JP2007277518A - 熱硬化性樹脂組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】耐熱性、電気特性、機械物性、寸法安定性に優れる硬化物が得られる熱硬化性樹脂組成物を提供する。
【解決手段】下記一般式(1)及び/又は下記一般式(2)で表される構造を有するポリウレタン樹脂と、エポキシ樹脂とを含有する熱硬化性樹脂組成物。
Figure 2007277518

Figure 2007277518

(式中、Xは1分子中に2個以上のフェノール性水酸基を有するフェノール系化合物の2個のフェノール系水酸基からそれぞれ水素原子を除いた残基を示す。)
【選択図】なし

Description

本発明は、耐熱性、電気特性、および柔軟性に優れる硬化物が得られ、また、硬化前の保存安定性も優れ、各種耐熱性コーティング材料や電気絶縁材料、例えばプリント配線基板の層間絶縁材料、ビルドアップ材料、半導体の絶縁材料、耐熱性接着剤等の分野に好ましく用いることができる熱硬化性樹脂組成物に関する。
耐熱性コーティング材料、電気絶縁材料、例えばプリント配線基板の層間絶縁材料、ビルドアップ材料、半導体の絶縁材料、耐熱性接着剤等の電気電子産業分野に用いられる樹脂組成物の硬化物の耐熱性、低誘電率や低誘電正接などの電気特性、柔軟性に加え、硬化前の樹脂組成物の保存安定性等の向上が要望されている。特にコンピューター等の電子機器では、信号の高速化や高周波数化に伴いプリント基板の信号の伝達遅延やクロストークの発生等の伝達特性が問題となっている。また、プリント基板に使用される樹脂組成物については得られる硬化物の誘電率の低い材料が求められている。
耐熱性に優れる硬化物が得られる樹脂組成物としては、例えば、エポキシ樹脂を含有する樹脂組成物が多く用いられている。該樹脂組成物としては、例えば、重量平均分子量35,000未満のエポキシ樹脂、多官能フェノール樹脂、重量平均分子量35,000以上の高分子量エポキシ樹脂、硬化促進剤、還元剤及び尿素化合物を配合してなるエポキシ樹脂組成物が開示されている(例えば、特許文献1参照。)。しかしながら、該エポキシ樹脂組成物を用いて得られる硬化物でも耐熱性、電気特性、寸法安定性が満足できるものではない。
また、他の樹脂組成物として、例えば、ポリイミド樹脂を含有する樹脂組成物も多く用いられている。該樹脂組成物としては、例えば、カルボキシル基と数平均分子量300〜6,000の線状炭化水素構造とを有するポリイミド樹脂と、エポキシ樹脂とを含有する熱硬化性ポリイミド樹脂組成物が知られている(例えば、特許文献2参照。)。しかしながら、該特許文献2に記載された熱硬化性ポリイミド樹脂組成物の硬化物でも耐熱性も十分ではなく、寸法安定性にも劣る。
特開平5−295090号公報 特開2003−292575号公報
本発明の課題は、耐熱性、電気特性、および柔軟性に優れる硬化物が得られ、また、硬化前の保存安定性も優れる熱硬化性樹脂組成物を提供することにある。
本発明者は、鋭意検討を重ねた結果、下記の知見を見出した。
(1)フェノール系化合物の構造残基と、フェノール性水酸基およびイソシアネート基の反応にて生成されるウレタン結合とを有するポリウレタン樹脂と、エポキシ樹脂とを含有する樹脂組成物の硬化物は、耐熱性、電気特性、柔軟性に優れる。
(2)フェノール系化合物の構造残基と、フェノール性水酸基およびイソシアネート基の反応にて生成されるウレタン結合とを有するポリイミド樹脂と、エポキシ樹脂とを含有する樹脂組成物を用いて得られる硬化物は、前記ポリウレタン樹脂を含有する樹脂組成物を用いて得られる硬化物以上に耐熱性に優れる。
(3)前記樹脂組成物は保存安定性にも優れる。
本発明は上記の知見を基に完成したものである。
即ち、本発明は、下記一般式(1)および/または下記一般式(2)で表される構造を有するポリウレタン樹脂(A)と、エポキシ樹脂(B)とを含有することを特徴とする熱硬化性樹脂組成物を提供するものである。
Figure 2007277518
Figure 2007277518
(式中、Xは1分子中に2個以上のフェノール性水酸基を有するフェノール系化合物から2個のフェノール性水酸基を除いた残基を示す。)
また、本発明は、下記一般式(1)および/または下記一般式(2)で表される構造を有するポリイミド樹脂(C)と、エポキシ樹脂(B)とを含有することを特徴とする熱硬化性樹脂組成物を提供するものである。
Figure 2007277518
Figure 2007277518
(式中、Xは1分子中に2個以上のフェノール性水酸基を有するフェノール系化合物から2個のフェノール性水酸基を除いた残基を示す。)
本発明のポリウレタン樹脂を含有する熱硬化性樹脂組成物やポリイミド樹脂を含有する熱硬化性樹脂組成物は、耐熱性、電気特性、および柔軟性に優れる硬化物を提供できる。また保存安定性も優れる熱硬化性樹脂組成物である。従って、本発明の熱硬化性樹脂組成物は耐熱性コーティング材料や電気絶縁材料に好適に使用できる。
本発明で用いるポリウレタン樹脂(A)は、下記一般式(1)および/または下記一般式(2)で表されるように、ポリウレタン結合としてイソシアネート基とフェノール性水酸基とが連結した構造を有する。ポリウレタン樹脂(A)としては、なかでも有機溶剤に溶解するポリウレタン樹脂が取り扱い易いことから好ましい。
Figure 2007277518
Figure 2007277518
(式中、Xは1分子中に2個以上のフェノール性水酸基を有するフェノール系化合物から2個のフェノール性水酸基を除いた残基を示す。)
前記一般式(1)で表される構造を有するポリウレタン樹脂としては、例えば、下記一般式(3)で表される構造を有するポリウレタン樹脂等が挙げられる。
Figure 2007277518
(上記式中Rx1およびRx2は同一でも異なっていても良く、ポリイソシアネート化合物から二つのイソシアネート基を除いた残基を示す。Xは1分子中に2個以上のフェノール性水酸基を有するフェノール系化合物から2個のフェノール性水酸基を除いた残基を示す。)
また、前記一般式(2)で表される構造を有するポリウレタン樹脂としては、例えば、下記一般式(4)で表される構造を有するポリウレタン樹脂等が挙げられる。
Figure 2007277518
(上記式中Rx1はポリイソシアネート化合物から二つのイソシアネート基を除いた残基を示す。Xは1分子中に2個以上のフェノール性水酸基を有するフェノール系化合物から2個のフェノール性水酸基を除いた残基を示す。)
前記一般式(3)及び一般式(4)中のRx1やRx2はそれぞれ同一でも良いし異なっていても良い。
ここで、上記一般式(3)においてRx1および/またはRx2が後述する一般式(15)のR5に該当すると、一般式(15)に一般式(1)が結合した構造を有した分岐状ポリウレタン樹脂となる。上記一般式(4)においてRx1が後述する一般式(15)のR5に該当すると、一般式(15)に一般式(2)が結合した構造を有した分岐状ポリウレタン樹脂となる。
前記一般式(1)〜一般式(4)中のXとしては、例えば、下記構造等が挙げられる。
Figure 2007277518
(式中R1は、単結合あるいは2価の連結基であり、R2は同一でも異なっていても良く、水素原子または炭素原子数1〜18のアルキル基を示す。)
Figure 2007277518
(式中R1は、直接結合あるいは2価の連結基であり、R2は同一でも異なっていても良く、水素原子または炭素原子数1〜18のアルキル基を示す。aとbとcとの合計は1以上である。)
Figure 2007277518
(式中R3は、水素原子または炭素原子数1〜18のアルキル基または下記一般式(8)で示される構造を示す。)
Figure 2007277518
Figure 2007277518
Figure 2007277518
本発明で用いるポリウレタン樹脂(A)としては、一般式(1)及び(2)のXが、前記一般式(5)、(6)、(7)、および(9)の群から選ばれる一種以上の構造を有するポリウレタン樹脂が、耐熱性に優れる硬化物を提供できるため好ましく、中でも、一般式(5)および一般式(6)で表される構造がより好ましい。特に本発明で用いるポリウレタン樹脂が後述するように硬化物に柔軟性を付与する構造を有する、例えば、後述する一般式(13)等の構造を有するポリウレタン樹脂の場合、一般式(1)や一般式(2)中のXは、一般式(6)で示される構造を有することが好ましい。
前記一般式(5)や一般式(6)で示される構造中のR1としては、例えば、直接結合;カルボニル基、スルホニル基、メチレン基、イソプロピリデン基、ヘキサフルオロイソプロピリデン基、オキソ基、ジメチルシリレン基、フルオレン−9−ジイル基、およびトリシクロ[5.2.1.02,8]デカン−ジイル基等の2価の連結基等が挙げられる。R2としては、例えば、水素原子、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、ヘキサデシル基、およびステアリル基等の炭素原子数1〜18のアルキル基等が挙げられる。また、一般式(7)で示される構造中のR3としての炭素原子数1〜18のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、ヘキサデシル基、およびステアリル基等が挙げられる。
尚、本発明において、カルボニル基は下記構造式(1a)、スルホニル基は下記構造式(1b)、メチレン基は下記構造式(1c)、イソプロピリデン基は下記構造式(1d)、ヘキサフルオロイソプロピリデン基は下記構造式(1e)、オキソ基は下記構造式(1f)、ジメチルシリレン基は下記構造式(1g)、フルオレン−9−ジイル基は下記構造式(1h)、そしてトリシクロ[5.2.1.02,8]デカン−ジイル基は下記構造式(1i)で表される。これらは、ビフェノール、テトラメチルビフェノール、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS、ナフタレンジオール、およびジシクロペンタジエン変性ビスフェノール等の残基である。(なお、図中の*は結合部位を表す。)また、ポリフェノール化合物、例えば、フェノールノボラック樹脂やクレゾールノボラック樹脂、ナフトールとアルキルフェノールとホルムアルデヒド縮合物とから合成されるポリフェノール樹脂等から2つの水酸基を除いた構造残基等でもよい。
Figure 2007277518
前記一般式(5)中のR1の中でも、直接結合、前記一般式(1b)、一般式(1c)、および一般式(1d)で示される構造が溶解性、相溶性に優れる熱硬化性ポリウレタン樹脂組成物が得られ、また、ポリウレタン樹脂(A)を得る際の合成もしやすいことから好ましい。また、前記R2の中でも、水素原子およびメチル基が好ましい。また、前記一般式(6)中のR1の中でも前記一般式(1i)で示される構造が耐熱性に優れる熱硬化性ポリウレタン樹脂組成物が得られることから好ましい。尚、前記一般式(1i)で示される構造は以下、下記に示す一般式(11)として表す。
Figure 2007277518
本発明で用いるポリウレタン樹脂(A)は、前記一般式(1)で表される構造および/または一般式(2)で表される構造を有すれば良いが、中でも前記一般式(1)で表される構造および一般式(2)で表される構造を有するポリウレタン樹脂を使用すると、硬化性が良好な熱硬化性樹脂組成物が得られることからより好ましい。ここで、前記一般式(1)で示される構造及び前記一般式(2)で示される構造中のXは同一でも良いし異なっていても良い。
また、前記一般式(6)で表される構造を有するポリウレタン樹脂としては、例えば、以下の構造を有するポリウレタン樹脂が挙げられる。
Figure 2007277518
Rx1は、同一であっても異なっていても良く、ポリイソシアネート化合物から二つのイソシアネート基を除いた残基を示す。aおよびbは、それぞれ1〜10の整数であり、おのおの括られた核単位は、ランダムにつながっている。
そして1)aが1の場合は、一般式(2)の末端にポリフェノール構造が存在する形態となり、2)aが2の場合は、一般式(1)の分子主鎖中にポリフェノール構造が存在する形態となり、3)aが3以上の場合は、ポリウレタン樹脂の構造が分岐の形態となる。更にaが1、2および3以上の形態が分子内に同時に存在していても良い。
ポリウレタン樹脂(A)として前記一般式(1)で表される構造と一般式(2)で表される構造とを有するポリウレタン樹脂の具体例としては、例えば、下記一般式(12)で表される構造を有するポリウレタン樹脂等を挙げることができる。
Figure 2007277518
(上記式中Rx3はポリイソシアネート化合物から2つのイソシアネート基を除いた残基を示す。Xは1分子中に2個以上のフェノール性水酸基を有するフェノール系化合物から2個のフェノール性水酸基を除いた残基を示す。mは0〜100の整数である。)
ポリウレタン樹脂(A)の中でも、前記一般式(3)及び一般式(4)で示されるポリウレタン樹脂で、Rx1およびRx2が2官能のジイソシアネート化合物から2つのイソシアネート基を除いた残基である場合は、前記一般式(12)で示される様な線状の構造を有するポリウレタン樹脂となる。また、Rx1およびRx2が3官能以上のポリイソシアネート化合物から2つのイソシアネート基を除いた残基である場合は、分岐状の構造を有するポリウレタン樹脂となる。
前記一般式(2)中の末端の水酸基はフェノール性水酸基であり、このフェノール性水酸基は、多官能フェノール化合物の1個の水酸基がウレタン結合で樹脂骨格に連結した以外の残りのフェノール性水酸基である。一般式(2)で示される構造を得る際に用いる多価のフェノール性水酸基含有化合物は、2官能フェノール化合物が好ましいが、2官能フェノール化合物以外に3官能以上のポリフェノール化合物を使用あるいは併用し、末端に複数のフェノール性水酸基を残存させても良い。
本発明で用いるウレタン樹脂(A)は、一般式(1)および/または一般式(2)で示される様に、フェノール性水酸基とイソシアネート基とからなるウレタン結合を有する。一般に、フェノール性水酸基とイソシアネート基とによるウレタン結合は、高温下で解離する為、フェノールやクレゾール等の低分子モノフェノール化合物などをイソシアネート基のブロック剤として使用することがある。しかしながらこうしたブロック剤は塗膜や成型物の硬化反応において解離し、揮発成分として気泡やボイドの発生原因となり、好ましいものではない。
本発明では、2価以上のポリフェノール化合物を用いてフェノール性水酸基の導入を行うため、硬化時の高温状況下で樹脂から解離しても揮発せず系内に残存する。その為、ポリウレタン樹脂(A)は積極的にエポキシ樹脂と架橋反応してより硬化する。また、イソシアネート基は、このフェノール性水酸基とエポキシ基との反応により生成するアルコール性水酸基とさらにウレタン化反応を行い、分子の新たな架橋構造を構築し、誘電特性に不利な水酸基をブロックすると考えられる。つまり、生成するウレタン結合が樹脂骨格と新たなネットワークを形成し、これにより良好な耐熱性あるいは機械物性を発現すると本発明者らは考えている。
また、本発明で用いるポリウレタン樹脂(A)が、前記一般式(2)で表される構造を有するポリウレタン樹脂である場合、末端にフェノール性水酸基を有するが、この水酸基もエポキシ樹脂と反応して硬化に寄与する。
本発明の熱硬化性樹脂組成物に用いるポリウレタン樹脂(A)としては、更に下記一般式(13)で示される構造を有するポリウレタン樹脂を用いることにより、伸度が大きく、柔軟性に優れる硬化物が得られる。その為、例えば、ポリウレタン樹脂(A)の中でも、下記一般式(13)で示される構造を有するポリウレタン樹脂を含有する熱硬化性樹脂組成物はフレキシブル基板用の絶縁層用の樹脂組成物として好ましく用いることができる。
Figure 2007277518
(式中、Yは1分子中に少なくとも2個のアルコール性水酸基を有するポリオール化合物から2つの水酸基を除いた残基を示す。)
前記一般式(13)中のYで示される少なくとも2個のアルコール性水酸基を有するポリオール化合物から2つの水酸基を除いた残基(残基構造)としては、例えば、1分子中に少なくとも2個のアルコール性水酸基を有するポリオレフィンポリオールから2つの水酸基を除いた残基、1分子中に少なくとも2個のアルコール性水酸基を有するポリエーテルポリオールから2つの水酸基を除いた残基、1分子中に少なくとも2個のアルコール性水酸基を有するポリカーボネートポリオールから2つの水酸基を除いた残基、1分子中に少なくとも2個のアルコール性水酸基を有するポリエステルポリオールから2つの水酸基を除いた残基および1分子中に少なくとも2個のアルコール性水酸基を有するポリシロキサンポリオールから2つの水酸基を除いた残基等を好ましく挙げることができる。さらにこれらの残基構造から選ばれる1種以上の残基構造及び/又は共重縮合体としてもよい。
なお、前記一般式(13)中のYとしては、塗膜の柔軟性に加えて特に誘電特性等を向上させたい場合は、1分子中に少なくとも2個のアルコール性水酸基を有するポリオレフィンポリオールから2つの水酸基を除いた残基が好ましい。また、物性と耐加水分解性とを向上させたい場合は、1分子中に少なくとも2個のアルコール性水酸基を有するポリカーボネートポリオールから2つの水酸基を除いた残基が好ましい。
前記一般式(13)中のYとしては、硬化物の伸度が大きく、且つ、柔軟性を保有させることができることから、数平均分子量が300〜5,000が好ましく、500〜3,000がより好ましい。また、一般式(13)中のYのガラス転移温度(Tg)としては0℃以下が好ましく、0〜−150℃がより好ましい。
前記一般式(1)および/または一般式(2)、および一般式(13)で表される構造を有するポリウレタン樹脂としては、例えば、下記一般式(14)で表される構造を有するポリウレタン樹脂等が挙げられる。
Figure 2007277518
〔上記式中RX1とRX2とは、同一であっても異なっていても良く、ポリイソシアネート化合物から二つのイソシアネート基を除いた残基構造を示す。Zは、1分子中に2個以上のフェノール性水酸基を有するフェノール系化合物から2個のフェノール性水酸基を除いた残基(X)または1分子中に少なくとも2個のアルコール性水酸基を有するポリオール化合物から2つの水酸基を除いた残基(Y)であるが、Cで示される繰り返しの単位において少なくとも一つは、Yの構造である。Cは、1から100の整数である。〕
前記一般式(13)で表される構造を有するポリウレタン樹脂としては、前記一般式(1)および/または一般式(2)で表される構造および一般式(13)で表される構造を有すれば良いが、中でも前記一般式(1)で表される構造、一般式(2)で表される構造、および一般式(13)で表される構造をすべて有するポリウレタン樹脂が、耐熱性と硬化性とに優れる硬化物を提供できるため好ましい。ここで、前記一般式(1)で示される構造及び前記一般式(2)で示される構造中のXは同一でも良いし異なっていても良い。
本発明で用いるポリウレタン樹脂(A)は下記一般式(15)で示される構造にて分岐しているポリウレタン樹脂が、他の樹脂成分との相溶性、溶剤溶解性の向上や得られる硬化塗膜の耐熱性が良好なことから好ましい。
Figure 2007277518
(式中R5はジイソシアネート化合物からイソシアネート基を除いた残基構造を示す。)
前記一般式(15)中のR5としては、例えば、芳香族系の残基構造、脂肪属系の残基構造、および脂環族系等の残基構造等が挙げられる。中でも、炭素原子数が4から13のものを好ましく使用することができる。R5の構造は、結晶化の防止や溶解性向上の面から2種以上の構造を併用したほうが好ましい。特に芳香族系の残基構造と脂肪族あるいは脂環族の残基構造との併用が好ましい。
前記一般式(15)で示される構造にて分岐しているポリウレタン樹脂は、例えば、原料としてイソシアヌレート型ポリイソシアネート化合物を用いて合成することにより得られる。
本発明で用いるポリウレタン樹脂(A)は、例えば、2個以上のフェノール性水酸基を有するポリフェノール化合物(a1)とポリイソシアネート化合物(a2)とを反応させることにより容易に得ることができる。具体的には、攪拌装置、温度計及びコンデンサーを付けたフラスコにポリフェノール化合物(a1)とポリイソシアネート化合物(a2)とを仕込み、攪拌を行いながら発熱に注意して昇温し、反応させる。50℃から250℃の範囲で昇温させることができるが、反応速度と副反応防止との面から70℃から180℃の温度で行うことが好ましい。また、ウレタン結合の解離を防ぐ為に70〜140℃で反応を行うことが更に好ましい。反応する際の時間としては、通常1〜20時間である。
前記2個以上のフェノール性水酸基を有するポリフェノール化合物(a1)としては、例えば、ハイドロキノン、ビフェノール、テトラメチルビフェノール、エチリデンビスフェノール、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS、シクロヘキシリデンビスフェノール(ビスフェノールZ)、ジメチルブチリデンビスフェノール、4,4’−(1−メチルエチリデン)ビス〔2,6−ジメチルフェノール〕、4,4’−(1−フェニルエチリデン)ビスフェノール、5,5’−(1−メチルエチリデン)ビス〔1,1’−ビフェニル−2−オール〕、ナフタレンジオール、ジシクロペンタジエン変性ビスフェノール、9,10−ジヒドロ−9−オキサ−10−フォスファフェナンスレン−10−オキサイドとハイドロキノンとの反応生成物等が挙げられる。
ポリフェノール化合物(a1)として、フェノールノボラック樹脂、クレゾールノボラック樹脂及びノニルフェノールノボラック樹脂等のアルキルフェノールのノボラック樹脂等の3官能以上のフェノール化合物も使用可能である。
ポリフェノール化合物(a1)としては2個のフェノール性水酸基を含有するポリフェノール化合物、つまり2官能のポリフェノール化合物を使用することが好ましい。中でも、ビスフェノールA、ビスフェノールF、およびビスフェノールS等のビスフェノール系化合物がより好ましい。
また、難燃性や耐熱性に優れる硬化物が得られることから、ポリウレタン樹脂(A)を得る際に、ナフタレンジオールや9,10−ジヒドロ−9−オキサ−10−フォスファフェナンスレン−10−オキサイドとハイドロキノンとの反応生成物を使用することが好ましい。
尚、本発明の効果を損なわない範囲で一部、フェノールやクレゾール等の一官能性のフェノール化合物を併用しても良い。
本発明で用いるポリイソシアネート化合物(a2)としては、例えば、芳香族ポリイソシアネート化合物、および脂肪族ポリイソシアネート化合物等が使用可能である。
前記芳香族ポリイソシアネート化合物としては、例えば、p−フェニレンジイソシアネート、m−フェニレンジイソシアネート、p−キシレンジイソシアネート、m−キシレンジイソシアネート、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート、3,3′−ジメチルジフェニル−4,4′−ジイソシアネート、3,3′−ジエチルジフェニル−4,4′−ジイソシアネート、m−キシレンジイソシアネート、p−キシレンジイソシアネート、1,3−ビス(α,α−ジメチルイソシアナートメチル)ベンゼン、テトラメチルキシリレンジイソシアネート、ジフェニレンエーテル−4,4′−ジイソシアネート、およびナフタレンジイソシアネート等の芳香族ジイソシアネート化合物等が挙げられる。
前記脂肪族ポリイソシアネート化合物としては、例えば、ヘキサメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、4,4′−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、水素添加キシレンジイソシアネート、およびノルボヌレンジイソシアネート等が挙げられる。
また前記ポリイソシアネート化合物(a2)として、前記ポリイソシアネート化合物(a2)と各種ポリオール成分とをイソシアネート基過剰で予め反応させたイソシアネートプレポリマーを使用または併用することも可能である。
本発明の熱硬化性ポリウレタン樹脂組成物に用いるポリウレタン樹脂(A)は、分岐構造をとることにより、溶剤溶解性や硬化剤等その他の樹脂成分との相溶性が向上するためより好ましい。かかる分岐の手法としては、ポリイソシアネート化合物(a2)として、例えば、前記ジイソシアネート化合物等のイソシアヌレート体であるイソシアヌレート環を有する3官能以上のポリイソシアネート化合物の単独、あるいはこうしたポリイソシアネート化合物と前記ジイソシアネート化合物との混合物を使用することが好ましい。
前記イソシアヌレート環を有する3官能以上のポリイソシアネート化合物は、例えば、1種または2種以上のジイソシアネート化合物を第4級アンモニウム塩等のイソシアヌレート化触媒の存在下あるいは非存在下において、イソシアヌレート化することにより得られるものであって、3量体、5量体、および7量体等のイソシアヌレートの混合物からなるもの等が挙げられる。前記ポリイソシアネート化合物のイソシアヌレート体の具体例としては、イソホロンジイソシアネートのイソシアヌレート型ポリイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネートのイソシアヌレート型ポリイソシアネート、水素添加キシレンジイソシアネートのイソシアヌレート型ポリイソシアネート、ノルボルナンジイソシアネートのイソシアヌレート型ポリイソシアネート等脂肪族系ポリイソシアネート類やジフェニルメタンジイソシアネートのイソシアヌレート型ポリイソシアネート、トリレンジイソシアネートのイソシアヌレート型ポリイソシアネート、キシレンジイソシアネートのイソシアヌレート型ポリイソシアネート、およびナフタレンジイソシアネートのイソシアヌレート型ポリイソシアネート等が挙げられる。
ポリイソシアネート化合物(a2)として、ジイソシアネート化合物とイソシアヌレート環を有する3官能以上のジイソシアネート化合物と併用する場合、ジイソシアネート化合物としての芳香族ジイソシアネートと、前記イソシアヌレート環を有する3官能以上のジイソシアネート化合物としての脂肪族ジイソシアネートのイソシヌレート型ポリイソシアネートおよび/または脂環式ジイソシアネートのイソシヌレート型ポリイソシアネートとを含有する混合物を用いるのが好ましい。
前記ポリイソシアネート化合物(a2)として脂肪族ジイソシアネート化合物を用いると、溶解性に優れる熱硬化性ポリウレタン樹脂組成物が得られ、且つ、電気特性が良好な硬化塗膜が得られることからより好ましい。
更に、ポリイソシアネート化合物(a2)は、前記以外のポリイソシアネート化合物、例えば、前記ジイソシアネート化合物や前記ジイソシアネートのビュレット体、アダクト体、アロハネート体、あるいはポリメチレンポリフェニルポリイソシアネート(クルードMDI)等と併用しても良い。
本発明で用いるポリイソシアネート化合物(a2)は、溶剤溶解性が良好な熱硬化性ポリウレタン樹脂組成物が得られることから、2種以上のポリイソシアネート化合物を併用することが好ましい。加えて耐熱性に優れる硬化塗膜が得られることから上述のイソシアヌレート体を併用することが好ましい。イソシアヌレート体を併用する場合は、全ポリイソシアネート化合物(a2)量の70重量%以下に設定することが樹脂の高分子量化やゲル化を防ぐ意味で好ましい。
ポリフェノール化合物(a1)とポリイソシアネート化合物(a2)との反応に際しては、ポリイソシアネート化合物(a2)に対してポリフェノール化合物(a1)が反応する。末端をフェノール性水酸基として残存させる為には、ポリフェノール化合物(a1)中のフェノール性水酸基のモル数がポリイソシアネート化合物(a2)中のイソシアネート基のモル数より大きくなる条件で反応させることが好ましい。合成上の安定性や硬化物の各種性能を考慮すると、上記フェノール性水酸基のモル数とイソシアネート基のモル数との比〔(a1)中のフェノール性水酸基のモル数/(a2)中のイソシアネート基のモル数〕が1から10の範囲が好ましく、より好ましくは1.05から7の範囲である。
得られるポリウレタン樹脂の安定性が良好となることから、反応はイソシアネート基がほぼ全て反応するまで行った方が好ましい。また、若干残存するイソシアネート基に対して、アルコールやフェノール化合物を添加し反応させても良い。
ところで、前記一般式(13)で表される構造を更に有するポリウレタン樹脂は、例えば、前記2個以上のフェノール性水酸基を有するポリフェノール化合物(a1)と前記ポリイソシアネート化合物(a2)とポリオール化合物(a3)とを反応させる製造方法により容易に得ることができる。
前記ポリオール化合物(a3)としては、例えば、ポリオレフィンポリオール、ポリエーテルポリオール、ポリカーボネートポリオール、ポリエステルポリオール、ポリシロキサンポリオール等が挙げられる。ポリオール化合物(a3)は単独あるいは2種以上を併用しても良い。また、ポリオール化合物(a3)としては、前記ポリオレフィンポリオール、ポリエーテルポリオール、ポリカーボネートポリオール、ポリエステルポリオール、およびポリシロキサンポリオール等の2種以上の共重縮合構造を有するポリオール類も使用しても良い。
前記ポリオレフィンポリオールとしては、例えば、ポリオレフィン構造やポリジエン構造を有するポリオール化合物等が挙げられる。具体的には、例えば、ポリエチレン系ポリオール、ポリプロピレン系ポリオール、ポリブタジエンポリオール、水素添加ポリブタジエンポリオール、ポリイソプレンポリオール、および水素添加ポリイソプレンポリオール等が挙げられる。なかでもポリブタジエンポリオールおよび/または水素添加ポリブタジエンポリオールが好ましく、さらにそのなかでも水素添加ポリブタジエンポリオールがより好ましく、ポリオレフィンジオールが特に好ましい。
また、前記ポリオレフィンポリオールの脂肪族構造部分の数平均分子量は300〜6,000の範囲が好ましい。
前記ポリエーテルポリオールとしては、例えば、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、ポリブチレングリコール等のアルキレンエーテルポリオールやこれらポリアルキレンポリオールの共重合体が挙げられる。また、単独で用いても2種類以上併用しても良い。
前記ポリカーボネートポリオールとしては、例えば、プロピレンジオール、ブタンジオール、ペンタンジオール、ヘキサンジオール、メチルペンタンジオール、シクロヘキサンジメタノール等から得られるポリアルキレンカーボネートポリオールやビスフェノールAやビスフェノールF,S等のアルキレンオキサイド付加ジオール等から得られるポリカーボネートポリオールやこれらの共重合体等が挙げられる。
前記ポリエステルポリオールとしては、例えば、アルキレンジオールと、多価カルボン酸とのエステル化物、多価カルボン酸のアルキルエステルとのエステル交換反応物、およびεカプロラクトン系ポリラクトンポリオール等のポリラクトンポリオール等が挙げられる。
前記ポリシロキサンポリオールとしては、例えば、ジメチルポリシロキサンポリオールやメチルフェニルポリシロキサンポリオール等が挙げられる。
本発明で用いるポリオール化合物(a3)としては、特に誘電特性等を向上させたい場合は、ポリオレフィンポリオールやポリシロキサンポリオールが好ましく、物性と耐加水分解性とを向上させたい場合は、ポリカーボネートポリオールが好ましい。
本発明で用いるポリオール化合物(a3)としては、水酸基を1.5〜4個有するポリオール化合物が合成しやすいので好ましく、そのなかでも水酸基を2個有するポリオール化合物、つまりジオール化合物がより好ましい。
前記ジオール化合物の中でも、ポリオレフィンジオール、ポリエーテルジオール、ポリカーボネートジオール、ポリエステルジオール、およびポリシロキサンジオールからなる群から選ばれる1種以上のポリオール化合物がより好ましい。
また、前記ポリオール化合物(a3)としては、十分な伸度が得られ、且つ、強度も強い塗膜が得られることから、数平均分子量300〜5,000のポリオール化合物が好ましく、数平均分子量500〜3,000がより好ましい。
ポリオール化合物(a3)のTgは、0℃以下であることが硬化物の伸度や柔軟性を高く設計できる点で好ましく、0〜−150℃がより好ましい。
本発明で用いるポリウレタン樹脂(A)として前記一般式(13)で表される構造を更に有するポリウレタン樹脂を調製する際には、ポリイソシアネート化合物(a2)に対してポリフェノール化合物(a1)とポリオール化合物(a3)とがおのおの反応する。末端をフェノール性水酸基として残存させる為には、ポリフェノール化合物(a1)中のフェノール性水酸基のモル数(m(a1)モル)とポリオール化合物(a3)中のアルコール性水酸基のモル数(m(a3)モル)との合計モル量が、ポリイソシアネート化合物(a2)中のイソシアネート基のモル数(m(a2)モル)より大きくなる条件で反応させることが好ましい。合成上の安定性や硬化物の各種性能を考慮すると、{m(a1)+m(a3)}/m(a2)が1から10の範囲であり、より好ましくは1.1から7の範囲である。またm(a1)とm(a3)との合計の重量に対してm(a1)およびm(a3)はおのおの5重量%以上存在していることがより好ましく、10%以上存在していることがより好ましい。
本発明で用いるウレタン樹脂(A)の製造方法において、有機溶剤を使用すると均一な反応を進行できるため好ましい。ここで有機溶剤は、系中にあらかじめ存在させてから反応を行っても、途中で導入してもよい。また、適切な反応速度を維持するためには、系中の有機溶剤の割合は、反応系の80重量%以下であるが好ましく、10〜70重量%であることがより好ましい。かかる有機溶剤としては、原料成分としてイソシアネート基を含有する化合物を使用するため、水酸基やアミノ基等の活性プロトンを有しない非プロトン性極性有機溶剤が好ましい。
前記非プロトン性極性有機溶剤としては、例えば、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン、ジメチルスルフォキシド、スルホラン、およびγ−ブチロラクトンなどの極性有機溶媒を使用することができる。また、上記溶媒以外に、溶解可能であれば、エーテル系溶剤、エステル系溶剤、ケトン系溶剤、および石油系溶剤等を使用しても良い。また、各種溶剤を混合して使用しても良い。
かかるエーテル系溶剤としては、例えば、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールジブチルエーテル等のエチレングリコールジアルキルエーテル類;ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテル、トリエチレングリコールジエチルエーテル、トリエチレングリコールジブチルエーテル等のポリエチレングリコールジアルキルエーテル類;エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート等のエチレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類;ジエチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、トリエチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、トリエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、トリエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート等のポリエチレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類;
プロピレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールジエチルエーテル、プロピレングリコールジブチルエーテル等のプロピレングリコールジアルキルエーテル類;ジプロピレングリコールジメチルエーテル、ジプロピレングリコールジエチルエーテル、ジプロピレングリコールジブチルエーテル、トリプロピレングリコールジメチルエーテル、トリプロピレングリコールジエチルエーテル、トリプロピレングリコールジブチルエーテル等のポリプロピレングリコールジアルキルエーテル類;プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノブチルエーテルアセテート等のプロピレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類;ジプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールモノブチルエーテルアセテート、トリプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、トリプロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、トリプロピレングリコールモノブチルエーテルアセテート等のポリプロピレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類;低分子のエチレン−プロピレン共重合体等の共重合ポリエーテルグリコールのジアルキルエーテル類;共重合ポリエーテルグリコールのモノアセテートモノアルキルエーテル類;共重合ポリエーテルグリコールのアルキルエステル類;および共重合ポリエーテルグリコールのモノアルキルエステルモノアルキルエーテル類等が挙げられる。
エステル系溶剤としては、例えば、酢酸エチルおよび酢酸ブチル等が挙げられる。
ケトン系溶剤としては、アセトン、メチルエチルケトン、およびシクロヘキサノン等が挙げられる。
また、石油系溶剤としては、トルエン、キシレンやその他高沸点の芳香族溶剤等や、ヘキサン、シクロヘキサン等の脂肪族および脂環族溶剤を使用することも可能である。
本発明で用いるポリウレタン樹脂(A)の重量平均分子量は、溶剤溶解性が良好な熱硬化性樹脂組成物が得られ、且つ、種々の物性に優れる硬化塗膜が得られることから、800〜50,000が好ましく、1,000〜20,000がより好ましい。
尚、本発明で用いるポリウレタン樹脂(A)およびポリイミド樹脂(C)等の樹脂の重量平均分子量の測定は、ゲルパーミエーションクロマトグラフを用い、下記の条件でポリスチレン換算により求めた。
測定装置 ; 東ソー株式会社製 HLC−8220GPC
カラム ; 東ソー株式会社製ガードカラムSUPER HZ−H
+東ソー株式会社製 TSKgel SUPER HZm−mを4本
検出器 ; RI(示差屈折計)
データ処理:東ソー株式会社製 GPC−8020
測定条件: カラム温度 40℃
溶媒 テトラヒドロフラン
流速 0.35ml/min
標準 ;ポリスチレン
試料 ;樹脂固形分換算で0.2重量%のテトラヒドロフラン溶液をマイクロフィルターでろ過したもの(100ml)
本発明で用いるポリウレタン樹脂(A)のフェノール性水酸基当量は、400〜50,000が好ましい。
本発明で用いる熱硬化性樹脂組成物中のポリイミド樹脂(C)は、前記一般式(1)および/または前記一般式(2)で表されるようにウレタン結合としてイソシアネート基とフェノール性水酸基とが連結した構造を有する。ポリイミド樹脂(C)としては、なかでも有機溶剤に溶解するポリイミド樹脂が取り扱い易いことから好ましい。
前記一般式(1)で表される構造を有するポリイミド樹脂(C)としては、例えば、前記一般式(3)で表される構造を有するポリイミド樹脂等が挙げられる。
また、前記一般式(2)で表される構造を有するポリイミド樹脂(C)としては、例えば、前記一般式(4)で表される構造を有するポリイミド樹脂等が挙げられる。
前記一般式(3)及び一般式(4)中のRx1およびRx2は同一でも良いし異なっていても良い。
ここで、前記一般式(3)においてRx1および/またはRx2が前記一般式(15)のR5に該当すると、一般式(15)に一般式(1)が結合した構造を有した分岐状ポリイミド樹脂となる。上記一般式(4)においてRx1が前記一般式(15)のR5に該当すると、一般式(15)に一般式(2)が結合した構造を有した分岐状ポリイミド樹脂となる。
本発明で用いるポリイミド樹脂(C)が有する一般式(1)および/または一般式(2)中のXとしては、例えば、前記一般式(5)、(6)、(7)、(9)、および(10)で表される構造等が挙げられる。ここで、一般式(5)中のR1及びR2、一般式(7)中のR3としては、例えば前記ポリウレタン樹脂(A)の説明で例示したR1、R2及びR3等が挙げられる。
本発明で用いるポリイミド樹脂(C)としては、一般式(1)及び(2)のXとして前記一般式(5)、(6)、(7)及び(9)からなる群から選ばれる一種以上の構造を有するポリイミド樹脂が耐熱性に優れる硬化物が得られる硬化性樹脂組成物が得られることから好ましく、中でも、一般式(5)および一般式(6)で表される構造がより好ましい。特に本発明で用いるポリイミド樹脂(C)が後述するように硬化物に柔軟性を付与する構造を有する、例えば、前記一般式(13)等の構造を有するポリイミド樹脂の場合、一般式(1)や一般式(2)中のXとしては、一般式(6)で示される構造が好ましい。
前記したとおり一般式(5)や一般式(6)で表される構造中のR1は単結合あるいは2価の連結基である。2価の連結基としては、例えば、前記構造式(1a)、前記構造式(1b)、前記構造式(1c)、前記構造式(1d)、前記構造式(1e)、前記構造式(1f)、前記構造式(1g)、前記構造式(1h)、および前記構造式(1i)等が挙げられる。
一般式(5)や一般式(6)で表される構造中のR1としては前記一般式(1b)、一般式(1c)、および一般式(1d)で示される構造が溶解性、相溶性に優れる熱硬化性樹脂組成物が得られ、また、ポリイミド樹脂(C)を得る際の合成もしやすいことから好ましい。また、前記R2の中でも、水素原子およびメチル基が好ましい。また、前記一般式(6)中のR1の中でも前記一般式(11)で示される構造が耐熱性に優れる熱硬化性ポリイミド樹脂組成物が得られることから好ましい。
本発明で用いるポリイミド樹脂(C)としては、前記一般式(1)で表される構造および/または一般式(2)で表される構造を有すれば良いが、中でも前記一般式(1)で表される構造および一般式(2)で表される構造を有するポリイミド樹脂が硬化性が良好な熱硬化性樹脂組成物が得られることから好ましい。ここで、前記一般式(1)で示される構造及び前記一般式(2)で示される構造中のXは同一でも良いし異なっていても良い。
前記一般式(6)で表される構造を有するポリイミド樹脂としては、例えば、以下の構造を有するポリイミド樹脂が挙げられる。
Figure 2007277518
R1は、同一であっても異なっていても良く、上記と同じである。Rx1は、ポリイソシアネート化合物から二つのイソシアネート基を除いた残基を示す。R9はテトラカルボン酸無水物から酸無水物基を除いた残基構造を示す。sおよびtは、それぞれ1〜10の整数であり、おのおの括られたsおよびtの各単位は、ランダムにつながっている。そして1)sが1の場合は、一般式(2)に該当する末端にポリフェノール構造が存在する形態となり、2)sが2の場合は、一般式(1)に該当する分子主鎖中にポリフェノール構造が存在する形態となり、そして3)sが3以上の場合は、ポリイミド樹脂の構造が分岐の形態となる。更にsが上記1,2および3以上の形態が分子内に同時に存在していても良い。
前記一般式(6−2)において、sが1の場合の代表的な構造として、例えば以下一般式(6−3)に示される構造を例示できる。
Figure 2007277518
一般式(6−3)においてR6は、水素原子または炭素原子数1〜18のアルキル基を示す。R7は、水素原子または下記一般式(6−4)で示される構造であり、R8は、一般式(6−4)で示される構造である。uは、1〜100の整数である。
Figure 2007277518
(式中R1は、直接結合あるいは2価の連結基であり、R2は同一でも異なっていても良く、水素原子または炭素原子数1〜18のアルキル基を示す。vは0〜8の整数である。
前記一般式(6−2)において、sが2の場合の代表的な構造として、例えば以下一般式(6−5)に示される構造を例示できる。
Figure 2007277518
一般式(6−5)においてRX1、R6、R7、R8、およびR9は上記と同じである。R10は、下記一般式(6−6)で表される構造を有する。
Figure 2007277518
一般式(6−6)においてR1およびR2は上記と同じである。Wは0〜8の整数である。
また、一般式(6−2)、(6−3)、(6−4)、(6−5)、および(6−6)において、ポリイミド樹脂合成時にテトラカルボン酸二無水物を使用した場合には、イミド結合を示す部位は下記一般式(6−7)で表される構造を有し、トリカルボン酸無水物を使用した場合は、下記一般式(6−8)または一般式(6−9)で表される構造を有する。一般式(6−7)、一般式(6−8)および一般式(6−9)で表される構造は、おのおの単独でも混在していても良い。
Figure 2007277518
Figure 2007277518
Figure 2007277518
はテトラカルボン酸無水物から酸無水物基を除いた残基構造を示す。R11はトリカルボン酸無水物から酸無水物基とカルボキシル基とを除いた残基構造を示す。
ポリイミド樹脂(C)として前記一般式(1)で表される構造と一般式(2)で表される構造とを有するポリイミド樹脂の具体例としては、例えば、下記一般式(12−1)で表される構造を有するポリイミド樹脂等を挙げることができる。
Figure 2007277518
一般式(12−1)においてX、Rx3は上記と同じである。一般式(12−1)中のAは一般式(1)、一般式(6−7)、一般式(6−8)及び(6−9)で示される構造からなる群から選ばれる構造であるが、全て一般式(1)であることはない。また、nは1〜100である。
前記一般式(3)及び一般式(4)で示される構造を有するポリイミド樹脂中でRx1およびRx2が2官能のジイソシアネート化合物から2つのイソシアネート基を除いた残基である場合は、前記一般式(12)で示される様な線状の構造を有するポリイミド樹脂となる。また、Rx1およびRx2が3官能以上の多官能のイソシアネート化合物から2つのイソシアネート基を除いた残基である構造をとる場合は、分岐状の構造を有するポリイミド樹脂となる。
前記一般式(2)で表される構造を有するポリイミド樹脂(C)は末端にフェノール性水酸基を有しており、後述するエポキシ樹脂(B)と反応し硬化することが可能である。一般のフェノール化合物とエポキシ樹脂との硬化物では、ガラス転移温度(Tg)や耐熱性、誘電特性、機械物性、および線膨張等の面で限界があるが、前記一般式(2)で表される構造を有するポリイミド樹脂は樹脂骨格にイミド構造を有しているために従来の技術では得られない高い性能を有する硬化物を得ることが可能である。
更に、ポリイミド樹脂(C)は一般式(1)および/または一般式(2)で示される様にフェノール性水酸基とイソシアネート基とからなるウレタン結合の構造を有する。一般に、フェノール性水酸基とイソシアネート基とによるウレタン結合は解離温度が低い為、フェノールやクレゾール等の低分子モノフェノール化合物などが、イソシアネート基のブロック剤として使用されることがある。しかしながらこうしたブロック剤は、塗膜や成型物の硬化反応において解離して揮発成分となり、気泡やボイドを発生させるため好ましいものではない。本発明では、2価以上のポリフェノール化合物を用いてフェノール性水酸基の導入を行うので、硬化時の高温状況下で樹脂から解離しても揮発せず系内に残存する為、ポリイミド樹脂(C)は積極的にエポキシ樹脂との架橋反応してより硬化する。さらにイソシアネート基は、このフェノール−エポキシ間の反応により生成する水酸基とさらにウレタン化反応を行い、分子の新たな架橋構造の構築を行う。これにより、誘電特性に不利な水酸基をブロックすると考えられる。つまり、生成するウレタン結合により、樹脂骨格である剛直なイミド構造を結びつけるネットワークが形成され良好な耐熱性あるいは機械物性を発現すると本発明者らは考えている。
また、本発明で用いるポリイミド樹脂(C)として前記一般式(2)で表される構造を有するポリイミド樹脂を使用した場合、末端のフェノール性水酸基もエポキシ樹脂と反応し硬化する。
本発明の熱硬化性樹脂組成物に用いるポリイミド樹脂(C)として、更に前記一般式(13)で示される構造を有するポリイミド樹脂を用いることにより、伸度が大きく、柔軟性に優れる硬化物が得られる。その為、例えば、ポリイミド樹脂(C)の中でも、前記一般式(13)で示される構造を有するポリイミド樹脂を含有する熱硬化性樹脂組成物は、フレキシブル基板用の絶縁層用の樹脂組成物として好ましく用いることができる。
塗膜の柔軟性に加えて特に誘電特性等を向上させたい場合は、前記一般式(13)中のYは1分子中に少なくとも2個のアルコール性水酸基を有するポリオレフィンポリオールから2つの水酸基を除いた残基であることが好ましい。物性と耐加水分解性とを向上させたい場合は、1分子中に少なくとも2個のアルコール性水酸基を有するポリカーボネートポリオールから2つの水酸基を除いた残基が好ましい。
前記一般式(13)中のYとしては、硬化物の伸度が大きく、且つ、柔軟性を保有させることができることから、その数平均分子量は300〜5,000が好ましく、500〜3,000がより好ましい。また、一般式(13)中のYのガラス転移温度(Tg)としては0℃以下が好ましく、0〜−150℃がより好ましい。
前記一般式(1)および/または一般式(2)、および一般式(13)で表される構造を有するポリイミド樹脂としては、例えば、下記一般式(14−1)で表される構造を有するポリイミド樹脂等が挙げられる。
Figure 2007277518
一般式(14−1)においてBは一般式(1)、(6−7)、(6−8)、(6−9)及び一般式(13)で示される構造からなる群から選ばれる構造であるが、必ず一般式(6−7)、(6−8)、(6−9)からなる群から選ばれる一種以上の構造と一般式(13)で示される構造を有する。また、mは1〜100である。
本発明で用いるポリイミド樹脂(C)としては、前記一般式(1)および/または一般式(2)で表される構造を有すれば良いが、中でも前記一般式(1)で表される構造と一般式(2)で表される構造とを有するポリイミド樹脂が硬化性、耐熱性に優れる硬化物が得られることからより好ましい。
また、前記一般式(13)で表される構造を有するポリイミド樹脂の場合、前記一般式(1)および/または一般式(2)で表される構造および一般式(13)で表される構造を有すれば良いが、中でも前記一般式(1)で表される構造、一般式(2)で表される構造、および一般式(13)で表される構造をすべて有するポリイミド樹脂が柔軟性に優れながら耐熱性に優れる硬化物が得られることからより好ましい。ここで、前記一般式(1)で示される構造及び前記一般式(2)で示される構造中のXは同一でも良いし異なっていても良い。
本発明で用いるポリイミド樹脂(B)としては、前記一般式(15)で示される構造にて分岐しているポリイミド樹脂が、他の樹脂成分との相溶性、溶剤溶解性の向上や得られる硬化塗膜の耐熱性が良好なことから好ましい。
また、本発明で用いるポリイミド樹脂(C)は下記一般式(16)、下記一般式(17−1)または下記一般式(17−2)で示されるイミド結合を有するポリイミド樹脂が好ましい。
Figure 2007277518
Figure 2007277518
一般式(16)式中のRはテトラカルボン酸無水物から酸無水物基を除いた残基構造を示す。一般式(17−1)および(17−2)中のR11はトリカルボン酸無水物から酸無水物基とカルボキシル基とを除いた残基構造を示す。
上述したとおり、前記Rは、テトラカルボン酸無水物の酸無水物基を除いた残基である。こうした構造としては、例えば以下の構造が例示される。
Figure 2007277518
上述したとおり、前記R11は、トリカルボン酸無水物から酸無水物基とカルボキシル基を除いた残基構造である。こうした構造としては、例えば以下の構造が例示される。
Figure 2007277518
前記一般式(16)で表される構造を有するポリイミド樹脂としては、例えば、下記一般式(18)で表される構造を有するポリイミド樹脂等が挙げられる。
Figure 2007277518
(上記式中Rx1およびRx2は同一でも異なっていても良く、ポリイソシアネート化合物から二つのイソシアネート基を除いた残基を示す。Rはテトラカルボン酸無水物から酸無水物基を除いた残基構造を示す。)
上記一般式(18)においてRx1および/またはRx2が前記一般式(15)のR5に該当すると、一般式(15)に一般式(18)が結合した構造を有した分岐状ポリイミド樹脂となる。
前記一般式(17−1)で表される構造を有するポリイミド樹脂としては、例えば、下記一般式(19−1)、一般式(19−2)で表される構造を有するポリイミド樹脂等が挙げられる。
Figure 2007277518
(式中Rx1、Rx2及びR11は上記と同じである。)
上記一般式(19)においてRx1および/またはRx2が前記一般式(15)のR5に該当すると、一般式(15)に一般式(19)が結合した構造を有した分岐状ポリイミド樹脂となる。
本発明で用いるポリイミド樹脂(B)としては、前記一般式(15)で示される構造にて分岐しているポリイミド樹脂が、他の樹脂成分との相溶性、溶剤溶解性の向上や得られる硬化塗膜の耐熱性が良好なことから好ましい。
前記一般式(15)中のR5としては、例えば、芳香族系の残基構造、脂肪属系の残基構造、脂環族系等の残基構造等が挙げられる。中でも、炭素原子数が4から13のものを好ましく使用することができる。R5の構造は、結晶化の防止や溶解性向上の面から2種以上の構造を併用したほうが好ましい。特に芳香族系の残基構造と脂肪族あるいは脂環族の残基構造との併用が好ましい。
本発明で用いるポリイミド樹脂(C)は、例えば、2個以上のフェノール性水酸基を有するポリフェノール化合物(a1)と、ポリイソシアネート化合物(a2)と、酸無水物(a4)とを反応させる製造方法により容易に得ることができる。
前記2個以上のフェノール性水酸基を有するポリフェノール化合物(a1)としては、例えば、前記ポリウレタン樹脂(A)の調製に用いる化合物等を用いることができる。尚、本発明で用いるポリイミド樹脂(C)の調製に用いるポリフェノール化合物(a1)として2個のフェノール性水酸基を含有するポリフェノール化合物、つまり2官能のポリフェノール化合物を使用する場合、例えば、ビスフェノールA、ビスフェノールF、およびビスフェノールS等のビスフェノール系化合物が好ましい。
また、2個のフェノール性水酸基を含有するポリフェノール化合物以外のポリフェノール化合物として3官能以上のポリフェノール化合物、例えば、フェノールノボラックやクレゾールノボラック、ノニルフェノールノボラック等のアルキルフェノールノボラックやザイロック型ポリフェノール樹脂等も使用できる。更に、フェノールやクレゾール等の一官能性のフェノール化合物も本発明の効果を損なわない範囲で使用できる。
前記ポリイソシアネート化合物(a2)としては、例えば、前記ポリウレタン樹脂(A)の調製に用いる化合物等を用いることができる。
本発明に用いるポリイミド樹脂(C)が分岐構造をとると、溶剤溶解性や硬化剤等その他の樹脂成分との相溶性が向上するためより好ましい。かかる分岐の手法としては、ポリイソシアネート化合物(a2)として、例えば、前記ジイソシアネート化合物等のイソシアヌレート体であるイソシアヌレート環を有するポリイソシアネート化合物の単独、あるいはこうしたポリイソシアネート化合物と前記ジイソシアネート化合物との混合物を使用することが好ましい。
前記イソシアヌレート環を有するポリイソシアネート化合物は、例えば、前記ポリウレタン樹脂(A)の調製に用いることができる化合物等を用いることが挙げられる。
ポリイソシアネート化合物(a2)として、ジイソシアネート化合物とイソシアヌレート環を有するジイソシアネート化合物とを併用する場合、ジイソシアネート化合物としての芳香族ジイソシアネートと、イソシアヌレート型ポリイソシアネートとしての脂肪族ジイソシアネートのイソシアヌレート型ポリイソシアネートおよび/または脂環式ジイソシアネートのイソシアヌレート型ポリイソシアネートとを含有する混合物を用いるのが好ましい。
本発明で用いるポリイミド樹脂(C)を調製する際に、前記ポリイソシアネート化合物(a2)として脂肪族ジイソシアネート化合物を用いると、溶解性に優れる熱硬化性樹脂組成物が得られ、且つ、電気特性が良好な硬化塗膜が得られることからより好ましい。
本発明で用いるポリイミド樹脂(C)を調製する際に用いるポリイソシアネート化合物(a2)は、溶剤溶解性が良好な熱硬化性樹脂組成物が得られることから、2種以上のポリイソシアネート化合物を併用することが好ましい。
さらには、耐熱性に優れる硬化塗膜が得られることから、前記イソシアヌレート体を併用することが好ましい。イソシアヌレート体を併用する場合、その使用量は、全ポリイソシアネート化合物(a2)量の70重量%以下に設定することが樹脂の高分子量化やゲル化を防ぐ意味で好ましい。
前記酸無水物(a4)としては、例えば、1個の酸無水物基を有する酸無水物や2個の酸無水物基を有する酸無水物等が挙げられる。前記1個の酸無水物基を有する酸無水物としては、例えば、無水トリメリット酸、ナフタレン−1,2,4−トリカルボン酸無水物等の芳香族トリカルボン酸無水物等が挙げられる。
前記2個の酸無水物基を有する酸無水物としては、例えば、ピロメリット酸二無水物、ベンゾフェノン−3,3′,4,4′−テトラカルボン酸二無水物、ジフェニルエーテル−3,3′,4,4′−テトラカルボン酸二無水物、ベンゼン−1,2,3,4−テトラカルボン酸二無水物、ビフェニル−3,3′,4,4′−テトラカルボン酸二無水物、ビフェニル−2,2′,3,3′−テトラカルボン酸二無水物、ナフタレン−2,3,6,7−テトラカルボン酸二無水物、ナフタレン−1,2,4,5−テトラカルボン酸二無水物、ナフタレン−1,4,5,8−テトラカルボン酸二無水物、デカヒドロナフタレン−1,4,5,8−テトラカルボン酸二無水物、4,8−ジメチル−1,2,3,5,6,7−ヘキサヒドロナフタレン−1,2,5,6−テトラカルボン酸二無水物、2,6−ジクロロナフタレン−1,4,5,8−テトラカルボン酸二無水物、2,7−ジクロロナフタレン−1,4,5,8−テトラカルボン酸二無水物、2,3,6,7−テトラクロロナフタレン−1,4,5,8−テトラカルボン酸二無水物、フェナントレン−1,3,9,10−テトラカルボン酸二無水物、ベリレン−3,4,9,10−テトラカルボン酸二無水物、ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)メタン二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)メタン二無水物、1,1−ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)エタン二無水物、1,1−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)エタン二無水物、2,2−ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)プロパン二無水物、2,3−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)プロパン二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)スルホン二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)エーテル二無水物、
エチレングリコールビスアンヒドロトリメリテート、プロピレングリコールビスアンヒドロトリメリテート、ブタンジオールビスアンヒドロトリメリテート、ヘキサメチレングリコールビスアンヒドロトリメリテート、ポリエチレングリコールビスアンヒドロトリメリテート、ポリプロピレンレングリコールビスアンヒドロトリメリテートやその他アルキレングリコールビスアンヒドロキシトリメリテート等が挙げられる。
前記酸無水物(a4)のなかでも、ピロメリット酸二無水物、ベンゾフェノン−3,3′,4,4′−テトラカルボン酸二無水物、ジフェニルエーテル−3,3′,4,4′−テトラカルボン酸二無水物、ビフェニル−3,3′,4,4′−テトラカルボン酸二無水物、ビフェニル−2,2′,3,3′−テトラカルボン酸二無水物、およびエチレングリコールビスアンヒドロトリメリテートが好ましい。
酸無水物(a4)としては、これらの1種又は2種以上を用いることが可能である。また、芳香族テトラカルボン酸二酸無水物に芳香族トリカルボン酸無水物や芳香族テトラカルボン酸一酸無水物を混合して使用してもよい。
先に説明したように、本発明の熱硬化性樹脂組成物に用いるポリイミド樹脂(C)は、2個以上のフェノール性水酸基を有するポリフェノール化合物(a1)と、ポリイソシアネート化合物(a2)と、酸無水物(a4)とを反応させる製造方法により得ることができる。
上記ポリイミド樹脂の製造方法では、ポリイソシアネート化合物(a2)に対してポリフェノール化合物(a1)と酸無水物(a4)とが反応する。末端をフェノール性水酸基として残存させる為に、ポリフェノール化合物(a1)中のフェノール性水酸基のモル数と酸無水物(a4)中の酸無水物基のモル数との合計モル数が、ポリイソシアネート化合物(a2)中のイソシアネート基のモル数より大きくなる条件で反応させることが好ましい。合成上の安定性や硬化物の各種性能の面で、〔{(a1)中のフェノール性水酸基のモル数+(a4)中の酸無水物基のモル数}/(a2)中のイソシアネート基のモル数〕が、1から10の範囲が好ましく、より好ましくは1.1から7の範囲である。またポリフェノール化合物(a1)の重量と酸無水物(a4)の重量との合計重量に対して(a1)および(a4)はおのおの5%以上存在していることが好ましく、さらに10%以上存在していることがより好ましい。
本発明で用いるポリイミド樹脂は1段反応で製造を行っても、2段以上の反応工程を有する反応で製造を行っても良い。
1段反応で製造を行う場合は、例えば、反応容器にポリフェノール化合物(a1)とポリイソシアネート化合物(a2)と酸無水物(a4)等との原料を仕込み、攪拌を行いながら昇温することで脱炭酸させながら反応を進行させる。
2段以上の反応工程を有する反応で製造を行う場合は、例えば、ポリイソシアネート化合物(a2)存在下に酸無水物(a4)を仕込んで反応中あるいは反応後に残存するイソシアネート基とポリフェノール化合物(a1)のフェノール性水酸基とを反応させることで製造が可能である。また、ポリフェノール化合物(a1)とポリイソシアネート化合物(a2)とを仕込んで、反応中あるいは反応後、酸無水物(a4)を仕込むことにより反応を行うこともできる。
更には、ポリフェノール化合物(a1)存在下に酸無水物(a4)を仕込んで反応中あるいは反応後に残存するイソシアネート基と酸無水物(a4)とを反応させても良い。
反応温度としては、50℃から250℃の範囲で行うことが可能であり、反応速度と副反応防止の面から70℃から180℃の温度で行うことが好ましい。
本発明で用いるポリイミド樹脂の製造方法では前記2個以上のフェノール性水酸基を有するポリフェノール化合物(a1)と、ポリイソシアネート化合物(a2)と、酸無水物(a4)とを、(a1)、(a2)および(a4)の合計重量に対してそれぞれ5〜50重量%、20〜70重量%、および20〜70重量%となるように用いて反応させるのが好ましい。
反応は、イソシアネート基がほぼ全て反応するまで行った方が得られるポリイミド樹脂の安定性が良好となることから好ましい。また、若干残存するイソシアネート基に対して、アルコールやフェノール化合物を添加し反応させても良い。
ところで、ポリイミド樹脂(C)のなかでも、前記一般式(13)で表される構造を更に有するポリイミド樹脂は、例えば、前記2個以上のフェノール性水酸基を有するポリフェノール化合物(a1)と、前記ポリイソシアネート化合物(a2)と、、酸無水物(a4)と、さらにはポリオール化合物(a3)とを反応させる方法により容易に得ることができる。具体的には、例えば、以下の方法等が挙げられる。
1.ポリイソシアネート化合物(a2)存在下に酸無水物(a4)を仕込んで(混合して)イミド化反応中あるいはイミド化反応後に、残存するイソシアネート基とポリフェノール化合物(a1)のフェノール性水酸基とポリオール化合物(a3)のアルコール性水酸基とを反応させて、ウレタン化反応を行う方法
2.ポリフェノール化合物(a1)とポリオール化合物(a3)とポリイソシアネート化合物(a2)とを仕込んでウレタン化反応中あるいはウレタン化反応後、残存するイソシアネート基と酸無水物(a4)の酸無水物基とを反応させてイミド化反応を行う方法
3.ポリフェノール化合物(a1)および/またはポリオール化合物(a3)存在下に酸無水物(a4)を仕込んで(混合して)、反応中あるいは反応後にポリイソシアネート化合物(a2)を添加してウレタン化反応とイミド化反応を行う方法。
4.ポリイソシアネート化合物(a2)とポリオール化合物(a3)とを仕込んで(混合して)ウレタン化反応を行って、ポリフェノール化合物(a1)を添加し更にウレタン化反応させた後、更に酸無水物(a4)を添加し残存するイソシアネート基と酸無水物基とのイミド化反応を行う方法。
5.ポリイソシアネート化合物(a2)とポリオール化合物(a3)とを仕込んで(混合して)ウレタン化反応を行った後、ポリフェノール化合物(a1)と酸無水物(a4)を添加し残存するイソシアネート基と酸無水物基とのイミド化反応及びポリイソシアネート化合物(a2)とポリフェノール化合物(a1)とのウレタン化反応を行う方法。
6.ポリイソシアネート化合物(a2)とポリオール化合物(a3)とを仕込んで(混合して)ウレタン化反応を行った後、酸無水物(a4)を添加し、イソシアネート基と酸無水物基とのイミド化反応を行い、更にポリフェノール化合物(a1)を添加し反応させる方法。
前記製造方法の中でも6.の方法が末端にポリフェノール化合物が存在する可能性が高く、エポキシ樹脂との硬化性を向上させることができることから好ましい。
2個以上のフェノール性水酸基を有するポリフェノール化合物(a1)とポリイソシアネート化合物(a2)とポリオール化合物(a3)と酸無水物(a4)とを反応させる際の反応温度は50℃から250℃の範囲で行うことが可能であり、反応速度と副反応防止との面から70℃から180℃の温度で行うことが好ましい。
上記製造方法では前記2個以上のフェノール性水酸基を有するポリフェノール化合物(a1)とポリイソシアネート化合物(a2)とポリオール化合物(a3)と酸無水物(a4)とを、(a1)、(a2)、(a3)及び(a4)の合計重量に対してそれぞれ5〜50重量%、10〜70重量%、10〜70重量%、および10〜70重量%となるように用いて反応させるのが好ましい。
反応は、イソシアネート基がほぼ全て反応するまで行った方が得られるポリイミド樹脂の安定性が良好となることから好ましい。また、若干残存するイソシアネート基に対して、アルコール、フェノール化合物、およびオキシム化合物等を添加し反応させても良い。
前記ポリイミド樹脂の製造方法では、有機溶剤を使用すると、均一な反応を進行できるため好ましい。有機溶剤としては、例えば、前記ポリウレタン樹脂の製造に用いることができる有機溶剤等が挙げられる。有機溶剤は、系中にあらかじめ存在させてから反応を行っても、途中で導入してもよい。また、この反応に際して適切な反応速度を維持するために系中の有機溶剤の割合は、反応系の80重量%以下であるが好ましく、10〜70重量%であることがより好ましい。
本発明で用いるポリイミド樹脂(C)の重量平均分子量は、溶剤溶解性が良好な熱硬化性樹脂組成物が得られ、且つ、種々の物性に優れる硬化塗膜が得られることから、800〜50,000が好ましく、1,000〜20,000がより好ましい。
本発明で用いるポリイミド樹脂(C)のフェノール性水酸基当量は、400〜10,000が好ましい。
本発明で用いるエポキシ樹脂(B)は分子内に2個以上のエポキシ基を有していることが好ましい。こうしたエポキシ樹脂としては、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂等のビスフェノール型エポキシ樹脂;フェノールノボラックエポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノール型ノボラック等のノボラック型エポキシ樹脂;ジシクロペンタジエンと各種フェノール類と反応させて得られる各種ジシクロペンタジエン変性フェノール樹脂のエポキシ化物;2,2′,6,6′−テトラメチルビフェノールのエポキシ化物等のビフェニル型エポキシ樹脂;ナフタレン骨格を有するエポキシ樹脂;フルオレン骨格を有するエポキシ樹脂等の芳香族系エポキシ樹脂やこれら芳香族系エポキシ樹脂の水素添加物;ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル等の脂肪族エポキシ樹脂;3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、ビス−(3,4−エポキヒシクロヘキシル)アジペート等の脂環式エポキシ樹脂;トリグリシジルイソシアヌレート等のごときヘテロ環含有エポキシ樹脂等が挙げられる。中でも、芳香族系エポキシ樹脂が、硬化塗膜の機会物性に優れる熱硬化性ポリウレタン樹脂組成物が得られることから好ましい。
前記ポリウレタン樹脂(A)とエポキシ樹脂(B)との配合量は、樹脂分の重量比として(A)/(B)が1/100から50/1の割合で使用することができ、さらに好ましくは、1/10から20/1である。
また、前記ポリイミド樹脂(C)とエポキシ樹脂(B)との配合量は、樹脂分の重量比として(C)/(B)が1/100から50/1の割合で使用することができ、さらに好ましくは、1/10から20/1である。
本発明の熱硬化性樹脂組成物には、更に、前記ポリウレタン樹脂(A)やポリイミド樹脂(C)が有するフェノール性水酸基と反応する化合物を添加することができる。具体的には、例えば、前記エポキシ樹脂(B)以外のエポキシ化合物、イソシアネート化合物、シリケート、およびアルコキシシラン化合物等が挙げられる。
前記イソシアネート化合物としては、例えば、芳香族系のイソシアネート化合物、脂肪族系のイソシアネート化合物および脂環族系のイソシアネート化合物等が使用できる。好ましくは、1分子中に2個以上のイソシアネート基を有するポリイソシアネート化合物が好ましい。また、ブロックイソシアネート化合物も使用可能である。
更に本発明の熱硬化性樹脂組成物にはポリエステル、ポリイミド樹脂、フェノキシ樹脂、PPS樹脂、PPE樹脂、ポリアリレーン樹脂等のバインダー樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、アルコキシシラン系硬化剤、多塩基酸無水物、シアネート化合物等の硬化剤あるいは反応性化合物やメラミン、ジシアンジアミド、グアナミンやその誘導体、イミダゾール類、アミン類、水酸基を1個有するフェノール類、有機フォスフィン類、ホスホニュウム塩類、4級アンモニュウム塩類、光カチオン触媒等の硬化触媒や硬化促進剤、さらにフィラー、その他添加剤等添加することも可能である。
また、上記硬化促進剤として、ウレタン化触媒の併用が好ましい。かかるウレタン化触媒としては、例えば、1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]ウンデセン‐7(以下DBU)やその有機塩化合物、トリエチレンジアミン、ジブチルチンジアセテート、ジブチルチンジラウレート等のジアルキル錫のアルキルエステル類、ビスマスのカルボキシレート等挙げられる。
本発明の熱硬化性樹脂組成物の調製法には、特に限定はないが各種成分を機械的に混合しても、熱溶融により混合しても、溶剤に希釈してから混合しても良い。
また、本発明の熱硬化性樹脂組成物は、更に必要に応じて、種々の充填材、有機顔料、無機顔料、体質顔料、防錆剤等を添加することができる。これらは単独でも2種以上を併用してもよい。
前記充填材としては、例えば、硫酸バリウム、チタン酸バリウム、酸化けい素酸粉、微粒状酸化けい素、シリカ、タルク、クレー、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、酸化アルミニウム、水酸化アルムニウム、雲母等が挙げられる。
前記有機顔料としては、アゾ顔料;フタロシアニン・ブルー、フタロシアニン・グリーンの如き銅フタロシアニン系顔料、キナクリドン系顔料等が挙げられる。
前記無機顔料としては、例えば、黄鉛、ジンククロメート、モリブデート・オレンジの如きクロム酸塩;紺青の如きフェロシアン化物、酸化チタン、亜鉛華、ベンガラ、酸化鉄;炭化クロムグリーンの如き金属酸化物、カドミウムイエロー、カドミウムレッド;硫化水銀の如き金属硫化物、セレン化物;硫酸鉛の如き硫酸塩;群青の如き珪酸塩;炭酸塩、コバルト・バイオレッド;マンガン紫の如き燐酸塩;アルミニウム粉、亜鉛末、真鍮粉、マグネシウム粉、鉄粉、銅粉、ニッケル粉の如き金属粉;カーボンブラック等が挙げられる。
また、その他の着色、防錆、体質顔料のいずれも使用することができる。これらは単独でも2種以上を併用してもよい。
本発明の熱硬化性樹脂組成物は、有機系、無機−金属系のフィルム状基材やガラスクロス、ポリアラミドクロス等の織物基材に通常、キャスト法、含浸、塗装等目的の方法で塗工施行される。硬化温度は80〜300℃で、硬化時間は20分間〜5時間である。
次に、本発明を実施例および比較例によりさらに具体的に説明する。以下において、部および「%」は特に断りのない限り、すべて「重量%」である。
合成例1〔ポリウレタン樹脂(A)の製造〕
攪拌装置、温度計およびコンデンサーを付けたフラスコに、γ−ブチロラクトン 57gと、BPF(ビスフェノールF)80.8g(0.4モル)と、TDI(トリレンジイソシアネート)52.2g(0.3モル)とを仕込み、攪拌を行いながら発熱に注意して80℃に昇温し、この温度で5時間反応させた。反応後、γ−ブチロラクトンにて樹脂固形分濃度を60%に調整し、25℃での粘度が180Pa・sの無色透明なポリウレタン樹脂(A−1)の溶液を得た。
得られたポリウレタン樹脂(A−1)の溶液をKBr板に塗装し、溶剤を揮発させた試料の赤外線吸収スペクトルを測定した結果、イソシアネート基の特性吸収である2270cm−1が完全に消滅していた。これによりイソシアネート基は、BPFの水酸基と共にウレタン結合を形成し、BPFの水酸基を除いた残基を骨格中に有し、且つ、末端がBPFの水酸基となっているポリウレタン樹脂が得られたと結論される。
合成例2(同上)
攪拌装置、温度計およびコンデンサーを付けたフラスコに、γ−ブチロラクトン 200gと、TMBP(テトラメチルビフェノール) 121g(0.5モル)と、TDI 69.6g(0.4モル)とを仕込み、攪拌を行いながら発熱に注意して90℃に昇温し、この温度で7時間反応させた。反応後系内はクリアなオレンジ色の液体となり、ここに不揮発分が40%になるようにγ−ブチロラクトンで調整し、25℃での粘度が6.2Pa・sのポリウレタン樹脂(A−2)の溶液を得た。
得られたポリウレタン樹脂(A−2)の溶液をKBr板に塗装し、溶剤を揮発させた試料の赤外線吸収スペクトルを測定した結果、イソシアネート基の特性吸収である2270cm−1が完全に消滅していた。これによりイソシアネート基は、TMBPの水酸基と共にウレタン結合を形成し、TMBPの水酸基を除いた残基を骨格中に有し、且つ、末端がTMBPの水酸基となっているポリウレタン樹脂が得られたと結論される。
合成例3(同上)
攪拌装置、温度計およびコンデンサーを付けたフラスコに、γ−ブチロラクトン 200gと、BP(ビフェノール) 93g(0.5モル)と、TDI 69.6g(0.4モル)を仕込み、攪拌を行いながら発熱に注意して90℃に昇温し、この温度で7時間反応させた。反応後系内はやや濁りのある無色の液体となり、ここに不揮発分が38%になるようにγ−ブチロラクトンで調整し、25℃での粘度が2.8Pa・sのポリウレタン樹脂(A−3)の溶液を得た。
得られたポリウレタン樹脂(A−3)の溶液をKBr板に塗装し、溶剤を揮発させた試料の赤外線吸収スペクトルを測定した結果、イソシアネート基の特性吸収である2270cm−1が完全に消滅していた。これによりイソシアネート基はBPの水酸基と共にウレタン結合を形成し、BPの水酸基を除いた残基を骨格中に有し、且つ、末端がBPの水酸基となっているポリウレタン樹脂が得られたと結論される。
合成例4(同上)
攪拌装置、温度計およびコンデンサーを付けたフラスコに、γ−ブチロラクトン 200gと、HCA−HQ(9,10-ジヒドロ-9-オキサ-10-フォスファフェナンスレン-10-オキサイドとキノンとの反応物:三光株式会社製)162g(0.5モル)と、MDI(ジフェニルメタンジイソシアネート)100g(0.4モル)とを仕込み、攪拌を行いながら発熱に注意して90℃に昇温し、この温度で7時間反応させた。反応後系内はクリアな茶色の液体となり、ここに不揮発分が40%になるようにγ−ブチロラクトンで調整し、25℃での粘度が10.2Pa・sのポリウレタン樹脂(A−4)の溶液を得た。
得られたポリウレタン樹脂(A−4)の溶液をKBr板に塗装し、溶剤を揮発させた試料の赤外線吸収スペクトルを測定した結果、イソシアネート基の特性吸収である2270cm−1が完全に消滅していた。これによりイソシアネート基はHCA−HQの水酸基と共にウレタン結合を形成し、HCA−HQの水酸基を除いた残基を骨格中に有し、且つ、末端がHCA−HQの水酸基となっているポリウレタン樹脂が得られたと結論される。
合成例5(同上)
攪拌装置、温度計およびコンデンサーを付けたフラスコに、γ−ブチロラクトン 295gと、BPS(ビスフェノールS)175g(0.7モル) IPDI−N(イソホロンジイソシアネートのイソシアヌレート化3量体;NCO%=18.03%)69.9g(イソシアネート基として0.3モル)と、MDI(ジフェニルメタンジイソシアネート) 50g(0.2モル)とを仕込み、攪拌を行いながら発熱に注意して90℃に昇温し、この温度で7時間反応させた。反応後系内は無色クリアな液体で、不揮発分が50%で、25℃での粘度が5.2Pa・sのポリウレタン樹脂(A−5)の溶液を得た。
得られたポリウレタン樹脂(A−5)の溶液をKBr板に塗装し、溶剤を揮発させた試料の赤外線吸収スペクトルを測定した結果、イソシアネート基の特性吸収である2270cm−1が完全に消滅していた。これによりイソシアネート基はBPSの水酸基と共にウレタン結合を形成し、BPSの水酸基を除いた残基を骨格中に有し、且つ、末端がBPSの水酸基となっているポリウレタン樹脂が得られたと結論される。
合成例6(同上)
攪拌装置、温度計およびコンデンサーを付けたフラスコに、γ−ブチロラクトン 265.2gと、1−6ND(1,6ジヒドロキシナフタレン) 64g(0.4モル)と、TMBP 96.8g(0.4モル)と、TDI 104.4g(0.6モル)とを仕込み、攪拌を行いながら発熱に注意して90℃に昇温し、この温度で7時間反応させた。反応後系内はクリアな濃い茶色の液体となり、ここに不揮発分が40%になるようにγ−ブチロラクトンで調整し、25℃での粘度が2.6Pa・sのポリウレタン樹脂(A−6)の溶液を得た。
得られたポリウレタン樹脂(A−6)の溶液をKBr板に塗装し、溶剤を揮発させた試料の赤外線吸収スペクトルを測定した結果、イソシアネート基の特性吸収である2270cm−1が完全に消滅していた。これによりイソシアネート基は1−6ND及びTMBPの水酸基と共にウレタン結合を形成し、1−6ND及びTMBPの水酸基を除いた残基を骨格中に有し、且つ、末端が1−6NDの水酸基および/またはTMBPの水酸基となっているポリウレタン樹脂が得られたと結論される。
合成例7(同上)
攪拌装置、温度計及びコンデンサーをつけたフラスコに、γ−ブチロラクトン1188gとフェノールノボラック樹脂(軟化点90℃ フェノール性水酸基当量103g/eq)618g(フェノール性水酸基として6モル)とを仕込んで、80℃に昇温、溶解させた。ついでTDI 174g(1モル)を1時間かけて分割で仕込んで90℃に昇温してさらに7時間反応を行った。反応後はクリアな濃い黄色の液体となり、不揮発分40%で粘度Pa・sのポリウレタン樹脂の溶液(A−7)を得た。
得られたポリウレタン樹脂(A−7)の溶液をKBr板に塗装し、溶剤成分を揮発させた試料の赤外吸収スペクトルを測定した結果、イソシアネート基の特性吸収である2270cm−1が完全に消滅していた。これによりイソシアネート基は、フェノールノボラック樹脂中のフェノール性水酸基と共にウレタン結合を形成し骨格中にフェノールノボラック樹脂のフェノール性水酸基を有し、一部のフェノール性水酸基がウレタン結合で変性されたポリウレタン樹脂が得られたと結論される。
合成例8(同上)
攪拌装置、温度計及びコンデンサーをつけたフラスコに、γ−ブチロラクトン50.6gと、ソルベッソ150(芳香族炭化水素系溶剤)101.2gと、ノニルフェノールノボラック樹脂溶液(水酸基当量 288g/eq 不揮発分79.5%のミネラルスピリッツ溶液 4.26官能)85.9g(フェノール性水酸基量として0.298モル)と、ポリブタジエンジオール(分子量3550)124.3g(0.035モル)とを仕込んで、80℃に昇温、溶解させた。ついでMDI 17.5g(0.07モル)を1時間かけて分割で仕込んで80℃にて7時間反応を行った。反応後はクリアな濃い黄色の液体となり、不揮発分54%で粘度4Pa・sのポリウレタン樹脂の溶液(A−8)を得た。
得られたポリウレタン樹脂(A−8)の溶液をKBr板に塗装し、溶剤成分を揮発させた試料の赤外吸収スペクトルを測定した結果、イソシアネート基の特性吸収である2270cm−1が完全に消滅していた。これによりイソシアネート基は、ノニルフェノールノボラック樹脂中のフェノール性水酸基と共にウレタン結合を形成し骨格中にノニルフェノールノボラック樹脂のフェノール性水酸基を有し、一部のフェノール性水酸基がウレタン結合で変性されたポリウレタン樹脂が得られたと結論される。
合成例9〔ポリイミド樹脂(C)の製造〕
攪拌装置、温度計およびコンデンサーを付けたフラスコに、DMAC(ジメチルアセトアミド)140gと、TMEG(エチレングリコールビスアンヒドロトリメリテート)98.4g(0.24モル)と、BPS(ビスフェノールS)40g(0.16モル)と、MDI(ジフェニルメタンジイソシアネート)40g(0.16モル)と、HDI(ヘキサメチレンジイソシアネート)26.9g(0.16モル)とを仕込み、攪拌を行いながら発熱に注意して80℃に昇温し、この温度で1時間かけて溶解、反応させ、更に2時間かけて120℃まで昇温した後、この温度で1時間反応させた。反応は炭酸ガスの発泡とともに進行し、系内は茶色の液体となった。DMACにて樹脂固形分濃度を55%に調整し、25℃での粘度が100Pa・sのポリイミド樹脂(C−1)の溶液を得た。
得られたポリイミド樹脂(C−1)の溶液をKBr板に塗装し、溶剤を揮発させた試料の赤外線吸収スペクトルを測定した結果、イソシアネート基の特性吸収である2270cm−1が完全に消滅し、725cm−1と1780cm−1と1720cm−1とにイミド環の特性吸収が確認された。また炭酸ガスの発生量は、フラスコ仕込み重量の変化で追跡し、21.1g(0.48モル)であった。これよりTMEGの酸無水物基の全量0.48モルの全量がイミド結合に変換していて、残りのイソシアネート基は、BPSとウレタン結合を形成して樹脂に連結されていると結論される。
合成例10(同上)
攪拌装置、温度計およびコンデンサーを付けたフラスコに、DMAC 156.8gと、TMEG 65.6g(0.16モル)と、BP(ビフェノール)29.8g(0.16モル)と、MDI 40g(0.16モル)と、1,6−ヘキサンジイソシアネートから誘導されるイソシアヌレート環を有するポリイソシアネート(以下、HDI−Nと略記する。イソシアネート基含有率23.5%、イソシアヌレート環含有トリイソシアネート含有率63.3%)21.4g(イソシアネート基として0.12モル)とを仕込み、攪拌を行いながら発熱に注意して100℃に昇温し、この温度で7時間反応させた。反応は発泡とともに進行し、系内はクリアな茶色の液体となった。25℃での粘度が15Pa・sのポリイミド樹脂(C−2)の溶液を得た。
得られたポリイミド樹脂(C−2)の溶液をKBr板に塗装し、溶剤を揮発させた試料の赤外線吸収スペクトルを測定した結果、イソシアネート基の特性吸収である2270cm−1が完全に消滅し、725cm−1と1780cm−1と1720cm−1とにイミド環の特性吸収が確認された。また、1690cm−1と1460cm−1とにイソシアヌレート環の特性吸収が確認された。
炭酸ガスの発生量は、フラスコ仕込み重量の変化で追跡し、12.3g(0.28モル)であった。これよりTMEGの酸無水物基の全量0.32モルの内、0.28モル(87.5%)がイミド結合に変換していて、さらにMDIとHDI−Nとのイソシアネート基全量0.44モルの内、0.28モル(63.6%)がイミド結合に変換され、残りのイソシアネート基はBPとウレタン結合を形成して樹脂に連結されていると結論される。
合成例11(同上)
攪拌装置、温度計およびコンデンサーを付けたフラスコに、γ−ブチロラクトン 184gと、TMEG 82.0g(0.2モル)と、BPF(ビフェノールF)40.4g(0.2モル)と、TDI(トリレンジイソシアネート) 34.8g(0.2モル)と、1,6−ヘキサンジイソシアネートから誘導されるイソシアヌレート環を有するポリイソシアネート(以下、HDI−Nと略記する。イソシアネート基含有率23.5%、イソシアヌレート環含有トリイソシアネート含有率63.3%)26.8g(イソシアネート基として0.15モル)とを仕込み、攪拌を行いながら発熱に注意して120℃に昇温し、この温度で7時間反応させた。反応は発泡とともに進行し、系内はクリアな茶色の液体となった。25℃での粘度が7Pa・sのポリイミド樹脂(C−3)の溶液を得た。
得られたポリイミド樹脂(C−3)の溶液をKBr板に塗装し、溶剤を揮発させた試料の赤外線吸収スペクトルを測定した結果、イソシアネート基の特性吸収である2270cm−1が完全に消滅し、725cm−1と1780cm−1と1720cm−1とにイミド環の特性吸収が確認された。また、1690cm−1と1460cm−1とにイソシアヌレート環の特性吸収が確認された。
炭酸ガスの発生量は、フラスコ仕込み重量の変化で追跡し、15.4g(0.35モル)であった。これよりTMEGの酸無水物基の全量0.4モルの内、0.35モル(87.5%)がイミド結合に変換していて、さらにTDIとHDI−Nとのイソシアネート基全量0.44モルの内、0.55モル(63.6%)がイミド結合に変換され、残りのイソシアネート基はBPFとウレタン結合を形成し樹脂に連結されていると結論される。
合成例12(同上)
攪拌装置、温度計及びコンデンサーをつけたフラスコに、γ−ブチロラクトン536.1gと、フェノールノボラック樹脂(軟化点90℃ フェノール性水酸基当量103g/eq 平均官能基数 6.7)61.8g(フェノール性水酸基として6モル)と、TMEG(エチレングリコールビスアンヒドロトリメリテート)164.0gと、TMAN(無水トリメリット酸)76.8g(0.4モル)とを仕込んで、1時間かけて90℃に昇温、溶解させた。ついでTDI 87.0g(0.5モル)とMDI 100.0g(0.4モル)とを仕込んで150℃に昇温してさらに7時間反応を行った。反応後はクリアな濃い黄色の液体となり、ここに不揮発分40%で粘度75Pa・sのポリイミドアミド樹脂の溶液(C−4)を得た。
得られたポリイミドアミド樹脂(C−4)の溶液をKBr板に塗装し、溶剤成分を揮発させた試料の赤外吸収スペクトルを測定した結果、イソシアネート基の特性吸収である2270cm−1が完全に消滅していて、725cm−1と1780cm−1と1720cm−1とにイミド環の吸収が確認された。また1670cm−1にアミド結合の吸収が確認された。また1540cm−1にウレタン結合の吸収が確認された。また、イミド化、アミド化の進行に伴う炭酸ガスの発生量は、フラスコ仕込み重量の変化で追跡し、70.4g(1.6モル)であった。これによりイソシアネート基全量1.8モルの内、1.6モル(88.9%)分がイミド結合あるいはアミド結合に変換され、残りのイソシアネート基はフェノールノボラック樹脂中のフェノール性水酸基と共にウレタン結合を形成し、これにより骨格中にフェノールノボラック樹脂のフェノール性水酸基を有し、一部のフェノール性水酸基がウレタン結合で変性されたポリウレタンイミドアミド樹脂が得られたと結論される。
合成例13(同上)
攪拌装置、温度計およびコンデンサーを付けたフラスコに、γ−ブチロラクトン203.5gと、TMEG(エチレングリコールビスアンヒドロトリメリテート)57.4g(0.14モル)と、BPF(ビスフェノールF)28.28g(0.14モル)と、TDI(トルエンジイソシアネート)48.72g(0.28モル)と、HGMPD−C(1,6−ヘキサンジオールとメチルペンタンジオールから得られるポリカーボネートジオール:水酸基当量=113.7KOH−mg/g)69.08g(水酸基量として0.14モル)とを仕込み、攪拌を行いながら発熱に注意して80℃に昇温し、この温度で1時間かけて溶解、反応させ、更に2時間かけて120℃まで昇温した後、この温度で4時間反応させた。反応は炭酸ガスの発泡とともに進行し、系内は黒茶色の液体となった。25℃での粘度が15Pa・sのポリイミド樹脂(C−5)の溶液(樹脂分48.4%)を得た。
得られたポリイミド樹脂(C−5)の溶液をKBr板に塗装し、溶剤を揮発させた試料の赤外線吸収スペクトルを測定した結果、イソシアネート基の特性吸収である2270cm−1が完全に消滅し、725cm−1と1780cm−1と1720cm−1とにイミド環の特性吸収が確認された。また炭酸ガスの発生量は、フラスコ仕込み重量の変化で追跡し、12.32g(0.28モル)であった。これよりTMEGの酸無水物基の全量0.28モル(0.14モルのTMEGは、0.14モルの酸無水物基を有する)の全量がイミド結合に変換していて、残りのイソシアネート基は、BPFとHGMPD−Cとのウレタン結合にて樹脂に連結されていると結論される。
合成例14(同上)
攪拌装置、温度計およびコンデンサーを付けたフラスコに、DMAC(ジメチルアセトアミド) 161.42gと、TMAN(無水トリメリット酸) 19.2g(0.1モル)と、BP(ビフェノール)18.6g(0.10モル)と、MDI 35g(0.14モル)と、1,6−ヘキサンジイソシアネートから誘導されるイソシアヌレート環を有するポリイソシアネート(以下、HDI−Nと略記する。イソシアネート基含有率23.5%、イソシアヌレート環含有トリイソシアネート含有率63.3%)10.7g(イソシアネート基として0.06モル)と、HGPD−C(1,6−ヘキサンジオールとペンタンジオールから得られるポリカーボネートジオール:水酸基当量=57.6KOH−mg/g)77.92g(水酸基量として0.04モル)とを仕込み、攪拌を行いながら発熱に注意して140℃に昇温し、この温度で5時間反応させた。反応は発泡とともに進行し、系内はクリアな茶色の液体となった。25℃での粘度が40Pa・sのポリイミド樹脂(C−6)の溶液(樹脂分48.6%)を得た。
得られたポリイミド樹脂(C−6)の溶液をKBr板に塗装し、溶剤を揮発させた試料の赤外線吸収スペクトルを測定した結果、イソシアネート基の特性吸収である2270cm−1が完全に消滅し、725cm−1と1780cm−1と1720cm−1とにイミド環の特性吸収が確認された。また、1690cm−1と1460cm−1とにイソシアヌレート環の特性吸収が確認された。
炭酸ガスの発生量は、フラスコ仕込み重量の変化で追跡し、8.8g(0.2モル)であった。これよりTMANの酸無水物基とカルボキシル基とTMEGの酸無水物基との全量がイミド結合とアミド結合とに変換していて、さらにMDIとHDI−Nとのイソシアネート基全量0.34モルの内、0.2モル(47.1%)がイミド結合およびアミド結合に変換され、残りのイソシアネート基は、BP及びHGPD−Cとウレタン結合を形成し樹脂に連結されていると結論される。
合成例15(同上)
攪拌装置、温度計およびコンデンサーを付けたフラスコに、γ−ブチロラクトン 102.7gと、ソルベッソ150(芳香族炭化水素系溶剤)102.7gと、BPF 20.2g(0.1モル)と、TDIを 34.8g(0.2モル)と、HPB(水添ポリブタジエンジオール:水酸基当量=51.3KOH−mg/g)109.4g(0.05モル)とを仕込み、攪拌を行いながら発熱に注意して80℃に昇温し、この温度で2時間反応させた。ついでTMEGを41g(0.1モル)添加し140℃まで1時間で昇温させ反応を行った。反応は発泡とともに進行し、系内はやや濁った黒茶色の液体となった。25℃での粘度が27Pa・sのポリイミド樹脂(C−7)の溶液(樹脂分48.9%)を得た。
得られたポリイミド樹脂(C−7)の溶液をKBr板に塗装し、溶剤を揮発させた試料の赤外線吸収スペクトルを測定した結果、イソシアネート基の特性吸収である2270cm−1が完全に消滅し、725cm−1と1780cm−1と1720cm−1とにイミド環の特性吸収が確認された。
炭酸ガスの発生量は、フラスコ仕込み重量の変化で追跡し、8.8g(0.2モル)であった。これよりTMEGの酸無水物基の全量0.2モルが全量イミド結合に変換していて、さらにTDIのイソシアネート基全量0.4モルの内、0.2モル(50%)がイミド結合に変換され、残りのイソシアネート基は、BPF及びHPBとウレタン結合を形成し樹脂に連結されていると結論される。
合成例16(同上)
攪拌装置、温度計及びコンデンサーをつけたフラスコに、γ−ブチロラクトン517.3gと、ソルベッソ150391.3gとIPDI(イソホロンジイソシアネート)222g(1モル)と、HPB〔水添ポリブタジエンジオール(分子量1514)〕757.1g(0.5モル)とを仕込んで50℃で2時間反応を行った。ついでノニルフェノールノボラック樹脂溶液(水酸基当量 288g/eq 不揮発分79.5%のミネラルスピリッツ溶液 4.26官能) 613.5g(フェノール性水酸基量として2.13モル)と、TMEG102.5g(0.25モル)とを仕込んで、2時間かけて150℃に昇温、反応させた。ついでTDI 87.0g(0.5モル)と、MDI 100.0g(0.4モル)とを仕込んで150℃に昇温してさらに5時間反応を行った。反応後はクリアな濃い茶色の液体となり、不揮発分59%で粘度 25Pa・sのポリイミド樹脂溶液(C−8)を得た。
得られたポリイミド樹脂(B−8)の溶液をKBr板に塗装し、溶剤成分を揮発させた試料の赤外吸収スペクトルを測定した結果、イソシアネート基の特性吸収である2270cm−1が完全に消滅していて、725cm−1と1780cm−1と1720cm−1とにイミド環の吸収が確認された。また1540cm−1にウレタン結合の吸収が確認された。また、イミド化、アミド化の進行に伴う炭酸ガスの発生量は、フラスコ仕込み重量の変化で追跡し、22g(0.5モル)であった。これによりイソシアネート基全量2モルの内、0.5モル(25%)分がイミド結合に変換され、残りのイソシアネート基はHPBの水酸基とNPN樹脂中のフェノール性水酸基と共にウレタン結合を形成し、これにより樹脂にフェノールノボラック樹脂のフェノール性水酸基を有し、一部のフェノール性水酸基がウレタン結合で変性されたポリウレタンイミド樹脂が得られたと結論される。
合成例17〔比較対照用ポリイミド樹脂(C´)の製造
攪拌装置、温度計およびコンデンサーを付けた20リットルのフラスコに、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート4951gと、IPDI−N2760g(イソホロンジイソシアネートのイソシアヌレート化合物、イソシアネート基含有率18.26%、イソシアネート基として12モル)と、ポリテールHA〔三菱化学(株)製の両末端に水酸基を有する水素添加液状ポリブタジエン、数平均分子量2,100、水酸基価51.2mgKOH/g〕2191g(水酸基として2モル)とを仕込み、攪拌を行いながら発熱に注意して80℃に昇温した後、3時間反応を行った。次いで、さらにジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート1536gと、トリメリット酸無水物1536g(8モル)とを仕込み、160℃まで昇温した後、4時間反応させた。反応は発泡とともに進行した。系内は薄茶色のクリアな液体となり、ポリイミド樹脂(C′−1)の溶液(樹脂分47.1%)を得た。
得られたポリイミド樹脂(C′−1)の溶液を用いた以外は合成例1と同様にして赤外線吸収スペクトルを測定した結果、イソシアネート基の特性吸収である2270cm−1が完全に消滅し、725cm−1と1780cm−1と1720cm−1とにイミド環の特性吸収、1690cm−1と1460cm−1とにイソシアヌレート環の特性吸収、そして1550cm−1にウレタン結合の特性吸収が確認された。また、ポリイミド樹脂の酸価は79(樹脂固形分換算)で、イソシアヌレート環の濃度は0.66mmol/g(樹脂固形分換算)であった。
実施例1
第1表に示す配合にて本発明の熱硬化性樹脂組成物1を調製した。得られた熱硬化性樹脂組成物1の硬化塗膜の電気特性、耐熱性、寸法安定性、及び熱硬化性樹脂組成物1の寸法安定性を下記方法に従って評価した。その結果を第4表に示す。
(1)電気特性の評価
電気特性は塗膜の誘電率(ε)と誘電損失(Tanδ)とを測定することにより評価した。熱硬化性樹脂組成物1を硬化後の膜厚が80μmになるようにブリキ基板上に塗装し、70℃の乾燥機で20分間乾燥した後、200℃で1時間硬化させ冷却した後、剥離した硬化塗膜を切り出した測定用試料を、アジレントテクノロジー社製4291Bを用いて、周波数は100MHzの条件で、測定雰囲気の温度は23度の条件で誘電率(ε)と誘電損失(Tanδ)とを測定した。
(2)耐熱性の評価及び寸法安定性の評価
耐熱性の評価は硬化塗膜のガラス転移点(Tg)を測定することにより行った。寸法安定性の評価は線膨張係数を測定することにより行った。
<試験用試験片の作製>
熱硬化性樹脂組成物1を硬化後の膜厚が50μmになるようにブリキ基板上に塗装し、70℃の乾燥機で20分間乾燥した後、200℃で1時間硬化させ冷却した後、剥離した硬化塗膜を幅5mm、長さ30mmに切り出し、測定用試料とした。
<Tg測定方法>
セイコー電子(株)製熱分析システムTMA−SS6000を用いて、試料長10mm、昇温速度10℃/分、荷重30mNの条件でTMA(Thermal Mechanical Analysis)法により測定した。なお、Tgは、TMA測定での温度−寸法変化曲線からその変極点を求め、その温度をTgとした。Tgが高いほど耐熱性に優れることを表す。線膨張係数は温度域50〜60℃、及び110〜120℃での試料長の変位より求めた。線膨張係数が小さいほど寸法安定性に優れることを示す。
尚、第4表及び第5表において温度域50〜60℃における線膨張係数の測定結果を「線膨張係数1」と、温度域110〜120℃における線膨張係数の測定結果を「線膨張係数2」と略記する。線膨張係数の単位はPPM(cm/cm/℃)×106である。
(3)保存安定性(熱硬化性樹脂組成物1の保存安定性)
熱硬化性ポリウレタン樹脂組成物1を密栓したガラスビンに保存し、40℃で1週間後の状態を観察した。目視にて下記基準に従って評価した。
○:凝集物、沈殿物がなく、且つ、高粘度化せずに流動性があるもの。
△:凝集物、沈殿物がなないもののテーリングまたは高粘度化が起こったもの。
×:ゲル化がおこったもの。
実施例2〜9及び比較例1〜5
第1表〜第3表に示す配合で配合した以外は実施例1と同様にして熱硬化性樹脂組成物2〜9及び比較対照用熱硬化性樹脂組成物1´〜5´を調製した。これを用いて実施例1と同様に各種評価を行い、その結果を第4表及び第5表に示す。
Figure 2007277518
Figure 2007277518
Figure 2007277518
Figure 2007277518
Figure 2007277518
実施例10
第6表に示す配合にて本発明の熱硬化性樹脂組成物10を調製した。得られた熱硬化性樹脂組成物10の硬化塗膜の相溶性、塗膜造膜性、耐熱性、機械物性、電気特性、寸法安定性及び熱硬化性樹脂組成物10の保存安定性を下記方法に従って評価した。その結果を第8表に示す。
(1)相溶性の評価
熱硬化性樹脂組成物10を調製した際の相溶状態と、調製後の熱硬化性ポリイミド樹脂組成物1をガラス板に塗装し、120℃で乾燥した後の塗膜の状態を、下記の評価基準で評価した。
評価基準
◎:熱硬化性樹脂組成物10の調製において攪拌により容易に均一となり、塗膜面にも異物等が見られない。
○:熱硬化性樹脂組成物10の調製において攪拌により均一となり、塗膜面にも異物等が見られない。
△:熱硬化性樹脂組成物10の調製において攪拌により均一になりにくく、塗膜面にもやや異物等が見られる。
×:熱硬化性樹脂組成物10の調製において均一に溶解せず、塗膜面は、はじき、異物、不溶解物が確認できる。
(2)塗膜造膜性の評価
熱硬化性樹脂組成物10を乾燥後の膜厚が30μmになるようにブリキ板にアプリケーターにて塗布後、110℃で30分間乾燥させて得た試験片を、室温にて24時間放置し、塗膜外観を以下の評価基準で評価した。
評価基準
○:塗膜にクラック等の異常は見られない。
△:塗膜に若干クラックが見られる。
×:塗膜全面にクラックが発生した。
(3)耐熱性の評価
耐熱性の評価は硬化塗膜のガラス転移点(Tg)を測定することにより行った
<試験用試験片の作製>
熱硬化性樹脂組成物10を硬化後の膜厚が50μmになるようにブリキ基板上に塗装し、70℃の乾燥機で30分間乾燥した後、200℃でそれぞれ1時間硬化させて、硬化塗膜を作成し、室温まで冷却した後、硬化塗膜を塗装板から切り出し、Tg測定用試料とした。
<Tg測定方法>
前記Tg測定用試料を用い、下記の条件で動的粘弾性を測定し、得られたスペクトルのTanδの最大の温度をTgとした。Tgの値が高いほど耐熱性に優れる塗膜であることを表す。
測定機器:レオメトッリク社製粘弾性測定装置RSA−II
治具:引張試験用治具
チャック間:20mm
測定温度:25〜300℃
測定周波数:1Hz
昇温速度:3℃/min
(4)機械物性の評価
機械物性は塗膜の引張試験を行うことにより評価した。
<試験片の作製>
熱硬化性樹脂組成物10を硬化後の膜厚が50μmになるようにブリキ基板上に塗装した。次いで、この塗装板を70℃の乾燥機で20分間乾燥した後、200℃で1時間硬化させて硬化塗膜を作成した。室温まで冷却した後、硬化塗膜を所定の大きさに切り出し、基板から単離して測定用試料とした。
<引張試験測定方法>
測定用試料を5枚作成し、下記の条件で引張試験を行い、破断強度と破断伸度を求めた。破断強度と破断伸度の値が高いほど機械物性に優れる塗膜であることを表す。
測定機器:東洋ボールドウィン社製テンシロン
サンプル形状:10mm×70mm
チャック間:20mm
引張速度:10mm/min
測定雰囲気:22℃、45%RH
(5)電気特性の評価
電気特性は塗膜の誘電率(ε)と誘電損失(Tanδ)とを測定することにより評価した。
熱硬化性ポリイミド樹脂組成物1を硬化後の膜厚が100μmになるようにブリキ基板上に塗装し、70℃の乾燥機で20分間乾燥した後、200℃で1時間硬化させ冷却した後、剥離した硬化塗膜を切り出した測定用試料を、アジレントテクノロジー社製4291Bを用いて、周波数は500MHzの条件で誘電率(ε)と誘電損失(Tanδ)とを測定した。
(6)寸法安定性
寸法安定性は塗膜の線膨張係数を測定することにより評価した。
<試験用試験片の作製>
熱硬化性ポリイミド樹脂組成物1を硬化後の膜厚が50μmになるようにブリキ基板上に塗装し、70℃の乾燥機で20分間乾燥した後、200℃で1時間硬化させ冷却した後、剥離した硬化塗膜を幅5mm、長さ30mmに切り出し、測定用試料とした。
<線膨張係数測定方法>
セイコー電子(株)製熱分析システムTMA−SS6000を用いて、試料長10mm、昇温速度10℃/分、荷重49mNの条件でTMA(Thermal Mechanical Analysis)法により測定した。なお、線膨張係数に使用した温度域は40〜50℃での試料長の変位より求めた。線膨張係数が小さいほど寸法安定性に優れることを示す。単位はPPM(cm/cm/℃)×106である。
(7)保存安定性(熱硬化性ポリイミド樹脂組成物1の保存安定性)
熱硬化性ポリイミド樹脂組成物1を25mlのガラス容器に20ml入れて密封した。この状態で室温で1週間放置した後の状態を観察した。
実施例11〜14及び比較例6〜8
第6表及び第7表に示す配合で配合した以外は実施例10と同様にして熱硬化性樹脂組成物11〜14及び比較対照用熱硬化性樹脂組成物6´〜8´を調製した。これを用いて実施例10と同様に各種評価を行い、その結果を第8表及び第9表に示す。
Figure 2007277518
Figure 2007277518
Figure 2007277518
Figure 2007277518
実施例15〜実施例19
第10表に示す配合にて本発明の熱硬化性樹脂組成物15〜19を調製した。得られた熱硬化性樹脂組成物15〜19の硬化塗膜の相溶性、塗膜造膜性、耐熱性、機械物性、電気特性、寸法安定性及び熱硬化性樹脂組成物10〜19の保存安定性を下記方法に従って評価した。その結果を第11表に示す。
(1)相溶性の評価
実施例10と同様にして行った。
(2)塗膜造膜性の評価
実施例10と同様にして行った。
(3)耐熱性の評価
<試験片の作製>
熱硬化性ポリイミド樹脂組成物1を硬化後の膜厚が50μmになるように銅泊がラミネートされたガラスエポキシ基板上に塗装し、70℃の乾燥機で30分間乾燥した後、170℃でそれぞれ1時間硬化させた後、室温まで冷却し硬化塗膜を作成した。
<耐熱性試験方法>
硬化塗膜を260℃の溶融ハンダ浴に30秒浸漬し、室温に冷却した。このハンダ浴の浸漬操作を合計3回行い、硬化塗膜の外観について以下の評価基準で評価した。
○:塗膜に外観異常は見られない。
△:塗膜にフクレ、はがれ等異常が若干見られる。
×:塗膜全面にフクレ、はがれ等異常が見られる。
(4)機械物性の評価
実施例10と同様にして行った。
(9)保存安定性
実施例10と同様にして行った。
Figure 2007277518
Figure 2007277518
表の脚注
N680:クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、エポキシ当量214 軟化点81℃
EP2050:固形ビスフェノールA型エポキシ樹脂、エポキシ当量640
DBTL:ジブチルチンジラウレート
2E4MZ:2−エチル−4−メチル−イミダゾール
DBTA:ジブチルチンアセテート
HP4032:ナフタレン型エポキシ樹脂、エポキシ当量150
TD2131:ノボラック型フェノール樹脂、水酸基当量103、軟化点80℃
TPP:トリフェニルフォスフィン
CNR:オルソクレゾールノボラック型樹脂 融点 90℃ 水酸基当量=105
BPF:ビスフェノールF
表の結果から明らかなように、実施例の熱硬化性樹脂組成物からなる硬化塗膜は、非常に高いTgを示しており、高温においても耐熱性を発揮できる材料と言える。さらに、こうした高Tgを有しながら、誘電率と誘電正接とが低く誘電特性が良好である
一方、比較例の熱硬化性樹脂組成物からなる硬化塗膜は、本発明の熱硬化性樹脂組成物からなる硬化塗膜に比較して、誘電率と誘電正接とが高く、Tgも低い。

Claims (25)

  1. 下記一般式(1)および/または下記一般式(2)で表される構造を有するポリウレタン樹脂(A)と、エポキシ樹脂(B)とを含有することを特徴とする熱硬化性樹脂組成物。
    Figure 2007277518
    Figure 2007277518
    (式中、Xは1分子中に2個以上のフェノール性水酸基を有するフェノール系化合物から2個のフェノール性水酸基を除いた残基を示す。)
  2. 前記一般式(1)および/または一般式(2)中のXが一般式(5)、一般式(7)および一般式(9)で示される構造の群から選ばれる一種以上の構造である請求項1記載の熱硬化性樹脂組成物。
    Figure 2007277518
    (式中R1は、直接結合あるいは2価の連結基であり、R2は同一でも異なっていても良く、水素原子または炭素原子数1〜18のアルキル基を示す。)
    Figure 2007277518
    (式中R3は、水素原子または炭素原子数1〜18のアルキル基または下記一般式(8)で示される構造を示す。)
    Figure 2007277518
    Figure 2007277518
  3. 前記一般式(1)および/または一般式(2)中のXが一般式(6)で示される構造である請求項1記載の熱硬化性樹脂組成物。
    Figure 2007277518
    (式中R1は、直接結合あるいは2価の連結基であり、R2は同一でも異なっていても良く、水素原子または炭素原子数1〜18のアルキル基を示す。aとbとcとの合計は1以上である。)
  4. 前記一般式(6)中のR1がメチレン基および/または下記一般式(11)で示される構造である請求項3記載の熱硬化性樹脂組成物。
    Figure 2007277518
  5. 前記ポリウレタン樹脂(A)が下記構造(15)にて分岐している請求項1記載の熱硬化性樹脂組成物。
    Figure 2007277518
    (式中R5はジイソシアネート化合物からイソシアネート基を除いた残基構造を示す。)
  6. 前記ポリウレタン樹脂(A)が更に下記一般式(13)で示される構造を有するポリウレタン樹脂である請求項1記載の熱硬化性樹脂組成物。
    Figure 2007277518
    (式中、Yは1分子中に少なくとも2個のアルコール性水酸基を有するポリオール化合物から2つの水酸基を除いた残基を示す。)
  7. 前記一般式(13)で表される構造が、該構造中のYとして数平均分子量が300〜5,000であるポリオール化合物から2つの水酸基を除いた残基を有する構造である請求項6記載の熱硬化性樹脂組成物。
  8. 前記一般式(13)で表される構造が、該構造中のYとしてガラス転移温度が−150〜0℃である残基を有する構造である請求項6記載の熱硬化性樹脂組成物。
  9. 前記一般式(13)中のYが1分子中に少なくとも2個のアルコール性水酸基を有するポリオレフィンポリオールから2つの水酸基を除いた残基、1分子中に少なくとも2個のアルコール性水酸基を有するポリエーテルポリオールから2つの水酸基を除いた残基、1分子中に少なくとも2個のアルコール性水酸基を有するポリカーボネートポリオールから2つの水酸基を除いた残基、1分子中に少なくとも2個のアルコール性水酸基を有するポリエステルポリオールから2つの水酸基を除いた残基および1分子中に少なくとも2個のアルコール性水酸基を有するポリシロキサンポリオールから2つの水酸基を除いた残基からなる群から選ばれる1種以上の残基である請求項6記載の熱硬化性樹脂組成物。
  10. 前記エポキシ樹脂(B)が芳香族系エポキシ樹脂である請求項1〜9のいずれか1項記載の熱硬化性樹脂組成物。
  11. 硬化触媒を含有する請求項1〜9のいずれか1項記載の熱硬化性樹脂組成物。
  12. 更に、ウレタン化触媒を含有する請求項1〜9のいずれか1項記載の熱硬化性樹脂組成物。
  13. 下記一般式(1)および/または下記一般式(2)で表される構造を有するポリイミド樹脂(C)と、エポキシ樹脂(B)とを含有することを特徴とする熱硬化性樹脂組成物。
    Figure 2007277518
    Figure 2007277518
    (式中、Xは1分子中に2個以上のフェノール性水酸基を有するフェノール系化合物から2個のフェノール性水酸基を除いた残基を示す。)
  14. 前記ポリイミド樹脂(C)が、下記一般式(16)で表される構造単位および/または一般式(17)で表される構造を含有するポリイミド樹脂である請求項13記載の熱硬化性樹脂組成物。
    Figure 2007277518
    Figure 2007277518
    (式中R9はテトラカルボン酸無水物から酸無水物基を除いた残基構造を示し、R11はトリカルボン酸無水物から酸無水物基とカルボキシル基とを除いた残基構造を示す。)
  15. 前記一般式(1)および/または一般式(2)中のXが一般式(5)、一般式(7)および一般式(9)で示される構造の群から選ばれる一種以上の構造である請求項13記載の熱硬化性樹脂組成物。
    Figure 2007277518
    (式中R1は、直接結合あるいは2価の連結基であり、R2は同一でも異なっていても良く、水素原子または炭素原子数1〜16のアルキル基を示す。)
    Figure 2007277518
    (式中R3は、水素原子または炭素原子数1〜16のアルキル基または下記一般式(8)で示される構造を示す。)
    Figure 2007277518
    Figure 2007277518
  16. 前記一般式(1)および/または一般式(2)中のXが一般式(6)で示される構造である請求項13記載の熱硬化性樹脂組成物。
    Figure 2007277518
    (式中R1は、直接結合あるいは2価の連結基であり、R2は同一でも異なっていても良く、水素原子または炭素原子数1〜18のアルキル基を示す。aとbとcとの合計は1以上である。)
  17. 前記一般式(6)中のR1がメチレン基および/または下記一般式(11)で示される構造である請求項16記載の熱硬化性樹脂組成物。
    Figure 2007277518
  18. 前記ポリイミド樹脂(C)が下記一般式(15)で示される構造にて分岐しているポリイミド樹脂である請求項13記載の熱硬化性樹脂組成物。
    Figure 2007277518
    (式中R5はジイソシアネート化合物からイソシアネート基を除いた残基構造を示す。)
  19. 前記ポリイミド樹脂(C)が更に下記一般式(13)で示される構造を有するポリイミド樹脂である請求項13記載の熱硬化性樹脂組成物。
    Figure 2007277518
    (式中、Yは1分子中に少なくとも2個のアルコール性水酸基を有するポリオール化合物から2つの水酸基を除いた残基を示す。)
  20. 前記一般式(13)で表される構造が、該構造中のYとして数平均分子量が300〜5,000であるポリオール化合物から2つの水酸基を除いた残基を有する構造である請求項19記載の熱硬化性樹脂組成物。
  21. 前記一般式(13)で表される構造が、該構造中のYとしてガラス転移温度が−150〜0℃である残基を有する構造である請求項19記載の熱硬化性樹脂組成物。
  22. 前記一般式(13)中のYが1分子中に少なくとも2個のアルコール性水酸基を有するポリオレフィンポリオールから2つの水酸基を除いた残基、1分子中に少なくとも2個のアルコール性水酸基を有するポリエーテルポリオールから2つの水酸基を除いた残基、1分子中に少なくとも2個のアルコール性水酸基を有するポリカーボネートポリオールから2つの水酸基を除いた残基、1分子中に少なくとも2個のアルコール性水酸基を有するポリエステルポリオールから2つの水酸基を除いた残基および1分子中に少なくとも2個のアルコール性水酸基を有するポリシロキサンポリオールから2つの水酸基を除いた残基からなる群から選ばれる1種以上の残基である請求項19記載の熱硬化性樹脂組成物。
  23. 前記エポキシ樹脂(B)が芳香族系エポキシ樹脂である請求項13〜22のいずれか1項記載の熱硬化性樹脂組成物。
  24. 硬化触媒を含有する請求項13〜22のいずれか1項記載の熱硬化性樹脂組成物。
  25. 更に、ウレタン化触媒を含有する請求項13〜22のいずれか1項記載の熱硬化性樹脂組成物。
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