JP2007289128A - 1−ケストースの製造方法および1−ケストース産生酵素の製造方法、1−ケストース産生酵素 - Google Patents

1−ケストースの製造方法および1−ケストース産生酵素の製造方法、1−ケストース産生酵素 Download PDF

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龍二 岡田
Tokuo Shiomi
▲徳▼夫 塩見
Shuichi Onodera
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Abstract

【課題】N比が低く、かつ、酵素効率が高い1−ケストースの製造方法を提供する。
【解決手段】Aspergillus japonicus菌体またはAspergillus japonicus菌体由来の酵素を用い、ショ糖を基質として用いる1−ケストースの製造方法。反応条件として、酵素効率が500g/乾燥菌体1g以上、N比が22%以下、反応温度55℃以下、pHが5.5〜8、ショ糖の初期濃度は70%〜100%を用いる。その反応液を精製することで98%以上の純度で回収できる。
【選択図】なし

Description

本発明は、Aspergillus japonicus菌体由来の酵素により1−ケストースを製造する方法等に関する。
ビフィズス菌増殖能を有するフラクトオリゴ糖の機能が認知され久しいが、それを構成する糖がどのような特異性を有しているかの知見は必ずしも明らかでなかった。近年、FOSを構成する糖の中で1−ケストースがビフィズス菌増殖能につき特に強いこと(特許文献1)、コレステロール低減作用を有すること(特許文献2)、肌水分改善効果を有すること(特許文献3)などその特異性が明らかになりつつある。そこで1−ケストースの効率的な製造方法が待望されている。
1−ケストースの製造は、通常、ショ糖を原料(基質)とし微生物由来の酵素に反応させて、1−ケストースを産生させる。ここで、酵素に反応させた後の基質は、1−ケストース以外の糖も含んでいるため、通常、1−ケストースを結晶可能な純度に引き上げてクロマト分離する。さらに、必要に応じて、結晶化する。
ここで、酵素反応における構成糖の中で1−ケストースはもとより4糖類であるニストースの量は反応後におけるクロマト分離後の1−ケストース純度をある程度決定付け、さらには結晶回収工程での結晶量にも影響を与える。
したがって酵素反応の終点での1−ケストースとニストース合計量に対するニストースの比率(N比)を極力抑えることが求められる。
そこで、特許文献4には、S.brevicaulis(スコプラリオプシス・ブレビカウリス)を培養することにより、その培地に1−ケストースが蓄積することを利用し、その中の1−ケストースを精製結晶化する方法が述べられている。ここで、該文献に記載の方法は、醗酵法による1−ケストースの生産であり、反応糖組成中の1−ケストース濃度を充分上げることができる(全糖分当りケストース比率78%、ニストース比率3%、したがって、したがってN比4%)。しかしながら、醗酵法であるがゆえに基質濃度が低く、通常、20%(v/w)以下である。また、ジャーファーメンターによる1バッチ当りの生産に72時間以上を要するため、装置当りの生産性が低く工業的に利用するには問題が多い。さらにまたその後の精製工程でも醗酵法であるがゆえに培地成分を取り除く必要性などの煩雑性を伴う。
一方、特許文献5にはS.brevicaulis(スコプラリオプシス・ブレビカウリス)(IFO4834株)から酵素を抽出し、その抽出酵素を用いる方法が記載されている。しかしながら、乾燥菌体当りの力価が8Uと低く、酵素効率が4gと実際に利用するには問題が多い。
また、該特許文献5には、P.roaueforti(ペニシリウム・ロックフォルティー)(IAM7254株)由来の酵素を用いた反応が記載されている。しかしながら、酵素効率が14gと低い。
さらにまた、該特許文献5には、A.niger(アスペルギルス・ニガー)(ATCC20611株)由来菌体酵素を用いた方法も記載されている。しかしながら、これらの例示については、酵素効率が高い場合(4670g/乾燥菌体1g)、N比が高くなってしまう(23%)。一方、N比を低くすると(14%)、酵素効率が低くなる(233g/乾燥菌体1g)。つまり、N比を低くしようとすると、反応pHをアルカリ側に移動させなければならず、結果として、至適pHから大きく外れた状態で利用しなければならなくなる。つまり、実質的には採用できない。
また、非特許文献1には、A.phoenicis(アスペルギルス・ホエニシス)由来酵素を用いる方法が提唱されている。ここで、該非特許文献1の図5の記載における60℃、基質濃度12.5%、30分後のオリゴ糖生産量から、該菌の力価は、乾燥菌体当たり800Uと推定でき、すなわち、基質当りの酵素使用量は1.9Uと算出できる。よって、酵素効率は421(g/乾燥菌体1g)となる。このように、酵素効率が低いと工業的に利用できない。
すなわち、N比を低く保ち且つ酵素効率の高い1−ケストース産生菌および酵素が見出されていないのが現状である。
特開2005−306781号公報 特開2005−247752号公報 特開2005−350444号公報 特公平6−70075号公報 特許第3459264号公報 Appl.Microbial Biotechnol35,1991,216-221
本発明は上記課題を解決することを目的としたものであって、N比が低く、かつ、酵素効率が高い1−ケストースの製造方法を提供することを目的とする。
上記課題のもと、発明者が鋭意検討を行った結果、下記手段により上記課題を解決しうることを見出した。
(1)Aspergillus japonicus菌体またはAspergillus japonicus菌体由来の酵素を用いることを含む、1−ケストースの製造方法。
(2)ショ糖を基質としてAspergillus japonicus菌体またはAspergillus japonicus菌体由来の酵素を反応させることを含む、1−ケストースの製造方法。
(3)酵素効率が、500g/乾燥菌体1g以上である、(2)に記載の1−ケストースの製造方法。
(4)N比が、22%以下である、(2)または(3)に記載の1−ケストースの製造方法。
(5)反応温度が55℃以下である、(2)〜(4)のいずれか1項に記載の1−ケストースの製造方法。
(6)前記ショ糖は溶媒中に含まれており、該溶媒のpHは5.5〜8である、(2)〜(5)のいずれか1項に記載の1−ケストースの製造方法。
(7)前記溶媒中におけるショ糖の初期濃度は、70〜100%(W/V)である、(6)に記載の1−ケストースの製造方法。
(8)Aspergillus japonicus菌体を用いることを含む、1−ケストース産生酵素の製造方法。
(9)Aspergillus japonicus菌体由来の1−ケストース産生酵素。
(10)酵素効率が、500g/乾燥菌体1g以上である、(9)に記載の酵素。
(11)N比が、22%以下である、(9)または(10)に記載の酵素。
本発明により、高い効率で1−ケストースを産生することが可能になった。
以下において、本発明の内容について詳細に説明する。尚、本願明細書において「〜」とはその前後に記載される数値を下限値及び上限値として含む意味で使用される。
本明細書におけるN比とは、菌体または菌体由来の酵素を、基質に反応させた終点における1−ケストースとニストースの合計に対するニストースの割合(重量比)をいう。
また、本発明における酵素効率とは、乾燥菌体1gが処理できる基質(ショ糖)の量(g)をいい、菌体由来の酵素を用いる場合も菌体あたりに換算して示している。酵素力価Uは、乾燥菌体1g(または)これに相当する量の酵素を、40℃、10%ショ糖溶液中で、30分間反応させたときに、1分当りに産生された1−ケストースの量をμモルで表示したものをいう。
また、乾燥菌体とは、培養し洗浄した後の菌を乾燥させたものをいう。
本発明では、Aspergillus japonicus (以下、「A.japonicus」と略することがある)の乾燥菌体を用いる。本発明で用いる、A.japonicus菌体は、好ましくはA.japonicus NBRC4060である。A.japonicus を用いることにより、高い酵素効率を有し、かつ、N比を低くすることができる。
本発明の1−ケストースの製造方法を採用することにより、例えば、酵素効率は、500(g/乾燥菌体1g)以上、さらには1000(g/乾燥菌体1g)以上、よりさらには2000(g/乾燥菌体1g)以上、特には3500(g/乾燥菌体1g)以上とすることができる。一方、N比は、例えば22%以下、さらには20%以下、特には15%以下とすることができる。
本発明で用いる、A.japonicus菌体の培養方法としては公知の方法を用いることができる。
培地の組成としては、炭素源として、好ましくはショ糖を、好ましくは5〜35%、より好ましくは15〜30%を、窒素源として、好ましくは酵母エキスを、好ましくは1〜3%、より好ましくは1.5〜2%を含むものである。さらに、その他微量成分として無機成分等を通常の範囲で含んでいることが好ましい。培地のpHは、滅菌前で、好ましくはpH5〜8、より好ましくはpH6〜7である。
本発明で用いる、A.japonicus菌体の培養条件としては、例えば、20〜30℃で、40〜72時間培養することができる。
培養して得られたA.japonicus菌体の回収方法としては、公知の方法を採用できるが、例えば、遠心分離により菌体を分取し洗浄して回収することがあげられる。ここで、菌体の洗浄は、得られた菌体の少なくとも2倍量の水を用いた洗浄が好ましい。
本発明の方法では、ショ糖を基質として、A.japonicus菌体またはA.japonicus菌体由来の酵素を反応させることが好ましい。
本発明の製造方法では、基質を溶媒に含めた状態でA.japonicus菌体またはA.japonicus菌体由来の酵素を反応させることが好ましい。ここで溶媒としては、水、あるいはエチルアルコールを微量(0.5〜2%程度)含んだ水等が挙げられる。
溶媒中における基質中のショ糖の初期濃度は、好ましくは70〜100%(W/V)であり、より好ましくは77〜86%(W/V)であり、さらに好ましくは80%である。このような範囲とすることにより、より効果的に1−ケストースを産生できる。また、溶媒中には、ショ糖以外に、他の成分、pH調整剤、あるいはエチルアルコール等を含めても良い。
基質を含む溶媒(反応液)のpHは、好ましくは5.5〜8であり、より好ましくは6〜7である。
基質を反応させる際の温度(反応液の温度)は、好ましくは55℃以下であり、より好ましくは50℃以下である。下限は特に定めるものではないが、例えば、30℃以上、好ましくは40℃以上である。
本発明では、上記基質中で、A.japonicus菌体またはA.japonicus菌体由来の酵素を反応させることにより、1−ケストースと共に副成分(ニストース等)が産生される。本発明では1−ケストースと他の成分を含む混合液として用いてもよいが、好ましくは、1−ケストースを精製する。
1−ケストースの精製方法としては、公知の方法を採用できる。
例えば、クロマト分離(より具体的には、陽イオン交換樹脂を分離担体とする擬似移動床式2成分クロマト分離装置による分離等)により、分離することができる。この場合、クロマト分離は、1段階分離であってもよいし、2段階以上の分離であってもよい。
さらに、クロマト分離を行ったものについて結晶化を行っても良い。
このような分離作業を行うことにより、純度が、例えば90%以上、さらには95%以上、特には、98%以上の純度で回収することができる。
本発明では、A.japonicus菌体をそのまま用いて1−ケストースを製造してもよいが、好ましくは、A.japonicus菌体由来の酵素(1−ケストース産生酵素)を用いて製造することが好ましい。
酵素の精製は、公知の方法に従って行うことができる。
本発明のA.japonicus菌体由来の精製酵素は、例えば、pHが5.1〜5.7、45〜55℃で特に良好に1−ケストースを産生する。
以下に実施例を挙げて本発明をさらに具体的に説明する。以下の実施例に示す材料、使用量、割合、処理内容、処理手順等は、本発明の趣旨を逸脱しない限り、適宜、変更することができる。従って、本発明の範囲は以下に示す具体例に限定されるものではない。
参考例1(Aspergillus japonicusの培養)
水に、ショ糖30%、酵母エキス1.5%、リン酸1カリウム0.3%、硫酸マグネシウム0.03%、炭酸カルシウム0.1%の割合となるように添加した。この液を30Lジャーファーメンターに入れ、pHが6.5になるように調整した(総量20L)。その後、120℃で20分間滅菌した。
また、Aspergillus japonicus(NBR4060)を上記と同じ組成の培地200mlが入った1Lの三角フラスコに接種し24時間振倒培養したものを別に用意し、これを上記培地に接種し25℃で通気量0.4vvmで48時間培養した。
培養終了後にバスケット遠心分離機を用いて培養液から菌体を分離し、約2Lの水で洗浄後600g(湿菌重)を回収した。本菌体内に含まれる酵素力価は、乾燥菌体1g当たり5,100Uであった。
以下の実験は、この菌体を用いて行った。
実施例1
pH6.5、温度40℃に調整したショ糖溶液(濃度77%(W/V))を、1,000Lの反応槽に入れ、これに上記参考例1で調整した菌体酵素をショ糖1g当り1.8U加え、35時間反応させた後、温度80℃、30分間の酵素失活処理を行った(サンプル1)。この失活液の糖組成(重量%)、酵素効率(乾燥菌体1g当りのショ糖の処理量(g))、N比をそれぞれ測定した。結果を表2に示した。また、ショ糖溶液の濃度、pH、温度を表1のように変更し、さらに、菌体酵素量および酵素処理反応時間も表1のように変更したほかは、上記と同様サンプル1と同様に行ってサンプル2〜6を得た。これらの失活液の糖組成、酵素効率およびN比結果も表2に示した。
Figure 2007289128
Figure 2007289128
実施例2
4塔4層方式による2成分擬似移動床のクロマト分離装置(1m3)(三菱化学エンジニアリング(株)製、M6NYE00)を用いて実施例1のサンプル1で得られた反応液を80℃、55Bxに調整し、負荷量0.05L/L−R/hrおよび溶離水を負荷量の5倍量用い、1−ケストース区分を回収した。回収率85%で純度83%の1−ケストース区分(試験番号a−1)を得ることができた。
さらに、得られた1−ケストース回収区分を60Bx、80℃に調整後クロマト装置の分離条件を負荷量0.04L/L−R/hr、溶離水を負荷量の5倍量を用い再度クロマト分離を行った。その結果、1−ケストース回収率75%で純度92%の1−ケストース区分を得ることができた(総回収率64%)(試験番号a−2)。
また、サンプルの種類、負荷量、溶離水量を表3に記載のとおり変更し、他は同様に行った。これらの結果も表3に示した(試験番号b〜d)。尚、溶離水量は、溶離水を負荷量に対する量(倍量)で示している。
Figure 2007289128
実施例3
下記1段階目〜3段階目の結晶回収操作を行った。
(1段階目)
50L容量結晶缶に実施例2の試験番号aで得られた1−ケストース純度92%溶液(1−ケストース溶液a−2)を65Bxに50L調整し、その半分の25Lを入れた。80℃にて85Bxまで濃縮し、種結晶スラリーを加え起晶させた。その後2時間かけて缶内の蒸発量に応じ残りの25Lを徐々に加え煎糖した。得られた白下を50L助晶機内に移動させ、70℃で2時間助晶後、バケット型遠心分離機により分離した。結晶の回収率は45%で純度は99%であった。分離された蜜の純度は87%であったのでこの1段階目の蜜が充分に集まるまで繰り返し、以下2段階目の結晶回収を行った。
(2段階目)
50L容量結晶缶内に1段階目結晶回収の結果得られた87%純度の蜜を65Bxに調整し、50Lとした中から25Lを結晶缶内に入れ80℃にて87Bxまで濃縮し、種結晶スラリー0.2mLを加え起晶させた。その後3時間かけ缶内の蒸発量に応じ残りの25Lを徐々に加え煎糖した。得られた白下を50L容助晶機内に移動させ、70℃で4時間助晶後、バケット型遠心分離機により結晶と蜜を分離した。結晶の回収率は44%で純度は98%であった。分離された蜜の純度は80%であったのでこれを二段階目の蜜が充分に集まるまで、2段階目の煎糖を繰り返し、得られた蜜を3段階目の結晶工程に用いた。
(3段階目)
50L容量結晶缶内に2段階目結晶の結果得られた80%純度の蜜を65Bxに調整し、50Lとした中から25Lを結晶缶内に入れ80℃にて90Bxまで濃縮し、種結晶スラリー0.5mLを加え起晶させた。その後6時間かけ缶内の蒸発量に応じ残りの25Lを徐々に加え煎糖した。得られた白下を50L容助晶機内に移動させ、70℃で12時間助晶後、バケット型遠心分離機により結晶と蜜を分離した。結晶の回収率は43%で純度は96%であった。この時の分離された蜜の純度は71%であった(総回収率83%)。
実施例2の試験番号bで得られた1−ケストース純度86%溶液(1−ケストース溶液b)および試験番号cで得られた1−ケストース純度88%溶液(1−ケストース溶液c)について、1段階目の条件の煎糖を行わずに、2段階目の作業を行った後、3段階目の条件の煎糖を行った。その結果を表4に示す。
Figure 2007289128
さらに、上記3段階目の条件で回収した結晶を再溶解し65Bxに調整したもの50Lを用意し、これを結晶化母液として再結晶化を行った。上記1段階目の方法で煎糖を行った結果、結晶の回収率は、いずれも52%で得られた結晶純度はいずれも99%であった。さらに、この時の分離された蜜の純度はいずれも93%であったため、さらなる煎糖も可能であることが認められた。
実施例4 酵素の精製
参考例1で得た菌体165.5gを1Lの2mMメルカプトエタノールを含む20mMリン酸ナトリウム緩衝液(pH7.0)に懸濁し、氷冷しながら超音波破砕機を用いて10分間ずつ3回、計30分間破砕処理した。破砕後、遠心分離(8,000rpm、30min、4℃)し、その上澄み液をろ過して菌体内抽出液(総タンパク;777mg、総活性;39,900U、比活性;51.4U/mg)とした。
超音波破砕によって得られた菌体内抽出液に硫酸アンモニウムを加えて90%飽和とし、4℃で一晩静置後、遠心分離(10,000rpm、30min、4℃)により沈殿物を回収した。
回収した沈殿物は、2mMメルカプトエタノールを含む20mMリン酸ナトリウム緩衝液(pH7.0)に溶解し、ダイアライシスメンブラン36(和光純薬(株)製)を用い20mMリン酸ナトリウム緩衝液(pH7.0)中で2日間透析を行い、遠心分離(10,000rpm、30min、4℃)して得られた上澄み液を粗酵素液とした。この粗酵素液(総タンパク;96.9mg、総活性;16,400U、比活性;170U/mg)を2mMメルカプトエタノールを含む20mMリン酸ナトリウム緩衝液(pH7.0)で平衡化したDEAE−Sepharose CL−6Bカラム(DEAE−Sepharoseの製造元:ファルマシアバイオケミカルズ社)に添加、吸着後、0〜1.0MのNaClの直線的濃度勾配により溶出させ、活性区分(総タンパク量;35.1mg、総活性;7,310U、比活性208U/mg)を回収した。
この活性区分を50%飽和硫酸アンモニウムを含む0.1Mリン酸ナトリウム緩衝液(pH7.0)で一晩透析し、同緩衝液で平衡化したToyopearl HW−65Sカラム(Toyopearlの製造元:東ソー(株))に添加、吸着させ、50〜0Mの濃度勾配により溶出させ、活性区分(総タンパク量;21.1mg、総活性6,000U、比活性;284U/mg)を回収した。
この活性区分を0.1M Nacl、2mMメルカプトエタノールを含む0.1Mリン酸ナトリウム緩衝液(pH7.0)で一晩透析し、同緩衝液で平衡化したTyopearl HW−55Sカラムに添加し溶出させ、活性区分(総タンパク量;12.0mg、総活性;5,820U、比活性;485U/mg)を回収した。
この活性区分を2mMメルカプトエタノールを含む20mMリン酸ナトリウム緩衝液(pH7.0)で平衡化したDEAE−Sepharose CL−6Bカラムに添加、吸着させた後、0〜0.5MのNaClの直線的濃度勾配により溶出させ、活性区分(総タンパク量;11.0mg、総活性;5,180U、比活性;471U/mg)を回収した。
この活性区分をvivaspinを用いて0.5mlまで濃縮し、さらに50%飽和硫酸アンモニウムを含む0.1Mリン酸ナトリウム緩衝液(pH7.0)で透析した。その後、同緩衝液で平衡化したPhenil−Toyopearl 650Sカラム(Phenil−Toyopearlの製造元:東ソー(株))に添加、吸着させた後、50〜0Mの濃度勾配により溶出させ、活性区分(総タンパク量;3.94mg、総活性;3,370U、比活性;855U/mg)を回収した。この段階でポリアクリルアミドゲル電気泳動を行った結果、単一バンドが確認されたため最終精製酵素標品とした。
Figure 2007289128
実施例5 一般性質
(a)分子量
最終精製酵素標品の分子量は、SDS−ポリアクリルアミド電気泳動で96,000、ゲルろ過クロマトグラフィーでは、分子量270,000であった。
(b)至適pH
酵素反応は、0.07U酵素溶液0.02ml、0.2Mショ糖溶液0.1ml、各pHのMacllvain緩衝液(pH3.5〜7.5)0.08mlの計0.2mlを40℃で30分間反応させ、生成した1−ケストースをHPLCを用いて定量し、各pHに対する相対活性を求め、pH−活性曲線をプロットした。本酵素の至適pHは5.1〜5.7の間であった。
(c)至適温度
酵素反応は、0.07U酵素溶液0.02ml、0.2Mショ糖溶液0.1ml、0.1M酢酸ナトリウム緩衝液(pH5.5)0.08mlの計0.2mlを各温度で反応させ、相対活性を求め、温度活性曲線をプロットした。その結果、本酵素の至適温度は45〜55℃であった。
(d)速度パラメーター
酵素反応は、0.07U酵素溶液0.02ml、0.1M酢酸ナトリウム緩衝液(pH5.5)0.08ml、各濃度のショ糖溶液0.1mlの計0.2mlを40℃で30分間反応させて行った。生成した1−ケストースをHPLC(high-performance liquid chromatography)により測定して、諸速度を計算し、Lineweaver-Burkプロットから速度パラメーターを求めた。本酵素のKm値は0.16M、Vmaxは8423μg/ml of protein/minであった。
実施例6(精製酵素による反応例)
pH6.4、温度40℃に調整したショ糖溶液(濃度80%(w/v))を100mlの反応槽に入れ、これを上記実験例4で精製した酵素をショ糖1g当たり1.4U加え、35時間反応させた後、温度80℃、30分間の酵素失活処理を行った(サンプル7)。この酵素失活液の糖組成(重量%)、酵素効率、N比を測定した。結果を表6および表7に示した。
Figure 2007289128
Figure 2007289128

Claims (11)

  1. Aspergillus japonicus菌体またはAspergillus japonicus菌体由来の酵素を用いることを含む、1−ケストースの製造方法。
  2. ショ糖を基質としてAspergillus japonicus菌体またはAspergillus japonicus菌体由来の酵素を反応させることを含む、1−ケストースの製造方法。
  3. 酵素効率が、500g/乾燥菌体1g以上である、請求項2に記載の1−ケストースの製造方法。
  4. N比が、22%以下である、請求項2または3に記載の1−ケストースの製造方法。
  5. 反応温度が55℃以下である、請求項2〜4のいずれか1項に記載の1−ケストースの製造方法。
  6. 前記ショ糖は溶媒中に含まれており、該溶媒のpHは5.5〜8である、請求項2〜5のいずれか1項に記載の1−ケストースの製造方法。
  7. 前記溶媒中におけるショ糖の初期濃度は、70〜100%(W/V)である、請求項6に記載の1−ケストースの製造方法。
  8. Aspergillus japonicus菌体を用いることを含む、1−ケストース産生酵素の製造方法。
  9. Aspergillus japonicus菌体由来の1−ケストース産生酵素。
  10. 酵素効率が、500g/乾燥菌体1g以上である、請求項9に記載の酵素。
  11. N比が、22%以下である、請求項9または10に記載の酵素。
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