JP2004292304A - 多孔質フィルムの改質方法、改質された多孔質フィルム及びその用途 - Google Patents

多孔質フィルムの改質方法、改質された多孔質フィルム及びその用途 Download PDF

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Abstract

【課題】疎水性と機械強度に優れる改質された多孔質フィルム、または疎水性に優れ、半導体材料に使用する場合においてバリアメタルの拡散が防止される改質された多孔質フィルムを提供する。
【解決手段】改質された多孔質フィルムの改質方法は、Si−O結合を主として有する多孔質フィルムと有機ケイ素化合物とを、金属触媒を用いないで加熱下に接触させる多孔質フィルムの改質方法であって、 前記有機ケイ素化合物として、 Si−A結合単位(AはH、OH、OCe2e+1(eは1〜6の整数)、またはハロゲン原子を示し、同一分子内の複数のAは同じでも異なっていてもよい。)を2つ以上有し、さらに Si−X−Si結合単位(Xは、O,NR,Cf2f(fは1または2)またはC64を示し、RはCg2g+1(gは1〜6の整数)またはC65を示す。)を1つ以上有する有機ケイ素化合物を用いる。
【選択図】なし

Description

本発明は、多孔質フィルムの改質方法、改質された多孔質フィルム及び該改質された多孔質フィルムを用いてなる半導体用材料、半導体装置に関する。より詳細には、光機能材料、電子機能材料などに使用することができる疎水性と機械強度に優れる改質された多孔質フィルム、及びそれを得るための多孔質フィルムの改質方法に関する。
従来から、Si−O結合を主として有する多孔質の材料として、ゼオライトやシリカゲルが知られている。ゼオライトは均一な細孔を持つシリカ結晶であるが、細孔直径は13Åを超えるものがない。また、シリカゲルは2〜50nmのメソ領域に細孔を有するが、細孔分布は均一ではない。従って、これらの材料は用途が限定されていた。
これに対し、均一なメソ細孔を持つ多孔質の無機酸化物は、大きく、均一な細孔を有し、また、細孔容積および表面積も大きいため、触媒担体、分離吸着剤、燃料電池、センサーへの利用が期待されている。
このような均一なメソ細孔を持つ酸化物の製造法に関しては、数多くの研究がなされてきたが、新規な形状、構造が得られる点で、有機化合物を利用して無機物の構造制御を利用した方法が注目を集めている。特に有機化合物と無機化合物の自己組織化(self-assembly)を利用することにより合成される均一なメソ細孔を持つ酸化物は、従来の酸化物に
比べ、高い細孔容積、表面積を持つことが知られている。ここで言う均一なメソ細孔を持つ酸化物とは、酸化物中に細孔が規則正しく配置(周期的な細孔構造)しているため、X
線回折法による測定で構造規則性を示す回折ピークの存在が認められるものを指す。
有機化合物と無機化合物の自己組織化を利用した均一なメソ細孔を持つ酸化物の製造方法としては、例えば、国際公開91/11390号明細書に開示されるものがあげられる。そこには、シリカゲルと界面活性剤などを用いて、密封した耐熱性容器内で水熱合成することにより製造する方法が記載されている。また、Bull.Chem.Soc.Jp.誌,1990年,63巻,988頁に記載されたものがあげられ、そこには、層状ケイ酸
塩の一種であるカネマイトと界面活性剤とのイオン交換により製造する方法が記載されている。
このような方法により製造される均一なメソ細孔を持つ酸化物は、近年、光機能材料、電子機能材料などに用いるために、それをフィルムの形態に調製することが行われている。
例えば、Nature誌,1996年,379巻,703頁、J.Am.Chem.So
c.誌,1999年,121巻,7618頁には、アルコキシシランの縮合物と界面活性剤
からなるゾル含有液中に基板を浸漬し、その基板表面に多孔質シリカを析出させてフィルムを形成する方法が記載されている。さらに、Supramolecular Scie
nce誌,1998年,5巻,247頁、Adv.Mater.誌,1998年,10巻,1280頁、Nature誌,1997年,389巻,364頁、及びNature誌,1999年,398巻,223頁には、アルコキシシランの縮合物と界面活性剤とを有機溶媒に溶解した溶液を基板に塗布し、次いで有機溶媒を蒸発させて基板上にフィルムを調製する方法が記載されている。
これらのうち、前者の基板表面に多孔質シリカを析出させる方法は、フィルムの調製に
長時間を要すること、また多孔質シリカが粉体となって析出する場合が多く歩留まりが低いことなどの欠点がある。そのため、多孔質シリカフィルムの調製には、後者の有機溶媒を蒸発させる方法の方が優れている。
この有機溶媒を蒸発させて基板上にフィルムを調製する方法において用いられる溶媒として、たとえば、多価アルコールグリコールエーテル溶媒、グリコールアセテートエーテル溶媒、アミド系溶媒、ケトン系溶媒、カルボン酸エステル溶媒などが特開2000−38509号公報に記載されており、また、アミド結合を有する有機溶媒およびエステル結合を有する有機溶媒などの溶媒が、国際公開99/03926号明細書に記載されている。
一方、最近、このような多孔質シリカフィルムを光機能材料、電子機能材料などに用いるに際し、フィルムの低吸湿性と高機械強度を両立させる必要性が生じている。例えば、多孔質シリカフィルムは、電子機能材料として半導体層間絶縁膜に使用する場合、比誘電率が1である空孔の割合が高いため非常に低い比誘電率を有する膜として有望であるが、多孔質であるが故に、機械強度が著しく低下する。また誘電率の大きい水を容易に吸着して比誘電率が上昇してしまうという欠点がある。
そのため、水の吸着を防止する方法として、層間絶縁膜材質中に疎水性官能基を導入する方法が提案されているが、同時に機械強度を向上させる方法はこれまで報告されていない。例えば、細孔内のシラノール基をトリメチルシリル化することによって水の吸着を防止する方法が提案されている(特許文献1、特許文献2参照)。しかしながら、この方法では細孔内のシラノール基を完全にシリル化することができないことが報告されている(非特許文献1、非特許文献2参照)。さらに機械強度に関しては効果がないことも報告されている(非特許文献3参照)。
また、メチルトリアルコキシシランとテトラアルコキシシランの共縮合物(共ゲル化物)を用いて調製された塗布液による多孔質シリカフィルムの製造方法が提案されている(特許文献3参照)。この方法は、疎水化成分であるメチルトリアルコキシシランの使用割合を増加させた塗布液を用いることにより、得られる多孔質シリカフィルムの疎水性を向上させるものである。しかしながら、メチルトリアルコキシシランの使用割合が増加すると、多孔質シリカフィルムの骨格を形成するSi−O−Si結合の3次元的な結合の割合が減少し、機械強度が著しく低下してしまう。従って、疎水性と機械強度を両立させることは困難である。
また、ジメチルアルコキシシランとテトラアルコキシシランのそれぞれを部分的に加水分解した後に混合して疎水性メソポーラスシリカ粉体を製造する方法が報告されている(非特許文献4参照)。この方法により得られる粉体は、ジアルキルアルコキシシランが比較的多く導入されても規則的な細孔構造を持ち、疎水性にも優れる。しかしながら、この製造法では製造に数日を要するため実用性に乏しく、さらに得られるものが粉体であるため光機能材料、電子機能材料などに使用することは困難である。
また、環状シロキサン化合物であるテトラメチルテトラシクロシロキサンを粉体表面に薄膜コーティングすることにより得られた粉体は疎水性を示すことが報告されている(非特許文献5参照)。しかしながら、この場合も粉体であるため光機能材料、電子機能材料などに使用することは困難である。
また、白金触媒存在下、多孔質セラミックス表面に低分子シラン化合物蒸気により膜を形成し疎水化する方法が報告されている(特許文献4)。しかしながら、この方法では成膜するために触媒となる金属の存在が必須であり、それにより金属が膜中に存在すること
になるため、電子機能材料として使用する場合には、比誘電率が上昇するなどの電気特性に悪影響を及ぼし好ましくない。
一方、環状シロキサン化合物をプラズマCVD法により基板上に成膜する方法が報告されている(特許文献5〜8参照)。この方法は、環状シロキサン化合物をプラズマで分解して基板上に堆積させ成膜するものである。そのため、得られる膜は非常に低い気孔率で比誘電率が低く、例えば半導体の層間絶縁膜に使用する場合に必要な低い比誘電率は期待できない。また、プラズマを発生させるための非常に高価な装置が必要であり経済的に好ましくない。
膜強度を向上させる報告としてはエキシマビーム(EB)キュアによる方法がある(非特許文献6参照)。この方法は、真空チャンバー内に設置したシングルウエハー加熱ステージに多孔質フィルムを載せ、アルゴン雰囲気中350℃、10Torrの条件下でEBキュアするもので、機械強度は1.5倍に改善する。しかしながらこの処理には、高価な装置が必要であることと、処理することにより膜厚が減少するという欠点がある。このような膜厚の変化は、光機能材料、電子機能材料として使用する場合に好ましいことではない。
以上のように、疎水性と膜強度をともに満足する多孔質フィルムの製造技術はまだ不十分であった。
一方、このような多孔質フィルムは、銅配線間を電気的に絶縁する層間絶縁膜や配線間絶縁膜などの半導体材料としても用いられている。しかしながら、銅はシリカフィルム中に拡散する性質を持っているため、銅配線とシリカフィルムとの間には銅拡散防止用として窒化チタン(TiN)や窒化タンタル(TaN)などからなるバリア膜を形成する必要がある。このバリア膜は、気相成長法(CVD;Chemical Vapor Deposition)により多孔質フィルム表面に形成されるが、フィルムが多孔質であると、細孔内に反応ガスが拡散してしまう。そのため、多孔質シリカフィルムの空隙率が低下し、誘電率が上昇するという問題もあった。
国際公開第00/39028号パンフレット 米国特許第6208014号明細書 特開2001−049174号公報 米国特許第5939141号明細書 特開平5−202478号公報 米国出願公開第2002098714号明細書 国際公開第02/043119号パンフレット 米国特許第6348725号明細書 J.Phys.Chem.誌,B1997巻,101号,6525頁 J.Colloid Interface Sci.誌,1997年,188号,409頁 J.Electrochem.Soc.,誌,2003年,150巻、6号、F123頁 Chem.Commun.誌,2000年,1487頁 表面科学誌,2001年,22巻,9頁 IITC予稿集,2003年,106頁
本発明は、上記のような従来技術に伴う課題を解決するものであって、光機能材料や電子機能材料に用いることのできる疎水性と機械強度に優れる改質された多孔質フィルム、
または疎水性に優れ、半導体材料に使用する場合においてバリアメタルの拡散が防止される改質された多孔質フィルムを提供することを目的とする。さらに、このような改質された多孔質フィルムを得るための多孔質フィルムの改質方法、並びに得られた多孔質フィルムからなる半導体用材料、及びその半導体材料が用いられてなる半導体装置を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決するため鋭意検討した結果、多孔質フィルム表面で、特定の有機ケイ素化合物を、金属触媒を用いることなく反応させることにより、疎水性と機械的強度に優れる改質された多孔質フィルムが得られることを見出し、本発明に至った。さらに、上記多孔質フィルムが、特定の細孔構造を有することにより、半導体材料に使用する場合においてバリアメタルの拡散が防止される改質された多孔質フィルムが得られることを見出し、本発明に至った。
すなわち本発明は、Si−O結合を主として有する多孔質フィルムと有機ケイ素化合物とを、金属触媒を用いないで加熱下に接触させる多孔質フィルムの改質方法であって、
前記有機ケイ素化合物として、
Si−A結合単位(AはH、OH、OCe2e+1(eは1〜6の整数)、またはハロゲ
ン原子を示し、同一分子内の複数のAは同じでも異なっていてもよい。)を2つ以上有し、さらに
Si−X−Si結合単位(Xは、O,NR,Cf2f(fは1または2)またはC64
を示し、RはCg2g+1(gは1〜6の整数)またはC65を示す。)を1つ以上有する
有機ケイ素化合物を用いることを特徴とする。
また、細孔内に狭部を有する前記多孔質フィルムと前記有機ケイ素化合物とを、金属触媒を用いないで加熱下に接触させ、該狭部の少なくとも一部を閉塞することが好ましい。
前記多孔質フィルムと前記有機ケイ素化合物とを、H2Oの存在下で接触させることが
好ましい。
上記加熱温度が、100〜600℃であることが好ましい。
前記多孔質フィルムの平均細孔径が、0.5nm〜10nmの範囲にあることが好ましい。
前記多孔質フィルムの細孔構造が、周期的な細孔構造であることが好ましい。
また、前記多孔質フィルムの結晶構造が、ゼオライト構造であることが好ましい。
前記多孔質フィルムが、X線回折法により測定された回折ピークのうち相対強度が最大である回折ピークを、面間隔1.3nm〜13nmの範囲で有することが好ましい。
前記有機ケイ素化合物が、環状シロキサン類であることが好ましい。
前記環状シロキサン類が、
一般式(I):
Figure 2004292304
(式中、R3、R4、R5、R6、R7、R8は、互いに同一でも異なっていてもよく、それぞれH、OH、C65、Ca2a+1、CF3(CF2)b(CH2)c、Cd2d-1、OCe2e+1、又はハロゲン原子を示し、aは1〜3の整数、bは0〜10の整数、cは0〜4の整数、dは2〜4の整数、eは1〜6の整数であり、
Lは0〜8の整数、mは0〜8の整数、nは0〜8の整数、かつ3≦L+m+n≦8であり、
式中にSi−A結合単位(AはH、OH、OCe2e+1(eは1〜6の整数)、又はハ
ロゲン原子を示し、同一分子内の複数のAは同じでも異なっていてもよい。)が少なくとも2つ以上含まれる。)
で表される環状シロキサン化合物の少なくとも1種であることが好ましい。
また、前記有機ケイ素化合物が、
一般式(II): YSiR1011ZSiR1213
(式中、R10、R11、R12、R13は、互いに同一でも異なっていてもよく、それぞれH、C65、Ca2a+1、CF3(CF2)b(CH2)c、OCe2e+1、又はハロゲン原子を示し、
aは1〜3の整数、bは0〜10の整数、cは0〜4の整数、eは1〜6の整数であり、
Zは、O、(CH2)d、C64、(OSiRab)nO、OSiRcdQSiRefO、ま
たはNRgであり、Ra、Rb、Rc、Rd、Re、Rfは、互いに同一でも異なっていてもよ
く、それぞれH、OH、C65、Ca2a+1、CF3(CF2)b(CH2)c、ハロゲン原子、またはOSiRhijを示し、aは1〜3の整数、bは0〜10の整数、cは0〜4の整
数であり、dは1〜2の整数、nは1〜10の整数であり、Qは(CH2)m又はC64を示し、mは1〜6の整数であり、Rh、Ri、Rjは、互いに同一でも異なっていてもよく、
それぞれHまたはCH3であり、Rgは、(CH2)p又はC64を示し、pは1〜6の整数であり、
2つのYは、同一でも異なっていてもよく、H、OH、C65、Ca2a+1、CF3(C
2)b(CH2)c、OCe2e+1、又はハロゲン原子を示し、aは1〜3の整数、bは0〜10の整数、cは0〜4の整数、eは1〜6の整数であり、
式中に現れるRa又はRb、Rc又はRd、Re又はRf、2つのYのうち少なくともいずれか2つ以上はH、OH、OCe2e+1(eは1〜6の整数)、又はハロゲン原子である。

で表される有機ケイ素化合物の少なくとも1種であることも好ましい。
さらに、前記有機ケイ素化合物が、
一般式(III):
Figure 2004292304
(式中、R15、R16、R18、R19、R21、R22は、互いに同一でも異なっていてもよく、それぞれH、OH、C65、Ca2a+1、CF3(CF2)b(CH2)c、OCe2e+1、または
ハロゲン原子を示し、R17、R20、R23は、互いに同一でも異なっていてもよく、それぞれC65、またはCa2a+1を示し、aは1〜2の整数、bは0〜10の整数、cは0〜
4の整数、eは1〜6の整数であり、
Lは0〜8の整数、mは0〜8の整数、nは0〜8の整数、かつ3≦L+m+n≦8であり、
式中にSi−A結合単位(AはH、OH、OCe2e+1(eは1〜6の整数)、又はハ
ロゲン原子を示し、同一分子内の複数のAは同じでも異なっていてもよい。)が少なくとも2つ以上含まれる。)
で表される環状シラザン化合物の少なくとも1種であることが望ましい。
本発明に係る改質された多孔質フィルムは、上記の改質方法により得られる。
また、本発明に係る半導体用材料は、改質された多孔質フィルムからなり、層間絶縁膜として用いられることが好ましい。本発明に係る半導体装置は、半導体用材料が用いられてなることを特徴とする。
本発明により、光機能材料や電子機能材料に用いることのできる疎水性と機械強度がともに優れる多孔質フィルムを提供することができ、これは半導体用材料としての層間絶縁膜に好適に用いることができる。
また、本発明により、疎水性に優れ、半導体材料に使用する場合においては、バリアメタルの拡散を防止可能な改質された多孔質フィルムを提供することができ、これは半導体用材料としての層間絶縁膜に好適に用いることができる。
本発明に係る疎水性と機械強度に優れる改質された多孔質フィルムは、多孔質フィルムに特定の有機ケイ素化合物を接触させ、この有機ケイ素化合物を反応させることにより得られる。また、特定の構造を有する多孔質フィルムを用いることにより、バリアメタルの拡散が防止される改質された多孔質フィルムが得られる。
まず、改質処理に用いられる多孔質フィルムについて説明する。
多孔質フィルム
本発明において用いられる多孔質フィルムは、Si−O結合を主として有する多孔質フィルムであって、部分的に有機物が含まれていても構わない。
本発明でいう多孔質とは、無数の細孔を有する構造であり、細孔の開口部は直径が100nmより小さく、細孔の長さが開口部の直径より長い構造を意味する。このような構造であることにより、細孔を介して、水分子が外部から多孔質フィルムに自由に浸入することができる。この細孔には粒子間の空隙も含まれる。
また、「Si−O結合を主として有する」とは,Si原子に少なくとも2つ以上のO原子を介してSi原子が結合していればよく、それ以外は特に限定されない。例えば、Si原子に部分的に水素、ハロゲン、アルキル基やフェニル基、あるいはこれらを含む官能基が結合していても構わない。多孔質フィルム中のSiとOの割合はXPSによる元素分析で確認され、0.5≦Si/O(原子比)≦1.0の範囲にあることが好ましい。Siの重量分率が40重量%以上であることが好ましい。また、Si−Oの結合はIRにより確
認できる。一般的なものとしては、シリカ、水素化シルセスキオキサン、メチルシルセスキオキサン、水素化メチルシルセスキオキサン、ジメチルシロキサンなどが含まれる。また、多孔質フィルムはその表面を、メチル基、水素等を有する一般に知られている表面処理剤であらかじめ処理したものでも構わない。例えば、ヘキサメチルジシラザン(HMDS)、トリメチルシリルクロライド(TMSC)、あるいはモノシランなどで処理した多孔質フィルムも使用できる。
本発明において用いられる多孔質フィルムは、メソ孔を有することが好ましい。また、平均細孔径は0.5nm〜10nmの範囲であることも好ましい。この範囲であれば、後述する改質により、十分な機械強度と低誘電率化とを両立させることができる。
多孔質フィルムの平均細孔径は、一般的には3検体全自動ガス吸着量測定装置 オートソーブ-3B型(カンタクローム社製)を使用して測定することができる。この場合の測
定は、液体窒素温度下(77K)における窒素吸着法で実施し、比表面積はBET法、細孔分布はBJH法により求めることができる。
本発明において改質される多孔質フィルムは、特に限定されないが、その製造方法により
(1)アルコキシシラン類を用いてゾルゲル法で塗布液を調製し、その塗布液を基板表面に塗布し、次いで乾燥、焼成して得られる多孔質フィルム(以下、多孔質フィルム(1)ともいう)。
(2)シリカゾルと有機化合物との複合化(自己組織化)物を含有する塗布液を調製し、得られた塗布液を基板表面に塗布し、次いで乾燥、焼成して有機化合物を除去することにより得られる多孔質フィルム(以下、多孔質フィルム(2)ともいう)。
(3)基板表面にゼオライトを結晶成長させ、次いで乾燥、焼成して得られる多孔質フィルム(以下、多孔質フィルム(3)ともいう)。
これら多孔質フィルムの製造法に関して以下に説明する。
多孔質フィルム(1)
多孔質フィルム(1)は、アルコキシシラン類を用いてゾルゲル法により塗布液を調製し、その塗布液を基板に塗布し、次いで乾燥、焼成して得られる。
この製造法は、多孔質化されたフィルムが得られるのであれば、特に限定されないが、具体的には以下のように製造することができる。
まず、アルコキシシラン類を用いてゾルゲル法で塗布液を調製する。そのような塗布液は、従来公知の方法によって得ることができ、具体的には、それぞれ後述するような成分であるアルコキシシラン類、触媒、および水、さらに必要に応じて溶媒を添加して、0℃〜70℃、好ましくは30〜50℃で、数分〜5時間、好ましくは1〜3時間攪拌して得
ることができる。
はじめに、上記各成分について説明する。
(アルコキシシラン類)
アルコキシシラン類は、特に限定されるものではないが、具体例としてはテトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトライソプロポキシシラン、テトラブチルシラン等の4級アルコキシシラン;
トリメトキシフルオロシラン、トリエトキシフルオロシラン、トリイソプロポキシフルオロシラン、トリブトキシフルオロシラン等の3級アルコキシフルオロシラン;
CF3(CF23CH2CH2Si(OCH33、CF3(CF25CH2CH2Si(OC
33、CF3(CF27CH2CH2Si(OCH33、CF3(CF29CH2CH2Si(OCH33、(CF32CF(CF24CH2CH2Si(OCH33、(CF32CF(CF26CH2CH2Si(OCH33、(CF32CF(CF28CH2CH2Si(OCH33、CF3(C64)CH2CH2Si(OCH33、CF3(CF23(C64)CH2CH2Si(OCH33、CF3(CF25(C64)CH2CH2Si(OCH33
CF3(CF27(C64)CH2CH2Si(OCH33、CF3(CF23CH2CH2SiCH3(OCH32、CF3(CF25CH2CH2SiCH3(OCH32、CF3(CF27CH2CH2SiCH3(OCH32、CF3(CF29CH2CH2SiCH3(OCH32、(CF32CF(CF24CH2CH2SiCH3(OCH32、(CF32CF(CF26CH2CH2SiCH3(OCH32、(CF32CF(CF28CH2CH2SiC
3(OCH32、CF3(C64)CH2CH2SiCH3(OCH32、CF3(CF23(C64)CH2CH2SiCH3(OCH32、CF3(CF25(C64)CH2CH2SiCH3(OCH32、CF3(CF27(C64)CH2CH2SiCH3(OCH32
CF3(CF23CH2CH2Si(OCH2CH33、CF3(CF25CH2CH2Si(
OCH2CH33、CF3(CF27CH2CH2Si(OCH2CH33、CF3(CF29CH2CH2Si(OCH2CH33等のフッ素含有アルコキシシラン;
トリメトキシメチルシラン、トリエトキシメチルシラン、トリメトキシエチルシラン、トリエトキシエチルシラン、トリメトキシプロピルシラン、トリエトキシプロピルシラン等の3級アルコキシアルキルシラン;トリメトキシフェニルシラン、トリエトキシフェニルシラン、トリメトキシクロロフェニルシラン、トリエトキシクロロフェニルシラン等の3級アルコキシアリールシラン;
トリメトキシフェネチルシラン、トリエトキシフェネチルシラン等の3級アルコキシフェネチルシラン;
ジメトキシジメチルシラン、ジエトキシジメチルシラン等の2級アルコキシアルキルシラン等が挙げられる。これらのうちでは、テトラエトキシシランを用いることが好ましい。
アルコキシシラン類は、これらから選ばれる1種または2種以上組み合わせて用いることができる。
(触媒)
塗布液の調製に用いられる触媒としては、酸触媒またはアルカリ触媒から選ばれる少なくとも1種を使用する。
酸触媒としては、無機酸および有機酸を挙げることができる。
無機酸としては、例えば、塩酸、硝酸、硫酸、フッ酸、リン酸、ホウ酸、臭化水素酸などを挙げることができる。
また、有機酸としては、例えば、酢酸、プロピオン酸、ブタン酸、ペンタン酸、ヘキサン酸、ヘプタン酸、オクタン酸、ノナン酸、デカン酸、シュウ酸、マレイン酸、メチルマロン酸、アジピン酸、セバシン酸、没食子酸、酪酸、メリット酸、アラキドン酸、シキミ酸、2−エチルヘキサン酸、オレイン酸、ステアリン酸、リノール酸、リノレイン酸、サリチル酸、安息香酸、p−アミノ安息香酸、p−トルエンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、モノクロロ酢酸、ジクロロ酢酸、トリクロロ酢酸、トリフルオロ酢酸、ギ酸、マロン酸、スルホン酸、フタル酸、フマル酸、クエン酸、酒石酸、コハク酸、フマル酸、イタコン酸、メサコン酸、シトラコン酸、リンゴ酸などを挙げることができる。
一方、アルカリ触媒としては、アンモニウム塩および窒素含有化合物を挙げることができる。
アンモニウム塩としては、例えば水酸化テトラメチルアンモニウム、水酸化テトラエチルアンモニウム、水酸化テトラプロピルアンモニウム、水酸化テトラブチルアンモニウムなどを挙げることができる。
窒素含有化合物としては、例えばピリジン、ピロール、ピペリジン、1−メチルピペリジン、2−メチルピペリジン、3−メチルピペリジン、4−メチルピペリジン、ピペラジン、1−メチルピペラジン、2−メチルピペラジン、1,4−ジメチルピペラジン、ピロリジン、1−メチルピロリジン、ピコリン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、ジメチルモノエタノールアミン、モノメチルジエタノールアミン、トリエタノールアミン、ジアザビシクロオクテン、ジアザビシクロノナン、ジアザビシクロウンデセン、2−ピラゾリン、3−ピロリン、キヌキリジン、アンモニア、メチルアミン、エチルアミン、プロピルアミン、ブチルアミン、N,N−ジメチルアミン、N,N−ジエチルアミン、N,N−ジプロピルアミン、N,N−ジブチルアミン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、トリブチルアミンなどを挙げることができる。
(溶媒)
塗布液の調製に用いられる溶剤としては、例えば、メタノール、エタノール、n−プロパノール、i−プロパノール、n−ブタノール、i−ブタノール、sec−ブタノール、t−ブタノール、n−ペンタノール、i−ペンタノール、2−メチルブタノール、sec−ペンタノール、t−ペンタノール、3−メトキシブタノール、n−ヘキサノール、2−メチルペンタノール、sec−ヘキサノール、2−エチルブタノール、sec−ヘプタノール、ヘプタノール−3、n−オクタノール、2−エチルヘキサノール、sec−オクタノール、n−ノニルアルコール、2,6−ジメチルヘプタノール−4、n−デカノール、sec−ウンデシルアルコール、トリメチルノニルアルコール、sec−テトラデシルアルコール、sec−ヘプタデシルアルコール、フェノール、シクロヘキサノール、メチルシクロヘキサノール、3,3,5−トリメチルシクロヘキサノール、ベンジルアルコール、フェニルメチルカルビノール、ジアセトンアルコール、クレゾールなどのモノアルコール系溶媒;
エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、ペンタンジオール−2,4、2−メチルペンタンジオール−2,4、ヘキサンジオール−2,5、ヘプタンジオール−2,4、2−エチルヘキサンジオール−1,3、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリエチレングリコール、トリプロピレングリコール、グリセリンなどの多価アルコール系溶媒;
アセトン、メチルエチルケトン、メチル−n−プロピルケトン、メチル−n−ブチルケトン、ジエチルケトン、メチル−i−ブチルケトン、メチル−n−ペンチルケトン、エチル−n−ブチルケトン、メチル−n−ヘキシルケトン、ジ−i−ブチルケトン、トリメチルノナノン、シクロヘキサノン、2−ヘキサノン、メチルシクロヘキサノン、2,4−ペンタンジオン、アセトニルアセトン、ジアセトンアルコール、アセトフェノン、フェンチョンなどのケトン系溶媒;
エチルエーテル、i−プロピルエーテル、n−ブチルエーテル、n−ヘキシルエーテル、2−エチルヘキシルエーテル、エチレンオキシド、1,2−プロピレンオキシド、ジオキソラン、4−メチルジオキソラン、ジオキサン、ジメチルジオキサン、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、エチレングリコールモノ−n−ヘキシルエーテル、エチレングリコールモノフェニルエーテル、エチレングリコールモノ−2−エチルブチルエーテル、エチレングリコールジブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、ジエチレングリコールジ−n−ブチルエーテル、ジエチレングリコールモノ−n−ヘキシル
エーテル、エトキシトリグリコール、テトラエチレングリコールジ−n−ブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフランなどのエーテル系溶媒;
ジエチルカーボネート、酢酸メチル、酢酸エチル、γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン、酢酸n−プロピル、酢酸i−プロピル、酢酸n−ブチル、酢酸i−ブチル、酢酸sec−ブチル、酢酸n−ペンチル、酢酸sec−ペンチル、酢酸3−メトキシブチル、酢酸メチルペンチル、酢酸2−エチルブチル、酢酸2−エチルヘキシル、酢酸ベンジル、酢酸シクロヘキシル、酢酸メチルシクロヘキシル、酢酸n−ノニル、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、酢酸エチレングリコールモノメチルエーテル、酢酸エチレングリコールモノエチルエーテル、酢酸ジエチレングリコールモノメチルエーテル、酢酸ジエチレングリコールモノエチルエーテル、酢酸ジエチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、酢酸プロピレングリコールモノメチルエーテル、酢酸プロピレングリコールモノエチルエーテル、酢酸プロピレングリコールモノプロピルエーテル、酢酸プロピレングリコールモノブチルエーテル、酢酸ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、酢酸ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジ酢酸グリコール、酢酸メトキシトリグリコール、プロピオン酸エチル、プロピオン酸n−ブチル、プロピオン酸i−アミル、シュウ酸ジエチル、シュウ酸ジ−n−ブチル、乳酸メチル、乳酸エチル、乳酸n−ブチル、乳酸n−アミル、マロン酸ジエチル、フタル酸ジメチル、フタル酸ジエチルなどのエステル系溶媒;
N−メチルホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジエチルホルムアミド、アセトアミド、N−メチルアセトアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルプロピオンアミド、N−メチルピロリドンなどの含窒素系溶媒などを挙げることができる。溶媒は、これらから選ばれる1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
このような成分を用いて、塗布液が調製される。塗布液を調製する際の、これら各成分の添加方法は任意であり、添加順序も特に制限されないが、好ましくは、アルコキシシラン類への水の添加はアルコキシシラン類の加水分解、脱水縮合を制御するために二回に分けて行うのがよい。1回目の水の添加では加水分解、脱水縮合を完了させないために水/アルコキシシラン類のアルコキシ基1モル(モル比)=0.1〜0.3で、好ましくは0.2〜0.25となる量で水を添加するのが好ましい。2回目の水添加は任意でよいが、水/アルコキシシラン類のアルコキシ基1モル(モル比)=1〜10となる量で水を添加するのが好ましい。1回目と2回目の水添加の間の時間は特に制限はなく任意に設定できる。
触媒の使用量は、反応を促進させることができればよいが、好ましくはアルコキシシラン類:触媒=1:0.1〜0.001のモル比で添加する。溶媒で希釈する場合はおおよそ1〜100倍、好ましくは3〜20倍に希釈する。
これらのアルコキシシラン類、触媒、および水、さらに必要に応じて溶媒を添加して数分〜5時間程度攪拌して得られた塗布液を、基板に塗布し、多孔質フィルムの前駆体を得る。フィルムの多孔質化は、用いる溶媒やアルコキシシラン類の種類を変えることにより制御でき、乾燥、焼成時の溶媒蒸発、加水分解で生じるアルコール成分の除去により細孔が形成され、多孔質フィルムが得られる。
多孔質フィルムを形成する場合に用いる基板としては、一般的に用いられるものであれば何れのものも使用できる。例えば、ガラス、石英、シリコンウエハー、ステンレス等が挙げられる。また、板状、皿状等の何れの形状であってもよい。
基板に塗布する方法としては、例えば、スピンコート法、キャスティング法、ディップコート法等の一般的な方法が挙げられる。スピンコート法の場合、スピナー上に基板を置き、該基板上に試料を滴下し、500〜10000rpmで回転させることにより、フィルム表面が平滑性に優れる均一な膜厚の多孔質フィルムが得られる。
基板に塗布した後、乾燥、焼成することにより、塗布膜から溶媒や、アルコキシシラン類の加水分解で生じるアルコール成分を除去する。乾燥条件は特に限定されず、溶媒やアルコール成分が蒸発できればよい。焼成条件も特に限定されず、焼成によりフィルム中のシラノール基の縮合がさらに促進されていればよい。したがって、焼成雰囲気も、大気中、不活性ガス中、真空中のいずれでも行なうことができる。但し、フィルム中にH基やメチル基などが存在する場合にはこれらの官能基が分解しない温度で焼成することが望ましい。具体的には、250〜450℃の範囲で、窒素中で焼成することが好ましい。
また、表面張力の小さい有機溶媒や超臨界流体により、溶媒や、アルコキシシラン類の加水分解で生じるアルコール成分を除去することもできる。特に、圧力と温度とを調節し表面張力がない超臨界流体による除去は、フィルムの細孔がつぶれず、非常に多孔質なものが得られるので好ましい。
このようにして、多孔質フィルム(1)が調製される。多孔質フィルム(1)は、自立した状態、または基板に固着した状態で得られる。
得られた多孔質フィルム(1)の細孔構造は、フィルムの断面TEM観察によりランダムな形状の細孔であることが確認される。
また、多孔質フィルム(1)の平均細孔径は、上述の細孔分布測定により、0.5nm〜10nmの範囲であることが確認される。また、フィルムの厚さは製造条件によっても異なるが、おおよそ0.05〜2μmの範囲である。
多孔質フィルム(2)
多孔質フィルム(2)は、シリカゾルと有機化合物との複合化物を含有する塗布液を調製し、得られた塗布液を基板表面に塗布し、次いで乾燥、焼成して有機化合物を除去することにより得られる。
具体的には、まず、上述の多孔質フィルム(1)の製造法において、アルコキシシラン類を用いてゾルゲル法で塗布液を調製する過程において、細孔形成剤として界面活性剤のような有機化合物を添加し塗布液を調製する。この有機化合物の添加順序、添加後の攪拌時間は、シリカゾルとの複合化物が形成されるのであれば、特に限定されない。
また、この製造法における製造条件は、特に限定されず、従来公知の方法にしたがって行うことができる。さらに、この製造法において用いられる基板やアルコキシシラン類としては、多孔質フィルム(1)の製造法で用いた上述の基板やアルコキシシラン類を用いることができる。
上記界面活性剤としては、通常、長鎖アルキル基および親水基を有する化合物を使用することができる。長鎖アルキル基としては、好ましくは炭素原子数8〜24のもの、さらに好ましくは炭素原子数12〜18のものが望ましく、また、親水基としては、例えば、4級アンモニウム塩、アミノ基、ニトロソ基、ヒドロキシル基、カルボキシル基等が挙げられ、なかでも4級アンモニウム塩、またはヒドロキシル基であることが望ましい。
そのような界面活性剤として具体的には、
一般式:CnH2n+1(N(CH3)2(CH2)m)a(CH2)bN(CH3)2CLH2L+1X(1+a)
(式中、aは0〜2の整数、bは0〜4の整数、nは8〜24の整数、mは0〜12の整数、Lは1〜24の整数であり、Xはハロゲン化物イオン、HSO4-または1価の有機ア
ニオンである。)で表されるアルキルアンモニウム塩の使用が好ましい。
上記一般式で表される界面活性剤は、ミセルを形成し、規則的に配列する。本発明においては、このミセルを鋳型として、シリカと界面活性剤とが複合体をつくり、鋳型を除去すると均一で規則的な配列の細孔を有する多孔質フィルムを調製することができる。
また、界面活性剤としては、ポリアルキレンオキサイド構造を有する化合物も使用できる。
ポリアルキレンオキシド構造としてはポリエチレンオキシド構造、ポリプロピレンオキシド構造、ポリテトラメチレンオキシド構造、ポリブチレンオキシド構造などが挙げられる。
そのようなポリアルキレンオキサイド構造を有する化合物としては、具体的には、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロックコポリマー、ポリオキシエチレンポリオキシブチレンブロックコポリマー、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル、ポリエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテルなどのエーテル型化合物;ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリエチレンソルビトール脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステルなどのエーテルエステル型化合物などを挙げることができる。本発明において、界面活性剤は、これらから選ばれる1種または2種以上を組み合わせて用いることできる。
アルコキシシラン類と触媒、および水の添加比率は上述の(1)の場合と同様であるが、界面活性剤の添加量はアルコキシシラン類に対して0.002〜1倍、好ましくは0.005〜0.15倍のモル比であることが望ましい。
上記界面活性剤の添加される際の形態は問われず、固体状態、溶媒に溶解した状態の何れの形態であってもよい。
上記界面活性剤とアルコキシシラン類との組み合わせ、モル比などを変えることにより、2D−ヘキサゴナル構造、3D−ヘキサゴナル構造、キュービック構造などの周期的な細孔構造を有する多孔質フィルム(2)を製造することができる。
多孔質フィルムを得るには、このようにして調製された塗布液を、上述した多孔質フィルム(1)の製造方法と同様に、基板に塗布し、乾燥させた後、さらに、焼成または有機溶媒による抽出により界面活性剤を除去すればよい。
得られたフィルムの細孔は、フィルムの断面TEM観察や細孔分布測定により、平均細孔径1nm〜10nmを有することを確認することができる。また、2D−ヘキサゴナル構造、3D−ヘキサゴナル構造、キュービック構造などの周期的な細孔構造を有する場合にはX線回折(CuKα)により、面間隔が1.3nm〜13nmの範囲で、相対強度が最大である回折ピークを確認することができる。多孔質フィルム(2)が、周期的な細孔構造を有することから、疎水性と機械強度に優れる改質された多孔質フィルムを、容易に得ることができる。
また、多孔質フィルム(2)の具体的な細孔構造は、X線回折(CuKα)とフィルム
断面のTEM観察により確認される。
2D−ヘキサゴナル構造は、TEM観察によりハニカム状の規則的な細孔が認められ、X線回折により2θ=1〜10°に回折ピークが得られることから確認される。3D−ヘキサゴナル構造は、TEM観察により三次元的に規則的な細孔が認められ、X線回折により2θ=1〜10°に(100)面を示す回折ピークが得られることから確認される。キュービック構造は、TEM観察により三次元的に規則的な細孔が認められ、X線回折により2θ=1〜10°に(200)面を示す回折ピークが得られることから確認される。
得られたフィルムの細孔構造が、3D−ヘキサゴナル構造またはキュービック構造であって、特に、細孔内の細孔壁同士が1〜40Å、好ましくは2〜25Åの範囲で離間した狭部を有する場合には、後述する改質処理によって、該狭部を容易に閉塞することができ、細孔狭部の少なくとも一部が閉塞された多孔質フィルムを得ることができる。該狭部の大きさの測定は、電子線構造解析法において確認される。このような多孔質フィルムを改質することにより、疎水性に優れ、さらに半導体材料に用いた場合には、バリアメタルの拡散が防止できる改質された多孔質フィルムを得ることができる。
この細孔内に狭部を有する多孔質フィルムは、3D−ヘキサゴナル構造やキュービック構造を有する多孔質フィルムのほかに、細孔内に狭部が形成された2D−ヘキサゴナル構造を有する多孔質フィルムを用いることができる。
細孔内に狭部が形成された2D−ヘキサゴナル構造を有する多孔質フィルムを調製するには以下のように行う。
具体的には、まず、界面活性剤とシリコーンオイルとの存在下に、アルコキシシラン類を部分的に加水分解、脱水縮合することにより、塗布液を調製する。界面活性剤とシリコーンオイルとを予め混合して混合溶液を調製し、部分的に加水分解脱水縮合されているアルコキシシラン類に添加することが好ましい。ここで部分的にとは、混合溶液がゲル化せずに流動化する状態をいう。一般的には、粘度が105poiseでゲル化とみなせるの
で、この粘度以下の混合溶液が部分的に加水分解脱水縮合した状態である。上記部分的に加水分解、脱水縮合した状態は水を必要量以下に制御して混合することで得られる。
このように塗布液を調製することにより、シリコーンオイルを中心として界面活性剤が配列し、ミセルを形成すると考えられる。その後、塗布液を基板に塗布し、乾燥させた後、さらに、焼成により界面活性剤を除去すると、ミセルの中心部に取り込まれたシリコーンオイルが多孔質フィルムの細孔内表面に付着し、上述の狭部を形成すると考えられる。
上記シリコーンオイルとしては、特に限定されないが、ポリジメチルシロキサンを主成分とする有機ケイ素化合物が挙げられる。そのようなものとして、トリメチルシロキシ末端ポリジメチルシロキサン、ポリフェニルシロキサンとポリジメチルシロキサンのコポリマー、ポリフェニルメチルシロキサンとポリジメチルシロキサンのコポリマー、ポリ−3,3,3−トリフルオロプロピルメチルシロキサンとポリジメチルシロキサンのコポリマー、ポリエチレンオキシドとポリジメチルシロキサンのコポリマー、ポリプロピレンオキシドとポリジメチルシロキサンのコポリマー、ポリエチレンオキシドとポリプロピレンオキシドとポリジメチルシロキサンのコポリマー、ヒドリド末端ポリジメチルシロキサン、ポリメチルヒドリドシロキサンとポリジメチルシロキサンのコポリマー、シラノール末端ポリジメチルシロキサン等が挙げられる。本発明において用いられるシリコーンオイルは、これらの中から1種または2種以上組み合わせて用いることができる。
このようなシリコーンオイルの添加量は、アルコキシシラン類の100重量部に対して
、好ましくは1〜100重量部、さらに好ましくは5〜50重量部の範囲が望ましい。上記シリコーンオイルが上記範囲にあることにより、細孔内に上記狭部を有する多孔質フィルムを容易に調製することができる。
このようにして調製された塗布液を、上述した多孔質フィルム(1)の製造方法と同様に、基板に塗布し、乾燥させた後、さらに、焼成により界面活性剤を除去し、狭部を有する2D-ヘキサゴナル構造の多孔質フィルムが得られる。
得られた多孔質フィルムは、X線解析(CuKα)により、2θ=1〜10°に回折ピークが得られ、また、フィルム断面をTEM観察するとハニカム状の規則的な細孔が認められることから、周期的な2D−ヘキサゴナル構造を保持していることが確認され、電子線構造解析法において部分的に細孔内の細孔壁同士が約1〜40Åで離間した狭部を有することも確認される。
多孔質フィルム(3)
多孔質フィルム(3)は、基板表面にゼオライトを結晶成長させ、次いで乾燥、焼成して得られる。
多孔質化されたフィルムが得られるのであれば、その製造法は特に限定されないが、具体的には、以下の製造法などが挙げられる。
(A)アルコキシシラン類やコロイダルシリカのようなシリカ源を、有機アミン類を鋳型にし、水熱合成することによって、ゼオライトの微結晶を含有する塗布液を製造する。次いで、この塗布液を基板表面に塗布し、得られた塗布膜付き基板を、所望の条件で乾燥、焼成して多孔質フィルムを製造する方法。
(B)アルコキシシラン類やコロイダルシリカのようなシリカ源を、有機アミン類を鋳型にし、水熱合成することによって、ゼオライトの微結晶を含有する溶液を製造する。さらに、この溶液に界面活性剤を添加して塗布液を調製する。次いで、この塗布液を基板表面に塗布し、得られた塗布膜付き基板を、所望の条件で乾燥、焼成して多孔質フィルムを製造する方法。
(C)アルコキシシラン類やコロイダルシリカのようなシリカ源を、有機アミン類を鋳型にして水熱合成する際に、基板を挿入し、基板表面にゼオライトを結晶成長させる。次いで、ゼオライト結晶で被膜された基板を、所望の条件で乾燥、焼成して多孔質フィルムを製造する方法。
(D)シリカゲルを基板表面に塗布し、塗布膜付き基板を得る。さらに、有機アミン類を含む水蒸気中に塗布膜付き基板を入れ、塗布膜内のシリカをゼオライト結晶化させる。次いで、ゼオライト結晶で被膜された基板を、所望の条件で乾燥、焼成して多孔質フィルムを製造する方法。(ドライゲルコンバージョン)
これらの製造法における製造条件は、特に限定されず、従来公知の方法にしたがって行うことができる。
上記有機アミン類としては、水酸化テトラプロピルアンモニウム、水酸化テトラエチルアンモニウム、水酸化テトラブチルアンモニウム、水酸化テトラペンチルアンモニウム、トリプロピルアミン、トリエチルアミン、トリエタノールアミン、ピペリジン、シクロヘキシルアミン、ネオペンチルアミン、イソプロピルアミン、t−ブチルアミン、2−メチルピリジン、N,N’−ジメチルベンジルアミン、N,N−ジエチルエタノールアミン、ジ(n−ブチル)アミン、ジ(n−ペンチル)アミン、ジシクロヘキシルアミン、N,N
−ジメチルエタノールアミン、コリン、N,N−ジメチルピペラジン、1,4−ジアザビシクロ(2,2,2)オクタン、N−メチルジエタノールアミン、N−メチルエタノールアミン、N−メチルピペリジン、キヌクリジン、N,N’−ジメチル−1,4−ジアザビシクロ(2,2,2)オクタンジヒドロキシド、エチレンジアミン、2−イミダゾリドン等が挙げられる。
このような(A)〜(D)の製造法によって得られた多孔質フィルム(3)は、X線回折(CuKα)によりゼオライト固有の回折ピークが認められ、結晶構造が、ゼオライト構造であることが確認される。
また、多孔質シリカフィルム(2)の平均細孔径は、上述の細孔分布測定により、0.5nm〜10nmの範囲であることが確認される。
多孔質フィルムの改質方法
本発明の多孔質フィルムの改質方法は、上述のような多孔質フィルムと、特定の有機ケイ素化合物とを加熱下に接触させることにより得られる。
有機ケイ素化合物としては、直鎖状または環状の有機ケイ素化合物を用いることができる。このような有機ケイ素化合物としては、Si−A結合単位(AはH、OH、OCe2e+1(eは1〜6の整数である。)、またはハロゲン原子を示す。)を2つ以上有するも
のが好ましい。有機ケイ素化合物にSi−A結合単位が複数個存在する場合、Aはそれぞれ同一でも異なっていてもよい。
また、本発明に用いられる有機ケイ素化合物としては、上記Si−A結合単位を2つ以上有し、さらにSi−X−Si結合単位(Xは、O,NR,Cf2f(fは1または2で
ある)またはC64を示し、RはCg2g+1(gは1〜6の整数)またはC65を示す。
)を1つ以上有するものがより好ましい。有機ケイ素化合物にSi−A結合単位が複数個存在する場合、Aはそれぞれ同一でも異なっていてもよく、Si−X−Si結合単位が複数個存在する場合、Xはそれぞれ同一でも異なっていてもよい。
上記有機ケイ素化合物は、100〜600℃の温度範囲のいずれかにおいて蒸気圧を持ち、かつその化合物だけが存在する状態では分解しないのであれば、利用することができる。また、有機ケイ素化合物は、多孔質フィルムの細孔内に十分拡散する分子径のものである必要があり、分子量としては、900以下、70以上のものが好ましく、600以下、120以上のものがより好ましく、300以下、170以上のものがさらに好ましい。そのような有機ケイ素化合物としては、環状シロキサン、環状シラザンなどの環状有機ケイ素化合物、その他の非環状有機ケイ素化合物があげられる。なかでも環状シロキサンが好ましい。
そのような有機ケイ素化合物としては、具体的には、
一般式(I):
Figure 2004292304
(式中、R3、R4、R5、R6、R7、R8は、互いに同一でも異なっていてもよく、それぞ
れH、OH、C65、Ca2a+1、CF3(CF2)b(CH2)c、Cd2d-1、OCe2e+1、又はハロゲン原子を示し、aは1〜3の整数、bは0〜10の整数、cは0〜4の整数、dは2〜4の整数、eは1〜6の整数であり、
Lは0〜8の整数、mは0〜8の整数、nは0〜8の整数、かつ3≦L+m+n≦8であり、
式中にSi−A結合単位(AはH、OH、OCe2e+1(eは1〜6の整数)、又はハ
ロゲン原子を示し、同一分子内の複数のAは同じでも異なっていてもよい。)が少なくとも2つ以上含まれる。)で表される環状シロキサン化合物の少なくとも1種であることが好ましい。
より好ましくは、下記一般式
Figure 2004292304
(式中、R1、R2は、互いに同一でも異なっていてもよく、それぞれH、OH、C65、Ca2a+1、CF3(CF2)b(CH2)c、Cd2d-1、OCe2e+1、又はハロゲン原子を示し、aは1〜3の整数、bは0〜10の整数、cは0〜4の整数、dは2〜4の整数、eは1〜6の整数であり、
pは3〜8の整数であり、
式中にSi−A結合単位(AはH、OH、OCe2e+1(eは1〜6の整数)、又はハ
ロゲン原子を示し、同一分子内の複数のAは同じでも異なっていてもよい。)が少なくとも2つ以上含まれる。)
で表される少なくとも1種の環状シロキサンが望ましい。
このような上記式(I)で表わされる有機ケイ素化合物としては、具体的には、(3,3,3−トリフルオロプロピル)メチルシクロトリシロキサン、トリフェニルトリメチルシクロトリシロキサン、1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、1,3,5,7−テトラメチル−1,3,5,7−テトラフェニルシクロテトラシロキサン、テトラエチルシクロテトラシロキサン、ペンタメチルシクロペンタシロキサン等の環状シロキサン類が挙げられる。特に1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサンが好ましい。有機ケイ素化合物は、これらから選ばれる1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
また、有機ケイ素化合物としては、
一般式(II): YSiR1011ZSiR1213
(式中、R10、R11、R12、R13は、互いに同一でも異なっていてもよく、それぞれH、C65、Ca2a+1、CF3(CF2)b(CH2)c、OCe2e+1、又はハロゲン原子を示し、
aは1〜3の整数、bは0〜10の整数、cは0〜4の整数、eは1〜6の整数であり、
Zは、O、(CH2)d、C64、(OSiRab)nO、OSiRcdQSiRefO、ま
たはNRgであり、Ra、Rb、Rc、Rd、Re、Rfは、互いに同一でも異なっていてもよ
く、それぞれH、OH、C65、Ca2a+1、CF3(CF2)b(CH2)c、ハロゲン原子、またはOSiRhijを示し、aは1〜3の整数、bは0〜10の整数、cは0〜4の整
数であり、dは1〜2の整数、nは1〜10の整数であり、Qは(CH2)m又はC64を示し、mは1〜6の整数であり、Rh、Ri、Rjは、互いに同一でも異なっていてもよく、
それぞれHまたはCH3であり、Rgは、(CH2)P又はC64を示し、pは1〜6の整数で
あり、
2つのYは、同一でも異なっていてもよく、H、OH、C65、Ca2a+1、CF3(C
2)b(CH2)c、OCe2e+1、又はハロゲン原子を示し、aは1〜3の整数、bは0〜10の整数、cは0〜4の整数、eは1〜6の整数であり、
式中に現れるRa又はRb、Rc又はRd、Re又はRf、2つのYのうち少なくともいずれか2つ以上はH、OH、OCe2e+1(eは1〜6の整数)、又はハロゲン原子である。

で表される有機ケイ素化合物の少なくとも1種であることも好ましい。
上記式(II)で表わされる有機ケイ素化合物としては、具体的には、1,2−ビス(テ
トラメチルジシロキサニル)エタン、1,3−ビス(トリメチルシロキシ)−1,3−ジメ
チルジシロキサン、1,1,3,3−テトライソプロピルジシロキサン、1,1,4,4−テトラメチルジシルエチレン、1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン、1,1,3,3−テトラエチルジシロキサン、1,1,3,3−テトラフェニルジシロキサン、1,1,4,4−テトラメチルジシルエチレン、1,1,3,3,5,5−ヘキサメチルトリシロキサン、1,1,3,3,5,5−ヘキサエチルトリシロキサン、1,1,3,3,5,5−ヘキサイソプロピルトリシロキサン、1,1,3,3,5,5,7,7−オクタメチルテトラシロキサン、1,1,1,3,5,5−ヘキサメチルトリシロキサン、1,1,1,3,3,5,7,7−オクタメチルテトラシロキサン、1,3−ジメチルテトラメトキシジシロキサン、1,1,3,3−テトラメチル−1,3−ジエトキシジシロキサン、1,1,3,3,5,5−ヘキサメチルジエトキシトリシロキサン、テトラメチル−1,3−ジメトキシジシロキサン等のシロキサン化合物が挙げられる。有機ケイ素化合物は、これらから選ばれる1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
さらに、有機ケイ素化合物として、一般式(III):
Figure 2004292304
(式中、R15、R16、R18、R19、R21、R22は、互いに同一でも異なっていてもよく、それぞれH、OH、C65、Ca2a+1、CF3(CF2)b(CH2)c、OCe2e+1、または
ハロゲン原子を示し、R17、R20、R23は、互いに同一でも異なっていてもよく、それぞれC65、またはCa2a+1を示し、aは1〜2の整数、bは0〜10の整数、cは0〜
4の整数、eは1〜6の整数であり、
Lは0〜8の整数、mは0〜8の整数、nは0〜8の整数、かつ3≦L+m+n≦8であり、
式中にSi−A結合単位(AはH、OH、OCe2e+1(eは1〜6の整数)、又はハ
ロゲン原子を示し、同一分子内の複数のAは同じでも異なっていてもよい。)が少なくとも2つ以上含まれる。)
で表される環状シラザン化合物の少なくとも1種であることも好ましい。
上記式(III)で表わされる有機ケイ素化合物としては、具体的には、1,2,3,4
,5,6−ヘキサメチルシクロトリシラザン、1,3,5,7−テトラエチル−2,4,6,8−テトラメチルシクロテトラシラザン、1,2,3−トリエチル−2,4,6−トリエチルシクロトリシラザン等の環状シラザン化合物が挙げられる。有機ケイ素化合物は、これらから選ばれる1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
本発明においては、有機ケイ素化合物は、上記一般式(I)で表される有機ケイ素化合物、一般式(II)で表されるシロキサン化合物、または一般式(III)で表される環状シ
ラザン化合物の中から1種または2種以上組み合わせて用いることができる。これらの中では、一般式(I)で表される環状シロキサンを用いることが好ましい。
本発明に係る多孔質フィルムの改質方法は、上述の多孔質フィルムと有機ケイ素化合物とを加熱下に接触させて、多孔質フィルム表面において有機ケイ素化合物を反応させて行われる。このような多孔質フィルムの改質は、液相あるいは気相雰囲気下で実施することができる。
反応を液相で実施する場合は有機溶媒を用いて実施しても良い。使用し得る有機溶媒としては、メタノール、エタノール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール等のアルコール類;ジエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、1,4−ジオキサン、テトラヒドロフラン等のエーテル類;ベンゼン、トルエン、キシレン等のアリールアルカン類等が挙げられる。有機溶媒中で処理する場合には上記有機ケイ素化合物の濃度は特に制限はなく任意の濃度で実施することが可能である。
反応を気相で実施する場合は、上記有機ケイ素化合物をガスで希釈してもよい。使用し得る希釈ガスとしては、空気、窒素、アルゴン、水素等が挙げられる。また、ガスで希釈する代わりに減圧下で実施することも可能である。特に、気相雰囲気下で実施する方が、溶媒回収や乾燥工程が不要となるため好ましい。上記有機ケイ素化合物を希釈する場合、有機ケイ素化合物の濃度は0.1vol%以上あれば特に制限されない。また、任意に希釈された反応ガスは流通で接触させても、リサイクルで接触させても、あるいは密閉容器中に封じ込めた状態で接触させてもいずれの方法でも実施できる。
上記有機ケイ素化合物と多孔質フィルムとの反応温度(加熱温度)は100〜600℃の範囲であることが好ましく、より好ましくは300〜450℃の範囲である。加熱はホットプレート式でも、電気炉式でも多孔質フィルムの温度を均一にできるのであれば、特に制限はない。反応温度がこの範囲内であれば、温度が低いために反応が進まないことがなく、また、温度が高すぎて副反応を起こすこともなく、効率良く反応が進行する。
多孔質フィルムの昇温は反応温度まで徐々に加熱しても、あるいは反応温度に達した中へ一気に挿入しても特に問題はない。多孔質フィルムを焼成後、引き続いて焼成することも可能である。多孔質フィルムの改質に要する時間は、反応温度にもよるが、通常、数分〜40時間、好ましくは10分〜24時間である。
本発明の改質方法において疎水性と機械強度とが向上するのは、多孔質フィルム表面に存在するシラノール基と前記有機ケイ素化合物との反応が主たる要因と推察される。このシラノール基は、一般的に、Si−O結合を主として有する多孔質フィルムの表面に存在している。特に多孔質のものの場合には、その細孔内部にシラノール基が多く存在している。本発明の方法以外にも、疎水基などを導入することによってシラノール基を減少させることもできるが、それでも、600℃までの熱処理ではシラノール基を完全に取り除くことは困難である。
また、熱処理温度が上昇すれば脱水反応がさらに進行するため、多孔質フィルムの表面に存在するシラノール基は減少する。従って、H2Oの存在下で多孔質フィルムを加熱す
ることは、加水分解によりシラノール基が増えるので、有機ケイ素化合物が反応しやすくなり、疎水性と機械強度を向上させる改質処理のためには好ましい。
以上の理由から改質処理は、上記有機ケイ素化合物と多孔質フィルムとを接触させる際に、H2Oの存在下で行うことも好ましい。H2Oの存在下で接触させることによって、反応が促進されるため、疎水性と機械強度に優れる改質された多孔質フィルムを効率的に得ることができる。H2Oの添加量は、多孔質フィルムと反応する有機ケイ素化合物の種類
によって、所定の量となるように用いられるが、好ましくは0.05〜25kPaの分圧に
相当する範囲が好ましい。この範囲内であれば、H2O添加が少なすぎて反応促進効果が
得られないということがない。また、多すぎて細孔構造が崩壊するなどという悪影響を及ぼすこともない。また、H2O添加の温度は反応温度以下であれば特に制限はない。添加
方法についても特に制限はないが、有機ケイ素化合物との接触前に添加しておくのが好ましい。
多孔質フィルムは、このような有機ケイ素化合物と加熱下で接触することにより疎水性と機械強度が向上する。すなわち、該有機ケイ素化合物が多孔質フィルム表面において反応し、フィルム表面と結合したもの、或いはそれに他の有機ケイ素化合物類が重合したもの、または有機ケイ素化合物類が重合したもの、のいずれかからなる反応物により、表面の少なくとも一部が被膜され、その結果、疎水性を発現するだけではなく、機械強度も向上する。ここでいう多孔質フィルム表面とは、フィルムの外表面のみならず細孔内表面をも指す。
このような多孔質フィルムの改質の機構は明らかではないが、はじめにフィルム表面のシラノール基と有機ケイ素化合物とが結合し、次いでその有機ケイ素化合物と未反応の有機ケイ素化合物とが反応(重合)してシロキサンポリマーが成長して行き、さらに別の表面に結合した有機ケイ素化合物やシロキサンポリマーと結合していくと推測される。このような反応が細孔内で起こる場合には、反応した有機ケイ素化合物は、フィルム細孔内表面上を蔦のような構造となって被覆し、細孔直径が数nmの細孔内においては支柱のような橋かけ構造も形成すると推測される。このような細孔内に形成された特異な構造が、疎水性を発現させると同時に、従来、知られていなかった機械強度の発現に至ったものと推察される。
従って、この反応はフィルムの細孔内表面で進行する必要がある。そのため、100〜600℃の反応温度では、触媒は気相中には存在しないことが望ましく、特に反応前の有機ケイ素化合物と共に触媒が存在していることは好ましくない。触媒が金属である場合には、改質されたフィルムに金属が残留することになり、比誘電率が上昇するため特に好ましくない。したがって、実質的に金属触媒が存在しない雰囲気下で、多孔質フィルムと有機ケイ素化合物とを加熱下に接触させることが好ましい。
一方、多孔質シリカ中に触媒が存在することは特に問題ではないと考えられるが、触媒が金属である場合には、フィルム中に金属が残留することになり、これは比誘電率が上昇するため好ましくない。
このような本発明に用いられる有機ケイ素化合物以外のシリル化剤、例えばヘキサメチルジシラザン(HMDS)を用いる疎水化法では、フィルム表面のシラノール基がトリメチルシリル基に変わるだけであり、膜自体の機械強度はほとんど向上しないと推測される。
したがって、従来のシラン化合物では補強剤としては不十分である。そのため、疎水性と機械強度を共に向上させるためには、Si−A結合単位(AはH、OH、OCe2e+1
(eは1〜6の整数)、またはハロゲン原子を示し、同一分子内の複数のAは同じでも異なっていてもよい。)を2つ以上有し、さらにSi−X−Si結合単位(Xは、O,NR,Cf2f(fは1〜6の整数)またはC64を示し、RはCg2g+1(gは1または2)またはC65を示す。)を1つ以上有する有機ケイ素化合物を反応させることが特に好ま
しい。
このSi−A結合単位としては、特にSi−H結合が好ましい。つまり、有機ケイ素化合物は水との反応でSi−OHを形成し、これが、他の−OH基と反応して脱水縮合を起こすため、Si−H結合の場合には、細孔内表面に存在するSi−OH基と直接脱水素反応を生じる。有機ケイ素化合物は、はじめから−OH基を有していても良いが、この場合、細孔内にたどり着いて、細孔内表面と反応する割合は小さくなると推定される。
さらに、Si−A結合単位の官能基Aにおいて、水素、アルコキシ基、ハロゲンで反応性を比較すると、ハロゲン>アルコキシ基>水素の順になる。官能基としては沸点が低く扱いやすいもの、また、立体障害が少なく拡散しやすいものが望まれる。Si−A結合単位の官能基Aにハロゲンを用いると、ハロゲンは、反応しやすいために、前述のように細孔内にたどり着いて、細孔内表面と反応する有機ケイ素化合物の割合は小さくなると思われる。また、アルコキシ基を有する有機ケイ素化合物は立体障害のためにメソ孔の中に拡散していくのが遅く、また反応によって生成したアルコールは水と相互作用して、Si−ORが水と反応するのを阻害すると思われる。以上のことから、有機ケイ素化合物のSi−A結合単位がSi−Hであることにより、本発明の改質された有機ケイ素化合物は、疎水性と機械強度に特に優れた効果が得られる。
本発明の疎水性と機械強度に優れる改質された多孔質フィルムを得るために用いられる多孔質フィルムは、自立膜の状態であっても、基板に成膜された状態であってもよい。また、本発明で用いられる多孔質フィルムは有機ケイ素化合物との反応後に曇りや着色等の不具合が発生することはないため、透明なものが必要な場合にも用いることができる。
本発明において改質された多孔質フィルムの疎水性は、比誘電率を測定することで確認される。比誘電率の測定は、基板上の多孔質フィルム表面と基板に用いたシリコンウエハーの裏面とに蒸着法によりアルミニウム電極を作成し、25℃、相対湿度50%の雰囲気下、周波数100kHzにて常法により行うことができる。また、多孔質フィルムの機械強度は、ナノインデンテーション測定によりフィルムの弾性率を測定することで確認される。
本発明の改質された多孔質フィルムは、疎水性と機械強度の両方に優れるため、層間絶縁膜、分子記録媒体、透明導電性フィルム、固体電解質、光導波路、LCD用カラー部材などの光機能材料、電子機能材料として用いることができる。特に、半導体用材料としての層間絶縁膜には、強度、耐熱性、低誘電率が求められており、このような疎水性と機械強度に優れる多孔質フィルムが好ましく適用される。
一方、細孔内に狭部を有する多孔質フィルムにおいても、上述の改質方法と同様な方法により多孔質フィルムが改質される。改質後の多孔質フィルムは、疎水性が向上すると共に、半導体材料に使用する場合、バリアメタルの拡散を防止して、誘電率の低下を防止することができる。
このような効果が得られる機構は明らかではないが、シロキサン類が細孔内部のシリカ表面で重合することによって、表面が疎水性官能基を持つシロキサンの薄膜で被膜され、特に上記範囲の幅で離間した狭部の少なくとも一部がシロキサンによって閉塞されるためと推定される。
本発明の細孔狭部の少なくとも一部が閉塞された多孔質フィルムにおいて、細孔狭部が閉塞されたこと、および疎水性の向上は、比誘電率測定とフィルム断面のTEM観察をすることで確認される。比誘電率の測定は、上記の方法により行うことができる。
また、窒化チタン(TiN)や窒化タンタル(TaN)などからなるバリア膜を気相成長法(CVD;Chemical Vapor Deposition)またはスパッタリング法により多孔質フィルム表面に形成した後、フィルム断面のTEM観察をすることにより、金属の拡散を確認できる。
本発明の細孔狭部の少なくとも一部が閉塞された多孔質フィルムは、バリアメタル拡散防止と疎水性のいずれにも優れるため、層間絶縁膜、配線間絶縁膜、バリア膜などの半導体材料;分子記録媒体、透明導電性フィルム、固体電解質、光導波路、LCD用カラー部材などの光機能材料;電子機能材料などに用いることができる。特に、半導体材料の層間絶縁膜や配線間絶縁膜には、バリアメタルの侵入防止と疎水性が求められており、このようなバリアメタルの侵入が防止され、疎水性に優れる細孔狭部の少なくとも一部が閉塞された多孔質フィルムが好ましく用いられる。
次に、本発明の改質された多孔質フィルムを層間絶縁膜として用いた半導体装置の例について具体的に説明する。
まず、上述のようにして、シリコンウエハー表面上に、多孔質フィルムを形成し、該多孔質フィルムを有機ケイ素化合物と反応させ改質する。次いで、該改質された多孔質フィルムをフォトレジストのパターン通りにエッチングする。多孔質フィルムをエッチングした後に、気相成長法により多孔質フィルム表面及びエッチングされた部分に窒化チタン(TiN)や窒化タンタル(TaN)などからなるバリア膜を形成する。
その後、メタルCVD法、スパッタリング法あるいは電解メッキ法により銅膜を形成し、さらにCMP(Chemical Mechanical Polishing)により不要の銅膜を除去して回路配
線を作成する。次いで、キャップ膜(例えば炭化ケイ素からなる膜)を表面に作成する。さらに必要であれば、ハードマスク(例えば窒化ケイ素からなる膜)を形成し、上記の工程を繰り返すことで多層化して、本発明に係る半導体装置を製造することができる。
[実施例]
以下、実施例に基づいて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
なお実施例、比較例で用いた原料は、以下のものを用いた。
<テトラエトキシシラン>
株式会社高純度化学研究所製ELグレード:Si(OC2H5)4
<エタノール>
和光純薬工業株式会社 電子工業用
<塩酸>
和光純薬工業株式会社 超微量分析用
<ポリ(アルキレンオキサイド)ブロックコポリマー>
HO(CH2CH2O)20(CH2CH(CH3)O)70(CH2CH2O)20H(BASF社製PluronicP123)を70g量りとり、上記電子工業用エタノール700gに溶解させる。これを、日本錬水製イオン交換樹脂SK1BHを用いてイオン交換し、エタノールを蒸留により除去することで脱金属処理し、使用した。HO(CH2CH2O)106(CH2CH(CH3)O)70(CH2CH2O)106H(BASF社製Pluronic F127)、HO(CH2CH2O)39(C24CH(CH3)O)47(CH2CH2O)39H(三井武田ケミカル(株)製)も同様に脱
金属処理して使用した。
<水>
Milipore社製 純水製造装置にて脱金属処理した水を使用した。
<N、N−ジメチルアセトアミド>
関東化学株式会社製 電子工業用
[実施例1]
(塗布液の調製)
テトラエトキシシラン[(株)高純度化学研究所製 TEOS:Si(OC254]10.0gとエタノール[和光純薬工業(株)製:C25OH]10mLとを室温下で混合した後、1N塩酸[和光純薬工業(株)製:HCl]1.0mLを添加攪拌し、次いでエタノール[和光純薬工業(株)製:C25OH]40mLを添加して攪拌して、均一に混合した。この溶液に水8mLを添加、攪拌して透明で均一な塗布液を得た。
(成膜)
調製した塗布液を、それぞれ8inchシリコンウエハー表面上に数ml載せ、2000rpmで10秒間回転させて、シリコンウエハー表面に塗布した後、100℃で1時間乾燥し、さらに400℃で3時間焼成して、多孔質フィルムを調製した。
(多孔質フィルムの改質)
上記の多孔質フィルムを石英製反応管に詰め、N2ガス500mL/min流通下、4
00℃で30分間放置(乾燥)した。その後、N2ガスを1,3,5,7-テトラメチルシク
ロテトラシロキサン(アヅマックス(株)製)を入れた25℃の蒸発器内に通し、反応管内にN2ガスとともに1,3,5,7-テトラメチルシクロテトラシロキサンを導入し、400
℃で反応させた。1時間後、1,3,5,7-テトラメチルシクロテトラシロキサンの導入を止めて、N2ガス500mL/min流通下反応管を30℃まで冷却し、改質された多孔
質フィルムを得た。多孔質フィルムの平均細孔径は1.5nmであった。平均細孔径は、3検体全自動ガス吸着量測定装置 オートソーブ-3B型(カンタクローム社製)を使用
し、液体窒素温度下77Kにおける窒素吸着法で実施した。
(誘電率と弾性率の測定)
比誘電率の測定は、基板上の多孔質フィルム表面と基板に用いたシリコンウエハーの裏面とに、蒸着法によりアルミニウム電極を作成して金属−絶縁膜−シリコン構造とし、25℃、相対湿度50%の雰囲気下、周波数100kHz、−40V〜40Vの範囲で測定した電気容量と、ディックタック膜厚計により測定した膜厚から求めた。
多孔質フィルムの弾性率は、ナノインデンタ測定によりフィルムの弾性率を測定することで確認した。ナノインデンタ測定は、Hysitron製Triboscope systemを用いて測定した。
改質処理前後の多孔質フィルムにおける、比誘電率と弾性率の測定結果を表1に示す。
[実施例2]
テトラエトキシシラン[(株)高純度化学研究所製 TEOS:Si(OC254]10.0gとエタノール[和光純薬工業(株)製:C25OH]10mLとを室温で混合した後、1N塩酸[和光純薬工業(株)製:HCl]1.0mLを添加攪拌し、次いでこの溶液にポリ(アルキレンオキサイド)ブロックコポリマー[BASF社製Pluronic
P123、HO(CH2CH2O)20(CH2CH(CH3)O)70(CH2CH2O)20H]2.8
gをエタノール[和光純薬工業(株)製:C25OH]40mLに溶解した溶液を添加攪拌し、均一に混合した。さらに、この溶液に水8mLを添加、攪拌して透明で均一な塗布液を得た。
実施例1と同様にして多孔質フィルムを調製した。得られた多孔質フィルムは、X線回
折測定により、面間隔7.0nmの周期的な2D−ヘキサゴナル構造を保持していた。また、多孔質フィルムの平均細孔径は5.8nmであった。さらに、実施例1と同様にして
多孔質フィルムを改質した。改質処理前後の多孔質フィルムにおける、比誘電率と弾性率の測定結果を表1に示す。
[実施例3]
テトラエトキシシラン[(株)高純度化学研究所製 TEOS:Si(OC254]10.0gと、エタノール[和光純薬工業(株)製:C25OH]10mlとを室温で混合した後、1N塩酸1.0mlを添加攪拌して(A)成分溶液を得た。また、トリデカフル
オロ−1,1,2,2−テトラヒドロオクチル−1−トリエトキシシラン[東京化成工業(株)製:CF3(CF25CH2CH2Si(OC253]0.13gと、2−(メトキシ(ポリエチレンオキシ)プロピル)トリメチルシラン[アヅマックス(株)製:CH3O(CH2CH2O)6-9(CH23Si(OCH33]0.14gと、エタノール10mlとを混合撹拌した後、1N塩酸0.0035mlを添加撹拌して(B)成分溶液を得た。また
さらに、ポリ(アルキレンオキサイド)ブロックコポリマー(三井武田ケミカル(株)製:HO(CH2CH2O)39(C24CH(CH3)O)47(CH2CH2O)39H)2.9gをエタ
ノール30mlに溶解し、(C)成分溶液を得た。この(C)成分溶液に、(B)成分溶液を添加撹拌した。次いで、この(C)成分溶液と(B)成分溶液との混合液を、(A)成分溶液に添加撹拌し、均一に混合した。この溶液に水8mLを添加、攪拌して透明で均一な塗布液を得た。
実施例1と同様にして多孔質フィルムを調製した。得られた多孔質フィルムは、X線回
折により3D−キュービックであることが確認された。また、多孔質フィルムの平均細孔径は5.3nmであった。さらに、実施例1と同様にして多孔質フィルムを改質した。改
質処理前後の多孔質フィルムにおける、比誘電率と弾性率の測定結果を表1に示す。
[実施例4]
テトラエトキシシラン10.0gを激しく攪拌させながら、そこに水15gに溶解したテトラプロピルアンモミウムヒドロキサイド2.7gを滴下後、そのまま室温下で攪拌しながら30℃で3日間、熟成した。得られた透明で均一な溶液をテフロン(R)コートしたオートクレーブに入れ、攪拌しながら80℃で3日間、加熱した。その結果、微結晶が得られた。得られた微結晶は遠心分離機により回収され、pH<8になるまでイオン交換水での洗浄、遠心分離を繰り返した。次いで、ポリ(アルキレンオキサイド)ブロックコポリマー[BASF社製Pluronic P123:HO(CH2CH2O)20(CH2CH(CH3)O)70(CH2CH2O)20H]2.8gをエタノール[和光純薬工業(株)製:C25
OH]40mLに溶解して得られた溶液を添加して、ゼオライトの微結晶を含有する塗布液を得た。
実施例1と同様にして多孔質フィルムを調製した。得られた多孔質フィルムは、X線回
折によりゼオライト構造であることが確認された。また、多孔質フィルムはゼオライト由来の細孔のほかに、7.1nmにピークを持つ細孔を有していた。さらに、実施例1と同
様にして多孔質フィルムを改質した。改質処理前後の多孔質フィルムにおける、比誘電率と弾性率の測定結果を表1に示す。
[実施例5]
テトラエトキシシラン10.0gと、エタノール[和光純薬工業(株)製:C25OH]10mlとを混合した後、1N塩酸1.0mlを添加撹拌して(A)成分溶液を得た。
また、トリデカフルオロ−1、1、2、2−テトラヒドロオクチル−1−トリエトキシシラン[東京化成工業(株)製:CF3(CF25CH2CH2Si(OC253]0.13gと、2−(メトキシ(ポリエチレンオキシ)プロピル)トリメチルシラン[アヅマック
ス(株)製:CH3O(CH2CH2O)6-9(CH23Si(OCH33]0.14gとメ
チルトリエトキシシラン[東京化成工業(株)製:CH3Si(OC253] 0.06
1g、エタノール[和光純薬工業(株)製:C25OH]10mlとを混合撹拌した後、1N塩酸0.0035mlを添加撹拌して(B)成分溶液を得た。またさらに、ポリ(アル
キレンオキサイド)ブロックコポリマー[BASF社製PluronicP123:HO(CH2CH2O)20(CH2CH(CH3)O)70(CH2CH2O)20H]2.8gをエタノール30mlに溶解し、(C)成分溶液を得た。この(C)成分溶液に、(B)成分溶液を添加撹拌した。次いで、この(C)成分溶液と(B)成分溶液との混合液を、(A)成分溶液に添加し撹拌し、均一に混合した。この溶液に水8mLを添加、攪拌して透明で均一な塗布液を得た。
実施例1と同様にして多孔質フィルムを調製した。得られた多孔質フィルムは、X線回
折測定により、2D−ヘキサゴナル構造を保持していた。また、多孔質フィルムの平均細孔径は5.5nmであった。さらに、実施例1と同様にして多孔質フィルムを改質した。
改質処理前後の多孔質フィルムにおける、比誘電率と弾性率の測定結果を表1に示す。
[実施例6]
テトラエトキシシラン10.0gと、エタノール[和光純薬工業(株)製:C25OH]10mlとを混合した後、1N塩酸1.0mlを添加撹拌して(A)成分溶液を得た。
また、トリデカフルオロ−1、1、2、2−テトラヒドロオクチル−1−トリエトキシシラン[東京化成工業(株)製:CF3(CF25CH2CH2Si(OC253]0.60gと、2−(メトキシ(ポリエチレンオキシ)プロピル)トリメチルシラン[アヅマック
ス(株)製:CH3O(CH2CH2O)6-9(CH23Si(OCH33]0.63gと、
メチルトリエトキシシラン[東京化成工業(株)製:CH3Si(OC253] 0.1
4gと、エタノール[和光純薬工業(株)製:C25OH]10mlとを混合撹拌した後、1N塩酸0.046mlを添加撹拌して(B)成分溶液を得た。またさらに、ポリ(アル
キレンオキサイド)ブロックコポリマー[BASF社製PluronicP123:HO(CH2CH2O)20(CH2CH(CH3)O)70(CH2CH2O)20H]2.8gをエタノール30mlに溶解し、(C)成分溶液を得た。この(C)成分溶液に、(B)成分溶液を添加撹拌した。次いで、この(C)成分溶液と(B)成分溶液との混合液を、(A)成分溶液に添加し撹拌し、均一に混合した。この溶液に水8mLを添加、攪拌して透明で均一な塗布液を得た。
実施例1と同様にして多孔質フィルムを調製した。得られた多孔質フィルムは、X線回
折測定により、2D−ヘキサゴナル構造を保持していた。また、多孔質フィルムの平均細孔径は5.2nmであった。さらに、実施例1と同様にして多孔質フィルムを改質した。改質処理前後の多孔質フィルムにおける、比誘電率と弾性率の測定結果を表1に示す。
[実施例7]
テトラエトキシシラン10.0gと、エタノール[和光純薬工業(株)製:C25OH]10mlとを混合した後、1N塩酸1.0mlを添加撹拌して(A)成分溶液を得た。
また、トリデカフルオロ−1、1、2、2−テトラヒドロオクチル−1−トリエトキシシラン[東京化成工業(株)製:CF3(CF25CH2CH2Si(OC253]0.13gと、2−(メトキシ(ポリエチレンオキシ)プロピル)トリメチルシラン[アヅマック
ス(株)製:CH3O(CH2CH2O)6-9(CH23Si(OCH33]0.14gと、
エタノール10mlとを混合撹拌した後、1N塩酸0.0014mlを添加撹拌して(B)
成分溶液を得た。またさらに、ポリ(アルキレンオキサイド)ブロックコポリマー[BASF社製PluronicP123:HO(CH2CH2O)20(CH2CH(CH3)O)70(C
2CH2O)20H]2.8gをエタノール[和光純薬工業(株)製:C25OH]30m
lに溶解し、(C)成分溶液を得た。この(C)成分溶液に、(B)成分溶液を添加撹拌した。次いで、この(C)成分溶液と(B)成分溶液との混合液を、(A)成分溶液に添加し撹拌し、均一に混合した。この溶液に水8mLを添加、攪拌して透明で均一な塗布液を得
た。
実施例1と同様にして多孔質フィルムを調製した。得られた多孔質フィルムは、X線回
折測定により、2D−ヘキサゴナル構造を保持していた。また、多孔質フィルムの平均細孔径は5.5nmであった。さらに、実施例1と同様にして多孔質フィルムを改質した。
改質処理前後の多孔質フィルムにおける、比誘電率と弾性率の測定結果を表1に示す。
[実施例8]
テトラエトキシシラン10.0gと、エタノール[和光純薬工業(株)製:C25OH]10mlとを混合した後、1N塩酸1.0mlを添加撹拌して(A)成分溶液を得た。
また、トリデカフルオロ−1、1、2、2−テトラヒドロオクチル−1−トリエトキシシラン[東京化成工業(株)製:CF3(CF25CH2CH2Si(OC253]0.20gと、2−(メトキシ(ポリエチレンオキシ)プロピル)トリメチルシラン[アヅマック
ス(株)製:CH3O(CH2CH2O)6-9(CH23Si(OCH33]0.21gと、
エタノール[和光純薬工業(株)製:C25OH]10mlとを混合撹拌した後、1N塩
酸0.021mlを添加撹拌して(B)成分溶液を得た。またさらに、ポリ(アルキレンオキサイド)ブロックコポリマー[BASF社製PluronicP123:HO(CH2CH2O)20(CH2CH(CH3)O)70(CH2CH2O)20H]2.8gをエタノール30mlに溶解し、(C)成分溶液を得た。この(C)成分溶液に、(B)成分溶液を添加撹拌した。次いで、この(C)成分溶液と(B)成分溶液との混合液を、(A)成分溶液に添加し撹拌し、均一に混合した。この溶液に水8mLを添加、攪拌して透明で均一な塗布液を得た。
実施例1と同様にして多孔質フィルムを調製した。得られた多孔質フィルムは、X線回
折測定により、2D−ヘキサゴナル構造を保持していた。また、多孔質フィルムの平均細孔径は5.4nmであった。さらに、実施例1と同様にして多孔質フィルムを改質した。
改質処理前後の多孔質フィルムにおける、比誘電率と弾性率の測定結果を表1に示す。
[実施例9]
テトラエトキシシラン10.0gと、エタノール[和光純薬工業(株)製:C25OH]10mlとを混合した後、1N塩酸1.0mlを添加撹拌して(A)成分溶液を得た。
また、トリデカフルオロ−1、1、2、2−テトラヒドロオクチル−1−トリエトキシシラン[東京化成工業(株)製:CF3(CF25CH2CH2Si(OC253]0.07gと、2−(メトキシ(ポリエチレンオキシ)プロピル)トリメチルシラン[アヅマック
ス(株)製:CH3O(CH2CH2O)6-9(CH23Si(OCH33]0.07gと、
エタノール[和光純薬工業(株)製:C25OH]10mlとを混合撹拌した後、1N塩
酸0.007mlを添加撹拌して(B)成分溶液を得た。またさらに、ポリ(アルキレンオキサイド)ブロックコポリマー[BASF社製PluronicP123:HO(CH2CH2O)20(CH2CH(CH3)O)70(CH2CH2O)20H]2.8gをエタノール[和光純薬工業(株)製:C25OH]30mlに溶解し、(C)成分溶液を得た。この(C)成分溶液に、(B)成分溶液を添加撹拌した。次いで、この(C)成分溶液と(B)成分溶液との混合液を、(A)成分溶液に添加し撹拌し、均一に混合した。この溶液に水8mLを添加、攪拌して透明で均一な塗布液を得た。
実施例1と同様にして多孔質フィルムを調製した。得られた多孔質フィルムは、X線回
折測定により、2D−ヘキサゴナル構造を保持していた。また、多孔質フィルムの平均細孔径は5.5nmであった。さらに、実施例1と同様にして多孔質フィルムを改質した。
改質処理前後の多孔質フィルムにおける、比誘電率と弾性率の測定結果を表1に示す。
[実施例10]
テトラエトキシシラン8.1g、メチルトリエトキシシラン1.5gと、エタノール8
mlとを混合後、1N塩酸1.0mlを添加撹拌して(A)成分溶液を得た。また、ポリ
(アルキレンオキサイド)ブロックコポリマー[BASF社製PluronicP123:HO(CH2CH2O)20(CH2CH(CH3)O)70(CH2CH2O)20H]2.8gをエタノール[和光純薬工業(株)製:C25OH]32mlに溶解し、(B)成分溶液を得た。この(B)成分溶液を、(A)成分溶液に添加し攪拌した。この溶液に、水8gを添加撹拌して、透明、均一な塗布液を得た。
実施例1と同様にして多孔質フィルムを調製した。得られた多孔質フィルムは、X線回
折測定により、2D−ヘキサゴナル構造を保持していた。また、多孔質フィルムの平均細孔径は4.9nmであった。さらに、実施例1と同様にして多孔質フィルムを改質した。
改質処理前後の多孔質フィルムにおける、比誘電率と弾性率の測定結果を表1に示す。
[実施例11]
テトラエトキシシラン5.1g、メチルトリエトキシシラン3.6gと、エタノール[和光純薬工業(株)製:C25OH]8mlとを混合後、1N塩酸1.0mlを添加撹拌
して(A)成分溶液を得た。また、ポリ(アルキレンオキサイド)ブロックコポリマー[BASF社製PluronicP123:HO(CH2CH2O)20(CH2CH(CH3)O)70(CH2CH2O)20H]2.8gをエタノール[和光純薬工業(株)製:C25OH]32mlに溶解し、(B)成分溶液を得た。この(B)成分溶液を、(A)成分溶液に添加し攪拌した。この溶液に、水8gを添加撹拌して、透明、均一な塗布液を得た。
実施例1と同様にして多孔質フィルムを調製した。得られた多孔質フィルムは、X線回
折測定により、2D−ヘキサゴナル構造を保持していた。また、多孔質フィルムの平均細孔径は4.9nmであった。さらに、実施例1と同様にして多孔質フィルムを改質した。
改質処理前後の多孔質フィルムにおける、比誘電率と弾性率の測定結果を表1に示す。
[実施例12]
テトラエトキシシラン8.1g、ジメチルジエトキシシラン1.4gと、エタノール[和光純薬工業(株)製:C25OH]8mlとを混合した後、1N塩酸1.0mlを添加
撹拌して(A)成分溶液を得た。また、ポリ(アルキレンオキサイド)ブロックコポリマー[BASF社製PluronicP123:HO(CH2CH2O)20(CH2CH(CH3)
O)70(CH2CH2O)20H]2.8gをエタノール[和光純薬工業(株)製:C25OH
]32mlに溶解し、(B)成分溶液を得た。この(B)成分溶液を、(A)成分溶液に添加し攪拌した。この溶液に、水8gを添加撹拌して、透明、均一な塗布液を得た。
実施例1と同様にして多孔質フィルムを調製した。得られた多孔質フィルムは、X線回
折測定により、2D−ヘキサゴナル構造を保持していた。また、多孔質フィルムの平均細孔径は5.0nmであった。さらに、実施例1と同様にして多孔質フィルムを改質した。
改質処理前後の多孔質フィルムにおける、比誘電率と弾性率の測定結果を表1に示す。
[実施例13]
テトラエトキシシラン5.0g、ジメチルジエトキシシラン3.6gと、エタノール[和光純薬工業(株)製:C25OH]8mlとを混合した後、1N塩酸1.0mlを添加
撹拌して(A)成分溶液を得た。この(A)成分溶液に、ポリ(アルキレンオキサイド)ブロックコポリマー[BASF社製PluronicP123:HO(CH2CH2O)20(
CH2CH(CH3)O)70(CH2CH2O)20H]2.8gをエタノール[和光純薬工業(株
)製:C25OH]32mlに溶解し、(B)成分溶液を得た。この(B)成分溶液に、水8gを添加撹拌して、透明、均一な塗布液を得た。
実施例1と同様にして多孔質フィルムを調製した。得られた多孔質フィルムは、X線回
折測定により、明確な規則性は認められなかった。また、多孔質フィルムの平均細孔径は4.9nmであった。さらに、実施例1と同様にして多孔質フィルムを改質した。改質処
理前後の多孔質フィルムにおける、比誘電率と弾性率の測定結果を表1に示す。
Figure 2004292304
[実施例14]
導入ガスを25℃の水の蒸発器に通すことによって、導入ガス中に水蒸気を混合させた以外は、実施例2と同様にして多孔質フィルムを改質した。改質処理前後の多孔質フィルムにおける、比誘電率と弾性率の測定結果を表2に示す。
[実施例15]
400℃の改質処理温度を250℃とした以外は、実施例2と同様にして多孔質フィルムを改質した。改質処理前後の多孔質フィルムにおける、比誘電率と弾性率の測定結果を表2に示す。
[実施例16]
30分間の改質処理時間を5分とした以外は、実施例2と同様にして多孔質フィルムを改質した。改質処理前後の多孔質フィルムにおける、比誘電率と弾性率の測定結果を表2に示す。
[実施例17]
改質処理剤を1,3,5,7-テトラメチルシクロテトラシロキサンから1,1,3,3,5,
5−ヘキサメチルトリシロキサン(アヅマックス(株)製)に変更した以外は、実施例2と同様にして多孔質フィルムを改質した。改質処理前後の多孔質フィルムにおける、比誘電率と弾性率の測定結果を表2に示す。
[実施例18]
反応管内に500mL/minでN2ガスとともに1,3,5,7-テトラメチルシクロテ
トラシロキサンを導入する流通式から、1,3,5,7-テトラメチルシクロテトラシロキサンを系内に2.5vol%封入するバッチ式に変更した以外は、実施例2と同様にして多孔質フィルムを改質した。改質処理前後の多孔質フィルムにおける、比誘電率と弾性率の測定結果を表2に示す。
[実施例19]
改質処理剤を1,3,5,7-テトラメチルシクロテトラシロキサンから1,2,3,4,5,6−ヘキサメチルシクロトリシラザン(アヅマックス(株)製)に変更した以外は、実施例2と同様にして多孔質フィルムを改質した。改質処理前後の多孔質フィルムにおける、比誘電率と弾性率の測定結果を表2に示す。
Figure 2004292304
[実施例20]
テトラエトキシシラン10.0gとエタノール[和光純薬工業(株)製:C25OH]10mLとを室温下混合撹拌した後、1N塩酸1.0mLおよび水10.0mLを添加撹拌し、エタノール[和光純薬工業(株)製:C25OH]60mLに溶解したポリ(アル
キレンオキサイド)ブロックコポリマー[BASF社製PluronicF127:HO(CH2CH2O)106(CH2CH(CH3)O)70(CH2CH2O)106H]6.5gを添加撹拌撹
拌して透明、均一な塗布液を得た。
実施例1と同様にして多孔質フィルムを調製し、改質した。
改質前の多孔質フィルムは、X線回折測定により、面間隔83nmの周期的なキュービック構造を保持していた。このフィルムの比誘電率は、k=5.6であった。さらに、超高分解能分析電子顕微鏡(HREM)(型式JEM−3010、JEOL社製)を用い、電子回折点をフーリエ変換することにより求められる電子密度分布から細孔径を求めた(電子線構造解析法)結果、細孔内に細孔径が約15Åの狭部を有していた。多孔質フィルムの平均細孔径は7.0nmであった。
この多孔質フィルムを実施例1と同様に改質した。改質後の多孔質フィルムの比誘電率
は、k=2.1であった。また、改質された多孔質フィルムを真空チャンバーに入れ、10%ペンタキス(エチルメチルアミド)タンタル含有イソプロピルアルコール蒸気とNH3ガスとをチャンバー内に導入し、反応圧力5Torr、反応温度400℃でTaNを多
孔質フィルム上に成膜した。TaN成膜後の多孔質フィルムの断面TEM観察したところ、細孔内にTaNの拡散は確認されなかった。
[実施例21]
テトラエトキシシラン10.4gとエタノール[和光純薬工業(株)製:C25OH]10mLとを室温下混合撹拌した後、1N塩酸1.0mLおよび水10.0mLを添加撹拌した。撹拌後、ポリ(アルキレンオキサイド)ブロックコポリマー[BASF社製PluronicP123:HO(CH2CH2O)20(CH2CH(CH3)O)70(CH2CH2O)20H]2.8gと、ポリジメチルシロキサンとポリエチレンオキシドとポリプロピレンオキシドのブロックコポリマー[アヅマックス(株)製DBP−732(ポリ(アルキレンオキ
サイド)ブロックコポリマーと同様に脱金属処理したもの)]1.5gとをエタノール60mLに溶解して得られた混合溶液を添加撹拌して、透明、均一な塗布液を得た。
実施例1と同様にして多孔質フィルムを調製し、改質した。
改質前の多孔質フィルムは、X線回折測定により、面間隔7.0nmの周期的な2D−ヘキサゴナル構造を保持していた。このフィルムの比誘電率は、k=4.8であった。さらに、断面TEM観察から、細孔内に細孔径が約10Åの狭部を有していた。多孔質フィルムの平均細孔径は5.9nmであった。
この多孔質フィルムを実施例1と同様に改質した。改質後のフィルムの比誘電率は、k
=2.3であった。また、改質された多孔質フィルムを真空チャンバーに入れ、10%ペンタキス(エチルメチルアミド)タンタル含有イソプロピルアルコール蒸気とNH3ガス
をチャンバー内に導入し、反応圧力5Torr、反応温度400℃でTaNを多孔質フィルム上に成膜した。TaN成膜後の多孔質フィルムの断面TEM観察より細孔内にTaNの拡散は確認されなかった。
[比較例1]
1,3,5,7-テトラメチルシクロテトラシロキサンをヘキサメチルジシラザンに変更した以外は、実施例2と同様にして多孔質フィルムを改質した。改質処理前後の多孔質フィルムにおける、比誘電率と弾性率の測定結果を表3に示す。
[比較例2]
1,3,5,7-テトラメチルシクロテトラシロキサンをトリメチルシリルクロライドに変更した以外は、実施例2と同様にして多孔質フィルムを改質した。改質処理前後の多孔質フィルムにおける、比誘電率と弾性率の測定結果を表3に示す。
Figure 2004292304
本発明により、光機能材料や電子機能材料に用いることのできる疎水性と機械強度に優れる改質された多孔質フィルム、または疎水性に優れ、半導体材料に使用する場合においてバリアメタルの拡散が防止される改質された多孔質フィルムは、半導体用材料としての層間絶縁膜に好適に用いることができる。

Claims (16)

  1. Si−O結合を主として有する多孔質フィルムと有機ケイ素化合物とを、金属触媒を用いないで加熱下に接触させる多孔質フィルムの改質方法であって、
    前記有機ケイ素化合物として、
    Si−A結合単位(AはH、OH、OCe2e+1(eは1〜6の整数)、またはハロゲ
    ン原子を示し、同一分子内の複数のAは同じでも異なっていてもよい。)を2つ以上有し、さらに
    Si−X−Si結合単位(Xは、O,NR,Cf2f(fは1または2)またはC64
    を示し、RはCg2g+1(gは1〜6の整数)またはC65を示す。)を1つ以上有する
    有機ケイ素化合物を用いることを特徴とする多孔質フィルムの改質方法。
  2. 細孔内に狭部を有する前記多孔質フィルムと前記有機ケイ素化合物とを、金属触媒を用いないで加熱下に接触させ、該狭部の少なくとも一部を閉塞することを特徴とする請求項1に記載の多孔質フィルムの改質方法。
  3. 前記多孔質フィルムと前記有機ケイ素化合物とを、H2Oの存在下で接触させることを
    特徴とする請求項1または2に記載の多孔質フィルムの改質方法。
  4. 上記加熱温度が、100〜600℃であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の多孔質フィルムの改質方法。
  5. 前記多孔質フィルムの平均細孔径が、0.5nm〜10nmの範囲にあることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の多孔質フィルムの改質方法。
  6. 前記多孔質フィルムの細孔構造が、周期的な細孔構造であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の多孔質フィルムの改質方法。
  7. 前記多孔質フィルムの結晶構造が、ゼオライト構造であることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の多孔質フィルムの改質方法。
  8. 前記多孔質フィルムが、X線回折法により測定された回折ピークのうち相対強度が最大である回折ピークを、面間隔1.3nm〜13nmの範囲で有することを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の多孔質フィルムの改質方法。
  9. 前記有機ケイ素化合物が、環状シロキサン類であることを特徴とする請求項1に記載の多孔質フィルムの改質方法。
  10. 前記環状シロキサン類が、
    一般式(I):
    Figure 2004292304
    (式中、R3、R4、R5、R6、R7、R8は、互いに同一でも異なっていてもよく、それぞれH、OH、C65、Ca2a+1、CF3(CF2)b(CH2)c、Cd2d-1、OCe2e+1、又はハロゲン原子を示し、aは1〜3の整数、bは0〜10の整数、cは0〜4の整数、dは2〜4の整数、eは1〜6の整数であり、
    Lは0〜8の整数、mは0〜8の整数、nは0〜8の整数、かつ3≦L+m+n≦8であり、
    式中にSi−A結合単位(AはH、OH、OCe2e+1(eは1〜6の整数)、又はハ
    ロゲン原子を示し、同一分子内の複数のAは同じでも異なっていてもよい。)が少なくとも2つ以上含まれる。)
    で表される環状シロキサン化合物の少なくとも1種であることを特徴とする請求項9に記載の多孔質フィルムの改質方法。
  11. 前記有機ケイ素化合物が、
    一般式(II): YSiR1011ZSiR1213
    (式中、R10、R11、R12、R13は、互いに同一でも異なっていてもよく、それぞれH、C65、Ca2a+1、CF3(CF2)b(CH2)c、OCe2e+1、又はハロゲン原子を示し、
    aは1〜3の整数、bは0〜10の整数、cは0〜4の整数、eは1〜6の整数であり、
    Zは、O、(CH2)d、C64、(OSiRab)nO、OSiRcdQSiRefO、ま
    たはNRgであり、Ra、Rb、Rc、Rd、Re、Rfは、互いに同一でも異なっていてもよ
    く、それぞれH、OH、C65、Ca2a+1、CF3(CF2)b(CH2)c、ハロゲン原子、またはOSiRhijを示し、aは1〜3の整数、bは0〜10の整数、cは0〜4の整
    数であり、dは1〜2の整数、nは1〜10の整数であり、Qは(CH2)m又はC64を示し、mは1〜6の整数であり、Rh、Ri、Rjは、互いに同一でも異なっていてもよく、
    それぞれHまたはCH3であり、Rgは、(CH2)p又はC64を示し、pは1〜6の整数であり、
    2つのYは、同一でも異なっていてもよく、H、OH、C65、Ca2a+1、CF3(C
    2)b(CH2)c、OCe2e+1、又はハロゲン原子を示し、aは1〜3の整数、bは0〜10の整数、cは0〜4の整数、eは1〜6の整数であり、
    式中に現れるRa又はRb、Rc又はRd、Re又はRf、2つのYのうち少なくともいずれか2つ以上はH、OH、OCe2e+1(eは1〜6の整数)、又はハロゲン原子である。

    で表される有機ケイ素化合物の少なくとも1種であることを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の多孔質フィルムの改質方法。
  12. 前記有機ケイ素化合物が、
    一般式(III):
    Figure 2004292304
    (式中、R15、R16、R18、R19、R21、R22は、互いに同一でも異なっていてもよく、それぞれH、OH、C65、Ca2a+1、CF3(CF2)b(CH2)c、OCe2e+1、または
    ハロゲン原子を示し、R17、R20、R23は、互いに同一でも異なっていてもよく、それぞれC65、またはCa2a+1を示し、aは1〜2の整数、bは0〜10の整数、cは0〜
    4の整数、eは1〜6の整数であり、
    Lは0〜8の整数、mは0〜8の整数、nは0〜8の整数、かつ3≦L+m+n≦8であり、
    式中にSi−A結合単位(AはH、OH、OCe2e+1(eは1〜6の整数)、又はハ
    ロゲン原子を示し、同一分子内の複数のAは同じでも異なっていてもよい。)が少なくとも2つ以上含まれる。)
    で表される環状シラザン化合物の少なくとも1種であることを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の多孔質フィルムの改質方法。
  13. 請求項1〜12のいずれかに記載の改質方法により得られた改質された多孔質フィルム。
  14. 請求項13に記載の改質された多孔質フィルムからなることを特徴とする半導体用材料。
  15. 層間絶縁膜であることを特徴とする請求項14に記載の半導体用材料。
  16. 請求項14または15に記載の半導体用材料が用いられてなることを特徴とする半導体装置。
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