JP2007300929A - 新規蛋白質結合物 - Google Patents
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Abstract
または品質の優れたパンを製造するために有用な生地改良剤を提供する。
【構成】 蛋白質とサポニンまたは胆汁酸との結合物、該結合物を含有する
乳化剤、該結合物を含有する乳化組成物、および該結合物を配合することを特徴
とする乳化組成物の製造方法、該結合物を含有する生地改良剤、該結合物を含有
する生地、該生地を焼き上げてなるパン、および該生地を用いることを特徴とす
るパンの製造方法に関する。
【選択図】 なし
Description
蛋白質が界面に配位しやすいように構造を変えて、蛋白質に乳化特性を付与する方法としては、蛋白質へ脂肪酸を導入する方法(非特許文献1参照)、蛋白質へレシチンを導入する方法(特許文献1〜3参照)、蛋白質へリゾレシチンを導入する方法(特許文献4参照)、蛋白質へ多糖類を導入する方法(非特許文献2参照)、穀物蛋白質の部分分解物とサポニンとを混合する方法(特許文献5参照)等が知られている。
また、サポニンおよび胆汁酸は、ともに天然の界面活性剤として知られるが、これらの化合物は一般に親水性が強いため、それぞれ単独では乳化剤として用いられる対象物が制限される。さらに、サポニンまたは胆汁酸はそれぞれに特有な味と臭いを有するため、食品用乳化剤としては好ましくない。
一方、デバイダー、自動包あん機等の機械を用いた製パン法においては、生地が機械処理により損傷を受けるという問題がある。また、生地を冷凍保存または冷蔵保存した後に焼き上げて得られるパンは、比容積、内相、外観、風味等の品質、特に比容積において、通常の製パン法で得られるパンと比べて劣るという問題がある。
しかし、これらの方法を用いても、機械処理または冷蔵、冷凍保存によるパンの品質の劣化を解消することは難しいため、パンの品質向上を目的とする生地改良剤の開発は常に望まれている。また、通常の製パン法においても、パンの品質をさらに向上させ得る生地改良剤の開発が望まれている。
植物蛋白質としては、小麦蛋白質、大豆蛋白質、トウモロコシ蛋白質等の種子蛋白質等があげられる。動物蛋白質としては、ホエー蛋白質、カゼイン等の乳蛋白質、卵白蛋白質、卵黄蛋白質等の卵蛋白質、血漿蛋白質、血球蛋白質等の血液蛋白質、食肉蛋白質、魚肉蛋白質等の筋肉蛋白質等があげられる。
単純蛋白質としては、アルブミン、グロブリン、グルテリン、プロラミン、ヒストン、プロタミン等があげられる。
複合蛋白質としては、カゼイン等のリン蛋白質、ヘモグロビン等のヘム蛋白質、血漿リポ蛋白質等のリポ蛋白質、コラーゲン、フィブリノーゲン等の糖蛋白質等があげられる。
本発明の蛋白質として、大豆蛋白質、小麦蛋白質、血漿蛋白質、卵白蛋白質、ホエー蛋白質、カゼインまたはゼラチンが好適に用いられる。また、ゼラチンとしては冷水可溶性ゼラチンが、カゼインとしてはカゼインナトリウムが、それぞれ好適に用いられる。
本発明の結合物中のサポニンまたは胆汁酸の含有率はいずれでもよいが、好ましくは2〜50重量%、さらに好ましくは5〜20重量%である。
蛋白質を水性媒体中に5〜20重量%、好ましくは10〜15重量%となるように溶解または分散し、蛋白質の水溶液を調製する。一方、サポニンまたは胆汁酸を水性媒体中に0.2〜10重量%、好ましくは0.5〜3重量%となるように溶解または分散し、サポニンまたは胆汁酸の水溶液を調製する。水性媒体中でのサポニンまたは胆汁酸の溶解性または分散性を向上させるためには、該水溶液をホモゲナイザー、ホモミキサー等の撹拌装置で1〜5分間程度処理しておくとよい。また、上記の両水溶液の調製に際しては、最終製品における蛋白質とサポニンまたは胆汁酸との結合割合に応じて調製するとよい。
水性媒体は、水または水を主成分とする溶媒をいう。水を主成分とする溶媒は、水を主成分とし、蛋白質とサポニンまたは胆汁酸との結合が阻害されない範囲内で、他の成分、例えば、アルコール、糖、アミノ酸、金属イオン、有機酸、無機酸等を含む溶媒をいう。
撹拌終了後、該水溶液中に本発明の結合物が得られる。得られた水溶液はそのまま、または該水溶液から蛋白質と結合していないサポニンもしくは胆汁酸を除き、本発明の結合物としてもよい。また、該水溶液から結合物を単離、精製し、これを本発明の結合物としてもよい。
本発明の結合物は、以下の方法でも製造することができる。
上記方法により製造した結合物中のサポニンまたは胆汁酸の含有量は、例えば以下の方法により測定することができる。なお、本発明の結合物から、最初にアセトンにより抽出されるサポニンを遊離サポニン、クロロホルムにより抽出される胆汁酸を遊離胆汁酸とし、遊離サポニンまたは遊離胆汁酸を抽出した後に、クロロホルム−メタノール混合溶媒(容量比で2:1)で抽出されるサポニンまたは胆汁酸を結合サポニンまたは結合胆汁酸とする。
結合サポニン量または結合胆汁酸量=全サポニン量または全胆汁酸量−遊離サポニン量または遊離胆汁酸量
本発明の結合物中のサポニンまたは胆汁酸の含有量は、次式により算出することができる。
本発明の結合物中のサポニンまたは胆汁酸の含有率(重量%)=結合サポニン量または結合胆汁酸量/(全結合物量−全抽出物量)×100
本発明の結合物を乳化剤として用いることにより、酸性、通常pH3〜4付近を示す乳化組成物の常温での保存安定性または加熱安定性、塩、例えば10mM塩化カルシウム(CaCl2 )または0.5M塩化ナトリウム(NaCl)が存在しかつ酸性を示す乳化組成物の常温での保存安定性または加熱安定性、中性、通常pH7付近を示す乳化組成物の常温での保存安定性または加熱安定性、塩が存在しかつ中性を示す乳化組成物の常温での保存安定性または加熱安定性に、それぞれ優れた乳化組成物を調製することができる。また、本発明の結合物を食品用乳化剤として用いることにより、乳化安定性に優れるだけでなく、食品の風味の劣化が少ない乳化組成物を調製することができる。
本発明の乳化組成物の製造方法を以下に説明する。
水相または油相に本発明の結合物を配合した後に混合、撹拌処理をするか、水相と油相とを混合、撹拌処理をする際に本発明の結合物を配合する以外は、通常の工程により水相と油相とを乳化させて乳化組成物を製造すればよい。本発明の結合物は水相、油相のいずれの相に配合してもよいが、水相に配合することが好ましい。この際、本発明の結合物は、本発明の乳化組成物中の結合物の含有量となるように配合すればよい。撹拌処理において、乳化を促進させるためには、10〜60℃で強めの撹拌処理、例えばホモゲナイザーおよびホモミキサーでは、数千〜数万rpm 、通常は3,000 〜25,000rpm で1 〜30分程度の処理を行うことが好ましい。また、乳化組成物中の粒子の微細化を図るには、超音波ホモゲナイザー等で処理することが好ましい。
本発明の結合物を生地改良剤に用いる場合、結合物中の蛋白質はいずれでもよいが、小麦蛋白質またはゼラチンが好適に用いられる。
本発明の生地改良剤は、粉末状、顆粒状、ペースト状、乳液状等、いずれの形状を有していてもよい。
パン原料としては、穀物粉、酵母、食塩からなる主原料、糖類、乳製品、卵、油脂、改良剤、香辛料等、必要に応じて添加される副原料があげられる。
穀物粉としては、小麦粉、ライ麦粉、米粉、トウモロコシ粉等があげられ、小麦粉が好適に用いられる。
糖類としては、ショ糖、ブドウ糖、果糖、麦芽糖、グラニュー糖、蜂蜜、糖蜜、飴等があげられる。
乳製品としては、全乳、脱脂粉乳、全粉乳、練乳等があげられる。
油脂としては、バター、マーガリン、ラード、ヤシ油、大豆油、綿実油、ショートニング等があげられる。
改良剤としては、イーストフード、乳化剤、麦芽エキス等があげられる。
香辛料としては、バニラ、シナモン、ナツメグ、ジンジャー、ペパー等があげられる。
本発明の生地は、本発明の結合物をパン原料中の穀物粉100重量部に対して0.1〜20重量部、好ましくは0.5〜10重量部となるように、パン原料に添加し、必要に応じて食品添加物等を添加して、水を加えて混捏することにより製造することができる。
生地を焼き上げる方法としては、180 ℃程度以上の乾燥空気中で生地を焼成する方法、150 〜180 ℃程度の油脂中で生地を揚げる方法、100 ℃程度の蒸気中で生地を蒸す方法等があげられる。
本発明のパン製造方法は、本発明の生地を用いる以外は、中種法、ストレート法等、通常のパンの製造方法を用いることができる。
(1)70%中種法によるパンの製造
小麦粉、酵母、イーストフード等の中種原料に本発明の生地改良剤、水を加えて混捏し、25〜35℃で240 分間発酵(中種発酵)する。該発酵物に小麦粉、砂糖等を主成分とする本捏原料を混ぜ、水を加えて混捏した後、該混捏物を25〜35℃で15〜30分間発酵(第1次発酵)する。ついで、目的とするパンに応じて生地を分割し、15〜35℃で10〜30分間(ベンチタイム)放置する。放置後、生地を成形し、型に入れ、30〜45℃で一定の高さに生地が膨張するまで第2次発酵(ホイロ)を行う。ついで、180 〜220 ℃で8 〜25分間焼成してパンを製造する。
小麦粉、酵母、イーストフード等の中種原料に本発明の生地改良剤、水を加えて混捏し、25〜35℃で100 〜150 分間発酵(中種発酵)する。該発酵物に小麦粉、砂糖等を主成分とする本捏原料を混ぜ、水を加えて混捏した後、該混捏物を25〜35℃で40〜120 分間発酵(第1次発酵)する。ついで、生地を包あん機(レオン207 型機)で処理を行い、目的とするパンに応じて生地を分割し、15〜35℃で10〜30分間(ベンチタイム)放置する。放置後、生地を成形し、型に入れ、30〜45℃で一定の高さに生地が膨張するまで第2 次発酵(ホイロ)を行う。ついで、180 〜220 ℃で8 〜25分間焼成してパンを製造する。
小麦粉、酵母、イーストフード等のパン原料に本発明の生地改良剤、水を加えて混捏し、25〜35℃で30〜120 分間発酵する。ついで、目的とするパンに応じて生地を分割し、15〜35℃で10〜30分間(ベンチタイム)放置する。放置後、生地を成形し、−20〜−40℃で冷凍して冷凍生地を得る。冷凍保存終了後、生地を25〜35℃で解凍し、30〜45℃で一定の高さに生地が膨張するまで第2次発酵(ホイロ)を行う。ついで、180 〜220 ℃で8 〜25分間焼成してパンを製造する。
カゼインNaと胆汁末との結合物500mg にクロロホルム50mlを加え、常温で攪拌しながら20分間抽出した。抽出液を東洋ろ紙No.50を用いて減圧ろ過した。残査にクロロホルム50mlを加え、同様の操作を繰り返した。2回の抽出ろ液を合わせ、減圧濃縮した後、残査を60〜70℃で一定の重量になるまで乾燥した。得られた乾燥物の重量を秤量し、全抽出物量とした。上記抽出ろ液から一定量を採取し、Lowry 法によりカゼインNa量を算出した後、全抽出物量からカゼインNa量を引いた値を、遊離胆汁末量とした。
結合胆汁末量は、結合サポニン量または結合胆汁酸量にかかる上記算出式により、結合物中の胆汁末の含有量は、結合物中のサポニンまたは胆汁酸の含有量にかかる上記算出式により、それぞれ算出した。
その結果、カゼインNaと胆汁末との結合物中の胆汁末の含有率は5 %であった。
分離大豆蛋白質とキラヤサポニンとの結合物中のキラヤサポニンの含有率は、クロロホルムの代わりにアセトンを用いる以外は実施例1と同様な方法により算出した結果、5 %であった。
卵白蛋白質とキラヤサポニンとの結合物中のキラヤサポニンの含有率は、クロロホルムの代わりにアセトンを用いる以外は実施例1と同様な方法により算出した結果、5 %であった。
ホエー蛋白質とキラヤサポニンとの結合物中のキラヤサポニンの含有率は、クロロホルムの代わりにアセトンを用いる以外は実施例1と同様な方法により算出した結果、5 %であった。
ホエー蛋白質とコール酸Naとの結合物中のコール酸Naの含有率は、実施例1と同様な方法により算出した結果、11%であった。
ゼラチンと胆汁末との結合物中の胆汁末の含有率は、実施例1と同様な方法により算出した結果、5 %であった。
血漿蛋白質と胆汁末との結合物中の胆汁末の含有率は、実施例1と同様な方法により算出した結果、5 %であった。
ゼラチンとキラヤサポニンとの結合物中のキラヤサポニンの含有率は、クロロホルムの代わりにアセトンを用いる以外は実施例1と同様な方法により算出した結果、5 %であった。
カゼインNaとコール酸Naとの結合物中のコール酸Naの含有率は、実施例1と同様な方法により算出した結果、19%であった。
グルテンとキラヤサポニンとの結合物中のキラヤサポニンの含有率は、クロロホルムの代わりにアセトンを用いる以外は実施例1と同様な方法により算出した結果、5 %であった。
グルテンと胆汁末との結合物中の胆汁末の含有率は、実施例1と同様な方法により算出した結果、5 %であった。
グリアジンとユッカサポニンとの結合物中のユッカサポニンの含有量は、クロロホルムの代わりにアセトンを用いる以外は実施例1と同様な方法により算出した結果、5 %であった。
グルテニンと胆汁末との結合物中の胆汁末の含有量は、実施例1と同様な方法により算出した結果、5 %であった。
(配合)
サラダ油 75 %
ショ糖 1 %
食酢 10 %
食塩 1.4%
洋からし 0.4%
こしょう 0.1%
グルタミン酸ナトリウム 0.1%
水 7 %
卵白蛋白質とキラヤサポニンとの結合物 5 %
(製法)
ショ糖、食酢、食塩、洋からし、こしょう、MSG 、水、卵白蛋白質とキラヤサポニンとの結合物を混合し、次いで、混合攪拌しながらサラダ油をゆっくり添加してマヨネーズ風調味料を調製する。
(配合)
油相:
ナタネ硬化油 25 %
水相:
ショ糖脂肪酸エステル(HLB 16) 1 %
脱脂粉乳 2.5%
カゼインNaと胆汁末との結合物 2.5%
水 69 %
(製法)
上記配合で調製した油相と水相を混合し、常法に従って予備乳化、高圧均質化、滅菌処理し、コーヒーホワイトナーを製造する。
(配合)
油相:
チキン油 20%
水相:
畜肉エキス 20%
食塩 5%
水 50%
ゼラチンとキラヤサポニンとの結合物 5%
(製法)
上記配合で調製した油相と水相を混合し、常法に従って予備乳化、高圧均質化、滅菌処理し、含油調味料を製造する。
(中種原料)
強力粉 70重量部
酵母 2重量部
イーストフード 0.1重量部
(本捏原料)
強力粉 30重量部
砂糖 5重量部
食塩 2重量部
脱脂粉乳 2重量部
ショートニング 5重量部
工程:
(中種発酵)
ミキシング(低速3 分、中高速1 分)
捏上温度 24℃
発酵 28℃、240 分
(本捏〜焼成)
ミキシング(低速3 分、中低速2 分、低速2 分、中低速3 分、中高速3 分)
捏上温度 28℃
第1次発酵 (室温、20分)
分割 (450g)
ベンチタイム(室温、20分)
成形
ホイロ(38℃、85%RH、肩上1.5cm )
焼成(220 ℃、25分)
比較例1
グルテンと胆汁末との結合物 2重量部の代わりにグルテン 2重量部を用いる以外は、実施例17と同様な工程により、食パンを製造した。
グルテンと胆汁末との結合物 2重量部の代わりにグルテン1.9 重量部および胆汁末0.1 重量部を単に混合して用いる以外は、実施例17と同様な工程により、食パンを製造した。
比較例3
グルテンと胆汁末との結合物 2重量部および水44重量部の代わりに水42重量部だけを用いる以外は、実施例17と同様な工程により、食パンを製造した。
グルテンと胆汁末との結合物 2重量部の代わりにグリアジン 2重量部を用いる以外は、実施例17と同様な工程により、食パンを製造した。
比較例5
グルテンと胆汁末との結合物 2重量部の代わりにグルテニン 2重量部を用いる以外は、実施例17と同様な工程により、食パンを製造した。
(中種原料)
強力粉 70重量部
酵母 3.5重量部
イーストフード 0.2重量部
全卵 7重量部
グルコース 5重量部
(本捏原料)
強力粉 30重量部
グラニュー糖 20重量部
食塩 0.8重量部
脱脂粉乳 2重量部
ショートニング 8重量部
水 11重量部
製パン工程:
(中種発酵)
ミキシング(低速3 分、中高速1 分)
捏上温度 26℃
発酵 28℃、150 分
(本捏〜焼成)
ミキシング(低速3 分、中低速2 分、低速2 分、中低速3 分、中高速3 分)
捏上温度 28℃
第1次発酵 (室温、60分)
パンチ (90秒)
こしあん(150 重量部)を包あん[自動包あん機(レオン207型レオン自動機社製)により処理]
分割 (50g )
ホイロ(38℃、85%RH、50分)
焼成(200 ℃、8 分)
上記の中種原料に実施例11で得られたグルテンと胆汁末との結合物 2重量部および水35重量部を加えて、上記工程に従って中種発酵する。該発酵物に上記の本捏原料を混ぜた後、水を11重量部加えて、上記工程に従って本捏〜焼成を行い、菓子パンを製造する。
比較例6
グルテンと胆汁末との結合物 2重量部の代わりにグルテン 2重量部を用いる以外は、実施例22と同様な工程により、菓子パンを製造した。
グルテンと胆汁末との結合物 2重量部および水35重量部の代わりに水33重量部だけを用いる以外は、実施例22と同様な工程により、菓子パンを製造した。
強力粉 100重量部
酵母 7重量部
イーストフード 0.15 重量部
グラニュー糖 25重量部
食塩 0.8重量部
脱脂粉乳 3重量部
ショートニング 6重量部
全卵 10重量部
工程:
ミキシング(低速3 分、中低速2 分、低速2 分、中低速3 分、中高速5 分)
捏上温度 24℃
第1次発酵 (室温、30分)
分割 (50g )
ベンチタイム(室温、20分)
成形
冷凍( -20℃、1 カ月)
解冷凍(30℃、65%RH、40分)
ホイロ(38℃、85%RH、50分)
焼成(200 ℃、8 分)
比較例8
グルテンと胆汁末との結合物 2重量部の代わりにグルテン 2重量部を用いる以外は、実施例24と同様な工程により、菓子パンを製造した。
グルテンと胆汁末との結合物 2重量部の代わりに冷水可溶性ゼラチン 2重量部を用いる以外は、実施例24と同様な工程により、菓子パンを製造した。
比較例10
グルテンと胆汁末との結合物 2重量部および水46重量部の代わりに水44重量部だけを用いる以外は、実施例24と同様な工程により、菓子パンを製造した。
実施例1で得られたカゼインNaと胆汁末との結合物を2〜20g/L 含む酸性水溶液(pH3)を調製した。各水溶液7.5gに大豆サラダ油7.5gを配合し、高速攪拌装置(ULTRA-TURRAX T-25 、IKA 社製)を用いて30℃、20,500rpm で4 分間処理し、カゼインNaと胆汁末との結合物を含有する乳化組成物を調製した。
評価の指標としては、保存後の乳化安定率(全体積に占める乳化層の割合)が70%を維持するのに必要な乳化剤量をES70(g/L )とし、乳化剤濃度10g/L の時の保存後の乳化安定率を ESMax(%)として、これらを用いた。
結果を第1表に示す。
実施例2で得られた分離大豆蛋白質とキラヤサポニンとの結合物を2〜20g/L 含む酸性水溶液(pH3 )を調製した。各水溶液7.5gに大豆サラダ油7.5gを配合し、高速攪拌装置を用いて30℃、20,500rpm で4 分間処理し、分離大豆蛋白質とキラヤサポニンとの結合物を含有する乳化組成物を調製した。
結果を第2表に示す。
実施例3で得られた卵白蛋白質とキラヤサポニンとの結合物を2〜20g/L 含む10mMCaCl2 酸性水溶液(pH3)を調製した。各水溶液7.5gに大豆サラダ油7.5gを配合し、高速攪拌装置を用いて30℃、20,500rpm で4 分間処理し、卵白蛋白質とキラヤサポニンとの結合物を含有する乳化組成物を調製した。
得られた乳化組成物について、20℃、24時間での保存試験を行い、乳化安定性を評価した。
結果を第3表に示す。
実施例4で得られたホエー蛋白質とキラヤサポニンとの結合物を2〜20g/L 含む10mMCaCl2 酸性水溶液(pH3)を調製した。各水溶液7.5gに大豆サラダ油7.5gを配合し、高速攪拌装置を用いて30℃、20,500rpm で4 分間処理し、ホエー蛋白質とキラヤサポニンとの結合物を含有する乳化組成物を調製した。
得られた乳化組成物について、120 ℃、15分間での加熱試験を行い、試験例1と同じ評価の指標により、乳化安定性を評価した。
結果を第4表に示す。
実施例5で得られたホエー蛋白質とコール酸Naとの結合物を2〜20g/L 含む中性水溶液(pH7)を調製した。各水溶液7.5gに大豆サラダ油7.5gを配合し、高速攪拌装置を用いて30℃、20,500rpm で4 分間処理し、ホエー蛋白質とコール酸Naとの結合物を含有する乳化組成物を調製した。
得られた乳化組成物について、20℃、24時間の保存試験を行い、試験例1と同じ評価の指標により、乳化安定性を評価した。
結果を第5表に示す。
実施例6で得られたゼラチンと胆汁末との結合物を2〜20g/L 含む中性水溶液(pH7)を調製した。各水溶液7.5gに大豆サラダ油7.5gを配合し、高速攪拌装置を用いて30℃、20,500rpm で4 分間処理し、ゼラチンと胆汁末との結合物を含有する乳化組成物を調製した。
得られた乳化組成物について、120 ℃、15分間での加熱試験を行い、試験例1と同じ評価の指標により、乳化安定性を評価した。
結果を第6表に示す。
実施例7で得られた血漿蛋白質と胆汁末との結合物を2〜20g/L 含む10mMCaCl2 中性水溶液(pH7)を調製した。各水溶液7.5gに大豆サラダ油7.5gを配合し、高速攪拌装置を用いて30℃、20,500rpm で4 分間処理し、血漿蛋白質と胆汁末との結合物を含有する乳化組成物を調製した。
得られた乳化組成物について、20℃、24時間の保存試験を行い、試験例1と同じ評価の指標により、乳化安定性を評価した。
結果を第7表に示す。
実施例8で得られたゼラチンとキラヤサポニンとの結合物を2〜20g/L 含む10mMCaCl2 中性水溶液(pH7)を調製した。各水溶液7.5gに大豆サラダ油7.5gを配合し、高速攪拌装置を用いて30℃、20,500rpm で4 分間処理し、ゼラチンとキラヤサポニンとの結合物を含有する乳化組成物を調製した。
得られた乳化組成物について、120 ℃、15分間での加熱試験を行い、試験例1と同じ評価の指標により、乳化安定性を評価した。
結果を第8表に示す。
実施例9で得られたカゼインNaとコール酸Naとの結合物を2〜20g/L 含む酸性水溶液(pH3)を調製した。各水溶液7.5gに大豆サラダ油7.5gを配合し、高速攪拌装置を用いて30℃、20,500rpm で4 分間処理し、カゼインNaとコール酸Naとの結合物を含有する乳化組成物を調製した。
得られた乳化組成物について、20℃、24時間での保存試験を行い、乳化安定性を評価した。
結果を第9表に示す。
実施例10で得られたグルテンとキラヤサポニンとの結合物を2〜20g/L 含む中性水溶液(pH7)を調製した。各水溶液7.5gに大豆サラダ油7.5gを配合し、高速攪拌装置を用いて30℃、20,500rpm で4 分間処理し、グルテンとキラヤサポニンとの結合物を含有する乳化組成物を調製した。
得られた乳化組成物について、20℃、24時間の保存試験を行い、試験例1と同じ評価の指標により、乳化安定性を評価した。
結果を第10表に示す。
実施例17および比較例1〜3でそれぞれ得られた食パンの比容積を菜種置換法により測定した。
結果を第11表に示す。
実施例18〜20ならびに比較例1、4および5でそれぞれ得られた食パンの比容積を菜種置換法により測定した。
結果を第12表に示す。
実施例22および23ならびに比較例6および7でそれぞれ得られた菓子パンの比容積を菜種置換法により測定した。
結果を第13表に示す。
実施例24〜26ならびに比較例8〜10でそれぞれ得られた菓子パンの比容積を菜種置換法により測定した。
結果を第14表に示す。
Claims (10)
- 蛋白質と胆汁酸との結合物。
- 蛋白質が、小麦蛋白質、大豆蛋白質、血漿蛋白質、卵白蛋白質、ホエー蛋白質、カゼインおよびゼラチンから選ばれるいずれか1以上の蛋白質である請求項1記載の結合物。
- 結合物中の胆汁酸の含有率が、2〜50重量%である請求項1記載の結合物。
- 請求項1〜3のいずれかに記載の結合物を含有する乳化剤。
- 請求項1〜3のいずれかに記載の結合物を含有する乳化組成物。
- 請求項1〜3のいずれかに記載の結合物を配合することを特徴とする乳化組成物の製造方法。
- 請求項1〜3のいずれかに記載の結合物を含有する生地改良剤。
- 請求項1〜3のいずれかに記載の結合物を含有する生地。
- 請求項8記載の生地を焼き上げてなるパン。
- 請求項8記載の生地を用いることを特徴とするパンの製造方法。
Priority Applications (1)
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