JP2007262107A - ポリアセタール共重合体の製造方法 - Google Patents

ポリアセタール共重合体の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】生産性に優れ、剛性、強度、熱安定性のバランスに優れるポリアセタール共重合の製造方法を提供する。
【解決手段】トリオキサン100モルに対して、(A)トリオキサンを除く環状エーテル、環状ホルマールから選ばれた少なくとも一種類を0.001以上30モル以下、(B−1)下記一般式で表される化合物および/または(B−2)下記一般式で表される共役ジエン化合物0.001以上10モル以下を(C)カチオン性重合触媒の下、共重合させて得られるポリアセタール共重合体の製造方法。
(B−1)RC=CR
(B−2)RC=CR−CR=CR10
(RからRは水素、ハロゲン基、脂肪族炭化水素基、芳香族炭化水素基から選ばれた少なくとも一種類であり、かつホルマール基を有さない。)
【選択図】なし

Description

本発明は、生産性に優れ、剛性、強度、熱安定性に優れたポリアセタール共重合体の製造方法に関する。
ポリアセタールは剛性、強度、靭性、耐クリープ寿命、耐疲労性、耐薬品性及び摺動性、耐熱性等のバランスに優れ、且つその加工性が容易であることから、エンジニアリングプラスチックスとして、電気機器や電気機器の機構部品、自動車部品及びその他の機構部品を中心に広範囲にわたって用いられている。
現在、市場に展開されているポリアセタールの分子骨格には、オキシメチレンユニットからなるホモポリマーと、オキシメチレンユニットとオキシエチレンユニット等炭素数2以上のオキシアルキレンユニットの共重合からなるコポリマーが存在する。それぞれを比較すると、ホモポリマーは機械的物性が、コポリマーは熱安定性が優れる特徴をもち、それぞれの特徴を生かした用途、部品に使用されている。さらに連鎖移動剤をブロック成分としてもちいたブロックコポリマーも一部市場に展開されている。
近年、より多様化する用途、市場要求に対応するために、ポリアセタールの分子骨格を最適化し、より性能、機能を高める試みもなされている。
従来、コポリマーにおいて、オキシエチレンユニット以外のコモノマーを使用した分子骨格を持つコポリマーは各種検討がなされている(例えば非特許文献1から4など。)。より具体的には、例えば、トリオキサンとエチレンオキシドや1,3−ジオキソラン等の環状エーテル化合物、さらに、グリシジルフェニルエーテル、スチレンオキシド、グリシジルナフチルエーテルから選ばれた少なくとも一つを共重合させたポリアセタール共重合体が報告されている(特許文献5)。その結果、結晶化速度が上昇し、より高い機械的物性となり、成形時間の短縮が可能となったといわれている。しかしながらこれらの環状エーテル化合物のなかにはモノマー中の不純物やその化学的構造上の問題から、開環重合の反応性に乏しい場合があり、重合条件によっては所望の物性を得ることが困難な場合があった。
さらに、ポリアセタールの末端を、特定のエチレン性不飽和結合を有する一価の有機基で変性した末端変性ポリアセタールが報告されている(特許文献6)。その結果、他の樹脂、化合物との反応性、相溶性に優れた特性を得られるようになったといわれている。本文献では、分子骨格を最適化するに当り、エチレン性不飽和基を末端に持つ直鎖状のホルマール化合物が用いられている。該技術によると、末端のエチレン不飽和基は反応性を有していることから、その反応機構としては、直鎖状のホルマール結合部と、オキシエチレン結合部によるトランスアセタール反応によって分子骨格が変化していると推測される。しかしながら末端の修飾は、分子量との兼ね合いでその量が決定されるために、他の樹脂との反応性の観点では制限される場合があった。
さらに、トリオキサンと環状エーテル類、さらに芳香族系多官能オレフィンを共重合させたポリアセタール共重合体が報告されている(特許文献7)。その結果、より剛性に優れたポリアセタールが得られたといわれている。本文献では、従来技術と異なり多官能のオレフィン部が反応性に寄与し、架橋すると推測される。このような芳香族系多官能オレフィンは一般には反応性に優れるため、モノマーとしては反応安定剤が多量に含まれる場合があったり、また構造異性体の混合物であったりする。そのため、工業化におけるモノマー取り扱い上の問題や、得られる重合体の熱安定性などの物性や、そのばらつきなどの品質といった観点でより改善を求められる場合があった。
このように従来技術では、ポリアセタールの分子骨格に関する開発は進められているが、使用するコモノマーの取り扱い、重合プロセスへの適用等の生産上の課題、得られるポリマーの収率や得られる物性面、特に熱安定性の観点で改善が求められる場合があり、より生産性に優れ、剛性、強度、熱安定性により優れたポリアセタール共重合体の製造方法が求められていた。
K.Weibermel,E.Fischer,K.Gutweiler、Zur CopolymerisationdesTrioxanans、ドイツ、Kunstoffe、1964、54,p410−p415 Von Volker Jaacks、AnomalienbeiderkationischenCopolymerisationvonTrioxan、ドイツ、Die Makromolekulare Chemie、1967、101、p33−p57 T.Higashimura,A.Tanaka,T.Miki,S.Okamura、Copolymerization of Trionane with Styrene Catalyzed by BF3・O(C2H5)2、Journal of Polymer Science:Part A−1、1967、5、p1927−1936 R.J.V.Hojfors,P.H.Geil、Solution Grown Crystals of Poly(oxymethylene) Copolymers、J.Macromol.Sci.−Phys.、1974、B10(1)、p169−175 特開平3−170526号公報 特開平8−245738号公報 特開2003−147038号公報
本発明は、生産性に優れ、剛性、強度、熱安定性に優れたポリアセタール共重合体の製造方法を提供することを目的とする。
本発明者は、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、特定のモノマーを重合することによって生産性に優れ、剛性、強度、熱安定性に優れたポリアセタール共重合体が得られることを見出し、本発明を完成するにいたった。
すなわち、本発明は、
(1)トリオキサン100モルに対して、(A)トリオキサンを除く環状エーテル、環状ホルマールから選ばれた少なくとも一種類を0.001以上30モル以下、(B−1)下記一般式で表される炭素−炭素二重結合を一つ有する化合物および/または(B−2)下記一般式で表される炭素−炭素二重結合を二つ有する脂肪族の共役ジエン化合物0.001以上10モル以下を(C)カチオン性重合触媒の元、共重合させて得られるポリアセタール共重合体の製造方法、
(B−1)RC=CR
(RからRは水素、ハロゲン基、脂肪族炭化水素基、芳香族炭化水素基から選ばれた少なくとも一種類であり、かつホルマール基を有さない。)
(B−2)RC=CR−CR=CR10
(RからR10は水素、ハロゲン基、脂肪族炭化水素基から選ばれた少なくとも一種類であり、かつホルマール基を有さない。)、
(2)(B−1)が少なくとも一つの芳香族基を有することを特徴とする上記(1)記述のポリアセタール共重合体の製造方法、
(3)(A)が1,3−ジオキソランであることを特徴とする上記(1)または(2)いずれかに記述のポリアセタール共重合体の製造方法、
(4)トリオキサン、(A)、(B−1)および/または(B−2)を混合した後、(C)に接触させることを特徴とする上記(1)から(3)いずれかに記述のポリアセタール共重合体の製造方法、
(5)(C)がパークロル酸、トリフルオロメタンスルホン酸、三フッ化ホウ素ジエチルエーテル、三フッ化ホウ素ジ−n−ブチルエーテルであることを特徴とする上記(1)から(4)いずれかに記述のポリアセタール共重合体の製造方法、
(6)(B−2)を必ず含み、上記(1)から(5)いずれかの製造方法によって得られるポリアセタール共重合体、
である。
本発明のポリアセタール共重合体の製造方法によって得られるポリアセタール共重合体は、生産性に優れ、剛性、強度、熱安定性に優れる効果を有する。
以下、本発明について具体的に説明する。
本発明で用いられるトリオキサンとは、ホルムアルデヒドの環状の3量体化合物であって公知のものであれば特に限定されるものではない。一般にトリオキサンは、ホルムアルデヒドの高濃度水溶液、すなわちホルマリンを、酸を触媒として加熱反応し、得られるトリオキサンを蒸留して得ることができる。例えば、トリオキサンの製造方法としては、登録特許第2906220号公報や、登録特許第3297520号公報、特開平4−257575号公報などをあげることができる。
本発明で用いられる(A)トリオキサンを除く環状エーテル、環状ホルマールとは、ホルムアルデヒド、および、炭素−酸素結合または炭素−酸素−炭素結合を少なくとも一つ有する環状化合物であって、重合能を有する公知のものであれば特に限定されるものではない。例えば、環状エーテル、環状ホルマールとしては、ホルムアルデヒドの4量体であるテトラオキサンや、エチレンオキサイド、1,3−ジオキソラン、1,3−ジオキサン、1,3−ジオキセパン、1,3,5−トリオキセパン、1,3,6−トリオキソカン、1,4−ブタンジオールホルマールおよびこれらの誘導体をあげることができる。このうち、工業的にポリアセタール共重合体を製造しやすいといった観点から、好ましい(A)としては、テトラオキサン、エチレンオキサイド、1,3−ジオキソラン、1,3−ジオキセパンをあげることができ、さらに好ましくは1,3−ジオキソランである。これらは一種または二種類以上の混合物で用いてもよい。
ここで、得られるポリアセタール共重合体の熱安定性、機械的物性、重合収率といった観点から、(A)の添加量はトリオキサン100モルに対して、0.1〜20モルが好ましく、0.5〜10がさらに好ましく、1〜5が最も好ましい。
本発明で用いられる(B−1)は下記一般式で表される炭素−炭素二重結合を一つ有する化合物であって公知のものであれば特に限定されるものではない。
(B−1)RC=CR
(RからRは水素、ハロゲン基、脂肪族炭化水素基、芳香族炭化水素基から選ばれた少なくとも一種類であり、かつホルマール基を有さない)
ここで本発明では、ホルマール基とは、−OCHO−基を示している。該構造が含まれた場合、本発明の製造方法によって得られるポリアセタール共重合体の熱安定性や機械的特性といった観点で問題となる場合がある。
このような化合物としては、例えば、RからRが水素であるビニル化合物、R、Rが水素であるビニリデン化合物、R、Rが水素であるビニレン化合物、さらにRとRが環状につながった環状不飽和化合物をあげることができる。さらに、官能基を有するアクリル酸およびその誘導体、アクリロニトリルおよびその誘導体などをあげることができる。より具体的には、エチレン、プロピレン、1−ブテン、イソブテン、1−ペンテン、4−メチル−ペンテン、1−フッ化エチレン、フルオロエチレン、塩化ビニル、1,1−ジフルオロエチレン、1,1−ジクロロエチレン、テトラフルオロエチレン、クロロトリフオロエエチレン、スチレン、α−メチルスチレン、パラクロロスチレン、酢酸ビニル、1−ビニル−2−ピロリドン、メチルビニルエーテル、アクリル酸エチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、メタクリル酸−2−ヒドロキシルエチル、メタクル酸メチル、メタクリル酸ブチル、アクリロニトリル、N−ビニルカルバゾール、2−ビニルピリジンをあげることができる。これらは一種または二種類以上の混合物で用いてもよい。
本発明で用いられる(B−2)は、下記一般式で表される炭素−炭素二重結合を二つ有する脂肪族の共役ジエン化合物であって、公知のものであれば特に限定されるものではない。
(B−2)RC=CR−CR=CR10
(RからR10は水素、ハロゲン基、脂肪族炭化水素基から選ばれた少なくとも一種類であり、かつホルマール基を有さない)
ここで本発明では、ホルマール基とは、−OCHO−基を示している。該構造が含まれた場合、本発明の製造方法によって得られるポリアセタール共重合体の熱安定性や機械的特性といった観点で問題となる場合がある
このような化合物としては、ブタジエン、イソプレン、クロロプレンなどをあげることができる。これらは一種または二種類以上の混合物で用いてもよい。
ここで、得られるポリアセタール共重合体の結晶化速度が速く、結晶構造がより微細となり、剛性、強度に優れるといった観点から、好ましい(B−1)の構造としては、R〜Rのうち、少なくとも一つが芳香族を有する。なかでもフェニルおよびその誘導体が好ましい。
本発明の製造方法では、トリオキサンに対する(B−1)および/または(B−2)のモル比は、トリオキサン100モルに対して、(B−1)および/または(B−2)のそれぞれの量は0.001以上10モル以下であるが、得られる共重合体が収率よく得られ、また機械的物性バランスに優れるといった観点から、好ましい範囲としては0.01以上5モル以下であり、より好ましくは0.05以上3モル以下であり、最も好ましくは0.1以上1モル以下である。
本発明で用いられる(C)カチオン性重合触媒とは、トリオキサン、(A)トリオキサンを除く環状エーテル、環状ホルマールから選ばれた少なくとも一種類が重合反応を起こす公知の化合物であれば特に限定されるものではない。例えば、ルイス酸、プロトン酸及びそのエステル又は無水物等をあげることができる。より具体的には、ルイス酸としては、ホウ酸、スズ、チタン、リン、ヒ素及びアンチモンのハロゲン化物である三フッ化ホウ素、四塩化スズ、四塩化チタン、五フッ化リン、五塩化リン、五フッ化アンチモン及びその錯化合物、プロトン酸、そのエステルまたは無水物としては、パークロル酸、トリフルオロメタンスルホン酸、パークロル酸−3級ブチルエステル、アセチルパークロラート、トリメチルオキソニウムヘキサフルオロホスフェート等が挙げられる。これらのうち、生産性やコストの観点から、より好ましいカチオン性重合触媒としては、パークロル酸、トリフルオロメタンスルホン酸、三フッ化ホウ素ジエチルエーテル、三フッ化ホウ素ジ−n−ブチルエーテルをあげることができる。
本発明において、(C)カチオン性重合触媒の添加量は特に限定されるものではないが、得られる共重合体の生成速度と、その熱安定性の観点から、トリオキサン100モルに対して、好ましくは0.007モル以下であり、さらに好ましくは0.005モル以下であり、最も好ましくは0.004モル以下である。
本発明の製造方法は、上記トリオキサン、(A)、(B−1)及び/または(B−2)を(C)カチオン性重合触媒の元で重合反応を起こして得られる。このような方法としては、公知の方法であれば特に限定されるものではない。例えば、トリオキサン、(A)、(B−1)及び/または(B−2)、さらに分子量調整用としてメチラール化合物のごとき連鎖移動剤をシクロヘキサンのような無極性有機溶媒中に導入し、カチオン性重合触媒として、三弗化ホウ素ジエチルエーテル錯体のようなルイス酸を加えて重合し、その後にカチオン触媒の失活と末端基の安定化を行う方法や、あるいは溶媒を全く使用せずに、コニーダー、2軸スクリュー式連続押出混錬機、2軸パドル型連続混合機等のセルフクリーニング型押出混錬機の中へトリオキサン、(A)、(B−1)及び/または(B−2)、分子量調整用の連鎖移動剤さらにカチオン性重合触媒を所定量連続的に供給することで塊上重合をおこない、その後水酸化コリン蟻酸塩等の第4級アンモニウム化合物を添加して不安定末端を分解除去して製造する方法等をあげることができる。
ここで、熱安定性に優れる好ましいポリアセタール共重合体を得る方法として、ポリアセタール共重合体を下記式で表される少なくとも一種の第4級アンモニウム化合物を用いて、熱的に不安定な末端を処理して安定化させる方法をあげることができる。
[R11121314−n
(式中、R11〜R14は、各々独立して、炭素数1から30の非置換アルキル基または置換アルキル基、炭素数6から20のアリール基、炭素数1から30の非置換アルキル基または置換アルキル基が少なくとも1個の炭素数6から20のアリール基で置換されたアラルキル基、又は炭素数6から20のアリール基が少なくとも1個の炭素数1から30の非置換アルキル基または置換アルキル基で置換されたアルキルアリール基を表し、非置換アルキル基または置換アルキル基は直鎖状、分岐状、または環状である。上記非置換アルキル基、アリール基、アラルキル基、アルキルアリール基は水素原子がハロゲンで置換されてもよい。nは1から3の整数を表す。Xは水酸基、又は炭素数1から20のカルボン酸、水素酸、オキソ酸無機チオ酸もしくは炭素数1から20の有機チオ酸の酸残基を表す。)
上記一般式において、好ましいR11〜R14は、各々独立して、炭素数1以上5のアルキル基又は炭素数2以上4のヒドロキシアルキル基であり、さらに好ましくは、R11〜R14の少なくとも1つが、ヒドロキシエチル基である。より具体的には、テトラメチルアンモニウム、テトエチルアンモニウム、テトラプロピルアンモニウム、テトラ−n−ブチルアンモニウム、セチルトリメチルアンモニウム、テトラデシルトリメチルアンモニウム、1,6−ヘキサメチレンビス(トリメチルアンモニウム)、デカメチレン−ビス−(トリメチルアンモニウム)、トリメチル−3−クロロ−2−ヒドロキシプロピルアンモニウム、トリメチル(2−ヒドロキシエチル)アンモニウム、トリエチル(2−ヒドロキシエチル)アンモニウム、トリプロピル(2−ヒドロキシエチル)アンモニウム、トリ−n−ブチル(2−ヒドロキシエチル)アンモニウム、トリメチルベンジルアンモニウム、トリエチルベンジルアンモニウム、トリプロピルベンジルアンモニウム、トリ−n−ブチルベンジルアンモニウム、トリメチルフェニルアンモニウム、トリエチルフェニルアンモニウム、トリメチル−2−オキシエチルアンモニウム、モノメチルトリヒドロキシエチルアンモニウム、モノエチルトリヒドロキシエチルアンモニウム、オクダデシルトリ(2−ヒドロキシエチル)アンモニウム、テトラキス(ヒドロキシエチル)アンモニウム等の水酸化物;塩酸、臭酸、フッ酸などの水素酸塩;硫酸、硝酸、燐酸、炭酸、ホウ酸、塩素酸、よう素酸、珪酸、過塩素酸、亜塩素酸、次亜塩素酸、クロロ硫酸、アミド硫酸、二硫酸、トリポリ燐酸等のオキソ酸塩;チオ硫酸などのチオ酸塩;蟻酸、酢酸、プロピオン酸、ブタン酸、イソ酪酸、ペンタン酸、カプロン酸、カプリル酸、カプリン酸、安息香酸、シュウ酸などのカルボン酸塩等が挙げられる。中でも、水酸化物、硫酸、炭酸、ホウ酸、カルボン酸の塩が好ましい。さらにカルボン酸において、蟻酸、酢酸、プロピオン酸が特に好ましい。これら第4級アンモニウム化合物は、単独で用いてもよいし、また2種以上を組み合わせて用いてもよい。
このとき、上記第4級アンモニウム化合物の添加量は、ポリアセタール共重合体と第4級アンモニウム化合物の合計質量に対する下記式で表される第4級アンモニウム化合物由来の窒素の量に換算して0.05以上50質量ppm、好ましくは1以上30質量ppmである。
P×14/Q
(式中、Pは第4級アンモニウム化合物のポリアセタール共重合体に対する濃度(質量ppm)を表し、14は窒素の原子量であり、Qは第4級アンモニウム化合物の分子量を表す。)
このとき、第4級アンモニウム化合物の添加量が0.05質量ppm未満であると不安定末端部の分解除去速度が低下する傾向にあり、50質量ppmを超えると不安定末端部分解除去後のポリアセタール共重合体の色調が低下する傾向にある。
上記安定化させる方法として、好ましくは上記第4級アンモニウム化合物とポリアセタール共重合体をポリアセタール共重合体の融点以上260℃以下の樹脂温度で押出機、ニーダーなどを用いて熱処理を行うものである。ここで、260℃を超えると着色の問題、およびポリマー主鎖の分解(低分子量化)の問題が生ずる恐れがある。また、第4級アンモニウム化合物の添加方法は、特に制約はなく、重合触媒を失活する工程にて水溶液として加える方法、共重合体パウダーに吹きかける方法などがある。いずれの添加方法を用いても、ポリアセタール共重合体を熱処理する工程で添加されていれば良く、押出機の中に注入したり、樹脂ペレットに該化合物を添着し、その後の配合工程で不安定末端の分解を実施してもよい。不安定末端の分解は、重合で得られたポリアセタール共重合体中の重合触媒を失活させた後に行うことも可能であるし、また重合触媒を失活させずに行うことも可能である。
ここで、ポリアセタール共重合体が重合機中に安定的に供給され、連続的に製造することができ、さらに得られるポリアセタール共重合体の物性が安定するといった観点から、好ましい製造方法として、トリオキサン、(A)、(B−1)および/または(B−2)を混合した後、(C)に接触させる製造方法をあげることができ、さらに好ましくはトリオキサンの融点以上、沸点以下の温度で(B−1)および/または(B−2)を混合した後、(C)に接触させる製造方法である。さらには、トリオキサン、(A)、(B−1)および/または(B−2)は(C)と接触し重合が開始される前段階で十分に混合され、理想的には均一溶液となっていることが好ましい。また、トリオキサン、(A)に対して、(B−1)および/または(B−2)の相溶性が悪い場合には、重合不活性なシクロヘキサンやトルエン、1,4−ジオキソランなどの溶解溶媒を添加することも可能である。
本発明で得られるポリアセタール共重合体の好ましい構造は、下記一般式(a−1)を主成分として、(a−2)を任意で含み、さらに、(b−1)、(b−2)を少なくとも一つ含む構造である。
(a−1)−OCH
(a−2)−O(CH)
(b−1)−CRCR
(b−2)−RC−CR=CR−CR10
ここで、(a−1)、(a−2)はトリオキサンと、本発明における化合物(A)により形成されるものであり、Xは2以上の任意の整数である。また、繰り返し単位(b−1)は本発明における化合物(B−1)により形成されるものであり、RからRは水素、ハロゲン基、脂肪族炭化水素基、芳香族炭化水素基から選ばれた少なくとも一種類であり、かつホルマール基を有さない。また、繰り返し単位(b−2)は本発明における化合物(B−2)により形成されるものであり、RからR10は水素、ハロゲン基、脂肪族炭化水素基から選ばれた少なくとも一種類であり、かつホルマール基を有さない。
上記構造において、その繰り返し単位それぞれが形成する繰り返し構造のシーケンス長は限定されない。また、(a−2)、(b−1)、(b−2)の繰り返し構造がブロック、ランダムのいずれの構造をとっていてもよく、これらが入り混じった構造であってもよい。より具体的には、
(ア)−OCHOCHOCH−CRCR−OCHOCH−O(CH)−CRCR−OCH
(イ)−OCH−O(CH)−OCHOCH−CRCR−CRCR−OCHOCH
(ウ)−OCHOCHOCH−CRCR−CRCR−OCHOCH−CRCR−OCHOCH−CRCR−O(CH)
のように、(a−1)が形成する繰り返し構造の間に、(a−2)、(b−1)、(b−2)が(ア)ランダム構造、(イ)ブロック構造、(ウ)ランダム構造とブロック構造が入り混じった構造を取っていてもよい。上記(ア)から(ウ)は一種類であっても二種類以上が混合物していてもよい。また得られる共重合体において、上記RからR10が結合する炭素の立体配置としてはシス、トランスそれぞれ、またはこれらの入り混じった共重合体であってもよい。また、本発明で得られる共重合体は、高分子末端には二重結合を有さないことが好ましい。
ここで、得られるポリアセタール共重合体の熱安定性、機械的物性に優れるといった観点から、構造としては、(a−1)100モルに対して、(a−2)は0.0003〜10モルが好ましく、0.03〜6.7モルがさらに好ましく、0.167〜3.3がさらにより好ましく、0.33〜1.67モルが最も好ましい。同様の理由から、(a−1)100モルに対して、(b−1)または(b−2)は0.0003〜3.33が好ましく、0.003〜1.67がさらに好ましく、0.017〜1がさらにより好ましく、0.033〜0.33が最も好ましい。同様の理由から、Xの好ましい範囲としては、好ましくは2以上8以下であり、さらに好ましくは2以上5以下であり、最も好ましくは2以上4以下である。
本発明で得られるポリアセタール共重合体の構造を確認する手段としては、公知のポリマーの一般的分析手法を用いることができる。具体的には得られたポリアセタール共重合体5mgを1N塩酸水溶液に加えて90℃で8時間ポリマーの分解を行い、その溶液をクロロホルム/水などにて抽出作業をおこなう。その後、それぞれの相に含まれる成分をプロトン核磁気共鳴法によってその定性、定量分析を行なう方法をあげることができる。特に、本発明において、(b−1)または(b−2)の分子構造に、芳香族基や長鎖の脂肪族基を含む場合には、塩酸水溶液による加水分解液において、不溶成分としてそれらのユニットを含む成分が残渣として得られる場合がある。その場合はこの残渣が溶解するように溶媒を選択し、液/液による抽出作業を行い、各種分析を行なう必要がある。
本発明で得られるポリアセタール共重合体のメルトフローインデックスMFI(ASTM−D1238で測定)は特に限定されるものではないが、加工性の観点から、好ましくは0.1g/10分以上150g/10分、さらに好ましくは0.5g/10分以上130g/10分、最も好ましくは1g/10分以上100g/10分である。
本発明で得られるポリアセタール共重合体において、好ましい結晶化速度としては、温度150度の時に、35秒以下であり、さらに好ましくは25秒以下であり、最も好ましくは20秒以下である。概結晶化速度は、5mgのペレットを熱プレスすることによってフィルム状とし、DSC測定装置(パーキンエルマー社製DSC−2C)を用いて室温から200℃まで昇温し、そのまま2分間保持することによって 熱歪みを取り除き、80℃/分の速度で150℃まで冷却しこの温度を維持し、150℃到達時間から数えて結晶化発熱ピーク頂点の観察されるまでの時間を求める。上記範囲であればポリアセタール共重合体は微結晶構造となり、得られる成形品の機械的物性や、収縮率に優れる傾向にある。
本発明で得られるポリアセタール共重合体の好ましい融点としては、155℃以上180℃であり、さらに好ましくは160℃以上170℃であり、最も好ましくは165℃以上168℃である。上記範囲内であればポリアセタール共重合体は成型加工性に優れると共に、機械的物性においても優れる特性をもつ。
本発明で得られるポリアセタール共重合体は、成形、加工時等の熱安定性の観点から、窒素気流下、220℃において、下記計算式で表される3つの時間帯それぞれにおいて、ホルムアルデヒド発生速度が25ppm/min.以下であることが好ましく、20ppm/min.以下がより好ましく、15ppm/min.以下であることがもっとも好ましい。ここで、上記ホルムアルデヒド発生速度の測定を具体的に記すと、窒素気流下(50NL/hr)において、ポリアセタール共重合体を220℃に加熱溶融し、発生するホルムアルデヒドを水に吸収した後、亜硫酸ソーダ法により滴定する。その際、加熱開始から2分後までのホルムアルデヒド発生量(ppm)をY、同10分後までをY10、同30分をY30、同50分をY50、同90分をY90としたときに、
2分以上10分の発生速度(Y10−Y)/8(ppm/min.)
10分以上30分の発生速度(Y30−Y10)/20(ppm/min.)
50分以上90分の発生速度(Y90−Y50)/40(ppm/min.)
として算出する。これらの値はそれぞれ、ポリアセタールに付着したホルムアルデヒド起因、ポリアセタールの末端分解によって生じるホルムアルデヒド起因、ポリアセタールの主鎖分解によって生じるホルムアルデヒド起因といわれて、これらの値が小さいほど熱安定性に優れている。
本発明において得られるポリアセタール共重合体には、更に適当な公知の添加剤を必要に応じて配合することができる。具体的には、酸化防止剤、熱安定剤、耐侯(光)安定剤、離型剤、摺動性付与剤、潤滑剤、結晶核剤、無機充填材、導電材、熱可塑性樹脂、および熱可塑性エラストマー、顔料などをあげることができる。
本発明のポリアセタール共重合体は、生産性に優れ、かつ結晶化速度が向上した、剛性、強度に優れる特徴を有しており、工業製品としてさまざまな用途の部品に使用することができる。例えば、ギア、カム、スライダー、レバー、アーム、クラッチ、フェルトクラッチ、アイドラギアー、プーリー、ローラー、コロ、キーステム、キートップ、シャッター、リール、シャフト、関節、軸、軸受け及び、ガイド等に代表される機構部品、アウトサート成形の樹脂部品、インサート成形の樹脂部品、シャーシ、トレー、側板、プリンター及び複写機に代表されるオフィスオートメーション機器用部品、VTR、ビデオムービー、デジタルビデオカメラ、カメラ及び、デジタルカメラに代表されるカメラ、またはビデオ機器用部品、カセットプレイヤー、DAT、LD、MD、CD〔CD−ROM、CD−R、CD−RWを含む〕、DVD〔DVD−ROM、DVD−R、DVD−RW、DVD−RAM、DVD−Audioを含む〕、その他光デイスクドライブ、MFD、MO、ナビゲーションシステム及びモバイルパーソナルコンピュータに代表される音楽、映像または情報機器、携帯電話およびファクシミリに代表される通信機器用部品、電気機器用部品、電子機器用部品、自動車用の部品として、ガソリン燃料およびディーゼル燃料タンク、フュエルポンプモジュール、バルブ類、ガソリンタンクフランジ等に代表される燃料廻り部品、ドアロック、ドアハンドル、ウインドウレギュレータ、スピーカーグリル等に代表されるドア廻り部品、シートベルト用スリップリング、プレスボタン等に代表されるシートベルト周辺部品、コンビスイッチ部品、スイッチ類及び、クリップ類の部品、さらにシャープペンシルのペン先及び、シャープペンシルの芯を出し入れする機構部品、洗面台及び、排水口及び、排水栓開閉機構部品、自動販売機の開閉部ロック機構及び、商品排出機構部品、衣料用のコードストッパー、アジャスター及び、ボタン、散水用のノズル及び、散水ホース接続ジョイント、階段手すり部及び、床材の支持具、電動シャッター構造部品など建築用品、使い捨てカメラ、玩具、パチンコ、パチスロ等の遊戯台関連、ファスナー、チェーン、コンベア、バックル、スポーツ用品、自動販売機、家具、楽器及び、住宅設備機器に代表される工業部品などとして好適に使用できる。
以下、本発明を実施例により更に詳細に説明するが、本発明は、以下の実施例に制限されるものではない。なお、以下の実施例、比較例において記載した評価は、以下の方法により実施した。
(1)インダクションピリオド測定
ガラスアンプル管にトリオキサン等のモノマー類を添加し、ついで、触媒を添加した直後から、モノマー溶液が白濁を開始するまでの時間を測定した。この時間はモノマーの重合反応が起きるまでの時間であり、各組成の重合能力をしめすことに簡易的に用いることができる。
(2)重合時の最高温度到達点測定
ガラスアンプル管にトリオキサン等のモノマー類を添加し、ついで、触媒を添加した直後から、反応系の温度を連続的に測定し、最高温度到達温度を記録した。この温度は重合反応が進むことによる発熱のためであり、各組成の重合能力をしめすことに簡易的に用いることができる。
(3)重合収率
下記式によって重合収率を算出した。
重合収率%=(重合後の固体成分の質量)/(ガラスアンプル管に添加されたモノマーの総質量)×100
(4)数平均分子量測定
ゲルパーミッショクロマトグラフィー(GPC)により求めた。装置は東ソー(株)製HLC−8120、検出器は示差屈折計(RI)、溶媒はヘキサフルオロイソプロパノール(HFIP)、GPCカラムとして、東ソー(株)製PLゲル10μmミニミックスB、リファレンスカラムとして、東ソー(株)製TSK gel GRCHRを用いた。溶媒流量は0.3ml/min.で測定した。サンプルは、1mgのポリアセタールサンプルを1mlのHFIPに溶解させ、フィルターでろ過し、不溶分を除去し、測定試料とした。
得られた溶出曲線をもとに、ポリメタクリル酸メチル(PMMA)換算により、数平均分子量(Mn)を算出した。
(5)メルトフローインデックス(MFI:g/10min.)
ASTM−D1238により東洋精機(株)製のMELT INDEXERを用いて190℃、2160gの条件下で測定した。
(6)ホルムアルデヒド発生速度(ppm/min.)の測定
あらかじめ140℃で1時間乾燥処理を施したポリアセタール共重合体のペレット3gを、窒素気流(50NL/hr)下、220℃に加熱溶融し、発生するホルムアルデヒドを水に吸収した後、亜硫酸ソーダ法により滴定した。その際、加熱開始から2分後までのホルムアルデヒド発生量(ppm)をY、同10分後までをY10、同30分をY30、同50分をY50、同90分をY90としたときに、
2以上10分の発生速度(Y10−Y)/8(ppm/min.)
10分以上30分の発生速度(Y30−Y10)/20(ppm/min.)
50分以上90分の発生速度(Y90−Y50)/40(ppm/min.)
として算出した。これらの値はそれぞれ、ポリアセタールに付着したホルムアルデヒド起因、ポリアセタールの末端分解によって生じるホルムアルデヒド起因、ポリアセタールの主鎖分解によって生じるホルムアルデヒド起因であり、これらの値が小さいことは、熱安定性に優れることを示す。
(7)ポリアセタール共重合の物性
射出成形機(住友重機械工業(株)製SH―75)を用いて、シリンダー温度200℃、金型温度70℃に設定し、射出15秒、冷却25秒の射出成形条件で評価用ダンベル片、短冊片を得て、曲げ弾性率(GPa)および曲げ強度(MPa)をASTM D790に準じて行った。
また、実施例、比較例には下記成分を用いた。
<コモノマー1>
(X−1)スチレン(アルドリッチ、試薬)
<コモノマー2>
(Y−1)2−ベンジル−1,3−ジオキソラン(東京化成、試薬)
(Y−2)2−フェニル−1,3−ジオキソラン(アルドリッチ、試薬)
(Y−3)2,3−エポキシプロピルベンゼン(アルドリッチ、試薬)
(Y−4)スチレンオキシド(アルドリッチ、試薬)
(Y−5)1,2−エポキシ−3−フェニロキシプロパン(アルドリッチ、試薬)
[実施例1]
真空状態で密封した容積100mlのガラスアンプル管に対して、78℃のオイルバスにつけて、トリオキサン58.5g(0.65モル)、1,3−ジオキソラン0.72g(0.01モル)、コモノマーとして(X−1)スチレン0.34g(0.003モル)、分子量調整用としてメチラール0.05g(0.0007モル)を添加し、振とうさせた。次に、重合触媒としてヘキサン溶媒に溶かした三フッ化ホウ素ジ−n−ブチルエーテラート2.6×10−5モルを加えて反応を開始した。30分後、アンプルに対して、0.5重量%のトリエチルアミン水溶液を30ml加えて触媒の失活をおこない、冷却後、ガラスアンプル管を丁寧に砕いてポリマーを取り出した。得られたポリマーを蒸留水300mlと共にミキサーで粉砕、洗浄処理、さらにアセトン300mlで同様に洗浄して、窒素雰囲気中で乾燥処理することによってポリマーを得た。得られたポリマーの評価結果を表1に示す。
[比較例1]
コモノマーとして(Y−1)2−ベンジル−1,3−ジオキソラン0.49g(0.003モル)を添加する以外は実施例1同様に重合を行った。評価結果を表1に示す。
[比較例2]
コモノマーとして(Y−2)2−フェニル−1,3−ジオキソラン0.45g(0.003モル)を添加する以外は実施例1同様に重合を行った。評価結果を表1に示す。
[比較例3]
コモノマーとして(Y−3)2,3−エポキシプロピルベンゼン0.40g(0.003モル)を添加する以外は実施例1同様に重合を行った。評価結果を表1に示す。
[比較例4]
コモノマーとして(Y−4)スチレンオキシド0.36g(0.003モル)を添加する以外は実施例1同様に重合を行った。触媒添加後、5秒後に一部に白濁したものが生成したが、温度の上昇がなく、溶液が固化しなかったため反応を中止した。
[比較例5]
コモノマーとして(Y−5)1,2−エポキシ−3−フェニロキシプロパン0.45g(0.003モル)を添加する以外は実施例1同様に重合を行った。評価結果を表1に示す。
[比較例6]
トリオキサン58.5g(0.65モル)、1,3−ジオキソラン0.72g(0.01モル)を用い、コモノマーを不使用にする以外は実施例1同様に重合を行った。評価結果を表1に示す。
[実施例2]
熱媒を通すことができるジャッケット付きの2軸セルフクリーニングタイプのパドル型連続混合機(以下重合機と呼ぶ)を75℃に調整し、トリオキサン3.0kg/hr、1,3−ジオキソラン37.0g/h、コモノマーとして(X−1)スチレン17.4g/h、(トリオキサン100molに対して、1,3−ジオキソラン1.5mol、スチレン0.5mol)を連続的に添加した。また同時に、分子量調整剤として、メチラールをトリオキサン100molに対して0.1mol、重合触媒として三フッ化ホウ素ジ−n−ブチルエーテラートをトリオキサン100molに対して2.0×10−3mol連続的に添加することによってポリアセタール共重合体の粉末を得た。重合機から排出された概粉末はすぐさま多量のトリエチルアミン0.1%水溶液中に投入することで重合触媒の失活、重合停止を行った。その後、遠心分離機でろ過した後、粉末100質量部に対して、第4級アンモニウム化合物として水酸化コリン蟻酸塩(トリエチル−2−ヒドロキシエチルアンモニウムフォルメート)を含有した水溶液1質量部を添加して、均一に混合した後120℃で乾燥した。このとき、水酸化コリン蟻酸塩の添加量は、添加する水酸化コリン蟻酸塩を含有した水溶液中の水酸化コリン蟻酸塩の濃度を調整することにより行い、窒素量に換算して20質量ppmとした。乾燥後のポリアセタール共重合体に、酸化防止剤(チバスペシャルティケミカルズ(株)製IRGANOX245、ポリアセタール共重合体100質量部に対して0.35質量部)、熱安定剤(ポリアミド66粉末、ポリアセタール共重合体100質量部に対して0.25質量部)を加え、ベント付き2軸スクリュー式押出機に供給し、押出機設定温度200℃、押出機における滞留時間7分で不安定末端部分の分解除去を行い、ポリアセタール共重合体を得た。評価結果を表2に示す。また、重合直後のポリアセタール共重合体をヘキサフルオロイソプロパノールd2に溶解させてプロトン核磁気共鳴法によってその重合組成の確認をおこない、好ましい範囲の組成であることを確認した。
[実施例3]
トリオキサン3.0kg/hr、1,3−ジオキソラン37.0g/h、コモノマーとして(X−1)スチレン3.5g/h(トリオキサン100molに対して、1,3−ジオキソラン1.5mol、スチレン0.1mol)を連続的に添加する以外は実施例2同様に重合を行った。評価結果を表2に示す。
[実施例4]
トリオキサン3.0kg/hr、1,3−ジオキソラン37.0g/h、コモノマーとして(X−1)スチレン35g/h(トリオキサン100molに対して、スチレン1.0mol)を連続的に添加する以外は実施例2同様に重合を行った。評価結果を表2に示す。
[比較例7]
トリオキサン3.0kg/hr、1,3−ジオキソラン37.0g/h(トリオキサン100molに対して、1,3−ジオキソラン1.5mol)を連続的に添加し、コモノマーを不使用にする以外は実施例2同様に重合を行った。評価結果を表2に示す。
Figure 2007262107
Figure 2007262107
本発明の製造方法で得られるポリアセタール共重合体は、生産性に優れ、剛性、強度、熱安定性のバランスに優れるため、自動車、電気電子、その他工業などの分野で好適に利用できる。

Claims (6)

  1. トリオキサン100モルに対して、(A)トリオキサンを除く環状エーテル、環状ホルマールから選ばれた少なくとも一種類を0.001以上30モル以下、(B−1)下記一般式で表される炭素−炭素二重結合を一つ有する化合物および/または(B−2)下記一般式で表される炭素−炭素二重結合を二つ有する脂肪族の共役ジエン化合物0.001以上10モル以下を(C)カチオン性重合触媒の下、共重合させて得られるポリアセタール共重合体の製造方法。
    (B−1)RC=CR
    (RからRは水素、ハロゲン基、脂肪族炭化水素基、芳香族炭化水素基から選ばれた少なくとも一種類であり、かつホルマール基を有さない。)
    (B−2)RC=CR−CR=CR10
    (RからR10は水素、ハロゲン基、脂肪族炭化水素基から選ばれた少なくとも一種類であり、かつホルマール基を有さない。)
  2. (B−1)が少なくとも一つの芳香族基を有することを特徴とする請求項1記載のポリアセタール共重合体の製造方法。
  3. (A)が1,3−ジオキソランであることを特徴とする請求項1または2いずれかに記載のポリアセタール共重合体の製造方法。
  4. トリオキサン、(A)、(B−1)および/または(B−2)を混合した後、(C)に接触させることを特徴とする請求項1から3いずれかに記載のポリアセタール共重合体の製造方法。
  5. (C)がパークロル酸、トリフルオロメタンスルホン酸、三フッ化ホウ素ジエチルエーテル、三フッ化ホウ素ジ−n−ブチルエーテルから選ばれる一種または二種以上であること特徴とする請求項1から4いずれかに記載のポリアセタール共重合体の製造方法。
  6. (B−2)を必ず含み、請求項1から5いずれかの製造方法によって得られるポリアセタール共重合体。
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