WO2007105374A1 - 誘電体バリア放電ランプ点灯装置 - Google Patents

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Abstract

 誘電体バリア放電ランプ点灯装置は、少なくともキセノンガスを含む誘電体バリア放電ランプ1と、トランスTを含み略矩形波をランプ1に出力する駆動回路4とを備える。誘電体バリア放電ランプ点灯装置において、略矩形波出力の電圧立ち上がり速度を2.2kV/μs以上かつ6kV/μs以下とする。また、トランスTの結合係数kは、0.9985以上かつ0.9997以下である。この構成によって、ランプシステム全体の発光効率を最大とすることができる。

Description

明 細 書
誘電体バリア放電ランプ点灯装置
技術分野
[0001] 本発明は、トランスを含む駆動回路を備える誘電体バリア放電ランプの点灯装置に 関する。
背景技術
[0002] 近年、液晶技術の発達と共にテレビやモニター等の情報表示装置として液晶ディ スプレイが一般的に用いられている。液晶ディスプレイでは液晶の背面に光源装置( 以下、「バックライト」と呼ぶ)を配置し、このバックライトからの光を液晶パネル力も透 過させて画面を表示する構造である。これらのバックライトの主な光源としては、細管 の冷陰極蛍光ランプを多数配置したものが最も多く用いられて 、る。
[0003] 一方、液晶用バックライトへの応用を目指し、誘電体バリア放電ランプの研究開発 が盛んに行われている。誘電体バリア放電ランプはランプ内部に水銀を含まず、希ガ スの発光を利用するため、環境に優しぐリサイクル性に優れているなどの特長を持 つている。さらに、誘電体バリア放電ランプは水銀を含まないため、従来の冷陰極蛍 光ランプのようにランプ内部の水銀が暖まって充分に蒸気化するまでの光束の時間 変化がほとんどなぐ光の立ち上がりが早!、と!/、う特長を有して!/、る。
[0004] 誘電体バリア放電ランプ点灯装置の好適な例として特許文献 1に開示のものがある 。特許文献 1では、図 11 (a)に示すように、ランプに立ち上がりの急峻な略矩形波の 交流電圧を印加する構成が開示されている。また、図 11 (b)に示すように、ランプ電 圧波形の立ち上がり時間および立ち下がり時間を 0. 03 μ s以上 9 μ s以下とすること によって、ランプの発光効率 (照度効率)を向上できることが開示されている。
特許文献 1:特開平 10— 223384号公報
発明の開示
発明が解決しょうとする課題
[0005] し力しながら、図 11 (b)を参照すると、ランプの発光効率 (照度効率)は、ランプ電 圧の立ち上がり時間および立ち下がり時間が短いほど、すなわち電圧立ち上がりお よび立ち下がりの速度( Δ VZ Δ t)が速 、ほど、誘電体バリア放電ランプ発光効率が 高いと理解される。
[0006] 一方、ランプを駆動するための駆動回路の立場力 考えると、立ち上がりおよび立 ち下がりの急峻な駆動波形の場合、駆動回路の中を流れる電流の成分には非常に 多くの高調波成分が含まれることになる。従って、急峻な駆動波形になるほど、駆動 回路の損失は逆に増加することが容易に推察される。駆動回路の損失が非常に大き くなると、駆動回路の放熱のための放熱部材を必要とするば力りでなぐ放熱が不充 分な場合には駆動回路の寿命が短くなるなどの不都合を生じる。
[0007] 以上のように、ランプの駆動波形に関し、ランプ単体の発光効率向上のための要請 と、駆動回路側力 見た要請が全く逆行しており、ランプと駆動回路を組み合わせた ランプ装置として好適な駆動条件は未知であった。
[0008] 本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、その目的は、駆動回路 および誘電体バリア放電ランプ力もなる点灯装置において、駆動回路も含めた装置 全体の発光効率が高い誘電体バリア放電ランプの点灯装置を提供することにある。 課題を解決するための手段
[0009] 上記従来の課題を解決するため、本発明に係る誘電体バリア放電ランプ点灯装置 は、少なくともキセノンガスを含む希ガスが封入され、かつ 2つ以上の電極を含む誘 電体バリア放電ランプと、前記誘電体バリア放電ランプに略矩形波交流電圧を出力 する駆動回路とを有する誘電体バリア放電ランプ点灯装置であって、略矩形波電圧 の立ち上がり速度が 2. 2kV/ μ s以上かつ 6kVZ μ s以下である。
[0010] 本発明に係る誘電体バリア放電ランプの駆動方法は、少なくともキセノンガスを含 む希ガスが封入され、かつ 2つ以上の電極を含む誘電体バリア放電ランプの駆動方 法であって、誘電体バリア放電ランプに立ち上がり速度が 2. 2kVZ w s以上かつ 6k VZ s以下である略矩形波電圧を印加する。
[0011] 本発明に係る誘電体バリア放電ランプの駆動回路は、少なくともキセノンガスを含 む希ガスが封入され、かつ 2つ以上の電極を含む誘電体バリア放電ランプの駆動回 路であって、立ち上がり速度が 2. 2kV/ μ s以上かつ 6kVZ μ s以下である略矩形 波交流電圧を誘電体バリア放電ランプに出力する。 発明の効果
[0012] 本発明は、誘電体バリア放電ランプとその駆動回路力 なる誘電体バリア放電ラン プ点灯装置の効率を向上できる。また、駆動回路の立ち上がりおよび立ち下がり速 度を必要最小限に抑制することから、駆動回路効率を向上でき、放熱部材を用いな くても済むように構成することができることから、比較的安価な点灯装置を実現できる 図面の簡単な説明
[0013] [図 1]本発明の実施の形態における誘電体バリア放電ランプ点灯装置の構成を示す 図
[図 2]本発明の実施の形態におけるトランスの製造方法を説明した図
[図 3]本発明の実施の形態における誘電体バリア放電ランプ点灯装置の動作を示す 図
[図 4]本発明の実施の形態におけるトランスの等価回路図
[図 5]本発明の実施の形態における電圧立ち上がり速度とランプ効率の関係を示す 図
[図 6]本発明の実施の形態における駆動回路の出力電圧波形図((a)電圧立ち上が り速度が 5. 94kVZ sの場合、(b)電圧立ち上がり速度が 3. 42kVZ sの場合、 (c)電圧立ち上がり速度が 1. 68kVZ sの場合)
[図 7]本発明の実施の形態における電圧立ち上がり速度とシステム効率の関係を示 す図
[図 8]本発明の実施の形態におけるトランスの二層目の卷数と結合係数の関係を示 す図
[図 9]本発明の実施の形態におけるトランスの結合係数と電圧立ち上がり速度の関係 を示す図
[図 10]本発明の実施の形態における駆動回路の損失の内訳の一例を示す図
[図 ll] (a)従来の誘電体バリア放電ランプ点灯装置の駆動波形を示す概略図、及び
(b)従来の誘電体バリア放電ランプの電圧立ち上がり時間と効率の関係を示す図 符号の説明 [0014] 1 ランプ
2 外部電極
3 内部電極
4 駆動回路
5 駆動信号回路
T トランス
Ll l, L12 一次卷線
L2 二次卷線
Le 漏れインダクタンス
E 直流電源
SI, S2 スイッチング素子
発明を実施するための最良の形態
[0015] 以下、本発明の実施形態を、図面を参照しながら説明する。
[0016] 図 1は、本発明の実施の形態における誘電体バリア放電ランプ点灯装置を模式的 に示すものである。図 1の点灯装置において、ランプ 1は、その長手方向の軸に沿つ て配設された外部電極 2およびランプ 1の片端に配設された内部電極 3を有する誘電 体バリア放電ランプであり、ソーダガラス、ホウ珪酸ガラスなどの透光性材料により形 成されている。さらに、ランプ 1の内部にはキセノンとアルゴンの混合ガスが 140Torr 封入されるとともに、ランプ 1の内面には蛍光体皮膜が形成されている。なお、本実施 の形態 1におけるランプ 1の寸法は外径 Φ 3mm、長さ 300mmである。また、ランプ 1 と外部電極 2は、距離 3mmを離して配置されており、ランプ 1と外部電極 2で構成さ れる負荷容量は約 2. 5pFである。
[0017] 本実施の形態 1における駆動回路は、トランス T、スイッチング素子 SI, S2、及び駆 動信号回路 5で構成されている。外部電極 2および内部電極 3は、駆動回路 4に含ま れるトランス Tの二次側卷線 L2に各々接続されている。さらにトランス Tは、二つの一 次卷線 L 11および L 12を有し、一次卷線 L 11および L 12の各々一端が直流電源 E に接続されるとともに、他端はスイッチング素子 SI, S2を介してそれぞれグランド (G ND)に接続されている。また、スイッチング素子 SI, S2は駆動信号回路 5に各々接 続され、駆動信号回路 5で発生する信号に応じて交互にオン Zオフする仕組みにな つている。このような駆動回路は、一般にプッシュプル'インバータとして知られている
[0018] トランス Tには、初透磁率 2400のコアを用いる。なお、コアにはギャップを設けない 。なぜなら、ギャップを開けることにより漏れインダクタンスが非常に大きくなるためで ある。漏れインダクタンスが非常に大きくなると、インダクタ成分によりトランス Tの二次 卷線 L2に発生する電圧および電流の急峻な変化が抑制され、駆動波形の形が大き く崩れ始める。この波形崩れがひどくなると、正弦波に近い波形となり、ランプ 1の発 光効率が極端に低下する。
[0019] 図 2を参照し、トランス Tの構成および作成方法について説明する。
トランス Tの卷線は、以下の手順でボビンに巻きつけられる。まず、二次卷線 L2を 所定の卷数でボビン 20に卷きつける。本実施の形態 1における卷線材料は φ θ. 08 mmの単線である力 線径は卷線仕上がり外径を考慮のうえ、 φ θ. 02mm~ 0. 1 5mmの範囲から適宜選択できる。巻き方は整列巻きや分割巻きなど種々巻き方が 適用できるが、ここでは分割卷きを用いている。二次卷線 L2を巻き終わったら、その 上に絶縁テープ 22を卷きつける。なお、テープの厚さは、一次卷線と二次卷線の間 の絶縁を考慮のうえ決定する。絶縁テープ 22を巻き終えたら、その上から一次卷線 L 11および L12をバイファラ卷きにて卷きつける。ここでは、一次卷線として φ θ. 12m mの単線を 6本束ねたリッツ線を用いた。最後に巻き崩れを防ぐために外側にテープ を卷きつけて卷線 Ll l、 L12、 L2を固定する。
[0020] トランス Tの一次卷線 L 11および L 12と、二次卷線 L2との卷数比は、ランプ 1の最 適な駆動電圧と、直流電源 Eの電圧との比率により決定される。本実施の形態にお けるランプ 1の場合、直流電源 Eの電源電圧は 24Vであり、卷数比は 1 : 67、ランプ両 端に発生する電圧 (電極間の電圧)はトランス Tの結合係数によって大きく異なるが、 約 7. 7〜5. 8kV であった。なお、計算上は、入力電圧 24V、卷数比 1 : 67の場合 は、トランス Tの二次側電圧は約 3. 7kV となるはずである。しかし、実際の測定値 では、スイッチングの瞬間に発生するトランス Tの逆電圧のため、二次側電圧のピー ク値は、電源電圧 24Vの 67倍よりも高い電圧となっている。以下、卷数比は 1 : 67の 場合の例を記載している。
[0021] 以上のように構成された誘電体バリア放電ランプ点灯装置について、その動作を図 2を参照しながら説明する。
[0022] 図 3 (a)に示すように、駆動信号回路 5からスイッチング素子 S1をオン、スイッチング 素子 S2をオフさせる信号が与えられると、直流電源 Eから、トランス Tの一次卷線 L11 及びスイッチング素子 S1を経由して GNDへ電流が供給される。すると、トランス丁の 二次卷線 L2における内部電極 3と接続された方の端子(以下「内部電極 3側端子」と いう。)に負の電圧が生じ、内部電極 3から GNDの方向へ電流が流れる。次に、図 3 ( b)に示すように、駆動信号回路 5からスイッチング素子 S1をオフ、スイッチング素子 S 2をオンさせる信号が与えられると、直流電源 Eから、トランス Tの一次卷線 L 12及び スイッチング素子 S2を通り GNDへ電流が供給される。すると、トランス Tの二次卷線 L2の内部電極 3側端子に正の電圧を生じ、 GNDから内部電極 3の方向へ電流が流 れる。
[0023] このように、スイッチング素子 SI, S2のスイッチング動作によって、ランプ 1の電極 間に略矩形波の高周波交流電圧を発生し、ランプ 1内部に放電プラズマを発生させ る。放電プラズマが発生すると、封入ガスが励起され、基底状態に戻るときに紫外若 しくは可視の発光を呈する。紫外線は、ランプ 1の内面に塗布された蛍光体膜によつ て可視光に変換され、ランプ 1の外部に放出される。なお、ランプ 1に印加する電圧 の波高値は、トランス Tの一次卷線 L11および L12と、二次卷線 L2の卷数比によつ て決定される。
[0024] ここで、ランプ 1に発生する交流電圧(トランス Tの二次卷線 L2に発生する電圧)は 、図 11 (a)に示すような略矩形波である。矩形波が好ましい理由は、ランプ 1に流れ る電流をパルス状にすることによって休止期間を長く設けることにより、ランプ 1の内部 に放電により生成したエキシマの発光効率を高めることができるためである。なお、誘 電体バリア放電ランプの場合、例えば本実施の形態 1における構成では、外部電極 2および内部電極 3、およびその間に挟まれた気体空間とガラス層によってコンデン サを形成した構成をとつている。従って、ランプ 1のインピーダンスは容量性である。 従って、ランプ 1に流れる電流波形は電圧波形の微分となり、原理的にパルス状にな る。なお、以上の点灯装置の構成は、従来の技術と同様である。
[0025] ランプ 1の発光効率の観点から、電圧立ち上がり速度の影響を説明する。
従来、誘電体バリア放電ランプの発光効率は、ランプ 1に印加される矩形波電圧の 立ち上がりが早いほど高いと考えられてきた。その理由は下記の通りである。
[0026] 誘電体バリア放電ランプの紫外線発光の主体は、ランプ 1の内部に封入されたキセ ノンガスであり、立ち上がりの急峻な電圧を印加したとき、キセノン原子を一気に高い エネルギー状態に励起することができる。このとき、励起状態のキセノン原子は、基底 状態にある別のキセノン原子との衝突を通じて準安定状態であるエキシマ Xe *を形
2 成し、 172nmという比較的長い波長を有する紫外線を発光する。なお、キセノンがィ オン化して基底状態に戻る際の発光波長は 147nmであり、ランプ 1の内壁に塗布さ れた蛍光体により可視光に変換する場合のエネルギー損失 (スト一タスシフト)を考慮 した場合に、紫外線の発光波長が長いほど、ランプ 1の発光効率を考慮した場合に 有利なことは明らかである。
[0027] 既に述べたとおり、電圧波形の立ち上がりが比較的緩やかになると、電流波形は電 圧の微分で決まるから、電流波形もまた緩やかになり、電流の流れる時間も長くなる。 すると、電圧波形の立ち上がり当初に形成されたエキシマ Xe
2 *に対し、後からランプ
1内部に供給されたエネルギーの低い電子が衝突する。すると、エキシマ Xe
2 *を破 壊する作用を発生し、ランプ 1を効果的に発光させることができなくなる。
[0028] また、矩形波電圧波形には、高周波の脈流電圧が重畳されて 、る。これは、トラン ス Tの漏れインダクタンスおよび寄生容量と、ランプ 1が持つ容量との間で共振現象 を発生するために生じるものである。し力しながら、脈流電圧は、その振幅に応じて微 小な脈流電流をランプ 1に強制的に流すことになり、先に述べた現象と同様に、ェキ シマを破壊する悪影響を生じる。
[0029] 上記の理由から、誘電体バリア放電ランプの駆動回路 4は、略矩形波の電圧立ち 上がりを出来るだけ早くしつつ、矩形波に重畳されている脈流を抑制することが好適 であるとされてきた。
[0030] 次に、駆動回路 4の立場から、電圧立ち上がり速度の影響を記載する。
駆動回路 4の効率 (ランプ 1に出力される電力を駆動回路 4の入力電力で割った値 )は、出力電圧 (ランプ 1に印加する電圧)の立ち上がりを遅くしたほうが高いと考えら れる。その理由は、出力電圧および電流の波形の高周波成分が減少するためである
。一般に知られている通り、トランス Tの卷線においては、流れる電流の周波数が高く なるほど、近接効果や表皮効果の影響が強くなつて線の抵抗が増加する。つまり、高 周波成分が増加するほど、トランス Tの銅損が増加する。さらに、トランス Tのコアとし て一般的に用いられるフェライト材料は、周波数が高いほど鉄損が高くなることが知ら れている。従って、駆動回路 4の出力波形に多くの高周波成分が含まれるほど、トラ ンス Tの鉄損も増加し、駆動回路 4の効率が悪化すると考えられる。さらに、スィッチン グ素子 S1および S2の損失は、素子両端に力かる電圧が変化している期間すなわち 出力電圧立ち上がりの期間に発生するスイッチング損失である。出力電圧の立ち上 力 ^速度を速くすると、出力電流は非常に高いピークを持つ狭パルスとなるから、トラ ンス Tの一次卷線 L11および L12に流れる電流のパルスもピーク値が高くなる。よつ て、スイッチング素子 S1および S2の電流も同様に高くなる。従って、スイッチング期 間における電流が増加することになり、スイッチング損失の増加を招く。
[0031] 以上のように、電圧立ち上がりを早くすればするほど、駆動回路 4の効率は低下す ることは明らかである。これらを鑑み、駆動回路 4の設計の立場としては、略矩形波出 力の立ち上がりを必要最小限の速さに抑えたいという要請がある。
[0032] 以上のように、ランプ 1の効率を高めるための矩形波立ち上がり速度に対する要請 と、駆動回路 4の効率を高めるための矩形波立ち上がり速度に対する要請は、全く相 反するものである。この点を踏まえ、ランプ 1に印加する略矩形波電圧の立ち上がり の好適な早さを求める必要がある。
[0033] そこで、上記のように構成した誘電体バリア放電ランプ点灯装置につ!、て、トランス Tの結合係数 kを変化させることにより立ち上がり速度を変化させ、立ち上がり速度の 異なる実回路で駆動した場合のランプ 1の発光効率と、ランプ 1と駆動回路 4からなる 装置全体での発光効率とを調べた。その結果、駆動電圧波形がある一定以上の立 ち上がり速度の条件下においては、ランプ 1の発光効率が変化しないことが判明した
[0034] なお、本実施の形態におけるトランス Tは、一次卷線 L 11および L 12と二次卷線 L2 の間の結合係数 kが 0. 9900以上 0. 9995以下の範囲となるように変化させた。結 合係数の制御方法については後に詳述する。
[0035] ここで、結合係数 kを変化させることの技術的な意義について説明する。
トランス Tの一般的な等価回路を図 4に示す。ここでは簡単のため、一次側卷線を 一つの卷線で例示している。一次側卷線のインダクタンス Ll、二次側卷線のインダク タンスを L2、相互インダクタンスを Mとすると、結合係数 kは以下の式で表現される。
[数 1]
M
k = , (0 < k < l) (1)
VL1L2
[0036] 結合係数 kが大きく 1に近 、場合、トランス Tの一次側に発生する漏れインダクタン ス Le ( = Ll— M)は非常に小さくなり、逆に結合係数 kが小さくなつていくと、漏れィ ンダクタンス Leは大きくなつていくことが判る。漏れインダクタンス Leは、トランス丁の 一次側卷線に直列にインダクタを挿入したのと同じ効果を発し、急激な電流および電 圧の変化を妨げる効果を有する。つまり、結合係数 kを低下させるということは、トラン ス Tの一次側に印加される電流および電圧の急激な変化を和らげることと同義であり 、結果的にランプ 1に印加する略矩形波の駆動電圧波形の立ち上がりを緩やかにす る。以上のように、結合係数 kを変化させることによって、ランプ 1の駆動電圧立ち上 力 Sり速度を変化させることができる。
[0037] 前述のように、トランス Tの結合係数 kを変化させると、ランプ 1に印加される電圧波 形の立ち上がり速度が変化する。そこで、図 5に、横軸に略矩形波電圧の立ち上がり 速度、縦軸にランプ 1の発光効率を示したグラフを示す。ここで、電圧の立ち上がり速 度は、電圧波形が 0Vの点とピークの点とを通過する直線を引き、その直線の傾きか ら算出したものと定義する(図 11 (a)の ΔνΖ Δΐ 。また、ランプ 1の発光効率とは、ラ ンプ 1より発した光束を実際にランプ 1で消費された電力で割った値 (いわゆるランプ 効率)である。図 5から明らかなように、立ち上がり速度が 2. 2kVZ w s以上であれば ランプ 1の発光効率はほとんど変化せず、 2. 2kVZ w s以上の立ち上がり速度を確 保すればランプ 1の発光効率を最大とすることが可能であることが、本願発明者らの 実験により明らかになった。これは従来考えられてきたように、立ち上がり速度が速い ほど良 ヽと 、う予想とは全く異なるものである。
[0038] 従来、キセノンのエキシマ放電を利用したランプの場合、ランプ単体の発光効率は 901mZWという極めて高い値が文献により発表されている (Jinno, M. et al、 LS 2004 pp. 145— 146他)。本実施の形態の点灯装置の場合、ランプ 1の長さが非 常に長ぐランプ 1内部の電界強度分布が非常に広いことを勘案しても、その 70〜8 0%の効率は期待できると推定していた。そこで、本願発明者らは、当初は電圧波形 の立ち上がり速度が遅すぎるものと考え、立ち上がり速度を上げようと試みた。ところ 力 現実の駆動回路で検証した結果、予想よりも低い効率で飽和に達することが判 明した。その理由は下記のように推察できる。
[0039] 図 6 (a)、図 6 (b)、図 6 (c)に、実際に結合係数 kを変えたときの駆動回路 4の出力 電圧波形の変化例を示す。図 6 (a)、図 6 (b)、図 6 (c)の電圧の立ち上がり速度は、 それぞれ 5. 94kV/ μ s、 3. 42kV/ s、 1. 68kV/ μ sである。図 6 (a)、図 6 (b) 、図 6 (c)から明らかなように、理想的な矩形波でランプ 1を駆動する場合とは異なり、 実際の駆動回路 4で駆動する場合には電圧の立ち上がりの速度に依らず脈流が存 在する。脈流が存在すると、脈流電圧による微小な電流がランプ 1に供給される。こ の電流は新たに電子を供給し、この電子によりランプ 1内に生起されたエキシマが破 壊される。
[0040] ここで、図 6 (a)のように電圧の立ち上がり速度が非常に速い場合を考える。電圧の 立ち上がりが速い場合には、短時間に非常に高いパルス電流をランプ 1に供給する ことになる。このパルス電流により、トランス Tの寄生容量もしくは漏れインダクタンスに 蓄積されたエネルギーを元にした共振電流が発生する。この場合のパルス電流のピ 一ク値は高いため、電圧の立ち上がり速度に依らず共振電流が同じ減衰率で減衰 するとしても、脈流電流は大振幅で比較的長い期間発生することになる。このため、 多くのエキシマが損なわれる結果になる。さらに電圧の立ち上がり速度が速い場合、 次の現象も生じる。電圧立ち上がりを速くするためには、トランス Tの結合係数 kをで きる限り大きくし、漏れインダクタンスを小さくする必要がある。漏れインダクタンスが小 さい場合、脈流電流が発生する共振の周波数は高周波になる。共振周波数が高くな ると、励起状態にあるエキシマが次に電子と衝突する時間も短くなり、エキシマが発 光する前に破壊される確率が高くなると推定される。
[0041] 以上のように、電圧の立ち上がり速度を速めてもエキシマが発光する前に破壊され る確率が高くなるため、電圧立ち上がり速度に対してランプ 1の発光効率が予想より も早く飽和するものと推定される。
[0042] なお、電圧立ち上がり速度が 6kVZ sを超えると、ランプ 1に流れる電流のピーク が非常に高くなつて、累積電離による収縮放電を発生しやすくなつた。収縮放電は、 雷状の細い放電で、スネーキングによるチラツキを発生しやすぐ好ましくない。よつ て、電圧立ち上がり速度は 6kVZ μ s以下の範囲が好適である。
[0043] 次に、ランプ 1と駆動回路 4の総システム効率 (ランプ 1の光束出力を駆動回路 4の 入力電力で割った効率)を図 7に示す。ここで、グラフの横軸は略矩形波電圧の立ち 上がり速度である。
[0044] 図 7から判るように、立ち上がり速度が非常に速くなるほど、前述したように、駆動回 路 4の効率が低下し、ランプ 1と駆動回路 4のトータルのシステム効率は 2. 2kV/ μ s 以上かつ 5. lkVZ s以下の領域においてほぼ一定のピーク値となる曲線となる。 従って、点灯装置全体としての効率は、略矩形波電圧の立ち上がり速度を 2. 2kV/ μ s以上かつ 5. lkVZ μ s以下とすることが好適である。
[0045] さらに、電圧立ち上がり速度を 2. 6kV/ μ s以上かつ 4. 7kV/ μ s以下とすると、 システム効率のピーク値に対して 99%以上の値を確保できるので、より好適である。
[0046] 次に、トランス Tの結合係数 kの値について説明する。トランス Tの結合係数 kとして 好適な範囲は 0. 9900以上である。 0. 9900未満になると、漏れインダクタンスの影 響でランプ電圧波形の立ち上がりが鈍りすぎ、もはや略矩形波とは言えず、正弦波 に近づいた波形となる。従って、ランプ 1の発光効率が大幅に低下する。
[0047] トランス Tの結合係数 kを 0. 9900以上の高い値を保ちつつ、任意の値に調整する 方法は以下のとおりである。
[0048] 通常、トランス Tの結合係数 kを抑え、漏れインダクタンス Leを増やすためには、コ ァの間にギャップを持たせることが最も簡単な方法である。しかしながら、本願発明者 の実験によると、ギャップを約 0. 2mm設けたとき、トランス Tの結合係数 kは 0. 98ま で低下し、駆動回路 4の出力電圧波形がもはや略矩形波とは言えない状態まで崩れ てしまった。つまり、ギャップによりトランス Tの結合係数 kを制御するためには、ギヤッ プを 0. 2mm以下の微小な値で管理する必要があり、製造時の公差を考慮すると、 非現実的である。
[0049] さらに検討した結果、駆動回路 4の出力電圧波形が略矩形波として実用に耐えるた めには、結合係数 kが 0. 9900以上とする必要があることが判明した。
[0050] 以上を考慮し、トランス Tの結合係数 kを 0. 9900以上の値を保ちながら、実用に耐 えうる新たな結合係数 kの制御方法が別途必要となる。
[0051] そこで、本願発明者らは、トランス Tの卷線の巻き方による結合係数 kの細かな制御 方法を考案した。
[0052] トランス Tの作成方法は図 2を参照し、既に記載したとおりである。すなわち、まずボ ビン 20にトランス Tの二次卷線 L2を卷回し、次いで絶縁層 22を介して、二次卷線 L2 の上に重なるように一次卷線 L11および L12をバイファラ卷きにて卷回する。一次卷 線 L11および L12が重なるように巻く理由は、トランス Tが密結合となるようにするた めである。こうして一次卷線 L11および L12が二次卷線 L2の全領域に渡って重なる ように 1層で巻いた場合、トランス Tの結合係数は 0. 9997となった。
[0053] 上記の状態から、一次卷線 L11および L12の巻き終わりの Nターンを巻きほどき、 一次卷線 L11および L12と二次卷線 L2が重ならない領域 Z1を作るとともに、その N ターン分を 2層目に巻く。こうすると、一次卷線 L11および L12と二次卷線 L2の卷数 の比は変わらないため、トランス Tの昇圧比(駆動回路 4の出力電圧に相当)が同じで 、一次卷線 L11および L12と二次卷線 L2の重なる領域 Z2の幅のみが異なる種々の トランス Tができる。
[0054] 図 8に、一次卷線 L 11および L 12の二層目の卷数 Nを変化させた場合のトランス T の結合係数 kの変化例を示す。二層目の卷数 Nを増やすほどトランス Tの結合係数 k は低下するものの、 0. 9900以上の高い値にて変化していることが判る。
[0055] このように、トランス Tのコアにギャップを設けず、一次卷線と二次卷線の重なる領域 Z2だけを制御すれば、所望の昇圧比と結合係数 kを有するトランス Tを構成すること が可能であり、結果的に所望の電圧立ち上がり速度を有する駆動回路 4を構成する ことが可能となる。 [0056] なお、本実施の形態において、駆動回路 4の電圧立ち上がり速度とトランス Tの結 合係数 kの関係を求めた結果を図 9に示す。前述のように、結合係数 kを 0. 99以上 の領域で変化させたとき、結合係数 kが大きくなるほど立ち上がり速度を早くできるこ とが確認できた。また、ランプ 1と駆動回路 4からなるシステムの総合効率が最適な範 囲となる電圧立ち上がり速度の範囲、すなわち 2. 2kVZ w s以上 5. lkVZ w s以下 の範囲を実現するためには、結合係数 kの範囲は 0. 9985以上力つ 0. 9997以下と することが好適であることが判る。さら〖こ、立ち上がり速度を 2. 6kVZ w s以上かつ 4 . 7kVZ w s以下にできる結合係数 kの範囲は 0. 9989以上力つ 0. 9996以下であ ることが半 Uる。
[0057] ここで、図 3を参照し、トランス Tの結合係数 kの測定方法の例について説明する。ト ランス Tの結合係数 kの測定値は以下の手順で求める。
[0058] (ステップ 1)図 3において、トランス Tの一次側端子 Al、 A2を解放した回路におい て、二次側端子 Bl、 B2間に所定の電圧を印加し、二次側端子 Bl、 B2間のインダク タンスを測定する。このようにして測定されたインダクタンス値は L2の値と等 U、。
[0059] (ステップ 2)トランス Tの二次側端子 Bl、 B2を解放した回路にぉ 、て、一次側端子 Al、 A2間に所定の電圧を印加し、一次側端子 Al、 A2間のインダクタンスを測定す る。このようにして測定されたインダクタンス値は L1の値と等 、。
[0060] (ステップ 3)トランス Tの一次側端子 Al、 A2を短絡した回路にぉ 、て、二次側端子 Bl、 B2間に所定の電圧を印加して、二次側端子 Bl、 B2間のインダクタンス L'を測 定する。ここで、上記の方法で測定したインダクタンス L'は次式の関係を満たす。
[数 2]
, 、 M(L1 - M) M2 , 、
L'= (L2 -M) + = L2 -—— (2)
LI LI
[0061] (ステップ 4)ステップ 1〜3で測定したインダクタンス Ll、 L2、 L,の値を式(2)に代 入し、 Mの値を求める。
[0062] (ステップ 5)ステップ 1、 2で求めた Ll、 L2と、ステップ 4で求めた Mと、式(1)を用
V、て結合係数 kの値を求める。
[0063] なお、ステップ 3において、トランス Tの二次側端子 Bl、 B2を短絡した回路におい て、一次側端子 Al、 A2間に所定の電圧を印加し、一次側端子 Al、 A2間のインダ クタンス L'を測定してもよい。この場合のインダクタンス L'は次式を満たす。
[数 3]
Figure imgf000016_0001
[0064] 最後に、略矩形波電圧の立ち上がり速度を必要最小限の早さに抑制する意義に ついて、駆動回路 4の観点力も記載する。
[0065] 図 10は駆動回路 4における電力損失の評価結果の一例である。図 10から判るよう に、駆動回路 4の電力損失は、トランス Tにおける損失が支配的であることが本願発 明者の実験により明らかになった。すなわち、本願発明のように、電圧の立ち上がり 速度を必要最小限の速度に抑制することによって、駆動回路 4におけるトランス丁の 損失が抑制される。その結果、トランス Tの発熱もまた抑制され、トランス卷線の絶縁 耐圧劣化を抑制することが可能である。従って、卷線の耐熱レベルを落としたり、放 熱部品を削減できる可能性があり、コスト的に有利となる。
[0066] また、トランス Tから出力される電圧の立ち上がり速度を抑制することにより、電圧の 微分で決定されるパルス電流出力のピーク値も抑制される。その結果、トランス丁の 一次卷線 L 11および L 12に直列接続されて 、るスイッチング素子 S 1および S 2に流 れる電流パルスのピーク値も抑制され、スイッチング素子 S1および S2のストレスを緩 和することができ、駆動回路 4の信頼性を高めることができる。
[0067] なお、本実施の形態ではランプ 1の封入ガスはキセノンの他にバッファガスとしてァ ルゴンの混合したものを用いた力 クリプトン、アルゴン、ネオン、ヘリウム、若しくはこ れらの群の中力も適宜選択されたバッファガスを用いてもよぐノ ッファガスを用いな くてもよい。本発明の効果は封入ガスの種類により限定されない。また、封入ガスの 圧力により限定されない。ノ ッファガスの種類やガスの圧力を変更しても、ランプ効率 および装置全体のシステム効率の絶対値が変化するだけで、電圧波形の立ち上がり 速度に対して同様の傾向を示す。
[0068] また、本発明の効果は、電極形状に左右されない。なぜなら、上述のランプ 1の発 光効率およびシステム効率のメカニズムが電極形状に依存しな 、ためである。同様 に、本実施の形態ではランプ 1の片端に内部電極 3を配置した力 両端に配置しても 同様の効果が得られる。
[0069] なお、ランプ 1の持つ容量は小さいほうが好ましぐランプ 1と外部電極 2の間に空間 を設けることが好ましい。その理由は、ランプ 1に流れる電流が非常に多くなると、累 積電離により放電が収縮してランプ 1の発光効率が低下するとともに、スネーキング によるチラツキを発生することが多いからである。従って、電圧波形の立ち上がり速度 を早くした場合、立ち上がり速度が非常に高い領域でランプ 1の発光効率が低下す ることがある。本発明の効果は、上記の収縮放電が存在していない状態か、または内 部電極 3のごく近傍しか存在しない状況のみに適用できる。従って、ランプ 1と外部電 極 2の間に空間を設けないか、あるいは空間が非常に狭いような場合は、トランス丁の 昇圧比を抑えて出力電圧を下げれば、本願発明の効果が得られる。
[0070] また、本実施の形態では、放電に寄与する電極力ランプ 1の内部および外部に配 置された内部一外部電極構造について記載している力 双方の電極がランプ外部に 配置された外部一外部電極構造でも図 7に示すものと同様の傾向が得られる。また、 外部電極は一つに限定されず、複数に分割したり、ランプ 1の両端に内部電極を配 置し、かつ外部電極を配置した構造などが考えられる。いずれも、略矩形波電圧で 駆動される限り、エキシマ放電の効率メカニズムは同じであり、またシステム効率のメ 力-ズムも同様であるから、本願発明の領域において良好な結果が得られる。
[0071] また、本願発明の効果はランプ 1の長さに左右されない。ただし、収縮放電を抑制 するために出力電圧を低下した場合、ランプ 1の全長に亘つて放電が発生するとは 限らない。し力しながら、ランプ 1の発光効率もしくは駆動回路 4を含めたシステム効 率のみを考えた場合、本願発明の範囲において高い効率が得られる。なお、液晶バ ックライトとして実用的な範囲としては、管の内径は 2mmから 4mmまで、管長は 250 mmから 950mmまでである。また、ランプに印加する実用的な電圧範囲は、ピークか らピークまでの電圧 V で 3kVから 10kVまでである。
p-p
[0072] また、本実施の形態において、トランス Tの一次卷線にはリッツ線を用い、二次卷線 には単線を用いた力 一次 Z二次卷線ともに単線を用いても良い。ただし、大電流 が流れる一次卷線にはリッツ線を用いたほうが、一次卷線における銅損が少なくなる ため好ましい。
[0073] また、電源 Eの電圧の範囲は、例えば液晶用のバックライトの場合、 12Vまたは 24V が最も一般的である。しカゝしながら、本願発明の効果は電源電圧に左右されない。な ぜなら、トランス Tの損失は、電圧波形の立ち上がり速度と電流パルスに依存している 力 である。
[0074] また、本願発明の効果は駆動周波数に左右されない。しかしながら、駆動周波数が 高くなりすぎると、エキシマ発光が充分に行われる前に電圧が反転することになり、逆 電流によりエキシマ分子が破壊されて、ランプ 1の発光効率を悪化させる。従って、駆 動周波数の好適な範囲は、 10kHzから 50kHz程度である。
[0075] また、スイッチング素子 SI, S2は、バイポーラトランジスタ、 MOSFETが一般的に 用いられる力 本発明の効果はスイッチング素子の種類に左右されないことは明らか である。
[0076] また、本実施の形態では駆動回路 4としてプッシュプルインバータを用いた力 ハー フブリッジインバータゃフルブリッジインバータを用いても同様の効果が得られる。た だし、これらのインバータを用いる場合は、プッシュプルインバータを用いる場合と同 じ電圧をランプ 1に出力しょうとすると、トランス Tの卷数比が倍になる。従って、プッシ ュプルインバータのときのトランス Tの卷数に対して、二次卷線 L2の卷数を二倍にす る力、一次卷線 L11および L12の卷数を半減する必要がある。
産業上の利用可能性
[0077] 本発明の誘電体バリア放電ランプ点灯装置は、点灯装置全体として発光効率を最 大限に高めることができ、さらに駆動回路の損失が抑制され、点灯装置の信頼性を 向上できるため、液晶用のバックライト、コピーやスキャナなどの原稿読み取り装置の 光源等として有用である。
[0078] 本発明は、特定の実施形態について説明されてきたが、当業者にとっては他の多 くの変形例、修正、他の利用が明らかである。それゆえ、本発明は、ここでの特定の 開示に限定されず、添付の請求の範囲によってのみ限定され得る。なお、本出願は 日本国特許出願、特願 2006— 65139号(2006年 3月 10日提出)に関連し、それら の内容は参照することにより本文中に組み入れられる。

Claims

請求の範囲
[1] 少なくともキセノンガスを含む希ガスが封入され、かつ 2つ以上の電極を含む誘電 体バリア放電ランプと、前記誘電体バリア放電ランプに略矩形波交流電圧を出力す る駆動回路とを有する誘電体バリア放電ランプ点灯装置であって、
前記略矩形波電圧の立ち上がり速度が 2. 2kVZw s以上かつ 6kVZw s以下で あることを特徴とする誘電体バリア放電ランプ点灯装置。
[2] 前記略矩形波電圧の立ち上がり速度が 2. 2kV/ μ s以上かつ 5. lkVZ μ s以下 であることを特徴とする請求項 1記載の誘電体バリア放電ランプ点灯装置。
[3] 前記略矩形波電圧の立ち上がり速度が 2. 6kV/ μ s以上かつ 4. 7kV/ μ s以下 であることを特徴とする請求項 1記載の誘電体バリア放電ランプ点灯装置。
[4] 前記駆動回路は昇圧トランスを含み、前記昇圧トランスの結合係数が 0. 9900以上 であることを特徴とする請求項 1に記載の誘電体バリア放電ランプ点灯装置。
[5] 前記駆動回路は昇圧トランスを含み、前記昇圧トランスの結合係数が 0. 9985以上 かつ 0. 9997以下であることを特徴とする請求項 2記載の誘電体バリア放電ランプ点 灯装置。
[6] 前記駆動回路は昇圧トランスを含み、前記昇圧トランスの結合係数が 0. 9989以上 かつ 0. 9996以下であることを特徴とする請求項 3に記載の誘電体バリア放電ランプ 点灯装置。
[7] 前記駆動回路が、プッシュプルインバータカ なることを特徴とする請求項 1に記載 の誘電体バリア放電ランプ点灯装置。
[8] 少なくともキセノンガスを含む希ガスが封入され、かつ 2つ以上の電極を含む誘電 体バリア放電ランプの駆動方法であって、
前記誘電体バリア放電ランプに立ち上がり速度が 2. 2kVZw s以上かつ 6kVZ s以下の値である略矩形波電圧を印加することを特徴とする誘電体バリア放電ランプ の駆動方法。
[9] 少なくともキセノンガスを含む希ガスが封入され、かつ 2つ以上の電極を含む誘電 体バリア放電ランプの駆動回路であって、
立ち上がり速度が 2. 2kVZw s以上かつ 6kVZw s以下である略矩形波交流電圧 を、前記誘電体バリア放電ランプに出力することを特徴とする誘電体バリア放電ラン プの駆動回路。
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