JP2007273038A - 磁気記録媒体 - Google Patents

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Abstract

【課題】走行耐久性および電磁変換特性に優れ、とくにエラーレートが顕著に改善された、高密度および高出力化が可能な磁気記録媒体を提供する。
【解決手段】 支持体の一方の面に下塗層および磁性層を順次設け、反対面にバック層を設けてなり、下記の特性(1)〜(5)を全て満たすことを特徴とする磁気記録媒体。(1)該磁性層の厚さが0.30μm以下;(2)該磁性層の中心線平均表面粗さRaが3.2nm以下;(3)該強磁性粉末の粉体サイズが80nm以下;(4)該下塗層の中心線平均表面粗さRaが2.5nm以下;(5)該下塗層の凹凸の中心値をP0、下塗層の最大の凸量をP1、順次第2番目、第3番目、第4番目、第5番目、・・・、第19番目、第20番目の凸量をP2、P3、P4、P5、・・・、P19、P20とした時の(P1−P0)が15nm以下であり、(P1−P20)が3nm以下である。
【選択図】なし

Description

本発明は、磁気記録媒体に関するものであり、詳しくは、走行耐久性に優れ、エラーレートが顕著に改善される磁気記録媒体に関するものである。
近年、テラバイト級の情報を高速に伝達するための手段が著しく発達し、莫大な情報をもつ画像およびデータ転送が可能となる一方、それらを記録、再生および保存するための高度な技術が要求されるようになってきた。記録、再生媒体には、フレキシブルディスク、磁気ドラム、ハードディスクおよび磁気テープが挙げられるが、特に、磁気テープは1巻あたりの記録容量が大きく、データバックアップ用をはじめとしてその役割を担うところが大きい。ところが、現在では技術水準の向上とともに記録再生装置および磁気記録媒体ともにさらなる高記録容量化が要求されている。
磁気テープに関しては、オーディオテープ、ビデオテープ、コンピューターテープなど種々の用途があり、特にデータバックアップ用テープの分野では、バックアップの対象となるハードディスクの大容量化にともない、1巻当たり数10〜800GBの記録容量のものが商品化されている。
また、今後1TBを超える大容量バックアップテープが提案されており、その高記録容量化は不可欠である。
高記録容量化の手段として、磁気テープ製造面からのアプローチでは、磁性粉末の微粒子化とそれらの塗膜中への高密度充填、塗膜の平滑化、磁性層の薄層化などの高記録密度化技術が提案されている。
例えば、特許文献1〜4では、磁性層表面の凹凸の度合いを規定するとともに、磁性層の組成、物性あるいは支持体の厚さなどを特定した磁気記録媒体が開示されている。
しかし、この特許文献1〜4に開示された磁気記録媒体では、走行耐久性が不十分であり、またエラーレートが上昇するという問題点があった。
以上より、高信頼性を求められる磁気記録媒体の開発においては、走行耐久性および電磁変換特性に優れ、とくにエラーレートの上昇を抑制する手段が求められていた。
特開2002−140807号公報 特開2002−203308号公報 特開2003−178418号公報 特開2003−187415号公報
したがって本発明の目的は、走行耐久性および電磁変換特性に優れ、とくにエラーレートが顕著に改善された、高密度および高出力化が可能な磁気記録媒体を提供することである。
本発明は、以下のとおりである。
1)支持体の一方の面に、少なくとも一層の下塗層を設け、該下塗層上に強磁性粉末と結合剤とを含む磁性層を設け、該支持体の他方の面にバック層を設けてなり、下記の特性(1)〜(5)を全て満たすことを特徴とする磁気記録媒体。
(1)該磁性層の厚さが0.30μm以下である。
(2)該磁性層の中心線平均表面粗さRaが3.2nm以下である。
(3)該強磁性粉末の粉体サイズが80nm以下である。
(4)該下塗層の中心線平均表面粗さRaが2.5nm以下である。
(5)該下塗層の凹凸の中心値をP0、下塗層の最大の凸量をP1、順次第2番目、第3番目、第4番目、第5番目、・・・、第19番目、第20番目の凸量をP2、P3、P4、P5、・・・、P19、P20とした時の(P1−P0)が15nm以下であり、(P1−P20)が3nm以下である。
2)前記磁性層の凹凸の中心値をP0 、磁性層の最大の凸量をP1 、順次第2番目、第3番目、第4番目、第5番目、・・・、第19番目、第20番目の凸量をP2、P3、P4、P5、・・・、P19、P20とした時の(P1−P0)が25nm以下であり、かつ(P1−P20)が4nm以下であることを特徴とする上記1)に記載の磁気記録媒体。
3)支持体の一方の面に、少なくとも一層の下塗層を上記1)記載の特性(4)及び(5)を満たすように設け、該下塗層上に強磁性粉末と結合剤とを含む磁性層を設け、該支持体の他方の面にバック層を設けることにより、請求項1または2記載の磁気記録媒体を得ることを特徴とする磁気記録媒体の製造方法。
本発明によれば、走行耐久性および電磁変換特性に優れ、とくにエラーレートが顕著に改善された、高密度および高出力化が可能な磁気記録媒体を提供することができる。
以下、本発明をさらに詳細に説明する。
まず、本発明の磁気記録媒体の層構成について説明する。
[支持体]
本発明における支持体は、通常、非磁性支持体であり、ポリエステル支持体、芳香族ポリアミド支持体、芳香族ポリイミド支持体等が挙げられる。
中でもポリエステル支持体(以下、単にポリエステルという)が好ましい。このようなポリエステルはポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレートなどジカルボン酸およびジオールからなるポリエステルである。
主要な構成成分のジカルボン酸成分としては、テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、2,7−ナフタレンジカルボン酸、ジフェニルスルホンジカルボン酸、ジフェニルエーテルジカルボン酸、ジフェニルエタンジカルボン酸、シクロヘキサンジカルボン酸、ジフェニルジカルボン酸、ジフェニルチオエーテルジカルボン酸、ジフェニルケトンジカルボン酸、フェニルインダンジカルボン酸などを挙げることができる。
また、ジオール成分としては、エチレングリコール、プロピレングリコール、テトラメチレングリコール、シクロヘキサンジメタノール、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシエトキシフェニル)プロパン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホン、ビスフェノールフルオレン・ジヒドロキシエチルエーテル、ジエチレングリコール、ネオペンチルグリコール、ハイドロキノン、シクロヘキサンジオールなどを挙げることができる。
これらを主要な構成成分とするポリエステルの中でも透明性、機械的強度、寸法安定性などの点から、ジカルボン酸成分として、テレフタル酸及び/または2,6−ナフタレンジカルボン酸、ジオール成分として、エチレングリコール及び/または1,4−シクロヘキサンジメタノールを主要な構成成分とするポリエステルが好ましい。
中でも、ポリエチレンテレフタレートまたはポリエチレン−2,6−ナフタレートを主要な構成成分とするポリエステルや、テレフタル酸と2,6−ナフタレンジカルボン酸とエチレングリコールからなる共重合ポリエステル、およびこれらのポリエステルの二種以上の混合物を主要な構成成分とするポリエステルが好ましい。特に好ましくはポリエチレン−2,6−ナフタレートを主要な構成成分とするポリエステルである。
なお、本発明に用いられるポリエステルは、二軸延伸されていてもよいし、2層以上の積層体であってもよい。
また、ポリエステルは、さらに他の共重合成分が共重合されていても良いし、他のポリエステルが混合されていても良い。これらの例としては、先に挙げたジカルボン酸成分やジオール成分、またはそれらから成るポリエステルを挙げることができる。
本発明に用いられるポリエステルには、フィルム時におけるデラミネーションを起こし難くするため、スルホネート基を有する芳香族ジカルボン酸またはそのエステル形成性誘導体、ポリオキシアルキレン基を有するジカルボン酸またはそのエステル形成性誘導体、ポリオキシアルキレン基を有するジオールなどを共重合してもよい。
中でもポリエステルの重合反応性やフィルムの透明性の点で、5−ナトリウムスルホイソフタル酸、2−ナトリウムスルホテレフタル酸、4−ナトリウムスルホフタル酸、4−ナトリウムスルホ−2,6−ナフタレンジカルボン酸およびこれらのナトリウムを他の金属(例えばカリウム、リチウムなど)やアンモニウム塩、ホスホニウム塩などで置換した化合物またはそのエステル形成性誘導体、ポリエチレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、ポリエチレングリコール−ポリプロピレングリコール共重合体およびこれらの両端のヒドロキシ基を酸化するなどしてカルボキシル基とした化合物などが好ましい。この目的で共重合される割合としては、ポリエステルを構成するジカルボン酸を基準として、0.1〜10モル%が好ましい。
また、耐熱性を向上する目的では、ビスフェノール系化合物、ナフタレン環またはシクロヘキサン環を有する化合物を共重合することができる。これらの共重合割合としては、ポリエステルを構成するジカルボン酸を基準として、1〜20モル%が好ましい。
本発明において、ポリエステルの合成方法は、特に限定があるわけではなく、従来公知のポリエステルの製造方法に従って製造できる。例えば、ジカルボン酸成分をジオール成分と直接エステル化反応させる直接エステル化法、初めにジカルボン酸成分としてジアルキルエステルを用いて、これとジオール成分とでエステル交換反応させ、これを減圧下で加熱して余剰のジオール成分を除去することにより重合させるエステル交換法を用いることができる。この際、必要に応じてエステル交換触媒あるいは重合反応触媒を用い、あるいは耐熱安定剤を添加することができる。
また、合成時の各過程で着色防止剤、酸化防止剤、結晶核剤、すべり剤、安定剤、ブロッキング防止剤、紫外線吸収剤、粘度調節剤、消泡透明化剤、帯電防止剤、pH調整剤、染料、顔料、反応停止剤などの各種添加剤の1種又は2種以上を添加させてもよい。
また、ポリエステルにはフィラーが添加されてもよい。フィラーの種類としては、球形シリカ、コロイダルシリカ、酸化チタン、アルミナ等の無機粉体、架橋ポリスチレン、シリコーン樹脂等の有機フィラー等が挙げられる。
また、支持体を高剛性化するために、これらの材料を高延伸したり、表面に金属や半金属または、これらの酸化物の層を設けることもできる。
本発明において、支持体の厚みは、好ましくは2〜13μm、とくに好ましくは3〜8μmである。また支持体表面の中心面平均粗さ(Ra)は、0.1〜5.0nmが好ましく、0.5〜4.0nmがより好ましく、0.7〜3.0nmがとくに好ましい。このRaは、WYKO社製TOPO−3Dで測定した。
また、支持体の長手方向のヤング率は、6.0GPa以上が好ましく、7.0GPa以上がさらに好ましい。
本発明の磁気記録媒体は、前記の支持体上に、少なくとも下塗層と、強磁性金属粉末を結合剤に分散してなる磁性層を設けたものである。
[磁性層]
磁性層に含まれる強磁性粉末として、その体積が(0.1〜8)×10−18mlであることが好ましく、(0.5〜5)×10−18mlであることが更に好ましい。この範囲とすることにより、熱揺らぎにより磁気特性の低下を有効に抑えることができると共に低ノイズを維持したまま良好なC/N(S/N)を得ることができる。強磁性粉末としては、特に制限はないが、強磁性金属粉末、六方晶系フェライト粉末、窒化鉄系粉末が好ましく、とくに六方晶系フェライト粉末、窒化鉄系粉末が好ましい。
針状粉末の体積は、形状を円柱と想定して長軸長、短軸長から求める。
板状粉末の場合は、形状を角柱(六方晶系フェライト粉末の場合は6角柱)と想定して板径、軸長(板厚)から体積を求める。
本明細書において、六方晶フェライト磁性粉末のような種々の粉体のサイズ(以下、「粉体サイズ」と言う)は、高分解能透過型電子顕微鏡写真より求められる。即ち、粉体サイズは、(1)粉体の形状が針状、紡錘状、柱状(ただし、高さが底面の最大長径より大きい)等の場合は、粉体を構成する長軸の長さ、即ち長軸長で表され、(2)粉体の形状が板状乃至柱状(ただし、厚さ乃至高さが板面乃至底面の最大長径より小さい)場合は、その板面乃至底面の最大長径で表され、(3)粉体の形状が球形、多面体状、不特定形等であって、かつ形状から粉体を構成する長軸を特定できない場合は、円相当径で表される。円相当径とは、円投影法で求められるものを言う。
また、該粉体の平均粉体サイズは、上記粉体サイズの算術平均であり、約350個の一次粒子について上記の如く測定を実施して求めたものである。一次粒子とは、凝集のない独立した粉体をいう。
また、該粉体の平均針状比は、上記測定において粉体の短軸の長さ、即ち短軸長を測定し、各粉体の(長軸長/短軸長)の値の算術平均を指す。ここで、短軸長とは、上記粉体サイズの定義で(1)の場合は、粉体を構成する短軸の長さを、同じく(2)の場合は、厚さ乃至高さを各々指し、(3)の場合は、長軸と短軸の区別がないから、(長軸長/短軸長)は、便宜上1とみなす。
そして、粉体の形状が特定の場合、例えば、上記粉体サイズの定義(1)の場合は、平均粉体サイズを平均長軸長と言い、同定義(2)の場合は平均粉体サイズを平均板径と言い、(最大長径/厚さ乃至高さ)の算術平均を平均板状比という。同定義(3)の場合は平均粉体サイズを平均粒子径という。粉体サイズ測定において、標準偏差/平均値をパーセント表示したものを変動係数と定義する。
<強磁性金属粉末>
本発明の磁気記録媒体における磁性層に用いられる強磁性金属粉末としては、Feを主成分とするもの(合金も含む)であれば、特に限定されないが、α−Feを主成分とする強磁性合金粉末が好ましい。これらの強磁性粉末には所定の原子以外にAl、Si、S、Sc、Ca、Ti、V、Cr、Cu、Y、Mo、Rh、Pd、Ag、Sn、Sb、Te、Ba、Ta、W、Re、Au、Hg、Pb、Bi、La、Ce、Pr、Nd、P、Co、Mn、Zn、Ni、Sr、Bなどの原子を含んでもかまわない。Al、Si、Ca、Y、Ba、La、Nd、Co、Ni、Bの少なくとも1つがα−Fe以外に含まれるものが好ましく、特に、Co,Al,Yが含まれるのが好ましい。さらに具体的には、CoがFeに対して10〜40原子%、Alが2〜20原子%、Yが1〜15原子%含まれるのが好ましい。
上記強磁性金属粉末には後述する分散剤、潤滑剤、界面活性剤、帯電防止剤などで分散前にあらかじめ処理を行ってもかまわない。また、強磁性金属粉末は、少量の水、水酸化物又は酸化物を含むものであってもよい。強磁性金属粉末の含水率は0.01〜2%とするのが好ましい。結合剤の種類によって強磁性金属粉末の含水率は最適化するのが好ましい。強磁性金属粉末のpHは、用いる結合剤との組合せにより最適化することが好ましい。その範囲は通常、6〜12であるが、好ましくは7〜11である。また強磁性金属粉末には可溶性のNa、Ca、Fe、Ni、Sr、NH、SO、Cl、NO、NOなどの無機イオンを含む場合がある。これらは、本質的に無い方が好ましい。各イオンの総和が300ppm以下程度であれば、特性には影響しない。また、本発明に用いられる強磁性金属粉末は空孔が少ないほうが好ましくその値は20容量%以下、さらに好ましくは5容量%以下である。
強磁性金属粉末の平均長軸長は、80nm以下であり、10〜50nmが好ましく、15〜45nmが更に好ましく、20〜40nmがとくに好ましい。また強磁性金属粉末の結晶子サイズは8〜20nmであることが好ましく、10〜18nmであることが更に好ましく、12〜16nmであることが特に好ましい。この結晶子サイズは、X線回折装置(理学電機製RINT2000シリーズ)を使用し、線源CuKα1、管電圧50kV、管電流300mAの条件で回折ピークの半値幅からScherrer法により求めた平均値である。
強磁性金属粉末のBET法による比表面積(SBET)は、50m/g以上が好ましく、55〜100m/gであることがさらに好ましく、60〜80m/gであることが最も好ましい。この範囲であれば良好な表面性と低いノイズの両立が可能となる。強磁性金属粉末のpHは、用いる結合剤との組合せにより最適化することが好ましい。その範囲は4〜12であるが、好ましくは7〜10である。強磁性金属粉末は必要に応じ、Al、Si、P又はこれらの酸化物などで表面処理を施してもかまわない。その量は強磁性金属粉末に対し0.1〜10%であり表面処理を施すと脂肪酸などの潤滑剤の吸着が100mg/m以下になり好ましい。強磁性金属粉末には可溶性のNa、Ca、Fe、Ni、Srなどの無機イオンを含む場合があるが200ppm以下であれば特に特性に影響を与える事は少ない。また、本発明に用いられる強磁性金属粉末は、空孔が少ないほうが好ましく、その値は20容量%以下、さらに好ましくは5容量%以下である。
また強磁性金属粉末の形状については、先に示した粒子体積を満足すれば針状、粒状、米粒状又は板状いずれでもかまわないが、特に針状の強磁性粉末を使用することが好ましい。針状強磁性金属粉末の場合、針状比は4〜12が好ましく、さらに好ましくは5〜12である。強磁性金属粉末の抗磁力(Hc)は、好ましくは159.2〜238.8kA/m(2000〜3000Oe)であり、さらに好ましくは167.2〜230.8kA/m(2100〜2900Oe)である。また、飽和磁束密度は、好ましくは150〜300mT(1500〜3000G)であり、さらに好ましくは160〜290mTである。また飽和磁化(σs)は、好ましくは140〜170A・m/kg(140〜170emu/g)であり、さらに好ましくは145〜160A・m/kgである。磁性体自体のSFD(switching field distribution)は小さい方が好ましく、0.8以下であることが好ましい。SFDが0.8以下であると、電磁変換特性が良好で、出力が高く、また磁化反転がシャープでピークシフトが小さくなり、高密度デジタル磁気記録に好適である。Hc分布を小さくするためには、強磁性金属粉末においてはゲータイトの粒度分布を良くする、単分散αFeを使用する、粒子間の焼結を防止するなどの方法がある。
強磁性金属粉末は、公知の製造方法により得られたものを用いることができ、下記の方法を挙げることができる。焼結防止処理を行った含水酸化鉄、酸化鉄を水素などの還元性気体で還元してFe又はFe−Co粒子などを得る方法、複合有機酸塩(主としてシュウ酸塩)と水素などの還元性気体で還元する方法、金属カルボニル化合物を熱分解する方法、強磁性金属の水溶液に水素化ホウ素ナトリウム、次亜リン酸塩あるいはヒドラジンなどの還元剤を添加して還元する方法、金属を低圧の不活性気体中で蒸発させて粉末を得る方法などである。このようにして得られた強磁性金属粉末は公知の徐酸化処理が施される。含水酸化鉄、酸化鉄を水素などの還元性気体で還元し、酸素含有ガスと不活性ガスの分圧、温度、時間を制御して表面に酸化皮膜を形成する方法が、減磁量が少なく好ましい。
<六方晶フェライト粉末>
六方晶フェライト粉末には、例えば、バリウムフェライト、ストロンチウムフェライト、鉛フェライト、カルシウムフェライト、それらのCo等の置換体等がある。より具体的には、マグネトプランバイト型のバリウムフェライト及びストロンチウムフェライト、スピネルで粒子表面を被覆したマグネトプランバイト型フェライト、さらに一部にスピネル相を含有したマグネトプランバイト型のバリウムフェライト及びストロンチウムフェライト等が挙げられる。その他、所定の原子以外にAl、Si、S,Sc、Ti、V、Cr、Cu、Y、Mo、Rh、Pd、Ag、Sn、Sb、Te、Ba、Ta、W、Re、Au、Hg、Pb、Bi、La、Ce、Pr、Nd、P、Co、Mn、Zn、Ni、Sr、B、Ge、Nbなどの原子を含んでもかまわない。一般には、Co−Zn、Co−Ti、Co−Ti−Zr、Co−Ti−Zn、Ni−Ti−Zn、Nb−Zn−Co、Sb−Zn−Co、Nb−Zn等の元素を添加した物を使用できる。また原料・製法によっては特有の不純物を含有するものもある。好ましいその他の原子およびその含有率は、前記の強磁性金属粉末の場合と同様である。
六方晶フェライト粉末の粒子サイズは、上述の体積を満足するサイズであることが好ましいが、平均板径は、80nm以下であり、1〜50nmであり、5〜40nmが好ましく、10〜35nmがさらに好ましい。
平均板状比{(板径/板厚)の平均}は1〜15であり、さらに1〜7であることが好ましい。平均板状比が1〜15であれば、磁性層で高充填性を保持しながら充分な配向性が得られ、かつ、粒子間のスタッキングによりノイズ増大を抑えることができる。また、上記粒子サイズの範囲内におけるBET法による比表面積(SBET)は、40m/g以上が好ましく、40〜200m/gであることがさらに好ましく、60〜100m/gであることが最も好ましい。
六方晶フェライト粉末の粒子板径・板厚の分布は、通常狭いほど好ましい。粒子板径・板厚を数値化することは、粒子TEM写真より500粒子を無作為に測定することで比較できる。粒子板径・板厚の分布は正規分布ではない場合が多いが、計算して平均サイズに対する標準偏差で表すと、σ/平均サイズ=0.1〜2.0である。粒子サイズ分布をシャープにするには、粒子生成反応系をできるだけ均一にすると共に、生成した粒子に分布改良処理を施すことも行われている。例えば、酸溶液中で超微細粒子を選別的に溶解する方法等も知られている。
六方晶フェライト粉末の抗磁力(Hc)は、159.2〜280.0kA/m(2000〜3500Oe)の範囲とすることができるが、好ましくは175.1〜222.9kA/m(2200〜2800Oe)であり、さらに好ましくは183.1〜214.9kA/m(2300〜2700Oe)である。但し、ヘッドの飽和磁化(σs)が1.4Tを越える場合には159.2kA/m以下にすることが好ましい。抗磁力(Hc)は、粒子サイズ(板径・板厚)、含有元素の種類と量、元素の置換サイト、粒子生成反応条件等により制御できる。
六方晶フェライト粉末の飽和磁化(σs)は40〜80A・m/kg(emu/g)である。飽和磁化(σs)は高い方が好ましいが、微粒子になるほど小さくなる傾向がある。飽和磁化(σs)の改良のため、マグネトプランバイトフェライトにスピネルフェライトを複合することや、含有元素の種類と添加量の選択等がよく知られている。またW型六方晶フェライトを用いることも可能である。磁性体を分散する際に磁性体粒子表面を分散媒、ポリマーに合った物質で処理することも行われている。表面処理剤としては、無機化合物及び有機化合物が使用される。主な化合物としてはSi、Al、P等の酸化物又は水酸化物、各種シランカップリング剤、各種チタンカップリング剤が代表例である。添加量は磁性体の質量に対して0.1〜10質量%である。磁性体のpHも分散に重要である。通常4〜12程度で分散媒、ポリマーにより最適値があるが、媒体の化学的安定性、保存性から6〜11程度が選択される。磁性体に含まれる水分も分散に影響する。分散媒、ポリマーにより最適値があるが通常0.01〜2.0%が選ばれる。
六方晶フェライト粉末の製法としては、(1)酸化バリウム・酸化鉄・鉄を置換する金属酸化物とガラス形成物質として酸化ホウ素等を所望のフェライト組成になるように混合した後溶融し、急冷して非晶質体とし、次いで再加熱処理した後、洗浄・粉砕してバリウムフェライト結晶粉体を得ガラス結晶化法、(2)バリウムフェライト組成金属塩溶液をアルカリで中和し、副生成物を除去した後100℃以上で液相加熱した後洗浄・乾燥・粉砕してバリウムフェライト結晶粉体を得る水熱反応法、(3)バリウムフェライト組成金属塩溶液をアルカリで中和し、副生成物を除去した後乾燥し1100℃以下で処理し、粉砕してバリウムフェライト結晶粉体を得る共沈法等があるが、本発明は製法を選ばない。六方晶フェライト粉末は、必要に応じ、Al、Si、P又はこれらの酸化物などで表面処理を施してもかまわない。その量は強磁性粉末に対し0.1〜10%であり表面処理を施すと脂肪酸などの潤滑剤の吸着が100mg/m以下になり好ましい。強磁性粉末には可溶性のNa、Ca、Fe、Ni、Srなどの無機イオンを含む場合がある。これらは、本質的に無い方が好ましいが、200ppm以下であれば特に特性に影響を与えることは少ない。
<窒化鉄系粉末>
本発明で使用される窒化鉄系粉末は、鉄と窒素を少なくとも構成元素とし、Fe16相を少なくとも含む磁性粉末が好ましい。また該粉末を針状粉末とすることで、形状磁気異方性と結晶磁気異方性の両方による相乗効果により、全体の磁気異方性がさらに大きくなり、より高保磁力が得られ、好ましい。
この窒化鉄系粉末において、鉄に対する窒素の含有量は1.0〜20.0原子%がよい。鉄に対する窒素の含有量が1.0原子%より少ないと、Fe16相の形成量が少なくなり、保磁力増加の効果が少なくなる。また、20.0原子%を超えると、非磁性窒化物が形成されやすくなり保磁力増加の効果が少なくなり、また飽和磁化が過度に低下する。
また、このような窒化鉄系粉末に、コバルト、希土類元素やホウ素、シリコン、アルミニウム、リンなどの元素を含有させると、針状形状の維持により効果があり、高保磁力が得られやすくなり好ましい。とくに、希土類元素と、ホウ素、シリコン、アルミニウム、リンなどの元素を組み合わせて含有させるのが、好ましい。
希土類元素としては、イットリウム、サマリウム、ネオジウムが好ましい。その含有量は、鉄に対して、0.05〜20.0原子%が最適である。ホウ素、シリコン、アルミニウム、リンなどを含有させる場合、その総含有量は、鉄に対して、0.1〜20.0原子%とするのが好ましい。
希土類元素や、ホウ素、シリコン、アルミニウム、リンなどの含有量が、上記よりも少ないと、針状形状を維持しにくくなり、保磁力が低くなる傾向があり、逆に上記よりも多くなると、後述する還元処理や窒化処理が起こりにくくなり、高い保磁力を得ることが難しくなる。
また、このような窒化鉄系粉末は、紡錘状または針状の形状を有し、その平均長軸長を、5〜80nmの範囲となるようにするのが好ましく、とくに15〜50nmの範囲とするのが最適である。平均長軸長が10nmより小さくなると、磁性塗料調製時の分散性が悪くなり、また80nmより大きくなると、ノイズ増加の原因となるだけでなく、平滑な磁性層面を得にくくなる。
このような窒化鉄系粉末は、飽和磁化が60〜160Am/kg(60〜160emu/g)、好ましくは90〜155Am/kg(90〜155emu/g)、さらに好ましくは100〜145Am/kg(100〜145emu/g)の範囲にあり、適度な飽和磁化を有している。
また、保磁力が119.4〜398.0kA/m(1,500〜5,000エルステッド)、好ましくは159.2〜358.2kA/m(2,000〜4,500エルステッド)、さらに好ましくは175.1〜318.4kA/m(2,200〜4,000エルステッド)の範囲にあり、高価なコバルト元素を多量に使用することなく、従来の針状の鉄系磁性粉末に比べて、さらに高い保磁力が得られる。
また、このような窒化鉄系粉末は、BET比表面積が30〜250m/gの範囲にあるとき、磁気記録媒体用として最適な性能を示す。BET比表面積が小さすぎると、粒子性ノイズが高くなり、また磁性層の表面平滑性が低下して、再生出力が低下しやすい。また、BET比表面積が大きすぎると、粉末の凝集により磁性塗料中で均一な分散体を得ることが難しく、磁気記録媒体に適用すると、配向性が低下しやすく、かつ表面平滑性が低下しやすい。
窒化鉄系粉末において、これに希土類元素を含有させる場合、希土類元素は、粉末の内部に存在させてもよいが、形状を維持した状態でより高い保磁力を得るには、窒化鉄系粉末を内層と外層との多層構成として、外層部分を希土類元素を少なくとも1種含む化合物で構成するのが望ましい。
この場合、窒化鉄系粉末の内層のFe相をFe16相とするが、内相をすべてFe16相とする必要はなく、Fe16相とα−Fe相の混相としてもよい。むしろ、Fe16相とα−Fe相との割合を適宜調整することにより、所望の保磁力に容易に設定できる利点がある。
希土類元素としては、イットリウム、イッテルビウム、セシウム、プラセオジウム、ランタン、ユーロピウム、ネオジウムなどが挙げられる。
これらのうち、イットリウム、サマリウムまたはネオジウムは、還元時の粒子形状の維持効果が大きいことから、これらの元素の中から、その少なくとも1種を選択使用するのが望ましい。
また、このような希土類元素とともに、半金属元素を含有させ、これらの元素を含有する酸化物や化合物を形成させるのも有効である。半金属元素としては、ホウ素、シリコン、アルミニウム、リン、炭素、カルシウム、マグネシウムなどが挙げられる。これらの半金属元素の中でも、ホウ素、シリコン、アルミニム、リンから選ばれる少なくとも1種の元素が望ましく、これと希土類元素と併用することにより、より高い保磁力を得ることができる。
窒化鉄系粉末の製造方法について、説明する。出発原料としては、鉄の酸化物または水酸化物を使用する。たとえば、ヘマタイト、マグネタイト、ゲータイトなどが挙げられる。粒子長軸の平均サイズとしては、とくに限定されないが、20〜120nm程度が望ましい。粒子サイズが小さすぎると、還元処理時に粒子間焼結が生じやすく、また大きすぎると、還元窒化処理後の粒子径が大きくなりすぎて、磁気記録媒体としたときにノイズが大きくなり好ましくない。
この出発原料に希土類元素を被着する場合、通常、アルカリまたは酸の水溶液中に出発原料を分散させ、これに希土類元素の塩を溶解させ、中和反応などにて原料粉末に希土類元素を含む水酸化物や水和物を沈殿析出させればよい。
希土類元素の含有量は、窒化鉄系粉末中の鉄に対して、0.05〜20.0原子%とするのがよい。希土類元素の量が少なすぎると、還元時の粒子形状維持の効果が小さくなる。また希土類元素の量が多すぎると、添加した希土類元素のうち、未反応な部分が多くなり、保磁力向上に寄与しないばかりか、非磁性物質を形成して、飽和磁化の過度な低下が生じやすい。
希土類元素のほかに、半金属元素として、たとえばホウ素、シリコン、アルミニウム、リンなどの元素で構成された化合物を溶解させ、これに原料粉末を浸漬して、原料粉末に対して、希土類元素とともに半金属元素を被着させてもよい。これらの被着処理を効率良く行うため、還元剤、pH緩衝剤、粒径制御剤などの添加剤を混入させてもよい。これらの被着処理として、希土類元素を被着したのち、半金属元素を被着させるようにしてもよい。希土類元素と半金属元素を併用すると、粒子の形状維持効果がより発揮され、好ましい。
半金属元素の含有量は、窒化鉄系粉末中の鉄に対し、0.1〜20.0原子%とするのが好ましい。半金属元素の含有量が少なすぎると、還元時の粒子形状維持の効果が小さくなる。また、半金属元素の含有量が多すぎると、添加した半金属元素のうち、未反応な部分が多くなり、保磁力向上に寄与しないばかりか、非磁性物質を形成して、飽和磁化の過度な低下が生じやすい。
つぎに、このように希土類元素またはこれと半金属元素を被着させた原料や、上記の各元素を全く被着させなかった原料を使用して、これらを水素気流中で加熱還元する。還元ガスは、とくに限定されず、水素ガス以外に、一酸化炭素ガスなどの還元性ガスを使用してもよい。
還元温度としては、300〜600℃とするのが望ましい。還元温度が300℃より低くなると、還元反応が十分進まなくなり、また、600℃を超えると、粉末粒子の焼結が起こりやすくなり、いずれも好ましくない。
このような加熱還元処理後、窒化処理を施すことにより、本発明の窒化鉄系磁性粉末が得られる。窒化処理としては、アンモニアを含むガスを用いて行うのが望ましい。アンモニアガス単体のほかに、水素ガス、ヘリウムガス、窒素ガス、アルゴンガスなどをキャリアーガスとした混合ガスを使用してもよい。窒素ガスは安価なため、とくに好ましい。
窒化処理温度は、100〜300℃とするのがよい。窒化処理温度が低すぎると、窒化が十分進まず、保磁力増加の効果が少ない。高すぎると、窒化が過剰に促進され、FeNやFeN相などの割合が増加し、保磁力がむしろ低下し、さらに飽和磁化の過度な低下を引き起こしやすい。
このような窒化処理にあたり、得られる窒化鉄系粉末における、鉄に対する窒素の量が1.0〜20.0原子%となるように、窒化処理の条件を選択することが望ましい。上記窒素の量が少なすぎると、Fe16の生成量が少ないため、保磁力向上の効果が少なくなる。また、上記窒素の量が多すぎると、FeNやFeN相などが形成されやすくなり、保磁力がむしろ低下し、さらに飽和磁化の過度な低下を引き起こしやすい。
窒化処理の後、通常表面へ酸化膜形成処理を行なうことが好ましい。酸化膜は、シリカやアルミナ酸化膜がよく、酸素・窒素の分圧をコントロールし徐酸化により膜を形成させる。
<結合剤>
本発明の磁性層に用いられる結合剤(バインダー)は、従来公知の熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、反応型樹脂やこれらの混合物である。熱可塑性樹脂としては、例えば、塩化ビニル、酢酸ビニル、ビニルアルコール、マレイン酸、アクルリ酸、アクリル酸エステル、塩化ビニリデン、アクリロニトリル、メタクリル酸、メタクリル酸エステル、スチレン、ブタジエン、エチレン、ビニルブチラール、ビニルアセタール、ビニルエーテル等を構成単位として含む重合体又は共重合体、ポリウレタン樹脂、各種ゴム系樹脂を挙げることができる。
また、熱硬化性樹脂又は反応型樹脂としては、例えば、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン硬化型樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、アルキド樹脂、アクリル系反応樹脂、ホルムアルデヒド樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ−ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂とイソシアネートプレポリマーの混合物、ポリエステルポリオールとポリイソシアネートの混合物、ポリウレタンとポリイソシアネートの混合物等を挙げることができる。熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂及び反応型樹脂については、いずれも朝倉書店発行の「プラスチックハンドブック」に詳細に記載されている。
また、電子線硬化型樹脂を磁性層に使用すると、塗膜強度が向上し耐久性が改善されるだけでなく、表面が平滑され電磁変換特性もさらに向上する。これらの例とその製造方法については、特開昭62−256219号公報に詳細に記載されている。
以上の樹脂は単独又はこれらを組み合わせた態様で使用することができる。中でもポリウレタン樹脂を使用することが好ましく、さらには水素化ビスフェノールA、水素化ビスフェノールAのポリプロピレンオキサイド付加物などの環状構造体と、アルキレンオキサイド鎖を有する分子量500〜5000のポリオールと、鎖延長剤として環状構造を有する分子量200〜500のポリオールと、有機ジイソシアネートとを反応させ、かつ極性基を導入したポリウレタン樹脂、又はコハク酸、アジピン酸、セバシン酸などの脂肪族二塩基酸と、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール、2−エチル−2−ブチル−1,3−プロパンジオール、2,2−ジエチル−1,3−プロパンジオール等のアルキル分岐側鎖を有する環状構造を持たない脂肪族ジオールからなるポリエステルポリオールと、鎖延長剤として2−エチル−2−ブチル−1,3−プロパンジオール、2,2−ジエチル−1,3−プロパンジオール等の炭素数が3以上の分岐アルキル側鎖をもつ脂肪族ジオールと、有機ジイソシアネート化合物とを反応させ、かつ極性基を導入したポリウレタン樹脂、又はダイマージオール等の環状構造体と、長鎖アルキル鎖を有するポリオール化合物と、有機ジイソシアネートとを反応させ、かつ極性基を導入したポリウレタン樹脂を使用することが好ましい。
本発明で使用される極性基含有ポリウレタン系樹脂の平均分子量は、5,000〜100,000であることが好ましく、さらには10,000〜50,000であることが好ましい。平均分子量が5,000以上であれば、得られる磁性塗膜が脆い等といった物理的強度の低下もなく、磁気記録媒体の耐久性に影響を与えることはないため好ましい。また、分子量が100,000以下であれば、溶剤への溶解性が低下することもないため、分散性も良好である。また、所定濃度における塗料粘度も高くなることはないので、作業性が良好で取り扱いも容易となる。
上記ポリウレタン系樹脂に含まれる極性基としては、例えば、−COOM、−SOM、−OSOM、−P=O(OM)、−O−P=O(OM)(以上につき、Mは水素原子又はアルカリ金属塩基)、−OH、−NR、−N(Rは炭化水素基)、エポキシ基、−SH、−CNなどが挙げられ、これらの極性基の少なくとも1つ以上を共重合又は付加反応で導入したものを用いることができる。また、この極性基含有ポリウレタン系樹脂がOH基を有する場合、分岐OH基を有することが硬化性、耐久性の面から好ましく、1分子当たり2〜40個の分岐OH基を有することが好ましく、1分子当たり3〜20個有することがさらに好ましい。また、このような極性基の量は10−1〜10−8モル/gであり、好ましくは10−2〜10−6モル/gである。
結合剤の具体例としては、例えば、ダウケミカル社製VAGH、VYHH、VMCH、VAGF、VAGD、VROH、VYES、VYNC、VMCC、XYHL、XYSG、PKHH、PKHJ、PKHC、PKFE、日信化学工業社製MPR−TA、MPR−TA5、MPR−TAL、MPR−TSN、MPR−TMF、MPR−TS、MPR−TM、MPR−TAO、電気化学社製1000W、DX80、DX81、DX82、DX83、100FD、日本ゼオン社製MR−104、MR−105、MR110、MR100、MR555、400X−110A、日本ポリウレタン社製ニッポランN2301、N2302、N2304、大日本インキ社製パンデックスT−5105、T−R3080、T−5201、バーノックD−400、D−210−80、クリスボン6109、7209、東洋紡社製バイロンUR8200、UR8300、UR−8700、RV530、RV280、大日精化社製ダイフェラミン4020、5020、5100、5300、9020、9022、7020、三菱化学社製MX5004、三洋化成社製サンプレンSP−150、旭化成社製サランF310、F210などを挙げることができる。
本発明の磁性層に用いられる結合剤の添加量は、強磁性粉末の質量に対して5〜50質量%の範囲、好ましくは10〜30質量%の範囲である。ポリウレタンを用いる場合は2〜20質量%、ポリイソシアネートは2〜20質量%の範囲でこれらを組み合わせて用いることが好ましいが、例えば、微量の脱塩素によりヘッド腐食が起こる場合には、ポリウレタンのみ又はポリウレタンとイソシアネートのみを使用することも可能である。その他の樹脂として塩化ビニル系樹脂を用いる場合には5〜30質量%の範囲であることが好ましい。本発明において、ポリウレタンを用いる場合はガラス転移温度が−50〜150℃、好ましくは0〜100℃、破断伸びが100〜2000%、破断応力は0.49〜98MPa(0.05〜10kg/mm)、降伏点は0.49〜98MPa(0.05〜10kg/mm)が好ましい。
本発明で用いる磁気記録媒体は、例えばフレキシブルディスクである場合、支持体の両面に2層以上から構成できる。したがって、結合剤量、結合剤中に占める塩化ビニル系樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリイソシアネート、あるいはそれ以外の樹脂量、磁性層を形成する各樹脂の分子量、極性基量、あるいは先に述べた樹脂の物理特性などを必要に応じ非磁性層、各磁性層とで変えることはもちろん可能であり、むしろ各層で最適化すべきであり、多層磁性層に関する公知技術を適用できる。例えば、各層で結合剤量を変更する場合、磁性層表面の擦傷を減らすためには磁性層の結合剤量を増量することが有効であり、ヘッドに対するヘッドタッチを良好にするためには、非磁性層の結合剤量を多くして柔軟性を持たせることができる。
本発明で使用可能なポリイソシアネートとしては、例えば、トリレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、ナフチレン−1,5−ジイソシアネート、o−トルイジンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、トリフェニルメタントリイソシアネート等のイソシアネート類、また、これらのイソシアネート類とポリアルコールとの生成物、また、イソシアネート類の縮合によって生成したポリイソシアネート等を挙げることができる。これらのイソシアネート類の市販されている商品名としては、日本ポリウレタン社製コロネートL、コロネートHL、コロネート2030、コロネート2031、ミリオネートMRミリオネートMTL、武田薬品社製タケネートD−102、タケネートD−110N、タケネートD−200、タケネートD−202、住化バイエル社製デスモジュールL,デスモジュールIL、デスモジュールN、デスモジュールHL等があり、これらを単独又は硬化反応性の差を利用して二つもしくはそれ以上の組み合せで各層とも用いることができる。
本発明における磁性層には、必要に応じて添加剤を加えることができる。添加剤としては、研磨剤、潤滑剤、分散剤・分散助剤、防黴剤、帯電防止剤、酸化防止剤、溶剤、カーボンブラックなどを挙げることができる。これら添加剤としては、例えば、二硫化モリブデン、二硫化タングステン、グラファイト、窒化ホウ素、フッ化黒鉛、シリコーンオイル、極性基を持つシリコーン、脂肪酸変性シリコーン、フッ素含有シリコーン、フッ素含有アルコール、フッ素含有エステル、ポリオレフィン、ポリグリコール、ポリフェニルエーテル、フェニルホスホン酸、ベンジルホスホン酸、フェネチルホスホン酸、α−メチルベンジルホスホン酸、1−メチル−1−フェネチルホスホン酸、ジフェニルメチルホスホン酸、ビフェニルホスホン酸、ベンジルフェニルホスホン酸、α−クミルホスホン酸、トルイルホスホン酸、キシリルホスホン酸、エチルフェニルホスホン酸、クメニルホスホン酸、プロピルフェニルホスホン酸、ブチルフェニルホスホン酸、ヘプチルフェニルホスホン酸、オクチルフェニルホスホン酸、ノニルフェニルホスホン酸等の芳香族環含有有機ホスホン酸及びそのアルカリ金属塩、オクチルホスホン酸、2−エチルヘキシルホスホン酸、イソオクチルホスホン酸、イソノニルホスホン酸、イソデシルホスホン酸、イソウンデシルホスホン酸、イソドデシルホスホン酸、イソヘキサデシルホスホン酸、イソオクタデシルホスホン酸、イソエイコシルホスホン酸等のアルキルホスホン酸及びそのアルカリ金属塩、リン酸フェニル、リン酸ベンジル、リン酸フェネチル、リン酸α−メチルベンジル、リン酸1−メチル−1−フェネチル、リン酸ジフェニルメチル、リン酸ビフェニル、リン酸ベンジルフェニル、リン酸α−クミル、リン酸トルイル、リン酸キシリル、リン酸エチルフェニル、リン酸クメニル、リン酸プロピルフェニル、リン酸ブチルフェニル、リン酸ヘプチルフェニル、リン酸オクチルフェニル、リン酸ノニルフェニル等の芳香族リン酸エステル及びそのアルカリ金属塩、リン酸オクチル、リン酸2−エチルヘキシル、リン酸イソオクチル、リン酸イソノニル、リン酸イソデシル、リン酸イソウンデシル、リン酸イソドデシル、リン酸イソヘキサデシル、リン酸イソオクタデシル、リン酸イソエイコシル等のリン酸アルキルエステル及びそのアルカリ金属塩、アルキルスルホン酸エステル及びそのアルカリ金属塩、フッ素含有アルキル硫酸エステル及びそのアルカリ金属塩、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸、ステアリン酸ブチル、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、エライジン酸、エルカ酸等の炭素数10〜24の不飽和結合を含んでも分岐していても良い一塩基性脂肪酸及びこれらの金属塩、又はステアリン酸ブチル、ステアリン酸オクチル、ステアリン酸アミル、ステアリン酸イソオクチル、ミリスチン酸オクチル、ラウリル酸ブチル、ステアリン酸ブトキシエチル、アンヒドロソルビタンモノステアレート、アンヒドロソルビタントリステアレート等の炭素数10〜24の不飽和結合を含んでも分岐していても良い一塩基性脂肪酸と、炭素数2〜22の不飽和結合を含んでも分岐していても良い1〜6価アルコール、炭素数12〜22の不飽和結合を含んでも分岐していても良いアルコキシアルコールまたはアルキレンオキサイド重合物のモノアルキルエーテルのいずれか一つとからなるモノ脂肪酸エステル、ジ脂肪酸エステル又は多価脂肪酸エステル、炭素数2〜22の脂肪酸アミド、炭素数8〜22の脂肪族アミンなどが使用できる。また、上記炭化水素基以外にもニトロ基およびF、Cl、Br、CF、CCl、CBr等の含ハロゲン炭化水素等炭化水素基以外の基が置換したアルキル基、アリール基、アラルキル基を持つものでもよい。
また、アルキレンオキサイド系、グリセリン系、グリシドール系、アルキルフエノールエチレンオキサイド付加体等のノニオン界面活性剤、環状アミン、エステルアミド、第四級アンモニウム塩類、ヒダントイン誘導体、複素環類、ホスホニウム又はスルホニウム類等のカチオン系界面活性剤、カルボン酸、スルホン酸、硫酸エステル基等の酸性基を含むアニオン界面活性剤、アミノ酸類、アミノスルホン酸類、アミノアルコールの硫酸又はリン酸エステル類、アルキルベタイン型等の両性界面活性剤等も使用できる。これらの界面活性剤については、「界面活性剤便覧」(産業図書株式会社発行)に詳細に記載されている。
上記潤滑剤、帯電防止剤等は必ずしも純粋ではなく主成分以外に異性体、未反応物、副反応物、分解物、酸化物等の不純分が含まれても構わない。これらの不純分は30質量%以下が好ましく、さらに好ましくは10質量%以下である。
これらの添加物の具体例としては、例えば、日本油脂社製:NAA−102、ヒマシ油硬化脂肪酸、NAA−42、カチオンSA、ナイミーンL−201、ノニオンE−208、アノンBF、アノンLG、竹本油脂社製:FAL−205、FAL−123、新日本理化社製:エヌジエルブOL、信越化学社製:TA−3、ライオン社製:アーマイドP、ライオン社製:デュオミンTDO、日清オイリオ社製:BA−41G、三洋化成社製:プロフアン2012E、ニューポールPE61、イオネットMS−400等が挙げられる。
また、本発明における磁性層には、必要に応じてカーボンブラックを添加することができる。磁性層で使用可能なカーボンブラックとしては、ゴム用ファーネス、ゴム用サーマル、カラー用ブラック、アセチレンブラック等を挙げることができる。比表面積は5〜500m/g、DBP吸油量は10〜400ml/100g、粒子径は5〜300nm、pHは2〜10、含水率は0.1〜10%、タップ密度は0.1〜1g/mlが好ましい。
本発明に用いられるカーボンブラックの具体的な例としては、キャボット社製BLACKPEARLS 2000、1300、1000、900、905、800、700、VULCAN XC−72、旭カーボン社製#80、#60、#55、#50、#35、三菱化学社製#2400B、#2300、#900、#1000、#30、#40、#10B、コロンビアンカーボン社製CONDUCTEX SC、RAVEN150、50、40、15、RAVEN−MT−P、ケッチェン・ブラック・インターナショナル社製ケッチェンブラックECなどが挙げられる。カーボンブラックを分散剤などで表面処理したり、樹脂でグラフト化して使用しても、表面の一部をグラファイト化したものを使用したりしてもかまわない。また、カーボンブラックを磁性塗料に添加する前にあらかじめ結合剤で分散してもかまわない。これらのカーボンブラックは単独又は組み合せで使用することができる。カーボンブラックを使用する場合、磁性体の質量に対して0.1〜30質量%で用いることが好ましい。カーボンブラックは磁性層の帯電防止、摩擦係数低減、遮光性付与、膜強度向上などの働きがあり、これらは用いるカーボンブラックにより異なる。したがって本発明で使用されるこれらのカーボンブラックは、磁性層及び非磁性層でその種類、量、組み合せを変え、粒子サイズ、吸油量、電導度、pHなどの先に示した諸特性を基に目的に応じて使い分けることはもちろん可能であり、むしろ各層で最適化すべきものである。本発明の磁性層で使用できるカーボンブラックは、例えば「カーボンブラック便覧」カーボンブラック協会編、を参考にすることができる。
本発明で用いられる有機溶剤は公知のものが使用できる。本発明で用いられる有機溶媒は、任意の比率でアセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、ジイソブチルケトン、シクロヘキサノン、イソホロン、テトラヒドロフラン、等のケトン類、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、イソブチルアルコール、イソプロピルアルコール、メチルシクロヘキサノールなどのアルコール類、酢酸メチル、酢酸ブチル、酢酸イソブチル、酢酸イソプロピル、乳酸エチル、酢酸グリコール等のエステル類、グリコールジメチルエーテル、グリコールモノエチルエーテル、ジオキサンなどのグリコールエーテル系、ベンゼン、トルエン、キシレン、クレゾール、クロルベンゼンなどの芳香族炭化水素類、メチレンクロライド、エチレンクロライド、四塩化炭素、クロロホルム、エチレンクロルヒドリン、ジクロルベンゼン等の塩素化炭化水素類、N,N−ジメチルホルムアミド、ヘキサン等を使用することができる。
これら有機溶媒は必ずしも100%純粋ではなく、主成分以外に異性体、未反応物、副反応物、分解物、酸化物、水分等の不純分が含まれてもかまわない。これらの不純分は30%以下が好ましく、さらに好ましくは10%以下である。本発明で用いる有機溶媒は磁性層と非磁性層でその種類は同じであることが好ましい。その添加量は変えてもかまわない。非磁性層に表面張力の高い溶媒(シクロヘキサノン、ジオキサンなど)を用い塗布の安定性を上げる、具体的には上層溶剤組成の算術平均値が非磁性層溶剤組成の算術平均値を下回らないことが肝要である。分散性を向上させるためにはある程度極性が強い方が好ましく、溶剤組成の内、誘電率が15以上の溶剤が50%以上含まれることが好ましい。また、溶解パラメータは8〜11であることが好ましい。
本発明で使用されるこれらの分散剤、潤滑剤、界面活性剤は、磁性層、さらに後述する非磁性層でその種類、量を必要に応じて使い分けることができる。例えば、無論ここに示した例のみに限られるものではないが、分散剤は極性基で吸着又は結合する性質を有しており、磁性層では主に強磁性金属粉末の表面に、また非磁性層では主に非磁性粉末の表面に前記の極性基で吸着又は結合し、例えば、一度吸着した有機リン化合物は、金属又は金属化合物等の表面から脱着し難いと推察される。したがって、本発明の強磁性金属粉末表面又は非磁性粉末表面は、アルキル基、芳香族基等で被覆されたような状態になるので、該強磁性金属粉末又は非磁性粉末の結合剤樹脂成分に対する親和性が向上し、さらに強磁性金属粉末あるいは非磁性粉末の分散安定性も改善される。また、潤滑剤としては遊離の状態で存在するため非磁性層、磁性層で融点の異なる脂肪酸を用い、表面へのにじみ出しを制御する、沸点や極性の異なるエステル類を用い表面へのにじみ出しを制御する、界面活性剤量を調節することで塗布の安定性を向上させる、潤滑剤の添加量を非磁性層で多くして潤滑効果を向上させるなどが考えられる。また本発明で用いられる添加剤のすべて又はその一部は、磁性層又は非磁性層用の塗布液の製造時のいずれの工程で添加してもよい。例えば、混練工程前に強磁性粉末と混合する場合、強磁性粉末と結合剤と溶剤による混練工程で添加する場合、分散工程で添加する場合、分散後に添加する場合、塗布直前に添加する場合などがある。
次に本発明における下塗層について説明する。下塗層としては、後述のRaおよび(P1 −P0)および(P1−P20)の値を満足すればとくにその組成を制限するものではないが、以下のような非磁性層であるのが好ましい。
[非磁性層]
非磁性層に関する詳細な内容について説明する。非磁性層に使用できる非磁性粉末は、無機物質でも有機物質でもよい。また、カーボンブラック等も使用できる。無機物質としては、例えば金属、金属酸化物、金属炭酸塩、金属硫酸塩、金属窒化物、金属炭化物、金属硫化物などが挙げられる。
具体的には二酸化チタン等のチタン酸化物、酸化セリウム、酸化スズ、酸化タングステン、ZnO、ZrO、SiO、Cr、α化率90〜100%のα−アルミナ、β−アルミナ、γ−アルミナ、α−酸化鉄、ゲータイト、コランダム、窒化珪素、チタンカーバイト、酸化マグネシウム、窒化ホウ素、2硫化モリブデン、酸化銅、MgCO、CaCO、BaCO、SrCO、BaSO、炭化珪素、炭化チタンなどが単独又は2種類以上を組み合わせて使用される。好ましいのは、α−酸化鉄、酸化チタンである。
非磁性粉末の形状は、針状、球状、多面体状、板状のいずれでもあってもよい。非磁性粉末の結晶子サイズは、4nm〜1μmが好ましく、40〜100nmがさらに好ましい。結晶子サイズが4nm〜1μmの範囲であれば、分散が困難になることもなく、また好適な表面粗さを有するため好ましい。これら非磁性粉末の平均粒径は、5nm〜2μmが好ましいが、必要に応じて平均粒径の異なる非磁性粉末を組み合わせたり、単独の非磁性粉末でも粒径分布を広くしたりして同様の効果をもたせることもできる。とりわけ好ましい非磁性粉末の平均粒径は、10〜200nmである。5nm〜2μmの範囲であれば、分散も良好で、かつ好適な表面粗さを有するため好ましい。
非磁性粉末の比表面積は、1〜200m/gであり、好ましくは5〜70m/gであり、さらに好ましくは10〜65m/gである。比表面積が1〜100m/gの範囲内にあれば、好適な表面粗さを有し、かつ、所望の結合剤量で分散できるため好ましい。ジブチルフタレート(DBP)を用いた吸油量は、5〜200ml/100g、好ましくは10〜80ml/100g、さらに好ましくは20〜60ml/100gである。比重は1〜12、好ましくは3〜6である。タップ密度は0.05〜2g/ml、好ましくは0.2〜1.5g/mlである。タップ密度が0.05〜2g/mlの範囲であれば、飛散する粒子が少なく操作が容易であり、また装置にも固着しにくくなる傾向がある。非磁性粉末のpHは2〜11であることが好ましいが、pHは6〜9の間が特に好ましい。pHが2〜11の範囲にあれば、高温、高湿下又は脂肪酸の遊離により摩擦係数が大きくなることはない。非磁性粉末の含水率は、0.1〜5質量%、好ましくは0.2〜3質量%、さらに好ましくは0.3〜1.5質量%である。含水量が0.1〜5質量%の範囲であれば、分散も良好で、分散後の塗料粘度も安定するため好ましい。強熱減量は、20質量%以下であることが好ましく、強熱減量が小さいものが好ましい。
また、非磁性粉末が無機粉体である場合には、モース硬度は4〜10のものが好ましい。モース硬度が4〜10の範囲であれば耐久性を確保することができる。非磁性粉末のステアリン酸吸着量は、1〜20μmol/mであり、さらに好ましくは2〜15μmol/mである。非磁性粉末の25℃での水への湿潤熱は、200〜600erg/cm(200〜600mJ/m)の範囲にあることが好ましい。また、この湿潤熱の範囲にある溶媒を使用することができる。100〜400℃での表面の水分子の量は1〜10個/100Åが適当である。水中での等電点のpHは、3〜9の間にあることが好ましい。これらの非磁性粉末の表面には表面処理が施されることによりAl、SiO、TiO、ZrO、SnO、Sb、ZnOが存在することが好ましい。特に分散性に好ましいのはAl、SiO、TiO、ZrOであるが、さらに好ましいのはAl、SiO、ZrOである。これらは組み合わせて使用してもよいし、単独で用いることもできる。また、目的に応じて共沈させた表面処理層を用いてもよいし、先ずアルミナで処理した後にその表層をシリカで処理する方法、またはその逆の方法を採ることもできる。また、表面処理層は目的に応じて多孔質層にしても構わないが、均質で密である方が一般には好ましい。
本発明の非磁性層に用いられる非磁性粉末の具体的な例としては、例えば、昭和電工製ナノタイト、住友化学製HIT−100、ZA−G1、戸田工業社製DPN−250、DPN−250BX、DPN−245、DPN−270BX、DPB−550BX、DPN−550RX、石原産業製酸化チタンTTO−51B、TTO−55A、TTO−55B、TTO−55C、TTO−55S、TTO−55D、SN−100、MJ−7、α−酸化鉄E270、E271、E300、チタン工業製STT−4D、STT−30D、STT−30、STT−65C、テイカ製MT−100S、MT−100T、MT−150W、MT−500B、T−600B、T−100F、T−500HDなどが挙げられる。堺化学製FINEX−25、BF−1、BF−10、BF−20、ST−M、同和鉱業製DEFIC−Y、DEFIC−R、日本アエロジル製AS2BM、TiO2P25、宇部興産製100A、500A、チタン工業製Y−LOP及びそれを焼成したものが挙げられる。特に好ましい非磁性粉末は二酸化チタンとα−酸化鉄である。
非磁性層には非磁性粉末と共に、カーボンブラックを混合し表面電気抵抗を下げ、光透過率を小さくすると共に、所望のマイクロビッカース硬度を得ることができる。非磁性層のマイクロビッカース硬度は、通常25〜60kg/mm(245〜588MPa)、好ましくはヘッド当りを調整するために、30〜50kg/mm(294〜490MPa)であり、薄膜硬度計(日本電気製HMA−400)を用いて、稜角80度、先端半径0.1μmのダイヤモンド製三角錐針を圧子先端に用いて測定することができる。光透過率は一般に波長900nm程度の赤外線の吸収が3%以下、たとえばVHS用磁気テープでは0.8%以下であることが規格化されている。このためにはゴム用ファーネス、ゴム用サーマル、カラー用ブラック、アセチレンブラック等を用いることができる。
本発明の非磁性層に用いられるカーボンブラックの比表面積は100〜500m/g、好ましくは150〜400m/g、DBP吸油量は20〜400ml/100g、好ましくは30〜200ml/100gである。カーボンブラックの粒子径は5〜80nm、好ましく10〜50nm、さらに好ましくは10〜40nmである。カーボンブラックのpHは2〜10、含水率は0.1〜10%、タップ密度は0.1〜1g/mlが好ましい。
本発明の非磁性層に用いることができるカーボンブラックの具体的な例としては、キャボット社製BLACKPEARLS 2000、1300、1000、900、800、880、700、VULCAN XC−72、三菱化学社製#3050B、#3150B、#3250B、#3750B、#3950B、#950、#650B、#970B、#850B、MA−600、コロンビアカーボン社製CONDUCTEX SC、RAVEN8800、8000、7000、5750、5250、3500、2100、2000、1800、1500、1255、1250、ケッチェン・ブラック・インターナショナル社製ケッチェンブラックECなどが挙げられる。
また、カーボンブラックを分散剤などで表面処理したり、樹脂でグラフト化して使用しても、表面の一部をグラファイト化したものを使用してもかまわない。また、カーボンブラックを塗料に添加する前にあらかじめ結合剤で分散してもかまわない。これらのカーボンブラックは上記無機粉末に対して50質量%を越えない範囲、非磁性層総質量の40%を越えない範囲で使用できる。これらのカーボンブラックは単独、または組み合せで使用することができる。本発明の非磁性層で使用できるカーボンブラックは例えば「カーボンブラック便覧」カーボンブラック協会編、を参考にすることができる。
また非磁性層には目的に応じて有機質粉末を添加することもできる。このような有機質粉末としては、例えば、アクリルスチレン系樹脂粉末、ベンゾグアナミン樹脂粉末、メラミン系樹脂粉末、フタロシアニン系顔料が挙げられるが、ポリオレフィン系樹脂粉末、ポリエステル系樹脂粉末、ポリアミド系樹脂粉末、ポリイミド系樹脂粉末、ポリフッ化エチレン樹脂も使用することができる。その製法は、特開昭62−18564号公報、特開昭60−255827号公報に記されているようなものが使用できる。
非磁性層の結合剤樹脂、潤滑剤、分散剤、添加剤、溶剤、分散方法その他は、磁性層のそれが適用できる。特に、結合剤樹脂量、種類、添加剤、分散剤の添加量、種類に関しては磁性層に関する公知技術が適用できる。
また上記とは別に、下塗層は、支持体と磁性層との接着力を向上させることを目的とした層であってもよい。このような下塗層としては、溶剤への可溶性のポリエステル樹脂等が挙げられる。
本発明における下塗層は、中心線平均表面粗さRaが2.5nm以下である必要がある。好ましくは、Raが2.2nm以下であり、さらに好ましくは1.8nm以下である。下塗層のRaは理想的には、0nmであるが、現実的には多少の変動があったほうが、製造時における取り扱い、滑り性付与の観点から好ましく、0.2nm以上あることが好ましい。Raが上記範囲外であると、例えば磁気テープの場合には、その走行が不安定になり、出力が低下したりして、エラーレートが高くなる。
本発明における下塗層は、その表面の凹凸の中心値をP0、下塗層の最大の凸量をP1、順次第2番目、第3番目、第4番目、第5番目、・・・、第19番目、第20番目の凸量をP2、P3、P4、P5、・・・、P19、P20とした時の(P1−P0)が15nm以下であり、(P1−P20)が3nm以下であることが必要である(以下、本発明の要件を満たす(P1−P0)および(P1−P20)をP値ということがある)。好ましくは、(P1−P0)が13nm以下であり、(P1−P20)が2.5nm以下である。さらに好ましくは、(P1−P0)が10nm以下であり、(P1−P20)が1.5nm以下である。
本発明のP値を有することによって、例えば媒体がテープであり、再生ヘッドがMRヘッドであるときに、磁気テープがヘッドに対して均一に当たるのでコンタクトが良くなり、出力が向上し、エラーレートが低くなる。また、このような均一な突起があると、摩擦係数が低くなると共に、MRヘッドに対するスムーズな走行性が得られる。
なお、前記RaおよびP値は、ZYGO社製汎用三次元表面構造解析装置NewView5000による走査型白色光干渉法にて、測定視野は、350μm×260μm、Scan Lengthを5μmで測定することができる。
本発明における磁性層は、中心線平均表面粗さRaが3.2nm以下であり、好ましくは、Raが3.0nm以下であり、更に好ましくは2.5nm以下である。Raが上記範囲を満たすことにより、例えば磁気テープの場合には、その走行安定性が高まり、出力およびエラーレートが改善される。Raは、下限の0.5nmを下回ると、表面が平滑すぎて走行系と凝着を起こし好ましくない。
また、本発明における磁性層は、その表面の凹凸の中心値をP0 、磁性層の最大の凸量をP1 、順次第2番目、第3番目、第4番目、第5番目、・・・、第19番目、第20番目の凸量をP2、P3 、P4 、P5 、・・・、P19、P20とした時の(P1−P0)が25nm以下であり、かつ(P1 −P20)が4nm以下であるのが好ましい。好ましくは、(P1−P0)が20nm以下であり、(P1 −P20)が3nm以下である。さらに好ましくは、(P1−P0)が15nm以下であり、(P1 −P20)が2nm以下である。
P値の調整は、例えば、支持体上に下塗層または磁性層の塗布液を塗布し乾燥した後のカレンダー処理条件、カレンダー処理後の巻取り張力やエージング(加熱静置処理)条件などを適宜変更することにより可能である。
[層構成]
本発明で用いられる磁気記録媒体の厚み構成は、支持体の厚みが前述のように好ましくは2〜13μm、とくに好ましくは3〜8μmである。
磁性層の厚みは、用いる磁気ヘッドの飽和磁化量やヘッドギャップ長、記録信号の帯域により最適化されるものであるが、0.3μm(300nm)以下、好ましくは10〜200nmであり、さらに好ましくは20〜100nmである。また、磁性層の厚み変動率は±40%以内が好ましく、さらに好ましくは±30%以内で、もっとも好ましくは0〜15%である。磁性層は少なくとも一層あればよく、磁性層を異なる磁気特性を有する2層以上に分離してもかまわず、公知の重層磁性層に関する構成が適用できる。
本発明の下塗層、例えば非磁性層の厚みは、0.1〜2.5μmであり、0.2〜1.5μmであることが好ましく、0.3〜1.0μmであることが更に好ましい。なお、本発明の磁気記録媒体の非磁性層は、実質的に非磁性であればその効果を発揮するものであり、例えば不純物として、あるいは意図的に少量の磁性体を含んでいても、本発明の効果を示すものであり、本発明の磁気記録媒体と実質的に同一の構成とみなすことができる。なお、実質的に同一とは、非磁性層の残留磁束密度が10mT以下又は抗磁力が7.96kA/m(100Oe)以下であることを示し、好ましくは残留磁束密度と抗磁力を持たないことを意味する。
[バック層]
本発明の磁気記録媒体には、支持体の他方の面にバック層を設ける。バック層には、カーボンブラックと無機粉末が含有されていることが好ましい。結合剤、各種添加剤は、磁性層や非磁性層の処方が適用される。バック層の厚みは、0.9μm以下が好ましく、0.1〜0.7μmが更に好ましい。
本発明の磁気記録媒体は、全厚みが4〜9μmであり、好ましくは5〜8μmである。
[製造方法]
本発明で用いられる磁気記録媒体の磁性層塗布液を製造する工程は、少なくとも混練工程、分散工程、及びこれらの工程の前後に必要に応じて設けた混合工程からなる。個々の工程はそれぞれ2段階以上に分かれていてもかまわない。本発明で用いられる強磁性粉末、非磁性粉末、結合剤、カーボンブラック、研磨材、帯電防止剤、潤滑剤、溶剤などすべての原料はどの工程の最初又は途中で添加してもかまわない。また、個々の原料を2つ以上の工程で分割して添加してもかまわない。例えば、ポリウレタンを混練工程、分散工程、分散後の粘度調整のための混合工程で分割して投入してもよい。本発明の目的を達成するためには、従来の公知の製造技術を一部の工程として用いることができる。混練工程ではオープンニーダ、連続ニーダ、加圧ニーダ、エクストルーダなど強い混練力をもつものを使用することが好ましい。これらの混練処理の詳細については特開平1−106338号公報、特開平1−79274号公報に記載されている。また、磁性層用液及び非磁性層用液を分散させるには、ガラスビーズを用いることができる。このようなガラスビーズは、高比重の分散メディアであるジルコニアビーズ、チタニアビーズ、スチールビーズが好適である。これら分散メディアの粒径と充填率は最適化して用いられる。分散機は公知のものを使用することができる。
本発明の磁気記録媒体の製造方法では、例えば、走行下にある支持体の表面に磁性塗布液を所定の膜厚となるようにして磁性層を塗布して形成する。ここで複数の磁性層塗布液を逐次又は同時に重層塗布してもよく、非磁性層塗布液と磁性層塗布液とを逐次又は同時に重層塗布してもよい。上記磁性塗布液又は非磁性層塗布液を塗布する塗布機としては、エアードクターコート、ブレードコート、ロッドコート、押出しコート、エアナイフコート、スクイズコート、含浸コート、リバースロールコート、トランスファーロールコート、グラビヤコート、キスコート、キャストコート、スプレイコート、スピンコート等が利用できる。これらについては例えば(株)総合技術センター発行の「最新コーティング技術」(昭和58年5月31日)を参考にできる。
なお、非磁性層塗布液と磁性層塗布液とを同時あるいは逐次に重層塗布した場合、下塗層に相当する非磁性層のRa値及びP値は、得られた磁気記録媒体の断面を電子顕微鏡観察することにより算出することができる。この場合、非磁性層表面に対応する断面曲線からJIS B0601に準じてRa値及びP値が算出される。
磁性層塗布液の塗布層は、磁気テープの場合、磁性層塗布液の塗布層中に含まれる強磁性金属粉末にコバルト磁石やソレノイドを用いて長手方向に磁場配向処理を施す。ディスクの場合、配向装置を用いず無配向でも十分に等方的な配向性が得られることもあるが、コバルト磁石を斜めに交互に配置すること、ソレノイドで交流磁場を印加するなど公知のランダム配向装置を用いることが好ましい。等方的な配向とは強磁性金属粉末の場合、一般的には面内2次元ランダムが好ましいが、垂直成分をもたせて3次元ランダムとすることもできる。また異極対向磁石など公知の方法を用い、垂直配向とすることで円周方向に等方的な磁気特性を付与することもできる。特に高密度記録を行う場合は垂直配向が好ましい。また、スピンコートを用いて円周配向することもできる。
乾燥風の温度、風量、塗布速度を制御することで塗膜の乾燥位置を制御できる様にすることが好ましく、塗布速度は20m/分〜1000m/分、乾燥風の温度は60℃以上が好ましい。また磁石ゾーンに入る前に適度の予備乾燥を行い磁性体の配向を準固定化することもできる。
本発明におけるカレンダー処理は、例えばスーパーカレンダーロールなどが利用される。カレンダー処理を適切な条件で行うことにより、本発明におけるP値が獲得できるとともに、乾燥時の溶剤の除去によって生じた空孔が消滅し磁性層中の強磁性粉末の充填率が向上するので、電磁変換特性の高い磁気記録媒体を得ることができる。カレンダ処理ロールとしてはエポキシ、ポリイミド、ポリアミド、ポリアミドイミド等の耐熱性プラスチックロールを使用する。また金属ロールで処理することもできる。
本発明の磁気記録媒体は、前述のように極めて優れた平滑性を有する表面であることが好ましい。その方法として、例えば上述したように特定の強磁性粉末と結合剤とを選んで形成した磁性層を上記カレンダ処理を施すことにより行われる。カレンダ処理条件としては、カレンダーロールの温度を60〜100℃の範囲、好ましくは70〜100℃の範囲、特に好ましくは80〜100℃の範囲であり、圧力は100〜500kg/cm(98〜490kN/m)の範囲であり、好ましくは200〜450kg/cm(196〜441kN/m)の範囲であり、特に好ましくは300〜400kg/cm(294〜392kN/m)の範囲の条件で作動させることによって行われることが好ましい。
下塗層の凹凸制御は、巻き取られたときの対面側層からの写りも重要で巻き取りの張力(5〜20Kg/m:50〜100N/m)、保管条件による写りを適度に制御することが重要である。
得られた磁気記録媒体は、裁断機などを使用して所望の大きさに裁断して使用することができる。裁断機としては、特に制限はないが、回転する上刃(雄刃)と下刃(雌刃)の組が複数設けられたものが好ましく、適宜、スリット速度、噛み合い深さ、上刃(雄刃)と下刃(雌刃)の周速比(上刃周速/下刃周速)、スリット刃の連続使用時間等が選定される。
裁断後の磁気記録媒体には、公知の超硬刃・セラミック刃/ラッピング/ダイヤモンドホイール/ティッシュ処理の少なくとも1つ以上の処理を行うのが好ましい。これは、ラッピングテープ(研磨テープ)などを磁気記録媒体の表面と接触させ、ラッピングテープを磁気記録媒体の走行方向と反対方向に移動させ、ラッピングテープの上部から圧力を加えて研磨処理を行い、続いて、ダイヤモンドを表面に有するホイールと磁気記録媒体の表面と接触させ、同様にホイールを磁気記録媒体の走行方向と反対方向に移動させ研磨処理を行い、最後にティッシュまたは布帛を磁性層表面と接触させてクリーニング処理を行うというものである。
[物理特性]
本発明に用いられる磁気記録媒体の磁性層の飽和磁束密度は100〜300mTが好ましい。また磁性層の抗磁力(Hc)は、143.3〜318.4kA/m(1800〜4000Oe)が好ましく、159.2〜278.6kA/m(2000〜3500Oe)が更に好ましい。抗磁力の分布は狭い方が好ましく、SFD及びSFDrは0.6以下、さらに好ましくは0.2以下である。
本発明で用いられる磁気記録媒体のヘッドに対する摩擦係数は、温度−10〜40℃、湿度0〜95%の範囲において0.50以下であり、好ましくは0.3以下である。また、表面固有抵抗は、好ましくは磁性面10〜1012Ω/sq、帯電位は−500V〜+500V以内が好ましい。磁性層の0.5%伸びでの弾性率は、面内各方向で好ましくは0.98〜19.6GPa(100〜2000kg/mm)、破断強度は、好ましくは98〜686MPa(10〜70kg/mm)、磁気記録媒体の弾性率は、面内各方向で好ましくは0.98〜14.7GPa(100〜1500kg/mm)、残留のびは、好ましくは0.5%以下、100℃以下のあらゆる温度での熱収縮率は、好ましくは1%以下、さらに好ましくは0.5%以下、最も好ましくは0.1%以下である。
磁性層のガラス転移温度(動的粘弾性測定装置、レオバイブロン等により、110Hzで測定した動的粘弾性測定の損失正接の極大点)は50〜180℃が好ましく、非磁性層のそれは0〜180℃が好ましい。損失弾性率は1×10〜8×10Pa(1×10〜8×10dyne/cm)の範囲にあることが好ましく、損失正接は0.2以下であることが好ましい。損失正接が大きすぎると粘着故障が発生しやすい。これらの熱特性や機械特性は媒体の面内各方向において10%以内でほぼ等しいことが好ましい。
磁性層中に含まれる残留溶媒は好ましくは100mg/m以下、さらに好ましくは10mg/m以下である。塗布層が有する空隙率は非磁性層、磁性層とも好ましくは40容量%以下、さらに好ましくは30容量%以下である。空隙率は高出力を果たすためには小さい方が好ましいが、目的によってはある値を確保した方が良い場合がある。例えば、繰り返し用途が重視されるディスク媒体では空隙率が大きい方が走行耐久性は好ましいことが多い。
磁性層の最大高さSRmaxは、0.5μm以下、十点平均粗さSRzは0.3μm以下、中心面山高さSRpは0.3μm以下、中心面谷深さSRvは0.3μm以下、中心面面積率SSrは20〜80%、平均波長Sλaは5〜300μmが好ましい。これらは支持体のフィラーによる表面性のコントロールやカレンダ処理のロール表面形状などで容易にコントロールすることができる。カールは±3mm以内とすることが好ましい。
本発明の磁気記録媒体として非磁性層と磁性層で構成した場合、目的に応じ非磁性層と磁性層でこれらの物理特性を変えることができる。例えば、磁性層の弾性率を高くし走行耐久性を向上させると同時に非磁性層の弾性率を磁性層より低くして磁気記録媒体のヘッドへの当りを良くすることができる。
以下、本発明を実施例によって説明するが、本発明は下記例に限定されるものではない。
なお実施例中の「部」の表示は「質量部」を示す。
(実施例1)
《下塗層用塗料成分》
(1)
酸化鉄粉末(平均粒径:0.08×0.01μm) 70部
α−アルミナ(平均粒径:0.05μm) 8部
カーボンブラック 24部
(平均粒径:19nm、DBP吸油量:120ml/100g)
ステアリン酸/パルミチン酸 2部
塩化ビニル−ヒドロキシプロピルアクリレート共重合体 0.8部
(−SONa基:0.8×10−4当量/g含有)
ポリエステルポリウレタン樹脂 4.4部
(Tg:60℃、−SONa基:2×10−4当量/g含有)
シクロヘキサノン 30部
メチルエチルケトン 60部
トルエン 10部
(2)
ステアリン酸イソオクチル 1部
シクロヘキサノン 40部
メチルエチルケトン 120部
トルエン 20部
(3)
ポリイソシアネート(日本ポリウレタン社製コロネートL) 4.4部
シクロヘキサノン 10部
メチルエチルケトン 30部
トルエン 10部
《磁性層用塗料成分》
(1)
バリウムフェライト粉末 100部
Hc:2600Oe(208kA/m)
BET:60m2/g、σs:50A・m2/kg
平均板径:28nm、平均板状比:2.5
塩化ビニル−ヒドロキシプロピルアクリレート共重合体 15部
(−SONa基:0.8×10−4当量/g含有)
ポリエステルポリウレタン樹脂 6部
(−SONa基:1.3×10−4当量/g含有)
ダイヤモンド(平均粒径:0.10μm) 8部
α−アルミナ(平均粒径:0.08μm) 2部
カーボンブラック 1部
(平均粒径:35nm、DBP吸油量:72ml/100g)
フェニルホスホン酸 2部
パルミチン酸アミド 1.5部
ステアリン酸イソオクチル 1部
シクロヘキサノン 80部
メチルエチルケトン 300部
トルエン 50部
(2)
ポリイソシアネート 2部
シクロヘキサノン 167部
上記の下塗層用塗料成分において(1)を混練したのち、(2)を加えて攪拌の後サンドミル様分散機で滞留時間を60分として分散処理を行い、これに(3)を加え攪拌・濾過した後、下塗層用塗料とした。
これとは別に、上記の磁性層用塗料成分(1)をニーダで混練したのち、サンドミルで滞留時間を45分として分散し、これに磁性層用塗料成分(2)を加え攪拌・濾過後、磁性塗料とした。上記の下塗層用塗料を、ポリエチレンナフタレートフイルム(厚さ5.5μm、MD=7GPa、MD/TD=1.3、帝人社製)からなる支持体上に、厚さが1.5μmとなるように塗布、乾燥、カレンダ処理して下塗層を設け、この下塗層上に、さらに上記の磁性層用塗料を磁場配向処理、乾燥、カレンダー処理後の磁性層の厚さが0.08μmとなるように塗布し、磁場配向処理後、ドライヤを用いて乾燥し、磁気テープを得た。なお、磁場配向処理は、ドライヤ前にN−N対抗磁石(500mT(5kG))を設置し、コーティングヘッドから500mmの位置にN−N対抗磁石(500mT(5kG))を2基25cm間隔で設置して行った。塗布速度は200m/分とした。
《バックコート層用塗料成分》
カーボンブラック(平均粒径:20nm) 95部
カーボンブラック(平均粒径:350nm) 5部
酸化鉄(平均長軸長:0.2μm、軸比:約10) 10部
ニトロセルロース 35部
ポリウレタン樹脂(SO3 Na基含有) 40部
シクロヘキサノン 300部
トルエン 200部
メチルエチルケトン 600部
上記バックコート層用塗料成分をサンドミルで滞留時間45分として分散した後、ポリイソシアネート15部を加えてバックコート層用塗料を調整し濾過した後、上記で作製した磁気テープの磁性層の反対面に、乾燥、カレンダ後の厚みが0.5μmとなるように塗布し、乾燥した。金属ロールからなる7段カレンダで、温度100℃、線圧150kg/cm(147kN/m)の条件で鏡面化処理し、磁気テープを巻取り張力0.1kg/cm(98N/m)でコアに巻き、その状態で70℃で72時間エージング処理したのち、1/2インチ幅に裁断した。このようにして得られた磁気テープを、カートリッジに組み込み、コンピュータ用テープを作製した。バックコート層のRa(測定条件は、磁性層と同じ)は4nmであった。
(実施例2〜6)および(比較例1〜4)
上記下塗層形成条件、鏡面化処理におけるカレンダ条件およびエージング条件、巻取り張力を変更し、下塗層および磁性層のP値、Raを下記のように調整し、コンピュータ用テープを作製した。
なお、比較例1の鏡面化処理における、カレンダ温度は120℃、線圧180kg/cm(176kN/m)、エージング条件80℃、72時間、巻取り張力0.15kg/cm(147N/m)である。
比較例2の鏡面化処理における、カレンダ温度は120℃、線圧180kg/cm(176kN/m)、エージング条件80℃、96時間、巻取り張力0.10kg/cm(98N/m)である。
比較例3の鏡面化処理における、カレンダ温度は120℃、線圧140kg/cm(137kN/m)、エージング条件80℃、48時間、巻取り張力0.10kg/cm(98N/m)である。
比較例4の鏡面化処理における、カレンダ温度は100℃、線圧140kg/cm(137kN/m)、エージング条件80℃、48時間、巻取り張力0.10kg/cm(98N/m)である。
得られた各テープについて、1パス後および10000パス後のC/N値およびエラーレートを調べた。
具体的な測定方法は、以下の通りである。
(電磁変換特性 C/N)
ドラムテスター(相対速度5m/sec)を用いて、C/Nの測定を行った。
Bs=1.6T、Gap長0.2μmのライトヘッドを用い、線記録密度200kFCIの信号を記録し、AMRヘッド(再生トラック幅(Tw):3μm、シールド間距離(sh−sh)=0.18μm)で再生した。
200kFCIの出力と0〜400kFCIの積分ノイズの比を測定した。
(エラーレート)(走行前後):磁気テープカートリッジを、LTO改造ドライブで記録トラック幅4μm、再生トラック幅3μm、線記録密度200kFCIの信号を記録し、走行初回と1000パス後(23℃50%RH)で再生したときのテープ始端部のエラーレート測定を行なった。(1パス後のエラーレート)/(10000パス後エラーレート)を示した。
結果を併せて表1に示す。
Figure 2007273038
表1から、本発明で規定する(1)磁性層の厚さが0.30μm以下であること、(2)磁性層の中心線平均表面粗さRaが3.2nm以下であること、(3)強磁性粉末の粉体サイズが80nm以下であること、(4)下塗層の中心線平均表面粗さRaが2.5nm以下であること、(5)該下塗層がP値の範囲内であること、をすべて満たすことにより、C/N値およびエラーレートが改善されていることが分かる。また、磁性層のみかけの表面性を同じにしても、下塗層のP値あるいはRaを満たさない場合は(比較例1〜4)、出力、耐久性に歪が出て高出力を維持できない。

Claims (3)

  1. 支持体の一方の面に、少なくとも一層の下塗層を設け、該下塗層上に強磁性粉末と結合剤とを含む磁性層を設け、該支持体の他方の面にバック層を設けてなり、下記の特性(1)〜(5)を全て満たすことを特徴とする磁気記録媒体。
    (1)該磁性層の厚さが0.30μm以下である。
    (2)該磁性層の中心線平均表面粗さRaが3.2nm以下である。
    (3)該強磁性粉末の粉体サイズが80nm以下である。
    (4)該下塗層の中心線平均表面粗さRaが2.5nm以下である。
    (5)該下塗層の凹凸の中心値をP0、下塗層の最大の凸量をP1、順次第2番目、第3番目、第4番目、第5番目、・・・、第19番目、第20番目の凸量をP2、P3、P4、P5、・・・、P19、P20とした時の(P1−P0)が15nm以下であり、(P1−P20)が3nm以下である。
  2. 前記磁性層の凹凸の中心値をP0 、磁性層の最大の凸量をP1、順次第2番目、第3番目、第4番目、第5番目、・・・、第19番目、第20番目の凸量をP2、P3、P4、P5、・・・、P19、P20とした時の(P1−P0)が25nm以下であり、かつ(P1−P20)が4nm以下であることを特徴とする請求項1に記載の磁気記録媒体。
  3. 支持体の一方の面に、少なくとも一層の下塗層を請求項1記載の特性(4)及び(5)を満たすように設け、該下塗層上に強磁性粉末と結合剤とを含む磁性層を設け、該支持体の他方の面にバック層を設けることにより、請求項1または2記載の磁気記録媒体を得ることを特徴とする磁気記録媒体の製造方法。
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