JP4887829B2 - 難燃性水性樹脂分散体 - Google Patents

難燃性水性樹脂分散体 Download PDF

Info

Publication number
JP4887829B2
JP4887829B2 JP2006043802A JP2006043802A JP4887829B2 JP 4887829 B2 JP4887829 B2 JP 4887829B2 JP 2006043802 A JP2006043802 A JP 2006043802A JP 2006043802 A JP2006043802 A JP 2006043802A JP 4887829 B2 JP4887829 B2 JP 4887829B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
vinyl
resin dispersion
aqueous
aqueous resin
resin
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2006043802A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2006312712A (ja
JP2006312712A5 (ja
Inventor
浩司 佐藤
和雄 高見
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
DIC Corp
Original Assignee
DIC Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by DIC Corp filed Critical DIC Corp
Priority to JP2006043802A priority Critical patent/JP4887829B2/ja
Publication of JP2006312712A publication Critical patent/JP2006312712A/ja
Publication of JP2006312712A5 publication Critical patent/JP2006312712A5/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4887829B2 publication Critical patent/JP4887829B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)

Description

本発明は、難燃性水性樹脂分散体に関する。更に詳しくは、特にグアニジン化合物を分散させてなる難燃性水性樹脂分散体に関する。
従来、例えば、住宅、自動車等の広範囲の分野において用いられる、ベース樹脂やバインダー樹脂には難燃剤として、デカブロモジフェニルエーテル等に代表されるハロゲン系難燃剤が優れた難燃性を付与するために汎用されてきた。
しかしながら、ハロゲン系難燃剤は、燃焼時に有害性あるいは腐食性の強いガスを多量に発生するため、自然環境や生態系へ悪影響を与えるという問題があり、早急な解決が望まれていた。そのため、ハロゲン系難燃剤に代わる難燃剤として、例えば、燐酸エステル等の有機燐系難燃剤、シアヌル酸メラミン等の有機窒素系難燃剤、あるいは、シリカ、アンチモン、水酸化マグネシウム等の無機化合物難燃剤が提案されているが、何れも満足できる難燃性を得るには到っていなかった。
かかる問題に対して、燃焼時や熱分解時に有害な煙の発生が少なく、且つ良好な難燃性を付与し得る難燃剤として、グアニジン化合物を用いてなるものが提案されていた。例えば、原紙に、木材パルプ100重量部に対してスルファミン酸グアニジン5〜20重量部及びガラス転移点−10〜20℃のアクリル系エマルジョン5〜10重量部が含浸された、JIS P8139B法より測定した紙層剥離強度が100g/15mm以上である難燃性高剥離壁紙用裏打ち紙が開示されており、サイズプレス方式により紙へスルファミン酸グアニジンとポリアクリル酸エステルの水性樹脂分散体を含浸させる方法により、良好な難燃性を付与できるという(例えば、特許文献1参照。)。
しかしながら、かかる水性樹脂分散体は、2液タイプであるため使用時に煩雑で作業性に劣り、また、界面活性剤を多く用いてグアニジン化合物を分散させているため、樹脂の皮膜物性等が著しく劣るという問題があった。
更に、グアニジン化合物は分散性に劣り経時で増粘してしまう場合が多く、樹脂の皮膜が不透明となり、これを用いて得られる加工基材からはグアニジン化合物に由来する所謂「粉落ち」が多量に発生するという憂慮すべき問題もあった。
尚、本発明でいう「粉落ち」とは、難燃剤の剥離や脱離のことを意味し、水性樹脂分散体の基材へのバインダー力や水性樹脂分散体と難燃剤の相溶性に起因するものである。
特開2003−003400号公報
本発明の目的は、ビニル系樹脂の水性樹脂分散体に、均一にグアニジン化合物を分散されているものであって、優れた難燃性、発煙抑制、及び粉落ちの防止などの効果を発揮する非ハロゲン系の難燃性水性樹脂分散体を提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意研究を行った結果、中和されていてもよいカルボキシル基を有する水溶性ビニル系樹脂(A)の水溶液(I)中でビニル系単量体類(b)を重合してなるビニル系樹脂(B)の水性樹脂分散体(II)を用いることにより、グアニジン化合物を添加しても凝集せず、均一に安定的にグアニジン化合物を分散でき、且つ優れた難燃性、発煙抑制、及び粉落ちの防止などの効果を発揮することができることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は、カルボキシル基含有ビニル系単量体(a1)の含有率が40重量%以上のビニル系単量体(a)を水性媒体中で反応せしめて得られる中和されていてもよいカルボキシル基を有するビニル系樹脂(A)の水溶液(I)中で、カルボキシル基含有ビニル系単量体の含有率が5重量%以下であり、ブチル(メタ)アクリレート、メチル(メタ)アクリレート及びスチレンからなる群より選ばれる1以上からなる(メタ)アクリレートを主要必須成分とするビニル系単量体(b)を重合してなるビニル系樹脂(B)の水性樹脂分散体(II)に、グアニジン化合物(C)が分散されている難燃性水性樹脂分散体であって、前記ビニル系単量体(b)の使用量が前記ビニル系樹脂(A)に対する重量比(b/A)で100/0.5〜100/50であり、かつ、前記グアニジン化合物(C)の使用量が前記水性樹脂分散体(II)の樹脂固形分100重量部に対して25〜75重量部であることを特徴とする難燃性水性樹脂分散体を提供するものである。
本発明の難燃性水性樹脂分散体は、界面活性剤を使用しなくともグアニジン化合物を均一に安定的に分散させることができ、従来技術で問題であったグアニジン化合物に由来する所謂「粉落ち」が発生せず、且つ従来技術のように界面活性剤を用いた場合に生じる樹脂皮膜の透明性の低下を招く恐れもないので、透明性に優れる樹脂皮膜を得ることができる。
また、本発明の難燃性水性樹脂分散体は、造膜性に優れ、加工基材上にグアニジン化合物を均一に付着させることができるので、優れた難燃性を付与することができる。
本発明を実施するにあたり、必要な事項を以下に述べる。
先ず、本発明の難燃性水性樹脂分散体に用いるビニル系樹脂(B)の水性樹脂分散体(II)について説明する。
本発明の難燃性水性樹脂分散体に用いるビニル系樹脂(B)の水性樹脂分散体(II)とは、中和されていてもよいカルボキシル基を有するビニル系樹脂(A)の水溶液(I)中でビニル系単量体類(b)を重合して得られるビニル系樹脂(B)が、前記水溶液(I)中に分散されている水性樹脂分散体である。
前記ビニル系樹脂(B)の水性樹脂分散体(II)を製造する際に用いる、前記中和されていてもよいカルボキシル基を有するビニル系樹脂(A)の水溶液(I)としては、例えば、カルボキシル基含有ビニル系単量体(a1)を含有するビニル系単量体類(a)であり、好ましくはカルボキシル基含有ビニル系単量体(a1)の含有率が40重量%以上、より好ましくは50〜100重量%のビニル系単量体類を、重合開始剤の存在下、水性媒体中で反応させ、必要により塩基性物質で中和して得られるカルボキシル基含有ビニル系樹脂(A)の水溶液(I)〔例えば、ビニル系樹脂(A)濃度:1〜10重量%〕が挙げられ、なかでも中和されたカルボキシル基を有するビニル系樹脂(A1)の水溶液であることが好ましい。このような中和されていてもよいカルボキシル基を有するビニル系樹脂(A)における中和されていてもよいカルボキシル基の含有率としては、ビニル系樹脂(B)とグアニジン化合物(C)を分散させうる量であればよいが、なかでも均一に安定的にグアニジン化合物(C)を分散させることができ、且つ優れた難燃性、発煙抑制、及び粉落ちの防止などの効果に優れる難燃性水性樹脂分散体が得られることから、ビニル系樹脂(A)100重量部に対して15〜80重量部が好ましく、18〜65重量部がより好ましい。
なお、中和されたカルボキシル基を有するビニル系樹脂(A1)の製造方法としては、ビニル系単量体類(a)を、重合開始剤の存在下、水性媒体中で反応させてカルボキシル基含有ビニル系樹脂(A)を得た後、カルボキシル基含有ビニル系樹脂(A)中のカルボキシル基を塩基性物質で中和する方法が好ましいが、カルボキシル基含有ビニル系単量体(a1)中のカルボキシル基を中和したものを用いてもよい。
また、ビニル系樹脂(B)の水性樹脂分散体(II)の製造方法としては、前記のようにビニル系単量体類(a)を水性媒体中で反応せしめ、次いで必要により塩基性物質で中和してビニル系樹脂(A)の水溶液(I)を得た後、得られた水溶液(I)中でビニル系単量体類(b)を重合させることにより、水溶液(I)中にビニル系樹脂(B)を分散させ、水性樹脂分散体とする方法が好ましい。ここで用いるビニル系単量体類(b)の使用量としては、前記中和されていてもよいカルボキシル基を有するビニル系樹脂(A)に対する重量比(b/A)が100/0.5〜100/50となる範囲であることが好ましく、なかでも100/2〜100/10となる範囲であることがより好ましい。
前記中和されていてもよいカルボキシル基を有するビニル系樹脂(A)に対する前記ビニル系単量体類(b)の重量比(b/A)がかかる範囲であるならば、安定性に優れ、皮膜耐水性、耐酸性、耐アルカリ性等の優れた皮膜物性を有する難燃性水性樹脂分散体を得ることができる。
前記カルボキシル基含有ビニル系単量体(a1)を含有するビニル系単量体類(a)から前記中和されていてもよいカルボキシル基を有するビニル系樹脂(A)を得る重合反応、及びそれに続く前記ビニル系単量体類(b)を加えてビニル系樹脂(B)の水性樹脂分散体(II)を得る重合反応は、公知慣用の重合方法を用いればよい。その際に使用する重合開始剤としては、例えば、過硫酸カリウム、過硫酸ナトリウム、過硫酸アンモニウム等の過硫酸塩類、過酸化ベンゾイル、クメンハイドロパーオキサイド、t−ブチルハイドロパーオキサイド等の有機過酸化物類、過酸化水素等があり、これら過酸化物のみを用いてラジカル重合するか、或いは前記過酸化物と、例えば、アスコルビン酸、エリソルビン酸、エリソルビン酸ナトリウム、ホルムアルデヒドスルホキシラートの金属塩、チオ硫酸ナトリウム、重亜硫酸ナトリウムのような還元剤とを併用したレドックス重合開始剤系によっても重合できる。また、4,4′−アゾビス(4−シアノ吉草酸)、2,2′−アゾビス(2−アミジノプロパン)二塩酸塩等のアゾ系開始剤を使用することも可能である。これら化合物は、単独使用でもよく2種以上を併用してもよい。
重合方法としては、例えば、使用する全てのビニル系単量体を一括で仕込み重合する回分重合法、あるいは、ビニル系単量体の一部を重合反応中に連続で添加する半回分重合法などが挙げられ、何れの方法で行ってもよく、特に制限しない。
重合反応中、同一温度に保つ必要はなく、重合反応の進行に伴い適宜温度調整を行いながら、加熱又は除熱をしながら重合を行ってもよい。
重合温度は使用するビニル系単量体や重合開始剤の種類などにより異なるため、特に限定しないが、例えば、単一重合開始剤の場合には、通常30〜100℃の範囲であり、レドックス系重合開始剤の場合にはより低く、逐次添加する場合には通常30〜95℃の範囲である。
前記ビニル系樹脂(A)やビニル系樹脂(B)の重合に際しては、反応釜が高圧密閉系であれば安全上問題のない範囲で100℃を超えても構わない。重合反応器内の雰囲気は特に限定しないが、重合反応を速やかに行わせるためには窒素ガス等の不活性ガスで反応開始前から置換しておくことが好ましい。重合時間も特に限定しないが、通常1〜40時間である。
また、前記ビニル系樹脂(A)やビニル系樹脂(B)の重合に際しては、連鎖移動剤を用いて分子量を調整することもでき、連鎖移動剤としては、例えば、ラウリルメルカプタン、オクチルメルカプタン、ドデシルメルカプタン、2−メルカプトエタノール、チオグリコール酸オクチル、3−メルカプトプロピオン酸、チオリンゴ酸、チオグリセリン等のメルカプタン類、α−メチルスチレン・ダイマー等が挙げられ、その使用量により分子量が調整される。これら化合物は、単独使用でもよく2種以上を併用してもよい。
中和剤として用いる塩基性物質としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属化合物;水酸化カルシウム、炭酸カルシウム等のアルカリ土類金属化合物;アンモニア;モノメチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、モノエチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、モノプロピルアミン、ジメチルプロピルアミン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、ジメチルエタノールアミン、トリエタノールアミン、エチレンジアミン、ジエチレントリアミン等の有機アミン類等が挙げられ、これらの1種または2種以上の混合物を使用することができる。これらはそれぞれ水溶液として用いることが好ましい。これらの中で、得られる被膜の耐水性を特に向上させたい場合は、常温或いは加熱により飛散するアンモニア(アンモニア水が好ましい。)を使用することが好ましい。
前記中和されていてもよいカルボキシル基を有するビニル系樹脂(A)の水溶液(I)の製造方法の例示において用いているビニル系単量体類(a)は、カルボキシル基含有ビニル系単量体(a1)を含有するものであればよいが、なかでもカルボキシル基含有ビニル系単量体(a1)の含有率が40重量%以上で、その他のビニル系単量体(a2)の含有率が60重量%以下のものが好ましい。
前記カルボキシル基含有ビニル系単量体(a1)としては、特に限定しないが、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、β−カルボキシエチル(メタ)アクリレート、2−(メタ)アクリロイルプロピオン酸、クロトン酸、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸ハーフエステル、マレイン酸ハーフエステル、無水マレイン酸、無水イタコン酸、β−(メタ)アクリロイルオキシエチルハイドロゲンサクシネート、β−(メタ)ヒドロキシエチルハイドロゲンフタレート、及びこれらの塩等が挙げられる。これら化合物は、単独使用でもよく2種以上を併用してもよい。
その他のビニル系単量体(a2)としては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、ノニル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸エステル類;2,2,2−トリフルオロエチル(メタ)アクリレート、2,2,3,3−ペンタフルオロプロピル(メタ)アクリレート、パーフルオロシクロヘキシル(メタ)アクリレート、2,2,3,3−テトラフルオロプロピル(メタ)アクリレート、β−(パーフルオロオクチル)エチル(メタ)アクリレート等のフッ素含有ビニル系単量体;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ビニルブチラート、バーサチック酸ビニル等のビニルエステル類;メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、プロピルビニルエーテル、ブチルビニルエーテル、アミルビニルエーテル、ヘキシルビニルエーテル等のビニルエーテル類;(メタ)アクリロニトリル等のビニル系ニトリル類;
スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、ビニルアニソール、α−ハロスチレン、ビニルナフタリン、ジビニルスチレン等の芳香族環を有するビニル系単量体;イソプレン、クロロプレン、ブタジエン、エチレン、テトラフルオロエチレン、フッ化ビニリデン、N−ビニルピロリドン、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジアリルフタレート、ジビニルベンゼン、アリル(メタ)アクリレート等の官能基を含有しないビニル系単量体;グリシジル(メタ)アクリレート、アリルグリシジルエーテル等のグリシジル基含有ビニル系単量体;2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、グリセロールモノ(メタ)アクリレート等の水酸基含有ビニル系単量体;アミノエチル(メタ)アクリレート、N−モノアルキルアミノアルキル(メタ)アクリレート、N,N−ジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリレート等のアミノ基含有ビニル系単量体;N−メチロール(メタ)アクリルアミド、N−イソプロポキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−ブトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−イソブトキシメチル(メタ)アクリルアミド等のメチロールアミド基又はそのアルコキシ化物含有ビニル系単量体;
ビニルトリクロロシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリス(β−メトキシエトキシ)シラン、γ−(メタ)アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−(メタ)アクリロキシプロピルトリエトキシシラン、γ−(メタ)アクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−(メタ)アクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−(メタ)アクリロキシプロピルトリイソプロポキシシラン、N−β−(N−ビニルベンジルアミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン又はその塩酸塩、2−(3、4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン等のシリル基含有ビニル系単量体;2−アジリジニルエチル(メタ)アクリレート等のアジリジニル基含有ビニル系単量体;
(メタ)アクリロイルイソシアナート、(メタ)アクリロイルイソシアナートエチルのフェノール或いはメチルエチルケトオキシム付加物等のイソシアナート基又はブロック化イソシアナート基含有ビニル系単量体;2−イソプロペニル−2−オキサゾリン、2−ビニル−2−オキサゾリン等のオキサゾリン基含有ビニル系単量体;アクロレイン等のアルド基含有ビニル系単量体、ジアセトン(メタ)アクリルアミド等のケト基含有ビニル系単量体;(メタ)アクリル酸グリシジル等のグリシジル基含有ビニル系単量体;(メタ)アクリルアミド、N−モノアルキル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジアルキル(メタ)アクリルアミド等のアミド基含有ビニル系単量体;ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート等のシクロペンテニル基含有ビニル系単量体;アリル(メタ)アクリレート等のアリル基含有ビニル系単量体;アセトアセトキシエチル(メタ)アクリレート等のアセトアセチル基含有ビニル系単量体などが挙げられ、これら化合物は、単独使用でもよく2種以上を併用してもよい。
但し、上記に記載したメチロールアミド基又はそのアルコキシ化物含有ビニル系単量体、シリル基含有ビニル系単量体、イソシアナート基又はブロック化イソシアナート基含有ビニル系単量体、オキサゾリン基含有ビニル系単量体、グリシジル基含有ビニル系単量体に代表される架橋基を有するビニル系単量体、所謂架橋剤を使用すると、得られる水溶液(I)のビニル系樹脂(B)やグアニジン化合物(C)を分散させる能力が低下するため、これら架橋基を有するビニル系単量体は、ビニル系単量体類(a)100重量部に対して1重量部以下の範囲での使用が好ましく、使用しないことがより好ましい。
更に、その他のビニル系単量体(a2)としては、例えば、ビニルスルホン酸、アリルスルホン酸、ビニルスルホン酸ナトリウム、アリルスルホン酸ナトリウム、スチレンスルホン酸ナトリウム等のスルホン酸基含有ビニル系単量体及び/又はその塩を用いることもでき、カルボキシル基とスルホン酸基との併用により分散性をより向上させることができる。
前記水溶液(I)中に溶解している中和されていてもよいカルボキシル基を有するビニル系樹脂(A)は、この水溶液(I)中でビニル系単量体(b)を重合する際の分散剤であるばかりでなく、グアニジン化合物(C)を安定的に分散させる機能を有するものである。
前記水溶液(I)中のビニル系樹脂(A)の使用量が多いほど、グアニジン化合物(C)を均一に分散させることができるが、過剰に用いた場合は皮膜物性が低下する場合がある。
前記ビニル系単量体類(b)としては、各種のビニル系単量体が使用でき、例えば、前記ビニル系樹脂(A)の製造に使用できる単量体として前記したカルボキシル基含有ビニル系単量体(a1)やその他のビニル系単量体(a2)がいずれも挙げられる。これらビニル系単量体類(b)の種類及び比率を変えることで望みの樹脂設計を行うことが可能であるが、なかでもカルボキシル基含有ビニル系単量体等の親水性基含有ビニル系単量体の使用はビニル系単量体類(b)の全量に対して5重量%以下に限定することが好ましい。これらビニル系単量体類(b)は、単独使用でもよく2種以上を併用してもよい。
更に、得られた水性樹脂分散体(II)は、前記した中和剤を用いてpHを調整することができる。
次に、本発明の難燃性水性樹脂分散体に用いるグアニジン化合物(C)について説明する。
前記グアニジン化合物(C)としては、各種のグアニジン化合物が使用でき、特に限定されないが、例えば、スルファミン酸グアニジン、燐酸グアニジン、ホウ酸グアニジン等が挙げられ、なかでもスルファミン酸グアニジン、燐酸グアニジンが好ましい。これらグアニジン化合物(C)は、単独使用でもよく2種以上を併用してもよい。
前記水性樹脂分散体(II)に、グアニジン化合物(C)を添加し分散させる際には、予めグアニジン化合物(C)を水で溶解させておくことが好ましい。添加するグアニジン化合物(C)の量は、水性樹脂分散体(II)の樹脂固形分100重量部に対して、好ましくは25〜75重量部の範囲、より好ましくは35〜55重量部の範囲である。水性樹脂分散体(II)の樹脂固形分に対するグアニジン化合物(C)の添加量が25〜75重量部の範囲であるならば、優れた難燃性が得られ、加工基材からグアニジン化合物(C)に起因する「粉落ち」の発生も少なく、且つ水性樹脂分散体(II)による均一で安定した分散が可能となる。
以上の如くして得られる本発明の難燃性水性樹脂分散体は、例えば、自動車内装材、フィルター、壁紙、断熱材等の繊維加工用に用いられ、有害な煙の発生が無く、粉落ちの防止、優れた難燃性などの効果を発揮することができる。
以下、本発明を実施例及び比較例により、一層具体的に説明するが、本発明はそれら実施例のみに限定されるものではない。また、文中「部」及び「%」は特に断りのない限り重量基準であるものとする。
尚、諸物性は以下に記した方法により評価した。
[分散性の評価方法]
得られた難燃性水性樹脂分散体を25℃の恒温槽に静置し、72時間後の難燃性水性樹脂分散体中の粒子の凝集、沈降、粘度変化の有無などを観察し、以下の基準により分散性を評価した。
分散性の評価基準
◎;72時間後でも粒子の凝集、沈降、粘度変化が全く認められない。
○;72時間後でも粒子の凝集や沈降は認められないが、粘度変化が認められる。
△;72時間後に粒子の凝集、沈降、粘度変化が認められる。
×;配合時点で粒子の凝集、沈降、粘度変化が認められる。
[樹脂皮膜透明性の評価方法]
得られた難燃性水性樹脂分散体をガラス板上に、3ミルアプリケーター(但し1ミル=2.54×10−5m。)を用いて塗布し、140℃で5分間乾燥した。得られた樹脂皮膜の透明性を目視観察により評価した。
○;無色透明。
△;若干曇りが見られる。
×;不透明。
[難燃性の評価方法]
得られた難燃性水性樹脂分散体に水を加えて固形分濃度を40%に調整した含浸液を、70g/mのポリエステル不織布に浸漬し含浸させ、これを絞り、160℃で3分間乾燥して得られた固形分付着量が57g/mの含浸加工不織布を、JIS D1201に準拠して難燃性を評価した。難燃性の評価基準は以下のように行った。但し、グアニジン化合物(C)の添加により分散性が悪化し、加工が困難なものは「−」と表記した。
難燃性の評価基準
N;A標線に達するまでに消火する。
n;50mm/分以内に消火し、且つ60秒以内に消火する。
1;燃焼速度の信頼限界上限値が50mm/分以下。
2;燃焼速度の信頼限界上限値が50mm/分を超え、75mm/分以下。
3;燃焼速度の信頼限界上限値が75mm/分を超え、100mm/分以下。
[粉落ちの評価方法]
得られた難燃性水性樹脂分散体に水を加えて固形分濃度を40%に調整した含浸液を、70g/mのポリエステル不織布に浸漬し含浸させ、これを絞り、160℃で3分間乾燥して得られた固形分付着量が57g/mの含浸加工不織布を、ガラス板上で1分間手もみを行い、ガラス板上の粉の量により粉落ちを評価した。
粉落ちの評価の基準
○;粉落ちしない。
△;微量の粉落ちが生じる(ガラス板上が白くならない)。
×;粉落ちが生じる(ガラス板上が白くなる)。
[実施例1]
撹拌装置を備えた重合容器に水138部を仕込み、80℃に昇温した。次いで、メタクリル酸2部、スチレンスルホン酸ナトリウム2部、チオリンゴ酸0.05部を仕込み、80℃で10%過硫酸ナトリウム水溶液5部を添加し、重合を開始させた。80℃で1時間ホールド後、冷却してカルボキシル基を有するビニル系樹脂の水溶液を得た。
得られたビニル系樹脂の水溶液をアンモニア水にて中和して、中和されたカルボキシル基を有するビニル系樹脂(A−1)4部が溶解した水溶液(I−1)を得、80℃に昇温した。第1表に示した如く、ブチルアクリレート20部とメチルメタクリレート80部を混合したビニル系単量体の混合液100部と10%過硫酸ナトリウム水溶液5部を、4時間かけて滴下し、重合を行った。滴下終了後1時間ホールドして冷却した後、アンモニア水で得られた水性樹脂分散体のpHを7に調整し、固形分濃度が約40%の水性樹脂分散体(II−1)を得た。
かくして得られた水性樹脂分散体(II−1)に40%スルファミン酸グアニジン水溶液を、水性樹脂分散体(II−1)の樹脂固形分100部に対して、固形分比で30部配合し、本発明の難燃性水性樹脂分散体(X1)を得た。
得られた難燃性水性樹脂分散体(X1)を用いた分散性と樹脂皮膜透明性の評価と、難燃性水性樹脂分散体(X1)に水を加え、固形分濃度(樹脂固形分とスルファミン酸グアニジン固形分の合計の濃度)を40%に調整した含浸液を用いた難燃性と粉落ちの評価を行った評価結果を第1表に示す。
[実施例2]
40%スルファミン酸グアニジン水溶液の添加量を水性樹脂分散体(II−1)の樹脂固形分100重量部に対して、固形分比で70部配合した他は実施例1と同様に行い、本発明の難燃性水性樹脂分散体(X2)を得た。得られた難燃性水性樹脂分散体(X2)を用いた以外は実施例1と同様にして、得られた難燃性水性樹脂分散体(X2)を用いた分散性と樹脂皮膜透明性の評価と、難燃性水性樹脂分散体(X2)の固形分濃度を40%に調整した含浸液を用いた難燃性と粉落ちの評価を行なった、評価結果を第1表に示す。
[実施例3]
40%スルファミン酸グアニジン水溶液の添加量を水性樹脂分散体(II−1)の樹脂固形分100部に対して、固形分比で40部配合した他は実施例1と同様に行い、本発明の難燃性水性樹脂分散体(X3)を得た。得られた難燃性水性樹脂分散体(X3)を用いた以外は実施例1と同様にして、得られた難燃性水性樹脂分散体(X3)を用いた分散性と樹脂皮膜透明性の評価と、難燃性水性樹脂分散体(X3)の固形分濃度を40%に調整した含浸液を用いた難燃性と粉落ちの評価を行なった、評価結果を第1表に示す。
[実施例4]
第1表に示した如く、ビニル系単量体類(b)として、ブチルアクリレート20部、メチルメタクリレート10部、スチレン10部を用いた以外は実施例1と同様にして、固形分濃度40%の水性樹脂分散体(II−4)を得た。
かくして得られた水性樹脂分散体(II−4)に40%スルファミン酸グアニジン水溶液を、水性樹脂分散体(II−4)の樹脂固形分100部に対して、固形分比で30部配合し、本発明の難燃性水性樹脂分散体(X4)を得た。
得られた難燃性水性樹脂分散体(X4)を用いた以外は実施例1と同様にして、得られた難燃性水性樹脂分散体(X4)を用いた分散性と樹脂皮膜透明性の評価と、難燃性水性樹脂分散体(X4)の固形分濃度を40%に調整した含浸液を用いた難燃性と粉落ちの評価を行なった、評価結果を第1表に示す。
[実施例5]
グアニジン化合物(C)として、40%燐酸グアニジン水溶液を用いた以外は実施例1と同様にして、本発明の難燃性水性樹脂分散体(X5)を得た。得られた難燃性水性樹脂分散体(X5)を用いた以外は実施例1と同様にして、得られた難燃性水性樹脂分散体(X5)を用いた分散性と樹脂皮膜透明性の評価と、難燃性水性樹脂分散体(X5)の固形分濃度を40%に調整した含浸液を用いた難燃性と粉落ちの評価を行なった、評価結果を第1表に示す。
[実施例6]
グアニジン化合物(C)として、40%燐酸グアニジン水溶液を水性樹脂分散体(II−1)の樹脂固形分100部に対して、固形分比で50部配合し、本発明の難燃性水性樹脂分散体(X6)を得た。得られた難燃性水性樹脂分散体(X6)を用いた以外は実施例1と同様にして、得られた難燃性水性樹脂分散体(X6)を用いた分散性と樹脂皮膜透明性の評価と、難燃性水性樹脂分散体(X6)の固形分濃度を40%に調整した含浸液を用いた難燃性と粉落ちの評価を行なった、評価結果を第2表に示す。
[実施例7]
撹拌装置を備えた重合容器に水138部を仕込み、80℃に昇温した。次いで、メタクリル酸3部、メチルメタクリレート1部、チオリンゴ酸0.05部を仕込み、80℃で10%過硫酸ナトリウム水溶液5部を添加し、重合を開始させた。80℃で1時間ホールド後、冷却してカルボキシル基を有するビニル系樹脂の水溶液を得た。
得られたビニル系樹脂の水溶液をアンモニア水にて中和して、中和されたカルボキシル基を有するビニル系樹脂(A−7)4部が溶解した水溶液(I−7)を得、80℃に昇温した。第2表に示した如く、ブチルアクリレート20部とメチルメタクリレート80部を混合したビニル系単量体の混合液100部と10%過硫酸ナトリウム水溶液5部を、4時間かけて滴下し、重合を行った。滴下終了後1時間ホールドして冷却した後、アンモニア水で水性樹脂分散体のpHを7に調整し、固形分濃度が40%の水性樹脂分散体(II−7)を得た。
かくして得られた水性樹脂分散体(II−7)に40%スルファミン酸グアニジン水溶液を水性樹脂分散体(II−7)の樹脂固形分100部に対して、固形分比で30部配合し、本発明の難燃性水性樹脂分散体(X7)を得た。
得られた難燃性水性樹脂分散体(X7)を用いた以外は実施例1と同様にして、得られた難燃性水性樹脂分散体(X7)を用いた分散性と樹脂皮膜透明性の評価と、難燃性水性樹脂分散体(X7)の固形分濃度を40%に調整した含浸液を用いた難燃性と粉落ちの評価を行なった、評価結果を第2表に示す。
[比較例1]
撹拌装置を備えた重合容器に水117部を仕込み、80℃に昇温した。別の容器に、第2表に示した如く、ネオゲンS−20F[20%アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム水溶液、第一工業製薬株式会社製]10部、ブチルアクリレート20部、メチルメタクリレート78部、メタクリル酸2部、水20部を仕込み、攪拌して乳化を行い、単量体混合物の乳化液130部を得た。
得られた単量体混合物の乳化液130部の3%(3.9部)を前記重合容器に仕込み、10%過硫酸ナトリウム水溶液0.5部を添加し、重合を開始させた。残りの単量体混合物の乳化液(126.1部)と10%過硫酸ナトリウム水溶液5部を4時間かけて滴下し、重合を行った。滴下終了後1時間ホールドし、冷却した後、アンモニア水で得られた水性樹脂分散体のpHを7に調整し、固形分濃度40%の水性樹脂分散体(1′)を得た。
かくして得られた水性樹脂分散体(1′)に40%スルファミン酸グアニジン水溶液を水性樹脂分散体(1′)の樹脂固形分100部に対して、固形分比で30部配合し、難燃性水性樹脂分散体(Y1)を得た。
得られた難燃性水性樹脂分散体(Y1)を用いた以外は実施例1と同様にして、得られた難燃性水性樹脂分散体(Y1)を用いた分散性と樹脂皮膜透明性の評価と、難燃性水性樹脂分散体(Y1)の固形分濃度を40%に調整した含浸液を用いた難燃性と粉落ちの評価を行なった、評価結果を第2表に示す。
[比較例2]
ネオゲンS−20F[20%アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム水溶液、第一工業製薬株式会社製]を20部用いた以外は比較例1と同様にして、固形分濃度40%の水性樹脂分散体(2′)を得た。
かくして得られた水性樹脂分散体(2′)に40%スルファミン酸グアニジン水溶液を水性樹脂分散体(2′)の樹脂固形分100部に対して、固形分比で30部配合し、難燃性水性樹脂分散体(Y2)を得た。
得られた難燃性水性樹脂分散体(Y2)を用いた以外は実施例1と同様にして、得られた難燃性水性樹脂分散体(Y2)を用いた分散性と樹脂皮膜透明性の評価と、難燃性水性樹脂分散体(Y2)の固形分濃度を40%に調整した含浸液を用いた難燃性と粉落ちの評価を行なった、評価結果を第2表に示す。
[比較例3]
ネオゲンS−20F[20%アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム水溶液、第一工業製薬株式会社製]10部の代わりに、ラテムルE−118B[26%ポリオキシエチレンアルキル硫酸ナトリウム水溶液、花王株式会社製]7.7部を用いた以外は比較例1と同様にして、固形分濃度40%の水性樹脂分散体(3′)を得た。
かくして得られた水性樹脂分散体(3′)に40%スルファミン酸グアニジン水溶液を水性樹脂分散体(3′)の樹脂固形分100部に対して、固形分比で30部配合し、難燃性水性樹脂分散体(Y3)を得た。
得られた難燃性水性樹脂分散体(Y3)を用いた以外は実施例1と同様にして、得られた難燃性水性樹脂分散体(Y3)を用いた分散性と樹脂皮膜透明性の評価と、難燃性水性樹脂分散体(Y3)の固形分濃度を40%に調整した含浸液を用いた難燃性と粉落ちの評価を行なった、評価結果を第2表に示す。
Figure 0004887829
Figure 0004887829
第1表及び第2表中の略号は、下記の化合物名を表す。
BA ;ブチルアクリレート
MMA;メチルメタクリレート
St ;スチレン
MAA;メタクリル酸
S1 ;アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム
S2 ;ポリオキシエチレンアルキル硫酸ナトリウム
SAG;スルファミン酸グアニジン
PAG;燐酸グアニジン
本発明の難燃性水性樹脂分散体は、熱分解性で煙の発生が少なく、且つ優れた難燃性を有するグアニジン化合物を、界面活性剤を使用しなくとも均一に分散させることができ、従来技術の如く界面活性剤に起因する樹脂皮膜物性の低下を生じる恐れがなく、難燃性、発煙抑制、粉落ちなどの優れた効果を有する非ハロゲン系の水性樹脂分散体であって、例えば住宅、自動車等の分野において、難燃性のベース樹脂やバインダー樹脂として使用することが可能であり、極めて有用である。


Claims (5)

  1. カルボキシル基含有ビニル系単量体(a1)の含有率が40重量%以上のビニル系単量体(a)を水性媒体中で反応せしめて得られる中和されていてもよいカルボキシル基を有するビニル系樹脂(A)の水溶液(I)中で、カルボキシル基含有ビニル系単量体の含有率が5重量%以下であり、ブチル(メタ)アクリレート、メチル(メタ)アクリレート及びスチレンからなる群より選ばれる1以上からなる(メタ)アクリレートを主要必須成分とするビニル系単量体(b)を重合してなるビニル系樹脂(B)の水性樹脂分散体(II)に、グアニジン化合物(C)が分散されている難燃性水性樹脂分散体であって、前記ビニル系単量体(b)の使用量が前記ビニル系樹脂(A)に対する重量比(b/A)で100/0.5〜100/50であり、かつ、前記グアニジン化合物(C)の使用量が前記水性樹脂分散体(II)の樹脂固形分100重量部に対して25〜75重量部であることを特徴とする難燃性水性樹脂分散体。
  2. 前記水性樹脂分散体(II)が、中和されたカルボキシル基を有するビニル系樹脂(A1)の水溶液中で、前記ビニル系単量体(b)を重合してなるビニル系樹脂(B)の水性樹脂分散体である請求項1に記載の難燃性水性樹脂分散体。
  3. 前記ビニル系樹脂(A)に対する前記ビニル系単量体(b)の重量比(b/A)が100/0.5〜100/50である請求項1または2に記載の難燃性水性樹脂分散体。
  4. 前記グアニジン化合物(C)が、スルファミン酸グアニジン及び/又は燐酸グアニジンである請求項1に記載の難燃性水性樹脂分散体。
  5. 前記グアニジン化合物(C)を、ビニル系樹脂(A)とビニル系樹脂(B)の合計100重量部に対して、30〜70重量部の範囲で含有する請求項に記載の難燃性水性樹脂分散体。
JP2006043802A 2005-04-06 2006-02-21 難燃性水性樹脂分散体 Expired - Fee Related JP4887829B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006043802A JP4887829B2 (ja) 2005-04-06 2006-02-21 難燃性水性樹脂分散体

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005109726 2005-04-06
JP2005109726 2005-04-06
JP2006043802A JP4887829B2 (ja) 2005-04-06 2006-02-21 難燃性水性樹脂分散体

Publications (3)

Publication Number Publication Date
JP2006312712A JP2006312712A (ja) 2006-11-16
JP2006312712A5 JP2006312712A5 (ja) 2009-03-05
JP4887829B2 true JP4887829B2 (ja) 2012-02-29

Family

ID=37534327

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2006043802A Expired - Fee Related JP4887829B2 (ja) 2005-04-06 2006-02-21 難燃性水性樹脂分散体

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4887829B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5189249B2 (ja) * 2006-03-31 2013-04-24 中央理化工業株式会社 遅燃性樹脂組成物

Family Cites Families (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP3711628B2 (ja) * 1996-05-23 2005-11-02 大日本インキ化学工業株式会社 樹脂水性分散体の製造方法
JP4693144B2 (ja) * 2001-06-20 2011-06-01 株式会社興人 高剥離壁紙用裏打ち紙

Also Published As

Publication number Publication date
JP2006312712A (ja) 2006-11-16

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5214540B2 (ja) コア−シェルポリマー粒子
JP5530156B2 (ja) シーラー用樹脂エマルションおよびその製造方法
JP2020514429A (ja) 水性ポリマー分散液およびそれを含む水性コーティング組成物
JP2008138217A (ja) 水性樹脂分散体、水性樹脂組成物および水性樹脂組成物の製造方法
JP2000355602A (ja) 水性樹脂分散体
JP5547459B2 (ja) シーラー用樹脂エマルション
JP4887829B2 (ja) 難燃性水性樹脂分散体
JP2004137374A (ja) 水性被覆組成物
JP5680339B2 (ja) 接着剤およびその製造方法
JP2007320984A (ja) 難燃性水性樹脂分散体
JP2004238432A (ja) アクリル系重合体粉末、アクリルゾル及び成形物
JPS58201873A (ja) 表面保護シ−トの製造法
JPH06107967A (ja) 車両灯具用加熱硬化型防曇剤組成物及び車両灯具
JP4019683B2 (ja) 樹脂組成物
WO2012145857A1 (en) Aqueous dispersion of preferably benzophenone-containing (meth)acrylate polymers for leather coating
JP4629315B2 (ja) アクリル系重合体粉末、アクリルゾル及び成形物
JP2011057891A (ja) 塗料用水性重合体分散液の製造方法及びその分散液
JP2003082288A (ja) 壁紙用防汚コート剤組成物
JP2007291212A (ja) 水系塗料用組成物、その製造方法および被膜
JP2004292512A (ja) 水性被覆組成物
JP2008248155A (ja) 水性一液型コーティング剤および塗装物
JP4691894B2 (ja) アクリル系重合体水性分散液及び製造方法
JP4070017B2 (ja) 水性樹脂分散体及びその製造方法
JP4280646B2 (ja) 壁面改装方法
JP3953924B2 (ja) アクリル系重合体凝固組成物およびそれを用いたアクリルゾル

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20090120

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20090120

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20110714

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20110719

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20110728

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20111018

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20111027

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20111115

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20111128

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20141222

Year of fee payment: 3

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees