JP2007272153A - 画像形成装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】掃寄せの影響を補正し、画像パターンに依らず画像濃度が均一で潜像再現性に優れた高品質な画像を形成できる画像形成装置を提供する。
【解決手段】像担時体1と、像担持体1を一様に帯電する帯電手段2と、一様に帯電された像担持体1に対し画像データに基づいた露光を行う露光手段7と、露光手段7の露光により像担持体上に形成された静電潜像を現像剤担持体30により搬送された現像剤を用いて現像する現像手段3とを備えた画像形成装置において、画像データ上の画素のデータ値に対し、該画素よりも副走査方向下流側に位置する画素のデータ値に基づいた演算を行い、その演算結果に応じて画像データに補正を行う手段9を設ける。
【選択図】図1

Description

本発明は、電子写真方式、静電記録方式を用いて画像を形成する、例えば複写機、レーザビームプリンタ等の画像形成装置に関するものである。
一般に,電子写真方式や静電記録方式を用いた画像形成装置では、像担持体表面に形成した静電潜像をトナーと呼ばれる現像剤を用いて現像する工程を持つ。
その現像工程において、掃寄せと呼ばれる現象が発生する。これは、潜像後端部における現像トナー量が潜像平面部の現像トナー量に比べて多くなる現象である。この現象により、画像後端部の濃度が高くなったり、或いは、画像後端部の静電潜像に対するトナー像の幅が広くなり、画像の均一性や潜像の再現性の面で問題が生じる。
掃寄せの制御方法としては、画像データ上で補正処理を行い、露光量を調整して掃寄せを補正する方法(特許文献1及び特許文献2参照)がある。また、パッチ検センサにより画像平面部と画像エッジ部の濃度差を検知し、その結果に応じて補正を行う方法(特許文献3参照)が提案されている。更には、現像時に印加するACバイアスに環境条件の変化に応じた補正を加えることで、掃寄せだけでなく画像平面部における濃度薄等に対しても効果を持つ方法(特許文献4参照)も提案されている。
特開2003−345076号公報 特開平9−272224号公報 特開2003−330232号公報 特開平7−134479号公報
しかしながら、従来の方法では、画像パターンによっては適切に掃寄せを補正できないという問題があった。
具体的には、図15(a)にて、掃寄せ領域22を補正した影響により、破線で示す補正領域23の副走査方向上流側に新たな掃寄せ24が発生するという問題があった。
また、図15(b)に示すように、対象となる画像の副走査方向下流側の近傍に画像が存在する場合には、次のような問題が生じた。つまり、過補正が生じ部分的に画像濃度が低くなる濃度低下領域25が発生するという問題、または、補正不足が生じ部分的に画像濃度が高いままになるという問題があった。
これらの問題は、主に像担持体と現像剤担持体が接触、或いは、非常に近接した状態で現像が行われる方式において顕著に見られた。
そこで、本発明の目的は、掃寄せの影響を補正し、画像パターンに依らず画像濃度が均一で潜像再現性に優れた高品質な画像を形成できる画像形成装置を提供することである。
上記目的は本発明に係る画像形成装置にて達成される。要約すれば、本発明は、像担時体と、前記像担持体を一様に帯電する帯電手段と、一様に帯電された前記像担持体に対し画像データに基づいた露光を行う露光手段と、前記露光手段の露光により前記像担持体上に形成された静電潜像を現像剤担持体により搬送された現像剤を用いて現像する現像手段とを備えた画像形成装置において、
画像データ上の画素のデータ値に対し、該画素よりも副走査方向下流側に位置する画素のデータ値に基づいた演算を行い、その演算結果に応じて画像データに補正を行う手段を備えたことを特徴とする画像形成装置である。
本発明によれば、適切な掃寄せ補正を行うことができ、画像パターンに依らず掃寄せのない画像を得ることができる。
以下、本発明に係る画像形成装置を図面に則して更に詳しく説明する。
実施例1
先ず、図1を参照して、本発明の第1の実施例における画像形成装置の動作を説明する。
本実施例にて、画像形成装置は、像担持体であるドラム状の電子写真感光体(以下、「感光体ドラム」という。)1を備えている。感光体ドラム1の表面は、帯電手段である帯電ローラ等の帯電装置2により一様に帯電される。一様に帯電された感光体ドラム1は、次に、画像露光手段であるレーザビームスキャナ装置等のイメージ露光装置7により画像データに基づいた露光量の光で露光される。それによって、感光体ドラム1の表面上に静電潜像が形成される。このとき、画像演算部9において、ホストコンピュータ8から読み込まれた画像データに対して掃寄せ補正処理が行われる。
本実施例にて、画像形成装置は、装置全体を制御するCPU10と、画像メモリ11aやLUT11bを含むメモリ11を有している。画像メモリ11aは、印刷出力する画像データを展開するためのメモリである。一方、LUT11bは、ルックアップテーブルであり、装置内において計測により取得された、或いは、予め設定されたプロセス条件値や、補正量などのデータを格納している。また、その補正量は、画像データ上の画素のデータ値、及び、各プロセス条件、環境条件などに応じて予め計算されたものである。
現像手段である現像装置3は、現像剤(以下、「トナー」という。)12の貯蔵、保管を行うトナー容器と現像剤担持体である現像ローラ30とを備えている。本実施例では、現像剤として非磁性一成分トナーを使用したが、これに限定されるものではない。
本実施例にて、現像ローラ30に供給されたトナーは、トナー層厚規制部材としての規制ブレード31により層厚が規制され、同時に、電荷が付与される。そして、所定の層厚に規制され、且つ、所定の電荷を付与されたトナーは、現像ローラ30により現像領域14へと搬送される。
感光体ドラム1の表面上に形成された静電潜像は、現像ローラ30によって現像領域14に搬送されてきたトナー12により現像される。そして、感光体ドラム1の表面上に形成されたトナー像は、転写位置Tにて転写装置4により転写材P上に転写される。転写材P上に転写されたトナー像は、定着装置6に搬送され、定着装置6において熱と圧力により定着されて画像を形成する。
一方、転写位置Tにおいて、転写材P上に転写されずに感光体ドラム1の表面上に残ったトナー12は、クリーニング装置5により除去される。トナー12を除去された感光体ドラム1の表面は、再び帯電装置2により帯電され、上記の工程を繰り返す。
次に、図2を参照して、本実施例における現像方式について説明する。
本実施例では、感光体ドラム1と現像ローラ30とは接触しており、感光体ドラム1と現像ローラ30は、それぞれ異なる周速(感光体ドラム1の周速:約100[mm/sec]、現像ローラ30の周速:約150[mm/sec])で順方向に回転している。
また、感光体ドラム1と現像ローラ30の間には、電源32から現像バイアスとして直流電圧(約−300[V])が印加されており、現像バイアスの極性は、感光体ドラム1表面の帯電電位と同極性に設定されている。
上記構成において、現像ローラ30上に薄層化されたトナー12が感光体ドラム1と現像ローラ30が接触している領域に搬送され、感光体ドラム1の表面上に形成された静電潜像を現像する。
次に、本発明が基づく原理について説明する。
従来、掃寄せ現象の原因としては、図3に示すように、像担持体上の露光部と帯電部の境界のように、表面電位が異なる2つの領域の境界において発生する電界の廻り込み効果(以下、「エッジ効果」という。)が挙げられてきた。
しかしながら、これは、特に、像担持体と現像剤担持体を非接触に保ちながら現像を行う方式において顕著な現象である。像担持体と現像剤担持体が接触、或いは、非常に近接した状態で現像が行われる方式(以下、「近接現像方式」という。)では、図4に示すように、現像領域においてエッジ効果の影響はほとんど見られない。
それにもかかわらず、実際には、近接現像方式においても掃寄せは発生している。このことから、近接現像方式における掃寄せの原因は、エッジ効果とは別の要因であると考えられる。
そこで、本発明者らが検討した結果、近接現像方式における掃寄せの発生には、副走査方向後側の現像剤担持体上にある現像剤が関係していることが分かった。以下に、本実施例の現像方式を例にして詳しく説明する。
図5に、静電潜像の後端が現像されるときの様子を示す。
上記のように、感光体ドラム1と現像ローラ30は接触しており、周速関係は、感光体ドラム1の周速<現像ローラ30の周速、となっている。また、現像バイアスとしては直流電圧のみを使用している。
現像領域14では、現像ローラ30によって現像領域14に搬送されてきたトナーにより静電潜像が現像される(図5(a)参照)。また、感光体ドラム1に対して現像ローラ30の方が早回りしているので、両者の表面上の位置関係は常にずれ続けている。そのため、静電潜像後端13が現像領域14に入った時点で現像領域14の開始位置より副走査方向後側に位置する現像ローラ30上のトナー15は、静電潜像後端13が現像領域14を出て現像が終了するまでの間に静電潜像後端13を追越す(図5(b)参照)。この副走査方向後側から追越してくるトナー15によって、静電潜像後端13に供給されるトナーが多くなり、その結果、静電潜像後端13の現像量が多くなる(図5(c)参照)。つまり、掃寄せが発生する。
このように、静電潜像後端が現像領域を通過する間に、副走査方向後側に位置するトナーが周速差により静電潜像後端を追越す幅を「追越し幅」と呼ぶこととする。
また、上記の原理は、像担持体と現像剤担持体が接触している現像方式に限らず非接触の状態で現像が行われる方式でも、エッジ効果の影響が小さい近接現像の範囲であれば成り立つ。
本発明者らの検討の結果、エッジ効果の影響が小さい近接現像の範囲は、像担持体と現像剤担持体の間の距離が200[μm]以下、望ましくは50[μm]以下の場合であることが分かった。
本発明においては、上記の原理に基づき、感光体ドラム及び現像ローラの周速(即ち、運動速度)や現像領域の幅などで決まる追越し幅と出力する画像パターンを考慮した掃寄せの補正を画像データ上で行う。
次に、本実施例における掃寄せの補正演算について説明する。
以下において、画像データ上では、上記副走査方向後側を「副走査方向下流側」と表現することにする。
図6に、本実施例における、図1に示す画像演算部9の動作フローを示す。
図1をも参照して説明すると、先ず、ホストコンピュータ8から画像データの読み込みを行う(ステップS1)。本実施例の画像形成装置は反転現像系であるため、画像黒部に対して露光が行われる。よって、画像データ上の各画素におけるデータ値(露光強度に対応)を16進数で表すと、白値が00h、黒値がFFhとなる。
次に、読み込んだ画像データを画像メモリ11aに格納する(ステップS2)。同時に、一方では、装置のプロセス条件(現像バイアス、感光体ドラム周速、現像ローラ周速など)を含む画像形成条件を基に、LUT11bの追越し幅テーブルから画素のデータ値がFFhのときの追越し幅を取得する(ステップS3)。ここで、LUT11bの追越し幅テーブルには、画素のデータ値と装置のプロセス条件を含む画像形成条件に基づき、予め計算された追越し幅が格納されている。
次に、画像メモリ11a内において以下の演算を行う。
先ず、元画像データAを、取得した追越し幅分だけ副走査方向上流側に平行移動させた仮想画像データBを作成する(ステップS4、図7参照)。
そして、元画像データAと、平行移動処理を行った仮想画像データBとの差をとり、仮想画像データCを得る(ステップS5、図8参照)。このとき、仮想画像データCにおいて、画素のデータ値が00hより大きい部分(図8の仮想画像データC上の黒部分参照)が画像出力時の濃度変動部分を示す。
次に、仮想画像データCの後端側の画素から補正領域の演算を行う(ステップS6)。ここで、画素への補正の影響により、程度は小さくなるものの、新たに別の画素に濃度変動が発生するという問題があった。従って、濃度変動が発生する画素を補正領域とする処理と、新たに別の画素に濃度変動が発生するのを抑えるための処理を行う。
具体的には、まず対象とする画素が濃度変動部分である場合、その画素を補正領域とする(図9(a)、(b)参照)。そして、補正領域とした画素から追越し幅分だけ副走査方向上流側に位置する画素をさらに補正領域とする再補正処理を行う(図9(c)参照)。また、この再補正処理を繰り返す(図9(d)参照)。
ただし、上記補正領域の演算を行う際、濃度変動の発生する画素が主走査方向に幾つか連続する場合には、主走査方向に関して所定の間隔毎に上記再補正処理の繰り返し回数を異なる回数にする。これは、上記のように、補正の影響で新たに別の画素に濃度変動が発生するために、再補正処理を繰り返すだけでは、濃度変動の程度は、徐々に小さくなるものの濃度変動自体をなくすことはできないからである。特に、濃度変動の発生する画素が主走査方向に連続する場合には、補正により新たに発生する濃度変動が横線状の濃度ムラなどになり好ましくない。
そこで、上記のように、所定の間隔毎に再補正処理の繰り返し回数を変えることで、補正により新たに発生する濃度変動の副走査方向の位置をずらし、濃度変動が目立たないようにした。
本発明者らの検討の結果、上記主走査方向に関する所定の間隔は少なくとも150[μm]以下、望ましくは100[μm]以下であり、上記副走査方向に関する再補正処理の繰り返し回数は、少なくとも4回以下、望ましくは2回であることが分かった。
本実施例の画像形成装置は、600dpiの解像度を有するので、主走査方向に関する所定の間隔を2ドット(約84[μm])、副走査方向に関する再補正処理の繰り返し回数を2回とした(図10参照)。
本実施例の画像形成装置において、例えば画像後端の主走査方向に一様な濃度変動(図10の出力画像の□部分参照)に対して、補正領域の演算を行うと階段状の補正領域となる(図10の補正あり画像参照)。ただし、上記の条件を満たし、濃度変動が目立たないものであれば、例えば画像後端の主走査方向に一様な濃度変動に対して、図11に示すような櫛歯型の補正領域やそれ以外のものであってもよい。
また、上記のように、再補正処理や、主走査方向の所定の間隔毎に再補正処理の繰り返し回数を変えることで、例えば、プロセス条件のばらつきなどにより、ある条件で補正処理を行った画像データに対して、追越し幅が100[μm]程度ずれた場合などにおいても、濃度変動を目立たなくすることができる。
図6の動作フローに戻ると、次に、画像データ後端側の補正領域の画素から補正量を決定し、元画像データAのデータ値を補正する(図6のステップS7)。補正量は、元画像データAにおける補正対象の画素のデータ値と、それよりも追越し幅分だけ副走査方向下流側に位置する画素のデータ値と、装置のプロセス条件を含む画像形成条件を基に、LUT11bのデータ補正テーブルから取得する。このとき、前記元画像データAにおける補正対象の画素よりも追越し幅分だけ副走査方向下流側に位置する画素のデータ値は、補正されていれば補正後のデータ値を用いる。また、装置のプロセス条件は、現像バイアスなどである。
LUT11bのデータ補正テーブルには、次の情報が格納されている。つまり、補正対象の画素のデータ値と、それよりも追越し幅分だけ副走査方向下流側に位置する画素のデータ値と、装置のプロセス条件を含む画像形成条件から、補正対象の画素に発生する過剰な現像量を予測して、予め計算された補正量である。
ただし、補正対象の画素のデータ値と、それよりも追越し幅分だけ副走査方向下流側に位置する画素のデータ値(補正されていれば補正後のデータ値)を比較して、補正対象の画素のデータ値≦下流側の画素のデータ値、である場合には、補正は行わない。
そして、以上の演算で得られた結果に基づき,濃度変動部分の濃度変動をなくすように露光量の補正を行う(図6のステップS8)。
図12に示す様々な画像パターンに対して、従来の方法と本発明を適用した。その結果、従来の方法では適切な掃寄せ補正が困難であったが、本発明によれば掃寄せのない画像を得ることができた。
また、本実施例では、図1の画像演算部9における掃寄せの補正演算において、濃度変動の判定を行う際に(図6のステップS3〜ステップS5)、画像データ全体を処理領域として一括して処理を行った。しかし、この方法に限らず、例えば画像データの画素毎に逐次処理を行う方法などでも実施可能であった。さらに、画像データへの補正結果を露光に反映する手段は、PWM制御などの露光時間の制御であってもよい。
実施例2
次に、本発明の第2の実施例について説明する。
本実施例の画像形成装置を図13に示す。これは、実施例1の画像形成装置に色の異なるトナーを使用して、それを4色分並べたフルカラー印刷用の画像形成装置である。
本実施例にて、フルカラー画像形成装置100は、実施例1の画像形成装置と同様の構成とされる4つの独立した画像形成ユニットUN(UNa、UNb、UNc、UNd)を直列に並置している。また、本実施例にて、画像形成ユニットUN(UNa、UNb、UNc、UNd)はそれぞれ、シアントナー、イエロートナー、マゼンタトナー、ブラックトナー用の画像形成手段を構成する。
画像形成ユニットUN(UNa、UNb、UNc、UNd)はそれぞれ、像担持体として繰り返し使用される回転ドラム型の電子写真感光体、即ち、感光体ドラム1(1a、1b、1c、1d)を有する。各感光体ドラム1の周りには、帯電手段としての帯電装置2(2a、2b、2c、2d)、現像手段としての現像装置3(3a、3b、3c、3d)、及び、現像剤回収手段としてのクリーニング装置5(5a、5b、5c、5d)が配置される。また、各画像形成ユニットUNの転写位置T(Ta、Tb、Tc、Td)には、感光体ドラム1と対向して、転写装置4(4a、4b、4c、4d)が配置されている。
また、各画像形成ユニットUNの下方には、ローラ41、42に巻回されて矢印方向に回動自在とされた、転写材担持搬送手段としての転写ベルト40が配置される。そして、転写材Pは、給紙ユニット(図示せず)から給紙され、転写ベルト40にて各画像形成ユニットUNの転写位置T(Ta、Tb、Tc、Td)へと担持搬送される。
画像形成ユニットUNで形成したそれぞれ色の異なる現像剤像(即ち、トナー像)は、転写ベルト40にて担持搬送される転写材P上に、転写装置4(4a、4b、4c、4d)により順次重ねて転写される。これによって、転写材P上に、フルカラー画像が形成される。
転写材P上に形成されたフルカラー画像は、定着装置6にて定着された後、排紙トレイ(図示せず)に排出される。
上述のように、トナーは、転写材P上の右側の装置からシアン、イエロー、マゼンタ、ブラックのトナーを使用している。また、最もトナー消費量の多いブラックトナーを使用する画像形成ユニットUNdでは、トナー消費量を抑えるために、他の3つ(シアン、イエロー、マゼンタ)のトナーを使用する画像形成ユニットUNa、UNb、UNcよりも、現像ローラの対感光体ドラム周速比を小さくしている。
具体的には、ブラックトナーを使用する画像形成ユニットUNdにおける現像ローラ30dの対感光体ドラム1d周速比は約150%であり、他の3つの画像形成ユニットUNa、UNb、UNcにおいては約200%である。
また、図示するように、本実施例においても実施例1と同様、画像形成装置100は、装置全体を制御するCPU10と、更には、画像メモリ11aやLUT11bを含むメモリ11を有している。画像メモリ11aは、印刷出力する画像データを展開するためのメモリなどである。一方、LUT11bは、装置内において計測により取得された、或いは、予め設定されたプロセス条件値や、画素のデータ値及び、各プロセス条件、環境条件などに応じて予め計算された補正量などのデータを格納したルックアップテーブルである。
図14は、掃寄せ補正をしない場合の出力画像である。図14(a)は、ブラックトナーを使用する画像形成ユニットUNdのみによる出力画像であり、図14(b)は、それ以外の画像形成ユニットによる出力画像である。
図14(a)、(b)に示すように、感光体ドラム1と現像ローラ30の周速関係が異なると掃寄せの発生する領域が異なることが分かった。そのため、各画像形成ユニットにおいて、上記感光体ドラムと現像ローラの周速関係に合わせた掃寄せの補正が必要となる。
本実施例における掃寄せの補正演算の方法は実施例1と同様である。ただし、本実施例では、追越し幅テーブルに、画素のデータ値、現像バイアス、感光体ドラムと現像ローラの周速関係とに基づき、予め計算された追越し幅が格納されている。そして、追越し幅の計算に用いた上記の3項目を、追越し幅テーブルからのデータ取得(図6のステップS3参照)の際の参照パラメータとしている。
また、データ補正テーブルには、補正量が格納されている。ただし、本実施例における補正量は、補正対象の画素のデータ値と、それよりも追越し幅分だけ副走査方向下流側に位置する画素のデータ値と、現像バイアスと、感光体ドラムと現像ローラの周速関係から、補正対象の画素に発生する過剰な現像量を予測して、予め計算されたものである。
そして、追越し幅のデータ取得の際と同様に、補正量の計算に用いた上記の4項目を、データ補正テーブルからのデータ取得(図6のステップS7参照)の際の参照パラメータとしている。これにより、感光体ドラムと現像ローラの周速関係を考慮した掃寄せ補正を行うことができる。
現像ローラの対感光体ドラム周速比が異なるそれぞれの画像形成ユニットで、図12に示す様々な画像パターンを画像出力した。その結果、本実施例においても、図12に示す様々な画像パターンに対して適切な掃寄せ補正を行うことができた。更に、単色で画像出力した場合だけでなく複数色を組み合わせて画像出力した場合でも、掃寄せのない高品質な画像が得られることを確認した。
本実施例では、画像形成ユニット毎に設定された周速関係を読み込んで参照パラメータとした。しかし、例えば印刷速度設定が可変である場合などには、感光体ドラムや現像ローラの周速を計測した結果を用いることもできる。更に、本発明によれば、上記参照パラメータに、濃度検知によるγ補正の結果や環境センサによる温湿度の計測結果を用いることで、長期使用による耐久変動や使用環境の変化などに応じて掃寄せを補正することもできる。
第1の実施例における画像形成装置の動作を説明する画像形成装置の概略構成図である。 第1の実施例における現像装置の動作を説明する現像装置の概略構成図である。 像担持体と現像剤担持体が非接触の状態での静電潜像エッジ部分における電界の様子を説明する図である。 像担持体と現像剤担持体が接触、或いは、非常に近接した状態での静電潜像エッジ部分における電界の様子を説明する図である。 像担持体と現像剤担持体が接触した領域で現像が行われる方式における掃寄せの原理を説明する図である。 第1の実施例における画像演算部の動作フローを説明する図である。 第1の実施例における画像演算部の平行移動演算を説明する図である。 第1の実施例における画像演算部の差演算を説明する図である。 第1の実施例における画像演算部の補正領域の演算を説明する図である。 第1の実施例における補正領域の条件を説明する図である。 濃度変動が目立たない条件を満たす補正領域の例を説明する図である。 画像評価に用いた画像パターンを説明する図である。 第2の実施例における画像形成装置の動作を説明する画像形成装置の概略構成図である。 感光体ドラムと現像ローラの周速関係が異なる場合の掃寄せを説明する図である。 従来の掃寄せ補正方法の問題点を説明する図である。
符号の説明
1 感光体ドラム(像担持体)
2 帯電装置(帯電手段)
3 現像装置(現像手段)
30 現像ローラ(現像剤担持体)
4 転写装置
5 クリーニング装置
6 定着装置
7 イメージ露光装置(露光手段)
8 ホストコンピュータ
9 画像演算部
10 CPU
11 メモリ
11a 画像メモリ
11b LUT
12 トナー
13 静電潜像後端
14 現像領域
15 追越しトナー
P 転写材

Claims (15)

  1. 像担時体と、前記像担持体を一様に帯電する帯電手段と、一様に帯電された前記像担持体に対し画像データに基づいた露光を行う露光手段と、前記露光手段の露光により前記像担持体上に形成された静電潜像を現像剤担持体により搬送された現像剤を用いて現像する現像手段とを備えた画像形成装置において、
    画像データ上の画素のデータ値に対し、該画素よりも副走査方向下流側に位置する画素のデータ値に基づいた演算を行い、その演算結果に応じて画像データに補正を行う手段を備えたことを特徴とする画像形成装置。
  2. 前記演算手段は、画像データ上の対象とする画素のデータ値と、該画素よりも演算で決まる間隔だけ副走査方向下流側に位置する特定の画素のデータ値を比較して、対象画素のデータ値>下流側の特定画素のデータ値、である場合に、補正を行う領域とデータ値に対する補正量を演算することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
  3. 前記補正を行う領域の演算において、補正対象とした画素の補正後のデータ値と、該画素よりも演算で決まる間隔だけ副走査方向上流側に位置する特定の画素のデータ値を比較して、補正対象画素の補正後のデータ値<上流側の特定画素のデータ値、である場合に、上流側の特定画素をさらに補正領域とする再補正処理を繰り返し、補正の影響により新たに別の画素に発生する濃度変動を補正することを特徴とする請求項1又は2に記載の画像形成装置。
  4. 前記再補正処理の繰り返し回数が少なくとも4回以下であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかの項に記載の画像形成装置。
  5. 前記再補正処理の繰り返し回数は、少なくとも2回以下であることを特徴とする請求項4に記載の画像形成装置。
  6. 前記補正を行う領域の演算において、演算で決まる間隔だけ副走査方向下流側に位置する画素のデータ値よりも大きなデータ値を有する画素が主走査方向に幾つか連続する場合、主走査方向に関して所定の間隔毎に、前記再補正処理の繰り返し回数を異なる回数にすることを特徴とする請求項1〜5のいずれかの項に記載の画像形成装置。
  7. 前記再補正処理の繰り返し回数を異なる回数にする主走査方向の所定の間隔が少なくとも150[μm]以下であることを特徴とする請求項1〜6のいずれかの項に記載の画像形成装置。
  8. 前記再補正処理の繰り返し回数を異なる回数にする主走査方向の所定の間隔は、少なくとも100[μm]以下であることを特徴とする請求項7に記載の画像形成装置。
  9. 前記補正量の演算は、補正対象の画素のデータ値と、該画素よりも演算で決まる間隔だけ副走査方向下流側に位置する画素のデータ値と、装置のプロセス条件を含む画像形成条件とから補正対象の画素に発生する過剰な現像量を予測し、補正量を決定することを特徴とする請求項1〜8のいずれかの項に記載の画像形成装置。
  10. 前記演算手段において演算で決まる間隔は、対象とする画素のデータ値と、装置のプロセス条件を含む画像形成条件とに基づき演算されることを特徴とする請求項1〜9のいずれかの項に記載の画像形成装置。
  11. 前記演算で決まる間隔において、間隔の演算に用いられる装置のプロセス条件に、前記像担持体と前記現像剤担持体の間に印加された電圧と、前記像担持体及び前記現像剤担持体の運動速度と、前記像担持体上の静電潜像を現像する領域の幅とを含むことを特徴とする請求項1〜10のいずれかの項に記載の画像形成装置。
  12. 前記像担持体と前記現像剤担持体の運動速度の関係が、像担持体速度≦現像剤担持体速度、であることを特徴とする請求項1〜11のいずれかの項に記載の画像形成装置。
  13. 前記像担持体と前記現像剤担持体が接触或いは近接しており、その間隔が少なくとも200[μm]以下であることを特徴とする請求項1〜12のいずれかの項に記載の画像形成装置。
  14. 前記像担持体と前記現像剤担持体との間隔は、少なくとも50[μm]以下であることを特徴とする請求項13に記載の画像形成装置。
  15. 前記画像データへの補正を露光に反映する手段が露光時間または露光量の制御であることを特徴とする請求項1〜14のいずれかの項に記載の画像形成装置。
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