JP2011040634A - 多孔質膜の前駆体組成物、多孔質膜及びその作製方法、並びに半導体装置 - Google Patents

多孔質膜の前駆体組成物、多孔質膜及びその作製方法、並びに半導体装置 Download PDF

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正明 平川
Takahiro Nakayama
高博 中山
Shinichi Asahina
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Takahisa Yamazaki
貴久 山崎
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Abstract

【課題】多孔質層間絶縁膜作製の際の多層化工程数を削減することができる前駆体組成物、この前駆体組成物を用いて得られた多孔質膜及びその作製方法、並びにこの多孔質膜を利用した半導体装置の提供。
【解決手段】式:Si(OR)の化合物(A)及び式:R(Si)(OR)4−aの化合物(B)(上記式中、Rは1価の有機基を表し、Rは水素原子、又は1価の有機基を表し、Rは1価の有機基を表し、aは1〜3の整数であり、R、R及びRは同一であっても異なっていてもよい。)から選ばれた少なくとも1種の化合物と、250℃以上で熱分解する熱分解性有機化合物(D)と、90〜200℃の温度範囲内で熱分解し、そしてこの熱分解によりアミン類を発生する化合物であって、この熱分解温度以下では、この化合物の水溶液又はこの水溶液とアルコールとの混合溶液のpHが6.5〜8の範囲内に入る化合物(E)を含む。
【選択図】なし

Description

本発明は、多孔質膜の前駆体組成物、多孔質膜及びその作製方法、並びに半導体装置に関する。特に、多層化した多孔質膜を作製するための多孔質膜の前駆体組成物、この前駆体組成物を用いて得られる多孔質膜及びその作製方法、並びにこの多孔質膜を利用した半導体装置に関する。
近年、LSIの分野において、銅配線と共に、2.5以下の低誘電率(k)を特徴とする層間絶縁膜の導入が盛んに研究開発されている。この層間絶縁膜として、低誘電率を持つ酸化物膜を多孔質膜にすることで比誘電率をさらに低くすることが提案されている。しかし、多孔質にすることで、(1)機械的強度の急激な低下、(2)空孔内への空気中の水分の吸着、(3)この水分吸着を防ぐために導入するCH基等の疎水性基による多孔質膜に接する膜との密着性低下等の問題が引き起こされているのが現状である。そのため、多孔質膜の半導体装置への実用化プロセス、特にCuデュアルダマシン配線構造におけるCMP(Chemical Mechanical Polishing)やワイヤボンディングプロセス等で、(1)機械的強度の低下による多孔質膜の破壊、(2)水分吸湿による比誘電率の上昇、(3)密着性低下による積層膜/多孔質絶縁膜間の剥離発生等の問題が生じており、実用上の大きな障害となっている。
有機化合物と無機化合物との自己組織化を利用した均一なメソ細孔を持つ酸化物の製造方法として、シリカゲルと界面活性剤等とを用いて、密封した耐熱性容器内で水熱合成することが提案されており(例えば、特許文献1参照)、このような均一なメソ細孔を持つ酸化物を半導体装置用材料等として用いるために、近年、その形態をフィルム状に調製することが報告されている。
例えば、アルコキシシラン類の縮合物と界面活性剤とからなるゾル液中に基板を浸漬し、その基板表面に多孔質シリカを析出させてフィルム状に形成する方法が知られている(例えば、非特許文献1参照)。さらに、アルコキシシラン類の縮合物と界面活性剤とを有機溶媒中に溶解して得られた溶液を基板上に塗布し、次いで有機溶媒を蒸発させて基板上にフィルムを調製する方法が知られている(例えば、非特許文献2参照)。
上記非特許文献1における基板表面に多孔質シリカを析出する方法では、調製に長時間を要し、また、粉体として析出する多孔質シリカが多く、歩留まりが悪い等の欠点があるため、非特許文献2における有機溶媒を蒸発させる方法の方が多孔質シリカフィルムの調製には優れている。
上記非特許文献2における有機溶媒を蒸発させて基板上にフィルムを調製する方法において用いられる溶媒として、多価アルコール溶媒、グリコールエーテル溶媒、グリコールアセテートエーテル溶媒、アミド系溶媒、ケトン系溶媒、カルボン酸エステル溶媒等が提案されている(例えば、特許文献2参照)。
また、2.5以下の低誘電率を持ち、かつ高強度の多孔質膜を得るために、多孔質膜に対して紫外線照射した後、特定の疎水性化合物を気相反応させる手法が提案されている(特許文献3参照)。
半導体装置作製プロセスにおいて、多孔質層間絶縁膜は、多層化されて使用されている。現状のCu配線プロセスでは、1層毎に作製されるために工程数が多く掛かっている。例えば2層の多孔質層間絶縁膜を作製する場合、1層目の多孔質層間絶縁膜を形成後、キャップ層形成、エッチングストップ層形成、2層目の多孔質層間絶縁膜形成、及びキャップ層形成というように5工程を必要とする。
国際公開第91/11390号パンフレット(クレーム等) 特開2000−38509号公報(段落番号:0013、0014等) 特開2006−154846号公報(特許請求の範囲)
Nature誌、1996年、379巻(703頁) Supramolecular Science誌、1998年、5巻(247頁等)
本発明の課題は、上述の従来技術の問題点を解決することにあり、多孔質層間絶縁膜を作製する際の多層化工程数を削減することができる前駆体組成物、この前駆体組成物を用いて得られた多孔質膜及びその作製方法、並びにこの多孔質膜を利用した半導体装置を提供することにある。
本発明者等は、多層化工程数を削減した多孔質層間絶縁膜を作製すべく鋭意研究開発を進めた結果、特定の前駆体組成物を用い、特定の処理を行うことにより、従来技術の問題点を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
本発明の多孔質膜の前駆体組成物は、次の一般式(1):
Si(OR) (1)
で示される化合物(A)、及び次の一般式(2):
(Si)(OR)4−a (2)
で示される化合物(B)(上記式(1)及び(2)中、Rは1価の有機基を表し、Rは水素原子、又は1価の有機基を表し、Rは1価の有機基を表し、aは1〜3の整数であり、R、R及びRは同一であっても異なっていてもよい。)から選ばれた少なくとも1種の化合物と、250℃以上で熱分解する熱分解性有機化合物(D)と、90〜200℃の温度範囲内で熱分解し、そしてこの熱分解によりアミン類を発生する化合物であって、この熱分解温度以下では、この化合物の水溶液又はこの水溶液とアルコールとの混合溶液のpHが6.5〜8の範囲内に入る化合物(E)とを含んでいることを特徴とする。
本発明の多孔質膜の前駆体組成物はまた、次の一般式(1):
Si(OR) (1)
で示される化合物(A)、及び次の一般式(2):
(Si)(OR)4−a (2)
で示される化合物(B)から選ばれた少なくとも1種の化合物と、次の一般式(3):
O(Si(OR))OR (3)
で示される化合物(C)(上記式(1)、(2)及び(3)中、Rは1価の有機基を表し、Rは水素原子、又は1価の有機基を表し、Rは1価の有機基を表し、Rは1価の有機基を表し、aは1〜3の整数であり、bは4〜10の整数であり、R、R、R及びRは同一であっても異なっていてもよい。)と、250℃以上で熱分解する熱分解性有機化合物(D)と、90〜200℃の温度範囲内で熱分解し、そしてこの熱分解によりアミン類を発生する化合物であって、この熱分解温度以下では、この化合物の水溶液又はこの水溶液とアルコールとの混合溶液のpHが6.5〜8の範囲内に入る化合物(E)とを含んでいることを特徴とする。
上記熱分解性有機化合物(D)として、250℃未満で熱分解する有機化合物を用いると、前記一般式(1)、(2)及び(3)で示されるアルコキシシラン類の重合が起きるより早くこの化合物(D)が分解してしまい、設計通りの空孔径、空孔率を得るのが難しいという問題がある。
上記化合物(E)として、90〜200℃の温度範囲で熱分解する化合物を選択することにより、添加時には触媒として作用せず、調製された前駆体組成物の溶液を基板上に塗布した後、乾燥する際の昇温時及び乾燥温度で触媒として作用させることができる。上記pHが6.5未満の酸性となると、触媒として求電子反応による加水分解を促進してゲル化を引き起こし、また、pHが8を超えると、添加と同時に求電子反応による加水分解を促進してゲル化を引き起こし、多孔質膜を半導体装置に利用する場合に不都合が生じるため、好ましくない。
上記熱分解性有機化合物(D)は、分子量200〜5000の界面活性剤を少なくとも1種含んでいることを特徴とする。界面活性剤の分子量が200未満であると、形成できる空孔径が小さすぎ、5000を超えると、空孔径が大きくなりすぎる。
上記前駆体組成物中に含まれる金属イオン不純物は、10ppb以下であることを特徴とする。金属イオン不純物が、10ppbを超えると、作製された半導体装置の信頼性に影響を与えるという問題がある。
上記化合物(E)は、前駆体組成物中のSi原子1モルに対して0.15〜0.50モル濃度で含まれていることを特徴とする。Si原子に対するモル比が0.15モル濃度未満であり、また、0.50モル濃度を超えると、前駆体組成物の溶液を最初に塗布して乾燥(低温乾燥)した後の再度の塗布時に塗布ムラ等が発生し、多孔質層間絶縁膜を得ることができない。
上記化合物(E)は、尿素、式:R−NH−CO−NR’−CO−NH−R’’(式中、Rは、水素原子、C、又はC2a−1(aは1〜3の整数)であり、R’及びR’’はRと同じであり、R、R’及びR’’は、同一であっても異なっていてもよい。)、及び複素環化合物から選ばれた少なくとも1種であり、前駆体組成物中のSi原子1モルに対して0.15〜0.50モル濃度で含まれていることを特徴とする。0.15モル濃度未満であり、0.50モル濃度を超えると、上記のような問題がある。
本発明の多孔質膜の作製方法は、上記多孔質膜の前駆体組成物の溶液を基板上に塗布し、60〜200℃の温度範囲で乾燥(低温乾燥)させる第1工程、次いで、その上にさらに前駆体組成物の溶液を塗布し、前記低温乾燥の際の温度以上、400℃以下の温度範囲で乾燥・焼成させる第2工程を行うことを特徴とする。
上記多孔質膜の作製方法において、最初の乾燥温度が60℃未満であると、膜形成が不十分であり、200℃を超えると、乾燥しすぎとなり、次の前駆体組成物の溶液の塗布性が悪くなる。また、前記低温乾燥の際の温度未満であると成膜せず、400℃を超えると空孔の形成が不十分となる。
本発明の多孔質膜の作製方法はまた、上記第1工程を行う際の温度以上、400℃以下の温度範囲で乾燥・焼成させて得られた多孔質膜に対して、波長157nm〜344nmの紫外線を照射した後、疎水性化合物を100〜600℃の温度範囲で気相反応させ、疎水化された多孔質膜を作製することを特徴とする。
波長157nm〜344nmの紫外線照射により、Si−Cの結合は切断されるが、Si−Oの結合は切断されないので、Si−Oの3次元的架橋が促進される。また、気相反応の温度が100℃未満であると気相反応が十分に起こらず、600℃を超えると多孔質膜が収縮して比誘電率の上昇を招く。
上記疎水性化合物が、有機ケイ素化合物であり、ヘキサメチルジシラザン、ビス(トリメチルシリル)アセトアミド、トリメチルシリルイミダゾール、又はトリメチルシリルジメチルアミンであることが好ましい。
上記第1工程及び第2工程の一連の工程を複数回繰り返すか、又は前記第1工程を複数回繰り返した後に第2工程を行うことにより、多層化した多孔質膜を作製することができる。
本発明の多孔質膜は、上記多孔質膜の作製方法に従って作製することができ、また、本発明の半導体装置は、上記多孔質膜の作製方法に従って得られた多孔質膜を用いて作製することができる。
本発明の多孔質膜の前駆体組成物を用いれば、多層化工程数を削減した多孔質層間絶縁膜である多孔質膜を作製することができ、また、この多孔質膜を用いれば、所望の半導体装置を提供できるという効果を奏する。
例えば、2層の多孔質層間絶縁膜を形成する場合は、前駆体組成物の溶液を塗布・乾燥して多孔質層間絶縁膜を形成後、再度前駆体組成物の溶液を塗布・乾燥・焼成し、次いでキャップ層を形成すればよく、多層化工程数を削減できる。
本発明に係る多孔質膜の一実施の形態によれば、所望の特性を有する多孔質膜は、次の一般式(1):
Si(OR) (1)
で示される化合物(A)、及び次の一般式(2):
(Si)(OR)4−a (2)
で示される化合物(B)から選ばれた少なくとも1種の化合物と、所望により次の一般式(3):
O(Si(OR)OR (3)
で示される化合物(C)とを含み(上記式(1)、(2)及び(3)中、Rは1価の有機基を表し、Rは水素原子、又は1価の有機基を表し、Rは1価の有機基を表し、Rは1価の有機基を表し、aは1〜3の整数であり、bは4〜10の整数であり、R、R、R及びRは同一であっても異なっていてもよい。)、さらに250℃以上で熱分解する熱分解性有機化合物であって、分子量200〜5000の界面活性剤を少なくとも1種含んでいる熱分解性有機化合物(D)(好ましくは、界面活性剤)と、90〜200℃の温度範囲内で熱分解し、そしてこの熱分解によりアミン類を発生する化合物であって、この熱分解温度以下では、この化合物の水溶液又はこの水溶液とアルコールとの混合溶液のpHが6.5〜8の範囲内に入る化合物(E)と、有機溶媒とを含んでいる本発明に係る多孔質膜の前駆体組成物の溶液から作製され、この場合、前駆体組成物中に含まれる金属イオン不純物は、10ppb以下であり、化合物(E)は、尿素、式:R−NH−CO−NR’−CO−NH−R’’(式中、Rは、水素原子、C、又はC2a−1(aは1〜3の整数)であり、R’及びR’’はRと同じであり、R、R’及びR’’は、同一であっても異なっていてもよく、R、R’、及びR’’は、好ましくは水素原子である(ビウレット)。)、及び複素環化合物(式:C3n、C2n5n、又は(C2n(式中、nは1〜3であり、好ましくはヘキサメチレンテトラミンである。))から選ばれた少なくとも1種であり、前駆体組成物中のSi原子1モルに対して0.15〜0.50モル濃度で含有されていることが好ましい。
上記前駆体組成物の溶液は、例えば、上記化合物(A)及び化合物(B)から選ばれた少なくとも1種の化合物と、上記化合物(C)と、上記熱分解性有機化合物(D)とを有機溶媒中で混合し、この溶液に、さらに上記化合物(E)を混合して調製しても良い。これらの各成分化合物の添加・混合の順序には特に制限はない。
上記多孔質膜の前駆体組成物の溶液を調製する方法の一例について、以下具体的に説明する。
例えば、上記一般式(1)及び(2)で示される化合物の少なくとも1種類の化合物と、随時一般式(3)で示される化合物と、水と、有機溶媒との混合物に、一般式(1)、(2)及び(3)で示される化合物中のOR、OR、ORを加水分解せしめるための酸性触媒又は塩基性触媒を加え、20〜80℃の範囲で30分〜5時間攪拌し、一般式(1)、(2)及び(3)で示される化合物を加水分解させ、溶液を調製する。次いで、この溶液を攪拌しながら、界面活性剤を1秒間に100万分の1モルから100分の1モルまでの範囲内で少量ずつ滴下する。この時、界面活性剤は直接滴下しても有機溶媒等で希釈したものを滴下しても良く、界面活性剤の単位時間あたりの滴下量は界面活性剤の分子量に依存するが、多すぎると界面活性剤の分散が不十分となり、最終的に得られる溶液に不均一が生じる。以上の各原料の混合比は目的とする比誘電率によって適宜決定すればよい。
上記加水分解に酸性触媒しか用いない従来技術の方法では、Si−OHの架橋が直線的に進んで、2次元の網状構造を形成することがあり、また、一般式(1)、(2)及び(3)で示される化合物の加水分解が完全には終了しないことがある。そこで、加水分解を促進するために、加水分解系のpHを酸性側にすることが考えられるが、本発明の最終目的は、得られた多孔質膜を半導体装置に利用することであるので、pHを下げることによって加水分解を促進することはできない。そのため、本発明では、上記したように、例えば尿素等のような、有機溶媒の気化温度以下において中性を示し、かつ、熱分解性有機化合物(D)(例えば、界面活性剤等)のような空孔を形成する化合物の分解温度より低い温度において熱分解して、アンモニア等の塩基性物質であるアミン類を生成し、前駆体組成物溶液中の一般式(1)、(2)及び(3)で示される化合物の加水分解を促進できる化合物(E)を、所望の工程で混合することにより、所期の目的を達成している。すなわち、この化合物(E)は、90〜200℃の温度範囲内で熱分解し、そしてこの熱分解によりアミン類を発生する化合物であって、この熱分解温度以下では、この化合物の水溶液又はこの水溶液とアルコールとの混合溶液のpHが6.5〜8の範囲内に入る化合物である。この化合物(E)は、比誘電率に影響がでない上記した範囲内の濃度で添加される。
最終的に得られた溶液を20〜50℃の範囲、好ましくは25〜30℃の範囲内で30分〜24時間攪拌し、多孔質膜の前駆体組成物溶液を得る。このように、得られた溶液を十分に攪拌することにより、安定な、経時変化のおきない前駆体組成物溶液(塗布液)を得ることができる。
本発明に係る多孔質膜の作製方法の実施の形態によれば、上記のようにして調製された前駆体組成物の溶液を基板上に塗布し、60〜200℃の温度範囲で乾燥させ、次いで、その上にさらに該多孔質膜の前駆体組成物の溶液を塗布し、100〜400℃の温度範囲で乾燥・焼成させることにより多孔質膜を作製することができる。そして、その後、所望により、100〜400℃の温度範囲で乾燥・焼成させて得られた多孔質膜に対して、波長157nm〜344nmの紫外線を照射した後、好ましくはヘキサメチルジシラザン、ビス(トリメチルシリル)アセトアミド、トリメチルシリルイミダゾール、及びトリメチルシリルジメチルアミンから選ばれた有機ケイ素化合物からなる疎水性化合物を、100〜600℃の温度範囲で気相反応させることにより、疎水化された多孔質膜を作製することができる。上記したように一度目の低温乾燥では、2層目を塗布することが可能な程度になるまで乾燥を行い、その際の膜の骨格形成は不十分であっても良く、2度目の乾燥・焼成で膜の骨格形成を十分に行うことができればよい。
上記した塗布及び60〜200℃の乾燥(第1工程)並びに塗布及び100〜400℃の乾燥・焼結(第2工程)の一連の工程を所定の回数繰り返すことにより、又は第1工程を所定の回数繰り返した後に第2工程を行うことにより、多層化した多孔質膜を作製することができる。この場合、第1工程と第2工程とをどのように組み合わせて繰り返してもよく、最初に第1工程、最後に第2工程が行われればよい。多層の数に合わせて繰り返せばよい。
上記したようにして調製された前駆体組成物溶液を基板上に塗布し、60〜200℃で乾燥する際に、得られた薄膜が、化合物(E)の熱分解温度である90℃以上に加熱されると、塩基性触媒として作用するアミン類が生成されるので、これにより前駆体中の未加水分解部分が完全に加水分解され、かつこの塩基性触媒によるSi−Oの3次元的架橋も促進される。従って、より強いシリカネットワークを持つ多孔質シリカ膜を得ることができる。この化合物(E)の添加工程の順番は特に制限されるものではなく、例えば、上記したような工程で添加すればよい。
上記したように化合物(E)を添加して処理する手法は、一般的に「均一沈殿法」と呼ばれているものである。一般的な均一沈殿法の場合、尿素の添加量は、通常、本発明の場合の数十〜数百倍(通常、大過剰に添加するということで、例えば、50倍程度の量が添加されている)である。しかるに、本発明の場合には、このような大量の尿素の使用は、空孔形成のための界面活性剤等を損傷させてしまい、その結果、得られた多孔質膜の比誘電率を増大させてしまう。しかし、少なすぎると、60〜200℃で乾燥した場合に乾燥しきれず、その上に次の層を塗布した際に溶解等の変質が生じ、作製された多孔質膜の比誘電率を増大させてしまう。この比誘電率に影響の出ない範囲としては、上記したように、前駆体組成物中のSi原子1モルに対するモル比で、一般には、0.15〜0.50モル濃度である。
本発明によれば、上記したように、多孔質膜の疎水性を向上させるために、化合物(E)の混合された上記多孔質膜の前駆体組成物の溶液又は上記前駆体組成物の調製方法により調製された化合物(E)の混合された多孔質膜の前駆体組成物の溶液を基板上に塗布し、100〜400℃の温度範囲で乾燥させ、かくして基板上に形成された多孔質膜に対して、Si−Oの結合エネルギーよりも低く、Si−Cの結合エネルギーよりも高いエネルギーを持つ波長157nm〜344nmの紫外線を照射した後、上記した疎水性化合物を100〜600℃の温度範囲で気相反応させる。なお、Si−Oの結合を切断しないエネルギーをもつものであれば、照射するエネルギーは紫外線に限定されるものではなく、例えば所望のエネルギー状態に加速された電子ビーム等も有効である。
以下、上記前駆体組成物及び多孔質膜の各成分について詳細に説明する。
(アルコキシシラン類)
上記一般式(1)、(2)及び(3)でそれぞれ示される化合物(A)、(B)及び(C)において、R、R、R及びRの1価の有機基には、アルキル基、アリール基、アリル基、グリシジル基等が含まれる。
一般式(1)のRにおける1価の有機基としては、アルキル基又はアリール基を挙げることができる。このアルキル基としては、好ましくは炭素数1〜5のアルキル基であり、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基等を挙げることができる。これらのアルキル基は鎖状でも、分岐していてもよく、さらに水素原子がフッ素原子等のハロゲン原子に置換されていてもよい。アリール基としては、フェニル基、ナフチル基、メチルフェニル基、エチルフェニル基、クロロフェニル基、ブロモフェニル基、フルオロフェニル基等を挙げることができる。Rにおける1価の有機基としては、アルキル基及びフェニル基が好ましい。一般式(2)のR、Rにおける1価の有機基としては、上記一般式(1)のRの場合と同様な有機基を挙げることができる。一般式(3)のRおける1価の有機基としては、上記一般式(1)のRの場合と同様な有機基を挙げることができる。
本発明において用いることのできる一般式(1)、(2)及び(3)で示されるアルコキシシラン類としては、特に限定されるものではなく、具体的には以下のようなものを挙げることができる。
例えば、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトライソプロポキシシラン、テトラブチルシラン等の4級アルコキシシラン;トリメトキシフルオロシラン、トリエトキシフルオロシラン、トリイソプロポキシフルオロシラン、トリメトキシメチルシラン、トリエトキシメチルシラン、トリメトキシエチルシラン、トリエトキシエチルシラン、トリメトキシプロピルシラン、トリエトキシプロピルシラン等の3級アルコキシアルキルシラン;トリメトキシフェニルシラン、トリエトキシフェニルシラン等の3級アルコキシアリールシラン;トリメトキシフェネチルシラン、トリエトキシフェネチルシラン等の3級アルコキシフェネチルシラン;ジメトキシジメチルシラン、ジエトキシジメチルシラン等の2級アルコキシアルキルシラン;メチルシリケート51、メチルシリケート53、メチルシリケート55等のアルコキシシラン多量体等を挙げることができる。
本発明では、上記アルコキシシラン類から選ばれる1種又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
(有機溶媒)
本発明で用いることができる有機溶媒としては、例えば、メタノール、エタノール、n−プロパノール、i−プロパノール、n−ブタノール、i−ブタノール、sec−ブタノール、t−ブタノール、n−ペンタノール、i−ペンタノール、2−メチルブタノール、sec−ペンタノール、t−ペンタノール、3−メトキシブタノール、n−ヘキサノール、2−メチルペンタノール、sec−ヘキサノール、2−エチルブタノール、sec−ヘプタノール、ヘプタノール−3、n−オクタノール、2−エチルヘキサノール、sec−オクタノール、n−ノニルアルコール、2,6−ジメチルヘプタノール−4、n−デカノール、sec−ウンデシルアルコール、トリメチルノニルアルコール、sec−テトラデシルアルコール、sec−ヘプタデシルアルコール、フェノール、シクロヘキサノール、メチルシクロヘキサノール、3,3,5−トリメチルシクロヘキサノール、ベンジルアルコール、フェニルメチルカルビノール、ジアセトンアルコール、クレゾール等のモノアルコール系溶媒;
エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、ペンタンジオール−2,4、2−メチルペンタンジオール−2,4、ヘキサンジオール−2,5、ヘプタンジオール−2,4、2−エチルヘキサンジオール−1,3、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリエチレングリコール、トリプロピレングリコール、グリセリン等の多価アルコール系溶媒;
アセトン、メチルエチルケトン、メチル−n−プロピルケトン、メチル−n−ブチルケトン、ジエチルケトン、メチル−i−ブチルケトン、メチル−n−ペンチルケトン、エチル−n−ブチルケトン、メチル−n−ヘキシルケトン、ジ−i−ブチルケトン、トリメチルノナノン、シクロヘキサノン、2−ヘキサノン、メチルシクロヘキサノン、2,4−ペンタンジオン、アセトニルアセトン、ジアセトンアルコール、アセトフェノン、フェンチョン等のケトン系溶媒;
エチルエーテル、i−プロピルエーテル、n−ブチルエーテル、n−ヘキシルエーテル、2−エチルヘキシルエーテル、エチレンオキシド、1,2−プロピレンオキシド、ジオキソラン、4−メチルジオキソラン、ジオキサン、ジメチルジオキサン、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、エチレングリコールモノ−n−ヘキシルエーテル、エチレングリコールモノフェニルエーテル、エチレングリコールモノ−2−エチルブチルエーテル、エチレングリコールジブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、ジエチレングリコールジ−n−ブチルエーテル、ジエチレングリコールモノ−n−ヘキシルエーテル、エトキシトリグリコール、テトラエチレングリコールジ−n−ブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン等のエーテル系溶媒;
ジエチルカーボネート、酢酸メチル、酢酸エチル、γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン、酢酸n−プロピル、酢酸i−プロピル、酢酸n−ブチル、酢酸i−ブチル、酢酸sec−ブチル、酢酸n−ペンチル、酢酸sec−ペンチル、酢酸3−メトキシブチル、酢酸メチルペンチル、酢酸2−エチルブチル、酢酸2−エチルヘキシル、酢酸ベンジル、酢酸シクロヘキシル、酢酸メチルシクロヘキシル、酢酸n−ノニル、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、酢酸エチレングリコールモノメチルエーテル、酢酸エチレングリコールモノエチルエーテル、酢酸ジエチレングリコールモノメチルエーテル、酢酸ジエチレングリコールモノエチルエーテル、酢酸ジエチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、酢酸プロピレングリコールモノメチルエーテル、酢酸プロピレングリコールモノエチルエーテル、酢酸プロピレングリコールモノプロピルエーテル、酢酸プロピレングリコールモノブチルエーテル、酢酸ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、酢酸ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジ酢酸グリコール、酢酸メトキシトリグリコール、プロピオン酸エチル、プロピオン酸n−ブチル、プロピオン酸i−アミル、シュウ酸ジエチル、シュウ酸ジ−n−ブチル、乳酸メチル、乳酸エチル、乳酸n−ブチル、乳酸n−アミル、マロン酸ジエチル、フタル酸ジメチル、フタル酸ジエチル等のエステル系溶媒;
N−メチルホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジエチルホルムアミド、アセトアミド、N−メチルアセトアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルプロピオンアミド、N−メチルピロリドン等の含窒素系溶媒等を挙げることができる。
本発明では、上記有機溶媒から選ばれる1種又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
(酸性及び塩基性触媒)
本発明において、前駆体組成物溶液中で用いることができる触媒は、少なくとも1種類以上の酸性触媒又は塩基性触媒である。
酸性触媒としては、無機酸、有機酸や有機過酸化物を挙げることができる。
無機酸としては、例えば、塩酸、硝酸、硫酸、フッ酸、リン酸、ホウ酸、及び臭化水素酸等を挙げることができる。
有機酸としては、例えば、酢酸、プロピオン酸、ブタン酸、ペンタン酸、ヘキサン酸、ヘプタン酸、オクタン酸、ノナン酸、デカン酸、シュウ酸、マレイン酸、メチルマロン酸、アジピン酸、セバシン酸、没食子酸、酪酸、メリット酸、アラキドン酸、シキミ酸、2−エチルヘキサン酸、オレイン酸、ステアリン酸、リノール酸、リノレイン酸、サリチル酸、安息香酸、p−アミノ安息香酸、p−トルエンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、モノクロロ酢酸、ジクロロ酢酸、トリクロロ酢酸、トリフルオロ酢酸、ギ酸、マロン酸、スルホン酸、フタル酸、フマル酸、クエン酸、酒石酸、コハク酸、イタコン酸、メサコン酸、シトラコン酸、及びリンゴ酸等を挙げることができる。
有機過酸化物としては、アセチルケトンペルオキシド、1,1−ジ(t−ヘキシルペルオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−(t−ヘキシルペルオキシ)シクロヘキサン、1,1−ジ(t−ブチルペルオキシ)−2−メチルシクロヘキサン、2,2−ジ(t−ブチルペルオキシ)ブタン、ジイソプロピルベンゼンハイドロペルオキシド、クミンハイドロペルオキシド、t−ブチルハイドロペルオキシド、ジクミルペルオキシド、ジ−t−ブチルペルオキシド、ジイソブチルペルオキシド、ジベンゾイルペルオキシド、t−ブチルペルオキシピバレート、ハイドロゲンペルオキシド、t−ブチルペルオキシベンゾイル等を挙げることができる。
塩基性触媒としては、アンモニウム塩及び窒素含有化合物を挙げることができる。
アンモニウム塩としては、例えば、水酸化テトラメチルアンモニウム、水酸化テトラエチルアンモニウム、水酸化テトラプロピルアンモニウム、及び水酸化テトラブチルアンモニウム等を挙げることができる。
窒素含有化合物としては、例えば、ピリジン、ピロール、ピペリジン、1−メチルピペリジン、2−メチルピペリジン、3−メチルピペリジン、4−メチルピペリジン、ピペラジン、1−メチルピペラジン、2−メチルピペラジン、1,4−ジメチルピペラジン、ピロリジン、1−メチルピロリジン、ピコリン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、ジメチルモノエタノールアミン、モノメチルジエタノールアミン、トリエタノールアミン、ジアザビシクロオクテン、ジアザビシクロノナン、ジアザビシクロウンデセン、2−ピラゾリン、3−ピロリン、キヌクリジン、アンモニア、メチルアミン、エチルアミン、プロピルアミン、ブチルアミン、N,N−ジメチルアミン、N,N−ジエチルアミン、N,N−ジプロピルアミン、N,N−ジブチルアミン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、及びトリブチルアミン等を挙げることができる。
(界面活性剤)
本発明における前駆体組成物の溶液中で用いることができる界面活性剤としては、分子量が小さい場合には、形成される空孔が小さく、空孔形成後の気相反応において対象化合物が十分に空孔内へ浸透し難いため、また、分子量が大きい場合には、形成される空孔が大きくなり過ぎるため、例えば、分子量200〜5000の範囲内のものであれば、特に制限されることなく用いることができる。好ましくは、例えば、以下の界面活性剤を挙げることができる。
(I)長鎖アルキル基及び親水基を有する化合物。ここで、長鎖アルキル基としては、好ましくは炭素原子数8〜24のもの、さらに好ましくは炭素原子数12〜18のものであり、また、親水基としては、例えば、4級アンモニウム塩、アミノ基、ニトロソ基、ヒドロキシル基、カルボキシル基等が挙げられ、なかでも4級アンモニウム塩、又はヒドロキシル基であることが望ましい。そのような界面活性剤として、具体的には、次の一般式:C2n+1(N(CH)(CH))(CH)N(CH)2L+11+a
(上記一般式中、aは0〜2の整数であり、bは0〜4の整数であり、nは8〜24の整数であり、mは0〜12の整数であり、Lは1〜24の整数であり、Xはハロゲン化物イオン、HSO 又は1価の有機アニオンを表す。)で示されるアルキルアンモニウム塩の使用が好ましい。a、b、n、m、Lがこの範囲内であり、Xがこのようなイオンであれば、形成される空孔が適当な大きさとなり、空孔形成後の気相反応において対象化合物が十分に空孔内へ浸透し、目的とする重合反応が生じる。
(II)ポリアルキレンオキシド構造を有する化合物。ここで、ポリアルキレンオキシド構造としては、ポリエチレンオキシド構造、ポリプロピレンオキシド構造、ポリテトラメチレンオキシド構造、ポリブチレンオキシド構造等を挙げることができる。そのようなポリアルキレンオキシド構造を有する化合物としては、具体的には、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロックコポリマー、ポリオキシエチレンポリオキシブチレンブロックコポリマー、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル、ポリエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル等のエーテル型化合物;ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリエチレンソルビトール脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル等のエーテルエステル型化合物等を挙げることができる。
本発明においては、上記界面活性剤から選ばれる1種又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
(疎水性化合物(シリル化剤))
本発明において用いることができる疎水性化合物としては、ヘキサメチルジシラザン、ビス(トリメチルシリル)アセトアミド、トリメチルシリルイミダゾール、トリメチルシリルジメチルアミン等の有機ケイ素化合物を挙げることができる。
上記疎水性化合物は、原料多孔質シリカ膜に対して、その空孔内壁に重合体薄膜を形成せしめ得るのに十分な量であれば良く、例えば、ガス中濃度が0.1vol%以上であれば良い。
(化合物(E))
上記化合物(E)としては、上記した尿素、R−NH−CO−NR’−CO−NH−R’’、及び複素環化合物に加えて、分子内にウレア結合、ウレタン結合、及びアミド結合のいずれかを1種以上有する以下の有機化合物を好ましく使用できる。
ウレア結合を有する有機化合物としては、次の一般式(4):
Figure 2011040634
(式中、R、R、R、及びRは、同一でも異なっていてもよく、それぞれ、H、C、C2a+1を示し、aは1〜3の整数である。)で表されるウレア化合物の少なくとも1種であることが好ましい。具体的には、尿素、メチルウレア、1,1−ジメチルウレア、1,3−ジメチルウレア、エチルウレア等が挙げられる。これらの中でも、特に尿素が好ましい。
また、ウレタン結合を有する有機化合物としては、次の一般式(5):
Figure 2011040634
(式中、R、R、及びRは、同一でも異なっていてもよく、それぞれ、H、C、C2a+1を示し、aは1〜3の整数である。)で表されるウレタン化合物の少なくとも1種であることが好ましい。具体的には、メチルカーバメイト、エチルカーバメイト等が挙げられる。
さらに、アミド結合を有する有機化合物としては、次の一般式(6):
Figure 2011040634
(式中、R、R、及びRは、同一でも異なっていてもよく、それぞれ、H、C、C2a+1を示し、aは1〜3の整数である。)で表されるアミド化合物の少なくとも1種であることが好ましい。具体的には、アセトアミド、N−メチルホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド等が挙げられる。
本発明においては、上記化合物(E)は、一般式(4)で表されるウレア結合を有する有機化合物、一般式(5)で表されるウレタン結合を有する有機化合物、及び一般式(6)で表されるアミド結合を有する有機化合物の中から選ばれる1種単独でも、2種以上組み合わせてもよい。これらの中では、一般式(4)で表されるウレア結合を有する有機化合物の使用が好ましい。
上記基板としては、特に制限されず、例えば、ガラス、石英、シリコンウエハー、ステンレス等を挙げることができる。その形状も、特に制限されず、板状、皿状等のいずれであっても良い。
上記において、基板に多孔質膜の前駆体組成物の溶液を塗布する方法としては、特に制限されず、例えば、スピンコート法、キャスティング法、ディップ法等の一般的な方法を挙げることができる。例えば、スピンコート法の場合、スピナー上に基板を載置して、この基板上に塗布液を滴下し、500〜10000rpmの回転速度で行う。
本発明によれば、気相反応後に、低誘電率及び疎水性等に優れた多孔質シリカ膜を得ることができるので、この多孔質シリカ膜を製造した後に、さらに疎水化処理を行うことは必要ではない。
また、本発明によれば、気相反応後の多孔質シリカ膜には疎水性化合物の未重合残基はほとんどないが、仮に有機物残渣があったとしても、次の工程で、得られた多孔質シリカ膜上に他の金属薄膜や絶縁膜等を積層した場合、この未重合残基によりこれらの膜同士の密着性が向上する。
さらに、本発明では、疎水性化合物の蒸気を処理チャンバー内へ導入する前に、チャンバー内を一旦減圧にし、その後に疎水性化合物の蒸気を導入し、この減圧を維持したまま適度の重合反応(気相反応)を行うことができるので、疎水性化合物のチャンバー内への拡散性が良くなり、空孔内における濃度が均一になる。
さらにまた、減圧下で行うことができるため、多孔質膜中の空孔内に存在する気体分子や水分子等を予め除去した後に疎水性化合物の気体分子を導入することができるので、この化合物の空孔内への拡散性がよい。その結果、この疎水性化合物を多孔質膜中の空孔内へ短時間で均一に拡散させ、重合反応を起こさせることができるので、大面積の多孔質膜に対しても処理効果の均一性が図れる。
上記したように、本発明の多孔質シリカ膜は、誘電率と疎水性の両方に優れると共に機械的強度にも優れているため、層間絶縁膜や配線間絶縁膜等の半導体装置材料;分子記録媒体、透明導電性膜、固体電解質、光導波路、LCD用カラー部材等の光機能材料や電子機能材料として用いることができる。特に、半導体装置材料の層間絶縁膜や配線間絶縁膜には、低誘電率、疎水性や高機械的強度が求められていることからも、このような低誘電率、疎水性、機械的強度に優れる本発明の多孔質シリカ膜を用いることは好都合である。
以下に、本発明の多孔質シリカ膜を配線間絶縁膜として用いた半導体装置の製造例について具体的に説明する。この製造は、半導体装置の公知の製造プロセス条件に従って実施できる。
まず、上記したようにして、基板表面上に、多孔質シリカ膜を形成する。本発明の多孔質シリカ膜の製造方法によれば、低誘電率、疎水性に優れると共に高機械的強度を有する配線間絶縁膜を得ることができる。次いで、公知の製造プロセス条件に従って、この多孔質シリカ膜上へハードマスクとフォトレジストとを形成し、フォトレジストのパターン通りにエッチングする。エッチング後、気相成長法(CVD)によりその多孔質シリカ膜表面に窒化チタン(TiN)や窒化タンタル(TaN)等からなるバリア膜を形成する。
本発明の多孔質シリカ膜表面にバリア膜を形成した後、公知のプロセス条件に従って、メタルCVD法、スパッタリング法又は電解メッキ法により銅配線を形成し、さらにCMPにより膜を平滑化する。次いで、その膜の表面にキャップ膜を形成する。さらに必要に応じ、ハードマスクを形成し、上記の工程を繰り返すことで多層化することができ、本発明の半導体装置を製造することができる。
なお、上記では、好適例として、半導体回路素子の絶縁膜材料を挙げて説明したが、本発明の多孔質シリカ膜の適用はこの用途に制限されるものではなく、例えば、水溶液中での表面加工が必要な防水膜電気材料、触媒材料、フィルター材料等の用途にも適用できる。
以下、実施例、参考例及び比較例に基づいて本発明を詳細に説明する。これらの実施例、参考例及び比較例で用いた多孔質膜の前駆体組成物溶液の原料等は以下の通りである。
アルコキシシラン類:テトラエトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン(山中セミコンダクター(株)製、電子工業グレード)。
O:脱金属処理された抵抗値18MΩ以上の純水。
有機溶媒:エタノール(和光純薬(株)製、電子工業グレード)。
界面活性剤:非イオン性界面活性剤のポリ(アルキレンオキシド)ブロックコポリマーとして、HO(CHCHO)13(CHCH(CH)O)20(CHCHO)13H(第一工業製薬(株)製、商品名:エパン450、数平均分子量:2300)を上記の電子工業グレードのエタノールに溶解した後、脱金属処理を施したもの。
シリル化剤(疎水性化合物):ヘキサメチルジシラザン(山中セミコンダクター(株)製、電子工業グレード)、トリメチルシリルジメチルアミン(高純度化学(株)製)。
アミン類:尿素(関東科学(株)製)をHOに溶解した後、脱金属処理を施したもの。ヘキサメチレンテトラミン(関東科学(株)製)をHOに溶解した後、脱金属処理を施したもの。
屈折率:分光エリプソメトリー(SOPRA社製、GES5)を使用して測定。
比誘電率:水銀プローブ測定法(SSM社製、SSM2000)を使用して測定。
(参考例)
テトラエトキシシラン(TEOS):0.072モル、HO:3.1モル、ジメチルジエトキシシラン(DMDEOS):0.011モル、非イオン性界面活性剤のポリ(アルキレンオキシド)ブロックコポリマー:0.005モル、及び尿素:0.021モルをエタノール中酸性環境下(硝酸:0.010モル)、25℃で24時間攪拌し、透明で均一な塗布液を得た。
この塗布液を用いて、半導体Si基板上に1200rpmの条件でスピンコートした後、基板を空気雰囲気下、350℃で1時間焼成処理した。350℃までの昇温時間は15分であった。
上記のようにして得られた多孔質膜に対して、ヘキサメチルジシラザン(HMDS)の蒸気中で、30kPaの圧力下、350℃で30分間焼成処理し、疎水性が高く、かつ低誘電率を持つ多孔質シリカ膜を形成した。この場合、HMDSの蒸気は、キャリアガスとしての不活性ガスであるNと共に導入し、焼成中常に流した。形成された多孔質シリカ膜の比誘電率kは2.1、屈折率は1.226、膜厚は144nmであった。
(実施例1)
TEOS:0.072モル、HO:3.1モル、DMDEOS:0.011モル、及び非イオン性界面活性剤のポリ(アルキレンオキサイド)ブロックコポリマー:0.005モル、及び尿素:0.021モルを、エタノール中酸性環境下(硝酸:0.010モル)、25℃で24時間攪拌し、透明で均一な塗布液を得た。
この塗布液を用いて、半導体Si基板上に1200rpmの条件でスピンコートした後、100℃で5分間乾燥させた。この乾燥させて得られた膜上に、再度、この塗布液を1200rpmの条件でスピンコートした。次いで、基板を空気雰囲気下、350℃で1時間焼成処理した。350℃までの昇温時間は15分であった。
上記のようにして得られた多孔質膜に対して、ヘキサメチルジシラザン(HMDS)の蒸気中で、30kPaの圧力下、350℃で30分間焼成処理し、疎水性が高く、かつ低誘電率を持つ多孔質シリカ膜を形成した。この場合、HMDSの蒸気は、キャリアガスとしての不活性ガスであるNと共に導入し、焼成中常に流した。形成された多孔質シリカ膜の比誘電率kは2.1、屈折率は1.234、膜厚は285nmであった。参考例に示したように、1回塗布での膜厚が144nmであるため、2倍の値となっており、各塗布が正しく行われていることが分かる。
(実施例2)
TEOS:0.072モル、HO:3.1モル、DMDEOS:0.011モル、非イオン性界面活性剤のポリ(アルキレンオキサイド)ブロックコポリマー:0.005モル、及びヘキサメチレンテトラミン:0.021モルを、エタノール中酸性環境下(硝酸:0.010モル)、25℃で24時間攪拌し透明で均一な塗布液を得た。
この塗布液を用いて、半導体Si基板上に1200rpmの条件でスピンコートした後、100℃で5分間乾燥させた。この乾燥させて得られた膜上に、再度、この塗布液を1200rpmの条件でスピンコートした。次いで、基板を空気雰囲気下、350℃で1時間焼成処理した。350℃までの昇温時間は15分であった。
上記のようにして得られた多孔質膜に対して、トリメチルシリルジメチルアミン(TMSDMA)の蒸気中で、30kPaの圧力下、350℃で30分間焼成処理し、疎水性が高く、かつ低誘電率を持つ多孔質シリカ膜を形成した。この場合、TMSDMAの蒸気は、キャリアガスとしての不活性ガスであるNと共に導入し、焼成中常に流した。形成された多孔質シリカ膜の比誘電率kは2.1、屈折率は1.236、膜厚は282nmであった。参考例に示したように、1回塗布での膜厚が144nmであるため、2倍の値となっており、各塗布が正しく行われていることが分かる。
(比較例1)
TEOS:0.072モル、HO:3.1モル、DMDEOS:0.011モル、非イオン性界面活性剤のポリ(アルキレンオキシド)ブロックコポリマー:0.005モル及び尿素:0.008モルをエタノール中酸性環境下(硝酸:0.010モル)、25℃で24時間攪拌し透明で均一な塗布液を得た。
この塗布液を用いて、半導体Si基板上に1200rpmの条件でスピンコートした後、100℃で5分間乾燥させた。この乾燥させて得られた膜上に、再度、この塗布液を1200rpmの条件でスピンコートした。次いで、基板を空気雰囲気下、350℃で1時間焼成処理した。350℃までの昇温時間は15分であった。
上記のようにして得られた多孔質膜に対して、HMDSの蒸気中で、30kPaの圧力下、350℃で30分間焼成処理した。この場合、HMDSの蒸気は、キャリアガスとしての不活性ガスであるNと共に導入し、焼成中常に流した。形成された多孔質シリカ膜の比誘電率kは2.52、屈折率は1.253、膜厚は203nmであった。本比較例の場合、熱分解によりアミン類を発生させる化合物量が少ないため、1回目の塗布及び焼成では、骨格形成が不十分であり、2回目の塗布時に塗布液の膜内へのしみ込み、膜の溶解が起こったため、膜厚が予想より薄くなり、かつ空孔形成に不具合が発生して比誘電率kが高くなったと考えられる。
(実施例3)
実施例1におけるTEOSの代わりに、テトラメトキシシランを用い、DMDEOSの代わりにジメトキシジメチルシランを用い、また、メチルシリケート51を用い、実施例1記載の方法を繰り返した。形成された多孔質シリカ膜の比誘電率kは2.1、屈折率は1.222、膜厚は254nmであった。なお、1層目の膜厚は130nmであった。
(実施例4)
実施例1における尿素の代わりに、メチルカーバメイト、アセトアミドを用い、実施例1記載の方法を繰り返した。形成された多孔質シリカ膜のそれぞれの比誘電率kは2.1、屈折率は1.226、膜厚は261nmであった。なお、1層目の膜厚は134nmであった。
(実施例5)
実施例1の方法を繰り返して、疎水性が高く、かつ低誘電率を持つ多孔質シリカ膜を形成した。ただし、使用する尿素の量を0.041モルとした。かくして得られた膜は、膜厚:285nm(1層目の膜厚は147nm)、比誘電率:2.1、屈折率:1.231であった。
(実施例6)
実施例1の方法を繰り返して、疎水性が高く、かつ低誘電率を持つ多孔質シリカ膜を形成した。ただし、使用する尿素の量を0.013モルとした。かくして得られた膜は、膜厚:280nm(1層目の膜厚は144nm)、比誘電率:2.1、屈折率:1.232であった。
(実施例7)
実施例1の方法を繰り返して、疎水性が高く、かつ低誘電率を持つ多孔質シリカ膜を形成した。ただし、使用するTEOS、DMDEOS及び尿素の量を、それぞれ、0.012モル、0.011モル及び0.021とし、また、メチルシリケート51:0.060モルを用いた。かくして得られた膜は、膜厚:284nm(1層目の膜厚は148nm)、比誘電率:2.0、屈折率:1.210であった。
(比較例2)
尿素の量を0.100モルとして、実施例1の方法を繰り返した。しかし、1層成膜後の低温乾燥時に膜面が荒れてしまい所望の膜が得られなかった。
(比較例3)
尿素の量を0.005モルとして、実施例1の方法を繰り返した。しかし、1層目と2層目とが混じり合ってしまい、うまく積層できなかった。この膜は、膜厚:234nm(1層目の膜厚は145nm)、比誘電率:2.5、屈折率:1.252であり、比誘電率も屈折率も高かった。
本発明によれば、多層の多孔質層間絶縁膜を作製する際の工程数を削減することができると共に、低誘電率及び低屈折率を有する多孔質膜を提供することができる。塗布液の改良による厚膜化ではないため、工程を新たに構築せずに膜厚を厚くすることができる。かくして、本発明の多孔質膜を、半導体装置分野における低比誘電率絶縁膜、ディスプレイ分野等での低屈折率膜として適用することができるので、本発明は、半導体装置分野で利用可能である。

Claims (13)

  1. 次の一般式(1):
    Si(OR) (1)
    で示される化合物(A)、及び次の一般式(2):
    (Si)(OR)4−a (2)
    で示される化合物(B)
    (上記式(1)及び(2)中、Rは1価の有機基を表し、Rは水素原子、又は1価の有機基を表し、Rは1価の有機基を表し、aは1〜3の整数であり、R、R及びRは同一であっても異なっていてもよい。)から選ばれた少なくとも1種の化合物と、
    250℃以上で熱分解する熱分解性有機化合物(D)と、
    90〜200℃の温度範囲内で熱分解し、そしてこの熱分解によりアミン類を発生する化合物であって、この熱分解温度以下では、この化合物の水溶液又はこの水溶液とアルコールとの混合溶液のpHが6.5〜8の範囲内に入る化合物(E)とを含んでいることを特徴とする多孔質膜の前駆体組成物。
  2. 次の一般式(1):
    Si(OR) (1)
    で示される化合物(A)、及び次の一般式(2):
    (Si)(OR)4−a (2)
    で示される化合物(B)から選ばれた少なくとも1種の化合物と、
    次の一般式(3):
    O(Si(OR))OR (3)
    で示される化合物(C)
    (上記式(1)、(2)及び(3)中、Rは1価の有機基を表し、Rは水素原子、又は1価の有機基を表し、Rは1価の有機基を表し、Rは1価の有機基を表し、aは1〜3の整数であり、bは4〜10の整数であり、R、R、R及びRは同一であっても異なっていてもよい。)と、
    250℃以上で熱分解する熱分解性有機化合物(D)と、
    90〜200℃の温度範囲内で熱分解し、そしてこの熱分解によりアミン類を発生する化合物であって、この熱分解温度以下では、この化合物の水溶液又はこの水溶液とアルコールとの混合溶液のpHが6.5〜8の範囲内に入る化合物(E)とを含んでいることを特徴とする多孔質膜の前駆体組成物。
  3. 前記熱分解性有機化合物(D)が、分子量200〜5000の界面活性剤を少なくとも1種含んでいることを特徴とする請求項1又は2記載の多孔質膜の前駆体組成物。
  4. 前記前駆体組成物中に含まれる金属イオン不純物が、10ppb以下であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の多孔質膜の前駆体組成物。
  5. 前記化合物(E)が、前駆体組成物中のSi原子1モルに対して0.15〜0.50モル濃度で含まれていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の多孔質膜の前駆体組成物。
  6. 前記化合物(E)が、尿素、式:R−NH−CO−NR’−CO−NH−R’’(式中、Rは、水素原子、C、又はC2a−1(aは1〜3の整数)であり、R’及びR’’はRと同じであり、R、R’及びR’’は、同一であっても異なっていてもよい。)、及び複素環化合物から選ばれた少なくとも1種であり、前駆体組成物中のSi原子1モルに対して0.15〜0.50モル濃度で含まれていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の多孔質膜の前駆体組成物。
  7. 請求項1〜6のいずれか1項に記載の多孔質膜の前駆体組成物の溶液を基板上に塗布し、60〜200℃の温度範囲で乾燥させる第1工程、次いで、その上にさらに該多孔質膜の前駆体組成物の溶液を塗布し、該第1工程を行う際の温度以上、400℃以下の温度範囲で乾燥・焼成させる第2工程を行うことを特徴とする多孔質膜の作製方法。
  8. 前記第1工程を行う際の温度以上、400℃以下の温度範囲で乾燥・焼成させて得られた多孔質膜に対して、波長157nm〜344nmの紫外線を照射した後、疎水性化合物を、100〜600℃の温度範囲で気相反応させ、疎水化された多孔質膜を作製することを特徴とする請求項7記載の多孔質膜の作製方法。
  9. 前記疎水性化合物が、有機ケイ素化合物であることを特徴とする請求項8記載の多孔質膜の作製方法。
  10. 前記有機ケイ素化合物が、ヘキサメチルジシラザン、ビス(トリメチルシリル)アセトアミド、トリメチルシリルイミダゾール、又はトリメチルシリルジメチルアミンであることを特徴とする請求項9に記載の多孔質膜の作製方法。
  11. 前記第1工程及び第2工程の一連の工程を複数回繰り返すか、又は前記第1工程を複数回繰り返した後に第2工程を行うことを特徴とする請求項7〜10のいずれか1項に記載の多孔質膜の作製方法。
  12. 請求項7〜11のいずれか1項に記載の多孔質膜の作製方法に従って得られた多孔質膜。
  13. 請求項7〜11のいずれか1項に記載の多孔質膜の作製方法に従って得られた多孔質膜を用いて作製された半導体装置。
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