JP4209937B2 - 誘電体バリア放電ランプの点灯装置及び点灯方法 - Google Patents
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Description
本発明は、外部電極とランプ両端に配置された内部電極とを有する誘電体バリア放電ランプの点灯装置及び点灯方法に関する。
近年、液晶技術の発達と共にテレビやモニタ等の情報表示装置として液晶ディスプレイが一般的に用いられている。液晶ディスプレイは、液晶の背面に光源装置(以下「バックライト」と呼ぶ)を配置し、このバックライトからの光を液晶パネルを透過させることで画面表示を行う構造を有する。これらのバックライトの主な光源としては、細管の冷陰極蛍光ランプを多数配置したものが最も多く用いられている。
一方、バックライト用光源のさらなる高性能化が期待されており、それに対応して外部電極型の蛍光ランプが盛んに研究開発されている。誘電体バリア放電ランプは、ランプ内部に水銀を含まず、希ガスの発光を利用したものであり、環境にやさしくリサイクル性にも優れているという特長を有している。さらに、誘電体バリア放電ランプは水銀を含まないため、従来の冷陰極蛍光ランプのようにランプ内部の水銀が暖まって充分に蒸気化するまでの光束の時間変化がほとんどなく、光の立ち上がりが早いという特長を有している。
誘電体バリア放電ランプの好適な構成例としては、図12に示すように、ランプ1の両端に封止された一対の内部電極2aおよび2bと、ランプの長手方向に沿って配置された外部電極3とを含む構成がある(特許文献1参照)。このようなランプに対する点灯装置は、内部電極2aおよび2bのいずれか一方を、切り替えスイッチSWを用いて交互に電源Eに接続する。すなわち、切り替えスイッチSWにより内部電極2aと電源Eが接続されたとき、内部電極2aと外部電極3との間で放電が生じ、発光する(図12(a)の状態)。逆に切り替えスイッチSWにより内部電極2bと電源Eが接続されたとき、内部電極2bと外部電極3との間で放電が生じ、発光する(図11(b)の状態)。従って、切り替えスイッチSWの接続を所定の周波数で切り替えることによって、内部電極2a側と内部電極2b側が交互に点灯し、全体として平均した発光を得ることができる。
しかしながら、上述の図12の構成においてランプ1を点灯する場合、内部電極2a側と内部電極2b側が常に電源Eと接続された状態でランプ1を点灯する場合の発光効率と比較して、最大10%から20%も低下することが、本願発明者らの実験の結果明らかになった。
一方、内部電極2a側と内部電極2b側が常に電源Eと接続された状態でランプ1を点灯する場合、ランプ1の長手方向における内部電極2aおよび2bのほぼ中間点において、ほとんど発光しなくなる。この理由は、内部電極2a側から印加された電界と、内部電極2b側から印加された電界が衝突しあって、ランプ1の中央部において電界がほぼゼロとなるためである。このため、ランプ1の略中央部において、その周辺部と比して急激に暗くなる領域が発生し、輝度の均斉度が大幅に悪化するだけでなく、当該暗部の視認性が非常に高いという欠点を生じる。
ランプ1の片端ではなく両端に内部電極2aおよび2bを設けた構成の利点は、片端のみに内部電極を設ける場合に比べて効率が高いという点であるにも関わらず、そのような構成において、発光の均一性を高めるために、図12のような内部電極2aおよび2bの交互駆動を実施すると、発光効率が低下する。すなわち、高効率と高均斉度の両立が非常に困難であった。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、その目的は、ランプの発光効率を維持しながら、ランプの長手方向の略中央部に明確な暗部を生じず、発光の均斉度を改善する誘電体バリア放電ランプの点灯方法ならびに点灯装置を提供することにある。
本発明に係る誘電体バリア放電ランプの点灯装置は、ランプの両端に一対の内部電極を有し、かつランプの長手方向に沿って配置された外部電極を有する誘電体バリア放電ランプを点灯する装置である。この装置は、所定の略矩形波電圧に正の直流電圧が重畳された第一の略矩形波電圧を発生する第一の駆動回路と、所定の略矩形波電圧に負の直流電圧が重畳された電圧である第二の略矩形波電圧を発生する第二の駆動回路とを有する。第一の駆動回路は、一対の内部電極の一方と外部電極との間に、第一の略矩形波電圧を印加するよう接続される。第二の駆動回路は、一対の内部電極の他方と外部電極との間に、第二の略矩形波電圧を印加するよう接続される。略矩形波電圧の振幅が、それに重畳する正及び負の直流電圧の振幅よりも大きい。
さらに、第一の略矩形波電圧と第二の略矩形波電圧が略同位相であることが好ましい。また、第一の駆動回路と第二の駆動回路が単一の駆動信号回路により駆動されるインバータ回路であることが好ましい。
また、第一の駆動回路が第一の昇圧トランスを有し、第一の昇圧トランスが第一の一次巻線と第二の一次巻線および第一の二次巻線を有し、さらに第二の駆動回路が第二の昇圧トランスを有しており、第二の昇圧トランスが第三の一次巻線と第四の一次巻線および第二の二次巻線を有し、かつ、第一の一次巻線の巻数と第四の一次巻線の巻数が略等しく、
かつ、第二の一次巻線の巻数と第三の一次巻線の巻数を略等しく構成してもよい。
さらに、第一の一次巻線の巻数と第二の一次巻線の巻数の差が、1ターン以上2ターン以下となるように構成してもよい。
かつ、第二の一次巻線の巻数と第三の一次巻線の巻数を略等しく構成してもよい。
さらに、第一の一次巻線の巻数と第二の一次巻線の巻数の差が、1ターン以上2ターン以下となるように構成してもよい。
さらに、第一から第四の一次巻線のうち、少なくとも巻数が最も少ない一次巻線に直列にインピーダンス素子を接続してもよい。インピーダンス素子は例えば1μH以上5μH以下のインダクタである。
所定の略矩形波電圧の振幅Vaと、正の直流電圧および負の直流電圧の絶対値Vbとの関係が次式を満たすようにしてもよい。
0.025Va≦Vb≦0.10Va
0.025Va≦Vb≦0.10Va
本発明に係る誘電体バリア放電ランプの点灯方法は、ランプの両端に一対の内部電極を有し、かつランプの長手方向に沿って配置された外部電極を有する誘電体バリア放電ランプを点灯する方法である。その方法は、上記内部電極のうちの一方と外部電極との間に、所定の略矩形波電圧に正の直流電圧が重畳された電圧である第一の略矩形波電圧を印加し、他方と外部電極との間に、所定の略矩形波電圧に負の直流電圧が重畳された電圧である第二の略矩形波電圧を印加する。略矩形波電圧の振幅はそれに重畳する正及び負の直流電圧の振幅よりも大きい。
本発明は、ランプ両端に内部電極を有する誘電体バリア放電ランプの特長である高発光効率を損なうことなく、ランプ中央部に発生する暗部の視認性を大幅に低下することができる。従って、ランプの高効率と高均斉度を両立することが可能となる。
以下、本発明の実施形態を、図面を参照しながら説明する。
(実施の形態1)
図1は、本発明の第一の実施の形態における誘電体バリア放電ランプの点灯方法及び点灯装置を模式的に示した図である。
図1は、本発明の第一の実施の形態における誘電体バリア放電ランプの点灯方法及び点灯装置を模式的に示した図である。
図1において、ランプ1は、その両端に配設された一対の内部電極2aおよび2b、さらにランプ1の長手方向の軸に沿って配設された外部電極3を有する誘電体バリア放電ランプである。ランプ1は、ソーダガラス、ホウ珪酸ガラスなどの透光性材料により形成され、内部にはキセノンガスを主体とした放電ガスが封入されている。さらに、ランプ1の内面には蛍光体皮膜が形成されている。なお、本実施の形態1におけるランプ1の寸法は外径φ3.0mm、長さ700mmである。
内部電極2aおよび外部電極3は、電源E1にそれぞれ接続され、内部電極2bおよび外部電極3は、電源E2にそれぞれ接続されている。なお、外部電極3は、好ましくは接地電位に保持されている。
電源E1は、略矩形波(振幅Va)の交流電圧に、直流電圧Vbを重畳した電圧波形を発生する。一方、電源E2は、略矩形波(振幅Va)の交流電圧に、直流電圧−Vbを重畳した電圧波形を発生する。電源E1およびE2は、図2に示すタイミングチャートように、同位相・同一周波数で動作している。
なお、略矩形波電圧が好ましい理由は、ランプ1に流れる電流をパルス状にすることによって休止期間を長く設け、これにより、発光効率を高めることができるためである。なお、誘電体バリア放電ランプの場合、複数の電極間でコンデンサを形成した構成となっている。従って、ランプ1のインピーダンスは容量性である。従って、ランプ1に流れる電流波形は電圧波形の微分となり、原理的にパルス状になる。
以上のように構成した誘電体バリア放電ランプの点灯動作を以下に説明する。
内部電極2aおよび2bと外部電極3の間に、電源E1および電源E2により発生した略矩形波の高電圧を印加すると、内部電極2a,2bと外部電極3並びにランプ1のガラス材料などによって構成される容量に対してパルス状の充電電流が流れる。すなわち、内部電極2a,2bからランプ1内部に放電電子が供給される。この放電電子は、内部電極2a,2bに印加された高電圧により加速され、ランプ1の両端部から中央部に向かって進行していきながら、順次ランプ1の内壁にトラップされていく。加速された電子は、ランプ1の内部に封入された放電ガスに衝突し、ガスを励起して、キセノンガスによるエキシマ発光を呈し、拡散陽光柱を発生する。
内部電極2aおよび2bと外部電極3の間に、電源E1および電源E2により発生した略矩形波の高電圧を印加すると、内部電極2a,2bと外部電極3並びにランプ1のガラス材料などによって構成される容量に対してパルス状の充電電流が流れる。すなわち、内部電極2a,2bからランプ1内部に放電電子が供給される。この放電電子は、内部電極2a,2bに印加された高電圧により加速され、ランプ1の両端部から中央部に向かって進行していきながら、順次ランプ1の内壁にトラップされていく。加速された電子は、ランプ1の内部に封入された放電ガスに衝突し、ガスを励起して、キセノンガスによるエキシマ発光を呈し、拡散陽光柱を発生する。
上記高電圧によるランプ1内部の電界は内部電極2aおよび2bの近傍で最も高く、ランプ1の長手方向の中心部に向かうにつれて低くなっていく。そして、内部電極2a側から発生した電界と内部電極2b側から発生した電界がぶつかり合って、ある領域において電界強度がほぼゼロとなる。電界強度がゼロになると、放電電子はもはや加速されず、放電ガスが励起・発光することもほぼなくなって、当該領域に暗部を生じる。ここで、電界強度の勾配はランプ1の持つ容量の分布でほとんど決まり、内部電極2aおよび2bに印加する電圧にはほとんど左右されない。
図2に示すように、内部電極2aおよび2bにおける電圧の関係は、時間により下記の2種類の関係を持ち、それぞれ電界強度がゼロとなる位置は次のように考えられる。
(1)タイミングA
内部電極2aの電位;Va+Vb
内部電極2bの電位;Va−Vb
暗部の位置;内部電極2a、2bの間の距離を(Va+Vb):(Va−Vb)に内分する点
(2)タイミングB
内部電極2aの電位;−Va+Vb
内部電極2bの電位;−Va−Vb
暗部の位置;内部電極2a、2bの間の距離を(Va−Vb):(Va+Vb)に内分する点
(1)タイミングA
内部電極2aの電位;Va+Vb
内部電極2bの電位;Va−Vb
暗部の位置;内部電極2a、2bの間の距離を(Va+Vb):(Va−Vb)に内分する点
(2)タイミングB
内部電極2aの電位;−Va+Vb
内部電極2bの電位;−Va−Vb
暗部の位置;内部電極2a、2bの間の距離を(Va−Vb):(Va+Vb)に内分する点
すなわち、内部電極2aおよび2bに印加される電圧が正の時間帯は、やや内部電極2b寄りに暗部が発生し、内部電極2aおよび2bに印加される電圧が負の時間帯は、やや内部電極2a寄りに暗部が発生することになる。従って、当該暗部は電源E1およびE2より発生する交流電圧成分の周波数と同一周波数で、上記の二点の間を往復する。このため、当該暗部の動く領域における光出力は、発光しているときの光出力と暗部となっているときの光出力で平均化された出力となる。
次に、略矩形波交流電圧の振幅Vaと直流オフセット電圧Vbの値の関係について言及する。
VaとVbの大小関係は、必ずVa>Vbとなるようにしなければならない。もし、Va<Vbとなった場合、常に内部電極2aの電位は正、内部電極2bの電位は負となる。この場合、外部電極3とはほぼ無関係に、放電電子は内部電極2aから内部電極2bへ直接向かう。従って、通常の蛍光ランプなどと同様の放電形態となって、もはや誘電体バリア放電とは言えなくなる。このとき、内部の放電ガスはエキシマを生成しなくなり、放電効率は極端に低下する。
一方、ランプ1の発光効率を最大化するためには、内部電極2aおよび2bに印加可能な電圧は、ランプ1の設計によってある範囲に限定される。その理由は以下の通りである。まず、電圧が高くなりすぎると収縮陽光柱となり、効率が極端に低下するばかりか、収縮部分のスネーキングによるチラツキを発生する。次に、電圧が低くなりすぎると、ランプ1内部の電界強度が低いために、エキシマ生成効率が低下し、ランプ1の発光効率が低下するばかりでなく、ランプ1の中央部付近まで放電が届かなくなってしまう。
以上の理由から、ランプ1の発光効率を損なわないためには、内部電極2aおよび2bに印加する電圧は、あまり大きな直流オフセット電圧Vbを加えず、略矩形波の交流成分の振幅Vaに比べて充分に低い値に留めておくように設定することが好適である。さらに、暗部の移動範囲をあまりに広範囲になるように設定すると、暗部がうまく追従できなくなり、数周期に一回程度しか暗部が動かないケースが発生し、目視でランプ1のちらつきを確認した。
また、直流オフセット電圧Vbが非常に小さく暗部の移動範囲があまりに狭くなると、徐々にランプ1中央部の暗部の視認性が高まり、均斉度改善の効果が薄れる。
以上の現象を考慮しながら、直流オフセット電圧Vbの好適な範囲を検討した結果、Vbの値は次式を満たすように設定することが好適である。
0.025Va≦Vb≦0.10Va
以上の現象を考慮しながら、直流オフセット電圧Vbの好適な範囲を検討した結果、Vbの値は次式を満たすように設定することが好適である。
0.025Va≦Vb≦0.10Va
図3に、直流オフセット電圧Vbを加えた場合のランプ1の長手方向の輝度分布の例を示す。なお、ここでは、理想的な矩形波を発生する外部電源(ハイデン研究所製:SBP−5K−HF−1)を用いて測定した結果を示している。また、比較例として、Vb=0(内部電極2a,2bを等電位に保った場合)の輝度分布も記載している。また、いずれの測定も矩形波交流電圧Vaは同一の値を用い、ランプ1はキセノンガスを120Torr封入した同一のものを用いている。輝度分布の測定においては、外部電極は光反射板を兼ねたアルミ平板1枚とし、ランプ1をその上に16本を並べ、さらに拡散板を載せて、ランプ1の長手方向の軸に沿って測定した。
図3から判るように、従来の点灯方法によるVb=0の場合、すなわち内部電極2a,2bを等電位に保った場合、ランプ1の長手方向における中央部の輝度が急激に落ち込んでいる。人間の目の感じ方として、暗部の見え方は暗部周辺の輝度との対比によって認識されるため、周辺部の明るさとの差が大きいときは非常に明確に認識される。言い換えれば、輝度分布のグラフの微分値(傾き)が大きいときに、周辺部との明るさの差を認識しやすく、この場合は暗部が実際の輝度の不均一性以上に明確に認識され、使用者が不快に感じる。なお、本測定は拡散板を載せて行ったため、拡散光によりランプ1の中央部付近の暗部がかなり見えにくくなっているにも関わらず、当該暗部において輝度が急激に落ち込んでいる。
これに対して、本発明の点灯方法によるVb=0.05Vaの場合、同様にランプ1の長手方向の中央部付近に暗部が発生しているものの、輝度均斉度(最小輝度を最大輝度で割った値)が約6%改善している。6%という値自体は小さいが、暗部近傍における輝度分布の微分値(傾き)が小さくなるために暗部が認識されにくくなり、輝度分布の数値的な改善度合よりもはるかに視覚的には印象が良くなる。なお、図3において範囲Rが暗部の移動範囲であり、この範囲において輝度はほぼ均一となっている。
ランプ1の発光効率を計算により求めたところ、Vb=0.05Vaの場合のランプ1の発光効率は、Vb=0の場合と比較して僅か2%しか低下しなかった。これは計算誤差と言えるレベルの差であり、従来技術のように、内部電極2a,2bに交互に電圧を印加して駆動する場合の効率低下(−10〜−20%)と比較して驚くほど高い効率である。
以上のように、内部電極2aには正の直流オフセット電圧Vbと矩形波交流電圧Vaの合成電圧を印加し、内部電極2bには負の直流オフセット電圧Vbと矩形波交流電圧Vaの合成電圧を印加することによって、ランプ1の発光効率をほとんど損なうことなく、輝度分布を改善できるとともに、ランプ1の長手方向の中央部近傍に発生する暗部の視認性を低下させるという優れた効果を奏する。
以上のように、内部電極2aには正の直流オフセット電圧Vbと矩形波交流電圧Vaの合成電圧を印加し、内部電極2bには負の直流オフセット電圧Vbと矩形波交流電圧Vaの合成電圧を印加することによって、ランプ1の発光効率をほとんど損なうことなく、輝度分布を改善できるとともに、ランプ1の長手方向の中央部近傍に発生する暗部の視認性を低下させるという優れた効果を奏する。
また、本発明はどのような値の矩形波交流電圧Vaに対しても効果が得られる。なお、矩形波交流電圧Vaを上げることにより、さらに輝度分布を一様な値に近づけることは可能であるが、あまりに上げ過ぎると内部電極2a,2b近傍において収縮陽光柱となり、ランプ1の発光効率が低下するので、あくまでも矩形波交流電圧Vaの振幅は、内部電極2a,2bに印加される最大電圧振幅(Va+Vb)において収縮陽光柱が発生しない範囲内に留める必要がある。
また、本実施の形態1では電源E1と電源E2の直流オフセット電圧の絶対値を等しくしたが、異なる電圧としても同様の効果が得られる。ただし、ランプ1の両端における発光輝度が非対称となる場合が多く、ディスプレイ等への応用を考えた場合には不適である。
(実施の形態2)
図4は、本発明の第二の実施の形態における誘電体バリア放電ランプの点灯装置の構成を示す図である。なお、本実施の形態の構成は、実施の形態1における電源E1,E2をプッシュプルインバータで構成し、当該インバータを直流電源E0に接続したものである。
図4は、本発明の第二の実施の形態における誘電体バリア放電ランプの点灯装置の構成を示す図である。なお、本実施の形態の構成は、実施の形態1における電源E1,E2をプッシュプルインバータで構成し、当該インバータを直流電源E0に接続したものである。
上記の構成による誘電体バリア放電ランプ点灯装置の動作を、図4を参照しながら説明する。
インバータ電源E1,E2は、直流電源E0からの直流電力をスイッチング素子のスイッチングに応じて以下のように略矩形波電圧の交流電力に変換する。
まず、駆動信号回路4は、4つのスイッチング素子S11,S12,S21,S22を駆動するための2種類の駆動信号を生成する。一つの駆動信号はスイッチング素子S11およびS21のオンオフ信号であり、他の駆動信号はスイッチング素子S12およびS22のオンオフ信号である。上記2つの駆動信号は、交互にオン信号を発生する。すなわち、一方がオンの信号を発生しているときは他方がオフ信号を発生する。従って、回路の動作状態は、以下の2つの状態を持つ。
状態A:スイッチング素子S11,S21:オフ
スイッチング素子S12,S22:オン
このとき、電源E1,E2の昇圧トランスT1,T2の一次巻線L112,L212に各々電流が流れ、その結果、昇圧トランスT1,T2の二次巻線L12,L22にランプ1の内部電極2aおよび2bに正の電圧を印加するような高電圧が各々発生する。
状態B:スイッチング素子S11,S21:オン
スイッチング素子S12,S22:オフ
このとき、電源E1,E2の昇圧トランスT1,T2の一次巻線L111,L211に各々電流が流れ、その結果、昇圧トランスT1,T2の二次巻線L12,L22にランプ1の内部電極2aおよび2bに負の電圧を印加するような高電圧が各々発生する。
状態A:スイッチング素子S11,S21:オフ
スイッチング素子S12,S22:オン
このとき、電源E1,E2の昇圧トランスT1,T2の一次巻線L112,L212に各々電流が流れ、その結果、昇圧トランスT1,T2の二次巻線L12,L22にランプ1の内部電極2aおよび2bに正の電圧を印加するような高電圧が各々発生する。
状態B:スイッチング素子S11,S21:オン
スイッチング素子S12,S22:オフ
このとき、電源E1,E2の昇圧トランスT1,T2の一次巻線L111,L211に各々電流が流れ、その結果、昇圧トランスT1,T2の二次巻線L12,L22にランプ1の内部電極2aおよび2bに負の電圧を印加するような高電圧が各々発生する。
上記の二つの状態を交互に繰り返すことによって、ランプ1は、内部電極2aおよび2bと外部電極3との間に交流高電圧が印加され、ランプ1内部に放電プラズマを発生させる。なお、上述の構成によれば、電源E1およびE2は同位相、同周波数の略矩形波をランプ1に出力できる。
ここで、ランプ1に発生する交流電圧(昇圧トランスT1,T2の二次巻線L12,L22に各々発生する電圧)は略矩形波であり、上述の実施の形態1と同様である。昇圧トランスT1およびT2の各巻線の結合係数が低いと、漏れインダクタンスにより波形が大きく崩れてしまうため、好ましくは各トランスの結合係数を0.995以上となるように構成する。
各昇圧トランスT1およびT2の各巻線は、以下のような巻数で構成されている。
一次巻線L111,L212:巻数N11
一次巻線L112,L211:巻数N12
二次巻線L12 ,L22 :巻数N2
一次巻線L111,L212:巻数N11
一次巻線L112,L211:巻数N12
二次巻線L12 ,L22 :巻数N2
昇圧トランスT1およびT2の各一次巻線に電流が流れているとき、二次側に発生する電圧(内部電極2aおよび2bに印加される電圧)は、当該巻線の巻数比によって決定される。すなわち、以下のようになる。
状態A:内部電極2aに印加される電圧:E0×N2/N12
内部電極2bに印加される電圧:E0×N2/N11
状態B:内部電極2aに印加される電圧:−E0×N2/N11
内部電極2bに印加される電圧:−E0×N2/N12
状態A:内部電極2aに印加される電圧:E0×N2/N12
内部電極2bに印加される電圧:E0×N2/N11
状態B:内部電極2aに印加される電圧:−E0×N2/N11
内部電極2bに印加される電圧:−E0×N2/N12
そこで、N11>N12となるように構成すると、各内部電極2a,2bに印加される電圧の概略波形は図5のように、略矩形波電圧の波形にそれぞれ直流オフセット電圧が重畳されたような波形となる。このときの略矩形波電圧の振幅Va、直流オフセット電圧Vbは以下のようになる。
Va=E0×N2×{(1/N12)+(1/N11)}/2
Vb=E0×N2×{(1/N12)−(1/N11)}/2
Va=E0×N2×{(1/N12)+(1/N11)}/2
Vb=E0×N2×{(1/N12)−(1/N11)}/2
従って、各一次巻線の巻数N11,N12の差を適宜選定することで、所望の直流オフセット電圧を設定することが可能である。
以上の構成に基づき、実際のインバータ回路で電源E1およびE2を構成し、実際にランプ1を点灯させ、輝度分布の改善効果を検証した。ランプ1の構成は、実施の形態1で用いたものと同様である。
図6に、実回路における電源E2から内部電極2bに出力される電圧の波形を示す。ここでは直流オフセット電圧を約70V(略矩形波交流電圧の振幅の約3.5%)としている。昇圧トランスT1,T2の逆電圧による電圧立ち上がり・立ち下がり時の電圧オーバーシュートが見られ、また、昇圧トランスT1,T2の持つ巻線の漏れインダクタンスと寄生容量により矩形波の波形が若干乱れているが、概略矩形波交流電圧と直流オフセット電圧の合成電圧波形を良好に出力している。なお、電源E1から内部電極2aに出力される電圧波形は、図6に示した波形をほぼ反転したものであるため割愛する。
図7は、従来の方法による、内部電極2aおよび2bを等電位に保って点灯させた場合のランプ1の発光状態を撮影した写真である。図7(a)は、ランプ1の長手方向の中央付近にできる暗部を見やすくするため、拡散板を外した状態で撮影したものであり、図7(b)は、拡散板を設置した状態で撮影したものである。図7(a)に示すように、暗部と、その暗部周辺の輝度差が急激であるため、実際以上に暗部が視認されやすいことが判る。図7(b)に示すように、拡散板を載せた場合でも、ほぼ縦に並んでいるランプ上の暗部に沿って、拡散板の中央部に明確な暗部が確認できる。
図8(a)は、本実施形態のインバータ電源E1,E2で実際にランプ1を点灯した場合の発光状態を示す写真である。図8(a)は拡散板を載せた状態で撮影したものである。なお、図(b)に比較例として図7(b)と同じ写真を示す。なお、図7(b)、図8の写真左側と中央のやや上寄りのところに暗部があるように見えているが、これはカメラについていた汚れの影である。図8(a)と図8(b)の二つの写真を見比べてみると、暗部の視認性の改善効果が明らかである。
図9は、本実施の形態のインバータ電源E1,E2で実際にランプ1を点灯した場合のランプ1の輝度分布と、比較例として内部電極2aおよび2bを等電位に保って点灯させた場合のランプ1の輝度分布とを示す。本実施の形態の場合も、輝度均斉度(最小輝度を最大輝度で割った値)が約6%改善している。なお、暗部近傍における輝度分布の微分値が小さくなるために暗部が認識されにくく、数値的な改善度合以上の改善効果があることは前述の通りである。
なお、実際のインバータ回路で電源E1,E2を構成する場合も、直流オフセット電圧Vbは、略矩形波交流電圧の振幅Va(ただし、電圧オーバーシュートの部分を除く)に対し、次式のように選定することが好適であることは、実施の形態1の場合と同様である。
0.025Va≦Vb≦0.10Va
0.025Va≦Vb≦0.10Va
なお、本実施の形態では、昇圧トランスT1,T2の巻数が一次巻線L111およびL212を等しく、かつ一次巻線L112およびL211を各々等しくなるように構成したが、差を持たせても構わない。ただし、その場合は内部電極2a側と内部電極2b側で輝度に差を生じる場合があるので注意が必要である。
次に、一次巻線の巻数N11とN12の巻数差の好適な範囲について説明する。一次巻線の巻数N11とN12の巻数差の好適な範囲は、1ターン以上2ターン以下が好適である。一般に良く用いられている冷陰極蛍光ランプの用途として液晶ディスプレイのバックライトが挙げられるが、バックライトの駆動回路の入力は直流12Vないし24Vが主流である。従って、ランプ1の設計にも拠るが、昇圧トランスT1およびT2の昇圧比は50倍から100倍とすることが必要となる。例えば、二次巻線L12およびL22の巻数N2を1000ターンとすると、昇圧比50倍なら一次巻線の巻数は20ターン、100倍なら僅か10ターンと、巻数が非常に少ない。前述のように、暗部の移動範囲を広くするために直流オフセット電圧Vbを大きくしすぎると、効率低下を招いたり、暗部が追従できなくなってちらつきを生じたりする。従って、一次巻線の巻数差(=N11−N12)は1ターンないし2ターンに抑えるほうが好ましい。この場合、例えば二次巻線の巻数N2を1000ターン、昇圧比が50倍から100倍の範囲において、
(1)昇圧比が50倍のとき
一次側を20ターンと19ターンとすると、オフセット電圧は交流分の2.56%
一次側を20ターンと18ターンとすると、オフセット電圧は交流分の5.26%
となる。
(2)昇圧比が100倍のとき
一次側を10ターンと9ターンとすると、オフセット電圧は交流分の5.26%
一次側を10ターンと8ターンとすると、オフセット電圧は交流分の11.11%
となる。
(1)昇圧比が50倍のとき
一次側を20ターンと19ターンとすると、オフセット電圧は交流分の2.56%
一次側を20ターンと18ターンとすると、オフセット電圧は交流分の5.26%
となる。
(2)昇圧比が100倍のとき
一次側を10ターンと9ターンとすると、オフセット電圧は交流分の5.26%
一次側を10ターンと8ターンとすると、オフセット電圧は交流分の11.11%
となる。
従って、一次巻線の巻数差(=N11−N12)は、1ターンないし2ターンとするのが現実的である。なお、昇圧トランスT1,T2のボビン(巻線の巻き枠)のピン配置によっては1.5ターンなど端数にしても良い。
(実施の形態3)
図10は、本発明の第三の実施の形態における誘電体バリア放電ランプの点灯装置の構成を示す図である。本実施の形態では、実施の形態2における昇圧トランスT1およびT2の一次巻線のうち、巻数が少ないほうの一次巻線に直列に直列インダクタL1,L2を各々挿入している。電源E1およびE2の動作は実施の形態2における点灯装置の場合と同様なので、詳細な説明は割愛する。
図10は、本発明の第三の実施の形態における誘電体バリア放電ランプの点灯装置の構成を示す図である。本実施の形態では、実施の形態2における昇圧トランスT1およびT2の一次巻線のうち、巻数が少ないほうの一次巻線に直列に直列インダクタL1,L2を各々挿入している。電源E1およびE2の動作は実施の形態2における点灯装置の場合と同様なので、詳細な説明は割愛する。
上述の実施の形態2の場合のように、昇圧トランスT1およびT2の一次側の巻数に差を設けた場合、以下のような問題が生じる場合がある。
内部電極2aおよび2bに負の高電圧を印加した際に、内部電極2a,2bから放出された電子は、ランプ1の内壁にトラップされる。これを「壁電荷」と呼ぶ。トラップされた電子は、内部電極2a,2bに印加する電圧が正に反転した瞬間に、内部電極2a,2bの近傍の領域から順に放出され、内部電極2a,2bに帰還する。このとき、各内部電極2a、2bの近傍にトラップされている電子は、内部電極2aないし2bにどのような正電圧を印加しても、必ず直近の内部電極に向かって放電される。なぜなら、ランプ1の長さは、内部電極2aと内部電極2bの電位差に比べて充分長く、さらに電界強度は内部電極2a,2bから遠ざかるにつれて低下するので、例えば内部電極2a近傍の領域では、内部電極2bからは最も遠い位置にあるため、ほとんど影響を受けないからである。また、内部電極2b近傍の領域でも同様に、内部電極2aの電位に関わらず、内部電極2b近傍の電子は内部電極2bに向かって放出される。
このような現象のため、内部電極2a,2bに印加する電圧が反転する際に流れるランプ電流、すなわち昇圧トランスT1,T2の二次巻線L12,L22に流れる電流のピーク値Iは、電圧が正から負に反転するときと負から正に反転するときでは、内部電極2a,2bに印加している電圧が異なるにも関わらず、ほぼ同じになってしまう。なお、ランプ1の長手方向の中央部近傍においては、内部電極2aからの距離と内部電極2bからの距離が拮抗しているため、各々印加されている電圧のバランスによって電界方向が決まる。本実施の形態のように、内部電極2aに正の電圧オフセット、内部電極2bに負の電圧オフセットを与えた場合は、ランプ1の管中央付近の壁電荷は、負電圧のときに内部電極2b側から供給され、負電圧のときに内部電極2a側から放出される。
このように、昇圧トランスT1,T2の二次巻線L12,L22に流れる電流は、正電流と負電流でピーク値がほとんど変わらない。ところが、一次巻線L111,L112,L211,L212は巻数が異なっている。昇圧トランスT1側を例にとると、一次巻線L111に電流が流れる期間に発生する最大起磁力は、巻数N11とピーク電流Iの積となる。次に、一次巻線L112に電流が流れる期間に発生する最大起磁力は、巻数N12とピーク電流Iの積となる。すなわち、巻数が少ない方の一次巻線L112を電流が流れる期間に比して、巻数が多い方の一次巻線L111に電流が流れる期間では、昇圧トランスT1に発生する起磁力が高くなり、比較的昇圧トランスT1の飽和が発生しやすい。
上記の問題を解消するために、本実施形態では、巻数が少ない方の一次巻線に直列にインピーダンス素子を挿入する。図10の構成において、直列インダクタL1,L2が、その挿入されたインピーダンス素子に該当する。
巻数が少ない方の一次巻線L112,L211、すなわち昇圧比が高くなる方の一次巻線に対して直列インダクタL1,L2を挿入することによって、一次巻線L112,L211に流れる電流のピーク値を抑制し、その結果としてランプ1に流れる電流ピーク値を制限する。これにより、巻数が多い方の一次巻線L111,L212に流れる電流のピーク値も、前述の制限されたピーク値とほぼ等しくなる。従って、昇圧トランスT1,T2の飽和が発生しにくくなるという効果を奏する。
図11に、インダクタL1の挿入前後の電源E1の電圧及び電流波形を示す。図11(a)はインダクタL1の挿入前の波形を示し、図11(b)はインダクタL1の挿入後の波形を示す。図11において、波形Vは内部電極2aに印加される電圧の波形であり、波形Iはスイッチング素子S11に流れる電流の波形である。なお、図11(a)と図11(b)においては電流波形の縦軸のスケールが異なっている。図11では、一次巻線L112のインダクタンスは約520μHであり、インダクタL1は、一次巻線L112のインダクタンスに対して充分に小さな値である4μHとしている。
図11(b)を参照すると、挿入したインダクタL1の作用により、電流変化が緩やかになり、電流パルスのピーク値が低下しているとともに時定数が大きくなっているのが分かる。飽和電流についても、インダクタの作用で飽和電流のパルス状の流入が阻害され、飽和電流のピーク値が19.6Aから4.2Aに大幅に低下している。また、スイッチング動作の瞬間に流れる電流の値が大幅に低下するため、スイッチング素子S11の発熱量が低減され、図11(a)の場合はスイッチング素子の温度が100度を超えるが、図11(b)の場合は80度程度ととなり、安全な動作が実現される。
なお、インピーダンス素子として抵抗素子も考えられるが、一次巻線L111,L112の電流がランプ1に流れる電流に昇圧比(一般に50倍から100倍)を掛けた値になり、非常に高電流となるから、電力損失の少ないインダクタを用いるのが好適である。また、インダクタL1のインダクタンスは1μH以上5μH以下が好適である。1μH未満では、飽和電流の抑制効果がほとんど得られず、5μHを超えると、電流の急峻な変化が阻害され、その結果、駆動波形が大きく崩れてランプ1の発光効率が大きく低下する。
本発明の思想は上記実施の形態1から実施の形態3の構成に限定されるものではなく、発明の趣旨を損なわない範囲内で種々の変更を加えることが可能である。
本実施の形態2および実施の形態3のように、二つの電源E1およびE2を単一の駆動信号回路4で駆動することが好ましい。各々が個別に駆動信号回路4を有してもランプ1の輝度分布を向上する効果は得られるが、駆動信号の周波数と位相をきちんと揃えるよう工夫する必要がある。その理由は、例えば内部電極2aの電圧が正、内部電極2bの電圧が負となった瞬間は、放電が内部電極2aおよび2bと外部電極3の間で行われず、内部電極2a,2bの間で行われることになり、ランプ1の発光効率が低下するばかりか、ランプ1のインピーダンスの急激な変化により回路動作が不安定になりやすいためである。電源E1,E2に個別に駆動信号回路4を配置したい場合は、例えば、駆動信号回路4をマイコンなどを使って構成し、周波数を詳細に一致させた上で、共通の発振開始信号が入力されてから駆動信号回路4が動作を開始するように構成するなどの方法が考えられる。いずれにせよ、回路動作の安定性やコストを考慮すると、単一の駆動信号回路4で構成するほうが現実的である。
また、本実施の形態1から実施の形態3では、ランプ1の封入ガスとしてキセノンガスを用いたが、キセノン、クリプトン、アルゴン、ネオン、ヘリウム、若しくはこれらの群の中から適宜選択された混合ガスを用いてもよく、本発明の効果は封入ガスの種類により限定されない。また、封入ガスの圧力により限定されない。
また、本発明の効果は、外部電極3の形状に左右されない。なぜなら、暗部移動による発光輝度分布の改善メカニズムは電極形状に依存しないためである。
なお、電源Eの電圧の範囲は、液晶用のバックライトの場合、12Vまたは24Vが最も一般的である。しかしながら、本願発明の効果は電源電圧に左右されない。
また、本願発明の効果は駆動周波数に左右されない。しかしながら、駆動周波数が高くなりすぎると、希ガスのエキシマ発光が充分に行われる前に電圧が反転することになり、逆電流によりエキシマ分子が破壊されて、ランプの発光効率を悪化させる。従って、駆動周波数の好適な範囲は、10kHzから50kHz程度である。
また、スイッチング素子S11,S12,S21およびS22は、バイポーラトランジスタ、MOSFETが一般的に用いられるが、本発明の効果はスイッチング素子の種類に左右されないことは明らかである。
また、スイッチング素子S11,S12,S21およびS22は、バイポーラトランジスタ、MOSFETが一般的に用いられるが、本発明の効果はスイッチング素子の種類に左右されないことは明らかである。
本発明の誘電体バリア放電ランプの点灯装置は、発光効率を損なうことなく均斉度を高めることが可能であり、液晶用のバックライトや原稿読み取り装置用の光源等として有用である。
1 ランプ
2a、2b 内部電極
3 外部電極
4 駆動信号回路
5 熱収縮性チューブ
E0,E1,E2 電源
T1,T2 昇圧トランス
L111,L112,L211,L212 一次巻線
L12、L22 二次巻線
L1,L2 直列インダクタ
S11,S12,S21,S22 スイッチング素子
SW 切り替えスイッチ
2a、2b 内部電極
3 外部電極
4 駆動信号回路
5 熱収縮性チューブ
E0,E1,E2 電源
T1,T2 昇圧トランス
L111,L112,L211,L212 一次巻線
L12、L22 二次巻線
L1,L2 直列インダクタ
S11,S12,S21,S22 スイッチング素子
SW 切り替えスイッチ
Claims (11)
- 希ガスを含む放電媒体が封入された透光性容器の両端に一対の内部電極を有し、かつ前記透光性容器の長手方向に沿って配置された外部電極を有する誘電体バリア放電ランプを点灯させる点灯装置であって、
所定の略矩形波電圧に正の直流電圧が重畳された電圧である第一の略矩形波電圧を発生する第一の駆動回路と、
所定の略矩形波電圧に負の直流電圧が重畳された電圧である第二の略矩形波電圧を発生する第二の駆動回路とを有し、
前記第一の駆動回路が、前記一対の内部電極の一方と前記外部電極との間に、前記第一の略矩形波電圧を印加するよう接続され、
かつ前記第二の駆動回路が、前記一対の内部電極の他方と前記外部電極との間に、前記第二の略矩形波電圧を印加するよう接続され、
前記略矩形波電圧の振幅は、それに重畳する正及び負の直流電圧の振幅よりも大きい
ことを特徴とする誘電体バリア放電ランプ点灯装置。 - 前記第一の略矩形波電圧と、前記第二の略矩形波電圧が略同位相であることを特徴とする請求項1記載の誘電体バリア放電ランプ点灯装置。
- 希ガスを含む放電媒体が封入された透光性容器の両端に一対の内部電極を有し、かつ前記透光性容器の長手方向に沿って配置された外部電極を有する誘電体バリア放電ランプを点灯させる点灯装置であって、
所定の略矩形波電圧に正の直流電圧が重畳された電圧である第一の略矩形波電圧を発生する第一の駆動回路と、
所定の略矩形波電圧に負の直流電圧が重畳された電圧である第二の略矩形波電圧を発生する第二の駆動回路とを有し、
前記第一の駆動回路が、前記一対の内部電極の一方と前記外部電極との間に、前記第一の略矩形波電圧を印加するよう接続され、
かつ前記第二の駆動回路が、前記一対の内部電極の他方と前記外部電極との間に、前記第二の略矩形波電圧を印加するよう接続され、
前記第一の略矩形波電圧と、前記第二の略矩形波電圧が略同位相であり、
前記第一の駆動回路と前記第二の駆動回路が、単一の駆動信号回路により駆動されるインバータ回路であり、
前記略矩形波電圧の振幅は、それに重畳する正及び負の直流電圧の振幅よりも大きいことを特徴とする誘電体バリア放電ランプ点灯装置。 - 前記第一の駆動回路が第一の昇圧トランスを有しており、
前記第一の昇圧トランスが第一の一次巻線と第二の一次巻線および第一の二次巻線を有し、
前記第二の駆動回路が第二の昇圧トランスを有しており、
前記第二の昇圧トランスが第三の一次巻線と第四の一次巻線および第二の二次巻線を有し、
前記第一の一次巻線の巻数と、前記第四の一次巻線の巻数が略等しく、前記第二の一次巻線の巻数と、前記第三の一次巻線の巻数が略等しい
ことを特徴とする請求項3記載の誘電体バリア放電ランプ点灯装置。 - 前記第一の一次巻線の巻数と、前記第二の一次巻線の巻数の差が、1ターン以上2ターン以下であることを特徴とする請求項4記載の誘電体バリア放電ランプ点灯装置。
- 前記第一から第四の一次巻線のうち、少なくとも巻数が最も少ない一次巻線に直列にインピーダンス素子を接続したことを特徴とする請求項4記載の誘電体バリア放電ランプ点灯装置。
- 前記インピーダンス素子が、インダクタンスが1μH以上5μH以下のインダクタであることを特徴とする請求項6記載の誘電体バリア放電ランプ点灯装置。
- 希ガスを含む放電媒体が封入された透光性容器の両端に一対の内部電極を有し、かつ前記透光性容器の長手方向に沿って配置された外部電極を有する誘電体バリア放電ランプを点灯させる点灯装置であって、
所定の略矩形波電圧に正の直流電圧が重畳された電圧である第一の略矩形波電圧を発生する第一の駆動回路と、
所定の略矩形波電圧に負の直流電圧が重畳された電圧である第二の略矩形波電圧を発生する第二の駆動回路とを有し、
前記第一の駆動回路が、前記一対の内部電極の一方と前記外部電極との間に、前記第一の略矩形波電圧を印加するよう接続され、
かつ前記第二の駆動回路が、前記一対の内部電極の他方と前記外部電極との間に、前記第二の略矩形波電圧を印加するよう接続され、
前記所定の略矩形波電圧の振幅Vaと、前記正の直流電圧および前記負の直流電圧の絶対値Vbとの関係が次式を満たすことを特徴とする誘電体バリア放電ランプの点灯装置。
0.025Va≦Vb≦0.10Va - 希ガスを含む放電媒体が封入された透光性容器の両端に一対の内部電極を有し、かつ前記透光性容器の長手方向に沿って配置された外部電極を有する誘電体バリア放電ランプを点灯する方法であって、
前記内部電極のうちの一方と前記外部電極との間に所定の略矩形波電圧に正の直流電圧が重畳された電圧である第一の略矩形波電圧を印加し、
前記内部電極のうちの他方と前記外部電極との間に所定の略矩形波電圧に負の直流電圧が重畳された電圧である第二の略矩形波電圧を印加し、
前記略矩形波電圧の振幅は、それに重畳する正及び負の直流電圧の振幅よりも大きい
ことを特徴とする誘電体バリア放電ランプの点灯方法。 - 前記第一の略矩形波電圧と、前記第二の略矩形波電圧が、略同位相であることを特徴とする請求項9記載の誘電体バリア放電ランプの点灯方法。
- 前記所定の略矩形波電圧の振幅Vaと、前記正の直流電圧および前記負の直流電圧の絶対値Vbとの関係が次式を満たすことを特徴とする請求項9記載の誘電体バリア放電ランプの点灯方法。
0.025Va≦Vb≦0.10Va
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