JP2007276421A - 延伸成形用シート、その製造方法ならびにガスバリア性延伸成形体 - Google Patents

延伸成形用シート、その製造方法ならびにガスバリア性延伸成形体 Download PDF

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Abstract

【課題】層間密着性が良く、延伸を伴う多様な成形法への適用が可能な延伸成形用シート(ガスバリア性シート前駆体)を得、これを延伸成形することにより、良好な生産性でガスバリア性延伸成形体を製造する。
【解決手段】多価金属化合物(a)を含有する樹脂からなる基材上に、α,β−不飽和カルボン酸単量体(b)と可塑剤(c)を含む重合性単量体組成物のその場重合体層を形成してなる延伸成形用シート。
【選択図】 なし

Description

本発明は、耐水性且つガスバリア性の良好なシート状成形体を生産性良く与え得る前駆体としての延伸成形用シート、その製造方法および該延伸成形用シートから得られるガスバリア性延伸成形体に関する。なお、本明細書において「シート」の語は、特に厚みを限定することなく、より一般的には「フィルム」と称される約250μm以下の厚さを有するものを含め、一般に厚さに比べて大なる面積を有する物品を総称する意味で用いる。
基材上に、ポリカルボン酸の多価金属架橋物を含む樹脂層を形成してなるシート体が良好なガスバリア性を有することは良く知られている。一般にこのようなガスバリア性シート製品は、基材上に、ポリカルボン酸と多価金属化合物を含み、更に両者間の架橋(ゲル化)反応を緩和する薬剤、たとえばアンモニアあるいはアミン、金属アルコキシド(あるいはその加水分解(縮合)物)等を含む水性塗料組成物を塗布し、次いで加熱等によりポリカルボン酸と多価金属化合物間の架橋反応を促進させて金属架橋物を含むガスバリア性層を形成することにより製造される(特許文献1〜3)。またポリカルボン酸と多価金属化合物間の早期ゲル化反応を防止するために、ポリカルボン酸層と多価金属化合物層を隣接するように塗布し、その後、架橋等により両層の界面近傍に金属架橋樹脂を含むガスバリア性層を形成することも知られている(特許文献1)。一般に、このようにして形成されたガスバリア性シート製品は延伸性を有さず、二次成形によるガスバリア性製品の生産性が制限されていた。
これに対し、基材上に、可塑剤を含むポリカルボン酸層および多価金属化合物塗布層を形成し、これを乾燥することにより、延伸成形用シートを得、更に延伸してガスバリア性シートを形成する技術も知られている(特許文献4および5)。しかしながら、これら技術においては各層が水性液の塗布により形成されており、得られる延伸成形用シートの保存性が制限され、また各層間の密着性も必ずしも充分でないため、延伸性を充分に利用した多様な成形法の適用が制限される。
WO03/0931317A1公報 特開2005−60621号公報 WO2005/053954A1公報 WO2005/032813A1公報 特開2005−125574号公報
従って、本発明の主要な課題は、層間の密着性が良く延伸を伴う多様な成形法への適用が可能な延伸成形用シート(ガスバリア性シート前駆体)、その製造方法および該延伸成形用シートの延伸を伴う成形により得られるガスバリア性延伸成形体、ならびにその製造方法を提供することにある。
本発明者等の研究によれば、上述の目的の達成のためには、上記特許文献4あるいは5に含まれるような、基材上に可塑剤を含むポリカルボン酸層および多価金属化合物塗布層を形成するのでなく、多価金属化合物を含む基材(表面に多価金属化合物を含む塗布層を形成した基材を含む)の上に、α,β−不飽和カルボン酸単量体(すなわちポリカルボン酸前駆体)と可塑剤を含む重合性単量体組成物の層を形成し、その場で重合することが有効であることが見出された。すなわち、本発明は、多価金属化合物(a)を含有する樹脂からなる基材上に、α,β−不飽和カルボン酸単量体(b)と可塑剤(c)を含む重合性単量体組成物のその場重合体層を形成してなる延伸成形用シートを与えるものである。このように形成された延伸成形用シートにおいては、基材上の重合性単量体組成物層の(好ましくは基材樹脂からの水素引抜きを伴う条件下で行われた)その場重合により、多価金属化合物を含む基材との密着性の良好なポリカルボン酸と可塑剤を含むその場重合体層が形成され、延伸を伴う多様な成形法に適用しても層間剥離を起すことなく成形可能であり、必要に応じて行われるその後のポリカルボン酸−多価金属化合物間の金属架橋反応を通じて、良好なガスバリア性を示す延伸成形体が得られる。
従って、本発明はまた、上記延伸成形用シートの製造方法、また該延伸成形用シートから得られるガスバリア性延伸成形体をも提供するものである。
(多価金属化合物(a)含有樹脂基材)
<多価金属化合物(a)>
本発明で使用する多価金属化合物(a)としては、一般に、酸性水中でイオン解離して多価金属イオンを生成するものが用いられる。多価金属化合物は、金属イオンの価数が2以上の多価金属原子単体および多価金属化合物である。したがって、本発明で使用する多価金属化合物には、多価金属原子単体も含まれる。
多価金属の具体例としては、ベリリウム、マグネシウム、カルシウムなどの周期表2A族の金属;チタン、ジルコニウム、クロム、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル、銅、亜鉛などの遷移金属;アルミニウムを挙げることができるが、これらに限定されない。これらの中でも、亜鉛、カルシウム、銅、マグネシウム、アルミニウム、および鉄が好ましい。α,β−不飽和カルボン酸金属塩は、金属の種類によって水に対する溶解性が異なるが、溶解性の観点からは、金属種として亜鉛およびカルシウムが特に好ましい。
多価金属化合物の具体例としては、多価金属の酸化物、水酸化物、炭酸塩、有機酸塩、無機酸塩が挙げられるが、これらに限定されない。多価金属の酸化物としては、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、及び酸化鉄(III)が好ましい。
有機酸塩としては、例えば、酢酸塩、シュウ酸塩、クエン酸塩、乳酸塩、リン酸塩、亜リン酸塩、次亜リン酸塩、ステアリン酸塩、α,β−モノエチレン性不飽和カルボン酸塩が挙げられるが、これらに限定されない。α,β−モノエチレン性不飽和カルボン酸塩には、例えば、ジアクリル酸亜鉛、ジアクリル酸カルシウム、ジアクリル酸マグネシウム、ジアクリル酸銅、及びアクリル酸アルミニウムが含まれる。
無機酸塩としては、例えば、塩化物、硫酸塩、硝酸塩が挙げられるが、これらに限定されない。多価金属のアルキルアルコキシドも多価金属化合物として使用することができる。これらの多価金属化合物は、それぞれ単独で、あるいは2種以上を組み合わせて使用することができる。
多価金属化合物の中でも、ベリリウム、マグネシウム、カルシウム、銅、コバルト、ニッケル、亜鉛、アルミニウム、鉄、及びジルコニウムの化合物が好ましく、ベリリウム、マグネシウム、カルシウム、銅、亜鉛、コバルト、及びニッケルなどの2価金属の化合物:鉄、アルミニウムなどの3価金属化合物がより好ましい。
好ましい2価金属化合物としては、例えば、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、酸化銅、酸化ニッケル、酸化コバルトなどの酸化物;炭酸カルシウムなどの炭酸塩;乳酸カルシウム、乳酸亜鉛、ジアクリル酸亜鉛、ジアクリル酸カルシウム、ジアクリル酸マグネシウム、ジアクリル酸銅などの有機酸塩;マグネシウムメトキシドなどのアルコキシド;を挙げることができるが、これらに限定されない。3価金属化合物としては、酸化鉄(III)などの酸化物;アクリル酸アルミニウムなどの有機酸塩;を挙げることができる。多価金属化合物は、水溶液または水分散液として用いられる。多価金属化合物は、それぞれ単独で、あるいは2種以上を組み合わせて使用することができる。
多価金属化合物(a)は、得られる延伸成形用シートあるいはガスバリア性延伸成形体の透明性の観点、成形性あるいは塗布性の観点より、粒状で、その粒径は小さい方が好ましい。多価金属化合物の平均粒径としては、好ましくは5μm以下、更に好ましくは1μm以下、最も好ましくは0.1μm以下である。
<基材>
本発明で使用する多価金属化合物(a)含有樹脂からなる基材には、(イ)基材自体に多価金属化合物(a)を含有させる場合と、(ロ)基材上に多価金属化合物(a)そのままの層(単独層)あるいは多価金属化合物(a)を含有する樹脂層を形成する場合とがあるが、多価金属化合物(a)の効率的使用の観点から一般には、(ロ)の態様が好ましく、このような多価金属化合物(a)含有樹脂層は、本発明の延伸成形用シートに、後記するその場重合体層と交互に隣接した単位を、二単位以上含ませることもできる。いずれの場合も、構成樹脂は得られる延伸成形用シートに延伸性を持たせるために延伸可能な樹脂である必要がある。特に多価金属化合物(a)含有樹脂層形成のためには、熱可塑性樹脂や熱硬化性樹脂などで、塗料用に用いられている樹脂を好適に使用することができる。具体的には、アルキッド樹脂、アミノアルキッド樹脂、メラミン樹脂、アクリル樹脂、硝化綿、ウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、フェノール樹脂、アミノ樹脂、フッ素樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、ビニル樹脂、セルロース系樹脂、天然樹脂等の樹脂を挙げることができる。尚、必要に応じて硬化剤を用いることができ、メラミン樹脂、ポリイソシアネート、ポリアミン等の公知の樹脂を挙げることができる。
前述した(ロ)の態様の場合の、多価金属化合物(a)含有樹脂層中の多価金属化合物(a)と樹脂の混合割合は、重量比で多価金属化合物(a)/樹脂=1/100〜10/1が好ましく、更に好ましくは1/10〜8/1、最も好ましくは1/5〜6/1である。この範囲にあることが、延伸成形性と酸素ガスバリア性を両立させると云う観点から好ましい。前述した(ロ)の態様の場合の、多価金属化合物(a)単独層あるいは多価金属化合物(a)含有樹脂層は、各成分を溶媒中に分散又は溶解し、塗工により形成する。溶媒としては、水、メチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、n−プロピルアルコール、n−ブチルアルコール、n−ペンチルアルコール等のアルコール類、ジメチルスルフォキシド、ジメチルフォルムアミド、ジメチルアセトアミド、トルエン、ヘキサン、ヘプタン、シロキサン、アセトン、メチルエチルケトン、ジエチルエーテル、ジオキサン、テトラヒドロフラン、酢酸エチル、酢酸ブチル等を用いることができる。また、塗工液の性質を損なわない範囲で、柔軟剤、安定剤、膜形成剤、アンチブロッキング剤、界面活性剤等の添加剤を適宜添加することができる。
また、本発明の延伸成形用シートに含まれる上述したような多価金属化合物(a)含有樹脂からなる基材(複数であり得る)の中に含まれる多価金属化合物は、後述するその場重合体層(複数であり得る)の中に含まれるカルボキシル基に対して、化学当量比として、0.2以上であることが好ましく、更には0.5〜10、特に0.8〜5の範囲であることが最終的に得られるガスバリア性延伸成形体のガスバリア性、高温水蒸気や熱水に対する耐性、成形性および透明性等の観点から好ましい。
多価金属化合物(a)含有樹脂層は、前述した(ロ)の態様である基材上に多価金属化合物(a)を含有する樹脂層を形成する場合には、一般に、0.1〜50μm、更には0.1〜10μm、特に好ましくは0.2〜5μmの厚さに形成することが好ましい。
また、上記した多価金属化合物(a)含有樹脂層を塗布形成するための基材あるいは多価金属化合物を分散含有するための基材または多価金属化合物(a)の単独層を形成するための基材は、良好な延伸性を確保するために熱可塑性樹脂により構成することが好ましく、種類は特に限定されないが、低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ4−メチルペンテン、環状ポリオレフィン等のポリオレフィン系重合体やそれらの共重合体、及びその酸変性物、ポリ酢酸ビニル、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物、ポリビニルアルコール等の酢酸ビニル系共重合体、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレートなどの芳香族ポリエステル系重合体やその共重合体、ポリε−カプロラクトン、ポリビドロキシブチレート、ポリヒドロキシバリレートなどの脂肪族ポリエステル系重合体やその共重合体、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン12、ナイロン6,66共重合体、ナイロン6,12共重合体、メタキシレンアジパミド・ナイロン6共重合体などのポリアミド系重合体やその共重合体、ポリエーテルスルフォン、ポリフェニレンサルファイド、ポリフェニレンオキサイドなどのポリエーテル共重合体、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリフッ化ビニル、ポリフッ化ビニリデン等の塩素系、及びフッ素系重合体やその共重合体、ポリメチルアクリレート、ポリエチルアクリレート、ポリメチルメタクリレート、ポリエチルメタクリレート、ポリアクリロニトリルなどのアクリル系重合体やその共重合体、ポリスチレンなどのスチレン系重合体やその共重合体、ポリイミド系重合体やその共重合体等を用いることができる。
中でも、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレン、ポリアミド系重合体、ポリスチレン等が延伸成形性の点で好ましい。
これら熱可塑性樹脂基材は、一般に1〜800μm、更には5〜500μm、特に10〜400μmの厚さとすることが好ましい。
これら基材の表面には、必要に応じて、エッチング、コロナ放電、プラズマ処理、電子線照射などの前処理を施したり、接着剤を予め塗布したりすることができる。基材の表面には、印刷が施されていてもよい。基材は、複数のプラスチックフィルムからなる多層構造を有してもよい。
(その場重合体層)
本発明に従い、上述したような多価金属化合物(a)含有樹脂からなる基材上に、α,β−不飽和カルボン酸単量体(b)と可塑剤(c)を含む重合性単量体組成物のその場重合体層を形成する。
<α,β−不飽和カルボン酸単量体(b)>
本発明で使用するα,β−不飽和カルボン酸単量体とは、不飽和カルボン酸の炭素−炭素二重結合を形成する2つの炭素原子のうちの少なくとも1つの炭素原子にカルボキシル基が結合した構造の不飽和カルボン酸化合物である。炭素−炭素二重結合は、エチレン性の二重結合であるため、この不飽和カルボン酸は、重合性単量体としての機能を有している。
本発明で使用するα,β−不飽和カルボン酸単量体は、一般に、カルボキシル基が1つの不飽和モノカルボン酸と、カルボキシル基が2つの不飽和ジカルボン酸とに分けることができる。不飽和ジカルボン酸には、エチレン性炭素−炭素二重結合を形成する2つの炭素原子の各々にカルボキシル基が結合した構造のものと、エチレン性炭素−炭素二重結合を形成する2つの炭素原子のうちの1つの炭素原子にカルボキシル基が結合し、その他の炭素原子にカルボキシル基が結合した構造のものとがある。α,β−不飽和カルボン酸単量体は、エチレン性炭素−炭素二重結合に加えて、別の炭素−炭素二重結合を有するものであってもよい。
本発明で使用するα,β−不飽和カルボン酸単量体は、例えばアクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、けい皮酸、セネシオ酸、チグリン酸、ソルビン酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、シトラコン酸、メサコン酸、及びこれらの酸無水物からなる群より選ばれる少なくとも1種の不飽和カルボン酸化合物を含む。
これらのうち、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、けい皮酸、セネシオ酸(すなわち、β,β−ジメチルアクリル酸)、及びチグリン酸(すなわち、2−メチルクロトン酸)は、α,β−モノエチレン性不飽和モノカルボン酸化合物である。ソルビン酸は、α,β−不飽和モノカルボン酸化合物であるが、炭素−炭素二重結合を2個有している。けい皮酸としては、シス型及びトランス型のものを使用することができる。
マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、シトラコン酸、及びメサコン酸は、α,β−モノエチレン性不飽和ジカルボン酸化合物である。酸無水物としては、無水マレイン酸、無水イタコン酸、及び無水シトラコン酸が好ましい。
原料として使用するα,β−不飽和カルボン酸単量体は、前記の如きα,β−不飽和カルボン酸単量体の形態であり得るが、α,β−不飽和カルボン酸単量体の多価金属塩の形態であってもよい。ただし、α,β−不飽和カルボン酸単量体の多価金属塩は、一般に、α,β−不飽和カルボン酸単量体のカルボキシル基が多価金属塩によって完全に中和されているため、それを単独で使用すると、多価金属化合物(a)含有樹脂層から供給されるものも含めた多価金属イオンの量が過剰となる。そのため、α,β−不飽和カルボン酸の多価金属塩を使用する場合には、α,β−不飽和カルボン酸単量体と併用して、重合性単量体組成物中に存在する多価金属イオンの量がα,β−不飽和カルボン酸単量体のカルボキシル基の0〜40%を中和する量となるように調整する。
α,β−不飽和カルボン酸単量体としては、アクリル酸、メタクリル酸、けい皮酸、セネシオ酸、チグリン酸、ソルビン酸、イタコン酸、マレイン酸、及びシトラコン酸が好ましく、アクリル酸及びメタクリル酸がより好ましく、ガスバリア性などの特性とコストの面でアクリル酸が特に好ましい。イタコン酸、シトラコン酸、マレイン酸などの(メタ)アクリル酸以外の単量体は、50重量%未満の少量成分としてアクリル酸またはメタクリル酸と併用することが好ましい。α,β−不飽和カルボン酸単量体は、それぞれ単独で、あるいは2種以上を組み合わせて使用することができる。
<可塑剤(c)>
可塑剤(c)は、熱可塑性樹脂に延伸性を付与するために配合されている公知の可塑剤から適宜選択して使用することができる。その具体例としては、エチレングリコール、トリメチレングリコール、プロピレングリコール、テトラメチレングリコール、1,3−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、ペンタメチレングリコール、ヘキサメチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリエチレンオキサイドなどのグリコール類、ソルビトール、マンニトール、ズルシトール、エリトリトール、グリセリン、ポリビニルアルコール、乳酸、脂肪酸、多糖類などを例示することができる。中でもポリオール類が一般に好ましく、特にグリセリン、ポリビニルアルコール、エチレングリコール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール等が、延伸性とガスバリア性の観点から更に好ましい。
可塑剤(c)は、α,β−不飽和カルボン酸単量体(b)100重量部に対して、0.1〜40重量部、更に1〜35重量部、特に4〜25重量部の割合で用いることが好ましい。延伸成形用シートの延伸性と得られるガスバリア性延伸成形体のガスバリア性を両立するためである。
<重合開始剤>
その場重合体層を形成するために用いる重合性単量体組成物には、上記α,β−不飽和カルボン酸単量体(b)および可塑剤(c)に加えて、重合開始剤を加えてもよい。但し、その場重合を、電子線等のエネルギーの強い電離放射線の照射により進める場合は、省略することもできる。重合開始剤としては、光重合開始剤と熱重合開始剤とが代表的なものである。光重合開始剤と熱重合開始剤とを組み合わせて使用してもよい。熱重合開始剤には、電離放射線の照射により活性化するアゾ化合物や過酸化物も含まれる。
塗膜に紫外線を照射する場合には、重合性単量体組成物に光重合開始剤を含有させることが好ましい。光重合開始剤は、単に光開始剤または増感剤と呼ばれることがある。光重合開始剤には、例えば、アセトフェノン類、ベンゾフェノン類、ミヒラーケトン類、ベンジル類、ベンゾイン類、ベンゾインエーテル類、ベンジルジメチルケタール類、チオキサントン類、及びこれらの2種以上の混合物が含まれる。
光重合開始剤の好ましい具体例としては、アセトフェノン、2,2−ジエトキシアセトフェノン、m−クロロアセトフェノン、p−tert−ブチルトリクロロアセトフェノン、4−ジアルキルアセトフェノンなどのアセトフェノン類;ベンゾフェノンなどのベンゾフェノン類;ミヒラーケトンなどのミヒラーケトン類;ベンジル、ベンジルメチルエーテルなどのベンジル類;ベンゾイン、2−メチルベンゾインなどのベンゾイン類;ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインブチルエーテルなどのベンゾインエーテル類;ベンジルジメチルケタールなどのベンジルジメチルケタール類;チオキサントンなどのチオキサントン類;プロピオフェノン、アントラキノン、アセトイン、ブチロイン、トルオイン、ベンゾイルベンゾエート、α−アシロキシムエステル;などのカルボニル化合物を挙げることができる。
光重合開始剤としては、上記カルボニル化合物以外に、テトラメチルチウラムジスルフィド、テトラエチルチウラムジスルフィド、テトラメチルチウラムモノスルフィド、チオキサンソン、2−クロロチオキサンソンなどの硫黄化合物;アゾビスイソブチロニトリル、アゾビス−2,4−ジメチルバレロニトリルなどのアゾ化合物;ベンゾイルパーオキサイド、ジ−tert−ブチルパーオキサイドなどの過酸化物;が挙げられる。
これらの光重合開始剤は、重合性単量体組成物中に、通常0.001〜10重量%、好ましくは0.01〜5重量%の割合で添加する。光重合開始剤は、必ずしも添加する必要はないが、紫外線の照射による重合を行う場合には、重合効率を高める上で光重合開始剤を添加することが好ましい。ベンゾフェノンなどの水素引抜き型の光重合開始剤を使用すると、α,β−不飽和カルボン酸単量体の一部が、多価金属化合物(a)含有樹脂からなる基材や樹脂性カバーフィルムなどの隣接プラスチックフィルムにグラフトして、層間密着性を一層高めることができる。光重合開始剤とともに、その他の増感剤、光安定剤などの汎用の添加剤を添加してもよい。
塗膜を加熱して、熱重合を行う場合には、熱解離して開始剤としての機能を発揮する熱重合開始剤を使用することが好ましい。熱重合開始剤としては、例えば、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウムなどの過硫酸塩;2,2′−アゾビス[2−メチル−N−(2−ヒドロキシエチル)プロピオアミド]、2,2′−アゾビス[2−メチル−N−[1,1−ビス(ヒドロキシメチル)エチル]プロピオンアミド]、2,2′−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)、4,4′−アゾビス(4−シアノ吉草酸)、2,2′−アゾビス(メチルイソブチレート)、2,2′−アゾビス(N,N′−ジメチレンイソブチルアミジン)ジヒドロクロリド、2,2′−アゾビス[2−メチル−N−(2−ヒドロキシエチル)−プロピオンアミド、1,1′−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリルなどのアゾ系重合開始剤;tert−アルキルヒドロパーオキサイドなどのヒドロパーオキサイド;ジ−tert−ブチルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、tert−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、tert−ヘキシルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、tert−ブチルパーオキシピバレート、ジ−イソプロピルパーオキシジカーボネート、ジ−tert−ブチルパーオキシイソフタレート、1,1′,3,3′−テトラメチルブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、tert−ブチルパーオキシブチレートなどの過酸化物;が含まれる。熱重合開始剤を使用する場合には、重合性単量体組成物中に、通常0.001〜10重量%、好ましくは0.01〜5重量%の割合で添加する。
本発明で使用する重合性単量体組成物には、α,β−不飽和カルボン酸単量体の重合と多価金属イオンによるイオン架橋反応を阻害しない範囲内において、必要に応じて、増粘剤、無機層状化合物、分散剤、界面活性剤、柔軟剤、熱安定剤、酸化防止剤、酸素吸収剤、着色剤、アンチブロッキング剤、多官能モノマーなどを含有させることができる。
<水分>
本発明の重合性単量体組成物は、上記各成分を混合し、分散させることにより得られる。組成物中には、水分を含ませてもよいが、その含有量は、80重量%以上のα,β−不飽和カルボン酸単量体(b)と該α,β−不飽和カルボン酸単量体(b)100重量部に対して0.1〜40重量部の可塑剤(c)を含むものに対して、20重量%未満、好ましくは5重量%以下、特に1重量%以下に抑えるべきである。水分が過剰に含まれると、塗工時に樹脂基材中の多価金属化合物(a)を溶解してα,β−不飽和カルボン酸単量体との架橋反応が起り基材の白化ならびに塗液のゲル化が起り、均一な塗膜の形成が妨げられるためである。
<溶媒>
粘度、塗工性を向上するために、重合性単量体組成物に、各種溶媒を含ませることができる。溶媒としては、エタノール、イソプロピルアルコール等のアルコール類、酢酸エチル、トルエン等の有機溶媒等、公知の溶媒を上げることができる。水分以外の溶媒は、架橋反応に影響を及ぼさないため、比較的多量に使用することもできるが、一般に99重量%未満、更には50重量%未満の割合で使用され、揮発性の点で10重量%未満に抑えることが好ましい。
<塗工および重合>
多価金属化合物(a)含有樹脂基材上に、重合性単量体組成物を塗布するには、該基材の多価金属化合物(a)露出面上にスプレー法、ディッピング法、コーターを用いた塗布法、印刷機による印刷法など任意の塗工法を利用することができる。コーターや印刷機を用いて塗布する場合には、例えば、ダイレクトグラビア方式、リバースグラビア方式、キスリバースグラビア方式、オフセットグラビア方式などのグラビアコーター;リバースロールコーター、マイクログラビアコーター、エアナイフコーター、ディップコーター、バーコーター、コンマコーター、ダイコーターなどの各種方式を採用することができる。
このように、重合性単量体組成物から形成された塗膜への電離放射線の照射及び/または加熱処理により、α,β−不飽和カルボン酸単量体が重合して、ポリカルボン酸重合体を含むその場重合体層が形成される。
その場重合体層の厚みは、通常0.001μm〜50μm、更には0.01〜10μmの範囲となるように調整することが好ましい。
電離放射線としては、紫外線、電子線(ベータ線)、ガンマ線、アルファ線が好ましく、紫外線及び電子線がより好ましい。電離放射線を照射するには、それぞれの線源を発生する装置を使用する。電子線を照射するには、通常20〜2000kVの電子線加速器から取り出される加速電子線を利用する。加速電子線の照射線量は、通常1〜300kGy、好ましくは5〜200kGyである。電子線は、加速電圧によって被照射体に対する浸透する深さが変化する。加速電圧が高いほど、電子線は深く浸透する。電子線を用いると、プラスチックフィルムなどの基材に対するα,β−不飽和カルボン酸単量体のグラフト反応により、多価金属化合物含有樹脂等の樹脂層とその場重合体層との間の密着性を改善することができる。
紫外線を照射するには、殺菌灯、紫外用蛍光灯、カーボンアーク、キセノンランプ、低圧水銀灯、中圧水銀灯、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、メタルハライドランプ、無電極ランプなどのUV照射装置を用いて、200〜400nmの波長領域を含む光を照射する。UV照射装置のランプ出力は、発光長1cm当りの出力ワット数(W/cm)で表示する。単位長当りのワット数が大きくなれば、発生する紫外強度が大きくなる。ランプ出力は、通常30〜300W/cmの範囲から選択される。発光長は、通常40〜2500mmの範囲から選ばれる。
塗膜を加熱してその場重合体層を形成するには、塗膜を通常50〜250℃、好ましくは60〜220℃、より好ましくは70〜200℃の温度に加熱する。加熱手段としては、加熱ヒータを用いて塗膜を加熱する方法、塗膜を温度制御した加熱炉を通過させる方法などが挙げられる。加熱時間は、通常1分〜24時間、好ましくは1分〜3時間、より好ましくは5〜30分間である。加熱温度が低いほど、加熱時間を長くし、加熱温度が高いほど、加熱時間を短くすることが、その場重合体層のガスバリア性の観点から好ましい。
その場重合体層を形成するに際し、酸素による重合禁止効果を除去する必要がある場合には、電離放射線の照射及び/または加熱処理を、窒素ガス、炭酸ガス、希ガスなどの不活性ガス雰囲気下で行うことが好ましい。酸素による重合禁止効果を除去するには、基材上に形成した塗膜の表面を他の基材(被覆材)で被覆することが好ましい。被覆材として用いる他の基材としては、光線透過性の樹脂製カバーフィルム、ガラス板、紙、アルミニウム箔などが挙げられるが、これらに限定されない。
光透過性の樹脂製カバーフィルムとしては、ポリオレフィンフィルム、ポリエステルフィルム、ポリアミドフィルムなど、前記した多価金属化合物(a)含有樹脂層を塗布形成するための熱可塑性樹脂基材と同等のものが好ましく用いられる。ここで、光線透過性とは、紫外線などの電離放射線を透過できる性質を意味しており、光線透過率の程度は問わない。目視で透明または半透明なプラスチックフィルムであれば、一般に、光線透過性の樹脂製カバーフィルムとして使用することができる。電離放射線として電子線を用いる場合には、加速電子線が透過する電離放射線透過性基材を用いればよく、基材の種類は、光線透過性の樹脂製カバーフィルムなどの透明または半透明の基材に限定されない。
上記重合性単量体組成物の電離放射線の照射および/または加熱処理によるその場重合に先立って、あるいはその後に、多価金属化合物(a)含有樹脂層の塗布形成および重合性単量体組成物層の形成を更に1回以上繰り返し、その後必要に応じて塗膜を(光透過性の)樹脂製カバーフィルムより覆ってから電離放射線の照射および/または加熱処理によるその場重合を行ってもよい。
かくして、本発明の延伸成形用シートが得られる。このようにして得られた延伸成形用シートは、実質的に水分を抑制した重合性単量体組成物のその場重合体層と基材中の多価金属化合物が隣接した状態で含まれるため、特に保護樹脂層(フィルム)で被覆してあるときには、空気中の水分による架橋反応の進行も抑制され、延伸性の保持性の良い延伸成形用シートとなる。延伸成形用シートの厚さは、一般に5μm〜2mm、好ましくは10μm〜1mm、より好ましくは15〜800μm、特に好ましくは20〜500μmである。
本発明に従い、上記延伸成形用シートを、一般に温度20〜180℃、好ましくは40〜120℃の温度で、面積倍率として、1.1〜100倍、好ましくは1.1〜50倍、とくにこのましくは1.1〜25倍の1軸又は2軸の延伸成形に付すことにより本発明のガスバリア性延伸成形体が得られる。延伸成形は、テンター法、インフレーション法などの平坦フィルムの製造方法により行うことができるほか、本発明による延伸成形用シートの改善された層間密着性を利用して、延伸ブロー成形、真空あるいは圧空成形、深絞り成形、溶融成形、圧縮成形等、延伸を伴い且つ曲面を有する容器等の成形体への製造にも好適に用いられる。
本発明のガスバリア性延伸成形体は、この時点で、ある程度のガスバリア性を有し、そのガスバリア性は、例えば温度30℃、相対湿度0%の乾燥条件で測定した酸素透過度が200×10−4cm(STP)/(m・s・MPa)以下、好ましくは100×10−4cm(STP)/(m・s・MPa)以下で代表される。
しかしながら、より耐湿性あるいは耐水性のよいガスバリア性を付与するためには、上記のようにして延伸成形を経て得られたガスバリア性延伸成形体を、例えば相対湿度50%以上の高湿度雰囲気下、20〜210℃、より好ましくは50〜150℃の温度で1分〜24時間、より好ましくは5〜90分の高湿加熱処理を行うことにより、多価金属化合物(a)と、α,β−不飽和カルボン酸単量体(b)のその場重合で形成されたポリカルボン酸との間での金属架橋反応を促進することが好ましい。かくして得られた高湿加熱後のガスバリア性延伸成形体の耐湿・ガスバリア性は、温度30℃および相対湿度80%の高湿度条件下で測定した酸素透過度が50×10−4cm(STP)/(m・s・MPa)以下、好ましくは35×10−4cm(STP)/(m・s・MPa)以下で代表される。なお、上述の高湿加熱処理は、内容物をガスバリア性延伸成形体容器中に収容した後に、例えば、殺菌あるいは調理のために行うボイル・レトルト処理(例えば80〜130℃×5〜90分)において同時に達成することもできる。
このようにして得られた本発明のガスバリア性延伸成形体は、優れた耐湿ガスバリア性および良好な層間密着性を利用して多様な延伸成形により得られた形状の多様性を生かして、ボトル、トレー、カップ、チューブ等の容器、およびそれら容器に蓋材、口部シール材を貼り合わせた容器等が挙げられ、これについても積層材料構成を任意に選択することにより、易開封性、易引裂性、収縮性、電子レンジ適性、紫外線遮断性、意匠性等を付与して用いることができる。本発明により得られる延伸成形体は、酸素等の影響により劣化を受けやすい、食品、飲料、医薬品、電子部品等の精密部品の包装体または包装容器として適している。更に長期にわたり安定したガスバリア性能が必要で、且つボイル、レトルト殺菌等の高温熱水条件下での処理を必要とする物品の具体例としては、例えばカレーやシチュー、パスタソースなどの調味食品、中華料理の素などの合わせ調味料、ベビーフード、米飯、おかゆ、オーブントースターおよび電子レンジ用調理済み食品、スープ類、デザート類、農畜産加工品など、農産加工品については、じゃがいも、サツマイモ、トウモロコシ、栗、豆類等の穀物やアスパラガス、ブロッコリー、キャベツ、タケノコ、トマトなどの野菜類、大根、にんじん、山芋、ゴボウ、レンコンなどの根菜類、きのこ類、リンゴやパインアップルなどの果物類など、レトルトやボイル殺菌処理をかねて加熱調理を行うような食品が挙げられる。畜産加工品としては、ソーセージやハムなどが挙げられる。
なお、電離放射線の照射および/または加熱処理によるその場重合に先立って必要に応じて、塗膜上に形成された表面保護層(フィルム)は、通常、その場重合後の延伸成形用シートにそのまま残され、更に延伸、高湿加熱処理等を経て、製品ガスバリア性延伸成形体中に、そのままガスバリア性樹脂層と良好な密着性を示す表面保護層として取り込まれることになる。これは、ガスバリア性樹脂層を形成後にあらためて、表面保護層を貼付する工程が不要になり、その場重合を行う本発明の重要な利点の一つである。
以下、本発明を、製造例(実施例、比較例、参考例)により、更に具体的に説明する。なお、本明細書中に記載の物性は、以下の方法による測定値に基づく。
<酸素透過度>
延伸成形用シートおよびガスバリア性延伸成形体の酸素透過度は、モダンコントロール(Modern Control)社製の酸素透過度試験器「Oxtran 2/20」を用いて、温度30℃及び相対湿度0%および80%の条件下で測定した。測定方法は、ASTM D 3985−81(JIS K 7126のB法に相当)に従って行った。測定値の単位は、cm(STP)/(m・s・MPa)である。「STP」は、酸素の体積を規定するための標準条件(0℃、1気圧)を意味する。
延伸成形用シートまたはガスバリア性延伸成形体の酸素透過度の測定は、そのままの状態で行ったが、基材として使用する熱可塑性樹脂フィルム等の酸素透過度は十分に大きいため、測定値は、これら積層体中に形成されたイオン架橋ポリカルボン酸重合体層の酸素透過度と実質的に一致していると評価することができる。
<水分量>
重合性単量体組成物中の水分含有量は、カールフィッシャー法に基づく微量水分測定装置((株)ダイアインスツルメンツ製「CA−100型」)で測定した。
<基材>
以下の製造例において、基材として使用しているプラスチックフィルムは、下記の通りである。
(1)PET#250:厚さ250μmの未延伸非晶ポリエチレンテレフタレートシート(クレハエクステック(株)製「ロイファンA−PET−CR」)
(2)CPP#60:内面コロナ照射した厚さ60μmの未延伸ポリプロピレンフィルム(東レ合成(株)製「トレファンNO ZK93K」)
(3)CPP#300:厚さ300μmの無延伸高透明プロピレンシート(東レ合成フィルム(株)製)
(4)PE#30:厚さ30μmの未延伸ポリエチレン(LLDPE)フィルム(東セロ(株)製「T.U.X−HC」)
(5)CNy#20:内面コロナ照射した厚さ20μmの無延伸ナイロンフィルム(東レ合成フィルム(株)製「レイファンNO 1401」)
(6)CNy#100:内面コロナ照射した厚さ100μmの無延伸ナイロンフィルム(東レ合成フィルム(株)製「レイファンNO 1401」)
[重合性単量体組成物製造例]
(例C1)
不飽和カルボン酸(b)としてアクリル酸(和光純薬(株)製)9.5gと、可塑剤(c)としてPEG(ポリエチレングリコール)(和光純薬製「400」)0.5g、重合開始剤としてベンゾフェノン(和光純薬製)0.1gを添加混合して重合性単量体組成物C1(実施例)を得た。
組成物C1の水分を含む概略組成を、以下の例による組成物の結果とともにまとめて、後記表1に記す。
(例C2〜C5およびC50〜C51)
組成を後記表1に示すように変更する以外は、上記例C1と同様にして、重合性単量体組成物C2〜C5(実施例)、組成物C50、C51(比較例)、および組成物C52、C53(参考例)を得た。
[延伸成形用シート製造例]
(例S1)
酸化亜鉛微粒子とポリエステル系樹脂の混合分散液(住友大阪セメント(株)製、透明性紫外線遮蔽分散液「ZR−133」、不揮発分33%、溶媒:トルエン/MEK混合物)100重量部に対し、硬化剤(大日本インキ(株)製「DN−980」)を5重量部の割合で混合した。この分散液中の酸化亜鉛微粒子と樹脂の混合割合は重量比で3/2であった。この分散液を卓上コーター(RK Print−Coat Instruments社製「K303PROOFER」)を用いて、未延伸非晶PET(ポリエチレンテレフタレート)シートPET#250上にバーコーターを用い湿潤状態での塗工量(湿潤状態:12g/m)で塗工、乾燥し、厚さ約1μmの乾燥皮膜(「ZR被膜」と称する)を得た。
上記例C1で得られた重合性単量体組成物C1を、卓上バーコーターを用いてZR被膜上に湿潤状態での塗工量(12g/m)で塗工した。塗工後、速やかに未延伸ポリプロピレンフィルム(CPP:東レ合成(株)製「トレファン NO、ZK93K」、厚さ60μm、内面コロナ)を塗膜表面に被せて「基材(PET#250)/ZR/塗膜/基材(CPP)」の層構成を有する多層構造物を得た。次いで、基材(CPP)の上から、UV照射装置(GS YUASA(株)製「COMPACT UV CONVEYOR CSOT−40」)を用いて、ランプ出力120W/cm、搬送速度2m/min、ランプ高さ24cmの条件で紫外線(UV光)を照射し、延伸成形用シートS1(実施例)を得た。
(例S2)
被覆する基材未延伸ポリプロピレンフィルムに代えて、未延伸ポリエチレンフィルムPE#30を用い、重合性単量体組成物C1に代えて、重合性単量体組成物C2を用いたことを除いては例S1と同様に延伸成形用シートS2(実施例)を得た。
(例S3)
酸化亜鉛微粒子とポリエステル系樹脂の混合分散液(例S1で用いたものと同じ)100重量部に対し、硬化剤(大日本インキ(株)製、DN−980)を5重量部の割合で混合した。この分散液を例S1と同じ卓上バーコーターを用いて、未延伸ポリプロピレンフィルムCPP#60上に湿潤状態での塗工量(24g/m)で塗工、乾燥し、厚さ約2μmの乾燥皮膜(ZR被膜)を得た。
前記例C3で得られた重合性単量体組成物C3を、卓上バーコーターを用いてZR被膜上に湿潤状態での塗工量(24g/m)で塗工した。塗工後、速やかに未延伸ポリプロピレンフィルムCPP#60を塗膜表面に被せて「基材(CPP)/ZR/塗膜/基材(CPP)」の層構成を有する多層構造物を得た。次いで、基材(CPP)の上から、例S1と同じUV照射装置を用いて、ランプ出力160W/cm、搬送速度5m/min、ランプ高さ24cmの条件で紫外線(UV光)を照射し、延伸成形用シートS3(実施例)を得た。
(例S4)
分散液を塗工する基材として無延伸高透明ポリプロピレンシートCPP#300,また重合性単量体組成物塗膜を被覆するフィルムとして無延伸ナイロンフィルムCNy#20を用い、重合性単量体組成物C3に代えて、重合性単量体組成物C4を用いたことを除いては例S3と同様にして、延伸成形用シートS4(実施例)を得た。
(例S50)
重合性単量体組成物C1に代えて、組成物C50を用いたことを除いては例S1と同様に延伸成形用シートS50(比較例)を得た。
(例S51)
重合性単量体組成物C1に代えて、組成物C51を用いたことを除いては例S1と同様に延伸成形用シートS51(比較例)を得た。
(例S52)
重合性単量体組成物C2に代えて、組成物C52を用いたことを除いては例S2と同様に延伸成形用シートS52(参考例)を得た。
(例S53)
重合性単量体組成物C2に代えて、組成物C53を用いたことを除いては例S2と同様に延伸成形用シートS53(参考例)を得た。塗液の水分量が多く、且つ不飽和カルボン酸の重合体を塗工した際には、塗工時に基材中の金属化合物を溶解しポリカルボン酸の架橋反応が起こる為、シートが白化した。
(例S5)
酸化亜鉛微粒子とポリエステル系樹脂の混合分散液(例S1で用いたものと同じ)100重量部に対し、硬化剤(例S1と同じ)を5重量部の割合で混合した。この分散液を例S1と同じ卓上バーコーターを用いて、PETシート上に湿潤状態での塗工量(24g/m)で塗工、乾燥し、厚さ約2μmの乾燥皮膜(ZR被膜)を得た。
前記例C2で調製した重合性単量体組成物C2を、卓上バーコーターを用いてZR被膜上に湿潤状態での塗工量(12g/m)で塗工した。塗工後、速やかに未延伸ポリプロピレンフィルムCPP#60を塗膜表面に被せて「基材(PET)/ZR/塗膜/基材(CPP)」の層構成を有する多層構造物を得た。次いで、基材(CPP)の上からトレー搬送コンベア方式のEB照射装置(岩崎電気(株)製「CB250/15/180L」)を用いて、加速電圧200kV、搬送速度10m/min、照射線量150kGyの条件で電子線(EB)を照射し、延伸成形用シートS5(実施例)を得た。
(例S6)
酸化亜鉛微粒子とポリエステル系樹脂の混合分散液(例S1と同じ)100重量部に対し、硬化剤(例S1と同じ)を5重量部の割合で混合した。この分散液を例S1と同じ卓上バーコーターを用いて、無延伸ナイロンフィルムCNy#100上に湿潤状態での塗工量(24g/m)で塗工、乾燥し、厚さ約2μmの乾燥皮膜(ZR被膜)を得た。
前記例S3で調製した重合性単量体組成物C3を、卓上バーコーターを用いZR被膜上に湿潤状態での塗工量(24g/m)で塗工した。塗工後、速やかに未延伸ポリエチレンフィルムPE#30を塗膜表面に被せて「基材(CNy)/ZR/塗膜/基材(PE)」の層構成を有する多層構造物を得た。次いで、基材(PE)の上から例S5と同じEB照射装置を用いて、加速電圧150kV、搬送速度10m/min、照射線量10kGyの条件で電子線(EB)を照射し、延伸成形用シートS6(実施例)を得た。
(例S7)
ポリエステル系樹脂接着剤(大日本インキ(株)製「LX747」)を7重量部に対し、ポリイソシアネート系樹脂硬化剤(大日本インキ(株)製「KX75」)を1重量部の割合で混合した後、酢酸エチルを48重量部の割合で混合、攪拌した溶液を接着剤として、例S1と同じ卓上バーコーターを用いて未延伸ポリプロピレンフィルム#60上に塗工量(24g/m)で塗工、乾燥した。続いて例S1と同じ酸化亜鉛微粒子とポリエステル系樹脂の混合分散液100重量部に対し、例S1と同じ硬化剤を5重量部の割合で混合した。この分散液を、卓上バーコーターを用いて、接着剤層上に湿潤状態での塗工量(24g/m)で塗工し、乾燥し、厚さ約2μmの乾燥皮膜を得た。
前記で調整した重合性単量体組成物C4を、卓上バーコーターを用いてZR被膜上に湿潤状態での塗工量(24g/m)で塗工した。塗工後、速やかに未延伸ポリプロピレンフィルムCPP#60を塗膜表面に被せて「基材(CPP)/AC/ZR/塗膜/基材(CPP)」の層構成を有する多層構造物を得た。次いで、基材(CPP)の上から例S5と同じEB照射装置を用いて、加速電圧200kV、搬送速度10m/min、照射線量50kGyの条件で電子線(EB)を照射し、延伸成形用シートS7(実施例)を得た。
(例S54)
重合性単量体組成物C2に代えて、組成物C50を用いたことを除いては例S5と同様に延伸成形用シートS54(比較例)を得た。
(例S55)
重合性単量体組成物C2に代えて、組成物C51を用いたことを除いては例S5と同様に延伸成形用シートS55(比較例)を得た。
(例S56)
重合性単量体組成物C2に代えて、組成物C52を用いたことを除いては例S5と同様に延伸成形用シートS56(参考例)を得た。
(例S57)
重合性単量体組成物C2に代えて、組成物C53を用いたことを除いては例S5と同様に延伸成形用シートS57(参考例)を得た。塗液の水分量が多く、且つ不飽和カルボン酸の重合体を塗工した際には、塗工時に基材中の金属化合物を溶解しポリカルボン酸の架橋反応が起こる為、シートが白化した。
(例S8)
例S1と同じ酸化亜鉛微粒子とポリエステル系樹脂の混合分散液100重量部に対し、例S1と同じ硬化剤を5重量部の割合で混合した。この分散液を例S1と同じ卓上バーコーターを用いて、無延伸ナイロンフィルムCNy#100上に湿潤状態での塗工量(24g/m)で塗工、乾燥し、厚さ約2μmの乾燥皮膜を得た。
前記で調製した重合性単量体組成物C5と同じ組成を有するコーティング液を、卓上バーコーターを用いてZR被膜上に湿潤状態での塗工量(6g/m)で塗工した。塗工後、速やかに無延伸ナイロンフィルムCNy#100を塗膜表面に被せて「基材(CNy)/ZR/塗膜/基材(CNy)」の層構成を有する多層構造物を得た。次いで、多層構造物をギアオーブンで180℃、3時間の条件で加熱して、延伸成形用シートS8(実施例)を得た。本例では、延伸成形用シートを得るのに、電子放射線の照射でなく加熱により処理している。
[ガスバリア性延伸成形体製造例]
(例V1)
前記例S1で製造した延伸成形用シートS1を、深絞り型高速自動真空包装機(大森機械工業(株)製「FV−603型」)を用いて、設定温度110℃、加熱時間2秒で軟化させ、真空成形した。得られた成形容器(実施例)の寸法は、底面形状が径100mmの円形、深さ10mmであり、面積延伸倍率は1.4倍であった。この時点で得られた成形容器の30℃、0%RHの条件で酸素透過度を評価した。
続いて上記で得られた成形体を、オートクレープを用いて120℃30分間の加熱殺菌処理を施した後、30℃、80%RHの高温度条件で再度酸素透過度を評価した。成形条件の概要および酸素透過度の測定結果を以下の例の結果とともに、まとめて後記表4に記す。
(例V2〜V8)
前記で製造した延伸成形用シートS1に代えて、延伸成形用シートS2〜S8をそれぞれ用いる以外は例V1と同様にして成形容器(実施例)を作製し、酸素透過度の測定を行った。
(例V50〜V57)
前記で製造した延伸成形用シートS1に代えて、延伸成形用シートS50〜S57を用いたことを除いては、例V1と同様に成形容器(比較例および参考例)を作製し、酸素透過度の測定を行った。
表4に示す通り、不飽和カルボン酸だけでは延伸性が付与されておらず、酸素バリア性は劣悪なものであった(例V50およびV54)。また可塑剤だけでは酸素バリア性は得られず、酸素バリア性は劣悪なものであった(例V51およびV55)。また、重合性単量体組成物に多量の水分を含む場合は、塗工時に金属化合物を溶解し不飽和カルボン酸がイオン架橋するため、延伸性が得られなかった(例V52およびV56)。不飽和カルボン酸の重合体水溶液を用いた場合には塗工時にポリカルボン酸のイオン架橋反応が進み、延伸性が得られなかった(例V53およびV57)。
(例S58および例V58)
例S1と同じ酸化亜鉛微粒子とポリエステル系樹脂の混合分散液100重量部に対し、例S1と同じ硬化剤を5重量部の割合で混合した。この分散液を例S1と同じ卓上バーコーターを用いて、PETシート上に湿潤状態での塗工量(24g/m)で塗工、乾燥し、厚さ約2μmの乾燥皮膜を得た。塗工後、速やかに未延伸ポリプロピレンフィルムCPP#60を塗膜表面に被せて「基材(PET)/ZR/基材(CPP)」の層構成を有する延伸成形用シートS58(比較例)を得た。
前記で製造した延伸成形用シートS1に代えて、この延伸成形用シートS58を用いたことを除いては、例V1と同様に成形容器(比較例)を作製した。
表4に示す通り、不飽和カルボン酸と可塑剤の重合体層を含まないシートでは、酸素バリア性は劣悪なものであった(例V58)。
Figure 2007276421
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上述したように、本発明によれば層間密着性が良く、延伸を伴う多様な成形法への適用が可能な延伸成形用シート(ガスバリア性シート前駆体)が得られ、これを延伸成形することによりガスバリア性延伸成形体が良好な生産性で製造可能となる。

Claims (18)

  1. 多価金属化合物(a)を含有する樹脂からなる基材上に、α,β−不飽和カルボン酸単量体(b)と可塑剤(c)を含む重合性単量体組成物のその場重合体層を形成してなる延伸成形用シート。
  2. 前記重合性単量体組成物のその場重合体層が、前記基材上に塗布した重合性単量体組成物層の電離放射線の照射および/または加熱による重合体層である請求項1の延伸成形用シート。
  3. 前記重合性単量体組成物が更に光重合開始剤および/または熱重合開始剤を更に含む請求項2に記載の延伸成形用シート。
  4. 前記重合性単量体組成物は、80重量%以上がα,β−不飽和カルボン酸単量体(b)と該α,β−不飽和カルボン酸単量体(b)100重量部に対して0.1〜40重量部の可塑剤(c)を含むものからなり、20重量%未満が水分である請求項1〜3のいずれかに記載の延伸成形用シート。
  5. 該α,β−不飽和カルボン酸単量体(b)が、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、けい皮酸、セネシオ酸、チグリン酸、ソルビン酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、シトラコン酸、メサコン酸、無水マレイン酸、無水イタコン酸、及び無水シトラコン酸からなる群より選ばれる少なくとも1種の不飽和カルボン酸化合物である請求項1〜4のいずれかに記載の延伸成形用シート。
  6. 該可塑剤(c)が、グリコール類、グリセリン、ポリビニルアルコールおよび多糖類からなる群より選ばれた少なくとも1種の化合物である請求項1〜5のいずれかに記載の延伸成形用シート。
  7. 多価金属化合物(a)が、2価金属化合物および3価金属化合物からなる群より選ばれた少なくとも1種の化合物である請求項1〜6のいずれかに記載の延伸成形用シート。
  8. 基材と、その場重合体層との少なくとも一方が二層以上含まれる請求項1〜7のいずれかに記載の延伸成形用シート。
  9. 基材とその場重合体層との隣接する単位が複数含まれる請求項8に記載の延伸成形用シート。
  10. その場重合体層に含まれるカルボキシル基に対して、多価金属化合物(a)を含有する樹脂からなる基材に、化学当量比で0.2以上の多価金属化合物(a)が含まれる請求項1〜9のいずれかに記載の延伸成形用シート。
  11. 更に樹脂製カバーフィルムで被覆されてなる請求項1〜10のいずれかに記載の延伸成形用シート。
  12. 多価金属化合物(a)を含有する樹脂からなる基材上に、α,β−不飽和カルボン酸単量体(b)と可塑剤(c)を含む重合性単量体組成物の層を形成し、電離放射線の照射および/または加熱により重合させて、その場重合体層を形成する請求項1〜11のいずれかに記載の延伸成形用シートの製造方法。
  13. 重合性単量体組成物層を樹脂製カバーフィルムで被覆後に電離放射線の照射および/または加熱による重合を行う請求項12に記載の方法。
  14. 請求項1〜11のいずれかに記載の延伸成形用シートを延伸成形してなり、温度30℃および相対湿度0%の乾燥条件下で測定した酸素透過度が200×10−4cm(STP)/(m・s・MPa)以下であるガスバリア性延伸成形体。
  15. 請求項1〜11のいずれかに記載の延伸成形用シートを面積倍率1.1〜100倍に延伸成形する請求項14に記載のガスバリア性延伸成形体の製造方法。
  16. 請求項14に記載のガスバリア性延伸成形体を湿度雰囲気下で加熱処理してなり、温度30℃および相対湿度80%の高湿度条件下で測定した酸素透過度が50×10−4cm(STP)/(m・s・MPa)以下であるガスバリア性延伸成形体。
  17. 湿度雰囲気下での加熱処理がボイル・レトルト処理である請求項16に記載のガスバリア性延伸成形体。
  18. 請求項14または15に記載のガスバリア性延伸成形体をボイル・レトルト処理してなるガスバリア性延伸成形体。
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