JP2007283496A - 印刷機の絵柄色調制御方法及び装置 - Google Patents

印刷機の絵柄色調制御方法及び装置 Download PDF

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Abstract

【課題】計測回数が少なくしても速やかに所望の色調の印刷シートが得られるようにした、印刷機の絵柄色調制御方法及び絵柄色調制御装置を提供する。
【解決手段】印刷を行い、印刷機を停止して実色濃度を計測し(第1の計測)、予め設定された目標色濃度と第1の計測で得た第1の実色濃度との濃度差とに基づいてインキ供給量を補正し(第1の補正)、第1の計測の後印刷機を再始動させて印刷を行い、印刷機を再停止して実色濃度を計測し(第2の計測)、第1の補正の後色調が収束するまでの印刷枚数として予め設定された時定数と、目標色濃度と第2の計測で得た第2の実色濃度との濃度差と、第1の実色濃度と第2の実色濃度との差と、停止時点から再停止時点までの印刷枚数と、に基づいて色調が収束時の実色濃度と目標色濃度との濃度差を推定し、推定濃度差に基づいてインキ供給量を補正する。
【選択図】図1

Description

本発明は、インキ供給量を調整することによって印刷シートの絵柄の色調を制御する印刷機の絵柄色調制御方法及び装置に関する。
印刷機には印刷幅方向に分割された複数のインキ供給ゾーン毎にインキの供給量を調整可能なインキ供給装置が備えられており、インキ供給装置でインキ壺から版胴に供給されるインキの供給量を調整することで印刷シートに転写される印刷絵柄の色調を制御することができる。
例えば、この絵柄色調制御は印刷シート上の印刷絵柄あるいは検出パッチ(コントロールストリップともいう)の反射光をインキ供給ゾーン毎にセンサで計測し、計測結果から得られる色濃度が所望の目標濃度となるように印刷シートの色濃度と目標濃度との差に基づいて各インキ供給ゾーン毎のインキ供給量を調整することにより行われている。
ところが、インキ壺から版胴に至るまでのインカー内には多数のインキローラが介在している。このため、インキ壺からインカーに供給されるインキの供給量が変更されてもインキ供給量の変更結果(色濃度)が実際に版胴を経て印刷シートの絵柄の色濃度に反映されるまでには所定の応答期間が必要であり、応答期間分だけ応答遅れが生じることになる。つまり、色濃度は徐々に増加していき所定の濃度に収束する。
この過渡時の応答期間は比較的長いため、速やかに所望の色濃度の印刷シートを得るためには応答期間中であっても印刷シートの色濃度を計測し、積極的にインキ供給量を制御することが望ましいが、応答遅れを考慮することなく単純に印刷シートの色濃度と目標濃度との差に基づいてインキの供給量を変更すると、印刷シートの色濃度に大きなオーバーシュートやアンダーシュートが生じることがあった。
例えば、オーバーシュートについてより具体的に説明すると、図6に実線で示すように、応答期間中のある時点(図中T1)でインキ供給量を増大補正し、その後、この補正したインキ供給量のまま応答期間が経過した結果、印刷シートの色濃度が目標濃度の近傍に収束する(図中T0)ような状態を想定する。この場合、上記補正時点(T1)の後で且つ応答期間が経過する前の時点(図中T2)で印刷シートの色濃度を計測すれば、計測濃度は目標濃度よりも小さい値となる。
このとき、計測濃度がインキ供給量の増大補正に対する応答期間内の過渡的な濃度であることを考慮せず、単純に印刷シートの計測濃度と目標濃度とに基づいて再度インキ供給量を補正しようとすれば、インキ供給量はさらに増大補正されることになり、本来ならば目標濃度近傍に収束するはずであった印刷シートの色濃度が図6に破線で示すように大きくオーバーシュートするのである。
このように印刷シートの色濃度にオーバーシュートが生じると絵柄の色濃度が目標濃度近傍に収束するのが遅れ、所望の色調の印刷シートを得るまでの損紙が増大してしまう。
そこで、計測された印刷シートの色濃度に基づいて所定枚数印刷した後の印刷シートの色濃度の予測値を演算し、この予測値と目標濃度(目標色濃度)とに基づいてインキ供給量を調整する技術が提案されている(特許文献1参照)。
特許文献1の技術によれば、インキの供給量を変更したときの応答遅れを考慮してインキの供給量を制御するので、色濃度のオーバーシュートを抑制して印刷シートの色調を速やかに目標濃度近傍に収束させることができる。
特開2005−231221号公報
ところが、特許文献1の技術では所定の印刷枚数毎に印刷シートの色濃度の計測と所定の印刷枚数後の色濃度の予測とを繰り返し行う必要がある。
したがって、特許文献1の技術では印刷シートの色濃度を頻繁に計測する必要があり、業務効率を考慮すると、印刷シートの搬送ライン上にCCDラインセンサ等からなる撮像手段を設け、印刷を停止せずに搬送中の印刷シートの色濃度を計測するオンライン計測を行う必要がある。
印刷シートの色濃度を頻繁に計測するためにオンライン計測を行う場合にはこれにかかる装置を追加する必要があり、装置コストが増大してしまう。このため一般に輪転印刷機等,大量ロットの印刷を行うような印刷機では相対的に装置コストが割安となるためオンライン計測が行われているが、枚葉印刷機等の中小ロットの印刷機にはオンライン計測は不向きである。
このため、特に枚葉印刷機等では色合わせ段階で印刷シートの絵柄色調の計測はオペレータ等が印刷を一旦停止して搬送ラインから印刷シートを抜き取り、抜き取った印刷シートを分光計などの計測器で計測する等して行うオフライン計測により行われるが一般的である。
また、オンライン計測では搬送中の印刷シートを逐次速やかに計測及び演算処理する必要があるため、演算装置の処理速度を考慮すると精度の高い計測器を使用することが難しく色調計測の精度が低下してしまうことも考えられる。
例えば、計測器として分光計を用いてC(藍),M(紅),Y(黄)の網点を重ねたグレーパッチを計測すれば、C,M,Yの各色のインキ供給量の調整(いわゆるグレーバランス制御)が可能となるが、反面、演算装置の性能によるが分光反射率の計測及び解析には時間がかかるためオンライン計測には分光計は不向きである。一方、計測器として濃度計を用いれば計測及び解析にかかる時間が少ないためオンライン計測に適しているが、上記のグレーバランス制御を行うことができず、各インキの掛け合わさった中間調の部分の色調制御の精度が低下してしまう。
あるいは、特許文献1の技術はオペレータによって手動でインキ供給量が調整された場合については考慮されておらず、手動でインキ供給量が変更された場合には有効な制御を行う事ができないという課題もある。
本発明はこのような課題に鑑み創案されたもので、印刷シートの色濃度の計測回数が少なくても、印刷シートの色濃度のオーバーシュートやアンダーシュートを抑制して速やかに所望の色調の印刷シートが得られるようにした、印刷機の絵柄色調制御方法及び絵柄色調制御装置を提供することを目的とする。
上述の目的を達成するために、請求項1記載の本発明の印刷機の絵柄色調制御方法はインキ供給量を調整することによって印刷絵柄の色調を制御する印刷機の絵柄色調制御方法であって、前記印刷機で前記印刷絵柄の印刷を行い、前記印刷機を停止して、該停止時点における印刷された前記印刷絵柄の実色濃度を計測する第1の計測ステップと、予め設定された前記印刷絵柄の目標色濃度と前記第1の計測ステップにより計測された第1の実色濃度との濃度差とに基づいてインキ供給量を補正する第1の補正ステップと、前記第1の計測ステップの後、前記印刷機を再始動させて前記印刷絵柄の印刷を行い、前記印刷機を再停止して、該再停止時点における印刷された前記印刷絵柄の実色濃度を計測する第2の計測ステップと、前記第1の補正ステップによりインキ供給量を補正してから前記印刷絵柄の色調が収束するまでの印刷枚数として予め設定された時定数と、前記目標色濃度と前記第2の計測ステップにより計測された第2の実色濃度との濃度差と、前記第1の実色濃度と前記第2の実色濃度との差と、前記停止時点から前記再停止時点までの印刷枚数と、に基づいて、前記印刷絵柄の色調が収束した際に想定される実色濃度と前記目標色濃度との濃度差を推定する収束時濃度差推定ステップと、前記収束時濃度差推定ステップにより推定された収束時濃度差に基づいてインキ供給量を補正する第2の補正ステップと、をそなえたことを特徴としている。
つまり、第2の計測ステップにより計測された第2の実色濃度は、第1の補正ステップによる補正に対しての色調変化の過渡状態であることが考えられ、仮にインキ供給量の補正を行わずに印刷を継続した場合、印刷絵柄の色濃度は第2の実色濃度から変化する可能性がある。
そこで、第1の補正手段によりインキ供給量を補正してから前記印刷絵柄の色調が収束するまでの印刷枚数として予め設定された時定数を用いて第1の補正ステップによる補正が行われた時点から時定数に対応する枚数の印刷が行われた時点での印刷シートの実色濃度と目標色濃度との差(収束時濃度差)を推定し、推定された収束時濃度差に基づいて、第2の実色濃度を計測した時点(即ち、印刷絵柄の色調が収束する前)においてインキ供給量を補正するのである。
また、請求項2記載の本発明の印刷機の絵柄色調制御方法は請求項1のものにおいて、前記第2の計測ステップと前記収束時濃度差推定ステップと前記第2の補正ステップとからなる予測制御の後に、前記印刷機を再始動させて前記印刷絵柄の印刷を行い、前記印刷機を停止して、該停止時点における印刷された前記印刷絵柄の実色濃度を計測する第3の計測ステップと、直近の補正ステップによりインキ供給量を補正してから前記印刷絵柄の色調が収束するまでの印刷枚数として予め設定された時定数と、前記目標色濃度と直近の計測ステップにより計測された前記印刷絵柄の実色濃度との濃度差と、前記直近の計測ステップにより計測された直近の実色濃度よりも前に計測された前記印刷絵柄の実色濃度と前記最新の実色濃度との差と、前記直近の実色濃度よりも前に計測された過去の実色濃度の計測時点から前記直近の実色濃度の計測時点までの印刷枚数と、に基づいて、前記印刷絵柄の色調が収束した際に想定される実色濃度と前記目標色濃度との濃度差を推定する第2の収束時濃度差推定ステップと、前記第2の収束時濃度差推定ステップにより推定された収束時濃度差に基づいてインキ供給量を補正する第3の補正ステップと、からなる予測制御ステップを、前記印刷絵柄の色調が目標色濃度に収束したと判定されるまで繰り返し実行することを特徴としている。
また、請求項3記載の本発明の印刷機の絵柄色調制御方法は請求項1又は2のものにおいて、前記第1の補正ステップは、前記目標色濃度と、前記第1の実色濃度との差が予め設定された許容差以上の場合に実行されるとともに、前記収束時濃度差推定ステップ及び前記第2の補正ステップは、前記第1の補正ステップの実行時のみに実行されることを特徴としている。
また、請求項4記載の本発明の印刷機の絵柄色調制御方法は請求項1〜3のいずれか1項のものにおいて、前記時定数は、インキ供給単位幅であるインキ供給ゾーン毎の印刷絵柄の画線率に応じて求められることを特徴としている。
また、請求項5記載の本発明の印刷機の絵柄色調制御方法は請求項1〜4のいずれか1項のものにおいて、前記の各計測ステップでは、前記印刷シートの反射光を分光計を用いて計測することを特徴としている。
また、請求項6記載の本発明の印刷機の絵柄色調制御方法は請求項1〜5のいずれか1項のものにおいて、前記印刷機は、インキ元ローラとインキ元ローラに対向して印刷幅方向に並列した複数のインキキーとが備えられ、前記のインキ供給量の補正は、前記インキキーと前記インキ元ローラとの隙間であるインキキー開度を調整することによって行うことを特徴としている。
また、請求項7記載の本発明の印刷機の絵柄色調制御方法は請求項1〜6のいずれか1項のものにおいて、前記インキキー開度の調整を行う際のインキキー開度補正量は少なくとも現在のインキキー開度と前記インキ元ローラの回転速度とに基づいて算出されることを特徴としている。
また、請求項8記載の本発明の印刷機の絵柄色調制御方法は請求項1〜7のいずれか1項のものにおいて、複数の制御中止条件のうちのいずれかが成立した場合には前記第2の計測ステップ,前記収束時濃度差推定ステップ,前記第2の補正ステップの実行を中止し、前記制御中止条件には前記第1の補正ステップ又は前記第2の補正ステップ以外の要因で前記インキ供給量が変更されること、が含まれることを特徴としている。
また、請求項9記載の本発明の印刷機の絵柄色調制御方法は請求項8のものにおいて、前記制御中止条件に、前記予測制御ステップ以外の要因で前記インキ供給量が変更されること、が含まれ、前記制御中止条件のいずれかが成立した場合には前記第2の計測ステップ,前記収束時濃度差推定ステップ,前記第2の補正ステップ及び前記予測制御ステップの実行を中止することを特徴としている。
また、請求項10記載の本発明の印刷機の絵柄色調制御方法は請求項8又は9のものにおいて、前記目標色濃度が変更されること、が前記制御中止条件に含まれることを特徴としている。
また、請求項11記載の本発明の印刷機の絵柄色調制御装置は、印刷用刷版に供給するインキの供給量を調整可能なインキ供給量調整手段を備え、前記インキ供給量調整手段によりインキの供給量を調整することによって印刷絵柄の色調を制御する印刷機の絵柄色調制御装置であって、前記印刷機により印刷された前記印刷絵柄の実色濃度を検出する色濃度検出手段と、前記色濃度検出手段により検出された実色濃度に基づいて前記インキ供給量調整手段によるインキ供給量を補正する補正手段と、前記補正手段によるインキ供給量の補正後に、前記色濃度検出手段により実色濃度検出されると、前回のインキ供給量を補正してから前記印刷絵柄の色調が収束するまでの印刷枚数として予め設定された時定数と、予め設定された前記印刷絵柄の目標色濃度とその時点に検出された実色濃度との濃度差と、前回のインキ供給量の補正時の実色濃度に対するその時点の実色濃度の変化量と、前回のインキ供給量の補正時から今回の実色濃度検出時点までの印刷枚数と、に基づいて、前記印刷絵柄の色調が収束した際に想定される実色濃度と前記目標色濃度との濃度差を推定する収束時濃度差推定手段とをそなえ、前記補正手段は、前記収束時濃度差推定手段による収束時濃度差の推定前には、前記印刷絵柄の目標色濃度と、その時点で検出された前記実色濃度との濃度差に基づいて前記インキ供給量調整手段によるインキ供給量を補正し、前記収束時濃度差推定手段により収束時濃度差が推定されると、該濃度差に替えて推定された該収束時濃度差に基づいてインキ供給量を補正することを特徴としている。
したがって、本発明の印刷機の絵柄色調制御方法及び本発明の印刷機の絵柄色調制御装置によれば、インキ供給量を補正した後、印刷絵柄の色調が収束する前の過渡状態において色調が収束するのを待たずにインキキー開度を補正して速やかに目標となる色調の印刷絵柄を得ることができるので、その分損紙を低減することができる。
また、印刷絵柄の色調が収束する前の過渡状態時に行われるインキ供給量の補正は、印刷絵柄の色調が収束するまでの印刷枚数である時定数τを用いて前回補正による印刷絵柄の色調が収束した時点の色濃度の推定値と目標色濃度との差を求め、収束時濃度差印刷絵柄の色調が収束するまでの印刷枚数に基づいてインキ供給量が補正されるので、補正後のインキ供給量は印刷絵柄の色調が収束した時点における色濃度を考慮した精度の高いものとなり、印刷絵柄の実色濃度が目標色濃度の近傍に収束するまでに必要な印刷絵柄の色濃度の計測回数が少なくすむという利点がある。
つまり、色濃度の計測にかかる一回あたりの計測時間が比較的長くても全体としての計測にかかる生産性の低下は小さく抑えられるので、枚葉印刷機において最も一般的な色濃度の計測手法を用いて印刷絵柄の色濃度を計測することができる。この計測手法とは即ち、色濃度の計測を行う際に印刷機の運転を停止して印刷された印刷シートを抜き取り、印刷機とは別体に設置した計測器によって抜き取った印刷絵柄の色濃度を計測するいわゆるオフライン計測であり、色濃度の計測にあたって印刷機を停止させずに印刷シートの搬送ライン上で計測を行うオンライン計測をする必要がなく、従来の印刷機にオンライン計測に必要な装置を設置するための装置コストを低減することができる。
さらに、色濃度の計測時に印刷機の運転を停止するようにしているので、特に、印刷開始時から所望の色調の印刷シートを得るまでの印刷立ち上げ制御期間において色濃度の計測及びインキ供給量の補正に係る処理を行う間に損紙が発生するのを防止するという効果も得られる。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。図1〜図5は本発明の一実施形態にかかる印刷機の色調制御方法及び色調制御装置を説明するためのものであって、図1及び図4は印刷機の絵柄色調制御のフローを示すフローチャート、図2は印刷機の概略構成を模式的に示す図、図3は絵柄色調制御に着目した機能ブロック図、図5は実色濃度と印刷枚数との関係を示すグラフである。
図2に示すように、本実施形態の印刷機1はプロセスカラー印刷が可能な4色刷オフセット枚葉印刷機である。なお、本実施形態として例にあげる印刷機1は片面印刷機であるが、両面印刷機を用いてもよい。
印刷機1は給紙部50,排紙部51,印刷部52等から構成されており、印刷部52には印刷シート(枚葉紙)8の搬送経路に沿ってプロセスカラーのインキ色〔墨(k)、藍(c)、紅(m)、黄(y)〕毎に印刷ユニット2a,2b,2c,2dがタンデムに配置され、給紙部50から1枚ずつ送り出された印刷シート8が圧胴9a〜9d及び渡し胴10a〜10dを順次通って各印刷ユニット2a〜2dに通紙されることによって各インキ色の絵柄が順に印刷され、そして、印刷された印刷シート8は排紙部51の載置部51aに積み重ねられるように構成されている。
各印刷ユニット2a,2b,2c,2dはそれぞれ同様に構成されている。そこで印刷ユニット2aを例に説明すると、印刷ユニット2aはインキ供給装置(インキ供給量調整手段)40,インカー5,版胴3及びブランケット胴4等によって構成されている。
インキ供給装置40はインキ元ローラ6と印刷幅方向に並列した複数のインキキー7等から構成されており、インキ元ローラ6及びインキキー7等によりインキの供給源であるインキ壺が形成されている。また、インキ供給装置40には各インキキー7を個別に駆動可能なインキキー駆動装置41(図3も参照)が備えられている。そして、インキキー駆動装置41はコンピュータ等で構成される制御装置20と接続されており、制御装置20によってインキキー7のインキ元ローラ6に対する隙間量(即ち、インキキー開度)を制御することにより、各インキキー7に対応するインキ供給ゾーン(キーゾーンという)毎にインキの供給量が調整されるようになっている。
なお、インキ供給量の調整はインキキー制御装置41による自動調整以外にも、インキキー7の図示しない調整用ネジ等を操作することでオペレータによってインキキーの角度を手動で調整することでインキキー開度を調整できるようになっており、インキキー開度が手動で調整されると手動調整信号が制御装置20に入力されるようになっている。
このように各印刷ユニット2a,2b,2c,2dではインキの供給量をそれぞれ調整することにより、印刷シート8に転写される絵柄の色調を制御するようになっている。
インキ供給装置40から供給されたインキは、図示省略のインキ呼び出しローラ及び複数のインキローラ群を含むインカー5内を次々に転写することにより搬送され、刷版(印刷用刷版)が装着された版胴3に供給される。版胴3に供給されたインキはブランケット胴4を介して印刷シート8に転写されて印刷絵柄を形成するようになっている。
また、インカー5と版胴3との間は互いに離接するように構成されており、版胴3がインカー5から離れている状態(これを版胴3が脱の状態という)のときには、インカー5から版胴3へのインキ供給が遮断されるようになっている。
また、印刷シート8の印刷絵柄の色濃度検出手段として分光反射率を計測する分光反射率計(分光計)11が備えられている。分光計11は印刷ユニット2dよりも下流側の印刷シート8の搬送ライン上や載置部51aの上部等に備えてもよく、印刷機1とは別体の装置として備えてもよい。ここでは、分光計11は印刷機1とは別体として設けられている。
ここで、絵柄色調制御にかかる機能構成について説明する。タッチパネル30は制御装置20に入出力可能に接続されており、タッチパネル30は制御装置20からの出力を表示する表示機能と制御装置20への種々の指示情報を入力する入力機能とを有している。タッチパネル30からは、印刷機1の運転開始及び運転停止等の運転指令信号や印刷絵柄のキーゾーン毎の絵柄面積に対する画線部の面積である画線率Aや印刷絵柄の色濃度の目標値である目標色濃度D等が制御装置20に入力されるようになっている。
また、制御装置20の入力側は分光計11と接続されており、分光計11により計測された印刷シート8の印刷絵柄の分光反射率の計測結果が制御装置20に入力されるようになっている。なお、分光計11と制御装置20とは直接接続される必要はなく、分光計11の計測結果はタッチパネル30を通じてオペレータが手動で入力するようにしてもよい。
制御装置20の出力側はインキ供給装置40の図示しないインキキー駆動装置41に接続されている。また、制御装置20にはインキキー開度K及びインキ元ローラ6の回転速度Nが入力されるようになっている。
インキキー開度Kは、例えばポテンショメータ等のセンサでインキキー開度を実際に計測したものを用いてもよく、あるいは制御装置20にインキキーの駆動履歴を記憶しておき、インキキーの駆動履歴から算出するようにしてもよい。インキ元ローラの回転速度Nは、インキ元ローラ6を回転駆動させる図示しない速度調節型モータの駆動速度を入力するようにすればよい。
制御装置20は機能要素として印刷機運転制御部21,印刷枚数カウンタ22,インキ供給量制御部23,予測制御中止判定部24及びインキキーロック制御部25を備えている。
印刷機運転制御部21は、印刷機1の運転開始あるいは運転停止を制御するようになっており、ここではタッチパネル30からの入力信号により印刷機1の運転開始及び停止あるいは減速及び増速等の印刷機の運転状態を制御するようになっている。なお、印刷機運転制御部21は特定の停止条件が成立したときに印刷機1を自動的に停止あるいは始動するように構成しても良い。
印刷枚数カウンタ22は、印刷開始時から現在までの印刷シート8への印刷枚数Sをカウントするようになっている。以後、印刷枚数Sはカウント値Sともいう。
予測制御中止判定部24には後述する予測制御を中止するか否かの判定条件である予測制御中止条件(制御中止条件)が記憶されており、予測制御中止条件とは
(1)印刷開始後、初回の制御である場合
(2)オペレータにより、タッチパネル30を通じて予測制御オフの指示が入力されている場合
(3)前回のインキキー開度の自動調整以降、オペレータによる手動でのインキキーの調整によりインキ供給量が変更されている場合(つまり、自動調整以外の要因でインキキー開度が変更されている場合)
(4)インキ予備供給後、初回の制御である場合
(5)OKシートを取り込んだ後、初の制御である場合
の(1)〜(5)のいずれか1つでも成立することである。
予測制御中止判定部24は(1)〜(5)のいずれか1つでも成立する場合には予測制御中止条件が成立していると判定し、(1)〜(5)の条件がいずれも成立しない場合には、予測制御中止条件が成立していないと判定するようになっている。なお、条件(5)については、目標色濃度Dが変更された場合としてもよい。
インキキーロック制御部25には、インキキーロック条件が記憶されている。インキキーロック制御部25はインキキーロック条件が成立したインキキー7については、インキキー駆動装置41によるインキキー開度の自動調整を禁止するようになっている(インキキーロック状態という)。
ここで、インキキーロック条件とは、
(6)タッチパネル30からインキキーロック指示信号が入力されている場合
(7)オペレータにより、インキキー開度が手動で調整された場合(手動調整信号が入力されている場合)
の(6),(7)のうち、いずれか一方が成立することである。
つまり、インキキーロック制御部25は(6),(7)の各条件のうち、いずれか一方あるいは両方が成立した場合には、対象となるインキキー7の自動調整を禁止するようになっている。なお、インキキーロック状態であっても、オペレータ手動で行うインキキー開度調整は可能となっている。
ここで、インキキーロックを行う理由について説明すると、例えば機械の不調等のため、ある特定のキーゾーンだけ極端に目標色濃度Dと実色濃度との差が大きい場合、あるいは見本刷りと呼ばれる色調の見本となる印刷物等自体に濃度のばらつきがあり、実色濃度が目標色濃度D近傍であっても印刷シート8の色調が見本刷りの色調にならないような場合等、インキキー開度の自動調整のみでは所望の色調が得られにくいとオペレータが判断してインキキー7を手動で調整する場合がある。このとき、インキキー7の自動調整を行うと手動により所望のインキキー開度に調整されていたはずのインキキー開度が意図に反して変更されてしまい却って印刷シート8の絵柄色調が乱れる原因となるためである。
また、インキキーロック制御部25にはインキキーロック解除条件も記憶されており、インキキーロック制御部25はインキキーロック解除条件が成立した場合には、インキキー開度の自動調整を許可する(インキキーロックを解除する)ようになっている。
インキキーロック解除条件とは
(8)目標色濃度Dが更新された場合
(9)タッチパネル30からインキキーロック解除指令が入力された場合
の(8),(9)のうち、いずれか一方が成立することである。
インキ供給量制御部23は機能別に、第1の実色濃度及び第2の実色濃度を取得する色濃度取得部23Aと収束時濃度差推定手段としての収束時濃度差推定部23Bと補正手段としてのインキ供給補正量演算部23Cとに分けられる。インキ供給量制御部23の機能の詳細については図1及び図4のフローチャートを用いて後述する。
ここで図1及び図4を参照して、印刷シート8の印刷及び印刷絵柄の絵柄色調制御にかかる作業フローについて説明する。
まず、印刷開始に先立って印刷されるべき絵柄(印刷絵柄)が書き込まれた刷版が版胴3に装着されると、図1に示すようにステップS10としてインキ予備供給と呼ばれる処理が行われる。
このインキ予備供給処理は、印刷シート8の絵柄の色調が印刷開始後速やかに所望の色調となることを目的として予めインカー5内のインキローラ群に印刷絵柄の画線率Aに応じた所定の膜厚のインキ膜を形成する処理である。
インキ予備供給については公知の方法で行えばよく、ここでは、制御装置20においてまず印刷シート8の用紙種類,インキの種類,目標色濃度D,画線率Aに基づいてインキキー開度及び版胴3の回転回数を求める。そして、インキキー駆動装置41がインキキー7を所定のインキキー開度に設定し、インキ予備供給は版胴3を脱にした状態で印刷機運転制御部21が求めた回転回数だけ印刷機1を運転(則ち、インキ元ローラ6及びインカー5のインキローラ群を回転させる)することによりインキ供給装置40からインカー5へインキを供給してインキローラ群に所定のインキ膜厚を形成する。
ステップS10でインキ予備供給が完了するとステップS20として所定の枚数だけ印刷が行われる。ここでの所定の枚数とは特に数量を限定するものではないが50枚〜100枚程度が好ましい。上記枚数が好ましい理由としては、印刷枚数を多くすれば、それだけ後述する予測制御の精度は向上するが、損紙が多くなる。一方、例えばインキキー7を調整した直後(2,3枚程度印刷)等、印刷枚数が少ない場合には、計測された実色濃度の濃度差がほとんど無いため、制御の精度が低下して予測制御が容易に行えないことがある。そこで、上述の50枚〜100枚程度の印刷が好ましい。
次に、ステップS30としてオペレータがタッチパネル30を操作して印刷機停止信号を入力し、印刷機運転制御部21が印刷機1の運転を停止させる。
印刷機1の停止方法としては他にも予め印刷機運転制御部21にステップS20における所定の枚数を記憶させておき、印刷枚数カウンタ22のカウント値Sが上記の所定の枚数になった時点で印刷機運転制御部21が印刷機1を自動停止させてもよい。
ステップS30で印刷機1が運転を停止すると、ステップS40として分光計11により印刷シート8の分光反射率を計測し、計測結果を制御装置20に入力する。
分光反射率の計測はオペレータが印刷機1の最下流の印刷ユニット2dよりも下流側の印刷シート8を計測サンプルとして抜き取り、印刷機1とは別体に設置された分光計11に上記抜き取った印刷シート8をセットして計測する(つまり、オフライン計測である)。なお、印刷シート8には黒(K),藍(C),紅(M),黄(Y)の各インキ色の網点のカラーパッチ及び藍(C),紅(M),黄(Y)の網点を重ねたグレーパッチが印刷されており、これらのパッチ部分の分光反射率のみを計測してもよく、印刷絵柄全体の分光反射率を計測してもよい。
分光計11で計測した印刷シート8の分光反射率の計測結果は制御装置20に入力され、制御装置20の色濃度取得部23Aでは予め得られている分光反射率と各インキ色との対応関係を用いて入力された分光反射率を各インキ色毎の色濃度に変換する。
なお、このステップS40の処理は第1の計測ステップ及び第2の計測ステップに相当するものであり、ステップS40において計測された実色濃度は場合に応じて第1の実色濃度D及び第2の実色濃度Dとして機能する。
ステップS50では、制御装置20の演算部において目標色濃度DとステップS40で計測された実色濃度(第1の実色濃度Dあるいは第2の実色濃度D)Dとの濃度差ΔDを算出する。そして、算出した濃度差ΔDはタッチパネル30に表示されるようになっている。なお、以下、目標色濃度Dと第1の実色濃度Dとの濃度差をΔD,目標色濃度Dと第2の実色濃度Dとの濃度差をΔDとし、特に指定しない場合には濃度差ΔDとする。
ステップS60では、印刷シート8の絵柄色調が目標色濃度Dに収束したか否かを判定する。
つまり、目標色濃度Dと実色濃度Dとの濃度差ΔDと予め設定された許容濃度差ΔDとが比較され、濃度差ΔDが許容濃度差ΔD以下である時には印刷シート8の絵柄色調が目標色濃度Dに収束したと判定してYesルートを通り、図4のステップS200に進む。また、濃度差ΔDが許容濃度差ΔDよりも大きい場合にはNoルートを通りステップS70へと進む。
なお、印刷シート8の絵柄色調が目標色濃度Dに収束したか否かの判定方法としては後述するように収束時濃度差推定部23Bが算出する収束時濃度差ΔD’が許容濃度差ΔD’以下である時には印刷シート8の絵柄色調が目標色濃度Dに収束したと判定してもよく、オペレータが目視により判断して、タッチパネル30等により印刷シート8の絵柄色調が目標色濃度Dに収束したことを入力してもよい。
ステップS70では、オペレータがステップS10で行ったインキ予備供給を追加して行うべきか否かを判断する。即ち、目標色濃度Dと印刷シート8の実色濃度Dとの濃度差ΔDが基準よりも大きいと判断される場合には印刷シート8に印刷を行いながら色調を調整すると大量の損紙が発生することが考えられる。
そこで印刷シート8を通紙せずに上述したように版胴3を脱にしてインキの予備供給を追加し、インカー5のインキローラ群に形成するインキ膜厚を増加させておくことで、印刷再開後、印刷シート8の色濃度が目標色濃度D近傍になるまでの損紙を低減することができる。
ステップS70で、オペレータがインキ予備供給を追加すると判断し、タッチパネル30を通じて入力を行った場合にはステップS75に進み、ステップS75ではステップS10と同様な方法でインキ予備供給処理が行われ、その後ステップS20に戻る。また、オペレータがインキ予備供給を追加して行わないと判断し、タッチパネル30を通じて入力を行うとステップS80へと進む。
ステップS80では予測制御中止判定部24が記憶されている予測制御中止条件が成立しているか否かを判定する。
即ち、上述した予測制御中止条件が成立している場合にはYesルートを通りステップS110へ進み、ステップS90,S100の予測制御は行われない。また、予測制御中止条件が成立していない場合には、Noルートを通りステップS90へ進む。
ここでステップS90,S100の処理(予測制御の一部)について説明する。
ステップS90の処理時には当然ながら予測制御中止条件が成立していないので、少なくとも前制御周期のステップS40において印刷絵柄の実色濃度が計測され制御装置20の記憶領域に記憶されており、予測制御を行う際には前制御周期のステップS40において計測された実色濃度を第1の実色濃度Dとし、今制御周期のステップS40において計測された実色濃度を第2の実色濃度Dとして演算に用いる。
また同時に、制御装置20の記憶領域には、画線率A,印刷枚数のカウント値S,目標色濃度D,第1の実色濃度計測時の印刷枚数カウンタ22のカウント値Sと第2の実色濃度計測時のカウント値S等が記憶されている。
予測制御では制御装置20に記憶されている上記のパラメータを用いて、今後インキ供給量を変更せずに印刷を継続した場合に印刷シート8の絵柄色調が収束すると予測される色濃度と目標色濃度Dとの濃度差(収束時濃度差)ΔD’を算出する処理を行う。
具体的には、ステップS90において収束時濃度差推定部23Bが画線率Aに基づいて時定数τを算出する。時定数τは、インキ供給量の補正を行ってから印刷絵柄の色調が収束するまでの印刷枚数に対応したパラメータであり印刷枚数そのものと定義することもできる。
この色調が収束するまでの印刷枚数は画線率Aに依存することが判っている。つまり、画線率Aが小さい場合はインキの消費量が少ないため色調が収束するまでに多くの印刷枚数を必要とするが、画線率Aが大きい場合にはインキの消費量が多いため比較的少ない印刷枚数で色調が収束する。
このため、収束時濃度差推定部23Bは画線率Aと予め実験により求められた近似係数とを用いて時定数τを算出する。
次にステップS100として収束時濃度差推定部23Bは、目標色濃度Dと第2の実色濃度Dとの濃度差ΔD,時定数τ,第2の実色濃度Dと第1の実色濃度Dとの差(変化量)Δd(Δd=D−D),第1の実色濃度の計測時から第2の実色濃度計測時までの印刷枚数ΔS(ΔS=S−S)に基づいて、印刷シート8の絵柄の色調が収束する時点においての印刷シート8の色濃度の予測値と目標色濃度Dとの差の予測値(つまり、収束時濃度差)ΔD’を算出する(収束時濃度差推定ステップ)。
ステップS110では、インキ供給補正量演算部23Cがインキキー開度Kの補正値ΔKを算出する。まず、インキ供給補正量演算部23Cは印刷シート8の用紙種類に応じて各色毎に設定された応答係数と制御装置20に入力されたインキ元ローラ6の回転数Nと画線率Aとに基づいて、インキキーのキー制御ゲインKを算出する。
その後、予測制御中止条件が成立している場合(即ち、ステップS90,S100の処理が実行されていない場合)には、ステップS50で算出した濃度差ΔDと現在のインキキー開度Kとに基づいて補正後のインキキー開度K’(即ち、インキキー開度指示値)を算出する(K’=K+ΔD/K)(第1の補正ステップ)。
一方、予測制御中止条件が成立してない場合(即ち、ステップS90,S100の処理が実行された場合)には、ステップS100で算出した収束時濃度差ΔD’と現在のインキキー開度Kとに基づいて補正後のインキキー開度K’(インキキー開度指示値)を算出する(K’=K+ΔD’/K)(第2の補正ステップ)。
このようにステップS110において、インキキー駆動装置41に送信されるインキキー開度指示値(ここでは補正後インキキー開度K’)が算出されると、ステップS120〜S160では実際にインキキー開度の補正を行うか否かが判断される。
まずステップS120として、オペレータはインキキーロック状態を解除するか否かを判断する。即ち、現在インキキーロック状態となっているインキキー7の内、インキキー開度を自動制御してもよいとオペレータが判断したインキキー7についてはタッチパネル30からインキキーロック解除指令を入力する(ステップS130)。
次にステップS140としてインキ供給補正量演算部23Cはインキキーロック制御部25によりインキキーロック状態とされているインキキー7を確認し、ステップS150としてインキキーロック状態のインキキー7のインキキー開度指令値を現在のインキキー開度Kへと変更する。つまり、インキキーロック状態のインキキー7については現在のインキキー開度Kからのインキキー開度の調整は行わない。
次にステップS160として、オペレータはインキキー開度の調整を行うか否かを判断する。インキキー開度の調整を行うと判断し、タッチパネル30を通じてインキキー開度の調整を行う旨の信号の入力を行うと入力を受けてインキ供給補正量演算部23Cはインキキー駆動装置41にインキキー開度指示値を送出してインキキー駆動装置41が各インキキー7の開度を変更する(ステップS170)。インキキー開度が変更されるとステップS20に戻り印刷機運転制御部21は再び印刷運転を行う。
また、オペレータがインキキー開度の調整を行わないと判断しタッチパネル30を通じて印刷運転の信号を入力するとそのままステップS20に戻り印刷機運転制御部21は再び印刷運転を行う。
上述のステップS60において、印刷シート8の色濃度が目標色濃度に収束したと判定されると、図4に示すようにステップS200に進み、オペレータは印刷シート8をOKシートとして取り込むか否かを判断する。
そしてオペレータはOKシートとして取り込まないと判断した場合はそのままステップS230に進み、OKシートとして取り込むと判断した場合には、オペレータがタッチパネル30等に取り付けられたOKボタンを押すことにより、ステップS210として最も直近(最新)に取得した印刷シート8の実色濃度を目標色濃度Dに設定する。これにより目標色濃度Dが更新される。そして、ステップS220としてインキキーロック制御部25が全てのインキキーのロック状態を解除してステップS230へと進む。
なお、ステップS200のOKシートを取り込む処理はオペレータがOKボタンを押すことによって任意のタイミングで行うこともできる。そして、OKシートを取り込む処理が行われた場合にはステップS210,ステップS220の処理も行う。
ステップS230として印刷運転が開始される。つまり、前ステップ迄に所望の絵柄色調の印刷シート8が得られると立ち上げ制御は終了し本格的な印刷運転(本運転)が行われる。
しかし、大量枚数の印刷を行うと印刷シート8の絵柄色調が変化する可能性があるため適度な所定枚数(ここでは500枚〜1000枚程度)の印刷を行った時点でオペレータは印刷された印刷シート8を印刷機1から抜き取る(ステップS240)。このとき、印刷機1の運転を停止させてもよいが、生産効率上、印刷機1を停止させる必要はない。
そして、ステップS250として上述のステップS40と同様に抜き取った印刷シート8の分光反射率を分光計11により計測及び入力し、制御装置20の色濃度取得部23Aは入力された分光反射率を各インキ色毎の色濃度に変換して取得する。
このとき変換される色濃度は、予測制御中止条件が成立している場合には第1の実色濃度に相当し(第1の計測ステップ)、予測制御中止条件が成立していない場合には第2の実色濃度に相当する(第2の計測ステップ)。
ステップS260では、目標色濃度DとステップS250で計測された色濃度(第1の実色濃度Dあるいは第2の実色濃度D)との濃度差ΔDを算出する。
ステップS270では、ステップS80と同様に制御装置20の予測制御中止判定部24において予測制御中止条件が成立しているか否かが判定される。
即ち、予測制御中止条件が成立している場合にはYesルートを通りステップS300へ進み、ステップS280,S290の予測制御にかかるステップは実行されない。また、予測制御中止条件が成立していない場合には、Noルートを通りステップS280へ進む。
ここでステップS280,S290の処理(予測制御)は上述したステップS90,S100と同様であるので説明を省略する。
本発明の一実施形態にかかる印刷機の絵柄色調制御方法及び絵柄色調制御装置はこのように構成されているので、例えば図5に示す場合について説明すると印刷開始から所望の色調の印刷シート8を得るまでのいわゆる立ち上げ制御時において、まず、印刷開始後のある時点(印刷枚数カウンタ22のカウント値Sの時点)で計測された印刷シート8の実色濃度(第1の実色濃度D)と目標色濃度Dとの濃度差ΔDに基づいてインキキー開度(インキ供給量)を補正する(ステップS40,S50,S110,S170の処理)。
そして、補正されたインキキー開度で再び印刷を行う。これにより印刷シート8の実色濃度は徐々に増加する。そして、印刷再開後のある時点(印刷枚数カウンタ22のカウント値Sの時点)で再び印刷シート8の実色濃度(第2の実色濃度D)を計測する(ステップS40の処理)。
この時点では、印刷シート8の色調は、前回のインキキー開度補正による色調変化の過渡状態であることが考えられ、仮にインキキー開度の補正を行わずに印刷を継続した場合、図5の破線で示すように、印刷絵柄の色濃度は第2の実色濃度Dから変化することが考えられる。
そこで、画線率Aと予め実験により得られる係数とを用いて、前回のインキキー開度の補正時から印刷シート8の色調の変化率が十分に小さくなる(つまり、色調が収束する)までに必要な印刷枚数である時定数τを求める(ステップS90の処理)。なお、時定数τを画線率Aに基づいて算出するのは、画線率が大きいキーゾーンについては比較的少ない印刷枚数で印刷絵柄の色調が収束するのに対して画線率が小さいキーゾーンについては印刷絵柄の色調が収束するまでに多くの印刷枚数を必要とするためである。
求めた時定数τと、第2の実色濃度Dと目標色濃度Dとの濃度差(ΔD)と、第1の実色濃度Dと第2の実色濃度Dとの濃度差(Δd)と、第1の実色濃度D計測時から第2の実色濃度D計測時までの印刷枚数ΔSと、を用いて前回のインキキー開度補正が行われた時点からτ枚印刷が行われた場合の印刷シート8の実色濃度と目標色濃度Dtとの差(収束時濃度差)ΔD’を推定する(ステップS100の処理)。
そして、推定された収束時濃度差ΔD’に基づいて、印刷枚数カウンタ22のカウント値Sの時点(即ち、色調が収束する前に)でインキキー開度を補正する(ステップS110,S170の処理)。なお、図5の例では、Sの時点で計測された実色濃度Dは目標色濃度Dよりも小さい値であるが、推定された収束時濃度差ΔD’によると収束時の色濃度は目標色濃度Dよりも大きい値であることが推定されるのでSの時点においてインキキー開度が小さくなるように補正される。
その後、印刷を再開して印刷シート8の色濃度の計測を行い、最も直近に計測された印刷シート8の実色濃度を上述の第2の実色濃度とし、それよりも前に計測された印刷シート8の実色濃度を第1の実色濃度として上述したように第2の実色濃度Dと目標色濃度Dとの濃度差(ΔD)と、第1の実色濃度Dと第2の実色濃度Dとの濃度差(Δd)と、第1の実色濃度D計測時から第2の実色濃度D計測時までの印刷枚数ΔSと、を用いて前回のインキキー開度補正が行われた時点からτ枚印刷が行われた場合の印刷シート8の実色濃度と目標色濃度Dとの差(収束時濃度差)ΔD’を推定しインキ供給量を補正する予測制御ステップを印刷シート8の色調が目標色濃度Dに収束したと判定されるまで繰り返し実行する。なお、図5は模式化している為、実色濃度の計測はS及びSの時点以外は省略している。
つまり、一度、ステップS90〜S110及びS170での予測制御が行われた後、ステップS40において再び印刷シート8の実色濃度Dが計測され(第3の計測ステップ)ステップS60において、実色濃度が目標色濃度Dtに収束したと判定されるまで、上述の予測制御が繰り返し実行される(第2の収束後濃度差推定ステップ,第3の補正ステップ)。
このように、本発明の印刷機の絵柄色調制御方法及び装置によれば、インキキー開度を補正してから印刷シート8の色調が収束するのを待たずにインキキー開度を補正して速やかに目標となる色調の印刷シート8を得ることができその分損紙を低減できる。
また、印刷シート8の色調が収束する前の過渡状態時に行われるインキ供給量の補正にあたって、まず、予め実験によって算出用係数を求める。この実験の方法としては、特定の画線率の刷版を用いて印刷を行い、その後、インキキーのキー開度を変更し、色濃度が安定するまでの印刷枚数や時間を計測する。その印刷枚数や時間、更には、印刷紙,インキの種類に基づいて、算出用係数を求める。
このように、予め実験で得られた算出用係数と画線率Aとから算出された時定数τを求め、次いでこの時定数τを用いて前回補正による印刷シートの色調が収束した時点の色濃度の推定値と目標色濃度Dtとの差(収束時濃度差ΔD’)を求める、そして、収束時濃度差ΔD’に基づいてインキ供給量の補正量としての補正後インキキー開度K’が算出されるので、補正後インキキー開度K’は印刷シート8の色調が収束した時点における色濃度を考慮したものとなり、印刷シート8の実色濃度が目標色濃度D付近に収束するまでに必要な印刷シート8の色濃度の計測回数が少なくすむという利点がある。
したがって、色濃度の計測にかかる一回あたりの計測時間に比較的多くの時間をかけても全体としての計測にかかる生産性の低下は小さく抑えられるので、色濃度の計測をオンラインで行う必要がなく、オンライン計測を行うための装置を設置するための装置コストが必要ないという利点がある。
また、時定数τは画線率Aに基づいて算出されるので、画線率Aに応じて印刷絵柄の色調が収束枚数(つまり時定数τ)を精度良く算出することができる。
また、色濃度の計測器として分光計11を用いているので、印刷シート8に印刷されたグレーパッチの分光反射率を計測することでグレーバランス制御を行うことができ、色濃度の計測器として濃度計を用いた場合よりも精度良く印刷絵柄の色濃度を計測することができる。
また、インキ供給量の補正はインキキー開度を調整することで確実に行うことができる。なお、インキキー7とインキ元ローラ6との隙間から供給されるインキの供給量はインキキー開度とインキ元ローラ6の回転速度Nとに依存している。そこで、ステップS110において補正後インキキー開度の算出にかかる制御ゲインKはインキ元ローラ6の回転数に基づいて算出されるのでインキ供給量の補正を精度良く行うことができる。
さらに、オペレータにより手動でインキキーの調整を行った場合には、その手動調整が行われたインキキーに関しては、予測制御中止条件が成立して予測制御(ステップS90,S100)を行わない上、インキキーロック制御部25がインキキーロック状態としてインキキー7の自動調整を行わないので、インキキー7を手動調整して所望の色濃度の印刷シート8を得ている場合にインキキー7が自動調整されてしまうことで印刷シート8の色濃度が変更されることを防止することができる。
また、OKシートを取り込む等して目標色濃度Dが更新された場合、初回の制御周期では予測制御中止条件が成立して予測制御が行われないので、目標色濃度Dが更新された場合には前回補正されたインキ供給量が異なる色濃度を目標として設定されているので、予測制御により算出した収束時濃度差ΔD’と実際値との誤差が大きくなることを防止することができる。
[その他]
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。
例えば、上述の実施形態では片面4色刷りの枚葉オフセット印刷機を例に説明したが印刷機の印刷方式及び刷色数はこれに限らず種々適用可能である。
また、実施形態では印刷シートの色濃度の計測を分光反射率計により行っており、計測結果の精度が高いという点で最も好ましいが、色濃度の計測器としては分光反射率計に限らず濃度計等を用いてもよい。
さらに、上述の実施形態のステップS70,S120,S140,S160及びS300については適宜省略可能である。
本発明の一実施形態にかかる印刷機の絵柄色調制御方法及び絵柄色調制御装置を説明するための図であり、印刷機の絵柄色調制御のフローを示すフローチャートである。 本発明の一実施形態にかかる印刷機の絵柄色調制御方法及び絵柄色調制御装置を説明するための図であり、印刷機の概略構成を模式的に示す図である。 本発明の一実施形態にかかる印刷機の絵柄色調制御方法及び絵柄色調制御装置を説明するための図であり、絵柄色調制御に着目した機能ブロック図である。 本発明の一実施形態にかかる印刷機の絵柄色調制御方法及び絵柄色調制御装置を説明するための図であり、印刷機の絵柄色調制御のフローを示すフローチャートである。 本発明の一実施形態にかかる印刷機の絵柄色調制御方法及び絵柄色調制御装置を説明するための図であり、実色濃度と印刷枚数との関係を示すグラフである。 従来技術を説明するための図であり、印刷シートの色濃度と印刷枚数との関係を示すグラフである。
符号の説明
1 印刷機
2a〜2d 印刷ユニット
3 版胴
4 ブランケット胴
5 インカー
6 インキ元ローラ
7 インキキー
8 印刷シート
9a〜9d 圧胴
10a〜10d 渡し胴
11 分光反射率計(分光計,色濃度検出手段)
20 制御装置
21 印刷機運転制御部
22 印刷枚数カウンタ
23 インキ供給量制御部
23A 色濃度取得部
23B 収束時濃度差推定部(収束時濃度差推定手段)
23C インキ供給補正量演算部(補正手段)
24 予測制御中止判定部
25 インキキーロック制御部
30 タッチパネル
40 インキ供給装置(インキ供給量調整手段)
41 インキキー駆動装置
50 給紙部
51 排紙部
51a 載置部
52 印刷部

Claims (11)

  1. インキ供給量を調整することによって印刷絵柄の色調を制御する印刷機の絵柄色調制御方法であって、
    前記印刷機で前記印刷絵柄の印刷を行い、前記印刷機を停止して、該停止時点における印刷された前記印刷絵柄の実色濃度を計測する第1の計測ステップと、
    予め設定された前記印刷絵柄の目標色濃度と前記第1の計測ステップにより計測された第1の実色濃度との濃度差とに基づいてインキ供給量を補正する第1の補正ステップと、
    前記第1の計測ステップの後、前記印刷機を再始動させて前記印刷絵柄の印刷を行い、前記印刷機を再停止して、該再停止時点における印刷された前記印刷絵柄の実色濃度を計測する第2の計測ステップと、
    前記第1の補正ステップによりインキ供給量を補正してから前記印刷絵柄の色調が収束するまでの印刷枚数として予め設定された時定数と、前記目標色濃度と前記第2の計測ステップにより計測された第2の実色濃度との濃度差と、前記第1の実色濃度と前記第2の実色濃度との差と、前記停止時点から前記再停止時点までの印刷枚数と、に基づいて、前記印刷絵柄の色調が収束した際に想定される実色濃度と前記目標色濃度との濃度差を推定する収束時濃度差推定ステップと、
    前記収束時濃度差推定ステップにより推定された収束時濃度差に基づいてインキ供給量を補正する第2の補正ステップと、をそなえた
    ことを特徴とする、印刷機の絵柄色調制御方法。
  2. 前記第2の計測ステップと前記収束時濃度差推定ステップと前記第2の補正ステップとからなる予測制御の後に、
    前記印刷機を再始動させて前記印刷絵柄の印刷を行い、前記印刷機を停止して、該停止時点における印刷された前記印刷絵柄の実色濃度を計測する第3の計測ステップと、
    直近の補正ステップによりインキ供給量を補正してから前記印刷絵柄の色調が収束するまでの印刷枚数として予め設定された時定数と、前記目標色濃度と直近の計測ステップにより計測された前記印刷絵柄の実色濃度との濃度差と、前記直近の計測ステップにより計測された直近の実色濃度よりも前に計測された前記印刷絵柄の実色濃度と前記最新の実色濃度との差と、前記直近の実色濃度よりも前に計測された過去の実色濃度の計測時点から前記直近の実色濃度の計測時点までの印刷枚数と、に基づいて、前記印刷絵柄の色調が収束した際に想定される実色濃度と前記目標色濃度との濃度差を推定する第2の収束時濃度差推定ステップと、
    前記第2の収束時濃度差推定ステップにより推定された収束時濃度差に基づいてインキ供給量を補正する第3の補正ステップと
    からなる予測制御ステップを、前記印刷絵柄の色調が目標色濃度に収束したと判定されるまで繰り返し実行する
    ことを特徴とする、請求項1記載の印刷機の絵柄色調制御方法。
  3. 前記第1の補正ステップは、前記目標色濃度と、前記第1の実色濃度との差が予め設定された許容差以上の場合に実行されるとともに、
    前記収束時濃度差推定ステップ及び前記第2の補正ステップは、前記第1の補正ステップの実行時のみに実行される
    ことを特徴とする、請求項1又は2記載の印刷機の絵柄色調制御方法。
  4. 前記時定数は、インキ供給単位幅であるインキ供給ゾーン毎の印刷絵柄の画線率に応じて求められる
    ことを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載の印刷機の絵柄色調制御方法。
  5. 前記の各計測ステップでは、前記印刷シートの反射光を分光計を用いて計測する
    ことを特徴とする、請求項1〜4のいずれか1項に記載の印刷機の絵柄色調制御方法。
  6. 前記印刷機は、インキ元ローラとインキ元ローラに対向して印刷幅方向に並列した複数のインキキーとが備えられ、
    前記のインキ供給量の補正は、前記インキキーと前記インキ元ローラとの隙間であるインキキー開度を調整することによって行う
    ことを特徴とする、請求項1〜5のいずれか1項に記載の印刷機の絵柄色調制御方法。
  7. 前記インキキー開度の調整を行う際のインキキー開度補正量は少なくとも現在のインキキー開度と前記インキ元ローラの回転速度とに基づいて算出される
    ことを特徴とする、請求項6記載の印刷機の絵柄色調制御方法。
  8. 複数の制御中止条件のうちのいずれかが成立した場合には前記第2の計測ステップ,前記収束時濃度差推定ステップ,前記第2の補正ステップの実行を中止し、
    前記制御中止条件には前記第1の補正ステップ又は前記第2の補正ステップ以外の要因で前記インキ供給量が変更されること、が含まれる
    ことを特徴とする、請求項1〜7のいずれか1項に記載の印刷機の絵柄色調制御方法。
  9. 前記制御中止条件に、前記予測制御ステップ以外の要因で前記インキ供給量が変更されること、が含まれ、
    前記制御中止条件のいずれかが成立した場合には前記第2の計測ステップ,前記収束時濃度差推定ステップ,前記第2の補正ステップ及び前記予測制御ステップの実行を中止する
    ことを特徴とする、請求項8記載の印刷機の絵柄色調制御方法。
  10. 前記目標色濃度が変更されること、が前記制御中止条件に含まれる
    ことを特徴とする、請求項8又は9記載の印刷機の絵柄色調制御方法。
  11. 印刷用刷版に供給するインキの供給量を調整可能なインキ供給量調整手段を備え、前記インキ供給量調整手段によりインキの供給量を調整することによって印刷絵柄の色調を制御する印刷機の絵柄色調制御装置であって、
    前記印刷機により印刷された前記印刷絵柄の実色濃度を検出する色濃度検出手段と、
    前記色濃度検出手段により検出された実色濃度に基づいて前記インキ供給量調整手段によるインキ供給量を補正する補正手段と、
    前記補正手段によるインキ供給量の補正後に、前記色濃度検出手段により実色濃度検出されると、前回のインキ供給量を補正してから前記印刷絵柄の色調が収束するまでの印刷枚数として予め設定された時定数と、予め設定された前記印刷絵柄の目標色濃度とその時点に検出された実色濃度との濃度差と、前回のインキ供給量の補正時の実色濃度に対するその時点の実色濃度の変化量と、前回のインキ供給量の補正時から今回の実色濃度検出時点までの印刷枚数と、に基づいて、前記印刷絵柄の色調が収束した際に想定される実色濃度と前記目標色濃度との濃度差を推定する収束時濃度差推定手段とをそなえ、
    前記補正手段は、前記収束時濃度差推定手段による収束時濃度差の推定前には、前記印刷絵柄の目標色濃度と、その時点で検出された前記実色濃度との濃度差に基づいて前記インキ供給量調整手段によるインキ供給量を補正し、前記収束時濃度差推定手段により収束時濃度差が推定されると、該濃度差に替えて推定された該収束時濃度差に基づいてインキ供給量を補正する
    ことを特徴とする、印刷機の絵柄色調制御装置。
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