JP4205562B2 - 壁紙およびその施工方法 - Google Patents

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Description

この発明は、壁紙およびその施工方法に関し、壁面への接着剤の界面または接着剤層から剥離することで壁面に裏打ち紙の薄層も残さずに剥離できるようにしたものである。
一般に用いられている壁紙は、裏打ち紙の上に、塩化ビニル樹脂、オレフィン系樹脂、紙などに印刷やエンボス加工などによる意匠を施した装飾層を所望の方法で積層することで構成されている。
そして、このような壁紙は、でんぷん糊等の接着剤を裏打ち紙の裏面または壁面に塗布して壁の基体となる石膏ボードなどに貼着される。
このような壁紙を模様替えなどのため張り替える場合には、既に貼着してある壁紙を剥離し、その後に新たな壁紙を貼着することになるが、このときの剥離作業を容易とするために、裏打ち紙をその層間で剥離させることができ、壁面にほぼ平坦な薄層のみが残るようにした、いわゆるピールアップ性を有する裏打ち紙が使用されるのが一般的である。
このような層間剥離性を有する裏打ち紙については、種々提案されており、例えば特許文献1には、図2に示すように、裏打ち紙1の両面に無機質粉末を主体とする被覆層2を設け、この被覆層2を介して表面に装飾層となる合成樹脂装飾層3が設けられた壁紙が開示されている。
この壁紙は、被覆層2を介して裏面に接着剤4を塗布して壁面の基体となる石膏ボード5などに貼着することで施工され、表裏両面の被覆層2,2により、接着剤などの染み込みを防止しするようにし、剥離する場合には、確実に裏打ち紙1の層間で剥離させることができるようにしている。
また、特許文献2には、針葉樹パルプと広葉樹パルプの重量比を規定した原紙に、特定割合でスルファミン酸グアニジンと特定のアクリル系エマルジョンを含浸させることで、水周りや店舗などの衝撃が加わる壁面に貼る場合にも、壁紙として裏打ち紙の層間から剥がれるのを防止できる層間剥離強度を有し、張替えの際には、裏打ち紙の層間で剥離させることができ、しかも耐水性や難燃性を付与しても粕トラブルの発生やブリスター現象が生じることがない裏打ち紙が提案されている。
さらに、特許文献3、4、5などには、難燃性を備えて層間剥離性を有する裏打ち紙について開示されている。
特開平4−108200号公報 特開2003−3400号公報 特開昭60−239598号公報 特開昭59−53797号公報 特開昭48−93711号公報
ところが、このような壁紙を裏打ち紙の層間で剥離させて張り替える場合に壁紙の張替えと同時に、防火施工が必要な場合には、壁面に残っている裏打ち紙の薄層を完全に剥離する必要があるが、壁紙の使用年数や使用環境によっては簡単に剥離できない場合があったり、基体となる石膏ボードなどの下地材の表面を剥離して傷を付けることもあり、剥離するために剥離剤などを使用しなければならず、剥離に多大な手間と費用が掛かるという問題がある。
また、これまでの裏打ち紙では、施工後の室内などの湿度変化による収縮により壁紙のつなぎ目部分に目隙きが生じ易く、仕上がりが損なわれ易いという問題がある。
そこで、これまでの壁紙の張替えのための剥離を裏打ち紙の層間で行うことに代え、壁面への接着剤の界面または接着剤の層間で剥離できるようにすれば、壁面に裏打ち紙の薄層が残ることをなくすことができることから、このような条件を満たす壁紙およびその施工方法について鋭意研究を重ね、特定の裏打ち紙と特定の接着剤とを組み合わせて使用することで、これまでの剥離作業と同様に剥離するだけで、裏打ち紙の層間で剥離せずに接着剤の界面または接着剤の層間で剥離できることを見出し、本願発明を完成したものである。
この発明は、上記従来技術の問題点と研究開発の結果に鑑みてなされたもので、壁面への接着剤の界面または接着剤の層間から剥離することで壁面に裏打ち紙の薄層も残さずに剥離することができる壁紙およびその施工方法を提供しようとするものである。
上記課題を解決するため、この発明の請求項1記載の壁紙は、少なくとも裏打ち紙と装飾層の積層構造からなる壁紙であって、この壁紙を壁面に接着剤を使用して施工した場合に、当該壁紙の前記壁面からの剥離が前記接着剤層で剥離され、前記接着剤がメチルセルロース系接着剤であって、前記壁紙の前記壁面からの剥離強度が100〜500g/3cmであり、前記裏打ち紙が、パルプ成分と合成樹脂成分を混抄してなり、当該裏打ち紙の層間剥離強度が前記壁紙の前記壁面からの剥離強度より大きいことを特徴とするものである。
この発明に使用される裏打ち紙は、パルプ成分と合成樹脂成分を混抄して創られたものを使用する。
一般的にパルプ成分に、塩化ビニル共重合体、酢酸ビニル共重合体、アクリル、オレフィン、ポリエステルなどの合成樹脂繊維を合成樹脂成分として混抄させたものであり、通常合成樹脂成分を添加することにより、混抄される紙は、パルプ成分のみからなる紙より、糊等の影響によりカール性や、水中伸度、引き裂き強度が向上したものとなる。
壁紙用の裏打ち紙でこのような物性が向上すれば、壁紙の施工性が向上したり、施工後の目隙きが生じ難くなる。
しかし、合成樹脂成分が多くなりすぎると、一般の壁紙用に使用される接着剤では、必要な接着強度を得ることができなくなる傾向がある。
したがって、この発明の壁紙において、裏打ち紙の合成樹脂成分は、50重量%未満であり、メチルセルロース系接着剤を使用した場合に100〜500g/3cmの接着強度が得られ、裏打ち紙の層間剥離強度が前記の接着強度より大きいものを使用する。
これにより、施工後の壁紙のつなぎ目部分に目隙きが生じることを防止でき、仕上がりが良好となるとともに、剥離するために剥離剤などを使用する必要もなく短時間かつ安価に剥離でき、しかも壁紙の張替えと同時に、防火施工とすることも容易となる。
この発明で使用するメチルセルロースを主成分とするメチルセルロース系接着剤とは、樹脂成分としてメチルセルロースが他の樹脂成分より多く含まれているもので、通常市販されているものを使用することができ、水などで希釈して塗布し易いようにして使用される。
メチルセルロース系接着剤は、接着強度の向上を考慮して、でんぷん糊やエチレン−酢酸ビニル系接着剤などをこの発明の壁紙の剥離において支障のない範囲で混合して使用することができ、剥離において支障のない範囲で塗布量を調整することができる。
ただし、でんぷん糊やエチレン−酢酸ビニル系接着剤のみを使用したり、これらが多くなってしまうと、上記のような裏打ち紙を使用したとしても、この発明の効果を得ることができず、壁紙の剥離時に、裏打ち紙が綺麗に接着層部分で剥離できなくなる。
また、この発明の請求項2記載の壁紙は、請求項1記載の構成に加え、前記裏打ち紙の水中伸度が1.0%以下であることを特徴とするものである。
この発明の壁紙によれば、裏打ち紙の水中伸度を1.0%以下としている。
これにより、壁紙施工後の室内などの湿度変化による裏打ち紙の収縮による壁紙の目隙きが生じないようになる。
さらに、この発明の請求項3記載の壁紙の施工方法は、少なくとも裏打ち紙と装飾層の積層構造からなる壁紙を接着剤を裏打ち紙裏面または壁面に塗布して壁面に施工するに際し、前記裏打ち紙が、パルプ成分と合成樹脂成分を混抄してなり、当該裏打ち紙の層間剥離強度が前記壁紙の前記壁面からの剥離強度より大きく、前記接着剤としてメチルセルロース系接着剤を使用し、前記壁紙の前記壁面からの剥離が接着層で剥離し、剥離強度が100〜500g/3cmであることを特徴とするものである。
この壁紙の施工方法によれば、施工された壁紙を壁面から剥離する際に、剥離剤の使用などの特別な剥離手段を用いることなく、壁面から完全に裏打ち紙に塗布された接着剤層の界面または接着層間で剥離することができるようになる。
これにより、施工後に室内の水分や湿度などの影響を受けて壁紙のつなぎ目部分に目隙きが生じることを防止でき、仕上がりが良好となるとともに、剥離が簡単かつ短時間にでき、しかも壁紙の張替えと同時に、防火施工とすることも容易となる。
この発明の壁紙および壁紙の施工方法を使用することで、施工された壁紙を壁面から剥離する際に、剥離剤の使用などの特別な剥離手段を用いることなく、壁面から完全に裏打ち紙に塗布された接着剤層の界面または接着層間で剥離することができる。
しかも、壁紙が剥離された壁面は、再度壁紙を施工する場合に、剥離したそのままの状態でも問題なく施工することができる。
また、接着剤成分が壁面全体に残っているので、シーラー処理を行ったのに近い状態となり、糊の目付量を再施工において減らしても前回と同様な接着強度を得ることが可能となる。
さらに、この発明においては、裏打ち紙としてパルプ成分と合成樹脂成分を混抄したものを使用しているため、水中伸度、耐カール性などに優れているので、施工後の裏打ち紙の収縮による目隙きを防止することも可能となる。
これにより、簡単かつ短時間に剥離でき、しかも壁紙の張替えと同時に、防火施工することも容易となる。
以下、この発明の一実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
図1は、この発明の壁紙の一実施の形態にかかり、施工状態で示す断面図である。
この発明の壁紙10は、 少なくとも裏打ち紙11と装飾層12の積層構造からなる壁紙であって、 この壁紙10を石膏ボード13などの壁面に接着剤14を使用して施工した場合に、壁紙10の壁面からの剥離が接着剤14の界面または接着剤層間で剥離されるものであり、このため接着剤14がメチルセルロース系接着剤であって、壁紙10の壁面からの剥離強度が100〜500g/3cmとしてあり、しかも、 裏打ち紙11が、パルプ成分と合成樹脂成分を混抄してなり、この裏打ち紙11の層間剥離強度が壁紙10の壁面からの剥離強度より大きくしてあるものである。
すなわち、この壁紙10では、リフォームなどの張替えの際の剥離作業によっては裏打ち紙11の層間では剥離が生じないようにし、裏打ち紙11の裏面に塗布して石膏ボード13などの壁面に貼るための接着剤14を、壁紙10を剥離しようとする場合にこれまでと同程度の力を加えることで接着剤14の界面または接着剤層間で剥離することができるようにしている。
したがって、この壁紙10では、壁紙10自体の剥離強度が接着剤14の剥離強度で定まるようにしてあり、裏打ち紙11の層間剥離強度と接着剤14の剥離強度の関係では、裏打ち紙11の層間剥離強度が接着剤14の剥離強度より大きいものが使用される。
また、裏打ち紙11としては、壁紙10を施工する際に、接着剤14の影響によりカールすることなどを防止するとともに、壁紙10を施工した後の室内の湿度などの影響で目隙きが生じることを防止する必要がある。
このため、この壁紙10では、裏打ち紙11として通常のパルプ成分に合成樹脂成分を混合して抄紙したものが使用される。
パルプ成分としては、モミ科やマツ科などの針葉樹パルプ、ブナ科、カバノキ科、カエデ科、ヤナギ科、フトモモ科のユーカリなどの広葉樹パルプを単独ないしはこれらを混合したものを挙げることができる。
合成樹脂成分としては、塩化ビニル共重合体、酢酸ビニル共重合体、アクリル、スチレン・ブタジエン・ラバー(SBR)、メタクリレート・ブタジエン・ラバー(MBR)などの高分子エマルジョン、ポリエステル、あるいはバインダとしての塩化ビニル共重合体/酢酸ビニル/エチレン共重合体、などを挙げることができる。
一般的にパルプ成分に、塩化ビニル共重合体、酢酸ビニル共重合体、アクリル、オレフィン、ポリエステルなどの合成樹脂繊維を合成樹脂成分として添加することにより混抄される紙(裏打ち紙11)は、パルプ成分によりなる紙より、糊等の影響によりカール性や、水中伸度、引き裂き強度が向上したものとなる。
したがって、この紙を壁紙用の裏打ち紙11として用いることでこれらの物性が向上すれば、壁紙10の施工性が向上したり、施工後の目隙きが生じ難くなる。
しかし、合成樹脂成分が多くなりすぎると、一般の壁紙用に使用される接着剤では、必要な接着強度を得ることができなくなる傾向がある。
したがって、この発明の壁紙10において、裏打ち紙11は、合成樹脂成分は、50重量%未満であり、接着剤14としてメチルセルロース系接着剤を使用した場合に100〜500g/3cmの接着強度が得られ、裏打ち紙11の層間剥離強度がこの接着剤14の接着強度より大きいものを使用する。
壁紙10の接着強度が、100g/3cm未満であると、施工された壁紙10が施工面から剥がれる可能性があり、好ましくない。また、壁紙10の接着強度が500g/3cmを超えると、剥離作業が容易でなくなり、好ましくなく、この場合には、裏打ち紙11の層間剥離強度も500g/3cmを超えたものとしなくてはならず、裏打ち紙11の柔軟性などが不足して、壁紙10としての施工性が低下する恐れがあり、好ましくない。
また、裏打ち紙11に合成樹脂成分を混抄することで、室内の水分などの影響を受けて収縮などの発生がないので、これによって寸法変化を小さくすることができ、施工後の目隙きも非常に小さくできる。
このため裏打ち紙11の水中伸度が小さい方が良く、例えば0〜1.0%の範囲、すなわち1.0%以下とすることが好ましい。水中伸度が1.0%を越えて大きくなると、接着剤14を裏打ち紙11に塗布する場合に、接着剤14中の水分が吸水され、施工時に必要以上に伸ばされて施工されることにより、吸水した壁紙が乾燥する際の収縮が原因で目隙きが発生したり、施工後の室内の湿度などの影響を受けてしまう可能性があり、好ましくない。
このように水中伸度を小さくして寸法変化を少なくすることで、裏打ち紙11に接着剤を塗布した後、いわゆるオープンタイムをとらずに施工が可能となるとともに、接着剤を塗布したまま乾燥しない範囲で長時間置くことができ、これにより、予め多くの壁紙に接着剤を塗布してから壁面への貼着作業ができ、施工が能率的にでき、仕上がりが損なわれることもない。
さらに、寸法変化が少なくオープンタイムを必要としないことから、通常の壁紙の施工のように、予め壁紙に接着剤を塗布して壁面に貼着する施工法を用いるだけでなく、壁面にローラーなどを用いて接着剤を塗布し、そこに壁紙を当てて貼っていく施工法をとることもでき、このようにすれば専門の職人でなくても個人で簡単に壁紙を貼ることができる。
このような裏打ち紙11の表面には、通常の壁紙と同様、塩化ビニル樹脂、オレフィン系樹脂、紙などを使用して印刷やエンボス加工などによる意匠を施した装飾層12が所望の方法で積層される。
一方、裏打ち紙11の裏面に塗布される接着剤14は、メチルセルロースを主成分とするメチルセルロース系接着剤または、メチルセルロース系接着剤と他のでんぷん系接着剤やエチレン−酢酸ビニル系接着剤を混合して、壁紙10の剥離強度が100〜500g/3cmとなり、接着剤14の界面または接着剤層間で剥離できる接着剤である。
接着剤14の接着層の剥離強度が100g/3cmより小さいと、施工後に壁紙10全体または部分的に剥離が生じてしまう恐れがあり、500g/3cmを越えて大きいと、剥離作業自体が容易に行えなくなったり、壁面の基体(下地材)である石膏ボード13の基材面に傷をつけ、凹凸が生じる恐れがある(なお、従来の裏打ち紙の層間で剥離させる場合の裏打ち紙の層間剥離強度は、300g/3cm前後のものが主に使用されていた。)。
このような接着剤14としては、メチルセルロースを主成分とするメチルセルロース系接着剤を使用することができる。例えば、通常壁紙に使用されるでんぷん系接着剤やエチレン−酢酸ビニル系接着剤を主成分とした場合には、上記のような裏打ち紙を使用しても、接着剤層の界面または接着層の層間で壁紙を剥離することができず、裏打ち紙が部分的、または全面にわたって層間剥離してしまう。
ただし、メチルセルロース系接着剤の接着強度を調節するために、部分的にでんぷん系接着剤やエチレン−酢酸ビニル系接着剤を剥離に支障のない範囲で配合しても良い。
このメチルセルロース系接着剤は、例えば、ヘンケル社製「Methylan direct」を20倍に希釈すること(接着剤1に対して20倍の水で溶かす)で得ることができ、そのときの壁紙の剥離強度は、約250g/3cmとなる。
なお、このメチルセルロース系接着剤は、水溶性であり、接着剤の作製が容易であり、剥離強度の調整も水による希釈で容易に行うことができる。
また、接着剤14としては、メチルセルロース系接着剤とでんぷん系接着剤やエチレン−酢酸ビニル系接着剤とを混合した混合接着剤を用いることもでき、この場合でも壁紙の剥離強度が100〜500g/3cmとなるものを用いる。
この混合接着剤を用いる場合のメチルセルロース系接着剤を主体としたでんぷん系接着剤やエチレン−酢酸ビニル系接着剤との混合割合は剥離強度が100〜500g/3cmとなり、壁紙10の剥離が裏打ち紙の層間で起こらず接着剤の界面または接着層間で起こるように適宜定めれば良い。
例えば、100%メチルセルロース系接着剤の場合で剥離強度が100〜500g/3cmの範囲に入るものを得、これの混合割合を低下させると同時に、でんぷん系接着剤の混合割合を増大して剥離強度が100〜500g/3cmの範囲内となるようにする場合には、でんぷん系接着剤の混合による剥離強度の増大の影響が大きく、メチルセルロース系接着剤の混合割合を低下させても混合接着剤の剥離強度はむしろ高まることになる。
混合接着剤の試験条件および方法
メチルセルロース系接着剤として、ヘンケル社製「Methylan direct」を20倍に希釈したものを用意し、でんぷん系接着剤として、極東産機株式会社製「コナダインS」(主成分:加工でんぷん)を7倍に希釈したものを用意し、これらを表1に示す所定の混合比で混合し、攪拌機で攪拌して混合接着剤を作製した。
剥離強度を測定するため、A4サイズの壁紙裏面に塗布量160g/m2となるように各混合接着剤を塗布し、オープンタイムをとらずに9.5mm厚さの準不燃石膏ボードに貼着し、1週間後に、幅3cmに切れ目を入れて、引き剥がしこれに要する力を剥離強度とした。
このような混合接着剤の剥離強度の測定結果を表1中に示した。
同表から明らかなように、でんぷん系接着剤の混合比が70%を超えると、接着層からきれいに剥離させることができなかった。
また、これまでの裏打ち紙で層間剥離させる場合の剥離強度は500g/3cm前後とすることが目安となっており、これを超えると実際の引き剥がし作業にかなりの負担となる。
したがって、この実験結果からは、でんぷん系接着剤の混合比は、50%以下、好ましくは30%以下である。
なお、100%メチルセルロース系接着剤の希釈の状態および塗布量によって壁紙の剥離強度をどの値とするかによって、また、混合するでんぷん系接着剤の種類によって、混合接着剤として混合できるでんぷん系接着剤などの混合比が異なることはいうまでもない。
一方、メチルセルロース系接着剤の水による希釈倍率を高め(例えば40倍)、でんぷん系接着剤の混合割合を高めることで剥離強度が100〜500g/3cmの範囲内となるようにすることで、同じ目付量を塗布した場合でも、壁紙の剥離強度を高めることが可能となる。
Figure 0004205562
このような接着剤14は、裏打ち紙11の裏面または壁面側の石膏ボード13の表面のいずれに塗布しても良く、例えば塗布量を100〜200g/m2程度として塗布が行われる。
さらに、裏打ち紙11の裏面に接着剤14を塗布するとともに、壁面側の石膏ボード13などの表面にシーラー処理を施しても良く、この場合には、接着剤14の塗布量が同一であれば、剥離強度を高めることができ、同一剥離強度とする場合には、接着剤14の塗布量を減らすことができる。
このシーラー処理には、例えば接着剤14と同一のものを希釈して使用することができる。したがって、シーラーとしては、例えばメチルセルロース系接着剤であるヘンケル社製「Methylan direct」を接着剤の場合の2倍の40倍に希釈したものを用意し、例えば塗布量を100g/m2として処理が行われる。
このようなメチルセルロース系接着剤または、メチルセルロース系接着剤とでんぷん系接着剤などの混合接着剤で、いずれの剥離強度も100〜500g/3cmの範囲内としたものを用いることで、裏打ち紙11の剥離強度がこの接着剤14の剥離強度より高めてあるので、図2に示すように、石膏ボード13などの壁面の基体に接着することで、接着層から剥離することができ、壁面の基体である石膏ボード13上に裏打ち紙11の薄層を残すことなく完全に剥離することができ、リフォームなどで貼替えを行う場合に、非常に効率よく施工することができる。
また、貼替えの場合には、壁面に残る接着層としての接着剤14がシーラー処理を行ったのと同様に機能し、貼替えの場合の接着剤の塗布量を減らしたり、同一塗布量であれば剥離強度を高めることができるという副次的な効果がある。
なお、裏打ち紙の剥離強度を高めて層間剥離が起こらないようにしておき、これまでと同様のでんぷん系接着剤を用いて接着し、これを剥離しようとすると、裏打ち紙が部分的または全面にわたって層間剥離を起したり、石膏ボードなどの壁面の基材(下地材)となる表面が破壊される恐れがあるとともに、剥離に必要な力が過大となり、作業性が著しく悪くなってしまい、これまでの問題を解消することはできない。
また、このメチルセルロース系接着剤をこれまでの同様の壁紙(層間剥離用の裏打ち紙を使用したもの)に使用すると、例えば壁面に接着剤を塗布し、壁紙を施工した場合に、膨れが発生したり仕上がり状態が悪くなるなど施工性の面の問題が生じてしまう。
以下、この発明の実施例を比較例とともに、説明するが、この発明はこれら実施例に限定されるものではない。
各実施例では、次ぎのものを用いた。
裏打ち紙: ファイバーマーク社製「壁紙基材:278.085」(ポリエステル含有)
施工用接着剤:
メチルセルロース系接着剤:ヘンケル社製「Methylan direct」を20倍希釈,塗布量150g/m2
でんぷん系接着剤:ヤヨイ化学製「ルーアマイルド」6割希釈(接着剤:水=10:6),塗布量150g/m2
シーラー:ヘンケル社製「Methylan direct」を40倍希釈,塗布量100g/m2で石膏ボードに塗布した。
剥離強度の測定: 施工1週間後に、3cm幅に切れ目を入れ、引き剥がすのに必要な力を簡易測定器で測定した。
剥離状況:以下の3つに分類した。
○ : 下地材を痛めることなく、完全に壁紙を剥離することができる。
△ : 裏打ち紙の一部がわずかに下地に残る。
× : 裏打ち紙の層間で剥離し、下地に薄層が残る。
ジョイントの目隙き: 施工1週間後に、目盛り付きマイクロスコープで測定。
(実施例1)
壁面の下地となる石膏ボードにシーラー処理を施すとともに、石膏ボードの表面に施工用接着剤を塗布し、オープンタイムをとらずに石膏ボードに壁紙を貼った。
その結果は、表2中に示すように、施工には何ら問題はなかった。
また、剥離強度は250〜350g/3cmで、これまでの壁紙と同様の剥離作業で剥離することができ、下地の石膏ボードから完全に剥離することができた。
さらに、ジョイント部の目隙きも0.02mm以下であった。
(実施例2)
壁面の下地となる石膏ボードに予めシーラー処理を施さなかった以外は実施例1と同一とした。
その結果は、表2中に示すように、施工には何ら問題はなかった。
また、剥離強度は200〜300g/3cmで、これまでの壁紙と同様の剥離作業で剥離することができ、下地の石膏ボードから完全に剥離することができた。
さらに、ジョイント部の目隙きも0.02mm以下であった。
(実施例3)
施工用接着剤を壁紙の裏面に塗布した以外は、実施例1と同一にした。
その結果は、表2中に示すように、施工には何ら問題はなかった。
また、剥離強度は250〜350g/3cmで、これまでの壁紙と同様の剥離作業で剥離することができ、下地の石膏ボードから完全に剥離することができた。
さらに、ジョイント部の目隙きも0.02mm以下であった。
(比較例1)
裏打ち紙として合成樹脂成分が未含有のもの(水中伸度は1.5%)を使用し、壁紙の裏面に施工用接着剤を塗布し、オープンタイムを20分とした以外は実施例1と同一とした。
その結果は、表2中に示すように、施工には何ら問題はなく、剥離強度も300〜400g/3cmであったが、裏打ち紙の層間で剥離が起こり、下地の石膏ボード上に裏打ち紙の薄層が残った。
さらに、ジョイント部の目隙きも0.06mmと大きかった。
(比較例2)
裏打ち紙として実施例1と同一のものを使用し、シーラー処理を施さずに、壁紙の裏面に施工用接着剤としてでんぷん系接着剤を塗布し、オープンタイムをとらずに施工した。
その結果は、表2中に示すように、施工には何ら問題は無かったが、剥離強度が500〜600g/3cmと剥離作業に支障があり、裏打ち紙の層間で剥離が起こり、下地の石膏ボード上に裏打ち紙の薄層が残った。
なお、ジョイント部の目隙きは0.02mm以下であった。
(比較例3)
裏打ち紙として合成樹脂成分が未含有のもの(水中伸度は1.5%)を使用し、シーラー処理を施さずに、石膏ボードの表面に施工用接着剤としてでんぷん系接着剤を塗布し、オープンタイムを20分とって施工した。
その結果は、表2中に示すように、施工は接着剤が乾燥しているため困難であり、剥離強度も400〜500g/3cmと大きく、裏打ち紙の層間で剥離が起こり、下地の石膏ボード上に裏打ち紙の薄層が残った。
さらに、ジョイント部の目隙きも0.06mmと大きかった。
(比較例4)
裏打ち紙として合成樹脂成分が未含有のもの(水中伸度が1.5%)を使用し、シーラー処理を施さずに、石膏ボードの表面に施工用接着剤としてでんぷん系接着剤を塗布し、オープンタイムをとらずに施工した。
その結果は、表2中に示すように、施工は壁紙全面にエアの膨れが発生し、剥離強度も400〜500g/3cmと大きく、裏打ち紙の層間で剥離が起こり、下地の石膏ボード上に裏打ち紙の薄層が残った。
さらに、ジョイント部の目隙きも0.08mmと最も大きかった。
Figure 0004205562
この発明の壁紙の一実施の形態にかかり、施工状態で示す断面図である。 従来の壁紙にかかり、施工状態で示す断面図である。
符号の説明
10 壁紙
11 裏打ち紙
12 装飾層
13 石膏ボード
14 接着剤

Claims (3)

  1. 少なくとも裏打ち紙と装飾層の積層構造からなる壁紙であって、
    この壁紙を壁面に接着剤を使用して施工した場合に、当該壁紙の前記壁面からの剥離が前記接着剤層で剥離され、
    前記接着剤がメチルセルロース系接着剤であって、前記壁紙の前記壁面からの剥離強度が100〜500g/3cmであり、
    前記裏打ち紙が、パルプ成分と合成樹脂成分を混抄してなり、当該裏打ち紙の層間剥離強度が前記壁紙の前記壁面からの剥離強度より大きいことを特徴とする壁紙。
  2. 前記裏打ち紙の水中伸度が1.0%以下であることを特徴とする請求項1記載の壁紙。
  3. 少なくとも裏打ち紙と装飾層の積層構造からなる壁紙を接着剤を裏打ち紙裏面または壁面に塗布して壁面に施工するに際し、
    前記裏打ち紙が、パルプ成分と合成樹脂成分を混抄してなり、当該裏打ち紙の層間剥離強度が前記壁紙の前記壁面からの剥離強度より大きく、
    前記接着剤としてメチルセルロース系接着剤を使用し、
    前記壁紙の前記壁面からの剥離が接着層で剥離し、剥離強度が100〜500g/3cmであることを特徴とする壁紙の施工方法。

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