JP2007294399A - 希ガス蛍光ランプ点灯装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】希ガス蛍光ランプ1と、ランプ1に交流高電圧を印加するインバーター回路100とを有し、回路100は、スイッチング素子動作信号を出力するインバーター制御回路102と、スイッチング素子動作信号に従いスイッチング素子をオン、オフ制御することにより直流電圧を交流電圧に変換するスイッチング素子回路101と、回路101からの交流電圧を昇圧するトランス111からなり、ランプ1の点灯期間と消灯期間の時間比率を制御してバースト調光を行う希ガス蛍光ランプ点灯装置において、バースト調光の点灯開始時点からランプ1が凡そ軸方向全体にわたり発光する全発光完了時点までの期間の内の少なくとも一部の期間のスイッチング素子動作信号の周波数を、定常時におけるスイッチング素子動作信号の周波数よりも高くした。
【選択図】 図16
Description
易始動部位15が設けられた希ガス蛍光ランプ1において、易始動部位15近傍を測定点Aとし、易始動部位15から離れた場所を測定点Bとし、バースト調光点灯させたときの、測定点A及び測定点Bの光出力を測定した。点灯期間の初期において、測定点Aでは直ちに発光が開始するが、測定点Bではそれよりも遅れて発光が開始した。
また、点灯期間の初期においては、放電が充分に形成されていないため、希ガス蛍光ランプ1のキャパシタンス成分が小さくなる。ランプ電圧波形の平坦部分は、ランプとランプに接続されるトランスのインダクタンス、キャパシタンス成分の共振波形の一部とみなせるので、希ガス蛍光ランプ1のキャパシタンス成分が小さい場合、平坦部分の減衰が大きい電圧波形となる。その結果、極性が切り替わる際の急峻な電圧変化の大きさが小さくなり、希ガス蛍光ランプ1へ供給されるエネルギーが小さくなるため、測定点Bの発光の遅れが大きくなる。
第1の手段は、ガラス管の内部にHe、Ar、Xe、Krのいずれか1種類以上の希ガスが封入され、前記ガラス管内面に蛍光体が塗布され、前記ガラス管の軸方向に伸びる電極が配設された希ガス蛍光ランプと、前記電極に交流の高電圧を印加するインバーター回路を有し、該インバーター回路は、スイッチング素子動作信号を出力するインバーター制御回路と、前記スイッチング素子動作信号に従いスイッチング素子をオン、オフ制御することにより直流電圧を交流電圧に変換するスイッチング素子回路と、該スイッチング素子回路からの交流電圧を昇圧する昇圧トランスからなり、前記希ガス蛍光ランプの点灯期間と消灯期間を周期的に繰り返し、点灯期間と消灯期間の時間比率を制御してバースト調光を行う希ガス蛍光ランプ点灯装置において、バースト調光の点灯開始時点から前記希ガス蛍光ランプが凡そ軸方向全体にわたり発光する全発光完了時点までの期間の内の少なくとも一部の期間の前記スイッチング素子動作信号の周波数を、定常時における前記スイッチング素子動作信号の周波数よりも高くしたことを特徴とする希ガス蛍光ランプ点灯装置である。
第2の手段は、第1の手段において、前記少なくとも一部の期間の初期、前記スイッチング素子動作信号の周波数を漸増させたことを特徴とする希ガス蛍光ランプ点灯装置である。
第3の手段は、第1の手段又は第2の手段において、前記バースト調光の点灯開始時点から前記希ガス蛍光ランプが凡そ軸方向全体にわたり発光する全発光完了時点までの期間の内の少なくとも一部の期間の前記スイッチング素子動作信号の周波数から、前記定常時のスイッチング素子動作信号の周波数に戻るに際して、前記スイッチング素子動作信号の周波数の大きさを連続的に変化させることを特徴とする希ガス蛍光ランプ点灯装置である。
第4の手段は、ガラス管の内部にHe、Ar、Xe、Krのいずれか1種類以上の希ガスが封入され、前記ガラス管内面に蛍光体が塗布され、前記ガラス管の軸方向に伸びる電極が配設された希ガス蛍光ランプと、前記電極に交流の高電圧を印加するインバーター回路を有し、該インバーター回路は、スイッチング素子動作信号を出力するインバーター制御回路と、前記スイッチング素子動作信号に従いスイッチング素子をオン、オフ制御することにより直流電圧を交流電圧に変換するスイッチング素子回路と、該スイッチング素子回路からの交流電圧を昇圧する昇圧トランスからなり、前記希ガス蛍光ランプの点灯期間と消灯期間を周期的に繰り返し、点灯期間と消灯期間の時間比率を制御してバースト調光を行う希ガス蛍光ランプ点灯装置において、バースト調光の点灯開始時点から前記希ガス蛍光ランプが凡そ軸方向全体にわたり発光する全発光完了時点までの期間の内の少なくとも一部の期間の前記スイッチング素子動作信号のデューティー比を、定常時における前記スイッチング素子動作信号のデューティー比よりも高くしたことを特徴とする希ガス蛍光ランプ点灯装置である。
第5の手段は、第4の手段において、前記少なくとも一部の期間の初期、前記イッチング素子動作信号のデューティー比を漸増させたことを特徴とする希ガス蛍光ランプ点灯装置である。
第6の手段は、第4の手段又は第5の手段において、前記バースト調光の点灯開始時点から前記希ガス蛍光ランプが凡そ軸方向全体にわたり発光する全発光完了時点までの期間の内の少なくとも一部の期間の前記スイッチング素子動作信号のデューティー比から、前記定常時のスイッチング素子動作信号のデューティー比に戻るに際して、前記スイッチング素子動作信号のデューティー比の大きさを連続的に変化させることを特徴とする希ガス蛍光ランプ点灯装置である。
第7の手段は、ガラス管の内部にHe、Ar、Xe、Krのいずれか1種類以上の希ガスが封入され、前記ガラス管内面に蛍光体が塗布され、前記ガラス管の軸方向に伸びる電極が配設された希ガス蛍光ランプと、前記電極に交流の高電圧を印加するインバーター回路を有し、該インバーター回路は、スイッチング素子動作信号を出力するインバーター制御回路と、前記スイッチング素子動作信号に従いスイッチング素子をオン、オフ制御することにより直流電圧を交流電圧に変換するスイッチング素子回路と、該スイッチング素子回路からの交流電圧を昇圧する昇圧トランスからなり、前記希ガス蛍光ランプの点灯期間と消灯期間を周期的に繰り返し、点灯期間と消灯期間の時間比率を制御してバースト調光を行う希ガス蛍光ランプ点灯装置において、バースト調光の点灯開始時点から前記希ガス蛍光ランプが凡そ軸方向全体にわたり発光する全発光完了時点までの期間の内の少なくとも一部の期間の前記スイッチング素子動作信号の周波数及びデューティー比を、定常時における前記スイッチング素子動作信号の周波数及びデューティー比よりも高くしたことを特徴とする希ガス蛍光ランプ点灯装置である。
第8の手段は、第7の手段において、前記バースト調光の点灯開始時点から前記希ガス蛍光ランプが凡そ軸方向全体にわたり発光する全発光完了時点までの期間の内の少なくとも一部の期間の前記スイッチング素子動作信号の周波数及びデューティー比から、前記定常時のスイッチング素子動作信号の周波数及びデューティー比に戻るに際して、前記スイッチング素子動作信号の周波数及びデューティー比の大きさを連続的に変化させることを特徴とする希ガス蛍光ランプ点灯装置である。
また、スイッチング素子動作信号の周波数やデューティー比が高い期間から定常動作期間へ移行する際に、前記スイッチング素子動作信号の周波数及びデューティー比の大きさを、不連続的ではなく連続的に緩やかに変化させることにより、希ガス蛍光ランプの電圧波形が乱れず、放電が不安定になることを防止することができる。
また、スイッチング素子動作信号の周波数やデューティー比が高い期間に発生する高いサージ電圧を抑制することにより、安全面でも優れた希ガス蛍光ランプ点灯装置を提供することができる。
図2は、本実施形態の発明に係るバースト調光を行う希ガス蛍光ランプ点灯装置の構成を示す図、図3は、図2に示す希ガス蛍光ランプ1の構成を示す図、図4は、図2に示す希ガス蛍光ランプ1を液晶パネルのバックライトとして用いた構成を示す図、図5は、スイッチング素子動作信号103の周波数と発光効率相対値との関係を示す図、図6は、バースト調光信号113、スイッチング素子動作信号103、スイッチング素子Q1、Q2のオン、オフ状態を表した動作波形、ランプ電圧波形112を示す図である。
なお、このガラス管11の密閉空間には水銀などの金属蒸気を含まないHe、Ar、Xe、Krのいずれか1種類以上を主成分とする希ガスが所定量封入されている。
また、易始動部位15は、例えば、ガラス管11に塗布した後に400℃で焼成固着されるが、具備の方法としては、ガラス管11の内面においてガラス材料に直接溶着する方法や塗布による方法、接着剤等による固着などが採用できる。
同図に示すように、スイッチング素子動作信号103の周波数が100kHzの場合に発光効率が極大となるので、定常動作は100kHz前後で行うのが望ましい。周波数を増大する場合、周波数が発光効率の高い大きさから一時的に外れるため、周波数が増大した状態を必要以上に長く続けると、全体の発光効率が低下する。従って、スイッチング素子動作信号103の周波数の増大期間は、バースト調光の点灯期間の開始から、希ガス蛍光ランプ1が凡そ軸方向全体にわたり発光するまでの期間の大きさに留めることにより、発光効率の低下を最小限に留めることができる。
スイッチング素子Q1、Q2は、スイッチング素子動作信号103が入力されたスイッチング素子駆動回路2の動作に従い、交互にオンになる。ランプ電圧波形112は、スイッチング素子Q1、又はQ2がオンになる度に、極性が切り替わり、急峻な電圧変化が起こる。バースト調光信号113の点灯期間の開始から、希ガス蛍光ランプ1が凡そ軸方向全体にわたり発光するまでの期間、周波数増大期間となり、スイッチング素子動作信号103の周波数が増大し、ランプ電圧波形112の急峻な電圧変化が生じる周波数も増大する。続いて推移期間に入り、スイッチング素子動作信号103の周波数の大きさは緩やかに連続的に変化する。定常動作期間では、スイッチング素子動作信号103の周波数は、定常の周波数に戻り、ランプ電圧波形112の急峻な電圧変化が生じる周波数も定常に戻る。
図7は、本実施形態の発明に係るバースト調光を行う希ガス蛍光ランプ点灯装置の構成を示す図、図8は、スイッチング素子動作信号103のデューティー比と発光効率相対値との関係を示す図、図9はバースト調光信号113、スイッチング素子動作信号103、スイッチング素子Q1、Q2のオン、オフ状態を表した動作波形、ランプ電圧波形112を示した図である。
希ガス蛍光ランプ点灯装置は、図7に示すように、直流電源114から供給される直流電圧が、インバーター回路100にて交流の高電圧に変換され、希ガス蛍光ランプ1へ点灯電力として供給される。また、インバーター回路100はバースト調光信号113に合わせて間欠動作し、バースト調光を行う。インバーター回路100は、昇圧トランス111、スイッチング素子回路101、インバーター制御回路102から構成され、さらに詳細に説明すると、スイッチング素子回路101はスイッチング素子Q1、スイッチング素子Q2、スイッチング素子駆動回路2から構成され、インバーター制御回路102はコンパレータ4、比較電圧制御回路5、発振回路6、遅延回路8、タイマー回路9、スイッチング素子デューティー比増大回路20から構成される。
スイッチング素子回路101、昇圧トランス111については、第1の実施形態と同様となるので説明を省略する。
同図に示すように、スイッチング素子動作信号103のデューティー比が20%の場合に発光効率が極大となるので、定常動作は20%前後で行うのが望ましい。デューティー比を増大する場合、デューティー比が発光効率の高い大きさから一時的に外れるため、デューティー比が増大した状態を必要以上に長く続けると、全体の発光効率が低下する。従って、スイッチング素子動作信号103のデューティー比の増大期間は、バースト調光の点灯期間の開始から、希ガス蛍光ランプ1が凡そ軸方向全体にわたり発光するまでの期間の大きさに留めることにより、発光効率の低下を最小限に留めることができる。
スイッチング素子Q1、Q2は、スイッチング素子動作信号103に従い、交互にオンになる。ランプ電圧波形112は、スイッチング素子Q1、又はQ2がオンになる度に、極性が切り替わり、急峻な電圧変化が起こる。バースト調光信号113の点灯期間の開始から、希ガス蛍光ランプ1が凡そ軸方向全体にわたり発光するまでの期間、デューティー比増大期間となり、スイッチング素子動作信号103のデューティー比が増大し、スイッチング素子Q1、Q2のオン時間が長くなり、ランプ電圧波形112の平坦部の減衰を抑制することができる。続いて推移期間に入り、スイッチング素子動作信号103のデューティー比の大きさは緩やかに連続的に変化する。定常動作期間では、スイッチング素子動作信号103のデューティー比は、定常のデューティー比に戻るが、放電は全体に広がっているので、ランプ電圧波形112の平坦部の減衰は小さい。
図10は、本実施形態の発明に係るバースト調光を行う希ガス蛍光ランプ点灯装置の構成を示す図、図11は、バースト調光信号113、スイッチング素子動作信号103、スイッチング素子Q1、Q2の動作波形、ランプ電圧波形112を示した図である。
この希ガス蛍光ランプ点灯装置は、図10に示すように、直流電源114から供給される直流電圧が、インバーター回路100にて交流の高電圧に変換され、希ガス蛍光ランプ1へ点灯電力として供給される。また、インバーター回路100はバースト調光信号113に合わせて間欠動作し、バースト調光を行う。インバーター回路100は、昇圧トランス111、スイッチング素子回路101、インバーター制御回路102から構成され、さらに詳細に説明すると、スイッチング素子回路101はスイッチング素子Q1、スイッチング素子Q2、スイッチング素子駆動回路2から構成され、インバーター制御回路102はコンパレータ4、比較電圧制御回路5、発振回路6、周波数増大回路7、遅延回路8、タイマー回路9、スイッチング素子デューティー比増大回路20から構成される。
すなわち、バースト調光の点灯期間の開始から、希ガス蛍光ランプ1が凡そ軸方向全体にわたり発光するまでの期間においてスイッチング素子動作信号103の周波数を増大させることにより、単位時間当たりの放電サイクルの回数を増やすことになり、放電の広がりを早めることができる。さらに、バースト調光の点灯期間の開始から、希ガス蛍光ランプ1が凡そ軸方向全体にわたり発光するまでの期間においてスイッチング素子動作信号103のデューティーを高くすることで、希ガス蛍光ランプ1へ充分なエネルギーを供給し得るランプ電圧波形112を形成できるため、放電の広がりを早めることができる。
スイッチング素子Q1、Q2は、スイッチング素子動作信号103に従い、交互にオンになる。ランプ電圧波形112は、スイッチング素子Q1、又はQ2がオンになる度に、極性が切り替わり、急峻な電圧変化が起こる。バースト調光の点灯期間の開始から、希ガス蛍光ランプ1が凡そ軸方向全体にわたり発光するまでの期間は、周波数増大期間であると共にデューティー比増大期間となり、スイッチング素子動作信号103の周波数とデューティー比が増大し、ランプ電圧波形112の急峻な電圧変化が生じる周波数が増大し、さらにランプ電圧波形112の平坦部の減衰を抑制することができる。続いて推移期間に入り、スイッチング素子動作信号103の周波数とデューティー比の大きさは緩やかに連続的に変化する。定常動作期間では、スイッチング素子動作信号103の周波数、及びデューティー比は、定常の大きさに戻り、ランプ電圧波形112も定常動作時の電圧変化を示す。
これより、単位時間当たりの急峻な電圧変化の回数を増やすことになり、さらに点灯直後でも希ガス蛍光ランプ1へ充分なエネルギーを供給し得るランプ電圧波形112を形成できるため、放電の広がりを早めることができ、易始動部位15から離れた場所での発光の遅れが抑制され、希ガス蛍光ランプ1の軸方向輝度分布の均一性を維持することができる。さらに、前記発光の遅れが抑制されることで、遅れ時間のバラツキによる明るさの変化が小さくなり、易始動部位15から離れた場所で生じるチラツキを抑制することができる。また、スイッチング素子動作信号103の周波数とデューティー比が高い期間から低い期間へ緩やかに連続的に変化させるので、希ガス蛍光ランプ1の電圧波形が乱れず、放電が不安定になることを防止することができる。
本発明の第1〜第3の実施形態の希ガス蛍光ランプ点灯装置によれば、チラツキは防止されるが、バースト調光の点灯期間の開始時のランプインピーダンスが高いことが原因で、高いサージ電圧が生じ、放電空間外での電極間の沿面放電やコネクター、配線等の絶縁破壊を生じる可能性危険があることが分かった。
そこで、本発明の第4の実施形態においては、バースト調光の「点灯期間の開始からランプ軸方向全体にわたり発光するまでの期間」において、いきなりスイッチング素子動作信号の周波数を高くしたり、いきなりスイッチング素子動作信号のデューティー比を大きくせず、段階(漸増)的に周波数を高く、又は段階的(漸増)的にデューティー比を大きくすることにより、過電圧入力を抑制し、輝度分布の不均一やチラツキが改善に加えて、安全面でも優れた希ガス蛍光ランプ点灯装置となる。
同図において、点灯開始時点から全発光完了時点までの期間が周波数増大期間であり、全発光完了時点以降が定常動作期間である。周波数増大期間のランプ電圧は、定常動作期間と比べて全体的に高いサージ電圧が発生している。その中でも、特に、点灯開始時点直後のサージ電圧は他の期間のものと比べて著しく高い(図15の○で囲った部分)。
このように点灯開始時点直後のサージ電圧が高くなる理由は、点灯開始時点直後は周波数増大により点灯回路からランプへの電力供給能力が高まる。一方、希ガス蛍光ランプの放電はまだ形成されていないので、ランプのインピーダンスは静電容量の小さいコンデンサーと等価であり、トランスのリーケージインダクタンスとの間で、Qの高い共振回路が形成されるためと考えられる。
この高いサージ電圧の存在は、トランス、コネクター、配線等の絶縁材料を劣化させ、装置の短寿命の原因になることがある。
なお、点灯開始時点及び全発光完了時点は、高速ビデオカメラにより発光の広がり撮影することにより、また、ランプ軸方向の複数箇所の光出力を光センサーで同時に測定し、それらの出力の時間変化を測定することによって検出確認が可能である。
同図において、インバーター回路100は直流電源114からの直流電圧を高周波高電圧に変換し、希ガス蛍光ランプ1に印加する。インバーター回路100は、外部(例えば、液晶テレビの調光制御回路等)からのバースト調光信号に従いバースト調光を行う機能を備えている。
インバーター回路100は、スイッチング素子回路101、昇圧トランス111、インバーター制御回路102から構成される。またスイッチング素子回路101は、プッシュプル回路方式、ハーフブリッジ回路方式、フルブリッジ回路方式などで構成され、直流電源114から供給された直流電圧を高周波電圧に変換して出力する。昇圧トランス111は、スイッチング素子回路101から供給された高周波電圧を昇圧し、高周波高電圧にして出力する。昇圧トランス111から出力された高周波高電圧は希ガス蛍光ランプ1に入力される。
インバーター制御回路102は、スイッチング素子回路101のスイッチング素子Q1、Q2を制御するためのスイッチング素子動作信号103をスイッチング素子回路101に出力すると共に、外部からのバースト調光信号113に従い、バースト調光制御を行う機能を備えている。インバーター制御回路102は、スイッチング素子動作信号生成回路115と周期・オン時間制御回路116とから構成されている。
オン時間制御信号117は、スイッチング素子動作信号103のオン時間の大きさを表し、周期制御信号118はスイッチング素子動作信号103の周期の大きさを表す。オン時間制御信号117と周期制御信号118の大きさは回路内に記憶されており、バースト調光信号を基準とする設定時間ごとに、大きさを変化させることができる。
スイッチング素子動作信号生成回路115には、バースト調光信号113、オン時間制御信号117、周期制御信号118が入力され、スイッチング素子動作信号103を出力する。スイッチング素子動作信号103は、周期が周期制御信号118の大きさで、オン時間がオン時間制御信号117の大きさのパルス信号である。
また、バースト調光信号113に従い、スイッチング素子動作信号103の出力と停止が制御される。
図17(a)は、バースト調光の点灯開始時点からスイッチング素子動作信号103の周波数を高くして動作させたときの波形を示し、図17(b)は、バースト調光の点灯開始時点からスイッチング素子動作信号103の周波数を漸増して動作させたときの波形を示す。
図17(a)の場合は、点灯開始時点直後のランプ電圧波形は、所定の電圧を越えるような高いサージ電圧が生じている。それに対して、図17(b)の場合は、所定の電圧を越えるような高いサージ電圧が生じておらず、サージ電圧が抑制されていることが分かる。なお、ここで上記所定の電圧とは、例えば、2kVである。
図18(a)は、バースト調光の点灯開始時点からスイッチング素子動作信号103のデューティー比を高くして動作させたときの波形を示し、図18(b)は、バースト調光の点灯開始時点からスイッチング素子動作信号103のデューティー比を漸増して動作させたときの波形を示す。
図18(a)の場合は、点灯開始時点直後のランプ電圧波形は、所定の電圧を越えるような高いサージ電圧が生じている。それに対して、図18(b)の場合は、所定の電圧を越えるような高いサージ電圧が生じておらず、サージ電圧が抑制されていることが分かる。
図19(a)は、バースト調光の点灯開始時点からスイッチング素子動作信号103の周波数とデューティー比を高くして動作させたときの波形を示し、図18(b)は、バースト調光の点灯開始時点からスイッチング素子動作信号103の周波数とデューティー比を漸増して動作させたときの波形を示す。
図19(a)の場合は、点灯開始時点直後のランプ電圧波形は、所定の電圧を越えるような高いサージ電圧が生じている。それに対して、図19(b)の場合は、所定の電圧を越えるような高いサージ電圧が生じておらず、サージ電圧が抑制されていることが分かる。
このように動作させることにより、点灯開始時点から全発光完了時点までの時間が短縮されるので、輝度分布の均一性の改善やチラツキを抑制する効果がある。スイッチング素子動作信号103の周波数及び/又はデューティー比の大きさを、定常動作の大きさに戻すのは、図20(e)に示すように全発光完了時点以前でも、また図20(f)に示すように全発光完了時点以降であっても上記の効果を得ることができる。ただし、全発光完了時点以降に戻すと、発光効率が悪化するので、全発光完了時点で速やかに定常動作の大きさに戻すことが望ましい。
スイッチング素子動作信号103の周波数及び/又はデューティー比の大きさを急激に変化させると、図21に示すように、スイッチング素子動作信号103が乱れる問題があるが、上記のように連続的に変化させることにより、スイッチング素子動作信号103の乱れを防止することができる。
この問題は、インバーター制御回路をデジタル回路で構成し、同期制御を行う方法によっても回避できるが、アナログ回路で構成する場合は上記の方法が有効である。
前記一定の期間に至るまでの間、スイッチング素子動作信号103の周波数及び/又はデューティー比の大きさを漸増させることにより、図15に示したような点灯開始直後の著しく高いサージ電圧の発生を抑制することができる。
図20(c)の模式図は、点灯開始時点のスイッチング素子動作信号103の周波数及び/又はデューティー比の大きさが定常時の大きさよりも大きい場合を示しており、図20(d)の模式図は、小さい場合を示しているが、どちらでも同様の効果が得られる。
インバーター制御回路102は、スイッチング素子動作信号生成回路115と周期・オン時間制御回路116から構成される。スイッチング素子動作信号生成回路115には、バースト調光用PWM信号113、及び周期制御信号117、オン時間制御信号118が入力され、スイッチング素子動作信号103を出力する。周期・オン時間制御回路116は、バースト調光用PWM信号113が入力され、周期制御信号118及びオン時間制御信号117を出力する。
スイッチング素子動作信号生成回路115は、カウンター回路(1)119、比較回路120から構成され、カウンター回路(1)119は、バースト調光用PWM信号113、及び周期制御信号117が入力され、カウント信号1を出力する。比較回路120は、カウント信号1、及びオン時間制御信号118が入力され、スイッチング素子動作信号103を出力する。
周期・オン時間制御回路116は、カウンター回路(2)121、及び周期・オン時間制御信号生成回路122から構成され、カウンター回路(2)121は、バースト調光用PWM信号113が入力され、カウント信号2を出力する。
ここで、バースト調光用PWM信号113、スイッチング素子動作信号103は2値論理信号であり、カウント信号1、カウント信号2、周期制御信号117、オン時間制御信号118は整数信号である。
バースト調光用PWM信号113がLowからHighに変化すると、カウンター回路(1)119がカウント動作を開始する。カウント信号1は、大きさ1から始まり、一定時間ごとに値が1増加する。カウンター回路(1)119は、カウント信号1が周期制御信号118の大きさに達すると、大きさは1に戻り、同じ動作を繰り返す。
比較回路120では、カウント信号1とオン時間制御信号118の比較を行い、カウント信号1≦オン時間制御信号118の場合、スイッチング素子動作信号103をHighとし、カウント信号1>オン時間制御信号118の場合、スイッチング素子動作信号103をLowとする。
即ち、スイッチング素子動作信号103の周期は、「カウント信号1の大きさが1増加する時間」×「周期制御信号117の大きさ」であり、スイッチング素子動作信号103のオン時間(Highレベルの時間)は、「カウント信号1の大きさが1増加する時間」×「オン時間制御信号118の大きさ」である。
バースト調光用PWM信号113がHighからLowに変化すると、カウンター回路(1)119はカウント信号1が周期制御信号117の大きさに達した時点でカウント動作を停止し、カウント信号1は周期制御信号117の大きさを維持する。即ち、スイッチング素子動作信号103はLowレベルを維持する。
バースト調光用PWM信号113がLowからHighに変化すると、カウンター回路(2)121がカウント動作を開始する。カウンター回路(2)121はカウンター回路(1)119と同期して動作する。カウント信号2は、大きさ1から始まり、一定時間ごとに値が1増加し、大きさがカウント可能最大値QMAXに達すると、カウント動作を停止し、QMAXを維持する。
周期・オン時間制御回路116は、カウント信号2の大きさと、回路中に記憶されている整数τ1、τ2、τ3、・・・τnとの比較を行い、その結果に対応付けて記憶されている2つの整数信号を周期制御信号117及びオン時間制御信号118として出力する。
具体的には、カウント信号2をQ、周期制御信号117をC、オン時間制御信号118をDとすると、0≦Q<τ1の場合はC=T0、D=Ton0となり、τ1≦Q<τ2の場合はC=T1、D=Ton1となり、τn≦Qの場合はC=Tn、D=Tonnとなる。
バースト調光用PWM信号113がHighからLowに変化すると、カウント信号2は0に変化し、その大きさを維持する。
このようにスイッチング素子動作信号103の周期、オン時間の時間変化は、整数信号τ1〜τn、T0〜Tn 、Ton0〜Tonnの大きさを調節することで任意に変更することができる。
なお、図22に示したインバーター制御回路102においては、回路構成の容易さから、スイッチング素子動作信号103のデューティー比を、「オン時間制御信号の大きさ」/「周期制御信号の大きさ」と置き換えて制御しているが、当然ながらこれはデューティー比を制御しているのと等価であり、発明の主旨と異なるものではない。
ここでは、図23に示すように、τ1=80、τ2=400、T0=8、T2=10、Ton0=2、Tonn=4、Tonn=2に設定した。
バースト調光用PWM信号113がLowからHighに変化すると、カウント信号1、カウント信号2は1の大きさになり、一定時間ごとに1増加する。この例では、カウント信号1とカウント信号2のカウントアップの周期が同じであるが、カウント信号2の周期はカウント信号1のn倍でも良い。
カウント信号2がτ1=80になると、周期制御信号117は5、オン時間制御信号118は4に変化する。スイッチング素子動作信号103は、カウント信号1≦オン時間制御信号118(=4)の場合にHighになり、それ以外はLowになる。カウント信号1は周期制御信号117が5の大きさになると1に戻り、同じ動作を繰り返す。
カウント信号2がτ2=400になると、周期制御信号117は10、オン時間制御信号118は2に変化する。スイッチング素子動作信号103は、カウント信号1≦オン時間制御信号118(=2)の場合にHighになり、それ以外はLowになる。カウント信号1は周期制御信号117が10の大きさになると1に戻り、同じ動作を繰り返す。
カウント信号2はカウント可能最大値QMAXに達すると、QMAXの大きさを維持する。
バースト調光用PWM信号113がLowになると、カウント信号は周期制御信号117が1の大きさに達した時点でカウントを停止し、同時にカウント信号2は0にリセットされる。
同図に示すように、ガラス管124内壁に沿って管軸方向に配設された2つの線状の内部電極125、126はガラスからなる誘電体127、128により覆われ、ガラス管124内壁及び誘電体127、128上に蛍光物質129が形成されている。このように、本発明の各実施形態の希ガス蛍光ランプは、図3に示したガラス管の外面の管軸方向に伸びる外部電極が配設された希ガス蛍光ランプのみならず、図24に示すようなガラス管124内壁に沿って管軸方向に内部電極125、126が配設された希ガス蛍光ランプも適用できる。図3や図24に示した構造を有する希ガス蛍光ランプは誘電体を介して放電する誘電体バリア放電ランプの範疇に属するランプである。
2 スイッチング素子駆動回路
3 プッシュプル動作回路
4 コンパレータ
5 比較電圧制御回路
6 発振回路
7 周波数増大回路
8 遅延回路
9 タイマー回路
11 ガラス管
12、13 外部電極
14 蛍光物質
15 易始動部位
16 液晶パネル
17 光学フィルム
18 拡散板
19 筐体
20 スイッチング素子デューティー比増大回路
100 インバーター回路
101 スイッチング素子回路
102 インバーター制御回路
103 スイッチング素子動作信号
110 出力信号
111 昇圧トランス
112 ランプ電圧波形
113 バースト調光信号
114 直流電源
115 スイッチング素子動作信号生成回路
116 周期・オン時間制御回路
117 オン時間制御信号
118 周期制御信号
119 カウンター回路(1)
120 比較回路
121 カウンター回路(2)
122 周期・オン時間制御信号生成回路
123 希ガス蛍光ランプ
124 ガラス管
125、126 内部電極
127、128 誘電体
129 蛍光物質
Q1、Q2 インバータースイッチング素子
Claims (8)
- ガラス管の内部にHe、Ar、Xe、Krのいずれか1種類以上の希ガスが封入され、前記ガラス管内面に蛍光体が塗布され、前記ガラス管の軸方向に伸びる電極が配設された希ガス蛍光ランプと、前記電極に交流の高電圧を印加するインバーター回路を有し、該インバーター回路は、スイッチング素子動作信号を出力するインバーター制御回路と、前記スイッチング素子動作信号に従いスイッチング素子をオン、オフ制御することにより直流電圧を交流電圧に変換するスイッチング素子回路と、該スイッチング素子回路からの交流電圧を昇圧する昇圧トランスからなり、前記希ガス蛍光ランプの点灯期間と消灯期間を周期的に繰り返し、点灯期間と消灯期間の時間比率を制御してバースト調光を行う希ガス蛍光ランプ点灯装置において、
バースト調光の点灯開始時点から前記希ガス蛍光ランプが凡そ軸方向全体にわたり発光する全発光完了時点までの期間の内の少なくとも一部の期間の前記スイッチング素子動作信号の周波数を、定常時における前記スイッチング素子動作信号の周波数よりも高くしたことを特徴とする希ガス蛍光ランプ点灯装置。 - 前記少なくとも一部の期間の初期において、前記スイッチング素子動作信号の周波数を漸増させたことを特徴とする請求項1に記載の希ガス蛍光ランプ点灯装置。
- 前記バースト調光の点灯開始時点から前記希ガス蛍光ランプが凡そ軸方向全体にわたり発光する全発光完了時点までの期間の内の少なくとも一部の期間の前記スイッチング素子動作信号の周波数から、前記定常時のスイッチング素子動作信号の周波数に戻るに際して、前記スイッチング素子動作信号の周波数の大きさを連続的に変化させることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の希ガス蛍光ランプ点灯装置。
- ガラス管の内部にHe、Ar、Xe、Krのいずれか1種類以上の希ガスが封入され、前記ガラス管内面に蛍光体が塗布され、前記ガラス管の軸方向に伸びる電極が配設された希ガス蛍光ランプと、前記電極に交流の高電圧を印加するインバーター回路を有し、該インバーター回路は、スイッチング素子動作信号を出力するインバーター制御回路と、前記スイッチング素子動作信号に従いスイッチング素子をオン、オフ制御することにより直流電圧を交流電圧に変換するスイッチング素子回路と、該スイッチング素子回路からの交流電圧を昇圧する昇圧トランスからなり、前記希ガス蛍光ランプの点灯期間と消灯期間を周期的に繰り返し、点灯期間と消灯期間の時間比率を制御してバースト調光を行う希ガス蛍光ランプ点灯装置において、
バースト調光の点灯開始時点から前記希ガス蛍光ランプが凡そ軸方向全体にわたり発光する全発光完了時点までの期間の内の少なくとも一部の期間の前記スイッチング素子動作信号のデューティー比を、定常時における前記スイッチング素子動作信号のデューティー比よりも高くしたことを特徴とする希ガス蛍光ランプ点灯装置。 - 前記少なくとも一部の期間の初期において、前記イッチング素子動作信号のデューティー比を漸増させたことを特徴とする請求項4に記載の希ガス蛍光ランプ点灯装置。
- 前記バースト調光の点灯開始時点から前記希ガス蛍光ランプが凡そ軸方向全体にわたり発光する全発光完了時点までの期間の内の少なくとも一部の期間の前記スイッチング素子動作信号のデューティー比から、前記定常時のスイッチング素子動作信号のデューティー比に戻るに際して、前記スイッチング素子動作信号のデューティー比の大きさを連続的に変化させることを特徴とする請求項4又は請求項5に記載の希ガス蛍光ランプ点灯装置。
- ガラス管の内部にHe、Ar、Xe、Krのいずれか1種類以上の希ガスが封入され、前記ガラス管内面に蛍光体が塗布され、前記ガラス管の軸方向に伸びる電極が配設された希ガス蛍光ランプと、前記電極に交流の高電圧を印加するインバーター回路を有し、該インバーター回路は、スイッチング素子動作信号を出力するインバーター制御回路と、前記スイッチング素子動作信号に従いスイッチング素子をオン、オフ制御することにより直流電圧を交流電圧に変換するスイッチング素子回路と、該スイッチング素子回路からの交流電圧を昇圧する昇圧トランスからなり、前記希ガス蛍光ランプの点灯期間と消灯期間を周期的に繰り返し、点灯期間と消灯期間の時間比率を制御してバースト調光を行う希ガス蛍光ランプ点灯装置において、
バースト調光の点灯開始時点から前記希ガス蛍光ランプが凡そ軸方向全体にわたり発光する全発光完了時点までの期間の内の少なくとも一部の期間の前記スイッチング素子動作信号の周波数及びデューティー比を、定常時における前記スイッチング素子動作信号の周波数及びデューティー比よりも高くしたことを特徴とする希ガス蛍光ランプ点灯装置。 - 前記バースト調光の点灯開始時点から前記希ガス蛍光ランプが凡そ軸方向全体にわたり発光する全発光完了時点までの期間の内の少なくとも一部の期間の前記スイッチング素子動作信号の周波数及びデューティー比から、前記定常時のスイッチング素子動作信号の周波数及びデューティー比に戻るに際して、前記スイッチング素子動作信号の周波数及びデューティー比の大きさを連続的に変化させることを特徴とする請求項7に記載の希ガス蛍光ランプ点灯装置。
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