JP2007294086A - 磁気記録媒体、リニア磁気記録再生システムおよび磁気記録再生方法 - Google Patents

磁気記録媒体、リニア磁気記録再生システムおよび磁気記録再生方法 Download PDF

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武史 永田
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Abstract

【課題】再生トラック幅が狭トラック化しても高S/N比を保つことができる磁気記録媒体を提供すること。
【解決手段】非磁性支持体上に強磁性粉末および結合剤を含む磁性層を有する磁気記録媒体。磁性層の残留磁化Mrと磁性層の厚さδの積であるMrδが2mT・μm以上12mT・μm以下であり、垂直方向の角型比が0.4以上0.7以下であり、かつ長手方向の角型比が0.3以上0.6未満である。
【選択図】なし

Description

本発明は、磁気記録媒体に関するものであり、詳しくは、巨大磁気抵抗効果型磁気ヘッド(GMRヘッド)を再生ヘッドとして使用するリニア磁気記録再生システムにおいて、巨大磁気抵抗効果型(GMR)素子の飽和を起こすことなく、再生トラック幅が狭トラック化しても高S/N比を得ることができる塗布型の磁気記録媒体に関するものである。更に本発明は、前記磁気記録媒体を使用するリニア磁気記録再生システムおよび磁気記録再生方法に関する。
近年、テラバイト級の情報を高速に伝達するための手段が著しく発達し、莫大な情報をもつ画像およびデータ転送が可能となる一方、それらを記録、再生および保存するための高度な技術が要求されるようになってきた。記録、再生媒体には、フレキシブルディスク、磁気ドラム、ハードディスクおよび磁気テープが挙げられるが、特に、磁気テープは1巻あたりの記録容量が大きく、データバックアップ用をはじめとしてその役割を担うところが大きい。例えば特許文献1〜4には、高記録密度化に対応するために磁性層の膜厚、残留磁化量または角型比を調整した磁気記録媒体が開示されている。
一方、近年、磁気抵抗(MR)を動作原理とする再生ヘッドが提案され、使用され始めている。例えば特許文献5には、磁性塗料が塗布されてなる磁性層を有し、磁性層の残留磁化Mrと磁性層厚δの積であるMrδの値が0.8〜6.5memu/cm2(10〜82mT・μm) である、MRヘッドを用いたヘリカルスキャン磁気記録システムに用いられる磁気記録媒体が提案されている。
ところで、記録容量をさらに高めるためには、より高い記録密度が必要である。現在では、高記録密度化のために磁気記録媒体の記録・再生時のトラック幅は狭くなる傾向にある。更に、高記録密度で記録された信号を高感度で再生するために、より感度の高い巨大磁気抵抗効果型再生ヘッド(いわゆるGMRヘッド)が提案されている。特許文献6には、非磁性支持体上に金属磁性薄膜が形成されてなり、当該金属磁性薄膜の残留磁化Mrと磁性層厚δの積であるMrδの値が0.5〜1.5memu/cm2 (6.3〜18.8mT・μm)である、GMRヘッドを用いたヘリカルスキャン磁気記録システムに用いられる磁気記録媒体が提案されている。
特開平3−280215号公報 特開平11−203652号公報 特開2002−74640号公報 特開平8−235570号公報 特開2001−23145号公報 特開2001−23142号公報
再生ヘッドとして高感度なGMRヘッドを採用すると、ノイズも高感度に検出されてしまう。また再生トラック幅が狭くなるほど出力低下およびノイズ増大が発生する傾向にある。そこで、トラック幅が狭いGMRヘッドを再生ヘッドとして使用するシステムでは、媒体側からノイズを低減することが求められる。また、GMRヘッドが飽和すると信号に歪みが生じ、記録信号を正確に再生することが困難となる。そのため、GMRヘッドを再生ヘッドとして使用するシステムでは、S/N向上のために、(i)信号の直線性を維持するためにMR抵抗値および再生出力の直線性が保たれる領域で信号を再生すること、(ii)媒体ノイズを低減することが求められる。
上記の通り特許文献5および6には、再生ヘッドとしてGMRヘッドを使用することが提案されている。しかし、これらの技術は、ヘリカルスキャン磁気記録システムには適しているものの、順方向の記録再生と逆方向の記録再生の両走行方向において、十分なS/N比を得ることが重要となるリニア磁気記録再生システムでは、所望のS/N比を達成することができないという課題があった。また、上記特許文献1〜4には、得られた磁気記録媒体を再生ヘッドとしてGMRヘッドを用いるシステムに用いる開示はない。
したがって本発明の目的は、再生トラック幅が狭トラック化しても高S/N比を保つことができる磁気記録媒体を提供することにあり、より詳しくは、再生ヘッドとしてトラック幅の狭いGMRヘッドを採用したリニア磁気記録再生システムにおいて、GMR素子の飽和を起こすことなく高S/N比を得ることができる塗布型の磁気記録媒体を提供することにある。
本発明者らは、上記目的を達成するために鋭意検討を重ねた。
まず本発明者らは、GMR素子の飽和を防ぐために、磁性層の残留磁化Mrと磁性層の厚さδの積であるMrδを従来の磁気記録媒体より低く抑えることとした。しかし、Mrδを小さくするために磁性層を薄くすると、従来の磁気記録媒体で実現されていた磁気特性では、リニア磁気記録再生システムにおいて両走行方向で十分なS/N比を得ることが困難であることが判明した。
本発明者らは以上の知見に基づき更に検討を重ね、Mrδを2mT・μm以上12mT・μmとした磁気記録媒体において、垂直方向の角型比および長手方向の角型比をそれぞれ所定範囲とすることにより、上記目的を達成できることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、上記目的を達成する手段は、以下の通りである。
[1]非磁性支持体上に強磁性粉末および結合剤を含む磁性層を有する磁気記録媒体であって、
磁性層の残留磁化Mrと磁性層の厚さδの積であるMrδが2mT・μm以上12mT・μm以下であり、垂直方向の角型比が0.4以上0.7以下であり、かつ長手方向の角型比が0.3以上0.6未満であることを特徴とする磁気記録媒体。
[2]磁性層の厚さは30nm以上130nm以下である[1]に記載の磁気記録媒体。
[3]強磁性粉末は六方晶フェライト粉末または窒化鉄粉末である[1]または[2]に記載の磁気記録媒体。
[4]Mrδは2mT・μm以上8mT・μm以下である[1]〜[3]のいずれかに記載の磁気記録媒体。
[5]非磁性支持体と磁性層との間に、非磁性粉末および結合剤を含む非磁性層を有する[1]〜[4]のいずれかに記載の磁気記録媒体。
[6]再生ヘッドとして巨大磁気抵抗効果型磁気ヘッドを使用するリニア磁気記録再生システムにおいて使用される[1]〜[5]のいずれかに記載の磁気記録媒体。
[7]巨大磁気抵抗効果型磁気ヘッドの再生トラック幅は、0.1〜2.5μmの範囲である[6]に記載の磁気記録媒体。
[8][1]〜[5]のいずれかに記載の磁気記録媒体および再生ヘッドとして巨大磁気抵抗効果型磁気ヘッドを含むリニア磁気記録再生システム。
[9]巨大磁気抵抗効果型磁気ヘッドの再生トラック幅は、0.1〜2.5μmの範囲である[8]に記載のリニア磁気記録再生システム。
[10]リニア磁気記録再生システムにおいて、[1]〜[5]のいずれかに記載の磁気記録媒体に磁気信号を記録し、該信号を巨大磁気抵抗効果型磁気ヘッドを用いて再生する磁気記録再生方法。
[11]巨大磁気抵抗効果型磁気ヘッドの再生トラック幅は、0.1〜2.5μmの範囲である[10]に記載の磁気記録再生方法。
本発明の磁気記録媒体によれば、磁性層の残留磁化Mrと磁性層厚δの積であるMrδ、垂直方向および長手方向の角型比をそれぞれ所定範囲とすることにより、トラック幅の狭いGMRヘッドを再生ヘッドとして使用するリニア磁気記録再生システムにおいて、GMR素子の飽和を起こすことなく高S/N比を得ることができる。
[磁気記録媒体]
本発明の磁気記録媒体は、非磁性支持体上に強磁性粉末および結合剤を含む磁性層を有する磁気記録媒体であって、磁性層の残留磁化Mrと磁性層の厚さδの積であるMrδが2mT・μm以上12mT・μm以下であり、垂直方向の角型比が0.4以上0.7以下であり、かつ長手方向の角型比が0.3以上0.6未満であるものである。
以下、本発明の磁気記録媒体について詳細に説明する。
本発明の磁気記録媒体において、磁性層の残留磁化Mrと磁性層の厚さδの積であるMrδは2mT・μm以上12mT・μm以下である。Mrδが2mT・μm未満では、GMRヘッドを採用したとしても、狭トラック時における十分なS/N比を確保することができず、Mrδが12mT・μmより大きい場合は、GMRヘッドが飽和しアシンメトリーが劣化し十分なS/N比を得ることが困難となる。上記Mrδは、2mT・μm以上8mT・μm以下であることが好ましく、3mT・μm以上7mT・μm以下であることが更に好ましい。
Mrδは磁性層厚み(δ)、飽和磁束密度(Bm)、角型比(SQ)により制御することができる。磁性層厚(δ)は、30nm以上130nm以下であることが好ましい。δが30nm以上であれば、磁性層と非磁性層の界面変動がメディアノイズに影響を及ぼしS/N比が劣化することを防ぐことができる。また、δが130nm以下であれば、磁性層からの記録信号の漏れ磁束が弱まることにより再生効率が低下することを回避することができる。磁性層の厚さは、より好ましくは50〜120nm、更に好ましくは60〜100nmである。
磁性層の飽和磁束密度(Bm)は、磁性層中の結合剤量、およびカレンダー条件によって調整可能であり、0.12T〜0.18Tの範囲であることが好ましい。
本発明の磁気記録媒体は、垂直方向の角型比(SQ)が0.4以上0.7以下であり、かつ長手方向の角型比(SQ)が0.3以上0.6未満である。垂直方向のSQが0.4未満では、高密度記録に必要な高い線記録密度における再生出力が低くなりS/N比が低下する。また、垂直方向のSQが0.7を超えると、磁性体同士の凝集が発生し、メディアノイズが上昇し、S/N比が低下する。さらに、磁性体として強磁性六方晶フェライトを用いた場合は、磁化容易軸がある板面が磁性層表面を向くことになり、磁気記録媒体の走行耐久性が低下する。一方、長手方向のSQが0.3未満では再生出力が低下し、0.6以上では、磁性体同士の凝集が発生しメディアノイズが上昇する。
従来の磁気記録媒体の角型比に着目した技術では、ある一方向での角型比を制御することが検討されていた。これに対し、本発明者らの検討の結果、垂直方向SQ、長手方向SQをそれぞれ上記範囲とすることによって初めて、リニア磁気記録システムにおいて重要となる順方向の記録再生と逆方向の記録再生の両走行方向において、十分なS/N比を得ることができることが判明した。
一般に、垂直方向と長手方向の角型を調整するには、長手方向磁石と垂直配向磁石を組み合わせる方法が用いられる。しかし、Mrδが2〜12mT・μmとなるほど磁性層が薄くなると、磁性体の形状によっては、両方向の通常の配向処理を施しただけでは垂直方向SQ、長手方向SQをそれぞれ所望の範囲とすることが困難な場合がある。その場合は磁性層の分散性を強化することにより、両方向の角型比をそれぞれ所望の範囲に制御できるようにすることが好ましい。分散性を高めるための処理については後述する。特に、六方晶フェライト粉末は、その形状(六角板状)に由来し磁性層が薄層化するほど垂直方向に向きやすい傾向があるため、如何にして長手方向に配向させるかが重要となる。このためには、磁性層の分散性を高めること、更に、六方晶フェライト粉末として平均板状比[(板径)/(板厚)の平均]が1〜15の範囲にあるものを使用することが好ましく、1〜7の範囲にあるものを使用することが好ましい。上記範囲の板状比を有する六方晶フェライト粉末であれば、磁性層で高充填性を保持しながら十分な配向性を得て両方向のSQをそれぞれ所望の範囲に制御することができる。
磁性層厚δを小さくしてMrδを小さくするためには、(i)塗布時の塗り付け量を少なくするか、(ii)液濃度を下げるかのどちらかが一般的である。本発明の磁気記録媒体が、磁性層と非磁性層とを有する重層構成の場合、塗布方法としてはウェット・オン・ドライ方式(非磁性層乾燥後に磁性層塗布液を塗布)、ウェット・オン・ウェット方式(非磁性層が湿潤状態にあるうちに磁性層塗布液を塗布)のいずれかを用いることができる。本発明では、ノイズ低減のために磁性層と非磁性層間の界面変動を抑制するという点からウェット・オン・ドライ方式を採用することが好ましい。上記ウェット・オン・ドライ方式の場合、磁性層が薄くなると、上記(i)では乾燥時に急乾になり磁性体が凝集し、(ii)では溶剤を多くして液濃度を下げると、液そのものの分散安定性が損なわれ、また乾燥時間が長くなり、凝集しやすい。即ち、Mrδを低減するために磁性層厚δを小さくすると乾燥時の再凝集の問題が生じるため、Mrδ低減と磁性層分散性向上(再凝集改良)の両立は困難となる。
これに対し、本発明者らの検討の結果、磁性層中の磁性粒子の粒度分布を制御することにより、乾燥時の再凝集を抑制できることが明らかとなった。これは、磁性粒子中に比較的粒径の大きな未分散物が多数含まれると、それらが再凝集の核となるからと考えられる。そこで、塗布前の塗布液において磁性粒子の粒度分布を均一化するための処理を行い、乾燥後の再凝集の核となる粒子を除去することが好ましい。具体的には、六方晶フェライト粉末の場合、磁性層に含まれる六方晶フェライト粉末が、累積体積の95%となる粒子径(以下、D95と呼ぶ)が70nm以下(更に好ましくは65nm以下、より一層好ましくは10〜60nmの範囲)となる粒度分布を有するように磁性粒子の粒度分布を制御することが好ましい。また、窒化鉄粉末の場合、磁性層に含まれる窒化鉄粉末が、D95が80nm以下(更に好ましくは75nm以下、より一層好ましくは5〜70nmの範囲)となる粒度分布を有するように磁性粒子の粒度分布を制御することが好ましい。
粒度分布を制御するためには、磁性層塗布液をオープンニーダーで混練した後、ジルコニアビーズを用いたサンドミルで分散させ、分級処理することが有効である。分級処理は遠心分離機で行うことができる。
以下、本発明の磁気記録媒体について、更に詳細に説明する。
非磁性支持体
非磁性支持体は、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、等のポリエステル類、ポリオレフィン類、セルローストリアセテート、ポリカーボネート、ポリアミド、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリスルフォン、ポリアラミド、芳香族ポリアミド、ポリベンゾオキサゾールなどの公知のフィルムが使用できる。ポリエチレンナフタレート、ポリアミドなどの高強度支持体を用いることが好ましい。また必要に応じ、磁性面と非磁性支持体面の表面粗さを変えるため特開平3−224127号公報に示されるような積層タイプの支持体を用いることもできる。これらの支持体にはあらかじめコロナ放電処理、プラズマ処理、易接着処理、熱処理、除塵処理、などを行ってもよい。また支持体としてアルミまたはガラス基板を適用することも可能である。
中でもポリエステル支持体(以下、単にポリエステルという)が好ましい。ポリエステルとしては、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレートなどジカルボン酸およびジオールからなるポリエステルが好ましい。
主要な構成成分のジカルボン酸成分としては、テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、2,7−ナフタレンジカルボン酸、ジフェニルスルホンジカルボン酸、ジフェニルエーテルジカルボン酸、ジフェニルエタンジカルボン酸、シクロヘキサンジカルボン酸、ジフェニルジカルボン酸、ジフェニルチオエーテルジカルボン酸、ジフェニルケトンジカルボン酸、フェニルインダンジカルボン酸などを挙げることができる。
また、ジオール成分としては、エチレングリコール、プロピレングリコール、テトラメチレングリコール、シクロヘキサンジメタノール、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシエトキシフェニル)プロパン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホン、ビスフェノールフルオレンジヒドロキシエチルエーテル、ジエチレングリコール、ネオペンチルグリコール、ハイドロキノン、シクロヘキサンジオールなどを挙げることができる。
これらを主要な構成成分とするポリエステルの中でも透明性、機械的強度、寸法安定性などの点から、ジカルボン酸成分として、テレフタル酸および/または2,6−ナフタレンジカルボン酸、ジオール成分として、エチレングリコールおよび/または1,4−シクロヘキサンジメタノールを主要な構成成分とするポリエステルが好ましい。
中でも、ポリエチレンテレフタレートまたはポリエチレン−2,6−ナフタレートを主要な構成成分とするポリエステルや、テレフタル酸と2,6−ナフタレンジカルボン酸とエチレングリコールからなる共重合ポリエステル、およびこれらのポリエステルの二種以上の混合物を主要な構成成分とするポリエステルが好ましい。特に好ましくはポリエチレン−2,6−ナフタレートを主要な構成成分とするポリエステルである。
なお、ポリエステルとしては、二軸延伸されているものでもよく、2層以上の積層体であってもよい。
また、ポリエステルは、さらに他の共重合成分が共重合されていてもよいし、他のポリエステルが混合されていてもよい。これらの例としては、先に挙げたジカルボン酸成分やジオール成分、またはそれらから成るポリエステルを挙げることができる。
ポリエステルには、フィルム時におけるデラミネーションを起こし難くするため、スルホネート基を有する芳香族ジカルボン酸またはそのエステル形成性誘導体、ポリオキシアルキレン基を有するジカルボン酸またはそのエステル形成性誘導体、ポリオキシアルキレン基を有するジオールなどを共重合してもよい。
中でもポリエステルの重合反応性やフィルムの透明性の点で、5−ナトリウムスルホイソフタル酸、2−ナトリウムスルホテレフタル酸、4−ナトリウムスルホフタル酸、4−ナトリウムスルホ−2,6−ナフタレンジカルボン酸およびこれらのナトリウムを他の金属(例えばカリウム、リチウムなど)やアンモニウム塩、ホスホニウム塩などで置換した化合物またはそのエステル形成性誘導体、ポリエチレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、ポリエチレングリコール−ポリプロピレングリコール共重合体およびこれらの両端のヒドロキシ基を酸化するなどしてカルボキシル基とした化合物などが好ましい。この目的で共重合される割合としては、ポリエステルを構成するジカルボン酸を基準として、0.1〜10モル%が好ましい。
また、耐熱性を向上する目的では、ビスフェノール系化合物、ナフタレン環またはシクロヘキサン環を有する化合物を共重合することができる。これらの共重合割合としては、ポリエステルを構成するジカルボン酸を基準として、1〜20モル%が好ましい。
上記ポリエステルは、従来公知のポリエステルの製造方法に従って製造できる。例えば、ジカルボン酸成分をジオール成分と直接エステル化反応させる直接エステル化法、初めにジカルボン酸成分としてジアルキルエステルを用いて、これとジオール成分とでエステル交換反応させ、これを減圧下で加熱して余剰のジオール成分を除去することにより重合させるエステル交換法を用いることができる。この際、必要に応じてエステル交換触媒あるいは重合反応触媒を用い、あるいは耐熱安定剤を添加することができる。
また、合成時の各過程で着色防止剤、酸化防止剤、結晶核剤、すべり剤、安定剤、ブロッキング防止剤、紫外線吸収剤、粘度調節剤、消泡透明化剤、帯電防止剤、pH調整剤、染料、顔料、反応停止剤などの各種添加剤の1種または2種以上を添加させてもよい。
また、ポリエステルにはフィラーが添加されてもよい。フィラーの種類としては、球形シリカ、コロイダルシリカ、酸化チタン、アルミナ等の無機粉体、架橋ポリスチレン、シリコーン樹脂等の有機フィラー等が挙げられる。
また、支持体を高剛性化するために、これらの材料を高延伸したり、表面に金属や半金属または、これらの酸化物の層を設けることもできる。
非磁性支持体であるポリエステルの厚みは、好ましくは3〜80μm、より好ましくは3〜50μm、特に好ましくは3〜10μmである。また支持体表面の中心面平均粗さ(Ra)は、好ましくは6nm以下、より好ましくは4nm以下である。このRaは、WYKO社製HD2000で測定される値である。
また、非磁性支持体の長手方向および幅方向のヤング率は、6.0GPa以上が好ましく、7.0GPa以上がさらに好ましい。
本発明の磁気記録媒体は、前記の非磁性支持体の少なくとも一方の面に強磁性粉末と結合剤とを含む磁性層を設けたものであり、非磁性支持体と磁性層との間に実質的に非磁性である非磁性層(下層)を設けたものが好ましい。
磁性層
磁性層に含まれる強磁性粉末として、その体積が1000〜20000nm3である、ものが好ましく、2000〜8000nm3であるものが更に好ましい。この範囲の体積を有する強磁性粉末を使用することにより、熱揺らぎにより磁気特性の低下を有効に抑えることができると共に低ノイズを維持したまま良好なC/N(S/N)を得ることができる。
針状粉末の体積は、形状を円柱と想定して長軸長、短軸長から求めることができる。
六方晶フェライト粉末の体積は、形状を6角柱と想定して板径、軸長(板厚)から体積を求めることができる。
磁性体のサイズは、以下の方法によって求めることができる。
まず、磁性層を適当量剥ぎ取る。剥ぎ取った磁性層30〜70mgにn−ブチルアミンを加え、ガラス管中に封かんし熱分解装置にセットして140℃で約1日加熱する。冷却後にガラス管から内容物を取り出し、遠心分離し、液と固形分を分離する。分離した固形分をアセトンで洗浄し、TEM用の粉末試料を得る。この試料を日立製透過型電子顕微鏡H−9000型を用いて粒子を撮影倍率100000倍で撮影し、総倍率500000倍になるように印画紙にプリントして粒子写真を得る。粒子写真から目的の磁性体を選びデジタイザ−で粉体の輪郭をトレースしカ−ルツァイス製画像解析ソフトKS−400で粒子のサイズを測定する。500個の粒子のサイズを測定し、測定値を平均して平均サイズとする。
磁性層に含まれる強磁性粉末としては、強磁性金属粉末、六方晶フェライト粉末、窒化鉄粉末等を挙げることができ、中でも磁性体の微粒子化と高抗磁力化を両立できるという点では六方晶フェライト粉末および窒化鉄粉末が好ましい。
(i)強磁性六方晶フェライト粉末
強磁性六方晶フェライト粉末には、例えば、バリウムフェライト、ストロンチウムフェライト、鉛フェライト、カルシウムフェライト、それらのCo等の置換体等がある。より具体的には、マグネトプランバイト型のバリウムフェライトおよびストロンチウムフェライト、スピネルで粒子表面を被覆したマグネトプランバイト型フェライト、さらに一部にスピネル相を含有したマグネトプランバイト型のバリウムフェライトおよびストロンチウムフェライト等が挙げられる。その他、所定の原子以外にAl、Si、S、Sc、Ti、V、Cr、Cu、Y、Mo、Rh、Pd、Ag、Sn、Sb、Te、Ba、Ta、W、Re、Au、Hg、Pb、Bi、La、Ce、Pr、Nd、P、Co、Mn、Zn、Ni、Sr、B、Ge、Nbなどの原子を含んでもかまわない。一般には、Co−Zn、Co−Ti、Co−Ti−Zr、Co−Ti−Zn、Ni−Ti−Zn、Nb−Zn−Co、Sb−Zn−Co、Nb−Zn等の元素を添加した物を使用できる。また原料・製法によっては特有の不純物を含有するものもある。好ましいその他の原子およびその含有率は、前記の強磁性金属粉末の場合と同様である。
六方晶フェライト粉末の粒子サイズは、上述の体積を満足するサイズであることが好ましい。平均板径は、10〜50nmであることが好ましく、15〜40nmであることが更に好ましく、20〜30nmであることが特に好ましい。
平均板状比{(板径/板厚)の平均}は1〜15であることが好ましく、1〜7であることが更に好ましい。平均板状比が1〜15であれば、磁性層で高充填性を保持しながら充分な配向性が得られ、かつ、粒子間のスタッキングによるノイズ増大を抑えることができる。また、上記粒子サイズの範囲内におけるBET法による比表面積(SBET)は、40m2/g以上が好ましく、40〜200m2/gであることがさらに好ましく、60〜100m2/gであることが最も好ましい。
六方晶フェライト粉末の粒子板径・板厚の分布は、通常狭いほど好ましい。粒子板径・板厚は、粒子TEM写真より500粒子を無作為に測定することで求めることができる。粒子板径・板厚の分布は正規分布ではない場合が多いが、計算して平均サイズに対する標準偏差で表すと、一般にσ/平均サイズ=0.1〜1.0である。粒子サイズ分布をシャープにするために、粒子生成反応系をできるだけ均一にすると共に、生成した粒子に分布改良処理を施すことできる。例えば、酸溶液中で超微細粒子を選別的に溶解する方法等も知られている。
一般に、抗磁力(Hc)143.3〜318.5kA/m(1800〜4000Oe)の程度の六方晶フェライト粉末は作製可能である。六方晶フェライト粉末の抗磁力(Hc)は、好ましくは159.2〜238.9kA/m(2000〜3000Oe)、さらに好ましくは191.0〜214.9kA/m(2200〜2800Oe)である。
抗磁力(Hc)は、粒子サイズ(板径・板厚)、含有元素の種類と量、元素の置換サイト、粒子生成反応条件等により制御できる。
六方晶フェライト粉末の飽和磁化(σs)は、30〜80A・m2/kg(emu/g)であることが好ましい。飽和磁化(σs)は高い方が好ましいが、微粒子になるほど小さくなる傾向がある。飽和磁化(σs)の改良のため、マグネトプランバイトフェライトにスピネルフェライトを複合することや、含有元素の種類と添加量の選択等がよく知られている。またW型六方晶フェライトを用いることも可能である。磁性体を分散する際に磁性体粒子表面を分散媒、ポリマーに合った物質で処理してもよい。表面処理剤としては、無機化合物および有機化合物を使用することができる。主な化合物としてはSi、Al、P等の酸化物または水酸化物、各種シランカップリング剤、各種チタンカップリング剤が代表例である。添加量は磁性体の質量に対して、通常0.1〜10質量%である。磁性体のpHも分散に重要である。通常4〜12程度で分散媒、ポリマーにより最適値があるが、一般に、媒体の化学的安定性、保存性から6〜11程度が選択される。磁性体に含まれる水分も分散に影響する。分散媒、ポリマーにより最適値があるが通常0.01〜2.0%が選ばれる。
六方晶フェライト粉末の製法としては、(1)酸化バリウム・酸化鉄・鉄を置換する金属酸化物とガラス形成物質として酸化ホウ素等を所望のフェライト組成になるように混合した後溶融し、急冷して非晶質体とし、次いで再加熱処理した後、洗浄・粉砕してバリウムフェライト結晶粉体を得るガラス結晶化法、(2)バリウムフェライト組成金属塩溶液をアルカリで中和し、副生成物を除去した後100℃以上で液相加熱した後洗浄・乾燥・粉砕してバリウムフェライト結晶粉体を得る水熱反応法、(3)バリウムフェライト組成金属塩溶液をアルカリで中和し、副生成物を除去した後乾燥し1100℃以下で処理し、粉砕してバリウムフェライト結晶粉体を得る共沈法等があるが、本発明は製法を選ばない。六方晶フェライト粉末は、必要に応じ、Al、Si、Pまたはこれらの酸化物などで表面処理を施してもかまわない。その量は強磁性粉末に対し、例えば0.1〜10質量%であり表面処理を施すと脂肪酸などの潤滑剤の吸着が100mg/m2以下になり好ましい。強磁性粉末には可溶性のNa、Ca、Fe、Ni、Srなどの無機イオンを含む場合がある。これらは、本質的に無い方が好ましいが、200ppm以下であれば特に特性に影響を与えることは少ない。
(ii)窒化鉄粉末
本発明における窒化鉄粉末とは、少なくともFe162相を含む磁性粉末を意味するが、Fe162相以外の窒化鉄の相を含まないことが好ましい。これは、窒化鉄(Fe4NやFe3N相)の結晶磁気異方性は1×105erg/cc(1×10-2J/cc)程度であるのに対し、Fe162相は2×106〜7×106erg/cc(2×10-1〜7×10-1J/cc)の高い結晶磁気異方性を有するからである。これにより、微粒子化した際にも高い保磁力を維持することができる。この高い結晶磁気異方性は、Fe162相の結晶構造に起因する。結晶構造は、N原子がFeの八面体格子間位置に規則的に入った体心正方晶であり、N原子が格子に入る際の歪が、高い結晶磁気異方性の発生原因と考えられる。Fe162相の磁化容易軸は窒化により伸びたC軸である。
Fe162相を含む粒子の形状は粒状ないし楕円状であることが好ましい。さらに好ましくは球状である。これは、立方晶であるα−Feの等価な3方向のうち一方向が窒化により選ばれc軸(磁化容易軸)となるため、粒子形状が針状であれば、磁化容易軸が短軸方向、長軸方向にある粒子が混在することになり好ましくないからである。従って、長軸長/短軸長の軸比の平均値は好ましくは、2以下(例えば、1〜2)であり、より好ましくは1.5以下(例えば、1〜1.5)である。
一般に粒径は窒化する前の鉄粒子の粒径で決まり、単分散であることが好ましい。これは一般的には、単分散の方が、媒体ノイズが下がるためである。そして、Fe162を主相とする窒化鉄系磁性粉末の粒径は、通常、鉄粒子の粒径で決まり、鉄粒子の粒径分布は単分散であることが好ましい。これは粒子サイズの大きい粒子と小さい粒子で窒化の度合いが異なり、磁気特性が異なるためである。この意味からも窒化鉄系磁性粉末の粒径分布は単分散であることが好ましい。
窒化鉄の平均粒径は、5〜30nmであることが好ましく、5〜25nmであることがより好ましく、8〜15nmであることがより一層好ましく、9〜11nmであることがさらに好ましい。これは、粒径が小さくなると熱揺らぎの影響が大きくなり、超常磁性化し、磁気記録媒体に適さなくなるからである。また、磁気粘性のためヘッドで高速記録する際の保磁力が高くなり、記録しづらくなるからである。一方、粒径が大きいと、飽和磁化を小さくすることが出来ないため、記録時の保磁力が高くなりすぎ、記録をすることが困難となるからである。また、粒子サイズが大きいと、磁気記録媒体としたときの粒子性のノイズが高くなるからである。なお、本発明における窒化鉄の平均粒径は、Fe162相の平均粒径をいい、Fe162粒子の表面に層が形成されている場合は、当該層を含まないFe162粒子そのものについての平均サイズをいうものとする。なお、Fe162粒子は、その表面に酸化防止層等の層を任意に有することができる。
また、窒化鉄の粒径分布は、単分散であることが好ましくい。これは一般的には、単分散の方が、媒体ノイズが下がるためである。粒径の変動係数は15%以下(好ましくは2〜15%)であり、さらに好ましくは、10%以下(好ましくは2〜10%)である。 粒径および粒径の変動係数は、カーボン膜を貼り付けたCu200メッシュに希釈した合金ナノ粒子を載せて乾燥させ、TEM(日本電子製1200EX)で10万倍で撮影したネガを粒径測定器(カールツァイス製KS−300)で測定される算術平均粒径から算出することができる。
Fe162相を含む粒子において、鉄に対する窒素の含有量は、1.0〜20.0原子%が好ましく、さらに好ましくは5.0〜18.0原子%、より好ましくは8.0〜15.0原子%である。これは、窒素が少なすぎると、Fe162相の形成量が少なくなるからであり、保磁力増加は窒化による歪に起因しており、窒素が少なくなると保磁力が低くなるからである。窒素が多すぎると、Fe162相は準安定相であるため、分解して安定相である他の窒化物となり、この結果、飽和磁化が過度に低下するからである。
なお、本発明において「粒径の変動係数」とは、円相当径での粒径分布の標準偏差を求め、これを平均粒径で除したものを意味する。また、「組成の変動係数」とは、粒径の変動係数と同様に、合金ナノ粒子の組成分布の標準偏差を求め、これを平均組成で除したものを意味する。本発明においては、このような値を100倍して%表示とする。
平均粒径および粒径の変動係数は、カーボン膜を貼り付けたCu200メッシュに希釈した合金ナノ粒子を載せて乾燥させ、TEM(日本電子製1200EX)で10万倍で撮影したネガを粒径測定器(カールツァイス製KS−300)で測定される算術平均粒径から算出することができる。
Fe162を主相とする窒化鉄粉末は、その表面が酸化皮膜で覆われていることが好ましい。これは、微粒子Fe162は酸化しやすく、窒素雰囲気でのハンドリングを要するからである。
酸化皮膜は、希土類元素および/またはシリコン、アルミニウムから選ばれる元素を含んでいることが好ましい。これにより、従来の鉄、Coを主成分とするいわゆるメタル粒子と同様の粒子表面を有することとなり、メタル粒子を取り扱っていた工程との親和性が高くなるからである。希土類元素は、Y、La、Ce、Pr、Nd、Sm、Tb、Dy、Gdが好ましく用いられ、特にYが分散性の観点から好ましく用いられる。
また、シリコンおよびアルミニウム以外に、必要に応じて、ホウ素やリンを含有させてもよい。さらに、炭素、カルシウム、マグネシウム、ジルコニウム、バリウム、ストロンチウムなども有効な元素として含有させてもよい。これらの他の元素と希土類元素および/またはシリコン、アルミニウムとを併用することにより、より高い形状維持性と分散性能を得ることができる。
表面化合物層の組成については、鉄に対する希土類元素あるいはホウ素、シリコン、アルミニウム、リンの総含有量が0.1〜40.0原子%が好ましく、さらに好ましくは1.0〜30.0原子%、より好ましくは3.0〜25.0原子%である。これらの元素が少なすぎると、表面化合物層の形成が困難となり、磁性粉末の磁気異方性が減少するだけでなく、酸化安定性に劣る傾向がある。またこれらの元素が多すぎると、飽和磁化の過度な低下が起こりやすい。
酸化皮膜の厚みは1〜5nmが好ましく、2〜3nmがより好ましい。この範囲より薄いと酸化安定性が低くなりやすく、厚いと実質的に粒子サイズが小さくなりにくくなることがあるからである。
Fe162を主相とする窒化鉄粉末の磁気特性としては、その保磁力(Hc)が、79.6〜318.4kA/m(1,000〜4,000Oe)であることが好ましく、159.2〜278.6kA/m(2000〜3500Oe)であることがより好ましい。さらに好ましくは、197.5〜237kA/m(2500〜3000Oe)である。これは、Hcが低いと、例えば面内記録の場合、隣の記録ビットの影響を受けやすくなり、高記録密度に適さなくなることがあるからであり、高すぎると記録されづらくなることがあるからである。
窒化鉄粉末の「Ms・V」は、5.2×10-16〜6.5×10-16であることが好ましい。なお、「Ms・V」における飽和磁化Msは、例えば、振動式磁気測定器(VSM)を用い測定することができる。また、体積Vは透過型電子顕微鏡(TEM)を用い粒子観察を行い、Fe162相の粒径を求め、体積換算することにより求めることができる。
窒化鉄粉末の飽和磁化は80〜160Am2/kg(80〜160emu/g)が好ましく、80〜120Am2/kg(80〜120emu/g)がより好ましい。これは低すぎると、信号が弱くなることがあり、高すぎると例えば面内記録の場合、隣の記録ビットに影響を及ぼしやすくなり、高記録密度に適さなくなるためである。角型比としては、0.6〜0.9が好ましい。
また、窒化鉄粉末は、BET比表面積が40〜100m2/gであることが好ましい。これは、BET比表面積が小さすぎると、粒子サイズが大きくなり、磁気記録媒体に適用すると粒子性ノイズが高くなり、また磁性層の表面平滑性が低下して、再生出力が低下しやすいからである。また、BET比表面積が大きすぎると、Fe162相を含む粒子が凝集しやすくなり均一な分散物を得ることが難しく、平滑な表面を得ることが難しくなるからである。
本発明において使用可能な窒化鉄は、公知の方法で合成することができ、また市販品として入手可能なものもある。本発明において使用可能な窒化鉄の詳細については、例えば特開2007−36183号公報等を参照することができる。
(iii)強磁性金属粉末
磁性層に使用する強磁性金属粉末は、特に制限されるべきものではないが、α−Feを主成分とする強磁性金属粉末を用いることが好ましい。これらの強磁性金属粉末には、所定の原子以外にAl、Si、S、Sc、Ca、Ti、V、Cr、Cu、Y、Mo、Rh、Pd、Ag、Sn、Sb、Te、Ba、Ta、W、Re、Au、Hg、Pb、Bi、La、Ce、Pr、Nd、P、Co、Mn、Zn、Ni、Sr、Bなどの原子を含んでもかまわない。特に、Al、Si、Ca、Y、Ba、La、Nd、Co、Ni、Bの少なくとも1つをα−Fe以外に含むことが好ましく、Co、Y、Alの少なくとも一つを含むことがさらに好ましい。Coの含有量はFeに対して0原子%以上40原子%以下であることが好ましく、さらに好ましくは15原子%以上35原子%以下、より好ましくは20原子%以上35原子%以下である。Yの含有量は1.5原子%以上12原子%以下であることが好ましく、さらに好ましくは3原子%以上10原子%以下、特に好ましくは4原子%以上9原子%以下である。Alは1.5原子%以上12原子%以下であることが好ましく、さらに好ましくは3原子%以上10原子%以下、より好ましくは4原子%以上9原子%以下である。
これらの強磁性金属粉末には、あとで述べる分散剤、潤滑剤、界面活性剤、帯電防止剤などで分散前にあらかじめ処理を行ってもかまわない。具体的には、特公昭44−14090号公報、特公昭45−18372号公報、特公昭47−22062号公報、特公昭47−22513号公報、特公昭46−28466号公報、特公昭46−38755号公報、特公昭47−4286号公報、特公昭47−12422号公報、特公昭47−17284号公報、特公昭47−18509号公報、特公昭47−18573号公報、特公昭39−10307号公報、特公昭46−39639号公報、米国特許第3026215号、同3031341号、同3100194号、同3242005号、同3389014号などに記載されている。
強磁性金属粉末には少量の水酸化物、または酸化物が含まれてもよい。強磁性金属粉末は公知の製造方法により得られたものを用いることができ、下記の方法を挙げることができる。複合有機酸塩(主としてシュウ酸塩)と水素などの還元性気体で還元する方法、酸化鉄を水素などの還元性気体で還元してFeまたはFe−Co粒子などを得る方法、金属カルボニル化合物を熱分解する方法、強磁性金属の水溶液に水素化ホウ素ナトリウム、次亜リン酸塩あるいはヒドラジンなどの還元剤を添加して還元する方法、金属を低圧の不活性気体中で蒸発させて微粉末を得る方法などである。このようにして得られた強磁性金属粉末には、公知の徐酸化処理、すなわち有機溶剤に浸漬したのち乾燥させる方法、有機溶剤に浸漬したのち酸素含有ガスを送り込んで表面に酸化膜を形成したのち乾燥させる方法、有機溶剤を用いず酸素ガスと不活性ガスの分圧を調整して表面に酸化皮膜を形成する方法のいずれを施すこともできる。
磁性層に使用される強磁性金属粉末のBET法による比表面積は、45〜100m2/gであることが好ましく、より好ましくは50〜80m2/gである。45m2/g以上であれば低ノイズであり、100m2/g以下であれば良好な表面性を得ることができる。強磁性金属粉末の結晶子サイズは80〜180Åであることが好ましく、より好ましくは100〜180Å、更に好ましくは110〜175Åである。強磁性金属粉末の長軸長は0.01μm以上0.15μm以下であることが好ましく、より好ましくは0.02μm以上0.15μm以下であり、さらに好ましくは0.03μm以上0.12μm以下である。強磁性金属粉末の針状比は3以上15以下であることが好ましく、さらには5以上12以下であることが好ましい。強磁性金属粉末のσsは100〜180A・m2/kgであることが好ましく、より好ましくは110〜170A・m2/kg、更に好ましくは125〜160A・m2/kgである。強磁性金属粉末の抗磁力は2000〜3500Oe(160〜280kA/m)であることが好ましく、更に好ましくは2200〜3000Oe(176〜240kA/m)である。
強磁性金属粉末の含水率は0.01〜2%とすることが好ましい。結合剤の種類によって強磁性金属粉末の含水率は最適化することが好ましい。強磁性金属粉末のpHは、用いる結合剤との組合せにより最適化することが好ましい。その範囲は4〜12とすることができ、好ましくは6〜10である。強磁性金属粉末は必要に応じ、Al、Si、Pまたはこれらの酸化物などで表面処理を施してもかまわない。その量は強磁性金属粉末に対し0.1〜10%とすることができ、表面処理を施すと脂肪酸などの潤滑剤の吸着量が100mg/m2以下になり好ましい。強磁性金属粉末は可溶性のNa、Ca、Fe、Ni、Srなどの無機イオンを含む場合がある。これらは、本質的に無い方が好ましいが、200ppm以下であれば特性に影響を与えることは少ない。また、本発明に用いられる強磁性金属粉末は空孔が少ないほうが好ましく、その値は20容量%以下、さらに好ましくは5容量%以下である。また形状については先に示した粒子サイズについての特性を満足すれば針状、米粒状、紡錘状のいずれでもかまわない。強磁性金属粉末自体のSFDは小さい方が好ましく、0.8以下であることが好ましい。強磁性金属粉末のHcの分布を小さくすることが好ましい。尚、SFDが0.8以下であると、電磁変換特性が良好で、出力が高く、また、磁化反転がシャープでピークシフトも少なくなり、高密度デジタル磁気記録に好適である。Hcの分布を小さくするためには、強磁性金属粉末においてはゲータイトの粒度分布を良くする、焼結を防止するなどの方法がある。
結合剤
本発明の磁気記録媒体の磁性層および非磁性層の結合剤、潤滑剤、分散剤、添加剤、溶剤、分散方法その他は磁性層、非磁性層の公知技術が適用できる。特に、結合剤量、種類、添加剤、分散剤の添加量、種類に関しては磁性層に関する公知技術が適用できる。
結合剤としては従来公知の熱可塑性樹脂、熱硬化系樹脂、反応型樹脂やこれらの混合物を使用することができる。熱可塑性樹脂としては、ガラス転移温度が−100〜150℃、数平均分子量が1,000〜200,000、好ましくは10,000〜100,000、重合度が約50〜1000程度のものを使用することができる。
このような例としては、塩化ビニル、酢酸ビニル、ビニルアルコール、マレイン酸、アクルリ酸、アクリル酸エステル、塩化ビニリデン、アクリロニトリル、メタクリル酸、メタクリル酸エステル、スチレン、ブタジエン、エチレン、ビニルブチラール、ビニルアセタール、ビニルエーテル、等を構成単位として含む重合体または共重合体、ポリウレタン樹脂、各種ゴム系樹脂がある。また、熱硬化性樹脂または反応型樹脂としてはフェノール樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン硬化型樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、アルキド樹脂、アクリル系反応樹脂、ホルムアルデヒド樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ−ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂とイソシアネ−トプレポリマーの混合物、ポリエステルポリオールとポリイソシアネ−トの混合物、ポリウレタンとポリイソシアネートの混合物等が挙げられる。これらの樹脂については朝倉書店発行の「プラスチックハンドブック」に詳細に記載されている。また、公知の電子線硬化型樹脂を各層に使用することも可能である。これらの例とその製造方法については特開昭62−256219号公報に詳細に記載されている。以上の樹脂は単独または組合せて使用できるが、好ましいものとして塩化ビニル樹脂、塩化ビニル酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル酢酸ビニルビニルアルコール共重合体、塩化ビニル酢酸ビニル無水マレイン酸共重合体、から選ばれる少なくとも1種とポリウレタン樹脂の組合せ、またはこれらにポリイソシアネートを組み合わせたものが挙げられる。
ポリウレタン樹脂としては、ポリエステルポリウレタン、ポリエーテルポリウレタン、ポリエーテルポリエステルポリウレタン、ポリカーボネートポリウレタン、ポリエステルポリカーボネートポリウレタン、ポリカプロラクトンポリウレタンなど公知の構造のものを使用できる。ここに示したすべての結合剤について、より優れた分散性と耐久性を得るためには必要に応じ、−COOM,−SO3 M、−OSO3 M、−P=O(OM)2、−O−P=O(OM)2(以上につきMは水素原子、またはアルカリ金属塩基)、−OH、−NR2 、−N+3(Rは炭化水素基)、エポキシ基、−SH、−CN、などから選ばれる少なくともひとつ以上の極性基を共重合または付加反応で導入したものを用いることが好ましい。このような極性基の量は、例えば10-1〜10-8モル/gであり、好ましくは10-2〜10-6モル/gである。
本発明に用いられるこれらの結合剤の具体的な例としてはダウケミカル社製VAGH、VYHH、VMCH、VAGF、VAGD、VROH、VYES、VYNC、VMCC、XYHL、XYSG、PKHH、PKHJ、PKHC、PKFE、日信化学工業社製MPR−TA、MPR−TA5、MPR−TAL、MPR−TSN、MPR−TMF、MPR−TS、MPR−TM、MPR−TAO、電気化学社製1000W、DX80、DX81、DX82、DX83、100FD、日本ゼオン社製MR−104、MR−105、MR110、MR100、MR555、400X−110A、日本ポリウレタン社製ニッポランN2301、N2302、N2304、大日本インキ社製パンデックスT−5105、T−R3080、T−5201、バーノックD−400、D−210−80、クリスボン6109、7209、東洋紡社製バイロンUR8200、UR8300、UR−8700、RV530、RV280、大日精化社製ダイフェラミン4020、5020、5100、5300、9020、9022、7020、三菱化学社製MX5004、三洋化成社製サンプレンSP−150、旭化成社製サランF310、F210などが挙げられる。
非磁性層、磁性層には、非磁性粉末または磁性粉末に対し、例えば5〜50質量%の範囲、好ましくは10〜30質量%の範囲で結合剤を用いることができる。塩化ビニル系樹脂を用いる場合は5〜30質量%、ポリウレタン樹脂を用いる場合は2〜20質量%、ポリイソシアネ−トは2〜20質量%の範囲でこれらを組み合わせて用いることが好ましい。但し、例えば、微量の脱塩素によりヘッド腐食が起こる場合は、ポリウレタンのみまたはポリウレタンとイソシアネートのみを使用することも可能である。ポリウレタンを用いる場合はガラス転移温度が−50〜150℃、好ましくは0℃〜100℃、破断伸びが100〜2000%、破断応力は0.05〜10kg/mm2(0.49〜98MPa)、降伏点は0.05〜10kg/mm2(0.49〜98MPa)のものを用いることが好ましい。
ポリイソシアネートとしては、トリレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、ナフチレン−1,5−ジイソシアネート、o−トルイジンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、トリフェニルメタントリイソシアネ−ト等のイソシアネート類、また、これらのイソシアネート類とポリアルコールとの生成物、また、イソシアネート類の縮合によって生成したポリイソシアネ−ト等を使用することができる。これらのイソシアネート類の市販されている商品名としては、日本ポリウレタン社製コロネートL、コロネ−トHL、コロネ−ト2030、コロネ−ト2031、ミリオネ−トMR、ミリオネートMTL、武田薬品社製タケネ−トD−102、タケネートD−110N、タケネートD−200、タケネートD−202、住友バイエル社製デスモジュールL、デスモジュールIL、デスモジュールN、デスモジュールHL、等がありこれらを単独または硬化反応性の差を利用して二つもしくはそれ以上の組合せで各層とも用いることができる。
磁性層には、必要に応じて添加剤を加えることができる。添加剤としては、研磨剤、潤滑剤、分散剤・分散助剤、防黴剤、帯電防止剤、酸化防止剤、溶剤、カーボンブラックなどを挙げることができる。これら添加剤としては、例えば、二硫化モリブデン、二硫化タングステン、グラファイト、窒化ホウ素、フッ化黒鉛、シリコーンオイル、極性基を持つシリコーン、脂肪酸変性シリコーン、フッ素含有シリコーン、フッ素含有アルコール、フッ素含有エステル、ポリオレフィン、ポリグリコール、ポリフェニルエーテル、フェニルホスホン酸、ベンジルホスホン酸、フェネチルホスホン酸、α−メチルベンジルホスホン酸、1−メチル−1−フェネチルホスホン酸、ジフェニルメチルホスホン酸、ビフェニルホスホン酸、ベンジルフェニルホスホン酸、α−クミルホスホン酸、トルイルホスホン酸、キシリルホスホン酸、エチルフェニルホスホン酸、クメニルホスホン酸、プロピルフェニルホスホン酸、ブチルフェニルホスホン酸、ヘプチルフェニルホスホン酸、オクチルフェニルホスホン酸、ノニルフェニルホスホン酸等の芳香族環含有有機ホスホン酸およびそのアルカリ金属塩、オクチルホスホン酸、2−エチルヘキシルホスホン酸、イソオクチルホスホン酸、イソノニルホスホン酸、イソデシルホスホン酸、イソウンデシルホスホン酸、イソドデシルホスホン酸、イソヘキサデシルホスホン酸、イソオクタデシルホスホン酸、イソエイコシルホスホン酸等のアルキルホスホン酸およびそのアルカリ金属塩、リン酸フェニル、リン酸ベンジル、リン酸フェネチル、リン酸α−メチルベンジル、リン酸1−メチル−1−フェネチル、リン酸ジフェニルメチル、リン酸ビフェニル、リン酸ベンジルフェニル、リン酸α−クミル、リン酸トルイル、リン酸キシリル、リン酸エチルフェニル、リン酸クメニル、リン酸プロピルフェニル、リン酸ブチルフェニル、リン酸ヘプチルフェニル、リン酸オクチルフェニル、リン酸ノニルフェニル等の芳香族リン酸エステルおよびそのアルカリ金属塩、リン酸オクチル、リン酸2−エチルヘキシル、リン酸イソオクチル、リン酸イソノニル、リン酸イソデシル、リン酸イソウンデシル、リン酸イソドデシル、リン酸イソヘキサデシル、リン酸イソオクタデシル、リン酸イソエイコシル等のリン酸アルキルエステルおよびそのアルカリ金属塩、アルキルスルホン酸エステルおよびそのアルカリ金属塩、フッ素含有アルキル硫酸エステルおよびそのアルカリ金属塩、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸、ステアリン酸ブチル、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、エライジン酸、エルカ酸等の炭素数10〜24の不飽和結合を含んでも分岐していても良い一塩基性脂肪酸およびこれらの金属塩、またはステアリン酸ブチル、ステアリン酸オクチル、ステアリン酸アミル、ステアリン酸イソオクチル、ミリスチン酸オクチル、ラウリル酸ブチル、ステアリン酸ブトキシエチル、アンヒドロソルビタンモノステアレート、アンヒドロソルビタントリステアレート等の炭素数10〜24の不飽和結合を含んでも分岐していても良い一塩基性脂肪酸と、炭素数2〜22の不飽和結合を含んでも分岐していても良い1〜6価アルコール、炭素数12〜22の不飽和結合を含んでも分岐していても良いアルコキシアルコールまたはアルキレンオキサイド重合物のモノアルキルエーテルのいずれか一つとからなるモノ脂肪酸エステル、ジ脂肪酸エステルまたは多価脂肪酸エステル、炭素数2〜22の脂肪酸アミド、炭素数8〜22の脂肪族アミンなどが使用できる。また、上記炭化水素基以外にもニトロ基およびF、Cl、Br、CF3、CCl3、CBr3等の含ハロゲン炭化水素等炭化水素基以外の基が置換したアルキル基、アリール基、アラルキル基を持つものでもよい。
また、アルキレンオキサイド系、グリセリン系、グリシドール系、アルキルフエノールエチレンオキサイド付加体等のノニオン界面活性剤、環状アミン、エステルアミド、第四級アンモニウム塩類、ヒダントイン誘導体、複素環類、ホスホニウムまたはスルホニウム類等のカチオン系界面活性剤、カルボン酸、スルホン酸、硫酸エステル基等の酸性基を含むアニオン界面活性剤、アミノ酸類、アミノスルホン酸類、アミノアルコールの硫酸またはリン酸エステル類、アルキルベタイン型等の両性界面活性剤等も使用できる。これらの界面活性剤については、「界面活性剤便覧」(産業図書株式会社発行)に詳細に記載されている。
上記潤滑剤、帯電防止剤等は必ずしも純粋ではなく主成分以外に異性体、未反応物、副反応物、分解物、酸化物等の不純分が含まれても構わない。これらの不純分は30質量%以下が好ましく、さらに好ましくは10質量%以下である。
これらの添加物の具体例としては、例えば、日本油脂社製:NAA−102、ヒマシ油硬化脂肪酸、NAA−42、カチオンSA、ナイミーンL−201、ノニオンE−208、アノンBF、アノンLG、竹本油脂社製:FAL−205、FAL−123、新日本理化社製:エヌジエルブOL、信越化学社製:TA−3、ライオン社製:アーマイドP、ライオン社製:デュオミンTDO、日清オイリオ社製:BA−41G、三洋化成社製:プロフアン2012E、ニューポールPE61、イオネットMS−400等が挙げられる。
また、磁性層には、必要に応じてカーボンブラックを添加することができる。磁性層で使用可能なカーボンブラックとしては、ゴム用ファーネス、ゴム用サーマル、カラー用ブラック、アセチレンブラック等を挙げることができる。比表面積は5〜500m2/g、DBP吸油量は10〜400ml/100g、粒子径は5〜300nm、pHは2〜10、含水率は0.1〜10%、タップ密度は0.1〜1g/mlが好ましい。
カーボンブラックの具体的な例としては、キャボット社製BLACKPEARLS 2000、1300、1000、900、905、800、700、VULCAN XC−72、旭カーボン社製#80、#60、#55、#50、#35、三菱化学社製#2400B、#2300、#900、#1000、#30、#40、#10B、コロンビアンカーボン社製CONDUCTEX SC、RAVEN150、50、40、15、RAVEN−MT−P、ケッチェン・ブラック・インターナショナル社製ケッチェンブラックECなどが挙げられる。カーボンブラックを分散剤などで表面処理したり、樹脂でグラフト化して使用しても、表面の一部をグラファイト化したものを使用したりしてもかまわない。また、カーボンブラックを磁性層塗布液に添加する前にあらかじめ結合剤で分散してもかまわない。これらのカーボンブラックは単独または組み合せで使用することができる。カーボンブラックを使用する場合、磁性体の質量に対して0.1〜30質量%で用いることが好ましい。カーボンブラックは磁性層の帯電防止、摩擦係数低減、遮光性付与、膜強度向上などの働きがあり、これらは用いるカーボンブラックにより異なる。したがって本発明で使用されるこれらのカーボンブラックは、磁性層および非磁性層でその種類、量、組み合せを変え、粒子サイズ、吸油量、電導度、pHなどの先に示した諸特性を基に目的に応じて使い分けることはもちろん可能であり、むしろ各層で最適化すべきものである。本発明の磁性層で使用できるカーボンブラックは、例えば「カーボンブラック便覧」カーボンブラック協会編、を参考にすることができる。
研磨剤
研磨剤としてはα化率90%以上のα−アルミナ、β−アルミナ、炭化ケイ素、酸化クロム、酸化セリウム、α−酸化鉄、コランダム、人造ダイアモンド、窒化珪素、炭化珪素チタンカ−バイト、酸化チタン、二酸化珪素、窒化ホウ素、など主としてモ−ス硬度6以上の公知の材料が単独または組合せて使用することができる。また、これらの研磨剤同士の複合体(研磨剤を他の研磨剤で表面処理したもの)を使用してもよい。これらの研磨剤には主成分以外の化合物または元素が含まれる場合もあるが主成分が90%以上であれば効果にかわりはない。これら研磨剤の粒子サイズは0.01〜2μmが好ましく、特に電磁変換特性を高めるためには、その粒度分布が狭い方が好ましい。また耐久性を向上させるには必要に応じて粒子サイズの異なる研磨剤を組み合わせたり、単独の研磨剤でも粒径分布を広くして同様の効果をもたせることも可能である。タップ密度は0.3〜2g/cc、含水率は0.1〜5%、pHは2〜11、比表面積は1〜30m2/gが好ましい。本発明に用いられる研磨剤の形状は針状、球状、サイコロ状、板状のいずれでもよいが、形状の一部に角を有するものが研磨性が高く好ましい。具体的には住友化学社製AKP−12、AKP−15、AKP−20、AKP−30、AKP−50、HIT−20、HIT−30、HIT−55、HIT−60、HIT−70、HIT−80、HIT−100、レイノルズ社製ERC−DBM、HP−DBM、HPS−DBM、不二見研磨剤社製WA10000、上村工業社製UB20、日本化学工業社製G−5、クロメックスU2、クロメックスU1、戸田工業社製TF100、TF140、イビデン社製、ベータランダムウルトラファイン、昭和鉱業社製B−3などが挙げられる。これらの研磨剤は必要に応じ非磁性層に添加することもできる。非磁性層に添加することで表面形状を制御したり、研磨剤の突出状態を制御したりすることができる。これら磁性層、非磁性層の添加する研磨剤の粒径、量はむろん最適値に設定すべきものである。
有機溶剤としては、公知のものが使用できる。有機溶媒としては、具体的には、任意の比率でアセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、ジイソブチルケトン、シクロヘキサノン、イソホロン、テトラヒドロフラン、等のケトン類、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、イソブチルアルコール、イソプロピルアルコール、メチルシクロヘキサノールなどのアルコール類、酢酸メチル、酢酸ブチル、酢酸イソブチル、酢酸イソプロピル、乳酸エチル、酢酸グリコール等のエステル類、グリコールジメチルエーテル、グリコールモノエチルエーテル、ジオキサンなどのグリコールエーテル系、ベンゼン、トルエン、キシレン、クレゾール、クロルベンゼンなどの芳香族炭化水素類、メチレンクロライド、エチレンクロライド、四塩化炭素、クロロホルム、エチレンクロルヒドリン、ジクロルベンゼン等の塩素化炭化水素類、N,N−ジメチルホルムアミド、ヘキサン等を使用することができる。
これら有機溶媒は必ずしも100%純粋ではなく、主成分以外に異性体、未反応物、副反応物、分解物、酸化物、水分等の不純分が含まれてもかまわない。これらの不純分は30質量%以下が好ましく、さらに好ましくは10質量%以下である。本発明で用いる有機溶媒は磁性層と非磁性層でその種類は同じであることが好ましい。その添加量は変えてもかまわない。非磁性層に表面張力の高い溶媒(シクロヘキサノン、ジオキサンなど)を用い塗布の安定性を上げる、具体的には上層溶剤組成の算術平均値が非磁性層溶剤組成の算術平均値を下回らないことが肝要である。分散性を向上させるためにはある程度極性が強い方が好ましく、溶剤組成の内、誘電率が15以上の溶剤が50質量%以上含まれることが好ましい。また、溶解パラメータは8〜11であることが好ましい。
本発明で使用されるこれらの分散剤、潤滑剤、界面活性剤は、磁性層、さらに後述する非磁性層でその種類、量を必要に応じて使い分けることができる。例えば、無論ここに示した例のみに限られるものではないが、分散剤は極性基で吸着または結合する性質を有しており、磁性層では主に強磁性金属粉末の表面に、また非磁性層では主に非磁性粉末の表面に前記の極性基で吸着または結合し、例えば、一度吸着した有機リン化合物は、金属または金属化合物等の表面から脱着し難いと推察される。したがって、強磁性金属粉末表面または非磁性粉末表面は、アルキル基、芳香族基等で被覆されたような状態になるので、該強磁性金属粉末または非磁性粉末の結合剤成分に対する親和性が向上し、さらに強磁性金属粉末あるいは非磁性粉末の分散安定性を改善することができる。また、潤滑剤としては遊離の状態で存在するため非磁性層、磁性層で融点の異なる脂肪酸を用い、表面へのにじみ出しを制御する、沸点や極性の異なるエステル類を用い表面へのにじみ出しを制御する、界面活性剤量を調節することで塗布の安定性を向上させる、潤滑剤の添加量を非磁性層で多くして潤滑効果を向上させるなどが考えられる。また本発明で用いられる添加剤のすべてまたはその一部は、磁性層または非磁性層用の塗布液の製造時のいずれの工程で添加してもよい。例えば、混練工程前に強磁性粉末と混合する場合、強磁性粉末と結合剤と溶剤による混練工程で添加する場合、分散工程で添加する場合、分散後に添加する場合、塗布直前に添加する場合などがある。
非磁性層
次に非磁性層に関する詳細な内容について説明する。本発明の磁気記録媒体は、非磁性支持体上に非磁性粉末と結合剤を含む非磁性層を有することができる。非磁性層に使用できる非磁性粉末は、無機物質でも有機物質でもよい。また、カーボンブラック等も使用できる。無機物質としては、例えば金属、金属酸化物、金属炭酸塩、金属硫酸塩、金属窒化物、金属炭化物、金属硫化物などが挙げられる。
具体的には、二酸化チタン等のチタン酸化物、酸化セリウム、酸化スズ、酸化タングステン、ZnO、ZrO2、SiO2、Cr23、α化率90〜100%のα−アルミナ、β−アルミナ、γ−アルミナ、α−酸化鉄、ゲータイト、コランダム、窒化珪素、チタンカーバイト、酸化マグネシウム、窒化ホウ素、2硫化モリブデン、酸化銅、MgCO3、CaCO3、BaCO3、SrCO3、BaSO4、炭化珪素、炭化チタンなどが単独または2種類以上を組み合わせて使用することができる。好ましいものは、α−酸化鉄、酸化チタンである。
非磁性粉末の形状は、針状、球状、多面体状、板状のいずれでもあってもよい。非磁性粉末の結晶子サイズは、4nm〜500nmが好ましく、40〜100nmがさらに好ましい。結晶子サイズが4nm〜500nmの範囲であれば、分散が困難になることもなく、また好適な表面粗さを有するため好ましい。これら非磁性粉末の平均粒径は、5nm〜500nmが好ましいが、必要に応じて平均粒径の異なる非磁性粉末を組み合わせたり、単独の非磁性粉末でも粒径分布を広くしたりして同様の効果をもたせることもできる。とりわけ好ましい非磁性粉末の平均粒径は、10〜200nmである。5nm〜500nmの範囲であれば、分散も良好で、かつ好適な表面粗さを有するため好ましい。
非磁性粉末の比表面積は、例えば1〜150m2/gであり、好ましくは20〜120m2/gであり、さらに好ましくは50〜100m2/gである。比表面積が1〜150m2/gの範囲内にあれば、好適な表面粗さを有し、かつ、所望の結合剤量で分散できるため好ましい。ジブチルフタレート(DBP)を用いた吸油量は、例えば5〜100ml/100g、好ましくは10〜80ml/100g、さらに好ましくは20〜60ml/100gである。比重は、例えば1〜12、好ましくは3〜6である。タップ密度は、例えば0.05〜2g/ml、好ましくは0.2〜1.5g/mlである。タップ密度が0.05〜2g/mlの範囲であれば、飛散する粒子が少なく操作が容易であり、また装置にも固着しにくくなる傾向がある。非磁性粉末のpHは2〜11であることが好ましく、6〜9の間が特に好ましい。pHが2〜11の範囲にあれば、高温、高湿下または脂肪酸の遊離により摩擦係数が大きくなることを防ぐことができる。非磁性粉末の含水率は、例えば0.1〜5質量%、好ましくは0.2〜3質量%、さらに好ましくは0.3〜1.5質量%である。含水量が0.1〜5質量%の範囲であれば、分散も良好で、分散後の塗料粘度も安定するため好ましい。強熱減量は、20質量%以下であることが好ましく、強熱減量が小さいものが好ましい。
また、非磁性粉末が無機粉体である場合には、モース硬度は4〜10のものが好ましい。モース硬度が4〜10の範囲であれば耐久性を確保することができる。非磁性粉末のステアリン酸吸着量は、好ましくは1〜20μmol/m2であり、さらに好ましくは2〜15μmol/m2である。非磁性粉末の25℃での水への湿潤熱は、200〜600erg/cm2(200〜600mJ/m2)の範囲にあることが好ましい。また、この湿潤熱の範囲にある溶媒を使用することができる。100〜400℃での表面の水分子の量は1〜10個/100Åが適当である。水中での等電点のpHは、3〜9の間にあることが好ましい。これらの非磁性粉末の表面には表面処理が施されることによりAl23、SiO2、TiO2、ZrO2、SnO2、Sb23、ZnOが存在することが好ましい。特に分散性に好ましいものはAl23、SiO2、TiO2、ZrO2であり、さらに好ましいものはAl23、SiO2、ZrO2である。これらは組み合わせて使用してもよいし、単独で用いることもできる。また、目的に応じて共沈させた表面処理層を用いてもよいし、先ずアルミナで処理した後にその表層をシリカで処理する方法、またはその逆の方法を採ることもできる。また、表面処理層は目的に応じて多孔質層にしても構わないが、均質で密である方が一般には好ましい。
非磁性層に用いられる非磁性粉末の具体的な例としては、例えば、昭和電工製ナノタイト、住友化学製HIT−100、ZA−G1、戸田工業社製DPN−250、DPN−250BX、DPN−245、DPN−270BX、DPB−550BX、DPN−550RX、石原産業製酸化チタンTTO−51B、TTO−55A、TTO−55B、TTO−55C、TTO−55S、TTO−55D、SN−100、MJ−7、α−酸化鉄E270、E271、E300、チタン工業製STT−4D、STT−30D、STT−30、STT−65C、テイカ製MT−100S、MT−100T、MT−150W、MT−500B、T−600B、T−100F、T−500HD、堺化学製FINEX−25、BF−1、BF−10、BF−20、ST−M、同和鉱業製DEFIC−Y、DEFIC−R、日本アエロジル製AS2BM、TiO2P25、宇部興産製100A、500A、チタン工業製Y−LOPおよびそれを焼成したものが挙げられる。特に好ましい非磁性粉末は二酸化チタンとα−酸化鉄である。
非磁性層には非磁性粉末と共に、カーボンブラックを混合し表面電気抵抗を下げ、光透過率を小さくすると共に、所望のマイクロビッカース硬度を得ることができる。非磁性層のマイクロビッカース硬度は、通常25〜60kg/mm2(245〜588MPa)、好ましくはヘッド当りを調整するために、30〜50kg/mm2(294〜490MPa)であり、薄膜硬度計(日本電気製HMA−400)を用いて、稜角80度、先端半径0.1μmのダイヤモンド製三角錐針を圧子先端に用いて測定することができる。詳細は「薄膜の力学的特性評価技術」リアライズ社を参考にできる。光透過率は一般に波長900nm程度の赤外線の吸収が3%以下、たとえばVHS用磁気テープでは0.8%以下であることが規格化されている。このためにはゴム用ファーネス、ゴム用サーマル、カラー用ブラック、アセチレンブラック等を用いることができる。
非磁性層に用いられるカーボンブラックの比表面積は、例えば100〜500m2/g、好ましくは150〜400m2/g、DBP吸油量は、例えば20〜400ml/100g、好ましくは30〜200ml/100gである。カーボンブラックの粒子径は、例えば5〜80nm、好ましく10〜50nm、さらに好ましくは10〜40nmである。カーボンブラックのpHは2〜10、含水率は0.1〜10%、タップ密度は0.1〜1g/mlが好ましい。
非磁性層に用いることができるカーボンブラックの具体的な例としては、キャボット社製BLACKPEARLS 2000、1300、1000、900、800、880、700、VULCAN XC−72、三菱化学社製#3050B、#3150B、#3250B、#3750B、#3950B、#950、#650B、#970B、#850B、MA−600、コロンビアカーボン社製CONDUCTEX SC、RAVEN8800、8000、7000、5750、5250、3500、2100、2000、1800、1500、1255、1250、ケッチェン・ブラック・インターナショナル社製ケッチェンブラックECなどが挙げられる。
また、カーボンブラックを分散剤などで表面処理したり、樹脂でグラフト化して使用しても、表面の一部をグラファイト化したものを使用してもかまわない。また、カーボンブラックを塗料に添加する前にあらかじめ結合剤で分散してもかまわない。これらのカーボンブラックは上記無機粉末に対して50質量%を越えない範囲、非磁性層総質量の40%を越えない範囲で使用できる。これらのカーボンブラックは単独、または組み合せで使用することができる。非磁性層で使用できるカーボンブラックは例えば「カーボンブラック便覧」カーボンブラック協会編、を参考にすることができる。
また非磁性層には目的に応じて有機質粉末を添加することもできる。このような有機質粉末としては、例えば、アクリルスチレン系樹脂粉末、ベンゾグアナミン樹脂粉末、メラミン系樹脂粉末、フタロシアニン系顔料が挙げられるが、ポリオレフィン系樹脂粉末、ポリエステル系樹脂粉末、ポリアミド系樹脂粉末、ポリイミド系樹脂粉末、ポリフッ化エチレン樹脂も使用することができる。その製法は、特開昭62−18564号公報、特開昭60−255827号公報に記されているようなものが使用できる。
非磁性層の結合剤、潤滑剤、分散剤、添加剤、溶剤、分散方法その他は、磁性層のそれが適用できる。特に、結合剤量、種類、添加剤、分散剤の添加量、種類に関しては磁性層に関する公知技術が適用できる。
また、本発明の磁気記録媒体には、下塗り層を設けてもよい。下塗り層を設けることによって支持体と磁性層または非磁性層との接着力を向上させることができる。下塗り層としては、溶剤への可溶性のポリエステル樹脂を使用することができる。
層構成
本発明の磁気記録媒体の厚み構成は、非磁性支持体の厚みが前述のように、好ましくは3〜80μm、より好ましくは3〜50μm、特に好ましくは3〜10μmである。また、非磁性支持体と非磁性層または磁性層の間に下塗り層を設ける場合、下塗り層の厚みは、例えば0.01〜0.8μm、好ましくは0.02〜0.6μmである。
磁性層の厚みは、前述のように、好ましくは30〜150nm、より好ましくは50〜120nm、更に好ましくは60〜100nmであり、用いる磁気ヘッドの飽和磁化量やヘッドギャップ長、記録信号の帯域により最適化することが好ましい。また、磁性層の厚み変動率は±50%以内が好ましく、さらに好ましくは±30%以内である。磁性層は少なくとも一層あればよく、磁性層を異なる磁気特性を有する2層以上に分離してもかまわず、公知の重層磁性層に関する構成が適用できる。
非磁性層の厚みは、例えば0.1〜3.0μmであり、0.3〜2.0μmであることが好ましく、0.5〜1.5μmであることが更に好ましい。なお、本発明の磁気記録媒体の非磁性層は、実質的に非磁性であればその効果を発揮するものであり、例えば不純物として、あるいは意図的に少量の磁性体を含んでいても、本発明の効果を示すものであり、本発明の磁気記録媒体と実質的に同一の構成とみなすことができる。なお、実質的に同一とは、非磁性層の残留磁束密度が10mT以下または抗磁力が7.96kA/m(100Oe)以下であることを示し、好ましくは残留磁束密度と抗磁力を持たないことを意味する。
バック層
本発明の磁気記録媒体には、非磁性支持体の磁性層を有する面とは反対の面にバック層を設けることが好ましい。バック層には、カーボンブラックと無機粉末が含有されていることが好ましい。バック層形成のための結合剤、各種添加剤は、磁性層や非磁性層の処方を適用することができる。バック層の厚みは、0.9μm以下が好ましく、0.1〜0.7μmが更に好ましい。
製造方法
磁性層、非磁性層、またはバック層を形成するための塗布液を製造する工程は、少なくとも混練工程、分散工程、およびこれらの工程の前後に必要に応じて設けた混合工程からなる。個々の工程はそれぞれ2段階以上に分かれていてもかまわない。本発明で用いられる強磁性粉末、非磁性粉末、結合剤、カーボンブラック、研磨材、帯電防止剤、潤滑剤、溶剤などすべての原料はどの工程の最初または途中で添加してもかまわない。また、個々の原料を2つ以上の工程で分割して添加してもかまわない。例えば、ポリウレタンを混練工程、分散工程、分散後の粘度調整のための混合工程で分割して投入してもよい。本発明の目的を達成するためには、従来の公知の製造技術を一部の工程として用いることができる。混練工程ではオープンニーダ、連続ニーダ、加圧ニーダ、エクストルーダなど強い混練力をもつものを使用することが好ましい。これらの混練処理の詳細については特開平1−106338号公報、特開平1−79274号公報に記載されている。また、磁性層用塗料、非磁性層用塗料またはバック層用塗料を分散させるには、ガラスビーズを用いることができる。このようなガラスビーズは、高比重の分散メディアであるジルコニアビーズ、チタニアビーズ、スチールビーズが好適である。これら分散メディアの粒径と充填率は最適化して用いられる。分散機は公知のものを使用することができる。
磁性層塗布液の製造工程では、分散条件(分散に使用するビーズ種、ビーズ量、周速、分散時間)によって分散を強化することが好ましい。さらに前述のように、乾燥時の再凝集を効果的に抑制するために、乾燥時の再凝集の核となる粗大粒子を破壊するために塗布前の磁性層塗布液を分級処理を施すことが好ましい。分級処理には、液濃度および時間により粒度分布を制御する自然沈降、液濃度、遠心分離機の回転数、処理時間により粒度分布を制御する遠心沈降法等があり、本発明ではいずれの方法を用いてもよい。また、磁性層と非磁性層との界面変動を抑制するためには非磁性層塗布液に対しても分級処理を施すことが好ましい。
磁気記録媒体の製造方法では、例えば、走行下にある非磁性支持体の表面に磁性層用塗料を所定の膜厚となるようにして磁性層を塗布して形成する。ここで複数の磁性層用塗料を逐次または同時に重層塗布してもよく、非磁性層用塗料と磁性層用塗料とを逐次または同時に重層塗布してもよい。前述のように、磁性層と非磁性層間の界面変動抑制の点では逐次重層塗布(ウェット・オン・ドライ)を行うことが好ましい。磁性層塗布液または非磁性層塗布液を塗布する塗布機としては、エアードクターコート、ブレードコート、ロッドコート、押出しコート、エアナイフコート、スクイズコート、含浸コート、リバースロールコート、トランスファーロールコート、グラビヤコート、キスコート、キャストコート、スプレイコート、スピンコート等が利用できる。これらについては例えば(株)総合技術センター発行の「最新コーティング技術」(昭和58年5月31日)を参考にできる。
磁性層用塗料の塗布層は、磁気テープの場合、磁性層用塗料の塗布層中に含まれる強磁性粉末にコバルト磁石やソレノイドを用いて磁場配向処理してもかまわない。ディスクの場合、配向装置を用いず無配向でも十分に等方的な配向性が得られることもあるが、コバルト磁石を斜めに交互に配置すること、ソレノイドで交流磁場を印加するなど公知のランダム配向装置を用いることが好ましい。等方的な配向とは強磁性金属粉末の場合、一般的には面内2次元ランダムが好ましいが、垂直成分をもたせて3次元ランダムとすることもできる。また異極対向磁石など公知の方法を用い、垂直配向とすることで円周方向に等方的な磁気特性を付与することもできる。特に高密度記録を行う場合は垂直配向が好ましい。また、スピンコートを用いて円周配向することもできる。
磁性体の配向をコントロールするためには、磁性層塗布液の段階で磁性体の分散性を向上させることが有効である。分散性向上のためには、(i)磁性層塗布液の分散滞在時間を延長する、(ii)分散機の先端周速を上げる、(iii)分散ビーズを小径化する、等の方法がある。また、上記の分級処理は磁性体の分散性向上効果が大きい。
さらに高分散された磁性層塗布液中の磁性体を配向させる配向装置の印加磁場は、0〜1000mTが好ましく、より好ましくは0〜800mT、さらに好ましくは0〜500mTである。また、印加磁場を高くすると磁性体同士の凝集を誘発するため、所望の角型比を達成できる範囲で印加磁場を小さくすることが好ましい。
また、磁場印加後の磁性体の配向状態を保つためには、印加磁場前後の乾燥条件も重要である。乾燥風の温度、風量、塗布速度を制御することで塗膜の乾燥位置を制御できる様にすることが好ましく、塗布速度は20m/分〜1000m/分、乾燥風の温度は60℃以上が好ましい、また磁石ゾーンに入る前に適度の予備乾燥を行うこともできる。
このようにして得られた塗布原反は、一旦巻き取りロールにより巻き取られ、しかる後、この巻き取りロールから巻き出され、カレンダー処理に施すことができる。
カレンダー処理には、例えばスーパーカレンダーロールなどが利用される。カレンダー処理によって、表面平滑性が向上するとともに、乾燥時の溶剤の除去によって生じた空孔が消滅し磁性層中の強磁性粉末の充填率が向上するので、電磁変換特性の高い磁気記録媒体を得ることができる。カレンダー処理する工程は、塗布原反の表面の平滑性に応じて、カレンダー処理条件を変化させながら行うことが好ましい。
塗布原反は、概ね、巻き取りロールの芯側から外側に向かって光沢値が低下し、長手方向において品質にばらつきがあることがある。なお光沢値は、表面粗さRaと相関(比例関係)があることが知られている。したがって、カレンダー処理工程で、カレンダー処理条件、例えばカレンダーロール圧力を変化させず一定に保持すると、塗布原反の巻き取りによって生じた長手方向における平滑性の相違について何ら対策が講じられていないことになり、最終製品も長手方向に品質のばらつきが生じる。
したがって、カレンダー処理工程で、カレンダー処理条件、例えばカレンダーロール圧力を変化させ、塗布原反の巻き取りによって生じた長手方向における平滑性の相違を相殺することが好ましい。具体的には、巻き取りロールから巻き出された塗布原反の芯側から外側に向かってカレンダーロールの圧力を低下させていくことが好ましい。本発明者らの検討によれば、カレンダーロールの圧力を下げると光沢値は低下する(平滑性が低下する)ことが見出されている。これにより、塗布原反の巻き取りによって生じた長手方向における平滑性の相違が相殺され、長手方向において品質にばらつきのない最終製品を得ることができる。
なお、前記ではカレンダーロールの圧力を変化させる例について説明したが、これ以外にも、カレンダーロール温度、カレンダーロール速度、カレンダーロールテンションを制御することによって行うことができる。塗布型媒体の特性を考慮すると、カレンダーロール圧力、カレンダーロール温度を制御するのが好ましい。カレンダーロール圧力を低くする、あるいはカレンダーロール温度を低くすることにより、最終製品の表面平滑性は低下する。逆に、カレンダーロール圧力を高くする、あるいはカレンダーロール温度を高くすることにより、最終製品の表面平滑性は高まる。
これとは別に、カレンダー処理工程後に得られた磁気記録媒体を、サーモ処理して熱硬化を進行させることもできる。このようなサーモ処理は、磁性層塗布液の配合処方により適宜決定すればよいが、例えば35〜100℃であり、好ましくは50〜80℃である。またサーモ処理時間は、例えば12〜72時間、好ましくは24〜48時間である。
カレンダーロールとしてはエポキシ、ポリイミド、ポリアミド、ポリアミドイミド等の耐熱性プラスチックロールを使用することができる。また金属ロールで処理することもできる。
本発明の磁気記録媒体は、表面の中心面平均粗さが、(カットオフ値0.25mm)において0.1〜4nm、好ましくは1〜3nmの範囲という極めて優れた表面平滑性を有することが好ましい。そのために採用されるカレンダー処理条件としては、カレンダーロールの温度を60〜100℃の範囲、好ましくは70〜100℃の範囲、特に好ましくは80〜100℃の範囲であり、圧力は100〜500kg/cm(98〜490kN/m)の範囲であり、好ましくは200〜450kg/cm(196〜441kN/m)の範囲であり、特に好ましくは300〜400kg/cm(294〜392kN/m)の範囲である。
得られた磁気記録媒体は、裁断機などを使用して所望の大きさに裁断して使用することができる。裁断機としては、特に制限はないが、回転する上刃(雄刃)と下刃(雌刃)の組が複数設けられたものが好ましく、適宜、スリット速度、噛み合い深さ、上刃(雄刃)と下刃(雌刃)の周速比(上刃周速/下刃周速)、スリット刃の連続使用時間等が選定される。
物理特性
前述のように、本発明の磁気記録媒体の磁性層は、残留磁化Mrと磁性層厚δの積であるMrδが、2mT・μm〜14mT・μmである。好ましいMrδは、2mT・μm〜8mT・μmであり、さらに好ましいMrδは、3mT・μm〜7mT・μmである。
また、本発明の磁気記録媒体の磁性層は、垂直方向の角型比(SQ)が0.4以上0.7以下であり、かつ、長手方向の角型比(SQ)が0.3以上0.6未満である。好ましい垂直方向のSQは、0.4以上0.6以下であり、長手方向のSQは0.3以上0.5以下であり、さらに好ましい垂直方向のSQは、0.5以上0.6以下であり、長手方向のSQは0.4以上0.5以下である。
前記磁性層の前記MrδおよびSQの範囲を同時に満たさない場合は、再生トラック幅が狭トラック化した場合、S/N比が劣化するとともに、GMR素子が飽和する。なお上記の値は反磁界補正後の値である。
本発明の磁気記録媒体の磁性層の飽和磁束密度は、100〜400mTが好ましい。また磁性層の抗磁力(Hc)は、143.2〜318.3kA/m(1800〜4000Oe)が好ましく、159.2〜278.5kA/m(2000〜3500Oe)が更に好ましい。抗磁力の分布は狭い方が好ましく、SFDおよびSFDrは、好ましくは0.6以下、さらに好ましくは0.3以下である。
本発明の磁気記録媒体のヘッドに対する摩擦係数は、温度−10〜40℃、湿度0〜95%の範囲において、例えば0.50以下であり、好ましくは0.3以下である。また、表面固有抵抗は、好ましくは磁性面104〜108Ω/sq、帯電位は−500V〜+500V以内が好ましい。磁性層の0.5%伸びでの弾性率は、面内各方向で好ましくは0.98〜19.6GPa(100〜2000kg/mm2)、破断強度は、好ましくは98〜686MPa(10〜70kg/mm2)、磁気記録媒体の弾性率は、面内各方向で好ましくは0.98〜14.7GPa(100〜1500kg/mm2)、残留のびは、好ましくは0.5%以下、100℃以下のあらゆる温度での熱収縮率は、好ましくは1%以下、さらに好ましくは0.5%以下、最も好ましくは0.1%以下である。
磁性層のガラス転移温度(110Hzで測定した動的粘弾性測定の損失弾性率の極大点)は50〜180℃が好ましく、非磁性層のそれは0〜180℃が好ましい。損失弾性率は1×107〜8×108Pa(1×108〜8×109dyne/cm2)の範囲にあることが好ましく、損失正接は0.2以下であることが好ましい。損失正接が大きすぎると粘着故障が発生しやすい。これらの熱特性や機械特性は媒体の面内各方向において10%以内でほぼ等しいことが好ましい。
磁性層中に含まれる残留溶媒は好ましくは100mg/m2以下、さらに好ましくは10mg/m2以下である。塗布層が有する空隙率は非磁性層、磁性層とも好ましくは30容量%以下、さらに好ましくは20容量%以下である。空隙率は高出力を果たすためには小さい方が好ましいが、目的によってはある値を確保した方が良い場合がある。例えば、繰り返し用途が重視されるディスク媒体では空隙率が大きい方が走行耐久性は好ましいことが多い。
本発明の磁気記録媒体は、目的に応じ非磁性層と磁性層でこれらの物理特性を変えることができる。例えば、磁性層の弾性率を高くし走行耐久性を向上させると同時に非磁性層の弾性率を磁性層より低くして磁気記録媒体のヘッドへの当たりを良くすることができる。
本発明の磁気記録媒体は、先に説明したように、垂直方向SQ、長手方向SQをそれぞれ前記範囲とすることにより、リニア磁気記録システムにおける順方向、逆方向のいずれにおいても、高密度記録領域において良好なS/Nを得ることができる。更に、Mrδを2〜12mT・μmの範囲とすることにより、良好な出力を維持しつつGMRヘッドの飽和を防ぐことができる。
なお、リニア磁気記録システムとは、媒体が走行する方向に対して平行して信号の記録再生を行う方式であり、一般的に双方向の記録再生が要求される。代表なリニアテープシステムとしてはLTO(Linear Tape Open)やDLT(Digital Linear Tape)がある。
本発明の磁気記録媒体は、例えば最大線記録密度150KFCI以上(更には200〜400KFCI)で磁気記録された信号を、AMRヘッドまたはGMRヘッド、好ましくはGMRヘッドにより再生するリニア磁気記録再生システムに好適である。シールド間距離(sh−sh)は、例えばシールド間距離は、0.08μm〜0.18μm、再生トラック幅は、0.1μm〜2.5μm、好ましくは0.1μm〜1.5μmである。GMRヘッドは、薄膜磁気ヘッドへの磁束の大きさに応答する磁気抵抗効果を利用するものであり、誘導型ヘッドでは得られない高い再生出力が得られるという利点を有する。これは主として、GMRヘッドの再生出力が、磁気抵抗の変化に基づくものであるため、媒体とヘッドとの相対速度に依存しないことに起因する。特にGMRヘッドは、AMRヘッドと比較して読み出し感度がほぼ3倍高い。このようなGMRヘッドを再生ヘッドとして用いることで、高密度記録された信号を高感度に再生することが可能となる。
本発明の磁気記録媒体がテープ状磁気記録媒体の場合、再生ヘッドとしてGMRヘッドを用いることで、従来に比べ高密度で記録した信号であっても高いSNRでの再生が可能となる。従って、本発明の磁気記録媒体は、ビデオテープ、コンピュータテープ等の磁気テープであることができ、フレキシブルディスク、ハードディスク等の磁気ディスクであることもでき、より高密度記録用のコンピュータデータ記録用の磁気テープやディスク状の磁気記録媒体として最適である。
[磁気信号再生システム、磁気信号再生方法]
更に、本発明は、本発明の磁気記録媒体および再生ヘッドとして巨大磁気抵抗効果型磁気ヘッドを含むリニア磁気記録再生システム、ならびに、リニア磁気記録再生システムにおいて、本発明の磁気記録媒体に磁気信号を記録し、該信号を巨大磁気抵抗効果型磁気ヘッドを用いて再生する磁気記録再生方法、に関する。本発明の磁気信号再生システムおよび磁気信号再生方法において使用される磁気記録媒体、再生ヘッド等の詳細は、先に説明した通りである。
前述のように、本発明の磁気記録媒体によれば、高密度記録領域で信号を記録するリニア磁気記録再生システムにおいて優れた記録再生特性を得ることができ、更にGMRヘッドよって高感度な読み出しが可能となる。かかる磁気記録媒体を使用する本発明の磁気信号再生システムおよび磁気信号再生方法によれば、高密度記録された信号を良好なSNRで再生することができる。
以下に本発明を実施例によりさらに具体的に説明する。なお、ここに示す成分、割合、操作、順序等は本発明の精神から逸脱しない範囲で変更し得るものであり、下記の実施例に制限されるべきものではない。また、実施例中の「部」特に示さない限り質量部を示す。
磁性層塗布液、非磁性層塗布液、バック層塗布液のそれぞれについて、下記に記載された各成分をオープンニーダーで混練した後、サンドミルで分散処理を施した。得られた分散液に1μmの平均孔径を有するフィルターを用いて濾過し、磁性層塗布液、非磁性層塗布液、バック層塗布液を調製した。
磁性層塗布液A
強磁性板状六方晶フェライト粉末 100部
(酸素を除く組成(モル比):Ba/Fe/Co/Zn=1/9/0.2/1、Hc:1820 Oe(145kA/m)、平均板径:23nm、板状比:3.4、比表面積:67.2m2/g、σs:49.2A・m2/kg(49.2emu/g))
塩化ビニル共重合体 12部
(−SO3K=100eg/ton、重合度:300)
ポリエステルポリウレタン樹脂 4部
(ネオペンチルグリコール/カプロラクトンポリオール/MDI=0.9/2.6/1、−SO3Na=100eq/ton)
フェニルフォスフォン酸 3部
α-アルミナ(平均粒子径:0.15μm) 2部
カーボンブラック(平均粒子径:30nm) 5部
ブチルステアレート 1部
ステアリン酸 2部
メチルエチルケトン 125部
シクロヘキサノン 125部
磁性層塗布液B
強磁性板状六方晶フェライト粉末 100部
(酸素を除く組成(モル比):Ba/Fe/Co/Zn=1/9/0.2/1、 Hc:2500 Oe(200kA/m)、平均板径:20nm、板状比:3、σs :55A・m2/kg(55emu/g))
ポリウレタン樹脂 15部
分岐側鎖含有ポリエステルポリオール/ジフェニルメタンジイソシアネート系 −SO3Na=400eq/ton
カーボンブラック(平均粒子径:80nm) 0.5部
ダイヤモンド粉末(平均粒子径:80nm) 3部
シクロヘキサノン 150部
メチルエチルケトン 150部
ブチルステアレート 1部
ステアリン酸 2部
磁性層塗布液C
窒化鉄系磁性粉末(Fe162、平均粒径:15nm)
Hc:15.9kA/m(2000Oe)
BET比表面積:63m2/g
σs:100A・m2/kg(100emu/g)
100部
塩化ビニル−ヒドロキシプロピルアクリレート共重合樹脂 8部
(含有−SO3Na基:0.7×10-4当量/g)
ポリウレタン樹脂 25部
分岐側鎖含有ポリエステルポリオール/ジフェニルメタンジイソシアネート系
−SO3Na=400eq/ton
α−アルミナ(平均粒径:80nm) 5部
板状アルミナ粉末(平均粒径:50nm) 1部
ダイヤモンド粉末(平均粒径:80nm) 1部
カーボンブラック(平均粒径:25nm) 1.5部
ミリスチン酸 1.5部
メチルエチルケトン 133部
トルエン 100部
ステアリン酸 1.5部
ポリイソシアネート(日本ポリウレタン工業社製コロネートL) 4部
シクロヘキサノン 133部
トルエン 33部
非磁性層塗布液
非磁性無機質粉末:α−酸化鉄 85部
平均長軸長:0.15μm
平均針状比:7
BET比表面積:52m2/g
表面処理:Al23、SiO2
タップ密度:0.8、pH:8、
カーボンブラック 15部
平均粒子径:20nm
DBP吸油量:120ml/100g
pH:8
BET比表面積:250m2/g
塩化ビニル共重合体 13部
(−SO3K=100eg/ton、重合度:300)
ポリウレタン樹脂 6部
分岐側鎖含有ポリエステルポリオール/ジフェニルメタンジイソシアネート系 −SO3Na=120eq/ton
フェニルホスホン酸 3部
シクロヘキサノン 140部
メチルエチルケトン 170部
ブチルステアレート 2部
ステアリン酸 1部
バック層塗布液
非磁性無機質粉末:α−酸化鉄 80部
平均長軸長:0.15μm
平均針状比:7
BET比表面積:52m2/g
カーボンブラック 20部
平均粒子径:20nm
カ−ボンブラック 3部
平均粒子径:100nm
塩化ビニル共重合体 13部
スルホン酸基含有ポリウレタン樹脂 6部
フェニルホスホン酸 3部
シクロヘキサノン 140部
メチルエチルケトン 170部
ステアリン酸 3部
(サンプルM1の作製)
上記磁性層塗布液Aについて、磁性体、カーボンブラック、αアルミナ、ポリ塩化ビニル、フェニルフォスフォン酸と処方量の50質量%の各溶剤をオープンニーダで60分間混練した後、ポリウレタン樹脂と残りの成分を加えて、横型循環型タイプのピン型サンドミル分散機にジルコニアビーズ(1.0mm)をビーズ充填率80%で詰めて、ピン先端周速が10m/秒で、分散滞留時間が30分によるように分散した。得られた分散液に3官能性低分子量ポリイソシアネート化合物(日本ポリウレタン製 コロネート3041)を14部とシクロヘキサノン30部を加え、更に20分間撹拌混合したあと、0.5μmの平均孔径を有するフィルターを用いて濾過し、磁性層塗布液を調製した。
また、上記非磁性層塗布液について、各成分をオープンニーダーで60分間混練した後、横型循環型タイプのピン型サンドミル分散機にジルコニアビーズ(1.0mm)をビーズ充填率80%で詰めて、ピン先端周速が10m/秒で、分散滞留時間が30分によるように分散した。得られた分散液に3官能性低分子量ポリイソシアネート化合物(日本ポリウレタン製 コロネート3041)6部とシクロヘキサノン30部を加え、更に20分間撹拌混合したあと、0.5μmの平均孔径を有するフィルターを用いて濾過し、非磁性層塗布液を調製した。
厚さ6μmのポリエチレンナフタレート支持体上に、乾燥後の厚さが1.5μmになるように非磁性層塗布液を塗布し乾燥させた後、その上にMrδが12.3mT・μmになるように磁性層塗布液Aを塗布し、磁性層がまだ湿潤状態にあるうちに配向装置AおよびCをその順に通過させて長手配向した。配向装置Aは同極対向磁石(表面磁束密度500mT)、配向装置Cはソレノイド磁石(表面磁束密度500mT)であり、ソレノイド磁石内で配向が戻らない程度まで乾燥し、さらに磁性層を乾燥させた。その後、厚み0.5μmのバック層を塗布して巻き取った後、金属ロ−ルのみから構成されるカレンダーで速度100m/min、線圧300kg/cm(294kN/m)、温度90℃で表面平滑化処理を行った後、70℃dry環境で24時間熱処理を行った。熱処理後、1/2インチ幅にスリットし、スリット品の送り出し、巻き取り装置を持った装置に不織布とカミソリブレ−ドが磁性面に押し当たるように取り付けたテープクリーニング装置で磁性層の表面のクリーニングを行いテープ試料を得た。
(サンプルM2の作製)
上記磁性層塗布液Bについて、各成分をオープンニーダーで60分間混練した後、横型循環型タイプのピン型サンドミル分散機にジルコニアビーズ(0.5mm)をビーズ充填率80%で詰めて、ピン先端周速が10m/秒で、分散滞留時間が60分によるように分散した。得られた分散液に3官能性低分子量ポリイソシアネート化合物(日本ポリウレタン製 コロネート3041)6部とシクロヘキサノン180部を加え、更に20分間撹拌混合したあと、日立ハイテク製 冷却遠心分離機 himac CR−21Dで別紙条件にて遠心分離処理を行い、凝集物を除去し、さらに0.5μmの平均孔径を有するフィルターを用いて濾過し、磁性層塗布液を調製した。
また、上記非磁性層塗布液について、各成分をオープンニーダーで60分間混練した後、横型循環型タイプのピン型サンドミル分散機にジルコニアビーズ(1.0mm)をビーズ充填率80%で詰めて、ピン先端周速が10m/秒で、分散滞留時間が30分によるように分散した。得られた分散液に3官能性低分子量ポリイソシアネート化合物(日本ポリウレタン製 コロネート3041)を6部加え、更に20分間撹拌混合したあと、0.5μmの平均孔径を有するフィルターを用いて濾過し、非磁性層塗布液を調製した。
厚さ6μmのポリエチレンナフタレート支持体上に、乾燥後の厚さが1.5μmになるように非磁性層塗布液を塗布し乾燥させた後、その上にMrδが4mT・μmになるように磁性層塗布液Bを塗布し磁性層を乾燥させた。その後、厚み0.5μmのバック層を塗布して巻き取った後、金属ロ−ルのみから構成されるカレンダーで速度100m/min、線圧300kg/cm(294kN/m)、温度90℃で表面平滑化処理を行った後、70℃dry環境で24時間熱処理を行った。熱処理後、1/2インチ幅にスリットし、スリット品の送り出し、巻き取り装置を持った装置に不織布とカミソリブレードが磁性面に押し当たるように取り付けたテープクリ−ニング装置で磁性層の表面のクリ−ニングを行いテープ試料を得た。
(サンプルM3〜16の作製)
磁性層厚および/または磁性層塗布後の配向条件を表1に示すように変更した以外は、サンプルM2と同様な方法でM3〜12を作製した。なお、配向装置Aは同極対向長手配向磁石、配向装置Bは異極対向垂直配向磁石、配向装置Cはソレノイド長手配向磁石であり、この順に設置されている。また、各水準における各磁石の表面磁束密度は表1に記載された条件に設定した。
(サンプルM17の作製)
使用した強磁性六方晶フェライト粉末の板状比を3.5に変更した以外は、サンプルM2と同様な方法でサンプルM17を作製した。
(サンプルM18の作製)
使用した強磁性六方晶フェライト粉末の板状比を3.5に変更した以外は、サンプルM14と同様な方法でサンプルM18を作製した。
(サンプルM19の作製)
磁性層塗布液調製において、遠心分離機による凝集物除去を実施しないこと以外は、サンプルM2と同様な方法でサンプルM19を作製した。
(サンプルM20の作製)
上記磁性層塗布液Cについて、各成分をオープンニーダーで60分間混練した後、横型循環型タイプのピン型サンドミル分散機にジルコニアビーズ(0.5mm)をビーズ充填率80%で詰めて、ピン先端周速が10m/秒で、分散滞留時間が60分によるように分散した。得られた分散液に3官能性低分子量ポリイソシアネート化合物(日本ポリウレタン製 コロネート3041)6部とシクロヘキサノン180部を加え、更に20分間撹拌混合したあと、日立ハイテク製 冷却遠心分離機 himac CR−21Dで別紙条件にて遠心分離処理を行い、凝集物を除去し、さらに0.5μmの平均孔径を有するフィルターを用いて濾過し、磁性層塗布液を調製した。
また、上記非磁性層塗布液について、各成分をオープンニーダーで60分間混練した後、横型循環型タイプのピン型サンドミル分散機にジルコニアビーズ(1.0mm)をビーズ充填率80%で詰めて、ピン先端周速が10m/秒で、分散滞留時間が30分によるように分散した。得られた分散液に3官能性低分子量ポリイソシアネート化合物(日本ポリウレタン製 コロネート3041)を6部加え、更に20分間撹拌混合したあと、0.5μmの平均孔径を有するフィルターを用いて濾過し、非磁性層塗布液を調製した。
厚さ6μmのポリエチレンナフタレート支持体上に、乾燥後の厚さが1.5μmになるように非磁性層塗布液を塗布し乾燥させた後、その上にMrδが4mT・μmになるように磁性層塗布液Bを塗布し磁性層を乾燥させた。その後、厚み0.5μmのバック層を塗布して巻き取った後、金属ロールのみから構成されるカレンダーで速度100m/min、線圧300kg/cm(294kN/m)、温度90℃で表面平滑化処理を行った後、70℃dry環境で24時間熱処理を行った。熱処理後、1/2インチ幅にスリットし、スリット品の送り出し、巻き取り装置を持った装置に不織布とカミソリブレ−ドが磁性面に押し当たるように取り付けたテープクリーニング装置で磁性層の表面のクリ−ニングを行いテープ試料を得た。
(サンプルM21〜29の作製)
磁性層厚および/または磁性層塗布後の配向条件を表1に示すように変更した以外は、サンプルM20と同様な方法でM21〜29を作製した。なお、配向装置Aは同極対向長手配向磁石、配向装置Bは異極対向垂直配向磁石、配向装置Cはソレノイド長手配向磁石であり、この順に設置されている。また、各水準における各磁石の表面磁束密度は表1に記載された条件に設定した。
(テープのS/N評価)
ドラムテスターで1/4インチテープを相対速度2m/secで走行させヘッドを押し当て記録、再生を行った。巻きつけテンションは100gで行った。
記録ヘッドとしては、飽和磁化1.3T、ギャップ長0.2μm、トラック幅20μmのMIGヘッドを用いた。記録電流は、各テープの最適記録電流に設定した。
再生ヘッドとしては、表1中のNo.1ではトラック幅6.0μm、シールド間距離0.16μmのAMRヘッド、それ以外ではトラック幅1.5μm、シールド間距離0.16μmのGMRヘッドを用いた。
S/N比は、7.875MHz(200kfci)の記録再生信号の出力をS、0〜15.75MHz(0〜400kfci)の積分ノイズをNとし、その比を取った。積分ノイズNの積分範囲のうち、0〜1MHzの範囲は1MHzのノイズ値で代用し、7.375MHz〜8.375MHzの範囲は7.375MHzのノイズ値と8.375MHzのノイズ値の平均値で代用して計算した。
測定はローデシュワルツ社製スペクトラムアナライザFSEA30を用い、RBW:100kHz、VBW:1kHz、SWP:700ms、AVE:16times、の設定で測定を行った。
(アシンメトリー評価)
孤立波を記録し、再生信号をデジタルオシロスコープで捕捉し、プラス方向とマイナス方向の出力比をアシンメトリーとした。数値が小さいほど信号に歪みがなくMR抵抗値または再生出力の直線性が維持されていることを意味する。アシンメトリーが15%以下であれば、MRヘッド飽和に起因する信号歪みが少なく、良好な再生出力を得ることができる。
(テープの耐スクラッチ性評価)
スライドガラス上に貼り付けたテープに対し、直径6.35mmのアルミナ球を荷重20gで押し当て、一定の位置を20往復摺動させた後のテープ側のダメージ状態を光学顕微鏡で観察し、磁性層が破壊されている場合を×、磁性層に弱いダメージが入っている場合を△、磁性層に何らダメージが確認されなかった場合を○と判断した。
(磁性層塗布液のD95測定方法)
D95:HORIBA製レーザー散乱粒度測定機LB500を用いて、上層磁性塗料の分級処理後の液0.5mgをメチルエチルケトン49.5mgで希釈して液で粒度分布を測定する。粒子径毎の存在比率分布を求めた時の累積体積の95%となる粒子径を求めた。
(Mrδの測定方法)
振動試料型磁束計(東英工業製)を用い、Hm1194kA/m(15kOe)で測定した。
Figure 2007294086
Figure 2007294086
評価結果
表1に示すように、Mrδが2〜12mT・μmの範囲であり、垂直方向SQが0.4〜0.7の範囲であり、長手方向SQが0.3以上0.6未満のテープ試料に記録された信号をトラック幅1.5μmのGMRヘッドで再生することにより良好なS/N比を得ることができた。また試料の耐久性も良好であった(表1中、No.3〜5、7、8、12〜15、18、21〜23、25、26、29)。また、これら試料では、アシンメトリーが低く信号の直線性が良好に維持されていた。
本発明の磁気記録媒体は、高密度記録用磁気記録媒体として好適である。

Claims (11)

  1. 非磁性支持体上に強磁性粉末および結合剤を含む磁性層を有する磁気記録媒体であって、
    磁性層の残留磁化Mrと磁性層の厚さδの積であるMrδが2mT・μm以上12mT・μm以下であり、垂直方向の角型比が0.4以上0.7以下であり、かつ長手方向の角型比が0.3以上0.6未満であることを特徴とする磁気記録媒体。
  2. 磁性層の厚さは30nm以上130nm以下である請求項1に記載の磁気記録媒体。
  3. 強磁性粉末は六方晶フェライト粉末または窒化鉄粉末である請求項1または2に記載の磁気記録媒体。
  4. Mrδは2mT・μm以上8mT・μm以下である請求項1〜3のいずれか1項に記載の磁気記録媒体。
  5. 非磁性支持体と磁性層との間に、非磁性粉末および結合剤を含む非磁性層を有する請求項1〜4のいずれか1項に記載の磁気記録媒体。
  6. 再生ヘッドとして巨大磁気抵抗効果型磁気ヘッドを使用するリニア磁気記録再生システムにおいて使用される請求項1〜5のいずれか1項に記載の磁気記録媒体。
  7. 巨大磁気抵抗効果型磁気ヘッドの再生トラック幅は、0.1〜2.5μmの範囲である請求項6に記載の磁気記録媒体。
  8. 請求項1〜5のいずれか1項に記載の磁気記録媒体および再生ヘッドとして巨大磁気抵抗効果型磁気ヘッドを含むリニア磁気記録再生システム。
  9. 巨大磁気抵抗効果型磁気ヘッドの再生トラック幅は、0.1〜2.5μmの範囲である請求項8に記載のリニア磁気記録再生システム。
  10. リニア磁気記録再生システムにおいて、請求項1〜5のいずれか1項に記載の磁気記録媒体に磁気信号を記録し、該信号を巨大磁気抵抗効果型磁気ヘッドを用いて再生する磁気記録再生方法。
  11. 巨大磁気抵抗効果型磁気ヘッドの再生トラック幅は、0.1〜2.5μmの範囲である請求項10に記載の磁気記録再生方法。
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