JP2003118046A - ガスバリア性積層体用基材、その製造方法、およびそれを用いたガスバリア性積層体 - Google Patents

ガスバリア性積層体用基材、その製造方法、およびそれを用いたガスバリア性積層体

Info

Publication number
JP2003118046A
JP2003118046A JP2001316141A JP2001316141A JP2003118046A JP 2003118046 A JP2003118046 A JP 2003118046A JP 2001316141 A JP2001316141 A JP 2001316141A JP 2001316141 A JP2001316141 A JP 2001316141A JP 2003118046 A JP2003118046 A JP 2003118046A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
gas barrier
barrier laminate
resin
acrylate
substrate
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2001316141A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3804509B2 (ja
Inventor
Takashi Ishikawa
崇 石川
Toshio Waku
寿男 和久
Toshinori Machida
敏則 町田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyo Ink Mfg Co Ltd
Original Assignee
Toyo Ink Mfg Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyo Ink Mfg Co Ltd filed Critical Toyo Ink Mfg Co Ltd
Priority to JP2001316141A priority Critical patent/JP3804509B2/ja
Publication of JP2003118046A publication Critical patent/JP2003118046A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3804509B2 publication Critical patent/JP3804509B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Coating Of Shaped Articles Made Of Macromolecular Substances (AREA)
  • Laminated Bodies (AREA)
  • Physical Vapour Deposition (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】ガスバリア性無機薄膜層との密着性が良好なガ
スバリア性積層体用基材、および高いバリア性を要求さ
れる用途において、特に酸素バリア性と水蒸気バリア性
を両立しながら満足するガスバリア性積層体の提供。 【解決手段】プラスチックフィルムの片面または両面
に、エチレン性不飽和二重結合を2個以上有する化合物
(A)、およびガラス転移温度が60℃以上200℃以
下のアクリル系樹脂(B)を含む樹脂組成物の硬化物か
らなる樹脂層を有するガスバリア性積層体用基材、およ
び該ガスバリア性積層体用基材の樹脂層上に、金属およ
び/または金属化合物からなる薄膜層を有するガスバリ
ア性積層体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、酸素,水蒸気等の
ガスバリア性に優れ、食品、医療品等の包装材料、電子
材料、建築材料、印刷材料等に有用なガスバリア性積層
体用基材、その製造方法、およびガスバリア性積層体に
関する。
【0002】
【従来の技術】食品、医療品等の包装に用いられる包装
材料には、内容物の品質保持のため、酸素、水蒸気等の
気体の透過を遮断するガスバリア性能が求められてい
る。また、プラズマディスプレイ、偏光板、液晶表示
材、エレクトロルミネッセンス等の各種電子材料におい
ても、構成品を酸素や水蒸気による劣化から防ぐためガ
スバリア性が必要とされている。従来、ガスバリア性を
必要とする用途においては、ガスバリア性の高い樹脂自
体をフィルム化したもの、もしくはプラスチックフィル
ムなどの基材に、ガスバリア性の高い樹脂塗液などをコ
ーティングした積層フィルムなどが用いられている。
【0003】ガスバリア性を有する樹脂としてはポリビ
ニルアルコール、エチレン−ビニルアルコールの重合
体、ポリ塩化ビニリデン等が例示できる。しかし、ポリ
ビニルアルコール、エチレン−ビニルアルコールの重合
体は、低湿度下では優れた酸素バリア性を有するもの
の、高湿度下ではバリア性が急激に劣化してしまうこと
が課題として挙げられ、使用される環境で用途が限られ
てしまう。また、耐湿性の点で、単独で用いることは困
難であるので、他のフィルムと積層して使用する必要が
ある。また、エレクトロニクス分野等の高度なバリア性
が求められる場合、要求されるバリア性を満足すること
が困難である。
【0004】一方、ポリ塩化ビニリデンは、高湿度下で
も高い酸素バリア性を発現し、他の樹脂と比較すると湿
度依存性が良好である。しかし、樹脂中に塩素・フッ素
を含むため、廃棄の面では環境に与える影響が懸念され
ており、バリア性の絶対値も高度なバリア性を求められ
る用途に使用しうるレベルには達していない。また、ガ
スバリア性樹脂に一般に言える欠点として、ガスバリア
性の温度依存性が高いことが挙げられ、周辺環境の温度
が高温になるとバリア性が極端に劣化する傾向にある。
【0005】以上のように、ガスバリア性樹脂は、ガス
バリア性の温湿度依存性が大きい、廃棄の問題がある、
バリア性の絶対値より用途が制限される等の問題点を有
していた。それに伴い近年、無機酸化物薄膜をプラスチ
ックフィルム上に形成したガスバリア性フィルムが検討
されてきた。ケイ素酸化物やアルミニウム酸化物等の無
機酸化物薄膜を形成したプラスチックフィルムは、ガス
バリア性樹脂と比較すると高度なガスバリア性を有し、
しかもガスバリア性の温湿度依存性が比較的少ないこと
が特徴的である。また、廃棄も容易である。また、さら
にガスバリア性を向上させることを目的として、前記無
機酸化物に対し、下層に樹脂層を設ける検討がなされて
きた。
【0006】
【発明が解決しようとする問題】しかし、このような構
成のフィルムを加工して使用する場合には、基材または
樹脂層と、ガスバリア性無機酸化物薄膜との密着力が低
下することにより、バリア性が低下するという問題があ
った。そこで、本発明は、ガスバリア性無機薄膜層との
密着性が良好なガスバリア性積層体用基材およびその製
造方法、ならびに高いバリア性を要求される用途におい
て、特に酸素バリア性と水蒸気バリア性を両立しながら
満足するガスバリア性積層体の提供を目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決すべく鋭意検討したところ、エチレン性不飽和二
重結合を2個以上有する化合物(A)、およびガラス転
移温度が60℃以上200℃以下のアクリル系樹脂
(B)を含む樹脂組成物の硬化物からなる樹脂層は、化
合物(A)が形成する架橋網目中にアクリル樹脂(B)
が取り込まれる様な形態をとると考えられ、このような
樹脂層上に金属および/または金属化合物からなる薄膜
層を形成した積層体が、非常に優れた酸素、水蒸気ガス
バリア性を発現することを見出し、本発明に至った。
【0008】すなわち本発明は、プラスチックフィルム
の片面または両面に、エチレン性不飽和二重結合を2個
以上有する化合物(A)、およびガラス転移温度が60
℃以上200℃以下のアクリル系樹脂(B)を含む樹脂
組成物の硬化物からなる樹脂層を有するガスバリア性積
層体用基材に関する。また、本発明は、アクリル系樹脂
(B)が、ホモポリマーのガラス転移温度が−100℃
以上60℃未満のラジカル重合性モノマー(b1)と、
ホモポリマーのガラス転移温度が60℃以上200℃以
下のラジカル重合性モノマー(b2)との共重合体であ
る前記ガスバリア性積層体用基材に関する。
【0009】また、本発明は、アクリル系樹脂(B)を
構成するラジカル重合性モノマー(b1)または(b
2)が、水酸基および/またはカルボキシル基を有する
前記ガスバリア性積層体用基材に関する。また、本発明
は、プラスチックフィルムの片面または両面に、エチレ
ン性不飽和二重結合を2個以上有する化合物(A)、お
よびガラス転移温度が60℃以上200℃以下のアクリ
ル系樹脂(B)を含む樹脂組成物を塗布したのち、活性
エネルギー線を照射して前記樹脂組成物を硬化し樹脂層
を形成するガスバリア性積層体用基材の製造方法に関す
る。
【0010】さらに、本発明は、前記ガスバリア性積層
体用基材の樹脂層上に、金属および/または金属化合物
からなる薄膜層を有するガスバリア性積層体に関する。
また、本発明は、薄膜層が珪素酸化物および金属フッ化
物からなる前記ガスバリア性積層体に関する。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明で用いられるプラスチック
フィルムとしては、ポリオレフィン、ポリエステル、ポ
リ塩化ビニル、ポリビニルアルコール、ポリエーテルサ
ルホン、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリアリレー
ト、ノルボルネン系樹脂、アクリル系樹脂、ポリイミ
ド、ポリエーテルイミド、エチレン−酢酸ビニル共重合
体ケン化物、ポリ塩化ビニリデン、ポリアクリロニトリ
ル、フッ素樹脂、ポリスチレン等の樹脂からなるフィル
ムが挙げられる。特に、ポリエチレンテレフタレート、
ポリエーテルスルホンからなるフィルムが蒸着加工適正
より好ましい。
【0012】プラスチックフィルムは、一軸延伸や二軸
延伸されたものでも良く、上記樹脂の2種以上を混合、
共押出、積層して得られるフィルムでも良い。また、樹
脂フィルムは、着色剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤、可
塑剤等の従来公知の添加剤が添加されたものでも良い。
プラスチックフィルムの厚みとして特に制限はないが、
5〜1000μm が好ましい。フィルム厚が5μm未
満であるとカールしやすくなり、1000μmを越える
と、厚みのためロール状態の加工が困難となる場合があ
る。
【0013】本発明の樹脂層を構成する樹脂組成物は、
エチレン性不飽和二重結合を2個以上有する化合物
(A)、およびガラス転移温度が60℃以上200℃以
下のアクリル系樹脂(B)を含む。樹脂組成物に含まれ
る化合物(A)のうち、エチレン性不飽和二重結合を2
個有するものの例としては、ビス(アクリロキシネオペ
ンチルグリコール)アジペート、ヒドロキシピバリン酸
ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレートまたは
そのカプロラクトン変性物、ネオペンチルグリコールジ
(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メ
タ)アクリレート、1,3−ブチレングリコールジ(メ
タ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メ
タ)アクリレートまたはそのエピクロルヒドリン変性
物、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエ
チレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレ
ングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレン
グリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレング
リコールジ(メタ)アクリレート、ポリテトラメチレン
グリコールジ(メタ)アクリレート、グリセロールジ
(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニルジ(メタ)
アクリレート、ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリ
レートまたはそのエチレンオキサイド変性物若しくはプ
ロピレンオキサイド変性物若しくはカプロラクトン変性
物若しくは脂肪酸変性物、ビス(アクリロキシエチル)
ヒドロキシエチルイソシアヌレート、長鎖脂肪族のジ
(メタ)アクリレート、シクロヘキシルジ(メタ)アク
リレートまたはそのメトキシ化物、リン酸ジ(メタ)ア
クリレートまたはそのエチレンオキサイド変性物若しく
はプロピレンオキサイド変性物若しくはカプロラクトン
変性物、フタル酸ジ(メタ)アクリレートまたはそのエ
チレンオキサイド変性物若しくはエピクロルヒドリン変
性物、トリグリセロールジ(メタ)アクリレート、トリ
メチロールプロパンジ(メタ)アクリレートおよびその
ネオペンチルグリコール変性物があげられる。また、ビ
スフェノールAジ(メタ)アクリレート、ビスフェノー
ルSジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールFジ(メ
タ)アクリレート、またはこれらのエチレンオキサイド
変性物若しくはプロピレンオキサイド変性物若しくは臭
素化物があげられる。そのうちでも特に、ビスフェノー
ルAジ(メタ)アクリレートまたはそのエチレンオキサ
イド変性物若しくはプロピレンオキサイド変性物、ビス
(アクリロキシエチル)ヒドロキシエチルイソシアヌレ
ートが、ガスバリア性の面で好ましい。
【0014】化合物(A)のうち、エチレン性不飽和二
重結合を3個以上有するものの例としては、トリメチロ
ールプロパントリ(メタ)アクリレートまたはそのエチ
レンオキサイド変性物若しくはプロピレンオキサイド変
性物若しくはエピクロルヒドリン変性物、ペンタエリス
リトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリト
ールテトラ(メタ)アクリレートまたはこれらのエチレ
ンオキサイド変性物若しくはプロピレンオキサイド変性
物若しくはカプロラクトン変性物、ジペンタエリスリト
ールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトー
ルテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトー
ルペンタ(メタ)アクリレートまたはこれらのエチレン
オキサイド変性物若しくはプロピレンオキサイド変性物
若しくはカプロラクトン変性物若しくはアルキル変性
物、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレー
トまたはそのエチレンオキサイド変性物若しくはプロピ
レンオキサイド変性物若しくはカプロラクトン変性物、
ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート、トリス
((メタ)アクロリキシエチル)イソシアヌレートまた
はそのカプロラクトン変性物などがあげられるが、トリ
メチロールプロパントリ(メタ)アクリレートまたは、
ペンタエリスリトールトリまたはテトラ(メタ)アクリ
レート、またはジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)
アクリレート、またはトリス((メタ)アクロリキシエ
チル)イソシアヌレートおよびそのカプロラクトン変性
物が、高いバリア性能を発現するため特に好ましい。な
お、化合物(A)は1種単独を用いても、2種以上を混
合して用いても良い。
【0015】樹脂組成物に含まれるアクリル系樹脂
(B)は、従来公知のラジカル重合性モノマーを重合し
てなる、ガラス転移温度(以下、Tgともいう。)が6
0℃以上200℃以下のアクリル樹脂である。Tgが6
0℃未満のアクリル系樹脂を用いた場合には優れたガス
バリア性が発現せず、またTgが200℃を越えるアク
リル系樹脂を用いた場合には樹脂層が可トウ性に劣る場
合がある。なお、アクリル系樹脂(B)のTgとして
は、下記式により定義および算出された値を用いた。
【0016】モノマー1、モノマー2、・・・、モノマ
ーnの共重合体であるアクリル系樹脂について、 W1:モノマー1のwt% 、W2:モノマー2のwt
% 、Wn:モノマーnのwt% Tg :アクリル系樹脂(B)のガラス転移温度(K)
、 Tg1:モノマー1のホモポリマーのガラス転移温度
(K) Tg2:モノマー2のホモポリマーのガラス転移温度
(K) Tgn:モノマーnのホモポリマーのガラス転移温度
(K) 1/Tg=(W1/Tg1)+(W2/Tg2)+・・
・+(Wn/Tgn)
【0017】さらに、アクリル系樹脂(B)は、ホモポ
リマーのTgが−100℃以上60℃未満のラジカル重
合性モノマー(b1)と、ホモポリマーのTgが60℃
以上200℃以下のラジカル重合性モノマー(b2)と
の共重合体であることがバリア性の点で好ましく、さら
に(b1)または(b2)が、水酸基および/またはカ
ルボキシル基を有することが、バリア性をより向上させ
る点から特に好ましい。
【0018】アクリル系樹脂(B)を構成するモノマー
(b1)のうち、水酸基を有するモノマーとしては、ヒ
ドロキシメチルアクリレート(Tg=−5℃)、2−ヒ
ドロキシエチルアクリレート(Tg=−15℃)、2−
ヒドロキシエチルメタクリレート(Tg=55℃)、2
−ヒドロキシプロピルアクリレート(Tg=−7℃)、
2−ヒドロキシプロピルメタクリレート(Tg=26
℃)、4−ヒドロキシブチルアクリレート(Tg=−8
0℃)、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルアク
リレート(Tg=17℃)などが例示される。また、カ
ルボキシル基を有するモノマーとしては、2−アクリロ
イルオキシエチルコハク酸(Tg=−40℃)が例示さ
れる。
【0019】また、モノマー(b2)のうち、カルボキ
シル基を有するモノマーとしては、アクリル酸(Tg=
106℃)、メタクリル酸(Tg=130℃)、イタコ
ン酸(Tg=100℃)、マレイン酸(Tg=130
℃)などが例示される。水酸基および/またはカルボキ
シル基を有するモノマー(b1)、(b2)のアクリル
系樹脂(B)中の共重合比率は、アクリル系樹脂(B)
の重量を基準として5〜95重量%が好ましく、さらに
20〜60重量%がバリア性の点でより好ましい。上記
以外のモノマー(b1)、(b2)を、そのホモポリマ
ーのTgと共に以下に例示する。なお、ホモポリマーの
Tgは、公知文献より引用した。
【0020】ラジカル重合性モノマー(b1)の例とし
ては、メチルアクリレート(Tg=8℃)、エチルアク
リレート(Tg=−22℃)、イソプロピルアクリレー
ト(Tg=−5℃)、n−ブチルアクリレート(Tg=
−54℃)、n−ブチルメタクリレート(Tg=20
℃)、ラウリルメタクリレート(Tg=−65℃)、ラ
ウリルアクリレート(Tg=−3℃)、ステアリルメタ
クリレート(Tg=38℃)、イソデシルアクリレート
(Tg=−55℃)、イソデシルメタクリレート(Tg
=−41℃)、イソオクチルアクリレート(Tg=−4
5℃)、2−エチルヘキシルアクリレート(Tg=−8
5℃)、グリシジルメタクリレート(Tg=41℃)、
シクロヘキシルアクリレート(Tg=16℃)、t−ブ
チルアミノエチルメタクリレート(Tg=33℃)、2
−シアノエチルアクリレート(Tg=4℃)、ジシクロ
ペンテニロキシエチルアクリレート(Tg=13℃)、
ジシクロペンテニロキシエチルメタクリレート(Tg=
35℃)、ジメチルアミノエチルメタクリレート(T=
18℃)、ジエチルアミノエチルメタクリレート(Tg
=20℃)、2−エトキシエチルメタクリレート(Tg
=15℃)、2(2−エトキシエトキシ)エチルアクリ
レート(Tg=−70℃)、ノニルフェノキシポリエチ
レングリコールアクリレート(Tg=17℃)、ノニル
フェノキシポリプロピレングリコールアクリレート(T
g=−3℃)、フェノキシジエチレングリコールアクリ
レート(Tg=−8℃)、フェノキシポリエチレングリ
コールアクリレート(Tg=−25℃)、フェノキシエ
チルアクリレート(Tg=−22℃)、ベンジルアクリ
レート(Tg=6℃)、ベンジルメタクリレート(Tg
=54℃)、2−エチルヘキシルカルビトールアクリレ
ート(Tg=−65℃)、2,2,3,4,4,4−ヘ
キサフロロブチルメタクリレート(Tg=50℃)、パ
ーフロロオクチルエチルメタクリレート(Tg=40
℃)などがあげられる。
【0021】ラジカル重合性モノマー(b2)の例とし
ては、イソシアネートエチルメタクリレート(Tg=6
0℃)、ジシクロペンタニルアクリレート(Tg=95
℃)、ジシクロペンテニルアクリレート(Tg=120
℃)、シクロヘキシルメタクリレート(Tg=66
℃)、メチルメタクリレート(Tg=105℃)、エチ
ルメタクリレート(Tg=65℃)、イソプロピルメタ
クリレート(Tg=81℃)、イソブチルメタクリレー
ト(Tg=67℃)、スチレン(Tg=100℃)、t
ert−ブチルメタクリレート(Tg=107℃)、N
−メチロールメタクリルアミド(Tg=100℃)、ア
クリルアミド(Tg=153℃)、テトラヒドロフルフ
リルメタクリレート(Tg=60℃)、ジアセトンアク
リルアミド(Tg=65℃)、N−ビニルピロリドン
(Tg=175℃)、イソボルニルメタクリレート(T
g=170℃)、イソボルニルアクリレート(Tg=1
00℃)などがあげられる。
【0022】アクリル系樹脂(B)は、前記モノマーを
原料として、従来公知の方法により合成することができ
る。なお、モノマー(b1)、(b2)は、得られるア
クリル系樹脂(B)のガラス転移温度が60℃以上20
0℃以下になれば、1種を単独で用いても、2種以上を
混合して用いてもよい。また、アクリル系樹脂(B)の
合成時には、従来公知の過酸化物系、アゾ化合物系等の
重合開始剤を使用することができる。アクリル系樹脂
(B)の分子量としては、ポリスチレン換算のゲルパー
ミエーションクロマトグラフィーにおいて、数平均分子
量で1,000〜100,000が好ましい。
【0023】樹脂組成物中の、エチレン性不飽和二重結
合を2個以上有する化合物(A)、およびガラス転移温
度が60℃以上200℃以下のアクリル系樹脂(B)の
組成比は、(A)/(B)=1〜99重量%/99〜1
重量%であることが好ましく、さらに40〜98重量%
/60〜2重量%であることが好ましい。(A)の組
成比が1重量%未満、または99重量%を越えると、高
度なガスバリア性を発現することができない場合がある
ために好ましくない。
【0024】樹脂組成物には、従来公知の添加剤を要求
物性に応じて適宜加えてもよい。例えば、塗工性改善を
目的として、レベリング剤、希釈溶剤などを添加するこ
とができる。また、密着性向上を目的として、従来公知
のシランカップリング剤を添加することができる。シラ
ンカップリング剤として具体的には、ビニルトリメトキ
シシラン、ビニルトリエトキシシラン、N−(2−アミ
ノエチル)3−アミノプロピルメチルジメトキシシラ
ン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルト
リメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシ
ラン、3−クロロプロピルメチルジメトキシシラン、3
−クロロプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロ
キシプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロ
ピルトリメトキシシラン等が例示できる。
【0025】このうち、ビニルトリメトキシシラン、ビ
ニルトリエトキシシラン、3−メタクリロキシプロピル
トリメトキシシラン等は、その構造中にメタクリロイル
基またはビニル基を有し、樹脂組成物を架橋させる際
に、化合物(A)と架橋が可能であるため、密着性上で
特に好ましい。シランカップリング剤の添加量は、化合
物(A)とアクリル系樹脂(B)の合計100重量部に
対し、0.1〜10重量部が好ましい。添加量が0.1
重量部未満であると添加効果の発現に乏しく、添加量が
10重量部を越えるとコストが上昇するため好ましくな
い。
【0026】本発明のガスバリア性積層体用基材は、プ
ラスチックフィルムの片面または両面に、エチレン性不
飽和二重結合を2個以上有する化合物(A)、およびガ
ラス転移温度が60℃以上200℃以下のアクリル系樹
脂(B)を含む樹脂組成物を塗布し、必要に応じて溶剤
除去のために乾燥工程を経たのち、活性エネルギー線を
照射して前記樹脂組成物を硬化して樹脂層を形成するこ
とにより製造される。
【0027】プラスチックフィルムへの樹脂組成物の塗
布は、例えばロールコーティング、グラビアコーティン
グ、リバースコーティング、スプレーコーティングなど
の従来公知の方法によって行うことができる。なお、樹
脂組成物に溶剤が含まれる場合には、乾燥して溶剤を除
去する必要があるが、乾燥は従来公知の方法によって行
うことができる。プラスチックフィルム上に形成される
樹脂層の膜厚は0.1μm以上20μm以下が好まし
く、0.5μm以上10μm以下が特に好ましい。膜厚
が0.1μm未満であると充分なガスバリア性が得られ
ず、20μmを越えると膜の可トウ性が低下するおそれ
があるため好ましくない。
【0028】活性エネルギー線としては、可視光、紫外
線、電子線、ガンマー線が例示できるが、特に電子線を
照射して硬化する場合には光開始剤が不要なため好まし
い。また、電子線の吸収線量は、1〜200kGyの範
囲内であると樹脂層の硬化が十分に進行するため好まし
く、特に5〜50kGyの範囲内であると硬化が十分に
進行し、かつプラスチックフィルムや樹脂層にダメージ
を与えることが少ないためより好ましい。吸収線量が1
kGy未満であると樹脂層の硬化が不十分な場合があ
り、200kGyを越えるとプラスチックフィルムや樹
脂層の崩壊が生じ、物性が損なわれる場合がある。な
お、吸収線量は米国FarWestTechnolog
y社のFWT60−00線量測定フィルム(厚さ44.
5μm)を使用して測定したものである。
【0029】活性エネルギー線として電子線を照射する
場合には、公知の装置を使用することができるが、電子
線がプラスチックフィルムや樹脂層へ与えるダメージを
考慮すると、加速電圧が1kV〜200kVの電子線を
照射することが好ましい。電子線の加速電圧が1kV未
満であると硬化深度が不十分な場合があり、200kV
を越えると、プラスチックフィルムや樹脂層がダメージ
を受け、得られるガスバリア性積層体用基材の機械物性
が低下する場合がある。また、100kV以下、特に5
0kV以下の低加速電圧の電子線を照射して樹脂層を形
成することにより、ガスバリア性積層体用基材の機械強
度の低下を抑制することができるためより好ましい。
【0030】活性エネルギー線として紫外線を照射する
場合には、公知の各種紫外線ランプを使用することがで
きる。紫外線の照射エネルギーとしては、100〜10
00mJ/m2が好ましく、特に200〜500mJ/m2
が好ましい。照射エネルギーが100mJ/m2未満であ
ると樹脂層の硬化が不十分な場合があり、1000mJ
/m2を越えると生産性の面から好ましくない。紫外線を
照射して樹脂組成物を硬化する場合には、樹脂組成物に
光開始剤を添加する必要がある。光開始剤としては、例
えばベンゾインエーテル類、ベンゾフェノン類、キサン
トン類、アセトフェノン誘導体などの従来公知の光開始
剤を使用することができる。光開始剤は、化合物(A)
およびアクリル系樹脂(B)の合計100重量部に対
し、0.1〜20重量部、特に0.5〜10重量部の割
合で添加することが好ましい。添加量が0.1重量部未
満であると樹脂層の硬化が不十分であり、20重量部を
越えると光開始剤がブリードするおそれや、コストが高
くなるために好ましくない。
【0031】樹脂層が、硬化が不十分なために乾燥して
いない場合には、薄膜層の形成が困難である。また、樹
脂層が外観上は乾燥していても硬化が不十分であると、
薄膜層を形成する過程において、熱などよる劣化が生
じ、十分なガスバリア性を発現する薄膜層を形成するこ
とができない場合がある。
【0032】本発明のガスバリア性積層体用基材の樹脂
層上に、金属および/または金属化合物からなる薄膜層
を形成することにより、ガスバリア性積層体が作成され
る。薄膜層を構成する金属としては、珪素、アルミニウ
ム、亜鉛、チタニウム、マグネシウム、錫、銅、鉄、ジ
ルコニウム、インジウムなどが挙げられる。また、金属
化合物としては、先に例示した金属の酸化物、窒化物、
硫化物、フッ化物などが挙げられる。特に、薄膜層が、
珪素酸化物SiOx(x:1.5以上〜2.0未満)か
らなる場合は、ガスバリア性、透明性の点で好ましい。
また、薄膜層が珪素酸化物および金属フッ化物からなる
場合は、さらに高い透明性およびガスバリア性を有する
点でより好ましい。
【0033】金属フッ化物としては、アルカリ土類金属
のフッ化物およびアルカリ金属のフッ化物があげられ
る。具体的には、フッ化マグネシウム、フッ化カルシウ
ム、フッ化ストロンチウム、フッ化バリウム、フッ化リ
チウム、フッ化ナトリウム、フッ化カリウム、フッ化ル
ビジウム、フッ化セシウム、フッ化フランシウム等があ
げられる。この中でも、特にフッ化マグネシウム、フッ
化カルシウムが、高度なガスバリア性と高い透明性を両
立できるため優れている。珪素酸化物および金属フッ化
物からなる薄膜層の組成比としては、珪素酸化物/金属
フッ化物=98〜80モル%/2〜20モル%の範囲が
好ましく、特に95〜90モル%/5〜10モル%の範
囲が望ましい。また、珪素酸化物と金属フッ化物の混合
物を薄膜層の原料として用いる場合、その組成比として
は、珪素酸化物/金属フッ化物=98〜70モル%/2
〜30モル%の範囲が望ましく、特に95〜85モル%
/5〜15モル%の範囲が望ましい。
【0034】金属および/または金属化合物の蒸着方法
としては、真空蒸着法、イオンプレーティング法、スパ
ッタリング法などが挙げられるが、特に真空蒸着法、イ
オンプレーティング法が、生産性の理由から好ましい。
蒸着時の加熱方法としては、抵抗加熱、エレクトロンビ
−ム加熱、高周波誘導加熱などの従来公知の加熱方法を
用いることが可能である。金属および/または金属化合
物からなる薄膜層の膜厚は、50〜5000Åが好まし
く、特に100〜1500Åが好ましい。膜厚が50Å
未満であると薄膜層に欠陥が生じ、ガスバリア性が不均
一となる場合があり、5000Åを越えると薄膜層の柔
軟性が失われ、クラック、ピンホール等の欠陥が発生し
てガスバリア性が低下する場合がある。
【0035】
【実施例】以下、本発明を実施例に基づいて具体的に説
明する。なお、実施例中、「部」および「%」は、「重
量部」および「重量%」をそれぞれ表す。 ・電子線の吸収線量:米国FarWestTechno
logy社のFWT60−00線量測定フィルム(厚さ
44.5μm)を使用して測定した。 ・酸素透過率:MOCON社製「OX−TRAN−TW
IN」を用いて、25℃、100%RHの条件下で測定
した。 ・水蒸気透過率:MOCON社製「PERMATRAN
−W−TWIN」を用いて、40℃、90%RHの条件
下で測定した。 ・密着性:JIS K 5400 8.5.2碁盤目テ
ープ法に準拠し、10×10の碁盤目状の升目に おい
て、テープ剥離評価前後における残存薄膜層の升目数X
個をX/100で示した。
【0036】[実施例1]エチレングリコールモノイソ
プロピルエーテル100部をフラスコ中で90℃に加温
し、メチルメタクリレート48.8部、エチルメタクリ
レート6.2部、2−ヒドロキシエチルメタクリレート
45部、過酸化物系重合開始剤(日本油脂社製「PB−
O」)2部からなる混合物を、滴下ロートを用い1時間
かけて滴下した。4時間反応させた後、数平均分子量が
14,000であるアクリル樹脂の溶液(固形分50
%)を得た。本アクリル樹脂のガラス転移温度は78℃
である。ペンタエリスリトールテトラアクリレート70
部に前記アクリル樹脂溶液60部を混合し、樹脂組成物
を調整し、ポリエチレンテレフタレートフィルム(東洋
紡績社製「E5101」、厚み50μm)の片面に、乾
燥膜厚3μmになるようコーターで塗工、100℃で乾
燥したのち、電子線照射装置(日新ハイボルテージ社
製)を用いて吸収線量50kGyの電子線を照射して樹
脂層を形成し、ガスバリア性積層体用基材を得た。得ら
れたガスバリア性積層体用基材の樹脂層上に、珪素と二
酸化珪素とフッ化マグネシウムの混合物(混合比45モ
ル%:45モル%:10モル%)からなる原料を、特開
平1−252768号公報に記載された蒸発原料を連続
的に供給排出する方式の連続巻き取り式抵抗加熱方式の
真空蒸着装置を用いて加熱真蒸着し、1200Åの薄膜
層を形成してガスバリア性積層体を得た。
【0037】[実施例2]ペンタエリスリトールテトラア
クリレート70部に、実施例1で得られたアクリル樹脂
溶液60部を混合し、さらに光開始剤(チバガイギー社
製「イルガキュア907」)5部を混合して樹脂組成物
を調整し、ポリエチレンテレフタレートフィルム(東洋
紡績社製「E5101」、厚み50μm)の片面に、乾
燥膜厚3μmになるようコーターで塗工、100℃で乾
燥したのち、コンベア搬送式紫外線照射装置を用いて、
照射エネルギー300mJ/m2の紫外線を照射して樹脂
層を形成し、ガスバリア性積層体用基材を得た。得られ
たガスバリア性積層体用基材の樹脂層上に、実施例1と
同様にして薄膜層を形成し、ガスバリア性積層体を得
た。
【0038】[実施例3]エチレングリコールモノイソプ
ロピルエーテル100部をフラスコ中で90℃に加温
し、メチルメタクリレート41部、2−ヒドロキシエチ
ルメタクリレート20部、エチルメタクリレート39
部、過酸化物系重合開始剤(日本油脂社製「PB−
O」)2部からなる混合物を、滴下ロートを用い1時間
かけて滴下した。4時間反応させた後、数平均分子量が
18,000であるアクリル樹脂の溶液(固形分50
%)を得た。本アクリル樹脂のガラス転移温度は78℃
である。ペンタエリスリトールテトラアクリレート70
部に前記アクリル樹脂溶液60部を混合し、樹脂組成物
を調整し、ポリエチレンテレフタレートフィルム(東洋
紡績社製「E5101」、厚み50μm)の片面に、実
施例1と同様にして樹脂層を形成し、ガスバリア性積層
体用基材を得た。得られたガスバリア性積層体用基材の
樹脂層上に、実施例1と同様にして薄膜層を形成し、ガ
スバリア性積層体を得た。
【0039】[実施例4]エチレングリコールモノイソプ
ロピルエーテル100部をフラスコ中で90℃に加温
し、メチルメタクリレート45部、2−ヒドロキシエチ
ルメタクリレート55部、過酸化物系重合開始剤(日本
油脂社製「PB−O」)2部からなる混合物を、滴下ロ
ートを用い1時間かけて滴下した。4時間反応させた
後、数平均分子量が13,000であるアクリル樹脂の
溶液(固形分50%)を得た。本アクリル樹脂のガラス
転移温度は76℃である。ペンタエリスリトールテトラ
アクリレート70部に前記アクリル樹脂溶液60部を混
合し、樹脂組成物を調整し、ポリエチレンテレフタレー
トフィルム(東洋紡績社製「E5101」、厚み50μ
m)の片面に、実施例1と同様にして樹脂層を形成し、
ガスバリア性積層体用基材を得た。得られたガスバリア
性積層体用基材の樹脂層上に、実施例1と同様にして薄
膜層を形成し、ガスバリア性積層体を得た。
【0040】[実施例5]ペンタエリスリトールテトラア
クリレート70部に、実施例1で得られたアクリル樹脂
溶液60部、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシ
シランを5部添加し、混合して樹脂組成物を調整し、ポ
リエチレンテレフタレートフィルム(東洋紡績社製「E
5101」、厚み50μm)の片面に、実施例1と同様
にして樹脂層を形成し、ガスバリア性積層体用基材を得
た。得られたガスバリア性積層体用基材の樹脂層上に、
実施例1と同様にして薄膜層を形成し、ガスバリア性積
層体を得た。
【0041】[実施例6]エチレンオキサイド変性ビスフ
ェノールAジアクリレート(東亞合成社製「アロニック
スM210」)70部に、実施例1で得られたアクリル
樹脂溶液60部を混合し、樹脂組成物を調整し、ポリエ
チレンテレフタレートフィルム(東洋紡績社製「E51
01」、厚み50μm)の片面に、実施例1と同様にし
て樹脂層を形成し、ガスバリア性積層体用基材を得た。
得られたガスバリア性積層体用基材の樹脂層上に、実施
例1と同様にして薄膜層を形成し、ガスバリア性積層体
を得た。
【0042】[実施例7]ウレタンアクリレート(共栄社
化学社製「UA306H」)70部に、実施例1で得ら
れたアクリル樹脂溶液60部を混合し、樹脂組成物を調
整し、ポリエチレンテレフタレートフィルム(東洋紡績
社製「E5101」、厚み50μm)の片面に、実施例
1と同様にして樹脂層を形成し、ガスバリア性積層体用
基材を得た。得られたガスバリア性積層体用基材の樹脂
層上に、実施例1と同様にして薄膜層を形成し、ガスバ
リア性積層体を得た。
【0043】[実施例8]ペンタエリスリトールテトラア
クリレート50部に、実施例1で得られたアクリル樹脂
溶液100部を混合し、樹脂組成物を調整し、ポリエチ
レンテレフタレートフィルム(東洋紡績社製「E510
1」、厚み50μm)の片面に、実施例1と同様にして
樹脂層を形成し、ガスバリア性積層体用基材を得た。得
られたガスバリア性積層体用基材の樹脂層上に、実施例
1と同様にして薄膜層を形成し、ガスバリア性積層体を
得た。
【0044】[実施例9]ペンタエリスリトールテトラア
クリレート30部に、実施例1で得られたアクリル樹脂
溶液140部を混合し、樹脂組成物を調整し、ポリエチ
レンテレフタレートフィルム(東洋紡績社製E510
1、厚み50μm)の片面に、実施例1と同様にして樹
脂層を形成し、ガスバリア性積層体用基材を得た。得ら
れたガスバリア性積層体用基材の樹脂層上に、実施例1
と同様にして薄膜層を形成し、ガスバリア性積層体を得
た。
【0045】[実施例10]エチレングリコールモノイソ
プロピルエーテル100部をフラスコ中で90℃に加温
し、アクリル酸35部、メチルメタクリレート25部、
エチルメタクリレート40部、過酸化物系重合開始剤
(日本油脂社製「PB−O」)2部からなる混合物を、
滴下ロートを用い1時間かけて滴下した。4時間反応さ
せた後、数平均分子量が25,000であるアクリル樹
脂の溶液(固形分50%)を得た。本アクリル樹脂のガ
ラス転移温度は88℃である。ペンタエリスリトールテ
トラアクリレート70部に前記アクリル樹脂溶液60部
を混合し、樹脂組成物を調整し、ポリエチレンテレフタ
レートフィルム(東洋紡績社製「E5101」、厚み5
0μm)の片面に、実施例1と同様にして樹脂層を形成
し、ガスバリア性積層体用基材を得た。得られたガスバ
リア性積層体用基材の樹脂層上に、実施例1と同様にし
て薄膜層を形成し、ガスバリア性積層体を得た。
【0046】[実施例11]実施例1で得られたガスバリ
ア性積層体用基材の樹脂層上に、珪素と二酸化珪素の混
合物(混合比50モル%:50モル%)を原料として、
実施例1と同様の蒸着装置を用い、1200Åの厚みの
薄膜層を形成して、ガスバリア性積層体を得た。
【0047】[比較例1]イソオクチルアクリレート70
部に、実施例1で得られたアクリル樹脂溶液60部を混
合し、樹脂組成物を調整し、ポリエチレンテレフタレー
トフィルム(東洋紡績社製「E5101」、厚み50μ
m)の片面に、乾燥膜厚3μmになるようコーターで塗
工、80℃で乾燥したのち、実施例1と同様にして電子
線を照射したが、樹脂組成物の硬化が不十分であり、樹
脂層上に薄膜層を設けることができなかった。
【0048】[比較例2]エチレングリコールモノイソプ
ロピルエーテル100部をフラスコ中で90℃に加温
し、n−ブチルメタクリレート16部、エチルアクリレ
ート39部、2−ヒドロキシエチルメタクリレート45
部、過酸化物系重合開始剤(日本油脂社製「PB−
O」)1部からなる混合物を、滴下ロートを用い1時間
かけて滴下した。4時間反応させた後、数平均分子量が
35,000のアクリル樹脂の溶液(固形分50%)を
得た。本アクリル樹脂のガラス転移温度は15℃であ
る。ペンタエリスリトールテトラアクリレート70部に
前記アクリル樹脂溶液60部を混合し、樹脂組成物を調
整し、ポリエチレンテレフタレートフィルム(東洋紡績
社製「E5101」、厚み50μm)の片面に、実施例
1と同様にして樹脂層を形成し、ガスバリア性積層体用
基材を得た。得られたガスバリア性積層体用基材の樹脂
層上に、実施例1と同様にして薄膜層を形成し、ガスバ
リア性積層体を得た。
【0049】実施例1〜11、比較例2で得られたガス
バリア性積層体について、酸素透過率、水蒸気透過率、
密着性の評価を行った。評価結果を表に示す。評価の結
果、実施例1〜11で得られたガスバリア性積層体は、
いずれも高度な酸素透過率、水蒸気透過率を有し、高い
ガスバリア性を発現していた。また、密着性も良好なも
のであった。一方、比較例1については樹脂組成物の硬
化が不完全であり、樹脂層上に薄膜層を形成できなかっ
た。また、比較例2で得られたガスバリア性積層体は、
実施例1〜11のガスバリア性積層体と比較すると酸素
透過率、水蒸気透過率ともに大きく劣るものであった。
【0050】
【表1】
【0051】
【発明の効果】本発明のガスバリア性積層体用基材を用
いることにより、従来よりも飛躍的にガスバリア性を向
上したガスバリア性積層体を形成することが可能とな
る。また、本発明のガスバリア性積層体は、酸素、水蒸
気等のガスにおいて、湿度依存のない優れた高いガスバ
リア性を有し、一般的な包装材料をはじめ、高いバリア
性を要求される電子材料部材および包装材料等の用途に
好適に用いることができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4F006 AA11 AA31 AB12 AB24 BA05 CA07 EA03 4F100 AA20D AA20E AB01D AB01E AH08D AH08E AK01A AK01B AK01C AK04B AK04C AK25B AK25C AK28B AK28C AK42 AL01B AL01C AL05B AL05C BA02 BA03 BA04 BA05 BA06 BA07 BA10B BA10C BA10D BA10E EH46 EH462 EH66 EH662 EJ08 EJ082 EJ52 EJ522 GB07 GB23 GB41 GB66 GB90 JA05B JA05C JB12B JB12C JD02 JD02B JD02C YY00B YY00C 4K029 AA11 AA25 BA64 BC00 FA07

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】プラスチックフィルムの片面または両面
    に、エチレン性不飽和二重結合を2個以上有する化合物
    (A)、およびガラス転移温度が60℃以上200℃以
    下のアクリル系樹脂(B)を含む樹脂組成物の硬化物か
    らなる樹脂層を有することを特徴とするガスバリア性積
    層体用基材。
  2. 【請求項2】アクリル系樹脂(B)が、ホモポリマーの
    ガラス転移温度が−100℃以上60℃未満のラジカル
    重合性モノマー(b1)と、ホモポリマーのガラス転移
    温度が60℃以上200℃以下のラジカル重合性モノマ
    ー(b2)との共重合体であることを特徴とする請求項
    1記載のガスバリア性積層体用基材。
  3. 【請求項3】アクリル系樹脂(B)を構成するラジカル
    重合性モノマー(b1)または(b2)が、水酸基およ
    び/またはカルボキシル基を有することを特徴とする請
    求項2記載のガスバリア性積層体用基材。
  4. 【請求項4】プラスチックフィルムの片面または両面
    に、エチレン性不飽和二重結合を2個以上有する化合物
    (A)、およびガラス転移温度が60℃以上200℃以
    下のアクリル系樹脂(B)を含む樹脂組成物を塗布した
    のち、活性エネルギー線を照射して前記樹脂組成物を硬
    化し樹脂層を形成することを特徴とするガスバリア性積
    層体用基材の製造方法。
  5. 【請求項5】請求項1ないし3いずれか1項に記載のガ
    スバリア性積層体用基材の樹脂層上に、金属および/ま
    たは金属化合物からなる薄膜層を有することを特徴とす
    るガスバリア性積層体。
  6. 【請求項6】薄膜層が珪素酸化物および金属フッ化物か
    らなることを特徴とする請求項5記載のガスバリア性積
    層体。
JP2001316141A 2001-10-15 2001-10-15 ガスバリア性積層体用基材、その製造方法、およびそれを用いたガスバリア性積層体 Expired - Fee Related JP3804509B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001316141A JP3804509B2 (ja) 2001-10-15 2001-10-15 ガスバリア性積層体用基材、その製造方法、およびそれを用いたガスバリア性積層体

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001316141A JP3804509B2 (ja) 2001-10-15 2001-10-15 ガスバリア性積層体用基材、その製造方法、およびそれを用いたガスバリア性積層体

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2003118046A true JP2003118046A (ja) 2003-04-23
JP3804509B2 JP3804509B2 (ja) 2006-08-02

Family

ID=19134196

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001316141A Expired - Fee Related JP3804509B2 (ja) 2001-10-15 2001-10-15 ガスバリア性積層体用基材、その製造方法、およびそれを用いたガスバリア性積層体

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3804509B2 (ja)

Cited By (16)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005290230A (ja) * 2004-03-31 2005-10-20 Dainippon Printing Co Ltd 帯電防止層を有する反射防止フィルム及び帯電防止層形成用コーティング組成物
JP2005313560A (ja) * 2004-04-30 2005-11-10 Dainippon Printing Co Ltd ガスバリア性フィルム
US20060222793A1 (en) * 2003-04-25 2006-10-05 Masayuki Kashimura Heat-shrinkable layered film and package made with the same
JP2007276421A (ja) * 2006-04-12 2007-10-25 Kureha Corp 延伸成形用シート、その製造方法ならびにガスバリア性延伸成形体
JP2009209341A (ja) * 2008-03-04 2009-09-17 Rohm & Haas Co エポキシ官能性アクリルコーティング粉体および向上された糸状腐食耐性を有する前記粉体からの粉体塗膜
JP2010030290A (ja) * 2008-06-26 2010-02-12 Fujifilm Corp バリア性積層体、ガスバリアフィルム、デバイスおよび積層体の製造方法
JP2010182758A (ja) * 2009-02-03 2010-08-19 Toyo Gosei Kogyo Kk 樹脂パターン形成用光硬化性組成物及びそれを用いたパターン形成方法
JP2010234340A (ja) * 2009-03-31 2010-10-21 Fujifilm Corp 機能性フィルム及びその製造方法
JP2010234791A (ja) * 2008-04-14 2010-10-21 Fujifilm Corp バリア性積層体、バリア性フィルム基板およびデバイス
JP2011084776A (ja) * 2009-10-15 2011-04-28 Fujifilm Corp 機能性フィルム及びその製造方法
JP2011201135A (ja) * 2010-03-25 2011-10-13 Fujifilm Corp ガスバリアフィルムおよびデバイス
US8540837B2 (en) 2009-02-26 2013-09-24 Fujifilm Corporation Functional film and method for manufacturing the functional film
JP2013226767A (ja) * 2012-04-27 2013-11-07 Dainippon Printing Co Ltd ガスバリア性フィルムの製造方法
JP2014517082A (ja) * 2011-03-23 2014-07-17 エルジー・ケム・リミテッド 光学フィルム用感圧粘着剤組成物
JP2014162176A (ja) * 2013-02-27 2014-09-08 Toppan Printing Co Ltd ガスバリア性積層フィルム
JP2018034489A (ja) * 2016-09-02 2018-03-08 三井化学株式会社 積層体及びその製造方法、

Cited By (20)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US20060222793A1 (en) * 2003-04-25 2006-10-05 Masayuki Kashimura Heat-shrinkable layered film and package made with the same
JP2005290230A (ja) * 2004-03-31 2005-10-20 Dainippon Printing Co Ltd 帯電防止層を有する反射防止フィルム及び帯電防止層形成用コーティング組成物
JP4536417B2 (ja) * 2004-04-30 2010-09-01 大日本印刷株式会社 ガスバリア性フィルム
JP2005313560A (ja) * 2004-04-30 2005-11-10 Dainippon Printing Co Ltd ガスバリア性フィルム
JP2007276421A (ja) * 2006-04-12 2007-10-25 Kureha Corp 延伸成形用シート、その製造方法ならびにガスバリア性延伸成形体
JP2009209341A (ja) * 2008-03-04 2009-09-17 Rohm & Haas Co エポキシ官能性アクリルコーティング粉体および向上された糸状腐食耐性を有する前記粉体からの粉体塗膜
JP2010234791A (ja) * 2008-04-14 2010-10-21 Fujifilm Corp バリア性積層体、バリア性フィルム基板およびデバイス
US8637147B2 (en) 2008-06-26 2014-01-28 Fujifilm Corporation Barrier laminate, gas barrier film and device using the same
JP2010030290A (ja) * 2008-06-26 2010-02-12 Fujifilm Corp バリア性積層体、ガスバリアフィルム、デバイスおよび積層体の製造方法
JP2010182758A (ja) * 2009-02-03 2010-08-19 Toyo Gosei Kogyo Kk 樹脂パターン形成用光硬化性組成物及びそれを用いたパターン形成方法
US8540837B2 (en) 2009-02-26 2013-09-24 Fujifilm Corporation Functional film and method for manufacturing the functional film
JP2010234340A (ja) * 2009-03-31 2010-10-21 Fujifilm Corp 機能性フィルム及びその製造方法
JP2011084776A (ja) * 2009-10-15 2011-04-28 Fujifilm Corp 機能性フィルム及びその製造方法
US8591688B2 (en) 2009-10-15 2013-11-26 Fujifilm Corporation Functional film and method for producing the same
JP2011201135A (ja) * 2010-03-25 2011-10-13 Fujifilm Corp ガスバリアフィルムおよびデバイス
US8758889B2 (en) 2010-03-25 2014-06-24 Fujifilm Corporation Gas barrier film and device
JP2014517082A (ja) * 2011-03-23 2014-07-17 エルジー・ケム・リミテッド 光学フィルム用感圧粘着剤組成物
JP2013226767A (ja) * 2012-04-27 2013-11-07 Dainippon Printing Co Ltd ガスバリア性フィルムの製造方法
JP2014162176A (ja) * 2013-02-27 2014-09-08 Toppan Printing Co Ltd ガスバリア性積層フィルム
JP2018034489A (ja) * 2016-09-02 2018-03-08 三井化学株式会社 積層体及びその製造方法、

Also Published As

Publication number Publication date
JP3804509B2 (ja) 2006-08-02

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3804509B2 (ja) ガスバリア性積層体用基材、その製造方法、およびそれを用いたガスバリア性積層体
EP0656258B1 (en) Transparent functional membrane containing functional ultrafine particles, transparent functional film, and process for producing the same
JP5966821B2 (ja) ガスバリア積層フィルム
JP2007327065A (ja) 積層ポリエステルフィルム
TWI464066B (zh) 積層體
JP4536417B2 (ja) ガスバリア性フィルム
JP2004284158A (ja) ハードコートフィルム
JP3972693B2 (ja) ガスバリア性積層体用基材、およびそれを用いたガスバリア性積層体
JP2004309932A (ja) 表示素子用基材、表示パネル、表示装置及び表示素子用基材の製造方法
JP7115501B2 (ja) 積層バリアフィルム。
KR101768461B1 (ko) 도포 필름
TW201805158A (zh) 層合體及保護薄膜
JP4052036B2 (ja) 無機酸化物被覆用活性エネルギー線硬化型ガスバリア向上樹脂組成物、それを用いたガスバリア性積層体、およびその製造方法
JP2003048271A (ja) 透明水蒸気バリアフィルム
JP2004027049A (ja) 無機酸化物被覆用活性エネルギー線硬化型ガスバリア向上樹脂組成物、それを用いたガスバリア性積層体、およびその製造方法
JP2003183429A (ja) 積層ポリエステルフィルム
JP7122108B2 (ja) 電離放射線硬化性樹脂組成物、及びこれを用いたガスバリア層の保護膜、並びに、これらを用いた積層ガスバリア性フィルム
JP2007021930A (ja) 偏光板保護フィルム用基材
JP4175040B2 (ja) 無機酸化物被覆用活性エネルギー線硬化型ガスバリア向上樹脂組成物、それを用いたガスバリア性積層体、およびその製造方法
JP2004217742A (ja) ポリエステルフィルム
CN113242792A (zh) 透明导电层形成用基材、透明导电性膜、触摸面板以及透明导电层形成用基材的制造方法
JP3263485B2 (ja) 表面保護粘着フィルム
JP2004143202A (ja) 活性エネルギー線硬化性組成物、それを用いた硬化皮膜の形成方法およびその硬化物、ならびに反射防止体
JP2008229950A (ja) 導電性フィルム
JPH10329286A (ja) ポリプロピレン複合フィルム材料

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20040709

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20060412

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20060418

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20060501

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees