JPWO2007123027A1 - シアタン誘導体を含有する抗癌剤 - Google Patents

シアタン誘導体を含有する抗癌剤 Download PDF

Info

Publication number
JPWO2007123027A1
JPWO2007123027A1 JP2008512069A JP2008512069A JPWO2007123027A1 JP WO2007123027 A1 JPWO2007123027 A1 JP WO2007123027A1 JP 2008512069 A JP2008512069 A JP 2008512069A JP 2008512069 A JP2008512069 A JP 2008512069A JP WO2007123027 A1 JPWO2007123027 A1 JP WO2007123027A1
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
group
cancer
derivative
extract
pharmaceutical composition
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP2008512069A
Other languages
English (en)
Inventor
信夫 鈴木
信夫 鈴木
和子 喜多
和子 喜多
メイ ドン
メイ ドン
満 廣田
満 廣田
佳司 森村
佳司 森村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
GEOL CHEMICAL CO., LTD.
Chiba University NUC
Shinshu University NUC
Original Assignee
GEOL CHEMICAL CO., LTD.
Chiba University NUC
Shinshu University NUC
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by GEOL CHEMICAL CO., LTD., Chiba University NUC, Shinshu University NUC filed Critical GEOL CHEMICAL CO., LTD.
Publication of JPWO2007123027A1 publication Critical patent/JPWO2007123027A1/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61KPREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
    • A61K36/00Medicinal preparations of undetermined constitution containing material from algae, lichens, fungi or plants, or derivatives thereof, e.g. traditional herbal medicines
    • A61K36/06Fungi, e.g. yeasts
    • A61K36/07Basidiomycota, e.g. Cryptococcus
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A23FOODS OR FOODSTUFFS; TREATMENT THEREOF, NOT COVERED BY OTHER CLASSES
    • A23LFOODS, FOODSTUFFS, OR NON-ALCOHOLIC BEVERAGES, NOT COVERED BY SUBCLASSES A21D OR A23B-A23J; THEIR PREPARATION OR TREATMENT, e.g. COOKING, MODIFICATION OF NUTRITIVE QUALITIES, PHYSICAL TREATMENT; PRESERVATION OF FOODS OR FOODSTUFFS, IN GENERAL
    • A23L2/00Non-alcoholic beverages; Dry compositions or concentrates therefor; Their preparation
    • A23L2/52Adding ingredients
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A23FOODS OR FOODSTUFFS; TREATMENT THEREOF, NOT COVERED BY OTHER CLASSES
    • A23LFOODS, FOODSTUFFS, OR NON-ALCOHOLIC BEVERAGES, NOT COVERED BY SUBCLASSES A21D OR A23B-A23J; THEIR PREPARATION OR TREATMENT, e.g. COOKING, MODIFICATION OF NUTRITIVE QUALITIES, PHYSICAL TREATMENT; PRESERVATION OF FOODS OR FOODSTUFFS, IN GENERAL
    • A23L33/00Modifying nutritive qualities of foods; Dietetic products; Preparation or treatment thereof
    • A23L33/10Modifying nutritive qualities of foods; Dietetic products; Preparation or treatment thereof using additives
    • A23L33/105Plant extracts, their artificial duplicates or their derivatives
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61KPREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
    • A61K31/00Medicinal preparations containing organic active ingredients
    • A61K31/11Aldehydes
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P35/00Antineoplastic agents
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A23FOODS OR FOODSTUFFS; TREATMENT THEREOF, NOT COVERED BY OTHER CLASSES
    • A23VINDEXING SCHEME RELATING TO FOODS, FOODSTUFFS OR NON-ALCOHOLIC BEVERAGES AND LACTIC OR PROPIONIC ACID BACTERIA USED IN FOODSTUFFS OR FOOD PREPARATION
    • A23V2002/00Food compositions, function of food ingredients or processes for food or foodstuffs

Landscapes

  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Pharmacology & Pharmacy (AREA)
  • Medicinal Chemistry (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Public Health (AREA)
  • Natural Medicines & Medicinal Plants (AREA)
  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • Animal Behavior & Ethology (AREA)
  • Mycology (AREA)
  • Veterinary Medicine (AREA)
  • Nutrition Science (AREA)
  • Epidemiology (AREA)
  • Food Science & Technology (AREA)
  • Botany (AREA)
  • Polymers & Plastics (AREA)
  • Biotechnology (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • General Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Nuclear Medicine, Radiotherapy & Molecular Imaging (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Microbiology (AREA)
  • Medical Informatics (AREA)
  • Alternative & Traditional Medicine (AREA)
  • Pharmaceuticals Containing Other Organic And Inorganic Compounds (AREA)
  • Medicines Containing Plant Substances (AREA)
  • Coloring Foods And Improving Nutritive Qualities (AREA)
  • Acyclic And Carbocyclic Compounds In Medicinal Compositions (AREA)

Abstract

従前の抗癌剤と比較して、副作用の少なく、かつ強い抗癌作用を有する、新規の抗癌剤を提供することを、本発明の課題とする。ケロウジの子実体に含まれるシアタン誘導体であるサルコドニンAに強い抗癌作用が認められた。その抗癌作用は、ヒトの食道癌の癌細胞対して、特に顕著であり、ヒトの正常細胞に対しては、ほとんど毒性を示さなかった。従って、サルコドニンAを抗癌剤として使用することで、副作用が少なく、強い効果を示す抗癌剤としての薬学的組成物および飲食用組成物を提供することができる。

Description

本発明は、特定のシアタン誘導体を含有する抗癌剤に関するものである。
癌は、外的因子や遺伝的要因などの原因により正常細胞から無制限に増殖する癌細胞へ変換した悪性腫瘍の総称である。この細胞の癌化により周囲の細胞の機能が奪われると共に、癌細胞は他へも転移して増殖し、生体に対して重大な障害をもたらす。
癌の治療薬としては、様々な抗癌剤が開発され、使用されてきた。例えば、シスプラチンは、癌細胞に対して強い抗癌作用を示すことから、抗癌剤として広く使用されている。しかし、シスプラチンの使用には、悪心、食欲不振、腎障害、骨髄抑制、難聴などの重大な副作用を伴う。一般に、抗癌剤としての効果が強いものは、その副作用も強いことが多い。これは抗癌剤として癌細胞に強い毒性を示すものは、正常細胞にも毒性を示すためである。したがって、特定の癌細胞のみを特異的に直接攻撃するような抗癌剤は、強い抗癌作用と、少ない副作用を実現できる。しかし、現時点において、このような抗癌剤は開発されていない。
一方、シアタン誘導体はチャダイゴケ科のキノコの培養菌糸体から初めて単離された化合物である。シアタン誘導体は、シアタン骨格を有するジテルペン化合物の誘導体である。このシアタン誘導体が、チャダイゴケ科のCyathus helenae、Cyathus earlei、Cyathus africanus等のキノコの他に、イボタケ科のケロウジ(Sarcodon scabrosus)の子実体や菌根、サンゴハリタケ科のヤマブシタケ(Hericium erinaceum)の培養菌糸体中にも多数のシアタン誘導体を含有することが明らかにされている。このシアタン誘導体の生理作用および合成方法については、いくつかの報告がある。
特許文献1、特許文献2、特許文献3、特許文献4、特許文献7においては、ヤマブシタケの培養菌糸体に含有するシアタン誘導体の神経成長因子産生誘導剤、または、抗菌剤としての作用が開示されている。特許文献5、特許文献6においては、ヤマブシタケの培養菌糸体に含有するシアタン誘導体の虚血脳疾患改善薬としての生理作用が開示されている。
また、非特許文献1においては、ケロウジの子実体および菌根に含有するシアタン誘導体での抗菌作用が開示されている。特許文献8においては、ケロウジの子実体に含有するシアタン誘導体の神経成長因子産生誘導剤としての生理作用が開示されている。非特許文献2、特許文献9においては、ケロウジの子実体に含有するシアタン誘導体の抗炎症作用について開示されている。
また、非特許文献3においては、シアタン誘導体の合成方法が開示されている。
このように、公知文献において、シアタン誘導体の複数の生理作用や合成方法について開示されているが、シアタン誘導体の抗癌作用については、教示も示唆もされていない。
特開平06−256378 特開平07−69961 特開平07−70133 特開平08−73486 特開平09−235222 特開平09−241158 特開平09−241291 特開平11−269125 特開2003−89670 Biosci.Biotechnol.Biochem.,66巻(1号),179−184,2002年 Biosci.Biotechnol.Biochem.,64巻(11号),2402−2405,2000年 Organic Leters,2巻(10号),1407−1410,2000年
本発明は、新規の抗癌剤を提供することを目的とする。より具体的には、本発明は、特定のシアタン化合物を含有した抗癌剤を提供することを目的とする。
本発明者らは、新規の抗癌剤について探索をしたところ、特定のシアタン誘導体は、正常細胞に対してはほとんど細胞毒性を示さず、特定の癌細胞に対して特異的に、強力な細胞毒性を発揮することを見出し、本発明の完成に至った。
したがって、本発明では以下を提供する。
(項目1)
以下の構造式
に表される化合物を含有する、癌を予防または治療するための薬学的組成物であって、
ここで、R、R、および、Rは、それぞれ独立して、メチル基(−CH)、ヒドロキシメチル基(−CHOH)、アルデヒド基(−CHO)、カルボキシル基(−COOH)、エーテル基(−CHORa)、および、エステル基(−COOR)、からなる群から選択され、
は、アルキル基(−(CH−H)、アシル基(−CO−R)、隣接する酸素原子とヘミアセタールを作り結合した糖類、オレイル基(−CO(CHCH=CH(CHCH)、および、フェニル基(−C)、からなる群から選択され、
は、アルキル基(−(CH−H)、および、フェニル基(−C)、からなる群から選択され、
は、水素原子(H)、アルキル基(−(CH−H)、および、アシル基(−CO−R)、隣接する酸素原子とヘミアセタールを作り結合した糖類、オレイル基(−CO(CHCH=CH(CHCH)、および、フェニル基(−C)、からなる群から選択され、
cは、アルキル基(−(CH−H)、および、フェニル基(−C)からなる群から選択され、
ここで、n=1〜30であり、該糖類は、トリオース、テトロオース、ペントース、および、ヘキソースからなる群から選択される単糖、または、該単糖が、それぞれ独立して、2〜5個グルコシド結合して得られるオリゴ糖である、
薬学的組成物。
(項目2)
以下の構造式
に表される化合物を含有する、癌を予防または処置するための薬学的組成物。
(項目3)
前記癌が、食道癌および子宮癌からなる群から選択される、項目1に記載の薬学的組成物。
(項目4)
前記癌が、食道癌である、項目1に記載の薬学的組成物。
(項目5)
前記癌が、食道癌および子宮癌からなる群から選択される、項目2に記載の薬学的組成物。
(項目6)
前記癌が、食道癌である、項目2に記載の薬学的組成物。
(項目7)
癌を予防または処置するための薬学的組成物であって、チャダイゴケ科、イボタケ科、および、サンゴハリタケ科からなる群から選択される科に属する真菌のシアタン誘導体抽出物を含有する、薬学的組成物。
(項目8)
項目7に記載の薬学的組成物であって、Cyathus helenae、Cyathus earlei、Cyathus africanus、Sarcodon scabrosus、およびHericium erinaceumからなる群から選択される真菌のシアタン誘導体抽出物を含有する、薬学的組成物。
(項目9)
項目8に記載の薬学的組成物であって、Cyathus helenaeの培養菌糸体からのシアタン誘導体抽出物、Cyathus earleiの培養菌糸体からのシアタン誘導体抽出物、Cyathus africanusの培養菌糸体からのシアタン誘導体抽出物、Sarcodon scabrosusの子実体からのシアタン誘導体抽出物、Sarcodon scabrosusの菌根からのシアタン誘導体抽出物、Hericium erinaceum培養菌糸体からのシアタン誘導体抽出物からなる群から選択される抽出物を含有する、薬学的組成物。
(項目10)
項目9に記載の薬学的組成物であって、Sarcodon scabrosusの子実体からのシアタン誘導体抽出物、または、Sarcodon scabrosusの菌根からのシアタン誘導体抽出物を含有する、薬学的組成物。
(項目11)
前記癌が、食道癌および子宮癌からなる群から選択される、項目7に記載の薬学的組成物。
(項目12)
前記癌が、食道癌である、項目7に記載の薬学的組成物。
(項目13)
項目7に記載の薬学的組成物であって、該薬学的組成物は、以下の構造式
に表される化合物を含有し、
ここで、R、R、および、Rは、それぞれ独立して、メチル基(−CH)、ヒドロキシメチル基(−CHOH)、アルデヒド基(−CHO)、カルボキシル基(−COOH)、エーテル基(−CHORa)、および、エステル基(−COOR)、からなる群から選択され、
は、アルキル基(−(CH−H)、アシル基(−CO−R)、隣接する酸素原子とヘミアセタールを作り結合した糖類、オレイル基(−CO(CHCH=CH(CHCH)、および、フェニル基(−C)、からなる群から選択され、
は、アルキル基(−(CH−H)、および、フェニル基(−C)、からなる群から選択され、
は、水素原子(H)、アルキル基(−(CH−H)、および、アシル基(−CO−R)、隣接する酸素原子とヘミアセタールを作り結合した糖類、オレイル基(−CO(CHCH=CH(CHCH)、および、フェニル基(−C)、からなる群から選択され、
cは、アルキル基(−(CH−H)、および、フェニル基(−C)からなる群から選択され、
ここで、n=1〜30であり、該糖類は、トリオース、テトロオース、ペントース、および、ヘキソースからなる群から選択される単糖、または、該単糖が、それぞれ独立して、2〜5個グルコシド結合して得られるオリゴ糖である、
薬学的組成物。
(項目14)
項目7に記載の薬学的組成物であって、該薬学的組成物は、以下の構造式
に表される化合物を含有する、癌を予防または処置するための薬学的組成物。
(項目15)
以下の構造式
に表される化合物を含有する、癌を予防または治療するための飲食用組成物であって、
ここで、R、R、および、Rは、それぞれ独立して、メチル基(−CH)、ヒドキシメチル基(−CHOH)、アルデヒド基(−CHO)、カルボキシル基(−COOH)、エーテル基(−CHORa)、および、エステル基(−COOR)、からなる群から選択され、
は、アルキル基(−(CH−H)、アシル基(−CO−R)、隣接する酸素原子とヘミアセタールを作り結合した糖類、オレイル基(−CO(CHCH=CH(CHCH)、および、フェニル基(−C)、からなる群から選択され、
は、アルキル基(−(CH−H)、および、フェニル基(−C)、からなる群から選択され、
は、水素原子(H)、アルキル基(−(CH−H)、および、アシル基(−CO−R)、隣接する酸素原子とヘミアセタールを作り結合した糖類、オレイル基(−CO(CHCH=CH(CHCH)、および、フェニル基(−C)、からなる群から選択され、
cは、アルキル基(−(CH−H)、および、フェニル基(−C)からなる群から選択され、
ここで、n=1〜30であり、該糖類は、トリオース、テトロオース、ペントース、および、ヘキソースからなる群から選択される単糖、または、該単糖が、それぞれ独立して、2〜5個グルコシド結合して得られるオリゴ糖である、
飲食用組成物。
(項目16)
以下の構造式
に表される化合物を含有する、癌を予防または処置するための飲食用組成物。
(項目17)
前記癌が、食道癌および子宮癌からなる群から選択される、項目15に記載の飲食用組成物。
(項目18)
前記癌が、食道癌である、項目15に記載の飲食用組成物。
(項目19)
前記癌が、食道癌および子宮癌からなる群から選択される、項目16に記載の飲食用組成物。
(項目20)
前記癌が、食道癌である、項目16に記載の飲食用組成物。
(項目21)
癌を予防または処置するための飲食用組成物であって、チャダイゴケ科、イボタケ科、および、サンゴハリタケ科からなる群から選択される科に属する真菌のシアタン誘導体抽出物を含有する、飲食用組成物。
(項目22)
項目21に記載の飲食用組成物であって、Cyathus helenae、Cyathus earlei、Cyathus africanus、Sarcodon scabrosus、および、Hericium erinaceumからなる群から選択される真菌のシアタン誘導体抽出物を含有する、飲食用組成物。
(項目23)
項目22に記載の飲食用組成物であって、Cyathus helenaeの培養菌糸体からのシアタン誘導体抽出物、Cyathus earleiの培養菌糸体からのシアタン誘導体抽出物、Cyathus africanusの培養菌糸体からのシアタン誘導体抽出物、Sarcodon scabrosusの子実体からのシアタン誘導体抽出物、Sarcodon scabrosusの菌根からのシアタン誘導体抽出物、Hericium erinaceum培養菌糸体からのシアタン誘導体抽出物からなる群から選択される抽出物を含有する、飲食用組成物。
(項目24)
項目23に記載の飲食用組成物であって、Sarcodon scabrosusの子実体からのシアタン誘導体抽出物、または、Sarcodon scabrosusの菌根からのシアタン誘導体抽出物を含有する、飲食用組成物。
(項目25)
前記癌が、食道癌および子宮癌からなる群から選択される、項目21に記載の飲食用組成物。
(項目26)
前記癌が、食道癌である、項目21に記載の飲食用組成物。
(項目27)
項目21に記載の飲食用組成物であって、該飲食用組成物は、以下の構造式
に表される化合物を含有し、
ここで、R、R、および、Rは、それぞれ独立して、メチル基(−CH)、ヒドキシメチル基(−CHOH)、アルデヒド基(−CHO)、カルボキシル基(−COOH)、エーテル基(−CHORa)、および、エステル基(−COOR)、からなる群から選択され、
は、アルキル基(−(CH−H)、アシル基(−CO−R)、隣接する酸素原子とヘミアセタールを作り結合した糖類、オレイル基(−CO(CHCH=CH(CHCH)、および、フェニル基(−C)、からなる群から選択され、
は、アルキル基(−(CH−H)、および、フェニル基(−C)、からなる群から選択され、
は、水素原子(H)、アルキル基(−(CH−H)、および、アシル基(−CO−R)、隣接する酸素原子とヘミアセタールを作り結合した糖類、オレイル基(−CO(CHCH=CH(CHCH)、および、フェニル基(−C)、からなる群から選択され、
cは、アルキル基(−(CH−H)、および、フェニル基(−C)からなる群から選択され、
ここで、n=1〜30であり、該糖類は、トリオース、テトロオース、ペントース、および、ヘキソースからなる群から選択される単糖、または、該単糖が、それぞれ独立して、2〜5個グルコシド結合して得られるオリゴ糖である、飲食用組成物。
(項目28)
項目21に記載の飲食用組成物であって、該飲食用組成物は、以下の構造式
に表される化合物を含有する飲食用組成物。
本発明において、シアタン誘導体を含有する薬学的組成物および/または飲食用組成物を抗癌剤として使用することにより、癌細胞のみを特異的に攻撃する抗癌剤を提供することができる。本発明の化合物は、正常細胞に対する悪影響が少ないため、本発明において、副作用の少ない抗癌剤が提供される。
図1は、種々の癌細胞に対する、サルコドニンAの効果を6日間の増殖経過を観察し、確認した結果である。 図2は、種々の癌細胞に対する、種々の濃度のサルコドニンAの効果を6日間増殖後に確認した結果である。 図3は、ヒト子宮癌由来細胞(HeLa細胞)のサルコドニンA未処理の6日後の細胞の写真である。 図4は、ヒト子宮癌由来細胞(HeLa細胞)のサルコドニンA(0.1μM)処理の6日後の細胞の写真(サルコドニンAは細胞を播種後、24時間経過後に添加した)である。 図5は、ヒト食道癌由来細胞(T−Tn細胞)のサルコドニンA未処理の6日後の細胞の写真である。 図6は、ヒト食道癌由来細胞(T−Tn細胞)のサルコドニンA(0.1μM)処理の6日後の細胞の写真(サルコドニンAは細胞を播種後、24時間経過後に添加した)である。 図7は、ヒト由来正常細胞(KF細胞)に対する、種々の濃度のサルコドニンAの効果を6日間増殖後に確認した結果である。 図8は、1回あたりの投与量を600μM×50μlとした場合のサルコドニンAの抗腫瘍抑制作用を示す結果である。矢印の時点で、サルコドニンAまたはコントロール溶液(DMSO/生理食塩水の溶液)50μlを投与した。また、括弧内は、投与した時点の経過日数を示す。 図9は、1回あたりの投与量を2000μM×50μlとした場合のサルコドニンAの抗腫瘍抑制作用を示す結果である。矢印の時点で、サルコドニンAまたはコントロール溶液(DMSO/生理食塩水の溶液)50μlを投与した。また、括弧内は、投与した時点の経過日数を示す。 図10は、マウスの左側にサルコドニンAを2000μM×50μl投与し、右側にコントロール溶媒のみを投与したマウスの投与1ヵ月後の写真である。
以下、本発明を説明する。本明細書の全体にわたり、単数形の表現は、特に言及しない限り、その複数形の概念をも含むことが理解されるべきである。また、本明細書において使用される用語は、特に言及しない限り、当該分野で通常用いられる意味で用いられることが理解されるべきである。したがって、他に定義されない限り、本明細書中で使用される全ての学術用語は、本発明の属する当業者によって一般的に理解される全ての専門用語および科学技術用語は、本発明の属する分野の当業者によって一般的に理解されるのと同じ意味を有する。矛盾する場合、本明細書(定義を含めて)が優先する。
(用語の定義)
本明細書において使用される用語「子実体」とは、菌類において胞子を生じる生殖体であって、用語「担胞子体」と互換可能に使用され得る。子嚢菌類および担子菌類では、それぞれ、子嚢果・担子菌果のように、菌糸組織からなる種々の形のものをいう。
本明細書において使用される用語「菌糸体」は、用語「菌糸」と互換可能に使用され、糸状菌類の栄養体を構成する基本構造であり、多細胞のものと、多核体のものがある。菌糸は、胞子の発芽管から発達し、先端成長によって伸長する。
本明細書において使用される用語「菌根」とは、菌糸体と植物の根が、共生関係を形成して存在する植物の根と菌類の複合体をいい、菌類の菌糸体が主に外部につく外菌根と、菌類の菌糸体が内部組織まで入り込む内菌根がある。
本明細書において使用される用語「シアタン誘導体」とは、下記の化学式で示される「シアタン骨格」を有するジテルペン化合物および、その誘導体である。
本発明に用いる特定のシアタン誘導体は、イボタケ科のケロウジの子実体から抽出、および、精製することにより得ることができるが、シアタン誘導体を得る方法は、これらの方法に限定されない。例えば、シアタン誘導体は、チャダイゴケ科(例えば、Cyathus helenae、および、Cyathus earlei、Cyathus africanusなど)、イボタケ科(例えば、Sarcodon scabrosusなど)、および、サンゴハリタケ科(例えば、Herinaceum erinaceumなど)のキノコにも含まれるが、これらに限定されない。より具体的には、チャダイゴケ科のCyathus helenaeの培養菌糸体、チャダイゴケ科のCyathus earleiの培養菌糸体、チャダイゴケ科のCyathus africanusの培養菌糸体、イボタケ科のケロウジ(Sarcodon scabrosus)の子実体および菌根、および、サンゴハリタケ科のヤマブシタケ(Herinaceum erinaceum)の培養菌糸体に本発明のシアタン誘導体が含まれる。
あるいは、人工的に合成されたシアタン誘導体を使用することもできる。
代表的は、本発明のシアタン誘導体は、以下の式:
に表される構造を有するが、上記構造に限定されない。
さらに、本発明のシアタン誘導体は、以下の式:
に表される化合物であって、
ここで、R、R、および、Rは、それぞれ独立して、メチル基(−CH)、ヒドロキシメチル基(−CHOH)、アルデヒド基(−CHO)、カルボキシル基(−COOH)、エーテル基(−CHORa)、および、エステル基(−COOR)、からなる群から選択され、
は、アルキル基(−(CH−H)、アシル基(−CO−R)、隣接する酸素原子とヘミアセタールを作り結合した糖類、オレイル基(−CO(CHCH=CH(CHCH)、および、フェニル基(−C)、からなる群から選択され、
は、アルキル基(−(CH−H)、および、フェニル基(−C)、からなる群から選択され、
は、水素原子(H)、アルキル基(−(CH−H)、および、アシル基(−CO−R)、隣接する酸素原子とヘミアセタールを作り結合した糖類、オレイル基(−CO(CHCH=CH(CHCH)、および、フェニル基(−C)、からなる群から選択され、
cは、アルキル基(−(CH−H)、および、フェニル基(−C)からなる群から選択され、
上記の化合物
は、以下の構造
を有する化合物であって、
ここで、R、R、および、Rは、それぞれ独立して、メチル基(−CH)、ヒドキシメチル基(−CHOH)、アルデヒド基(−CHO)、カルボキシル基(−COOH)、エーテル基(−CHORa)、および、エステル基(−COOR)、からなる群から選択され、
は、アルキル基(−(CH−H)、アシル基(−CO−R)、隣接する酸素原子とヘミアセタールを作り結合した糖類、オレイル基(−CO(CHCH=CH(CHCH)、および、フェニル基(−C)、からなる群から選択され、
は、アルキル基(−(CH−H)、および、フェニル基(−C)、からなる群から選択され、
は、水素原子(H)、アルキル基(−(CH−H)、および、アシル基(−CO−R)、隣接する酸素原子とヘミアセタールを作り結合した糖類、オレイル基(−CO(CHCH=CH(CHCH)、および、フェニル基(−C)、からなる群から選択され、
cは、アルキル基(−(CH−H)、および、フェニル基(−C)からなる群から選択され、
ここで、n=1〜30であり、該糖類は、トリオース、テトロオース、ペントース、および、ヘキソースからなる群から選択される単糖、または、該単糖が、それぞれ独立して、2〜5個グルコシド結合して得られるオリゴ糖である、化合物であるサルコドニンA(サルコドニンA)から酸化、還元、または、脱水などの各種反応により、容易に誘導することができる。
ケロウジの子実体は、どのような子実体を使用しても良い。例えば、日本国内に自生しているケロウジの子実体の他、世界各地に自生しているケロウジの子実体、若しくは、菌根を用いることができる。また、人工的に培養されたケロウジの子実体、若しくは、菌根、若しくは、菌糸体を用いることもできる。
野外に自生しているケロウジの子実体から本発明に用いるシアタン誘導体を得る場合、ケロウジの子実体は、毎年決まった場所に、群生して大量に発生することから、比較的容易にケロウジの子実体を大量に採取することができる。
ケロウジの子実体からは、そのまま、若しくは、粉砕し、若しくは、乾燥後粉砕し、溶媒により抽出した後、ろ過することで、ケロウジの子実体の抽出物を得ることができる。
ケロウジの子実体の抽出方法は、特に限定されない。例えば、試料を溶媒中に浸漬して抽出する方法、ソックスレー抽出法、超臨界流体抽出などの方法から1種を選択し、若しくは、2種以上の方法を選択し適宜組み合わせて、使用することができる。また、抽出時間は、抽出方法や抽出溶媒、抽出温度に応じて適宜選択すべきであるが、室温にて試料を溶媒に浸漬して抽出する場合は、好ましくは、3時間から5日間、抽出する。ソックスレー抽出法により抽出する場合は、好ましくは10分間から24時間抽出する。また、抽出は、連続式、バッチ式、のいずれでも良く、加圧下、または、常圧下、減圧下で実施できる。
ケロウジの子実体の抽出に用いる溶媒は特に限定されない。抽出方法や抽出条件に応じて、適宜、適切な溶媒を選択するべきである。例えば、メタノール、エタノールなどのアルコール類、ペンタン、ヘキサン、ベンゼン、アセトン、酢酸エチル、クロロホルム、ジクロロホルム、ジエチルエーテル、1、3−ブチレングリコール、グリセリン、プロピレングリコール等の有機溶媒や、二酸化炭素や水等の溶媒を1種または2種以上混合して使用することができる。室温にて試料を溶媒に浸漬して抽出する場合は、抽出溶媒として、メタノール、エタノールなどアルコール類を選択することが好ましい。ソックスレー抽出装置用いて抽出する場合は、抽出溶媒としてジクロロホルムを選択することが好ましい。超臨界流体抽出により抽出する場合は、抽出溶媒として二酸化炭素を選択することが好ましい。
ろ過の方法は、周知であり、例えば、ろ紙を用いることができる。また、10〜0.45μm(例えば、10μm、5μm、1μm、0.45μm)のポアサイズのメンブレンフィルターを使用することもできる。濃縮方法としては、例えば、有機溶媒を用いて調整された抽出液を減圧下に放置することにより揮発させる、減圧濃縮法を用いることができる。また、濃縮方法としては、限外ろ過を用いる方法も用いることができる。
ケロウジ子実体の抽出物を、必要に応じて、抽出後、常法により精製することで、本発明に使用する特定のシアタン類縁体を、純度が高い状態で得ることができる。ケロウジ子実体から、本発明に使用する特定のクロマン誘導体を精製する方法は、公知のいずれの方法を用いても良い。例えば、液−液分配抽出、向流分配クロマトグラフィー、アルミナ、シリカゲル、ODS、フロリジル等を固定相として用いたカラムクロマトグラフィー、アルミナ、シリカゲル、ODS、フロリジル等を固定相として用いた分取薄層クロマトグラフィー、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)、等の精製方法から、1種若しくは2種以上の精製方法を適宜、組み合わせることで、精製することができる。
本発明の使用するシアタン誘導体の純度は高純度のものが望ましいが、キノコ(真菌)由来の夾雑物を含有する状態であっても、これらキノコは特に有毒成分は含まないので、本発明の抗癌剤として使用でき、発明の完成に影響を及ぼさない。ケロウジの子実体より得られた抽出物、若しくは、本発明に使用する特定のシアタン誘導体を単離する前の精製の途中段階の画分においても、本発明の抗癌剤として使用することができる。本発明において、本発明に使用する特定のシアタン誘導体という場合は、特に純粋な化合物であると断らない限り、それを含む抽出物、精製の途中段階にある画分をも意味するものとする。
本発明の抗癌剤の形状は特に問わない。例えば、液状、ゲル状、クリーム状、顆粒状、固体などの形態で使用できる。本発明の抗癌剤は、本発明の特定のシアタン誘導体を有効成分として、薬剤、若しくは、食品として配合することで、使用することができる。
本発明に使用する特定のシアタン誘導体は、薬剤または食品全体に対して、0.00001〜100重量%、好ましくは0.1〜50重量%配合するのが適当である。
本発明の薬学的組成物および/または飲食用組成物である抗癌剤は、油脂類、ロウ類、炭化水素、シリコーン類、脂肪酸類、アルコール類、エステル類、界面活性剤、増粘剤、粉末等の基材の他、医薬品および医薬部外品の有効成分、PH調整剤、防腐剤、色素、香料、甘味料、酸化防止剤、味覚調整剤等も必要に応じて配合することができる。
本発明の抗癌剤はまた、薬学的に受容可能なキャリア型(例えば、滅菌キャリア)と組み合わせて、処方することができる。本発明に使用する特定のシタン誘導体を配合した抗癌剤を治療剤として使用する場合、個々の固体、投与方法、投与計画および当業者に公知の他の因子を考慮に入れ、医療実施基準(GMP=good medical practice)を遵守する方式で処方および投薬する。従って、本明細書において目的とする「有効量」は、このような考慮を行って決定される。
本発明の治療剤は、経口的、直腸内、非経口的、槽内(intracistemally)、膣内、腹腔内、局所的(粉剤、軟膏、ゲル、点滴剤、または経皮パッチによるなど)、口内あるいは経口または鼻腔スプレーとして投与し得る。「薬学的に受容可能なキャリア」とは非毒性の固体、半固体または液体の充填剤、希釈剤、被包剤または任意の型の処方補助剤をいう。本明細書で用いる「非経口的」とは、静脈内、筋肉内、腹腔内、胸骨内、皮下および間接内の注射および注入を含む投与の様式をいう。
本発明の治療剤はまた、除放性システムにより適切に投与される。除放性治療剤の適切な例は、経口的、直腸内、非経口的、槽内(intractistemally)、膣内、腹腔内、局所的、(粉剤、軟膏、ゲル、点滴剤、または経皮パッチによるなど)、口内あるいは経口または鼻腔スプレーとして投与され得る。「薬学的に受容可能なキャリア」とは、非毒性の固体、半固体、または、液体の充填剤、希釈剤、被包材または任意の型の処方補助剤をいう。本明細書で用いる用語「非経口的」とは、静脈内、筋肉内、腹腔内、胸骨内、皮下および関節内の注射および注入を含む投与の様式をいう。徐放性治療剤の適切な例は、適切なポリマー物質(例えば、成形品(例えば、フィルムまたはマイクロカプセル)の形態の半透過性ポリマーマトリックス)、適切な疎水性物質(例えば許容品質油中のエマルジョンとして)またはイオン交換樹脂、および貧可溶性誘導体(例えば、貧可溶性塩)を包含する。
徐放性マトリックスとしては、ポリラクチド(米国特許第3,773,919号、EP58,481)、L−グルタミン酸およびγ−エチル−L−グルタメートのコポリマー(Sindmanら、Biopolymers 22:547−556(1983))、ポリ(2−ヒドロキシエチルメタクリレート)(Langerら、J.Biomed.Mater.Res.15:167−277(1981)、およびLager、Chem.Tech.12:98−105(1982))、エチレンビニルアセテート(Lagerら、同書)またはポリ−D−(−)−3−ヒドロキシ酪酸(EP133,988)が挙げられる。
徐放性治療剤はまた、リポソームに包含された本発明の治療剤を包含する(一般に、Langer,Science 249:1527−1533(1990);Treatら、Liosomes in the Therapy of InfectiousDisease and Cancer,Lopez−Berestein and Filder(編),Liss,New York,317−327ページ、および、353−365ページ(1989)を参照のこと)。治療剤を含有するリポゾームは、それ自体が公知である方法により調整され得る。:DE3,218,121;Epsteinら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA 82:3688−3692(1985);Hwangら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA 77:4030−4034(1980); EP52,322;EP36,676;EP88,046 ; EP143,949; EP142,641;日本国特許出願第83−118008号;米国特許第4,485,045号および同第4,544,545号ならびにEP第102,324号。通常、リポソームは、小さな(約200〜800Å)ユニラメラ型であり、そこでは、脂質含有量は、約30モル%コレステロールよりも多く、選択された割合が、最適治療剤のために調整される。
他の制御放出系は、Langer(Science 249:1527−1533(1990))による総説において議論される。
非経口投与のために、1つの実施態様において、一般に、治療剤は、それを所望の程度の純度で、薬学的に受容可能なキャリア、すなわち用いる投薬量および濃度でレシピエントに対して毒性がなく、かつ処方物の他の成分と適合するものと、単位投薬量の注射可能な形態(溶液、懸濁液または乳濁液)で混合することにより処方される。例えば、この処方物は、好ましくは、酸化、および、治療剤に対して有害であることが知られている他の化合物を含まない。
一般に、治療剤を液体キャリアまたは微細分割固体キャリアあるいはその両方と均一および緊密に接触させて処方物を調整する。次に、必要であれば、生成物を所望の処方物に成形する。好ましくは、キャリアは、非経口的キャリア、より好ましくはレシピエントの血液と等張である溶液である。このようなキャリアビクトルの例としては、水、生理食塩水、リンゲル溶液、および、デキストロース溶液が挙げられる。不揮発性油およびオレイン酸エチルのような非水性ビヒクルもまた、リポソームと同様に本明細書において有用である。
キャリアは、等張性および化学的安定性を高める物質のような微量の添加剤を適切に含有する。このような物質は、用いる投薬量および濃度でレシピエントに対して毒性がなく、このような物質としては、リン酸塩、クエン酸塩、コハク酸塩、酢酸および他の有機酸、または、その塩類のような緩衝液;アスコルビン酸のような抗酸化剤;低分子量(約10残基より少ない)ポリペプチド(例えば、ポリアルギニンまたはトリペプチド);血清アルブミン、ゼラチン、または、免疫グロブリンのようなタンパク質;ポリビニルピロリドンのような親水性ポリマー;グリシン、グルタミン酸、アスパラギン酸、または、アルギニンのようなアミノ酸;セルロース、または、その誘導体、ブドウ糖、マンノース、または、デキストリンを含む単糖類、二糖類、および他の炭化水素、EDTAのようなキレート剤;マンニトール、または、ソルビトールのような糖アルコール;ナトリウムのような対イオン;および/またはポリソルベート、ポロキサマーもしくはPEGのような非イオン性界面活性剤が挙げられる。
治療剤は、代表的には約0.1mg/ml〜100mg/ml、好ましくは1〜10mg/mlの濃度で、約3〜8のpHで、このようなビヒクル中に処方される。前記の特定の賦形剤、キャリアまたは安定化剤を使用することにより、塩が形成されることが理解される。
治療的投与に用いられるべき任意の薬剤は、有効成分としてのウイルス以外の生物・ウイルスを含まない状態、すなわち、無菌状態であり得る。滅菌ろ過膜(例えば0.2ミクロンメンブレンフィルター)でろ過することにより容易に達成される。一般に、治療剤は、滅菌アクセスポートを有する容器、例えば、皮下用注射器で穿刺可能なストッパー付の静脈内用溶液バッグまたはバイアルに配置される。
治療剤は、通常、単位用量、または、複数用量容器、例えば、密封アンプル、または、バイアルに、水溶液、または、再構成するための凍結乾燥処方物として貯蔵される。凍結乾燥処方物の例として、10mlのバイアルに、滅菌ろ過した1%(W/V)治療剤水溶液5mlを充填し、そして得られる混合物を凍結乾燥する。凍結乾燥した治療剤を、注射用静菌水を用いて再構成して注入溶液を調整する。
本発明はまた、本発明の治療剤の1つ以上の成分を満たした1つ以上の容器を備える薬学的パックまたはキットを提供する。医薬品または生物学的製品の製造、使用または販売を政府機関が定めた形式の通知が、このような容器に付属し得、この通知は、ヒトへの投与に対する製造、使用または販売に関する政府機関の承認を表す。さらに、治療剤を他の治療用化合物と組み合わせて使用し得る。
本発明の治療剤は、単独または他の治療剤と組み合わせて投与され得る。本発明の治療剤と組み合わせて投与され得る治療剤としては、他の抗癌剤、化学療法剤、抗生物質、ステロイドおよび非ステロイドの抗炎症剤、従来の免疫治療剤、他のサイトカイニン、および/または、増殖因子が挙げられるが、これらに限定されない。組み合わせは、例えば、混合物として同時に(同時に、または、並行してだが、別々に)、あるいは経時的のいずかで投与され得る。これは、組み合わされた薬剤が、治療用混合物として共に投与されるという提示、およびまた、組み合わされた薬剤が別々にしかし同時に、例えば、同じ個体に別々の静脈ラインを通じて投与される手順を含む。「組み合わせて」の投与は、一番目、続いて二番目に与えられる化合物、または、薬剤のうち1つの別々の投与をさらに含む。
特定の実施態様において、本発明の治療剤は、抗レトロウイルス薬剤、ヌクレオシド逆転写酵素インヒビター、非ヌクレオシド逆転写酵素インヒビター、および/または、プロテアーゼインヒビターとの組み合わせで投与される。
さらなる実施態様において、本発明の治療剤は、抗生物質と組み合わせて投与される。使用され得る抗生物質としては、アミノグリコシド系抗生物質、ポリエン系抗生物質、ペニシリン系抗生物質、セフェム系抗生物質、ペプチド系抗生物質、マクロライド系抗生物質、テトラサイクリン系抗生物質が挙げられるが、これらに限定されない。
さらなる実施例において、本発明の治療剤は、単独または抗炎症剤と組み合わせて投与される。本発明の治療剤とともに投与され得る抗炎症剤としては、グルココルチコイドおよび非ステロイド抗炎症剤、アミノアリールカルボン酸誘導体、アリール酢酸誘導体、アリールカルボン酸、アリールプロピオン酸誘導体、ピラゾール、ピラゾロン、サリチル酸誘導体、チアジンカルボキサミド、e−アセトアミドカプロン酸、S−アデノシルメチオニン、3−アミノ−4−ヒドロキシ酪酸、アミキセトリン(amixetrine)、ベンダザック、ベンジドアミン、ブコローム、ジフェンピラミド、ジタゾール、エモルファゾリン、グアイアズレン、ナブメトン、ニメスリド、オルゴテイン、オキサセプロール、パラニリン、ペリゾキサル、ピフオキシム、プロキアゾリン、プロキサゾール、および、テニダップが挙げられるが、これらに限定されない。
さらなる実施形態において、本発明の治療剤は、他の治療レジメまたは予防レジメ(例えば、放射線治療)と組み合わせて投与される。
本発明において、シアタン誘導体を含有する飲食用組成物が提供される。すなわち、前述のようにして得られるシアタン誘導体あるいは薬学的組成物または飲食用組成物は、これをそのまま液状、ゲル状あるいは固形状の食品、例えばジュース、清涼飲料、コーヒー、紅茶、日本茶、ウーロン茶、野菜ジュース、天然果汁、乳飲料、牛乳、豆乳、スポーツ飲料、ニアウォーター系飲料、栄養補給飲料、コーヒー飲料、ココア、スープ、ドレッシング、ムース、ゼリー、ヨーグルト、プリン、ふりかけ、育児用粉乳、加工乳、スポーツドリンク、栄養ドリンク、ケーキミックス、パン、ピザ、パイ、クラッカー、ビスケット、ケーキ、クッキー、スパゲティー、マカロニ、パスタ、うどん、そば、ラーメン、キャンデー、ソフトキャンデー、ガム、チョコレート、おかき、ポテトチップス、スナック、アイスクリーム、シャーベット、クリーム、チーズ、粉乳、練乳、乳飲料などの粉末状または液状の乳製品、饅頭、ういろ、もち、おはぎ、醤油、たれ、麺つゆ、ソース、だしの素、シチューの素、スープの素、複合調味料、カレーの素、マヨネーズ、ケチャップ、レトルトカレー、レトルトシチュー、レトルトスープ、レトルトどんぶり、缶詰、ハム、ハンバーグ、ミートボール、コロッケ、餃子、ピラフ、おにぎり、冷凍食品および冷蔵食品、ちくわ、蒲鉾、弁当のご飯、寿司、乳児用ミルク、離乳食、ベビーフード、スポーツ食品、栄養補助食品、サプリメント、健康食品等に添加したり、必要に応じてデキストリン、乳糖、澱粉等の賦型剤や香料、色素等とともにペレット、錠剤、顆粒等に加工したり、またゼラチン等で被覆してカプセルに成形加工して健康食品や栄養補助食品等として利用できる。これらの食品類あるいは飲食用組成物におけるシアタン誘導体またはこれを含む抽出物の配合量は、当該食品や組成物の種類や状態等により一律に規定しがたいが、シアタン誘導体の配合量として約0.0001〜5重量%、より好ましくは0.001〜1重量%である。配合量が0.0001重量%未満では経口摂取による所望の効果が小さく、5重量%を超えると食品の種類によっては風味を損なったり当該食品を調製できなくなる場合がある。なお、本発明のシアタン誘導体を含む抽出物は、これをそのまま食用に供してもさしつかえない。
以下に実施例等により本発明を詳しく説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
(実施例1:ケロウジの子実体からのシアタン誘導体の単離)
日本国内において自生するケロウジの子実体を採取した。このケロウジの子実体を室温で1日、室内で乾燥させた後、さらに40℃の温度で1日、70℃の温度で2日間、乾燥させ、500gの乾燥したケロウジの子実体を得た。この子実体を粉砕した後、ソックスレー抽出法によりジクロロメタンを用いて、4回に分けて2時間ずつ、抽出した。この抽出液を、エバポレーターを用いて減圧下、溶媒を除去することにより、ケロウジの子実体の抽出液の濃縮物19.0gを得た。この濃縮物を、10%ずつ酢酸エチルの配合量を増加させる酢酸エチル/ヘキサンステップワイズ法によるシリカゲルクロマトグラフィーにより12画分に分離した。得られた画分の内、70%酢酸エチル/ヘキサン画分(0.88g)から10%〜40%アセトン/クロロホルムによるシリカゲルクロマトグラフィーにより精製した後、70%〜90%メタノール/水によるODSカラムクロマトグラフィーにより精製することで、シアタン誘導体であり、以下の化学式に示すサルコドニンAを420.6mg単離した。
(実施例2:スペクトルデータの測定)
サルコドニンAの質量分析(MS)、赤外吸収スペクトル(IR)、核磁気共鳴スペクトル(H−NMR、13C−NMR)の詳細なデータを以下に示す。
(サルコドニンAのスペクトルデータ)
質量分析(HREIMS):m/z 316.2043(計算値 316.2038 :C2028
赤外線吸収スペクトル(cm−1):3410、1660
核磁気共鳴スペクトル:H−NMR(CDCl)δ(ppm):9.45(s,1H),6.83(dd,J=8.2Hz,J=2.5Hz,1H),6.19(d,J=8.2Hz,1H),3.73(br.s,1H),3.58(m,2H),3.16(dd,J=18.3Hz,J=5.8Hz,1H),2.96(sexted,J=7.6Hz,1H),2.58(m,1H),2.51(m,1H),2.40(m,2H),1.75(m,2H),1.68(m,2H),1.36(dt,J=13.8Hz,J=4.0Hz,1H),1.03(s,3H),0.96(s,3H),0.94(d,J=8.1Hz,3H)、
核磁気共鳴スペクトル13C−NMR(CDCl) δ(ppm):194.2(CH),154.1(C),146.7(C),144.3(CH),140.9(C),138.1(C),119.8(CH),74.0(CH),66.4(CH),49.6(C),48.3(C),38.2(CH),36.3(CH),35.2(CH),33.6(CH),29.4(CH),29.2(CH),26.4(CH),24.3(CH),15.8(CH)。
(実施例3:サルコドニンAの癌細胞増殖抑制試験)
ヒト癌組織由来培養樹立株細胞の試験管内増殖に与えるサルコドニンAの効果を測定した。細胞の培養は、5%CO存在下37℃のインキュベーター中で、培養培地を入れたカルチャーディッシュの底面上で行った。培養培地は、5%牛血清を含むイーグル培地を用いた。但し、T−Tn細胞の培養培地は、10%牛血清を含むダルベッコ変法イーグル培地を用いた。ディッシュ一枚あたりの細胞数は、トリプシンを0.5%濃度で添加したリン酸緩衝液により底面上から剥離させた細胞数を、血球計算盤を用いて計測した。サルコドニンA処理は、直径60mmカルチャーディッシュへ1枚あたり、1×10個の細胞を、播種してから、24時間経て培養培地中へ指定濃度となるように化合物溶解液を添加することにより行った。添加後、24時間を経て、培養培地を吸引し、引き続き、新たな培養培地をカルチャーディッシュへ添加することにより培養を続けた。細胞生存率は、サルコドニンA未処理シャーレ中の細胞数で処理シャーレ中の細胞数を割り、百分率で示すことにより算出した。
ヒト食道癌由来細胞(T−Tn細胞)では、ヒト子宮癌由来細胞(HeLa細胞)と同等の細胞増殖能を有するが、サルコドニンA(1μM)処理により、処理後2日目より顕著な増殖抑制が見られる(図1)。その後の増殖抑制は、HeLa細胞においても少し見られるが、T−Tn細胞では特に顕著であり、T−Tn細胞の細胞数は著しく減少する(図1)。
処理開始後6日目の細胞増殖率を処理濃度別に比較すると、HeLa細胞では、サルコドニンAの添加量が0.1μM以上において、サルコドニンAに癌細胞増殖抑制作用が認められる(図2)。T−Tn細胞では、HeLa細胞よりもさらに顕著であり、サルコドニンAの添加量が0.1μMという極めて少ない添加量において、6日後のT−Tn細胞の生存率は10%以下という著しい低下が見られた。サルコドニンAの添加量が1μMになると、T−Tn細胞の生存率は1%以下であり、シャーレ上に生存細胞はほとんど検出されなくなる(図2)。
図3に、HeLa細胞を播種し、6日間培養した後の細胞の写真を、図4に、HeLa細胞を播種し、培養後24時間経過後にサルコドニンAを0.1μM添加し、5日間培養した後の細胞の写真を示す。これらの写真は、サルコドニンAを0.1μM添加した後のHeLa細胞の数は、サルコドニンA未処理の時のHeLa細胞の数と比較して少なく、HeLa細胞に対して弱いながらも細胞増殖抑制作用を有していることを示している。また、図5に、T−Tn細胞を播種し、6日間培養した後の細胞の写真を、図6に、T−Tn細胞を播種し、培養後24時間経過後にサルコドニンAを0.1μM添加し、その次に5日間培養した後のT−Tn細胞の写真を示す。これらの写真は、サルコドニンAを0.1μM添加した後のT−Tn細胞の数は、サルコドニンA未処理の時のT−Tn細胞の数と比較して非常に少なく、T−Tn細胞に対して非常に強い細胞増殖抑制作用をサルコドニンAが有していることを示している。
これらの結果から、サルコドニンAは、子宮癌由来の癌細胞と食道癌由来の癌細胞に対して細胞増殖抑制作用を示し、ヒトの食道癌の癌細胞の増殖に対しては、非常に少ない添加量で、特異的に、かつ、強く細胞増殖を抑制することが明らかになった。
(実施例4:サルコドニンAの正常細胞に対する細胞増殖抑制効果の確認)
次に、癌化していない正常細胞に対するサルコドニンAの細胞増殖抑制効果を調べるため、以下の試験を実施した。本試験では、12歳男性の腫瘍化していない正常組織(左手皮膚片)より試験管内で培養可能な細胞(以下、正常細胞と表記する)として樹立した細胞(この細胞を以下、KF細胞と称する)を使用した。
KF細胞の培養は、実施例3と同様に、5%CO存在下37℃のインキュベーター中で、培養培地を入れたカルチャーディッシュの底面上で行った。培養培地は、5%牛血清を含むイーグル培地を用いた。ディッシュ一枚あたりのKF細胞数は、トリプシンを0.5%濃度で添加したリン酸緩衝液により底面上から剥離させた細胞数を、血球計算盤を用いて計測した。サルコドニンA処理は、直径60mmカルチャーディッシュへ1枚あたり、1×10個のKF細胞を播種してから、24時間経過後に培養培地中へ指定濃度となるように化合物溶解液を添加することにより行った。添加後、24時間を経て、培養培地を吸引し、引き続き、新たな培養培地をカルチャーディッシュへ添加し、6日間培養を続けた。細胞生存率は、サルコドニンA未処理シャーレ中の細胞数で処理シャーレ中の細胞数を割り、百分率で示すことにより算出した。
1μM以下のサルコドニンA処理後6日間のKF細胞の増殖は、サルコドニンA未処理のKF細胞の増殖と相違はなく、6日後の細胞生存率は100%である。10μMのサルコドニンA処理後の生存率も90%以上と高い細胞生存率を示した(図7)。
従って、サルコドニンAは、特異的に、強く、癌細胞の細胞増殖を阻害し、正常細胞に対しては、ほとんど細胞増殖阻害能を示さない。
(実施例5:サルコドニンAのヌードマウスにおける抗癌作用)
100mMのサルコドニンAのジメチルスルホキシド(DMSO)溶液を生理食塩水に希釈し、600μMまたは2000μMのサルコドニンAの希釈液を調製した。この希釈液50μlとヒト食道癌由来細胞(T−Tn細胞)3×10個の細胞溶液50μlを混合し、混合溶液100μlを、6週齢、雌のヌードマウス(BALB/c−nu/nu)の左足の付け根に皮下投与した。この時のサルコドニンAの投与重量は9.5μgまたは32μgである。同時にヌードマウスの右足の付け根に、コントロールとしてサンプル溶液と同量のDMSO/生理食塩水の溶液50μlとT−Tn細胞3×10個の細胞溶液50μlを混合し、混合溶液100μlを皮下投与した。投与の15日後、17日後、22日後、26日後、30日後、31日後、32日後、33日後の合計8回、600μMまたは2000μMのサルコドニンAのDMSO/生理食塩水溶液50μlをヌードマウスの左足の付け根に皮下投与し、同時にコントロールとしてサンプル溶液と同量のDMSO/生理食塩水の溶液50μlをヌードマウスの右足の付け根に皮下投与した。このヌードマウスの飼育期間中、経時的にヌードマウスの腫瘍の体積を計測し、コントロールの腫瘍の体積と比較した。腫瘍の大きさは、それぞれ2匹のヌードマウスの腫瘍の体積の平均値から算出した。
サルコドニンAは600μM、2000μMのいずれの投与濃度でも、コントロールよりもヌードマウスに発生した腫瘍の体積を減少させた(図8、図9)。図10に示すように、2000μMの投与濃度でのヌードマウスの腫瘍に対する抗腫瘍作用は特に顕著であった。
以上のように、本発明の好ましい実施形態を用いて本発明を例示してきたが、本発明は、特許請求の範囲によってのみその範囲が解釈されるべきであることが理解される。本明細書において引用した特許、特許出願および文献は、その内容自体が具体的に本明細書に記載されているのと同様にその内容が本明細書に対する参考として援用されるべきであることが理解される。
以上のように、本発明のシアタン誘導体ならびにシアタン誘導体を含有する薬学的組成物および飲食用組成物は、癌、特に食道癌および子宮癌の予防、治療剤等として利用可能である。

Claims (28)

  1. 以下の構造式
    に表される化合物を含有する、癌を予防または治療するための薬学的組成物であって、
    ここで、R、R、および、Rは、それぞれ独立して、メチル基(−CH)、ヒドロキシメチル基(−CHOH)、アルデヒド基(−CHO)、カルボキシル基(−COOH)、エーテル基(−CHORa)、および、エステル基(−COOR)、からなる群から選択され、
    は、アルキル基(−(CH−H)、アシル基(−CO−R)、隣接する酸素原子とヘミアセタールを作り結合した糖類、オレイル基(−CO(CHCH=CH(CHCH)、および、フェニル基(−C)、からなる群から選択され、
    は、アルキル基(−(CH−H)、および、フェニル基(−C)、からなる群から選択され、
    は、水素原子(H)、アルキル基(−(CH−H)、および、アシル基(−CO−R)、隣接する酸素原子とヘミアセタールを作り結合した糖類、オレイル基(−CO(CHCH=CH(CHCH)、および、フェニル基(−C)、からなる群から選択され、
    cは、アルキル基(−(CH−H)、および、フェニル基(−C)からなる群から選択され、
    ここで、n=1〜30であり、該糖類は、トリオース、テトロオース、ペントース、および、ヘキソースからなる群から選択される単糖、または、該単糖が、それぞれ独立して、2〜5個グルコシド結合して得られるオリゴ糖である、
    薬学的組成物。
  2. 以下の構造式
    に表される化合物を含有する、癌を予防または処置するための薬学的組成物。
  3. 前記癌が、食道癌および子宮癌からなる群から選択される、請求項1に記載の薬学的組成物。
  4. 前記癌が、食道癌である、請求項1に記載の薬学的組成物。
  5. 前記癌が、食道癌および子宮癌からなる群から選択される、請求項2に記載の薬学的組成物。
  6. 前記癌が、食道癌である、請求項2に記載の薬学的組成物。
  7. 癌を予防または処置するための薬学的組成物であって、チャダイゴケ科、イボタケ科、および、サンゴハリタケ科からなる群から選択される科に属する真菌のシアタン誘導体抽出物を含有する、薬学的組成物。
  8. 請求項7に記載の薬学的組成物であって、Cyathus helenae、Cyathus earlei、Cyathus africanus、Sarcodon scabrosus、およびHericium erinaceumからなる群から選択される真菌のシアタン誘導体抽出物を含有する、薬学的組成物。
  9. 請求項8に記載の薬学的組成物であって、Cyathus helenaeの培養菌糸体からのシアタン誘導体抽出物、Cyathus earleiの培養菌糸体からのシアタン誘導体抽出物、Cyathus africanusの培養菌糸体からのシアタン誘導体抽出物、Sarcodon scabrosusの子実体からのシアタン誘導体抽出物、Sarcodon scabrosusの菌根からのシアタン誘導体抽出物、Hericium erinaceum培養菌糸体からのシアタン誘導体抽出物からなる群から選択される抽出物を含有する、薬学的組成物。
  10. 請求項9に記載の薬学的組成物であって、Sarcodon scabrosusの子実体からのシアタン誘導体抽出物、または、Sarcodon scabrosusの菌根からのシアタン誘導体抽出物を含有する、薬学的組成物。
  11. 前記癌が、食道癌および子宮癌からなる群から選択される、請求項7に記載の薬学的組成物。
  12. 前記癌が、食道癌である、請求項7に記載の薬学的組成物。
  13. 請求項7に記載の薬学的組成物であって、該薬学的組成物は、以下の構造式
    に表される化合物を含有し、
    ここで、R、R、および、Rは、それぞれ独立して、メチル基(−CH)、ヒドロキシメチル基(−CHOH)、アルデヒド基(−CHO)、カルボキシル基(−COOH)、エーテル基(−CHORa)、および、エステル基(−COOR)、からなる群から選択され、
    は、アルキル基(−(CH−H)、アシル基(−CO−R)、隣接する酸素原子とヘミアセタールを作り結合した糖類、オレイル基(−CO(CHCH=CH(CHCH)、および、フェニル基(−C)、からなる群から選択され、
    は、アルキル基(−(CH−H)、および、フェニル基(−C)、からなる群から選択され、
    は、水素原子(H)、アルキル基(−(CH−H)、および、アシル基(−CO−R)、隣接する酸素原子とヘミアセタールを作り結合した糖類、オレイル基(−CO(CHCH=CH(CHCH)、および、フェニル基(−C)、からなる群から選択され、
    cは、アルキル基(−(CH−H)、および、フェニル基(−C)からなる群から選択され、
    ここで、n=1〜30であり、該糖類は、トリオース、テトロオース、ペントース、および、ヘキソースからなる群から選択される単糖、または、該単糖が、それぞれ独立して、2〜5個グルコシド結合して得られるオリゴ糖である、
    薬学的組成物。
  14. 請求項7に記載の薬学的組成物であって、該薬学的組成物は、以下の構造式
    に表される化合物を含有する、癌を予防または処置するための薬学的組成物。
  15. 以下の構造式
    に表される化合物を含有する、癌を予防または治療するための飲食用組成物であって、
    ここで、R、R、および、Rは、それぞれ独立して、メチル基(−CH)、ヒドキシメチル基(−CHOH)、アルデヒド基(−CHO)、カルボキシル基(−COOH)、エーテル基(−CHORa)、および、エステル基(−COOR)、からなる群から選択され、
    は、アルキル基(−(CH−H)、アシル基(−CO−R)、隣接する酸素原子とヘミアセタールを作り結合した糖類、オレイル基(−CO(CHCH=CH(CHCH)、および、フェニル基(−C)、からなる群から選択され、
    は、アルキル基(−(CH−H)、および、フェニル基(−C)、からなる群から選択され、
    は、水素原子(H)、アルキル基(−(CH−H)、および、アシル基(−CO−R)、隣接する酸素原子とヘミアセタールを作り結合した糖類、オレイル基(−CO(CHCH=CH(CHCH)、および、フェニル基(−C)、からなる群から選択され、
    cは、アルキル基(−(CH−H)、および、フェニル基(−C)からなる群から選択され、
    ここで、n=1〜30であり、該糖類は、トリオース、テトロオース、ペントース、および、ヘキソースからなる群から選択される単糖、または、該単糖が、それぞれ独立して、2〜5個グルコシド結合して得られるオリゴ糖である、
    飲食用組成物。
  16. 以下の構造式
    に表される化合物を含有する、癌を予防または処置するための飲食用組成物。
  17. 前記癌が、食道癌および子宮癌からなる群から選択される、請求項15に記載の飲食用組成物。
  18. 前記癌が、食道癌である、請求項15に記載の飲食用組成物。
  19. 前記癌が、食道癌および子宮癌からなる群から選択される、請求項16に記載の飲食用組成物。
  20. 前記癌が、食道癌である、請求項16に記載の飲食用組成物。
  21. 癌を予防または処置するための飲食用組成物であって、チャダイゴケ科、イボタケ科、および、サンゴハリタケ科からなる群から選択される科に属する真菌のシアタン誘導体抽出物を含有する、飲食用組成物。
  22. 請求項21に記載の飲食用組成物であって、Cyathus helenae、Cyathus earlei、Cyathus africanus、Sarcodon scabrosus、および、Hericium erinaceumからなる群から選択される真菌のシアタン誘導体抽出物を含有する、飲食用組成物。
  23. 請求項22に記載の飲食用組成物であって、Cyathus helenaeの培養菌糸体からのシアタン誘導体抽出物、Cyathus earleiの培養菌糸体からのシアタン誘導体抽出物、Cyathus africanusの培養菌糸体からのシアタン誘導体抽出物、Sarcodon scabrosusの子実体からのシアタン誘導体抽出物、Sarcodon scabrosusの菌根からのシアタン誘導体抽出物、Hericium erinaceum培養菌糸体からのシアタン誘導体抽出物からなる群から選択される抽出物を含有する、飲食用組成物。
  24. 請求項23に記載の飲食用組成物であって、Sarcodon scabrosusの子実体からのシアタン誘導体抽出物、または、Sarcodon scabrosusの菌根からのシアタン誘導体抽出物を含有する、飲食用組成物。
  25. 前記癌が、食道癌および子宮癌からなる群から選択される、請求項21に記載の飲食用組成物。
  26. 前記癌が、食道癌である、請求項21に記載の飲食用組成物。
  27. 請求項21に記載の飲食用組成物であって、該飲食用組成物は、以下の構造式
    に表される化合物を含有し、
    ここで、R、R、および、Rは、それぞれ独立して、メチル基(−CH)、ヒドキシメチル基(−CHOH)、アルデヒド基(−CHO)、カルボキシル基(−COOH)、エーテル基(−CHORa)、および、エステル基(−COOR)、からなる群から選択され、
    は、アルキル基(−(CH−H)、アシル基(−CO−R)、隣接する酸素原子とヘミアセタールを作り結合した糖類、オレイル基(−CO(CHCH=CH(CHCH)、および、フェニル基(−C)、からなる群から選択され、
    は、アルキル基(−(CH−H)、および、フェニル基(−C)、からなる群から選択され、
    は、水素原子(H)、アルキル基(−(CH−H)、および、アシル基(−CO−R)、隣接する酸素原子とヘミアセタールを作り結合した糖類、オレイル基(−CO(CHCH=CH(CHCH)、および、フェニル基(−C)、からなる群から選択され、
    cは、アルキル基(−(CH−H)、および、フェニル基(−C)からなる群から選択され、
    ここで、n=1〜30であり、該糖類は、トリオース、テトロオース、ペントース、および、ヘキソースからなる群から選択される単糖、または、該単糖が、それぞれ独立して、2〜5個グルコシド結合して得られるオリゴ糖である、飲食用組成物。
  28. 請求項21に記載の飲食用組成物であって、該飲食用組成物は、以下の構造式
    に表される化合物を含有する飲食用組成物。
JP2008512069A 2006-04-10 2007-04-10 シアタン誘導体を含有する抗癌剤 Withdrawn JPWO2007123027A1 (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006108075 2006-04-10
JP2006108075 2006-04-10
PCT/JP2007/057918 WO2007123027A1 (ja) 2006-04-10 2007-04-10 シアタン誘導体を含有する抗癌剤

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPWO2007123027A1 true JPWO2007123027A1 (ja) 2009-09-03

Family

ID=38624933

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2008512069A Withdrawn JPWO2007123027A1 (ja) 2006-04-10 2007-04-10 シアタン誘導体を含有する抗癌剤

Country Status (2)

Country Link
JP (1) JPWO2007123027A1 (ja)
WO (1) WO2007123027A1 (ja)

Families Citing this family (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN102851218B (zh) * 2012-09-20 2014-01-01 中国科学院微生物研究所 11-氧乙酰鸟巢烷三醇和15-氧乙酰鸟巢烷三醇的生产方法及其专用菌株
CN103553892B (zh) * 2013-11-11 2016-02-10 中国科学院微生物研究所 二萜类化合物及其基于抗肿瘤的应用
CN104383244B (zh) * 2014-11-18 2017-09-26 青岛市肿瘤医院 一种治疗食道癌的中药组合物及其制备方法
CN104352799A (zh) * 2014-12-13 2015-02-18 李菲 治疗食道癌的中药方剂及制备
CN104707109A (zh) * 2015-03-23 2015-06-17 张茂声 一种治疗食管癌的药物组合物
CN104707030A (zh) * 2015-04-03 2015-06-17 曹燕欣 一种治疗食道癌的中药丸剂及其制备方法
JP2020029426A (ja) * 2018-08-23 2020-02-27 株式会社岩出菌学研究所 抗癌剤耐性抑制剤
CN109824686B (zh) * 2019-02-22 2021-07-06 西北农林科技大学 鸟巢烷型二萜类化合物、制备方法及其应用
CN114306293B (zh) * 2022-01-17 2024-01-23 西北农林科技大学 鸟巢烷二萜类化合物用于制备治疗神经炎症的应用

Family Cites Families (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP3250108B2 (ja) * 1992-02-26 2002-01-28 株式会社ナリス化粧品 化粧料
JP2632121B2 (ja) * 1993-03-04 1997-07-23 カゴメ株式会社 シアタン誘導体及びこれを有効成分とする神経成長因子産生誘導剤並びに抗菌剤
JPH0769961A (ja) * 1993-08-31 1995-03-14 Kagome Co Ltd シアタン誘導体及びこれを有効成分とする神経成長因子産生誘導剤並びに抗菌剤
JPH0873486A (ja) * 1994-09-02 1996-03-19 Kagome Co Ltd シアタン誘導体及びこれを有効成分とする神経成長因子産生誘導剤
JPH09235222A (ja) * 1996-02-29 1997-09-09 Kagome Co Ltd シアタン誘導体を有効成分とする虚血性脳疾患改善剤
JPH09241291A (ja) * 1996-03-04 1997-09-16 Kagome Co Ltd シアタン誘導体及びこれを有効成分とする神経成長因子産生誘導剤
JPH09241158A (ja) * 1996-03-07 1997-09-16 Kagome Co Ltd シアタン誘導体を有効成分とする虚血性脳疾患改善剤
JP4095153B2 (ja) * 1998-03-19 2008-06-04 カゴメ株式会社 シアタン誘導体及びこれを有効成分とする神経成長因子産生誘導剤
JP3435692B2 (ja) * 2000-04-11 2003-08-11 株式会社キノックス シアタン誘導体
JP4770032B2 (ja) * 2001-02-09 2011-09-07 株式会社キノックス シアタン誘導体
JP2003089670A (ja) * 2001-09-18 2003-03-28 Nippon Tenganyaku Kenkyusho:Kk シアタン誘導体及びシアタン誘導体含有組成物

Also Published As

Publication number Publication date
WO2007123027A1 (ja) 2007-11-01

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JPWO2007123027A1 (ja) シアタン誘導体を含有する抗癌剤
ES2668964T3 (es) Extracto que contiene equol, método para la producción del mismo, método para la extracción de equol y alimento que contiene equol
TW577743B (en) Drugs, foods or drinks with the use of algae-derived physiologically active substances
JP3333777B2 (ja) アシルcoa−コレステロール−o−アシルトランスフェラーゼ抑制剤、動脈壁上でのマクロファージ−脂質複合体蓄積の抑制剤および肝疾患予防または治療剤としての柑橘類果皮抽出物
KR101364234B1 (ko) 팥꽃나무 추출물, 이의 분획물 또는 이로부터 분리한 화합물을 유효성분으로 함유하는 아토피 예방 또는 치료용 약학적 조성물
CN102186488B (zh) 齿裂黄鹌菜提取物用于制备肝功能改善用药物组合物及用于制备肝功能改善用健康功能食品组合物的用途
JP2005239644A (ja) キノコ由来の組成物
JP5084505B2 (ja) ブナシメジ由来抽出物の製造方法
JP5175442B2 (ja) ヤーコン由来の抗ガン剤
JP4681801B2 (ja) 血管新生阻害剤およびその製造方法
KR101816601B1 (ko) 오가피 열매 유래 물질이 포함된 혈관노화 예방 또는 억제용 약학적 조성물 및 그의 제조방법
KR20160114841A (ko) 두충피 추출물 또는 이로부터 분리한 아디포넥틴을 유효성분으로 포함하는 비만 개선 또는 치료용 조성물
KR20160026595A (ko) 율무, 표고버섯, 탱자 및 옥수수수염의 혼합물을 포함하는 비만 및 비만관련 질환의 예방 또는 개선용 조성물
JP4360807B2 (ja) 肝機能保護または改善剤
KR20180118413A (ko) 밀리타리스 동충하초 부탄올 분획물을 유효성분으로 하는 간암의 예방 또는 치료용 조성물
JP5097356B2 (ja) 新規抗癌剤
EP1754473A1 (en) Antitumor agent
JP5167462B2 (ja) 新規化合物及び破骨細胞分化・増殖阻害剤
KR20200008429A (ko) 아욱 유래 글리세라이드 화합물을 포함하는 종양 면역 조절용 조성물
JP6049370B2 (ja) 新規カロテノイド
JP2019026585A (ja) 食欲抑制剤
KR100641968B1 (ko) 생리활성 추출물
JP2008038011A (ja) 高純度リン脂質の製造法
KR20180118412A (ko) 밀리타리스 동충하초 에틸아세테이트 분획물을 유효성분으로 하는 간암의 예방 또는 치료용 조성물
JP2014185099A (ja) 細胞増殖抑制剤およびがんの予防・治療剤

Legal Events

Date Code Title Description
A300 Withdrawal of application because of no request for examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 20100706