JP2007294896A - 金属導体一体型プリント基板およびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】複雑な構造のバスバーを必要としない大電流回路用の金属導体一体型プリント基板を提供する。
【解決手段】バスバーとして機能する金属導体1をプリント基板2に貼り合わせることで一体化した構造とする。これにより、従来のように、別体として構成されたバスバーが後でプリント基板に接続される構造と比べて、小型化、薄型化を図ることが可能となる。また、バスバーを構成する金属導体1とプリント基板2とを一体化した金属導体一体型プリント基板を簡素な工程によって製造することが可能となり、従来のようにバスバーとプリント基板との電気的な接続を別工程で行うものと比べて、製造工程の簡略化を図ることも可能となる。
【選択図】図4
【解決手段】バスバーとして機能する金属導体1をプリント基板2に貼り合わせることで一体化した構造とする。これにより、従来のように、別体として構成されたバスバーが後でプリント基板に接続される構造と比べて、小型化、薄型化を図ることが可能となる。また、バスバーを構成する金属導体1とプリント基板2とを一体化した金属導体一体型プリント基板を簡素な工程によって製造することが可能となり、従来のようにバスバーとプリント基板との電気的な接続を別工程で行うものと比べて、製造工程の簡略化を図ることも可能となる。
【選択図】図4
Description
本発明は、大電流が流される金属導体とパターン配線が形成された基板とが一体化された金属導体一体型プリント基板およびその製造方法に関するものである。
従来の大電流用回路においては、小電流が流れる配線がパターニングされるプリント基板と大電流が流れる配線とを別々に構成している。図8は、従来の大電流用回路を構成するプリント基板101およびバスバーと呼ばれる大電流が流れる金属導体102の断面構成を示した図である(例えば、特許文献1参照)。
図8に示されるように、大電流が流れる配線を金属導体102で構成し、この金属導体102から接続ピン102aを引き出すと共に、接続ピン102aをプリント基板101に形成されたスルーホール103内に挿入して、接続ピン102aをスルーホール103の内壁等に形成された電極104にはんだ付けしている。これにより、プリント基板101と金属導体102とを電気的に接続し、大電流用回路を構成している。
しかしながら、上述した従来の構造の大電流用回路に用いられる金属導体102およびプリント基板101においては、金属導体102とプリント基板101との電気的な接続も煩雑となる。また、金属導体102の形状が複雑になるため、金属導体102とプリント基板101を一体化した後にケース等に組み付ける際にも手間がかかる。さらに、金属導体102と一体化したときのプリント基板101の全体の容積も大きくなってしまう。
一方、特許文献2において、片面に導体パターンが備えられた、層間接続材料としてビアホール内に導電ペーストを充填した片面導体パターンフィルムを積層して、両面に部品を実装できる基板を作製することが開示されている。この基板を作る際、片面導体パターンフィルムを用いているため、積層のときに、基本的には導体パターンが形成された面を上面側に向け、最下層だけ導体パターンを下面側に向けることで導体パターンが露出するようにしている。すなわち、複数枚あるフィルムのうちの最下面に配置されるフィルムが反転して積層される。このため、導体が形成されていない面同士が向かい合う層を設ける必要がある。
しかしながら、導体パターンの形成されていない面同士では、導体パターンと層間接続材料の接合ではなく、層間接続材料同士の接合となるため、積層時の位置ずれやビアホール形成時の位置ずれが生じることにより、層間接続材料同士の接合面積が減少して、プリント配線板の接続信頼性が低下する恐れがある。
特開2003−249288号公報
特開2003−60348号公報
本発明は上記点に鑑みて、複雑な構造のバスバーを必要としない大電流回路用の金属導体一体型プリント基板を提供することを第1の目的とする。
また、本発明は、プリント配線板の接続信頼性の低下を防止することを第2の目的とする。
上記目的を達成するため、本発明では、絶縁部材(11)に対してビアホール(13)が形成されていると共に、該ビアホール(13)内に導電体(14)が埋め込まれ、かつ、絶縁部材(11)の表面に導電体(14)と電気的に接続された導体パターン(12)が形成されることで回路配線が形成されてなるプリント基板(2)と、プリント基板(2)における一面側において、該プリント基板(2)に対して貼り合わされることで一体化されていると共に、導体パターン(12)もしくは導電体(14)に電気的に接続されることで回路配線に電気的に接続された金属導体(1)とを有して構成されていることを特徴としている。
このように、プリント基板(2)に対して金属導体(1)を貼り合わせることで一体化させた金属導体一体化プリント基板とすれば、従来のように、別体として構成されたバスバーが後でプリント基板に接続される構造と比べて、小型化、薄型化を図ることが可能となる。
この場合、プリント基板(2)としては、絶縁部材を熱可塑性樹脂フィルム(11)で構成し、この熱可塑性樹脂フィルム(11)に対して導電体(14)および前記導体パターン(12)が形成した導体パターンフィルム(15)を1層のみ用いた単層基板に限らず、導体パターンフィルム(15)を複数層積層して構成した積層基板とすることもできる。
また、本発明は、導体パターンフィルム(15)を用意する工程と、導体パターンフィルム(15)と並べて金属板(16)を配置する工程と、導体パターンフィルム(15)と金属板(16)を挟み込むように加熱プレスを行い、導体パターンフィルム(15)によってプリント基板(2)を構成すると共に、プリント基板(2)に対して金属板(16)を貼り合わせる工程と、金属板(16)をパターニングすることで、回路配線と電気的に接続された金属導体(1)を形成する工程と、を含んだ製造方法により、金属導体一体型プリント基板を製造することを第1の特徴としている。
このように、プリント基板(2)と共に金属板(16)を加熱プレスし、金属板(16)をパターニングすることで金属導体(1)を形成することができる。このような簡素な製造工程によって金属導体一体型プリント基板を製造できるため、従来のようにバスバーとプリント基板との電気的な接続を別工程で行うものと比べて、製造工程の簡略化を図ることも可能となる。
例えば、金属板(16)のパターニングを金属板(16)のエッチングにより行うことができる。また、導体パターンフィルム(15)を用意する工程で、導体パターンフィルム(15)を複数層用意し、プリント基板(2)に対して金属板(16)を貼り合わせる工程で、導体パターンフィルム(15)を複数層積層すると共に、該複数層積層された導体パターンフィルム(15)と並べて金属板(16)を配置し、これらを挟み込むように加熱プレスすることで、積層基板で構成されたプリント基板(2)の形成と同時に金属板(16)を貼り合わせることができる。
また、本発明では、熱可塑性樹脂フィルム(11)に対してビアホール(13)が形成されていると共に、該ビアホール(13)内に導電体(14)が埋め込まれ、かつ、熱可塑性樹脂フィルム(11)の表面に導電体(14)と電気的に接続された導体パターン(12)が形成されることで回路配線が形成されてなる片面導体パターンフィルム(15)を複数層用意する工程と、複数層用意された片面導体パターンフィルム(15)それぞれを導体パターン(14)が上面側を向くように積層すると共に、該複数層積層された片面導体パターンフィルム(15)の最も下層側に配置されたものの下面側に金属箔(17)を配置し、これらを挟み込むように加熱プレスする工程と、金属箔(17)をパターニングして、最も下層側の片面導体パターンフィルム(15)の下面側に導体パターン(18)を形成することで、多層プリント配線板を構成する工程と、を含んだ製造方法により、多層プリント配線板を製造することを第2の特徴としている。
このように、複数層用意された片面導体パターンフィルム(15)それぞれを導体パターン(14)が上面側を向くように積層すると共に、該複数層積層された片面導体パターンフィルム(15)の最も下層側に配置されたものの下面側に金属箔(17)を配置し、これらを挟み込むように加熱プレスしたのち、金属箔(17)をパターニングして、最も下層側の片面導体パターンフィルム(15)の下面側に導体パターン(18)を形成する。このようにすれば、複数層の片面導体パターンフィルム(15)を反転させることなく積層できる。したがって、層間接続材料同士の接合箇所もなくなるため、プリント配線板の接続信頼性の低下を回避できる。
また、熱可塑性樹脂フィルム(11)および導電ペーストなどの導電体(14)を一括プレスする製法においては、プレス中に熱可塑性樹脂フィルム(11)および導電体(14)から出るガス成分を抜ける経路を確保し、プレス後にガスによる膨れを防止する必要がある。ここでいうガス抜き経路とは、具体的には最表層に配置された片面導体パターンフィルム(15)のうち導体パターン(12)の形成されていない部分、つまりパターンエッチングされて導体がなくされた樹脂の露出部に相当する。仮に、プレスの際、最表面の導体が両面ともエッチングされていない導体フィルムを用いると、プレスしたときにガス抜け経路が確保できず膨れが発生する可能性があるが、本発明のように片面導体パターンフィルム(15)を用いれば、導体パターン(12)の形成されていない部分や導体パターン(12)が形成されていない側の面における樹脂の露出部によりガス抜け経路を確保できるため、膨れの発生を防止することが可能となる。
また、ビアホール(13)に埋め込まれる導電体として金属粒子を含む導電ペーストを用いることができる。このような導電ペーストを用いる場合、加熱プレスの際に金属粒子が焼結されて導電性材料になる。
なお、上記各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものである。
以下、本発明の実施形態について図に基づいて説明する。なお、以下の各実施形態相互において、互いに同一もしくは均等である部分には、図中、同一符号を付してある。
(第1実施形態)
図1は、本発明の一実施形態が適用された金属導体1と一体型のプリント基板2が備えられた大電流用回路装置100の断面図である。また、図2は、図1に示す大電流用回路装置100に備えられたプリント基板2の正面図、図3は、プリント基板2の側面図である。なお、図2は断面図ではないが、参考として金属導体1にハッチングを示してある。以下、これらの図を参照して、本実施形態の金属導体一体型プリント基板について説明する。
図1は、本発明の一実施形態が適用された金属導体1と一体型のプリント基板2が備えられた大電流用回路装置100の断面図である。また、図2は、図1に示す大電流用回路装置100に備えられたプリント基板2の正面図、図3は、プリント基板2の側面図である。なお、図2は断面図ではないが、参考として金属導体1にハッチングを示してある。以下、これらの図を参照して、本実施形態の金属導体一体型プリント基板について説明する。
図1に示す大電流用回路装置100は、車両用エアコンにおけるスクロール型コンプレッサを駆動するためのモータの制御に用いられるモータ駆動回路として機能するものである。この大電流用回路装置100は、プリント基板2を樹脂ケース3および金属製のハウジング4で収容した構成とされている。樹脂ケース3には、接続ピン5が複数個インサート成形によって備えられており、この接続ピン5を介してプリント基板2に形成された回路配線内の各部と電気的な接続が行えるようになっている。この接続ピン5は、樹脂ケース3に備えられた図示しないコネクタのターミナルと繋がっており、コネクタを介して外部装置との電気的な接続を図ることで、プリント基板2の各部への電圧印加等が行えるようになっている。
図1〜図3に示されるように、プリント基板2には、金属導体1が貼り合わされて一体化されていると共に、金属導体1が形成された側の面において大電流の制御を行うための半導体スイッチング素子となるIGBT6U〜6Zがネジ10U〜10Zによって固定されていると共に、抵抗7a〜7c等が実装されている。また、プリント基板2には、金属導体1やプリント基板2上にパターニングされた回路配線内の各部との電気的な接続が行えるように、複数のスルーホール8が備えられており、はんだ付けなどによってこれらの間の接続が行われている。
図1に示されるように、金属導体1は、複数のIGBT6U〜6Zの駆動を行うためのパターンを構成している。具体的には、金属導体は、電源用配線パターン1a、GND配線パターン1bおよびIGBT6U〜6Zの各部に電気的に接続される配線パターン1c〜1hを有して構成されている。
図2に示すように、各IGBT6U〜6Zには、ゲート電極への電圧印加を行うためのゲート端子6UG〜6ZGと、エミッタ電極に接続されるエミッタ端子6UE〜6ZEと、コレクタ電極に接続されるコレクタ端子6UC〜6ZCが備えられている。そして、これら各端子6UG〜6ZG、6UE〜6ZE、6UC〜6ZEがスルーホール8に差し込まれることで、金属導体1やプリント基板2に形成された配線との電気的な接続が行われている。
具体的には、IGBT6Uのコレクタ端子6UCがスルーホール8UCを通じて電源用配線パターン1aに接続され、エミッタ端子6UEがスルーホール8UEを通じて配線パターン1cに接続され、さらにスルーホール8XCを介してIGBT6Xのコレクタ端子6XCに接続されている。また、IGBT6Xのエミッタ端子6XEがスルーホール8XEを介して配線パターン1fに接続され、抵抗7a、7bを通じてGND配線パターン1bに接続されている。そして、IGBT6UおよびIGBT6Xのゲート端子6UG、6ZGがスルーホール8UG、8XGを介してプリント基板2の配線に接続されている。なお、配線パターン1cに接続されるようにスルーホール8Uが備えられ、駆動対象となる図示しないモータのU相への電圧印加の為の端子が接続されることで、IGBT6Uのエミッタ端子6UEとIGBT6Xのコレクタ端子6XCの間の電位がU相に印加されるように構成されている。
IGBT6Vのコレクタ端子6VCがスルーホール8VCを通じて電源用配線パターン1aに接続され、エミッタ端子6VEがスルーホール8VEを通じて配線パターン1dに接続され、さらにスルーホール8YCを介してIGBT6Yのコレクタ端子6YCに接続されている。また、IGBT6Yのエミッタ端子6YEがスルーホール8YEを介して配線パターン1gに接続され、抵抗7c、7bを通じてGND配線パターン1bに接続されている。そして、IGBT6VおよびIGBT6Yのゲート端子6VG、6ZGがスルーホール8VG、8YGを介してプリント基板2の配線に接続されている。なお、配線パターン1dに接続されるようにスルーホール8Vが備えられ、駆動対象となる図示しないモータのV相への電圧印加の為の端子が接続されることで、IGBT6Vのエミッタ端子6VEとIGBT6Yのコレクタ端子6YCの間の電位がV相に印加されるように構成されている。
IGBT6Wのコレクタ端子6WCがスルーホール8WCを通じて電源用配線パターン1aに接続され、エミッタ端子6WEがスルーホール8WEを通じて配線パターン1eに接続され、さらにスルーホール8ZCを介してIGBT6Zのコレクタ端子6ZCに接続されている。また、IGBT6Zのエミッタ端子6ZEがスルーホール8ZEを介して配線パターン1hに接続され、抵抗7bを通じてGND配線パターン1bに接続されている。そして、IGBT6WおよびIGBT6Zのゲート端子6WG、6ZGがスルーホール8WG、8ZGを介してプリント基板2の配線に接続されている。なお、配線パターン1eに接続されるようにスルーホール8Wが備えられ、駆動対象となる図示しないモータのW相への電圧印加の為の端子が接続されることで、IGBT6Wのエミッタ端子6WEとIGBT6Zのコレクタ端子6ZCの間の電位がW相に印加されるように構成されている。
そして、電源用配線パターン1aと電気的に接続されたスルーホール8PBATに図示しない電源に接続される端子が接続され、GND配線パターン1bと電気的に接続されたスルーホール8PGNDに例えば車体に取り付けられたGNDに接続される端子が接続され、コネクタ用スルーホール8cに接続ピン5が接続されることで、大電流用回路装置100が構成されている。
次に、上記のように構成された大電流用回路装置100に備えられたプリント基板2の製造方法について説明する。図4は、プリント基板2の製造工程を示した断面図であり、この図を参照して説明する。
まず、図4(a)に示す工程では、絶縁基材として例えば50μm程度の厚みの熱可塑性樹脂フィルム11を用意する。熱可塑性樹脂フィルム11としては、ポリエーテルエーテルケトン樹脂65〜35重量%とポリエーテルイミド樹脂35〜65重量%とからなる厚さ25〜100μmのものを用いている。そして、この熱可塑性樹脂フィルム11に銅箔を貼り合わせ、この銅箔をエッチングして導体パターン12を形成する。
図4(b)に示す工程では、炭酸ガスレーザー等により直径が約100μmのビアホール13を形成する。このビアホール13の形成には、炭酸ガスレーザ以外にエキシマレーザ等が使用可能である。また、レーザ加工以外のプレス抜き加工等のビアホール形成方法も可能である。
図4(c)に示す工程では、このビアホール13にスクリーン印刷機により導電体として機能する導電ペースト14を充填することにより、片面導体パターンフィルム15を得る。なお、ここでの導電ペースト14の充填には、例えば、特開2002−368418号公報に示される手法を用いることができる。なお、ビアホール13に埋め込まれる導電体として金属粒子を含む導電ペースト14を用いているが、このような導電ペースト14を用いる場合、後述する加熱プレスの際に金属粒子が焼結されて導電性材料になる。
ここまでの工程により、1層分の片面導体パターンフィルム15が形成される。このため、図4(a)〜(c)に示す各工程を繰り返し行う等により、多層プリント基板を形成するのに必要な層数分の片面導体パターンフィルム15を用意する。
図4(d)に示す工程では、用意した必要な層数分の片面導体パターンフィルム15とバスバーを形成するための銅板16とを積層する。銅板16としては、厚さ0.1〜1mm(例えば0.5mm)程度のものを用いている。
図4(e)に示す工程では、上記のように積層された片面導体パターンフィルム15と銅板16を図示しないプレス機で挟み込み、加熱プレスを行う。例えば、3〜5MPa(好ましくは4MPa程度)の加圧力で、320度、3時間程度の加熱プレスを行う。これにより、各片面導体パターンフィルム15間が接着されると共に、片面導体パターンフィルム15に形成されたビアホール13内の導電ペースト14や導体パターン12と銅板16との間の電気的な接続が行われる。なお、このとき、片面導体パターンフィルム15と銅板16を挟むように、カバーレイヤーを配置しておくこともできる。
図4(f)に示す工程では、銅板16を例えば塩化第2鉄などを用いてエッチングすることにより、大電流用の配線パターンとなるバスバーを構成する金属導体1がパターニングされる。これにより、バスバーとして機能する金属導体1と一体型の大電流用回路が構成されたプリント基板2が完成する。この後、例えば、プリント基板2における片面導体パターンフィルム15側から穴空けすることでスルーホール8が形成される。
なお、エッチングには塩化第2鉄以外のもの、例えば塩化第2銅などを用いることもできるが、塩化第2鉄を用いるとエッチングを速く行うことができるため、金属導体1のうちエッチングされた側壁の傾斜が少なくて済む。
このようにして、導電ペースト14や導体パターン12によって回路配線が構成されたプリント基板2に対して大電流が流される金属導体1が一体化された金属導体一体型プリント基板が完成する。
以上説明したように、本実施形態の金属導体一体型プリント基板は、バスバーとして機能する金属導体1をプリント基板2に貼り合わせることで一体化した構造とされている。このため、従来のように、別体として構成されたバスバーが後でプリント基板に接続される構造と比べて、小型化、薄型化を図ることが可能となる。また、バスバーを構成する金属導体1とプリント基板2とを一体化した金属導体一体型プリント基板を簡素な工程によって製造することが可能となり、従来のようにバスバーとプリント基板との電気的な接続を別工程で行うものと比べて、製造工程の簡略化を図ることも可能となる。
(第2実施形態)
本発明の第2実施形態について説明する。本実施形態では、上記第1実施形態と主要部が同じ多層プリント配線板について説明する。具体的には、片面導体パターンフィルムを複数枚積層して、両面に部品を実装できる多層プリント配線板を製造する方法において、複数層の片面導体パターンフィルムを反転させることなく積層できるようにすることで、従来のような導体が形成されていない面同士が向かい合う層をなくせるようにする。
本発明の第2実施形態について説明する。本実施形態では、上記第1実施形態と主要部が同じ多層プリント配線板について説明する。具体的には、片面導体パターンフィルムを複数枚積層して、両面に部品を実装できる多層プリント配線板を製造する方法において、複数層の片面導体パターンフィルムを反転させることなく積層できるようにすることで、従来のような導体が形成されていない面同士が向かい合う層をなくせるようにする。
図5は、本実施形態の多層プリント配線板の製造工程を示した図である。以下、この図を参照して多層プリント配線板の製造方法について説明するが、ほぼ第1実施形態の図4に示した金属導体一体型プリント基板の製造方法と同様であるため、第1実施形態と異なる点について主に説明する。
まず、図5(a)〜(c)に示す工程では、図4(a)〜(c)と同様の工程を行うことで、熱可塑性樹脂フィルム11に形成した導体パターン12に繋がるビアホール13内に導電ペースト14を充填した片面導体パターンフィルム15を必要な層数分形成する。
続いて、図5(d)に示す工程において、用意した必要な層数分の片面導体パターンフィルム15を積層する。このとき、各片面導体パターンフィルム15に備えられた導体パターン12がすべて上面側を向くようにし、積層した片面導体パターンフィルム15の最下層でも導体パターン12が上面側を向くようにしている。そして、最下層の片面導体パターンフィルム15の下面(裏面)側に銅箔17を一枚重ねる。
この後、図5(e)に示す工程では、加熱プレスすることにより各片面導体パターンフィルム15のビアホール13内の導電ペースト14と導体パターン12との接続、および、導電ペースト14と銅箔17との接続を行う。例えば、3〜5MPa(好ましくは4MPa程度)の加圧力で、320度、3時間程度の加熱プレスを行う。
最後に、図5(f)に示す工程では、最下層の片面導体パターンフィルム15の下面側に接続した銅箔17をエッチングすることにより、導体パターン18を形成する。これにより、両面に部品を実装するための導体パターン12、18を持つ多層プリント配線板が完成する。
以上の製造方法によれば、従来の製造方法と比較して、以下の効果を得ることができる。図6に従来の多層プリント配線板の製造方法を示し、これを参照して説明する。
従来の多層プリント配線板の製造方法では、図6(a)〜(c)に示す工程において、本実施形態の図5(a)〜(c)と同じ工程を行うことで、熱可塑性樹脂フィルムJ11に形成した導体パターンJ12に繋がるビアホールJ13内に導電ペーストJ14を充填した片面導体パターンフィルムJ15を必要な層数分形成したのち、図6(d)に示す工程において、複数層の片面導体パターンフィルムJ15のうちの最下層だけ導体パターンJ12を下面側に向けることで導体パターンJ12が露出するようにしている。すなわち、複数枚ある片面導体パターンフィルムJ15のうちの最下面に配置されるものが反転して積層される。このため、導体パターンJ12が形成されていない面同士が向かい合う層を設ける必要がある。
これに対し、本実施形態の製造方法によれば、片面導体パターンフィルム15を複数枚積層して、両面に部品を実装できる多層プリント配線板を製造する方法において、複数層の片面導体パターンフィルム15を反転させることなく積層できる。したがって、層間接続材料同士の接合箇所もなくなるため、プリント配線板の接続信頼性の低下を回避できる。
また、熱可塑性樹脂フィルム11および導電ペースト14を一括プレスする製法においては、プレス中に熱可塑性樹脂フィルム11および導電ペースト14から出るガス成分を抜ける経路を確保し、プレス後にガスによる膨れを防止する必要がある。ここでいうガス抜き経路とは、具体的には最表層に配置された片面導体パターンフィルム15のうち導体パターン12の形成されていない部分、つまりパターンエッチングされて導体がなくされた樹脂の露出部に相当する。仮に、プレスの際、最表面の導体が両面ともエッチングされていない導体フィルムを用いると、プレスしたときにガス抜け経路が確保できず膨れが発生する可能性があるが、本実施形態のように片面導体パターンフィルム15を用いれば、導体パターン12の形成されていない部分や導体パターン12が形成されていない側の面における樹脂の露出部によりガス抜け経路を確保できるため、膨れの発生を防止することが可能となる。
(他の実施形態)
上記実施形態では、ビアホール13に対してスクリーン印刷機により導電ペースト14を充填することにより、片面導体パターンフィルムを得ている。しかしながら、これは単なる一例であり、他の手法を用いることもできる。図7(a)〜(c)は、片面導体パターンフィルムの他の製造工程を示した断面図である。図7(a)に示すように熱可塑性樹脂フィルム11を用意した後、図7(b)に示すように熱可塑性樹脂フィルム11に最初にビアホール13を形成し、その後、図7(c)に示すようにスクリーン印刷機により導電ペースト14をビアホール13へ充填したのち、導体パターン12も同様にスクリーン印刷機により印刷して形成している。このような手法によって片面導体パターンフィルム15を製造することもできる。なお、この際に、ビアホール13への導電ペースト14の充填と導体パターン12の形成を1回の印刷で同時に行っても良い。
上記実施形態では、ビアホール13に対してスクリーン印刷機により導電ペースト14を充填することにより、片面導体パターンフィルムを得ている。しかしながら、これは単なる一例であり、他の手法を用いることもできる。図7(a)〜(c)は、片面導体パターンフィルムの他の製造工程を示した断面図である。図7(a)に示すように熱可塑性樹脂フィルム11を用意した後、図7(b)に示すように熱可塑性樹脂フィルム11に最初にビアホール13を形成し、その後、図7(c)に示すようにスクリーン印刷機により導電ペースト14をビアホール13へ充填したのち、導体パターン12も同様にスクリーン印刷機により印刷して形成している。このような手法によって片面導体パターンフィルム15を製造することもできる。なお、この際に、ビアホール13への導電ペースト14の充填と導体パターン12の形成を1回の印刷で同時に行っても良い。
また、上記実施形態では、金属導体を銅板16から形成しているが、銅以外の金属で構成された金属板を用いても良い。
また、上記実施形態では、導体パターンフィルムとして片面導体パターンフィルムを用いているが、片面である必要はない。さらに、熱可塑性樹脂フィルム11を絶縁部材として用いて構成される導体パターンフィルムによりプリント基板2を構成した場合について説明したが、導体パターンフィルムに限らず、従来より用いられているプリント基板に対して本発明を適用することができる。
1…熱可塑性樹脂フィルム、1a…電源用配線パターン、1b…GND配線パターン、1c〜1h…配線パターン、2…プリント基板、3…樹脂ケース、4…ハウジング、5…接続ピン、6UC〜6ZC…コレクタ端子、6UE〜6ZE…エミッタ端子、6UG〜6ZG…ゲート端子、7a〜7c…抵抗、8…スルーホール、11…熱可塑性樹脂フィルム、12…導体パターン、13…ビアホール、14…導電ペースト、15…片面導体パターンフィルム、16…銅板、100…大電流用回路装置。
Claims (8)
- 平面状の絶縁部材(11)に対してビアホール(13)が形成されていると共に、該ビアホール(13)内に導電体(14)が埋め込まれ、かつ、前記絶縁部材(11)の表面に前記導電体(14)と電気的に接続された導体パターン(12)が形成されることで回路配線が形成されてなるプリント基板(2)と、
前記プリント基板(2)における一面側において、該プリント基板(2)に対して貼り合わされることで一体化されていると共に、前記導体パターン(12)もしくは前記導電体(14)に電気的に接続されることで前記回路配線に電気的に接続された金属導体(1)とを有して構成された金属導体一体型プリント基板。 - 前記絶縁部材は、熱可塑性樹脂フィルム(11)であり、前記プリント基板(2)は、前記熱可塑性樹脂フィルム(11)に対して前記導電体(14)および前記導体パターン(12)が形成されてなる導体パターンフィルム(15)にて構成されていることを特徴とする請求項1に記載の金属導体一体型プリント基板。
- 前記プリント基板は、前記導体パターンフィルム(15)を複数層積層して構成されていることを特徴とする請求項2に記載の金属導体一体型プリント基板。
- 熱可塑性樹脂フィルム(11)に対してビアホール(13)が形成されていると共に、該ビアホール(13)内に導電体(14)が埋め込まれ、かつ、前記熱可塑性樹脂フィルム(11)の表面に前記導電体(14)と電気的に接続された導体パターン(12)が形成されることで回路配線が形成されてなる導体パターンフィルム(15)を用意する工程と、
前記導体パターンフィルム(15)と並べて金属板(16)を配置する工程と、
前記導体パターンフィルム(15)と前記金属板(16)を挟み込むように加熱プレスを行い、前記導体パターンフィルム(15)によってプリント基板(2)を構成すると共に、前記プリント基板(2)に対して前記金属板(16)を貼り合わせる工程と、
前記金属板(16)をパターニングすることで、前記回路配線と電気的に接続された金属導体(1)を形成する工程と、を含んでいることを特徴とする金属導体一体型プリント基板の製造方法。 - 前記金属板(16)のパターニングは、該金属板(16)のエッチングを行う工程であることを特徴とする請求項4に記載の金属導体一体型プリント基板の製造方法。
- 前記導体パターンフィルム(15)を用意する工程では、前記導体パターンフィルム(15)を複数層用意し、
前記プリント基板(2)に対して前記金属板(16)を貼り合わせる工程では、前記導体パターンフィルム(15)を複数層積層すると共に、該複数層積層された前記導体パターンフィルム(15)と並べて金属板(16)を配置し、これらを挟み込むように加熱プレスする工程であることを特徴とする請求項4または5に記載の金属導体一体型プリント基板の製造方法。 - 熱可塑性樹脂フィルム(11)に対してビアホール(13)が形成されていると共に、該ビアホール(13)内に導電体(14)が埋め込まれ、かつ、前記熱可塑性樹脂フィルム(11)の表面に前記導電体(14)と電気的に接続された導体パターン(12)が形成されることで回路配線が形成されてなる片面導体パターンフィルム(15)を複数層用意する工程と、
複数層用意された前記片面導体パターンフィルム(15)それぞれを前記導体パターン(14)が上面側を向くように積層すると共に、該複数層積層された前記片面導体パターンフィルム(15)の最も下層側に配置されたものの下面側に金属箔(17)を配置し、これらを挟み込むように加熱プレスする工程と、
前記金属箔(17)をパターニングして、前記最も下層側の前記片面導体パターンフィルム(15)の下面側に導体パターン(18)を形成することで、多層プリント配線板を構成する工程と、を含んでいることを特徴とする多層プリント配線板の製造方法。 - 前記ビアホール(13)に埋め込まれる導電体は金属粒子を含む導電ペーストであり、前記加熱プレスの際に金属粒子が焼結されて導電性材料になることを特徴とする請求項4ないし7のいずれか1つに記載の金属導体一体型プリント基板の製造方法。
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2007
- 2007-03-15 JP JP2007066813A patent/JP2007294896A/ja active Pending
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