JP2007291001A - 新規抗癌剤 - Google Patents

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Abstract

【課題】製造が安価で容易かつ安全なDNAポリメラーゼ阻害組成物および抗癌剤を提供することが本発明の課題である。
【解決手段】本発明者らは、グァバ葉およびアガリクス茸の抽出物中にDNAポリメラーゼ活性を阻害する物質が含まれていることを見出した。さらに、本発明者らは、これら抽出物が高い抗癌作用を有し、さらに、グァバ葉抽出物とアガリクス茸抽出物が、DNAポリメラーゼの阻害活性と抗癌作用において相乗的効果を示すことを見出し、本発明を完成した。本発明によってグァバ葉および/またはアガリクス茸の抽出物を含有する薬学的組成物および食品用組成物が提供される。
【選択図】 なし

Description

本発明は、抗癌剤および抗エイズ薬の分野に関する。さらに、本発明は、DNAポリメラーゼ阻害剤の分野に関する。
従来より、DNAポリメラーゼが細胞の増殖、分裂および分化などに関与していることが知られている。また、DNAポリメラーゼ阻害剤は癌細胞の増殖抑制作用を有し、エイズの場合にはHIV由来逆転写酵素に対する阻害作用を有し、免疫抑制作用の場合には抗原に対する特異的抗体産生を抑制する作用を有すると考えられる。したがって、DNAポリメラーゼ阻害剤は、癌、エイズおよび免疫疾患の予防効果のある医薬品および食品として期待されている。
DNAポリメラーゼ阻害剤としては、現在ジデオキシTTP(ddTTP)、N・メチルマイレミド、ブチルフェニル・dGTPなどが知られている(非特許文献1)。
Wang TS.、"Eukaryotic DNA polymerases"、Annual Review of Biochemistry、米国、Annual Reviews、1991年、第60巻、513−552
上記DNAポリメラーゼ阻害剤などとしては、ジデオキシTTP(ddTTP)、N・メチルマイレミド、ブチルフェニル・dGTPなどが用いられているが、製造が容易でないことが問題とされている。さらに、抗癌剤は、一般的に強い副作用を有することが問題となってる。
本発明者らは、上記のような点を鑑み、製造が安価で容易かつ安全なDNAポリメラーゼ阻害組成物、抗癌剤および抗エイズ薬を提供することを本発明の課題とした。
本発明者らは、グァバ葉およびアガリクス茸の抽出物中にDNAポリメラーゼ活性を阻害する物質が含まれていることを見出した。さらに、本発明者らは、これら抽出物が高い抗癌作用および抗エイズ作用を有し、さらに、グァバ葉抽出物とアガリクス茸抽出物が、相乗的効果を示すことを見出し、本発明を完成した。
従って、本発明は、以下を提供する:
(項目1) グァバ葉抽出物を含有する、癌を処置および/または予防するための薬学的組成物であって、
該グァバ葉抽出物は、ポリフェノールを含有し、そして、以下:
DNAポリメラーゼα、DNAポリメラーゼγ、DNAポリメラーゼε、DNAポリメラーゼλ、および、HIV逆転写酵素からなる群から選択される酵素に対する阻害活性を有する、薬学的組成物。
(項目2) 前記グァバ葉抽出物が、DNAポリメラーゼα阻害活性を有する、項目1に記載の薬学的組成物。
(項目3) 前記グァバ葉抽出物が、DNAポリメラーゼλ阻害活性を有する、項目1に記載の薬学的組成物。
(項目4) さらに、アガリクス茸抽出物を含有する、項目1に記載の薬学的組成物。
(項目5) グァバ葉抽出物を含有する、癌を処置および/または予防するための食品用組成物であって、
該グァバ葉抽出物は、ポリフェノールを含有し、そして、以下:
DNAポリメラーゼα、DNAポリメラーゼγ、DNAポリメラーゼε、DNAポリメラーゼλ、および、HIV逆転写酵素からなる群から選択される酵素に対する阻害活性を有する、食品用組成物。
(項目6) 前記グァバ葉抽出物が、DNAポリメラーゼα阻害活性を有する、項目5に記載の食品用組成物。
(項目7) 前記グァバ葉抽出物が、DNAポリメラーゼλ阻害活性を有する、項目5に記載の食品用組成物。
(項目8) さらに、アガリクス茸抽出物を含有する、項目5に記載の食品用組成物。
(項目9) グァバ葉より抽出されたポリフェノールを含有することを特徴とする、DNAポリメラーゼα阻害組成物。
(項目10) グァバ葉より抽出されたポリフェノールを含有することを特徴とする、DNAポリメラーゼλ阻害組成物。
(項目11) アガリクス茸より抽出された分子量16,000〜130,000の成分を含有することを特徴とする、DNAポリメラーゼα阻害組成物。
(項目12) アガリクス茸より抽出された分子量16,000〜130,000の成分を含有することを特徴とする、DNAポリメラーゼλ阻害組成物。
(項目13) グァバ葉より抽出されたポリフェノールおよびアガリクス茸より抽出された分子量16,000〜130,000の成分を含有することを特徴とする、DNAポリメラーゼα阻害組成物。
(項目14) グァバ葉より抽出されたポリフェノールおよびアガリクス茸より抽出された分子量16,000〜130,000の成分を含有することを特徴とする、DNAポリメラーゼλ阻害組成物。
(項目15) グァバ葉抽出物を含有する、エイズを処置および/または予防するための薬学的組成物であって、
該グァバ葉抽出物は、ポリフェノールを含有し、そして、HIV逆転写酵素に対する阻害活性を有する、薬学的組成物。
(項目16) さらに、アガリクス茸抽出物を含有する、項目15に記載の薬学的組成物。
(項目17) グァバ葉抽出物を含有する、エイズを処置および/または予防するための食品用組成物であって、
該グァバ葉抽出物は、ポリフェノールを含有し、そして、HIV逆転写酵素に対する阻害活性を有する、薬学的組成物。
(項目18) さらに、アガリクス茸抽出物を含有する、項目17に記載の食品用組成物。
グァバ葉より抽出、精製されたポリフェノールはα−アミラーゼ阻害活性や美白剤等の食品素材として利用されていることから、安全性の面で何ら問題ない。このように安全な抽出物をDNAポリメラーゼおよび逆転写酵素阻害組成物および癌細胞増殖抑制組成物および抗エイズ薬として適用することで、安全性が高く、副作用のない継続服用可能な食品用組成物および薬学的組成物を提供できる。
アガリクス茸より抽出、精製された分子量16,000〜130,000の成分は免疫賦活作用などの食品素材として利用されていることから、安全性の面で何ら問題ない。このように安全な抽出物をDNAポリメラーゼ阻害組成物および抗癌剤および抗エイズ薬として適用することで、安全性が高く、副作用のない継続服用可能な薬学的組成物および食品用組成物を提供できる。
さらに、グァバ葉抽出物とアガリクス茸抽出物は、相乗的にDNAポリメラーゼ阻害活性および抗癌作用および抗エイズ作用を示すので、これら抽出物の混合物を用いて、安全かつ非常に有効な抗癌剤および抗エイズ薬を提供することが可能となる。
本発明のDNAポリメラーゼ阻害組成物および抗癌剤・抗エイズ薬の成分は、グァバ葉もしくはアガリクス茸から抽出、精製されるものである。また、前記各抽出物の混合物は同様に、DNAポリメラーゼ阻害組成物および抗癌剤・抗エイズ薬として作用する。グァバ葉やアガリクス茸の由来や産地は特に限定されない。この抽出、精製方法は特に限定されないが、以下の方法が特に望ましい。
(グァバ葉抽出物の調製および精製)
本発明においてグァバ葉抽出物を調製する出発材料としてのグァバは、代表的には、Osidium guajava L.であるが、これに限定されない。グァバ葉の抽出物は、限定されることはないが、例えば、以下の方法によって調製することが可能である:
グァバ(Osidium guajava L.、別名をバンジロウ,バンザクロ等という)葉の乾燥物を裁断し、この乾燥物からクロマトグラフィーによって含水有機溶剤を用いてポリフェノール含有画分を溶出させる。
特に好適な実施形態においては、グァバ葉を原料とし、濃度30〜80重量%の含水有機溶剤を溶出溶媒とし、クロマトグラフィーによってポリフェノール含有画分を溶出させる。
好ましくは、グァバ葉からいったん予備抽出物を得、この予備抽出物を溶媒に溶解し、この溶液を、含水有機溶剤を溶出溶媒とするクロマトグラフィーに供する。
ここで、グァバ葉から抽出物を得る予備抽出工程においては、抽出方法は特に限定されない。例えば抽出溶剤として、水、含水有機溶剤、水溶性有機溶剤を利用できる。このうち含水有機溶剤が、高濃度のポリフェノール含有画分を得るという観点から特に好ましい。
予備抽出工程において、含水有機溶剤あるいは水溶性有機溶剤として利用できる有機溶剤は、特に限定されないが、エタノール、メタノール等のアルコール類、アセトン等のケトン類が好ましく、エタノール、メタノール、アセトンが好ましく、エタノールが最も好ましい。また二種類以上の有機溶剤の混合物であってもよい。
予備抽出工程においては、含水有機溶剤における有機溶剤の重量比率(複数の有機溶剤を使用する場合にはその合計比率)は限定されないが、高濃度のポリフェノール含有画分を得るという観点からは30重量%以上、80重量%以下が好ましく、40重量%以上、60重量%以下とすることが更に好ましい。
予備抽出工程における抽出温度は特に限定されないが、ポリフェノール含有画分における有効成分の濃度を向上させるためには、40℃以上が好ましい。また、温度の上限も特にないが、有効成分の濃度を向上させるという観点からは、例えば130℃以下とすることができ、更に好ましくは100℃以下とする。また、含水有機溶剤によって還流抽出することが最も好ましい。
予備抽出段階における抽出時間は特に限定されないが、ポリフェノールの濃度を向上させるという観点からは、例えば30分以上とすることが好ましい。また、長時間抽出しても有効成分の収量は必ずしも増加しないので、この観点からは、抽出時間を180分以下とすることが好ましい。
好適な実施形態においては、予備抽出工程において得られた予備抽出物を溶媒に溶解し、溶液を得る。この溶液をクロマトグラフィーを用いた本抽出工程に供する。
ここで、予備抽出物の溶解に使用する溶剤は、予備抽出物の溶解が可能であれば特に限定されないが、水、あるいは含水有機溶剤が好ましい。含水有機溶剤に使用可能な有機溶剤は、前述した予備抽出用の有機溶剤を例示できる。
本抽出工程において使用するクロマトグラフィーの種類は特に限定されない。例えば、予備抽出物をクロマトグラフィーの媒質に吸着させた後に、含水有機溶剤を用いてポリフェノール含有画分を溶出させることができる。しかし、好適な実施形態においては、予備抽出物をいったんクロマトグラフィーの媒質に吸着させた後、水を流して未吸着物を洗浄し、次いで含水有機溶剤を媒質に流してポリフェノール含有画分を溶出させる。
クロマトグラフィーの種類としては、いわゆるイオン交換クロマトグラフィー、ゲルろ過、疎水クロマトグラフィー、逆相クロマトグラフィーを例示できるが、疎水クロマトグラフィーが、高濃度のポリフェノール含有画分を得るという点で特に優れている。
こうした疎水クロマトグラフィーを構成する充填剤は特に限定されないが、合成樹脂として、ポリスチレン系合成吸着剤、修飾ポリスチレン系合成吸着剤、メタクリル系合成吸着剤を例示できる。また合成樹脂を修飾する場合には修飾官能基としては臭素基を例示できる。商品名を例示すると、三菱化学株式会社製の「ダイヤイオンHP−20」が特に好ましい。
本方法では、クロマトグラフィーを用いた抽出時に溶出溶媒として含水有機溶剤を使用する。この含水有機溶剤を構成する有機溶剤の種類は特に限定されないが、エタノール、メタノール等のアルコール類、アセトン等のケトン類が好ましく、エタノール、メタノール、アセトンが好ましく、エタノールが最も好ましい。また二種類以上の有機溶剤の混合物であってもよい。
クロマトグラフィーを用いた抽出時には、含水有機溶剤における有機溶剤の重量比率(複数の有機溶剤を使用する場合にはその合計比率)は、30重量%以上、80重量%以下とすることが好ましい。これによって、抗酸化性あるいはα−アミラーゼ阻害活性の高いポリフェノール含有画分が得られる。この観点からは、含水有機溶剤における有機溶剤の重量比率は、40重量%以上とすることが更に好ましく、また、60重量%以下とすることが更に好ましい。
(アガリクス茸抽出物の調製および精製)
本発明においてアガリクス茸抽出物を調製する出発材料としてのアガリクス茸は、代表的には、Agaricus blazei Murillであるが、これに限定されない。アガリクス茸の抽出物は、限定されることはないが、例えば、以下の方法によって調製可能である:
アガリクス茸(Agaricus blazei Murill、アガリクス・ブラゼイともいう)の子実体乾燥物を用いて、水または含水アルコールを処理溶媒として用いる。事前に50℃以下の低温で浸析処理を施してから50℃以下の本抽出を行う。浸析処理および抽出処理の温度は、50℃以下の低温抽出を行う。好ましくは、−20℃〜40℃である。抽出温度が60℃以上の場合は、得られる抽出物量は増加するが、DNAポリメラーゼ阻害活性は逆に著しく低下する。一方、抽出温度が−20℃以下の場合は、低温すぎて得られる抽出物量が少なくなり、量産製造には向かない。
即ち、乾燥アガリクス茸に水または含水アルコールを添加し、50℃以下の低温浸析処理を行い固液分離した後、残渣に再び水または含水アルコール添加して50℃以下の低温抽出を行う。好ましくは、前述のように−20℃〜40℃である。
アルコールの種類としては、エタノール、メタノール、プロパノール等が挙げられるが、特に限定されず、2種類以上の混合物であってもよい。好ましくは、エタノールである。
処理時間としては、事前浸析処理が6時間以内であり、抽出処理が12時間以上である。抽出処理により得られる抽出物は、事前処理により得られる溶出物より、収量が低いが免疫賦活効果は顕著に高い。事前処理を6時間以上した場合、本抽出で得られる抽出物の収量はさらに減少すると共に、活性のもととなる成分が分散されて免疫賦活効果も増強されない。
前述の条件にしたがった抽出処理により得られる組成物は、既に顕著なDNAポリメラーゼ阻害活性を示すが、含水アルコール溶剤下で沈殿させることにより、より活性を高めることができ、阻害組成物は精製される。
抽出処理により得られた組成物を、糖度計を用いて糖度を測定し、ブリックス20%まで濃縮した後、エキスの半量から2倍量のアルコールを添加して、沈殿物を析出させる。アルコールの種類は特に限定されないが、好ましくはエタノールである。
さらに、前述のDNAポリメラーゼ阻害組成物は、陰イオン交換処理によりさらに精製され、極めて高い活性を有する組成物となることを見出した。
陰イオン交換処理としては、クロマトグラフィーおよびバッチ処理など、特に限定されないが、好ましくはクロマトグラフィーである。陰イオン交換クロマトグラフィーを構成する充填剤は、特に限定されないが、商品名を例示すると東ソー株式会社のDEAE−650Mが好ましい。
陰イオン交換樹脂を用いた抽出時の脱着液としては、塩化ナトリウム溶液を用い、その濃度勾配により分画した。即ち、DNAポリメラーゼ阻害組成物を溶解する溶液を水置換された陰イオン交換樹脂に添加してまず非吸着画分を洗い出し、次いで0.5M塩化ナトリウム溶液を脱着液とした脱着画分を回収する。そして、脱着画分中の塩化ナトリウムを透析処理して除去することによって、精製された阻害組成物を得ることができる。
(ポリフェノールの測定)
本明細書において使用する場合、用語「ポリフェノール」とは、芳香族炭化水素の2個以上の水素がヒドロキシル基置換された化合物をいう。2個のヒドロキシル基を有するものを2価フェノール、3個のヒドロキシル基を有するものを3価フェノールという。本発明のポリフェノールとしては、例えば、フォーリン・デニス法によってその含量が解析できる化合物をいうが、これに限定されない。
「フォーリン・デニス法」とは、代表的には、フェノール試薬(例えば、モリブデン酸ナトリウム 25g、タングステン酸殿ナトリウム 100gを85% リン酸50ml、濃塩酸 100ml、水700mlとともに10時間還流下に加温する。次いで、硫酸リチウム 150g、水 50ml、臭素数滴を加えて15分間沸騰させて過剰の臭素を追い出した後、水を加えて、1Lに希釈したもの。)をサンプルに添加して、呈色反応によって、ポリフェノール含量を測定する方法である。この代表的な方法の変法もまた、本発明において使用可能である。
(薬学的組成物および食品用組成物)
本発明の抗癌剤はまた、薬学的に受容可能なキャリア型(例えば、滅菌キャリア)と組み合わせて、処方することができる。本発明に使用する抽出物を配合した抗癌剤を治療剤として使用する場合、個々の固体、投与方法、投与計画および当業者に公知の他の因子を考慮に入れ、医療実施基準(GMP=good medical practice)を遵守する方式で処方および投薬する。従って、本明細書において目的とする「有効量」は、このような考慮を行って決定される。
本発明の治療剤は、経口的、直腸内、非経口的、槽内(intracistemally)、膣内、腹腔内、局所的(粉剤、軟膏、ゲル、点滴剤、または経皮パッチによるなど)、口内あるいは経口または鼻腔スプレーとして投与し得る。「薬学的に受容可能なキャリア」とは非毒性の固体、半固体または液体の充填剤、希釈剤、被包剤または任意の型の処方補助剤をいう。本明細書で用いる「非経口的」とは、静脈内、筋肉内、腹腔内、胸骨内、皮下および間接内の注射および注入を含む投与の様式をいう。
本発明の治療剤はまた、除放性システムにより適切に投与される。除放性治療剤の適切な例は、経口的、直腸内、非経口的、槽内(intractistemally)、膣内、腹腔内、局所的、(粉剤、軟膏、ゲル、点滴剤、または経皮パッチによるなど)、口内あるいは経口または鼻腔スプレーとして投与され得る。「薬学的に受容可能なキャリア」とは、非毒性の固体、半固体、または、液体の充填剤、希釈剤、被包材または任意の型の処方補助剤をいう。本明細書で用いる用語「非経口的」とは、静脈内、筋肉内、腹腔内、胸骨内、皮下および関節内の注射および注入を含む投与の様式をいう。徐放性治療剤の適切な例は、適切なポリマー物質(例えば、成形品(例えば、フィルムまたはマイクロカプセル)の形態の半透過性ポリマーマトリックス)、適切な疎水性物質(例えば許容品質油中のエマルジョンとして)またはイオン交換樹脂、および貧可溶性誘導体(例えば、貧可溶性塩)を包含する。
徐放性マトリックスとしては、ポリラクチド(米国特許第3,773,919号、EP58,481)、L−グルタミン酸およびγ−エチル−L−グルタメートのコポリマー(Sindmanら、Biopolymers 22:547−556(1983))、ポリ(2−ヒドロキシエチルメタクリレート)(Langerら、J.Biomed.Mater.Res.15:167−277(1981)、およびLager、Chem.Tech.12:98−105(1982))、エチレンビニルアセテート(Lagerら、同書)またはポリ−D−(−)−3−ヒドロキシ酪酸(EP133,988)が挙げられる。
徐放性治療剤はまた、リポソームに包含された本発明の治療剤を包含する(一般に、Langer,Science 249:1527−1533(1990);Treatら、Liosomes in the Therapy of InfectiousDisease and Cancer,Lopez−Berestein and Filder(編),Liss,New York,317−327ページ、および、353−365ページ(1989)を参照のこと)。治療剤を含有するリポゾームは、それ自体が公知である方法により調整され得る。:DE3,218,121;Epsteinら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA 82:3688−3692(1985);Hwangら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA 77:4030−4034(1980); EP52,322;EP36,676;EP88,046 ; EP143,949; EP142,641;日本国特許出願第83−118008号;米国特許第4,485,045号および同第4,544,545号ならびにEP第102,324号。通常、リポソームは、小さな(約200〜800Å)ユニラメラ型であり、そこでは、脂質含有量は、約30モル%コレステロールよりも多く、選択された割合が、最適治療剤のために調整される。
他の制御放出系は、Langer(Science 249:1527−1533(1990))による総説において議論される。
非経口投与のために、1つの実施態様において、一般に、治療剤は、それを所望の程度の純度で、薬学的に受容可能なキャリア、すなわち用いる投薬量および濃度でレシピエントに対して毒性がなく、かつ処方物の他の成分と適合するものと、単位投薬量の注射可能な形態(溶液、懸濁液または乳濁液)で混合することにより処方される。例えば、この処方物は、好ましくは、酸化、および、治療剤に対して有害であることが知られている他の化合物を含まない。
一般に、治療剤を液体キャリアまたは微細分割固体キャリアあるいはその両方と均一および緊密に接触させて処方物を調整する。次に、必要であれば、生成物を所望の処方物に成形する。好ましくは、キャリアは、非経口的キャリア、より好ましくはレシピエントの血液と等張である溶液である。このようなキャリアビクトルの例としては、水、生理食塩水、リンゲル溶液、および、デキストロース溶液が挙げられる。不揮発性油およびオレイン酸エチルのような非水性ビヒクルもまた、リポソームと同様に本明細書において有用である。
キャリアは、等張性および化学的安定性を高める物質のような微量の添加剤を適切に含有する。このような物質は、用いる投薬量および濃度でレシピエントに対して毒性がなく、このような物質としては、リン酸塩、クエン酸塩、コハク酸塩、酢酸および他の有機酸、または、その塩類のような緩衝液;アスコルビン酸のような抗酸化剤;低分子量(約10残基より少ない)ポリペプチド(例えば、ポリアルギニンまたはトリペプチド);血清アルブミン、ゼラチン、または、免疫グロブリンのようなタンパク質;ポリビニルピロリドンのような親水性ポリマー;グリシン、グルタミン酸、アスパラギン酸、または、アルギニンのようなアミノ酸;セルロース、または、その誘導体、ブドウ糖、マンノース、または、デキストリンを含む単糖類、二糖類、および他の炭化水素、EDTAのようなキレート剤;マンニトール、または、ソルビトールのような糖アルコール;ナトリウムのような対イオン;および/またはポリソルベート、ポロキサマーもしくはPEGのような非イオン性界面活性剤が挙げられる。
治療剤は、代表的には約0.01mg/ml〜10mg/ml、好ましくは0.1〜5mg/mlの濃度で、約6〜8のpHで、このようなビヒクル中に処方される。前記の特定の賦形剤、キャリアまたは安定化剤を使用することにより、塩が形成されることが理解される。
治療的投与に用いられるべき任意の薬剤は、生物・ウイルスを含まない状態、すなわち、無菌状態であり得る。滅菌ろ過膜(例えば0.2ミクロンメンブレンフィルター)でろ過することにより容易に達成される。一般に、治療剤は、滅菌アクセスポートを有する容器、例えば、皮下用注射器で穿刺可能なストッパー付の静脈内用溶液バッグまたはバイアルに配置される。
治療剤は、通常、単位用量、または、複数用量容器、例えば、密封アンプル、または、バイアルに、水溶液、または、再構成するための凍結乾燥処方物として貯蔵される。凍結乾燥処方物の例として、10mlのバイアルに、滅菌ろ過した1%(W/V)治療剤水溶液5mlを充填し、そして得られる混合物を凍結乾燥する。凍結乾燥した治療剤を、注射用静菌水を用いて再構成して注入溶液を調整する。
本発明はまた、本発明の治療剤の1つ以上の成分を満たした1つ以上の容器を備える薬学的パックまたはキットを提供する。医薬品または生物学的製品の製造、使用または販売を政府機関が定めた形式の通知が、このような容器に付属し得、この通知は、ヒトへの投与に対する製造、使用または販売に関する政府機関の承認を表す。さらに、治療剤を他の治療用化合物と組み合わせて使用し得る。
本発明の治療剤は、単独または他の治療剤と組み合わせて投与され得る。本発明の治療剤と組み合わせて投与され得る治療剤としては、他の抗癌剤、化学療法剤、抗生物質、ステロイドおよび非ステロイドの抗炎症剤、従来の免疫治療剤、他のサイトカイニン、および/または、増殖因子が挙げられるが、これらに限定されない。組み合わせは、例えば、混合物として同時に(同時に、または、並行してだが、別々に)、あるいは経時的のいずかで投与され得る。これは、組み合わされた薬剤が、治療用混合物として共に投与されるという提示、およびまた、組み合わされた薬剤が別々にしかし同時に、例えば、同じ個体に別々の静脈ラインを通じて投与される手順を含む。「組み合わせて」の投与は、一番目、続いて二番目に与えられる化合物、または、薬剤のうち1つの別々の投与をさらに含む。
特定の実施態様において、本発明の治療剤は、抗レトロウイルス薬剤、ヌクレオシド逆転写酵素インヒビター、非ヌクレオシド逆転写酵素インヒビター、および/または、プロテアーゼインヒビターとの組み合わせで投与される。
さらなる実施態様において、本発明の治療剤は、抗生物質と組み合わせて投与される。使用され得る抗生物質としては、アミノグリコシド系抗生物質、ポリエン系抗生物質、ペニシリン系抗生物質、セフェム系抗生物質、ペプチド系抗生物質、マクロライド系抗生物質、テトラサイクリン系抗生物質が挙げられるが、これらに限定されない。
さらなる実施例において、本発明の治療剤は、単独または抗炎症剤と組み合わせて投与される。本発明の治療剤とともに投与され得る抗炎症剤としては、グルココルチコイドおよび非ステロイド抗炎症剤、アミノアリールカルボン酸誘導体、アリール酢酸誘導体、アリールカルボン酸、アリールプロピオン酸誘導体、ピラゾール、ピラゾロン、サリチル酸誘導体、チアジンカルボキサミド、e−アセトアミドカプロン酸、S−アデノシルメチオニン、3−アミノ−4−ヒドロキシ酪酸、アミキセトリン(amixetrine)、ベンダザック、ベンジドアミン、ブコローム、ジフェンピラミド、ジタゾール、エモルファゾリン、グアイアズレン、ナブメトン、ニメスリド、オルゴテイン、オキサセプロール、パラニリン、ペリゾキサル、ピフオキシム、プロキアゾリン、プロキサゾール、および、テニダップが挙げられるが、これらに限定されない。
さらなる実施形態において、本発明の治療剤は、他の治療レジメまたは予防レジメ(例えば、放射線治療)と組み合わせて投与される。
本発明において、グァバ葉抽出物および/またはアガリクス茸抽出物を含有する食品用組成物が提供される。すなわち、前述のようにして得られる抽出物あるいは薬学的組成物または飲食用組成物は、これをそのまま液状、ゲル状あるいは固形状の食品、例えばジュース、清涼飲料、コーヒー、紅茶、日本茶、ウーロン茶、野菜ジュース、天然果汁、乳飲料、牛乳、豆乳、スポーツ飲料、ニアウォーター系飲料、栄養補給飲料、コーヒー飲料、ココア、スープ、ドレッシング、ムース、ゼリー、ヨーグルト、プリン、ふりかけ、育児用粉乳、加工乳、スポーツドリンク、栄養ドリンク、ケーキミックス、パン、ピザ、パイ、クラッカー、ビスケット、ケーキ、クッキー、スパゲティー、マカロニ、パスタ、うどん、そば、ラーメン、キャンデー、ソフトキャンデー、ガム、チョコレート、おかき、ポテトチップス、スナック、アイスクリーム、シャーベット、クリーム、チーズ、粉乳、練乳、乳飲料などの粉末状または液状の乳製品、饅頭、ういろ、もち、おはぎ、醤油、たれ、麺つゆ、ソース、だしの素、シチューの素、スープの素、複合調味料、カレーの素、マヨネーズ、ケチャップ、レトルトカレー、レトルトシチュー、レトルトスープ、レトルトどんぶり、缶詰、ハム、ハンバーグ、ミートボール、コロッケ、餃子、ピラフ、おにぎり、冷凍食品および冷蔵食品、ちくわ、蒲鉾、弁当のご飯、寿司、乳児用ミルク、離乳食、ベビーフード、スポーツ食品、栄養補助食品、サプリメント、健康食品等に添加したり、必要に応じてデキストリン、乳糖、澱粉等の賦型剤や香料、色素等とともにペレット、錠剤、顆粒等に加工したり、またゼラチン等で被覆してカプセルに成形加工して健康食品や栄養補助食品等として利用できる。これらの食品類あるいは食品用組成物における抽出物の配合量は、当該食品や組成物の種類や状態等により一律に規定しがたいが、配合量として約10〜50重量%、より好ましくは25〜50重量%である。配合量が10重量%未満では経口摂取による所望の効果が小さく、50重量%を超えると食品の種類によっては風味を損なったり当該食品を調製できなくなる場合がある。
例えば、本発明のDNAポリメラーゼ阻害組成物は、ガンなどの予防を目的とする食品、食品添加物および、保健機能食品、薬剤としての利用も可能であり、その形態としては、固形食品、ゲル状食品、飲料が挙げられ、具体的には打錠、カプセル錠、顆粒品などの他、パン、クッキー、飴、ゼリー、ヨーグルト、麺類、ふりかけ、お茶、スープなどの形態にすることができる。また、それらの加工用途に応じて、本発明の阻害組成物は、デキストリンなどの賦形剤と混合し粉末化して用いることもできる。なお、本発明の阻害組成物は、これをそのまま食用に供してもさしつかえない。
以下に実施例等により本発明を詳しく説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
以下に本発明のDNAポリメラーゼ阻害組成物について具体的に説明する。
(実施例1:グァバ葉由来精製物の製造)
原料のグァバ葉からポリフェノール含有組成物を精製した。まず、グァバ葉の乾燥物100gを細断後、1000mlの50%含水エタノールを加え、還流下、60℃で2回抽出を行った。抽出液のろ過後、減圧下で濃縮を行い、グァバ葉粗精製物21gを得た。
次に、得られた上記粗精製物を水に溶解し、疎水クロマトグラフィー用樹脂150ml(ダイヤイオンHP−20、三菱化学社製)に注入した。その後、水で未吸着物質を洗浄・除去し、50%含水エタノールで溶出される画分I(ポリフェノール含有組成物)に分画した。
上記ポリフェノール精製物は、フォーリン・デニス法によりポリフェノール含量を解析した。その結果、グァバ葉粗精製物が42%(ポリフェノール含量)、精製物が80%(ポリフェノール含量)であった。
(実施例2:アガリクス茸精製物の製造)
乾燥アガリクス茸50gに水600mLを加え40℃で4時間浸析させ、固液分離後の残渣に対して水500mLを加え、40℃で24時間抽出した。抽出終了後、固液分離して抽出液を回収し、5倍程度に減圧濃縮した後、凍結乾燥することにより10.1gの粉末を得た。
上記の処理で得られる凍結乾燥前の組成物60mL(ブリックス21%)に、エタノール69mLを添加して4℃で一晩静置後、析出してきた沈殿物を遠心分離(5000rpm×10分)により上清と沈殿を分別回収し、凍結乾燥によりそれぞれ10.4gと1.4g(アガリクス茸沈殿物)の粉末を得た。
上記の方法で得られたアガリクス茸沈殿物1.01gに対し、水10mL添加して再度水溶解させ、陰イオン交換樹脂DEAE 650M(東ソー株式会社製)76mLを充填したカラムに通液させた。その後、カラムに水100mLを通し非吸着画分として回収した。その後、0.5M塩化ナトリウム水溶液を200mLカラムに通して、脱着画分として回収した。回収した非吸着画分と脱着画分は、それぞれ約5倍に減圧濃縮し、透析膜BioDesignDialysis TubingTM(BioDesign Inc.of New York製)に充填して、マグネットスターラーで撹拌される水浴中で24時間浮遊させて透析処理した。透析処理後の膜内液を回収し、約2倍に減圧濃縮し、凍結乾燥して、非吸着画分140mgと脱着画分210mg(アガリクス精製物)の粉末をそれぞれ得た。
(実施例3:アガリクス茸精製物(実施例2)の分子量分布分析)
上記で得られたアガリクス茸精製物10mgを秤量後、純水1mLを加えて溶解させたものを孔径0.45μmのディスクフィルターで濾過後、ゲル濾過分析に供した。ゲル濾過分析の条件は、カラム:SHODEX ASAHIPAK GS−710 7G + GS−310 7G それぞれ長さ50cm×内径7.6mm(昭和電工製)、カラム温度:室温、移動相:0.1mol/L NaCl aq.、流速:0.7mL/分、検出:示唆屈折率検出(RI)およびUV 280nm、注入量:20μLで行った。また、RI検出用の分子量マーカーとして分子量既知の標準プルラン(昭和電工製)を、UV検出用の分子量マーカーとして分子量既知の蛋白(オリエンタル酵母製)を用い、溶出時間と標準品の分子量より較正曲線を作製してサンプルの分子量を求めた。共に2つのピークが確認され、各ピーク頂点の分子量を測定した。
Figure 2007291001
(実施例4:アガリクス茸精製物(実施例2)の中性糖分析)
上記で得られたアガリクス茸精製物中の多糖を分析する目的で、酸加水分解−中性糖の分析を高速液体クロマトグラフィー(HPLC)法で実施した。サンプルの前処理としては、サンプル1.20mgに2Nトリフルオロ酢酸(TFA)500μL添加し、100℃で6時間加水分解し、加水分解液(2N TFA)を回収し減圧乾固した。乾固した残渣は、精製水500μLに溶解し、0.22μmのフィルターで濾過し、ろ液50μLをHPLC分析に供した。HPLC分析の条件は、カラム:TSK−gel Sugar AXG 15cm×4.6mm I.D.(東ソー製)、カラム温度:70℃、流速:0.4mL/分、検出:蛍光検出(EX.:320nm EM.:430nm)、移動相:0.5Mホウ酸カリウム緩衝液pH8.7で行った。また、ポストカラム標識は、反応試薬:1%アルギニン/3%ホウ酸、反応試薬流速:0.5mL/分、反応温度:150℃で行った。
Figure 2007291001
(実施例5:アガリクス茸精製物(実施例2)のアミノ酸分析)
上記で得られたアガリクス茸精製物中の蛋白量を測定する目的で、酸加水分解−アミノ酸分析を行った。サンプルの前処理は、サンプル0.63mgに6N塩酸500μL添加し、100℃で22時間加水分解し、加水分解液を減圧乾固した。乾固した残渣は、精製水500μLに溶解し、0.22μmのフィルターで濾過し、ろ液50μLをアミノ酸分析に供した。アミノ酸分析の条件は、日立L−8500形アミノ酸分析計を用い、特殊アミノ酸分析/ニンヒドリン発色で行った。
Figure 2007291001
(実施例6:DNAポリメラーゼの調製)
ほ乳類のDNAポリメラーゼのうち、複製型の代表としてDNAポリメラーゼαを、修復型の代表としてDNAポリメラーゼλを使用した。DNAポリメラーゼαは子牛胸腺抽出液から抗DNAポリメラーゼα抗体を樹脂に結合させたカラムを用い、アフィニティー精製した。DNAポリメラーゼλは,ヒトDNAポリメラーゼλの遺伝子を大腸菌へ導入して、培養・発現させてから、組換えタンパク質を精製した。
(実施例7:DNAポリメラーゼ活性測定)
DNAポリメラーゼ活性測定は常法に従った。基質である鋳型DNAとヌクレオチドは,それぞれ合成DNAであるpoly(dA)/oligo(dT)12−18と[H]−dTTP(2’−deoxythymidine 5’−triphosphase)(共にGE Healthcare)を用いて,鋳型DNAに重合されたヌクレオチド量を放射活性により定量することで活性とした。DNAポリメラーゼαおよびλは,0.05 unitsに調整して試験に使用した(1 unitは37℃,60分間に1 nmolのヌクレオチドを重合する活性と定義した)。グァバ葉およびアガリクスの粗精製物および精製物をDMSOに溶解させて,酵素とプレインキュベーションさせた後,基質を加えて反応させた。抽出物を添加していない酵素活性を100%とした。その結果を、以下の表に示す。
Figure 2007291001
Figure 2007291001
Figure 2007291001
Figure 2007291001
Figure 2007291001
Figure 2007291001
上記表に示される結果から、グァバ葉の粗精製物および精製物、ならびにアガリクス茸精製物のいずれもが、DNAポリメラーゼαおよびλに対する阻害活性を示した。DNAポリメラーゼαに対しては、アガリクス茸精製物の阻害活性は、低く100ng/ml程度の濃度では、阻害活性が検出されなかった。しかしながら、100ng/mlのアガリクス茸精製物と、10ng/mlのグァバ葉精製物または100ng/mlのグァバ葉粗精製物とを組み合わせた場合、相乗的阻害作用が確認された。
(実施例8:種々の酵素に対する阻害活性
実施例7と同様の条件を用いて、表10に示す種々の酵素に対する阻害活性を測定した。
Figure 2007291001
以上の結果から、本発明の抽出物は、DNAポリメラーゼαおよびλのみならず、いくつかの他の酵素に対しても阻害活性を有することが実証された。特にHIVの逆転写酵素に対する阻害活性は、本発明の組成物が、抗エイズ薬として使用可能であることを実証する。
(実施例9:ヒト癌細胞増殖抑制活性測定)
ヒト白血病細胞(HL−60細胞)は,ヒューマンサイエンス研究資源バンクから購入した。RPMI1640液体培地[10%熱処理ウシ胎児血清,100U/mLペニシリン/ストレプトマイシン](Gibco Laboratories)を用いて,37℃,5% COインキュベーター内で培養した。96穴平底プレート(FALCON)に3x10個/wellずつ分注し,最終濃度が0.5 %になるようにDMSOに溶かした抽出物を添加した。24時間培養後,MTT(3−[4,5−dimethylthiazol−2−yl]−2,5−diphenyltetrazoliumbromide)法により増殖反応を測定した。その結果を以下に示す。
Figure 2007291001
上記の表から明らかなように、アガリクス茸精製物と、グァバ葉精製物または抽出物との組み合わせによって、相乗的な抗癌作用が確認された。本実施例において使用した抽出物の濃度は、食品等として摂取した場合において安全であることが確認されている濃度である。従って、この結果は、アガリクス茸抽出物と、グァバ葉抽出物とを含有する抗癌剤が非常に有効かつ安全な薬物であることを実証する。
以上のように、本発明の好ましい実施形態を用いて本発明を例示してきたが、本発明は、この実施形態に限定して解釈されるべきものではない。本発明は、特許請求の範囲によってのみその範囲が解釈されるべきであることが理解される。当業者は、本発明の具体的な好ましい実施形態の記載から、本発明の記載および技術常識に基づいて等価な範囲を実施することができることが理解される。本明細書において引用した特許、特許出願および文献は、その内容自体が具体的に本明細書に記載されているのと同様にその内容が本明細書に対する参考として援用されるべきであることが理解される。
以上のように、本発明のDNAポリメラーゼ阻害組成物は、癌細胞増殖抑制効果といった有用な生理活性を有することから癌予防および治療剤等として利用可能であり、特に機能性食品などに好適に用いることができる。

Claims (18)

  1. グァバ葉抽出物を含有する、癌を処置および/または予防するための薬学的組成物であって、
    該グァバ葉抽出物は、ポリフェノールを含有し、そして、以下:
    DNAポリメラーゼα、DNAポリメラーゼγ、DNAポリメラーゼε、DNAポリメラーゼλ、および、HIV逆転写酵素からなる群から選択される酵素に対する阻害活性を有する、薬学的組成物。
  2. 前記グァバ葉抽出物が、DNAポリメラーゼα阻害活性を有する、請求項1に記載の薬学的組成物。
  3. 前記グァバ葉抽出物が、DNAポリメラーゼλ阻害活性を有する、請求項1に記載の薬学的組成物。
  4. さらに、アガリクス茸抽出物を含有する、請求項1に記載の薬学的組成物。
  5. グァバ葉抽出物を含有する、癌を処置および/または予防するための食品用組成物であって、
    該グァバ葉抽出物は、ポリフェノールを含有し、そして、以下:
    DNAポリメラーゼα、DNAポリメラーゼγ、DNAポリメラーゼε、DNAポリメラーゼλ、および、HIV逆転写酵素からなる群から選択される酵素に対する阻害活性を有する、食品用組成物。
  6. 前記グァバ葉抽出物が、DNAポリメラーゼα阻害活性を有する、請求項5に記載の食品用組成物。
  7. 前記グァバ葉抽出物が、DNAポリメラーゼλ阻害活性を有する、請求項5に記載の食品用組成物。
  8. さらに、アガリクス茸抽出物を含有する、請求項5に記載の食品用組成物。
  9. グァバ葉より抽出されたポリフェノールを含有することを特徴とする、DNAポリメラーゼα阻害組成物。
  10. グァバ葉より抽出されたポリフェノールを含有することを特徴とする、DNAポリメラーゼλ阻害組成物。
  11. アガリクス茸より抽出された分子量16,000〜130,000の成分を含有することを特徴とする、DNAポリメラーゼα阻害組成物。
  12. アガリクス茸より抽出された分子量16,000〜130,000の成分を含有することを特徴とする、DNAポリメラーゼλ阻害組成物。
  13. グァバ葉より抽出されたポリフェノールおよびアガリクス茸より抽出された分子量16,000〜130,000の成分を含有することを特徴とする、DNAポリメラーゼα阻害組成物。
  14. グァバ葉より抽出されたポリフェノールおよびアガリクス茸より抽出された分子量16,000〜130,000の成分を含有することを特徴とする、DNAポリメラーゼλ阻害組成物。
  15. グァバ葉抽出物を含有する、エイズを処置および/または予防するための薬学的組成物であって、
    該グァバ葉抽出物は、ポリフェノールを含有し、そして、HIV逆転写酵素に対する阻害活性を有する、薬学的組成物。
  16. さらに、アガリクス茸抽出物を含有する、請求項15に記載の薬学的組成物。
  17. グァバ葉抽出物を含有する、エイズを処置および/または予防するための食品用組成物であって、
    該グァバ葉抽出物は、ポリフェノールを含有し、そして、HIV逆転写酵素に対する阻害活性を有する、薬学的組成物。
  18. さらに、アガリクス茸抽出物を含有する、請求項17に記載の食品用組成物。
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