JP5109510B2 - ガスバリア性フィルムの製造方法及びそのフィルム - Google Patents
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Description
より詳しくは、本発明の製造方法で製造されるガスバリア性フィルムは、加水分解性金属化合物由来の加水分解縮合物が均一かつ微細に分散した、多価金属イオン架橋ポリカルボン酸から形成されるポリカルボン酸フィルムであり、酸素等のガスバリア性に優れ、また、中性の水、及び高温水蒸気や熱水の影響で外観、形状、及びガスバリア性が損なわれることがない耐性を有する。また、本発明は、工業的に簡便で安価なガスバリア性フィルムの製造方法、及びガスバリア性フィルムに関する。
(2)基材1上にある塗膜または該塗膜上に別の基材2を被覆して両基材間に挟まれた塗膜を重合処理して、α,β−不飽和カルボン酸重合体と加水分解性金属化合物とを含有するフィルムを形成する工程2;及び(3)該フィルムに多価金属イオンを付与して、該α,β−不飽和カルボン酸重合体を多価金属イオン架橋する工程3;を含む、温度30℃、相対湿度80%の条件下で測定した酸素透過度が10×10−3cm3(STP)/(m2・s・MPa)以下のガスバリア性フィルムの製造方法」により製造された、加水分解性金属化合物由来の加水分解縮合物含有多価金属イオン架橋ポリカルボン酸から形成されるガスバリア性フィルムは、SEM写真で観察したところ、多価金属イオン架橋ポリカルボン酸の相中に、加水分解性金属化合物由来の加水分解縮合物が粒径20nm以下の相で均一に微分散していることを見出した(図1)。
(1)基材1上に、α,β−不飽和カルボン酸単量体、並びにハロゲン原子及びアルコキシ基からなる群より選ばれる少なくとも一種の官能基が金属原子に結合した加水分解性金属化合物を含有する重合性組成物からなる塗工液を塗布して、塗膜を形成する工程1;
(2)基材1上にある塗膜または該塗膜上に別の基材2を被覆して両基材間に挟まれた塗膜を重合処理して、α,β−不飽和カルボン酸重合体と加水分解性金属化合物とを含有するフィルムを形成する工程2;及び
(3)該フィルムに多価金属イオンを付与して、該α,β−不飽和カルボン酸重合体を多価金属イオン架橋する工程3;
を含む、温度30℃、相対湿度80%の条件下で測定した酸素透過度が10×10−3cm3(STP)/(m2・s・MPa)以下のガスバリア性フィルムの製造方法が提供される。
工程1では、基材1上に、α,β−不飽和カルボン酸単量体、並びにハロゲン原子及びアルコキシ基からなる群より選ばれる少なくとも一種の官能基が金属原子に結合した加水分解性金属化合物を含有する重合性組成物からなる塗工液を塗布して、塗膜を形成する。
本発明で用いるα,β−不飽和カルボン酸単量体とは、不飽和カルボン酸の炭素−炭素二重結合を形成する2つの炭素原子のうちの少なくとも1つの炭素原子にカルボキシル基が結合した構造の不飽和カルボン酸単量体である。炭素−炭素二重結合は、エチレン性の二重結合であるため、この不飽和カルボン酸は、重合性単量体としての機能を有している。
M1(OR1)nR2 m−n−t−sX1 tZ1 s …(I)
〔式I中、M1は、Si、Al、Ti、Zr、Cu、Ca、Sr、Ba、Zn、B、Ga、Y、Ge、Pb、P、Sb、V、Ta、W、LaまたはNdであり、R1はアルキル基、R2は、アルキル基、アラルキル基、アリール基、アルケニル基、Z1は、カルボキシル基と反応性を有する官能基を有する有機基を示す。X1はハロゲン原子を表す。mはM1の原子価と等しい。nは0〜m、tは0〜m、sは0若しくは1の整数であり、1≦n+t、n+t+s≦mである。〕
前記式Iにおいて、n及びtがそれぞれ0〜(m−1)(但し、1≦n+t≦m−1)である。
前記式Iにおいて、n及びtがn+t=mである。
本発明の重合性組成物(polymerizable monomer composition)は、ガスバリア性フィルムを塗布法により製造する際に、基材上に塗布する塗工液(コーティング液)として使用されるものである。
ベンゾフェノンなどのベンゾフェノン類;ミヒラーケトンなどのミヒラーケトン類;ベンジル、ベンジルメチルエーテルなどのベンジル類;ベンゾイン、2−メチルベンゾインなどのベンゾイン類;ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインブチルエーテルなどのベンゾインエーテル類;ベンジルジメチルケタールなどのベンジルジメチルケタール類;チオキサントンなどのチオキサントン類;プロピオフェノン、アントラキノン、アセトイン、ブチロイン、トルオイン、ベンゾイルベンゾエート、α−アシロキシムエステル;などのカルボニル化合物を挙げることができる。
本発明の基材としては、特に限定されないが、紙、プラスチックフィルム(シートを含む)、及びゴムが好ましく用いられる。基材は、一般に、フィルムまたはシートの形態で使用されるが、所望によりプラスチック容器、チューブ、及びタイヤなどの立体形状を有する成形品であってもよい。重合性組成物(塗工液、コーティング液)を塗布するのに用いる基材は、塗膜の支持体として機能する。
本発明の重合性組成物(塗工液、コーティング液)を基材(支持体)上に塗布するには、該基材の片面または両面に、スプレー法、ディッピング法、コーターを用いた塗布法、印刷機による印刷法など任意の塗工法を利用することができる。コーターや印刷機を用いて塗布する場合には、例えば、ダイレクトグラビア方式、リバースグラビア方式、キスリバースグラビア方式、オフセットグラビア方式などのグラビアコーター;リバースロールコーター、マイクログラビアコーター、エアナイフコーター、ディップコーター、バーコーター、コンマコーター、ダイコーターなどの各種方式を採用することができる。
工程1の後、塗膜を若干乾燥してもよいが、湿潤状態のままで工程2を行うのが普通である。
工程2においては、基材1上にある塗膜または該塗膜上に別の基材2を被覆して両基材間に挟まれた塗膜を重合処理して、α,β−不飽和カルボン酸重合体と加水分解性金属化合物とを含有するフィルムを形成する。
本発明では、基材上に重合性組成物を塗布して塗膜を形成した後、該塗膜に電離放射線を照射したり、加熱したり、あるいはこれら両方の処理を行うことにより、α,β−不飽和カルボン酸単量体を重合させることが好ましい。多官能モノマーなどの他の重合性単量体を添加した場合には、これらの重合性単量体も重合することが好ましい。
工程3においては、フィルムに多価金属イオンを付与して、α,β−不飽和カルボン酸重合体を多価金属イオン架橋する。
多価金属イオンは、工程2で製造されたフィルムを形成しているポリカルボン酸に対して、多価金属イオン架橋を行うために付与される。
工程3の多価金属イオンの付与は、工程2より得られた「基材1/フィルム」を多価金属イオンを含有した溶液中に浸漬させることによって行うことが好ましい。
工程3の後、熱処理は必ずしも行う必要はないが、熱処理を行うことで未反応の加水分解性金属化合物由来の加水分解物の縮合反応を進め、加水分解性金属化合物由来の加水分解縮合物が分散した多価金属イオン架橋ポリカルボン酸フィルムのガスバリア性をさらに向上させることができる。熱処理は、必ずしも行う必要はないが、行う場合には、フィルムを通常50〜250℃、好ましくは60〜240℃、より好ましくは70〜230℃の温度で処理することにより行う。処理時間は、熱処理温度や熱処理条件にもよるが、連続的処理を行う場合には、通常1秒間から120分間、好ましくは2秒間から60分間、より好ましくは5秒間〜30分間である。加熱炉内に搬送することにより乾熱雰囲気で行うことができるが、該多層構造物を加熱ロールと接触させることにより行うこともできる。
本発明のガスバリア性フィルムは、酸素ガスバリア性に優れている。すなわち、本発明のガスバリア性フィルムは、温度30℃、相対湿度80%の高湿条件下で測定した酸素透過度が通常10×10−3cm3(STP)/(m2・s・MPa)以下、好ましくは5×10−3cm3(STP)/(m2・s・MPa)以下、より好ましくは1×10−3cm3(STP)/(m2・s・MPa)以下、特に好ましくは5×10−4cm3(STP)/(m2・s・MPa)以下である。
本発明の製造方法で製造されたガスバリア性フィルムは、基材1(支持体)及び基材2(被覆材)を剥離して単層のフィルムとして用いることができるが、基材1または基材2と一体化した多層フィルムとして用いることが好ましい。本発明の製造方法で製造されたガスバリア性フィルムは、「基材/フィルム」、「基材/フィルム/多価金属含有層」の群から選ばれる層構成を持つ多層の積層体であることもできる。各層の厚みは、使用目的に合わせて適宜定めることができる。本発明の製造方法で製造されたガスバリア性フィルムの厚み(乾燥厚み)は、ガスバリア性の観点から、通常0.001μm〜1mm、好ましくは0.01〜100μm、より好ましくは0.04〜10μmの範囲となるように調整することが好ましい。
本発明の製造方法で製造されたガスバリア性フィルムは、ガスバリア性包装体やガスバリア性容器などとして利用することができる。本発明の製造方法で製造されたガスバリア性フィルムは、酸素によって変質を受け易い食品、飲料、薬品、医薬品、電子部品、精密金属部品などの包装体や容器として特に好適である。
・酸素透過度
本発明における酸素透過度は、次の測定法によって測定されたものである。
下記の実施例及び比較例において、基材として使用しているプラスチックフィルムは下記の通りである。
(2)PET#50:ポリエチレンテレフタレートフィルム、東レ(株)製ルミラー(登録商標)S10、厚さ50μm;
(3)ONy#15:二軸延伸6ナイロンフィルム、ユニチカ(株)製エムブレム(登録商標)ONBC、厚さ15μm、片面コロナ処理品
(4)OPP#20:二軸延伸ポリプロピレンフィルム、東レ(株)製トレファン(登録商標)BO、厚さ20μm、片面コロナ処理品
(6)PI#25:ポリイミドフィルム、東レ・デュポン(株)製カプトン(登録商標)100EN、厚さ25μm、片面コロナ処理品
(7)アート紙:坪量100g/m2(厚さ120μm)、アート紙とは、カオリン等の無機物や樹脂、それらの混合物により表面が平滑化された紙材である。
(8)エチレンプロピレン(EPT)ゴムシート、クレハエラストマー(株)製EPT508Z、厚さ1mm
[溶液S−1]
加水分解性金属化合物aとしてγ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(GPTMS、信越シリコーン社製)13.6重量部と、加水分解性金属化合物bとしてテトラメトキシシラン(TMOS、信越シリコーン社製)36.4重量部を混合したものに、0.1N塩酸水溶液(和光純薬製)を7.2重量部添加し室温で15分間攪拌し加水分解及び重縮合反応をおこなった。
γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン1.7重量部及びテトラメトキシシラン15.6重量部を混合したものに、0.1N塩酸水溶液を2.9重量部添加し、10℃で1時間攪拌し、加水分解及び重縮合反応させた。得られたゾルに対して、アクリル酸100重量部、ポリビニルアルコール〔クラレ社製ポパール(登録商標)110〕5重量部及び蒸留水52重量部を混合したものを加えて混合し、表1中に示すような組成の溶液S−2を得た。
γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン6.6重量部、及びテトラメトキシシラン26.2重量部を混合したものに、蒸留水を6重量部添加し、室温で15分間攪拌し、加水分解及び重縮合反応させた。得られたゾルに対して、アクリル酸100重量部と0.01N水酸化ナトリウム水溶液(和光純薬製)を27.3重量部とを混合した溶液を加えて混合し、表1中に示すような組成の溶液S−3を得た。
加水分解性金属化合物aとしてγ−アミノプロピルトリメトキシシラン(APTMS、アルドリッチ社製)28.3重量部及び加水分解性金属化合物bとしてテトラメトキシシラン27.8重量部を混合したものに、0.1N塩酸水溶液を11重量部添加し、室温で15分間攪拌し加水分解及び重縮合反応させた。次いで得られたゾルに対して、アクリル酸100重量部及びデカグリセリンラウレート〔理研ビタミン社製ポエム(登録商標)L−021〕13.2重量部及び蒸留水8.5重量部を混合した溶液を加えて混合し、表1中に示すような組成の溶液S−4を得た。
γ−アミノプロピルトリメトキシシラン95重量部及びテトラメトキシシラン5重量部を混合したものに蒸留水15.5重量部を添加し、室温で15分間攪拌し、加水分解及び重縮合反応させた。得られたゾルに対して、アクリル酸100重量部及び蒸留水93.4重量部を混合した溶液を加えて混合し、表1中に示すような組成の溶液S−5を得た。
加水分解性金属化合物aとしてビニルトリメトキシシラン(VTMS、アルドリッチ社製)1.0重量部、及び加水分解性金属化合物bとしてテトラエトキシシラン(TEOS、アルドリッチ社製)5.0重量部を混合したものに、0.1N塩酸水溶液を1.0重量部添加し室温で15分間攪拌し、加水分解及び重縮合反応させた。次いで得られたゾルに対して、アクリル酸100重量部と蒸留水56.2重量部を混合した溶液を加えて混合し、表1中に示すような組成の溶液S−6を得た。
加水分解性金属化合物aとしてメタクリロキシプロピルトリメトキシシラン(MPTMS、アルドリッチ社製)7.3重量部及び加水分解性金属化合物bとしてテトラエトキシシラン60.0重量部を混合したものに0.1N塩酸水溶液を11重量部添加し、10℃で1時間攪拌し、加水分解及び重縮合反応させた。次いで得られたゾルに対して、アクリル酸100重量部とポリアクリルアミド(MW=10000)50重量%水溶液(和光純薬製)28重量部、蒸留水13.4重量部を混合した溶液を加えて混合し、表1中に示すような組成の溶液S−7を得た。
γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン65重量部及びテトラエトキシシラン176重量部を混合したものに、0.1N塩酸水溶液12.7重量部及び蒸留水36.4重量部を混合したものを添加し、室温で15分間攪拌し、加水分解及び重縮合反応させた。次いでアクリル酸100重量部、蒸留水32.8重量部、過硫酸アンモニウム2.7重量部を混合した溶液を加えて混合し、表1中に示すような組成の溶液S−8を得た。
加水分解性金属化合物aとしてメチルトリクロロシラン(MTCS、信越シリコーン社製)4重量部、及び加水分解性金属化合物bとしてテトラエトキシシラン17.8重量部を混合したものに、0.1N塩酸水溶液3.8重量部を添加し、0℃で20分間攪拌し、加水分解及び重縮合反応させた。更に、メタクリル酸(和光純薬社製)100重量部と蒸留水80重量部とを混合した溶液を加えて混合し、表1中に示すような組成の溶液S−9を得た。
γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン6.2重量部及びテトラエトキシシラン55.5重量部を混合したものに、0.1N塩酸水溶液13.8重量部を添加し、20℃で30分間攪拌し、加水分解及び重縮合反応させた。更にマレイン酸(和光純薬社製)100重量部と蒸留水125重量部とを混合した溶液を加えて混合し、表1中に示すような組成の溶液S−10を得た。
γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン0.5重量部及びテトラメトキシシラン7.1重量部を混合したものに0.1N塩酸水溶液1.7重量部添加し、室温で15分間攪拌し、加水分解及び重縮合反応させた。更に、アクリル酸100重量部と蒸留水35.3重量部を混合した溶液を加えて混合し、表1中に示すような組成の溶液S−11を得た。
γ−アミノプロピルトリメトキシシラン9.0重量部に対し、0.1N塩酸水溶液1.4重量部添加し、氷浴中にて15分間攪拌し、加水分解及び重縮合反応を進行させた。更に、アクリル酸100重量部を加えて混合し、表1中に示すような組成の溶液S−12を得た。
γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン87.6重量部及びテトラメトキシシラン350重量部を混合したものに、0.1N塩酸水溶液21.0重量部及び蒸留水72重量部を混合したものを添加し、室温で15分間攪拌した。次いで、東亜合成(株)製ポリアクリル酸(PAA)アロンA−1OH(登録商標)(数平均分子量20000、25重量%水溶液)を400重量部混合した溶液を加えて混合し、表1中に示すような組成の溶液S−51を得た。
ビニルトリメトキシシラン12.5重量部及びテトラメトキシシラン59.5重量部を混合したものに、0.1N塩酸水溶液を12.6重量部添加し20℃で15分間攪拌し、加水分解及び重縮合反応させた。得られたゾルに対して、蒸留水110重量部を混合した溶液を加えて混合し、表1中に示すような組成の溶液S−52を得た。
γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン466重量部に対し、0.1N塩酸水溶液を7.6重量部及び蒸留水45.7重量部を混合したものを添加し、室温で15分間攪拌し、加水分解及び重縮合反応させた。得られたゾルに、前述のアロンA−10H400重量部を混合した溶液を加えて表1中に示すような組成の溶液S−53を得た。
テトラメトキシシラン91重量部に対し、0.1N塩酸水溶液を15.4重量部添加し、室温で15分間撮排し、加水分解及び重縮合反応させた。得られたゾルに、前述のアロンA−10H78重量部を混合した溶液を加えて表1中に示すような組成の溶液S−54を得た。
[前駆体P−1]
前記で調製した溶液(S−1)を、調製後速やかに卓上コーター(RK Print−Coat Instruments 社製 K303PR00FER)を用いて、ポリエチレンテレフタレート(PET#50)上に成膜後の厚みが1μmとなるようにコーティングした。塗工後、速やかに「基材(PET)/溶液S−1塗膜」の層構成を持つ多層構造物を得た。次いで溶液S−1塗膜の上から、トレー搬送コンベア方式のEB照射装置(CB250/15/180L 岩崎電気製EB装置)を用いて、加速電圧100kV、搬送速度10m/min、照射線量50kGyの条件で電離放射線(EB)を照射した。照射後、多層構成物をギアオーブンで100℃、24時間の熱処理を行い、表2に示すような前駆体P−1を得た。
前記で調製した溶液(S−2)を調製後速やかに、卓上コーターを用いて、ポリエチレンテレフタレート(PET#12)上に、成膜後の厚みが2μmとなるようにコーティングした。塗工後、速やかに同じポリエチレンテレフタレートフィルムを塗膜表面に被せて、「基材(PET)/溶液S−2塗膜/基材(PET)」の層構成を持つ多層構造体を得た。次いで、基材(PET)の上から前述のEB照射装置を用いて、加速電圧100kV、搬送速度10m/min、照射線量50kGyの条件でEB照射を行った。EB照射後、190℃、10分間の熱処理を行い、多層構成物におけるEB照射側の基材をはがして、表2に示すような前駆体P−2を得た。
前記で調製した溶液(S−3)を調製後速やかに、卓上コーターを用いて、ポリエチレンテレフタレート(PET#50)上に、成膜後の厚みが1μmとなるようにコーティングした。塗工後、速やかに二軸延伸6ナイロンフィルム(ONy#15)を塗膜表面に被せて、「基材(PET)/溶液S−3塗膜/基材(ONy)」の層構成を持つ多層構造体を得た。次いで、基材(ONy)の上から前述のEB照射装置を用いて、加速電圧100kV、搬送速度10m/min、照射線量50kGyの条件でEB照射を行った。EB照射後、190℃、10分間の熱処理を行い、多層構成物におけるEB照射側の基材(ONy)をはがして、表2に示すような前駆体P−3を得た。
前記で調製した溶液(S−4)を調製後速やかに、卓上コーターを用いて、ポリエチレンテレフタレート(PET#50)上に、成膜後の厚みが2μmとなるようにコーティングし、「基材(PET)/溶液S−4塗膜」の層構成を持つ多層構造体を得た。次いで、溶液S−4塗膜の上から前述のEB照射装置を用いて、加速電圧100kV、搬送速度10m/min、照射線量100kGyの条件でEB照射を行い、表2に示すような前駆体P−4を得た。
前記で調製した溶液(S−5)を調製後速やかに、卓上コーターを用いて、二軸延伸ポリプロピレンフィルム(OPP#20)上に、成膜後の厚みが2μmとなるようにコーティングした。塗工後速やかに二軸延伸6ナイロンフィルム(ONy#15)を塗膜表面に被せて、「基材(OPP)/溶液S−5塗膜/基材(ONy)」の層構成を持つ多層構造体を得た。次いで、基材(ONy)の上から前述のEB照射装置を用いて、加速電圧150kV、搬送速度10m/min、照射線量50kGyの条件でEB照射を行った。EB照射後、100℃、24時間の熱処理を行い、多層構造体におけるEB照射側の基材をはがして、表2に示すような前駆体P−5を得た。
前記で調製した溶液(S−6)を調製後速やかに、卓上コーターを用いて、二軸延伸ポリプロピレンフィルム(OPP#20)上に、成膜後の厚みが1μmとなるようにコーティングした。塗工後速やかにポリエチレンテレフタレートフィルム(PET#12)を塗膜表面に被せて、「基材(OPP)/溶液S−6塗膜/基材(PET)」の層構成を持つ多層構造体を得た。次いで基材(PET)の上から、UV照射装置(COMPACT UV CONVEYER CSOT −40 GS YUASA製)を用いて、ランプ出力120W/cm、搬送速度2m/min、ランプ高さ24cmの条件で紫外線(UV)を照射した。照射後、100℃、24時間の熱処理を行い、多層構造体におけるEB照射側の基材をはがして、表2に示すような前駆体P−6を得た。
前記で調製した溶液(S−7)を調製後速やかに、卓上コーターを用いて、二軸延伸6ナイロンフィルム(ONy#15)上に成膜後の厚みが1μmとなるようにコーティングした。塗工後、速やかに未延伸ポリエチレンフィルム(LLDPE#30)を塗膜表面上に被せて、「基材(ONy)/溶液S−7塗膜/基材(LLDPE)」の層構成を持つ多層構造体を得た。次いで基材(LLDPE)の上から前述のUV照射装置を用いて、ランブ出力120W/cm、搬送速度2m/min、ランブ高さ24cmの条件でUV照射を行った。照射後、100℃、24時間の熱処理を行い、多層構造体におけるEB照射側の基材をはがして、表2に示すような前駆体P−7を得た。
前記で調製した溶液(S−8)を調製後速やかに、卓上コーターを用いて、ポリエチレンテレフタレート(PET#50)上に、成膜後の厚みが1μmとなるようにコーティングした。塗工後、速やかに二軸延伸6ナイロンフィルム(ONy#15)を塗膜表面に被せて、「基材(PET)/溶液S−8塗膜/基材(ONy)」の層構成を持つ多層構造体を得た。得られた多層構造体を70℃で12時間加熱処理を行った。加熱処理後190℃で10分間熱処理を行い、多層構造体におけるONy側の基材をはがして、表2に示すような前駆体P−8を得た。
前記で調製した溶液(S−9)を調製後速やかに、卓上コーターを用いて、ポリイミドフィルム(PI#25)上に、成膜後の厚みが2μmとなるようにコーティングし、「基材(PI)/溶液S−9塗膜」の層構成を持つ多層構造体を得た。次いで多層構造体の溶液S−9塗膜の上から先述のEB照射装置を用いて加速電圧100kV、搬送速度10m/min、照射線量100kGyの条件でEB照射を行った。照射後、300℃、2分間の熱処理を行し、表2に示すような前駆体P−9を得た。
前記で調製した溶液(S−10)を、調製後速やかに、卓上コーターを用いて、アート紙(坪量100g/m2、#120)上に、成膜後の厚みが2μmとなるようにコーティングした。塗工後、速やかにポリエチレンテレフタレートフィルム(PET#12)を塗膜表面上に被せ、「基材(アート紙)/溶液S−10塗膜/基材(PET)」の層構成を持つ多層構造体を得た。次いで基材(PET)上から、先述のEB照射装置を用いて加速電圧100kV、搬送速度10m/min、照射線量100kGyの条件でEB照射を行った。照射後、190℃、10分間の熱処理を行い、多層構造体におけるEB照射側の基材をはがして、表2に示すような前駆体P−10を得た。
前記で調製した溶液(S−11)を、調製後速やかに、卓上コーターを用いて、ポリエチレンテレフタレートフィルム(PET#12)上に、製膜後の厚みが2μmとなるようにコーティングした。塗工後速やかに二軸延伸6ナイロンフィルム(ONy#15)を塗膜表面上に被せ「基材(PET)/溶液S−11 塗膜/基材(ONy)」の層構成を有する多層構造体を得た。次いで、基材(ONy)上から先述のEB照射装置を用いて加速電圧100kV、搬送速度10m/min、照射線量100kGyの条件でEB照射を行った。照射後200℃、15分間熱処理を行い、多層構造体におけるEB照射側の基材をはがして、表2に示すような前駆体P−11を得た。
前記で調製した溶液(S−12)を、調製後速やかに、卓上コーターを用いて、エチレンプロピレンゴムシート(#1000)に、成膜後の厚みが2μmとなるようにコーティングした。塗工後、速やかに二軸延伸6ナイロンフィルム(ONy#15)を塗膜表面上に被せ、「基材(エチレンプロピレンゴムシート)/溶液S−12塗膜/基材(ONy)」の層構成を持つ多層構造体を得た。次いで基材(エチレンプロピレンゴムシート)上から、先述のEB照射装置を用いて加速電圧100kV、搬送速度10m/min、照射線量100kGyの条件で EB照射を行った。照射後、100℃、24時間の熱処理を行い、多層構造体における基材(ONy)をはがして、表2に示すような前駆体P−12を得た。
前記で調製した溶液(S−3)を、調製後速やかに、卓上コーターを用いて、 ポリエチレンテレフタレートフィルム(PET#12)上に、成膜後の厚みが2μmとなるようにコーティングした。塗工後、速やかに二軸延伸6ナイロンフィルム(ONy#15)を塗膜表面上に被せ「基材(PET)/溶液S−3塗膜/基材(ONy)」の層構成を持つ、表2に示すような前駆体P−51を得た。
前記で調製した溶液(S−51)を、調製後速やかに、卓上コーターを用いて、ポリエチレンテレフタレートフィルム(PET#12)上に成膜後の厚みが2μmとなるようにコーティングした。塗工後速やかに二軸延伸6ナイロンフィルム(ONy#15)を塗膜表面上に被せ「基材(PET)/溶液S−51塗膜/基材(ONy)」の層構成を有する多層構造体を得た。次いで、基材(ONy)上から先述のEB照射装置を用いて加速電圧100kV、搬送速度10m/min、照射線量100kGyの条件でEB照射を行った。照射後190℃、10分間熱処理し、多層構造体におけるEB照射側の基材をはがして、表2に示すような前駆体P−52を得た。
溶液S−51に代えて溶液S−52〜S−54を使用したこと以外は前駆体P−52と同様のガスバリア性フィルムの製造方法によって、表2に示すような前駆体P−53〜P−55を得た。
EB−1:加速電圧100kV、搬送速度10m/min、照射線量50kGy
EB−2:加速電圧100kV、搬送速度10m/min、照射線量100kGy
EB−3:加速電圧150kV、搬送速度10m/min、照射線量50kGy
UV:ランプ出力120W/cm、搬送速度2m/min、ランプ高さ24cm
熱:70℃で12時間加熱処理
※:基材2の*印の場合、基材2は、剥がす。
濃度が10重量%となるように酢酸カルシウム(和光純薬製)を蒸留水に溶解して、80℃に保温した水溶液(M−1)に前述の前駆体P−1を約20秒間浸漬した。次いで同様に80℃に保温された蒸留水で30秒間洗浄処理を行った後、100℃で10分間乾燥工程を経た。このようにして得られたポリカルボン酸多価金属イオン架橋が形成された層を含有するフィルムの30℃、80%RHにおける酸素透過度を測定した。結果を表3に示す。
濃度が10重量%となるように酢酸亜鉛(和光純薬製)を蒸留水に溶解して、23℃に保温した水溶液(M−2)に前述の前駆体P−2を約20秒間浸漬した。次いで同様に23℃に保温された蒸留水で30秒間洗浄処理を行った後、100℃で10分間乾燥工程を経た。このようにして得られたポリカルボン酸多価金属イオン架橋が形成された層を含有するフィルムの30℃、80%RHにおける酸素透過度を測定した。結果を表3に示す。
前駆体をP−2に代えてP−3を使用したこと以外は実施例2と同様の作製方法で得られたフイルムの30℃、80%RHにおける酸素透過度を測定した。結果を表3に示す。
前駆体をP−2に代えてP−4を使用したこと以外は実施例2と同様の作製方法で得られたフイルムの30℃、80%RHにおける酸素透過度を測定した。結果を表3に示す。
前駆体をP−2に代えてP−5を使用したこと以外は実施例1と同様の作製方法で得られたフイルムの30℃、80%RHにおける酸素透過度を測定した。結果を表3に示す。
市販の微粒子酸化マグネシウム(MgO、和光純薬工業社製、平均粒子径0.01μm)を用い、エタノール中に超音波ホモジナイザーを用いて分散させMgO含量10重量%のサスペンシヨンを調製した。これを前駆体P−6のアクリル酸重合体を含有する層の上から、バーコーター(RK PRINT−COATINSTRUMENT社製K303PROOFER)を用いて乾燥塗工量が1.0g/m2となるように塗工・乾燥し、積層させ、得られたフィルムを温度30℃、80%RHの雰囲気にコントロ一ルした恒温恒湿槽中に24時間静置し、アクリル酸重合体への固相反応によるイオン化処理を行つた。得られたフィルムを、ギアオーブンで80℃6時間乾燥したのち30℃、80%RHにおける酸素透過度を測定した。結果を表3に示す。
市販の超微粒子酸化亜鉛含有塗料(住友大阪セメント社製ZR133、不揮発分33重量%(内酸化亜鉛超微粒子18重量%))及び硬化剤としてイソシアネートプレポリマー(大日本インキ化学工業DN980)を10:1の重量比で配合したものを、前述の前駆体P−7のアクリル酸重合体を含有する層の上から、先述のバーコーターを用いてZnOの乾燥塗工量が1.0g/m2となるように塗工・乾燥した。得られたフィルムを食品のレトルト殺菌に用いる高圧釜を用いて、120℃、0.25MPaの条件で30分間加圧、加熱処理(レトルト処理)をすることでアクリル酸重合体のイオン化処理を行った。得られたフィルムをギアオーブンで100℃、10分間乾燥したのち、30℃、80%RHにおける酸素透過度を測定した。結果を表3に示す。
実施例7で使用した市販の超微粒子酸化亜鉛合有塗料及び硬化剤としてイソシアネートプレポリマーを10:1の重量比で配合したものを、前述の前駆体P−8のアクリル酸重合体を含有する層の上から、先述のバーコーターを用いてZnOの乾燥塗工量が1.0g/m2となるように塗工・乾燥した。90℃の水中で120分間浸漬(ボイル処理)し、アクリル酸重合体の金属イオン化処理を行つた。得られたフィルムをギアオーブンで100℃、10分間乾燥したのち、30℃、80%RHにおける酸素透過度を測定した。結果を表3に示す。
実施例6の酸化マグネシウムに代えて、炭酸カルシウム(和光純薬工業社製)を使用したこと、前駆体P−6に代えてP−9を使用したこと以外は実施例6と同様にフィルムを作製し、30℃、80%RHにおける酸素透過度を測定した。炭酸力ルシウムは、メノウ製のすり鉢で微粉化し、エタノール中に超音波ホモジナイザーを用いて分散させCaCO310重量%のサスペンシヨンを調製して用いた。得られたフィルムにおけるCaCO3の乾燥塗工量は1.0g/m2であった。結果を表3に示す。
実施例9のCaCO310重量%のサスペンションに代えて、市販の微粒子酸化亜鉛サスペンション(住友大阪セメント社製ZS303、平均粒径0.02μm、固形分30重量%分散溶剤トルエン)を用いたこと、及び前駆体P−9に代えて前駆体P−10を使用したこと以外は実施例6と同様にフィルムを作製し、30℃、80%RHにおける酸素透過度を測定した。尚、得られたフィルムにおけるZnOの乾燥塗工量は1.0g/m2であった。結果を表3に示す。
実施例9の前駆体P−9に代えて、前駆体P−11を使用したこと以外は実施例9と同様にフィルムを作製し、30℃、80%RHにおける酸素透過度を測定した。なお、得られたフィルムにおけるCaCO3の乾燥塗工量は1.0g/m2であった。結果を表3に示す。
実施例2の前駆体P−2に代えて前駆体P−12を使用したこと以外は実施例2と同様の作製方法でフィルムを作製し、30℃、80%RHにおける酸素透過度を測定した。結果を表3に示す。
実施例2の前駆体P−2に代えて前駆体P−51を使用したこと以外は実施例2と同様の作製方法でフィルムを作製した。得られたフィルムにおいて、カルボン酸単量体の重合が進行していなかったことから、浸漬処理中にアクリル酸が水溶液(M−2)中に溶解してしまい、ガスバリア性は劣悪なものであった。結果を表3に示す。
実施例2の前駆体P−2に代えて前駆体P−52を使用したこと以外は実施例2と同様の作製方法でフィルムを作製し評価したが、優れたガスバリア性は得られなかった。結果を表3に示す。
実施例2の前駆体P−2に代えて前駆体P−53を使用したこと以外は実施例2と同様の作製方法でフィルムを作製し評価した。フィルムの表面状態も劣悪でありガスバリア性も得られなかった。結果を表3に示す。
実施例2の前駆体P−2に代えて前駆体P−54を使用したこと以外は実施例2と同様の作製方法でフィルムを作製し評価した。得られたフィルムは硬化が十分に行われず、ガスバリア性も得られなかった。結果を表3に示す。
実施例2の前駆体P−2に代えて前駆体P−55を使用したこと以外は実施例2と同様の作製方法でフィルムを作製したが、表面状態は亀裂などが観察され、そのガスバリア性も劣悪なものであった。結果を表3に示す。
Claims (21)
- 下記工程1乃至3:
(1)基材1上に、α,β−不飽和カルボン酸単量体、並びにハロゲン原子及びアルコキシ基からなる群より選ばれる少なくとも一種の官能基が金属原子に結合した加水分解性金属化合物を含有する重合性組成物からなる塗工液を塗布して、塗膜を形成する工程1;
(2)基材1上にある塗膜または該塗膜上に別の基材2を被覆して両基材間に挟まれた塗膜を重合処理して、α,β−不飽和カルボン酸重合体と加水分解性金属化合物とを含有するフィルムを形成する工程2;及び
(3)該フィルムに多価金属イオンを付与して、該α,β−不飽和カルボン酸重合体を多価金属イオン架橋する工程3;
を含む、温度30℃、相対湿度80%の条件下で測定した酸素透過度が10×10−3cm3(STP)/(m2・s・MPa)以下のガスバリア性フィルムの製造方法。 - 前記α,β−不飽和カルボン酸単量体が、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、ケイ皮酸、セネシオ酸、チグリン酸、ソルビン酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、シトラコン酸、メサコン酸、及びこれらの酸無水物からなる群より選ばれる少なくとも一種の不飽和カルボン酸単量体である請求項1記載の製造方法。
- 前記加水分解性金属化合物が、下記式I:
M1(OR1)nR2 m−n−t−sX1 tZ1 s …(I)
〔式I中、M1は、Si、Al、Ti、Zr、Cu、Ca、Sr、Ba、Zn、B、Ga、Y、Ge、Pb、P、Sb、V、Ta、W、LaまたはNdであり、R1はアルキル基、R2は、アルキル基、アラルキル基、アリール基、アルケニル基、Z1は、カルボキシル基と反応性を有する官能基を有する有機基を示す。X1はハロゲン原子を表す。mはM1の原子価と等しい。nは0〜m、tは0〜m、sは0若しくは1の整数であり、1≦n+t、n+t+s≦mである。〕
で表される少なくとも一種の加水分解性金属化合物である請求項1または2記載の製造方法。 - 前記加水分解性金属化合物が、前記式Iにおいて、n及びtがそれぞれ0〜(m−1)(但し、1≦n+t≦m−1)である少なくとも一種の加水分解性金属化合物aと、n及びtがn+t=mである少なくとも一種の加水分解性金属化合物bとを含む請求項3に記載の製造方法。
- 前記加水分解性金属化合物について、前記式I中のZ1が、エポキシ基、アミノ基、水酸基、イソシアネート基、及びウレイド基からなる群より選ばれる少なくとも一種の官能基を有する有機基である請求項3または4に記載の製造方法。
- 前記金属原子が、ケイ素原子である請求項1乃至5のいずれか1項に記載の製造方法。
- 前記重合性組成物が、α,β−不飽和カルボン酸単量体100重量部に対して、加水分解性金属化合物を0.1〜400重量部含有する請求項1乃至6のいずれか1項に記載の製造方法。
- 前記工程1において、塗工液中に、加水分解性金属化合物が、その部分加水分解物、完全加水分解物、部分加水分解縮合物、完全加水分解物の縮合物、またはこれらの2種以上の混合物の形態で存在している請求項1乃至7のいずれか1項に記載の製造方法。
- 前記重合性組成物が、分子中に、水酸基、アミノ基、カルボニル基、アミド基、及びカルボキシル基からなる群より選ばれる少なくとも一種の水素結合性官能基を持つ物質をさらに含有する請求項1乃至8のいずれか1項に記載の製造方法。
- 前記工程2において、塗膜に対する電離放射線の照射処理または加熱処理もしくはこれら両方の処理により、塗膜を構成する重合性組成物を重合する請求項1乃至9のいずれか1項に記載の製造方法。
- 前記加熱処理が、温度50〜250℃で、1分間から24時間の加熱処理である請求項10に記載の製造方法。
- 前記基材1及び2が、プラスチックまたは紙またはゴムもしくはこれらの複合物である請求項1乃至11のいずれか1項に記載の製造方法。
- 前記工程2において、塗膜上から直接または基材1もしくは基材2を通して、あるいは塗膜上から直接及び基材1もしくは基材2を通して、電離放射線を照射して、塗膜を構成する重合性組成物を重合する請求項1乃至12のいずれか1項に記載の製造方法。
- 前記工程2と工程3との間に、温度50〜400℃での熱処理を行う工程を追加して配置する請求項1乃至13のいずれか1項に記載の製造方法。
- 前記工程3において、フィルムに、2価金属イオン及び3価金属イオンからなる群より選ばれる少なくとも一種の多価金属イオンを付与して、α,β−不飽和カルボン酸重合体を多価金属イオン架橋する請求項1乃至14のいずれか1項に記載の製造方法。
- 前記多価金属イオンが、Be、Mg、Ca、Cu、Co、Ni、Zn、Al、Fe、またはZrから選ばれる金属の酸化物、水酸化物、炭酸塩、有機酸塩、アンモニウム錯体、及び無機酸塩からなる群より選ばれる少なくとも一種の多価金属化合物に由来する多価金属イオンである請求項1乃至15のいずれか1項に記載の製造方法。
- 前記工程3において、別の基材2を被覆した場合は、基材1または基材2を剥離した後、基材1または基材2上のフィルムを、多価金属イオンを含有する溶液中に浸漬することにより、該フィルムに多価金属イオンを付与して、α,β−不飽和カルボン酸重合体を多価金属イオン架橋する請求項1乃至16のいずれか1項に記載の製造方法。
- 前記工程3において、別の基材2を被覆した場合は、基材1または基材2を剥離した後、基材1または基材2上のフィルムの上に、多価金属化合物を含有する固体層を設け、調湿又はボイル処理、レトルト処理して多価金属イオンを発生させ、該固体層からの多価金属イオンの移動により、該フィルムに多価金属イオンを付与して、α,β−不飽和カルボン酸重合体を多価金属イオン架橋する請求項1乃至16のいずれか1項に記載の製造方法。
- 前記固体層が、多価金属化合物を含有する樹脂組成物層である請求項18記載の製造方法。
- 前記工程3の後、ガスバリア性フィルムを50〜250℃の温度で1秒間から60分間熱処理する工程をさらに含む請求項1乃至19のいずれか1項に記載の製造方法。
- 前記請求項1乃至20のいずれか1項に記載の製造方法により得られた、多価金属イオン架橋α,β−不飽和カルボン酸重合体中に加水分解性金属化合物由来の加水分解縮合物が分散したガスバリア性フィルム。
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