JP2003089670A - シアタン誘導体及びシアタン誘導体含有組成物 - Google Patents
シアタン誘導体及びシアタン誘導体含有組成物Info
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- JP2003089670A JP2003089670A JP2001283771A JP2001283771A JP2003089670A JP 2003089670 A JP2003089670 A JP 2003089670A JP 2001283771 A JP2001283771 A JP 2001283771A JP 2001283771 A JP2001283771 A JP 2001283771A JP 2003089670 A JP2003089670 A JP 2003089670A
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- Japan
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- neosarcodonin
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- nmr
- chemical
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- Acyclic And Carbocyclic Compounds In Medicinal Compositions (AREA)
- Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 ケロウジの子実体に含まれるさらに新規のシ
アタン誘導体と、それを有効成分とするシアタン誘導体
含有組成物を提供すること。 【構成】 下記構造式で示されることを特徴とするシア
タン誘導体。 【化1】
アタン誘導体と、それを有効成分とするシアタン誘導体
含有組成物を提供すること。 【構成】 下記構造式で示されることを特徴とするシア
タン誘導体。 【化1】
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、炎症抑制剤等の有
効成分として有用な新規化合物に関する。より詳しく
は、イボタケ科(Thelephoraceae)、コウタケ属(Sarc
odon)担子菌ケロウジ(Sarcodon scabrous)の子実体
に含まれるシアタン(cyathane)誘導体に関する。
効成分として有用な新規化合物に関する。より詳しく
は、イボタケ科(Thelephoraceae)、コウタケ属(Sarc
odon)担子菌ケロウジ(Sarcodon scabrous)の子実体
に含まれるシアタン(cyathane)誘導体に関する。
【0002】
【従来の技術】イボタケ科コウタケ属担子菌ケロウジ
は、強い苦味を示すキノコである。この苦味成分である
ジテルペン、サルコドニン(sarcodonin)類は、抗菌作
用や神経成長因子の誘導作用をも示すことが報告されて
いる。
は、強い苦味を示すキノコである。この苦味成分である
ジテルペン、サルコドニン(sarcodonin)類は、抗菌作
用や神経成長因子の誘導作用をも示すことが報告されて
いる。
【0003】本発明者らは、TPA(12-O-tetradecano
ylphorbol-13-acetate)によって引き起こされる炎症を
抑制する化合物をケロウジから単離し、これまでに、シ
アタン骨格を有する数種のサルコドニン類を炎症抑制物
質として報告してきた。このうち、下記構造式で示され
るサルコドニンA(化学式5)、G(化学式6)及びネ
オサルコドニンC(化学式7)は特に強い炎症抑制作用
を示すことが知られている。
ylphorbol-13-acetate)によって引き起こされる炎症を
抑制する化合物をケロウジから単離し、これまでに、シ
アタン骨格を有する数種のサルコドニン類を炎症抑制物
質として報告してきた。このうち、下記構造式で示され
るサルコドニンA(化学式5)、G(化学式6)及びネ
オサルコドニンC(化学式7)は特に強い炎症抑制作用
を示すことが知られている。
【0004】
【化5】
(サルコドニンA)
【0005】
【化6】
(サルコドニンG)
【0006】
【化7】
(ネオサルコドニンC)
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、ケロウジの
子実体に含まれるさらに新規のシアタン誘導体と、それ
を有効成分とするシアタン誘導体含有組成物を提供する
ことを課題とする。
子実体に含まれるさらに新規のシアタン誘導体と、それ
を有効成分とするシアタン誘導体含有組成物を提供する
ことを課題とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、ケロウジ
の子実体に含まれるシアタン誘導体に関して、鋭意研究
・開発に努力する過程で、きのこのケロウジ子実体か
ら、強い活性を示す下記構成の4種の新規化合物を単離
した。
の子実体に含まれるシアタン誘導体に関して、鋭意研究
・開発に努力する過程で、きのこのケロウジ子実体か
ら、強い活性を示す下記構成の4種の新規化合物を単離
した。
【0009】
【化1】
(ネオサルコドニンD)
【0010】
【化2】
(ネオサルコドニンE)
【0011】
【化3】
(ネオサルコドニンF)
【0012】
【化4】
(ネオサルコドニンG)上記各シアタン誘導体は、強い
炎症抑制作用を示すため、シアタン誘導体含有組成物と
して、食品分野、医薬分野などで使用することができ
る。
炎症抑制作用を示すため、シアタン誘導体含有組成物と
して、食品分野、医薬分野などで使用することができ
る。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態につい
て、詳細に説明を行う。
て、詳細に説明を行う。
【0014】本発明の化学式1〜4で示されるシアタン
誘導体は、きのこのケロウジ子実体から有機溶媒等を用
いて抽出された新規化合物(抽出物)であって抗炎症効
果を有するものである。本発明のシアタン誘導体は、具
体的には、下記処理により得られる。
誘導体は、きのこのケロウジ子実体から有機溶媒等を用
いて抽出された新規化合物(抽出物)であって抗炎症効
果を有するものである。本発明のシアタン誘導体は、具
体的には、下記処理により得られる。
【0015】まず、イボタケ科担子菌ケロウジの子実体
(生、乾燥、破砕物、摩砕物、濃縮物等)を、汎用の有
機溶媒の混合溶媒を用いて抽出する。この際、使用可能
な有機溶媒の混合溶媒としては、塩化メチレン、メタノ
ール、エタノール、ジエチルエーテル、アセトン等があ
る。抽出時間は通常、1〜72hとする。
(生、乾燥、破砕物、摩砕物、濃縮物等)を、汎用の有
機溶媒の混合溶媒を用いて抽出する。この際、使用可能
な有機溶媒の混合溶媒としては、塩化メチレン、メタノ
ール、エタノール、ジエチルエーテル、アセトン等があ
る。抽出時間は通常、1〜72hとする。
【0016】例えば、塩化メチレン中にケロウジの子実
体を加え、室温あるいは加温して抽出後、ろ過して抽出
液を得、該抽出液を40〜45℃で加熱して塩化メチレ
ンを留去することにより抽出物を得る。
体を加え、室温あるいは加温して抽出後、ろ過して抽出
液を得、該抽出液を40〜45℃で加熱して塩化メチレ
ンを留去することにより抽出物を得る。
【0017】次に、上記抽出物をシリカゲルクロマトグ
ラフィーにより分画する。溶媒として、ヘキサン/酢酸
エチル混合溶媒を用い、40〜90%酢酸エチル/ヘキ
サン溶出分画をさらにクロマトグラフィーにより精製し
て目的のシアタン誘導体を単離する。
ラフィーにより分画する。溶媒として、ヘキサン/酢酸
エチル混合溶媒を用い、40〜90%酢酸エチル/ヘキ
サン溶出分画をさらにクロマトグラフィーにより精製し
て目的のシアタン誘導体を単離する。
【0018】この際、ヘキサン、アセトン、クロロホル
ム、ベンゼン、酢酸エチル、イソプロパノール、メタノ
ール、アセトニトリル、クロロホルム/アセトン、クロ
ロホルム/メタノール、クロロホルム/メタノール/ベ
ンゼン、ヘキサン/アセトン、ヘキサン/酢酸エチル、
ヘキサン/イソプロパノール、ヘキサン/酢酸エチル/
メタノール、ヘキサン/酢酸エチル/イソプロパノー
ル、ベンゼン/アセトン、ベンゼン/酢酸エチル、ベン
ゼン/メタノール等を移動相として用いたシリカゲルカ
ラムクロマトグラフィー、薄層クロマトグラフィー等で
クロマト分画処理することができる。またODSカラム
を用いた高速液体クロマトグラフィーで再分画すること
ができる。
ム、ベンゼン、酢酸エチル、イソプロパノール、メタノ
ール、アセトニトリル、クロロホルム/アセトン、クロ
ロホルム/メタノール、クロロホルム/メタノール/ベ
ンゼン、ヘキサン/アセトン、ヘキサン/酢酸エチル、
ヘキサン/イソプロパノール、ヘキサン/酢酸エチル/
メタノール、ヘキサン/酢酸エチル/イソプロパノー
ル、ベンゼン/アセトン、ベンゼン/酢酸エチル、ベン
ゼン/メタノール等を移動相として用いたシリカゲルカ
ラムクロマトグラフィー、薄層クロマトグラフィー等で
クロマト分画処理することができる。またODSカラム
を用いた高速液体クロマトグラフィーで再分画すること
ができる。
【0019】上記シアタン誘導体は、錠剤、顆粒剤、散
剤、カプセル剤等に製剤化して、医薬組成物や食品組成
物とすることができる。製剤は経口投与剤、或いは注射
剤、点眼用剤(液剤・非液剤)、座剤等の非経口投与剤
等とすることができる。
剤、カプセル剤等に製剤化して、医薬組成物や食品組成
物とすることができる。製剤は経口投与剤、或いは注射
剤、点眼用剤(液剤・非液剤)、座剤等の非経口投与剤
等とすることができる。
【0020】上記組成物は、その性質上、炎症抑制剤と
して使用することが望ましい。
して使用することが望ましい。
【0021】
【実施例】以下、本発明の実施例について説明を行う。
ここでは、下記のごとく、ケロウジ子実体から本発明の
シアタン誘導体を単離して、化合物の同定及び物性評価
を行った。
ここでは、下記のごとく、ケロウジ子実体から本発明の
シアタン誘導体を単離して、化合物の同定及び物性評価
を行った。
【0022】各シアタン誘導体は、ケロウジ子実体を、
塩化メチレンを用いて上述の方法に従って抽出した。該
抽出物を、シリカゲルカラムクロマトグラフィーを用い
て精製し12画分を得た。このうち、強い炎症抑制活性
を示した40%〜90%酢酸エチル/ヘキサン溶出部
を、各種クロマトグラフィーを用いてさらに精製し、活
性物質としてネオサルコドニンD(化学式1)、ネオサ
ルコドニンE(化学式2)、ネオサルコドニンF(化学
式3)及びネオサルコドニンG(化学式4)を得た。な
お、化合物の単離にあたっては、精製の各段階でマウス
耳の炎症抑制試験を行い、指標とした。
塩化メチレンを用いて上述の方法に従って抽出した。該
抽出物を、シリカゲルカラムクロマトグラフィーを用い
て精製し12画分を得た。このうち、強い炎症抑制活性
を示した40%〜90%酢酸エチル/ヘキサン溶出部
を、各種クロマトグラフィーを用いてさらに精製し、活
性物質としてネオサルコドニンD(化学式1)、ネオサ
ルコドニンE(化学式2)、ネオサルコドニンF(化学
式3)及びネオサルコドニンG(化学式4)を得た。な
お、化合物の単離にあたっては、精製の各段階でマウス
耳の炎症抑制試験を行い、指標とした。
【0023】(1)ネオサルコドニンDは、HREI−M
Sでm/z 316.2028に分子イオンピークを示すことから、
分子式として、C20H28O3(理論値316.2038)を持
つ。ネオサルコドニンDの1H−NMR及び13C−NM
Rスペクトルでは、アルデヒド(δC194.2, δH9.4
4)、3つの二重結合(δC150.3; δC137.8; δC154.
5;δC119.7, δH5.96; δC144.1, δH6.80; δC138.
2)、1級水酸基(δC66.5,δH3.48)、2級水酸基(δ
C74.0, δH3.79)のシグナルが認められた。分子式がサ
ルコドニンAと同じであること、及びこれらのスペクト
ルが、サルコドニンAのそれらとよく似ていることか
ら、ネオサルコドニンDはサルコドニンAの異性体であ
ると推定した。サルコドニンAと異なる点は、イソプロ
ピル基(δC21.8, δH1.08; δC21.5, δH0.99; δC2
7.1, δH2.92)が存在することである。二次元NMRス
ペクトルを詳細に検討することにより立体を含めてネオ
サルコドニンDが図1に示す構造であると決定した。
Sでm/z 316.2028に分子イオンピークを示すことから、
分子式として、C20H28O3(理論値316.2038)を持
つ。ネオサルコドニンDの1H−NMR及び13C−NM
Rスペクトルでは、アルデヒド(δC194.2, δH9.4
4)、3つの二重結合(δC150.3; δC137.8; δC154.
5;δC119.7, δH5.96; δC144.1, δH6.80; δC138.
2)、1級水酸基(δC66.5,δH3.48)、2級水酸基(δ
C74.0, δH3.79)のシグナルが認められた。分子式がサ
ルコドニンAと同じであること、及びこれらのスペクト
ルが、サルコドニンAのそれらとよく似ていることか
ら、ネオサルコドニンDはサルコドニンAの異性体であ
ると推定した。サルコドニンAと異なる点は、イソプロ
ピル基(δC21.8, δH1.08; δC21.5, δH0.99; δC2
7.1, δH2.92)が存在することである。二次元NMRス
ペクトルを詳細に検討することにより立体を含めてネオ
サルコドニンDが図1に示す構造であると決定した。
【0024】なお、参考までに、ネオサルコドニンDの
構造解析結果及び物理化学的性質を記す。
構造解析結果及び物理化学的性質を記す。
【0025】・性状:無色樹脂状物質
・質量分析:316.2028〔M+〕 (計算値316.2038:C
20H28O3) ・旋光度:[α]29 D+380°(c0.68, MeOH) ・紫外吸収スペクトル分析:λmax339nm、ε4.81×104 ・赤外吸収スペクトル分析(cm-1):3420,2920,1660,1
620,1560 ・核磁気共鳴スペクトル(1H−NMR、500.1MHz,
CDCl3)δ:0.98(3H, s), 0.99(3H, d, J=6.8Hz),
1.08(3H, d, J=6.9Hz),1.24(1H, m), 1.38(1H, dt, J=1
4.1Hz, 4.2Hz), 1.54(1H, m),1.61(1H, td, J=13.3Hz,
4.6Hz), 1.98(1H, dt, J=13.5Hz, 4.2Hz),2.04(1H, m),
2.41(1H, m), 2.41(1H, m), 2.56(1H, br.d, J=18.5H
z),2.92(1H, hepted, J=6.7Hz), 3.13(1H, dd, J=18.5H
z, 5.5Hz),3.48(2H, m), 3.79(1H, br.d, J=5.9Hz), 5.
96(1H, d, J=8.2Hz) 6.80(1H, dd, J=8.2Hz, 2.5Hz), 9.44(1H, s) ・核磁気共鳴スペクトル(13C−NMR、125.8MH
z、CDCl3)δ:194.2(CH), 154.5(C), 150.3(C), 1
44.1(CH), 138.2(C), 137.8(C),119.7(CH), 74.0(CH),
66.5(CH2), 54.6(C), 48.0(C), 34.1(CH2),33.6(CH2),
31.4(CH2), 29.7(CH2), 29.6(CH2), 27.1(CH), 26.5(CH
3),21.8(CH3), 21.5(CH3)
20H28O3) ・旋光度:[α]29 D+380°(c0.68, MeOH) ・紫外吸収スペクトル分析:λmax339nm、ε4.81×104 ・赤外吸収スペクトル分析(cm-1):3420,2920,1660,1
620,1560 ・核磁気共鳴スペクトル(1H−NMR、500.1MHz,
CDCl3)δ:0.98(3H, s), 0.99(3H, d, J=6.8Hz),
1.08(3H, d, J=6.9Hz),1.24(1H, m), 1.38(1H, dt, J=1
4.1Hz, 4.2Hz), 1.54(1H, m),1.61(1H, td, J=13.3Hz,
4.6Hz), 1.98(1H, dt, J=13.5Hz, 4.2Hz),2.04(1H, m),
2.41(1H, m), 2.41(1H, m), 2.56(1H, br.d, J=18.5H
z),2.92(1H, hepted, J=6.7Hz), 3.13(1H, dd, J=18.5H
z, 5.5Hz),3.48(2H, m), 3.79(1H, br.d, J=5.9Hz), 5.
96(1H, d, J=8.2Hz) 6.80(1H, dd, J=8.2Hz, 2.5Hz), 9.44(1H, s) ・核磁気共鳴スペクトル(13C−NMR、125.8MH
z、CDCl3)δ:194.2(CH), 154.5(C), 150.3(C), 1
44.1(CH), 138.2(C), 137.8(C),119.7(CH), 74.0(CH),
66.5(CH2), 54.6(C), 48.0(C), 34.1(CH2),33.6(CH2),
31.4(CH2), 29.7(CH2), 29.6(CH2), 27.1(CH), 26.5(CH
3),21.8(CH3), 21.5(CH3)
【0026】(2)ネオサルコドニンEのHREI−MS
ではm/z 420.2303に脱水ピークが認められ、このことか
ら、ネオサルコドニンEは分子式として、C27H34O5
を持つと考えられる。1H−NMR及び13C−NMRス
ペクトルでは、アルデヒド(δC191.4, δH9.52)、2
つの二重結合(δC135.0, δC142.4, δC138.5; δC15
7.1, δH6.89)、1級水酸基(δC66.1, δH3.48)、2
級水酸基(δC76.3, δ H4.80)、安息香酸エステル(δ
C165.6; δC133.0, δH7.54; δC130.1; δC129.8,
δH7.98;δC128.3, δH7.41)のシグナルが認められ
た。二次元NMRスペクトル(COSY,HMQC,H
MBC,NOESY)を詳細に検討することにより、ネ
オサルコドニンEは図2において、R1=OH、R2=C
H3とした構造であると決定した。
ではm/z 420.2303に脱水ピークが認められ、このことか
ら、ネオサルコドニンEは分子式として、C27H34O5
を持つと考えられる。1H−NMR及び13C−NMRス
ペクトルでは、アルデヒド(δC191.4, δH9.52)、2
つの二重結合(δC135.0, δC142.4, δC138.5; δC15
7.1, δH6.89)、1級水酸基(δC66.1, δH3.48)、2
級水酸基(δC76.3, δ H4.80)、安息香酸エステル(δ
C165.6; δC133.0, δH7.54; δC130.1; δC129.8,
δH7.98;δC128.3, δH7.41)のシグナルが認められ
た。二次元NMRスペクトル(COSY,HMQC,H
MBC,NOESY)を詳細に検討することにより、ネ
オサルコドニンEは図2において、R1=OH、R2=C
H3とした構造であると決定した。
【0027】なお、参考までに、ネオサルコドニンEの
構造解析結果及び物理化学的性質を記す。
構造解析結果及び物理化学的性質を記す。
【0028】・性状:無色樹脂状物質
・質量分析:420.2303〔M+−H2O〕 (計算値420.23
01:C27H32O4) ・旋光度:[α]16 D+72.9°(c1.81,MeOH) ・紫外吸収スペクトル分析:λmax230nm、ε2.11×104 ・赤外吸収スペクトル分析(cm-1):3460,2950,1680,1
640,1270,710 ・核磁気共鳴スペクトル(1H−NMR、500.1MHz、
CDCl3)δ:0.97(3H, d, J=6.8Hz), 1.01(3H, s),
1.02(3H, s),1.41(1H, td, J=13.0Hz, 4.7Hz), 1.54(2
H, m), 1.55(1H, m),1.69(1H, m), 1.71(1H, m), 1.93
(1H, ddd, J=14.1Hz, 11.0Hz, 7.9Hz),2.22(1H, m, O
H), 2.23(1H, br.d, J=11.0Hz), 2.28(1H, m),2.35(1H,
m), 2.89(1H, m), 2.96(1H, dd, J=14.1Hz, 9.2Hz),3.
48(2H, m), 4.80(1H, t, J=5.3Hz), 6.12(1H, t, J=8.4
Hz)6.89(1H, d, J=5.3Hz), 7.41(2H, t, J=7.7Hz, benz
oyl),7.54(1H, t, J=7.4Hz, benzoyl), 7.98(2H, d, J=
7.2Hz, benzoyl),9.52(1H, s) ・核磁気共鳴スペクトル(13C−NMR、125.8MH
z、CDCl3)δ:191.4(CH), 165.6(C), 157.1(CH),
142.4(C), 138.5(C), 135.0(C),133.0(CH), 130.1(C),
129.8(CH), 128.3(CH), 76.3(CH), 69.2(CH),66.1(C
H2), 49.7(C), 44.2(C), 40.4(CH), 38.2(CH2), 36.6(C
H2),35.3(CH), 30.0(CH2), 29.6(CH2), 28.9(CH2), 25.
1(CH3), 16.8(CH3),15.7(CH3)
01:C27H32O4) ・旋光度:[α]16 D+72.9°(c1.81,MeOH) ・紫外吸収スペクトル分析:λmax230nm、ε2.11×104 ・赤外吸収スペクトル分析(cm-1):3460,2950,1680,1
640,1270,710 ・核磁気共鳴スペクトル(1H−NMR、500.1MHz、
CDCl3)δ:0.97(3H, d, J=6.8Hz), 1.01(3H, s),
1.02(3H, s),1.41(1H, td, J=13.0Hz, 4.7Hz), 1.54(2
H, m), 1.55(1H, m),1.69(1H, m), 1.71(1H, m), 1.93
(1H, ddd, J=14.1Hz, 11.0Hz, 7.9Hz),2.22(1H, m, O
H), 2.23(1H, br.d, J=11.0Hz), 2.28(1H, m),2.35(1H,
m), 2.89(1H, m), 2.96(1H, dd, J=14.1Hz, 9.2Hz),3.
48(2H, m), 4.80(1H, t, J=5.3Hz), 6.12(1H, t, J=8.4
Hz)6.89(1H, d, J=5.3Hz), 7.41(2H, t, J=7.7Hz, benz
oyl),7.54(1H, t, J=7.4Hz, benzoyl), 7.98(2H, d, J=
7.2Hz, benzoyl),9.52(1H, s) ・核磁気共鳴スペクトル(13C−NMR、125.8MH
z、CDCl3)δ:191.4(CH), 165.6(C), 157.1(CH),
142.4(C), 138.5(C), 135.0(C),133.0(CH), 130.1(C),
129.8(CH), 128.3(CH), 76.3(CH), 69.2(CH),66.1(C
H2), 49.7(C), 44.2(C), 40.4(CH), 38.2(CH2), 36.6(C
H2),35.3(CH), 30.0(CH2), 29.6(CH2), 28.9(CH2), 25.
1(CH3), 16.8(CH3),15.7(CH3)
【0029】(3)ネオサルコドニンFは、ネオサルコド
ニンEとよく似た1H−NMR及び13C−NMRスペク
トルを示す。ネオサルコドニンEと異なるところは、イ
ソプロピル基(δC22.2, δH1.03; δC21.6, δH1.0
0; δC29.3, δH2.87)、1級水酸基(δC66.3, δH3.
63, 3.33)が認められることである。二次元NMRスペ
クトルを詳細に解析することにより、ネオサルコドニン
Fは図2において、R1=H、R2=CH2OHとした、
即ち、ネオサルコドニンEの20位アルコールが還元さ
れてメチル基とされ、17位メチル基がアルコールに酸
化された構造であると決定した。
ニンEとよく似た1H−NMR及び13C−NMRスペク
トルを示す。ネオサルコドニンEと異なるところは、イ
ソプロピル基(δC22.2, δH1.03; δC21.6, δH1.0
0; δC29.3, δH2.87)、1級水酸基(δC66.3, δH3.
63, 3.33)が認められることである。二次元NMRスペ
クトルを詳細に解析することにより、ネオサルコドニン
Fは図2において、R1=H、R2=CH2OHとした、
即ち、ネオサルコドニンEの20位アルコールが還元さ
れてメチル基とされ、17位メチル基がアルコールに酸
化された構造であると決定した。
【0030】なお、参考までに、ネオサルコドニンFの
構造解析結果及び物理化学的性質を記す。
構造解析結果及び物理化学的性質を記す。
【0031】・性状:無色樹脂状物質
・赤外吸収スペクトル分析(cm-1):3420,2920,1710,1
680,1640,1260,705 ・核磁気共鳴スペクトル(1H−NMR、500.1MHz、
CDCl3)δ:1.00(3H, d, J=6.7Hz), 1.03(3H, d, J=
6.8Hz), 1.05(3H, s),1.36(1H, td, J=13.2Hz, 4.9Hz),
1.47(1H, m), 1.47(1H, m),1.68(1H, m), 1.72(1H,
m), 1.98(1H, m), 2.03(1H, m),2.09(1H, br.d, J=11.3
Hz), 2.37(2H, m),2.82(1H, dd, J=13.9Hz, 9.2Hz), 2.
87(1H, hepted, J=6.8Hz),3.33(1H, d, J=10.6Hz), 3.6
3(1H, d, J=10.6Hz),4.80(1H, d, J=5.3Hz), 6.14(1H,
t, J=8.4Hz), 6.87(1H, d, J=5.3Hz),7.42(2H, t, J=7.
9Hz, benzoyl), 7.55(1H, t, J=7.4Hz, benzoyl),7.99
(2H, d, J=7.2Hz, benzoyl), 9.50(1H, s) ・核磁気共鳴スペクトル(13C−NMR、125.8MH
z、CDCl3)δ:191.3(CH), 165.6(C), 157.0(CH),
145.5(C), 138.5(C), 133.1(CH),131.9(C), 130.1(C),
129.8(CH), 128.4(CH), 76.1(CH), 67.9(CH),66.3(C
H2), 55.2(C), 43.8(C), 40.6(CH), 33.9(CH2), 32.5(C
H2),30.3(CH2), 29.5(CH2), 29.5(CH2), 29.3(CH), 22.
2(CH3), 21.6(CH3),16.9(CH3)
680,1640,1260,705 ・核磁気共鳴スペクトル(1H−NMR、500.1MHz、
CDCl3)δ:1.00(3H, d, J=6.7Hz), 1.03(3H, d, J=
6.8Hz), 1.05(3H, s),1.36(1H, td, J=13.2Hz, 4.9Hz),
1.47(1H, m), 1.47(1H, m),1.68(1H, m), 1.72(1H,
m), 1.98(1H, m), 2.03(1H, m),2.09(1H, br.d, J=11.3
Hz), 2.37(2H, m),2.82(1H, dd, J=13.9Hz, 9.2Hz), 2.
87(1H, hepted, J=6.8Hz),3.33(1H, d, J=10.6Hz), 3.6
3(1H, d, J=10.6Hz),4.80(1H, d, J=5.3Hz), 6.14(1H,
t, J=8.4Hz), 6.87(1H, d, J=5.3Hz),7.42(2H, t, J=7.
9Hz, benzoyl), 7.55(1H, t, J=7.4Hz, benzoyl),7.99
(2H, d, J=7.2Hz, benzoyl), 9.50(1H, s) ・核磁気共鳴スペクトル(13C−NMR、125.8MH
z、CDCl3)δ:191.3(CH), 165.6(C), 157.0(CH),
145.5(C), 138.5(C), 133.1(CH),131.9(C), 130.1(C),
129.8(CH), 128.4(CH), 76.1(CH), 67.9(CH),66.3(C
H2), 55.2(C), 43.8(C), 40.6(CH), 33.9(CH2), 32.5(C
H2),30.3(CH2), 29.5(CH2), 29.5(CH2), 29.3(CH), 22.
2(CH3), 21.6(CH3),16.9(CH3)
【0032】(4)ネオサルコドニンGの1H−NMR及び
13C−NMRスペクトルは、ネオサルコドニンFとよく
似たスペクトルを示す。ネオサルコドニンFとは、1級
水酸基の代わりにアルデヒド(δC202.9, δH9.36)の
シグナルが認められる点で異なる。そこで、ネオサルコ
ドニンGは、ネオサルコドニンFの1級水酸基がアルデ
ヒドに酸化された化合物であると推定した。二次元NM
Rスペクトルを詳細に解析することで、ネオサルコドニ
ンGは、図2において、R1=H、R2=CHOとした構
造である、即ち、ネオサルコドニンFの17位アルコー
ルがアルデヒドに酸化された構造であると決定した。
13C−NMRスペクトルは、ネオサルコドニンFとよく
似たスペクトルを示す。ネオサルコドニンFとは、1級
水酸基の代わりにアルデヒド(δC202.9, δH9.36)の
シグナルが認められる点で異なる。そこで、ネオサルコ
ドニンGは、ネオサルコドニンFの1級水酸基がアルデ
ヒドに酸化された化合物であると推定した。二次元NM
Rスペクトルを詳細に解析することで、ネオサルコドニ
ンGは、図2において、R1=H、R2=CHOとした構
造である、即ち、ネオサルコドニンFの17位アルコー
ルがアルデヒドに酸化された構造であると決定した。
【0033】なお、参考までに、ネオサルコドニンGの
構造解析結果及び物理化学的性質を記す。
構造解析結果及び物理化学的性質を記す。
【0034】・性状:無色樹脂状物質
・質量分析:407.2224〔M+−CHO〕 (計算値407.2
222:C26H31O4) ・旋光度:[α]16 D+150°(c0.23, MeOH) ・紫外吸収スペクトル分析:λmax230nm、ε1.51×104 ・赤外吸収スペクトル分析(cm-1):3480,2950,1705,1
680,1640,1260,705 ・核磁気共鳴スペクトル(1H−NMR、500.1MHz、
CDCl3)δ:1.03(3H, d, J=6.8Hz), 1.05(3H, s),
1.08(3H, d, J=6.8Hz),1.38(1H, m), 1.41(1H, m), 1.5
2(1H, m), 1.72(1H, m),1.79(1H, br.d, J=10.8Hz), 1.
95(1H, m), 2.04(1H, m),2.15(1H, d, J=5.1Hz, OH),
2.23(1H, m), 2.52(2H, m), 2.84(1H, m),2.90(1H, m),
4.79(1H, m), 6.10(1H, t, J=8.4Hz),6.81(1H, d, J=
5.2Hz), 7.42(2H, t, J=7.7Hz, benzoyl),7.55(1H, t,
J=7.4Hz, benzoyl), 7.98(2H, d, J=7.4Hz, benzoyl),
9.36(1H, s, H-17), 9.44(1H, s, H-15) ・核磁気共鳴スペクトル(13C−NMR、125.8MH
z、CDCl3)δ:202.9(CH), 191.3(CH), 165.5(C),
157.3(CH), 147.5(C), 138.0(C),133.1(CH), 130.2(C),
130.1(C), 129.7(CH), 128.4(CH), 76.0(CH),67.4(C
H), 65.8(C), 43.7(C), 43.2(CH), 30.8(CH2), 30.7(CH
2),30.6(CH2), 29.3(CH2), 28.9(CH2), 27.4(CH), 22.1
(CH3), 21.4(CH3),17.0(CH3)<炎症活性抑制試験>単離
した各ネオサルコドニンD,E,F及びGをマウス(C
D I系)の片耳に200μgのメタノール溶液あるい
はアセトン溶液として塗布した。その30分後にマウス
の両耳にTPAを0.5μgアセトン溶液として塗布し
た。7時間後にマウスの両耳から直径6〜7mmの円板
を打ち抜き、その重量を測定して浮腫を比較し、抑制率
を求めた。また、比較として、ネオサルコドニンの代わ
りにインドメタシン、グリチルリチン酸を使用して抑制
率の評価を行った。
222:C26H31O4) ・旋光度:[α]16 D+150°(c0.23, MeOH) ・紫外吸収スペクトル分析:λmax230nm、ε1.51×104 ・赤外吸収スペクトル分析(cm-1):3480,2950,1705,1
680,1640,1260,705 ・核磁気共鳴スペクトル(1H−NMR、500.1MHz、
CDCl3)δ:1.03(3H, d, J=6.8Hz), 1.05(3H, s),
1.08(3H, d, J=6.8Hz),1.38(1H, m), 1.41(1H, m), 1.5
2(1H, m), 1.72(1H, m),1.79(1H, br.d, J=10.8Hz), 1.
95(1H, m), 2.04(1H, m),2.15(1H, d, J=5.1Hz, OH),
2.23(1H, m), 2.52(2H, m), 2.84(1H, m),2.90(1H, m),
4.79(1H, m), 6.10(1H, t, J=8.4Hz),6.81(1H, d, J=
5.2Hz), 7.42(2H, t, J=7.7Hz, benzoyl),7.55(1H, t,
J=7.4Hz, benzoyl), 7.98(2H, d, J=7.4Hz, benzoyl),
9.36(1H, s, H-17), 9.44(1H, s, H-15) ・核磁気共鳴スペクトル(13C−NMR、125.8MH
z、CDCl3)δ:202.9(CH), 191.3(CH), 165.5(C),
157.3(CH), 147.5(C), 138.0(C),133.1(CH), 130.2(C),
130.1(C), 129.7(CH), 128.4(CH), 76.0(CH),67.4(C
H), 65.8(C), 43.7(C), 43.2(CH), 30.8(CH2), 30.7(CH
2),30.6(CH2), 29.3(CH2), 28.9(CH2), 27.4(CH), 22.1
(CH3), 21.4(CH3),17.0(CH3)<炎症活性抑制試験>単離
した各ネオサルコドニンD,E,F及びGをマウス(C
D I系)の片耳に200μgのメタノール溶液あるい
はアセトン溶液として塗布した。その30分後にマウス
の両耳にTPAを0.5μgアセトン溶液として塗布し
た。7時間後にマウスの両耳から直径6〜7mmの円板
を打ち抜き、その重量を測定して浮腫を比較し、抑制率
を求めた。また、比較として、ネオサルコドニンの代わ
りにインドメタシン、グリチルリチン酸を使用して抑制
率の評価を行った。
【0035】なお、抑制率は、下記式により算出した。
【0036】抑制率(%):(A−B)/(A−C)×
100 A:TPA溶液のみを塗布した耳の重量 B:TPA溶液と試験物質溶液とを塗布した耳の重量 C:元の耳の重量(0.5μgのTPA溶液を塗布する
ことによって、2.41倍に重量が増加するとして求め
た) 結果を表1に示す。
100 A:TPA溶液のみを塗布した耳の重量 B:TPA溶液と試験物質溶液とを塗布した耳の重量 C:元の耳の重量(0.5μgのTPA溶液を塗布する
ことによって、2.41倍に重量が増加するとして求め
た) 結果を表1に示す。
【0037】
【表1】
【0038】表1より、ネオサルコドニンD,E,F,
Gはマウスの耳の浮腫をそれぞれ80%、70%、76
%及び84%抑制した。この炎症抑制作用は、サルコド
ニン類の中でも強い炎症抑制活性を示すネオサルコドニ
ンC,サルコドニンG,サルコドニンAとほぼ同等に強
い。
Gはマウスの耳の浮腫をそれぞれ80%、70%、76
%及び84%抑制した。この炎症抑制作用は、サルコド
ニン類の中でも強い炎症抑制活性を示すネオサルコドニ
ンC,サルコドニンG,サルコドニンAとほぼ同等に強
い。
【0039】また、カラゲナンによって誘導されるラッ
ト足の炎症の抑制効果を検討した。
ト足の炎症の抑制効果を検討した。
【0040】ウィスター系ラットにネオサルコドニンE
を0.5%CMC−Naに懸濁し、30mg/kgの用
量で経口投与した。その30分後にカラゲナンの1%生
理食塩水溶液を右足に0.1mL注射した。その後、3
0分、60分、120分、180分、240分、300
分経過後にそれぞれ左右の足の体積(mL)を測定し
た。比較としてインドメタシンを10mg/kgの用量
で経口投与したものについても同様の測定を行った。ま
た対照として、5%CMC−Na溶液のみ経口投与した
ものについて測定した。評価には足の体積をもとに、以
下の式から求めた浮腫率を用いた。
を0.5%CMC−Naに懸濁し、30mg/kgの用
量で経口投与した。その30分後にカラゲナンの1%生
理食塩水溶液を右足に0.1mL注射した。その後、3
0分、60分、120分、180分、240分、300
分経過後にそれぞれ左右の足の体積(mL)を測定し
た。比較としてインドメタシンを10mg/kgの用量
で経口投与したものについても同様の測定を行った。ま
た対照として、5%CMC−Na溶液のみ経口投与した
ものについて測定した。評価には足の体積をもとに、以
下の式から求めた浮腫率を用いた。
【0041】浮腫率(%):B−A/A×100
A:元の足の体積
B:一定時間経過後の足の体積
【0042】
【表2】
【0043】また、図3に表2のグラフを示す。
【0044】上述の如く、CMC−Naのみを投与した
実施例1(対照)、ネオサルコドニンEをラットに30
mg/kgの用量で経口投与した実施例2、非ステロイ
ド系抗炎症剤として一般的に使用されているインドメタ
シンをラットに10mg/kgの要領で経口投与した実
施例3について、炎症活性抑制効果の比較を行った。
実施例1(対照)、ネオサルコドニンEをラットに30
mg/kgの用量で経口投与した実施例2、非ステロイ
ド系抗炎症剤として一般的に使用されているインドメタ
シンをラットに10mg/kgの要領で経口投与した実
施例3について、炎症活性抑制効果の比較を行った。
【0045】これらより、炎症抑制剤を投与しなかった
実施例1に比して、実施例2は、明らかに炎症を抑制す
ることがわかる。また、一般に使用されている非ステロ
イド系抗炎症薬であるインドメタシンに近い抑制効果を
有することがわかる。
実施例1に比して、実施例2は、明らかに炎症を抑制す
ることがわかる。また、一般に使用されている非ステロ
イド系抗炎症薬であるインドメタシンに近い抑制効果を
有することがわかる。
【0046】なお、本発明者らは、本発明のシアタン誘
導体の安全性の確認も行った。試験液は、ネオサルコド
ニンE30mg/mLとなるように、0.5%CMC−
Na溶液で作成した。この液を体重当たり100mg/
kg用量でマウスに経口投与し、1週間観察した。その
結果、毒性を認めなかったことから、ネオサルコドニン
誘導体は抗炎症剤として非常に有用である。
導体の安全性の確認も行った。試験液は、ネオサルコド
ニンE30mg/mLとなるように、0.5%CMC−
Na溶液で作成した。この液を体重当たり100mg/
kg用量でマウスに経口投与し、1週間観察した。その
結果、毒性を認めなかったことから、ネオサルコドニン
誘導体は抗炎症剤として非常に有用である。
【0047】
【発明の効果】本発明のシアタン誘導体は、上記のごと
く強い炎症抑制活性を示す。
く強い炎症抑制活性を示す。
【図1】ネオサルコドニンDの立体構造を示す説明図で
ある。
ある。
【図2】ネオサルコドニンE,F及びGの共通立体構造
を示す説明図である。
を示す説明図である。
【図3】実施例における炎症活性抑制効果の比較結果を
示すグラフ図である。
示すグラフ図である。
─────────────────────────────────────────────────────
フロントページの続き
(51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考)
C07C 69/78 C07C 69/78
(72)発明者 芝崎 泰平
愛知県名古屋市南区西桜町76番地 株式会
社日本点眼薬研究所内
Fターム(参考) 4C206 AA01 AA02 AA03 CB02 DB11
KA05 MA01 MA04 NA14 ZB11
4H006 AA01 AA03 AB22 BJ20 BJ50
BN10 BN20 BQ20 KC30 KF00
Claims (6)
- 【請求項1】 下記構造式で示されることを特徴とする
シアタン誘導体。 【化1】 - 【請求項2】 下記構造式で示されることを特徴とする
シアタン誘導体。 【化2】 - 【請求項3】 下記構造式で示されることを特徴とする
シアタン誘導体。 【化3】 - 【請求項4】 下記構造式で示されることを特徴とする
シアタン誘導体。 【化4】 - 【請求項5】 請求項1,2,3又は4に記載のシアタ
ン誘導体を有効成分として含有することを特徴とするシ
アタン誘導体含有組成物。 - 【請求項6】 炎症抑制剤であることを特徴とする請求
項5記載のシアタン誘導体含有組成物。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001283771A JP2003089670A (ja) | 2001-09-18 | 2001-09-18 | シアタン誘導体及びシアタン誘導体含有組成物 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001283771A JP2003089670A (ja) | 2001-09-18 | 2001-09-18 | シアタン誘導体及びシアタン誘導体含有組成物 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2003089670A true JP2003089670A (ja) | 2003-03-28 |
Family
ID=19107217
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2001283771A Withdrawn JP2003089670A (ja) | 2001-09-18 | 2001-09-18 | シアタン誘導体及びシアタン誘導体含有組成物 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2003089670A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2007013965A2 (en) * | 2005-07-22 | 2007-02-01 | Sloan-Kettering Institute For Cancer Research | Synthesis of scabronines and analogues thereof |
WO2007123027A1 (ja) * | 2006-04-10 | 2007-11-01 | Geol Chemical Co., Ltd. | シアタン誘導体を含有する抗癌剤 |
US7910623B2 (en) | 2005-07-22 | 2011-03-22 | Sloan-Kettering Institute For Cancer Research | Synthesis of scabronines and analogues thereof |
-
2001
- 2001-09-18 JP JP2001283771A patent/JP2003089670A/ja not_active Withdrawn
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2007013965A2 (en) * | 2005-07-22 | 2007-02-01 | Sloan-Kettering Institute For Cancer Research | Synthesis of scabronines and analogues thereof |
WO2007013965A3 (en) * | 2005-07-22 | 2009-05-14 | Sloan Kettering Inst Cancer | Synthesis of scabronines and analogues thereof |
US7910623B2 (en) | 2005-07-22 | 2011-03-22 | Sloan-Kettering Institute For Cancer Research | Synthesis of scabronines and analogues thereof |
WO2007123027A1 (ja) * | 2006-04-10 | 2007-11-01 | Geol Chemical Co., Ltd. | シアタン誘導体を含有する抗癌剤 |
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