JP2007269991A - 遅燃性樹脂組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】十分なポットライフを有する、一液型のバッキング材用遅燃性樹脂組成物を得ることを課題とする。
【解決手段】エポキシ基とカルボキシル基とを有する内部架橋性樹脂、又はカルボキシル基含有架橋性樹脂と架橋剤との混合物からなる架橋性樹脂(A)、及び難燃剤(B)を含有し、上記架橋性樹脂(A)100重量部に対する上記難燃剤(B)の含有量は、30重量部以上、200重量部以下であり、上記カルボキシル基の少なくとも一部を有機アミン化合物で中和する。
【選択図】なし

Description

この発明は、自動車等の内装材に用いられるバッキング材に用いられる遅燃性樹脂組成物に関する。
近年の自動車の増加や住宅の密集化に伴い、それらの火災に対する対策は重要となっている。特に、自動車や家屋の内装材の難燃化については、種々の方法が検討されている。例えば、自動車の内装用に使用される繊維製品の難燃化の方法として、繊維製品の補強剤として使用されるバッキング材に、塩化ビニル系、塩化ビニリデン系等のハロゲン含有の難燃性共重合体エマルジョンを用いる方法や、通常の合成ゴム系、アクリル系、アクリル−スチレン系、エチレン−酢酸ビニル系などの共重合体エマルジョン、及びこれらのブレンド物に難燃剤を配合し、それを繊維製品に塗布・含浸したり、それらを含むシートを裏地材として用いる方法等が知られている。この難燃剤としては、液状又は粉末状のリン酸エステル系、ハロゲン化リン酸エステル系、ハロゲン化合物系などの有機難燃剤、アンチモン系、アルミニウム系、ほう素系などの無機難燃剤等が知られている。
しかし、上記難燃性を付与する方法のうち、ハロゲン含有難燃性共重合体エマルジョンやハロゲン系難燃剤を用いる場合、火災時あるいは焼却・熱回収等の燃焼時にハロゲンガスやハロゲン化水素ガス等の有害ガスを発生させ、また、大気汚染や焼却炉の劣化を招く等の問題点を有する。
さらに、平時においても、ハロゲン含有難燃性共重合体エマルジョンやハロゲン系難燃剤が自動車の内装材に用いられている場合、含有しているハロゲン化合物の分解等によって発生するハロゲン化水素が、自動車のシート等の緩衝材に用いられるウレタンフォーム中のアミン類と反応し、発生する反応生成物が窓ガラスを曇らせる(フォギング)という問題点も有する。
また、上記の難燃剤は、その強い難燃付与性のため、火災時、繊維製品やバッキング材が不完全燃焼し、却って一酸化炭素の発生量を増加させることが知られている。さらに、ハロゲン系以外の難燃剤として用いられる、一般的なリン系難燃剤も、揮散して窓ガラスを曇らせるという問題点がある。
上記の問題点に対し、特許文献1に、エチレン系重合体エマルジョンとエポキシ系樹脂とからなる二液型の遅燃性樹脂組成物が記載されている。この樹脂組成物は、遅燃性を有するので、火がついても、火元からの脱出時間を十分に確保でき、また、燃焼時、ハロゲン系のガスや一酸化炭素の発生量が少ないという特徴を有する。また、平時、揮散ガスによるガラスのフォギングも生じにくいという特徴を有する。
特開平10−237764号公報
しかしながら、上記特許文献1に記載の樹脂組成物は、二液型なので、使用する直前に混合しなければならない等、取扱いに不便さがある。また、十分な遅燃性を有さない等の問題点を有する。
そこでこの発明は、十分なポットライフを有する、一液型のバッキング材用遅燃性樹脂組成物を得ることを課題とする。
この発明は、エポキシ基とカルボキシル基とを有する内部架橋性樹脂、又はカルボキシル基含有架橋性樹脂と架橋剤との混合物からなる架橋性樹脂(A)、及び難燃剤(B)を含有し、上記架橋性樹脂(A)100重量部に対する上記難燃剤(B)の含有量は、30重量部以上、200重量部以下であり、上記カルボキシル基は、その少なくとも一部が有機アミン化合物で中和された遅燃性樹脂組成物を用いることにより、上記課題を解決したのである。
難燃剤(B)の使用量を一定範囲内とするので、遅燃効果を発生することができる。さらに、中和剤としてアミン化合物を用いるので、燃焼時の架橋を促進し、溶融樹脂の液ダレを防止できる。
また、内部架橋性樹脂又はカルボキシル基含有架橋性樹脂と架橋剤との混合物を用いるので、樹脂組成物中に架橋部位が生じやすく、遅燃性の向上に寄与する。さらに、燃焼時に炭化を促進し、燃焼伝播を遅延させることができる。
以下、この発明について詳細に説明する。
この発明にかかる遅燃性樹脂組成物は、架橋性樹脂(A)及び難燃剤(B)を含有する組成物である。
上記架橋性樹脂(A)は、加熱されることにより架橋反応を生じ得る樹脂をいい、架橋性を有する官能基、例えばエポキシ基等と、この架橋性を有する官能基と反応性を有する官能基、例えばカルボキシル基等を樹脂内部に有する内部架橋性樹脂(以下、単に「内部架橋性樹脂」と称する。)や、架橋剤と反応性を有する官能基、例えばカルボキシル基を含有するカルボキシル基含有架橋性樹脂と、架橋剤との混合物(以下、「架橋剤・樹脂混合物」と称する。)等があげられる。
上記内部架橋性樹脂は、カルボキシル基及びエポキシ基を有する。このカルボキシル基やエポキシ基は、カルボキシル基含有単量体やエポキシ基含有単量体を用い、重合することにより、樹脂にカルボキシル基及びエポキシ基を含有させることができる。
上記内部架橋性樹脂としては、(メタ)アクリル系単量体を重合して得られる(メタ)アクリル系重合体を主成分とする樹脂をあげることができる。このような(メタ)アクリル系単量体のうち、カルボキシル基及びエポキシ基を有さない単量体としては、例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸n−オクチル、(メタ)アクリル酸イソノニル、(メタ)アクリル酸ラウリル、(メタ)アクリル酸ステアリル等のアルコール残基が炭化水素系基である(メタ)アクリル系単量体があげられる。
また、上記(メタ)アクリル系単量体と共重合可能な上記カルボキシル基含有単量体としては、(メタ)アクリル酸、イタコン酸、マレイン酸、無水マレイン酸等があげられる。したがって、これらの単量体は、上記内部架橋性樹脂のカルボキシル基を形成する単量体単位となる。
さらに、上記(メタ)アクリル系単量体と共重合可能な上記エポキシ基含有単量体としては、(メタ)アクリル酸グリシジル等があげられる。
上記カルボキシル基含有単量体の使用量は、上記内部架橋性樹脂を構成する単量体全体に対して、0.5重量%以上が好ましく、1重量%以上がより好ましい。一方、上記カルボキシル基含有単量体の使用量の上限は、10重量%が好ましく、5重量%がより好ましい。0.5重量%より少ないと、エマルジョンの安定性が低下し、また架橋性も不足することがある。更に、難燃剤との混和性も悪化することがある。一方、10重量%より多いと、重合反応性が悪化することがある。
上記エポキシ基含有単量体の使用量は、上記内部架橋性樹脂を構成する単量体全体に対して、1重量%以上が好ましく、3重量%以上がより好ましい。一方、上記エポキシ基含有単量体の使用量の上限は、15重量%が好ましく、10重量%がより好ましい。1重量%より少ないと、架橋性が不足する傾向となる。一方、15重量%より多いと、重合時の乳化安定性が不足する傾向となる。
特に、単量体群として、上記の炭化水素系基の(メタ)アクリル系単量体、エポキシ基含有単量体、カルボキシル基含有単量体及びニトリル基含有単量体を用いる場合、これらの組成比は、重量比で、(メタ)アクリル系単量体/エポキシ基含有単量体/カルボキシル基含有単量体/ニトリル基含有単量体=50〜92.5/1.5〜15/1〜10/5〜25(これら4つの単量体の合計を100とする)の範囲内とするのが好ましく、65〜88.5/3〜10/1.5〜5/7〜20(これら4つの単量体の合計を100とする)の範囲内とするのがより好ましい。
上記内部架橋性樹脂は、上記の(メタ)アクリル系単量体、カルボキシル基含有単量体、エポキシ基含有単量体の各所定量を、水等の水性媒体中、乳化剤及び重合開始剤の存在下、所定温度で乳化重合することにより、水性媒体中に分散した乳化重合体として得ることができる。
乳化重合の条件としては、特に限定されるものではなく、例えば、40〜90℃の温度、かつ常圧下で行う方法があげられる。重合開始剤としては、アゾ系化合物、過酸化物、パーオキシエステル類、パーオキシジカーボネート類、あるいはこれらの酸化性化合物と、還元性化合物とを組み合わせたレドックス開始剤等のラジカル重合開始剤が一般的である。
上記架橋剤・樹脂混合物を構成するカルボキシル基含有架橋性樹脂は、樹脂中にカルボキシル基を有し、上記架橋剤と反応し、架橋反応を生じる樹脂である。このようなカルボキシル基含有架橋性樹脂としては、カルボキシル基含有単量体を含む単量体群を上記と同様にして共重合することにより得ることができる。
この単量体群を構成する各単量体としては、カルボキシル基含有単量体以外に、(メタ)アクリル系単量体(特に、アルコール残基が炭化水素系基の(メタ)アクリル系単量体)、酢酸ビニル等のビニル系単量体、スチレン等の芳香族ビニル単量体、ニトリル基含有単量体等をあげることができる。
上記のアルコール残基が炭化水素系基の(メタ)アクリル系単量体、カルボキシル基含有単量体としては、上記の内部架橋性樹脂で使用されるアルコール残基が炭化水素系基の(メタ)アクリル系単量体、(メタ)アクリル系のカルボキシル基含有単量体と同様のものを用いることができる。また、上記ニトリル基含有単量体としては、(メタ)アクリロニトリル等があげられる。
上記のカルボキシル基含有架橋性樹脂は、上記内部架橋性樹脂と同様の方法で製造することができる。
上記の内部架橋性樹脂又はカルボキシル基含有架橋性樹脂が含有するカルボキシル基は、その少なくとも一部を有機アミン化合物で中和しておくことが好ましい。有機アミン化合物で中和することにより、得られる遅燃性樹脂組成物が燃焼したとき、架橋反応が促進されるためか、遅燃効果が増大する。
このような有機アミンとしては、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、モノエチルアミン、ジエチルアミン、トリメチルアミン、ジメチルアミノエタノール、2−メチル−2−アミノ−1−プロパノール等があげられる。
上記有機アミン化合物の使用量は、上記の内部架橋性樹脂又はカルボキシル基含有架橋性樹脂100重量部に対し、1重量部以上が好ましく、2重量部以上がより好ましい。また、上記有機アミン化合物の使用量の上限は、15重量部が好ましく、10重量部がより好ましい。1重量部より少ないと、添加による効果が不十分となる傾向となる。一方、15重量部より多くてもよいが、添加量の増加に見合う効果の増大が得られず、経済的でない。
上記架橋剤・樹脂混合物を構成する架橋剤としては、例えば、酸化亜鉛の水溶液又は水分散液、イソシアネート類の水溶液又は水分散液、メラミン−ホルムアルデヒド樹脂の水溶液又は水分散液、及びオキサゾリン基を含む化合物若しくはその水溶液又は水分散液等があげられる。
上記イソシアネート類としては、例えば、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート等のイソシアネートや、その二量体若しくは三量体、又はこれらと多価アルコール類との付加物があげられる。
上記架橋剤の使用量は、上記カルボキシル基含有架橋性樹脂100重量部に対し、1重量部以上が好ましく、2重量部以上がより好ましい。一方、上記架橋剤の使用量の上限は、10重量部が好ましく、8重量部がより好ましい。1重量部より少ないと、架橋が不足して、遅燃効果が不十分となる傾向がある。一方、10重量部を超えて多く用いても、架橋結合を形成するための官能基(カルボキシル基)の当量を超えてしまい、架橋効果が飽和し、添加量増加に見合う効果の増大が得られない。
上記難燃剤(B)とは、対象物に難燃性を付与するための添加物であり、本願発明においては、遅燃性を付与するために添加する。この難燃剤(B)としては、例えば、アンチモン系化合物、ほう素系化合物、アルミニウム系化合物、マグネシウム系化合物、ジルコニウム系化合物等があげられ、具体的には、ポリリン酸アンモニウム、水溶性リン酸アンモニウム、リン酸エステル類等の非ハロゲン系リン系化合物や、(ポリ)水酸化アルミニウム、(ポリ)水酸化マグネシウム等の金属水酸化物等を例示できる。
上記遅燃性樹脂組成物は、架橋性樹脂(A)及び難燃剤(B)を含有するが、これらの混合比は、上記架橋性樹脂(A)100重量部に対し、上記難燃剤(B)が30重量部以上含有するものであり、40重量部以上含有するのが好ましい。また、含有量の上限は、200重量部であり、150重量部が好ましい。30重量部未満だと、遅燃性の効果を十分に発揮できない傾向がある。一方、200重量部より多いと、遅燃性でなく、難燃化の効果が生じて、不完全燃焼が起きやすくなり、燃焼時に一酸化炭素発生量の増大等の懸念が生じる。
なお、遅燃性とは、JIS D 1201−1977の「自動車室内用有機資材の燃焼性試験方法」において燃焼性区分として用いられている「遅燃性」を意味する。すなわち、無風の大気中でいったん着火した資材が着火源を取り去った後も100mm/分以下の燃焼速度でゆっくりと燃え続ける性質をいう。このJIS D 1201−1977の燃焼性試験方法は、米国自動車安全基準(Federal Motor Vehicle Safety Standard)FMVSS−302に規定されている燃焼試験に準拠したものである。
上記遅燃性樹脂組成物は、上記の架橋性樹脂(A)、難燃剤(B)及び必要に応じて他の成分を含有し、これらを混合することにより得られる。この混合に供される上記の架橋性樹脂(A)は、水等の水性媒体中に分散された水性分散体であることが好ましい。また、難燃剤(B)は、水性分散体又は水性媒体に、分散可能なものが好ましい。このような組合せを用いることにより、両者を均一に混合することがより容易となるからである。
上記遅燃性樹脂組成物には、上記架橋性樹脂(A)及び難燃剤(B)以外に、必要に応じて、本発明の優れた効果を妨げない使用範囲において、他の成分が加えられる。この他の成分としては、無機充填剤、分散剤、増粘剤、湿潤剤、発泡剤、製泡剤、消泡剤、顔料、染料、可塑剤、老化防止剤、紫外線吸収剤、防腐剤等があげられる。
このようにして得られた遅燃性樹脂組成物は、一液型であり、十分なポットライフを有する。また、適度な架橋を有するので、燃焼時の樹脂ダレを防止することができる。そして、織布、不織布等に塗工等することにより、織布、不織布等に遅燃性を付与することができる。
この遅燃性樹脂組成物は、特に遅燃性が求められている、自動車用のシートバッキング用カーペット等の織布、不織布等に、効果的に使用することができる。
以下、実施例を用いて、この発明をより具体的に説明するが、この発明は以下の実施例によって限定されるものではない。まず、使用する原材料について説明する。
<単量体各種>
・メタクリル酸メチル…三菱ガス化学(株)製(以下、「MMA」と略する。)
・アクリル酸メチル…三菱化学(株)製(以下、「MA」と略する。)
・アクリル酸ブチル…三菱化学(株)製(以下、「BA」と略する。)
・イタコン酸…磐田化学工業(株)製(以下、「IA」と略する。)
・メタクリル酸グリシジル…三菱ガス化学(株)製(以下、「GMA」と略する。)
・アクリロニトリル…旭化成(株)製(以下、「AN」と略する。)
・アクリルアミド…ダイヤニトリックス(株)製(以下、「AAM」と略する。)
<中和剤>
・トリエタノールアミン…ジャパンケムテック(株)製(以下、「TEA」と略する。)
・アンモニア水…大盛化工(株)製(25重量%に調整、以下、「NH3水」と略する。)
・10重量%水酸化ナトリウム水溶液…(株)トクヤマ製の水酸化ナトリウムを、所定濃度となるように、水に溶解させる。以下「NaOH水」と略する。
・界面活性剤…花王(株)製:エマルゲン1135S−70(商品名、以下、「エマルゲン」と略する。)
・界面活性剤…互応化学(株)製:ノイゲンE−150C(商品名、以下、「ノイゲン」と略する。)
<難燃剤>
・ポリリン酸アンモニウム…太平化学産業(株)製:タイエンP(商品名、以下、「タイエン」と略する。)
<架橋剤>
・オキサゾリン系架橋剤…日本触媒(株)製:エポクロスK−2030E(商品名、エマルジョンタイプ、純分40重量%、以下、「K2030E」と略する。)
(試験方法)
<粘度>
JIS 6833−1994に準拠して、BM型回転粘度計を用いて、ローター#2,12rpm,25℃の条件で測定した。
<ゲル分率>
実施例又は比較例で得られた内部架橋性樹脂エマルジョンを室温にて真空乾燥させ、得られた試料をテトラヒドロフラン(THF)に24時間浸漬し、その未溶解物をメンブランフィルターにてろ過し、そのろ過物を105℃で3時間乾燥した。浸漬前の試料中における未溶解物量を、100分率換算したものをゲル分率とする。
<燃焼性試験>
1)試験片の作成
実施例又は比較例で得られた内部架橋性樹脂エマルジョンを、乾燥後の膜厚が1mmとなるように、ガラス板上に塗布し、約40℃で3日間乾燥機にて乾燥した。得られた皮膜から、長さ5cm×幅2.5cm×厚さ1mmの試料を切り出して試験片とした。
2)燃焼試験
上記試験片の端を、ブンゼンバーナーで5秒間燃焼させた。そして、その後の燃焼の仕方を目視観察し、下記の基準で評価した。
○…皮膜が炭化しながら燃焼し、皮膜が垂れ落ちない
△…皮膜がやや炭化しながら燃焼し、皮膜が垂れ落ちる
×…皮膜が炭化を起こさず燃焼し、皮膜がボタボタ落ちた
<遅燃性試験>
JIS D 1201にしたがって、上記試験片を用いて評価した。具体的には、下記の方法で行った。
1)試験片作成
ポリエステル製ニードルパンチカーペット(200g/m)に、上記の方法で得られた樹脂組成物を50g/m(固形分)となるように塗布し、105℃×10分間乾燥後、さらに150℃×2分間の加熱処理を行った。得られたカーペットを23℃×50%Rhの雰囲気中で24時間、条件調整したものを試料とした。
2)遅燃性試験
スガ試験機(株)製、MVSS−2型燃焼試験機を用いて燃焼速度を測定した。
<難燃剤との混和性(ポットライフ)>
実施例又は比較例で得られた樹脂組成物を、製造直後に密閉容器に入れ、50℃で1週間放置し、その後の塗料の粘性を目視観察し、下記の基準で評価した。
○…製造直後と放置後の粘性に変化が見られない
△…製造直後と放置後の粘性に変化が見られる(放置後の粘度が増加している。)
×…放置後のものは、ゲル化していた
(実施例1〜4、比較例1〜2)
表1に示す各モノマー成分(合計100重量部)、エマルゲン1.5重量部、ノイゲン8.3重量部、水37重量部を撹拌機にて混合し、モノマープレエマルジョンを作製した。
撹拌後、還流冷却器、温度計及び滴下漏斗を備えた反応容器に、水45重量部を入れて、75℃に加熱した。重合開始剤として、過硫酸ナトリウム0.2重量部及び無水重亜硫酸ナトリウム0.02重量部をそれぞれ水に溶解させ、反応容器に添加し、上記モノマープレエマルジョンを3時間かけて連続滴下し、重合反応を行った。さらに、滴下終了後に、過硫酸ナトリウム0.1重量部を水に溶解させたものを添加した。この過硫酸ナトリウムを添加した後、80℃に昇温し、3時間熟成させ、冷却後、表1に示す中和剤を添加して中和し、内部架橋性樹脂エマルジョンを得た。
得られた内部架橋性樹脂エマルジョンを用いて、上記の粘度、ゲル分率、及び遅燃性試験(皮膜の燃焼試験)の各試験を行った。その結果を表1に示す。
次に、得られた内部架橋性樹脂エマルジョン(固形分50重量%)を50重量部、水25重量部、及び難燃剤としてタイエン25重量部を混合し、樹脂組成物を得た。得られた樹脂組成物を用いて、上記の難燃剤との混和性、及び遅燃性試験(JIS D 1201による試験)を行った。その結果を表1に示す。
(実施例5)
モノマー成分の組成を表1に示すように変更したこと以外は、上記実施例に記載した方法と同様にして、樹脂エマルジョンを作成した。
得られた樹脂エマルジョンの固形分100重量部あたり4重量部の架橋剤K2030Eを添加・混合して、架橋性樹脂エマルジョンを調製した。得られた架橋性樹脂組成物を用いて、難燃性樹脂組成物の調製・評価を上記実施例と同様にして行った。その結果を表1に示す。
Figure 2007269991

Claims (5)

  1. エポキシ基とカルボキシル基とを有する内部架橋性樹脂、又はカルボキシル基含有架橋性樹脂と架橋剤との混合物からなる架橋性樹脂(A)、及び難燃剤(B)を含有し、
    上記架橋性樹脂(A)100重量部に対する上記難燃剤(B)の含有量は、30重量部以上、200重量部以下であり、
    上記カルボキシル基は、その少なくとも一部が有機アミン化合物で中和された遅燃性樹脂組成物。
  2. 上記内部架橋性樹脂が、(メタ)アクリル系重合体を主成分とする樹脂である請求項1に記載の遅燃性樹脂組成物。
  3. 上記内部架橋性樹脂のカルボキシル基は、(メタ)アクリル酸、イタコン酸、マレイン酸又は無水マレイン酸由来のカルボキシル基である請求項1又は2に記載の遅燃性樹脂組成物。
  4. 上記内部架橋性樹脂が、(メタ)アクリル系単量体、エポキシ基含有単量体、カルボキシル基含有単量体及びニトリル基含有単量体を含有する単量体群を共重合して得られたものであり、
    上記の4つの単量体の組成比が、重量比で、(メタ)アクリル系単量体/エポキシ基含有単量体/カルボキシル基含有単量体/ニトリル基含有単量体=50〜92.5/1.5〜15/1〜10/5〜25(これら4つの単量体の合計を100とする)の範囲内である請求項1に記載の遅燃性樹脂組成物。
  5. 上記架橋性樹脂(A)、及び難燃剤(B)は、いずれも水性媒体中に分散されたものである請求項1乃至4のいずれかに記載の遅燃性樹脂組成物。
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