JP4649471B2 - インキキー0点設定方法及びインキキー0点設定装置 - Google Patents

インキキー0点設定方法及びインキキー0点設定装置 Download PDF

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Description

本発明は、印刷機に備えられるインキキーの開度調整に関し、インキキー開度の0点を正確且つ容易に設定するインキキー0点設定方法及びこれを用いたインキキー0点設定装置に関する。
枚葉印刷機及び輪転印刷機等の印刷機では、インキ供給装置に備えられたインキキーとインキ元ローラとの隙間量(インキキー開度という)を調整することによってインキ壷から印刷胴に供給するインキ供給量を調整している。インキキーは印刷幅方向に複数並列配置されており、インキキーの幅単位(キーゾーンという)でインキ供給量を調整することができる。
このインキ供給量は印刷絵柄の画線率が大きい程大きく、また、印刷絵柄の画線率が小さいほど小さく、印刷絵柄の各線率に応じて設定する必要がある。そのため、印刷機には、図16に示すように画線率とインキキー開度との関係を規定したAPI関数(インキ供給量変換関数)が記憶されており、このインキ供給量変換関数を用いて各キーゾーン毎の画線率に応じたインキキー開度に設定することで、印刷絵柄の画線率に応じた適正な量のインキを供給できるようになっている。
印刷機においてインキキー開度の調整は、オペレータが手動でインキキー調整ネジを操作して、印刷シートの濃度を目視しながら行う場合もあるが、インキキー開度を自動で設定するインキ供給量自動設定装置も提案されている(例えば、特許文献1を参照)。また、印刷を行う前に、各キーゾーン毎の印刷データに基づいて、各キーゾーンに対応したインキキーの開度を自動でプリセットする技術も提案されている(例えば、特許文献2を参照)。
通常、印刷機には、各インキキー毎にそれぞれ対応するインキキー開度を検知するためにポテンショメータ等のインキキー開度センサが備えられており、上記のようなインキキー開度の自動プリセット装置ではインキキー開度のプリセットを行う際に、まず、印刷データ等の印刷絵柄の画線率情報とインキ供給量変換関数とに基づいて各インキキー毎に目標となるインキキー開度が設定され、そして、インキキー開度センサが検知するインキキー開度が目標の開度となるように、インキキーを揺動させてインキキー開度を調整し得るように接続されたモータ等のアクチュエータの駆動を制御している。
上記のインキ供給量変換関数において、インキキー開度のゼロ点は、印刷を行う際に印刷シートにインキが転写されることのない最大の開度(即ち、インキキー開度がこれより少しでも大きくなると印刷シートにインキが転写されてしまう点)と定義することができる(この点を0点と呼ぶ)。
ところで、この0点に対応するインキキーの傾きは、インキキーを設置する際の施工精度やインキの粘度等の様々な要因によって、各インキキー毎にバラつきがある。したがって、インキキー開度の0点は、インキキーの傾き(即ち、ポテンショメータ等の検知手段で客観的に検知可能である機械的なインキキー開度)によって絶対的に決まるものではなく、印刷運転時において印刷シートにインキの転写が開始される直前の点を設定する必要がある。また、一度0点設定を行っても、時間の経過とともに0点に対応するインキキー開度は徐々にずれてしまうものである。
したがって、上記の特許文献2におけるインキキーのプリセット等、インキキー開度を自動で設定する場合に、0点の設定に誤差があると、印刷絵柄の画線率に応じて適切なインキキー開度に設定したつもりでも実際には設定誤差が生じ、自動制御が有効に機能しないことになり、この分、損紙が発生する等の不都合が生じてしまう。このため、印刷機において、インキキーの0点を正確に設定することは非常に重要である。
このインキキーの0点設定にあたって、従来、オペレータがインキ元ローラ上のインキ膜厚を目視しながら、調整ネジ等を操作してインキキーの角度を調整することによって、インキ元ローラ上のインキ膜厚を0点に対応する膜厚(5ミクロン程度)に調整していた。そして、調整された点において検知された機械的なインキキー開度を0点として印刷機の記憶装置に記憶させることによって各インキキーの0点設定が行われていた。
しかしながら、この場合オペレータがマニュアルで0点設定を行うので、オペレータが煩雑な作業を行わなければならない上、オペレータの熟練度等のばらつきのため調整される0点の精度が不均一になるという課題があった。
さらに、0点の調整がインキ元ローラ上のインキ膜厚に基づいて行われており、本来の0点の定義である印刷シートへのインキの転写開始に基づくものではないため、精度のよい0点設定を行うことが困難であった。また、0点の調整を精度良く行うために、印刷シートへのインキの転写に基づいて0点設定を行うためには、オペレータが実際に印刷機を運転させながら、インキキーの角度調整と印刷シートの確認とを逐次交互に行う必要があるためオペレータにかかる作業負荷が極めて大きくなり、現実的ではなかった。
これらの課題から、0点設定を手動で行わず、自動的に0点設定を行う技術も提案されている(特許文献3参照)。
特開2004−106523公報 特開2003−334929公報 特開2001−253055公報
しかしながら、特許文献3のものは、インキ元ローラ上のインキ膜厚をセンサによって検知しながら、インキ元ローラ上のインキ膜厚が所定の膜厚となるようにインキキーの角度を自動調整するものであり、印刷シートへのインキの転写に基づく0点設定ではないため、上述のように0点設定を精度良く行うことが困難という課題は依然として解決されていない。
本発明はこのような課題に鑑み創案されたもので、インキキーの0点設定を正確且つ容易に行うことができるようにした、インキキー0点設定方法及びインキキー0点設定装置を提供することを目的とする。
上述の目的を達成するために、請求項1記載の本発明の印刷機のインキキー0点設定方法は、印刷機に備えられる複数のインキキーと、印刷結果に基づいて前記各インキキーの開度を制御して印刷色調を自動制御する開度制御機構とを有する印刷機のインキ供給装置における、インキキーの0点設定方法であって、前記開度制御機構の自動色調制御により印刷を実施して、前記各インキキーのキーゾーン毎に、画線率に対応したインキキー開度の情報を複数取得して記憶する第1ステップと、前記第1ステップで記憶された前記のインキキー開度の値と画線率とに基づいて線形近似により画線率が0の場合に相当するインキキー開度をインキキー0点に設定する第2ステップとをそなえていることを特徴としている。
また、前記複数のインキキーは、インキ元ローラに対向して配設され、前記開度制御機構は、該インキキーをそれぞれ前記インキ元ローラに対して離接する方向に個別に駆動するアクチュエータと、該インキキーの機械的な開度を取得する開度取得手段と、印刷された印刷シートの発色濃度を検出するIRGB濃度計と、前記IRGB濃度計の計測結果に基づいて印刷される絵柄が目標の画線率となるように前記アクチュエータの作動を制御して前記インキキーの開度を制御して印刷色調を自動制御する制御手段とを備え、前記第1ステップでは、前記インキキーのうちの調整対象のインキキーのインキ色のみの単色で且つ第1の画線率である第1の絵柄を印刷し、前記制御手段による自動色調制御が収束した時点におけるインキキー開度の値を第1のインキキー開度として前記第1の画線率と共に記憶し、前記調整対象のインキキーのインキ色のみの単色で且つ第1の画線率と異なる第2の画線率である第2の絵柄を印刷し、前記制御手段による自動色調制御が収束した時点におけるインキキー開度の値を第2のインキキー開度として前記第2の画線率と共に記憶し、前記第2ステップでは、前記第1ステップで記憶された前記第1のインキキー開度及び前記第1の画線率と前記第2のインキキー開度及び前記第2の画線率とに基づいて直線近似又は曲線近似により画線率が0の場合に相当するインキキー開度をインキキー0点に設定することが好ましい(請求項2)。
また、前記複数のインキキーは、インキ元ローラに対向して配設され、前記開度制御機構は、該インキキーをそれぞれ前記インキ元ローラに対して離接する方向に個別に駆動するアクチュエータと、該インキキーの機械的な開度を取得する開度取得手段と、印刷された印刷シートの発色濃度を検出するIRGB濃度計と、前記IRGB濃度計の計測結果に基づいて印刷される絵柄が目標の画線率となるように前記アクチュエータの作動を制御して前記インキキーの開度を制御して印刷色調を自動制御する制御手段とを備え、前記第1ステップでは、実際の製品印刷を行う毎に、前記各キーゾーン毎に画線率と該画線率に対応したインキキー開度とを取得することにより、前記各キーゾーン毎に複数の画線率と該画線率にそれぞれ対応したインキキー開度とを取得して記憶するとともに、前記第2ステップでは、前記第1ステップで記憶された複数組の前記インキキー開度及び画線率に基づいて線形近似により画線率が0の場合に相当するインキキー開度をインキキー0点に設定する前記第1ステップで記憶された前記のインキキー開度の値と画線率とに基づいて線形近似により画線率が0の場合に相当するインキキー開度をインキキー0点に設定する第2ステップとをそなえている前記第2ステップでは、前記第1ステップで記憶された前記のインキキー開度の値と画線率とに基づいて直線近似又は曲線近似により画線率が0の場合に相当するインキキー開度をインキキー0点に設定することが好ましい(請求項3)。
また、請求項4記載の本発明の印刷機のインキキー0点設定装置は、インキ元ローラに対向して配設される複数のインキキーと、該インキキーをそれぞれ前記インキ元ローラに対して離接する方向に個別に駆動するアクチュエータと、該インキキーの機械的な開度を取得する開度取得手段と、印刷された印刷シートの発色濃度を検出するIRGB濃度計と、前記IRGB濃度計の計測結果に基づいて印刷される絵柄が目標の画線率となるように前記アクチュエータの作動を制御して前記インキキーの開度を制御して自動で印刷の色調を制御する制御手段とを備えた、自動色調制御機能付き印刷機のインキ供給装置において、印刷シートに実際にインキの転写が開始されうる境界点におけるインキキー開度を0点として設定する印刷機のインキキー0点設定装置であって、前記インキキーのうちの調整対象のインキキーのインキ色のみの単色で且つ第1の画線率である第1の絵柄を印刷するための第1の刷版と、前記調整対象のインキキーのインキ色のみの単色で且つ第1の画線率と異なる第2の画線率である第2の絵柄を印刷するための第2の刷版と、前記第1の刷版による絵柄を印刷し、前記制御手段による自動色調制御が収束した時点におけるインキキー開度の値を第1のインキキー開度として前記第1の画線率と共に記憶し、前記第2の刷版による絵柄を印刷し、前記制御手段による自動色調制御が収束した時点におけるインキキー開度の値を第2のインキキー開度として前記第2の画線率と共に記憶する記憶手段と、前記記憶手段に記憶された前記第1のインキキー開度及び前記第1の画線率と前記第2のインキキー開度及び前記第2の画線率とに基づいて直線近似又は曲線近似により画線率が0の場合に相当するインキキー開度をインキキー0点に設定する0点設定手段とをそなえていることを特徴としている。
請求項1記載の本発明のインキキー0点設定方法によれば、自動色調制御による印刷を実施して得られる実際に画線率に対応した複数のインキキー開度の情報から、インキキーの0点を推定するので、実際の印刷結果に基づいた精度の良いインキキーの0点設定を行うことができる上、インキキーの0点設定にかかる時間を短縮することができる。
また、請求項2記載の本発明のインキキー0点設定方法は、インキキーの0点設定を行う際に、インキキー開度の調整をオペレータがマニュアルで行う必要がないので、インキキーの0点設定にかかるオペレータの作業負荷を低減することができる。さらに、実際に画線率の異なる複数の絵柄の印刷を行い、その印刷結果に基づいてインキキーの0点を推定するので、精度の良いインキキーの0点設定を行うことができる上、インキキーの0点設定にかかる時間を短縮することができる。
また、請求項3記載の本発明のインキキー0点設定方法によれば、0点設定を行うためだけに印刷を行う必要がなく、0点設定にかかる作業負荷を低減することができると同時に、0点設定を製品の印刷時に同時に行うので0点設定のために、製品の印刷がスケジュールが遅れるような不具合を防止することができる。
また、請求項4記載のインキキー0点設定装置によれば、インキキーの0点設定を行う際に、インキキー開度の調整をオペレータがマニュアルで行う必要がないので、インキキーの0点設定にかかるオペレータの作業負荷を低減することができる。さらに、実際に画線率の異なる複数の絵柄の印刷を行い、その印刷結果に基づいてインキキーの0点を推定するので、精度の良いインキキーの0点設定を行うことができる上、インキキーの0点設定にかかる時間を短縮することができる。
[第1実施形態]
以下、図1〜図6を参照しながら、本発明の第1実施形態について説明する。
図1はインキキー0点設定方法を説明する制御フローを示すフローチャート、図2は本発明のインキキー0点設定装置を備えた印刷機の概略構成を示す模式的な側面図、図3,4はいずれも印刷機のインキ供給装置の構成を示す模式図、図5はインキキー0点設定に係る制御系の機能構成を示すブロック図、図6はインキキー0点設定に係る所定の印刷絵柄を示す図である。
まず、本実施形態にかかるインキキー0点設定装置を備えた印刷機の概略構成について説明する。図2は本実施形態にかかるインキキー0点設定装置を備えた印刷機としてのオフセット輪転機の概略構成を示す図である。本実施形態におけるオフセット輪転機は多色刷りの両面印刷機であり、印刷シート8の搬送経路に沿って、インキ色〔墨(k)、藍(c)、紅(m)、黄(y)〕毎に印刷ユニット2a,2b,2c,2dが設置されている。印刷ユニット2a,2b,2c,2dにはそれぞれ、インキキー7とインキ元ローラ8からなるインキ供給装置5が備えられている。そして、それぞれのインキ供給装置5にはコンピュータ等の制御装置20が接続されており、制御装置20によってインキキー7のインキ元ローラ8に対する隙間量(即ち、インキキー開度)を調整することによりインキ供給装置5におけるインキ供給量を調整できるようになっている。このインキ供給装置5のインキキー開度調整にかかる構成及び制御装置20の構成の詳細については後述する。
インキ供給装置5により供給量を調整されたインキは、インキローラ群内で適度に練られ、薄膜を形成した後に版胴4の版面に供給され、版面に付着したインキがブランケット胴3を介して絵柄として印刷シート8に転写される。なお、図示省略しているが、本実施形態のオフセット輪転機は両面刷りなので、各印刷ユニット2a,2b,2c,2dには、印刷シート8の搬送経路を挟むようにして一対のブランケット胴3が備えられ、各ブランケット胴3に対して版胴4やインキ供給装置5が設けられている。
本実施形態のオフセット輪転機は、印刷されたインキを検出するインキセンサとして、最下流の印刷ユニット2dのさらに下流にラインセンサ型のIRGB濃度計1を備えている。IRGB濃度計1は印刷シート8上に転写されたインキの反射光をI(赤外光)、R(赤)、G(緑)、B(青)の反射濃度として計測する計測器であり、印刷シート8全幅の反射濃度を計測したり、任意の位置の反射濃度を計測したりすることも可能である。本実施形態では、このIRGB濃度計1によって印刷シートにインキが転写されたか否かが判定される。
なお、オフセット輪転機は両面刷りなので、IRGB濃度計1は印刷シートの搬送経路を挟むようにして表裏両側に配置され、表裏両面の反射濃度を計測できるようになっている。また、インキセンサとしてはIRGB濃度計に限らず、分光計やイメージカメラ等を用いても良い。
[インキ供給装置]
次に、図3及び図4を参照して、インキ供給装置5の構成について説明する。図3,図4に示すように、インキ供給装置5には、インキ元ローラ6、インキキー7及びインキ移しローラ9が備えられ、インキ元ローラ6の周面とインキキー7及び側板10a,10bとから形成されるインキ壺に溜められたインキをインキキー7とインキ元ローラ6の周面との隙間からインキ元ローラ6の周面、インキ移しローラ9、図示しないインキ練りローラ群を介して各印刷ユニット2a〜2dに供給するようになっている。
また、図4に示すようにインキキー7a〜7hは印刷幅方向に複数並設されており、隣合うインキキー7a〜7h及び端部のインキキー7a,7hと側板10a,10bとは互いに摺接している。また、図3にも示すようにインキキー7a〜7hは支点軸51を中心にしてそれぞれ独立して揺動できるようになっており、各インキキー7a〜7hとインキ元ローラ6の周面との隙間(インキキー開度)を調整できるようになっている。各インキキー7a〜7hの下方にはインキキー開度調整装置50が設けられている。
インキキー開度調整装置50は各インキキー7a〜7hの先端下面に当接する押上金具55と、押上金具55に先端を当接し、前後方向に伸縮することにより押上金具55を揺動昇降させるプッシャー56と、回転駆動することによってプッシャ56を前進または後退させるように接続された、アクチュエータとしてのモータ53とを備えている。モータ53は制御装置20によって駆動制御されるように制御装置20に電気的に接続されている。また、モータ53の回転軸は、ギアを介して駆動伝達可能に調整ねじ52に接続されている。つまり、調整ネジ52を回転させることによってもプッシャ56を前進または後退させることができる。
さらにモータ53の回転軸はギアを介して駆動伝達可能に回転軸の回転角位置を検知するポテンショメータ54に接続されている。ポテンショメータ54によって検知されたモータ53の回転角はプッシャ56の前進後退位置すなわちインキキー7の揺動角度に対応しており、これによってインキキー7とインキ元ローラ6との隙間(即ち、機械的なインキキー開度)を検知することができる。つまり、ここではポテンショメータ54はインキキー開度センサとして機能する。また、ポテンショメータ54は検知結果が制御装置20に入力されるように制御装置20に電気的に接続されている。
このように、インキキー開度調整装置50は、モータ53あるいは調整ネジ52を回転させることによって、プッシャ56及び押上金具55を介してインキキー7を揺動させることによって、インキキー開度を調整できるような構成となっている。つまり、ここではインキキー開度調整装置50及び制御装置20がインキキー開度制御機構として機能する。
[制御系の機能構成]
次に、図5を参照してインキキー0点設定にかかる制御系の機能構成について説明する。図5は本発明のインキキー0点設定に係る制御系の機能構成を示すブロック図である。
図5に示すように、インキキー0点設定の制御系にかかる装置構成は、IRGB濃度計1、インキ供給装置5、制御装置20及び入力手段25となっている。
制御装置20には、インキキー開度調整装置50に備えられたポテンショメータ54の検知信号及びIRGB濃度計1の検知信号がそれぞれ入力されるようになっている。また、制御装置20がモータ53の駆動を制御できるように制御装置20はインキキー開度調整手段50のモータ53と電気的に接続されている。
また、入力手段25は、例えば、制御装置20と電気的に接続されたタッチパネル等の入力機器であり、オペレータ等によりインキキー0点設定の指示が入力されると印刷制御手段21に0点設定指令信号を入力するようになっている。
また、制御装置20は機能要素として印刷制御手段21、0点設定手段23及び判定手段24を備えており、印刷制御手段21にはインキキー制御手段22が含まれている。
印刷制御手段21は印刷機の運転を制御するとともに、インキキー制御手段22によってインキキー開度を調整できるようになっており、ここではインキキー開度を段階的に増大調整するようになっている。判定手段24は、IRGB濃度計1から入力される信号に基づいて、印刷シートにインキが転写されているか否かを判定し、判定結果を0点設定手段23に入力するようになっている。0点設定手段23にはポテンショメータ54からインキキー開度に対応する検知信号が入力されるようになっており、判定手段24から印刷シート8にインキが転写されたとの判定結果が入力されると印刷停止信号(停止信号)を印刷制御手段21に入力し、ポテンショメータ54からの入力信号に基づいて得られるその時点のインキキー開度よりも一段階小さい開度を0点として設定するようになっている。
[制御フローチャート]
以下、図1に示すフローチャートを参照して、本実施形態にかかるインキキー0点設定について説明する。
図1に示すように、まず、ステップS101において、入力手段25から制御装置20の印刷制御手段21に0点設定指令信号が入力されると、ステップS102において、インキキー制御手段22がインキキー7とインキ元ローラ6とが接触状態となるようにモータ53の駆動を制御する(インキキー開度の初期設定)。なお、この接触状態は、接触する寸前の限界状態が好ましく、インキキー7とインキ元ローラ6との隙間からインキが供給されない状態(非インキ供給状態)であればよい。そして、ステップS103において、インキキー制御手段22が予め設定された所定開度(微小の単位開度)ΔSだけインキキー7を開放させるようにモータ53を制御した後、ステップS104において、印刷制御手段21は印刷機を作動させて印刷運転を開始させる。
この印刷運転について詳しく説明すると、インキキー0点設定に際して、各印刷ユニット2a〜2dの版胴3にはそれぞれ、図6に示すように、印刷可能幅全幅に亘って、所定の印刷流れ方向長さを有する単色100%の画線率が各インキ色毎に印刷流れ方向に並置されるような印刷絵柄の刷版が装着される。
そして、印刷制御手段21は、ステップS103において設定されたインキキー開度において、上述の所定の絵柄の刷版で所定数tだけ印刷運転を行う。この所定数tは、図示しないカウンタによってカウントされる版胴3の回転数(何回回転したか)等から検出できる数値であり、このように、インキキー7の開度を増加させた後、所定数tだけ印刷するのはインキキー開度の増加が実際の印刷結果として現れるまでに応答遅れが生じるためである。このため、所定数tはインキキー開度増加の効果が印刷結果に確実に反映されうる最小値に設定されている。
そして、ステップS105においてはIRGB濃度計1から入力される、各印刷ユニット2a〜2dを経由した印刷シート8の反射光の検知信号に基づいて、判定手段24が印刷シート8にインキが転写されているか否かを判定する。
ステップS105において、判定手段24が印刷シート8にインキが転写されていないと判定すると再びステップS103に戻り、インキキー制御手段22によって現在の開度からさらに所定開度ΔSだけインキキー7を開放された後ステップS104において、再び上述の印刷運転が行われる。そして、このステップS103からステップS105にかかる制御は印刷シート8にインキが転写されたと判定されるまで周期的に繰り返される。なお、このステップS103からステップS105にかかる制御を1周期と呼ぶ。
ステップS105において印刷シート8にインキが転写されたと判定されると、ステップS106において、0点設定手段23がポテンショメータ54からの入力信号に基づいて、1周期前におけるインキキー開度(即ち、現在のインキキー開度から所定開度ΔSだけ減じた値)をインキキー0点に対応するインキキー開度として記憶することでインキキー0点設定が行われる。そして、ステップS107において、0点設定手段24から印刷制御手段へ停止信号が入力され、印刷機の運転が停止される。
なお、上述のインキキー0点設定にかかる制御はインキ供給装置5において互いに隣接しない複数のインキキー7に対して同時に行うことが好ましい。互いに隣接しない複数のインキキー7の組み合わせとして、図4に示すインキキー7a〜7jにおいて、インキキー7a,7c,7e,7g,7iの組み合わせ(グループA)及びインキキー7b,7d,7f,7h,7jの組み合わせ(グループB)等が考えられる。
例えば、インキキー7a〜7jを上述のグループA及びグループBに分け、各グループ毎にグループに含まれる全てのインキキーに対して同時にインキキー0点設定を行うようにしてもよい。この場合、全てのインキキー7a〜7jに対して0点設定を行うためには、ステップS101の後、グループAに対して、図5のステップS102〜S106の制御を行い、その後グループBに対してステップS102〜S106の制御を行うようにすればよい。
このように、互いに隣接するインキキー7に対してインキキー0点設定を同時に行わないようにすることで、隣り合うインキキーが互いに干渉することによって生じる顕著なヒステリシス現象の影響で0点設定に誤差が生じることを防止することができる。
本発明の第1実施形態にかかる印刷機のインキキー0点設定方法及び0点設定装置は上述のように構成されているので、インキキー0点設定を行う際には、まず、インキキー開度が0に設定されてから、1周期毎に所定開度Sだけインキキー7を開放させてから実際に印刷運転を行い、印刷シート8上に転写されたインキを検知するという制御が自動で行われるので、オペレータがマニュアルでインキキー0点設定を行う必要がなく、オペレータの作業負荷を低減することができる。また、インキキー0点設定にあたって、実際に印刷を行った印刷シート8上に転写されたインキの有無に基づいてインキキーの0点を設定するので、印刷シート8に実際にインキの転写が開始される境界点を精度良く見つけることができ、精度の良いインキキー0点設定を行うことができる。
これにより、印刷を行う前に印刷絵柄の画線率に基づいて、インキキー開度を自動プリセットする場合に、インキキー0点のずれに起因する誤差を減少させることができ印刷に際して、印刷シートの色調を速やかに所望の色調にすることができ、これによって損紙の発生を低減することができる。
[第2実施形態]
次に図7〜図14を参照して本発明の第2実施形態について説明する。
本実施形態では、第1実施形態の図2〜図4にかかる印刷機の構成については共通しており、第1実施形態と共通する部分については説明を省略する。また、第1実施形態と共通するものについては同一の符号を用いて説明する。
本実施形態は、画線率の異なる複数の絵柄の印刷をインキ濃度制御(自動色調制御)することで、複数の画線率に対応したインキキー開度を取得し、これに基づいてインキキー0点を設定するものであり、制御系にかかる機能構成及び制御態様が上述の第1実施形態のものと異なる。
以下、図7を参照して本実施形態における制御系の機能構成について説明する。
図7に示すように、本実施形態におけるインキキー0点設定の制御系にかかる装置構成はIRGB濃度計1、インキ供給装置5、制御装置20’及び入力手段25となっている。
このうち、IRGB濃度計1、インキ供給装置5及び入力手段25については第1実施形態のものと共通であり、制御装置20’の機能構成ついては第1実施形態のものと異なる。
制御装置20’は機能要素として、インキキー制御手段32を含む印刷制御手段31と0点演算・設定手段33とインキ濃度制御手段40とを備えている。
印刷制御手段31の入力側は、入力手段25と、0点演算・設定手段33と、インキ濃度制御手段40の出力側とに接続され、印刷制御手段31の出力側は、モータ53と接続されている。また、0点演算・設定手段33の入力側はインキ濃度制御手段40及びポテンショメータ54と接続され、インキ濃度制御手段40の入力側はIRGB濃度計1及び入力手段25と接続されている。
印刷制御手段31は、入力手段25から入力される0点設定指令信号を受けて、後述する所定の第1の絵柄及び第2の絵柄の印刷を適宜行うように印刷機の運転を制御するものであり、印刷時においてインキ濃度制御手段40から入力されるインキキー開度指令値に基づいてインキキー制御手段32がモータ53を制御するようになっている。
ここで、本実施形態にかかる第1の絵柄及び第2の絵柄について図8を参照して説明する。図8(A)は第1の絵柄を示し、図8(B)は第2の絵柄を示す。なお、本実施形態では、画線率の異なる複数の絵柄の印刷結果に基づいて0点推定演算を行うものであり、絵柄の種類は3以上でもよい。また、第1の絵柄、第2の絵柄の呼称あるいは印刷する順番については適宜変更可能である。また、各印刷ユニット2a,2b,2c,2dには、第1の絵柄を印刷するための第1の刷版と、第2の絵柄を印刷するための第2の刷版とが用意され、適宜装着される。
図8(A),(B)に示すように、本実施形態における第1の絵柄及び第2の絵柄はいずれも印刷可能幅全幅に亘って、所定の印刷流れ方向長さを有する単色の絵柄が各インキ色毎に印刷流れ方向に並置される点で共通しており、それぞれの画線率のみが第1の絵柄の画線率(第1の画線率)は10%、第2の絵柄の画線率(第2の画線率)は3%と異なっている。なお、第1の絵柄及び第2の絵柄の各画線率については10%及び3%に限定するものではないが、比較的低画線率で且つ適当量だけ異なる画線率に設定する。
インキ濃度制御手段40は、外部から入力された印刷データあるいは制御装置20’に記憶されている印刷データ、及び、IRGB濃度計の検知信号に基づいてインキキー開度指令値を出力してインキキー開度を制御することで印刷シート8上に転写されるインキ濃度が印刷データに基づく所望のインキ濃度になるように自動で制御を行うものである。
また、インキ濃度制御手段40は機能要素としてインキ濃度制御収束判定手段41を備えている。インキ濃度制御収束判定手段41は、インキ濃度制御手段40におけるインキ濃度制御にかかるインキキー7の開度調整制御が収束して、インキ濃度制御が定常状態に移行したことを判定し、インキ濃度制御が定常状態に移行したと判定した場合には、0点演算・設定手段33にインキ濃度制御収束判定信号を入力するようになっている。なお、かかるインキ濃度制御の詳細については後述する。
0点演算・設定手段33は、ポテンショメータ54から入力されるインキキー開度検知信号及びインキ濃度制御手段40から入力されるインキ濃度制御収束判定信号に基づいて第1の絵柄におけるインキ濃度制御が収束した時点におけるインキキー開度を第1の開度S1として記憶し、第2の絵柄におけるインキ濃度制御が収束した時点におけるインキキー開度を第2の開度S2として記憶するようになっている。そして、記憶した第1の開度S1及び第2の開度S2に基づいてインキキー0点に対応するインキキー開度S0を推定演算(以下、0点演算という)し、これによって算出したインキキー開度を0点として設定するようになっている。
以下、図9を参照して0点演算について説明する。図9は、印刷絵柄の画線率をX軸にとり、インキキー開度をY軸にとって、第1の画線率X1に対応する第1の開度Y1及び第2の画線率X2に対応する第2の開度Y2をこのXY座標系にプロットしたものである。なお、ここでのインキキー開度とは、ポテンショメータ54によって検知した機械的なインキキー開度であり、API関数におけるインキキー0点を原点としたインキキー開度とは異なる。API関数におけるインキキー開度は、この機械的なインキキー開度に対して0点補正したものである。
機械的なインキキー開度と画線率との関係は画線率をX、インキキー開度をYとすると
Y=aX+b
と線形近似することができ、画線率Xが0の時のインキキー開度Yの値(即ちbの値)が0点に相当する。なお、線形近似以外に適宜の曲線で近似することも考えられる。
ここでは、第1の画線率X1(10%)に対するインキキー開度Y1、及び、第2の画線率X2(3%)に対するインキキー開度Y2を得ることにより、これらの値X1,Y1,X2,Y2から次式によりbを算出する。
b=(X1・Y2−X2・Y1)/(X1−X2)
以下、図10を参照して本実施形態におけるインキキー0点設定について説明する。
図10に示すように、まず、ステップS201において、入力手段25から制御装置20’の印刷制御手段31に0点設定指令信号が入力されると、ステップS202において、印刷制御手段31が印刷機の運転を制御して第1の絵柄の印刷を行う。ここで、第1の絵柄を印刷する第1の刷版は、予めオペレータにより版胴3に手動で取り付けられるもので良いが、第1の絵柄の製版データから印刷機上で製版するものでも良い。
ステップS202において第1の絵柄の印刷が開始されると、ステップS203として、インキ濃度制御手段40によるインキ濃度制御が開始される。インキ濃度制御の詳細については後述するが、このとき、インキ濃度制御手段40はインキキー制御手段32にインキキー開度指令値信号を入力してインキキー開度を調整して版胴3へ供給されるインキ供給量を制御する。このインキ供給量制御は、予め設定された印刷データ(ここでは第1の絵柄)とIRGB濃度計1から入力されるインキ濃度信号とに基づく、フィードバック制御である。そして、ステップS204としてインキ濃度制御手段40のインキ濃度制御収束判定手段41によって上記のフィードバック制御が収束したか否かが判定される。
そして、ステップ204において、インキ濃度制御収束判定手段41によりインキ濃度制御が収束していないと判定されると、ステップS203に戻り、インキ濃度制御を継続し、インキ濃度制御が収束したと判定されると、0点演算・設定手段33にインキ濃度収束判定信号を送出する。
0点演算・設定手段33にインキ濃度収束判定信号が入力されると、0点演算・設定手段33では、ステップS205として、ポテンショメータ54から入力される信号から、その時点におけるインキキー開度(第1の開度Y1)を記憶し、印刷制御手段31に停止信号を送出する。そして、印刷制御手段31に停止信号が入力されると、印刷機の運転が停止され、第1の絵柄の印刷が終了する。ここで、第1の絵柄の刷版(第1の刷版)と第2の絵柄を印刷する第2の刷版の交換が行われる。なお、ここでも第2の絵柄の刷版も、予めオペレータにより版胴3に手動で取り付けられるもので良いが、製版データから印刷機上で製版するものでも良い。
次に、ステップS206として、第2の絵柄の印刷が行われる。第2の絵柄の印刷の開始はオペレータが刷版交換終了後に入力手段25により印刷開始信号を印刷制御手段31に入力することによって開始してもよいし、刷版の交換終了ご自動的に印刷開始するようにしても良い。
第2の絵柄の印刷が開始されると、ステップS207として、インキ濃度制御手段40によるインキ濃度制御が開始される。そして、上記のステップS203と同じくインキ濃度制御が行われ、ステップS208として、インキ濃度制御収束判定手段41によってインキ濃度制御が収束したか否かが判定される。ステップS208において、インキ濃度制御が収束していないと判定されるとステップS207に戻りインキ濃度制御が継続し、インキ濃度制御が収束したと判定されると、0点演算・設定手段33にインキ濃度収束判定信号を送出する。そして、ステップS209として、0点演算・設定手段33はポテンショメータ54から入力される信号から、その時点におけるインキキー開度(第2の開度Y2)を記憶し、印刷制御手段31に停止信号を送出し、印刷機の運転が停止される。
このとき、0点演算・設定手段33ではステップS210として、記憶された第1の開度Y1及び第2の開度Y2に基づいて上述したように0点演算を行い、インキキー0点に対応するインキキー開度を推定演算し、ステップS211として、算出したインキキー開度を0点として設定する。そして、インキキー0点設定完了信号を出力して制御を終了する。
[インキ供給量制御]
ここで、本発明の第2実施形態に係る、インキ濃度制御制御の詳細について説明する。
図11は本発明の第2実施形態にかかるオフセット輪転機のインキ濃度制御装置40の概略構成を示す図であると同時に、インキ濃度制御機能に着目した機能ブロック図である。
インキ濃度制御手段40は、DSP(ディジタル・シグナル・プロセッサ。注目画素設定手段,画線率演算手段,実混色網濃度計測手段に相当する機能を有する)31、色変換部(目標混色網濃度設定手段,目標画線率演算手段,目標単色網濃度演算手段,実画線率演算手段,実単色網濃度演算手段,ベタ濃度偏差演算手段に相当する機能を有する)34,インキ供給量演算部35,オンライン制御部36,キー開度リミッタ演算部37の機能要素を備えている。
インキ濃度制御手段40の入力側には、IRGB濃度計1が接続され、出力側には印刷制御手段31に接続されている。印刷制御手段31は上述のようにインキキー制御手段32によって各印刷ユニット2a,2b,2c,2dの各インキキー7毎に独立してキー開度を調整することができる。また、インキ濃度制御手段40には入力手段25が接続されている。
図12はインキ濃度制御手段40によるインキ濃度制御の処理フローを示す図である。以下、図12を中心にインキ濃度制御手段40によるインキ濃度制御の処理内容について説明する。
インキ濃度制御を行うためにはフィードバック制御のための何らかの目標値を定める必要がある。本実施形態では、ラインセンサ型IRGB濃度計1を用いて反射濃度、すなわち混色網濃度を計測しているので、ステップS0において、目標値として以下の手順により目標混色網濃度を設定する。
まず、今回の所定の印刷絵柄における各インキ色のキーゾーン毎の画線率データAk,Ac,Am,Ayを入力手段25からインキ濃度制御手段40に入力する。画線率Ak,Ac,Am,Ayデータは、製版用のフィルムをフィルムスキャナで測定するか、若しくは、刷版をプレートスキャナで測定することによって得ることもできるが、CTPによって製版する際の製版データを用いることで容易に得ることができる。色変換部44は、各インキ色の画線率と混色網濃度とを関連付けるデータベース48を備えている。データベース48は、ISO/TC130国内委員会が制定した新聞印刷JapanColor基準の印刷物を印刷し、IRGB濃度計で実測したデータ〔標準色の画線率(k,c,m,y)と混色網濃度(I,R,G,B)と色座標値(L,a,b)の対応関係を規定した変換テーブル〕を基準にして作成されている。色変換部44は、このデータベース48を用いて、入力された画線率Ak,Ac,Am,Ayに対応する混色網濃度をキーゾーン毎に求め、目標混色網濃度Io,Ro,Go,Boとして設定する。
なお、同じ画線率Ak,Ac,Am,Ayの印刷絵柄であっても、ドットゲインを考慮すると印刷絵柄を構成する網の密度(50%平網,80%平網,ベタ等)により発色する濃度値は異なってくる。そこで、色変換部44は、網の密度毎にドットゲインを可変可能するとともに、ドットゲインを関数とするパラメータを画線率Ak,Ac,Am,Ayを混色網濃度Io,Ro,Go,Boに変換する際のパラメータとしており、ドットゲインを考慮した目標混色網濃度Io,Ro,Go,Boの設定も可能になっている。
以上のように目標混色網濃度Io,Ro,Go,Boが設定されたら、印刷を開始してステップT10以降の処理を繰り返し実行する。まず、ステップT10として、ラインセンサ型IRGB濃度計1が印刷シート8全面の一画素毎の反射光量i’,r’,g’,b’を計測する。IRGB濃度計1で計測された各画素の反射光量i’,r’,g’,b’はDSP11に入力される。
DSP11は、ステップT20として、各画素の反射光量i’,r’,g’,b’について所定の印刷枚数単位で移動平均を行うことで、ノイズ成分を除去した各画素の反射光量i,r,g,bを算出する。そして、ステップT30として、反射光量i,r,g,bをキーゾーン毎に平均処理し、白紙部分の反射光量を基準とする混色網濃度(実混色網濃度)I,R,G,Bを演算する。例えば、白紙部分の赤外光の反射光量をipとし、キーゾーン内の赤外光の平均反射光量をikとすると、赤外光の実混色網濃度IはI=log10(ip/ik)として求められる。DSP11で演算されたキーゾーン毎の実混色網濃度I,R,G,Bは、色変換部44に入力される。
色変換部44は、ステップT40,T50及びT60の処理を行う。まず、ステップT40として、ステップT0で設定された目標混色網濃度Io,Ro,Go,Bo、及びステップT30で演算された実混色網濃度I,R,G,Bに対応する各インキ色の画線率をそれぞれ演算する。この演算にはデータベース48を用い、データベース48に記憶された対応関係に基づき、目標混色網濃度Io,Ro,Go,Boに対応する各インキ色の画線率を目標画線率ko,co,mo,yoとして演算し、実混色網濃度I,R,G,Bに対応する各インキ色の画線率を実画線率k,c,m,yとして演算する。
次に、色変換部44は、ステップT50として、目標画線率ko,co,mo,yo、及び実画線率k,c,m,yに対応する各インキ色の単色網濃度をそれぞれ演算する。この演算は、図13に示すようなマップを用いて行うことができる。図13は画線率を変化させた場合に実測される単色網濃度を特性曲線としてプロットしたマップの一例であり、事前に測定されたデータにより作成されている。図13に示す例では、墨色の目標画線率ko、実画線率kをマップに照らし合わせることで、マップ中の特性曲線からそれぞれ目標単色網濃度Dakoと実単色網濃度Dakとが求められている。このようにして、色変換部44は、各インキ色の目標単色網濃度Dako,Daco,Damo,Dayoと実単色網濃度Dak,Dac,Dam,Dayとを求める。
次に、色変換部44は、ステップT60として、目標単色網濃度Dako,Daco,Damo,Dayoと実単色網濃度Dak,Dac,Dam,Dayとの偏差に対応する各インキ色のベタ濃度偏差ΔDsk,ΔDsc,ΔDsm,ΔDsyを演算する。なお、ベタ濃度は画線率にも依存しており、同単色網濃度に対しては、画線率が高いほどベタ濃度は低くなる。そこで、色変換部44は、図14に示すようなマップを用いて演算を行う。図14は単色ベタ濃度を変化させた場合に実測される単色網濃度を画線率毎に特性曲線としてプロットしたマップの一例であり、事前に測定されたデータにより作成されている。色変換部44は、各インキ色について目標画線率ko,co,mo,yoに対応する特性曲線を図14に示すマップから選択し、選択した特性曲線に目標単色網濃度Dako,Daco,Damo,Dayoと実単色網濃度Dak,Dac,Dam,Dayとを対応させることにより、ベタ濃度偏差ΔDsk,ΔDsc,ΔDsm,ΔDsyを求める。図14に示す例では、墨色の目標画線率koが75%の場合に、目標単色網濃度Dako、実単色網濃度Dakをマップに照らし合わせることで、マップ中の75%特性曲線から墨色のベタ濃度偏差ΔDskが求められている。
色変換部44で演算された各インキ色のベタ濃度偏差ΔDsk,ΔDsc,ΔDsm,ΔDsyは、インキ供給量演算部15に入力される。
インキ供給量演算部45は、ステップT70として、ベタ濃度偏差ΔDsk,ΔDsc,ΔDsm,ΔDsyに対応するキー開度偏差量ΔKk,ΔKc,ΔKm,ΔKyを演算する。キー開度偏差量ΔKk,ΔKc,ΔKm,ΔKyは、前回のステップT110の処理で印刷制御手段31に出力した各インキキー7のキー開度Kk,Kc,Km,Kyに対する増減量である。画線率Aは、ステップT0で用いたものを用いることができる。具体的には、基準濃度Ds(Dsk,Dsc,Dsm,Dsy)に対するベタ濃度偏差ΔDs(ΔDsk,ΔDsc,ΔDsm,ΔDsy)の比率kd(kd=ΔDs/Ds)を求めるとともに、画線率Aに対する基準濃度にするためのキー開度KをAPI関数を使って求め、これらの積としてベタ濃度偏差ΔDsをゼロにするためのキー開度偏差量ΔK(ΔK=kd×K)を求める。
そして、ステップT80において、インキ濃度制御収束判定手段41においてキー開度偏差量ΔKと予め設定した所定値Mとが比較される。つまり、キー開度偏差量ΔKがそれほど大きくない状態とはインキ濃度制御が収束した状態と判断することができ、ここでは、キー開度偏差量ΔKが所定量Mよりも小さい場合にはステップT130として、インキ濃度収束判定信号が0点演算・設定手段33に入力される。
なお、ステップT80におけるインキ濃度制御収束判定は、1制御周期のみで判定しても良いが、例えば、複数の制御周期のキー開度偏差量ΔKの絶対値の平均と所定量とを比較して行ってもよい。このようにすれば、より精度のよい収束判定を行うことができる。
ステップT80においてインキ濃度が収束していないと判定されると、オンライン制御部46は、ステップT90として、色変換部44で演算されたキー開度偏差量ΔKk,ΔKc,ΔKm,ΔKyを、各印刷ユニット2a,2b,2c,2dからラインセンサ型IRGB濃度計1までの無駄時間、時間あたりのインキキー7の反応時間、及び印刷速度を考慮して補正する。この補正は、キー開度信号が入力されてからインキキー7が動き、キー開度が変更されて印刷シート8に供給されるインキ供給量が変化し、IRGB濃度計1に反射光量の変化として検出されるまでの時間遅れを考慮したものである。このようなむだ時間の大きいオンラインフィードバック制御系としては、例えばむだ時間補償付PI制御、ファジー制御、ロバスト制御等が最適である。オンライン制御部46は、補正後のキー開度偏差量(オンライン制御用キー開度偏差量)ΔKk,ΔKc,ΔKm,ΔKyに現在のキー開度Kk0,Kc0,Km0,Ky0を加算したオンライン制御用キー開度Kk1,Kc1,Km1,Ky1をキー開度リミッタ演算部47に入力する。
キー開度リミッタ演算部47は、ステップT100として、オンライン制御部46で演算されたオンライン制御用キー開度Kk1,Kc1,Km1,Ky1に対して上限値を規制する補正を行う。これは、特に低画線部における色変換アルゴリズム(ステップT40,T50,T60の処理)の推定誤差によりキー開度が異常に増大することを規制するための処理である。そして、キー開度リミッタ演算部47は、ステップT110として、上限値を規制したキー開度Kk,Kc,Km,Kyをキー開度信号として印刷制御手段40に送信する。
印刷制御手段31は、ステップT120として、インキ濃度制御手段40から送信されたキー開度信号Kk,Kc,Km,Kyに基づき各印刷ユニット2a,2b,2c,2dの各インキキー7の開度を調節する。これにより、各インキ色のインキ供給量は、キーゾーン毎に目標とする色調に見あったものにコントロールされることとなる。
そして、ステップS140として、オペレータの操作等により印刷終了信号が入力されない場合(印刷継続時)には上述の処理を繰り返し行い、印刷終了信号が入力されると制御を終了する。
本発明の第2実施形態に係る、印刷機のインキキー0点設定方法は上述のような構成となっているので、インキキー0点設定を行う際にオペレータがマニュアルでインキキー0点設定を行う必要がなく、オペレータの作業負荷を低減することができる。
また、画線率の異なる2つの絵柄を実際に印刷し、インキ濃度自動制御におけるフィードバック制御が収束した時点において、ポテンショメータ54が検知するインキキー開度に基づいて、精度良くインキキー0点に対応するインキキー開度を推定演算することができる上、第1実施形態のものと比較して1周期毎に所定開度Sだけインキキー7を開放させてから実際に印刷運転を行う作業が必要ないので、インキキー0点設定にかかる時間を短縮することができる。
これにより、第1実施形態と同様にAPI関数等を用いて、印刷を行う前に印刷絵柄の画線率に基づいて、インキキー開度を自動プリセットする場合に、インキキー0点のずれに起因する誤差を減少させることができ印刷に際して、印刷シートの色調を速やかに所望の色調にすることができ、これによって損紙の発生を低減することができる。
[第3実施形態]
次に図15を参照して本発明の第3実施形態について説明する。
本実施形態では、0点設定のためのテスト用絵柄(第1,第2の絵柄)の印刷を行わず、実際に製品の通常印刷を行った結果に基づいて0点設定を行う点で第2実施形態と異なっており、それ以外の印刷機の構成については第2実施形態と共通している。したがって、第2実施形態と共通する部分については説明を省略し、第2実施形態と共通するものについては同一の符号を用いて説明する。
本実施形態では、印刷する製品の絵柄の画線率データAk,Ac,Am,Ayに基づいて、上述のようなインキ濃度制御を行い、インキ濃度制御収束判定手段41からインキ濃度制御収束判定信号が0点演算・設定手段33に入力されると、0点演算・設定手段33は、その時点における各インキキー(又は、0点設定対象のインキキー)の開度Y’1及びそのキーゾーンの画線率データX’1を記憶するようになっている。そして、異なる製品の印刷を行う度に0点演算・設定手段33にはインキ濃度制御が収束した時点におけるインキキー開度と画線率の情報が蓄積されるようになっている。
0点演算・設定手段33は、予め設定された所定数(ここでは10個)のインキキー開度とこれに対応する画線率データとの情報が蓄積されるとこれらの情報に基づいて0点演算を行う。
図15は、印刷絵柄の画線率をX軸にとり、インキキー開度をY軸にとって、0点演算・設定手段33に蓄積されたインキキー開度Y’及び対応する画線率X’をプロットしたグラフである。本実施形態における0点演算は、図15に示すように、プロットされた複数の点から、例えば、最小2乗法によって近似直線を導出し、その近似直線とY軸との交点(即ち、0点)におけるインキキー開度を直線近似により算出する。そして、0点演算によって算出した値に基づいて、0点演算・設定手段33は0点設定を行う。
本発明の第3実施形態にかかるインキキーの0点設定方法は上述のように構成されているので、0点設定を行う際に、特別にテスト絵柄の印刷を行う必要がなく、0点設定にかかる作業負荷を大幅に低減することができる上、0点設定を製品の印刷を利用して行うので、0点設定のために製品の印刷がスケジュールが遅れるような不具合を防止することができる。
また、実際に印刷を行い、インキ濃度自動制御におけるフィードバック制御が収束した時点において、ポテンショメータ54が検知するインキキー開度に基づいて精度良くインキキー0点に対応するインキキー開度を推定演算することができる。
なお、0点演算については直線近似に限らず、近似曲線による曲線近似によって0点演算を行っても良い。また、インキキー開度Y’及び対応する画線率X’の蓄積数は10個に限らず、適宜設定可能である。
また、Y’,X’の蓄積数が所定数に達した後も、異なる製品の印刷を行うことでさらにY’,X’のデータを得ることができるので、この場合には、新たに得たデータを追加して、上述の手法でインキキーの0点を更新する、いわゆる、学習補正を行なってもよい。これにより、インキキーの0点設定精度を一層向上させることができる。
[その他]
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。
例えば、上述の第1実施形態においては、最初にインキ元ローラ6とインキキー7とを接触させた状態からインキキー開度を段階的に大きくしながら所定数の印刷を行い、印刷シート上にインキが転写されたか否かを判定しているが、第1実施形態において、最初に印刷シート8にインキが転写されうるだけの十分に大きいインキキー開度(インキ供給状態)に設定しておいて、その後、段階的にインキキー開度を小さくしながら所定の絵柄の印刷を行って、印刷シートにインキの転写が見られなくなった時点におけるインキキー開度に基づいてインキキー0点設定を行うようにしてもよい。
このとき、インキキー開度を段階的に小さくした場合の印刷シートへのインキの転写の終了点(インキの転写が見られなくなった時点)におけるインキキー開度は、ヒステリシス現象に起因して、第1実施形態のように印刷シートへのインキの転写の開始点におけるインキキー開度よりも小さい開度となる。しかしながら、通常インキキー開度を自動制御する印刷機においては、印刷シートにインキが転写される状態からインキキー開度を小さくしてインキ供給を停止する(即ち、0点に対応するインキキー開度に設定する)制御がなされるため、上述のようにインキ転写の終了点におけるインキキー開度に基づいて0点設定を行うことで、実際のインキキー自動制御に合った0点設定を行うことができる。
また、第1実施形態のように、印刷シートへのインキの転写の開始させた状態からその後インキキー開度を段階的に小さくして、インキの転写が終了した時点におけるインキキー開度に基づいて、インキキーの開度増加時(インキの転写開始時)とインキキーの開度減少時(インキの転写終了時)との両方について0点設定を行うようにしてもよい。このようにすることで、各0点設定を速やかに行えるとともに、インキ転写終了時の0点設定を行う際に要するインキの浪費を低減することができる。
また、第1実施形態において上述のステップS102のインキキー開度の初期設定において、インキキー7の先端とインキ元ローラ6とが接触する状態としているが、必ずしもこれに限定されない。例えば、オペレータ等の経験などから、ある程度のインキキー開度に設定しても印刷シート8にインキの転写が起こり得ないと考えられる場合には、インキキー開度をより大きな開度に初期設定しても良い。このようにすることで、インキキー0点設定にかかる時間を短縮することができる。
なお、上記のインキの転写開始時の0点とインキの転写終了時の0点とのヒステリシス特性(特に両者の差)が予め認識できていれば、転写開始時あるいは転写終了時のいずれか一方の0点を判定すれば、他方についても容易に推定することができる。
本発明の第1実施形態に係るインキキー0点設定方法を説明する制御フローを示すフローチャートである。 本発明の第1実施形態に係るインキキー0点設定装置を備えた印刷機の概略構成を示す模式的な側面図である。 本発明の第1実施形態に係る印刷機のインキ供給装置の構成を示す模式的な側面図である。 本発明の第1実施形態に係る印刷機のインキ供給装置の構成を示す模式的な上面図である。 本発明の第1実施形態に係る印刷機のインキキー0点設定においての制御系の機能ブロック図である。 本発明の第1実施形態に係る所定の絵柄を示す図である。 本発明の第2実施形態に係る印刷機のインキキー0点設定においての機能ブロック図である。 本発明の第2実施形態に係る第1の絵柄及び第2の絵柄を示す図である。 本発明の第2実施形態に係るインキキー0点の線形近似を説明するためのグラフであり、画線率をX軸にとり、インキキー開度をY軸にとって、第1の画線率及び第2の画線率に対応する第1の開度及び第2の開度をプロットしたものである。 本発明の第2実施形態に係る印刷機のインキキー0点設定を説明する制御フローを示すフローチャートである。 本発明の第2実施形態に係るインキ濃度制御機能の機能ブロック図である。 本発明の第2実施形態に係るインキ濃度制御の処理フローを示すフローチャートである。 本発明の第2実施形態に係る単色網濃度を画線率に対応づけるマップである。 本発明の第2実施形態に係るベタ濃度を画線率と単色網濃度とに対応づけるマップである。 本発明の第3実施形態に係るインキキー0点の線形近似を説明するためのグラフであり、画線率をX軸にとり、インキキー開度をY軸にとって、蓄積されたインキキー開度Y’及び対応する画線率X’をプロットしたグラフである。 従来のインキ供給量関数(API関数)を示すグラフである。
符号の説明
1 IRGB濃度計(インキセンサ)
2a,2b,2c,2d 印刷ユニット
3 ブランケット胴
4 版胴
5 インキ供給装置
6 インキ元ローラ
7,7a,7b,7c,7d,7e,7f,7g,7h,7i,7j インキキー
8 印刷シート
9 インキ移しローラ
10a,10b 側板
20 制御装置
21,31 印刷制御手段
22,32 インキキー制御手段
23,33 0点設定手段
24 判定手段
25 入力手段
40 インキ濃度制御手段
41 インキ濃度制御収束判定手段
44 色変換部
45 インキ供給量演算部
46 オンライン制御部
47 キー開度リミッタ演算部48 データベース
50 インキキー開度調整装置
51 支点軸
52 調整ネジ
53 モータ(アクチュエータ)
54 ポテンショメータ(インキキー開度取得手段)
55 押上金具
56 プッシャ

Claims (4)

  1. 印刷機に備えられる複数のインキキーと、印刷結果に基づいて前記各インキキーの開度を制御して印刷色調を自動制御する開度制御機構とを有する印刷機のインキ供給装置における、インキキーの0点設定方法であって、
    前記開度制御機構の自動色調制御により印刷を実施して、前記各インキキーのキーゾーン毎に、画線率に対応したインキキー開度の情報を複数取得して記憶する第1ステップと、
    前記第1ステップで記憶された前記のインキキー開度の値と画線率とに基づいて線形近似により画線率が0の場合に相当するインキキー開度をインキキー0点に設定する第2ステップとをそなえている
    ことを特徴とする、インキキー0点設定方法。
  2. 前記複数のインキキーは、インキ元ローラに対向して配設され、
    前記開度制御機構は、該インキキーをそれぞれ前記インキ元ローラに対して離接する方向に個別に駆動するアクチュエータと、該インキキーの機械的な開度を取得する開度取得手段と、印刷された印刷シートの発色濃度を検出するIRGB濃度計と、前記IRGB濃度計の計測結果に基づいて印刷される絵柄が目標の画線率となるように前記アクチュエータの作動を制御して前記インキキーの開度を制御して印刷色調を自動制御する制御手段とを備え、
    前記第1ステップでは、前記インキキーのうちの調整対象のインキキーのインキ色のみの単色で且つ第1の画線率である第1の絵柄を印刷し、前記制御手段による自動色調制御
    が収束した時点におけるインキキー開度の値を第1のインキキー開度として前記第1の画線率と共に記憶し、前記調整対象のインキキーのインキ色のみの単色で且つ第1の画線率と異なる第2の画線率である第2の絵柄を印刷し、前記制御手段による自動色調制御が収束した時点におけるインキキー開度の値を第2のインキキー開度として前記第2の画線率と共に記憶し、
    前記第2ステップでは、前記第1ステップで記憶された前記第1のインキキー開度及び前記第1の画線率と前記第2のインキキー開度及び前記第2の画線率とに基づいて直線近似又は曲線近似により画線率が0の場合に相当するインキキー開度をインキキー0点に設定する
    ことを特徴とする、請求項1記載のインキキー0点設定方法。
  3. 前記複数のインキキーは、インキ元ローラに対向して配設され、
    前記開度制御機構は、該インキキーをそれぞれ前記インキ元ローラに対して離接する方向に個別に駆動するアクチュエータと、該インキキーの機械的な開度を取得する開度取得手段と、印刷された印刷シートの発色濃度を検出するIRGB濃度計と、前記IRGB濃度計の計測結果に基づいて印刷される絵柄が目標の画線率となるように前記アクチュエータの作動を制御して前記インキキーの開度を制御して印刷色調を自動制御する制御手段とを備え、
    前記第1ステップでは、実際の製品印刷を行う毎に、前記各キーゾーン毎に画線率と該画線率に対応したインキキー開度とを取得することにより、前記各キーゾーン毎に複数の画線率と該画線率にそれぞれ対応したインキキー開度とを取得して記憶するとともに、
    前記第2ステップでは、前記第1ステップで記憶された複数組の前記インキキー開度及び画線率に基づいて線形近似により画線率が0の場合に相当するインキキー開度をインキキー0点に設定する
    前記第1ステップで記憶された前記のインキキー開度の値と画線率とに基づいて線形近似により画線率が0の場合に相当するインキキー開度をインキキー0点に設定する第2ステップとをそなえている
    前記第2ステップでは、前記第1ステップで記憶された前記のインキキー開度の値と画線率とに基づいて直線近似又は曲線近似により画線率が0の場合に相当するインキキー開度をインキキー0点に設定する
    ことを特徴とする、請求項1記載のインキキー0点設定方法。
  4. インキ元ローラに対向して配設される複数のインキキーと、該インキキーをそれぞれ前記インキ元ローラに対して離接する方向に個別に駆動するアクチュエータと、該インキキーの機械的な開度を取得する開度取得手段と、印刷された印刷シートの発色濃度を検出するIRGB濃度計と、前記IRGB濃度計の計測結果に基づいて印刷される絵柄が目標の画線率となるように前記アクチュエータの作動を制御して前記インキキーの開度を制御して自動で印刷の色調を制御する制御手段とを備えた、自動色調制御機能付き印刷機のインキ供給装置において、印刷シートに実際にインキの転写が開始されうる境界点におけるインキキー開度を0点として設定するインキキー0点設定装置であって、
    前記インキキーのうちの調整対象のインキキーのインキ色のみの単色で且つ第1の画線率である第1の絵柄を印刷するための第1の刷版と、
    前記調整対象のインキキーのインキ色のみの単色で且つ第1の画線率と異なる第2の画線率である第2の絵柄を印刷するための第2の刷版と、
    前記第1の刷版による絵柄を印刷し、前記制御手段による自動色調制御が収束した時点におけるインキキー開度の値を第1のインキキー開度として前記第1の画線率と共に記憶し、前記第2の刷版による絵柄を印刷し、前記制御手段による自動色調制御が収束した時点におけるインキキー開度の値を第2のインキキー開度として前記第2の画線率と共に記憶する記憶手段と、
    前記記憶手段に記憶された前記第1のインキキー開度及び前記第1の画線率と前記第2
    のインキキー開度及び前記第2の画線率とに基づいて直線近似又は曲線近似により画線率が0の場合に相当するインキキー開度をインキキー0点に設定する0点設定手段とをそなえている
    ことを特徴とする、インキキー0点設定装置。
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