JP2007296545A - 鋳抜きピンの取付構造及びそれを備えた金型 - Google Patents

鋳抜きピンの取付構造及びそれを備えた金型 Download PDF

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Abstract

【課題】簡易な構成で、鋳抜きピンの曲がりやかじりを防止できる鋳抜きピンの取付構造及びそれを備えた金型を提案することを目的とする。
【解決手段】鋳造製品に鋳抜き穴を形成するための鋳抜きピン2を金型に取り付ける鋳抜きピンの取付構造であって、一方の端部に鍔部21が形成され、鍔部21が形成された側と反対側の他方の端部20bが、可動型11に穿設された挿通孔13を介してキャビティに突出される鋳抜きピン2と、鍔部21と可動型11の外側面との間に配置され、鋳抜きピン2を可動型11の外側方向に向けて付勢する弾性部材3と、鋳抜きピン2の前記一方の端部に当接して、鋳抜きピン2を可動型11に係止させる固定部材4とを具備してなり、鋳抜きピン2は、固定部材4に係止された状態で、キャビティに突出された他方の端部20bが揺動自在に取り付けられている。
【選択図】図2

Description

本発明は、鋳抜きピンの取付構造及びそれを備えた金型に関し、より詳細には、鋳造製品に鋳抜き穴を形成するための鋳抜きピンを金型に取り付ける鋳抜きピンの取付構造及びそれを備えた金型に関する。
ダイカスト鋳造やグラビティ鋳造等で用いられる鋳造用金型には、鋳造製品の所定位置に鋳抜き穴を形成するための鋳抜きピンが取り付けられた構成が公知である。この鋳抜きピンは、通常、鋳造用金型の可動型に設けられ、金型の内側に形成されたキャビティに一端が突出された状態で取り付けられる。このような鋳造用金型を用いた鋳造では、キャビティ内に鋳抜きピンを臨ませた状態でキャビティ内に溶湯(溶融金属)を充填し、次いで、充填した溶湯が一定温度まで下がった後に、鋳抜きピンをキャビティから後退させ、または金型を型開きして鋳造製品から鋳抜きピンを抜き取ることで、残った鋳造製品に鋳抜き穴が形成される。
ところで、鋳造中は、キャビティ内に突出された鋳抜きピンには、溶湯が凝固する際の凝固収縮によって軸部表面に不均一な収縮応力(抱き力)が作用される。そのため、鋳抜きピンを鋳造製品から引き抜く際には、凝固溶湯によって鋳抜きピンに引っ掻き傷や摩耗等が発生し、さらに、凝固溶湯との摩擦抵抗によって曲がってしまう場合等があった。そして、鋳抜きピンが曲がった状態のまま鋳造製品より引き抜かれることで、鋳造製品及び鋳抜きピンが抉り取られてしまい(かじり)、鋳造製品の鋳抜き穴の成形精度に劣っていた。
このように鋳抜きピンの曲がりを防止し、鋳造製品のかじりを防止するという観点から、例えば、特許文献1又は特許文献2には、鋳抜きピンを金型に対して軸方向に移動可能に取り付けるとともに、鋳造製品より鋳抜きピンを抜き取る際に、鋳抜きピンの軸方向の移動に伴って回転させるように構成した鋳抜きピンの取付構造が開示されている(特許文献1又は特許文献2参照)。
実開平5−78357号公報 特開平9―192815号公報
なるほど、上述した特許文献1又は特許文献2に開示される鋳抜きピンの取付構造によれば、鋳抜きピンを回転させながら鋳造製品に対して方向に移動させることで、鋳抜きピンの曲がりや鋳造製品のかじり等を防止することができる。
しかし、上述したような構造によると、鋳抜きピンを移動・回転させるための油圧シリンダや駆動源等からなるシリンダ機構が大型化してしまい、鋳造装置に鋳抜きピンの軸方向に大きなスペースが必要であった。また、構造が複雑であり、一つの金型に複数の鋳抜きピンが設けられる取付構造においては適用することができなかった。
そこで、本発明においては、鋳抜きピンの取付構造及びそれを備えた金型に関し、前記従来の課題を解決するもので、簡易な構成で、鋳抜きピンの曲がりや鋳造製品のかじりを防止できる鋳抜きピンの取付構造及びそれを備えた金型を提案することを目的とする。
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するための手段を説明する。
すなわち、請求項1においては、鋳造製品に鋳抜き穴を形成するための鋳抜きピンを金型に取り付ける鋳抜きピンの取付構造であって、一方の端部に鍔部が形成され、該鍔部が形成された側と反対側の他方の端部が、金型に穿設された挿通孔を介してキャビティに突出される鋳抜きピンと、前記鍔部と金型の外側面との間に配置され、前記鋳抜きピンを金型の外側方向に向けて付勢する弾性部材と、前記鋳抜きピンの前記一方の端部に当接して、該鋳抜きピンを金型に係止させる固定部材とを具備してなり、前記鋳抜きピンは、前記固定部材に係止された状態で、前記キャビティに突出された前記他方の端部が揺動自在に取り付けられるものである。
請求項2においては、前記鋳抜きピンは、抜き勾配が付された軸部を有するものである。
請求項3においては、前記鋳抜きピンは、前記鍔部が平面視円形に形成されるものである。
請求項4においては、前記弾性部材としてコイルスプリングが用いられ、該弾性部材が円周上に複数配置されるものである。
請求項5においては、前記固定部材は、前記鋳抜きピン及び弾性部材を覆うようにして前記金型の外側面に取り付けられるものである。
請求項6においては、前記請求項1乃至請求項5のいずれか一項に記載の鋳抜きピンの取付構造を備えた金型である。
本発明の効果として、以下に示すような効果を奏する。
請求項1に示す構成としたので、鋳抜きピンを鋳造製品(凝固溶湯)から引き抜く際に、鋳抜きピンが凝固溶湯との摩擦力を低減する方向に傾動可能となって、鋳抜きピンに対する引っ掻き傷や摩耗等が生じるのを防止でき、ひいては凝固溶湯との摩擦抵抗によって生じる曲がりや鋳造製品のかじり等を防止できる。また、鋳抜きピンを簡易な構成で金型に取り付けることができる。
請求項2に示す構成としたので、鋳抜きピンを鋳造製品から引き抜く際に、鋳抜きピンに対する引っ掻き傷や摩耗等が生じるのを低減でき、また、挿通孔内で他方の端部が揺動可能となるように軸部を傾倒させることができる。
請求項3に示す構成としたので、鋳抜きピンの他方の端部をスムーズに揺動させることができるとともに、円周方向に旋回自在となるように取り付けることができ、鋳抜きピンを凝固溶湯との摩擦力を低減する方向に確実に揺動させることができ、引っ掻き傷や摩耗等が生じるのを効果的に防止できる。
請求項4に示す構成としたので、他方の端部が揺動されて、鋳抜きピンが所定方向に傾倒されても確実に元位置まで復帰させることができる。
請求項5に示す構成としたので、固定部材を金型と一体に移動させることができ、鋳抜きピンの取付構造を簡易に構成できる。
請求項6に示す構成としたので、鋳抜きピンが鋳造製品(凝固溶湯)から引き抜かれる際に、鋳抜きピンが凝固溶湯との摩擦力を低減する方向に傾動可能となって、鋳抜きピンに対する引っ掻き傷や摩耗等が生じるのを防止でき、ひいては凝固溶湯との摩擦抵抗によって生じる曲がりや鋳造製品のかじり等を防止できる。また、鋳抜きピンを簡易な構成で取り付けることができる。
次に、発明を実施するための最良の形態を説明する。
図1は本発明の一実施例に係る鋳抜きピン取付構造が設けられた鋳造用金型を示した断面図、図2は鋳抜きピン取付構造を示す断面図、図3は図2におけるA−A矢視断面図、図4は鋳抜きピンが旋回される様子を示した断面図、図5は別実施例における鋳抜きピン取付構造を示す断面図である。
なお、本実施例の金型1では、ダイカスト鋳造法によってシリンダヘッドが鋳造され、このシリンダヘッドには、金型1に設けられた鋳抜きピン2によって複数のヘッドボルト孔が形成される。
図1に示すように、本実施例の金型1は、ダイカスト鋳造法により、アルミニウム合金製のシリンダヘッドを得るものであって、固定式の固定型10と、固定型10に対して移動可能に配置された可動型11と、その他スライドコアや入子(図略)等がセットされて組み付けられている。このような金型1において、固定型10及び可動型11等の間には鋳造空間であるキャビティ12が形成されており、キャビティ12内に溶湯(図略)が充填され、溶湯が凝固することで目的とするシリンダヘッドが鋳造される。鋳造されたシリンダヘッドは、金型1が型開きされる際に可動型11より離型される。
可動型11には、鋳造製品たるシリンダヘッドに鋳抜き孔としてのヘッドボルト孔を形成するための複数の鋳抜きピン2・2・・・が取り付けられている。この鋳抜きピン2は、可動型11の移動と連動して鋳造製品に対して相対移動されて、鋳造製品より引き抜かれる。なお、鋳抜きピン2の形状及び金型1への取付構造は、略同一に構成されるため、以下の実施例では一の鋳抜きピン2の形状及びその取付構造について説明する。
図2及び図3に示すように、鋳抜きピン2は、可動型11を介して金型1の内側に形成されたキャビティ12に突出された状態で、該可動型11に取り付けられている。
具体的には、鋳抜きピン2を可動型11の外側方向に向けて付勢する弾性部材3と、可動型11の外側面14に鋳抜きピン2と弾性部材3とを覆うようにして取り付けられた固定部材4等とによって可動型11に取り付けられている。
鋳抜きピン2は、可動型11に穿設された挿通孔13に挿通される略円柱形状の部材より形成される軸部20と、軸部20の一方の端部20aに形成された鍔部21等とで構成され、軸部20の一方の端部20aと反対側の他方の端部20bがキャビティ12に穿設された挿通孔13を介して突出される。すなわち、可動型11には、外部とキャビティ12内部とを連通するようにして平面視略真円状の挿通孔13が穿設されており、この挿通孔13を介して鋳抜きピン2の軸部20が可動型11の外側からキャビティ12に突出されている。
軸部20は、一方の端部20aが可動型11の外側に突出され、他方の端部20bが可動型11の内側のキャビティ12に突出された状態で可動型11に取り付けられ、その外周面は、一方の端部20aから他方の端部20bにかけて、軸心Sに沿って徐々に半径方向に小さくなるように形成されて(縮径されて)抜き勾配が付けられている。この軸部20の抜き勾配は、軸部20の材料・長さ、鋳造製品の形状・構造、及び鋳造条件等に応じて適宜変更され、本実施例では、0.25°〜0.5°程度となるように調整されている。
鍔部21は、軸部20の一方の端部20aに形成され、軸心Sに直交する方向(軸部20の径方向)に平面視円形となるように突出されている。鍔部21は、鋳抜きピン2が可動型11に取り付けられた状態で可動型11の外側に位置される。鋳抜きピン2の端面には、一方の端部20aの端面と鍔部21の平面部とが同一平面上に位置されて平面部2aが形成されている。なお、本実施例では、鋳抜きピン2は、軸部20及び鍔部21が一体成形されて構成されるが、各軸部20及び鍔部21が別体として組み付けられて構成されてもよい。
また、鍔部21は、軸部20の側面からの突出長さが挿通孔13の径方向長さよりも大きくなるように形成され、該鍔部21における可動型11の外側面14と対向する平面部に、後述する弾性部材3の位置決め部としての凹部21a・21a・・・が凹設されている。本実施例では、凹部21aは、鍔部21の円周方向に沿って8箇所(図3参照)に穿設されている。
弾性部材3は、本実施例ではコイルスプリングが用いられており、鋳抜きピン2の鍔部21と可動型11の外側面14との間に配置され、一端が鍔部21の側面に穿設された凹部21aに嵌合されて位置決めされるとともに、他端が可動型11の外側面14に当接されている。本実施例では、弾性部材3は、円周上に複数配置され、具体的に、鍔部21に穿設された各凹部21aと対応する位置(8個所、図3参照)にそれぞれ配置されている。この弾性部材3によって、挿通孔13に挿通された鋳抜きピン2が可動型11の外側方向に向けて付勢される。なお、弾性部材3としては、コイルスプリングに限定されず、また後述するようにその配置構成も限定されない(例えば、図5参照)。
固定部材4は、可動型11の外側面14に固定され、可動型11の外側に配置される鋳抜きピン2の突出端(一方の端部20a及び鍔部21)と弾性部材3とを覆うようにして取り付けられる。具体的には、固定部材4は、内部が中空の略円柱形状に形成され、一端が開口された本体部40と、本体部40の開口端の縁部に連続して設けられたフランジ部41等とで構成されている。また、本体部40の閉止端の内側には、上述した鋳抜きピン2の平面部2aが密着して係止される係止面42が形成されている。
固定部材4は、本体部40の開口端を外側面14に対向させて、鋳抜きピン2及び弾性部材3の外側位置からこれらを内部に収納するようにして配置され、フランジ部41が外側面14に当接した状態でボルト43・43・・・によって可動型11に締結される。固定部材4が可動型11に取り付けられた状態で、弾性部材3によって付勢された鋳抜きピン2が、平面部2aを係止面42に密着させた状態で係止されて可動型11に取り付けられる。
鋳抜きピン2は、可動型11の外側から、可動型11の挿通孔13を介して上述した他方の端部20bがキャビティ12内に挿通された状態で可動型11に取り付けられる。そして、鋳抜きピン2は、鍔部21と可動型11(外側面14)との間に配置された弾性部材3によって可動型11の内側方向(つまり、キャビティ12への挿入方向)への移動が規制されるとともに、弾性部材3の弾性力によって可動型11の外側方向に向けて付勢される。このように弾性部材3によって付勢された鋳抜きピン2は、平面部2aが固定部材4の本体部40に形成された係止面42に密接されて係止されている。
本実施例では、弾性部材3及び固定部材4によって可動型11に取り付けられた鋳抜きピン2は、その軸心Sが可動型11の外側面14と直交する状態で停止されている。すなわち、鋳抜きピン2は、可動型11に取り付けられた状態では、固定部材4と面接触(平面部2a及び係止面42)されて、軸心Sが挿通孔13の中心部と一致するようにして、可動型11の外側面14と直交するように取り付けられている(以下、かかる鋳抜きピン2の状態を停止状態P1という)。
本実施例の鋳抜きピン2の取付構造においては、停止状態P1の鋳抜きピン2の軸部20と挿通孔13との間には離間Dが形成されており、すなわち、挿通孔13の径方向長さが、挿通孔13内に位置する軸部20の径方向の長さよりも大きくなるように構成されている。このように、鋳抜きピン2は、弾性部材3の付勢力によって固定部材4に押圧された状態で可動型11に固定され、挿通孔13との間に離間Dが形成されることで、後述するように挿通孔13内で軸部20が傾動可能とされている。
なお、本実施例の鋳抜きピン2の取付構造における離間Dは、キャビティ12内の溶湯が挿通孔13より外側に漏れ出さない間隙となるように調整される。ただし、鋳抜きピン2において、軸部20の外周面が挿通孔13の縁部に当接した状態で取り付けられてもよい。かかる場合であっても、軸部20の抜き勾配によって、軸部20の外周面と挿通孔13のキャビティ12側の縁部との間には離間が構成される。
そして、本実施例の鋳抜きピン2は、停止状態P1から外力が作用されることによって、軸部20が傾動されて、鍔部21の縁部が係止面42と当接する点(当接点T1)を支点として他方の端部20bが揺動旋回自在となるように取り付けられている。
すなわち、上述したように、鋳抜きピン2は、停止状態P1では弾性部材3によって可動型11の外側方向に向けて付勢された状態で固定部材4に係止されている。かかる状態から、例えば、軸部20の半径方向からの押力や、軸部20の外周面に沿って鋳抜きピン2をキャビティ12に挿入する方向への押力等の外力が鋳抜きピン2に加えられ、その外力が弾性部材3の付勢力を上回ると、弾性部材3が弾性変形して、鋳抜きピン2が、当接点T1を支点として停止位置P1の状態から軸心Sが傾倒される(以下、かかる鋳抜きピン2の状態を作用状態P2という、図4参照)。そして、作用状態P2にある鋳抜きピン2は、作用する外力が低減若しくは消滅すると、弾性部材3が元の形状に復帰する方向に弾性変形されて、元位置に復帰される。
このようにして、鋳抜きピン2は、外力が作用されることで他方の端部20bが揺動自在となるように取り付けられている。
特に、本実施例の鋳抜きピン2は、鍔部21が平面視円形状に形成されているため、固定部材4(係止面42)との当接点T1が円周上に沿って移動されて、他方の端部20bが停止状態P1にある鋳抜きピン2の軸心Sを中心とした円周方向に沿って旋回自在とされる。さらに、停止状態P1にある鋳抜きピン2と挿通孔13との間に離間Dが形成されているため、作用状態P2にある鋳抜きピン2が挿通孔13の内周面に当接されることで、その揺動範囲が規制されている。
以上のように、本実施例の鋳抜きピン2の取付構造においては、一方の端部20aに鍔部21が形成され、鍔部21が形成された側と反対側の他方の端部20bが、可動型11に穿設された挿通孔13を介してキャビティ12に突出される鋳抜きピン2と、鍔部21と可動型11の外側面との間に配置され、鋳抜きピン2を可動型11の外側方向に向けて付勢する弾性部材3と、鋳抜きピン2の前記一方の端部20aに当接して、鋳抜きピン2を可動型11に係止させる固定部材4とを具備してなり、鋳抜きピン2は、固定部材4に係止された状態で、キャビティ12に突出された他方の端部20bが揺動自在に取り付けられている。
このように、鋳抜きピン2が可動型11に対して他方の端部20bが揺動自在とされることで、可動型11を移動させて鋳抜きピン2を鋳造製品(凝固溶湯)から引き抜く際に、鋳抜きピン2が凝固溶湯との摩擦力を低減する方向に傾動可能となって、鋳抜きピン2に対する引っ掻き傷や摩耗等が生じるのを防止でき、ひいては凝固溶湯との摩擦抵抗によって生じる曲がりや鋳造製品のかじり等を防止できる。また、鋳抜きピン2を簡易な構成で可動型11に取り付けることができるため、鋳抜きピン2を鋳造製品から引き抜くための特別の装置が不要となるとともに、さらに鋳抜きピン2を可動型11の複数箇所に取り付けることができ、鋳造中に鋳造製品に対して同時に複数の鋳抜き孔を形成できる。
特に、本実施例の鋳抜きピン2は、抜き勾配が付された軸部20を有するため、鋳抜きピン2を鋳造製品から引き抜く際に、鋳抜きピン2に対する引っ掻き傷や摩耗等が生じるのを低減でき、また、挿通孔13内で他方の端部20bが揺動可能となるように軸部20を傾倒させることができる。
また、本実施例では、鍔部21が平面視円形状に形成されるため、鋳抜きピン2の他方の端部20bをスムーズに揺動させることができるとともに、円周方向に旋回自在となるように取り付けることができる。このように鋳抜きピン2が揺動旋回自在に取り付けられることで、凝固溶湯との摩擦力を低減する方向に確実に揺動させることができ、鋳抜きピン2に対する引っ掻き傷や摩耗等が生じるのを効果的に防止できる。
また、本実施例では、弾性部材3としてのコイルスプリングが鍔部21と可動型11の外側面14との間に円周上に配置されるため、他方の端部20bが揺動されて、鋳抜きピン2が所定方向に傾倒されても確実に停止状態P1(元位置)まで復帰させることができる。
また、本実施例では、固定部材4が可動型11の外側面14に鋳抜きピン2及び弾性部材3を覆うようにして取り付けられているため、固定部材4を可動型11と一体に移動させることができ鋳抜きピン2の取付構造を簡易に構成できる。
なお、鋳抜きピン2の取付構造としては、上述した実施例に限定されない。
鋳抜きピン2の鍔部21の形状としては、上述した実施例のように平面視円形状に形成する他に、平面視多角形状や楕円形状に形成してもよい。
弾性部材3としては、コイルスプリングの他に、板バネや皿バネ等を用いて鍔部21と可動型11(外側面14)の間に複数配置してもよく、軸部20にコイルバネを巻回させて、一の弾性部材(コイルバネ)を鍔部21と可動型11との間に配置してもよい。
弾性部材3の配置構成としては、本実施例のように鍔部21と可動型11の外側面14との間に配置される他に、例えば、図5に示すように、鍔部21と固定部材4の係止面42との間に更に弾性部材103・103・・・を複数配置するように構成してもよい。
すなわち、図5に示す鋳抜きピン2の取付構造は、鍔部21の固定部材4と対向する面に複数の凹部21bが円周上に沿って穿設され、弾性部材103としてのコイルスプリングが、一端が凹部21bに嵌合されて位置決めされるとともに、他端が固定部材4の係止面42に当接されている。このような構成とすることで、弾性部材3・103が弾性変形されることで鋳抜きピン2を全周方向に揺動(旋回)可能として、鋳造製品から鋳抜きピン2を引き抜く際に鋳抜きピン2に作用する摩擦力を相殺することができる。
ただし、このような構成においても、凹部21bの配置や、弾性部材103の形状・構成等はこれに限定されない。
固定部材4としては、本実施例のように一の鋳抜きピン2を可動型11にそれぞれ取り付けるように構成してもよく、また一の固定部材4によって複数の鋳抜きピン2が同時に可動型11に取り付けられるように構成してもよい。
鋳造法としては、上述したダイカスト鋳造法の他に、遠心鋳造法・高圧鋳造法・低圧鋳造法等、いずれの鋳造法を選択するかは任意とされる。また、鋳造金属としては、アルミニウム合金の他に、マグネシウムや銅又はそれらの合金、鉄系合金等、任意の金属を選択することができる。
本実施例の鋳抜きピン2の取付構造は、その他、シリンダヘッド又はシリンダブロックのヘッドボルト孔やオイル孔、またトランスアクスルケースの取付用ネジ孔を形成する鋳造用金型に用いることができる。
本発明の一実施例に係る鋳抜きピン取付構造が設けられた鋳造用金型を示した断面図。 鋳抜きピン取付構造を示す断面図。 図2におけるA−A矢視断面図。 鋳抜きピンが旋回される様子を示した断面図。 別実施例における鋳抜きピン取付構造を示す断面図。
符号の説明
1 金型
2 鋳抜きピン
3 弾性部材
4 固定部材
11 可動型
12 キャビティ
13 挿通孔
20 軸部
20a 一方の端部
20b 他方の端部
21 鍔部

Claims (6)

  1. 鋳造製品に鋳抜き穴を形成するための鋳抜きピンを金型に取り付ける鋳抜きピンの取付構造であって、
    一方の端部に鍔部が形成され、該鍔部が形成された側と反対側の他方の端部が、金型に穿設された挿通孔を介してキャビティに突出される鋳抜きピンと、
    前記鍔部と金型の外側面との間に配置され、前記鋳抜きピンを金型の外側方向に向けて付勢する弾性部材と、
    前記鋳抜きピンの前記一方の端部に当接して、該鋳抜きピンを金型に係止させる固定部材とを具備してなり、
    前記鋳抜きピンは、前記固定部材に係止された状態で、前記キャビティに突出された前記他方の端部が揺動自在に取り付けられることを特徴とする鋳抜きピンの取付構造。
  2. 前記鋳抜きピンは、抜き勾配が付された軸部を有することを特徴とする請求項1に記載の鋳抜きピンの取付構造。
  3. 前記鋳抜きピンは、前記鍔部が平面視円形に形成されることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の鋳抜きピンの取付構造。
  4. 前記弾性部材としてコイルスプリングが用いられ、該弾性部材が円周上に複数配置されることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載の鋳抜きピンの取付構造。
  5. 前記固定部材は、前記鋳抜きピン及び弾性部材を覆うようにして前記金型の外側面に取り付けられることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか一項に記載の鋳抜きピンの取付構造。
  6. 前記請求項1乃至請求項5のいずれか一項に記載の鋳抜きピンの取付構造を備えたことを特徴とする金型。
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