JP5064697B2 - 印刷機のニップ変動監視装置,ニップ変動監視方法及び印刷機並びにニップ調整方法 - Google Patents

印刷機のニップ変動監視装置,ニップ変動監視方法及び印刷機並びにニップ調整方法 Download PDF

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Description

本発明は、印刷機の各種のインキローラ間に形成されるニップ部の状態を監視するニップ変動監視装置,ニップ変動監視方法及び印刷機並びにニップ調整方法に関する。
オフセット印刷機は印刷幅方向に複数分割されたインキ供給単位幅毎にインキの供給量を制御できるインキ供給装置を備えている。例えば図11に示すように、インキキー型のインキ供給装置100では、複数のインキキー107とインキ元ローラ106との隙間量をそれぞれ調整することによってインキキーの幅単位(キーゾーンという)でインキ元ローラ106の周面に付着するインキ量(インキ供給量)を調整することができる。
このインキ供給量はそのキーゾーンでの印刷絵柄の画線率が大きい程多く、また、印刷絵柄の画線率が小さいほど少なく、印刷絵柄の画線率に応じて各々設定する必要がある。そのため、印刷機には、印刷絵柄の画線率とインキ供給量(ここではインキキー開度)との関係を規定した関数が記憶されており、この関数を用いて各キーゾーン毎の画線率に応じたインキキー開度を設定することで、印刷絵柄の画線率に応じた適正な量のインキを供給できるようになっている。
インキ供給装置100から供給されたインキは、インキ呼び出しローラ109及び複数のインキローラ群105の周面を伝わって刷版が装着される版胴104へと供給されるようになっている。
より詳しく説明すると、インキ呼び出しローラ109は側面視で(軸方向から見て)揺動可能に支持されており、所定の周期でインキ元ローラ106と最上流のインキローラ105との周面に接触するように揺動するようになっている。各インキローラ105は、金属製のインキローラと硬質ゴム製のインキローラとがそれぞれほぼ交互に周面が接するように配置されている。
この互いに隣接する各ローラが接している部分をニップ部という。各ローラの周面に付着したインキは、このニップ部で隣接するインキローラに転写されることにより、インキ元ローラ106,インキ呼び出しローラ109,各インキローラ105を順に伝ってインキが版胴104に供給されるようになっている。このように複数のローラ群をインキが伝達することにより、インキが適度に練られるとともにインキを斑なく均一に版胴104に供給することができる。
ところで、上述したニップ部の状態はインキローラの収縮や膨張によって変動する。なお、インキローラの収縮は一般的にはゴムの硬化によって生じる。例えば、インキローラが摩耗することによって各インキローラの接触圧力が低下する(これをニップ部が細るという)とインキローラ間で十分な量のインキを伝達することができず、インキ供給装置によるインキ供給量に対して版胴に伝達されるインキの量が低下してしまう。反対に、各インキローラの接触圧力が増加する(これをニップ部が太るという)とインキ供給装置によるインキ供給量に対して版胴に伝達されるインキの量が増加してしまう。
このようにニップ部の状態が不適切な状態で印刷を行うと、印刷に際してのインキ供給量の調整に時間がかかるため、印刷開始から所望の色調の印刷シートを得るまでの時間が長くなり、その分大量の損紙が発生してしまう。したがって、印刷機において各ローラのニップ部の状態を良好に保つことは重要である。
従来このニップ部の調整はオペレータが目視でローラの表面に付着するインキの量を確認しながら手動でローラの位置を調整していたが、特許文献1にはインキローラのニップ部をセンサで計測する技術が提案されている。特許文献1の技術では、インキローラに向けたセンサによってインキローラ上に付着したインキの量(インキローラ表面のインキの厚さ)を計測するようになっている。
また、ニップ状態を表示することによってオペレータに意識付けすることが可能となり、調整する為の工程のやり繰りや調整具合をサポートすることも可能となる。
なお、インキ供給にかかる技術としてはインキキーのプリセット装置に関する技術が特許文献2にも記載されている。
特開2001−205786公報 特開2003−334929公報
しかしながら、インキローラのニップ部を計測及び調整するためには、印刷機の運転を停止する必要がある。ところが商用の印刷機は常時稼働することが一般的であり、印刷物を工期どおりに生産する必要から印刷機を停止させて(即ち、印刷作業を中断して)インキローラ群のニップ部を計測するための時間を割くことが困難である場合が多い。
その結果、インキローラ群のニップ部のメンテナンスが十分に行われていない状態で印刷が行われることが多くなり、上述したように所望の色調の印刷シートを得るまでのイン供給量制御に時間がかかり損紙が増加してしまう等の不都合が生じていた。
本発明はこのような課題に鑑み創案されたもので、印刷機を停止させてのニップ部の確認作業を行わなくても、ニップ部の変動状態を監視できるようにした、印刷機のニップ変動監視装置及び方法を提供すること、及び、ニップ部の変動が基準以上に大きい場合には自動的にニップ部の調整を行って高い精度で印刷物の色調制御を行うことができるようにした、印刷機及びニップ調整方法を提供することを目的とする。
上述の目的を達成するために、本発明の印刷機のニップ変動監視装置は、インキを供給するインキ供給手段と、それぞれのニップ部を介して上記インキ供給手段から供給された上記インキを版胴に伝達するための複数のインキローラと、印刷絵柄の画線率とインキ供給量との対応関係を記憶する対応関係記憶手段と、上記対応関係記憶手段に記憶されている上記対応関係に基づいて上記インキ供給手段から供給される上記インキの供給量を制御するインキ供給量制御手段とを備えた印刷機において、印刷結果に基づいて上記対応関係記憶手段に記憶されている上記対応関係を更新する対応関係更新手段と、基準となる画線率とインキ供給量との対応関係を基準対応関係として設定する基準対応関係設定手段と、上記対応関係更新手段により更新された上記対応関係と上記基準対応関係設定手段により設定された上記基準対応関係との差を演算し、上記差に基づいて上記ニップ部の変動状態を推定するニップ変動推定手段と、上記ニップ変動推定手段により推定された上記差が予め設定した閾値よりも大きい場合に、上記ニップ部の変動が基準以上に大きいと判定するニップ変動判定手段とを備えたことを特徴としている。
なお、上記ニップ変動判定手段によるニップ変動判定は、上記印刷機の使用状態に応じて設定されたタイミングで実施することが好ましい。ニップ変動判定を実施するタイミングとしては、予め設定された所定期間毎あるいは所定印刷部数毎などが考えられる。
また、本発明の印刷機のニップ変動監視装置は、上記インキ供給量制御手段が、印刷開始時に、上記対応関係記憶手段に記憶されている上記対応関係に基づいて上記インキの供給量を制御して、印刷開始後は上記印刷結果に基づいて印刷した色調が所望の色調になるように上記インキ供給量を制御し、上記対応関係更新ステップは、上記インキ供給量制御手段により制御された上記インキ供給量に基づいて、上記対応関係記憶手段に記憶されている上記対応関係を更新することが好ましい
また、本発明の印刷機のニップ変動監視装置は、上記対応関係更新手段によって上記対応関係が更新される毎に上記対応関係情報を蓄積する対応関係情報蓄積手段をそなえ、上記基準対応関係設定手段、上記対応関係情報蓄積手段に蓄積された所定更新回数だけ前の対応関係を上記基準対応関係に設定することが好ましい
また、本発明の印刷機のニップ変動監視装置は、上記基準対応関係設定手段、上記対応関係情報蓄積手段に蓄積された初期対応関係を上記基準対応関係に設定することが好ましい
また、本発明の印刷機のニップ変動監視装置は、上記基準対応関係設定手段、前回ニップ調整直後に上記対応関係更新手段により更新されて上記対応関係情報蓄積手段に蓄積された対応関係を上記基準対応関係として設定することが好ましい
また、本発明の印刷機のニップ変動監視装置は、上記ニップ変動推定手段によって推定された上記ニップ部の変動状態を表示する表示装置を備えたことが好ましい
また、本発明の印刷機は、上記のニップ変動監視装置を備えたことを特徴としている。
また、本発明の印刷機は、上記インキ供給手段と上記インキローラ群との間に配置されたインキ呼び出しローラと、上記インキ呼び出しローラを所定のストローク量で揺動させる揺動アクチュエータと、上記ニップ変動判定手段により上記ニップ部の変動が基準以上に大きいと判定されたときには、上記ニップ変動推定手段による推定結果に基づいて、上記ニップ部の変動が小さくなる方向に上記揺動アクチュエータの上記ストローク量を変更して上記ニップ部の調整を行う上記ニップ調整手段とを備えたことが好ましい
また、本発明の印刷機は、上記インキ供給手段と上記インキローラ群との間に配置されたインキ呼び出しローラと、上記インキ呼び出しローラを上記インキ供給装置に離接するように変位させる呼び出しローラ変位手段と、上記インキローラ群の内の最も上流のインキローラを上記呼び出しローラに離接するように変位させるインキローラ変位手段と、上記ニップ変動判定手段により上記ニップ部の変動が基準以上に大きいと判定されたときには、上記ニップ変動推定手段による推定結果に基づいて、上記ニップ部の変動が小さくなる方向に上記呼び出しローラ変位手段及び上記インキローラ変位手段を制御するニップ調整手段とを備えたことが好ましい
また、本発明の印刷機のニップ変動監視方法は、インキを供給するインキ供給手段と、それぞれのニップ部を介して上記インキ供給手段から供給された上記インキを版胴に伝達するための複数のインキローラと、印刷絵柄の画線率とインキ供給量との対応関係を記憶する対応関係記憶手段と、上記対応関係記憶手段に記憶されている上記対応関係に基づいて上記インキ供給手段から供給される上記インキの供給量(キー開度)を制御するインキ供給量制御手段とを備えた印刷機におけるニップ変動監視方法であって、予め基準となる画線率とインキ供給量との対応関係(API関数)を基準対応関係として設定する基準対応関係設定ステップと、印刷結果に基づいて上記対応関係記憶手段に記憶されている上記対応関係を更新する対応関係更新ステップと、上記の更新された上記対応関係と上記の設定された上記基準対応関係との差を演算し、上記差に基づいて上記ニップ部の変動状態を推定するニップ変動推定ステップと、上記ニップ変動推定ステップで推定された上記差が予め設定した閾値よりも大きいとされると上記ニップ部の変動が基準以上に大きいと判定するニップ変動判定ステップとをそなえていることを特徴としている。
また、本発明の印刷機のニップ変動監視方法は、上記インキ供給量制御手段、印刷開始時に、上記対応関係記憶手段に記憶されている上記対応関係に基づいて上記インキの供給量を制御して、印刷開始後は上記印刷結果に基づいて印刷した色調が所望の色調になるように上記インキ供給量を制御し、上記対応関係更新ステップは、上記インキ供給量制御手段により制御された上記インキ供給量に基づいて、上記対応関係記憶手段に記憶されている上記対応関係を更新することが好ましい
また、本発明の印刷機のニップ変動監視方法は、上記対応関係更新ステップによって上記対応関係が更新される毎に上記対応関係情報を蓄積する対応関係情報蓄積ステップをそなえ、上記基準対応関係設定ステップでは、直近に更新した上記対応関係よりも以前に上記対応関係情報蓄積手段に蓄積された所定更新回数だけ前の対応関係を上記基準対応関係に設定することが好ましい
また、本発明の印刷機のニップ変動監視方法は、上記基準対応関係設定ステップでは、上記対応関係情報蓄積手段に蓄積された初期対応関係を上記基準対応関係に設定することが好ましい
また、本発明の印刷機のニップ変動監視方法は、上記基準対応関係設定ステップでは、前回ニップ調整直後に上記対応関係更新手段により更新されて上記対応関係情報蓄積手段に蓄積された対応関係を上記基準対応関係として設定することが好ましい
また、本発明の印刷機のニップ変動監視方法は、上記ニップ変動推定ステップによって推定された上記ニップ部の変動状態を表示する表示ステップを備えたことが好ましい。
また、本発明の印刷機のニップ調整方法は、印刷機のニップ変動監視方法を用いて上記ニップ部の調整を行うニップ調整方法であって、上記印刷機は、上記インキ供給手段と上記インキローラ群との間に配置されたインキ呼び出しローラと、上記インキ呼び出しローラを所定のストローク量で揺動させる揺動アクチュエータと、をそなえ、上記ニップ変動判定ステップにより、上記ニップ部の変動が基準以上に大きいと判定されたときには、上記ニップ変動推定ステップによる推定結果に基づいて、上記ニップ部の変動が小さくなる方向に上記揺動アクチュエータの上記ストローク量を変更して上記ニップ部の調整を行うことが好ましい
また、本発明の印刷機のニップ調整方法は、上記の印刷機のニップ変動監視方法を用いて上記ニップ部の調整を行うニップ調整方法であって、上記印刷機は、上記インキ供給手段と上記インキローラ群との間に配置されたインキ呼び出しローラと、上記インキ呼び出しローラを上記インキ供給装置に離接するように変位させる呼び出しローラ変位手段と、上記インキローラ群の内の最も上流のインキローラを上記呼び出しローラに離接するように変位させるインキローラ変位手段と、をそなえ、上記ニップ変動判定ステップにより、上記ニップ部の変動が基準以上に大きいと判定されたときには、上記ニップ変動推定ステップによる推定結果に基づいて、上記ニップ部の変動が小さくなる方向に上記呼び出しローラ変位手段及び上記インキローラ変位手段を制御して上記ニップ部の調整を行うことを特徴としている。
したがって、本発明の印刷機のニップ変動監視装置及びニップ変動監視方法によれば、印刷機が稼働中であってもニップ部の変動状態を把握することができ、ニップ部の確認作業のために印刷機を停止させることにより印刷物の生産性が低下することを防止することができる。
また、印刷物の生産性の低下を懸念して長期に亘ってニップ部の確認作業が行わなわれず、ニップ部の状態が適切でない状態で印刷機の運転が行われることを防止することができ、ニップ部の状態不良に起因して、印刷物の印刷開始から所望の色調の印刷シートを得るまでの色調制御にかかる時間が長くなり損紙が増大するなどの不都合を防止することができる。
また、本発明の印刷機及び印刷機のニップ調整方法によれば、ニップの調整作業を自動で行うので、ニップ部の調整にかかる作業負荷を低減できる結果、印刷物の生産性の低下を防止することができる。
まず、本発明の第1実施形態について説明する。本実施形態では、本発明のニップ状態に関連する関数(API関数)を利用してインキ供給状態を制御することにより、印刷の色調を調整する制御装置が、印刷機に備えられたものを例に説明する。
図2は本発明の第1実施形態にかかる印刷機として例えば新聞輪転機等の商業用オフセット輪転機の概略構成を示す図、図1は図2の部分拡大図である。図2に示すように本実施形態の商業用オフセット輪転機は多色刷りの両面印刷機であり、印刷ウェブ8の搬送経路に沿って、インキ色〔墨(k)、藍(c)、紅(m)、黄(y)〕毎に印刷ユニット2a,2b,2c,2dが設置されている。本実施形態では、印刷ユニット2a,2b,2c,2dは、インキキー7とインキ元ローラ6等からなるインキ壺からインキを供給するインキキー式のインキ供給装置(インキ供給手段)70を備えている。この形式のインキ供給装置では、インキキー7のインキ元ローラ6に対する隙間量(以下、この隙間量をインキキー開度という)によりインキ供給量を調整することができる。なお、インキ供給装置としてはスライド式インキキーやデジタルポンプ装置を用いても良い。
インキキー7は印刷幅方向に複数並置されており、インキキー7の幅単位(以下、インキキー7によるインキ供給単位幅をキーゾーンという)でインキ供給量を調整することができる。インキキー7により供給量を調整されたインキは、図1に示すようにインキ供給装置から供給されたインキは、インキ呼び出しローラ9及び複数のインキローラ群5の周面を伝わって刷版が装着される版胴4へと供給されるようになっている。
より詳しく説明すると、図1に示すように、インキ呼び出しローラ9は、ローラ部9Aとローラ部9Aを支持しながら所定のストローク(角度)だけ反復揺動するように配設された軸部9Bとから構成されている。そしてインキ呼び出しローラ9は所定の周期でインキ元ローラ6と最上流のインキローラ5Aとの周面に交互に接触するように揺動するようになっている。各インキローラ5は、金属製のインキローラと硬質ゴム製のインキローラとがそれぞれほぼ交互に周面が接するように配置されている。
この互いに隣接する各ローラが接している部分をニップ部という。各ローラの周面に付着したインキは、このニップ部で隣接するインキローラに転写されることにより、インキ元ローラ6,インキ呼び出しローラ9,各インキローラ5を順に伝ってインキが版胴4に供給されるようになっている。このように複数のローラ群をインキが伝達することにより、インキが適度に練られるとともにインキを斑なく均一に版胴4に供給することができる。そしてインキローラ群5内で適度に練られ、薄膜を形成した後に版胴4の版面に供給され、版面に付着したインキがブランケット胴3を介して絵柄として印刷ウェブ8に転写される。
なお、図1,図2では図示省略しているが、本実施形態の商業用オフセット輪転機は両面刷りなので、各印刷ユニット2a,2b,2c,2dには、印刷ウェブ8の搬送経路を挟むようにして一対のブランケット胴3,3が備えられ、各ブランケット胴3に対して版胴4やインキ供給装置が設けられている。
本実施形態の商業用オフセット輪転機の場合、ニップ調整機能を備えた本発明にかかるニップ変動監視装置(ニップ変動監視部)とともに、ニップ変動状況に応じてAPI関数を管理するAPI関数管理装置(API関数管理部)とこのAPI関数を用いて印刷の絵柄の色調を制御する色調制御装置(色調制御部)とを備えており、この商業用オフセット輪転機のインキ供給に関する部位は図2に示すように構成される。
つまり、図2に示すように、本輪転機は最下流の印刷ユニット2dのさらに下流にラインセンサ型IRGB濃度計1を備えている。ラインセンサ型IRGB濃度計1は印刷ウェブ8上の絵柄の色を印刷幅方向ライン状にI(赤外光)、R(赤)、G(緑)、B(青)の反射濃度(混色網濃度)として計測する計測器であり、印刷ウェブ8全体の反射濃度を計測したり、任意の位置の反射濃度を計測したりすることが可能である。本実施形態の商業用オフセット輪転機は両面刷りなので、ラインセンサ型IRGB濃度計1は印刷ウェブ8の搬送経路を挟むようにして表裏両側に配置され、表裏両面の反射濃度を計測できるようになっている。
ラインセンサ型IRGB濃度計1により計測された反射濃度は演算装置(コンピュータ)10に送信される。演算装置10はインキ供給量の制御データを演算する装置であり、ラインセンサ型IRGB濃度計1で計測された反射濃度に基づいて演算を行い、印刷ウェブ8の絵柄の色を目標色に一致させるためのインキキー7の開度を演算している。
(API関数の更新とニップ変動監視)
ここで、ニップ変動監視装置(ニップ変動監視部)及びAPI関数管理装置(API関数管理部)の構成について図3,図4を用いて説明する。図3は本発明の第1実施形態にかかる印刷機としての商業用オフセット輪転機のニップ変動監視装置の機能を含んだ演算装置の概略構成を示す機能ブロック図、図4は画線率とインキキー開度との対応関係を示すグラフである。
図3に示すように演算装置10は、例えばPC(パソコン)等で構成され、その機能要素としてDSP(ディジタル・シグナル・プロセッサ)11,色調制御部12,API関数管理部30,ニップ変動監視部40とから構成されている。
API関数管理部30は、API関数更新部(対応関係更新手段)31とAPI関数記憶部(対応関係記憶手段)32とから構成されている。
API関数管理部30のAPI関数記憶部32には印刷絵柄の画線率とインキ供給量との対応関係としてのAPI関数が記憶されている。API関数とは印刷物の濃度を基準濃度にするため各キーゾーン毎の画線率A(Ak,Ac,Am,Ay)とキー開度K(Kk,Kc,Km,Ky)との対応関係を示した関数である。
API関数更新部31には、色調制御部12から現在の各インキキー7のキー開度Kと各インキキー7に対応する画線率Aとが入力されるようになっている。また、後述するように所望の色調の印刷ウェブ8が得られると色調制御部12からAPI関数更新部31にOK信号が入力されるようになっている。
また、例えば、前記特許文献2の段落0044に記載されているようにオペレータが印刷ウェブを目視で確認し、印刷ウェブ8の色調が所望の色調のOKシートであると判断した場合には、OKボタンを押すことによってOK信号がAPI関数管理部30に入力されるようにしてもよい。
なお、キー開度Kは実際のインキキー開度をポテンショメータ等のセンサで検知したものを用いるようにしてもよい。
API関数更新部31にOK信号が入力されると、API関数更新部31はその時点で入力されているキー開度K及び対応するキーゾーンの画線率Aに基づいてAPI関数記憶部32に記憶されているAPI関数を補正するようになっている。また、このとき補正されたAPI関数は、後述するニップ変動監視部40のAPI関数履歴DB(データベース)44に蓄積されるようになっている。
ニップ変動監視部40は、ニップ変動推定部(ニップ変動推定手段)41とAPI関数履歴DB(対応関係履歴蓄積手段)44とから構成され、ニップ変動推定部41は基準対応関係設定部(基準対応関係設定手段)42,ニップ変動判定部(ニップ変動判定手段)43としての機能が割り当てられている。
API関数履歴DB44には上述したようにAPI関数更新部31によって更新された過去及び現在のAPI関数及び更新日時がAPI関数(対応関係)の履歴として蓄積されるようになっている。なお、ここではAPI関数管理部30のAPI関数記憶部32とAPI関数履歴DB44とは別体の記憶領域として説明しているが、これらは一体の記憶領域として構成しても良い。
ニップ変動推定部41では、API関数履歴DB44に記憶されているAPI関数の履歴からインキローラ5及びインキ呼び出しローラ9のニップ部の変動状況を推定するようになっている。そして、推定されたニップ部の変動状況はタッチパネル50に表示されるようになっている。
ニップ変動推定部41におけるニップ部の変動状況の推定について説明すると、例えば、インキローラ5等が硬化する等して収縮し各インキローラ間の接触圧力が低下する(つまり、ニップ部が細る)とインキローラ間で十分な量のインキを伝達することができないため、インキの供給量に対して版胴に伝達されるインキの量は低下する。このため、印刷を行う際に色調制御部12は、後述するように印刷ウェブ8の色調を所望の色調とするために同じ画線率の絵柄を印刷する場合でもニップ部が細る前よりも大量のインキを供給するようにインキキー開度を設定することになる。
そしてこの時点で、API関数更新部31にOK信号が入力されるとその時点でのインキキー開度に基づいてAPI関数が更新されるので、ニップ部が細る前と細った後とでは、同じ画線率であってもインキキー開度がより大きくなる側にAPI関数が更新されることになる。
そこで、ニップ変動推定部41では、このAPI関数の変化に着目し、図4に示すように、過去のある時点でのAPI関数(例えば、図4中の初期API関数T1)と、それと異なる時点でのAPI関数(例えば、図4中の一定時間経過後のAPI関数T2)との差(API関数の変動量)を演算する。そして、予め実測により得た、API関数の変動量とニップ部の変動量との対応関係のマップデータを参照することにより、上記の過去のある時点T1から別のある時点T2までのニップ部の変動量(ここではどれだけニップ部が細ったのか)を推定するようになっている。
また、予め所定のAPI関数の変化量を設定しておき、API関数の変動量がその設定値を超えた場合もニップ変動が大きいと推定するようになっている。
また、過去及び現在のどの時点で更新されたAPI関数を用いてニップ部の変動を推定するかについては適宜設定可能である。例えば、オペレータがタッチパネル50によりAPI関数履歴DB44に蓄積されている複数のAPI関数の中から、ニップ部の変動の推定に用いる二以上のAPI関数を指定するようにしても良く、またAPI関数履歴DB44に記憶されている過去及び現在のAPI関数全てを用いてニップ部の変動の履歴を推定するようにしてもよい。
基準対応関係設定部42は、API関数履歴DB44に記憶されている直近に更新した対応関係よりも以前に蓄積された所定更新回数だけ前のAPI関数の中から基準となるAPI関数を基準API関数(基準対応関係)として設定するようになっている。
この基準API関数は、オペレータがタッチパネル50によってAPI関数履歴DB44に記憶されているAPI関数の中から基準API関数を選択するように構成してもよい。このとき、ニップ部の調整作業を行った直後の印刷時に更新されたAPI関数を基準API関数に設定することが好ましい。
そして、ニップ変動判定部43は、基準対応関係設定部42で設定された基準API関数とAPI関数履歴DB44に記憶されている最新のAPI関数との差を演算してAPI関数の変動量を算出する。そして、API関数の変動量が予め設定された所定の閾値よりも大きい場合にはニップ変動が基準以上に大きいと判定し、タッチパネル50にその旨の警報を表示するようになっている。
なお、ニップ変動判定部43によるニップ変動の判定は、印刷機の使用状態に応じて設定されたタイミングで実施することが好ましい。ニップ変動判定を実施するタイミングとしては、予め設定された所定期間毎あるいは所定印刷部数毎に実行するようにしてもよい。
(色調制御)
次に、色調制御について説明する。この色調制御自体は、本発明に必須ではないが、本実施形態ではニップ変動の監視結果を利用して色調制御を行っているので、以下詳細に説明する。
図5は本発明の第1実施形態にかかる演算装置10の色調制御機能に着目した場合の概略構成を示す機能ブロック図である。図5に示すように色調制御部12には色変換部14,インキ供給量演算部15,オンライン制御部16及びキー開度リミッタ演算部17としての機能が割り当てられている。なお、それぞれの機能要素としては別体の演算装置を用いるようにしても良い。
演算装置10の入力側には、ラインセンサ型IRGB濃度計1が接続され、出力側には印刷機内蔵の制御装置20が接続されている。制御装置20は、インキキー7のキーゾーン毎にインキ供給量を調整するインキ供給量制御手段として機能するものであり、インキキー7を開閉させる図示しない開閉装置を制御しており、各印刷ユニット2a,2b,2c,2dのインキキー7毎に独立してキー開度を調整することができる。
また、演算装置10には、表示機能を有するタッチパネル50が接続されている。このタッチパネル50は演算装置10の入力装置としての機能も有している。
ここで図6を参照して、色調制御の処理を順に説明する。
ここでは、図6に示すように、ステップD10として色変換部14は印刷絵柄の網点面積率ki,ci,mi,yiの情報を含む網点面積率データを取得する。網点面積率データとしては、製版を行う際に用いる製版データを用いることができる。また、予め、印刷絵柄の各インキ供給ゾーン毎に色調制御を行う注目画素領域を設定しておき、製版データからこの注目画素領域の画線率を抽出するようにしてもよい。
ステップD20では、色変換部14がDB(データベース)141に記憶されている網点面積率と混色網濃度との対応関係情報に基づいて網点面積率ki,ci,mi,yiを混色網濃度に変換し、それを目標混色網濃度Io,Ro,Go,Boとして設定する。
以上のように目標混色網濃度Io,Ro,Go,Boが設定されたら、ステップS10以降の処理を繰り返し実行する。まず、ステップS10として、ラインセンサ型IRGB濃度計1が印刷ウェブ8全面の一画素毎の反射光量i′,r′,g′,b′を計測する。IRGB濃度計1で計測された各画素の反射光量i′,r′,g′,b′はDSP11に入力される。
DSP11は、ステップS20として、各画素の反射光量i′,r′,g′,b′について所定の印刷枚数単位で移動平均を行なうことで、ノイズ成分を除去した各画素の反射光量i,r,g,bを算出する。
そして、ステップS30として、ステップS20で演算された各画素の反射光量i,r,g,bを用いて各色の実混色網濃度I,R,G,Bを取得する。
DSP11は、印刷ウェブ(本刷りウェブ)8の注目点の反射光量i,r,g,bと白紙部分の反射光量とから実混色網濃度I,R,G,Bを演算する。DSP11で演算されたキーゾーン毎の実混色網濃度I,R,G,Bは、色調制御部12の色変換部14に入力される。
色変換部14は、ステップS40,S50及びS60の処理を行なう。まず、ステップS40として、目標混色網濃度Io,Ro,Go,Bo、及び各色の注目画素領域の実混色網濃度I,R,G,Bに対応する各インキ色の網点面積率をそれぞれ演算する。
これらの演算には、DB141に記憶されている対応関係を用い、目標混色網濃度Io,Ro,Go,Boに対応する各インキ色の網点面積率を目標網点面積率ko,co,mo,yoとして演算し、実混色網濃度I,R,G,Bに対応する各インキ色の網点面積率を実網点面積率k,c,m,yとして演算する。
次に、色変換部14は、ステップS50として、ステップS40で算出された目標網点面積率ko,co,mo,yo、及び実網点面積率k,c,m,yに対応する各インキ色の単色網濃度をそれぞれ演算する。
これらの演算には、図7に示すようなマップを用いる。図7は網点面積率を変化させた場合に実測される単色網濃度を特性曲線としてプロットしたマップの一例であり、事前に測定されたデータにより作成されている。図7に示す例では、墨色の目標網点面積率ko、実網点面積率kをマップに照らし合わせることで、マップ中の特性曲線からそれぞれ目標単色網濃度Dakoと実単色網濃度Dakとが求められている。このようにして、色変換部14は、各インキ色の目標単色網濃度Dako,Daco,Damo,Dayoと実単色網濃度Dak,Dac,Dam,Dayとを求める。
次に、色変換部14は、ステップS60として、各色の注目画素目標単色網濃度Dako,Daco,Damo,Dayoと実単色網濃度Dak,Dac,Dam,Dayとの偏差に対応する各インキ色のベタ濃度偏差ΔDsk1,ΔDsc1,ΔDsm1,ΔDsy1を演算する(ベタ濃度偏差演算手段)。
なお、ベタ濃度は網点面積率にも依存しており、同単色網濃度に対しては、網点面積率が高いほどベタ濃度は低くなる。そこで、色変換部14は、図8に示すようなマップを用いて演算を行なう。図8は単色ベタ濃度を変化させた場合に実測される単色網濃度を網点面積率毎に特性曲線としてプロットしたマップの一例であり、事前に測定されたデータにより作成されている。色変換部14は、各インキ色について目標網点面積率ko,co,mo,yoに対応する特性曲線を図8に示すマップから選択し、選択した特性曲線に目標単色網濃度Dako,Daco,Damo,Dayoと実単色網濃度Dak,Dac,Dam,Dayとを対応させることにより、ベタ濃度偏差ΔDsk1,ΔDsc1,ΔDsm1,ΔDsy1,ΔDsk2,ΔDsc2,ΔDsm2,ΔDsy2を求める。図8に示す例では、墨色の目標網点面積率koが75%の場合に、目標単色網濃度Dako、実単色網濃度Dakをマップに照らし合わせることで、マップ中の75%特性曲線から墨色のベタ濃度偏差ΔDskが求められている。
色変換部14で演算された各インキ色のベタ濃度偏差ΔDsk,ΔDsc,ΔDsm,ΔDsyは、インキ供給量演算部15に入力される。インキ供給量演算部15は、ステップS70として、ベタ濃度偏差ΔDsk,ΔDsc,ΔDsm,ΔDsyに対応するキー開度偏差量ΔKk,ΔKc,ΔKm,ΔKyを演算する。キー開度偏差量ΔKk,ΔKc,ΔKm,ΔKyは、各インキキー7の現在のキー開度Kk0,Kc0,Km0,Ky0(前回のステップS100の処理で印刷機の制御装置20に出力したキー開度Kk,Kc,Km,Ky)に対する増減量であり、インキ供給量演算部15は、後述するようにAPI関数管理部30に記憶されている公知のAPI関数(オートプリセットインキング関数)を用いて演算を行なう。API関数は基準濃度にするため各キーゾーンの印刷絵柄の画線率A(Ak,Ac,Am,Ay)とキー開度K(Kk,Kc,Km,Ky)との対応関係を示した関数である。画線率Aは、網点面積率ki,ci,mi,yiから求めることができる。具体的には、基準濃度Ds(Dsk,Dsc,Dsm,Dsy)に対するベタ濃度偏差ΔDs(ΔDsk,ΔDsc,ΔDsm,ΔDsy)の比率kd(kd=ΔDs/Ds)を求めるとともに、画線率Aに対する基準濃度にするためのキー開度Kを、API関数を使って求め、これらの積としてベタ濃度偏差ΔDsをゼロにするためのキー開度偏差量ΔK(ΔK=kd×K)を求める。なお、このとき求めたキー開度偏差量ΔKが予め設定した所定値よりも小さい場合には、印刷ウェブの色調が所望の色調であると考えられ、この場合にはインキ供給量演算部15はAPI関数管理部30にOK信号を入力する。
次に、オンライン制御部16は、ステップS80として、色変換部14で演算されたキー開度偏差量ΔKk,ΔKc,ΔKm,ΔKyを、各印刷ユニット2a,2b,2c,2
dからラインセンサ型IRGB濃度計1までの無駄時間、時間あたりのインキキー7の反応時間、及び印刷速度を考慮して補正する。この補正は、キー開度信号が入力されてからインキキー7が動き、キー開度が変更されて印刷ウェブに供給されるインキ量が変化し、IRGB濃度計1に反射光量の変化として検出されるまでの時間遅れを考慮したものである。このようなむだ時間の大きいオンラインフィードバック制御系としては、例えばむだ時間補償付PI制御、ファジー制御、ロバスト制御等が最適である。オンライン制御部16は、補正後のキー開度偏差量(オンライン制御用キー開度偏差量)ΔKk,ΔKc,ΔKm,ΔKyに現在のキー開度Kk0,Kc0,Km0,Ky0を加算したオンライン制御用キー開度Kk1,Kc1,Km1,Ky1をキー開度リミッタ演算部17に入力する。
キー開度リミッタ演算部17は、ステップS90として、オンライン制御部16で演算されたオンライン制御用キー開度Kk1,Kc1,Km1,Ky1に対して上限値を規制する補正を行なう。これは、特に低画線部における色変換アルゴリズム(ステップS40,S50,S60の処理)の推定誤差によりキー開度が異常に増大することを規制するための処理である。そして、キー開度リミッタ演算部17は、ステップS100として、上限値を規制したキー開度Kk,Kc,Km,Kyをキー開度信号として印刷機の制御装置20に送信する。
印刷機の制御装置20は、ステップS110として、演算装置10から送信されたキー開度信号Kk,Kc,Km,Kyに基づき各印刷ユニット2a,2b,2c,2dの各インキキー7の開度を調節する。これにより、各インキ色のインキ供給量は、キーゾーン毎に目標とする色調に見あったものにコントロールされることとなる。
本発明の第1実施形態にかかる印刷機のニップ監視装置及びこれを備えた印刷機は上述のように構成されているので、印刷機を停止させて、インキ呼び出しローラ9及び各インキローラ5の周面に付着するインキの量を確認するなどしてニップ部の状態を確認することなく、タッチパネル50の表示内容から印刷機の稼働中であってもニップ部の状態を把握することができ、印刷機を停止させてのニップ部の確認作業のために印刷物の生産性の低下を防止することができる。さらに、ニップ部を管理・調整するための工程を事前にスケジュール化することができるので不意な生産阻害が発生することなく、安定した生産計画が可能となる。
また、ニップ部の状態確認のために印刷物の生産を中断する必要がないので印刷物の生産性の低下を懸念して長期に亘ってニップ部の確認作業が行なわれず、ニップ部の状態が適切でない状態で印刷機の運転が行われることを防止することができ、ニップ部の状態不良に起因して、印刷物の印刷開始から所望の色調の印刷ウェブ8を得るまでの色調制御にかかる時間が長くなり損紙が増大するなどの不都合を防止することができる。
[第2実施形態]
次に本発明の第2実施形態について説明する。本実施形態では、上述の第1実施形態で説明したニップ監視装置を用いてニップ部を自動的に調整するように構成されていることに特徴があり、ニップ監視装置にかかる構成は第1実施形態と同様である。このため、第1実施形態と同様の部分については説明を省略し、同符号を用いて説明する。
図9は、ニップ部を自動的に調整するニップ自動調整機能に着目したときの機能ブロックをニップ部と共に示す図である。
第1実施形態の説明の際には省略したが、図9に示すようにインキ呼び出しローラ9には、回転軸9Cを中心に軸部9Bを揺動させるためのローラ揺動アクチュエータ(揺動アクチュエータ)9Dが備えられている。また、演算装置10にはニップ変動監視部40に加え、ニップ調整制御部60としての機能が割り当てられており、ニップ調整制御部60には、ニップ調整手段としてのニップ調整用ストローク量設定部61としての機能を有している。演算装置10の出力側は揺動アクチュエータ9Dに接続されている。なお、その他の構成については第1実施形態と同様である。
揺動アクチュエータ9Dには図示しないアクチュエータコントローラが備えられており、設定されたストローク角度の指示値に応じてインキ呼び出しローラ9のストローク角度(ストローク量)を制御するようになっている。
このストローク角度は、インキ呼び出しローラのローラ部9Aが、インキ元ローラ6及び最上流のインキローラ5Aの周面に適切な接触圧力で接触するように予め所定のストローク角度θ0が定められている。これにより、インキ元ローラ6とインキ呼び出しローラ9との間、及び、インキ呼び出しローラ9と最上流のインキローラ5Aとの間に適切なニップ部を形成することができるようになっている。
ニップ調整制御部60には、ニップ変動監視部40のニップ変動判定部43において、ニップ部の変動が基準以上に大きいと判定された場合にはニップ異常判定信号がニップ調整制御部60に入力されるようになっている。また、このとき、ニップ変動推定部41から推定されたニップ変動量信号も同時に入力されるようになっている。
また、ニップ調整制御部60にニップ異常判定信号が入力されると、ニップ調整制御部60のニップ調整用ストローク量設定部61では、ニップ変動推定部41で推定されたニップ変動量に基づいてニップ変動量をゼロにする、あるいはゼロに近づけるためのインキ呼び出しローラ9のストローク量を演算し、演算した結果に基づいて揺動アクチュエータ9Dにストローク角度指示値θ1を送信するようになっている。
本発明の第2実施形態に係る印刷機のニップ監視装置及びこれを備えた印刷機は上述の用に構成されているので、インキ呼び出しローラ9のストローク角度(揺動角度)は、インキ呼び出しローラのローラ部9Aが、インキ元ローラ6及び最上流のインキローラ5Aの周面に適切な接触圧力で接触するように予め所定のストローク角度θ0が定められている。これにより、インキ元ローラ6とインキ呼び出しローラ9との間、及び、インキ呼び出しローラ9と最上流のインキローラ5Aとの間に良好なニップ部を形成する。
ところが、例えば、インキ元ローラ6,インキ呼び出しローラ9又はインキローラ5Aが硬化する等して収縮し、ローラの径が小さくなると、各ローラ間の接触圧力が低下してニップ部が細ってくる。
このようにしてニップ部が基準以上に細くなると(変動すると)のニップ変動監視部40のニップ変動判定部43は、ニップ異常信号をニップ調整制御部60に入力する。
このとき、ニップ変動推定部41から推定されたニップ変動量信号も同時に入力されるようになっている。
また、ニップ調整制御部60にニップ異常判定信号が入力されると、ニップ調整制御部60のストローク量変更部では、ニップ変動推定部41で推定されたニップ変動量に基づいてニップ変動量をゼロにする、あるいはゼロに近づけるためのインキ呼び出しローラ9のニップ調整用ストローク量θ1を演算し、これをストローク角度指示値として揺動アクチュエータ9Dに送信する。なお、ここではニップ部が基準以上に細った場合を例に説明しているためニップ部が細る前に設定されていたストローク量θ0よりもニップ調整用ストローク量θ1の方が大きくなる。これにより、インキ呼び出しローラ9のストローク量が大きくなり、図中二点鎖線で示すようにインキ呼び出しローラ9が、インキ元ローラ6及び最上流のインキローラ5Aにより接触する位置まで揺動されるようになり、各ローラ間の接触圧力を回復させることができ、細ったニップ部を回復させることができる。
なお、図9では説明容易のためにインキ呼び出しローラのストローク量の変更幅(θ1−θ0)を誇張して表現している。
したがって、印刷機の稼働中であってもニップ部の状態を把握することができ、印刷機を停止させてのニップ部の確認作業のために印刷物の生産性の低下を防止することができる。これに加えて、ニップ部の変動が基準以上に大きい場合にはニップの調整作業を自動的に行うので、ニップ部の調整に際しての作業負荷を低減でき、印刷物の生産性の低下を防止することができる。
[第3実施形態]
次に本発明の第3実施形態について説明する。本実施形態は、ニップ部の調整制御にかかる構成が第2実施形態のものと異なっている。
図10は、ニップ部を自動的に調整するニップ自動調整機能に着目したときの機能ブロックをニップ部と共に示す図である。
図10に示すように本実施形態では、インキ呼び出しローラ9の軸部9Bを図中破線で示すようにインキ元ローラ6及び最上流のインキローラ5Aとに離接する方向にスライドさせる呼び出しローラ変位手段としてのインキ呼び出しローラスライド機構9Eと、インキ呼び出しローラスライド機構9Eを作動させるインキ呼び出しローラアクチュエータ9Fと、最上流のインキローラ5Aを図中破線で示すように隣接する下流側のインキローラ5Bの周面に沿ってスライドさせうるインキローラ変位手段としてのインキローラスライド機構5Cとインキローラスライド機構を作動させるインキローラアクチュエータ5Dとを備えている。
なお、ここではインキ呼び出しローラスライド機構9Eのスライドは、図中矢印A1に示すように直線的であり、インキローラスライド機構5Cによるスライドは矢印A2に示すように下流側のインキローラ5Bの周面に沿った曲線的なスライドにそれぞれ設定されているがこれらのスライドは少なくともインキ元ローラ6に対して離接するものであればよい。
ここでは、インキローラ5Aが下流側のインキローラ5Bの周面に沿ってスライドすることでインキローラ5Aとインキローラ5Bとの接触関係を保ちながら変位させることができる。
なお、インキ呼び出しローラアクチュエータ9D及びインキローラアクチュエータ5Dはそれぞれの駆動を制御する図示しないコントローラを備え、それぞれ演算装置10に接続されている。そして後述するように演算装置10から送信される駆動量信号に応じて、駆動するようになっている。
演算装置10には、上述のニップ監視装置40に加えてニップ調整制御部60としての機能が割り当てられており、ニップ調整制御部60はニップ調整手段としてのニップ調整用駆動量設定部62としての機能を有している。
ニップ監視装置40からニップ調整制御部60にニップ異常判定信号が入力されると、ニップ調整制御部60のニップ調整用駆動量設定部62では、ニップ変動推定部41で推定されたニップ変動量に基づいてニップ変動量をゼロにする、あるいはゼロに近づけるための、インキ呼び出しローラアクチュエータ9F及びインキローラアクチュエータ5Dのニップ補正用駆動量をそれぞれ演算し、ニップ補正用駆動量指示信号をインキ呼び出しローラアクチュエータ9F及びインキローラアクチュエータ5Dにそれぞれ送信するようになっている。
本発明の第3実施形態に係る印刷機のニップ監視装置及びこれを備えた印刷機は上述の用に構成されているので、第2実施形態のものと同様に、印刷機を停止させてのニップ部の状態を確認することなく、タッチパネル50の表示内容から印刷機の稼働中であってもニップ部の状態を把握することができ、印刷機を停止させてのニップ部の確認作業のために印刷物の生産性の低下を防止することができる。さらにこれに加えて、ニップの調整作業を自動で行うので、ニップ部の調整にかかる作業負荷を低減できる結果、印刷物の生産性の低下を防止することができる。
[その他]
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。
例えば、第3実施形態ではニップ部の変動が基準以上に大きいと判定された場合にインキ呼び出しローラ9及び最上流のインキローラ5Aの位置を変位させるようにしているが、変位させるローラは、インキ呼び出しローラ9及び最上流のインキローラ5Aに限らず適宜選択可能である。つまり、例えば、インキローラ群の中でも最下流に配置される版胴に直接接触するインキ着けローラの位置を自動的にスライドさせるなどして、ニップ部を自動調整するようにしてもよい。
また、第2実施形態及び第3実施形態のように、ニップ部の変動が基準以上に大きいと判定された場合にニップが細った場合に、ニップ部を自動調整することに替えて、例えば、ニップ部基準以上に細った場合にはインキ呼び出しローラの単位時間あたりの揺動回数(呼び出し周期)を大きくして、インキ元ローラからインキローラに伝達されるインキの量を増大させるように構成してもよい。このようにすればニップ部が細ることに起因する版胴へのインキ供給量の減少を補償することができる。
本発明の第1実施形態にかかるインキ供給装置及びインキローラの構成を示す図である。 本発明の第1実施形態にかかる商業用オフセット輪転機の概略構成を示す図である。 本発明の第1実施形態にかかる商業用オフセット輪転機のニップ変動監視装置の機能を含んだ演算装置の機能ブロック図である。 画線率とインキキー開度との対応関係を示すグラフであって、API関数の経時変動を示すである。 本発明の第1実施形態にかかる商業用オフセット輪転機の演算装置の色調制御機能に着目した機能ブロック図である。 本発明の第1実施形態にかかる演算装置による色調制御の処理フローを示すフローチャートである。 単色網濃度を網点面積率に対応づけるマップである。 ベタ濃度を網点面積率と単色網濃度とに対応づけるマップである。 本発明の第2実施形態にかかるニップ部を自動的に調整するニップ自動調整機能に着目したときの機能ブロック図である。 本発明の第3実施形態にかかるニップ部を自動的に調整するニップ自動調整機能に着目したときの機能ブロック図である。 従来技術の説明のための図であって印刷機のインキ供給装置及びインキローラの構成を示す図である。
符号の説明
1 ラインセンサ型IRGB濃度計
2a,2b,2c,2d 印刷ユニット
3 ブランケット胴
4,104 版胴
5,105 インキローラ群
5A 最上流のインキローラ
5B 最上流のインキローラに隣接するインキローラ
5C インキローラスライド機構
5D インキローラアクチュエータ
6,106 インキ元ローラ
7,107 インキキー
8 印刷ウェブ
9,109 インキ呼び出しローラ
9A ローラ部
9B 軸部
9C 回転軸
9D ローラ揺動アクチュエータ(揺動アクチュエータ)
9E インキ呼び出しローラスライド機構(インキ呼び出しローラ変位手段)
9F インキ呼び出しローラアクチュエータ
10 演算装置
11 DSP
12 色調制御部
14 色変換部
15 インキ供給量演算部
16 オンライン制御部
17 キー開度リミッタ演算部
20 制御装置
30 API関数管理部
31 API関数更新部(対応関係更新手段)
32 API関数記憶部(対応関係記憶手段)
40 ニップ変動監視部(ニップ変動監視装置)
41 ニップ変動推定部(ニップ変動推定手段)
42 基準対応関係設定部(基準対応関係設定手段)
43 ニップ変動判定部(ニップ変動判定手段)
44 API関数履歴DB(対応関係履歴蓄積手段)
50 タッチパネル
60 ニップ調整制御装置
61 ニップ調整用ストローク量設定部
62 ニップ調整用駆動量設定部
70,100 インキ供給装置

Claims (17)

  1. インキを供給するインキ供給手段と、それぞれのニップ部を介して上記インキ供給手段から供給された上記インキを版胴に伝達するための複数のインキローラと、印刷絵柄の画線率とインキ供給量との対応関係を記憶する対応関係記憶手段と、上記対応関係記憶手段に記憶されている上記対応関係に基づいて上記インキ供給手段から供給される上記インキの供給量を制御するインキ供給量制御手段とを備えた印刷機において、
    印刷結果に基づいて上記対応関係記憶手段に記憶されている上記対応関係を更新する対応関係更新手段と、
    基準となる画線率とインキ供給量との対応関係を基準対応関係として設定する基準対応関係設定手段と、
    上記対応関係更新手段により更新された上記対応関係と上記基準対応関係設定手段により設定された上記基準対応関係との差を演算し、上記差に基づいて上記ニップ部の変動状態を推定するニップ変動推定手段と、
    上記ニップ変動推定手段により推定された上記差が予め設定した閾値よりも大きい場合に、上記ニップ部の変動が基準以上に大きいと判定するニップ変動判定手段とを備えた
    ことを特徴とする、印刷機のニップ変動監視装置。
  2. 上記インキ供給量制御手段は、印刷開始時に、上記対応関係記憶手段に記憶されている上記対応関係に基づいて上記インキの供給量を制御して、印刷開始後は上記印刷結果に基づいて印刷した色調が所望の色調になるように上記インキ供給量を制御し、
    上記対応関係更新手段は、上記インキ供給量制御手段により制御された上記インキ供給量に基づいて、上記対応関係記憶手段に記憶されている上記対応関係を更新する
    ことを特徴とする、請求項1記載の印刷機のニップ変動監視装置。
  3. 上記対応関係更新手段によって上記対応関係が更新される毎に上記対応関係情報を蓄積する対応関係情報蓄積手段をそなえ、
    上記基準対応関係設定手段は、直近に更新した上記対応関係よりも以前に上記対応関係情報蓄積手段に蓄積された所定更新回数だけ前の対応関係を上記基準対応関係に設定することを特徴とする、請求項1又は2記載の印刷機のニップ変動監視装置。
  4. 上記基準対応関係設定手段は、上記対応関係情報蓄積手段に蓄積された初期対応関係を上記基準対応関係に設定する
    ことを特徴とする、請求項3記載の印刷機のニップ変動監視装置。
  5. 上記基準対応関係設定手段は、前回ニップ調整直後に上記対応関係更新手段により更新されて上記対応関係情報蓄積手段に蓄積された対応関係を上記基準対応関係として設定する
    ことを特徴とする、請求項3記載の印刷機のニップ変動監視装置。
  6. 上記ニップ変動推定手段によって推定された上記ニップ部の変動状態を表示する表示装置を備えた
    ことを特徴とする、請求項1〜5のいずれか1項に記載の印刷機のニップ変動監視装置
  7. 請求項1〜のいずれか1項に記載のニップ変動監視装置を備えた
    ことを特徴とする、印刷機。
  8. 上記インキ供給手段と上記インキローラ群との間に配置されたインキ呼び出しローラと、
    上記インキ呼び出しローラを所定のストローク量で揺動させる揺動アクチュエータと、
    上記ニップ変動判定手段により上記ニップ部の変動が基準以上に大きいと判定されたときには、上記ニップ変動推定手段による推定結果に基づいて、上記ニップ部の変動が小さくなる方向に上記揺動アクチュエータの上記ストローク量を変更して上記ニップ部の調整を行う上記ニップ調整手段と
    を備えたことを特徴とする、請求項7記載の印刷機。
  9. 上記インキ供給手段と上記インキローラ群との間に配置されたインキ呼び出しローラと、
    上記インキ呼び出しローラを上記インキ供給装置に離接するように変位させる呼び出しローラ変位手段と、
    上記インキローラ群の内の最も上流のインキローラを上記呼び出しローラに離接するように変位させるインキローラ変位手段と、
    上記ニップ変動判定手段により上記ニップ部の変動が基準以上に大きいと判定されたときには、上記ニップ変動推定手段による推定結果に基づいて、上記ニップ部の変動が小さくなる方向に上記呼び出しローラ変位手段及び上記インキローラ変位手段を制御するニップ調整手段と
    を備えたことを特徴とする、請求項7記載の印刷機。
  10. インキを供給するインキ供給手段と、それぞれのニップ部を介して上記インキ供給手段から供給された上記インキを版胴に伝達するための複数のインキローラと、印刷絵柄の画線率とインキ供給量との対応関係を記憶する対応関係記憶手段と、上記対応関係記憶手段に記憶されている上記対応関係に基づいて上記インキ供給手段から供給される上記インキの供給量を制御するインキ供給量制御手段とを備えた印刷機におけるニップ変動監視方法であって、
    予め基準となる画線率とインキ供給量との対応関係を基準対応関係として設定する基準対応関係設定ステップと、
    印刷結果に基づいて上記対応関係記憶手段に記憶されている上記対応関係を更新する対応関係更新ステップと、
    上記の更新された上記対応関係と上記の設定された上記基準対応関係との差を演算し、上記差に基づいて上記ニップ部の変動状態を推定するニップ変動推定ステップと
    上記ニップ変動推定ステップで推定された上記差が予め設定した閾値よりも大きいとされると上記ニップ部の変動が基準以上に大きいと判定するニップ変動判定ステップとをそなえている
    ことを特徴とする、印刷機のニップ変動監視方法。
  11. 上記インキ供給量制御手段は、印刷開始時に、上記対応関係記憶手段に記憶されている上記対応関係に基づいて上記インキの供給量を制御して、印刷開始後は上記印刷結果に基づいて印刷した色調が所望の色調になるように上記インキ供給量を制御し、
    上記対応関係更新ステップは、上記インキ供給量制御手段により制御された上記インキ供給量に基づいて、上記対応関係記憶手段に記憶されている上記対応関係を更新する
    ことを特徴とする、請求項1記載の印刷機のニップ変動監視方法。
  12. 上記対応関係更新ステップによって上記対応関係が更新される毎に上記対応関係情報を蓄積する対応関係情報蓄積ステップをそなえ、
    上記基準対応関係設定ステップでは、直近に更新した上記対応関係よりも以前に上記対応関係情報蓄積手段に蓄積された所定更新回数だけ前の対応関係を上記基準対応関係に設定する
    ことを特徴とする、請求項1又は1記載の印刷機のニップ変動監視方法。
  13. 上記基準対応関係設定ステップでは、上記対応関係情報蓄積手段に蓄積された初期対応関係を上記基準対応関係に設定する
    ことを特徴とする、請求項1記載の印刷機のニップ変動監視方法。
  14. 上記基準対応関係設定ステップでは、前回ニップ調整直後に上記対応関係更新手段により更新されて上記対応関係情報蓄積手段に蓄積された対応関係を上記基準対応関係として設定する
    ことを特徴とする、請求項1記載の印刷機のニップ変動監視方法。
  15. 上記ニップ変動推定ステップによって推定された上記ニップ部の変動状態を表示する表示ステップを備えた
    ことを特徴とする、請求項1〜1のいずれか1項に記載の印刷機のニップ変動監視方法
  16. 請求項10〜15のいずれか1項に記載の印刷機のニップ変動監視方法を用いて上記ニップ部の調整を行うニップ調整方法であって、
    上記印刷機は、
    上記インキ供給手段と上記インキローラ群との間に配置されたインキ呼び出しローラと、
    上記インキ呼び出しローラを所定のストローク量で揺動させる揺動アクチュエータと、をそなえ、
    上記ニップ変動判定ステップにより、上記ニップ部の変動が基準以上に大きいと判定されたときには、上記ニップ変動推定ステップによる推定結果に基づいて、上記ニップ部の変動が小さくなる方向に上記揺動アクチュエータの上記ストローク量を変更して上記ニップ部の調整を行う
    ことを特徴とする、印刷機のニップ調整方法。
  17. 請求項10〜15のいずれか1項に記載の印刷機のニップ変動監視方法を用いて上記ニップ部の調整を行うニップ調整方法であって、
    上記印刷機は、
    上記インキ供給手段と上記インキローラ群との間に配置されたインキ呼び出しローラと、
    上記インキ呼び出しローラを上記インキ供給装置に離接するように変位させる呼び出しローラ変位手段と、
    上記インキローラ群の内の最も上流のインキローラを上記呼び出しローラに離接するように変位させるインキローラ変位手段と、をそなえ、
    上記ニップ変動判定ステップにより、上記ニップ部の変動が基準以上に大きいと判定されたときには、上記ニップ変動推定ステップによる推定結果に基づいて、上記ニップ部の変動が小さくなる方向に上記呼び出しローラ変位手段及び上記インキローラ変位手段を制御して上記ニップ部の調整を行う
    ことを特徴とする、印刷機のニップ調整方法。
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