JP4693144B2 - 高剥離壁紙用裏打ち紙 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、特に、台所、脱衣所等の水周りや、店舗等の汚れや衝撃が多い場所の壁面の壁紙に用いられる、耐水性と難燃性能のある、紙層剥離強度の強い壁紙用裏打ち紙に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の壁紙用裏打ち紙は、木材パルプと無機顔料からなる原紙に、スルファミン酸グアニジン、表面サイズ剤、ポリビニルアルコールや酸化澱粉、PAM系のバインダー等からなる含浸液を含浸させることにより得られる。通常、リビングや寝室、子供部屋等の壁面に使われる壁紙用裏打ち紙の紙層剥離強度は40〜80g/15mmの範囲である。
しかし、水周りや店舗などの壁面に使われる壁紙用裏打ち紙の場合、その衝撃により裏打ち紙紙層部から剥がれるのを防ぐため、100g/15mm以上の高い紙層剥離強度が必要とされる。
通常の裏打ち紙で100g/15mmを超える紙層剥離強度を得るためには、原紙の叩解度を上げる方法及び塗布液中のバインダー量を増やす方法が考えられるが、原紙の叩解度を上げた場合、紙の水中伸度が大きくなり施工後の目開きの原因となり好ましくなく、また、バインダー量を増やした場合、紙質が硬くなり紙切れや折れが生じやすく好ましくない。
【0003】
これら欠点を解消し、高い紙層剥離強度を得るため、特開昭48−93711号公報、特開昭59−53797号公報等には、塩化ビニル共重合体、酢酸ビニル共重合体、アクリル、スチレン・ブタジエン・ラバー(SBR)、メタクリレート・ブタジエン・ラバー(MBR)等の高分子エマルジョン、特開昭60−239598号公報には塩化ビニル/酢酸ビニル/エチレン共重合体、を、バインダーとして使用することが開示されている。
しかし、これらの塩化ビニル/酢酸ビニル/エチレン共重合体を含む塩化ビニル共重合体、酢酸ビニル共重合体、SBR、MBRなどは、一般的に耐熱性・耐溶剤性が悪く、塩ビ壁紙を生産する際の熱や塩ビペーストに含まれる可塑剤、希釈剤により樹脂が軟化し紙中から溶出して粕となって壁紙製品の加工作業効率を悪くするという欠点があった。
また特開昭48−93711号公報、特開昭59−53797号公報には、バインダーとして耐熱性の良い高分子エマルジョンを使用することが記載されているが、原紙に付着させる高分子エマルジョン量を増やすことで高い紙層剥離強度は得られるものの、高分子エマルジョン量を増加させることにより裏打ち紙の透気度が高くなり、壁紙製品加工時の熱による揮発物が裏面に抜け難く、表面層である塩ビにブリスター現象が発現し易くなる等の欠点があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、耐水性、難燃性能と高い紙層剥離強度を維持しながら、塩ビ壁紙生産時の熱及び可塑剤、希釈剤等の溶剤で発生する粕トラブル、塩ビ塗工時のブリスター現象の発現がない壁紙用裏打ち紙を提供することを課題とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記課題を解決すべく研究の結果、針葉樹パルプ/広葉樹パルプの重量比を規定した原紙に、特定の割合でスルファミン酸グアニジンと特定のアクリル系エマルジョンを含浸させる事で、高剥離強度を得、尚且つ、粕トラブル、ブリスター現象の発現が改善されることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち本発明は、
(1)針葉樹パルプ/広葉樹パルプの重量比が80/20〜20/80の範囲にある木材パルプ100重量部と無機顔料3〜25重量部からなるサイズ度0秒の原紙に、木材パルプ100重量部に対してスルファミン酸グアニジン5〜20重量部及びガラス転移点−10〜20℃のアクリル系エマルジョン5〜10重量部が含浸された、JIS P8139B法より測定した紙層剥離強度が100g/15mm以上である、難燃性能のある高剥離壁紙用裏打ち紙、
(2)表面サイズ剤が木材パルプ100重量部に対して2重量部以下含浸された、請求項1記載の難燃性能のある高剥離壁紙用裏打ち紙、
を提供するものである。
【0006】
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明において原紙に使用される木材パルプは、N材とL材との重量比が80/20〜20/80のものである。N材としては、モミ科、マツ科、L材としては、ブナ科、カバノキ科、カエデ科、ヤナギ科、フトモモ科のユーカリなどが例示される。
N材/L材の重量比が80/20を超えた場合、原紙のブリスター現象が発生し易く、また、N材/L材の重量比が20/80未満の場合、原紙の抗張力や引裂度などが著しく低下してしまい、好ましくない。特に、裏打ち紙に設ける塩ビペーストを塗工した表面層がブリスター現象を発生しやすい場合には、N材比を減らした60/40〜20/80の範囲とすることが好ましい。
【0007】
本発明において使用される無機顔料は、主として隠蔽性を持たせるためのものであり、二酸化チタン、水酸化アルミニウム、炭酸カルシウム、カオリン、焼成カオリン、クレー、タルク等が挙げられ、単独または混合して使用される。特に隠蔽性が必要とされるものには、二酸化チタンの使用が好ましい。
無機顔料は、木材パルプに対して3〜25重量部の範囲で使用される。3重量部未満では望ましい隠蔽性が得られず、25重量部を超えて使用した場合、紙層剥離強度が著しく低下する。
【0008】
本発明において、原紙は、紙層剥離強度を上げるために含浸する塗布液を紙内部に浸透させるため、JIS P−8122(1976)により測定したサイズ度が0秒である必要がある。サイズの効いた原紙を用いた場合、紙内部まで塗布液が浸透し難く、高い紙層剥離強度は得られない。
【0009】
本発明に使用されるスルファミン酸グアニジンは、スルファミン酸グアニジン及びその誘導体をいい、一般に紙加工用難燃剤として使用されるものであり、これらにリン酸グアニジン、ジシアンジアミド、メラミンのメチロール化合物等の耐熱性助剤を併用することもできる。スルファミン酸グアニジンの使用範囲としては、木材パルプ100重量部に対し5〜20重量部付着させるのが好ましく、5重量部未満では、防炎性能に対する効果が不十分であり、一方、20重量部を超えると防炎性能に大きな差が見られないだけでなく耐熱変色が悪くなるため好ましくない。
【0010】
本発明では、バインダーとして、ガラス転移点−10〜20℃のアクリル系エマルジョンが用いられる。用いられるアクリル系エマルジョンとしては、アクリル酸、アクリル酸メチルエステル、アクリル酸エチルエステル、アクリル酸ブチルエステル、アクリル酸−2−エチルヘキシルエステル等のアクリル酸及びその誘導体のホモポリマー又は共重合体を主成分とするエマルジョン、あるいはこれらと共重合可能な他の単量体との共重合体を主体とするエマルジョン、を例示することができる。
これらアクリル系エマルジョンは、ガラス転移点(Tg)が−10〜20℃の範囲内のものである必要がある。アクリル系エマルジョンは、木材パルプ100重量部に対して5〜10重量部(固形分として)使用され、使用量を低く抑えながら高い紙層剥離強度を得ることができる。
ガラス転移点(Tg)が−10℃未満及び20℃を超えるアクリル系エマルジョンでは、紙層剥離強度が低く高い紙層剥離強度を得るためには10重量部を超えて使用しなければならず、ブリスター現象が悪化する。また、5重量部以下の場合、目標とする高い紙層剥離強度は得られない。
【0011】
表面サイズ剤は、紙の表面に塗工装置(ロールコーター、サイズプレス、カレンダーなど)で種々薬品を塗工し、紙質(印刷適性、耐吸油性、インキ受理性、平滑性、表面強度、耐水性、筆記性など)の向上を目的とする薬剤であり、天然高分子類(澱粉、酸化澱粉、変性澱粉、澱粉誘導体、セルロース誘導体、アルギン酸ソーダなど)、PVA系(ポリビニルアルコール)、PAM系(ポリアクリルアミド)などの合成高分子類等が挙げられるが、中でもPAM系が好ましい。
表面サイズ剤は、必要に応じて使用されるが、使用範囲としては、木材パルプ100重量部に対し0〜2重量部(固形分として)で、2重量部を超えた場合、過剰にサイズ度が上がり水系接着剤を弾く等の問題が生じる。
【0012】
本発明における高紙層剥離強度とは、JIS P8139B法より測定した紙層剥離強度が100g/15mm以上であるものをいい、紙層剥離強度が100g/15mm未満では、特に水周りや店舗などに使用した場合、湿気や塩ビ表面層からの衝撃により紙層部から容易に剥がれてしまう。
【0013】
本発明の高剥離壁紙用裏打ち紙は、原紙にスルファミン酸グアニジン、アクリル系アマルジョン、必要に応じて表面サイズ剤、を含有した含浸液を含浸することにより製造される。
含浸は、スルファミン酸グアニジン、アクリル系エマルジョンあるいは表面サイズ剤を混合調整した配合液を用いることが好ましく、含浸方法としては、ディップ方式やサイズプレス方式を用いることができる。
【0014】
【実施例】
以下、実施例を挙げて本発明を説明する。
なお実施例及び比較例における評価は以下の方法に従った。
1.テープ層間剥離強度:JIS P8139B法
試料の縦方向にテープ(ニチバンテープ、24mm幅)を両面から貼り合わせ、幅15mmにカットする。15mm幅の試料を引っ張り試験機(降下スピード200mm/min)で紙層部から剥がし強度を測定する。
2.ブリスター性
表1に記載した配合で調整した塩ビゾルを塩ビ重量7%の希釈剤(ミネラルスピリッツ)を用いて粘度調整を行う。
A4サイズの試料を23℃、50%の恒温恒湿室内で調湿した後、ガラス板上で固定し、アプリケーターロールを用いて180±10μmの塗工厚で粘度調整した塩ビゾルを塗布する。これを170℃の熱風乾燥機内の台紙の上に置き30秒間乾燥させ、乾燥後の塩ビ表面状態を目視評価する。
評価基準は以下の通りである。
◎…表面に異常な膨れはなく、塗工面がフラットである。
○…表面に異常な膨れは見られない。
△…全体に0.5mm以下の小さな膨れがある。
×…全体に1.0mm以下の大きな膨れがある。
【0015】
【表1】
Figure 0004693144
【0016】
3.耐DOP性
各高分子エマルジョンをテフロンシート板上に薄く広げ、常温で4日間自然乾燥後、120℃の熱風乾燥機で20分熱処理し、樹脂フィルムを作成する。その樹脂フィルムを塩ビ可塑剤であるDOPに浸した後、200℃の熱風乾燥機で10分間熱処理し、樹脂フィルムを目視評価する。
評価基準は以下の通りである。
○…樹脂フィルムに異常は見られない。
△…樹脂フィルムがやや軟らかくなった。
×…樹脂フィルムがガム状で粘つきが見られた。
4.耐水性
試料の縦方向に15mm幅でカットし、水中に10分間浸漬させた後、余分な水気を取る。試料を引っ張り試験機(降下スピード200mm/min)で紙層部から剥がし、Wet層間剥離強度を強度を測定する。
評価基準は表2に記載の通りである。
なお、Wet紙層間剥離強度が50g/15mm未満の場合、湿気や塩ビ表面層からの衝撃により、紙層部から容易に剥がれる。
【0017】
【表2】
Figure 0004693144
【0018】
実施例1
N材/L材の重量比が20/80からなる木材パルプ100重量部と酸化チタン5重量部からなる米坪66g/m 、サイズ度0秒の原紙に、サイズプレス方式でスルファミン酸グアニジン15重量部、ガラス転移点9℃のアクリル系エマルジョン(三井化学製、ボンロンKHR−317)10重量部、表面サイズ剤(ミサワセラミックケミカル製、ハマコートM−10、以下同じ)1重量部を含浸させて本発明の壁紙用裏打ち紙を得た。
評価結果を表3に示す。
【0019】
実施例2
N材/L材の重量比が80/20からなる木材パルプ100重量部と酸化チタン5重量部からなる米坪66g/m 、サイズ度0秒の原紙に、サイズプレス方式でスルファミン酸グアニジン15重量部、ガラス転移点−10℃のアクリル系エマルジョン(大日本インキ製、ボンコート3256)10重量部、表面サイズ剤1重量部を含浸させて本発明の壁紙用裏打ち紙を得た。
評価結果を表3に示す。
【0020】
実施例3
N材/L材の重量比が80/20からなる木材パルプ100重量部と酸化チタン5重量部からなる米坪66g/m 、サイズ度0秒の原紙に、サイズプレス方式でスルファミン酸グアニジン15重量部、ガラス転移点0℃のアクリル系エマルジョン(大日本インキ製、ボンコートSFA−33)10重量部、表面サイズ剤1重量部を含浸させて本発明の壁紙用裏打ち紙を得た。
評価結果を表3に示す。
【0021】
実施例4
N材/L材の重量比が80/20からなる木材パルプ100重量部と酸化チタン5重量部からなる米坪66g/m 、サイズ度0秒の原紙に、サイズプレス方式でスルファミン酸グアニジン15重量部、ガラス転移点7℃のアクリル系エマルジョン(昭和高分子製、ポリゾールAM−300)5重量部、表面サイズ剤1重量部を含浸させて本発明の壁紙用裏打ち紙を得た。
評価結果を表3に示す。
【0022】
実施例5
N材/L材の重量比が80/20からなる木材パルプ100重量部と酸化チタン5重量部からなる米坪66g/m 、サイズ度0秒の原紙に、サイズプレス方式でスルファミン酸グアニジン15重量部、ガラス転移点20℃のアクリル系エマルジョン(大日本インキ製、ボンコートAT−113)10重量部、表面サイズ剤1重量部を含浸させて本発明の壁紙用裏打ち紙を得た。
評価結果を表3に示す。
【0023】
実施例6
N材/L材の重量比が60/40からなる木材パルプ100重量部と酸化チタン5重量部からなる米坪66g/m 、サイズ度0秒の原紙に、サイズプレス方式でスルファミン酸グアニジン15重量部、ガラス転移点7℃のアクリル系エマルジョン(昭和高分子製、ポリゾールAM−300)5重量部、表面サイズ剤1重量部を含浸させて本発明の壁紙用裏打ち紙を得た。
評価結果を表3に示す。
【0024】
実施例7
N材/L材の重量比が60/40からなる木材パルプ100重量部と酸化チタン5重量部からなる米坪66g/m 、サイズ度0秒の原紙に、サイズプレス方式でスルファミン酸グアニジン15重量部、ガラス転移点0℃のアクリル系エマルジョン(大日本インキ製、ボンコートSFA−33)10重量部、表面サイズ剤1重量部を含浸させて本発明の壁紙用裏打ち紙を得た。
評価結果を表3に示す。
【0025】
【表3】
Figure 0004693144
【0026】
表3から明らかな通り、本発明の壁紙用裏打ち紙は、いずれも紙層剥離強度が100g/15mm以上であり、ブリスター現象の発現も無く、耐DOP性、耐水性も良好で、加工上も問題のないものであった。
【0027】
比較例1
N材/L材の重量比が80/20からなる木材パルプ100重量部と酸化チタン5重量部からなる米坪66g/m 、サイズ度0秒の原紙に、サイズプレス方式でスルファミン酸グアニジン15重量部、ガラス転移点−25℃のアクリル系エマルジョン(大日本インキ製、ボンコートAN−226)10重量部、表面サイズ剤1重量部を含浸させて壁紙用裏打ち紙を得た。
評価結果を表4に示す。
【0028】
比較例2
N材/L材の重量比が80/20からなる木材パルプ100重量部と酸化チタン5重量部からなる米坪66g/m 、サイズ度0秒の原紙に、サイズプレス方式でスルファミン酸グアニジン15重量部、ガラス転移点7℃のエチレン酢ビ系エマルジョン(住友化学製、スミカフレックス305)10重量部、表面サイズ剤1重量部を含浸させて壁紙用裏打ち紙を得た。
評価結果を表4に示す。
【0029】
比較例3
N材/L材の重量比が80/20からなる木材パルプ100重量部と酸化チタン5重量部からなる米坪66g/m 、サイズ度0秒の原紙に、サイズプレス方式でスルファミン酸グアニジン15重量部、ガラス転移点15℃のSBR系エマルジョン(大日本インキ製、ラックスター3307B)10重量部、表面サイズ剤1重量部を含浸させて壁紙用裏打ち紙を得た。
評価結果を表4に示す。
【0030】
比較例4
N材/L材の重量比が80/20からなる木材パルプ100重量部と酸化チタン5重量部からなる米坪66g/m 、サイズ度0秒の原紙に、サイズプレス方式でスルファミン酸グアニジン15重量部、ガラス転移点15℃のMBR系エマルジョン(大日本インキ製、ラックスター7200A)10重量部、表面サイズ剤1重量部を含浸させて壁紙用裏打ち紙を得た。
評価結果を表4に示す。
【0031】
比較例5
N材/L材の重量比が80/20からなる木材パルプ100重量部と酸化チタン5重量部からなる米坪66g/m 、サイズ度0秒の原紙に、サイズプレス方式でスルファミン酸グアニジン15重量部、ガラス転移点35℃のアクリル系エマルジョン(昭和高分子製、ポリゾールAT−2040)10重量部、表面サイズ剤1重量部を含浸させて壁紙用裏打ち紙を得た。
評価結果を表4に示す。
【0032】
比較例6
N材/L材の重量比が100/0からなる木材パルプ100重量部と酸化チタン5重量部からなる米坪66g/m 、サイズ度0秒の原紙に、サイズプレス方式でスルファミン酸グアニジン15重量部、ガラス転移点9℃のアクリル系エマルジョン(三井化学製、ボンロンKHR−317)10重量部、表面サイズ剤1重量部を含浸させて壁紙用裏打ち紙を得た。
評価結果を表4に示す。
【0033】
比較例7
N材/L材の重量比が60/40からなる木材パルプ100重量部と酸化チタン5重量部からなる米坪66g/m 、サイズ度0秒の原紙に、サイズプレス方式でスルファミン酸グアニジン15重量部、ガラス転移点35℃のアクリル系エマルジョン(昭和高分子製、ポリゾールAT−2040)10重量部、表面サイズ剤1重量部を含浸させて壁紙用裏打ち紙を得た。
評価結果を表4に示す。
【0034】
【表4】
Figure 0004693144
【0035】
表4から明らかな通り、比較例1では紙層剥離強度の不足と耐水性の低下、比較例2では耐DOP性、耐水性の低下、比較例3及び4ではブリスター性、耐DOP性の低下、比較例5では紙層剥離強度不足とブリスター性、耐水性の低下、比較例6ではブリスター性の低下、比較例7では紙層剥離強度の不足と耐水性の低下がみられ、高剥離壁紙用裏打ち紙としての使用は困難である。
【0036】
【発明の効果】
以上説明してきたように、本発明によると、壁紙加工時の熱及び可塑剤・希釈剤などの溶剤で発生する粕トラブルあるいは塩ビ塗工時のブリスター現象の発現がなく、耐水性で、難燃性能を維持しながら100g/15mm以上の高い紙層剥離強度を有する壁紙用裏打ち紙が提供され、特に、台所、脱衣所等の水周りや、店舗等の汚れや衝撃が多い場所の壁面の壁紙に好適に用いられる。

Claims (1)

  1. 針葉樹パルプ/広葉樹パルプの重量比が80/20〜20/80の範囲にある木材パルプ100重量部と無機顔料3〜25重量部からなるサイズ度0秒の原紙に、木材パルプ100重量部に対して、スルファミン酸グアニジン5〜20重量部ガラス転移点−10〜20℃のアクリル系エマルジョン5〜10重量部、及びアクリルアミド系合成高分子の表面サイズ剤が2重量部以下となるよう含浸され、JIS P8139B法より測定した紙層剥離強度が100g/15mm以上である、難燃性高剥離壁紙用裏打ち紙。
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