JP2006338897A - 誘電体バリア放電ランプの点灯装置及び点灯方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 ランプの点灯時にランプの長さ方向全域に亘り、一様な輝度が得られる誘電体バリア放電ランプの点灯装置及び点灯方法を提供する。
【解決手段】 誘電体バリア放電ランプ(1)の点灯装置は、ランプ(1)の内部電極(4)と外部電極(5)の間にランプ(1)を点灯させるための駆動電圧を供給する電源回路(6)と、電源回路(6)の駆動電圧の周波数を決定するための駆動信号(Vd1、Vd2)を供給する駆動回路(10)とを備える。駆動回路(10)は、駆動電圧の周波数が第一の周波数から第二の周波数の間で第三の周波数に従って周期的に変化するように、駆動信号(Vd1、Vd2)を生成する。
【選択図】 図1

Description

本発明は水銀を用いずに高輝度化が図れ、かつ安定した点灯が可能なバックライト用光源などに好適な誘電体バリア放電ランプの点灯装置及び点灯方法に関する。
近年の映像ディスプレイの大画面化、薄型化にともない、液晶表示装置の高性能化が要求されている。その構成用件であるバックライト用光源としては、従来主に冷陰極蛍光ランプが使用されてきたが、近年、環境保護の観点から、蛍光ランプの無水銀化が期待されている。このため、水銀を使用しないで高効率が得られる希ガス放電をもちいた、誘電体バリア放電ランプが開発されている(例えば、特許文献1参照)。
図6は、特許文献1に記載された従来の誘電体バリア放電ランプの構成を示すものである。図6において、誘電体バリア放電ランプ14は、内壁面に蛍光体皮膜15が形成され、かつキセノンを主体とした希ガス放電媒体が封入されたガラス管16と、ガラス管16の両端にリード端子17aを導出して封装された内部電極18aとリード端子17bを導出して封装された内部電極18bと、ガラス管16の外周面に、管軸方向ほぼ全長に亘って螺旋状に巻装された外部電極19とを有する。このようなランプ14は、リード端子17aおよび17bを介して内部電極18aおよび18bに、リード19aを介して外部電極19に、電源21から所定の周期的な交流電圧(1〜3kV)が印加されると、内部電極18a、18bと外部電極19との間で放電が開始され、ガラス管16内で紫外放射を放射する。こうして放射された紫外放射がガラス管16内壁面の蛍光体被膜15を励起し可視放射を発生させ、蛍光ランプとして機能する。
この誘電体バリア放電ランプを液晶バックライト用光源として使用する場合、液晶ディスプレイの大型化に伴い発光管(放電ランプ)の長尺化が要求される。このため、ガラス管16の全長に亘って所要の発光を得るために、ガラス管全域に放電を広げるには印加電圧を非常に高く設定する必要があった。しかしながら印加電圧を一定以上高くするとガラス管16の管軸方向に放電のムラが生じ、全長に亘ってほぼ一様の輝度分布を持つ蛍光ランプとして機能しなくなる問題があった。
これをさらに詳しく説明すると、ガラス管16の長さ方向全域に亘り、陽光柱が管軸方向に広がる拡散陽光柱を発生する場合には、ランプの全長に亘りほぼ一様に高い輝度を維持できる。しかしガラス管16を長くし、ガラス管16内全域に放電を発生させるため印加電圧を高くすると、内部電極18a、18b付近の放電電流が次第に高くなり、陽光柱が細い線状の収縮放電状態へと遷移する。この状態はキセノンを用いた希ガス放電ランプにおいてとりわけ顕著である。収縮放電状態を呈する部分では発生する紫外放射がきわめて小さくなるため、この内部電極18a、18b近辺の発光輝度が低くなり長さ方向の輝度ムラが発生する。
このような問題に対して特許文献1では、拡散陽光柱の発生をガラス管16の少なくとも半分の長さで発生させ、かつ収縮放電が発生しない印加電圧を、外部電極19に対して内部電極18aと18bに交互に所定の周期で接続を切り替えて印加し(図6(a)と(b)参照)、これにより、ガラス管の長さ方向全域に亘り、一様な輝度を得ている。
特開平2004−127540号公報
しかしながら、特許文献1に記載の構成では、実現できるランプの長さは、管軸方向に均一な拡散陽光柱がえられ、かつ電極部分で収縮陽光柱が発生しない放電での陽光柱の最大長さの2倍が限度である。例えば特許文献1では、図7に示すように、ガラス管300mmの発光管の場合、すでに100mm以上収縮陽光柱が発生しており、封入ガス条件にもよるが、この方法では、実用になるのはガラス管の長さが600mm以下である。特許文献1の方法に対するわれわれの実験によれば、図8に示すように、ランプ左端(内部電極)に印加電圧を変えても輝度が上昇せず管軸方向に広がる収縮放電の領域(図8の囲み部分)が生じ、ランプ左端から400mm以上の距離では輝度が低下した。このように、われわれの実験によれば、ガラス管径5mm以下では、ガラス管の長さ方向全域に亘り一様な輝度が得られる400mm以上のランプを作ることは難しかった。
一方で実際の大画面テレビ、例えば32インチ以上の液晶ディスプレイ用バックライトを実現する場合、発光管を水平点灯しようとすればガラス管は700mm以上が必要となり、特許文献1の方法では実現は困難である。さらに、大型の液晶ディスプレイ用バックライト光源に特許文献1に記載の方法を用いる場合、発光管の両端に高電圧を印加するための電圧供給線20a、20bが極めて長くなる。これは電磁ノイズ対策の観点からも、また電圧供給線20a、20bが有する浮遊容量によるインピーダンス変動の影響の観点からも望ましくない。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、その目的とするところは長さ方向全域に亘り、一様な輝度が得られる誘電体バリア放電ランプを提供することにある。
上記のような従来の課題を解決するために、本発明に係る誘電体バリア放電ランプの点灯装置は、内部電極と外部電極とを有する発光管を点灯させる装置であって、内部電極と外部電極の間に、発光管を点灯させるための駆動電圧を供給する電源回路と、駆動電圧の周波数を決定する駆動信号を電源回路に対して供給する駆動回路とを備える。駆動回路は、駆動電圧の周波数が第一の周波数から第二の周波数の間で第三の周波数に従って周期的に変化するように、駆動信号を生成する。このように駆動電圧の周波数(動作周波数)を第一の周波数と第二の周波数の間の範囲にわたって周期的に変動させることにより、発光管の発光輝度分布を均一にできる。
本発明に係る誘電体バリア放電ランプの点灯方法は、内部電極と外部電極を有する発光管を点灯させる方法である。その方法では、内部電極と外部電極の間に、発光管を点灯させるための駆動電圧を、その駆動電圧の周波数を第一の周波数から第二の周波数の間で第三の周波数に従って周期的に変化させながら印加する。
第一の周波数は15kHz以上であるのが好ましい。第二の周波数は30kHz以下であるのが好ましい。また、第三の周波数は120Hz以上、1kHz以下に設定するのが好ましい。
本発明によれば、発光管に供給する駆動電圧の周波数を、第三の周波数に従って第一の周波数と第二の周波数間の範囲で変化させることにより、発光管の管軸方向の輝度分布を見かけ上、一様にすることができる。また、本発明の放電ランプ点灯装置の構成によれば、発光管への駆動電圧の印加を発光管の一方の端部のみで行えるため、配線が簡素化できる。これによって電磁ノイズ対策を容易にするとともに、配線の浮遊容量によるインピーダンスの変化が点灯に悪影響を及ぼすことを避けることが可能となる。
以下、本発明の実施形態を、図面を参照しながら説明する。
図1は、本発明の実施の形態における誘電体バリア放電ランプの点灯装置の構成を示す図である。点灯装置は、発光管1を点灯させるための駆動電圧を供給する電源回路6と、電源回路6を制御するための駆動信号を生成する駆動回路10と、直流電源9とを含む。
発光管(蛍光ランプ)1は、ホウケイ酸ガラスよりなるガラス管2の内壁面に蛍光体層3が形成され、かつキセノンを主体とした希ガスが封入されている。またガラス管2の一方の端部には内部電極4を、ガラス管2の外側には管軸方向ほぼ全長に亘って、コロナ放電を避けるためにガラス管2と所定の距離を保つように設置した、アルミ薄板によりなる外部電極5を有する。外部電極5の発光管1に対向する表面は高反射率コーティングを施すことによって、発光管1からの発光の利用率を向上させている。
ここでガラス管2は外径3〜5mm程度、長さ600mm以上で放電媒体としてキセノンとアルゴンの混合ガスを、キセノン分圧比60%、全圧21kPaに封入されている。
発光管1の内部電極4と外部電極5との間には交流電圧(本実施形態では矩形波電圧)が電源回路6より供給される。電源回路6は、FETなどよりなるスイッチング素子8aと8bより構成されたインバータ部8と、昇圧トランス部7とを含む。電源回路6は、直流電源9により供給される直流電圧をインバータ部7によって交流電圧に変換し、発光管1に供給する。その交流電圧の周波数(以下「動作周波数」という。)は駆動回路10により制御される。より具体的には、駆動回路10から供給される駆動信号Vd1、Vd2により、電源回路6のインバータ部8を構成する二つのスイッチング素子8aと8bがそれぞれ制御される。駆動回路10は、たとえば内蔵マイコン(図示しない)のプログラム制御により、駆動信号のタイミングを周期的に変化させる周波数変化機能を有する。駆動回路10は所定の周波数f3に従って周波数が変化する駆動信号を電源回路6のインバータ部8のスイッチング素子8aと8bとに供給し、動作周波数を第一の周波数f1と第二の周波数f2の間の範囲で変調する。
図2に駆動回路10の詳細な構成を示す。図2は、駆動回路10の一例としてPLL回路を利用した構成を示している。電圧制御発振器37は、入力された電圧に応じた周波数fの信号を発振する発振器である。プログラマブルカウンタ39は、電圧制御発振器37から発振された周波数fをマイコン41から出力される分周値Nで除した周波数(f/N)を位相比較器33に入力する。位相比較器33は、基準周波数発振器31から発振された基準周波数f0と、プログラマブルカウンタ39からのf/Nとを比較し、f0=f/N、すなわちf=f0×Nとなるように電圧制御発振器37に与える電圧を制御する。ループフィルタ35はローパスフィルタである。マイコン41は所定の周波数(f3)に従ってNの値を変化させてプログラマブルカウンタ39に供給する。駆動信号生成器43は、電圧制御発振器37からの周波数fの電圧を受け、スイッチング素子8a、8bをそれぞれ駆動するための周波数fの駆動信号Vd1、Vd2を生成する。
以上の構成により、駆動回路10は、基準周波数発振器31から出力される周波数f0の任意の整数倍の周波数fの駆動信号を、その周波数fを変化させながらインバータ部8に供給することができる。
なお、マイコン41は、所定の周波数(f3)と、第一の周波数f1(=f0×N1)を与える分周値N1と、第二の周波数f2(=f0×N2)を与える分周値N2とを格納している。駆動回路10の構成は、図2に示したようなPLL回路を応用した構成に限られない。
図3Aは、本実施形態の点灯装置から発光管1へ供給される駆動電圧の変化を示した図である。また、図3Bは、点灯装置から供給される駆動電圧の動作周波数fの変化の様子を示した図である。これらの図に示すように、動作周波数fは可変であり、第一の周波数f1と第二の周波数f2の間を第三の周波数f3で変動する。すなわち、駆動回路10はスイッチング素子8aと8bに対して上記のように周波数が変動する駆動信号を供給することにより、図3Aの第一の周波数f1と第二の周波数f2の間の任意の周波数の交流電圧を発生させる。さらに駆動回路10は図3Aに示すように、第三の周波数f3に従って駆動信号のタイミングを変化させ、それによって動作周波数を第一の周波数f1と第二の周波数f2の間で変化させる。なお、本実施形態では、動作周波数fを図3Bのように正弦波状に変化させたが、動作周波数fの変化のさせ方は、一定周期で変化させるのであれば、他の方法でもよい。
図4に前記のように動作周波数を変化させた場合の、発光管(蛍光ランプ)1の管軸方向の輝度分布を示す。動作周波数が低い15kHz程度では、輝度分布は内部電極4の近傍に偏っており、放電が進展しにくいことがわかる。そこから徐々に動作周波数を上げてゆくと、輝度分布が内部電極4の反対側端部に向かって伸びてゆき、やがて発光管1全体が発光し始める。
以下にこの現象を詳細に説明する。内部電極4と外部電極5には、誘電体であるガラス管2の管壁を間に挟んだ、いわゆる誘電体バリア放電という機構で放電が生起する。内部電極4と外部電極5との間の電位差(放電電圧)が大きくなるにつれて、発光管1内では希ガスが絶縁破壊し、生成される放電プラズマによって電荷が形成される。誘電体バリア放電の特徴は、この電荷がガラス管2の表面に蓄積されるよって放電電圧を相殺し、やがて自動的に放電が停止することである。発光管1のような構成の放電ランプでは、内部電極4の近傍から反対側の端部に向かって順にこのような過程が進行することによって、管軸方向に放電が進展する。プラズマ中には電圧降下が生じるため、放電の先端部分でのプラズマと外部電極5との間の電位差は距離とともに小さくなり、プラズマの維持に必要な電圧よりも小さくなるとそこで放電の進展は終了する。
上記の過程は比較的短時間に進行するため、本発明のごとく矩形の交流電圧を印加する場合には、電圧の極性が変化するタイミングで短時間に放電が終了し、電圧が一定値を保っている間は放電が停止している。この放電が停止している期間には、放電によって形成された電荷のうちガラス管2の表面に蓄積されていないものは、拡散と再結合によって徐々に失われてゆく。動作周波数が低い場合には、放電が停止している時間が長いため電荷の減少量が大きく、次に電圧の極性が変化して放電が発生する際に、発光管1内に残っている電荷は周波数が高い場合に比べて少なくなっている。この電荷は次の放電が発生する際の「火種」となる。動作周波数が高くなるにつれて「火種」が増えてゆくことから、プラズマの維持に必要な電圧が低下する。したがって動作周波数が高いほうが、放電が発生しやすくなり、その結果輝度分布も内部電極4の近傍から反対側へと伸長してゆくことになる。
一方でさらに周波数を上げて30kHz程度になると、輝度分布のピークが内部電極4の反対側端部付近に達するとともに、今度は内部電極4の近傍で収縮放電状態を呈するようになり、内部電極4側の輝度が低下する。
このように、動作周波数を変化させることによって発光管1の、管軸方向の輝度分布を変化させることが出来ることを本願発明者らは見出した。さらに本願発明者らは、このように周波数によって異なる輝度分布を能動的に高速で変化させることにより、輝度分布を一様に出来るのではないかと発想し、放電ランプの点灯装置の駆動信号回路10に動作周波数を変化させる周波数可変機能を持たせた。
ところで図4を参照すると、周波数が25kHzのときには輝度分布が比較的平坦になり、液晶バックライト用光源として好適な条件を備えているように見える。しかしながら、外部電極5とガラス管2との間の距離やガラス管2への蛍光体層3の塗布状態のばらつきなどの要因により、図3にも見られるように輝度分布は平坦ではあっても完全に一様にはならない。またこれらのばらつき要因は製造される蛍光ランプ個々に対してその大きさが異なるため、複数本の蛍光ランプを使用するバックライトユニットを構成する場合に輝度分布のばらつきを光学的に補償するのは困難である。むしろ本発明のように能動的に、人間の目にちらつきとして認知されないような速度で輝度分布を変化させるほうが、平均的により均一な輝度分布を得ることが可能となる。
図5に、本実施の形態の放電ランプの点灯装置の周波数可変機能を利用して動作周波数を変化させた場合の蛍光ランプ(発光管)1の輝度分布を示す。本実施の形態においては、第一の周波数f1が15kHz、第二の周波数f2が30kHzである。また、人間の目が変調によるちらつきを認知しないために、第三の周波数f3を200Hzとした。本実施の形態の放電ランプの点灯装置によれば、図5にみられるように凹凸の少ない一様な輝度分布が得られることがわかった。図5からは(図4からも予想されるように)内部電極4と反対側に向かって輝度分布が若干高くなる傾向がみられるが、この傾向は同一条件で点灯した場合に複数のランプ間でも同一であり、かつ変化が単調連続であるため、光学的にこれを補償することは容易である。
以上のように、本実施形態の点灯装置によれば、発光管に供給する駆動電圧の周波数を、第三の周波数に従って第一の周波数と第二の周波数間の範囲で変化させることにより、発光管の管軸方向の輝度分布を見かけ上、一様にすることができる。また、発光管への駆動電圧の印加を発光管の一方の端部のみで行えるため、配線が簡素化できる。これによって電磁ノイズ対策を容易にするとともに、配線の浮遊容量によるインピーダンスの変化が点灯に悪影響を及ぼすことを避けることが可能となる。
なお、動作周波数は低いほど内部電極4近傍での収縮放電が発生しにくく、逆に高いほど輝度が高くなる傾向がある。従って両者のバランスから、動作周波数はおおむね10kHzから40kHzの間に設定するのが好適である。なお、第一の周波数f1は15kHz以上に設定するのが好ましい。これは、これより低い周波数帯では可聴ノイズの影響が現れるからである。これが回避できる場合には、さらに低い周波数を採用してもよく、これにより、輝度分布の一様性と、均一な範囲を向上させることが可能である。また、第二の周波数f2としては30kHz以下が好ましい。これより高い周波数を、特にテレビ向けの液晶バックライト等として使用する場合、テレビ制御用のリモコンの動作に影響を与える恐れがあるからである。この影響を無視できる場合には、より高い周波数帯を採用してもよく、それにより、平均的な輝度の値を高めることが可能となる。
さらに、第三の周波数f3は120Hz以上、1kHz以下の周波数であるのが好ましい。これより低い周波数で輝度分布を変化させた場合、人間の目がその変動をちらつきとして知覚し得るため好ましくない。また、1kHzより高い周波数で変調した場合には、動作周波数の違いによる残留電荷の影響の差が出にくくなり、輝度の平均化が出来にくくなるため好ましくない。さらには、液晶のリフレッシュレート(通常は60Hz)との干渉を避けるように注意して選択するべきである。逆にリフレッシュレートの整数倍とすることで、画面ごとの輝度の変動を抑制することも可能である。
また、本実施の形態では放電媒体としてキセノンとアルゴンの混合ガスを使用している。その全圧を21kPa、混合分圧比を60%としたが、これは発光輝度とその一様性、及び安定性により決まる。発光輝度はキセノンの分圧比が大きいほど高くなり、30%以下の分圧比では輝度が低く実用的ではない。一方でキセノンの分圧比が高くなると、内部電極4近傍での収縮が発生しやすくなり、また放電の進展が難しくなる。
一方で混合ガスの全圧を低くすると、放電進展が容易になるが収縮も発生しやすくなる傾向がみられる。このため、動作周波数の範囲や印加する電圧にもよるが5kPaから40kPaの範囲で使用することが好適である。さらにキセノンに混合する希ガスとして本実施の形態ではアルゴンを使用しているが、ネオンを使用しても同等の効果を得ることができる。またヘリウムやクリプトンといった他の希ガスを用いることで、あるいはキセノンを単独で用いることで、発光管1の形状等の条件を変えた場合の特性の変化を補償することも可能である。
また、本実施の形態では、内部電極4を発光管1の長さ方向の一方の端部においてのみ設けた発光管を例として用いて説明したが、本実施形態の点灯装置は、長さ方向の両端に内部電極を設けた発光管に対しても有効である。
本発明の誘電体バリア放電ランプの点灯方法および点灯装置は、水銀を用いない長尺の細管蛍光ランプについて、その輝度分布を管軸方向に一様にする手段を提供するため、大画面ディスプレイ用液晶のバックライト光源等として有用である。また、光源の線状性、均一性から、線状紫外線照射光源として、あるいは装飾用光源等への応用も可能である。
本発明の実施の形態における誘電体バリア放電ランプの点灯装置の構成図 誘電体バリア放電ランプの点灯装置の駆動回路の構成図 誘電体バリア放電ランプの点灯装置からの発光管への駆動電圧の変化を示す図 誘電体バリア放電ランプの点灯装置の動作周波数の変化を表す図 本実施の形態の誘電体バリア放電ランプの点灯装置による蛍光ランプ管軸方向の輝度分布の変化を表した図 本実施の形態の誘電体バリア放電ランプの点灯装置による蛍光ランプ管軸方向の輝度分布の測定値 従来の誘電体バリア放電ランプ点灯装置の構成図 従来の誘電体バリア放電ランプ点灯装置によるランプ長手方向における輝度分布を示す図 従来の点灯方式で点灯させたときの実験結果を示した図
符号の説明
1 発光管(蛍光ランプ)
2 ガラス管
3 蛍光体層
4 内部電極
5 外部電極
6 電源回路
7 昇圧トランス部
8 インバータ部
8a、8b スイッチング素子
9 直流電源
10 駆動回路

Claims (5)

  1. 内部電極と外部電極を有する発光管を点灯させる装置であって、
    前記発光管の内部電極と外部電極の間に、前記発光管を点灯させるための駆動電圧を供給する電源回路と、
    該電源回路の駆動電圧の周波数を決定する駆動信号を該電源回路に対して供給する駆動回路とを備え、
    該駆動回路は、前記駆動電圧の周波数が第一の周波数から第二の周波数の間で第三の周波数に従って周期的に変化するように前記駆動信号を生成する、誘電体バリア放電ランプの点灯装置。
  2. 前記第一の周波数が15kHz以上である、請求項1に記載の誘電体バリア放電ランプの点灯装置。
  3. 前記第二の周波数が30kHz以下である、請求項1または請求項2に記載の誘電体バリア放電ランプの点灯装置。
  4. 前記第三の周波数が120kHz以上かつ1kHz以下である、請求項1から請求項3のいずれか1つに記載の誘電体バリア放電ランプの点灯装置。
  5. 内部電極と外部電極を有する発光管を点灯させる方法であって、
    前記発光管を点灯させるための駆動電圧を、前記内部電極と前記外部電極の間に、該駆動電圧の周波数を第一の周波数から第二の周波数の間で第三の周波数に従って周期的に変化させながら印加する、誘電体バリア放電ランプの点灯方法。
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