875MHz(200kfci)の記録再生信号の出力をS、0〜15.75MHz(0〜400kfci)の積分ノイズをNとし、その比を取った。
PW50は33.3kfci記録再生信号のパルスの半値幅を取った。
エラーレートは100Mbit(10Mbit*10トラック)のM系列のパターンを16/17変調し、400kbpiで記録再生した
波形を捕捉し、EPR4MLの信号処理をソフトで行い算出した。
面記録密度達成の規準
1)最短記録bit長の2倍長の信号を入力してSNRが20dB以上であること
2)エラ−レ−トを測定して1E−4(1×10−4)以下であることを達成面記録密度の推定
上記面記録密度A Gbpsiの達成基準1)、2)を満たした媒体DのSNR(D)との差から理論計算を行い算出する。媒体Eについて説明を行う。
面記録密度A(Gbpsi)=B(bpsi)*C(tpi)の場合
トラック幅Tc=25.4mm/C(トラック数)
媒体EのSNRがSNR(E)とすると
△SNR=SNR(E)−SNR(D)
媒体Eの達成できるTeは、Te=Tc*10(−△SNR/10)となる。
これより達成されるトラック密度Fは、F(tpi)=25.4mm/Teとなる。
結果として達成される面記録密度Gは、G(bpsi)=B(bpsi)*F(tpi)となる。
算術平均粗さRaの測定
AFM測定
装置:日本Veeco社製 Nanoscope III
モード:AFMモード(コンタクトモード)
測定範囲:40μm角
スキャンライン:512*512
スキャンスピード:2Hz
スキャン方向:テープ長手方向
光干渉法によるRzの測定
非接触光学式粗さ測定機を使用して測定する。
装置:wyko社製HD2000
susμ値
23℃、80%RHにおいて磁性面のμ値を測定した。
IEC式の摩擦係数測定(ラップ角:180℃、30mm/sec、荷重50g重)により1P(パス)目及び100P目を行った。
(磁性層平均厚みδおよび標準偏差σの測定)
磁性層の平均厚みδと標準偏差σは、以下(1),(2)のようにして求めた。
(1)磁気テープ断面像の取得 包埋ブロックを用いたウルトラミクロトーム法により、テープの長手方向に平行な断面超薄切片(切片厚、約80nm〜100nm)を切り出す。透過型電子顕微鏡(HITACHI製TEM H−9000)を用いて、切り出した断面超薄切片中の磁気テープ断面の写真を、倍率10万倍・磁性層・非磁性層界面を中心にテープ長手方向に連続して25〜30μm分撮影して、磁気テープの連続断面像を取得する。
(2)得られた連続写真から、目視にて磁性層表面と磁性層/非磁性層界面ラインを引き、磁性層をトリミングする。次に、トリミングした磁性層ラインをスキャナーで取り込み、磁性層表面と磁性層/非磁性層界面の幅を画像処理して磁性層の平均厚みδと標準偏差σを算出する。画像処理には、CarlZeiss社製KS Imaging Systems Ver.3を用い、磁性層長手方向に12.5nmおきに約2100点の磁性層厚み幅を測定した。スキャナーからの画像取り込み及び画像解析の際のscale補正は実寸2cmのラインを用いて行った。
Figure 2007305197
上表から実施例2は、面記録密度4GbpsiでSNR=20dB、E.R.(エラーレート)=1E−4より4Gbpsiを達成している。実施例1は、△SNR=4dBなので、またライトTw=1.0μmなのでトラック密度は、25ktpiとなる。このため達成面記録密度は10Gbpsiとなる。実施例3は、△SNR=7dBなので、またライトTw=0.5μmなのでトラック密度は、50ktpiとなる。このため達成面記録密度は、20Gbpsiとなる。

Claims (1)

  1. 支持体上に非磁性層を介して、または非磁性層を介さずに強磁性粉末と結合剤を含む磁性層を設けた磁気記録媒体において、
    以下の特徴を有するシステムで用いられ、
    (1)線記録密度300kbpi以上、面記録密度が4〜20Gbpsi
    (2)記録ヘッドのBs≧1.5T、0.15≦gap長≦0.25μm
    (3)再生ヘッドのsh−sh長:0.07〜0.2μm
    以下の特徴を有する磁気記録媒体。
    (1)磁性体が六方晶フェライト磁性粉末を含み、粒子体積が1000〜4000nm
    σs:30〜70emu/g(A・m/kg)、磁化反転体積が1000〜12000nm
    (2)AFMで測定した算術平均粗さRa:0.5〜3.0nm
    光干渉法で測定した十点平均粗さRz:5nm〜30nm
    (3)磁性層厚みδ:10〜100nm
    (4)垂直方向のSQ:0.4〜0.7、長手方向のSQ:0.3〜0.7
    (5)磁性層厚み変動率≦15%
    (6)磁気力顕微鏡(MFM)で測定したDC磁化状態の磁気クラスターの平均面積SdcとAC消磁状態の磁気クラスターの平均面積Sacとの比(Sdc/Sac)が0.8〜2.0
    (7)残留磁化Mrと磁性層厚δの積であるMrδが、1〜5mT・μm
    (8)平均粒径0.5δ〜1.5δ(nm)の粒子を磁性層に含有する。
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