JP2002046254A - インキ供給量安定化装置 - Google Patents

インキ供給量安定化装置

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JP2002046254A
JP2002046254A JP2000236364A JP2000236364A JP2002046254A JP 2002046254 A JP2002046254 A JP 2002046254A JP 2000236364 A JP2000236364 A JP 2000236364A JP 2000236364 A JP2000236364 A JP 2000236364A JP 2002046254 A JP2002046254 A JP 2002046254A
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ink
film thickness
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ink film
roller
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JP2000236364A
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Mikiya Hirose
幹哉 広瀬
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】経時的なインキ移しローラの劣化を監視し、オ
ペレータが適切な調整を行なうための表示を行い、自動
調整するインキ供給量安定化装置を提供する。 【解決手段】インキ出しローラ104にインキ移しロー
ラが接触した後に形成されたインキ層を測定しインキ出
しローラにおける周方向のインキ膜厚分布を得るインキ
膜厚分布測定手段2と、測定したインキ膜厚分布と基準
のローラニップ圧を設定して形成したインキ層のインキ
膜厚分布である基準インキ膜厚分布とを比較しインキ膜
厚分布差を得るインキ膜厚分布比較手段と、インキ膜厚
分布差に基づいて、インキ出しローラとインキ移しロー
ラ間におけるニップ圧の調整量を表示するニップ圧調整
量表示手段4と、インキ膜厚分布差に基づいて、インキ
出しローラとインキ移しローラ間におけるニップ圧を自
動調整するニップ圧自動調整手段6とを具備するように
したインキ供給量安定化装置。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はオフセット印刷機に
おいてインキを供給する技術分野に属する。特に、イン
キ出しローラからインキ移しローラへのインキの転移を
適正とするためのインキ供給量安定化装置に関する。
【0002】
【従来技術】オフセット印刷機においては、インキ供給
量によって印刷物の濃度が左右されるため、インキ供給
量を安定化することが重要である。オフセット印刷機に
おけるインキ供給ユニットの構成を模式図として図5に
示す。インキ供給量の全体的な量はインキ出しローラ1
04の回転速度を調節することにより行なわれる。ま
た、インキ供給量のローラ軸方向における分布調節はイ
ンキ壷101においてローラ軸方向に配列する多数のイ
ンキキー102の開度を調節することにより行なわれ
る。インキ出しローラ104の周面には、各インキキー
102の開度に対応した膜厚Aのインキ膜が形成され
る。この分布の調節は、インキの供給量と消費量とが調
和するように、印刷版においてインキが着肉する部分の
面積分布(絵柄面積率)に対応して行なわれる。
【0003】このようにしてインキ出しローラ104の
周面にインキ壷101から供給されたインキは、インキ
移しローラ105を介してインキ練りローラ106に転
移する。インキ移しローラ105は、インキ出しローラ
104の周面に所定の時間だけ接触する動作と、インキ
練りローラ106の周面に所定の時間だけ接触する動作
と、それらのローラ間を移動する動作を周期的に行な
う。すなわち、インキ移しローラ105は間欠的にイン
キを転移させるローラである。オフセット印刷機におい
てインキ供給量を安定化するためには、このインキ移し
ローラ105による転移を安定化することが重要であ
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところが、ゴムローラ
であるインキ移しローラ105は、インキ出しローラ1
04およびインキ練りローラ106との間欠的な接触に
より繰り返し衝撃を受け損傷し易い。また、インキ出し
ローラ104とインキ練りローラ106の回転速度が異
なっているため摩擦力を受け摩耗し易い。ここに、イン
キ出しローラ104は金属ローラであり、インキ練りロ
ーラ106はゴムローラである。このような理由で、イ
ンキ移しローラ105は経時的な劣化が著しく、インキ
供給量を不安定にする要因となっている。
【0005】また、このような経時的なインキ移しロー
ラ105の劣化は、オペレータにとっては気が付き難い
ものである。そのため、オペレータが知らないうちにイ
ンキ供給量が不安定となり印刷濃度が変動し印刷物の品
質不良を引き起こすことがある。
【0006】また、インキ移しローラ105の劣化に気
が付いた場合には、オペレータはインキ出しローラ10
4とインキ移しローラ105間のニップ圧を調節するこ
とが必要である。しかし、多くのオペレータにとって
は、このニップ圧をバランス良く所定の値に調節するこ
とは難度の高い作業である。通常、一度ではできず、ニ
ップ圧の調節と確認を繰り返し行なうこととなり、多く
の作業時間を浪費するものである。さらに、ニップ圧の
確認は薄い鉄板などの抜き差しを行いオペレータの感覚
で行なわれる。そのため最適な調整点から外れても判ら
ず、調整精度としては低いものである。
【0007】本発明はこのような課題を解決するために
なされたものである。その目的は、経時的なインキ移し
ローラの劣化について、それに起因するインキ供給量の
不安定が発生する前に対処できるようにし、インキ供給
量を安化する調整をオペレータが適切に行なえるように
し、さらに自動調整により作業時間の浪費を回避し、調
整精度を高めるためのインキ供給量安定化装置を提供す
ることにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記課題は下記の本発明
によって解決される。すなわち、本発明の請求項1にか
かるインキ供給量安定化装置は、インキ出しローラにイ
ンキ移しローラが接触した後に形成されたインキ層を測
定しインキ出しローラにおける周方向のインキ膜厚分布
を得るインキ膜厚分布測定手段と、前記測定したインキ
膜厚分布と基準のローラニップ圧を設定して形成したイ
ンキ層のインキ膜厚分布である基準インキ膜厚分布とを
比較しインキ膜厚分布差を得るインキ膜厚分布比較手段
と、を具備するようにしたものである。
【0009】本発明によれば、インキ膜厚分布測定手段
によりインキ出しローラにインキ移しローラが接触した
後に形成されたインキ層が測定されインキ出しローラに
おける周方向のインキ膜厚分布が得られ、インキ膜厚分
布比較手段によりその測定したインキ膜厚分布と基準の
ローラニップ圧を設定して形成したインキ層のインキ膜
厚分布である基準インキ膜厚分布とが比較されインキ膜
厚分布差が得られる。すなわち、測定したインキ膜厚分
布が基準インキ膜厚分布から外れた程度をこのインキ膜
厚分布差から知ることができる。したがって、経時的な
インキ移しローラの劣化に起因するインキ供給量の不安
定が発生する前に対処できるように監視するインキ供給
量安定化装置が提供される。
【0010】また本発明の請求項2にかかるインキ供給
量安定化装置は、請求項1に係るインキ供給量安定化装
置において、前記インキ膜厚分布差に基づいて、インキ
出しローラとインキ移しローラ間におけるニップ圧の調
整量を表示するニップ圧調整量表示手段を具備するよう
にしたものである。
【0011】本発明によれば、ニップ圧調整指示手段に
よりインキ膜厚分布差に基づいて、インキ出しローラと
インキ移しローラ間におけるニップ圧の調整量が表示さ
れる。したがって、オペレータによりインキ供給量を安
化化する調整が適切に行なわれる。
【0012】また本発明の請求項3にかかるインキ供給
量安定化装置は、請求項1または2に係るインキ供給量
安定化装置において、前記インキ膜厚分布差に基づい
て、インキ出しローラとインキ移しローラ間におけるニ
ップ圧を自動調整するニップ圧自動調整手段を具備する
ようにしたものである。
【0013】本発明によれば、ニップ圧自動調整手段に
よりインキ膜厚分布差に基づいて、インキ出しローラと
インキ移しローラ間におけるニップ圧が自動調整され
る。したがって、作業時間の浪費が回避され、調整精度
が高められる。
【0014】
【発明の実施の形態】次に、本発明について実施の形態
を説明するが、その前に、インキ膜厚分布とニップ圧と
の関係、およびインキ出しローラの回転速度やインキ膜
厚を変化したときのインキ膜厚分布について説明してお
く。インキ膜厚分布とニップ圧との関係を図3に示す。
図3(A)はニップ圧が基準と比較して小さいときのイ
ンキ膜厚分布を示し、図3(B)はニップ圧が基準と比
較して大きいときのインキ膜厚分布を示す。
【0015】インキ移しローラ105の摩耗やローラ径
の収縮、または調整不良によりインキ出しローラ104
とインキ移しローラ105の位置が離れた場合、ニップ
圧は、基準のニップ圧に比較して小さくなる。この場
合、インキ出しローラ104へインキ移しローラ105
が接触してインキを押し退け移し取る量は、ニップ圧が
基準の場合と比較して少なくなる。それにしたがって、
インキ出しローラ104におけるインキ膜厚分布も変化
する。
【0016】図3(A)に示すように、破線で示すニッ
プ圧が小さい場合におけるインキ膜厚分布では、接触部
位におけるインキ膜厚は最小でもゼロ(ローラ周面に一
致)とはならず、最小値の区間Yは比較において短い。
一方、実線で示すニップ圧が基準値の場合におけるイン
キ膜厚分布とでは、接触部位におけるインキ膜厚の最小
値はゼロ(ローラ周面に一致)となり、最小値の区間X
は比較において長い。
【0017】一方、インキ出しローラ104とインキ移
しローラ105の位置が近い場合、ニップ圧は、基準の
ニップ圧に比較して大きくなる。この場合、インキ出し
ローラ104へインキ移しローラ105が接触してイン
キを押し退け移し取る量は、ニップ圧が基準の場合と比
較して多くなる。それにしたがって、インキ出しローラ
104におけるインキ膜厚分布も変化する。
【0018】図3(B)に示すように、破線で示すニッ
プ圧が大きい場合におけるインキ膜厚分布では、インキ
膜厚における最小値の区間Yは比較において長い。一
方、実線で示すニップ圧が基準値の場合におけるインキ
膜厚分布では、インキ膜厚における最小値の区間Xは比
較において短い。両者ともに、接触部位におけるインキ
膜厚の最小値はゼロ(ローラ周面に一致)となる。
【0019】インキ出しローラの回転速度やインキ膜厚
を変化したときのインキ膜厚分布を図4に示す。図4
(A)はインキ出しローラの回転速を一定としインキ膜
厚を変化したときのインキ膜厚分布を示す。図4(A)
に示すように、インキ膜厚における最小値の区間はほと
んど変化しない。一方、図4(B)はインキ膜厚を一定
としインキ出しローラの回転速度を変化したときのイン
キ膜厚分布を示す。図4(B)に示すように、インキ膜
厚における最小値の区間はインキ出しローラの回転速度
に比例して長くなる。
【0020】以上のことを踏まえ、次に、本発明につい
て実施の形態を説明する。本発明のインキ供給量安定化
装置における構成の一例を図1に示す。図1において、
1は検出ヘッド、2はインキ膜厚測定装置、3はデータ
処理部、4は表示装置、5は警報手段、6はニップ圧調
整手段、7は走査制御部、8は直線移動手段、100は
インキ供給制御部、104はインキ出しローラ、105
はインキ移しローラである。
【0021】検出ヘッド1は、インキ出しローラ104
の周面におけるインキ膜の膜厚を検出するためのヘッド
である。検出ヘッド1の方式としては、たとえば、2つ
の周波数のマイクロ波を放出して各々の吸収を検出する
方式、2つの波長の光を放出して各々の吸収を検出する
方式、2つの変位センサ(容量型と渦電流型)の各々に
よる変位を検出する方式、等が知られている。
【0022】インキ膜厚測定装置2は、検出ヘッド1が
出力する検出信号に基づいて、インキ膜厚を演算する装
置である。たとえば、検出ヘッド1が出力する2つの検
出信号には、インキ膜厚とその他の要因(たとえば、イ
ンキ出しローラ104の周面)によって変化する検出信
号と、インキ膜厚によって変化しないがその他の要因に
よって変化する検出信号とが含まれている。インキ膜厚
測定装置2は、2つの検出信号に基づいて、その他の要
因による成分を演算により除去することでインキ膜厚だ
けを抽出する。なお、本発明は検出ヘッド1やインキ膜
厚測定装置2の方式によって限定されない。
【0023】データ処理部3は、インキ膜厚測定装置2
が出力するインキ出しローラ104の周面におけるイン
キ膜厚を入力し、データ処理部3のメモリに記憶する。
インキ出しローラ104の回転とともに、インキ膜厚測
定装置2が時系列で出力するインキ膜厚は、インキ出し
ローラ104の周方向のインキ膜厚分布に相当する。デ
ータ処理部3は、そのインキ出しローラ104の周方向
のインキ膜厚分布をメモリに記憶する。このとき、イン
キ出しローラの回転速度も入力し、回転速度に依存しな
い正規化したインキ膜厚分布を得るようにする。
【0024】データ処理部3がメモリに記憶するインキ
膜厚分布は、動作中(ローラニップ圧監視中)のインキ
膜厚分布だけではない。そのインキ膜厚分布と比較する
基準となるインキ膜厚分布、すなわち、基準インキ膜厚
分布もデータ処理部3がメモリに記憶する。基準インキ
膜厚分布は、インキ出しローラ104とインキ移しロー
ラ105との間で、基準のローラニップ圧を設定して形
成したインキ層のインキ膜厚分布である。
【0025】上述のインキ膜厚分布と基準インキ膜厚分
布に基づいて、データ処理部3が行なうデータ処理につ
いては詳細を後述するが、概要は次のとおりである。デ
ータ処理部3は、メモリに記憶するインキ膜厚分布と基
準インキ膜厚分布とを比較しインキ膜厚分布差を演算す
る。また、そのインキ膜厚分布差に基づいて、データ処
理部3は、インキ供給量の全体的な量を調節するため、
インキ出しローラ104における回転速度の操作量を演
算する。また、そのインキ膜厚分布差に基づいて、デー
タ処理部3は、インキ出しローラ104とインキ移しロ
ーラ105との間におけるニップ圧の調整量を演算す
る。
【0026】表示装置4は、データ処理部3が演算した
インキ出しローラ104とインキ移しローラ105との
間におけるニップ圧の調整量を表示する。この表示にし
たがうことで、オペレータは適正なニップ圧を手動調整
することができ、インキ供給量を安定化することができ
る。
【0027】警報手段5は、データ処理部3によって演
算されたインキ膜厚分布差が所定の許容範囲を越えた場
合に警報出力を行なう。オペレータは警報により直ちに
適切な行動を開始することができる。なお、このような
データ処理部3、表示装置4、警報手段5は、パーソナ
ルコンピュータ等のデータ処理装置におけるハードウェ
アとソフトウェアによって実現することができる。
【0028】ニップ圧調整手段6は、データ処理部3に
よって演算されたインキ膜厚分布差を入力する。そし
て、そのインキ膜厚分布差に基づいて、インキ出しロー
ラ104とインキ移しローラ105との間におけるニッ
プ圧を自動調整する。
【0029】走査制御部7は、検出ヘッド1の走査を制
御するための制御装置である。また、直線移動手段8
は、検出ヘッド1を直線移動して走査するためのアクチ
ュエータである。検出ヘッド1は、これら走査制御部7
と直線移動手段8によって、インキ出しローラ104の
回転軸方向(左右方向)における任意の位置に移動し、
その位置におけるインキ膜厚を検出することができる。
【0030】ニップ圧を自動調整する目的においては、
インキ出しローラ104回転軸方向において、すくなく
とも2個所においてインキ膜厚を検出することが必要で
ある。データ処理部3は、所定の手順(プログラム)に
したがって走査制御部7に司令を送信し、検出ヘッド1
を移動し、たとえばインキ出しローラ104の左端と右
端におけるインキ膜厚分布を取り込みメモリに記憶す
る。
【0031】インキ供給制御部100は、データ処理部
3によって演算されたインキ出しローラ104における
回転速度の操作量を入力する。この操作量は、データ処
理部3がインキ膜厚分布差に基づいて、インキ供給量の
全体的な量を調節するために演算したものである。イン
キ供給制御部100は、そのインキ膜厚分布差に基づい
て、インキ出しローラ104の回転速度を制御する。こ
の制御により、インキ供給量の全体的な量が調節され
る。
【0032】以上の構成において、次に、本発明のイン
キ供給量安定化装置の動作について説明する。その動作
をフロー図として図2に示す。図2に示すフロー図に
は、インキ供給量安定化装置の準備段階における動作で
ある「基準インキ膜厚分布の取り込み」(S1〜S3)
と実稼動中における動作である「ニップ監視状態」(S
4〜S9)とが含まれている。
【0033】順を追って「基準インキ膜厚分布の取り込
み」から説明する。まず、図2におけるステップS1に
おいて、インキ出しローラ104とインキ移しローラ1
05間において基準のニップ圧を設定しておき、インキ
出しローラ104におけるインキ膜厚分布を測定する。
このインキ膜厚分布の測定位置は、インキ移しローラ1
05がインキ出しローラ104に接触している位置と、
接触していない位置とが含まれるようにする。このイン
キ膜厚分布が基準インキ膜厚分布である。
【0034】次に、ステップS2において、上述の基準
インキ膜厚分布を測定したときの測定条件、たとえばイ
ンキ出しローラ104の回転速度を入力する。通常、イ
ンキ膜厚の測定は、インキ膜厚測定装置2によって所定
の時間間隔で行なわれる。また、インキ出しローラ10
4の回転速度は所定の範囲において任意に設定すること
ができる。正確には、インキ出しローラ104の回転速
度を調節することによりインキ供給量の全体的な量の調
節が行なわれる。
【0035】すなわち、前述の基準インキ膜厚分布は、
そのままではインキ出しローラ104の回転速度に依存
するデータである。したがって、インキ出しローラ10
4の回転速度に依存しない正規化した基準インキ膜厚分
布を得る必要性がある。たとえば、インキ出しローラ1
04の周面における所定の距離間隔のデータとして、そ
の後の比較演算等を行なう必要性がある。
【0036】次に、ステップS3において、前述の基準
インキ膜厚分布と測定条件とをデータ処理部3のメモリ
に記憶し保存する。このとき、基準インキ膜厚分布の保
存データ量を少なくし、データ管理を簡素化することが
できる。たとえば、インキ移しローラ105がインキ出
しローラ104に接触していない位置のインキ膜厚(図
5におけるインキ膜厚A)を固定値とみなすことで保存
データ量を少なくしてもよい。
【0037】次に「ニップ監視状態」について説明す
る。まず、図2におけるステップS4において、インキ
供給量安定化装置における動作モードをニップ監視状態
に切り替えることで、ニップ圧が基準範囲に収まってい
るかどうか監視する状態に入る。ニップ監視状態におけ
るインキ膜厚分布の測定は、基本的には基準インキ膜厚
分布の測定と同様である。この測定タイミングは、オペ
レータの判断で測定を開始するマニュアル測定モード
と、あらかじめ設定しておいた測定間隔で自動的に測定
を開始する自動測定モードのいずれかを選択することが
できる。
【0038】また、ニップ監視状態におけるインキ膜厚
分布の測定は、インキ出しローラ104の回転軸方向に
おいて、すくなくとも2個所、たとえば、左端と右端と
の2個所において測定を行なうと好適である。複数箇所
の測定を行なってインキ移しローラ105の部分的破壊
をも検出できるようにしてもよい。
【0039】次に、ステップS5において、上述のイン
キ膜厚分布を測定したときの測定条件、たとえばインキ
出しローラ104の回転速度を入力する。この回転速度
を入力する意味は、基準インキ膜厚分布の取り込みの場
合(ステップS2)と同様である。
【0040】次に、ステップS6において、ニップ監視
状態におけるインキ膜厚分布と、前述のデータ処理部3
に記憶されている基準インキ膜厚分布とを比較し、イン
キ膜厚分布の差であるインキ膜厚分布差を求める。ま
た、表示装置4において、インキ膜厚分布と基準インキ
膜厚分布とインキ膜厚分布差を表示する。
【0041】インキ膜厚分布差は、たとえば、前述の区
間Xと区間Yの距離(図3参照)の差として得ることが
できる。このとき、当然ながら、インキ出しローラ10
4の回転速度に依存しない正規化したデータとして比較
を行なう。また、インキ移しローラ105がインキ出し
ローラ104に接触していない場所のインキ膜厚が同一
である場合に比較が行なえるものとする。
【0042】上述の比較の結果、インキ膜厚分布差が許
容範囲内である場合には、ステップS7に進み、表示装
置4において、正常に動作していることを示す表示を行
なう。
【0043】上述の比較の結果、インキ膜厚分布差が許
容範囲を超えている場合には、ステップS8に進み、表
示装置4において、ニップ圧の調整が必要であること
と、ニップ圧の調整方向と調整量を表示装置4において
表示する。また、警報手段5を使用しニップ圧の調整が
必要であることを音声でオペレータに知らせるようにす
る。
【0044】このときの調整量は、インキ膜厚分布差と
ニップ圧調整手段(たとえば、調整ネジ)の調整量との
関係から求める。たとえば、インキ膜厚分布差とニップ
圧調整手段6の調整量との関係を実験データとしてあら
かじめ求めルックアップテーブルとしておく。そのルッ
クアップテーブルを参照して、インキ膜厚分布差に対応
する調整量を求める。
【0045】次に、ステップS9において、ニップ圧調
整手段6は、調整方向と調整量を入力してニップ圧を適
正な値に調整する。ニップ圧調整手段6は、たとえば回
転方向と回転量を制御できるモータによりニップ圧調整
ネジを回転する機構を有する。調整方向と調整量に対応
する回転方向と回転量でモータを駆動制御することによ
りニップ圧が自動調整される。これにより、インキ供給
量を安定化させることができる。なお、調整方向と調整
量は表示装置4において表示されているから。オペレー
タは、その表示に基づいて手動でニップ圧調整ネジを回
転しニップ圧を調整することもできる。
【0046】
【発明の効果】以上のとおりであるから、本発明の請求
項1にかかるインキ供給量安定化装置によれば、経時的
なインキ移しローラの劣化に起因するインキ供給量の不
安定が発生する前に対処できるように監視することがで
きる。また本発明の請求項2にかかるインキ供給量安定
化装置によれば、表示によりインキ供給量を安定化する
ための調整をオペレータが適切に行なうことができる。
また本発明の請求項3にかかるインキ供給量安定化装置
によれば、自動調整により作業時間の浪費を回避し調整
精度を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のインキ供給量安定化装置における構成
の一例を示す図である。
【図2】本発明のインキ供給量安定化装置の動作を示す
フロー図である。
【図3】インキ膜厚分布とニップ圧との関係を示す図で
ある。
【図4】インキ出しローラの回転速度やインキ膜厚を変
化したときのインキ膜厚分布を示す図である。
【図5】オフセット印刷機におけるインキ供給ユニット
の構成を示す模式図である。
【符号の説明】
1 検出ヘッド 2 インキ膜厚測定装置 3 データ処理部 4 表示装置 5 警報手段 6 ニップ圧調整手段 7 走査制御部 8 直線移動手段 100 インキ供給制御部 101 インキ壷 102 インキキー 103 インキブレード 104 インキ出しローラ 105 インキ移しローラ 106 インキ練りローラ

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】インキ出しローラにインキ移しローラが接
    触した後に形成されたインキ層を測定しインキ出しロー
    ラにおける周方向のインキ膜厚分布を得るインキ膜厚分
    布測定手段と、前記測定したインキ膜厚分布と基準のロ
    ーラニップ圧を設定して形成したインキ層のインキ膜厚
    分布である基準インキ膜厚分布とを比較しインキ膜厚分
    布差を得るインキ膜厚分布比較手段と、を具備すること
    を特徴とするインキ供給量安定化装置。
  2. 【請求項2】請求項1記載のインキ供給量安定化装置に
    おいて、前記インキ膜厚分布差に基づいて、インキ出し
    ローラとインキ移しローラ間におけるニップ圧の調整量
    を表示するニップ圧調整量表示手段を具備することを特
    徴とするインキ供給量安定化装置。
  3. 【請求項3】請求項1または2記載のインキ供給量安定
    化装置において、前記インキ膜厚分布差に基づいて、イ
    ンキ出しローラとインキ移しローラ間におけるニップ圧
    を自動調整するニップ圧自動調整手段を具備することを
    特徴とするインキ供給量安定化装置。
JP2000236364A 2000-08-04 2000-08-04 インキ供給量安定化装置 Withdrawn JP2002046254A (ja)

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