JP2007281283A - 多孔質膜の製造方法及びその方法によって製造された多孔質膜 - Google Patents

多孔質膜の製造方法及びその方法によって製造された多孔質膜 Download PDF

Info

Publication number
JP2007281283A
JP2007281283A JP2006107424A JP2006107424A JP2007281283A JP 2007281283 A JP2007281283 A JP 2007281283A JP 2006107424 A JP2006107424 A JP 2006107424A JP 2006107424 A JP2006107424 A JP 2006107424A JP 2007281283 A JP2007281283 A JP 2007281283A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
skeleton
film
primary
primary film
porous
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2006107424A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4623520B2 (ja
Inventor
Nobuyuki Kawakami
信之 川上
Takayuki Hirano
貴之 平野
Takeharu Tanaka
丈晴 田中
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kobe Steel Ltd
Original Assignee
Kobe Steel Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kobe Steel Ltd filed Critical Kobe Steel Ltd
Priority to JP2006107424A priority Critical patent/JP4623520B2/ja
Publication of JP2007281283A publication Critical patent/JP2007281283A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4623520B2 publication Critical patent/JP4623520B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Manufacture Of Porous Articles, And Recovery And Treatment Of Waste Products (AREA)
  • Formation Of Insulating Films (AREA)

Abstract

【課題】 厚膜であっても簡便に製造することができる多孔質膜およびその製造方法を提供する。
【解決手段】 骨格材料で形成された骨格部と、孔源材料で形成された孔源部を有する一次膜を形成する一次膜形成工程と、前記骨格部の表面に対して反応可能な官能基と骨格部をなす原子結合を有する骨格強化化合物を前記一次膜に100℃〜500℃の範囲内の温度で接触させる接触工程と、前記一次膜から孔源材料を除去する除去工程を備える。前記一次膜形成工程において、前記骨格材料の基になる骨格原料の分子数をA、前記孔源材料に含まれる親水性の官能基数をB、多孔質膜の膜厚をT(単位μm)とするとき、下記式(1) を満足するように骨格原料、孔源材料の各量を調整する。
B/A>0.83+0.54logT……(1)
【選択図】 なし

Description

本発明は高周波回路の誘電体層、半導体集積回路(LSI)の層間絶縁膜のほか、触媒材料、ガス分離膜、固体電解質、電子放出素子、光学素子などに用いられる多孔質膜及びその製造方法に関する。
半導体素子などにおける層間絶縁膜としてSiO2 を主成分とする絶縁膜が広く利用されている。SiO2 は比誘電率が3.9であり固体としては比較的低い値を有するが、半導体素子の高集積化、多層化に伴いより一層低誘電率のものが望まれている。近年では比誘電率として2以下を有するものが求められるようになっている。また、このような低誘電率の材料を高周波回路などに適用する場合、低誘電率だけでなく、回路として動作させるにはある程度の厚さ、例えば10μm 程度の厚さが必要とされる場合がある。
比誘電率2以下を実現するためには、材料自体の密度を下げることが不可欠であり、そのためには三次元網目状の骨格とその骨格の間に配置された空孔からなる多孔質構造を備えた多孔質材料とする必要がある。しかし、低誘電率化するために多孔質材料の密度を下げていくと、一般的にその機械的強度が著しく低下する。これは低密度化のために導入された空孔が、材料中で不均一に分散することに起因している。
多孔質材料の密度が低い場合、その強度を確保するための有効な手段は、例えばハニカム構造のような規則性の高い骨格構造を実現することである。このような骨格構造を備えた多孔質材料の製造方法として、例えば、特開平10−194720号公報(特許文献1)には、骨格原料であるアルコキシシラン、水、および孔源材料である界面活性剤を混合し、反応させてシリカ/界面活性剤複合体を形成し、これを熟成、乾燥、焼成してバルク状シリカ多孔体を製造する方法が記載されている。また、規則的な骨格構造を有する多孔質膜の製造方法として、例えば、特開平9−194298号公報(特許文献2)には、テトラアルコキシシランを酸性下で加水分解し、これによって得られた加水分解物に界面活性剤を混合した粘性溶液を調製し、これを基材に塗布し、乾燥して得られたシリカ/界面活性剤複合体の一次膜を500〜1000℃にて焼成し、孔源材料を除去する方法が開示されている。しかし、この方法により、多孔質膜を製造する場合、焼成の際に、前記一次膜が収縮し、一次膜あるいは多孔質膜にクラックが発生し易い。このため、上記方法で製造可能な多孔質膜の膜厚は0.1μm 程度に過ぎない。
一方、高温焼成の際の骨格の収縮を抑制する方法として、 Mat. Res. Soc. Proc. vol.716, 2002 Materials Research Society, p. 587(Y. Oku et al.)(非特許文献1)には、一次膜の形成後、高温焼成前に、一次膜の骨格部を形成する骨格材料の基になるTEOS(テトラエトキシシラン)の蒸気を前記一次膜に供給し、その骨格部に接触させることで、一次膜の骨格部を緻密化して強化する方法が記載されている。
さらに、一次膜の骨格部の緻密化による強化方法として、特開2005−231970号公報(特許文献3)には、一次膜を形成後、その骨格部を形成する骨格材料の基になる骨格原料を超臨界流体あるいは亜臨界流体中に溶解した状態で一次膜に供給する方法が提案されている。
特開平10−194720号公報 特開平9−194298号公報 Mat. Res. Soc. Proc. vol.716, 2002 Materials Research Society, p. 587 特開2005−231970号公報
前記非特許特許文献3に記載された一次膜の骨格部の強化方法では、骨格材料の基になる骨格原料であるTEOSを蒸発させ、一次膜の骨格部に骨格成分を効果的に浸透させるためには、200℃程度の温度で、一次膜に骨格原料蒸気の浸透処理を行う必要がある。しかしながら、一次膜の膜厚が厚くなると、この処理の際に、一次膜にクラックや破壊が生じるようになる。目に見えるクラックが生じていない場合でも、ミクロ的な割れが生じると、孔源材料の除去工程で多孔質膜にクラックが生じるようになる。このような傾向は、膜厚が厚くなるほど大きくなる。
また、特許文献3に記載された一次膜の骨格部の強化方法では、骨格原料の骨格への供給を超臨界流体あるいは亜臨界流体中で行うので、100°程度未満の低温での処理が可能であり、処理過程で一次膜にクラックが生じ難く、膜厚の厚い多孔質膜でも製造可能である。しかし、この方法を実施するには、高圧下での処理を伴う超臨界プロセスを用いる必要があり、特殊な設備が必要で、また超臨界流体を用いるための煩雑な作業を伴い、生産性に問題がある。
本発明は、かかる問題に鑑みなされたもので、膜厚が厚いものでも簡便に製造することができる多孔質膜およびその製造方法を提供することを目的とする。
発明者は、一次膜の骨格部の強化方法として、簡便に実施することができる、骨格原料を加熱雰囲気下で一次膜に供給する方法を用いることとし、同方法の実施過程で生じる、一次膜のクラック発生原因について詳細に調査した。その結果、強化処理後に、処理中に加熱された孔源材料が不可避的に収縮し、これによって一次膜に生じた引張応力により一次膜にクラックが入ることがわかった。本発明者は、かかる孔源材料の熱収縮を緩和する方法を鋭意研究した結果、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の多孔質膜の製造方法は、骨格と空孔とで構成された多孔質膜の製造方法であって、前記骨格の基になり、骨格材料で形成された骨格部と前記空孔の基になり、孔源材料で形成された孔源部を有する一次膜を形成する一次膜形成工程と、前記骨格部の表面に対して反応可能な官能基と前記骨格部をなす原子結合を有する骨格強化化合物を前記一次膜に100℃〜500℃の範囲内の温度で接触させる接触工程と、前記一次膜の孔源部から孔源材料を除去する除去工程を備え、前記一次膜形成工程において、前記骨格材料の基になる骨格原料の分子数をA、前記孔源材料に含まれる親水性の官能基数をB、多孔質膜の膜厚をT(単位μm)とするとき、下記式を満足するように骨格原料、孔源材料の各量を調整する。
B/A>0.83+0.54logT……(1)
本発明の製造方法によると、一次膜形成工程において、上記式(1) を満足するように骨格原料、孔源材料の各量を調整するので、一次膜における孔源材料が規則的に配置されるとともに膜厚に応じた所定量が過剰に存在する。この過剰に存在する孔源材料が、熱収縮の際にクッションの役割を果たすため、接触工程の実施後、熱収縮により一次膜に生じる引張応力が緩和、低減される。それ故、接触工程で一次膜が100〜500℃の温度に曝されても、膜厚によらず、一次膜にクラックが入り難い。このため、本発明によると、超臨界プロセスを用いることなく、厚膜の多孔質膜を容易、簡便に製造することができる。
上記多孔質膜の製造方法において、前記B/Aは1以上、2.8以下とすることが好ましい。また、多孔質膜の膜厚は2μm 以上とすることができる。
また、前記一次膜形成工程において、前記骨格材料の基になる骨格原料が加水分解され、前記孔源材料が混合された溶液を基材に塗布して一次膜を形成し、さらにこの一次膜を乾燥することが好ましい。一次膜を基材の上に形成すると共に乾燥することで、その後の工程における取り扱い性が向上する。
また、前記接触工程において、前記骨格強化化合物を気体状態で一次膜に接触させることが好ましい。前記骨格強化化合物を気体状態とすることで、一次膜の骨格部に存在するミクロサイズの孔に前記化合物を容易に供給することができ、骨格部の緻密化、強化を促進することができる。
また、前記骨格材料としては無機物が好ましく、シリカを主成分とする材料がより好ましい。また、前記骨格原料としては、有機シラン類、有機シロキサン類が好ましい。また、前記孔源材料としては有機物が好ましく、界面活性剤がより好ましい。また、界面活性剤としては、ノニオン性界面活性剤が好ましい。
また、本発明の多孔質膜は、骨格と空孔とで構成された多孔質膜であって、上記製造方法によって製造されたものである。このため、本発明の多孔質膜は、厚膜の多孔質膜でも容易に得られ、生産性も良好である。
本発明の多孔質膜の製造方法によれば、孔源材料が膜厚に応じて所定の割合で過剰に一次膜に存在するため、一次膜の骨格部を強化する接触工程において、一次膜が100〜500℃の温度に曝され、その後熱収縮が生じても、過剰の孔源材料がクッションの役割を果たすため、一次膜にクラックが生じ難い。このため、一次膜の孔源材料を除去する除去工程においても、膜厚に拘わらず、一次膜や多孔質膜にクラックが入り難い。このように、本発明の製造方法によると、超臨界プロセスを用いることなく、厚膜の多孔質膜を容易、簡便に製造することができる。
以下、本発明の実施形態に係る多孔質膜の製造方法について説明する。この実施形態の製造方法は、(1) 骨格材料で形成された骨格部と、孔源材料で形成された高原部を有する一次膜を形成する一次膜形成工程、(2) 前記骨格部の表面に対して反応可能な官能基と、前記骨格部をなす原子結合を有する骨格強化化合物を前記一次膜に100℃〜500℃の範囲内の温度で接触させる接触工程、(3) 前記一次膜から孔源材料を除去する除去工程を備える。
前記一次膜形成工程は、骨格材料の基になる骨格原料が加水分解された溶液に孔源材料が混合された、透明で均一な粘性のある一次膜形成溶液を調製し、その溶液の粘度を適宜調整し、基材に塗布して一次膜を形成し、その後前記一次膜を乾燥する工程である。前記一次膜は、前記骨格原料が加水分解、縮重合して得られた骨格材料で形成された骨格部と、孔源材料の分子が集合したミセルからなる無数の孔源部とで構成される。前記骨格材料としては無機材料が好ましく、特にシリカを主成分とする材料は、誘電率をより低下させることができるので好ましい。
前記基材としては、アルミニウム基板、SiO2 をコーティングしたアルミニウム基板、シリコン基板、樹脂基板、酸素プラズマ等の親水化処理をした樹脂基板などを用いることができる。また、前記加水分解は、100℃未満の温度で、あるいはさらにph1〜4程度の酸性下で行うことにより、骨格原料の加水分解、縮合速度を制御することができ、これによって界面活性剤が溶けた、粘性のある溶液が得られる。
前記骨格原料としては、無機物のものが熱安定性、加工性、機械的強度の面で優れる。例えば、チタン、珪素、アルミニウム、硼素、ゲルマニウム、ランタン、マグネシウム、ニオブ、リン、タンタル、スズ、バナジウム、ジルコニウムなどの酸化物を挙げることができる。また、これらの金属アルコキシドは、孔源材料との混合性にも優れるため好ましい。金属アルコキシドとして、具体的には以下の化合物を例示することができる。これらの金属アルコキシドは、一種を単独で、あるいは二種以上を複合して用いることができる。
テトラエトキシチタニウム、テトライソプロポキシチタニウム、テトラメトキシチタニウム、テトラノルマルブトキシチタニウム、
テトラエトキシシラン、テトライソプロポキシシラン、テトラメトキシシラン、テトラノルマルブトキシシラン、トリエトキシフロロシラン、トリエトキシシラン、トリイソプロポキシフロロシラン、トリメトキシフロロシラン、トリメトキシシラン、トリノルマルブトキシフロロシラン、トリノルマルプロポキシフロロシラン、トリメチルメトキシシラン、トリメチルエトキシシラン、トリメチルクロロシラン、フェニルトリエトキシシラン、フェニルジエトキシクロロシラン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、トリスメトキシエトキシビニルシラン
トリエトキシアルミニウム、トリイソブトキシアルミニウム、トリイソプロポキシアルミニウム、トリメトキシアルミニウム、トリノルマルブトキシアルミニウム、トリノルマルプロポキシアルミニウム、トリセカンダリーブトキシアルミニウム、トリターシャリーブトキシアルミニウム、
トリエトキシボロン、トリイソブトキシボロン、トリイソプロポキシボロン、トリメトキシボロン、トリノルマルブトキシボロン、トリセカンダリーブトキシボロン、
テトラエトキシゲルマニウム、テトライソプロポキシゲルマニウム、テトラメトキシゲルマニウム、テトラノルマルブトキシゲルマニウム、
トリスメトキシエトキシランタン、
ビスメトキシエトキシマグネシウム、
ペンタエトキシニオビウム、ペンタイソプロポキシニオビウム、ペンタメトキシニオビウム、ペンタノルマルブトキシニオビウム、ペンタノルマルプロポキシニオビウム、
トリエチルフォスフェイト、トリエチルフォスファイト、トリイソプロポキシフォスフェイト、トリイソプロポキシフォスファイト、トリメチルフォスフェイト、トリメチルフォスファイト、トリノルマルブチルフォスフェイト、トリノルマルブチルフォスファイト、トリノルマルプロピルフォスフェイト、トリノルマルプロピルフォスファイト、
ペンタエトキシタンタル、ペンタイソプロポキシタンタル、ペンタメトキシタンタル、
テトラターシャリーブトキシスズ、酢酸スズ、トリイソプロポキシノルマルブチルスズ、
トリエトキシバナジル、トリノルマルプロポキシオキシバナジル、トリスアセチルアセトナトバナジウム、
テトライソプロポキシジルコニウム、テトラノルマルブトキシジルコニウム、テトラターシャリーブトキシジルコニウム
上記化合物の中でも、テトライソプロポキシチタニウム、テトラノルマルブトキシチタニウム、テトラエトキシシラン、テトライソプロポキシシラン、テトラメトキシシラン、テトラノルマルブトキシシラン、トリイソブトキシアルミニウム、トリイソプロポキシアルミニウムが好ましい。
一方、前記孔源材料としては、有機物を用いることが好ましい。有機物は骨格材料中に孔源として容易に分散させることができるからである。また、有機物の内でも界面活性剤が好適である。界面活性剤は、ミセルを形成し、一次膜中に孔源部を則的に配置させることができる。このように、規則的な空孔構造を形成することにより、多孔質構造の機械的強度を向上させることができる。界面活性剤としては、ノニオン性界面活性剤やカチオン性界面活性剤を利用することができる。特にノニオン性界面活性剤は、1分子中により多くの親水基を有するので好ましい。
前記ノニオン性界面活性剤としては、酸化エチレン誘導体、酸化プロピレン誘導体などが利用可能である。具体的には以下のものを例示することができる。これらの界面活性剤は、1種を単独で、あるいは2種以上を複合して使用することができる。
ポリオキシエチレンデシルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンセチルエーテル、ポリオキシエチレンオレインエーテル、ポリオキシエチレンヤシアルコールエーテル、ポリオキシエチレン精製ヤシアルコールエーテル、ポリオキシエチレン2-エチルヘキシルエーテル、ポリオキシエチレン合成アルコールエーテル、ポリオキシエチレンセカンダリーアルコールエーテル、ポリオキシエチレントリデシルエーテル、ポリオキシエチレンイソステアリルエーテル、ポリオキシエチレン長鎖アルキルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンドデシルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンジノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンスチレン化フェニルエーテル、ポリオキシエチレンフェニルエーテル、ポリオキシエチレンベンジルエーテル、ポリオキシエチレンβ-ナフチルエーテル、ポリオキシエチレンビスフェノール-A-エーテル、ポリオキシエチレンビスフェノール-F-エーテル、ポリオキシエチレンラウリルアミン、ポリオキシエチレン牛脂アミン、ポリオキシエチレンステアリルアミン、ポリオキシエチレンオレイルアミン、ポリオキシエチレン牛脂プロピレンジアミン、ポリオキシエチレンステアリルプロピレンジアミン、ポリオキシエチレンN-シクロヘキシルアミン、ポリオキシエチレンメタキシレンジアミン、ポリオキシエチレンオレイルアミド、ポリオキシエチレンステアリルアミド、 ポリオキシエチレンヒマシ油、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレンモノラウレート、ポリオキシエチレンモノステアレート、ポリオキシエチレンモノ牛脂オレエート、ポリオキシエチレンモノトール油脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンジステアレート、ポリオキシエチレンロジンエステル、ポリオキシエチレンウールグリスエーテル、ポリオキシエチレンラノリンエーテル、ポリオキシエチレンラノリンアルコールエーテル、ポリオキシエチレンポリエチレングリコール、ポリオキシエチレングリセロールエーテル、ポリオキシエチレントリメチロールプロパンエーテル、ポリオキシエチレンソルビトールエーテル、ポリオキシエチレンペンタエリスリトールジオレエートエーテル、ポリオキシエチレンソルビタンモステアレートエーテル、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレエートエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン2-エチルヘキシルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンイソデシルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン合成アルコールエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレントリデシルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンスチレン化フェニルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンラウリルアミン、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン牛脂アミン、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンイソデシルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレントリデシルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリセリルエーテル、ポリオキシプロピレン2-エチルヘキシルエーテル、ポリオキシプロピレン合成アルコールエーテル、ポリオキシプロピレンブチルエーテル、ポリオキシプロピレンビスフェノール-A-エーテル、ポリオキシプロピレンスチレン化フェニルエーテル、ポリオキシプロピレンメタキシレンジアミン
また、カチオン性界面活性剤としては、
CnH2n+1(CH3)3N+X-、CnH2n+1(C2H5)3N+X-(Xは負イオンとなる元素を示す)、
CnH2n+1NH2、H2N(CH2)nNH2
で表される炭素数8〜24のアルキル基を有する第4級アルキルアンモニウム塩を用いることができる。具体的には以下のものを例示することができる。
ドデカニルトリメチルアンモニウムクロリド、テトラデカニルトリメチルアンモニウムクロリド、ヘキサデシルトリメチルアンモニウムクロリド、オクタデカニルトリメチルアンモニウムクロリド、
ドデカニルトリメチルアンモニウムブロミド、テトラデカニルトリメチルアンモニウムブロミド、ヘキサデシルトリメチルアンモニウムブロミド、オクタデカニルトリメチルアンモニウムブロミド、
ドデカニルトリエチルアンモニウムクロリド、テトラデカニルトリエチルアンモニウムクロリド、ヘキサデシルトリエチルアンモニウムクロリド、オクタデカニルトリエチルアンモニウムクロリド、
ドデカニルトリエチルアンモニウムブロミド、テトラデカニルトリエチルアンモニウムブロミド、ヘキサデシルトリエチルアンモニウムブロミド、オクタデカニルトリエチルアンモニウムブロミド
またこのほか、1分子中に複数の親水性基と複数の疎水性基を有する、いわゆるジェミニ界面活性剤、例えば、
CnH2n+1X2N+M-(CH3)SN+M-X2CmH2m+1(n、m=5〜20、S=1〜10)
のような構造のものを用いることができる。前記構造式で、Xは水素原子または塩形成性の陰イオン(具体的にはCl-、Br-など)を示し、Mは水素原子または低級アルキル基(具体的にはCH3、C2H5など)を示す。具体的には以下のものを例示することができる。
C12H25(CH3)2N+Cl-(CH3)4N+Cl-(CH3)2C12H25
C12H25(CH3)2N+Br-(CH3)4N+Br-(CH3)2C12H25
C16H33(CH3)2N+Cl-(CH3)4N+Cl-(CH3)2C16H33
C16H33(CH3)2N+Br-(CH3)4N+Br-(CH3)2C16H33
前記骨格原料と孔源材料については、骨格原料の分子数をA、孔源材料に含まれる親水性の官能基数をB、多孔質膜の膜厚をT(単位μm)とするとき、下記式(1) を満足するように、骨格原料及び孔源材料の添加量が調製される。以下、その理由を説明する。
B/A>0.83+0.54logT ……(1)
前記接触工程は多くの場合、100℃〜500℃の温度域で行われる。そのような温度域においては、孔源材料は熱的な影響を受けて変質する。このため、接触工程を行った後、一次膜が室温に冷却された状態では、孔源材料が収縮する。その結果として、膜自体に大きな引張応力が発生するようになる。この孔源材料の変質、収縮に起因する応力は、多孔質構造の骨格部に影響を与え、一次膜にクラックが発生する。一次膜に内在する応力は、膜厚が厚くなるとともに増加するので、膜厚の増加に従って、クラックは顕著となる。このため、従来、2μm以上の多孔質膜を形成することは実質的に困難であった。
本発明者は、骨格原料及び孔源材料の添加割合並びに多孔質膜の膜厚と、一次膜に生じるクラックとの関係について種々の実験を重ねた結果、上記式(1) を満足するように、多孔質膜の膜厚と骨格原料及び孔源材料の添加量を調製することで、接触工程での加熱下において、孔源材料に収縮が生じても、一次膜にクラックが入らないことを見出した。なお、前記式(1) 中のTは、孔源材料を除去した後の多孔質膜の膜厚を採っているが、これは、式(1) を満足する条件では、一次膜は全体としてほとんど収縮せず、一次膜と多孔質膜との膜厚はほとんど等しいことによる。
前記式(1) を満足させることにより、膜破壊が抑制されるメカニズムは現時点で必ずしも明確ではないが、以下のメカニズムによるものと推察される。
骨格原料は、孔源材料と共に一次膜を形成するにあたり、加水分解、縮合重合反応により骨格材料となって骨格を形成する。多くの場合、骨格材料は、その基になる骨格原料の一分子に対応する部分に結合活性なサイトを有するものと推測される。この結合活性なサイトに対し、空孔の基となる孔源材料が結合することにより、孔源材料を一次膜中に均一に分散させることができる。この際、骨格材料の結合活性なサイトは、骨格原料の加水分解により形成され、一般的には親水性を示すので、空孔の基となる孔源材料としても親水性サイトを有する物質が好ましい。
さらに、孔源材料が骨格材料の結合活性なサイトを全て覆うように結合する条件においては、孔源材料を規則正しく配置させることができ、ひいては規則的な骨格を形成することができる。骨格材料の全ての結合活性なサイトの数は、骨格原料の分子数A程度と考えられるので、骨格材料の全サイトを覆うためには、孔源材料の親水性のサイト総量Bは、少なくともA程度以上の数、すなわちB/Aは1程度以上にする必要があると考えられる。B/Aが1程度以上の条件、すなわち一次膜中に孔源材料が過剰に存在する条件では、孔源材料がクッションの役割を果たすため、接触工程の後の一次膜の収縮により生じる引張応力が緩和、低減され、これにより膜破壊が防止されるものと推測される。もっとも、Bが著しく過剰になると、適切な規則的空孔構造を形成することができなくなるため、実験の結果、B/Aは2.8程度以下、好ましくは2.5程度以下に止めることが好ましいことがわかった。さらに、孔源材料の収縮による応力は、膜厚が大きいほど大きくなり、膜破壊が生じ易くなる。このため、膜厚が大きくなるほど、B/Aを一定の割合で増やす必要があることが理解される。この増加分が、式(1) 中の「0.54logT」であると理解される。
前記一次膜形成工程によって形成された一次膜中の骨格部には、無数のミクロサイズの微細孔が観察され、多孔質になっている。この骨格部の微細孔は、接触工程によって緻密化され、骨格部が強化される。すなわち、接触工程により、一次膜中の骨格部のミクロサイズの微細孔の表面に骨格強化化合物の分子が結合することで、微細孔は封孔され、緻密化されて、骨格部が強化される。かかる結合反応は、低温では進展し難いので、前記骨格強化化合物の一次膜(骨格部)への接触は、100℃〜500℃、好ましく150℃〜450℃の範囲内の温度で行うことが望ましい。また、孔源材料の酸化を抑制するためには不活性ガス雰囲気中で実施することが好ましい。
前記接触工程において、一次膜に骨格強化化合物の分子を効率的に接触させるには、前記骨格強化化合物を気体状態にし、気体分子の形で一次膜に供給することが好ましい。例えば、石英容器などの内部に処理を行う一次膜を設置し、そこに気体状の骨格強化化合物を供給すればよい。骨格強化化合物の気体(蒸気)は、骨格強化化合物の溶液を不活性ガスなどでバブリングしたり、インジェクション法などにより気化させることで容易に得ることができ、前記不活性ガスとともに一次膜に供給すればよい。この場合、骨格強化化合物自体の温度を高めておくことで、骨格強化化合物の蒸気の発生を促進することができる。また、上記のとおり、石英容器内の温度を100〜500℃程度に保持することで、骨格強化化合物と一次膜との反応を促進させることができる。
前記骨格強化化合物は、骨格部の表面に対して容易に結合し、骨格部の一部になるものである。骨格部の表面への結合性を高めるには、骨格強化化合物は、骨格材料と同一又は同系統の化合物が好ましい。また、骨格原料を複数種用いる場合、骨格強化化合物も骨格原料と同じ種類のものを選択し、それぞれの化合物の配合割合も骨格原料における化合物割合と同じ割合とすることが好ましい。
前記骨格強化化合物としては、有機シラン類、有機シロキサン類などを用いることができる。有機シラン類として、前記骨格原料として好適な金属アルコキシドのほか、下記に例示するアルコキシ基を有する化合物も用いることができる。
ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、2-(3,4エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、3-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3-グリシロキシプロピルメチルジエトキシシラン、3-グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、p-スチリルトリメトキシシラン3-メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、3-メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3-メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、3-メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、3-アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3-(2-アミノエチルアミノプロピル)トリメトキシシラン、3-アミノプロピルトリエトキシシラン、3-クロロプロピルトリメトキシシラン、3-アミノプロピルトリメトキシシラン、N-2(アミノエチル)3-アミノプロピルメチルジメトキシシラン、3-トリエトキシシリル-N-(1,3-ジメチル-ブチリデン)プロピルアミン、N-フェニル-3-アミノプロピルトリメトキシシラン、N-(ビニルベンジル)-2-アミノエチル-3-アミノプロピルトリメトキシシランの塩酸塩、3-ウレイドプロピルトリエトキシシラン、3-トリクロロプロピルトリメトキシシラン、3-メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、3-メルカプトプロピルトリメトキシシラン、ビス(トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、3-イソシアネートプロピルトリエトキシシラン、
トリメチルメトキシシラン、トリメチルエトキシシラン、トリエチルメトキシシラン、トリエチルエトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、ジエチルジメトキシシラン、ジエチルジエトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、ヘキシルトリメトキシシラン、ヘキシルトリエトキシシラン、デシルトリメトキシシラン、デシルトリエトキシシラン、3,3,3-トリフルオロプロピルトリメトキシシラン、ヘプタデカトリフルオロデシルトリメトキシシラン、フルオロオクチルエチルトリメトキシシラン、アリルトリエトキシシラン、ジメトキシメチルクロロシラン、ジメトキシメチル-3,3,3-トリフルオロプロピルシラン、3-メタクリルオキシプロピルトリメトキシシラン、メトキシトリメチルシラン、オクタデシルトリエトキシシラン、トリエトキシビニルシラン
また、有機シロキサン類としては、以下のものを例示することができる。
ヘキサメチルシクロトリシロキサン、ヘキサメチルジシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、1,1,3,3-テトライソプロピル-1,3-ジクロロジシロキサン、テトラメチルシクロテトラシロキサン
前記接触工程によって、骨格部が緻密化、強化された一次膜は、前記除去工程によって、一次膜中の孔源材料が除去される。孔源材料の除去方法としては、常法に従って、酸化雰囲気中で一次膜を300℃〜500℃程度に加熱し、孔源材料を酸化除去すればよい。超臨界プロセスを用いることもできるが、酸化除去方法は、簡便で実施容易である。
以下、実施例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明はかかる実施例によって限定的に解釈されるものではない。
超純水3.43gとエタノール7.74gを混合し、そこに界面活性剤(Pluronic F127、BASF社製)2.6gと硝酸(70%水溶液)を0.108g添加した。最後にアルコキシシランとしてTEOS(テトラエトキシシラン、Si(C25O)4 )を5g加えた後、60℃で1時間反応を促進させ、透明で、均一な粘性を有する一次膜形成溶液を調製した。
このとき、骨格原料であるTEOSの分子数A、孔源材料である界面活性剤(Pluronic F127)に含まれる親水性の官能基数Bは下記のように計算でき、B/Aは1.82となる。ただし、以下の計算式中のNAはアボガドロ数である。
A=NA×TEOS使用量/TEOSの分子量
=NA×5(g)/208.3=0.024NA
B=NA×F127使用量/F127の分子量×F127の1分子に含まれる親水性官能基数
=NA×2.6/12600×212=0.0437NA
なお、F127は、EO106PO70EO106(EO: 酸化エチレン、PO:酸化プロピレン)で表され、このうちEOが親水性を示す。すなわち、F127の1分子に含まれる親水性官能基数は106×2=212である。
上記溶液をロータリーエバポレータにより粘度を高め、スピンコート法により基板(シリコン基板)上に回転塗布し、厚さ10μm の厚膜を形成し、引き続いて大気中で100℃で乾燥させた後、以下の方法で骨格強化化合物の蒸気を一次膜に接触させる接触工程を施した。
石英チューブの中に上記一次膜を基板ごとセットし、窒素ガスを流通させながらチューブ内の温度を100℃まで昇温させた。続いて、TEOS(濃度100%)を60℃にて、アンモニア水(アンモニア濃度5%)を室温(23℃)にてそれぞれ窒素ガスでバブリングし、窒素ガスをキャリアとして、TEOS、アンモニアの蒸気を前記石英チューブに同時供給しつつ、チューブ内の温度を180℃まで昇温した後、10時間保持する処理を行った。併せて、一次膜の疎水化を促進させるために、ヘキサメチルジシラザン(HMDS)(濃度100%)を室温で窒素ガスによりバブリングして同時に供給した。それぞれの溶液に対する窒素ガスの供給量(流量)比は、TEOS/アンモニア水/HMDS=0.5/0.05/0.15とした。なお、アンモニアの蒸気を同時供給するのは、TEOSの分解を促進し、一次膜表面との結合反応を効率よく進めるためである。
続いて一次膜を基板ごと、大気中で400℃にて3時間保持する孔源材料の除去処理を実施した。その結果、10μm の膜厚の多孔質膜が得られた。この膜を目視観察したが、多孔質膜にクラックは認められなかった。また多孔質膜の微細構造について電子顕微鏡観察を行ったところ、約10nm程度にサイズのそろった空孔構造を確認することができた。
超純水3.43gとエタノール7.74gを混合し、そこに界面活性剤(Pluronic F127、BASF社製)と、硝酸(70%水溶液)0.108g添加した。前記界面活性剤は、種々の親水性官能基数Bが得られるように、添加量を1.2g〜4.5gの範囲で変化させた。最後にTEOSを5g加えた後、60℃で1時間反応を促進させ、透明で、均一な粘性を有する一次膜形成溶液を調製した。
この溶液を用いて、実施例1と同様の方法にて膜厚10μm の一次膜を形成し、乾燥後、接触工程、除去工程を施し、多孔質膜を製作した。
得られた各多孔質膜について、実施例1と同様、多孔質膜のクラック発生の有無、空孔構造を観察した。それらの結果を表1に併せて示す。なお、多孔質膜にクラックが認められなかったものは、その一次膜においても当然にクラックは認められなかった。
表1より、B/Aが2.8では空孔構造がやや不均一になるものの、1.4〜2.8の範囲でクラックのない膜厚10μm の多孔質厚膜が得られることが確認された。また、膜厚が10μm の場合、式(1) 中の右辺の値は1.38であり、同式は骨格原料、孔源材料の添加量を定めるに際し、妥当な基準を示している。
Figure 2007281283
超純水3.43gとエタノール7.74gを混合し、そこに界面活性剤(Pluronic F127、BASF社製)と、硝酸(70%水溶液)0.108g添加した。前記界面活性剤は、種々の親水性官能基数Bが得られるように、添加量を1.2g〜2.6gの範囲で変化させた。最後にTEOSを5g加えた後、60℃で1時間反応を促進させ、透明で、均一な粘性を有する一次膜形成溶液を調製した。
この各溶液について、その粘度をロータリーエバポレータにより調整し、実施例1と同様の方法にて、各溶液について膜厚1〜10μm の一次膜を形成し、乾燥後、接触工程、除去工程を施し、多孔質膜を製作した。
得られた各多孔質膜について、多孔質膜のクラック発生の有無を観察すると共に、膜応力を測定した。膜応力は、レーザを用いて基板反り量を光学的に測定する方法にて求めた。測定には薄膜応力測定装置(TENCOR社製、型式F2400)を用いた。それらの結果を表2に併せて示す。また、表2についてB/Aと膜応力との関係を整理したグラフを図1に示す。
表2より、4MPa以下の膜応力では多孔質膜にクラックは認められなかったので、4MPaをクラック発生のしきい値として、各膜厚の多孔質膜質の試料について、図1から前記しきい値となるB/A値を読み取った。そして、膜厚とクラック発生の下限値を示すB/A値との関係を整理した横対数グラフを図2に示す。図2より、B/Aは良好な直線性を示したおり、この直線は下記式(2) で表される。
B/A=0.83+0.54logT ……(2)
これより、本発明における適切な骨格原料、孔源材料の添加量条件を示す式(1)に従えば、接触工程において、加熱下で骨格部の強化処理を行っても、一次膜ひいては除去工程後の多孔質膜にクラックが発生しないことが確認された。
Figure 2007281283
B/A比と多孔質膜の膜応力との関係を示すグラフ図である。 多孔質膜の膜厚とクラック発生の下限を示すB/A比との関係を示すグラフ図である。

Claims (9)

  1. 骨格と空孔とで構成された多孔質膜の製造方法であって、
    前記骨格の基になり、骨格材料で形成された骨格部と前記空孔の基になり、孔源材料で形成された孔源部を有する一次膜を形成する一次膜形成工程と、
    前記骨格部の表面に対して反応可能な官能基と前記骨格部をなす原子結合を有する骨格強化化合物を前記一次膜に100℃〜500℃の範囲内の温度で接触させる接触工程と、
    前記一次膜の孔源部から孔源材料を除去する除去工程を備え、
    前記一次膜形成工程において、前記骨格材料の基になる骨格原料の分子数をA、前記孔源材料に含まれる親水性の官能基数をB、多孔質膜の膜厚をT(単位μm)とするとき、下記式を満足する、多孔質膜の製造方法。
    B/A>0.83+0.54logT
  2. 前記B/Aが1以上、2.8以下である請求項1に記載の多孔質膜の製造方法。
  3. Tが2μm以上である請求項1又は2に記載した多孔質膜の製造方法。
  4. 前記一次膜形成工程において、前記骨格材料の基になる骨格原料が加水分解され、前記孔源材料が混合された溶液を基材に塗布して一次膜を形成し、さらにこの一次膜を乾燥する、請求項1〜3のいずれか一項に記載した多孔質膜の製造方法。
  5. 前記接触工程において、前記骨格強化化合物を気体状態で前記一次膜に接触させる、請求項1〜4のいずれか1項に記載した多孔質膜の製造方法。
  6. 前記骨格材料が無機物であり、前記孔源材料が有機物である、請求項1〜5のいずれか1項に記載した多孔質膜の製造方法。
  7. 前記骨格材料がシリカを主成分とする材料であり、前記孔源材料が界面活性剤であり、前記骨格原料が有機シラン類、有機シロキサン類である、請求項1〜6のいずれか1項に記載した、多孔質膜の製造方法。
  8. 前記界面活性剤がノニオン性界面活性剤である請求項7に記載した、多孔質膜の製造方法。
  9. 骨格と空孔とで構成された多孔質膜であって、請求項1〜8のいずれか1項に記載された方法によって製造された、多孔質膜。

JP2006107424A 2006-04-10 2006-04-10 多孔質膜の製造方法及びその方法によって製造された多孔質膜 Expired - Fee Related JP4623520B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006107424A JP4623520B2 (ja) 2006-04-10 2006-04-10 多孔質膜の製造方法及びその方法によって製造された多孔質膜

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006107424A JP4623520B2 (ja) 2006-04-10 2006-04-10 多孔質膜の製造方法及びその方法によって製造された多孔質膜

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2007281283A true JP2007281283A (ja) 2007-10-25
JP4623520B2 JP4623520B2 (ja) 2011-02-02

Family

ID=38682413

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2006107424A Expired - Fee Related JP4623520B2 (ja) 2006-04-10 2006-04-10 多孔質膜の製造方法及びその方法によって製造された多孔質膜

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4623520B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2009044529A1 (ja) * 2007-10-05 2009-04-09 Nec Electronics Corporation 疎水化多孔質膜の製造方法

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN102443187B (zh) * 2011-10-28 2013-03-27 湖北工业大学 一种利用亲水改性无机填料作为致孔剂制备多孔膜的方法

Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2003028097A1 (fr) * 2001-09-25 2003-04-03 Rohm Co., Ltd. Procede de production de dispositif semiconducteur
JP2005166716A (ja) * 2003-11-28 2005-06-23 Tokyo Electron Ltd 絶縁膜の形成方法及び絶縁膜形成システム
JP2005231970A (ja) * 2004-02-23 2005-09-02 Kobe Steel Ltd 多孔質膜の形成方法及びその方法によって形成された多孔質膜
JP2006502578A (ja) * 2002-10-11 2006-01-19 コーニンクレッカ フィリップス エレクトロニクス エヌ ヴィ 相変化材料を備えた電子装置

Patent Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2003028097A1 (fr) * 2001-09-25 2003-04-03 Rohm Co., Ltd. Procede de production de dispositif semiconducteur
JP2006502578A (ja) * 2002-10-11 2006-01-19 コーニンクレッカ フィリップス エレクトロニクス エヌ ヴィ 相変化材料を備えた電子装置
JP2005166716A (ja) * 2003-11-28 2005-06-23 Tokyo Electron Ltd 絶縁膜の形成方法及び絶縁膜形成システム
JP2005231970A (ja) * 2004-02-23 2005-09-02 Kobe Steel Ltd 多孔質膜の形成方法及びその方法によって形成された多孔質膜

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2009044529A1 (ja) * 2007-10-05 2009-04-09 Nec Electronics Corporation 疎水化多孔質膜の製造方法
KR101125171B1 (ko) * 2007-10-05 2012-03-20 가부시키가이샤 아루바쿠 소수화 다공질막의 제조방법
US8273410B2 (en) 2007-10-05 2012-09-25 Renesas Electronics Corporation Process for manufacturing hydrophobized microporous film

Also Published As

Publication number Publication date
JP4623520B2 (ja) 2011-02-02

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4778087B2 (ja) 組成物、及び、多孔質材料の形成方法
KR20160122634A (ko) 실리카 에어로겔 포함 블랑켓의 제조방법 및 이에 따라 제조된 실리카 에어로겔 포함 블랑켓
KR101198316B1 (ko) 무용제형 실리카졸 및 그 제조방법
KR20010074860A (ko) 실란계 나노다공성 실리카 박막 및 그 제조방법
KR100945198B1 (ko) 유기용제형 실리카 졸 및 그 제조방법
WO2007142000A1 (ja) 多孔質膜の前駆体組成物及びその調製方法、多孔質膜及びその作製方法、並びに半導体装置
CN1331745C (zh) 多孔质薄膜的改质方法及被改质的多孔质薄膜及其用途
KR100648762B1 (ko) 다공질 재료의 제조 방법
JP2013216760A (ja) コーティング組成物及びアルミナ薄膜の製造方法
JP2006265350A (ja) 多孔質膜の前駆体組成物及びその調製方法、多孔質膜及びその作製方法、並びに半導体装置
JP4623520B2 (ja) 多孔質膜の製造方法及びその方法によって製造された多孔質膜
JP6339889B2 (ja) 金属酸化物中空粒子の製造方法
JP2009091545A (ja) シリカ系被膜形成用塗布液、その調製方法および該塗布液から得られるシリカ系絶縁膜
JP2009170923A (ja) 超低誘電率、高硬度のラメラ構造薄膜及びその製造方法
EP4011831A1 (en) Method for drying wet-gel blanket and method for manufacturing aerogel blanket by using same
JP2013060338A (ja) 疎水性シリカ粒子の製造方法
JP2005015308A (ja) 多孔性シリカ膜、それを有する積層体
JP2012104616A (ja) 低誘電率膜の前駆体組成物及びこれを用いた低誘電率膜の製造方法
JP4430427B2 (ja) 多孔質膜の形成方法及びその方法によって形成された多孔質膜
JP2004292304A (ja) 多孔質フィルムの改質方法、改質された多孔質フィルム及びその用途
JP6042151B2 (ja) シリカ粒子を含む半導体用絶縁材料
JP5878383B2 (ja) ポリシロキサン材料
JP3060185B2 (ja) 半導体装置のシリコン酸化膜の製造方法
JPH11323259A (ja) 低誘電率シリカ系被膜形成用塗布液および低誘電率被膜付基材
JP6782088B2 (ja) 被膜形成用の塗布液、及び該塗布液を用いた被膜付基材

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20080926

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20100806

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20100811

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20101007

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20101027

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20101027

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4623520

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131112

Year of fee payment: 3

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees