JP2007266060A - フェライト焼結磁石の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】高速で乾式成形を行うことによる高い生産性を維持しつつ、製品歩留まりを向上させる。
【解決手段】A、La、Fe及びCoを主成分とする六方晶M型フェライトを含むフェライト焼結磁石の製造方法であって、AはSr、Ba及びPbから選択される少なくとも1種の元素であり、六方晶M型フェライトの原料粉末のうち、Aの総量の全部または一部、Feの総量の全部または一部、およびLaの総量の75重量%以上を含む原料組成物を所定温度で加熱保持して仮焼体を得る工程aと、工程aで得られた仮焼体を粉砕する工程bと、工程bで得られた粉砕粉末に、Coの総量の全部、およびLaの残部を添加し、磁場中で乾式成形する工程cと、工程cで得られた成形体を所定温度で焼成して六方晶M型フェライトを磁性相とする焼結磁石を得る工程dとを備え、工程cでは1分あたり50個以上の速度で成形する。
【選択図】なし
【解決手段】A、La、Fe及びCoを主成分とする六方晶M型フェライトを含むフェライト焼結磁石の製造方法であって、AはSr、Ba及びPbから選択される少なくとも1種の元素であり、六方晶M型フェライトの原料粉末のうち、Aの総量の全部または一部、Feの総量の全部または一部、およびLaの総量の75重量%以上を含む原料組成物を所定温度で加熱保持して仮焼体を得る工程aと、工程aで得られた仮焼体を粉砕する工程bと、工程bで得られた粉砕粉末に、Coの総量の全部、およびLaの残部を添加し、磁場中で乾式成形する工程cと、工程cで得られた成形体を所定温度で焼成して六方晶M型フェライトを磁性相とする焼結磁石を得る工程dとを備え、工程cでは1分あたり50個以上の速度で成形する。
【選択図】なし
Description
本発明は、乾式成形法を用いてLa及びCoを含有するM型フェライト焼結磁石を製造する方法に関し、特に高速で乾式成形を行う場合の原料粉末の添加タイミングに関するものである。
例えばフェライト焼結磁石としては、六方晶系のSrフェライト又はBaフェライトが知られているが、現在ではマグネトプランバイト型(M型)のSrフェライト又はBaフェライトが主に用いられている。M型フェライトはAFe12O19の一般式で表され、Aサイトを構成する元素としてSr、Baが適用される。Aサイトを構成する元素としてSrを選択し、かつその一部を希土類元素で置換し、さらにFeの一部をCoで置換したM型フェライトは、高い磁気特性(残留磁束密度、保磁力)を有することが知られている(特許文献1)。このM型フェライトは、希土類元素としてLaを含むことが必須とされている。六方晶M型フェライトに対する固溶限界量が希土類元素の中でLaが最も多いためである。そして、Aサイトを構成する元素の置換元素としてLaを用いることにより、Feの一部を置換するCoの固溶量を多くすることができ、磁気特性向上に寄与することが特許文献1に開示されている。
このようなフェライト焼結磁石は、一般に、出発原料粉末を混合して仮焼し、次いで、適度な粒度となるまで粉砕した後、粉砕粉末を必要な形状に成形し、焼結することにより製造する。異方性焼結磁石を製造するには、磁場中で成形を行う。
成形方法は湿式成形法と乾式成形法とに大別され、高磁気特性を目標とするものには湿式成形法が用いられている。
湿式成形法では、まず、仮焼後の粉砕粉末を水などの分散媒に懸濁させてスラリーを調製し、このスラリーを成形装置の成形空間内に圧送して充填し、磁場中で加圧すると共に分散媒を成形空間外へ排除することにより成形体を得る。湿式成形法では分散媒を用いるため、微粉砕粉末を構成する粒子が回転しやすく、その結果、磁場印加による配向が容易となって高磁気特性、特に高い残留磁束密度が得られる。上記特許文献1でも、高い配向度が得られることを理由として、その実施例では湿式成形法を採用している。しかし、湿式成形法では分散媒を除去する必要があるため、成形時間が長くなって生産性が低くなる、成形装置の金型構造が複雑になる、成形装置が大掛かりになる、といった短所も存在する。
成形方法は湿式成形法と乾式成形法とに大別され、高磁気特性を目標とするものには湿式成形法が用いられている。
湿式成形法では、まず、仮焼後の粉砕粉末を水などの分散媒に懸濁させてスラリーを調製し、このスラリーを成形装置の成形空間内に圧送して充填し、磁場中で加圧すると共に分散媒を成形空間外へ排除することにより成形体を得る。湿式成形法では分散媒を用いるため、微粉砕粉末を構成する粒子が回転しやすく、その結果、磁場印加による配向が容易となって高磁気特性、特に高い残留磁束密度が得られる。上記特許文献1でも、高い配向度が得られることを理由として、その実施例では湿式成形法を採用している。しかし、湿式成形法では分散媒を除去する必要があるため、成形時間が長くなって生産性が低くなる、成形装置の金型構造が複雑になる、成形装置が大掛かりになる、といった短所も存在する。
一方、乾式成形法では、仮焼後の粉砕粉末を成形空間内に充填し、磁場中で加圧して成形する。乾式成形法は、湿式成形法に比べ磁場印加による配向性が劣る結果、高い残留磁束密度が得られないという短所があるものの、生産性が高く、成形装置の構造も単純であるため、製造コストが低いという長所がある。このため、乾式成形法を用いて磁気特性を向上させるための提案もなされている。例えば特許文献2には仮焼体の平均一次粒径を1μm超とすることにより、残留磁束密度が向上することが記載されている。また特許文献2には、仮焼工程と成形工程との間に非磁性の出発原料粉末の一部を後添加物として仮焼体に添加すること、および後添加物と仮焼体との合計量に対する後添加物の比率が2〜20質量%であれば、金型から脱型する際に成形体にクラックが生じにくいことが記載されており、その実施例ではFeの一部、Laの全部及びCoの全部を後添加している。
近年では、乾式成形における成形速度がより一層高速となっている。ところが、上記したようなLa及びCoを含有するフェライト焼結磁石を高速で乾式成形すると、成形体の表面にハガレを生じる。ハガレとは、成形体表面のくぼみ(クレーター)のことをいう。その結果、製品歩留まりが低下するという新たな問題が生じている。
本発明は、このような技術的課題に基づいてなされたもので、高速で乾式成形を行うことによる高い生産性を維持しつつ、製品歩留まりを向上させることのできるフェライト焼結磁石の製造方法を提供することを目的とする。
本発明は、このような技術的課題に基づいてなされたもので、高速で乾式成形を行うことによる高い生産性を維持しつつ、製品歩留まりを向上させることのできるフェライト焼結磁石の製造方法を提供することを目的とする。
本発明者は高速で乾式成形を行う際の歩留まり低下の原因について様々な観点から検討を行った。まず、成形速度がどのレベルに達したときに、上記したような不具合が発生しやすいか調べた結果、成形速度が1分あたり50個以上の成形体を作製するという高速レベルに達すると、成形体にハガレを生じる割合が高くなることがわかった。ここで、図1(a)はハガレが生じた焼結磁石を模式的に示す平面図であり、図1(b)はハガレを生じた焼結磁石を模式的に示す側面図である。
本発明者は、上記したような不具合は金型への粉末付着量が従来よりも増加したためであり、微粉砕時の添加物が金型への付着に影響を及ぼしていると推測した。その結果、微粉砕時にLa(OH)3を添加しない場合に金型への付着が生じず、La(OH)3が金型への付着に影響を及ぼしていることがわかった。しかも、La(OH)3は乾燥温度によりLaOOHやLa2O3に変化するが、なかでもLa(OH)3が金型への付着に最も影響を及ぼすことがわかった。特許文献2の実施例のように、Laの全部を後添加して高速での乾式成形を行うと、上記したような不具合が発生しやすいが、Laの総量の75重量%以上を配合時に添加しLaの後添加量を少なくすることにより、上記したような不具合の発生を抑制することができることがわかった。
本発明は以上の知見に基づいてなされたものであり、A、La、Fe及びCoを主成分とする六方晶M型フェライトを含むフェライト焼結磁石の製造方法であって、AはSr、Ba及びPbから選択される少なくとも1種の元素であり、六方晶M型フェライトの原料粉末のうち、Aの総量の全部または一部、Feの総量の全部または一部、およびLaの総量の75重量%以上を含む原料組成物を所定温度で加熱保持して仮焼体を得る工程aと、工程aで得られた仮焼体を粉砕する工程bと、工程bで得られた粉砕粉末に、Coの総量の全部、およびLaの残部を添加し、磁場中で乾式成形する工程cと、工程cで得られた成形体を所定温度で焼成して六方晶M型フェライトを磁性相とする焼結磁石を得る工程dとを備え、工程cでは1分あたり50個以上の速度で成形することを特徴とするフェライト焼結磁石の製造方法を提供する。なお、本明細書において後添加とは、仮焼工程と成形工程との間に六方晶M型フェライト形成用の原料粉末を仮焼体(仮焼粉末)に添加することをいう。
本発明者は、上記したような不具合は金型への粉末付着量が従来よりも増加したためであり、微粉砕時の添加物が金型への付着に影響を及ぼしていると推測した。その結果、微粉砕時にLa(OH)3を添加しない場合に金型への付着が生じず、La(OH)3が金型への付着に影響を及ぼしていることがわかった。しかも、La(OH)3は乾燥温度によりLaOOHやLa2O3に変化するが、なかでもLa(OH)3が金型への付着に最も影響を及ぼすことがわかった。特許文献2の実施例のように、Laの全部を後添加して高速での乾式成形を行うと、上記したような不具合が発生しやすいが、Laの総量の75重量%以上を配合時に添加しLaの後添加量を少なくすることにより、上記したような不具合の発生を抑制することができることがわかった。
本発明は以上の知見に基づいてなされたものであり、A、La、Fe及びCoを主成分とする六方晶M型フェライトを含むフェライト焼結磁石の製造方法であって、AはSr、Ba及びPbから選択される少なくとも1種の元素であり、六方晶M型フェライトの原料粉末のうち、Aの総量の全部または一部、Feの総量の全部または一部、およびLaの総量の75重量%以上を含む原料組成物を所定温度で加熱保持して仮焼体を得る工程aと、工程aで得られた仮焼体を粉砕する工程bと、工程bで得られた粉砕粉末に、Coの総量の全部、およびLaの残部を添加し、磁場中で乾式成形する工程cと、工程cで得られた成形体を所定温度で焼成して六方晶M型フェライトを磁性相とする焼結磁石を得る工程dとを備え、工程cでは1分あたり50個以上の速度で成形することを特徴とするフェライト焼結磁石の製造方法を提供する。なお、本明細書において後添加とは、仮焼工程と成形工程との間に六方晶M型フェライト形成用の原料粉末を仮焼体(仮焼粉末)に添加することをいう。
本発明において、原料組成物は、Aの総量の全部およびLaの総量の全部を含むことが好ましい。また、Coは全量後添加する。
本発明は、A、La、Fe及びCoを主成分とするフェライト焼結磁石を高速で乾式成形する場合に広く適用することができるが、磁気特性の観点から、フェライト焼結磁石の組成を、主成分におけるA、La、Fe及びCoそれぞれの金属元素の総計の構成比率が、全金属元素量に対し、A:1〜13原子%、La:0.003〜10原子%、Fe:80〜95原子%、Co:0.05〜5原子%とすることが好ましい。
本発明は、A、La、Fe及びCoを主成分とするフェライト焼結磁石を高速で乾式成形する場合に広く適用することができるが、磁気特性の観点から、フェライト焼結磁石の組成を、主成分におけるA、La、Fe及びCoそれぞれの金属元素の総計の構成比率が、全金属元素量に対し、A:1〜13原子%、La:0.003〜10原子%、Fe:80〜95原子%、Co:0.05〜5原子%とすることが好ましい。
本発明によれば、高速で乾式成形を行うことによる高い生産性を維持しつつ、製品歩留まりを向上させることができる。
以下、本発明のフェライト焼結磁石の製造方法を詳細に説明する。
本発明によるフェライト焼結磁石の製造方法は、配合工程、仮焼工程、粉砕工程、磁場中成形工程及び焼成工程を含む。
本発明によるフェライト焼結磁石の製造方法は、配合工程、仮焼工程、粉砕工程、磁場中成形工程及び焼成工程を含む。
<配合工程>
配合工程は、原料粉末を所定の割合となるように秤量後、湿式アトライタ、ボールミル等で1〜20時間程度混合、粉砕処理する。出発原料としては、フェライト構成元素(Sr、La、Fe)の1種を含有する化合物(例えば、SrCO3、La(OH)3、およびFe2O3)またはこれらの2種以上を含有する化合物を用いればよい。化合物としては酸化物、または焼成により酸化物となる化合物、例えば炭酸塩、水酸化物、硝酸塩等を用いる。出発原料の平均粒径は特に限定されないが、通常、0.1〜2.0μm程度とすることが好ましい。
配合工程は、原料粉末を所定の割合となるように秤量後、湿式アトライタ、ボールミル等で1〜20時間程度混合、粉砕処理する。出発原料としては、フェライト構成元素(Sr、La、Fe)の1種を含有する化合物(例えば、SrCO3、La(OH)3、およびFe2O3)またはこれらの2種以上を含有する化合物を用いればよい。化合物としては酸化物、または焼成により酸化物となる化合物、例えば炭酸塩、水酸化物、硝酸塩等を用いる。出発原料の平均粒径は特に限定されないが、通常、0.1〜2.0μm程度とすることが好ましい。
出発原料は、仮焼前の本工程ですべてを混合する必要はなく、AおよびFeの一部を仮焼後の粉砕工程で添加してもよい。もちろん、AおよびFeの全部をこの配合工程で添加してもよい。
本発明において、Laについては総量の75重量%以上、さらには85重量%以上をこの配合工程で添加する。Laの総量の75重量%以上を配合工程で添加することにより、成形時におけるLa粉末の金型付着を防止することができ、La粉末の金型付着に起因する上記した不具合を防止することができる。その結果、高速で乾式成形を行うことによる高い生産性を維持しつつ、製品歩留まりを向上させることができる。また、Laの総量の75重量%以上を配合工程で添加する場合とLaの全部を後添加する場合とを比較すると、両者の成形速度が同一であっても、後者の方が材料の金型付着量が多く、金型に付着したLa粉末等の磁性粉末を除去する処理(以下、「付着物除去処理」という)が必要になる頻度が高い。付着物除去処理を行うには乾式成形装置を停止しなければならず、高速での乾式成形を行っているにも拘わらず、後者では結果的に生産性も低下してしまう。
本発明において、Laの全部を配合工程で添加することが好ましい。成形時におけるLaの粉末の金型付着をより低減することができるからである。
本発明において、Laについては総量の75重量%以上、さらには85重量%以上をこの配合工程で添加する。Laの総量の75重量%以上を配合工程で添加することにより、成形時におけるLa粉末の金型付着を防止することができ、La粉末の金型付着に起因する上記した不具合を防止することができる。その結果、高速で乾式成形を行うことによる高い生産性を維持しつつ、製品歩留まりを向上させることができる。また、Laの総量の75重量%以上を配合工程で添加する場合とLaの全部を後添加する場合とを比較すると、両者の成形速度が同一であっても、後者の方が材料の金型付着量が多く、金型に付着したLa粉末等の磁性粉末を除去する処理(以下、「付着物除去処理」という)が必要になる頻度が高い。付着物除去処理を行うには乾式成形装置を停止しなければならず、高速での乾式成形を行っているにも拘わらず、後者では結果的に生産性も低下してしまう。
本発明において、Laの全部を配合工程で添加することが好ましい。成形時におけるLaの粉末の金型付着をより低減することができるからである。
<仮焼工程>
配合工程で得られた原料組成物を仮焼する。仮焼は、通常、空気中等の酸化性雰囲気中で行われる。仮焼温度は1100〜1450℃の温度範囲で行うことが好ましく、1150〜1400℃がより好ましく、1200〜1350℃がさらに好ましい。安定時間は1秒間〜10時間、さらには1秒間〜3時間が好ましい。仮焼体は、M相を70%以上有し、その一次粒子径は、好ましくは10μm以下、より好ましくは2μm以下である。
配合工程で得られた原料組成物を仮焼する。仮焼は、通常、空気中等の酸化性雰囲気中で行われる。仮焼温度は1100〜1450℃の温度範囲で行うことが好ましく、1150〜1400℃がより好ましく、1200〜1350℃がさらに好ましい。安定時間は1秒間〜10時間、さらには1秒間〜3時間が好ましい。仮焼体は、M相を70%以上有し、その一次粒子径は、好ましくは10μm以下、より好ましくは2μm以下である。
<粉砕工程>
仮焼体は、一般に顆粒状、塊状等になっており、そのままでは所望の形状に成形ができないため、粉砕する。また、所望の最終組成に調整するための原料粉末、及び添加物等を混合するために、粉砕工程が必要である。本発明では、本工程でCoの全部、ならびにLaの残部(以下、両者を総称して「後添加物」ということがある。)を添加する。Coは例えばCo3O4として添加することができる。Coの全部を後添加することにより、角形性が向上する。Laの残部はLaの総量の25重量%未満であり、この程度の量であれば、成形時におけるLa粉末の金型付着への影響も小さい。なお、Laの全部を配合時に添加した場合には、当然ながらLaの後添加は不要である。
仮焼体は、一般に顆粒状、塊状等になっており、そのままでは所望の形状に成形ができないため、粉砕する。また、所望の最終組成に調整するための原料粉末、及び添加物等を混合するために、粉砕工程が必要である。本発明では、本工程でCoの全部、ならびにLaの残部(以下、両者を総称して「後添加物」ということがある。)を添加する。Coは例えばCo3O4として添加することができる。Coの全部を後添加することにより、角形性が向上する。Laの残部はLaの総量の25重量%未満であり、この程度の量であれば、成形時におけるLa粉末の金型付着への影響も小さい。なお、Laの全部を配合時に添加した場合には、当然ながらLaの後添加は不要である。
粉砕工程は、通常、粗粉砕工程と微粉砕工程に分かれる。以下、各工程順に説明する。
<粗粉砕工程>
前述のように、仮焼体は一般に顆粒状、塊状等であるので、これを粗粉砕することが好ましい。粗粉砕工程では、振動ミル等を使用し、平均粒径が0.5〜5.0μmになるまで処理される。なお、ここで得られた粉末を粗粉砕粉と呼ぶことにする。Coの全部、ならびにLaの残部は粗粉砕粉に添加することができる。もしくは粗粉砕後ではなく、Coの全部、ならびにLaの残部を粗粉砕時に添加してもよい。
<粗粉砕工程>
前述のように、仮焼体は一般に顆粒状、塊状等であるので、これを粗粉砕することが好ましい。粗粉砕工程では、振動ミル等を使用し、平均粒径が0.5〜5.0μmになるまで処理される。なお、ここで得られた粉末を粗粉砕粉と呼ぶことにする。Coの全部、ならびにLaの残部は粗粉砕粉に添加することができる。もしくは粗粉砕後ではなく、Coの全部、ならびにLaの残部を粗粉砕時に添加してもよい。
<微粉砕工程>
粗粉砕粉を湿式アトライタ、ボールミル、あるいはジェットミル等によって粉砕し、平均粒径0.08〜2.0μm、好ましくは0.1〜1.0μm程度に粉砕する。得られた微粉砕粉の比表面積(BET法により求められる)としては、4〜8m2/g程度とすることが好ましい。粉砕時間は、粉砕方法にもよるが、例えば湿式アトライタでは30分間〜10時間、ボールミルによる湿式粉砕では10〜40時間程度、処理すればよい。
粗粉砕粉を湿式アトライタ、ボールミル、あるいはジェットミル等によって粉砕し、平均粒径0.08〜2.0μm、好ましくは0.1〜1.0μm程度に粉砕する。得られた微粉砕粉の比表面積(BET法により求められる)としては、4〜8m2/g程度とすることが好ましい。粉砕時間は、粉砕方法にもよるが、例えば湿式アトライタでは30分間〜10時間、ボールミルによる湿式粉砕では10〜40時間程度、処理すればよい。
<磁場中成形工程>
本発明では、磁場中で乾式成形を行う。その際には、金型に磁場を印加した状態で、金型中の成形空間内に成形対象粉末を充填する。充填の際には、成形対象粉末は磁場にそって成形空間内に吸引される。本発明ではLaの総量の75重量%以上を配合時に添加しているため、成形時におけるLa粉末の金型付着量を低減することができる。成形圧力は50〜100MPa程度、印加磁場は0.1〜1.0T程度とすればよい。
本発明では、磁場中で乾式成形を行う。その際には、金型に磁場を印加した状態で、金型中の成形空間内に成形対象粉末を充填する。充填の際には、成形対象粉末は磁場にそって成形空間内に吸引される。本発明ではLaの総量の75重量%以上を配合時に添加しているため、成形時におけるLa粉末の金型付着量を低減することができる。成形圧力は50〜100MPa程度、印加磁場は0.1〜1.0T程度とすればよい。
上述した通り、乾式成形では湿式成形のように分散媒の除去を行う必要がないため、生産性が高い。それに加え、本発明では1分あたり50個以上の速度で乾式成形を行い、さらには70〜100個の速度で乾式成形を行う。本発明が1分あたり50個以上の速度で成形を行う場合を対象としているのは、20〜30個の速度で成形を行う場合には、金型への材料付着量が少なく、上記したような不具合も生じにくいためである。Laの総量の75重量%以上を配合工程で添加することを特徴とする本発明によれば、1分あたり50個以上の速度で乾式成形を行った場合にも金型への材料付着量が少ないため、上記した付着物除去処理が必要になる頻度が低く、生産性に優れる。
なお、成形速度が高いほど生産性が向上するが、1分あたり100個を超えるほどの高速で成形を行うような乾式成形装置の存在は現時点では本発明者は把握していない。
成形体の形状は特に限定されるものではなく、直方体状のものやいわゆるC型のものとすることができる。例えば直方体状のものであれば、そのサイズは縦5〜50mm、横5〜50mm、厚さ1〜10mm程度である。
なお、成形速度が高いほど生産性が向上するが、1分あたり100個を超えるほどの高速で成形を行うような乾式成形装置の存在は現時点では本発明者は把握していない。
成形体の形状は特に限定されるものではなく、直方体状のものやいわゆるC型のものとすることができる。例えば直方体状のものであれば、そのサイズは縦5〜50mm、横5〜50mm、厚さ1〜10mm程度である。
<焼成工程>
得られた成形体を焼成し、焼結体とする。焼成は、通常、大気中等の酸化性雰囲気中で行われる。焼成温度は1050〜1270℃、好ましくは1080〜1240℃の温度範囲で行い、保持する時間は0.5〜3時間程度とすれば良い。
得られた成形体を焼成し、焼結体とする。焼成は、通常、大気中等の酸化性雰囲気中で行われる。焼成温度は1050〜1270℃、好ましくは1080〜1240℃の温度範囲で行い、保持する時間は0.5〜3時間程度とすれば良い。
以上の工程を経ることにより、本発明のフェライト磁石を得ることができる。
本発明のフェライト磁石は、A、La、Fe及びCoを主成分とする六方晶M型フェライトを含む。ここで、AはSr、Ba及びPbから選択される少なくとも1種の元素である。Aが小さすぎると、M型フェライトが生成しないか、α−Fe2O3等の非磁性相が多くなる。Aが大きすぎるとM型フェライトが生成しないか、SrFeO3−x等の非磁性相が多くなる。またAが多すぎるとLaの割合が少なくなるためにLa−Coフェライト磁石の高磁気特性という優位性が得られなくなってしまう。よって、Aを1〜13原子%含むことが好ましい。より好ましいAの範囲は3〜11原子%、さらに好ましくは3〜9原子%である。
Aとしては、磁気特性の観点から、Srを主体とすることが好ましい。A中のSrの比率は、好ましくは50原子%以上、より好ましくは70原子%以上、さらに好ましくは100原子%である。A中のSrの比率が低すぎると、飽和磁化向上と保磁力の著しい向上とを共に得ることができなくなる。
本発明のフェライト磁石は、A、La、Fe及びCoを主成分とする六方晶M型フェライトを含む。ここで、AはSr、Ba及びPbから選択される少なくとも1種の元素である。Aが小さすぎると、M型フェライトが生成しないか、α−Fe2O3等の非磁性相が多くなる。Aが大きすぎるとM型フェライトが生成しないか、SrFeO3−x等の非磁性相が多くなる。またAが多すぎるとLaの割合が少なくなるためにLa−Coフェライト磁石の高磁気特性という優位性が得られなくなってしまう。よって、Aを1〜13原子%含むことが好ましい。より好ましいAの範囲は3〜11原子%、さらに好ましくは3〜9原子%である。
Aとしては、磁気特性の観点から、Srを主体とすることが好ましい。A中のSrの比率は、好ましくは50原子%以上、より好ましくは70原子%以上、さらに好ましくは100原子%である。A中のSrの比率が低すぎると、飽和磁化向上と保磁力の著しい向上とを共に得ることができなくなる。
Laが少なすぎると六方晶M型フェライトに対するCoの所定の固溶量を確保できなくなり、飽和磁化向上効果及び/又は異方性磁場向上効果が不充分となる。逆にLa量が大きすぎると、六方晶M型フェライト中に置換固溶できない過剰なLaが存在することにより、例えば元素Rを含むオルソフェライト等の異相が生成する要因となる。よって、Laを0.003〜10原子%含むことが好ましい。より好ましいLaの範囲は0.05〜6原子%、さらに好ましくは0.5〜4原子%である。
なお、本発明のフェライト焼結磁石において、Laが所定量含まれていることを前提として、その一部を他の希土類元素(Ce、Pr、Nd、Pm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Lu)の1種又は2種以上で置換することができる。
なお、本発明のフェライト焼結磁石において、Laが所定量含まれていることを前提として、その一部を他の希土類元素(Ce、Pr、Nd、Pm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Lu)の1種又は2種以上で置換することができる。
本発明において、Feはフェライトを構成する基本的な元素であり、Feが少なすぎると、Aサイトが余剰となり、主相から出て非磁性粒界成分を無駄に増加させ飽和磁化が低くなる。また、Feが多すぎると、α−Fe2O3が生成してしまう。
本発明において、CoはM型フェライト相のFeの一部を置換することにより磁気特性を向上する効果を奏する。Coの量が少ないと、Feの一部をCoで置換することによる磁気特性向上の効果を十分に得ることができない。一方、Coが多すぎるとLaとの電荷バランスの最適点を超えてしまい磁気特性が劣化する。よって、Coを0.05〜5原子%含むことが好ましい。より好ましいCoの範囲は0.1〜4原子%、さらに好ましくは0.15〜3原子%である。
本発明によるフェライト焼結磁石の組成は、蛍光X線定量分析などにより測定することができる。フェライト磁性材料が焼結体を構成する場合、焼結体について蛍光X線定量分析によりその組成を分析することができる。本発明で特定される各元素の含有量は、この分析値によって特定することができる。また、本発明のフェライト磁性材料におけるM相の存在は、X線回折や電子線回折などにより確認することができる。具体的には、本発明では以下の条件によるX線回折により、M相の存在比率(モル%)を求めた。M相の存在比率は、M型フェライト、オルソフェライト、ヘマタイト、スピネルそれぞれの粉末試料を所定比率で混合し、それらのX線回折強度から比較算定することにより算出するものとする(後述する実施例でも同様)。
X線発生装置:3kW
管電圧:45kV
管電流:40mA
サンプリング幅:0.02deg
走査速度:4.00deg/min
発散スリット:1.00deg
散乱スリット:1.00deg
受光スリット:0.30mm
X線発生装置:3kW
管電圧:45kV
管電流:40mA
サンプリング幅:0.02deg
走査速度:4.00deg/min
発散スリット:1.00deg
散乱スリット:1.00deg
受光スリット:0.30mm
本発明によるフェライト焼結磁石は、副成分としてSi成分及びCa成分を含有することができる。副成分としてのSi成分及びCa成分は、焼結性の改善、磁気特性の制御及び焼結体の結晶粒径の調整等を目的としている。その添加タイミングは特に限定されるものではなく、配合工程及び/又は粉砕工程で添加することができる。なお、副成分としてのSi成分及びCa成分は、専ら粒界に存在する。
Si成分としてはSiO2を、Ca成分としてはCaCO3を、それぞれを添加するのが好ましい。添加量は、Si成分について好ましくは、SiO2換算で0(含まず)〜1.35重量%で、より好ましくは0.05〜0.90重量%、さらに好ましくは0.05〜0.75重量%である。
Si成分としてはSiO2を、Ca成分としてはCaCO3を、それぞれを添加するのが好ましい。添加量は、Si成分について好ましくは、SiO2換算で0(含まず)〜1.35重量%で、より好ましくは0.05〜0.90重量%、さらに好ましくは0.05〜0.75重量%である。
本発明のフェライト焼結磁石は、Al2O3及び/又はCr2O3を副成分として含有することができる。Al2O3及び/又はCr2O3は、保磁力を向上させる効果を有する。しかし、Al2O3及び/又はCr2O3は、残留磁束密度を低下させる傾向にあるため、好ましくは3.0重量%以下とする。なお、Al2O3及び/又はCr2O3添加の効果を充分に発揮させるためには、その含有量を0.1重量%以上とすることが好ましい。
また本発明のフェライト焼結磁石には、副成分としてB2O3が含まれていてもよい。B2O3を含むことにより仮焼温度及び焼結温度を低くすることができるので、生産上有利である。B2O3の含有量は、フェライト焼結磁石全体の0.5重量%以下であることが好ましい。B2O3含有量が多すぎると、飽和磁化が低くなってしまう。
Al2O3、Cr2O3、B2O3についても、添加タイミングは特に限定されるものではなく、配合工程及び/又は粉砕工程で添加することができる。
また本発明のフェライト焼結磁石には、副成分としてB2O3が含まれていてもよい。B2O3を含むことにより仮焼温度及び焼結温度を低くすることができるので、生産上有利である。B2O3の含有量は、フェライト焼結磁石全体の0.5重量%以下であることが好ましい。B2O3含有量が多すぎると、飽和磁化が低くなってしまう。
Al2O3、Cr2O3、B2O3についても、添加タイミングは特に限定されるものではなく、配合工程及び/又は粉砕工程で添加することができる。
本発明のフェライト焼結磁石には、Na、K、Rb等のアルカリ金属元素は含まれないことが好ましいが、不純物として含有されていてもよい。これらをNa2O、K2O、Rb2O等の酸化物に換算して含有量を求めたとき、これらの含有量の合計は、フェライト焼結磁石全体の1.0重量%以下であることが好ましい。これらの含有量が多すぎると、飽和磁化が低くなってしまう。
また、以上のほか、例えばGa、In、Li、Mg、Ti、Zr、Ge、Sn、V、Nb、Ta、Sb、As、W、Mo等が酸化物として含有されていてもよい。これらの含有量は、化学量論組成の酸化物に換算して、それぞれ酸化ガリウム5.0重量%以下、酸化インジウム3.0重量%以下、酸化リチウム1.0重量%以下、酸化マグネシウム3.0重量%以下、酸化チタン3.0重量%以下、酸化ジルコニウム3.0重量%以下、酸化ゲルマニウム3.0重量%以下、酸化スズ3.0重量%以下、酸化バナジウム3.0重量%以下、酸化ニオブ3.0重量%以下、酸化タンタル3.0重量%以下、酸化アンチモン3.0重量%以下、酸化砒素3.0重量%以下、酸化タングステン3.0重量%以下、酸化モリブデン3.0重量%以下であることが好ましい。
本発明のフェライト焼結磁石の平均結晶粒径は、好ましくは1.5μm以下、より好ましくは1.0μm以下、さらに好ましくは0.2〜1.0μmである。結晶粒径は走査型電子顕微鏡によって測定することができる。
本発明によるフェライト焼結磁石及びボンディッド磁石は所定の形状に加工され、以下に示すような幅広い用途に使用される。例えば、フューエルポンプ用、パワーウィンド用、ABS(アンチロック・ブレーキ・システム)用、ファン用、ワイパ用、パワーステアリング用、アクティブサスペンション用、スタータ用、ドアロック用、電動ミラー用等の自動車用モータとして使用することができる。また、FDDスピンドル用、VTRキャプスタン用、VTR回転ヘッド用、VTRリール用、VTRローディング用、VTRカメラキャプスタン用、VTRカメラ回転ヘッド用、VTRカメラズーム用、VTRカメラフォーカス用、ラジカセ等キャプスタン用、CD/DVD/MDスピンドル用、CD/DVD/MDローディング用、CD/DVD光ピックアップ用等のOA/AV機器用モータとして使用することができる。さらに、エアコンコンプレッサー用、冷凍庫コンプレッサー用、電動工具駆動用、ドライヤーファン用、シェーバー駆動用、電動歯ブラシ用等の家電機器用モータとしても使用することができる。さらにまた、ロボット軸、関節駆動用、ロボット主駆動用、工作機器テーブル駆動用、工作機器ベルト駆動用等のFA機器用モータとしても使用することが可能である。その他の用途としては、オートバイ用発電器、スピーカ・ヘッドホン用マグネット、マグネトロン管、MRI用磁場発生装置、CD−ROM用クランパ、ディストリビュータ用センサ、ABS用センサ、燃料・オイルレベルセンサ、マグネトラッチ、アイソレータ等に、好適に使用される。
主成分を構成する出発原料として炭酸ストロンチウム(SrCO3)、水酸化ランタン(La(OH)3)、酸化鉄(Fe2O3)及び酸化コバルト(Co3O4)を用意し、それぞれ所定割合になるように秤量した。また、副成分としてSiO2及びCaCO3を用意した。
SrCO3、La(OH)3についてはそれぞれの総量の全部を配合し、さらにSiO2及びCaCO3を湿式アトライタで混合、粉砕してスラリー状の原料組成物を得た。このスラリーを乾燥後、大気中にて1300℃で2時間保持する仮焼を行った。得られた仮焼体を振動ミルで粗粉砕した。
得られた粗粉砕に、Co3O4の総量の全部、SiO2及びCaCO3を添加した後、アトライタで湿式微粉砕した。なお、この湿式微粉砕における分散媒には水を用いた。また、副成分としてSiO2及びCaCO3は配合時、ならびに粗粉砕工程後の2回に分けて添加したが、主成分に対するSiO2の合計添加量は0.60wt%、CaCO3の合計添加量は1.50wt%である。
SrCO3、La(OH)3についてはそれぞれの総量の全部を配合し、さらにSiO2及びCaCO3を湿式アトライタで混合、粉砕してスラリー状の原料組成物を得た。このスラリーを乾燥後、大気中にて1300℃で2時間保持する仮焼を行った。得られた仮焼体を振動ミルで粗粉砕した。
得られた粗粉砕に、Co3O4の総量の全部、SiO2及びCaCO3を添加した後、アトライタで湿式微粉砕した。なお、この湿式微粉砕における分散媒には水を用いた。また、副成分としてSiO2及びCaCO3は配合時、ならびに粗粉砕工程後の2回に分けて添加したが、主成分に対するSiO2の合計添加量は0.60wt%、CaCO3の合計添加量は1.50wt%である。
湿式微粉砕後、スラリーを脱水して乾燥(乾燥温度200℃)した後、混合、分散により凝集粉末を解砕し、平均粒径が0.8μm程度の成形対象粉末を得た。
次いで、0.7Tの磁場中において成形対象粉末を乾式成形装置の成形空間内に充填して50MPaの圧力で乾式成形し、C型状の成形体を得た。乾式成形は、表1に示す各成形条件で、それぞれ1000個の成形体を作製した。成形体のサイズは縦29mm×横25mm×厚さ13mmである。
得られた成形体を大気中、1230℃で1時間焼成し、焼結体を得た後、焼結体の上パンチに対応する面にハガレが生じているかを目視で観察した。そして、ハガレが生じている場合には、その面における模様の面積率を算出した。面積率の最大値ならびに歩留まりを表1の「La前添加」の欄に示す。なお、表1に示した歩留まりはハガレを考慮したものである。
次いで、0.7Tの磁場中において成形対象粉末を乾式成形装置の成形空間内に充填して50MPaの圧力で乾式成形し、C型状の成形体を得た。乾式成形は、表1に示す各成形条件で、それぞれ1000個の成形体を作製した。成形体のサイズは縦29mm×横25mm×厚さ13mmである。
得られた成形体を大気中、1230℃で1時間焼成し、焼結体を得た後、焼結体の上パンチに対応する面にハガレが生じているかを目視で観察した。そして、ハガレが生じている場合には、その面における模様の面積率を算出した。面積率の最大値ならびに歩留まりを表1の「La前添加」の欄に示す。なお、表1に示した歩留まりはハガレを考慮したものである。
得られた焼結体の組成(Sr,La,Fe,Co)を蛍光X線定量分析により測定した。その結果、主成分におけるSr、La、Fe及びCoそれぞれの金属元素の総計の構成比率が、全金属元素量に対し、以下の通りであった。また、得られた焼結体の相構成を上述したX線回折条件により特定したところ、M型フェライト相の比率は95〜100%であり、M型フェライト相が主相を形成していることが確認できた。
Sr:6.1原子%
La:1.5原子%
Fe:89.4原子%
Co:1原子%
Sr:6.1原子%
La:1.5原子%
Fe:89.4原子%
Co:1原子%
<比較例1>
La(OH)3)の総量の全部を粗粉砕後に添加した以外は上記実施例1と同様の条件で焼結体を作製した後、同様の条件でハガレの面積率を算出した。その結果ならびに歩留まりを表1の「La後添加」の欄に示す。
La(OH)3)の総量の全部を粗粉砕後に添加した以外は上記実施例1と同様の条件で焼結体を作製した後、同様の条件でハガレの面積率を算出した。その結果ならびに歩留まりを表1の「La後添加」の欄に示す。
表1に示すように、成形条件1の場合には、La前添加とLa後添加の差異は小さい。しかし、成形条件2、3、4と成形速度が高速になるにつれて、La後添加の場合にはハガレが占める面積の割合が増加し、歩留まりが低下した。これに対し、La前添加の場合には成形条件4の場合にも、93%という良好な歩留まりであった。
以上の結果から、高速で乾式成形を行う場合には、所定量のLaを前添加、つまり配合時に添加することが、歩留まりを向上させる上で有効であることが確認できた。
以上の結果から、高速で乾式成形を行う場合には、所定量のLaを前添加、つまり配合時に添加することが、歩留まりを向上させる上で有効であることが確認できた。
次に、成形条件4での成形を上記した付着物除去処理が必要となるまで続けた。その結果、La後添加の場合には成形体を1500個作製したときに付着物除去処理が必要となったのに対し、La前添加の場合には付着物除去処理が必要となるまでに成形体を6000個作製することができた。
La(OH)3の配合時の添加量、つまりLa前添加量を表2に示すものとし、かつ上記成形条件4で1500個の成形体を作製した。それ以外は実施例1と同様の条件で焼結体を作製し、得られた焼結体について同様の条件でハガレの面積率を算出した。その結果ならびに歩留まりを表2に示す。
また、得られた焼結体の上下面を加工した後、最大印加磁場13kOeのB−Hトレーサを使用して、残留磁束密度(Br)及び保磁力(HcJ)を測定した。その結果を表2に示す。
また、得られた焼結体の上下面を加工した後、最大印加磁場13kOeのB−Hトレーサを使用して、残留磁束密度(Br)及び保磁力(HcJ)を測定した。その結果を表2に示す。
表2に示すように、La前添加量が増加するにつれて、ハガレの面積率が低下し、かつ歩留まりが向上する。La前添加量が総量の25重量%の場合、最も高い磁気特性を示すものの、歩留まりは低い。ところが、La前添加量が総量の75重量%の場合ならびに100重量%の場合には、良好な磁気特性を得つつ93%以上という高い歩留まりを得ることができた。
以上の結果から、高速で乾式成形を行う場合には、La前添加量を総量の75重量%以上とすることが磁気特性ならびに生産性の観点から有効であることが確認できた。
以上の結果から、高速で乾式成形を行う場合には、La前添加量を総量の75重量%以上とすることが磁気特性ならびに生産性の観点から有効であることが確認できた。
Claims (3)
- A、La、Fe及びCoを主成分とする六方晶M型フェライトを含むフェライト焼結磁石の製造方法であって、
前記AはSr、Ba及びPbから選択される少なくとも1種の元素であり、
前記六方晶M型フェライトの原料粉末のうち、前記Aの総量の全部または一部、前記Feの総量の全部または一部、および前記Laの総量の75重量%以上を含む原料組成物を所定温度で加熱保持して仮焼体を得る工程aと、
前記工程aで得られた前記仮焼体を粉砕する工程bと、
前記工程bで得られた粉砕粉末に、前記Coの総量の全部および前記Laの残部を添加し、磁場中で乾式成形する工程cと、
前記工程cで得られた成形体を所定温度で焼成して前記六方晶M型フェライトを磁性相とする焼結磁石を得る工程dとを備え、
前記工程cでは1分あたり50個以上の速度で成形することを特徴とするフェライト焼結磁石の製造方法。 - 前記原料組成物は、前記Aの総量の全部、および前記Laの総量の全部を含むことを特徴とする請求項1に記載のフェライト焼結磁石の製造方法。
- 前記主成分におけるA、La、Fe及びCoそれぞれの金属元素の総計の構成比率が、全金属元素量に対し、
A:1〜13原子%、
La:0.003〜10原子%、
Fe:80〜95原子%、
Co:0.05〜5原子%であることを特徴とする請求項1又は2に記載のフェライト焼結磁石の製造方法。
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