JP2005320463A - 難燃性水系樹脂エマルション及びその製造方法 - Google Patents

難燃性水系樹脂エマルション及びその製造方法 Download PDF

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小島  隆
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Abstract

【解決手段】
アミド基含有不飽和単量体(a)単体、又はアミド基含有不飽和単量体(a)及びこれと共重合可能なビニル単量体(b)を含む混合物を共重合して得られる水系共重合樹脂(A)、並びに脂肪族不飽和カルボン酸単量体(c)及びこれと共重合可能なビニル単量体(d)を含む混合物を共重合して得られる樹脂粒子(B)を主成分とする難燃性水系樹脂エマルション及びその製造方法である。
【効果】
本発明により、難燃助剤の併用比率を減らしながらも難燃性能を保ち、難燃助剤との相溶性、基材の強度、柔軟性、風合い性に優れ、かつ焼却時に有害な物質を生成しない非ハロゲン化樹脂の難燃性水系樹脂エマルションを得ることができる。
【選択図】
なし












































Description

本発明は、優れた難燃性を付与することが可能な難燃性水系樹脂エマルションに関するものである。更に詳しくは、焼却時に有害なハロゲン化合物を発生しない難燃性水系樹脂エマルション及びその製造方法に関するものである。
紙、不織布等の基材に合成樹脂を塗工あるいは含浸して成る難燃性を要する製品が、例えば床材、壁紙、化粧紙、フィルター等の建設資材用をはじめ車両や家庭用電化製品に至る広範囲な分野で使用されている。これらの製品は、基材の持つ特性を生かしつつ樹脂、難燃助剤等の複合化により目的とする機能性が付与さる。従来、難燃性能の要望に応える為に主にハロゲン系樹脂に代表される塩化ビニリデン樹脂やハロゲン系難燃助剤が使用されてきた。しかし、ハロゲン系化合物は、難燃性効果は大きいが廃棄焼却する際にダイオキシン等の有毒ガスを発生する等の問題が危惧され、環境問題が社会的に重要視されている昨今、本分野においても、脱ハロゲン化への対応が不可欠の検討課題となっている。
これに対して、ハロゲン系樹脂の使用量を極力減らしたり、また、ハロゲン系樹脂をアクリル系、酢酸ビニル系、エチレン−酢酸ビニル系の非ハロゲン系樹脂等に切り替え、ハロゲン系難燃助剤をリン酸系難燃剤及び金属水和物等の難燃助剤に代替し、高比率で併用する等の対応策が実施されている。しかし、これら脱ハロゲン化の方向は、従来のハロゲン系に比べ難燃性が低いため、充分な難燃性効果が得られず、充分な難燃性を得るためは、非ハロゲン系難燃助剤の併用比率を多くする必要がある。しかし、この難燃剤の併用比率を多くすると基材の風合い、強度及び使用する非ハロゲン系難燃助剤の種類と併用比率によっては樹脂との相溶性等の機能が低下するという問題をきたし、両者を満足するものは未だ得られていないのが実状である。このような状況の中、風合い、強度、難燃助剤との相溶性能等に合わせ難燃性能に優れた非ハロゲン化樹脂の出現が強く望まれている。
特開平8−113900号公報 特開平8−260398号公報 特開2002−4164号公報
本発明は、上述する従来技術に伴う問題を解決しようとするものであって、難燃助剤の併用比率を減らしながらも難燃性能を保ち、難燃助剤との相溶性、基材の強度、風合い性に優れ、かつ焼却時に有害な物質を生成しない非ハロゲン化樹脂の難燃性水系樹脂エマルションを提供することにある。
本発明者等は、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、アミド基含有不飽和単量体(a)単体、又はアミド基含有不飽和単量体(a)及びこれと共重合可能なビニル単量体(b)を含む混合物を共重合して得られる水系共重合樹脂(A)、並びに脂肪族不飽和カルボン酸単量体(c)及びこれと共重合可能なビニル単量体(d)を含む混合物を共重合して得られる樹脂粒子(B)を主成分とする難燃性水系樹脂エマルション及びその製造方法を見出した。
この難燃性水系樹脂エマルションにおいて、前記水系共重合樹脂(A)の固形分100重量部中に、アミド基含有不飽和単量体(a)を30〜100重量部含むことが好ましい。また、前記樹脂粒子(B)の固形分100重量部中に、脂肪族不飽和カルボン酸単量体(c)が1.5〜15重量部共重合されていることが好ましい。
更に前記樹脂粒子(B)の固形分を100重量部としたとき、水系共重合樹脂(A)の固形分を20〜200重量部含むことが好ましい。また、非ハロゲン系の難燃助剤を含有する事を特徴とする難燃性水系樹脂エマルションである。
更に、アミド基含有不飽和単量体(a)単独、又はアミド基含有不飽和単量体(a)及びこれと共重合可能なビニル単量体(b)を含む混合物を重合して得られる水系共重合樹脂(A)の存在下に、脂肪族不飽和カルボン酸単量体(c)、及びこれと共重合可能なビニル単量体(d)を含む混合物を共重合して得られる樹脂粒子(B)を含むことを特徴とする難燃性水系樹脂エマルションの製造方法である。
本発明により、難燃助剤の併用比率を減らしながらも難燃性能を保ち、難燃助剤との相溶性、基材の強度、柔軟性、風合い性に優れ、かつ焼却時に有害な物質を生成しない非ハロゲン化樹脂の難燃性水系樹脂エマルションを得ることができる。
以下、本発明に係る難燃性水系樹脂エマルションについて具体的に説明する。
本発明の難燃性水系樹脂エマルションの構成は、水系共重合樹脂(A)と樹脂粒子(B)とを主成分とするものである。これ等の好ましいエマルションの粒子構造は、樹脂粒子(B)表面の一部に共重合体(A)が存在している構造や、樹脂粒子(B)表面がすべて共重合体(A)で覆われた2層構造などが挙げられる。また、水系とは、これら樹脂が水中に分散している状態及び/又は一部が溶解している状態を意味する。本発明のエマルションの粒子構造は、透過型電子顕微鏡による観察での濃淡(コントラスト)で容易に観察することができる。また、水希釈状態で測定した動的光散乱法による水膨潤粒子径と走査型電子顕微鏡にて測定した乾燥粒子径との差異をもって表面に分布する水系共重合樹脂(A)の厚みを表すと想定でき、容易に測定、観察できる。
本発明では、要求される基本特性、すなわち、難燃性、耐熱性を満足させるために水系共重合樹脂(A)が必須である。難燃性水系樹脂エマルションの製造方法は、水系共重合樹脂(A)を製造後にその存在下で樹脂粒子(B)を重合したり、逆に樹脂粒子(B)を製造後にその存在下で水系共重合樹脂(A)を重合したり、または、水系共重合樹脂(A)と樹脂粒子(B)をそれぞれ別に製造した後に混合したり、または、水系共重合樹脂(A)成分と樹脂粒子(B)成分の単量体を一括共重合しても良く、特に限定されるものではない。樹脂粒子(B)を内層とし、水系共重合樹脂(A)が外層に吸着又はグラフトした状態に分布し易くするためには、水系共重合樹脂(A)を製造後にその存在下で樹脂粒子(B)を重合する製造方法が好ましい。
本発明における水系共重合樹脂(A)は、樹脂粒子(B)の製造に際し、保護コロイドとして作用し、樹脂粒子(B)を安定にしかも微細な状態で水中に存在させる機能を担持するものである。したがって、水系共重合樹脂(A)を製造後にその存在下で樹脂粒子(B)を重合する場合、水系共重合樹脂(A)製造時にビニル単量体(b)として脂肪族不飽和カルボン酸単量体を使用する場合は、得られた水系共重合樹脂(A)の一部を塩基により中和して水溶化し、この存在下で脂肪族不飽和カルボン酸単量体(c)と比較的ガラス転移点が低くなるように調整されたビニル単量体(d)を含む混合物を共重合し、樹脂粒子(B)を製造するのが好ましい。このようにして製造された樹脂エマルションは、必然的に樹脂粒子(B)を内層とし、水系共重合樹脂(A)が外層に吸着又はグラフトした状態で分布することになる。そして、このエマルション樹脂を基材に加工した場合、優れた難燃性、耐熱性を発現する事ができる。また、内層は、外層の硬くて脆い性質を補う応力緩和剤として作用し、同時に難燃剤等を併用したときに発生する強度低下に対し優れた機能を担持するものである。
本発明の水系共重合樹脂(A)に使用されるアミド基含有不飽和単量体(a)としては、特に限定されるものではないが例えば、アクリルアミド、メタアクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N−メチロール(メタ)アクリルアミド等のエチレン系不飽和カルボン酸アミドおよびそのN−置換化合物が挙げられ、特に、メタアクリルアミドが好適に使用される。次に共重合可能なビニル単量体(b)としては、特に限定されるものではないが、例えば、アクリル酸−2−ヒドロキシエチル、メタアクリル酸−2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシプロピル等の水酸基を有するエチレン系不飽和カルボン酸エステル類;アクリル酸、メタアクリル酸、クロトン酸等のモノカルボン酸類;マレイン酸、フマル酸、イタコン酸等のジカルボン酸類およびその無水物並びにハーフエステル類が挙げられる。
水系共重合樹脂(A)はアミド基含有不飽和単量体(a)単独、又はこれと共重合可能なビニル単量体(b)の中から選ばれる一種または二種以上の混合物からなる共重合体である。アミド基含有不飽和単量体(a)及びこれと共重合可能なビニル単量体(b)を含む混合物を共重合して得られる水系共重合樹脂(A)の固形分100重量部中に、アミド基含有不飽和単量体(a)が30〜100重量%、好ましくは50〜80重量%含有される。(a)の含有量がこの範囲であると、本発明の基本的な物性の一つである難燃性が充分に得られる。共重合可能なビニル単量体(b)の使用量は、水系共重合樹脂(A)を構成する全単量体の固形分を100重量部としたとき上記単量体(a)を除いたものであり、70〜0重量%、好ましくは50〜20重量%である。
本発明の樹脂粒子(B)に使用される脂肪族不飽和カルボン酸単量体(c)としては、特に限定されるものではないが、例えば、アクリル酸、メタアクリル酸、クロトン酸等のモノカルボン酸類;マレイン酸、フマル酸、イタコン酸等のジカルボン酸類およびその無水物並びにハーフエステル類が挙げられ、少なくともこれらの一種、または二種以上の混合物で使用できる。これらと共重合可能なその他ビニル単量体(d)としては、特に限定されるものではないが、例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシプロピル等の(メタ)アクリル酸エステル類;アクリロニトリル、メタアクリロニトリル等のシアン化ビニル類;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル等のビニルエステル類;スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、p−メチルスチレン等の芳香族ビニル単量体類;ジビニルベンゼン、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート等の架橋性ビニル単量体類;1,3−ブタジエン、2−メチル1,3−ブタジエン等の脂肪族共役ジエン系単量体類;さらに、メタクリル酸グリシジル等のグリシジル基含有不飽和単量体類;ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチルアミノプロピル、(メタ)アクリルアミド、2−ビニルピリジン、4−ビニルピリジン、(メタ)アリルアミン等の不飽和アミン化合物が挙げられ、少なくともこれらの一種、または二種以上の混合物で使用できる。尚、ここに記載された(メタ)アクリレートのような記載は、アクリレート及びメタアクリレートを示す。
組み合わせで特に制限されるものではないが、(メタ)アクリル酸エステル類とアクリロニトリル等のシアン化ビニル類が好適に使用され、ガラス転移点として−40〜60℃の範囲になるように組み合わせて用いるのが好ましい。ガラス転移点がこの範囲にあると、耐熱性、柔軟性、風合い性の良好な樹脂が得られる。
脂肪族不飽和カルボン酸単量体(c)の使用量は、樹脂粒子(B)を構成する全単量体の固形分を100重量部としたとき1.5〜15重量%、好ましくは2〜10重量%である。(c)の使用量がこの範囲であると、リン酸系難燃剤及び金属水和物等の難燃助剤を併用したとき、重合体水系組成物の安定性が良好であり、重合体組成物の粘度が著しく高くならない。単量体(d)の使用量は、樹脂粒子(B)を構成する全単量体の固形分を100重量部としたとき上記単量体(c)を除いたものであり、98.5〜85重量%であり、好ましくは98〜90重量%である。
本発明において、樹脂粒子(B)の固形分を100重量部としたときに、水系共重合樹脂(A)の固形分は、20〜200重量部、好ましくは30〜150重量部である。水系共重合樹脂(A)の量がこの範囲であると、本発明のもっとも基本的な物性の一つである難燃性が十分に得られ、また、重合体組成物の粘度が高くならず、さらに、著しく硬く脆くならず、必要とする基材の強度、柔軟性、風合い性が得られる。
本発明の樹脂粒子(B)の動的光散乱法による平均粒子径(数平均)は特に制限はないが、通常50〜500nm、好ましくは70〜400nmである。平均粒子径が小さすぎると、粘度が著しく高くなることがある。この場合、製造時の樹脂濃度を低くしなければならないため、加工時の乾燥性も遅くなり、生産性に支障をきたすことを含め、経済上好ましくない。一方、平均粒子径が大きすぎると、基材への浸透性に欠けたり、また、緻密な樹脂膜が形成されにくいために最終加工物の強度に支障をきたす場合がある。粒子径は水系共重合樹脂(A)の分子量、組成、および界面活性剤により操作でき、上記範囲内になるように調整できる。
本発明において、樹脂粒子(B)を得る方法は、水系共重合樹脂(A)を安定化剤として用いる以外は公知の重合技術に従えば良い。即ち、安定化剤(保護コロイド)となる水系共重合樹脂(A)を予め製造あるいは準備しておいた後、樹脂粒子(B)を製造してもよいし、水系共重合樹脂(A)を製造した後、引き続いて製造してもよく、特に制限されない。また、樹脂粒子(B)を製造する際、必要に応じて安定性を付与するために乳化剤を用いることができる。例えば、高級アルコールの硫酸エステル、アルキルベンゼンスルホン酸塩、脂肪族スルホン酸塩、アルキルジフェニルエーテルスルホン酸塩等のアニオン性界面活性剤、ポリエチレングリコールのアルキルエステル型、アルキルフェニルエーテル型、アルキルエーテル型等の非イオン界面活性剤を単独もしくは二種以上の組み合わせで使用することもできる。これらの乳化剤の使用量については、特に制限はないが、樹脂の耐水性、消泡性等を考慮すると必要最小量とするのが好ましい。
水系共重合樹脂(A)および樹脂粒子(B)を製造する際に使用する重合開始剤としては、特に制限はないが、過硫酸塩、過酸化水素、有機ハイドロパーオキサイド、アゾビスシアノ吉草酸の水溶性開始剤、過酸化ベンゾイル、アゾビスイソブチルニトリル等の油溶性開始剤、あるいは還元剤と組み合わせたレドックス系開始剤が使用される。重合開始剤の量については特に制限はないが、通常、ビニル単量体100重量部に対して0.1〜10重量部の範囲で用いられ、好ましくは0.1〜5重量部とする。
本発明において、樹脂粒子(B)形成後、エマルションのpHを調整する際に中和剤が用いられる。これらの中和剤として、アンモニア(水)が用いられる。中和剤の例として他に水酸化ナトリウム、水酸化カリウムや各種のアミン類が挙げられる。アンモニア(水)を用いれば、比較的低温で離脱し易いので加工後の耐水性が短時間に発現するという利点が得られる。本発明における難燃性水系樹脂エマルションは、使用に際し必要により一般的に使用されている難燃剤を配することもできる。添加量に制限はないが、本発明の目的を損なわない範囲で、適宜その種類と量を選択することができる。難燃剤として例えば、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム等の金属水和物、ポリリン酸アンモニウム、赤リン、リン酸エステル、有機窒素系化合物のリン酸塩等のリン系難燃剤、尿素、メラミン等の含窒素化合物などが挙げられる。また、尿素は柔軟性付与剤としても好適である。
以下、本発明を実施例によって説明するが、本発明はこれら諸例によって限定されるものではない。尚、諸例中の部数および%は特に指定のない場合は、全て重量部および重量%を表す。
製造例:A1及びB1
攪拌機、環流冷却器付きのセパラブルフラスコに脱イオン水100.0部を仕込み、窒素ガスで置換した後、75℃に昇温し、次いで過硫酸アンモニウム2.0部を添加し、下記組成のビニル単量体と脱イオン水の混合物を、撹拌下に2時間かけて連続的に添加した後、2時間保持し重合を完結させた。次いで40℃以下に冷却後、アンモニア水でPH7.0に調整し、固形分が約25%で25℃の粘度が650mPa・sの水系共重合樹脂(A1)を得た。
(ビニル単量体と脱イオン水の混合物)
メタクリルアミド80部
2−ヒドロキシエチルメタクリレート10部
アクリル酸5部
メタクリル酸5部
脱イオン水200部
上記水系共重合樹脂(A1)水溶液に固形分調整用脱イオン水50部を加え、再び窒素置換しながら75℃に昇温し、次いで過硫酸アンモニウム1.0部添加してから下記組成のビニル単量体乳化物を3時間かけて連続的に添加し、更に3時間保持して重合を完結させた。次いで40℃以下に冷却後、アンモニア水にてpH7.5に調整し、固形分が37%で25℃の粘度が700ミリパスカル秒、動的光散乱法による水膨潤粒子径を、大塚電子株式会社製、LPA3100測定機を用いて測定した結果、数平均粒子径345nmである乳白色の難燃性水系樹脂エマルション(B1)を製造した。
(ビニル単量体乳化物組成)
アクリロニトリル70部
ブチルアクリレート110部
2−ヒドロキシエチルメタクリレート4部
アクリル酸16部
ドデシルベンゼンスルホン酸ソーダ0.2部
脱イオン水150部
製造例B2〜B5
製造例B1における水系共重合樹脂(A1)の製造以降の操作において、表2に示すビニル単量体乳化組成物(c)、(d)にそれぞれ変更した以外は、製造例B1と同様に製造し、表2に示す固形分、粘度の難燃性水系樹脂エマルション(B2)〜(B5)を得た。
製造例B6〜B8
製造例A1及びB1における水系共重合樹脂(A1)の製造操作において、(A1)の代わりに表1に示す水系共重合樹脂(A2)、(A3)、(A4)をそれぞれ用い、以降の操作において、表2に示すビニル単量体乳化組成物(c)、(d)にそれぞれ変更した以外は製造例A1及びB1と同様に製造し、表2に示す固形分、粘度の難燃性水系樹脂エマルション(B6)〜(B8)を得た。
製造例B9
製造例A1及びB1における水系共重合樹脂(A1)の製造以降の操作において、表2に示すビニル単量体乳化組成物(c)、(d)に変更した以外は、製造例B1と同様に製造し、表2に示す固形分、粘度の難燃性水系樹脂エマルション(B9)を得た。
製造例B10
製造例A1及びB1における水系共重合樹脂(A1)の製造操作において、(A1)の代わりに表1に示す(A4)を用い、水系共重合樹脂(A4)400部に固形分調整用脱イオン水633.4部を加え、再び窒素置換しながら75℃に昇温し、次いで過硫酸アンモニウム3.3部添加してから下記組成のビニル単量体乳化物を3時間かけて連続的に添加し、更に3時間保持して重合を完結させた。次いで40℃以下に冷却後、アンモニア水にてpH7.5に調整し、表2に示す固形分、粘度の難燃性水系樹脂エマルション(B10)を得た。
(ビニル単量体乳化物組成)
アクリロニトリル266.7部
ブチルアクリレート353.3部
2−ヒドロキシエチルメタクリレート13.3部
アクリル酸33.3部
ドデシルベンゼンスルホン酸ソーダ1.3部
脱イオン水266.7部
製造例B11
製造例A1及びB1における水系共重合樹脂(A1)の製造操作において、(A1)の代わりに表1に示す(A4)を用い、水系共重合樹脂(A4)固形分濃度調整水を加えず、過硫酸アンモニウム0.2部、下記組成のビニル単量体乳化組成物を変更した以外は製造例B1と同様に製造し、表2に示す固形分、粘度の水系樹脂エマルション(B11)を得た。
(ビニル単量体乳化物組成)
アクリロニトリル16部
ブチルアクリレート21.2部
2−ヒドロキシエチルメタクリレート0.8部
アクリル酸2部
ドデシルベンゼンスルホン酸ソーダ0.04部
脱イオン水8部
製造例B12
製造例A1及びB1における水系共重合樹脂(A1)製造操作において、(A1)の代わりに表1に示す(A5)を用い、以降の操作において、表2に示すビニル単量体乳化組成物(c)、(d)に変更した以外は製造例B1と同様に製造し、表2に示す固形分、粘度の難燃性水系樹脂エマルション(B12)を得た。
製造例B13
比較製造例として、製造例A1及びB1における水系共重合樹脂(A)を用いず、難燃性水系樹脂エマルション(B)を以下製造した。
攪拌機、環流冷却器付きのセパラブルフラスコに脱イオン水550.0部を仕込み、窒素ガスで置換した後、75℃に昇温し、次いで過硫酸アンモニウム0.1部添加してから下記組成のビニル単量体乳化物を3時間かけて連続的に添加し、更に3時間保持して重合を完結させた。次いで40℃以下に冷却後、アンモニア水にてpH7.5に調整し、固形分が38%で25℃の粘度が2500ミリパスカル秒、動的光散乱法による水膨潤粒子径を、大塚電子株式会社製、LPA3100測定機を用いて測定した結果、数平均粒子径190nmである乳白色の難燃性水系樹脂エマルション(B13)を製造した。
(ビニル単量体乳化物組成)
アクリロニトリル175部
ブチルアクリレート265部
2−ヒドロキシエチルメタクリレート10部
メタクリル酸50部
ドデシルベンゼンスルホン酸ソーダ0.5部
脱イオン水200部
このようにして本発明の難燃性水系樹脂エマルション(B)を製造した。製造に供した水系共重合樹脂(A)の組成及び結果を表1に、難燃性水系樹脂エマルション(B)の組成及び結果を表1にまとめて示す。
Figure 2005320463
Figure 2005320463
[実施例1〜22及び比較例1〜4]
前記方法で製造した難燃性水系樹脂エマルション(B1)〜(B13)単独又は難燃剤を併用した配合液を用いて以下に示す方法にて難燃性、引張強度試験及び風合い評価、又、難燃剤を併用した系は配合液の相溶性試験を実施し、その結果及び難燃剤併用比率を表3に示す。
(1)引張強度試験
樹脂エマルション単独の場合は水で希釈し固形分濃度が30%になるように、難燃剤併用の場合は、難燃剤としてリン酸グアニジン(株式会社三和ケミカル社製、商品名アピノン−302、60%濃度品)を用い、樹脂エマルションの撹拌下にリン酸グアニジンを樹脂エマルション/リン酸グアニジン固形分比で1/0.5又は1/1になるように添加し、最終固形分濃度が30%になるように水で希釈調整したものをそれぞれの加工液とする。加工液に、坪量70g/m2上質塗工原紙を含浸させ、原紙重量に対し樹脂固形分で12%の目付量になるようにマングルニップ圧で調整し、120℃で2分間ドラムドライヤーにて乾燥させたものを加工紙サンプルとし、JIS:P-8113により引張試験機にて縦方向裂断長を測定した。
(2)風合い評価
上記(1)で得られた加工紙サンプルを手感触により以下の基準で評価した。
判定基準 ○:柔らかい △:やや硬い ×:硬い
(3)難燃性試験
上記(1)で調整した加工液を室温で乾燥させ、次いで120℃で5分間熱処理したフィルムをミルサーで粉状化したものをサンプルとし、JIS:K−7201酸素指数法による高分子材料の燃焼試験方法にて酸素指数濃度(%)を測定した。
(4)相溶性試験
上記(1)で難燃剤を併用した加工液の3時間後の相溶状態を目視判定した。
○:凝集、分離無し、 ×:僅かに凝集〜凝集、分離有り
Figure 2005320463
表3より、水系共重合樹脂(A)がない比較例の難燃性水系樹脂エマルションは、難燃剤の同水準添加量の実施例と比較して、難燃性が劣ることが分かる。
本発明における難燃性水系樹脂エマルションは、紙、合成紙、不織布、繊維、フィルム等広く工業用途で使用される基材全般の表面塗工または含浸加工を施すことができる。

Claims (6)

  1. アミド基含有不飽和単量体(a)単独、又はアミド基含有不飽和単量体(a)及びこれと共重合可能なビニル単量体(b)を含む混合物を共重合して得られる水系共重合樹脂(A)、並びに脂肪族不飽和カルボン酸単量体(c)及びこれと共重合可能なビニル単量体(d)を含む混合物を共重合して得られる樹脂粒子(B)を主成分とすることを特徴とする難燃性水系樹脂エマルション。
  2. 前記水系共重合樹脂(A)の固形分100重量部中に、アミド基含有不飽和単量体(a)を30〜100重量部含むことを特徴とする請求項1記載の難燃性水系樹脂エマルション。
  3. 前記樹脂粒子(B)の固形分100重量部中に、脂肪族不飽和カルボン酸単量体(c)が1.5〜15重量部共重合されていることを特徴とする請求項1又は2記載の難燃性水系樹脂エマルション。
  4. 前記樹脂粒子(B)の固形分を100重量部としたとき、水系共重合樹脂(A)の固形分を20〜200重量部含むことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の難燃性水系樹脂エマルション。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載の難燃性水系樹脂エマルションに、非ハロゲン系の難燃助剤を含有する事を特徴とする難燃性水系樹脂エマルション。
  6. アミド基含有不飽和単量体(a)単独、又はアミド基含有不飽和単量体(a)及びこれと共重合可能なビニル単量体(b)を含む混合物を重合して得られる水系共重合樹脂(A)の存在下に、脂肪族不飽和カルボン酸単量体(c)及びこれと共重合可能なビニル単量体(d)を含む混合物を共重合して得られる樹脂粒子(B)を含むことを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の難燃性水系樹脂エマルションの製造方法。
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