JP4422643B2 - 多孔質フィルムの製造方法ならびに層間絶縁膜、半導体材料および半導体装置 - Google Patents

多孔質フィルムの製造方法ならびに層間絶縁膜、半導体材料および半導体装置 Download PDF

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Description

本発明は、多孔質フィルムの製造方法ならびに層間絶縁膜、半導体材料および半導体装置に関する。
従来、Si−O結合を含む多孔質フィルムの材料としては、ゼオライト、シリカゲルなどが知られている。ゼオライトは均一な細孔を持つシリカ結晶であるが、細孔径としては13Åを超えるものがない。また、シリカゲルは2〜50nmのメソ領域の細孔を有するが、細孔分布は均一ではない。したがって、これらの材料は、限られた用途にしか使用できない。
これに対し、均一なメソ細孔を持つ多孔質の無機酸化物は、メソ領域の均一な細孔を有し、また、細孔容積および表面積も大きいため、触媒担体、分離吸着剤、燃料電池、センサーなどへの利用が期待されている。
このような均一なメソ細孔を持つ酸化物の製造法に関しては、新規な形状および/または構造が得られる点で、有機化合物による無機物の構造制御を利用する方法が注目されている。特に、有機化合物と無機化合物の自己組織化(self−assembly)を利用することにより合成される均一なメソ細孔を持つ酸化物は、従来のゼオライトなどの酸化物に比べ、大きな細孔容積および表面積を持つことが知られている。ここで言う均一なメソ細孔を持つ酸化物とは、酸化物中に細孔が規則正しく配置し、周期的な細孔構造を持つため、X線回折法による測定で構造規則性を示す回折ピークの存在が認められるものを指す。
一方、最近、このような多孔質の無機酸化物をフィルム化して光機能材料、電子機能材料などに用いるに際し、フィルムの吸湿性と機械強度との両立の必要性が問題となっている。たとえば、多孔質シリカフィルムは比誘電率が1である空孔の割合が高く、非常に低い比誘電率を有する膜であるため、電子機能材料特にその中でも半導体層間絶縁膜の材料として有望である。ところが、多孔質であるが故に、機械強度が著しく低い。また吸湿性が高く、誘電率の大きい水を容易に吸着して比誘電率が上昇するという欠点がある。
これに対して、多孔質シリカフィルムに環状シロキサン化合物を接触させることで、吸湿性を低下させ、かつ機械的強度を向上させる方法が報告されている(たとえば、特許文献1参照)。この方法は、細孔内部表面を環状シロキサン化合物の重合物で被覆するものであるが、反応条件によっては細孔内部に重合物が充填されて空孔率が低下し、必要な比誘電率が得られない問題がある。
以上のように、従来の多孔質フィルムの製造方法では、高い疎水性と高い膜強度とを併せ持つ多孔質フィルムを得ることができない。
国際公開第2004/026765号明細書
本発明の目的は、光機能材料、電子機能材料などとして非常に好適に使用できる疎水性および機械的強度に優れる多孔質フィルムを得るための多孔質フィルムの製造方法、ならびに該製造方法により得られる多孔質フィルムを含む層間絶縁膜、半導体材料および半導体装置を提供することである。
本発明者らは、上記課題を解決するため鋭意検討した結果、多孔質フィルムにプラズマ処理工程と有機ケイ素化合物による処理工程とを組み合わせて施すことにより、目的に叶う多孔質フィルムが得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
本発明は、被処理材であるSi−O結合を含む多孔質フィルムを、−50〜450℃の温度下および0.05〜150Paの圧力下に、ハロゲン含有ガスを含まない雰囲気下でAr、Kr、Xe、Ne、He、O、O、H、N、HO、NOおよびNHの1種または2種以上を含むプラズマ雰囲気に曝露するプラズマ処理工程で処理したのち、さらに有機ケイ素化合物を接触させる接触工程で処理するか、または
前記Si−O結合を含む多孔質フィルムを前記接触工程で処理したのち、前記プラズマ処理工程で処理する改質された多孔質フィルムの製造方法であって、
前記被処理材が、Si−O結合を含む平均細孔径0.5〜10nmの多孔質フィルムであることを特徴とする改質された多孔質フィルムの製造方法である。
さらに本発明の改質された多孔質フィルムの製造方法は、接触工程が、プラズマ処理工程の前、プラズマ処理工程の後またはプラズマ処理工程の前後に行うことを特徴とする(以下、改質された多孔質フィルムを、単に多孔質フィルムということがある。)
さらに本発明の多孔質フィルムの製造方法は、接触工程が、100〜450℃の温度下に、多孔質フィルムと、1分子内にSi−X−Si結合(XはO、NR、C2mまたはCを示す。RはC2n+1またはCを示す。mは1または2を示す。nは1〜6の整数を示す)を1つ以上、かつSi−A結合(AはH、OH、ORまたはハ
ロゲン原子を示す。Rは前記に同じ。)を2つ以上有する有機ケイ素化合物(1)とを接触させる工程であり、該工程が、接触後の多孔質フィルムがハロゲン原子を含まないものとなるよう実施されることを特徴とする。
さらに本発明の多孔質フィルムの製造方法は、有機ケイ素化合物(1)が環状シロキサンであることを特徴とする。
また本発明は、前述の製造方法により得られる多孔質フィルムを含むことを特徴とする層間絶縁膜である。
また本発明は、前述の製造方法により得られる多孔質フィルムまたは前述の製造方法により得られる層間絶縁膜を含むことを特徴とする半導体材料である。
また本発明は、前述の半導体材料を含むことを特徴とする半導体装置である。
本発明によれば、吸湿性が低くかつ機械的強度(膜強度)が高い多孔質フィルムが得られる。該多孔質フィルムは、光機能材料、電子機能材料などとして有用であり、層間絶縁膜などの半導体関連の材料として特に有用である。
本発明の製造方法は、(A)Si−O結合を含む平均細孔径0.5〜10nmの多孔質フィルムを被処理材とし、これを−50〜450℃の温度下および0.05〜150Paの圧力下に、ハロゲン含有ガスを含まない雰囲気下でAr、Kr、Xe、Ne、He、O、O、H、N、HO、NOおよびNHの1種または2種以上を含むプラズマ雰囲気に曝露するプラズマ処理工程と、(B)有機ケイ素化合物を接触させる接触工程という2つの改質処理工程を、(A)ついで(B)の順序、または(B)ついで(A)の順序で施すことを特徴とする。
本明細書において、多孔質とは、水分子が外部から自由に浸入でき、かつ、直径(本発明において細孔の直径とは最大内接円の直径を意味する。)が100nmより小さい開孔部を持ち、開孔部からの最大深さが開孔部の直径より大きな細孔を多数有する構造をいう。この細孔には、粒子を圧縮して得られるフィルムなどの場合、粒子間の空隙も含まれる。ここで、開孔部とは、細孔が多孔質体の表面に露出した部分である。
本発明の製造方法において、被処理材として用いられる多孔質フィルムは、主としてSi−O結合を含む多孔質フィルムであって、部分的にSi−H結合、Si−C結合、Si−N結合、Si−F結合などの有機元素が含まれていてもよい。Si−O結合を含むとは、1つのSi原子に少なくとも2つ以上のO原子が結合し、そのO原子を介して他のSi原子が結合されている構造からなることを言い、それ以外は特に限定されない。たとえば、部分的に、Si原子に水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、フェニル基、これらの2種以上を含む官能基などが結合されていても構わない。
多孔質フィルム中のSiとOの割合はXPS(X線光電子分光分析)による元素分析で確認され、0.5≦Si/O(原子比)≦1.0の範囲にあり、Siの重量分率が40重量%以上であることが好ましい。また、Siに結合する官能基はIR(赤外線吸収スペクトル)により確認できる。具体的には、たとえば、シリカ、水素化シルセスキオキサン、メチルシルセスキオキサン、水素化メチルシルセスキオキサン、ジメチルシロキサンなどの1種または2種以上からなるフィルムが挙げられる。
また、多孔質フィルムはメソ孔を有するものであることが好ましい。さらに、平均細孔径は0.5nm〜10nmの範囲にあることが好ましい。この範囲であれば、後述する改質処理により、充分な機械的強度と低誘電率とを両立させて達成できる。フィルムの平均細孔径は、たとえば、3検体全自動ガス吸着量測定装置オートソーブ−3B型(カンタクローム社製)を使用して測定できる。この場合の測定は、液体窒素温度下(77K)における窒素吸着法で実施され、比表面積はBET法、細孔分布はBJH法により求めることができる。
被処理材となる多孔質フィルムは、たとえば、ゾルゲル法、有機化合物の自己組織化作用を利用するゾルゲル法、結晶成長法などの公知の方法に従って製造できる。
(ゾルゲル法による被処理材である多孔質フィルムの製造)
ゾルゲル法によれば、たとえば、アルコキシシラン、触媒および水ならびに必要に応じて溶媒を混合して塗布液を調製し、この塗布液を適当な基板上に塗布して成膜することにより、多孔質フィルムが得られる。
ここで用いられるアルコキシシランとしては公知のものを使用でき、たとえば、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトライソプロポキシシラン、テトラブチルシランなどの4級アルコキシシラン類、トリメトキシフルオロシラン、トリエトキシフルオロシラン、トリイソプロポキシフルオロシラン、トリブトキシフルオロシランなどの3級アルコキシフルオロシラン類、CF(CF)CHCHSi(OCH)、CF(CF)CHCHSi(OCH)、CF(CF)CHCHSi(OCH)、CF(CF)CHCHSi(OCH)、(CF)CF(CF)CHCHSi(OCH)、(CF)CF(CF)CHCHSi(OCH)、(CF)CF(CF)CHCHSi(OCH)、CF(C)CHCHSi(OCH)、CF(CF)(C)CHCHSi(OCH)、CF(CF)(C)CHCHSi(OCH)、CF(CF)(C)CHCHSi(OCH)、CF(CF)CHCHSiCH(OCH)、CF(CF)CHCHSiCH(OCH)、CF(CF)CHCHSiCH(OCH)、CF(CF)CHCHSiCH(OCH)、(CF)CF(CF)CHCHSiCH(OCH)、(CF)CF(CF)CHCHSiCH(OCH)、(CF)CF(CF)CHCHSiCH(OCH)、CF(C)CHCHSiCH(OCH)、CF(CF)(C)CHCHSiCH(OCH)、CF(CF)(C)CHCHSiCH(OCH)、CF(CF)(C)CHCHSiCH(OCH)、CF(CF)CHCHSi(OCHCH)、CF(CF)CHCHSi(OCHCH)、CF(CF)CHCHSi(OCHCH)、CF(CF)CHCHSi(OCHCH)などのフッ素含有アルコキシシラン類、トリメトキシメチルシラン、トリエトキシメチルシラン、トリメトキシエチルシラン、トリエトキシエチルシラン、トリメトキシプロピルシラン、トリエトキシプロピルシランなどの3級アルコキシアルキルシラン類、トリメトキシフェニルシラン、トリエトキシフェニルシラン、トリメトキシクロロフェニルシラン、トリエトキシクロロフェニルシランなどの3級アルコキシアリールシラン類、トリメトキシフェネチルシラン、トリエトキシフェネチトリエトキシフェネチルシランなどの3級アルコキシフェネチルシラン類、ジメトキシジメチルシラン、ジエトキシジメチルシランなどの2級アルコキシアルキルシラン類などが挙げられる。これらの中でも、4級アルコキシシラン類が好ましく、テトラエトキシシランが特に好ましい。これらのアルコキシシランは、1種単独でも2種以上を組み合わせても使用できる。
触媒としては、酸触媒およびアルカリ触媒を使用できる。
酸触媒としては、たとえば、塩酸、硝酸、硫酸、フッ酸、リン酸、ホウ酸、臭化水素酸などの無機酸、酢酸、プロピオン酸、ブタン酸、ペンタン酸、ヘキサン酸、ヘプタン酸、オクタン酸、ノナン酸、デカン酸、シュウ酸、マレイン酸、メチルマロン酸、アジピン酸、セバシン酸、没食子酸、酪酸、メリット酸、アラキドン酸、シキミ酸、2−エチルヘキサン酸、オレイン酸、ステアリン酸、リノール酸、リノレイン酸、サリチル酸、安息香酸、p−アミノ安息香酸、p−トルエンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、モノクロロ酢酸、ジクロロ酢酸、トリクロロ酢酸、トリフルオロ酢酸、ギ酸、マロン酸、スルホン酸、フタル酸、フマル酸、クエン酸、酒石酸、コハク酸、フマル酸、イタコン酸、メサコン酸、シトラコン酸、リンゴ酸などの有機酸が挙げられる。これらの酸触媒は、1種単独でも2種以上を組み合わせても使用できる。
アルカリ触媒としては、たとえば、水酸化テトラメチルアンモニウム、水酸化テトラエチルアンモニウム、水酸化テトラプロピルアンモニウム、水酸化テトラブチルアンモニウムなどのアンモニウム塩、ピリジン、ピロール、ピペリジン、1−メチルピペリジン、2−メチルピペリジン、3−メチルピペリジン、4−メチルピペリジン、ピペラジン、1−メチルピペラジン、2−メチルピペラジン、1,4−ジメチルピペラジン、ピロリジン、1−メチルピロリジン、ピコリン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、ジメチルモノエタノールアミン、モノメチルジエタノールアミン、トリエタノールアミン、ジアザビシクロオクテン、ジアザビシクロノナン、ジアザビシクロウンデセン、2−ピラゾリン、3−ピロリン、キヌキリジン、アンモニア、メチルアミン、エチルアミン、プロピルアミン、ブチルアミン、N,N−ジメチルアミン、N,N−ジエチルアミン、N,N−ジプロピルアミン、N,N−ジブチルアミン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、トリブチルアミンなどの窒素含有化合物が挙げられる。これらのアルカリ触媒は、1種単独でも2種以上を組み合わせても使用できる。
溶媒としては、この分野で常用されるものをいずれも使用でき、たとえば、メタノール、エタノール、n−プロパノール、i−プロパノール、n−ブタノール、i−ブタノール、sec−ブタノール、t−ブタノール、n−ペンタノール、i−ペンタノール、2−メチルブタノール、sec−ペンタノール、t−ペンタノール、3−メトキシブタノール、n−ヘキサノール、2−メチルペンタノール、sec−ヘキサノール、2−エチルブタノール、sec−ヘプタノール、ヘプタノール−3、n−オクタノール、2−エチルヘキサノール、sec−オクタノール、n−ノニルアルコール、2,6−ジメチルヘプタノール−4、n−デカノール、sec−ウンデシルアルコール、トリメチルノニルアルコール、sec−テトラデシルアルコール、sec−ヘプタデシルアルコール、フェノール、シクロヘキサノール、メチルシクロヘキサノール、3,3,5−トリメチルシクロヘキサノール、ベンジルアルコール、フェニルメチルカルビノール、ジアセトンアルコール、クレゾールなどのモノアルコール系溶媒、エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、ペンタンジオール−2,4、2−メチルペンタンジオール−2,4、ヘキサンジオール−2,5、ヘプタンジオール−2,4、2−エチルヘキサンジオール−1,3、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリエチレングリコール、トリプロピレングリコール、グリセリンなどの多価アルコール系溶媒、アセトン、メチルエチルケトン、メチル−n−プロピルケトン、メチル−n−ブチルケトン、ジエチルケトン、メチル−i−ブチルケトン、メチル−n−ペンチルケトン、エチル−n−ブチルケトン、メチル−n−ヘキシルケトン、ジ−i−ブチルケトン、トリメチルノナノン、シクロヘキサノン、2−ヘキサノン、メチルシクロヘキサノン、2,4−ペンタンジオン、アセトニルアセトン、ジアセトンアルコール、アセトフェノン、フェンチョンなどのケトン系溶媒、エチルエーテル、i−プロピルエーテル、n−ブチルエーテル、n−ヘキシルエーテル、2−エチルヘキシルエーテル、エチレンオキシド、1,2−プロピレンオキシド、ジオキソラン、4−メチルジオキソラン、ジオキサン、ジメチルジオキサン、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、エチレングリコールモノ−n−ヘキシルエーテル、エチレングリコールモノフェニルエーテル、エチレングリコールモノ−2−エチルブチルエーテル、エチレングリコールジブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、ジエチレングリコールジ−n−ブチルエーテル、ジエチレングリコールモノ−n−ヘキシルエーテル、エトキシトリグリコール、テトラエチレングリコールジ−n−ブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフランなどのエーテル系溶媒、ジエチルカーボネート、酢酸メチル、酢酸エチル、γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン、酢酸n−プロピル、酢酸i−プロピル、酢酸n−ブチル、酢酸i−ブチル、酢酸sec−ブチル、酢酸n−ペンチル、酢酸sec−ペンチル、酢酸3−メトキシブチル、酢酸メチルペンチル、酢酸2−エチルブチル、酢酸2−エチルヘキシル、酢酸ベンジル、酢酸シクロヘキシル、酢酸メチルシクロヘキシル、酢酸n−ノニル、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、酢酸エチレングリコールモノメチルエーテル、酢酸エチレングリコールモノエチルエーテル、酢酸ジエチレングリコールモノメチルエーテル、酢酸ジエチレングリコールモノエチルエーテル、酢酸ジエチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、酢酸プロピレングリコールモノメチルエーテル、酢酸プロピレングリコールモノエチルエーテル、酢酸プロピレングリコールモノプロピルエーテル、酢酸プロピレングリコールモノブチルエーテル、酢酸ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、酢酸ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジ酢酸グリコール、酢酸メトキシトリグリコール、プロピオン酸エチル、プロピオン酸n−ブチル、プロピオン酸i−アミル、シュウ酸ジエチル、シュウ酸ジ−n−ブチル、乳酸メチル、乳酸エチル、乳酸n−ブチル、乳酸n−アミル、マロン酸ジエチル、フタル酸ジメチル、フタル酸ジエチルなどのエステル系溶媒、N−メチルホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジエチルホルムアミド、アセトアミド、N−メチルアセトアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルプロピオンアミド、N−メチルピロリドンなどの含窒素系溶媒などが挙げられる。これらの溶媒は、1種単独でも2種以上を組み合わせても使用できる。
これらの各成分の混合方法は任意であり、混合順序も特に制限されないが、好ましくは、アルコキシシランと水との混合は、アルコキシシランの加水分解、脱水縮合を制御するために、二回に分けて行うのがよい。1回目の混合ではアルコキシシランの加水分解、脱水縮合を完了させないために、水/アルコキシシランのアルコキシ基(モル比)=0.1〜0.3、好ましくは0.2〜0.25となるように両者を混合するのがよい。2回目の混合において両者の量比は任意でよいが、好ましくは水/アルコキシシランのアルコキシ基(モル比)=1〜10とするのがよい。1回目と2回目との混合の間の時間は特に制限はなく任意に設定できる。なお、アルコキシシランと水との混合においては、アルコキシシランに水を添加するのが一般的である。触媒の使用量は反応を促進させることができる程度であれば特に制限はないが、好ましくはアルコキシシラン:触媒=1:0.1〜0.001(モル比)とすればよい。アルコキシシラン、水および触媒を含む原料混合物を溶媒で希釈する場合は約1〜100倍、好ましくは3〜20倍に希釈すればよい。塗布液の調製は、0℃〜70℃、好ましくは30℃〜50℃の温度下および攪拌下に行われ、数分〜5時間、好ましくは1時間〜3時間程度で終了する。
このようにして得られる塗布液を基板に塗布し、多孔質フィルムの前駆体を得る。フィルムの多孔質化の条件は、アルコキシシランの種類、溶媒の種類などを適宜変更することにより制御でき、乾燥、焼成による溶媒の蒸発または加水分解で生じるアルコール成分の除去により細孔が形成され、多孔質フィルムが得られる。
ここで、基板としては、この分野で常用されるものをいずれも使用できる。たとえば、ガラス、石英、シリコンウェハ、ステンレスなどが挙げられる。また、基板の形状は、板状、皿状などのいずれであってもよい。
塗布液を基板に塗布する方法としては、たとえば、スピンコート法、キャスティング法、ディップコート法などの一般的な塗布方法が挙げられる。スピンコート法の場合、スピナー上に基板を置き、該基板上に塗布液を滴下し、500〜10000rpmで回転させることにより、フィルム表面が平滑性に優れる均一な膜厚の多孔質フィルムが得られる。
乾燥および焼成において、乾燥条件は特に限定されず、溶媒の種類、アルコキシシランの加水分解により生成するアルコール成分の種類などに応じて、これらが蒸発する温度範囲を適宜選択すれば良い。焼成条件も特に限定されず、焼成によりフィルム中のシラノール基の縮合がさらに促進される温度範囲を適宜選択すればよい。焼成は、大気中、不活性ガス中または真空中のいずれでも実施できる。ただし、フィルム中に水素原子、メチル基などが存在する場合には、これらが分解しない温度範囲で焼成することが望ましい。具体的には、250〜450℃の範囲で、窒素中での焼成が好ましい。
また、フィルム中の溶媒、アルコール成分などは、表面張力の小さい有機溶媒、超臨界流体などによっても除去できる。特に、圧力と温度を調節し表面張力がない超臨界流体による除去は、フィルムの細孔がつぶれず、非常に多孔質なものが得られるので好ましい。
この製造方法によれば、多孔質フィルムは、自立した状態または基板に固着した状態で得られる。得られる多孔質フィルムの平均細孔径が0.5nm〜10nmであることを、該フィルムの断面TEM観察、細孔分布測定などにより確認できる。また、多孔質フィルムの厚さは製造条件によっても異なるが、0.05〜2μm程度である。
(有機化合物の自己組織化作用を利用するゾルゲル法による被処理材である多孔質フィルムの製造)
有機化合物の自己組織化作用を利用するゾルゲル法によれば、たとえば、アルコキシシラン、触媒、有機化合物および水ならびに必要に応じて溶媒を混合して塗布液を調製し、この塗布液を適当な基板上に塗布して成膜することにより、多孔質フィルムが得られる。
ここで、アルコキシシランおよび触媒としては、有機化合物を用いないゾルゲル法の場合と同様のものを使用できる。また、アルコキシシラン、触媒および水の混合比率も、有機化合物を用いないゾルゲル法の場合と同様である。
界面活性剤は細孔形成剤(鋳型)として作用する。界面活性剤としては、通常、長鎖アルキル基および親水基を有する有機化合物を使用できる。長鎖アルキル基は、好ましくは炭素原子数8〜24のもの、さらに好ましくは炭素原子数12〜18のものである。また、親水基としては、たとえば、4級アンモニウム塩基、アミノ基、ニトロソ基、ヒドロキシル基、カルボキシル基などが挙げられ、なかでも4級アンモニウム塩基、ヒドロキシル基などが好ましい。
界面活性剤の具体例としては、たとえば、一般式
2x+1(N(CH)(CH))(CH)N(CH)
−C2z+11+a
(式中、aは0〜2の整数、bは0〜4の整数、xは8〜24の整数、yは0〜12の整数、zは1〜24の整数であり、Xはハロゲン化物イオン、HSO または1価の有機アニオンである。)
で表されるアルキルアンモニウム塩が好ましい。
上記一般式で表される界面活性剤は、塗布液中でミセルを形成し、規則的に配列する。本発明においては、このミセルが鋳型となって、アルコキシシランの加水分解、脱水縮合で得られるシリカと界面活性剤とが複合体をつくる。次いで、鋳型の界面活性剤を除去することにより均一で規則的な配列の細孔を有する多孔質フィルムを調製することができる。
また、界面活性剤としては、ポリアルキレンオキサイド構造を有する化合物も使用できる。ポリアルキレンオキサイド構造としてはポリエチレンオキサイド構造、ポリプロピレンオキサイド構造、ポリテトラメチレンオキサイド構造、ポリブチレンオキサイド構造などが挙げられる。このようなポリアルキレンオキサイド構造を有する化合物としては、たとえば、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロックコポリマー、ポリオキシエチレンポリオキシブチレンブロックコポリマー、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル、ポリエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテルなどのエーテル型化合物、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリエチレンソルビトール脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステルなどのエーテルエステル型化合物などが挙げられる。これらの界面活性剤は1種単独でも2種以上を組み合わせても使用できる。
界面活性剤は、固体状、液体上、溶媒に溶解した溶液状のいずれの形態でも使用できる。界面活性剤の使用量は、好ましくはアルコキシシランに対するモル比で0.002〜0.6倍、さらに好ましくは0.005〜0.15倍である。界面活性剤とアルコキシシランとの組み合わせ、モル比などを適宜変更することにより、2D−ヘキサゴナル構造、3D−ヘキサゴナル構造、キュービック構造などの周期的な細孔構造を有する多孔質フィルムを製造できる。
塗布液は、有機化合物の自己組織化作用を利用しないゾルゲル法と同様にして、アルコキシシラン、触媒、有機化合物および水ならびに必要に応じて溶媒を混合することにより調製できる。この塗布液を基板に塗布し、乾燥させた後、焼成または有機溶媒による抽出を施し、アルコキシシランの加水分解により生成するアルコール成分、有機化合物、溶媒などを除去することによって、多孔質フィルムが得られる。得られる多孔質フィルムの平均細孔径が1nm〜10nmであることは、フィルムの断面TEM観察、細孔分布測定により確認できる。また、キュービック構造、2D−ヘキサゴナル構造、3D−ヘキサゴナル構造などの周期的な細孔構造を有する場合には、X線回折(CuKα)により、面間隔が1.3nm〜13nmの範囲の回折ピークを確認できる。
得られる多孔質フィルムがキュービック構造の細孔を有し、特に、細孔内に細孔壁の離間距離が1〜40Å、好ましくは2〜25Åの範囲の細孔狭部を有する場合には、後述する改質処理によって、該狭部は容易に閉塞することができ、細孔狭部の少なくとも一部が閉塞された本発明の多孔質フィルムが得られる。細孔狭部の閉塞およびそれによる疎水性の向上は、それぞれフィルム断面のTEM観察および後述する比誘電率測定により確認できる。細孔狭部の少なくとも一部が閉塞される本発明の多孔質フィルムは疎水性に優れ、さらに半導体材料に用いた場合には、バリアメタルの拡散をも防止できる。なお、細孔狭部における細胞壁の離間距離は、電子線構造解析法により測定できる。
また、2D−ヘキサゴナル構造や3D−ヘキサゴナル構造の細孔を有する多孔質フィルムにおいても、細孔中に細孔狭部を形成できる。このような多孔質フィルムは、たとえば、次のようにして製造できる。
まず、界面活性剤とシリコーンオイルとの存在下に、アルコキシシランを部分的に加水分解および脱水縮合することにより、塗布液を調製する。この場合、界面活性剤とシリコーンオイルとを予め混合して混合溶液を調製し、それを部分的に加水分解、脱水縮合されているアルコキシシランに添加することが好ましい。ここで部分的に加水分解および脱水縮合されているとは、混合溶液がゲル化せずに流動化する状態をいう。一般的には粘度が10ポイズを超えるとゲル化したとみなすので、これ以下の状態である。このようにして塗布液を調製すると、シリコーンオイルを中心にして界面活性剤が配列し、ミセルを形成すると考えられる。次いで、この塗布液を基板に塗布して乾燥させた後、さらに、焼成により界面活性剤を除去すると、ミセルの中心部に取り込まれたシリコーンオイルが多孔質フィルムの細孔内表面に付着した状態で残留するため、細孔内に狭部が形成されるものと考えられる。
シリコーンオイルとしては公知のものを使用でき、たとえば、ポリジメチルシロキサンを主成分とする有機ケイ素化合物が挙げられる。該有機ケイ素化合物の具体例としては、たとえば、トリメチルシロキシ末端ポリジメチルシロキサン、ポリフェニルシロキサンとポリジメチルシロキサンとのコポリマー、ポリフェニルメチルシロキサンとポリジメチルシロキサンとのコポリマー、ポリ−3,3,3−トリフルオロプロピルメチルシロキサンとポリジメチルシロキサンとのコポリマー、ポリエチレンオキシドとポリジメチルシロキサンとのコポリマー、ポリプロピレンオキシドとポリジメチルシロキサンとのコポリマー、ポリエチレンオキシドとポリプロピレンオキシドとポリジメチルシロキサンとのコポリマー、ヒドリド末端ポリジメチルシロキサン、ポリメチルヒドリドシロキサンとポリジメチルシロキサンとのコポリマー、シラノール末端ポリジメチルシロキサンなどが挙げられる。これらシリコーンオイルは、1種単独でも2種以上を組み合わせても使用できる。シリコーンオイルの使用量は、アルコキシシラン100重量部に対して、好ましくは1〜100重量部、さらに好ましくは5〜50重量部である。シリコーンオイルをこの範囲で使用すると、細孔内に狭部が形成された多孔質フィルムを容易に調製ができる。
(結晶成長法による被処理材である多孔質化フィルムの製造)
多孔質フィルムは、基板表面にゼオライトを結晶成長させることによっても製造できる。ゼオライトの結晶成長は、公知の方法に従って実施できる。具体的には、次に示す方法が挙げられる。
(イ)アルコキシシラン、コロイダルシリカなどをシリカ源とし、有機アミンを鋳型にして水熱合成することによって得られるゼオライトの微結晶を含有する塗布液を、基板に塗布し、乾燥、焼成する。
(ロ)アルコキシシラン、コロイダルシリカなどをシリカ源とし、有機アミンを鋳型にして水熱合成することによって得られるゼオライトの微結晶を含有する塗布液に、界面活性剤を添加した後、基板に塗布し、乾燥、焼成する。
(ハ)アルコキシシラン、コロイダルシリカなどをシリカ源とし、有機アミンを鋳型にして水熱合成する際に、基板を挿入し基板表面にゼオライトを結晶成長させた後、乾燥、焼成する。
(ニ)シリカゲルを基板に塗布したものを、有機アミンを含む水蒸気中でゼオライト結晶化させた後、乾燥、焼成する(ドライゲルコンバージョン)。
ここで有機アミンとしては、たとえば、水酸化テトラプロピルアンモニウム、水酸化テトラエチルアンモニウム、水酸化テトラブチルアンモニウム、水酸化テトラペンチルアンモニウム、トリプロピルアミン、トリエチルアミン、トリエタノールアミン、ピペリジン、シクロヘキシルアミン、ネオペンチルアミン、イソプロピルアミン、t−ブチルアミン、2−メチルピリジン、N,N’−ジメチルベンジルアミン、N,N−ジエチルエタノールアミン、ジ(n−ブチル)アミン、ジ(n−ペンチル)アミン、ジシクロヘキシルアミン、N,N−ジメチルエタノールアミン、コリン、N,N−ジメチルピペラジン、1,4−ジアザビシクロ(2,2,2)オクタン、N−メチルジエタノールアミン、N−メチルエタノールアミン、N−メチルピペリジン、キヌクリジン、N,N’−ジメチル−1,4−ジアザビシクロ(2,2,2)オクタンジヒドロキシド、エチレンジアミン、2−イミダゾリドンなどが挙げられる。これらの有機アミンは、1種単独でも2種以上を組み合わせても使用できる。
得られる多孔質フィルムは、X線回折(CuKα)により得られる回折ピークおよびFT−IR測定から、ゼオライト構造を有することが確認される。
多孔質フィルムは、自立膜の状態であっても、基板に成膜された状態であっても、そのまま本発明の製造方法による改質処理工程に供することができる。また、多孔質フィルムは有機ケイ素化合物による処理後に、曇り、着色などの不具合が発生しないので、透明なものが必要な場合にも使用できる。
次に、本発明の製造方法に含まれる2つの改質処理方法、すなわち(A)プラズマ処理工程および(B)接触工程について説明する。本発明の製造方法は、(A)プラズマ処理工程と(B)接触工程という2つの改質処理方法を併用することによって、多孔質フィルムの疎水性を低下させかつ機械的強度を向上させる方法である。
(A)プラズマ処理工程
プラズマ処理とは、多孔質フィルムを特定のガスプラズマ雰囲気に曝すことをいう。
プラズマ処理は、Ar、Kr、Xe、Ne、He、O、O、H、N、HO、NOおよびNHの1種または2種以上からなるガスプラズマ雰囲気で行う。これらのガスプラズマ雰囲気は、プラズマ種が消滅した時に、多孔質フィルムに堆積することなくガスとして排気できる点で好ましい。これらのなかでも、Ar、N、He、Hが好ましい。このプラズマ雰囲気中にハロゲン含有ガスが存在すると、多孔質フィルムがエッチングされ著しく膜厚が減少するため、プラズマ処理工程はハロゲン含有ガスの非存在下で行う。
プラズマの効果は、イオン、電子、紫外線などのプラズマで発生するエネルギー粒子線またはラジカルを多孔質フィルムに照射し、所望の特性を得ることにあるので、プラズマを発生するための装置は特に形態を選ばない。一般的には高周波放電またはマイクロ波放電によって行う。高周波放電を利用する容量結合型プラズマ(CCP)励起方法、誘導結合型プラズマ(ICP)励起方法、マイクロ波放電を利用した電子サイクロトロン共鳴(ECR)プラズマ励起方法などが直径200mm〜300mmのウェハを均一に処理できる安定したプラズマを生成しやすい。グロー放電を維持しガスをプラズマ状態にできるのであれば、プラズマ励起方法はこれらに限定されるものではない。
多孔質フィルムのプラズマ処理は−50〜450℃、好ましくは0〜400℃の温度下に実施できる。この温度範囲の中から、ガスプラズマの雰囲気に応じて処理温度を適宜選択すればよい。この温度範囲内であれば、反応が円滑に進行し、副反応が起こることもなく、得られる多孔質フィルムの膜強度が改善される。プラズマ処理の温度制御方法は、基板温度を均一にできる方法であれば特に制限はないが、たとえば、温度が制御されたプレート上に基板を置く方法、チャンバー全体の温度を制御する方法などが挙げられる。
また多孔質フィルムのプラズマ処理は、0.05Pa〜100kPaの圧力下に実施できる。ただし、プラズマ励起方法によってグロー放電を維持できる圧力範囲が大きく変化することが一般的に知られており、大気圧付近の高圧と低圧でのプラズマ処理では、使用する装置の構成が変化する。一般的には、低圧下でプラズマを励起する装置が広く普及しており、その場合、0.05Pa〜150Paの範囲で処理するのが好ましい。この範囲内であれば、反応が円滑に進行し、プラズマ状態が確実に形成される。
プラズマを生成するための電源の出力も特に限定はないが、50W〜2kWの範囲がプラズマ処理装置を作成する点からは好ましい。プラズマ発生装置によっては複数の電源を使用する場合もあるが、これらの電源の出力範囲も同様に前述の範囲が好ましい。たとえば、プラズマを発生するための電源とイオンをウェハに引き込むための電源が独立している場合は、2つの電源の出力を前述の範囲に設定するのがよい。
プラズマ雰囲気の流量は、好ましくは10sccm〜100SLM、さらに好ましくは500sccm〜10SLMである。
プラズマ処理の時間は、好ましくは10秒〜10分、さらに好ましくは30秒〜3分である。この範囲内であれば、反応が充分に進行し、また、好ましくない副反応が起こることもない。
プラズマ処理による多孔質フィルムの化学組成変化はFT−IR測定により確認できる。プラズマ処理により、多孔質フィルム中のSi−CHおよび/またはSi−H結合を示すピークが減少し、Si−OH結合とそれに吸着したHOを示すピークが増加する。
プラズマ処理によって、多孔質フィルムの膜強度が改善される。そのメカニズムは明確ではないが、プラズマ中のラジカル、イオンなどの作用によって、シロキサン結合の再構築が起こり、処理前にはフィルム内にあった残留応力、ひずみなどが緩和されるためと推察される。
(B)接触工程
Si−O結合を含む多孔質フィルムに接触させる有機ケイ素化合物としては、ヘキサメチルジシラザン(HMDS)などの一般的な有機ケイ素化合物を使用できるが、1分子中にSi−X−Si結合単位(XはO、NR、C2mまたはCを示す。RはC2n+1またはCを示す。mは1または2を示す。nは1〜6の整数を示す。)を1つ以上、かつSi−A結合単位(AはH、OH、ORまたはハロゲン原子を示す。Rは前記に同じ。)を2つ以上有する有機ケイ素化合物(1)が特に好ましい。
なお、有機ケイ素化合物(1)の1分子中に存在する2以上のSi−A結合単位において、符号Aで示される置換基は同一でもよくまたは異なっていてもよい。
有機ケイ素化合物(1)のなかでも、100〜600℃の温度において蒸気圧を示し、かつその化合物だけが存在する状態で分解することのないものが好ましい。また、有機ケイ素化合物(1)は、多孔質フィルムの細孔内に充分拡散する分子径のものである必要があり、分子量としては、900以下、70以上のものが好ましく、600以下、120以上のものがより好ましく、300以下、170以上のものがさらに好ましい。
このような有機ケイ素化合物(1)の具体例としては、たとえば、環状シロキサン、環状シラザンなどの環状有機ケイ素化合物、その他の非環状有機ケイ素化合物などがあげられる。これらのなかでも環状シロキサンが特に好ましい。
上記有機ケイ素化合物として、より具体的には、一般式
Figure 0004422643
(式中、R、R、R、R、RおよびRは同一または異なって、H、OH、C、C2a+1、CF(CF)(CH)、C2d−1、OC2e+1、またはハロゲン原子を示す。ただし、x個のR、R、y個のR、Rおよびz個のR、Rのうちの少なくとも2つがH、OH、OC2e+1またはハロゲン原子を示す。aは1〜3の整数、bは0〜10の整数、cは0〜4の整数、dは2〜4の整数、eは1〜6の整数、xは0〜8の整数、yは0〜8の整数、zは0〜8の整数をそれぞれ示し、3≦x+y+z≦8である。)
で表される環状シロキサンが好ましく、一般式
Figure 0004422643
(式中、RおよびRは同一または異なって、H、OH、C、C2a+1、CF(CF)(CH)、C2d−1、OC2e+1またはハロゲン原子を示す。ただし、p個のRおよびRのうち少なくとも2つがH、OH、OC2e+1またはハロゲン原子を示す。pは3〜8の整数を示す。)
で表される環状シロキサンがさらに好ましい。
このような環状シロキサンの具体例としては、たとえば、(3,3,3−トリフルオロプロピル)メチルシクロトリシロキサン、トリフェニルトリメチルシクロトリシロキサン、1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、1,3,5,7−テトラメチル−1,3,5,7−テトラフェニルシクロテトラシロキサン、テトラエチルシクロテトラシロキサン、ペンタメチルシクロペンタシロキサンなどのが挙げられる。これらのなかでも、1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサンが特に好ましい。
また、有機ケイ素化合物としては、一般式(2)
SiR1011ZSiR1213 …(2)
(式中、R10、R11、R12およびR13は同一または異なってH、C、C2a+1、CF(CF)(CH)、OC2e+1またはハロゲン原子を示す。ZはO、(CH)、C、(OSiR)O、OSiRQSiROまたはNRを示す。R、R、R、R、RおよびRは同一または異なって、H、OH、C、C2a+1、OC2e+1、CF(CF)(CH)ハロゲン原子またはOSiRを示す。R、RおよびRは同一または異なって、HまたはCHを示す。Rは(CH)またはCを示す。2つのYは同一または異なって、H、OH、C、C2a+1、CF(CF)(CH)、OC2e+1またはハロゲン原子を示す。Qは(CH)またはCを示す。a、b、c、dおよびeは前記に同じ。qは1〜10の整数を示す。rは1〜6の整数を示す。tは1〜6の整数を示す。ただし、R、R、R、R、R、Rおよび2つのYのうち少なくとも2つがH、OH、OC2e+1またはハロゲン原子を示す。)
で表される有機ケイ素化合物(以後「有機ケイ素化合物(2)」と称す)も使用できる。
有機ケイ素化合物(2)の具体例としては、たとえば、1,2−ビス(テトラメチルジシロキサニル)エタン、1,3−ビス(トリメチルシロキシ)−1,3−ジメチルジシロキサン、1,1,3,3−テトライソプロピルジシロキサン、1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン、1,1,3,3−テトラエチルジシロキサン、1,1,3,3−テトラフェニルジシロキサン、1,1,4,4−テトラメチルジシルエチレン、1,1,3,3,5,5−ヘキサメチルトリシロキサン、1,1,3,3,5,5−ヘキサエチルトリシロキサン、1,1,3,3,5,5−ヘキサイソプロピルトリシロキサン、1,1,3,3,5,5,7,7−オクタメチルテトラシロキサン、1,1,1,3,5,5−ヘキサメチルトリシロキサン、1,1,1,3,3,5,7,7−オクタメチルテトラシロキサン、1,3−ジメチルテトラメトキシジシロキサン、1,1,3,3−テトラメチル−1,3−ジエトキシジシロキサン、1,1,3,3,5,5−ヘキサメチルジエトキシトリシロキサン、テトラメチル−1,3−ジメトキシジシロキサンなどのシロキサン化合物が挙げられる。
さらに、有機ケイ素化合物としては、一般式
Figure 0004422643
(式中、x、yおよびzは前記に同じ。R15、R16、R18、R19、R21およびR22は同一または異なって、H、OH、C、C2a+1、CF(CF)(CH)、OC2e+1またはハロゲン原子を示す。R17、R20およびR23は同一または異なって、CまたはC2a+1を示す。a、b、cおよびeは前記に同じ。ただし、x個のR15、R16、y個のR18、R19、z個のR21およびR22のうち少なくとも2つはH、OH、OC2e+1またはハロゲン原子を示す。)
で表される環状シラザン(以後「環状シラザン(3)」と称す)も使用できる。
環状シラザン(3)の具体例としては、1,2,3,4,5,6−ヘキサメチルシクロトリシラザン、1,3,5,7−テトラエチル−2,4,6,8−テトラメチルシクロテトラシラザン、1,2,3−トリエチル−2,4,6−トリエチルシクロトリシラザンなどの環状シラザン化合物が挙げられる。
これらの有機ケイ素化合物は1種を単独でまたは2種以上を組み合わせて使用できる。
多孔質フィルムと有機ケイ素化合物との接触は、液相または気相雰囲気下で実施できる。接触処理を液相で実施する場合は、有機溶媒を用いて実施しても良い。使用し得る有機溶媒としては、メタノール、エタノール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコールなどのアルコール類、ジエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、1,4−ジオキサン、テトラヒドロフランなどのエーテル類、ベンゼン、トルエン、キシレンなどのアリールアルカン類などが挙げられる。有機溶媒中で処理する場合には有機ケイ素化合物の濃度は特に制限はなく任意の濃度で実施できる。
反応を気相で実施する場合は、好ましくは、有機ケイ素化合物はガスにより希釈して用いられる。希釈用のガスとしては、空気、窒素、アルゴン、水素などが挙げられる。また、ガスで希釈する代わりに、減圧下での実施も可能である。気相雰囲気下で接触を実施する方が、溶媒回収、乾燥工程などが不要になるので好ましい。有機ケイ素化合物をガスで希釈する場合、有機ケイ素化合物の濃度は0.1vol%以上あれば特に制限されない。また、有機ケイ素化合物を多孔質フィルムに接触させる方法は特に制限されず、たとえば、有機ケイ素化合物を含むガスが流過する状態での接触、密閉容器内での接触などが挙げられる。さらに、多孔質フィルムと接触させたガスを何度も繰返し使用することもできる。接触時の温度には特に制限はなく、有機ケイ素化合物が多孔質フィルムと反応できる温度以上で、有機ケイ素化合物が分解しない温度以下、または副反応を起こさない温度以下の範囲で実施できる。多孔質フィルムと有機ケイ素化合物との反応温度は、より具体的には、好ましくは100〜600℃、さらに好ましくは300〜450℃である。反応温度がこの範囲内であれば、反応が円滑にかつ効率良く進行し、副反応を生起することもない。
加熱方法としては、多孔質フィルムを載置する基板の温度を均一に保持し得るのであれば特に制限されず、たとえば、ホットプレート式、電気炉式などが挙げられる。
多孔質フィルムの昇温は反応温度まで徐々に加熱しても、または反応温度に達した中に多孔質フィルムを一気に挿入しても、反応温度が多孔質フィルムの焼成温度より低いのであれば特に問題はない。多孔質フィルムを焼成後、引き続いて反応することも可能である。多孔質フィルムと有機ケイ素化合物との反応に要する時間は、反応温度にもよるが、通常、数分〜40時間、好ましくは10分〜24時間である。
また、多孔質フィルムと有機ケイ素化合物とを反応させる際には、水を添加するのが好ましい。それによって、反応が促進される。水の添加量は多孔質フィルムと反応する有機珪素化合物の種類などに応じて適宜選択されるが、好ましくは0.05〜25kPaの分圧に相当する範囲が良い。この範囲内であれば、水の添加効果が充分に発揮され、添加量が多すぎることによる多孔質フィルム中の細孔構造の崩壊などもない。また、反応系に水を添加する際の反応系内の温度は反応温度以下であれば特に制限はない。
(C)プラズマ処理工程と接触工程の併用
本発明においては、プラズマ処理工程と接触処理とを併用することによって、多孔質フィルムが本来有する高誘電率を損なうことなく、膜強度が一層向上することが判明した。しかも、プラズマ処理工程と接触処理とを併用する処理を繰返し実施すると、誘電率はほとんど変化せずに、フィルムの膜強度はさらに向上することが判明した。従来技術における膜強度の向上処理では、繰り返し実施してもさらなる膜強度の向上は認められておらず、この点からも、本発明の方法が従来とは異なる処理方法であるといえる。
ここで、有機ケイ素化合物による処理は、プラズマ処理前、プラズマ処理後およびプラズマ処理の前後のいずれでも有効である。特に、プラズマ処理の前後に行うとその改質効果が大きい。すなわち、プラズマ処理前にSi−X−Si結合(XはO、NR、C2mまたはCを示す。RはC2n+1またはCを示す。mは1または2の整数を示す。nは0〜6の整数を示す。)を1つ以上、かつSi−A結合(AはH、OH、ORまたはハロゲン原子を示す。Rは前記に同じ。)を2つ以上有する有機ケイ素化合物で処理すると、プラズマ処理時にこの有機ケイ素化合物も含めたシロキサン結合の再配列が起こり、プラズマ処理後の接触処理と併せて、膜強度のより一層の向上が期待できる。
プラズマ処理と接触処理との併用による膜強度が向上する理由については、次のように推察する。すなわち、前述のようにプラズマ処理により、多孔質フィルムはシロキサン結合の再配列に加えて、その表面に反応性に富む活性点を形成する。この活性点はプラズマ処理中または処理後、雰囲気中の微量の水分と反応してSi−OH基を形成し、これが有機ケイ素化合物と反応する。特に、プラズマ処理前に有機ケイ素化合物で処理すると、有機ケイ素化合物のSi−CHおよび/またはSi−H基が活性化されてSi−OH基に変化する。つぎに、接触工程で、反応系内に添加される有機ケイ素化合物とさらに反応するため、強固に架橋したシロキサンポリマーが成長する。また、有機ケイ素化合物のSi−OH基は多孔質シリカ表面のSi−OH基とも結合する。これらの結合により、多孔質フィルムはプラズマ処理をしないときに比較してより強固になり、かつプラズマ処理を行うたびに結合点は新たに形成できるので、逐次、強度を向上できると推察する。さらに、このような活性点は、フィルム表面だけではなく、細孔内表面にも形成されるため、フィルムの疎水性も同時に高くなる。したがって、ヘキサメチルジシラザン(HMDS)、トリメチルシリルクロライド(TMSC)などの従来のシラン化合物でもある程度効果は認められるものの、Si−X−Si結合(Xは前記に同じ)を1つ以上かつSi−A結合(Aは前記に同じ。)を2つ以上有する有機ケイ素化合物では、シロキサンポリマーの架橋が進行するため、効果がより顕著に認められると推察する。
接触処理による多孔質フィルムの化学組成変化はフーリエ変換赤外分光スペクトル(FT−IR、フーリエ変換赤外分光光度計)測定により評価できる。それによれば、接触処理により、多孔質フィルム中のSi−CHおよび/またはSi−H結合を示すピークが増加し、Si−OH結合とそれに吸着したHOを示すピークが減少する。多孔質フィルム中のSi−OH結合およびHOを示すピークの減少は、疎水性が高くなったことを示し、多孔質フィルムの比誘電率が小さい値であることと相関がある。
上記プラズマ処理工程と接触工程は、2つの工程で多孔質フィルムを処理するのであれば、工程の処理回数に制限が無く、2つの工程をそれぞれ複数回繰り返しても良い。2つの工程を繰り返すほど多孔質フィルムの機械強度は向上するが、多数回の繰り返しは半導体製造プロセスの工数を増大させるので、2つの工程の繰り返しは1〜2回が好ましい。
本発明において多孔質フィルムの疎水性は、比誘電率を測定することで確認される。比誘電率が高いことは疎水性が不十分であることを示す。比誘電率の測定は、シリコンウェハの表面上に形成した多孔質フィルム面とシリコンウェハの裏面とに蒸着法によりアルミニウム電極を作成し、25℃、相対湿度50%の雰囲気下、周波数100kHzにて常法により行うことができる。
本発明の多孔質フィルムの機械的強度は、ナノインデンタ測定によりフィルムの弾性率を測定することで確認される。本発明において、ナノインデンタ測定は、Hysitron製Triboscope Systemを用いて実施した。
本発明の多孔質フィルムは、疎水性と機械的強度の両方に優れるため、層間絶縁膜、分子記録媒体、透明導電性フィルム、固体電解質、光導波路、LCD用カラー部材などの光機能材料、電子機能材料として用いることができる。特に、半導体用材料としての層間絶縁膜には、強度、耐熱性、低誘電率が求められており、本発明の多孔質フィルムが好ましく適用される。従来このような多孔質フィルムからなる低誘電率の半導体用材料は作成できなかったが、本発明により可能となり、半導体装置への適用が可能になった。
次に、本発明の改質された多孔質フィルムを層間絶縁膜として用いた半導体装置の例について具体的に説明する。
図2は、本発明に係る半導体装置100の一実施形態の構成を模式的に示す断面図である。
まず、シリコンウェハ101上に、図示しないトランジスタ、キャパシタなどの素子構造を形成する。そして、前述のようにして、シリコンウェハ101表面上に、多孔質フィルム102を形成し、該多孔質フィルム102にプラズマ処理および/または接触処理を施して改質する。次いで、改質された多孔質フィルム102をフォトレジストにより素子構造に対応させてパターニングし、そのパターンに従ってエッチングする。レジストを除去したのち、気相成長法により多孔質フィルム表面およびエッチングされた部分の表面に窒化チタン(TiN)、窒化タンタル(TaN)などからなるバリア膜103を形成する。その後、メタルCVD法、スパッタリング法または電解メッキ法により銅膜を形成し、さらにCMP(Chemical Mechanical Polishing)により不要の銅膜を除去して回路(銅配線)104を作成する。次いで、キャップ膜(たとえば炭化ケイ素からなる膜)105を表面に作成する。さらに必要であれば、図示しないハードマスク(たとえば窒化ケイ素からなる膜)を形成し、上記の工程を繰り返すことにより多層化し、得られたウェハを半導体チップに個片化、パッケージに装着し、本発明に係る半導体装置100を製造することができる。
以下に、実施例および比較例を挙げて本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
なお実施例、比較例で用いた試料は、以下のとおりである。
テトラエトキシシラン(TEOS):(株)高純度化学研究所製ELグレード、Si(OC
エタノール:和光純薬工業(株)製電子工業用
塩酸:和光純薬工業(株)製超微量分析用
ポリエチレンアルキルエーテル:CH(CH)17O(CHCHO)20H(Aldrich社製Brij 78)70gを量りとり、エタノール700gに溶解させ、イオン交換樹脂(商品名:SK1BH、日本錬水(株)製)を用いてイオン交換し、エタノールを蒸留により除去することで脱金属処理したもの。
水:純水製造装置(Millipore社製)にて脱金属処理した水
1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサン:アヅマックス(株)製
(塗布液の調製)
テトラエトキシシラン10.0gとエタノール10mLとを室温下で混合後、1N塩酸1.0mLを添加撹拌し、さらにエタノール40mLを添加して撹拌した。この溶液にポリエチレンアルキルエーテル(商品名:Brij 78、Aldrich社製)2.8gをエタノール40mLに溶解した溶液を添加して撹拌した。さらに水8mLを添加、攪拌して透明で均一な塗布液を得た。
(多孔質フィルムの成膜)
上記の塗布液を、12inchシリコンウェハ表面上に数ml滴下し、2000rpmで10秒間回転させて、シリコンウェハ表面に塗布した後、バッチ炉にてAir雰囲気中400℃で1時間焼成した。引き続き、バッチ炉内に窒素をキャリアとして1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサンを1g/分の割合で導入した。1時間後、窒素雰囲気下で30℃まで冷却し、多孔質フィルムを得た。
この多孔質フィルムは、X線回折測定の結果、面間隔5.1nmの周期的な2D−ヘキサゴナル構造を保持していた。また、多孔質フィルムの平均細孔径は3.5nmであった。さらに、FT−IR測定の結果、Si−CHのC−H伸縮振動を示すピークが2972cm−1にSi−Hの伸縮振動を示すピークが2183cm−1に観測された。C−HピークとSi−Hピークの面積比は0.14であった。FT−IR測定で得られたスペクトルを図1に示す。
X線回折測定は、X線回折装置(商品名:RINT2000、(株)リガク製)を用い測定した。平均細孔径は、3検体全自動ガス吸着量測定装置(商品名:オートソーブ−3B型、カンタクローム社製)を使用し、液体窒素温度下(77K)における窒素吸着法で測定した。また、FT−IR測定は、フーリエ変換赤外分光光度計(商品名:FTS3000、DIGLAB社製)を使用し、N雰囲気下ブリュスタ角70°の条件で透過測定した。
(誘電率と弾性率の測定)
比誘電率は、基板上の多孔質フィルム表面と基板に用いたシリコンウェハの裏面とに蒸着法によりアルミニウム電極を作成して金属−絶縁膜(多孔質フィルム)−シリコン−金属構造とし、25℃、相対湿度50%の雰囲気下、周波数100kHz、−40V〜40Vの範囲で測定した電気容量と、分光エリプソメトリー(商品名:GES5、SOPRA製)により測定した膜厚から求めた。
多孔質フィルムの弾性率は、Hysitron社製Triboscope Systemを用いるナノインデンタ測定によった。
多孔質フィルムの比誘電率と弾性率を表1に示す。
(実施例1)
(プラズマ処理工程)
多孔質フィルムをUHF ECR型のプラズマ処理装置(商品名:U722、(株)日立ハイテクノロジーズ製)内のチャンバーに入れ、ウェハ温度を80℃に保持した。アルゴンを1000sccm導入し、チャンバー内の圧力2.0Paとした。プラズマを発生させる電源(周波数450MHz)の出力を400W、ウェハにイオンを引き込むための電源(周波数800kHz)の出力を900Wとした。40秒間プラズマ雰囲気に多孔質フィルムを曝した後、装置から取り出し、プラズマ処理された多孔質フィルムを得た。
(接触工程)
プラズマ処理された多孔質フィルムをバッチ炉に入れ、窒素雰囲気下で400℃まで昇温した。引き続き、バッチ炉内に窒素をキャリアとして1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサンを1g/分の割合で導入した。1時間後、窒素雰囲気下で30℃まで冷却し、改質された多孔質フィルムを得た。
X線回折測定の結果、面間隔5.0nmの周期的な2D−ヘキサゴナル構造を保持していた。また、FT−IR測定の結果、C−HピークとSi−Hピークの面積比は0.14であった。FT−IR測定で得られたスペクトルを図1に示す。また、得られた改質された多孔質フィルムの比誘電率と弾性率を表1に示す。
(実施例2)
プラズマ処理工程において、アルゴンに代えて窒素を使用する以外は実施例1と同様にして改質処理を行った。得られた改質された多孔質フィルムは、X線回折測定の結果、面間隔5.1nmの周期的な2D−ヘキサゴナル構造を保持していた。また、FT−IR測定の結果、C−HピークとSi−Hピークの面積比は0.13であった。得られた改質された多孔質フィルムの比誘電率と弾性率を表1に示す。
(実施例3)
(プラズマ処理工程)
多孔質フィルムをCCP型プラズマ処理装置(商品名:Dragon2300、日本ASM社製)内のチャンバーに入れ、ウェハ温度を380℃に保持した。ヘリウムを1000sccm導入し、チャンバー内の圧力100Paとした。プラズマを発生させる電源(27.12MHz)の出力を178Wとし、ウェハを保持する電極は接地した。180秒間プラズマ雰囲気に多孔質フィルムを曝した後、装置から取り出し、プラズマ処理された多孔質フィルムを得た。接触工程は実施例1と同様に行い、改質された多孔質フィルムを得た。
得られた改質された多孔質フィルムは、X線回折測定の結果、面間隔4.8nmの周期的な2D−ヘキサゴナル構造を保持していた。また、FT−IR測定の結果、C−HピークとSi−Hピークの面積比は0.17であった。得られた改質された多孔質フィルムの比誘電率と弾性率を表1に示す。
(実施例4)
プラズマ処理工程においてヘリウムに代えて水素を使用する以外は、実施例3と同様にして改質処理を行った。得られた改質された多孔質フィルムは、X線回折測定の結果、面間隔4.8nmの周期的な2D−ヘキサゴナル構造を保持していた。また、FT−IR測定の結果、C−HピークとSi−Hピークの面積比は0.15であった。得られた改質された多孔質フィルムの比誘電率と弾性率を表1に示す。
(比較例1)
接触工程を実施しない以外は実施例1と同様に改質処理を行った。
得られたプラズマ処理された多孔質フィルムは、X線回折測定の結果、面間隔5.0nmの周期的な2D−ヘキサゴナル構造を保持していた。また、FT−IR測定の結果、C−HピークとSi−Hピークの面積比は0.10であり、Si−OHと吸着HOを示すブロードなピークが3500〜3800cm−1にかけて観測された。FT−IR測定で得られたスペクトルを図1に示す。得られた改質された多孔質フィルムの比誘電率と弾性率を表1に示す。
(比較例2)
プラズマ処理工程を実施しない以外は実施例1と同様にして改質処理を行った。
得られた接触処理された多孔質フィルムは、X線回折測定の結果、面間隔5.0nmの周期的な2D−ヘキサゴナル構造を保持していた。また、FT−IR測定の結果、C−HピークとSi−Hピークの面積比は0.12であった。得られた改質された多孔質フィルムの比誘電率と弾性率を表1に示す。
(比較例3)
接触工程を実施しない以外は実施例2と同様にして改質処理を行った。
得られたプラズマ処理された多孔質フィルムは、X線回折測定の結果、面間隔5.1nmの周期的な2D−ヘキサゴナル構造を保持していた。また、FT−IR測定の結果、C−HピークとSi−Hピークの面積比は0.14であり、Si−OHと吸着HOを示すブロードなピークが3500〜3800cm−1にかけて観測された。得られた改質された多孔質フィルムの比誘電率と弾性率を表1に示す。
(比較例4)
接触工程を実施しない以外は実施例3と同様にして改質処理を行った。
得られたプラズマ処理された多孔質フィルムは、X線回折測定の結果、面間隔4.8nmの周期的な2D−ヘキサゴナル構造を保持していた。また、FT−IR測定の結果、C−HピークとSi−Hピークの面積比は0.20であり、Si−OHと吸着HOを示すブロードなピークが3500〜3800cm−1にかけて観測された。得られた改質された多孔質フィルムの比誘電率と弾性率を表1に示す。
Figure 0004422643
表1から、本発明の処理方法で得られる多孔質フィルムは、処理前の多孔質フィルムに比べて、比誘電率がほとんど低下することなく、かつ機械的強度の1つである弾性率は約2倍またはそれ以上に向上している。これに対し比較例の多孔質フィルムは、弾性率はある程度向上するものの、比誘電率が高くなり、たとえば半導体材料などには適しないものが多い。また、比較例2のように、比誘電率がほぼ元の値にあっても、弾性率の向上が全く認められないものもある。
本発明により得られる、光機能材料や電子機能材料に用いることのできる疎水性と機械強度がともに優れる改質された多孔質フィルムは、半導体用材料としての層間絶縁膜に好適に用いることができ、半導体装置のさらなる高集積化が可能となる。
多孔質フィルム、実施例1および比較例1で製造されたフィルムのFT−IRスペクトルである。 本発明に係る半導体装置の一実施形態の構成を模式的に示す断面図である。
符号の説明
100 半導体装置
101 シリコンウェハ
102 多孔質フィルム
103 バリア膜
104 銅配線
105 キャップ膜

Claims (8)

  1. 被処理材であるSi−O結合を含む多孔質フィルムを−50〜450℃の温度下および0.05〜150Paの圧力下に、ハロゲン含有ガスを含まない雰囲気下でAr、Kr、Xe、Ne、He、O、O、H、N、HO、NOおよびNHの1種または2種以上を含むプラズマ雰囲気に曝露するプラズマ処理工程で処理したのち、さらに有機ケイ素化合物を接触させる接触工程で処理するか、または
    前記Si−O結合を含む多孔質フィルムを前記接触工程で処理したのち、前記プラズマ処理工程で処理する改質された多孔質フィルムの製造方法であって、
    前記被処理材が、Si−O結合を含む平均細孔径0.5〜10nmの多孔質フィルムであることを特徴とする改質された多孔質フィルムの製造方法。
  2. 接触工程を、プラズマ処理工程の前後に行うことを特徴とする請求項1記載の改質された多孔質フィルムの製造方法。
  3. 接触工程が、100〜450℃の温度下に、多孔質フィルムと、1分子内にSi−X−Si結合(XはO、NR、C2mまたはCを示す。RはC2n+1またはCを示す。mは1または2を示す。nは1〜6の整数を示す)を1つ以上、かつSi−A結合(AはH、OH、ORまたはハロゲン原子を示す。Rは前記に同じ。)を2つ以上有する有機ケイ素化合物(1)とを接触させる工程であり、該工程が、接触後の多孔質フィルムがハロゲン原子を含まないものとなるよう実施されることを特徴とする請求項1または2記載の改質された多孔質フィルムの製造方法である。
  4. 有機ケイ素化合物(1)が環状シロキサンであることを特徴とする請求項3に記載の改質された多孔質フィルムの製造方法。
  5. 請求項1〜4のいずれか1つに記載の製造方法により得られる改質された多孔質フィルムを含むことを特徴とする層間絶縁膜。
  6. 請求項1〜4のいずれか1つに記載の製造方法により得られる改質された多孔質フィルムを含むことを特徴とする半導体材料。
  7. 請求項5に記載の層間絶縁膜を含むことを特徴とする半導体材料。
  8. 請求項6または7のいずれかに記載の半導体材料を含むことを特徴とする半導体装置。
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