JP2007291348A - ポリメチン鎖構造を有する化合物、それを用いた画像形成材料、平版印刷版原版、画像形成方法、平版印刷版原版の製版方法及び平版印刷方法 - Google Patents

ポリメチン鎖構造を有する化合物、それを用いた画像形成材料、平版印刷版原版、画像形成方法、平版印刷版原版の製版方法及び平版印刷方法 Download PDF

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Abstract

【課題】画像状にレーザー露光を行うことで、優れた視認性を有する焼き出し画像を可能とする化合物、それを含有する画像形成材料、及び平版印刷版原版とその製版方法、平版印刷版方法を提供する。
【解決手段】下記一般式(1−1)で示される部分構造を含むポリメチン鎖構造を分子内に有する化合物及びそれを含有する画像形成材料である。下記一般式(1−1)中、R、R、R、R、及び、Xはそれぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、又は、1価の有機基を表す。この画像形成材料は平版印刷版原版の画像記録層として有用である。
Figure 2007291348

【選択図】なし

Description

本発明は、レーザー露光領域と未露光領域との識別が容易にできる、優れた視認性を有する焼き出し画像を与える特定ポリメチン鎖構造を有する化合物、それを用いた画像形成材料および画像形成方法に関する。また、該画像形成材料の応用である平版印刷版原版の画像記録層に関し、さらに好ましくは、コンピュータ等のデジタル信号に基づいて、例えば300〜1200nmの波長を有するレーザーを走査することにより直接製版することができる、いわゆるダイレクト製版可能な平版印刷版原版、および、前記平版印刷版原版を、湿式現像処理工程を経ることなく、印刷工程途上で直接現像して印刷しうる平版印刷版原版及びその製版方法、それを用いた平版印刷方法に関する。
種々の産業において、基体上に画像を形成して基体にマーキングするための多数の組成物および方法が使用されている。このような産業としては、少数を挙げるならば、たとえば製紙業、包装産業、塗装工業、医療産業、歯科産業、電子産業、繊維工業、航空、海洋、および自動車産業、ならびに視覚芸術産業などが挙げられる。
画像形成またはマーキングは、典型的には、物品を識別するため、たとえば、製造元の名称またはロゴ、通し番号またはロット番号、組織の型を識別するために使用され、あるいは、半導体ウエハ、飛行機、船舶、および陸上の乗り物の製造における位置合わせの目的で使用することができる。
また、マーキングは、補強加工製品、フォトレジスト、ソルダマスク、印刷版、およびその他のフォトポリマー製品にも使用されている。最近では、高速かつ効率的なマーキング方法としてレーザーマーキングが注目されており、一部の産業においては既に実用化されている。多くのレーザーマーキング技術は、基体の必要な領域のみにレーザー光を照射して、照射された領域の変性または除去を行うことを含むか、またはコーティングされた基体にレーザー光を照射して、照射されたコーティング層を除去し、それによって、照射された領域(マーキングされた領域)と照射されていない領域(背景)との間にコントラストを形成することを含んでいる。
半導体チップなどの物品のマーキングにレーザーを使用することは、マーキングのための迅速で経済的な手段となるが、表面を燃焼させて所望のマークを得る最先端のレーザーマーキング技術では関連する特定の欠点が存在する。たとえば、レーザーによって表面で燃焼したマークは、光源に対して選択された入射角においてでしか見ることができない。さらに、マーキング後に物品表面上に付着した油またはその他の汚染物質によって、レーザーマークがぼやけたり、さらには不明瞭となったりする場合がある。さらに、レーザーが実際に工作物表面を燃焼させるため、ベアダイのマーキングの場合には、付随する燃焼によって下にある任意の構造が損傷したり、または内部ダイ温度が許容限界を超えるため内部回路が損傷したりすることがある。
平版印刷版原版の画像形成手段として、近年、画像情報をコンピュータで電子的に処理し、蓄積し、出力する、デジタル化技術が広く普及してきており、このようなデジタル化技術に対応した新しい画像出力方式が種々実用されるようになってきている。これに伴い、レーザー光のような高収斂性の輻射線にデジタル化された画像情報を担持させて、その光で平版印刷版原版を走査露光し、リスフィルムを介することなく、直接平版印刷版を製造するコンピュータ・トゥ・プレート(CTP)技術が注目されてきている。従って、このような技術に適応した平版印刷版原版を得ることが重要な技術課題の一つとなっている。
従来の平版印刷版原版の製版工程においては、露光の後、不要な画像記録層を現像液等によって溶解除去する工程が必要であるが、近年このような付加的に行われる湿式処理を不要化しまたは簡易化することが課題の一つとして挙げられている。これに対して、簡易な製版方法の一つとして、平版印刷版原版の不要な画像記録層の除去を通常の印刷工程の中で行えるような画像記録層を用い、露光後、印刷機上で画像記録層の不要部分を除去し、平版印刷版を得る、機上現像と呼ばれる方法が提案されている。
しかし、一般に印刷前に現像処理を伴わない機上現像型または無処理(無現像)型の平版印刷版原版では、印刷版を印刷機に取り付ける段階で印刷版上に画像がなく、版の識別を行うことができないことが問題として挙げられる。特に、多色印刷において見当合わせの目印となるトンボ(レジストマーク)が描きこまれていることを判別できるか否かは印刷作業にとって重要である。そのため、機上現像型または無処理(無現像)型平版印刷版原版は、露光または加熱した段階で画像を確認する手段(焼き出し剤)が要求されている。
焼き出し剤として、光または熱で酸、塩基またはラジカルを発生する化合物と、発生した酸、塩基またはラジカルと相互作用して変色する化合物とを用いた印刷版が提案されている(例えば、特許文献1参照)。また、熱分解性化合物の色変化を、感熱層を有する直描型平版印刷版原版の焼き出し剤として利用することも提案されている(例えば、特許文献2参照)。さらに、熱分解温度が250℃以下の熱分解性色素を焼き出し剤として用いることも提案されている(例えば、特許文献3参照)。しかし、これらの方法では、露光領域の視認性が十分ではないという問題を有していた。
特開平11−277927号公報 特開2000−335129公報 特開2003−191657公報
本発明の目的は、レーザーで画像状に露光または加熱した段階で、識別が容易にできる優れた視認性を有する焼き出し画像を可能とする変色性化合物、それを用いた画像形成材料、画像形成方法及び平版印刷版原版を提供することにある。
また、本発明の他の目的は、前記本発明の平版印刷版原版を用いた、湿式現像処理工程を必要としない平版印刷版原版の製版方法及び平版印刷方法を提供することにある。
本発明者らは、上記目的を達成すべく鋭意検討した結果、特定構造を有する化合物、或いは、レーザーで露光することにより、カチオンラジカル分子を発生させるとともに色彩及び/又は明度に変化が生じる化合物を用いることによって、優れた視認性の焼き出し画像を得ることができることを見出し、本発明の達成に至った。すなわち、本発明は以下のとおりである。
<1> 下記一般式(1−1)で示される部分構造を含むポリメチン鎖構造を分子内に有する化合物。
Figure 2007291348
一般式(1−1)中、R、R、R、R、及び、Xはそれぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、ヒロドキシ基、アミノ基、ニトロ基、メルカプト基、スルホン酸基、リン酸基、又は、1価の有機基を表す。
<2> 前記一般式(1−1)で示される部分構造が、下記一般式(1−2)で示される部分構造であり、該部分構造を含むポリメチン鎖で複数の複素環を結合した構造を有する<1>記載の化合物。
Figure 2007291348
一般式(1−2)中、R、Rは、それぞれ独立に、水素原子、又は、炭化水素基を表す。R、Rは、それぞれ独立に、水素原子、炭化水素基、ハロゲン原子、アルコキシ基、アリールオキシ基、アミノ基、カルボニル基、又は、シリル基を表し、RとRとが互いに結合し環を形成していてもよい。
Xは、水素原子、ハロゲン原子、−N(Aryl)、−X−L、鎖状又は環状炭化水素基、ヘテロ環基、又は、下記一般式(2)で表される基を表す。ここで、Arylはアリール基を表し、Xは酸素原子、窒素原子、又は硫黄原子を示し、Lは、炭化水素基、ヘテロ原子を有する芳香族環、又は、ヘテロ原子を含む炭化水素基を示す。なお、ここでヘテロ原子とは、N、S、O、ハロゲン原子、Seから選択される原子を示す。
Figure 2007291348
は電荷の中和が必要な場合に存在するカウンターイオンを表す、Rは、水素原子、アルキル基、アリール基、アミノ基、ハロゲン原子より選択される置換基を表す。
<3>下記一般式(3)または、一般式(4)で表されることを特徴とする<1>または<2>記載の化合物。
Figure 2007291348
一般式(3)及び一般式(4)中、R、R、R、R、R、R10は、それぞれ独立に水素原子または炭化水素基を表す。R、Rは、それぞれ独立に、水素原子、炭化水素基、ハロゲン原子、アルコキシ基、アリールオキシ基、アミノ基、カルボニル基、又は、シリル基を表し、RとRとが互いに結合し環を形成していてもよい。
Xは、水素原子、ハロゲン原子、−N(Aryl)、−X−L、鎖状又は環状炭化水素基、ヘテロ環基又は下記一般式(2)で表される基を表す。ここで、Arylはアリール基を表し、Xは酸素原子、窒素原子、又は硫黄原子を示し、Lは、炭化水素基、ヘテロ原子を有する芳香族環、又は、ヘテロ原子を含む炭化水素基を示す。なお、ここでヘテロ原子とは、N、S、O、ハロゲン原子、Seから選択される原子を示す。
Figure 2007291348
は電荷の中和が必要な場合に存在するカウンターイオンを表す、Rは、水素原子、アルキル基、アリール基、アミノ基、ハロゲン原子より選択される置換基を表す。
、Yは、それぞれ同じでも異なっていてもよく、−N(R11)−、S、又はジアルキルメチレン基を表す。R11は、水素原子又は置換基を有してもよい炭化水素基を表す。R、Rは、それぞれ独立に炭化水素基を表す。
及びZはそれぞれ独立に置換基を有していてもよい芳香環あるいは複素芳香環を表す。
は、電荷の中和が必要な場合に存在するカウンターイオンを表す。m、n、o、pは0以上の整数を表す。
<4> <1>〜<3>のいずれかに記載の化合物を含有する画像形成材料。
<5> 基板上に、<1>〜<3>のいずれか1項に記載の化合物の前駆体、及び、酸化剤を含有する画像記録層を備えた画像形成材料。
<6> 基板上に、カチオンラジカル分子の前駆体、及び、電子受容性化合物を含有する画像記録層を備えた画像形成材料。
<7> 前記カチオンラジカル分子の前駆体が、2つのヘテロ環をポリメチン鎖で結合した構造を有する化合物であることを特徴とする請求項6に記載の画像形成材料。
<8> 前記カチオンラジカル分子が下記一般式(1)で表される化合物であることを特徴とする<6>に記載の画像形成材料。
Figure 2007291348
一般式(1)中、Xは、水素原子、ハロゲン原子、−N(Aryl)、−X−L、置換基を有してもよい炭化水素基、置換基を有してもよい炭化水素環、置換基を有してもよいヘテロ環、又は、下記一般式(2)で表される基を表す。ここで、Arylは置換基を有してよいアリール基を表し、Xは酸素原子、窒素原子、又は硫黄原子を示し、Lは、炭化水素基、ヘテロ原子を有する芳香族環、又は、ヘテロ原子を含む炭化水素基を示す。なお、ここでヘテロ原子とは、N、S、O、ハロゲン原子、Seを示す。
Figure 2007291348
ここで、X は電荷の中和が必要な場合に存在するカウンターイオンを表す、Rは、水素原子、アルキル基、アリール基、置換又は無置換のアミノ基、ハロゲン原子より選択される置換基を表す。
およびRは、それぞれ独立に、置換基を有してもよい炭化水素基を表す。RとRとは互いに結合し、環を形成していてもよい。Ar、Arは、それぞれ独立に、置換基を有していてもよい芳香族炭化水素基を表す。Y、Yは、それぞれ独立に、硫黄原子または炭素原子数12個以下のジアルキルメチレン基を表す。R、Rは、それぞれ独立に置換基を有していてもよい炭化水素基を表す。R、R、RおよびRは、それぞれ独立に水素原子または炭素原子数12個以下の炭化水素基を表す。Z は、ハロゲンイオン、過塩素酸イオン、テトラフルオロボレートイオン、ヘキサフルオロホスフェートイオン、又は、スルホン酸イオンを表す。ただし、一般式(1)で示される化合物が、その構造内にアニオン性の置換基を有し、電荷の中和が必要ない場合にはZ は必要ない。
<9> <6>〜<8>のいずれか1項に記載の画像記録層が、さらに、ラジカル重合開始剤、重合性化合物、バインダー、及び、マイクロカプセルまたはミクロゲルを含有する<6>〜<8>のいずれか1項に記載の画像形成材料。
<10> レーザー露光により、露光領域の色相及び/または明度が変化する<4>〜<9>のいずれか1項に記載の画像形成材料。
<11> <4>〜<10>のいずれか1項に記載の画像形成材料をレーザー露光し、露光領域に色相及び/又は明度に変化を与える画像形成方法。
<12> <4>〜<10>のいずれか1項に記載の画像形成材料からなる平版印刷版原版。
<13> <12>に記載の平版印刷版原版を、レーザーで画像様に露光した後、印刷インキと湿し水とを供給して印刷する工程において、画像記録層のレーザー未露光部分が除去される平版印刷版原版。
<14> <12>に記載の平版印刷版原版をレーザーで画像様に露光し、露光領域で前記<1>〜<3>のいずれか1項に記載の化合物が形成される工程を含む平版印刷版原版の製版方法。
<15> <12>に記載の平版印刷版原版を、レーザーで画像様に露光した後、印刷インキと湿し水とを供給して、画像記録層のレーザー未露光部分を除去して印刷する工程を含む平版印刷方法。
本発明における前記一般式(1−1)で示される部分構造を含むポリメチン鎖構造を分子内に有する化合物は、新規化合物であり、レーザー露光により優れた発色性を示し、発色性化合物として好適に使用しうる。このため、前記したように、該化合物は画像形成を行う平版印刷版原版の記録層に用いることで、形成された画像に優れた視認性を付与することができ、現像処理を行う前に形成された画像を容易に確認しうるという観点から、特に、機上現像可能な平版印刷版原版の記録層に好適に使用しうる。
なお、本発明において「一般式(1−1)で示される部分構造を含むポリメチン鎖構造を分子内に有する化合物を含有する画像形成材料」とは、該「一般式(1−1)で示される部分構造を含むポリメチン鎖構造を分子内に有する化合物をレーザー露光前に画像形成材料に添加することにより当該化合物を含有させた画像形成材料」と、「当該化合物の前駆体を含有しており、レーザー露光後、画像形成材料中にて一般式(1−1)で示される部分構造を含むポリメチン鎖構造を分子内に有する化合物が形成され、結果として当該化合物を含有した画像形成材料」の双方を包含するものである。
また、本発明でいう有機基とは、炭素原子を少なくとも一つ以上含む官能基を表す。
本発明の画像形成材料の第1の態様における作用機構は明確ではないが、光、熱、または光、熱またはその両方の作用によって発生するラジカルにより、一般式(1−1)で表される部分構造を有する化合物が反応し、この構造を有する化合物自体の有する色相または明度の変化を生起させるものと考えられる。
また、本発明の請求項6に係る画像形成材料の第2の態様で用いられる「カチオンラジカル分子」とは、レーザー光によって励起されたカチオンラジカル分子の前駆体から電子受容性化合物に電子移動した結果生成する化合物を表し、価数は必ずしも+1価ではない。この電子移動する機構は、カチオンラジカル分子前駆体の1重項励起状態からの電子移動が起こる機構、3重項励起状態から電子移動が起こる機構のいずれであってもよい。
ここで、「電子受容性化合物」とは、レーザー光によって励起されたカチオンラジカル分子前駆体から電子移動される化合物を表し、この電子移動される機構は、カチオンラジカル分子前駆体の1重項励起状態からの電子移動が起こる機構、3重項励起状態から電子移動が起こる機構のいずれであってもよい。また、電子移動を効率よく生起させるために、カチオンラジカル分子前駆体の励起状態における酸化電位よりも、電子受容性化合物の還元電位がプラス側にあることが好ましい。
本発明の第2の態様に係る画像形成方法における作用機構について述べれば、本発明の画像形成材料に用いられるカチオンラジカル分子前駆体がレーザー光の照射によって励起され、電子受容性化合物への電子移動が生ずることで、カチオンラジカル分子が発生し、該カチオンラジカル分子への変化により色彩及び/又は明度に変化を生じ、レーザー露光領域に視認性に優れた画像が形成されるものと考えられる。
本発明でいう画像形成材料とは、レーザー露光により、画像記録可能である物品を表し、視認性に優れた焼き出し画像の有効性発揮の観点から、平版印刷版原版であることが好ましく、また、レーザー露光領域に視認性に優れた画像を形成しうることから、レーザー露光による画像記録後に、何らの湿式現像処理工程を経ることなく印刷工程に付し、印刷工程において未露光部が除去され印刷することが可能な平版印刷版原版であることがより好ましい。
なお、本発明においては、特別な説明がない限り、「現像処理工程」とは、印刷機以外の装置(通常は自動現像機)を使用し、液体(通常はアルカリ性現像液)を接触させることにより、平版印刷版原版の赤外線レーザー未露光部分の画像記録層を除去し、親水性表面を露出させる工程を指し、「機上現像」とは、印刷機を用いて、液体(通常は印刷インキおよび/または湿し水)を接触させることにより、平版印刷版原版の赤外線レーザー未露光部分の画像記録層を除去し、親水性表面を露出させる方法および工程を指す。
本発明によれば、レーザーで画像状に露光することで露光部と未露光部の識別が容易にできる優れた視認性を有する焼き出し画像を可能とする化合物及びそれを用いた画像形成材料を提供することができる。また、本発明の画像形成材料を応用することで、優れた視認性を有する平版印刷版原版、特に機上現像型または無処理(無現像)型の平版印刷版原版を提供できる。また、かかる機上現像型の平版印刷版原版を用いた平版印刷方法を提供できる。
以下、本発明を詳細に説明する。
まず、本発明の請求項1に記載の化合物を用いてなる画像形成材料について述べる。
〔画像形成材料〕
本発明の請求項4に記載の画像形成材料は、本発明の請求項1に記載の下記一般式(1−1)で示される部分構造を含むポリメチン鎖構造を分子内に有する化合物(以下、特定構造を有する化合物と称する)を含有することを特徴とする。一般的には、支持体上に、該特定構造を有する化合物を含有する画像記録層を有する構成で使用される。かかる化合物を含有することによって、画像記録層をレーザー照射により画像様に露光することで、露光部分に色相或いは濃度の大きな変化が生じ、視認性に優れた焼き出し画像を得ることができる。
視認性に優れた焼き出し画像の有効性発揮の観点から、本発明の画像形成材料は、平版印刷版原版の画像記録層として用いることが好ましく、特に、画像記録後に何らの湿式現像処理工程を経ることなく印刷機上で印刷工程において現像される機上現像可能な平版印刷版原版に応用する場合、その効果が著しいといえる。
本発明の平版印刷版原版は、画像記録層に本発明の特定構造を有する化合物を含有すれば、特に制限はなく、レーザー露光により画像形成可能ないずれの平版印刷版原版でもよいが、前記の如く画像記録後に湿式現像処理工程を経ることなく印刷工程に付すことが可能な平版印刷版原版に特に好適であり、このような平版印刷版原版としては、以下に示す(1)機上現像型平版印刷版原版および(2)無処理(無現像型)平版印刷版原版が挙げられ、これら(1)および(2)の平版印刷版原版に適用することが特に好ましい。
(1)機上現像型平版印刷版原版:
露光により湿し水および/またはインキに対する溶解性もしくは分散性が変化するか、または、露光により湿し水またはインキに対する親和性の異なる隣接層に対する接着性が変化する画像記録層を有し、画像露光後、印刷機上で湿し水および/またはインキを版面に供給することで現像しうる平版印刷版原版。
(2)無処理(無現像型)平版印刷版原版:
露光により湿し水またはインキに対する親和性が表面で変化する画像記録層を有し、画像露光後、画像記録層の除去を伴わず印刷可能な平版印刷版原版。
[平版印刷版原版]
本発明で好適に使用される平版印刷版原版は、支持体上に形成された画像記録層に、(A)特定構造を有する化合物の他に、(B)ラジカル重合開始剤、(C)光吸収材料、(D)重合性化合物、(E)バインダーポリマー、(F)ミクロゲルまたはマイクロカプセルを含有し、赤外線照射により記録可能であり、画像記録後の現像処理工程を経ることなく印刷機に装着し、または印刷機装着後に画像記録して印刷可能であることが好ましい。
以下、本発明の構成要素、成分などについて詳細に説明する。
(画像記録層)
以下、平版印刷版原版の画像記録層に含まれる各成分について順次説明する。
<(A)一般式(1−1)で示される部分構造を含むポリメチン鎖構造を分子内に有する化合物(特定構造を有する化合物)>
本発明における画像記録層には、下記一般式(1−1)で示される部分構造を含むポリメチン鎖構造を分子内に有する化合物を含有する。該化合物は、新規化合物であり、レーザー露光により優れた発色性を示し、発色性化合物として好適に使用しうる。
この発色性に優れた新規化合物を、画像形成を行う平版印刷版原版の記録層に使用することで優れた視認性を付与することができる。
Figure 2007291348
一般式(1−1)中、R、R、R、Rはそれぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、ヒロドキシ基、アミノ基、ニトロ基、メルカプト基、スルホン酸基、リン酸基、又は、1価の有機基を表す。
これらのうち、視認性の観点から、R、Rは、それぞれ独立に、水素原子、置換基を有してもよい炭化水素基、具体的には、炭素原子数1〜12のアルキル基、炭素原子数6〜12のアリール基が挙げられ、水素原子であることが好ましい。R、Rは、それぞれ独立に、水素原子、炭化水素基、ハロゲン原子、アルコキシ基、アリールオキシ基、アミノ基、カルボニル基、又は、シリル基であることが好ましい。RとRは互いに結合し環を形成していてもよい。視認性の観点から、R、Rはアルキル基であることが好ましい。
Xは、水素原子、ハロゲン原子、又は、有機基を表すが、視認性の観点から水素原子、ハロゲン原子、−N(Aryl)、X−L、炭化水素基、炭化水素環、ヘテロ環又は下記一般式(2)で表される置換基であることが好ましい。ここで、Arylは置換基を有してもよいアリール基を表し、Xは酸素原子、窒素原子、又は硫黄原子を示し、Lは、炭素原子数1〜12の炭化水素基、ヘテロ原子を有する芳香族環、又は、ヘテロ原子を含む炭素原子数1〜12の炭化水素基を示す。なお、ここでヘテロ原子とは、N、S、O、ハロゲン原子、Seを示す。視認性の観点からXは、−N(Aryl)であることが最も好ましい。
Figure 2007291348
は電荷の中和が必要な場合に存在するカウンターイオンを表す、Rは、水素原子、アルキル基、アリール基、置換又は無置換のアミノ基、ハロゲン原子より選択される置換基を表す。
これらの置換基は、さらに他の置換基を有するものであってもよく、ここで炭化水素基、ヘテロ環基などの各種置換基に導入可能な置換基としては、炭素原子数1〜12のアルキル基、炭素原子数6〜12のアリール基、ハロゲン原子、炭素原子数1〜12のアルコキシ基、炭素原子数1〜12のアリールオキシ基、ヒドロキシ基、アミノ基、カルボニル基、カルボキシ基、スルホニル基、シリル基などが挙げられる。
このような好ましい官能基を有する化合物を下記一般式(1−2)で示される部分構造と称する。
Figure 2007291348
なお、ここでいう特定構造を有する化合物を含有するとは、該化合物をレーザー露光前に添加する方法、レーザー露光により画像記録層中で生成させる方法のどちらでもよい。レーザー露光によりこのような特定構造を生成させる方法としては、特に限定はないが、一般式(1−1)で示される部分構造を有する化合物の前駆体と酸化剤とを含有する画像記録層にレーザー露光を行い、前記一般式(1−1)で表される部分構造を有する化合物へ変化させることが好ましい。
一般式(1−1)で示される部分構造を有する化合物の前駆体は、具体的には下記一般式(1−3)で表される部分構造をポリメチン鎖上に有する化合物が挙げられる。この方法をとった場合の酸化剤として、上記一般式(1−1)で表される部分構造を有する化合物を発生させることのできる酸化剤であれば限定はないが、具体的には、分解とともにラジカルを発生させる機能を有するラジカル重合開始剤、及び一般に知られている脱水素剤を用いることができ、脱水素化の経路には特に制限はなく、公知の種々の経路をとるものであってもよい。
Figure 2007291348
一般式(1−3)中、R、R、R、R、及び、Xはそれぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、ヒロドキシ基、アミノ基、ニトロ基、メルカプト基、スルホン酸基、リン酸基、又は、1価の有機基を表す。これら、R、R、R、R、及び、Xは一般式(1−1)におけるのと同義であり、好ましい例もまた同様である。
レーザー露光により画像記録層中に一般式(1−1)で示される部分構造を有する化合物を形成する方法において、一般式(1−3)で示される部分構造を有する化合物と併用されるラジカル重合開始剤としては、以下に<(C)重合開始剤>の項目において詳述するラジカル重合開始剤をいずれも用いることができ、なかでも、視認性の観点からヨードニウム塩、トリアジン化合物であることが好ましく、特にヨードニウム塩が好ましい。
レーザー露光により画像記録層中においてその前駆体から一般式(1−1)で示される部分構造を有する化合物を生成させる方法において使用される好ましい脱水素剤は、キノン、トリチルカチオン、硫黄、臭素、N−ブロモスクシンイミド又はN−クロロスクシンイミド、塩化スルフリル、過酸化水素又は超原子価ヨウ素化合物、例えばヨードソベンゼンなどである。
キノン及びトリチルカチオンを用いた脱水素は、使用した脱水素剤が直接水素化され(ヒドリドイオン移動)、例えば臭素、N−ブロモスクシンイミド又はN−クロロスクシンイミド又は塩化スルフリルを使用すると、ハロゲン化、及び引き続きハロゲン化水素の脱離が生じ、過酸化水素又はヨードソベンゼンを使用すると、例えばS−酸化、次いで脱水を生じさせ、硫黄を使用すると、チオール化、次いで硫化水素の脱離を生じさせる。
視認性の観点から特に好ましい脱水素剤はキノン、あるいはトリチルカチオンであり、上記脱水素剤のうち、2,3,5,6−テトラクロロ−1,4−ベンゾキノン(クロラニル)又は2,3−ジクロロ−5,6−ジシアノ−1,4−ベンゾキノン、強酸のカウンターアニオンを有するトリチルカチオンが特に好ましい。
視認性の観点から、前駆体から特定構造を有する化合物を生成させる酸化剤は、ヨードニウム塩であることが最も好ましい。
本発明に用いられるより特定構造を有する化合物としては、好ましくは下記一般式(3)、一般式(4)で表される化合物を挙げることができる。
Figure 2007291348
一般式(3)及び一般式(4)中、R、R、R、R、R、R10は、それぞれ独立に、水素原子または炭化水素基を表す。R、Rは、それぞれ独立に、水素原子、炭化水素基、ハロゲン原子、アルコキシ基、アリールオキシ基、アミノ基、カルボニル基、又は、シリル基を表し、RとRとが互いに結合し環を形成していてもよい。なお、一般式(3)及び(4)におけるR、R、R、R、R、R10は、それぞれ一般式(1−1)におけるR、Rと同義であり、好ましい例もまた同様である。また、R、Rは、それぞれ一般式(1−1)におけるR、Rと同義であり、好ましい例もまた同様である。
Xは、水素原子、ハロゲン原子、−N(Aryl)、−X−L、鎖状又は環状炭化水素基、ヘテロ環基又は下記一般式(2)で表される基を表す。ここで、Arylはアリール基を表し、Xは酸素原子、窒素原子、又は硫黄原子を示し、Lは、炭化水素基、ヘテロ原子を有する芳香族環、又は、ヘテロ原子を含む炭化水素基を示す。なお、ここでヘテロ原子とは、N、S、O、ハロゲン原子、Seから選択される原子を示す。Xの好ましい例は、一般式(1−1)におけるXと同様である。
Figure 2007291348
は電荷の中和が必要な場合に存在するカウンターイオンを表す、Rは、水素原子、アルキル基、アリール基、アミノ基、ハロゲン原子より選択される置換基を表す。
また、ここで好適に用いられる置換基を有してもよい炭化水素環とは、具体的に下記のものが挙げられるがこれらに限定されない。
Figure 2007291348
また、ここで好適に用いられる置換基を有してもよいヘテロ環とは、具体的に下記のものが挙げられるが、これらに限定されない。
Figure 2007291348
視認性の観点から、Xは−N(Aryl)であることが好ましい。
、Yは、それぞれ同じでも異なっていてもよく、−N(R11)−、−S−、−O−又はジアルキルメチレン基を示す。R11は、水素原子又は置換基を有してもよい炭化水素基を表す。視認性の観点から、ジアルキルメチレン基であることが好ましい。R、Rは、それぞれ独立に炭化水素基を表す。R、Rとしては、視認性の観点から、好ましい置換基としては炭素原子数1〜12のアルキル基、もしくは炭素原子数1〜12のエーテル基が挙げられる。
及びZはそれぞれ独立に芳香環あるいは複素芳香環を表す。Z及びZは、具体的には、例えば、ベンゼン環、ナフタレン環、ピリジン環が挙げられ、ベンゼン環が好ましい。また、ここで芳香環あるいは複素芳香環はさらに置換基を有するものであってもよく、導入可能な好ましい置換基としては、炭素原子数1〜12のアルキル基、炭素原子数1〜12のアルコキシ基、アミノ基、ハロゲン原子などが挙げられる。
は、電荷の中和が必要な場合に存在するカウンターイオンを表し、カウンターイオンの種類には特に限定はないが、視認性の観点からハロゲンイオン、過塩素酸イオン、テトラフルオロボレートイオン、ヘキサフルオロフォスフェートイオン、スルホン酸イオンが好ましく、テトラフルオロボレートイオン、ヘキサフルオロフォスフェートイオンが特に好ましい。
m、n、o、pはそれぞれ独立に0以上の整数を表すが、視認性の観点から、0〜2であることが好ましい。
これらのなかでも、視認性の観点からは、一般式(3)で表される化合物であって、n及びmがいずれも0であるものが最も好ましい。
本発明において、好適に用いることのできる一般式(1−1)あるいは一般式(1−2)で示される部分構造を含むメチン鎖構造を有する化合物、より具体的には、前記一般式(3)又は一般式(4)で表される化合物の例としては、下記化合物〔例示化合物(A−1)〜(A−50)〕が挙げられるが、これらに限定されない。
Figure 2007291348
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このような化合物は、例えば、第4版実験化学講座23有機合成V−酸化反応−(丸善(株)発行、平成8年)に記載の方法や、以下に詳述する合成例に記載される方法と同様のスキームで得ることができる。すなわち、後述するスキームにおいて、原料や合成条件を適宜調製することで種々の特定構造を有する化合物を得ることができる。
(A)特定構造を有する化合物は、画像記録層を構成する全固形分に対し0.1〜30質量%、好ましくは0.5〜20質量%、特に好ましくは0.5〜10質量%の割合で添加することができる。この範囲で、良好な視認性に発現が達成される。また、前駆体を用いてこれらの化合物を画像記録層中に生成させる場合、生成量が上記の範囲になるように前駆体の添加量を調整すればよい。これらの(A)化合物は、1種のみを用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
次に、本発明の請求項6に係る画像形成材料について述べる。
請求項6に係る画像形成材料は、基板上に、カチオンラジカル分子の前駆体、及び、電子受容性化合物を含有する画像記録層を備えることを特徴とする。
本態様における画像形成材料を記録層とする平版印刷版原版は、支持体上に形成された画像記録層に、前記(A−1)カチオンラジカル分子の前駆体及び、(B−2)電子受容性化合物の他に、(C)光吸収材料、(D)重合性化合物、(E)バインダー、及び、(F)マイクロカプセルまたはミクロゲルを含有することを特徴とする。
以下に、本発明の請求項6に係る画像形成材料の特徴的な成分である前記(A−1)カチオンラジカル分子の前駆体及び、(A−2)電子受容性化合物について述べる。
<(A−1)カチオンラジカル分子の前駆体、及び、カチオンラジカル分子>
本発明に係る画像記録層は、レーザー露光によって電子移動し、カチオンラジカル分子を生成することで、色彩及び/又は明度に変化を与えるカチオンラジカル分子の前駆体を含有する。カチオンラジカル分子前駆体とは、レーザー露光によって電子移動し、カチオンラジカル分子を発生させ、色彩または明度に変化を与えることができる化合物であれば特に限定はないが、2つのヘテロ環をポリメチン鎖で結合した構造を有する化合物(ポリメチン鎖の両末端にヘテロ環を有する化合物)が好ましい。レーザー露光によって電子移動した結果発生するカチオンラジカル分子としては、具体的には、下記一般式(1)で表される化合物であることが最も好ましい。
Figure 2007291348
一般式(1)中、Xは、水素原子、ハロゲン原子、−N(Aryl)、−X−L、置換基を有してもよい炭化水素基、置換基を有してもよい炭化水素環、置換基を有してもよいヘテロ環、又は、下記一般式(2)で表される基を表す。ここで、Arylは置換基を有してよいアリール基を表し、Xは酸素原子、窒素原子、又は硫黄原子を示し、Lは、炭化水素基、ヘテロ原子を有する芳香族環、又は、ヘテロ原子を含む炭化水素基を示す。なお、ここでヘテロ原子とは、N、S、O、ハロゲン原子、Seを示す。
Figure 2007291348
Xaは電荷の中和が必要な場合に存在するカウンターイオンを表す、Rは、水素原子、アルキル基、アリール基、置換又は無置換のアミノ基、ハロゲン原子より選択される置換基を表す。
およびRは、それぞれ独立に、置換基を有してもよい炭化水素基を表すRとRとは互いに結合し、環を形成していてもよい。Ar、Arは、それぞれ独立に、置換基を有していてもよい芳香族炭化水素基を表す。Y、Yは、それぞれ独立に、硫黄原子または炭素原子数12個以下のジアルキルメチレン基を表す。R、Rは、それぞれ独立に置換基を有していてもよい炭化水素基を表す。R、R、RおよびRは、それぞれ独立に水素原子または炭素原子数12個以下の炭化水素基を表す。
は、ハロゲンイオン、過塩素酸イオン、ボレートイオン、ヘキサフルオロホスフェートイオン、およびスルホン酸イオンを表す。カチオンラジカル分子の安定性の観点から、Z は、テトラフルオロボレートイオン、ヘキサフルオロホスフェートイオン、テトラキス(ペンタフルオフェニル)ボレートイオン、テトラキス[3、5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]ボレートイオン、又は、パーフルオロアルキルスルホンイミドであることが好ましい。ただし、一般式(1)で示される化合物が、その構造内にアニオン性の置換基を有し、電荷の中和が必要ない場合にはZ は必要ない。
本発明に用いられるカチオンラジカル分子の前駆体において、より好ましい特定構造を有する化合物として、下記一般式(3−2)又は、一般式(4−2)で表される化合物を挙げることができる。
Figure 2007291348
一般式(3−2)、(4−2)中、R、R、R、R、R、及び、R10は、それぞれ独立に、水素原子または置換基を有してもよい炭素原子数1〜12の炭化水素基を表す。R、Rは、それぞれ独立に、水素原子、置換基を有してもよい炭素原子数1〜12炭化水素基、ハロゲン原子、炭素原子数1〜12のアルコキシ基、炭素原子数1〜12のアリールオキシ基、アミノ基、カルボニル基、又は、シリル基を表す。RとRとが互いに結合して環を形成していてもよい。R、Rは、それぞれ独立に置換基を有してもよい炭素原子数1〜12の炭化水素基を表す。R、Rは、カチオンラジカル分子の安定性の観点から、置換基を有してもよい芳香環を有する炭化水素基が好ましい。具体的には、フェニルエチル基、カルバゾリルエチル基、ナフチルエチル基、アントラセニルエチル基が好ましく、ナフチルエチル基、カルバゾリルエチル基が最も好ましい。
Xは、水素原子、ハロゲン原子、−N(Aryl)、X−L、置換基を有してもよい炭化水素基、置換基を有してもよい炭化水素環、置換基を有してもよいヘテロ環又は下記一般式(2)で表される基を表す。ここで、Arylは置換基を有してもよい炭素原子数6〜12のアリール基を表し、Xは酸素原子、窒素原子、又は硫黄原子を示し、Lは、炭素原子数1〜12の炭化水素基、ヘテロ原子を有する芳香族環、ヘテロ原子を含む炭素原子数1〜12の炭化水素基を示す。なお、ここでヘテロ原子とは、N、S、O、ハロゲン原子、Seを示す。
視認性の観点から、Xは−N(Aryl)であることが好ましい。
Figure 2007291348
は電荷の中和が必要な場合に存在するカウンターイオンを表す、Rは、水素原子、炭素原子数1〜12のアルキル基、炭素原子数6〜12のアリール基、置換又は無置換のアミノ基、ハロゲン原子より選択される置換基を表す。
ここで好適に用いられる置換基を有してもよい炭化水素環とは、具体的に下記のものが挙げられるがこれらに限定されない。
Figure 2007291348
また、ここで好適に用いられる置換基を有してもよいヘテロ環とは、具体的に下記のものが挙げられるが、これらに限定されない。
Figure 2007291348
、Yは、それぞれ同じでも異なっていてもよく、N、S、O又はジアルキルメチレン基を示す。視認性の観点から、ジアルキルメチレン基であることが好ましい。
及びZはそれぞれ独立に置換基を有していてもよい芳香環あるいは複素芳香環を表す。Aは、電荷の中和が必要な場合に存在するカウンターイオンを表し、カウンターイオンの種類には特に限定はないが、視認性の観点からハロゲンイオン、過塩素酸イオン、テトラフルオロボレートイオン、ヘキサフルオロフォスフェートイオン、スルホン酸イオンが好ましく、テトラフルオロボレートイオン、ヘキサフルオロフォスフェートイオンが特に好ましい。カチオンラジカル分子の安定性の観点から、Aは、テトラフルオロボレートイオン、ヘキサフルオロホスフェートイオン、テトラキス(ペンタフルオフェニル)ボレートイオン、テトラキス[3、5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]ボレートイオン、又は、パーフルオロアルキルスルホンイミドであることが好ましい。
m、n、o、pはそれぞれ独立に0以上の整数を表すが、視認性の観点から、0〜2であることが好ましい。視認性の観点からは、一般式(3−2)で表され、n及びmのいずれもが0である態様が最も好ましい。
これらの基がさらに置換基を有する場合に、導入可能な置換基としては、炭素原子数1〜12のアルキル基、炭素原子数6〜12のアリール基、ハロゲン原子、炭素原子数1〜12のアルコキシ基、炭素原子数6〜12のアリールオキシ基、ヒドロキシ基、アミノ基、カルボニル基、カルボキシ基、スルホニル基、シリル基などが挙げられる。
本発明において、好適に用いることのできる一般式(1)で示されるカチオンラジカル分子の前駆体の具体例としては、下記化合物〔例示化合物(A−1−1)〜(A−1−58)〕が挙げられるが、これらに限定されない。また、本発明で好適に用いることのできるカチオンラジカル分子は、下記化合物〔例示化合物(A−1−1)〜(A−1−58)〕から、レーザー露光によって電子移動して発生する化合物が挙げられる。
Figure 2007291348
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本発明に係る画像記録層を構成する全組成物における(A−1)カチオンラジカル分子の前駆体の好ましい含有量は、全固形分中、0.1〜30質量%添加されることが好ましく、0.5〜20質量%であることがさらに好ましく、1〜10質量%添加されることがより好ましい。この含有量の範囲で、優れた視認性と、膜の均一性や強度の両立が達成される。
また、視認性の観点から、レーザー露光により発生するカチオンラジカル分子は、添加されたカチオンラジカル分子前駆体に対して3モル%以上発生することが好ましく、5モル%以上発生することがより好ましく、10モル%以上発生することがさらに好ましく、20モル%以上発生することが最も好ましい。
<(B−1)電子受容性化合物>
本発明に係る画像記録層は、電子受容性化合物を含有する。なお本発明でいう電子受容性化合物とは、レーザー光によって励起されたカチオンラジカル分子の前駆体から電子移動される化合物を表し、この電子移動される機構は、カチオンラジカル分子前駆体の1重項励起状態からの電子移動が起こる機構、3重項励起状態から電子移動が起こる機構のいずれであってもよい。また、電子移動が効率よく起こるために、前記(A−1)カチオンラジカル分子の前駆体の励起状態における酸化電位よりも、(B−1)電子受容性化合物の還元電位がプラス側であることが好ましい。
電子受容性化合物としては、励起されたカチオンラジカル分子前駆体から電子移動されることができる化合物であれば特に制限はない。例えば、クロラニル、ベンゾキノンなどのキノン類や、テトラシアノアントラセン、9,10−ジシアノアントラセン、ジニトロベンゼン等の電子求引性基を有する芳香族化合物、メチルビオローゲン、あるいは以下に〔(B)重合開始剤〕の項目において詳述するラジカル重合開始剤を用いることができる。視認性の観点から、ラジカル重合開始剤であることが好ましく、特にヨードニウム塩、トリアジン化合物であることが好ましく、最も好適にはヨードニウム塩が使用できる。
<(B)重合開始剤>
本発明に用いられる(B−1)電子受容性化合物としても好適に用いられる(B)重合開始剤(ラジカル重合開始剤)としては、光、熱あるいはその両方のエネルギーによりラジカルを発生し、重合性の不飽和基を有する化合物の重合を開始、促進する化合物を示す。本発明に使用できる重合開始剤としては、公知の熱重合開始剤や結合解離エネルギーの小さな結合を有する化合物、光重合開始剤などを使用することができ、本発明において好適に用いられるラジカルを発生する化合物は、熱エネルギーによりラジカルを発生し、重合性の不飽和基を有する化合物の重合を、開始、促進させる化合物を指す。本発明に係る熱ラジカル発生剤としては、公知の重合開始剤や結合解離エネルギーの小さな結合を有する化合物などを、適宜、選択して用いることとができる。また、ラジカルを発生する化合物は、単独または2種以上を併用して用いることができる。
ラジカルを発生する化合物としては、例えば、有機ハロゲン化化合物、カルボニル化合物、有機過酸化化合物、アゾ系重合開始剤、アジド化合物、メタロセン化合物、ヘキサアリールビイミダゾール化合物、有機ホウ酸化合物、ジスルホン酸化合物、オキシムエステル化合物、オニウム塩化合物、が挙げられる。
上記有機ハロゲン化化合物としては、具体的には、若林等、「Bull Chem.Soc Japan」42、2924(1969)、米国特許第3,905,815号明細書、特公昭46−4605号、特開昭48−36281号、特開昭55−32070号、特開昭60−239736号、特開昭61−169835号、特開昭61−169837号、特開昭62−58241号、特開昭62−212401号、特開昭63−70243号、特開昭63−298339号、M.P.Hutt“Jurnal of Heterocyclic Chemistry”1(No3),(1970)」筆に記載の化合物が挙げられ、特に、トリハロメチル基が置換したオキサゾール化合物:S−トリアジン化合物が挙げられる。
より好適には、すくなくとも一つのモノ、ジ、またはトリハロゲン置換メチル基がs−トリアジン環に結合したs−トリアジン誘導体、具体的には、例えば、2,4,6−トリス(モノクロロメチル)−s−トリアジン、2,4,6−トリス(ジクロロメチル)−s−トリアジン、2,4,6−トリス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−メチル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2―n−プロピル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(α,α,β−トリクロロエチル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−フェニル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(p−メトキシフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(3,4−エポキシフェニル)−4、6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(p−クロロフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−〔1−(p−メトキシフェニル)−2,4−ブタジエニル〕−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−スチリル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(p−メトキシスチリル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(p−i−プロピルオキシスチリル)−4、6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(p−トリル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(4−ナトキシナフチル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−フェニルチオ−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−ベンジルチオ−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2,4,6−トリス(ジブロモメチル)−s−トリアジン、2,4,6−トリス(トリブロモメチル)−s−トリアジン、2−メチル−4,6−ビス(トリブロモメチル)−s−トリアジン、2−メトキシ−4,6−ビス(トリブロモメチル)−s−トリアジン等が挙げられる。
上記カルボニル化合物としては、ベンゾフェノン、ミヒラーケトン、2−メチルベンゾフェノン、3−メチルベンゾフェノン、4−メチルベンゾフェノン、2−クロロベンゾフェノン、4−ブロモベンゾフェノン、2−カルボキシベンゾフェノン等のベンゾフェノン誘導体、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、2,2−ジエトキシアセトフェノン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、α−ヒドトキシ−2−メチルフェニルプロパノン、1−ヒドロキシ−1−メチルエチル−(p−イソプロピルフェニル)ケトン、1−ヒドロキシ−1−(p−ドデシルフェニル)ケトン、2−メチルー(4’−(メチルチオ)フェニル)−2−モルホリノ−1−プロパノン、1,1,1−トリクロロメチル−(p−ブチルフェニル)ケトン等のアセトフェノン誘導体、チオキサントン、2−エチルチオキサントン、2−イソプロピルチオキサントン、2−クロロチオキサントン、2,4−ジメチルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、2,4−ジイソプロピルチオキサントン等のチオキサントン誘導体、p−ジメチルアミノ安息香酸エチル、p−ジエチルアミノ安息香酸エチル等の安息香酸エステル誘導体等を挙げることができる。
上記アゾ化合物としては例えば、特開平8−108621に記載のアゾ化合物等を使用することができる。
上記有機過酸化化合物としては、例えば、トリメチルシクロヘキサノンパーオキサイド、アセチルアセトンパーオキサイド、1,1−ビス(tert−ブチルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ビス(tert−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン、2,2−ビス(tert−ブチルパーオキシ)ブタン、tert−ブチルハイドロパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド、ジイソプロピルベンゼンハイドロパーオキサイド、2,5−ジメチルヘキサン−2,5−ジハイドロパーオキサイド、1,1,3,3−テトラメチルブチルハイドロパーオキサイド、tert−ブチルクミルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(tert−ブチルパーオキシ)ヘキサン、2,5−オキサノイルパーオキサイド、過酸化こはく酸、過酸化ベンゾイル、2,4−ジクロロベンゾイルパーオキサイド、ジイソプロピルパーオキシジカーボネート、ジ−2−エチルヘキシルパーオキシジカーボネート、ジ−2−エトキシエチルパーオキシジカーボネート、ジメトキシイソプロピルパーオキシカーボネート、ジ(3−メチル−3−メトキシブチル)パーオキシジカーボネート、tert−ブチルパーオキシアセテート、tert−ブチルパーオキシピバレート、tert−ブチルパーオキシネオデカノエート、tert−ブチルパーオキシオクタノエート、tert−ブチルパーオキシラウレート、ターシャリカーボネート、3,3’,4,4’−テトラ−(t−ブチルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン、3,3’,4,4’−テトラ−(t−ヘキシルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン、3,3’,4,4’−テトラ−(p−イソプロピルクミルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン、カルボニルジ(t−ブチルパーオキシ二水素二フタレート)、カルボニルジ(t−ヘキシルパーオキシ二水素二フタレート)等が挙げられる。
上記アジド化合物としては、2,6−ビス(4−アジドベンジリデン)−4−メチルシクロヘキサノン等の化合物を挙げることができる。
上記メタロセン化合物としては、特開昭59−152396号公報、特開昭61−151197号公報、特開昭63−41484号公報、特開平2−249号公報、特開平2−4705号公報、特開平5−83588号公報記載の種々のチタノセン化合物、例えば、ジ−シクロペンタジエニル−Ti−ビス−フェニル、ジ−シクロペンタジエニル−Ti−ビス−2,6−ジフルオロフェニ−1−イル、ジ−シクロペンタジエニル−Ti−ビス−2,4−ジ−フルオロフェニ−1−イル、ジ−シクロペンタジエニル−Ti−ビス−2,4,6−トリフルオロフェニ−1−イル、ジ−シクロペンタジエニル−Ti−ビス−2,3,5,6−テトラフルオロフェニ−1−イル、ジ−シクロペンタジエニル−Ti−ビス−2,3,4,5,6−ペンタフルオロフェニ−1−イル、ジ−メチルシクロペンタジエニル−Ti−ビス−2,6−ジフルオロフェニ−1−イル、ジ−メチルシクロペンタジエニル−Ti−ビス−2,4,6−トリフルオロフェニ−1−イル、ジ−メチルシクロペンタジエニル−Ti−ビス−2,3,5,6−テトラフルオロフェニ−1−イル、ジ−メチルシクロペンタジエニル−Ti−ビス−2,3,4,5,6−ペンタフルオロフェニ−1−イル、特開平1−304453号公報、特開平1−152109号公報記載の鉄−アレーン錯体等が挙げられる。
上記ヘキサアリールビイミダゾール化合物としては、例えば、特公平6−29285号、米国特許第3,479,185号、同第4,311,783号、同第4,622,286号等の各公報記載の種々の化合物、具体的には、2,2’−ビス(o−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニルビイミダゾール、2,2’−ビス(o−ブロモフェニル))4,4’,5,5’−テトラフェニルビイミダゾール、2,2’−ビス(o,p−ジクロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニルビイミダゾール、2,2’−ビス(o−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラ(m−メトキシフェニル)ビイジダゾール、2,2’−ビス(o,o’−ジクロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニルビイミダゾール、2,2’−ビス(o−ニトロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニルビイミダゾール、2,2’−ビス(o−メチルフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニルビイミダゾール、2,2’−ビス(o−トリフルオロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニルビイミダゾール等が挙げられる。
上記有機ホウ酸塩化合物としては、例えば、特開昭62−143044号、特開昭62−150242号、特開平9−188685号、特開平9−188686号、特開平9−188710号、特開2000−131837号、特開2002−107916号の各公報、特許第2764769号明細書、特開2002−116539号公報、および、Kunz,Martin“Rad Tech’98.Proceeding April 19−22,1998,Chicago”等に記載される有機ホウ酸塩、特開平6−157623号公報、特開平6−175564号公報、特開平6−175561号公報に記載の有機ホウ素スルホニウム錯体あるいは有機ホウ素オキソスルホニウム錯体、特開平6−175554号公報、特開平6−175553号公報に記載の有機ホウ素ヨードニウム錯体、特開平9−188710号公報に記載の有機ホウ素ホスホニウム錯体、特開平6−348011号公報、特開平7−128785号公報、特開平7−140589号公報、特開平7−306527号公報、特開平7−292014号公報等の有機ホウ素遷移金属配位錯体等が具体例として挙げられる。
上記ジスルホン化合物としては、特開昭61−166544号公、特開2003−328465号公報等記載される化合物が挙げられる。
上記オキシムエステル化合物としては、J.C.S. Perkin II (1979 )1653−1660)、J.C.S. Perkin II (1979)156−162、Journal of Photopolymer Science and Technology(1995)202−232、特開2000−66385号公報記載の化合物、特開2000−80068号公報記載の化合物、具体的には下記の構造式で示される化合物が挙げられる。
Figure 2007291348
Figure 2007291348
上記オニウム塩化合物としては、例えば、S.I.Schlesinger,Photogr.Sci.Eng.,18,387(1974)、T.S.Bal et al,Polymer,21,423(1980)に記載のジアゾニウム塩、米国特許第4,069,055号明細書、特開平4−365049号公報等に記載のアンモニウム塩、米国特許第4,069,055号、同4,069,056号の各明細書に記載のホスホニウム塩、欧州特許第104、143号、米国特許第339,049号、同第410,201号の各明細書、特開平2−150848号公報、特開平2−296514号公報に記載のヨードニウム塩、欧州特許第370,693号、同390,214号、同233,567号、同297,443号、同297,442号、米国特許第4,933,377号、同161,811号、同410,201号、同339,049号、同4,760,013号、同4,734,444号、同2,833,827号、独国特許第2,904,626号、同3,604,580号、同3,604,581号の各明細書に記載のスルホニウム塩、J.V.Crivello et al,Macromolecules,10(6),1307(1977)、J.V.Crivello et al,J.Polymer Sci.,Polymer Chem.Ed.,17,1047(1979)に記載のセレノニウム塩、C.S.Wen et al,Teh,Proc.Conf.Rad.Curing ASIA,p478 Tokyo,Oct(1988)に記載のアルソニウム塩等のオニウム塩等が挙げられる。
特に反応性、安定性の面から上記オキシムエステル化合物あるいはジアゾニウム塩、ヨードニウム塩、スルホニウム塩が挙げられる。本発明において、これらのオニウム塩は酸発生剤ではなく、イオン性のラジカル重合開始剤として機能する。
本発明において好適に用いられるオニウム塩は、下記一般式(RI−I)〜(RI−III)で表されるオニウム塩である。
Figure 2007291348
式(RI−I)中、Ar11は置換基を1〜6個有していてもよい炭素数20以下のアリール基を表し、好ましい置換基としては炭素数1〜12のアルキル基、炭素数1〜12のアルケニル基、炭素数1〜12のアルキニル基、炭素数6〜12のアリール基、炭素数1〜12のアルコキシ基、炭素数6〜12のアリーロキシ基、ハロゲン原子、炭素数1〜12のアルキルアミノ基、炭素数1〜12のジアルキルアミノ基、炭素数1〜12のアルキルアミド基またはアリールアミト゛基、カルボニル基、カルボキシル基、シアノ基、スルホニル基、炭素数1〜12のチオアルキル基、炭素数6〜12のチオアリール基が挙げられる。Z11 は1価の陰イオンを表し、具体的には、ハロゲンイオン、過塩素酸イオン、ヘキサフルオロホスフェートイオン、テトラフルオロボレートイオン、スルホン酸イオン、スルフィン酸イオン、チオスルホン酸イオン、硫酸イオンが挙げられる。中でも安定性の面から、過塩素酸イオン、ヘキサフルオロホスフェートイオン、テトラフルオロボレートイオン、スルホン酸イオンおよびスルフィン酸イオンが好ましい。
式(RI−II)中、Ar21およびAr22は、各々独立に置換基を1〜6個有していてもよい炭素数20以下のアリール基を表し、好ましい置換基としては炭素数1〜12のアルキル基、炭素数1〜12のアルケニル基、炭素数1〜12のアルキニル基、炭素数6〜12のアリール基、炭素数1〜12のアルコキシ基、炭素数6〜12のアリーロキシ基、ハロゲン原子、炭素数1〜12のアルキルアミノ基、炭素数1〜12のジアルキルアミノ基、炭素数1〜12のアルキルアミド基またはアリールアミド基、カルボニル基、カルボキシル基、シアノ基、スルホニル基、炭素数1〜12のチオアルキル基、炭素数1〜12のチオアリール基が挙げられる。Z21 は1価の陰イオンを表し、ハロゲンイオン、過塩素酸イオン、ヘキサフルオロホスフェートイオン、テトラフルオロボレートイオン、スルホン酸イオン、スルフィン酸イオン、チオスルホン酸イオン、硫酸イオンであり、安定性、反応性の面から過塩素酸イオン、ヘキサフルオロホスフェートイオン、テトラフルオロボレートイオン、スルホン酸イオン、スルフィン酸イオン、カルボン酸イオンが好ましい。
式(RI−III)中、R31、R32およびR33は、各々独立に置換基を1〜6個有していてもよい炭素数20以下のアリール基、アルキル基、アルケニル基、またはアルキニル基を表す。中でも反応性、安定性の面から好ましいのは、アリール基である。置換基としては、炭素数1〜12のアルキル基、炭素数1〜12のアルケニル基、炭素数1〜12のアルキニル基、炭素数6〜12のアリール基、炭素数1〜12のアルコキシ基、炭素数6〜12のアリーロキシ基、ハロゲン原子、炭素数1〜12のアルキルアミノ基、炭素数1〜12のジアルキルアミノ基、炭素数1〜12のアルキルアミド基またはアリールアミド基、カルボニル基、カルボキシル基、シアノ基、スルホニル基、炭素数1〜12のチオアルキル基、炭素数6〜12のチオアリール基が挙げられる。Z31 は1価の陰イオンを表す。具体例としては、ハロゲンイオン、過塩素酸イオン、ヘキサフルオロホスフェートイオン、テトラフルオロボレートイオン、スルホン酸イオン、スルフィン酸イオン、チオスルホン酸イオン、硫酸イオンが挙げられる。中でも安定性、反応性の面から、過塩素酸イオン、ヘキサフルオロホスフェートイオン、テトラフルオロボレートイオン、スルホン酸イオン、スルフィン酸イオン、カルボン酸イオンが好ましい。より好ましいものとして特開2001−343742号公報記載のカルボン酸イオン、特に好ましいものとして特開2002−148790号公報記載のカルボン酸イオンが挙げられる。
以下に本発明に好適なオニウム塩化合物の具体例を挙げるが、本発明はこれらに限定されない。
Figure 2007291348
Figure 2007291348
Figure 2007291348
Figure 2007291348
Figure 2007291348
Figure 2007291348
Figure 2007291348
Figure 2007291348
これらの(B)重合開始剤或いは、(B−1)電子受容性化合物は、画像記録層を構成する全固形分に対し0.1〜50質量%、好ましくは0.5〜30質量%、特に好ましくは1〜20質量%の割合で添加することができる。この範囲で、良好な感度と印刷時の非画像部の良好な汚れ難さが得られる。これらの重合開始剤は、1種のみを用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。また、これらの重合開始剤は他の成分と同一の層に添加してもよいし、別の層を設けそこへ添加してもよい。
上記(A)特定構造を有する化合物と(B)重合開始剤、或いは、(A−1)カチオンラジカル前駆体と(B−1)電子受容性化合物に加えて、本発明の第1の態様及び第2の態様に係る平版印刷版原版の記録層には、(C)光吸収材料、(D)重合性化合物、(E)バインダーポリマー、(F)ミクロゲルまたはマイクロカプセルなどを含有するものであり、これらの化合物は前記本発明の平版印刷版原版の記録層に必須の化合物であり、両態様に共通であり、以下、これらの成分について詳述する。この記録層は赤外線照射により記録可能である。
<(C)光吸収材料>
本発明において使用される光吸収材料は、300〜1200nmの波長の光を吸収し、活性化する化合物であれば特に限定はなく、市販の染料および例えば「染料便覧」(有機合成化学協会編集、昭和45年刊)等の文献に記載されているを使用してよい。具体的には、アゾ染料、金属錯塩アゾ染料、ピラゾロンアゾ染料、ナフトキノン染料、アントラキノン染料、フタロシアニン染料、カルボニウム染料、キノンイミン染料、メチン染料、シアニン染料、スクワリリウム色素、ピリリウム塩、金属チオレート錯体等の染料が挙げられる。
好ましい染料としては、例えば、特開昭58−125246号、特開昭59−84356号、特開昭60−78787号等の各公報に記載されているシアニン染料、特開昭58−173696号、特開昭58−181690号、特開昭58−194595号等に記載されているメチン染料、特開昭58−112793号、特開昭58−224793号、特開昭59−48187号、特開昭59−73996号、特開昭60−52940号、特開昭60−63744号等の各公報に記載されているナフトキノン染料、特開昭58−112792号等の公報に記載されているスクワリリウム色素、英国特許第434,875号記載のシアニン染料等を挙げることができる。
また、米国特許第5,156,938号公報記載の近赤外吸収増感剤も好適に用いられ、また、米国特許第3,881,924号明細書記載の置換されたアリールベンゾ(チオ)ピリリウム塩、特開昭57−142645号公報(米国特許第4,327,169号明細書)記載のトリメチンチアピリリウム塩、特開昭58−181051号、同58−220143号、同59−41363号、同59−84248号、同59−84249号、同59−146063号、同59−146061号の各公報に記載されているピリリウム系化合物、特開昭59−216146号公報記載のシアニン色素、米国特許第4,283,475号明細書に記載のペンタメチンチオピリリウム塩等や特公平5−13514号、同5−19702号の各公報に開示されているピリリウム化合物も好ましく用いられる。また、染料として好ましい別の例として米国特許第4,756,993号明細書中に式(I)、(II)として記載されている近赤外吸収染料を挙げることができる。
また、本発明の光吸収材料の好ましい他の例としては、以下に例示するような特開2002−278057号公報記載の特定インドレニンシアニン色素が挙げられる。
Figure 2007291348
これらの染料のうち特に好ましいものとしては、シアニン色素、スクワリリウム色素、ピリリウム塩、ニッケルチオレート錯体、インドレニンシアニン色素が挙げられる。さらに、シアニン色素やインドレニンシアニン色素が好ましく、特に好ましい一つの例として下記一般式(i)で示されるシアニン色素が挙げられる。
Figure 2007291348
一般式(i)中、Xは、水素原子、ハロゲン原子、−NPh、X−Lまたは以下に示す基を表す。ここで、Xは酸素原子、窒素原子、または硫黄原子を示し、Lは、炭素原子数1〜12の炭化水素基、ヘテロ原子を有する芳香族環、又は、ヘテロ原子を含む炭素原子数1〜12の炭化水素基を表す。なお、ここでヘテロ原子とは、N、S、O、ハロゲン原子、Seを表す。以下に示す基において、X は後述するZ と同様に定義され、Rは、水素原子、アルキル基、アリール基、置換または無置換のアミノ基、ハロゲン原子より選択される置換基を表す。
Figure 2007291348
一般式(i)におけるRおよびRは、それぞれ独立に、炭素原子数1〜12の炭化水素基を表す。画像記録層塗布液の保存安定性から、RおよびRは、炭素原子数2個以上の炭化水素基であることが好ましく、更に、RとRとは互いに結合し、5員環または6員環を形成していることが特に好ましい。
Ar、Arは、それぞれ同じでも異なっていてもよく、置換基を有していてもよい芳香族炭化水素基を表す。好ましい芳香族炭化水素基としては、ベンゼン環およびナフタレン環が挙げられる。また、好ましい置換基としては、炭素原子数12個以下の炭化水素基、ハロゲン原子、炭素原子数12個以下のアルコキシ基が挙げられる。Y、Yは、それぞれ同じでも異なっていてもよく、硫黄原子または炭素原子数12個以下のジアルキルメチレン基を表す。R、Rは、それぞれ同じでも異なっていてもよく、置換基を有していてもよい炭素原子数20個以下の炭化水素基を表す。好ましい置換基としては、炭素原子数12個以下のアルコキシ基、カルボキシル基、スルホ基が挙げられる。R、R、RおよびRは、それぞれ同じでも異なっていてもよく、水素原子または炭素原子数12個以下の炭化水素基を表す。原料の入手性から、好ましくは水素原子である。また、Z は、対アニオンを表す。ただし、一般式(i)で示されるシアニン色素が、その構造内にアニオン性の置換基を有し、電荷の中和が必要ない場合にはZ は必要ない。好ましいZ は、画像記録層塗布液の保存安定性から、ハロゲンイオン、過塩素酸イオン、テトラフルオロボレートイオン、ヘキサフルオロホスフェートイオン、およびスルホン酸イオンであり、特に好ましくは、過塩素酸イオン、ヘキサフルオロホスフェートイオン、およびアリールスルホン酸イオンである。
本発明において、好適に用いることのできる一般式(i)で示されるシアニン色素の具体例としては、特開2001−133969公報の段落番号[0017]から[0019]に記載されたものを挙げることができる。
また、特に好ましい他の例としてさらに、前記した特開2002−278057号公報に記載の特定インドレニンシアニン色素が挙げられる。
本発明において使用される顔料としては、市販の顔料およびカラーインデックス(C.I.)便覧、「最新顔料便覧」(日本顔料技術協会編、1977年刊)、「最新顔料応用技術」(CMC出版、1986年刊)、「印刷インキ技術」CMC出版、1984年刊)に記載されている顔料が利用できる。
顔料の種類としては、黒色顔料、黄色顔料、オレンジ色顔料、褐色顔料、赤色顔料、紫色顔料、青色顔料、緑色顔料、蛍光顔料、金属粉顔料、その他、ポリマー結合色素が挙げられる。具体的には、不溶性アゾ顔料、アゾレーキ顔料、縮合アゾ顔料、キレートアゾ顔料、フタロシアニン系顔料、アントラキノン系顔料、ペリレンおよびペリノン系顔料、チオインジゴ系顔料、キナクリドン系顔料、ジオキサジン系顔料、イソインドリノン系顔料、キノフタロン系顔料、染付けレーキ顔料、アジン顔料、ニトロソ顔料、ニトロ顔料、天然顔料、蛍光顔料、無機顔料、カーボンブラック等が使用できる。これらの顔料のうち好ましいものはカーボンブラックである。
これら顔料は表面処理をせずに用いてもよく、表面処理を施して用いてもよい。表面処理の方法には、樹脂やワックスを表面コートする方法、界面活性剤を付着させる方法、反応性物質(例えば、シランカップリング剤、エポキシ化合物、ポリイソシアネート等)を顔料表面に結合させる方法等が考えられる。上記の表面処理方法は、「金属石鹸の性質と応用」(幸書房)、「印刷インキ技術」(CMC出版、1984年刊)および「最新顔料応用技術」(CMC出版、1986年刊)に記載されている。
顔料の粒径は0.01μm〜10μmの範囲にあることが好ましく、0.05μm〜1μmの範囲にあることがさらに好ましく、特に0.1μm〜1μmの範囲にあることが好ましい。この範囲で、顔料分散物の画像記録層塗布液中での良好な安定性と画像記録層の良好な均一性が得られる。
顔料を分散する方法としては、インキ製造やトナー製造等に用いられる公知の分散技術が使用できる。分散機としては、超音波分散器、サンドミル、アトライター、パールミル、スーパーミル、ボールミル、インペラー、デスパーザー、KDミル、コロイドミル、ダイナトロン、3本ロールミル、加圧ニーダー等が挙げられる。詳細は、「最新顔料応用技術」(CMC出版、1986年刊)に記載されている。
これらの光吸収材料は、他の成分と同一の層に添加してもよいし、別の層を設けそこへ添加してもよいが、ネガ型平版印刷版原版を作製した際に、画像記録層の波長300nm〜1200nmの範囲における極大吸収波長での吸光度が、反射測定法で0.3〜1.2の範囲にあるように添加する。好ましくは、0.4〜1.1の範囲である。この範囲で、画像記録層の深さ方向での均一な重合反応が進行し、良好な画像部の膜強度と支持体に対する密着性が得られる。
画像記録層の吸光度は、画像記録層に添加する赤外線吸収剤の量と画像記録層の厚みにより調整することができる。吸光度の測定は常法により行うことができる。測定方法としては、例えば、アルミニウム等の反射性の支持体上に、乾燥後の塗布量が平版印刷版として必要な範囲において適宜決定された厚みの画像記録層を形成し、反射濃度を光学濃度計で測定する方法、積分球を用いた反射法により分光光度計で測定する方法等が挙げられる。
画像記録層への好ましい添加量について述べれば、全固形分中、0.1〜30質量%添加されることが好ましく、0.5〜20質量%であることがさらに好ましく、1〜10質量%添加されることがより好ましい。この含有量の範囲で、優れた露光感度と、膜の均一性や強度の両立が達成される。
<(D)重合性化合物>
本発明に係る画像記録層には、効率的な硬化反応を行うため(D)重合性化合物を含有させることが好ましい。本発明に用いることができる重合性化合物は、少なくとも一個のエチレン性不飽和二重結合を有する付加重合性化合物であり、末端エチレン性不飽和結合を少なくとも1個、好ましくは2個以上有する化合物から選ばれる。このような化合物群は当該産業分野において広く知られるものであり、本発明においてはこれらを特に限定無く用いることができる。これらは、例えばモノマー、プレポリマー、すなわち2量体、3量体およびオリゴマー、またはそれらの混合物ならびにそれらの共重合体などの化学的形態をもつ。モノマーおよびその共重合体の例としては、不飽和カルボン酸(例えば、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、イソクロトン酸、マレイン酸など)や、そのエステル類、アミド類が挙げられ、好ましくは、不飽和カルボン酸と脂肪族多価アルコール化合物とのエステル、不飽和カルボン酸と脂肪族多価アミン化合物とのアミド類が用いられる。また、ヒドロキシル基やアミノ基、メルカプト基等の求核性置換基を有する不飽和カルボン酸エステルあるいはアミド類と単官能もしくは多官能イソシアネート類あるいはエポキシ類との付加反応物、および単官能もしくは、多官能のカルボン酸との脱水縮合反応物等も好適に使用される。また、イソシアネート基や、エポキシ基等の親電子性置換基を有する不飽和カルボン酸エステルあるいはアミド類と単官能もしくは多官能のアルコール類、アミン類、チオール類との付加反応物、更にハロゲン基や、トシルオキシ基等の脱離性置換基を有する不飽和カルボン酸エステルあるいはアミド類と単官能もしくは多官能のアルコール類、アミン類、チオール類との置換反応物も好適である。また、別の例として、上記の不飽和カルボン酸の代わりに、不飽和ホスホン酸、スチレン、ビニルエーテル等に置き換えた化合物群を使用することも可能である。
脂肪族多価アルコール化合物と不飽和カルボン酸とのエステルのモノマーの具体例としては、アクリル酸エステルとして、エチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、1,3−ブタンジオールジアクリレート、テトラメチレングリコールジアクリレート、プロピレングリコールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、トリメチロールプロパントリ(アクリロイルオキシプロピル)エーテル、トリメチロールエタントリアクリレート、ヘキサンジオールジアクリレート、1,4−シクロヘキサンジオールジアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、ペンタエリスリトールジアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールジアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ソルビトールトリアクリレート、ソルビトールテトラアクリレート、ソルビトールペンタアクリレート、ソルビトールヘキサアクリレート、トリ(アクリロイルオキシエチル)イソシアヌレート、ポリエステルアクリレートオリゴマー、イソシアヌール酸EO変性トリアクリレート等がある。
メタクリル酸エステルとしては、テトラメチレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、トリメチロールエタントリメタクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、1,3−ブタンジオールジメタクリレート、ヘキサンジオールジメタクリレート、ペンタエリスリトールジメタクリレート、ペンタエリスリトールトリメタクリレート、ペンタエリスリトールテトラメタクリレート、ジペンタエリスリトールジメタクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサメタクリレート、ソルビトールトリメタクリレート、ソルビトールテトラメタクリレート、ビス〔p−(3−メタクリルオキシ−2−ヒドロキシプロポキシ)フェニル〕ジメチルメタン、ビス−〔p−(メタクリルオキシエトキシ)フェニル〕ジメチルメタン等がある。
イタコン酸エステルとしては、エチレングリコールジイタコネート、プロピレングリコールジイタコネート、1,3−ブタンジオールジイタコネート、1,4−ブタンジオールジイタコネート、テトラメチレングリコールジイタコネート、ペンタエリスリトールジイタコネート、ソルビトールテトライタコネート等がある。クロトン酸エステルとしては、エチレングリコールジクロトネート、テトラメチレングリコールジクロトネート、ペンタエリスリトールジクロトネート、ソルビトールテトラジクロトネート等がある。イソクロトン酸エステルとしては、エチレングリコールジイソクロトネート、ペンタエリスリトールジイソクロトネート、ソルビトールテトライソクロトネート等がある。マレイン酸エステルとしては、エチレングリコールジマレート、トリエチレングリコールジマレート、ペンタエリスリトールジマレート、ソルビトールテトラマレート等がある。
その他のエステルの例として、例えば、特公昭51−47334、特開昭57−196231記載の脂肪族アルコール系エステル類や、特開昭59−5240、特開昭59−5241、特開平2−226149記載の芳香族系骨格を有するもの、特開平1−165613記載のアミノ基を含有するもの等も好適に用いられる。更に、前述のエステルモノマーは混合物としても使用することができる。
また、脂肪族多価アミン化合物と不飽和カルボン酸とのアミドのモノマーの具体例としては、メチレンビス−アクリルアミド、メチレンビス−メタクリルアミド、1,6−ヘキサメチレンビス−アクリルアミド、1,6−ヘキサメチレンビス−メタクリルアミド、ジエチレントリアミントリスアクリルアミド、キシリレンビスアクリルアミド、キシリレンビスメタクリルアミド等がある。その他の好ましいアミド系モノマーの例としては、特公昭54−21726記載のシクロへキシレン構造を有すものを挙げることができる。
また、イソシアネートと水酸基の付加反応を用いて製造されるウレタン系付加重合性化合物も好適であり、そのような具体例としては、例えば、特公昭48−41708号公報中に記載されている1分子に2個以上のイソシアネート基を有するポリイソシアネート化合物に、下記一般式(A)で示される水酸基を含有するビニルモノマーを付加させた1分子中に2個以上の重合性ビニル基を含有するビニルウレタン化合物等が挙げられる。
CH=C(R)COOCHCH(R)OH (A)
(ただし、RおよびRは、HまたはCHを表す。)
また、特開昭51−37193号、特公平2−32293号、特公平2−16765号の各公報に記載されているようなウレタンアクリレート類や、特公昭58−49860号、特公昭56−17654号、特公昭62−39417号、特公昭62−39418号の各公報記載のエチレンオキサイド系骨格を有するウレタン化合物類も好適である。更に、特開昭63−277653号、特開昭63−260909号、特開平1−105238号の各公報に記載される、分子内にアミノ構造やスルフィド構造を有する付加重合性化合物類を用いることによっては、非常に感光スピードに優れた光重合性組成物を得ることができる。
その他の例としては、特開昭48−64183号、特公昭49−43191号、特公昭52−30490号の各公報に記載されているようなポリエステルアクリレート類、エポキシ樹脂とアクリル酸もしくはメタクリル酸を反応させたエポキシアクリレート類等の多官能のアクリレートやメタクリレートを挙げることができる。また、特公昭46−43946号、特公平1−40337号、特公平1−40336号の各公報記載の特定の不飽和化合物や、特開平2−25493号公報記載のビニルホスホン酸系化合物等も挙げることができる。また、ある場合には、特開昭61−22048号公報記載のペルフルオロアルキル基を含有する構造が好適に使用される。更に日本接着協会誌vol.20、No.7、300〜308ページ(1984年)に光硬化性モノマーおよびオリゴマーとして紹介されているものも使用することができる。
これらの付加重合性化合物について、その構造、単独使用か併用か、添加量等の使用方法の詳細は、最終的な平版印刷版原版の性能設計にあわせて任意に設定できる。例えば、次のような観点から選択される。
感度の点では1分子あたりの不飽和基含量が多い構造が好ましく、多くの場合、2官能以上が好ましい。また、画像部すなわち硬化膜の強度を高くするためには、3官能以上のものがよく、更に、異なる官能数・異なる重合性基(例えばアクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、スチレン系化合物、ビニルエーテル系化合物)のものを併用することで、感度と強度の両方を調節する方法も有効である。
また、画像記録層中の他の成分(例えばバインダーポリマー、開始剤、着色剤等)との相溶性、分散性に対しても、付加重合化合物の選択・使用法は重要な要因であり、例えば、低純度化合物の使用や、2種以上の併用により相溶性を向上させうることがある。また、基板や後述の保護層等の密着性を向上せしめる目的で特定の構造を選択することもあり得る。
重合性化合物は、画像記録層中の不揮発性成分に対して、好ましくは5〜80質量%、更に好ましくは25〜75質量%の範囲で使用される。また、これらは単独で用いても2種以上併用してもよい。そのほか、付加重合性化合物の使用法は、酸素に対する重合阻害の大小、解像度、かぶり性、屈折率変化、表面粘着性等の観点から適切な構造、配合、添加量を任意に選択でき、更に場合によっては下塗り、上塗りといった層構成・塗布方法も実施しうる。
<(E)バインダーポリマー>
本発明に用いることができるバインダーポリマーは、従来公知のものを制限なく使用でき、皮膜性を有する線状有機ポリマーが好ましい。このようなバインダーポリマーの例としては、アクリル樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリウレア樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミド樹脂、エポキシ樹脂、メタクリル樹脂、ポリスチレン系樹脂、ノボラック型フェノール系樹脂、ポリエステル樹脂、合成ゴム、天然ゴムが挙げられる。
バインダーポリマーは、画像部の皮膜強度を向上するために、架橋性を有していることが好ましい。バインダーポリマーに架橋性を持たせるためには、エチレン性不飽和結合等の架橋性官能基を高分子の主鎖中または側鎖中に導入すればよい。架橋性官能基は、共重合により導入してもよい。
分子の主鎖中にエチレン性不飽和結合を有するポリマーの例としては、ポリ−1,4−ブタジエン、ポリ−1,4−イソプレン等が挙げられる。
分子の側鎖中にエチレン性不飽和結合を有するポリマーの例としては、アクリル酸またはメタクリル酸のエステルまたはアミドのポリマーであって、エステルまたはアミドの残基(−COORまたは−CONHRのR)がエチレン性不飽和結合を有するポリマーを挙げることができる。
エチレン性不飽和結合を有する残基(上記R)の例としては、−(CHCR=CR、−(CHO)CHCR=CR、−(CHCHO)CHCR=CR、−(CHNH−CO−O−CHCR=CR、−(CH−O−CO−CR=CRおよび−(CHCHO)−X(式中、R〜Rはそれぞれ、水素原子、ハロゲン原子または炭素数1〜20のアルキル基、アリール基、アルコキシ基もしくはアリールオキシ基を表し、RとRまたはRとは互いに結合して環を形成してもよい。nは、1〜10の整数を表す。Xは、ジシクロペンタジエニル残基を表す。)を挙げることができる。
エステル残基の具体例としては、−CHCH=CH(特公平7−21633号公報に記載されている。)、−CHCHO−CHCH=CH、−CHC(CH)=CH、−CHCH=CH−C、−CHCHOCOCH=CH−C、−CHCH−NHCOO−CHCH=CHおよび−CHCHO−X(式中、Xはジシクロペンタジエニル残基を表す。)が挙げられる。
アミド残基の具体例としては、−CHCH=CH、−CHCH−Y(式中、Yはシクロヘキセン残基を表す。)、−CHCH−OCO−CH=CHが挙げられる。
架橋性を有するバインダーポリマーは、例えば、その架橋性官能基にフリーラジカル(重合開始ラジカルまたは重合性化合物の重合過程の生長ラジカル)が付加し、ポリマー間で直接にまたは重合性化合物の重合連鎖を介して付加重合して、ポリマー分子間に架橋が形成されて硬化する。または、ポリマー中の原子(例えば、官能性架橋基に隣接する炭素原子上の水素原子)がフリーラジカルにより引き抜かれてポリマーラジカルが生成し、それが互いに結合することによって、ポリマー分子間に架橋が形成されて硬化する。
バインダーポリマー中の架橋性基の含有量(ヨウ素滴定によるラジカル重合可能な不飽和二重結合の含有量)は、バインダーポリマー1g当たり、好ましくは0.1〜10.0mmol、より好ましくは1.0〜7.0mmol、最も好ましくは2.0〜5.5mmolである。この範囲で、良好な感度と良好な保存安定性が得られる。
また、機上現像性向上の観点から、バインダーポリマーは、インキおよび/または湿し水に対する溶解性または分散性が高いことが好ましい。
インキに対する溶解性または分散性を向上させるためには、バインダーポリマーは、親油的な方が好ましく、湿し水に対する溶解性または分散性を向上させるためには、バインダーポリマーは、親水的な方が好ましい。このため、本発明においては、親油的なバインダーポリマーと親水的なバインダーポリマーを併用することも有効である。
親水的なバインダーポリマーとしては、例えば、ヒドロキシ基、カルボキシル基、カルボキシレート基、ヒドロキシエチル基、ポリオキシエチル基、ヒドロキシプロピル基、ポリオキシプロピル基、アミノ基、アミノエチル基、アミノプロピル基、アンモニウム基、アミド基、カルボキシメチル基、スルホン酸基、リン酸基等の親水性基を有するものが好適に挙げられる。
具体例として、アラビアゴム、カゼイン、ゼラチン、デンプン誘導体、カルボキシメチルセルロースおよびそのナトリウム塩、セルロースアセテート、アルギン酸ナトリウム、酢酸ビニル−マレイン酸コポリマー類、スチレン−マレイン酸コポリマー類、ポリアクリル酸類およびそれらの塩、ポリメタクリル酸類およびそれらの塩、ヒドロキシエチルメタクリレートのホモポリマーおよびコポリマー、ヒドロキシエチルアクリレートのホモポリマーおよびコポリマー、ヒドロキシピロピルメタクリレートのホモポリマーおよびコポリマー、ヒドロキシプロピルアクリレートのホモポリマーおよびコポリマー、ヒドロキシブチルメタクリレートのホモポリマーおよびコポリマー、ヒドロキシブチルアクリレートのホモポリマーおよびコポリマー、ポリエチレングリコール類、ヒドロキシプロピレンポリマー類、ポリビニルアルコール類、加水分解度が60モル%以上、好ましくは80モル%以上である加水分解ポリビニルアセテート、ポリビニルホルマール、ポリビニルブチラール、ポリビニルピロリドン、アクリルアミドのホモポリマーおよびコポリマー、メタクリルアミドのホモポリマーおよびポリマー、N−メチロールアクリルアミドのホモポリマーおよびコポリマー、ポリビニルピロリドン、アルコール可溶性ナイロン、2,2−ビス−(4−ヒドロキシフェニル)−プロパンとエピクロロヒドリンとのポリエーテル等が挙げられる。
バインダーポリマーは、質量平均分子量が5000以上であるのが好ましく、1万〜30万であるのがより好ましく、また、数平均分子量が1000以上であるのが好ましく、2000〜25万であるのがより好ましい。多分散度(質量平均分子量/数平均分子量)は、1.1〜10であるのが好ましい。
バインダーポリマーは、ランダムポリマー、ブロックポリマーのいずれでもよいが、ランダムポリマーであるのが好ましい。また、バインダーポリマーは単独で用いても2種以上を混合して用いてもよい。
バインダーポリマーは、従来公知の方法により合成することができる。合成する際に用いられる溶媒としては、例えば、テトラヒドロフラン、エチレンジクロリド、シクロヘキサノン、メチルエチルケトン、アセトン、メタノール、エタノール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、2−メトキシエチルアセテート、ジエチレングリコールジメチルエーテル、1−メトキシ−2−プロパノール、1−メトキシ−2−プロピルアセテート、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、トルエン、酢酸エチル、乳酸メチル、乳酸エチル、ジメチルスルホキシド、水が挙げられる。これらは単独でまたは2種以上混合して用いられる。
バインダーポリマーを合成する際に用いられるラジカル重合開始剤としては、アゾ系開始剤、過酸化物開始剤等の公知の化合物を用いることができる。
バインダーポリマーの含有量は、画像記録層の全固形分に対して、0〜90質量%であり、0〜80質量%であるのが好ましく、0〜70質量%であるのがより好ましい。この範囲で、良好な画像部の強度と画像形成性が得られる。
また、重合性化合物とバインダーポリマーは、質量比で0.5/1〜4/1となる量で用いるのが好ましい。
<(F)マイクロカプセル・ミクロゲル>
本発明においては、上記の画像記録層構成成分及び後述するその他構成成分を画像記録層に含有させる方法として、いくつかの態様を用いることができる。一つは、例えば、特開2002−287334号公報に記載のごとく、該構成成分を適当な溶媒に溶解して塗布する分子分散型画像記録層である。他の一つの態様は、例えば、特開2001−277740号公報、特開2001−277742号公報に記載のごとく、該構成成分の全てまたは一部をマイクロカプセルに内包させて画像記録層に含有させるマイクロカプセル型画像記録層である。さらに、マイクロカプセル型画像記録層において、該構成成分は、マイクロカプセル外にも含有させることもできる。ここで、マイクロカプセル型画像記録層は、疎水性の構成成分をマイクロカプセルに内包し、親水性構成成分をマイクロカプセル外に含有することが好ましい態様である。更に他の態様として、画像記録層に架橋樹脂粒子、すなわちミクロゲルを含有する態様が挙げられる。該ミクロゲルは、その中および/または表面に該構成成分の一部を含有することができる。特に重合性化合物をその表面に有することによって反応性ミクロゲルとした態様が、画像形成感度や耐刷性の観点から特に好ましい。
より良好な機上現像性を得るためには、画像記録層は、マイクロカプセル型もしくはミクロゲル型画像記録層であることが好ましい。
画像記録層構成成分をマイクロカプセル化、もしくはミクロゲル化する方法としては、公知の方法が適用できる。
例えばマイクロカプセルの製造方法としては、米国特許第2800457号明細書、同第2800458号明細書にみられるコアセルベーションを利用した方法、米国特許第3287154号明細書、特公昭38−19574号公報、同42−446号公報にみられる界面重合法による方法、米国特許第3418250号明細書、同第3660304号明細書にみられるポリマーの析出による方法、米国特許第3796669号明細書に見られるイソシアナートポリオール壁材料を用いる方法、米国特許第3914511号明細書に見られるイソシアナート壁材料を用いる方法、米国特許第4001140号明細書、同第4087376号明細書、同第4089802号明細書にみられる尿素−ホルムアルデヒド系または尿素ホルムアルデヒド−レゾルシノール系壁形成材料を用いる方法、米国特許第4025445号明細書にみられるメラミン−ホルムアルデヒド樹脂、ヒドロキシセルロース等の壁材を用いる方法、特公昭36−9163号公報、同51−9079号公報にみられるモノマー重合によるin situ法、英国特許第930422号明細書、米国特許第3111407号明細書にみられるスプレードライング法、英国特許第952807号明細書、同第967074号明細書にみられる電解分散冷却法などがあるが、これらに限定されるものではない。
本発明に用いられる好ましいマイクロカプセル壁は、3次元架橋を有し、溶剤によって膨潤する性質を有するものである。このような観点から、マイクロカプセルの壁材は、ポリウレア、ポリウレタン、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリアミド、及びこれらの混合物が好ましく、特に、ポリウレア及びポリウレタンが好ましい。また、マイクロカプセル壁に、バインダーポリマー導入可能なエチレン性不飽和結合等の架橋性官能基を有する化合物を導入してもよい。
一方、ミクロゲルを調製する方法としては、特公昭38−19574号公報、同42−446号公報に記載されている界面重合による造粒、特開平5−61214号公報に記載されているような非水系分散重合による造粒を利用することが可能である。但し、これらの方法に限定されるものではない。
上記界面重合を利用する方法としては、上述した公知のマイクロカプセル製造方法を応用することができる。
本発明に用いられる好ましいミクロゲルは、界面重合により造粒され3次元架橋を有するものである。このような観点から、使用する素材は、ポリウレア、ポリウレタン、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリアミド、及びこれらの混合物が好ましく、特に、ポリウレア及びポリウレタンが好ましい。
上記のマイクロカプセルやミクロゲルの平均粒径は、0.01〜3.0μmが好ましい。0.05〜2.0μmがさらに好ましく、0.10〜1.0μmが特に好ましい。この範囲内で良好な解像度と経時安定性が得られる。
本発明に係る画像記録層には、前記(A)もしくは(A−1)、(B)もしくは(B−1)、(C)〜(F)の必須成分、好ましい併用成分のほか、本発明の効果を損なわない限りにおいて、目的に応じて種々の化合物を併用することができる。以下、そのような各種添加剤について説明する。
<界面活性剤>
本発明に係る画像記録層には、印刷開始時の機上現像性の促進、塗布面状の向上などのために界面活性剤を用いるのが好ましい。界面活性剤としては、ノニオン界面活性剤、アニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、両性界面活性剤、フッ素系界面活性剤等が挙げられる。界面活性剤は、単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
本発明に用いられるノニオン界面活性剤は、特に限定されず、従来公知のものを用いることができる。例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル類、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル類、ポリオキシエチレンポリスチリルフェニルエーテル類、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル類、グリセリン脂肪酸部分エステル類、ソルビタン脂肪酸部分エステル類、ペンタエリスリトール脂肪酸部分エステル類、プロピレングリコールモノ脂肪酸エステル類、ショ糖脂肪酸部分エステル類、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸部分エステル類、ポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸部分エステル類、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル類、ポリグリセリン脂肪酸部分エステル類、ポリオキシエチレン化ひまし油類、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸部分エステル類、脂肪酸ジエタノールアミド類、N,N−ビス−2−ヒドロキシアルキルアミン類、ポリオキシエチレンアルキルアミン、トリエタノールアミン脂肪酸エステル、トリアルキルアミンオキシド、ポリエチレングリコール、ポリエチレングリコールとポリプロピレングリコールの共重合体が挙げられる。
本発明に用いられるアニオン界面活性剤は、特に限定されず、従来公知のものを用いることができる。例えば、脂肪酸塩類、アビエチン酸塩類、ヒドロキシアルカンスルホン酸塩類、アルカンスルホン酸塩類、ジアルキルスルホ琥珀酸エステル塩類、直鎖アルキルベンゼンスルホン酸塩類、分岐鎖アルキルベンゼンスルホン酸塩類、アルキルナフタレンスルホン酸塩類、アルキルフェノキシポリオキシエチレンプロピルスルホン酸塩類、ポリオキシエチレンアルキルスルホフェニルエーテル塩類、N−メチル−N−オレイルタウリンナトリウム塩、N−アルキルスルホコハク酸モノアミド二ナトリウム塩、石油スルホン酸塩類、硫酸化牛脂油、脂肪酸アルキルエステルの硫酸エステル塩類、アルキル硫酸エステル塩類、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸エステル塩類、脂肪酸モノグリセリド硫酸エステル塩類、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸エステル塩類、ポリオキシエチレンスチリルフェニルエーテル硫酸エステル塩類、アルキルリン酸エステル塩類、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステル塩類、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテルリン酸エステル塩類、スチレン/無水マレイン酸共重合物の部分けん化物類、オレフィン/無水マレイン酸共重合物の部分けん化物類、ナフタレンスルホン酸塩ホルマリン縮合物類が挙げられる。
本発明に用いられるカチオン界面活性剤は、特に限定されず、従来公知のものを用いることができる。例えば、アルキルアミン塩類、第四級アンモニウム塩類、ポリオキシエチレンアルキルアミン塩類、ポリエチレンポリアミン誘導体が挙げられる。
本発明に用いられる両性界面活性剤は、特に限定されず、従来公知のものを用いることができる。例えば、カルボキシベタイン類、アミノカルボン酸類、スルホベタイン類、アミノ硫酸エステル類、イミタゾリン類が挙げられる。
なお、上記界面活性剤の中で、「ポリオキシエチレン」とあるものは、ポリオキシメチレン、ポリオキシプロピレン、ポリオキシブチレン等の「ポリオキシアルキレン」に読み替えることもでき、本発明においては、それらの界面活性剤も用いることができる。
更に好ましい界面活性剤としては、分子内にパーフルオロアルキル基を含有するフッ素系界面活性剤が挙げられる。このようなフッ素系界面活性剤としては、例えば、パーフルオロアルキルカルボン酸塩、パーフルオロアルキルスルホン酸塩、パーフルオロアルキルリン酸エステル等のアニオン型;パーフルオロアルキルベタイン等の両性型;パーフルオロアルキルトリメチルアンモニウム塩等のカチオン型;パーフルオロアルキルアミンオキサイド、パーフルオロアルキルエチレンオキシド付加物、パーフルオロアルキル基および親水性基を含有するオリゴマー、パーフルオロアルキル基および親油性基を含有するオリゴマー、パーフルオロアルキル基、親水性基および親油性基を含有するオリゴマー、パーフルオロアルキル基および親油性基を含有するウレタン等のノニオン型が挙げられる。また、特開昭62−170950号、同62−226143号および同60−168144号の各公報に記載されているフッ素系界面活性剤も好適に挙げられる。
界面活性剤は、単独でまたは2種以上を組み合わせて用いることができる。
界面活性剤の含有量は、画像記録層の全固形分に対して、0.001〜10質量%であるのが好ましく、0.01〜7質量%であるのがより好ましい。
<着色剤>
本発明では、更に必要に応じてこれら以外に種々の化合物を添加してもよい。例えば、可視光域に大きな吸収を持つ染料を画像の着色剤として使用することができる。具体的には、オイルイエロー#101、オイルイエロー#103、オイルピンク#312、オイルグリーンBG、オイルブルーBOS、オイルブルー#603、オイルブラックBY、オイルブラックBS、オイルブラックT−505(以上オリエント化学工業(株)製)、ビクトリアピュアブルー、クリスタルバイオレット(CI42555)、メチルバイオレット(CI42535)、エチルバイオレット、ローダミンB(CI145170B)、マラカイトグリーン(CI42000)、メチレンブルー(CI52015)等、および特開昭62−293247号に記載されている染料を挙げることができる。また、フタロシアニン系顔料、アゾ系顔料、カーボンブラック、酸化チタン等の顔料も好適に用いることができる。
これらの着色剤は、画像形成後、画像部と非画像部の区別がつきやすいので、添加する方が好ましい。なお、添加量は、画像記録材料全固形分に対し、0.01〜10質量%の割合である。
<焼き出し剤>
本発明に係る画像記録層には、焼き出し画像生成のため、酸またはラジカルによって変色する化合物を添加することができる。このような化合物としては、例えばジフェニルメタン系、トリフェニルメタン系、チアジン系、オキサジン系、キサンテン系、アンスラキノン系、イミノキノン系、アゾ系、アゾメチン系等の各種色素が有効に用いられる。
具体例としては、ブリリアントグリーン、エチルバイオレット、メチルグリーン、クリスタルバイオレット、ベイシックフクシン、メチルバイオレット2B、キナルジンレッド、ローズベンガル、メタニルイエロー、チモールスルホフタレイン、キシレノールブルー、メチルオレンジ、パラメチルレッド、コンゴーフレッド、ベンゾプルプリン4B、α−ナフチルレッド、ナイルブルー2B、ナイルブルーA、メチルバイオレット、マラカイドグリーン、パラフクシン、ビクトリアピュアブルーBOH[保土ケ谷化学(株)製]、オイルブルー#603[オリエント化学工業(株)製]、オイルピンク#312[オリエント化学工業(株)製]、オイルレッド5B[オリエント化学工業(株)製]、オイルスカーレット#308[オリエント化学工業(株)製]、オイルレッドOG[オリエント化学工業(株)製]、オイルレッドRR[オリエント化学工業(株)製]、オイルグリーン#502[オリエント化学工業(株)製]、スピロンレッドBEHスペシャル[保土ケ谷化学工業(株)製]、m−クレゾールパープル、クレゾールレッド、ローダミンB、ローダミン6G、スルホローダミンB、オーラミン、4−p−ジエチルアミノフェニルイミノナフトキノン、2−カルボキシアニリノ−4−p−ジエチルアミノフェニルイミノナフトキノン、2−カルボキシステアリルアミノ−4−p−N,N−ビス(ヒドロキシエチル)アミノ−フェニルイミノナフトキノン、1−フェニル−3−メチル−4−p−ジエチルアミノフェニルイミノ−5−ピラゾロン、1−β−ナフチル−4−p−ジエチルアミノフェニルイミノ−5−ピラゾロン等の染料やp,p’,p”−ヘキサメチルトリアミノトリフェニルメタン(ロイコクリスタルバイオレット)、Pergascript Blue SRB(チバガイギー社製)等のロイコ染料が挙げられる。
上記の他に、感熱紙や感圧紙用の素材として知られているロイコ染料も好適なものとして挙げられる。具体例としては、クリスタルバイオレットラクトン、マラカイトグリーンラクトン、ベンゾイルロイコメチレンブルー、2−(N−フェニル−N−メチルアミノ)−6−(N−p−トリル−N−エチル)アミノ−フルオラン、2−アニリノ−3−メチル−6−(N−エチル−p−トルイジノ)フルオラン、3,6−ジメトキシフルオラン、3−(N,N−ジエチルアミノ)−5−メチル−7−(N,N−ジベンジルアミノ)−フルオラン、3−(N−シクロヘキシル−N−メチルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N,N−ジエチルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N,N−ジエチルアミノ)−6−メチル−7−キシリジノフルオラン、3−(N,N−ジエチルアミノ)−6−メチルー7−クロロフルオラン、3−(N,N−ジエチルアミノ)−6−メトキシ−7−アミノフルオラン、3−(N,N−ジエチルアミノ)−7−(4−クロロアニリノ)フルオラン、3−(N,N−ジエチルアミノ)−7−クロロフルオラン、3−(N,N−ジエチルアミノ)−7−ベンジルアミノフルオラン、3−(N,N−ジエチルアミノ)−7,8−ベンゾフロオラン、3−(N,N−ジブチルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N,N−ジブチルアミノ)−6−メチル−7−キシリジノフルオラン、3−ピペリジノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ピロリジノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3,3−ビス(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)フタリド、3,3−ビス(1−n−ブチル−2−メチルインドール−3−イル)フタリド、3,3−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)−6−ジメチルアミノフタリド、3−(4−ジエチルアミノ−2−エトキシフェニル)−3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−4−ザフタリド、3−(4−ジエチルアミノフェニル)−3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)フタリド、などが挙げられる。
酸またはラジカルによって変色する染料の好適な添加量は、それぞれ、画像記録層固形分に対して0.01〜10質量%の割合である。
<重合禁止剤>
本発明に係る画像記録層には、画像記録層の製造中または保存中において(C)ラジカル重合性化合物の不要な熱重合を防止するために、少量の熱重合防止剤を添加するのが好ましい。
熱重合防止剤としては、例えば、ハイドロキノン、p−メトキシフェノール、ジ−t−ブチル−p−クレゾール、ピロガロール、t−ブチルカテコール、ベンゾキノン、4,4′−チオビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2′−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、N−ニトロソ−N−フェニルヒドロキシルアミンアルミニウム塩が好適に挙げられる。
熱重合防止剤の添加量は、画像記録層の全固形分に対して、約0.01〜約5質量%であるのが好ましい。
<高級脂肪酸誘導体等>
本発明に係る画像記録層には、酸素による重合阻害を防止するために、ベヘン酸やベヘン酸アミドのような高級脂肪酸誘導体等を添加して、塗布後の乾燥の過程で画像記録層の表面に偏在させてもよい。高級脂肪酸誘導体の添加量は、画像記録層の全固形分に対して、約0.1〜約10質量%であるのが好ましい。
<可塑剤>
本発明に係る画像記録層は、機上現像性を向上させるために、可塑剤を含有してもよい。
可塑剤としては、例えば、ジメチルフタレート、ジエチルフタレート、ジブチルフタレート、ジイソブチルフタレート、ジオクチルフタレート、オクチルカプリルフタレート、ジシクロヘキシルフタレート、ジトリデシルフタレート、ブチルベンジルフタレート、ジイソデシルフタレート、ジアリルフタレート等のフタル酸エステル類;ジメチルグリコールフタレート、エチルフタリルエチルグリコレート、メチルフタリルエチルグリコレート、ブチルフタリルブチルグリコレート、トリエチレングリコールジカプリル酸エステル等のグリコールエステル類;トリクレジルホスフェート、トリフェニルホスフェート等のリン酸エステル類;ジイソブチルアジペート、ジオクチルアジペート、ジメチルセバケート、ジブチルセバケート、ジオクチルアゼレート、ジブチルマレエート等の脂肪族二塩基酸エステル類;ポリグリシジルメタクリレート、クエン酸トリエチル、グリセリントリアセチルエステル、ラウリン酸ブチル等が好適に挙げられる。
可塑剤の含有量は、画像記録層の全固形分に対して、約30質量%以下であるのが好ましい。
<無機微粒子>
本発明に係る画像記録層は、画像部の硬化皮膜強度向上および非画像部の機上現像性向上のために、無機微粒子を含有してもよい。
無機微粒子としては、例えば、シリカ、アルミナ、酸化マグネシウム、酸化チタン、炭酸マグネシウム、アルギン酸カルシウムまたはこれらの混合物が好適に挙げられる。これらは光熱変換性でなくても、皮膜の強化、表面粗面化による界面接着性の強化等に用いることができる。
無機微粒子は、平均粒径が5nm〜10μmであるのが好ましく、0.5〜3μmであるのがより好ましい。上記範囲であると、画像記録層中に安定に分散して、画像記録層の膜強度を十分に保持し、印刷時の汚れを生じにくい親水性に優れる非画像部を形成することができる。
上述したような無機微粒子は、コロイダルシリカ分散物等の市販品として容易に入手することができる。
無機微粒子の含有量は、画像記録層の全固形分に対して、20質量%以下であるのが好ましく、10質量%以下であるのがより好ましい。
<低分子親水性化合物>
本発明に係る画像記録層は、機上現像性向上のため、親水性低分子化合物を含有してもよい。親水性低分子化合物としては、例えば、水溶性有機化合物としては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール等のグリコール類およびそのエーテルまたはエステル誘導体類、グリセリン、ペンタエリスリトール等のポリヒドロキシ類、トリエタノールアミン、ジエタノールアミンモノエタノールアミン等の有機アミン類およびその塩、トルエンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸等の有機スルホン酸類およびその塩、フェニルホスホン酸等の有機ホスホン酸類およびその塩、酒石酸、シュウ酸、クエン酸、リンゴ酸、乳酸、グルコン酸、アミノ酸類等の有機カルボン酸類およびその塩等が上げられる。
〔画像記録層の形成〕
本発明に係る画像記録層は、必要な上記各成分を溶剤に分散、または溶かして塗布液を調製し、塗布される。ここで使用する溶剤としては、エチレンジクロリド、シクロヘキサノン、メチルエチルケトン、メタノール、エタノール、プロパノール、エチレングリコールモノメチルエーテル、1−メトキシ−2−プロパノール、2−メトキシエチルアセテート、1−メトキシ−2−プロピルアセテート、ジメトキシエタン、乳酸メチル、乳酸エチル、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、テトラメチルウレア、N−メチルピロリドン、ジメチルスルホキシド、スルホラン、γ−ブチロラクトン、トルエン、水等を挙げることができるが、これに限定されるものではない。これらの溶剤は、単独または混合して使用される。塗布液の固形分濃度は、好ましくは1〜50質量%である。
本発明に係る画像記録層は、同一または異なる上記各成分を同一または異なる溶剤に分散、または溶かした塗布液を複数調製し、複数回の塗布、乾燥を繰り返して形成することも可能である。
また塗布、乾燥後に得られる支持体上の画像記録層塗布量(固形分)は、用途によって異なるが、一般的に0.3〜3.0g/mが好ましい。この範囲で、良好な感度と画像記録層の良好な皮膜特性が得られる。
塗布する方法としては、種々の方法を用いることができる。例えば、バーコーター塗布、回転塗布、スプレー塗布、カーテン塗布、ディップ塗布、エアーナイフ塗布、ブレード塗布、ロール塗布等を挙げられる。
(基材)
本発明の画像形成材料に用いられる基材は、寸度的に安定な板状物であれば特に制限はなく、例えば、紙、プラスチック(例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン等)がラミネートされた紙、金属板(例えば、アルミニウム、亜鉛、銅等)、プラスチックフィルム(例えば、二酢酸セルロース、三酢酸セルロース、プロピオン酸セルロース、酪酸セルロース、酢酸酪酸セルロース、硝酸セルロース、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリプロピレン、ポリカーボネート、ポリビニルアセタール等)、上述した金属がラミネートされまたは蒸着された紙またはプラスチックフィルム等が挙げられ、これらより目的に応じて適宜選択される。なお、画像形成材料を平版印刷版原版として用いる場合の支持体も上記と同様のものを挙げることができるが、好ましい平版印刷版用支持体としては、ポリエステルフィルムおよびアルミニウム板が挙げられ、なかでも、寸法安定性がよく、比較的安価であるアルミニウム板が好ましい。
〔平版印刷版原版〕
本発明の画像記録材料を平版印刷版原版に使用する場合に特に好ましい態様、及び、構成について以下に述べる。
(平版印刷版原版用支持体)
平版印刷版原版用の支持体として好適なアルミニウム板は、純アルミニウム板、アルミニウムを主成分とし、微量の異元素を含む合金板、または、アルミニウムもしくはアルミニウム合金の薄膜にプラスチックがラミネートされているものである。アルミニウム合金に含まれる異元素には、ケイ素、鉄、マンガン、銅、マグネシウム、クロム、亜鉛、ビスマス、ニッケル、チタン等がある。合金中の異元素の含有量は10質量%以下であるのが好ましい。本発明においては、純アルミニウム板が好ましいが、完全に純粋なアルミニウムは精錬技術上製造が困難であるので、わずかに異元素を含有するものでもよい。アルミニウム板は、その組成が特定されるものではなく、公知公用の素材のものを適宜利用することができる。
支持体の厚さは0.1〜0.6mmであるのが好ましく、0.15〜0.4mmであるのがより好ましく、0.2〜0.3mmであるのが更に好ましい。
アルミニウム板を使用するに先立ち、粗面化処理、陽極酸化処理等の表面処理を施すのが好ましい。表面処理により、親水性の向上および画像記録層と支持体との密着性の確保が容易になる。アルミニウム板を粗面化処理するに先立ち、所望により、表面の圧延油を除去するための界面活性剤、有機溶剤、アルカリ性水溶液等による脱脂処理が行われる。
アルミニウム板表面の粗面化処理は、種々の方法により行われるが、例えば、機械的粗面化処理、電気化学的粗面化処理(電気化学的に表面を溶解させる粗面化処理)、化学的粗面化処理(化学的に表面を選択溶解させる粗面化処理)が挙げられる。
機械的粗面化処理の方法としては、ボール研磨法、ブラシ研磨法、ブラスト研磨法、バフ研磨法等の公知の方法を用いることができる。
電気化学的粗面化処理の方法としては、例えば、塩酸、硝酸等の酸を含有する電解液中で交流または直流により行う方法が挙げられる。また、特開昭54−63902号公報に記載されているような混合酸を用いる方法も挙げられる。
粗面化処理されたアルミニウム板は、必要に応じて、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム等の水溶液を用いてアルカリエッチング処理を施され、更に、中和処理された後、所望により、耐摩耗性を高めるために陽極酸化処理を施される。
アルミニウム板の陽極酸化処理に用いられる電解質としては、多孔質酸化皮膜を形成させる種々の電解質の使用が可能である。一般的には、硫酸、塩酸、シュウ酸、クロム酸またはそれらの混酸が用いられる。それらの電解質の濃度は電解質の種類によって適宜決められる。
陽極酸化処理の条件は、用いられる電解質により種々変わるので一概に特定することはできないが、一般的には、電解質濃度1〜80質量%溶液、液温5〜70℃、電流密度5〜60A/dm、電圧1〜100V、電解時間10秒〜5分であるのが好ましい。形成される陽極酸化皮膜の量は、1.0〜5.0g/mであるのが好ましく、1.5〜4.0g/mであるのがより好ましい。この範囲で、良好な耐刷性と平版印刷版の非画像部の良好な耐傷性が得られる。
陽極酸化処理を施した後、必要に応じて、アルミニウム板の表面に親水化処理を施す。親水化処理としては、米国特許第2,714,066号、同第3,181,461号、同第3,280,734号および同第3,902,734号の各明細書に記載されているようなアルカリ金属シリケート法がある。この方法においては、支持体をケイ酸ナトリウム等の水溶液で浸漬処理し、または電解処理する。そのほかに、特公昭36−22063号公報に記載されているフッ化ジルコン酸カリウムで処理する方法、米国特許第3,276,868号、同第4,153,461号および同第4,689,272号の各明細書に記載されているようなポリビニルホスホン酸で処理する方法等が挙げられる。
支持体は、中心線平均粗さが0.10〜1.2μmであるのが好ましい。この範囲で、画像記録層との良好な密着性、良好な耐刷性と良好な汚れ難さが得られる。
また、支持体の色濃度としては、反射濃度値として0.15〜0.65であるのが好ましい。この範囲で、画像露光時のハレーション防止による良好な画像形成性と現像後の良好な検版性が得られる。
(バックコート層)
支持体に表面処理を施した後または下塗層を形成させた後、必要に応じて、支持体の裏面にバックコートを設けることができる。
バックコートとしては、例えば、特開平5−45885号公報に記載されている有機高分子化合物、特開平6−35174号公報に記載されている有機金属化合物または無機金属化合物を加水分解および重縮合させて得られる金属酸化物からなる被覆層が好適に挙げられる。中でも、Si(OCH、Si(OC、Si(OC、Si(OC等のケイ素のアルコキシ化合物を用いるのが、原料が安価で入手しやすい点で好ましい。
(下塗層)
本発明の平版印刷方法に用いられる本発明の平版印刷版原版においては、必要に応じて、画像記録層と支持体との間に下塗層を設けることができる。下塗層が断熱層として機能することにより、赤外線レーザーによる露光により発生した熱が支持体に拡散せず、効率よく利用されるようになるため、高感度化が図れるという利点がある。また、未露光部においては、画像記録層の支持体からのはく離を生じやすくさせるため、機上現像性が向上する。
下塗層としては、具体的には、特開平10−282679号公報に記載されている付加重合可能なエチレン性二重結合反応基を有しているシランカップリング剤、特開平2−304441号公報記載のエチレン性二重結合反応基を有しているリン化合物等が好適に挙げられる。
最も好ましい下塗層としては、吸着性基を有するモノマー/親水性基を有するモノマー/架橋性基を有するモノマーを共重合した高分子樹脂が挙げられる。
高分子下塗りの必須成分は、親水性支持体表面への吸着性基である。親水性支持体表面への吸着性の有無に関しては、例えば以下のような方法で判断できる。
試験化合物を易溶性の溶媒に溶解させた塗布夜を作製し、その塗布夜を乾燥後の塗布量が30mg/mとなるように支持体上に塗布・乾燥させる。次に試験化合物を塗布した支持体を、易溶性溶媒を用いて十分に洗浄した後、洗浄除去されなかった試験化合物の残存量を測定して支持体吸着量を算出する。ここで残存量の測定は、残存化合物量を直接定量してもよいし、洗浄液中に溶解した試験化合物量を定量して算出してもよい。化合物の定量は、例えば蛍光X線測定、反射分光吸光度測定、液体クロマトグラフィー測定などで実施できる。支持体吸着性がある化合物は、上記のような洗浄処理を行っても1mg/m以上残存する化合物である。
親水性支持体表面への吸着性基は、親水性支持体表面に存在する物質(例えば、金属、金属酸化物)あるいは官能基(例えば、水酸基)と、化学結合(例えば、イオン結合、水素結合、配位結合、分子間力による結合)を引き起こすことができる官能基である。吸着性基は、酸基またはカチオン性基が好ましい。
酸基は、酸解離定数(pKa)が7以下であることが好ましい。酸基の例は、フェノール性水酸基、カルボキシル基、−SOH、−OSOH、−PO、−OPO、−CONHSO−、−SONHSO−および−COCHCOCHを含む。リン酸基(−OPO、―PO)が特に好ましい。またこれら酸基は、金属塩であっても構わない。
カチオン性基は、オニウム基であることが好ましい。オニウム基の例は、アンモニウム基、ホスホニウム基、アルソニウム基、スチボニウム基、オキソニウム基、スルホニウム基、セレノニウム基、スタンノニウム基、ヨードニウム基を含む。アンモニウム基、ホスホニウム基およびスルホニウム基が好ましく、アンモニウム基およびホスホニウム基がさらに好ましく、アンモニウム基が最も好ましい。
吸着性基を有するモノマーの特に好ましい例としては、下記式(III)または(IV)で表される化合物が挙げられる。
Figure 2007291348
式(III)において、R、RおよびRは、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子または炭素原子数が1乃至6のアルキル基である。R、RおよびRは、それぞれ独立に、水素原子または炭素原子数が1乃至6のアルキル基であることが好ましく、水素原子または炭素原子数が1乃至3のアルキル基であることがさらに好ましく、水素原子またはメチル基であることが最も好ましい。RおよびRは、水素原子であることが特に好ましい。
式(III)において、Xは、酸素原子(−O−)またはイミノ(−NH−)である。Xは、酸素原子であることがさらに好ましい。
式(III)及び式(IV)において、Lは、2価の連結基である。Lは、2価の脂肪族基(アルキレン基、置換アルキレン基、アルケニレン基、置換アルケニレン基、アルキニレン基、置換アルキニレン基)、2価の芳香族基(アリレン基、置換アリレン基)または2価の複素環基であるか、あるいはそれらと、酸素原子(−O−)、硫黄原子(―S―)、イミノ(−NH−)、置換イミノ(−NR−、Rは脂肪族基、芳香族基または複素環基)またはカルボニル(−CO−)との組み合わせであることが好ましい。
脂肪族基は、環状構造または分岐構造を有していてもよい。脂肪族基の炭素原子数は、1乃至20が好ましく、1乃至15がさらに好ましく、1乃至10が最も好ましい。脂肪族基は、不飽和脂肪族基よりも飽和脂肪族基の方が好ましい。脂肪族基は、置換基を有していてもよい。置換基の例は、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、芳香族基および複素環基を含む。
芳香族基の炭素原子数は、6乃至20が好ましく、6乃至15がさらに好ましく、6乃至10が最も好ましい。芳香族基は、置換基を有していてもよい。置換基の例は、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、脂肪族基、芳香族基および複素環基を含む。
複素環基は、複素環として5員環または6員環を有することが好ましい。複素環に他の複素環、脂肪族環または芳香族環が縮合していてもよい。複素環基は、置換基を有していてもよい。置換基の例は、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、オキソ基(=O)、チオキソ基(=S)、イミノ基(=NH)、置換イミノ基(=N−R、Rは脂肪族基、芳香族基または複素環基)、脂肪族基、芳香族基および複素環基を含む。
Lは、複数のポリオキシアルキレン構造を含む二価の連結基であることが好ましい。ポリオキシアルキレン構造は、ポリオキシエチレン構造であることがさらに好ましい。言い換えると、Lは、−(OCHCH−(nは2以上の整数)を含むことが好ましい。
式(III)及び式(IV)において、Zは、親水性支持体表面に吸着する官能基である。
また、式(IV)におけるYは、炭素原子または窒素原子である。Yが窒素原子であって、且つ、Y上にLが連結して四級ピリジニウム基を形成する場合、それ自体が吸着性を示すことから、このような構造のモノマーにおいては、Zは必須ではない。
式(IV)におけるRは、水素原子、ハロゲン原子または炭素原子数が1乃至6のアルキル基を表し、好ましい例は一般式(III)におけるRと同様である。
吸着性の官能基については、前述した通りである。
以下に、式(III)または(IV)で表される代表的なモノマーの例を示す。
Figure 2007291348
本発明に用いることができる下塗り用高分子樹脂の親水性基としては、例えば、ヒドロキシ基、カルボキシル基、カルボキシレート基、ヒドロキシエチル基、ポリオキシエチル基、ヒドロキシプロピル基、ポリオキシプロピル基、アミノ基、アミノエチル基、アミノプロピル基、アンモニウム基、アミド基、カルボキシメチル基、スルホン酸基、リン酸基等が好適に挙げられる。これらの親水性基と重合性基を有するモノマーが上記高分子樹脂の共重合成分として用いられる。
本発明で用いられる下塗り用高分子樹脂は、架橋性基を有すことが好ましい。架橋性基によって画像部との密着の向上が得られる。下塗り用高分子樹脂に架橋性を持たせるためには、エチレン性不飽和結合等の架橋性官能基を高分子の側鎖中に導入したり、高分子樹脂の極性置換基と対荷電を有する置換基とエチレン性不飽和結合を有する化合物で塩構造を形成させたりして導入することができる。
分子の側鎖中にエチレン性不飽和結合を有するポリマーの例としては、アクリル酸またはメタクリル酸のエステルまたはアミドのポリマーであって、エステルまたはアミドの残基(−COORまたは−CONHRのR)がエチレン性不飽和結合を有するポリマーを挙げることができる。
エチレン性不飽和結合を有する残基(上記R)の例としては、−(CHCR=CR、−(CHO)CHCR=CR、−(CHCHO)CHCR=CR、−(CHNH−CO−O−CHCR=CR、−(CH−O−CO−CR=CR、および−(CHCHO)−X(式中、R〜Rはそれぞれ、水素原子、ハロゲン原子または炭素数1〜20のアルキル基、アリール基、アルコキシ基もしくはアリールオキシ基を表し、RとRまたはRとは互いに結合して環を形成してもよい。nは、1〜10の整数を表す。Xは、ジシクロペンタジエニル残基を表す。)を挙げることができる。
エステル残基の具体例としては、−CHCH=CH(特公平7−21633号公報に記載されている。)、−CHCHO−CHCH=CH、−CHC(CH)=CH、−CHCH=CH−C、−CHCHOCOCH=CH−C、−CHCHNHCOO−CHCH=CH、および−CHCHO−X(式中、Xはジシクロペンタジエニル残基を表す。)が挙げられる。
アミド残基の具体例としては、−CHCH=CH、−CHCHO−Y(式中、Yはシクロヘキセン残基を表す。)、−CHCHOCO−CH=CHが挙げられる。
下塗り用高分子樹脂の架橋性基を有するモノマーとしては、上記架橋性基を有するアクリル酸またはメタクリル酸のエステルまたはアミドが好適である。
下塗り用高分子樹脂中の架橋性基の含有量(ヨウ素滴定によるラジカル重合可能な不飽和二重結合の含有量)は、高分子樹脂1g当たり、好ましくは0.1〜10.0mmol、より好ましくは1.0〜7.0mmol、最も好ましくは2.0〜5.5mmolである。この範囲で、良好な感度と汚れ性の両立、および良好な保存安定性が得られる。
下塗り用の高分子樹脂は、質量平均分子量が5000以上であるのが好ましく、1万〜30万であるのがより好ましく、また、数平均分子量が1000以上であるのが好ましく、2000〜25万であるのがより好ましい。多分散度(質量平均分子量/数平均分子量)は、1.1〜10であるのが好ましい。
下塗り用の高分子樹脂は、ランダムポリマー、ブロックポリマー、グラフトポリマー等のいずれでもよいが、ランダムポリマーであるのが好ましい。
本発明の下塗り用高分子樹脂としては、親水性基を有する公知の樹脂を用いることもできる。そのような樹脂の具体例として、アラビアゴム、カゼイン、ゼラチン、デンプン誘導体、カルボキシメチルセルロースおよびそのナトリウム塩、セルロースアセテート、アルギン酸ナトリウム、酢酸ビニルマレイン酸コポリマー類、スチレンーマレイン酸コポリマー類、ポリアクリル酸類およびそれらの塩、ポリメタクリル酸類およびそれらの塩、ヒドロキシエチルメタクリレートのホモポリマーおよびコポリマー、ヒドロキシエチルアクリレートのホモポリマーおよびコポリマー、ヒドロキシプロピルメタクリレートのホモポリマーおよびコポリマー、ヒドロキシプロピルアクリレートのホモポリマーおよびコポリマー、ヒドロキシブチルメタクリレートのホモポリマーおよびコポリマー、ヒドロキシブチルアクリレートのホモポリマーおよびコポリマー、ポリエチレングリコール類、ヒドロキシプロピレンポリマー類、ポリビニルアルコール類、加水分解度が60モル%以上、好ましくは80モル%以上である加水分解ポリビニルアセテート、ポリビニルホルマール、ポリビニルブチラール、ポリビニルピロリドン、アクリルアミドのホモポリマーおよびコポリマー、メタクリルアミドのホモポリマーおよびポリマー、N−メチロールアクリルアミドのホモポリマーおよびコポリマー、ポリビニルピロリドン、アルコール可溶性ナイロン、2,2−ビス−(4−ヒドロキシフェニル)−プロパンとエピクロロヒドリンとのポリエーテル等が挙げられる。
下塗り用高分子樹脂は単独で用いても2種以上を混合して用いてもよい。
下塗層の塗布量(固形分)は、0.1〜100mg/mであるのが好ましく、1〜30mg/mであるのがより好ましい。
(保護層)
本発明の平版印刷版原版には、酸素遮断性付与、画像記録層での傷等の発生防止、高照度レーザー露光時に生じるアブレーション防止等のために、必要に応じて画像記録層の上に保護層(オーバーコート層)を設けることができる。
通常、平版印刷版の露光処理は大気中で実施する。露光処理によって生じる画像記録層中での画像形成反応は、大気中に存在する酸素、塩基性物質等の低分子化合物によって阻害され得る。保護層は、この酸素、塩基性物質等の低分子化合物が画像記録層へ混入することを防止し、結果として大気中での画像形成阻害反応を抑制する。従って、保護層に望まれる特性は、酸素等の低分子化合物の透過性を低くすることであり、更に、露光に用いられる光の透過性が良好で、画像記録層との密着性に優れ、かつ、露光後の機上現像処理工程で容易に除去することができるものである。このような特性を有する保護層については、例えば、米国特許第3,458,311号明細書および特公昭55−49729号公報に記載されている。
保護層に用いられる材料としては、水溶性ポリマー、水不溶性ポリマーのいずれをも適宜選択して使用することができる。具体的には例えば、ポリビニルアルコール、変性ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリビニルイミダゾール、ポリアクリル酸、ポリアクリルアミド、ポリ酢酸ビニルの部分鹸化物、エチレン−ビニルアルコール共重合体、水溶性セルロース誘導体、ゼラチン、デンプン誘導体、アラビアゴム等の水溶性ポリマーや、ポリ塩化ビニリデン、ポリ(メタ)アクリロニトリル、ポリサルホン、ポリ塩化ビニル、ポリエチレン、ポリカーボネート、ポリスチレン、ポリアミド、セロハン等のポリマー等が挙げられる。これらは、必要に応じて2種以上を併用することもできる。
上記材料中で比較的有用な素材としては、結晶性に優れる水溶性高分子化合物が挙げられる。具体的には、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリビニルイミダゾール、ポリアクリル酸等の水溶性アクリル樹脂、ゼラチン、アラビアゴム等が好適であり、なかでも、水を溶媒として塗布可能であり、且つ、印刷時における湿し水により容易に除去されるという観点から、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリビニルイミダゾールが好ましい。その中でも、ポリビニルアルコール(PVA)は、酸素遮断性、現像除去性等の基本的な特性に対して最も良好な結果を与える。
保護層に用い得るポリビニルアルコールは、必要な水溶性を有する実質的量の未置換ビニルアルコール単位を含有するかぎり、一部がエステル、エーテル、およびアセタールで置換されていてもよい。また、同様に一部が他の共重合成分を含有していてもよい。例えば、カルボキシル基、スルホ基等のアニオンで変性されたアニオン変性部位、アミノ基、アンモニウム基等のカチオンで変性されたカチオン変性部位、シラノール変性部位、チオール変性部位等種々の親水性変性部位をランダムに有す各種重合度のポリビニルアルコール、前記のアニオン変性部位、前記のカチオン変性部位、シラノール変性部位、チオール変性部位、更にはアルコキシル変性部位、スルフィド変性部位、ビニルアルコールと各種有機酸とのエステル変性部位、前記アニオン変性部位とアルコール類等とのエステル変性部位、エポキシ変性部位等種々の変性部位をポリマー鎖末端に有す各種重合度のポリビニルアルコール等も好ましく用いられる。
これら変性ポリビニルアルコールは71〜100モル%加水分解された重合度300〜2400の範囲の化合物が好適に挙げられる。具体的には、株式会社クラレ製のPVA−105,PVA−110,PVA−117,PVA−117H,PVA−120,PVA−124,PVA124H,PVA−CS,PVA−CST,PVA−HC,PVA−203,PVA−204,PVA−205,PVA−210,PVA−217,PVA−220,PVA−224,PVA−217EE,PVA−217E,PVA−220E,PVA−224E,PVA−405,PVA−420,PVA−613,L−8等が挙げられる。また変性ポリビニルアルコールとしては、アニオン変性部位を有すKL−318、KL−118、KM−618、KM−118、SK−5102、カチオン変性部位を有すC−318、C−118、CM−318、末端チオール変性部位を有すM−205、M−115、末端スルフィド変性部位を有すMP−103、MP−203、MP−102、MP−202、高級脂肪酸とのエステル変性部位を末端に有すHL−12E、HL−1203、その他反応性シラン変性部位を有すR−1130、R−2105、R−2130等が挙げられる。
また保護層には層状化合物を含有することが好ましい。層状化合物とは薄い平板状の形状を有する粒子であり、例えば、下記一般式
A(B,C)2−510(OH,F,O)
〔ただし、AはK,Na,Caの何れか、BおよびCはFe(II),Fe(III),Mn,Al,Mg,Vの何れかであり、DはSiまたはAlである。〕で表される如き天然雲母、合成雲母等の雲母群、式:3MgO・4SiO・HOで表される如きタルク、テニオライト、モンモリロナイト、サポナイト、ヘクトライト、りん酸ジルコニウムなどが挙げられる。
上記天然雲母としては白雲母、ソーダ雲母、金雲母、黒雲母および鱗雲母が挙げられる。また、合成雲母としては、フッ素金雲母KMg(AlSi10)F、カリ四ケイ素雲母KMg2.5Si10)F等の非膨潤性雲母、およびNaテトラシリリックマイカNaMg2.5(Si10)F、NaまたはLiテニオライト(Na,Li)MgLi(Si10)F、モンモリロナイト系のNaまたはLiヘクトライト(Na,Li)1/8Mg2/5Li1/8(Si10)F等の膨潤性雲母等が挙げられる。更に合成スメクタイトも有用である。
上記の層状化合物の中でも、雲母、モンモリロナイト、サポナイト、ヘクトライト、ベントナイト等の膨潤性粘土鉱物類が有用であり、合成の層状化合物であるフッ素系の膨潤性雲母が特に有用である。すなわち、雲母、モンモリロナイト、サポナイト、ヘクトライト、ベントナイト等の膨潤性粘土鉱物類等は、10〜15Å程度の厚さの単位結晶格子層からなる積層構造を有し、格子内金属原子置換が他の粘度鉱物より著しく大きい。その結果、格子層は正電荷不足を生じ、それを補償するために層間にLi、Na、Ca2+、Mg2+、アミン塩、第4級アンモニウム塩、ホスホニウム塩およびスルホニウム塩等の有機カチオンの陽イオンを吸着している。これらの層状化合物は水により膨潤する。その状態でシェアーをかけると容易に劈開し、水中で安定したゾルを形成する。ベントナイトおよび膨潤性合成雲母はこの傾向が強い。
層状化合物の形状としては、拡散制御の観点からは、厚さは薄ければ薄いほどよく、平面サイズは塗布面の平滑性や活性光線の透過性を阻害しない限りにおいて大きいほどよい。従って、アスペクト比は20以上であり、好ましくは100以上、特に好ましくは200以上である。なお、アスペクト比は粒子の長径に対する厚さの比であり、たとえば、粒子の顕微鏡写真による投影図から測定することができる。アスペクト比が大きい程、得られる効果が大きい。
層状化合物の粒子径は、その平均径が1〜20μm、好ましくは1〜10μm、特に好ましくは2〜5μmである。粒子径が1μmよりも小さいと酸素や水分の透過の抑制が不十分であり、効果を十分に発揮できない。また20μmよりも大きいと塗布液中での分散安定性が不十分であり、安定的な塗布を行うことができない問題が生じる。また、該粒子の平均の厚さは、0.1μm以下、好ましくは、0.05μm以下、特に好ましくは、0.01μm以下である。例えば、無機質の層状化合物のうち、代表的化合物である膨潤性合成雲母のサイズは厚さが1〜50nm、面サイズが1〜20μm程度である。
このようにアスペクト比が大きい無機質の層状化合物の粒子を保護層に含有させると、塗膜強度が向上し、また、酸素や水分の透過を効果的に防止しうるため、変形などによる保護層の劣化を防止し、高湿条件下において長期間保存しても、湿度の変化による平版印刷版原版における画像形成性の低下もなく保存安定性に優れる。
保護層中の無機質層状化合物の含有量は、保護層に使用されるバインダーの量に対し、質量比で5/1〜1/100であることが好ましい。複数種の無機質の層状化合物を併用した場合でも、これら無機質の層状化合物の合計の量が上記の質量比であることが好ましい。
保護層の他の組成物として、グリセリン、ジプロピレングリコール等を(共)重合体に対して数質量%相当量添加して可撓性を付与することができ、また、アルキル硫酸ナトリウム、アルキルスルホン酸ナトリウム等のアニオン界面活性剤;アルキルアミノカルボン酸塩、アルキルアミノジカルボン酸塩等の両性界面活性剤;ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル等の非イオン界面活性剤を添加することができる。これら活性剤の添加量は(共)重合体に対して0.1〜100質量%添加することができる。
また、画像部との密着性を良化させるため、例えば、特開昭49−70702号公報には、主にポリビニルアルコールからなる親水性ポリマー中に、アクリル系エマルション、水不溶性ビニルピロリドン−ビニルアセテート共重合体等を20〜60質量%混合させ、画像記録層上に積層することにより、十分な接着性が得られることが記載されている。本発明においては、これらの公知の技術をいずれも用いることができる。
更に、保護層には、他の機能を付与することもできる。例えば、露光に用いられる赤外線の透過性に優れ、かつ、それ以外の波長の光を効率よく吸収しうる、着色剤(例えば、水溶性染料)の添加により、感度低下を引き起こすことなく、セーフライト適性を向上させることができる。
次に、保護層に用いる層状化合物の一般的な分散方法の例について述べる。まず、水100質量部に先に層状化合物の好ましいものとして挙げた膨潤性の層状化合物を5〜10質量部添加し、充分水になじませ、膨潤させた後、分散機にかけて分散する。ここで用いる分散機としては、機械的に直接力を加えて分散する各種ミル、大きな剪断力を有する高速攪拌型分散機、高強度の超音波エネルギーを与える分散機等が挙げられる。具体的には、ボールミル、サンドグラインダーミル、ビスコミル、コロイドミル、ホモジナイザー、ティゾルバー、ポリトロン、ホモミキサー、ホモブレンダー、ケディミル、ジェットアジター、毛細管式乳化装置、液体サイレン、電磁歪式超音波発生機、ポールマン笛を有する乳化装置等が挙げられる。上記の方法で分散した無機質層状化合物の5〜10質量%の分散物は高粘度あるいはゲル状であり、保存安定性は極めて良好である。この分散物を用いて保護層塗布液を調製する際には、水で希釈し、充分攪拌した後、バインダー溶液と配合して調製するのが好ましい。
この保護層塗布液には、塗布性を向上させためのアニオン界面活性剤、ノニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、フッ素系界面活性剤や皮膜の物性改良のため水溶性可塑剤などの公知の添加剤を加えることができる。水溶性の可塑剤としては、例えば、プロピオンアミド、シクロヘキサンジオール、グリセリン、ソルビトール等が挙げられる。また、水溶性の(メタ)アクリル系ポリマーを加えることもできる。さらに、この塗布液には、画像記録層との密着性、塗布液の経時安定性などを向上するための公知の添加剤を加えてもよい。
このように調製された保護層塗布液を、支持体上に備えられた画像記録層の上に塗布し、乾燥することで保護層を形成する。塗布溶剤はバインダーとの関連において適宜選択することができるが、水溶性ポリマーを用いる場合には、蒸留水、精製水を用いることが好ましい。保護層の塗布方法は、特に制限されるものではなく、米国特許第3,458,311号明細書または特公昭55−49729号公報に記載されている方法など公知の方法を適用することができる。具体的には、例えば、保護層は、ブレード塗布法、エアナイフ塗布法、グラビア塗布法、ロールコーティング塗布法、スプレー塗布法、ディップ塗布法、バー塗布法等が挙げられる。
保護層の塗布量としては、乾燥後の塗布量で、0.01〜10g/mの範囲であることが好ましく、0.02〜3g/mの範囲がより好ましく、最も好ましくは0.02〜1g/mの範囲である。
〔平版印刷版の製版方法及び平版印刷方法〕
前記本発明の平版印刷版原版を露光して平版印刷版を製版し、印刷する方法について説明する。
本発明の平版印刷版原版にレーザーで画像様に露光することで画像形成するが、このとき、露光領域にカチオンラジカル分子が発生し、画像記録層の色彩及び/又は明度に変化が生じる。この工程を行うことで露光領域、即ち、画像形成領域を目視で確認できるため、本発明の平版印刷版原版は視認性に優れるものとなる。
本発明の平版印刷版原版を露光する光源としては、公知のものを制限なく用いることができる。望ましい光源の波長は300nmから1200nmであり、具体的には各種レーザーを光源として用いることが好適であり、中でも、波長760nm〜1200nmの赤外線を放射する半導体レーザーが好適に用いられる。
露光機構は、内面ドラム方式、外面ドラム方式、フラットベッド方式等の何れでもよい。
また、本発明の平版印刷版原版に対するその他の露光光線としては、超高圧、高圧、中圧、低圧の各水銀灯、ケミカルランプ、カーボンアーク灯、キセノン灯、メタルハライド灯、可視および紫外の各種レーザーランプ、蛍光灯、タングステン灯、太陽光等も使用できる。
本発明の平版印刷方法においては、上述したように、本発明の平版印刷版原版を赤外線レーザーで画像様に露光した後、なんらの湿式現像処理工程を経ることなく油性インキと水性成分とを供給して印刷する。
具体的には、平版印刷版原版を赤外線レーザーで露光した後、現像処理工程を経ることなく印刷機に装着して印刷する方法、平版印刷版原版を印刷機に装着した後、印刷機上において赤外線レーザーで露光し、現像処理工程を経ることなく印刷する方法等が挙げられる。
平版印刷版原版をレーザーで画像様に露光した後、湿式現像処理工程等の現像処理工程を経ることなく水性成分と油性インキとを供給して印刷すると、画像記録層の露光部においては、露光により硬化した画像記録層が、親油性表面を有する油性インキ受容部を形成する。一方、未露光部においては、供給された水性成分および/または油性インキによって、未硬化の画像記録層が溶解しまたは分散して除去され、その部分に親水性の表面が露出する。
その結果、水性成分は露出した親水性の表面に付着し、油性インキは露光領域の画像記録層に着肉し、印刷が開始される。ここで、最初に版面に供給されるのは、水性成分でもよく、油性インキでもよいが、水性成分が未露光部の画像記録層により汚染されることを防止する点で、最初に油性インキを供給するのが好ましい。水性成分および油性インキとしては、通常の平版印刷用の湿し水と印刷インキが用いられる。
このようにして、平版印刷版原版はオフセット印刷機上で機上現像され、そのまま多数枚の印刷に用いられる。
以下、実施例により本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
〔実施例1〕
<アルミニウム支持体の作製>
厚み0.3mmのアルミニウム板(材質1050)の表面の圧延油を除去するため、10質量%アルミン酸ソーダ水溶液を用いて50℃で30秒間、脱脂処理を施した後、毛径0.3mmの束植ナイロンブラシ3本とメジアン径25μmのパミス−水懸濁液(比重1.1g/cm)を用いアルミ表面を砂目立てして、水でよく洗浄した。この板を45℃の25質量%水酸化ナトリウム水溶液に9秒間浸漬してエッチングを行い、水洗後、さらに60℃で20質量%硝酸に20秒間浸漬し、水洗した。この時の砂目立て表面のエッチング量は約3g/mであった。
次に、60Hzの交流電圧を用いて連続的に電気化学的な粗面化処理を行った。このときの電解液は、硝酸1質量%水溶液(アルミニウムイオンを0.5質量%含む)、液温50℃であった。交流電源波形は、電流値がゼロからピークに達するまでの時間TPが0.8msec、duty比1:1、台形の矩形波交流を用いて、カーボン電極を対極として電気化学的な粗面化処理を行った。補助アノードにはフェライトを用いた。電流密度は電流のピーク値で30A/dm、補助陽極には電源から流れる電流の5%を分流させた。硝酸電解における電気量はアルミニウム板が陽極時の電気量175C/dmであった。
その後、スプレーによる水洗を行った。
次に、塩酸0.5質量%水溶液(アルミニウムイオンを0.5質量%含む)、液温50℃の電解液にて、アルミニウム板が陽極時の電気量50C/dmの条件で、硝酸電解と同様の方法で、電気化学的な粗面化処理を行い、その後、スプレーによる水洗を行った。この板を15質量%硫酸(アルミニウムイオンを0.5質量%含む)を電解液として電流密度15A/dmで2.5g/mの直流陽極酸化皮膜を設けた後、水洗、乾燥し、さらに、珪酸ナトリウム2.5質量%水溶液にて30℃で10秒処理した。この支持体の中心線平均粗さ(Ra)を直径2μmの針を用いて測定したところ、0.51μmであった。
更に、下記下塗り液(1)を乾燥塗布量が10mg/mになるよう塗布し、以下の実験に用いる支持体を作製した。
−下塗り液(1)−
・下塗り化合物(1)(重量平均分子量:60,000) 0.017g
・メタノール 9.00g
・水 1.00g
Figure 2007291348
<画像記録層の形成>
[特定構造を有する化合物(A−1)の合成]
エチルトシレート10.13gと2,3,3,5−テトラメチル−3H−インドール8.7gを120℃で2時間攪拌し、室温まで放冷後、2,5−ビス[(フェニルアミノ)メチレン]シクロペンチリデンジフェニルアミニウムテトラフルオロボレート13.2g、無水酢酸5.06g、トリエチルアミン12.6g、2−プロパノール500mlを加え、80℃でさらに3時間攪拌する。室温まで放冷後、析出した結晶をろ過し、十分に水で洗浄し、シアニン色素(IR−1)14.9gを得た(収率80%)。得られたシアニン色素(IR−1)10.0gをクロロホルム100mlに溶解し、二酸化マンガン6.0gを加え、室温下で48時間攪拌した。二酸化マンガンをろ過後、クロロホルムを留去させて得られた租結晶を、酢酸エチル50mlでリスラリーを行ない、A−1 9.5gを得た(収率95%)。合成スキームを以下に示す。
Figure 2007291348
H−NMR(溶媒DMSO)、19F−NMR(溶媒DMSO)により同定を行った。
H−NMR(400MHz,DMSO−d6)δ7.75(d,J=14.8Hz,2H),7.76−7.19(m,14H),7.17(s,2H),7.06(t,J=7.0Hz,2H),6.56(d,J=14.4Hz,2H),4.22(q,J=7.2Hz,4H),2.33(s,6H),1.26(t,J=7.2Hz,6H),1.17(s,12H).
19F−NMR(100MHz,DMSO−d6):δ148.23(s)
前記支持体上に、下記組成の画像記録層塗布液(1)をバー塗布した後、100℃、60秒でオーブン乾燥し、乾燥塗布量1.0g/mの画像記録層を形成した。引き続き、下記組成の保護層塗布を前記画像記録層上にバー塗布し、120℃、60秒でオーブン乾燥し、乾燥塗布量0.15g/mの保護層を形成することで平版印刷版原版を得た。
画像記録層塗布液(1)は下記感光液(1)およびミクロゲル液(1)を塗布直前に混合し攪拌することにより得た。
−感光液(1)−
・バインダーポリマー(1)(下記構造) 0.162g
・重合開始剤(1)(下記構造) 0.100g
・赤外線吸収剤(1)(下記構造) 0.020g
・化合物(A−1)(前記合成により得られた特定化合物) 0.020g
・重合性モノマー 0.385g
〔アロニックスM−215(東亜合成(株)製)〕
・フッ素系界面活性剤(1)(下記構造) 0.044g
・メチルエチルケトン 1.091g
・プロピレングリコールモノメチルエーテル 8.609g
Figure 2007291348
−ミクロゲル液(1)−
・下記の通り合成したミクロゲル(1) 2.640g
・水 2.425g
(ミクロゲル(1)の合成)
油相成分として、トリメチロールプロパンとキシレンジイソシアナート付加体(三井武田ケミカル(株)製、タケネートD−110N)10g、ペンタエリスリトールトリアクリレート(日本化薬(株)製、SR444)3.15gおよびパイオニンA−41C(竹本油脂(株)製)0.1gを酢酸エチル17gに溶解した。水相成分としてPVA−205の4質量%水溶液40gを調製した。油相成分および水相成分を混合し、ホモジナイザーを用いて12,000rpmで10分間乳化した。得られた乳化物を、蒸留水25gに添加し、室温で30分攪拌後、50℃で3時間攪拌した。このようにして得られたミクロゲル液の固形分濃度を、15質量%になるように蒸留水を用いて希釈した。平均粒径は0.2μmであった。
−保護層塗布液−
・下記無機粒子分散液(1) 1.5g
・ポリビニルアルコールPVA105 0.06g
((株)クラレ製、ケン化度98.5モル%、重合度500)
・ポリビニルピロリドンK30 0.01g
(東京化成工業(株)製、分子量Mw=4万)
・ビニルピロリドンと酢酸ビニルの共重合体LUVITEC VA64W
(ISP社製、共重合比=6/4) 0.01g
・ノニオン系界面活性剤エマレックス710 0.01g
(日本エマルジョン(株)製)
・イオン交換水 6.0g
〔無機粒子分散液(1)の調製〕
イオン交換水193.6gに合成雲母ソマシフME−100(コープケミカル(株)製)6.4gを添加し、ホモジナイザーを用いて平均粒径(レーザー散乱法)が3μmになるまで分散した。得られた分散無機粒子のアスペクト比は100以上であった。
〔実施例2〕
実施例1で用いた重合開始剤(1)を下記重合開始剤(2)に変更する以外は実施例1と同様の方法で平版印刷版原版を作製した。
Figure 2007291348
〔実施例3〕
実施例1で用いた例示化合物(A‐1)を下記方法で合成した化合物(A−4)に、重合開始剤(1)を下記重合開始剤(3)に変更する以外は実施例1と同様の方法で平版印刷版原版を作製した。
Figure 2007291348
[特定構造を有する化合物(A−4)の合成]
3−メトキシプロパノール37.9g、p−トルエンスルホニルクロリド53.9gを、ピリジン50.2g中、反応温度を0〜10℃に保持しながら3時間攪拌した後、酢酸エチルで抽出し、3−メトキシプロピルトシレート91.2gを得た(収率89%)。得られた3−メトキシプロピルトシレート55gと2,3,3,5−テトラメチル−3H−インドール39.0gを120℃で3時間攪拌し、室温まで放冷後、2,5−ビス[(フェニルアミノ)メチレン]シクロペンチリデンジフェニルアミニウムテトラフルオロボレート47.7g、無水酢酸23.0g、トリエチルアミン56.9g、2−プロパノール220mlを加え、80℃でさらに3時間攪拌する。反応終了後、室温まで放冷し、水90mlを加える。析出した結晶をろ過し、十分に水で洗浄し、シアニン色素(IR−2)60.1gを得た(収率80%)。得られた(IR−2)15.0gをアセトニトリル90mlに溶解し、KPF6.6g、水90gの水溶液に、室温下で15分かけて滴下し、滴下終了後2時間攪拌した。その後、析出した結晶をろ過、乾燥することで、シアニン色素(IR−3)15.2gを得た(収率95%)。その後、得られたシアニン色素(IR−3)5.0gをクロロホルム50mlに溶解し、二酸化マンガン3.0gを加え、室温下で48時間攪拌した。二酸化マンガンをろ過後、クロロホルムを留去させて得られた租結晶を、酢酸エチル20mlでリスラリーを行ない、化合物(A−4) 4.5gを得た(収率90%)。
H−NMR(溶媒DMSO)、19F−NMR(溶媒DMSO)により同定を行った。
H−NMR(400MHz,DMSO−d6)δ7.75(d,J=14.8Hz,2H),7.40−7.17(m,14H),7.01(t,J=7.0Hz,2H),6.98(s,2H),6.56(d,J=14.8Hz,2H),4.22(m,4H),3.35(m,4H),3.17(s,6H),2.33(s,6H),1.93(m,4H),1.17(s,12H).
19F−NMR(100MHz,DMSO−d6):δ69.19(s,3F),71.08(s,3F).
〔実施例4〕
実施例1で用いた化合物(A−1)を下記方法で合成した化合物(A−13)に変更する以外は実施例1と同様の方法で平版印刷版原版を作製した。
[特定構造を有する化合物(A−13)の合成]
上記化合物(A−1)の合成法の2,5−ビス[(フェニルアミノ)メチレン]シクロペンチリデンジフェニルアミニウムテトラフルオロボレートを(2−クロロ−3−フェニルアミノメチレン−シクロペント−1−エニルメチレン)フェニルアンモニウム テトラフルオロボレートに変更するだけで、同mol、同反応条件にて、化合物(A−13)を合成した。(トータル収率71%)
H−NMR(溶媒DMSO)、19F−NMR(溶媒DMSO)により同定を行った。
H−NMR(400MHz,DMSO−d6)δ8.03(d,J=14.8Hz,2H),7.54(s,2H),7.48(d,J=7.0Hz,2H),7.31(d,J=7.0Hz,2H),7.16(s,2H),6.91(d,J=14.0Hz,2H),4.38(q,J=7.2Hz,4H),2.41(s,6H),1.70(s,12H),1.34(t,J=7.2Hz,6H).
19F−NMR(100MHz,DMSO−d6):δ148.20(s)
Figure 2007291348
〔実施例5〕
実施例1で用いた化合物(A−1)を例示化合物(A−46)に変更する以外は実施例1と同様の方法で平版印刷版原版を作製した。
〔実施例6〕
実施例1の画像記録層塗布液(1)を下記画像記録層塗布液(2)に変更する以外同様の手法で、平版印刷版原版を作製した。
画像記録層塗布液(2)は下記感光液(2)およびミクロゲル液(1)を塗布直前に混合し攪拌することにより得た。
−感光液(2)−
・バインダーポリマー(1) 0.162g
・重合開始剤(1) 0.100g
・赤外線吸収剤(2)(下記構造) 0.020g
・重合性モノマー 0.385g
〔アロニックスM−215(東亜合成(株)製)〕
・フッ素系界面活性剤(1) 0.044g
・メチルエチルケトン 1.091g
・プロピレングリコールモノメチルエーテル 8.609g
Figure 2007291348
〔実施例7〕
実施例6の重合開始剤(1)を前記重合開始剤(2)に変更する以外は実施例6と同様の方法で平版印刷版原版を作製した。
〔実施例8〕
実施例6の赤外線吸収剤(2)を下記赤外線吸収剤(3)に、重合開始剤(1)を前記重合開始剤(3)に変更する以外は実施例6と同様の方法で平版印刷版原版を作製した。
Figure 2007291348
〔実施例9〕
実施例6の赤外線吸収剤(2)を下記赤外線吸収剤(4)に変更する以外は実施例6と同様の方法で平版印刷版原版を作製した。
Figure 2007291348

〔実施例10〕
実施例6の赤外線吸収剤(2)を下記赤外線吸収剤(5)に変更する以外は実施例6と同様の方法で平版印刷版原版を作製した。
Figure 2007291348
[比較例1]
実施例1の画像記録層塗布液(1)を下記画像記録層塗布液(3)に変更する以外同様の手法で、平版印刷版原版を作製した。
画像記録層塗布液(3)は下記感光液(3)およびミクロゲル液(1)を塗布直前に混合し攪拌することにより得た。
−感光液(3)−
・バインダーポリマー(1) 0.162g
・重合開始剤(1) 0.100g
・赤外線吸収剤(1) 0.020g
・重合性モノマー、アロニックスM−215(東亜合成(株)製)
0.385g
・フッ素系界面活性剤(1) 0.044g
・メチルエチルケトン 1.091g
・プロピレングリコールモノメチルエーテル 8.609g
−ミクロゲル液(1)−
・ミクロゲル(1) 2.640g
・水 2.425g
〔比較例2〕
実施例6の赤外線吸収剤(1)を下記赤外線吸収剤(6)に変更する以外は実施例6と同様の方法で平版印刷版原版を作製した。
Figure 2007291348
[露光および印刷]
得られた平版印刷版原版を水冷式40W赤外線半導体レーザー搭載のCreo社製Trendsetter3244VXにて、出力11.7W、外面ドラム回転数250rpm、解像度2400dpiの条件で露光した。得られた露光済み原版をそのまま暗所、25℃、相対湿度50%の雰囲気下で30分間静置した後に下記条件で検版性を評価した。
(検版性)
検版のし易さは、L表色系のL値(明度)を用い、露光部のL値と未露光部のL値の差ΔLで表記した。ΔLの値が大きい程、検版性が優れることを意味している。測定は、KONICA−MINOLTA製分光測色計CM2600dとオペレーションソフトCM−S100Wを用い、SCE(正反射光除去)方式で行った。SCE方式では、正反射光を除去し、拡散光だけを測定しているので、目視に近い色の評価となり、実際の人による検版の結果とよく一致する。
(機上現像性)
さらに、この得られた露光済み原版を現像処理することなく、ハイデルベルグ社製印刷機SOR−Mのシリンダーに取り付け、湿し水(EU−3(富士写真フイルム(株)製エッチ液)/水/イソプロピルアルコール=1/89/10(容量比))とTRANS−G(N)墨インキ(大日本インキ化学工業社製)とを用い、湿し水とインクを供給した後、毎時6,000枚の印刷速度で印刷を行った。この時、画像記録層の未露光部(非画像部)に、インキが転写しない状態になるまでに要した印刷用紙の枚数(機上現像性)を評価した。枚数が少ないほど、機上現像性に優れると評価する。
(耐刷性)
さらに印刷を続け、印刷枚数を増やしていくと徐々に画像記録層が磨耗しインキ受容性が低下するため、印刷用紙におけるインキ濃度が低下した。インキ濃度(反射濃度)が印刷開始時よりも0.1低下したときの印刷枚数により、耐刷性を評価した。これらの結果を表1に示す。
Figure 2007291348
表1から明らかなように、本発明の平版印刷版原版は、露光部と未露光部のコントラストは良好であり、細線や文字が認識できた。また、いずれの平版印刷版原版も、機上現像性に優れ、印刷版としても実用上十分な耐刷性を示した。
また、実施例6〜10において、それぞれレーザー露光により、A−1、A−1、A−4、A−13、A−46が平版印刷版中で形成していることを、画像記録層のMeOH抽出成分のHPLC測定を行うことで確認した。
以下は、本発明の第2の態様に係る実施例である。
(2)画像記録層の形成
(実施例11〜26)
上記実施例1で用いたのと同様の、下塗り層を形成した支持体上に、下記組成の画像記録層塗布液をバー塗布した後、100℃で60秒間オーブン乾燥し、乾燥塗布量1.2g/mの画像記録層を形成して平版印刷版用原版(11)〜(26)を得た。
画像記録層塗布液は下記感光液(11)〜(26)およびマイクロカプセル液(1)を塗布直前に混合し、攪拌することにより得た。
−感光液(11)〜(26)−
バインダーポリマー(1) 0.177g
カチオンラジカル分子前駆体(赤外線吸収剤:表2に記載の化合物) Xg
電子受容性化合物(ラジカル発生剤:表2に記載の化合物) Yg
重合性モノマー(アロニックスM−215(東亜合成(株)製) 0.319g
ホスホニウム化合物(1) 0.035g
フッ素系界面活性剤(1) 0.004g
アニオン系界面活性剤 0.125g
(パイオニンA−24−EA(竹本油脂(株)製、40質量%水溶液)
メチルエチルケトン 2.554g
1−メトキシ−2−プロパノール 7.023g
ミクロゲル液(1)
下記の通り合成したミクロゲル分散液(A) 1.800g
水 1.678g
この感光液に使用した電子受容性化合物、その他の化合物の構造を以下に示す。
Figure 2007291348
Figure 2007291348
Figure 2007291348
−ミクロゲル分散液(A)の合成−
油相成分として、トリメチロールプロパンとキシレンジイソシアナート付加体(三井武田ケミカル(株)製、タケネートD−110N、75質量%酢酸エチル溶液)10.0g、重合性モノマーとしてアロニックスM−215(東亜合成(株)製)6.00g、パイオニンA−41C(竹本油脂(株)製)0.12gを酢酸エチル16.67gに溶解した。水相成分としてPVA−205の4質量%水溶液37.5gを調製した。油相成分および水相成分を混合し、ホモジナイザーを用いて12,000rpmで10分間乳化した。得られた乳化物を、蒸留水25gに添加し、室温で30分攪拌後、40℃で2時間攪拌した。このようにして得られたマイクロカプセル液の固形分濃度を、21質量%になるように蒸留水を用いて希釈し、ミクロゲル分散液(A)を得た。平均粒径は0.23μmであった。
2.露光、印刷及び評価
得られた平版印刷版原版(11)〜(26)を水冷式40W赤外線半導体レーザー搭載のCreo社製Trendsetter3244VXにて、出力11.7W、外面ドラム回転数250rpm、解像度2400dpiの条件で露光した。
露光後の平版印刷版(11)〜(26)を、実施例1と同様にして検版性、機上現像性、耐刷性について評価した。結果を下記表2に示す。
Figure 2007291348
表2の結果より、本発明の画像記録材料を適用した平版印刷版原版は、レーザー露光により露光部と未露光部のコントラストは良好であり、優れた視認性を付与することが確認された。また、いずれの平版印刷版原版も、機上現像性に優れ、印刷版としても実用上十分な耐刷性を示した。また、レーザー露光後とレーザー露光前の画像記録層の反射測定の比較から、いずれの平版印刷版原版も、カチオンラジカル分子が画像記録層中に発生していることが確認した。

Claims (15)

  1. 下記一般式(1−1)で示される部分構造を含むポリメチン鎖構造を分子内に有する化合物。
    Figure 2007291348

    一般式(1−1)中、R、R、R、R、及び、Xはそれぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、ヒロドキシ基、アミノ基、ニトロ基、メルカプト基、スルホン酸基、リン酸基、又は、1価の有機基を表す。
  2. 前記一般式(1−1)で示される部分構造が、下記一般式(1−2)で示される部分構造であり、該部分構造を含むポリメチン鎖で複数の複素環を結合した構造を有する請求項1記載の化合物。
    Figure 2007291348

    一般式(1−2)中、R、Rは、それぞれ独立に、水素原子、又は、炭化水素基を表す。R、Rは、それぞれ独立に、水素原子、炭化水素基、ハロゲン原子、アルコキシ基、アリールオキシ基、アミノ基、カルボニル基、又は、シリル基を表し、RとRとが互いに結合し環を形成していてもよい。
    Xは、水素原子、ハロゲン原子、−N(Aryl)、−X−L、鎖状又は環状炭化水素基、ヘテロ環基、又は、下記一般式(2)で表される基を表す。ここで、Arylはアリール基を表し、Xは酸素原子、窒素原子、又は硫黄原子を示し、Lは、炭化水素基、ヘテロ原子を有する芳香族環、又は、ヘテロ原子を含む炭化水素基を示す。なお、ここでヘテロ原子とは、N、S、O、ハロゲン原子、Seから選択される原子を示す。
    Figure 2007291348

    は電荷の中和が必要な場合に存在するカウンターイオンを表す、Rは、水素原子、アルキル基、アリール基、アミノ基、ハロゲン原子より選択される置換基を表す。
  3. 下記一般式(3)または、一般式(4)で表されることを特徴とする請求項1記載の化合物。
    Figure 2007291348


    一般式(3)及び一般式(4)中、R、R、R、R、R、R10は、それぞれ独立に、水素原子または炭化水素基を表す。R、Rは、それぞれ独立に、水素原子、炭化水素基、ハロゲン原子、アルコキシ基、アリールオキシ基、アミノ基、カルボニル基、又は、シリル基を表し、RとRとが互いに結合し環を形成していてもよい。
    Xは、水素原子、ハロゲン原子、−N(Aryl)、−X−L、鎖状又は環状炭化水素基、ヘテロ環基又は下記一般式(2)で表される基を表す。ここで、Arylはアリール基を表し、Xは酸素原子、窒素原子、又は硫黄原子を示し、Lは、炭化水素基、ヘテロ原子を有する芳香族環、又は、ヘテロ原子を含む炭化水素基を示す。なお、ここでヘテロ原子とは、N、S、O、ハロゲン原子、Seから選択される原子を示す。
    Figure 2007291348

    は電荷の中和が必要な場合に存在するカウンターイオンを表す、Rは、水素原子、アルキル基、アリール基、アミノ基、ハロゲン原子より選択される置換基を表す。
    、Yは、それぞれ同じでも異なっていてもよく、−N(R11)−、S、又はジアルキルメチレン基を表す。R11は、水素原子又は置換基を有してもよい炭化水素基を表す。R、Rは、それぞれ独立に炭化水素基を表す。
    及びZはそれぞれ独立に置換基を有していてもよい芳香環あるいは複素芳香環を表す。
    は、電荷の中和が必要な場合に存在するカウンターイオンを表す。m、n、o、pは0以上の整数を表す。
  4. 請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の化合物を含有する画像形成材料。
  5. 基板上に、請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の化合物の前駆体、及び、酸化剤を含有する画像記録層を備える画像形成材料。
  6. 基板上に、カチオンラジカル分子の前駆体、及び、電子受容性化合物を含有する画像記録層を備えた画像形成材料。
  7. 前記カチオンラジカル分子の前駆体が、2つのヘテロ環をポリメチン鎖で結合した構造を有する化合物であることを特徴とする請求項6に記載の画像形成材料。
  8. 前記カチオンラジカル分子が下記一般式(1)で表される化合物であることを特徴とする請求項6に記載の画像形成材料。
    Figure 2007291348

    一般式(1)中、Xは、水素原子、ハロゲン原子、−N(Aryl)、−X−L、置換基を有してもよい炭化水素基、置換基を有してもよい炭化水素環、置換基を有してもよいヘテロ環、又は、下記一般式(2)で表される基を表す。ここで、Arylは置換基を有してよいアリール基を表し、Xは酸素原子、窒素原子、又は硫黄原子を示し、Lは、炭化水素基、ヘテロ原子を有する芳香族環、ヘテロ原子を含む炭化水素基を示す。なお、ここでヘテロ原子とは、N、S、O、ハロゲン原子、Seを示す。
    Figure 2007291348

    ここで、X は電荷の中和が必要な場合に存在するカウンターイオンを表す、Rは、水素原子、アルキル基、アリール基、置換又は無置換のアミノ基、ハロゲン原子より選択される置換基を表す。
    およびRは、それぞれ独立に、置換基を有してもよい炭化水素基を表す。RとRとは互いに結合し、環を形成していてもよい。Ar、Arは、それぞれ独立に、置換基を有していてもよい芳香族炭化水素基を表す。Y、Yは、それぞれ独立に、硫黄原子または炭素原子数12個以下のジアルキルメチレン基を表す。R、Rは、それぞれ独立に置換基を有していてもよい炭化水素基を表す。R、R、RおよびRは、それぞれ独立に水素原子または炭素原子数12個以下の炭化水素基を表す。Z は、ハロゲンイオン、過塩素酸イオン、テトラフルオロボレートイオン、ヘキサフルオロホスフェートイオン、又は、スルホン酸イオンを表す。ただし、一般式(1)で示される化合物が、その構造内にアニオン性の置換基を有し、電荷の中和が必要ない場合にはZ は必要ない。
  9. 請求項6乃至請求項8のいずれか1項に記載の画像記録層が、さらに、ラジカル重合開始剤、重合性化合物、バインダー、及び、マイクロカプセルまたはミクロゲルを含有する請求項6乃至請求項8のいずれか1項に記載の画像形成材料。
  10. レーザー露光により、露光領域の色相及び/または明度が変化する請求項4乃至請求項9のいずれか1項に記載の画像形成材料。
  11. 請求項4乃至請求項10のいずれか1項に記載の画像形成材料をレーザー露光し、露光領域に色相及び/又は明度に変化を与える画像形成方法。
  12. 請求項4乃至請求項10のいずれか1項に記載の画像形成材料からなる平版印刷版原版。
  13. 請求項12に記載の平版印刷版原版を、レーザーで画像様に露光した後、印刷インキと湿し水とを供給して印刷する工程において、画像記録層のレーザー未露光部分が除去される平版印刷版原版。
  14. 請求項12に記載の平版印刷版原版をレーザーで画像様に露光し、露光領域で前記請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の化合物が形成される工程を含む平版印刷版原版の製版方法。
  15. 請求項12に記載の平版印刷版原版を、レーザーで画像様に露光した後、印刷インキと湿し水とを供給して、画像記録層のレーザー未露光部分を除去して印刷する工程を含む平版印刷方法。
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