JP2007238875A - ポリアセタール重合体 - Google Patents

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Abstract

【課題】剛性に優れたポリアセタ−ル共重合体を提供する。
【解決手段】芳香族とオキシアルキレンからなる特定の構造を有するポリアセタ−ル重合体。(ア)ホルムアルデヒド,環状エーテル,環状ホルマールから選ばれた一種類100モルに対して、(イ)芳香族アルコール化合物0.0001〜1モルを重合して得られる変性ポリアセタール重合体。
【選択図】なし

Description

本発明は、剛性に優れた変性ポリアセタール重合体に関する。
ポリアセタールは剛性、強度、靭性、耐クリープ寿命、耐疲労性、耐薬品性及び摺動性、耐熱性等のバランスに優れ、且つその加工性が容易であることから、エンジニアリングプラスチックスとして、電気機器や電気機器の機構部品、自動車部品及びその他の機構部品を中心に広範囲にわたって用いられている。
現在、市場に展開されているポリアセタールの分子骨格には、オキシメチレンユニットからなるホモポリマーと、オキシメチレンユニット、オキシエチレンユニットの共重合からなるコポリマーが存在する。それぞれを比較すると、ホモポリマーは機械的物性が、コポリマーは熱安定性が優れる特徴をもち、それぞれの特徴を生かした用途、部品に使用されている。さらに連鎖移動剤をブロック成分としてもちいたブロックコポリマーも一部市場に展開されている。
近年、より多様化する用途、市場要求に対応するために、ポリアセタールの分子骨格を最適化し、より性能、機能を高める試みもなされている。
従来、コポリマーにおいて、オキシエチレンユニット以外のコモノマーを使用した分子骨格を持つコポリマーも各種検討がなされている(例えば非特許文献1から4など。)。より具体的には、例えば、トリオキサンとエチレンオキシドや1,3−ジオキソラン等の環状エーテル化合物、さらに、グリシジルフェニルエーテル、スチレンオキシド、グリシジルナフチルエーテルから選ばれた少なくとも一つを共重合させたポリアセタール共重合体が報告されている(特許文献5)。その結果、結晶化速度が上昇し、より高い機械的物性となり、成形時間の短縮が可能となったといわれている。さらに、ポリアセタールの末端を、特定のエチレン性不飽和結合を有する一価の有機基で変性した末端変性ポリアセタールが報告されている(特許文献6)。その結果、他の樹脂、化合物との反応性、相溶性に優れた特性を得られるようになったといわれている。また、トリオキサンと環状エーテル類、さらに芳香族系多官能オレフィン化合物を共重合させたポリアセタール共重合体が報告されている(特許文献7)。その結果、剛性に優れたポリアセタールが得られたといわれている。
上記のように、ポリアセタールの分子骨格に関する開発は進められているが、従来技術では骨格の変更にはエポキシ環や環状エーテルを有するコモノマーを使用したものがほとんどである。該コモノマーは、そのコスト、取り扱い、化学的または熱的安定性、保存性などの観点で工業化に向けて問題となる場合があり、また、より剛性に優れたポリアセタールが求められている。また、ポリアセタールはその骨格から他の樹脂や添加剤との相溶性に乏しいことが知られており、相溶性により優れるポリアセタール樹脂も求められている。
K.Weibermel,E.Fischer,K.Gutweiler、Zur CopolymerisationdesTrioxanans、ドイツ、Kunstoffe、1964、54,p410−p415 Von Volker Jaacks、AnomalienbeiderkationischenCopolymerisationvonTrioxan、ドイツ、Die Makromolekulare Chemie、1967、101、p33−p57 T.Higashimura,A.Tanaka,T.Miki,S.Okamura、Copolymerization of Trionane with Styrene Catalyzed by BF3・O(C2H5)2、Journal of Polymer Science:Part A−1、1967、5、p1927−1936 R.J.V.Hojfors,P.H.Geil、Solution Grown Crystals of Poly(oxymethylene) Copolymers、J.Macromol.Sci.−Phys.、1974、B10(1)、p169−175 特開平3−170526号公報 特開平8−245738号公報 特開2003−147038号公報
本発明は、剛性に優れたポリアセタール重合体を提供することを目的とする。
本発明者は、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、特定の構造を有するポリアセタール重合体が剛性に優れることを見出し、本発明を完成するにいたった。
すなわち、本発明は、
(1)下記一般式(b−1)、(b−2)、(b−3)、(b−4)、(b−5)、(b−6)、(b−7)、(b−8)のいずれかの構造を含むポリアセタール重合体。
Figure 2007238875
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式中芳香族環の一部、またはすべての水素は、ハロゲン基、脂肪族炭化水素基、芳香族炭化水素基で置換されていてもよい。また、mは1以上の整数を示し、Rは脂肪族炭化水素基または芳香族炭化水素基を示し、Aはオキシアルキレンポリマーを示す。
(2)オキシアルキレンポリマーが(a−1)オキシメチレンユニットおよび(a−2)炭素数2以上10以下のオキシアルキレンユニットからなることを特徴とする(1)に記載のポリアセタール重合体。
(3)オキシアルキレンポリマーが(a−1)オキシメチレンユニット300モルに対して、(a−2)炭素数2以上10以下のオキシアルキレンユニット0.1〜10.0モルからなることを特徴とする(2)に記載のポリアセタール重合体。
(4)(ア)ホルムアルデヒド、環状エーテル、環状ホルマールから選ばれた少なくとも一種類100モルに対して、(イ)芳香族アルコール化合物0.0001〜1モルを重合して得られる(1)から(3)いずれかに記載の変性ポリアセタール重合体。
(5)(ア)が環状エーテルまたは環状ホルマールであることを特徴とする(4)に記載の変性ポリアセタール重合体。
(6)(ア)がトリオキサンおよび1,3−ジオキソランであることを特徴とする(4)から(5)いずれかに記載の変性ポリアセタール重合体。
(7)(ア)がトリオキサン100モルに対して、1,3−ジオキソランが0.1モル〜10モルであることを特徴とする(4)から(6)いずれか記載の変性ポリアセタール重合体。
(8)メルトフローインデックスMFI(ASTM−D1238で測定)0.1g/10分〜150g/10分であることを特徴とする(1)から(7)いずれかに記載の変性ポリアセタール重合体。
(9)(ア)ホルムアルデヒド、環状エーテル、環状ホルマールから選ばれた少なくとも一種類100モルに対して、(イ)芳香族アルコール化合物0.0001〜1モルを重合する(1)〜(8)いずれかに記載のポリアセタール重合体の製造方法。
(10)(ア)が環状エーテルまたは環状ホルマールであることを特徴とする(9)記載の変性ポリアセタール重合体の製造方法。
(11)(ア)がトリオキサンおよび1,3−ジオキソランであることを特徴とする(9)または(10)いずれかに記載の変性ポリアセタール重合体の製造方法。
(12)(ア)がトリオキサン100モルに対して、1,3−ジオキソランが0.1モル〜10モルであることを特徴とする(9)から(11)のいずれかに記載の変性ポリアセタール重合体の製造方法。
である。
本発明のポリアセタール共重合体は、剛性に優れ他の成分との相溶性に優れるという効果を有する。
以下、本発明について具体的に説明する。
本発明の変性ポリアセタール重合体は、(b−1)、(b−2)、(b−3)、(b−4)、(b−5)、(b−6)、(b−7)、(b−8)のいずれかの構造を含む変性ポリアセタール重合体である。
上記(b−1)から(b−8)の一般式において、式中の芳香族環の一部、またはすべての水素は、ハロゲン基、脂肪族炭化水素基、芳香族炭化水素基で置換されていてもよい。ここで、上記ハロゲン基、脂肪族炭化水素基、芳香族炭化水素基としては公知のものであれば特に限定されるものではなく、例えば、ハロゲン基としては、ヨウ素、塩素、臭素等をあげることができる。同様に、脂肪族炭化水素基としては、例えば、ハロゲン基としては、臭素、塩素、臭素をあげることができ、脂肪族炭化水素としては、メチル基、エチル基、プロピル基、t−プロピル基やメトキシ基、エトキシ基などのエステル基をあげることができる。さらに芳香族炭化水素基としては、フェニル基、ナフチル基をあげることができる。さらには水酸基、カルボキシル基、ニトロ基、アミノ基なども含まれる。これらは一種類または二種類以上の置換基で置換されていもよい。
上記(b−1)から(b−8)の一般式において、mは1以上の整数を示す。また、Rは公知の脂肪族炭化水素基または芳香族炭化水素を表し、特に限定されるものではない。たとえば、Rとしては、−CH−、−C−、−CH(CH)CH−などの飽和脂肪族鎖や、−OC−などのエチレングリコール鎖、さらに−C−、−CO−、−CO−、−CHCH−などの芳香族鎖をあげることができる。また、このRにおいて、一部の水素が水酸基、カルボキシル基、ニトロ基、アミノ基などの公知の置換基で置換されていもよい。
上記(b−1)から(b−8)の一般式で示される構造を形成するために用いる化合物の具体的な例としては、例えば、(b−1)、(b−2)については、フェノールおよびベンゼン環状の水素が炭化水素基で置換されたメチルフェノール、ジメチルフェノール、2−メトキシフェノール、2,4,6−トリメチルフェノールおよびこれらの誘導体にオキシアルキレンポリマーが付加した重合体、(b−3)、(b−4)については、ベンゼン−1,2−ジオール、ベンゼン−1,3−ジオール、ベンゼン−1,4−ジオール、1,4−ビス(2−ヒドロキシエチロキシ)ベンゼン、およびこれらの誘導体の少なくとも一つの水酸基にオキシアルキレンポリマーが付加した重合体、(b−5)、(b−6)については4,4‘−(プロパン−2、2−ジイル)ジフェノール(ビスフェノールA)およびこれらの誘導体の少なくとも一つの水酸基にオキシアルキレンポリマーが付加した重合体、(b−7)、(b−8)については、(o−,m−,p−)キシレングリコール、1,4−ビス(2−ヒドロキシエチル)ベンゼンおよびこれらの誘導体の少なくとも一つの水酸基にオキシアルキレンポリマーが付加した重合体などをあげることができる。また、これら以外にも、「プラスチックス材料講座5、ポリカーボネート樹脂」(著者 松金幹夫、田原省吾、加藤修士、発行所 日刊工業新聞社、第4版)のp22〜28に列記されているポリカーボネートの原料を用いても差し支えない。これらは一種または二種類以上の混合物で用いてもよい。
上記(b−1)から(b−8)の一般式において、Aはオキシアルキレンポリマーを示しす。ここで、得られる変性ポリアセタール重合体の熱安定性や加工性の観点から、好ましいオキシアルキレンポリマーとしては、(a−1)オキシメチレンユニットおよび(a−2)炭素数2以上10以下のオキシアルキレンユニットからなる。さらに、機械的物性に優れるといった観点から、(a−2)の炭素数としては、2以上6以下が好ましく、2以上4以下であることがさらに好ましい。また、好ましいオキシアルキレンポリマーにおける(a−1)、(a−2)のモル比としては、機械的物性の観点から、(a−1)オキシメチレンユニット300モルに対して、(a−2)炭素数2以上10以下のオキシアルキレンユニット0.1〜10.0モルが好ましく、1.0〜6モルがさらに好ましく、1.5〜3モルが最も好ましい。
本発明の変性ポリアセタール重合体は、該構造であればその製造方法は特に限定されるものではないが、好ましい製造方法として、(ア)ホルムアルデヒド、環状エーテル、環状ホルマールから選ばれた少なくとも一種類100モルに対して、(イ)芳香族アルコール化合物0.0001〜1モルを重合する方法をあげることができる。
本発明で用いられる(ア)ホルムアルデヒド、環状エーテル、環状ホルマールとはホルムアルデヒド単量体、および炭素−酸素結合を持つ環状化合物であって重合能を有する公知のものであれば特に限定されるものではない。例えば、ホルムアルデヒド単量体、その3量体(トリオキサン)や4量体(テトラオキサン)等のホルムアルデヒドの環状オリゴマーや、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、エピクロルヒドリン、1,3−ジオキソランや1,3−ジオキサン、1,3−ジオキセパン、1,3,5−トリオキセパン、1,3,6−トリオキソカン、1,4−ブタンジオールホルマールなどのグリコールやジグリコール環状ホルマール等の環状エーテルをあげることができる。これらは一種または二種類以上の混合物で用いてもよい。
このうち、工業的な重合プロセスに適用しやすいという観点から、好ましい(ア)としては環状エーテル、環状ホルマールをあげることができる。さらに、重合収率や得られるポリアセタールの機械的物性の観点から、より好ましい環状エーテル、環状ホルマールとしては、トリオキサン、1,3−ジオキソランである。さらに、得られるポリマーの融点、熱安定性、機械的物性に特に優れるといった観点から、トリオキサン、1,3−ジオキソランは併用して用いることが好ましく、なかでもトリオキサンと1,3−ジオキソランの好ましいモル比は、トリオキサン100モルに対して、1,3−ジオキソランが0.1〜10モルであり、さらに好ましくは1.0モル〜6モルであり、最も好ましくは1.5モル〜3モルである。
本発明で用いられる(イ)芳香族アルコール化合物とは、炭素のみ、もしくは窒素などのヘテロ原子を含んだ複素環などの芳香族炭化水素に水酸基の置換基を有する公知のものであれば特に限定されるものではない。モノアルコールとしては、フェノールおよびベンゼン環状の水素が炭化水素基で置換されたメチルフェノール、ジメチルフェノール、2−メトキシフェノール、2,4,6−トリメチルフェノールなどの誘導体をあげることができる。ジアルコールとしては、ベンゼン−1,2−ジオール、ベンゼン−1,3−ジオール、ベンゼン−1,4−ジオールや、(o−,m−,p−)キシレングリコール、1,4−ビス(2−ヒドロキシエチル)ベンゼン、1,4−ビス(2−ヒドロキシエチロキシ)ベンゼン、4,4‘−(プロパン−2、2−ジイル)ジフェノール(ビスフェノールA)およびこれらの誘導体をあげることができる。また、これら以外にも、「プラスチックス材料講座5、ポリカーボネート樹脂」(著者 松金幹夫、田原省吾、加藤修士、発行所 日刊工業新聞社、第4版)のp22〜28に列記されているポリカーボネートの原料を用いても差し支えない。これらは一種または二種類以上の混合物で用いてもよい。
このうち、重合して得られるポリマーの機械的物性の観点から、好ましい芳香族アルコールとしてはジアルコールであり、さらに好ましくはベンゼン−1,2−ジオール、ベンゼン−1,3−ジオール、ベンゼン−1,4−ジオールや、(o−,m−,p−)キシレングリコール、1,4−ビス(2−ヒドロキシエチル)ベンゼン、1,4−ビス(2−ヒドロキシエチロキシ)ベンゼンであり、最も好ましくはp−キシレングリコール、1,4−ビス(2−ヒドロキシエチル)ベンゼン、1,4−ビス(2−ヒドロキシエチロキシ)である。
本発明の変性ポリアセタール重合体を得るための重合触媒としては、(ア)ホルムアルデヒド、環状エーテル、環状ホルマールが重合する公知の触媒であれば特に限定されるものではない。例えば、工業的に、(ア)としてホルムアルデヒドである場合には、アミン類、アミンオキシド、アゾメチン類などの窒素化合物や、オニウム化合物、リン、ヒ素、アンチモン化合物、ハロゲン、ハロゲン化金属、金属アルキル化合物、金属ハイドライド化合物などのアニオン性重合触媒をあげることができる。さらに(ア)として環状エーテル、環状ホルマールである場合、ルイス酸、プロトン酸及びそのエステル又は無水物などのカチオン性重合触媒をあげることができる。
このうち、モノマーとしての取り扱いや、重合収率、設備的な観点から、好ましい触媒としてはカチオン性重合触媒である。カチオン性重合触媒をより具体的にあげると、ルイス酸としては、ホウ酸、スズ、チタン、リン、ヒ素及びアンチモンのハロゲン化物である三フッ化ホウ素、四塩化スズ、四塩化チタン、五フッ化リン、五塩化リン、五フッ化アンチモン及びその錯化合物、プロトン酸、そのエステルまたは無水物としては、パークロル酸、トリフルオロメタンスルホン酸、パークロル酸−3級ブチルエステル、アセチルパークロラート、トリメチルオキソニウムヘキサフルオロホスフェート等が挙げられる。これらのうち、生産性やコストの観点から、より好ましいカチオン性重合触媒としては、パークロル酸、トリフルオロメタンスルホン酸、三フッ化ホウ素ジエチルエーテル、三フッ化ホウ素ジ−n−ブチルエーテルをあげることができる。
本発明の変性ポリアセタール重合体の好ましい製造方法としては、(ア)ホルムアルデヒド、環状エーテル、環状ホルマールから選ばれた少なくとも一種類100モルに対して、(イ)芳香族アルコール化合物0.0001〜1モルを混合し、上記触媒等を用いて重合して得られる。ここで、上記(イ)は(ア)と反応、重合して骨格の変性をなすが、その反応機構としては、(イ)芳香族アルコールの水酸基が重合の連鎖移動剤、成長反応停止剤として働くと推測している。従来、ポリアセタールの連鎖移動剤、成長反応停止剤としては、メチラールに代表される脂肪族エーテル化合物が用いられ、その反応機構としては、成長反応の活性点を封鎖、またはキャッピングするといわれている。本発明の変性ポリアセタール重合体は、連鎖移動剤が上記(イ)のような芳香族であること、またその水酸基によって連鎖移動させることが特徴である。
本発明において、上記(ア)と(イ)のモル比は実際には得られるポリマーの分子量に相関するものであるが、好ましくは(ア)100モルに対して、(イ)0.001〜0.5モルであり、さらに好ましくは0.01〜0.3モルであり、最も好ましくは0.05〜0.2モルである。上記範囲内であれば得られるポリアセタールは機械的物性、流動性、加工性に優れる傾向にある。また、本発明において、(イ)芳香族アルコールとメチラールのような公知の連鎖移動剤を併用して用いても差し支えない。また、カチオン性重合触媒の添加量は特に限定されるものではないが、得られる重合体の生成速度と、その熱安定性の観点から、(ア)100モルに対して、好ましくは0.007モル以下であり、さらに好ましくは0.005モル以下であり、最も好ましくは0.003モル以下である。
本発明の変性ポリアセタール重合体の製造方法において、上記(ア)、(イ)、および重合触媒を接触させる方法は特に限定されるものではないが、例えば、(ア)として、トリオキサンおよび、1,3−ジオキソラン、(イ)芳香族アルコールをシクロヘキサンのような有機溶媒中に導入し、三弗化ホウ素ジエチルエーテル錯体に代表されるカチオン性重合触媒を用いて重合した後、触媒の失活と末端基の安定化をおこなうことによる製造方法、あるいは溶媒を全く使用せずに、コニーダー、2軸スクリュー式連続押出混錬機、2軸パドル型連続混合機等のセルフクリーニング型押出混錬機の中へモノマー類、共重合成分、触媒を導入して塊状重合した後さらに水酸化コリン蟻酸塩等の第4級アンモニウム化合物を添加して不安定末端を分解除去して製造する方法等をあげることができる。
ここで、熱安定性に優れる好ましいポリアセタール共重合体を得る方法として、ポリアセタール共重合体を下記式で表される少なくとも一種の第4級アンモニウム化合物を用いて、熱的に不安定な末端を処理して安定化させる方法をあげることができる。
[R−n
(式中、R、R、R、Rは、各々独立して、炭素数1から30の非置換アルキル基または置換アルキル基、炭素数6から20のアリール基、炭素数1から30の非置換アルキル基または置換アルキル基が少なくとも1個の炭素数6から20のアリール基で置換されたアラルキル基、又は炭素数6から20のアリール基が少なくとも1個の炭素数1から30の非置換アルキル基または置換アルキル基で置換されたアルキルアリール基を表し、非置換アルキル基または置換アルキル基は直鎖状、分岐状、または環状である。上記非置換アルキル基、アリール基、アラルキル基、アルキルアリール基は水素原子がハロゲンで置換されてもよい。nは1から3の整数を表す。Xは水酸基、又は炭素数1から20のカルボン酸、水素酸、オキソ酸無機チオ酸もしくは炭素数1から20の有機チオ酸の酸残基を表す。)
上記一般式において、好ましいR、R、R、Rは、各々独立して、炭素数1〜5のアルキル基又は炭素数2〜4のヒドロキシアルキル基であり、さらに好ましくは、R、R、R、Rの少なくとも1つが、ヒドロキシエチル基である。より具体的には、テトラメチルアンモニウム、テトエチルアンモニウム、テトラプロピルアンモニウム、テトラ−n−ブチルアンモニウム、セチルトリメチルアンモニウム、テトラデシルトリメチルアンモニウム、1,6−ヘキサメチレンビス(トリメチルアンモニウム)、デカメチレン−ビス−(トリメチルアンモニウム)、トリメチル−3−クロロ−2−ヒドロキシプロピルアンモニウム、トリメチル(2−ヒドロキシエチル)アンモニウム、トリエチル(2−ヒドロキシエチル)アンモニウム、トリプロピル(2−ヒドロキシエチル)アンモニウム、トリ−n−ブチル(2−ヒドロキシエチル)アンモニウム、トリメチルベンジルアンモニウム、トリエチルベンジルアンモニウム、トリプロピルベンジルアンモニウム、トリ−n−ブチルベンジルアンモニウム、トリメチルフェニルアンモニウム、トリエチルフェニルアンモニウム、トリメチル−2−オキシエチルアンモニウム、モノメチルトリヒドロキシエチルアンモニウム、モノエチルトリヒドロキシエチルアンモニウム、オクダデシルトリ(2−ヒドロキシエチル)アンモニウム、テトラキス(ヒドロキシエチル)アンモニウム等の水酸化物;塩酸、臭酸、フッ酸などの水素酸塩;硫酸、硝酸、燐酸、炭酸、ホウ酸、塩素酸、よう素酸、珪酸、過塩素酸、亜塩素酸、次亜塩素酸、クロロ硫酸、アミド硫酸、二硫酸、トリポリ燐酸等のオキソ酸塩;チオ硫酸などのチオ酸塩;蟻酸、酢酸、プロピオン酸、ブタン酸、イソ酪酸、ペンタン酸、カプロン酸、カプリル酸、カプリン酸、安息香酸、シュウ酸などのカルボン酸塩等が挙げられる。中でも、水酸化物、硫酸、炭酸、ホウ酸、カルボン酸の塩が好ましい。さらにカルボン酸において、蟻酸、酢酸、プロピオン酸が特に好ましい。これら第4級アンモニウム化合物は、単独で用いてもよいし、また2種以上を組み合わせて用いてもよい。
このとき、上記第4級アンモニウム化合物の添加量は、ポリアセタール共重合体と第4級アンモニウム化合物の合計質量に対する下記式で表される第4級アンモニウム化合物由来の窒素の量に換算して0.05〜50質量ppm、好ましくは1〜30質量ppmである。
P×14/Q
(式中、Pは第4級アンモニウム化合物のポリアセタール共重合体に対する濃度(質量ppm)を表し、14は窒素の原子量であり、Qは第4級アンモニウム化合物の分子量を表す。)
このとき、第4級アンモニウム化合物の添加量が0.05質量ppm未満であると不安定末端部の分解除去速度が低下する傾向にあり、50質量ppmを超えると不安定末端部分解除去後のポリアセタール共重合体の色調が低下する傾向にある。
上記安定化させる方法として、好ましくは上記第4級アンモニウム化合物とポリアセタール共重合体をポリアセタール共重合体の融点以上260℃以下の樹脂温度で押出機、ニーダーなどを用いて熱処理を行うものである。ここで、260℃を超えると着色の問題、およびポリマー主鎖の分解(低分子量化)の問題が生ずる恐れがある。また、第4級アンモニウム化合物の添加方法は、特に制約はなく、重合触媒を失活する工程にて水溶液として加える方法、共重合体パウダーに吹きかける方法などがある。いずれの添加方法を用いても、ポリアセタール共重合体を熱処理する工程で添加されていれば良く、押出機の中に注入したり、樹脂ペレットに該化合物を添着し、その後の配合工程で不安定末端の分解を実施してもよい。不安定末端の分解は、重合で得られたポリアセタール共重合体中の重合触媒を失活させた後に行うことも可能であるし、また重合触媒を失活させずに行うことも可能である。
本発明のポリアセタール重合体の構造を確認する手段としては、公知のポリマーの一般的分析手法を用いることができる。例えば、得られたポリアセタール重合体5mgを1N塩酸水溶液に加えて90℃で8時間ポリマーの加水分解を行い、その溶液をクロロホルム/水などにて抽出作業をおこない、それぞれの相に含まれる成分を、ガスクロマトグラフィー、プロトン核磁気共鳴法、GPC、GC−MSによって成分の定性、定量分析、さらにはブロック化率などを決定する方法をあげることができる。
本発明の変性ポリアセタール重合体のメルトフローインデックスMFI(ASTM−D1238で測定)は特に限定されるものではないが、加工性の観点から、好ましくは0.1g/10分〜150g/10分、さらに好ましくは0.5g/10分〜130g/10分、最も好ましくは1g/10分〜100g/10分である。
本発明のポリアセタール共重合体において、好ましい結晶化速度としては、温度150度の時に、35秒以下であり、さらに好ましくは25秒以下であり、最も好ましくは20秒以下である。概結晶化速度は、5mgのペレットを熱プレスすることによってフィルム状とし、DSC測定装置(パーキンエルマー社製DSC−2C)を用いて室温から20 0℃まで昇温し、そのまま2分間保持することによって 熱歪みを取り除き、80℃/分の速度で150℃まで冷却しこの温度を維持し、150℃到達時間から数えて結晶化発熱ピーク頂点の観察されるまでの時間を求める。上記範囲であればポリアセタール共重合体は微結晶構造となり、得られる成形品の機械的物性や、収縮率に優れる傾向にある。また本発明のポリアセタール共重合体の好ましい融点としては、155℃〜180℃であり、さらに好ましくは158℃〜170℃であり、最も好ましくは160℃〜168℃である。上記範囲内であれば変性ポリアセタール重合体は機械的物性において優れる特性をもつ。
本発明において、本発明の目的を損なわない範囲で、更に適当な公知の添加剤を必要に応じて配合することができる。具体的には、酸化防止剤、熱安定剤、耐侯(光)安定剤、離型剤、摺動性付与剤、潤滑剤、結晶核剤、無機充填材、導電材、熱可塑性樹脂、および熱可塑性エラストマー、顔料などをあげることができる。
本発明の変性ポリアセタール重合体は、生産性に優れ、かつ結晶化速度が向上した、剛性、強度、熱安定性に優れる特徴を有しており、工業製品としてさまざまな用途の部品に使用することができる。例えば、ギア、カム、スライダー、レバー、アーム、クラッチ、フェルトクラッチ、アイドラギアー、プーリー、ローラー、コロ、キーステム、キートップ、シャッター、リール、シャフト、関節、軸、軸受け及び、ガイド等に代表される機構部品、アウトサート成形の樹脂部品、インサート成形の樹脂部品、シャーシ、トレー、側板、プリンター及び複写機に代表されるオフィスオートメーション機器用部品、VTR、ビデオムービー、デジタルビデオカメラ、カメラ及び、デジタルカメラに代表されるカメラ、またはビデオ機器用部品、カセットプレイヤー、DAT、LD、MD、CD〔CD−ROM、CD−R、CD−RWを含む〕、DVD〔DVD−ROM、DVD−R、DVD−RW、DVD−RAM、DVD−Audioを含む〕、その他光デイスクドライブ、MFD、MO、ナビゲーションシステム及びモバイルパーソナルコンピュータに代表される音楽、映像または情報機器、携帯電話およびファクシミリに代表される通信機器用部品、電気機器用部品、電子機器用部品、自動車用の部品として、ガソリン燃料およびディーゼル燃料タンク、フュエルポンプモジュール、バルブ類、ガソリンタンクフランジ等に代表される燃料廻り部品、ドアロック、ドアハンドル、ウインドウレギュレータ、スピーカーグリル等に代表されるドア廻り部品、シートベルト用スリップリング、プレスボタン等に代表されるシートベルト周辺部品、コンビスイッチ部品、スイッチ類及び、クリップ類の部品、さらにシャープペンシルのペン先及び、シャープペンシルの芯を出し入れする機構部品、洗面台及び、排水口及び、排水栓開閉機構部品、自動販売機の開閉部ロック機構及び、商品排出機構部品、衣料用のコードストッパー、アジャスター及び、ボタン、散水用のノズル及び、散水ホース接続ジョイント、階段手すり部及び、床材の支持具、電動シャッター構造部品など建築用品、使い捨てカメラ、玩具、パチンコ、パチスロ等の遊戯台関連、ファスナー、チェーン、コンベア、バックル、スポーツ用品、自動販売機、家具、楽器及び、住宅設備機器に代表される工業部品などとして好適に使用できる。
以下、本発明を実施例により更に詳細に説明するが、本発明は、以下の実施例に制限されるものではない。なお、以下の実施例、比較例において記載した評価は、以下の方法により実施した。
(1)重合収率
下記式によって重合収率を算出した。
重合収率%=(ニーダー重合機から排出された不安定末端部分除去前の変性ポリアセタール重合体の粉末質量)/(ニーダー重合機に連続的に添加されたモノマーの総質量)×100
(2)メルトフロ−インデックス(MFI:g/10min.)
ASTM−D1238により東洋精機(株)製のMELTINDEXERを用いて190℃、2160gの条件下で測定した。
(3)結晶化速度測定
5mgのペレットを熱プレスすることによってフィルム状とし、DSC測定装置(パーキンエルマー社製DSC−2C)を用いて室温から20 0℃まで昇温し、そのまま2分間保持することによって 熱歪みを取り除き、80℃/分の速度で150℃まで冷却しこの温度を維持し、150℃到達時間から数えて結晶化発熱ピーク頂点の観察されるまでの時間を求めた。
(4)ポリアセタール共重合の物性
射出成形機(住友重機械工業(株)製SH−75)を用いて、シリンダー温度200℃、金型温度70℃に設定し、射出15秒、冷却25秒の射出成形条件で評価用ダンベル片、短冊片を得て、曲げ弾性率(GPa)および曲げ強度(MPa)をASTM D790に準じて行った。
また、実施例、比較例には下記成分を用いた。
<アルコール類>
(B−I)2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(東京化成、試薬)
(B−II)1,4−ビス(2−ヒドロキシエチロキシ)ベンゼン(東京化成、試薬)
(B−III)ベンゼン−1,4−ジオール(東京化成、試薬)
<連鎖移動剤>
(C−I)ジメチロキシメタン(東京化成、試薬)
<その他のコモノマー>
スチレンオキシド(アルドリッチ製、試薬)
1,2−エポキシ−3−フェニロキシプロパン(アルドリッチ製、試薬)
[実施例1]
予め1,3−ジオキソラン86.4gとアルコール類として(B−I)2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン17.8gを混合し、均一溶液とした。その後、熱媒を通すことができるジャッケット付きの2軸セルフクリーニングタイプのパドル型連続混合機(以下重合機と呼ぶ)を74℃に調整し、トリオキサン3.5kg/hr、1,3−ジオキソランと(B−I)2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンの混合溶液52.1g/h(トリオキサン100molに対して、1,3−ジオキソラン1.5mol、アルコールとして0.10mol)を連続的に添加した。また同時に、重合触媒として三フッ化硼素ジ−n−ブチルエーテラートをトリオキサン100molに対して3.0×10−3mol連続的に添加することによってポリアセタール共重合体の粉末を得た。重合機から排出された粉末はすぐさま多量のトリエチルアミン0.1%水溶液中に投入することで重合触媒の失活、重合停止を行った。
その後、遠心分離機でろ過した後、粉末100質量部に対して、第4級アンモニウム化合物として水酸化コリン蟻酸塩(トリエチル−2−ヒドロキシエチルアンモニウムフォルメート)を含有した水溶液1質量部を添加して、均一に混合した後120℃で乾燥した。このとき、水酸化コリン蟻酸塩の添加量は、添加する水酸化コリン蟻酸塩を含有した水溶液中の水酸化コリン蟻酸塩の濃度を調整することにより行い、窒素量に換算して20質量ppmとした。乾燥後の変性ポリアセタール重合体に、酸化防止剤(チバスペシャルティケミカルズ(株)製IRGANOX245、ポリアセタール共重合体100質量部に対して0.35質量部)、熱安定剤(ポリアミド66粉末、ポリアセタール共重合体100質量部に対して0.25質量部)を加え、ベント付き2軸スクリュー式押出機に供給し、押出機設定温度200℃、押出機における滞留時間7分で不安定末端部分の分解除去を行い、ポリアセタール共重合体を得た。評価結果を表1に示す。また、重合直後のポリアセタール共重合体をヘキサフルオロイソプロパノールd2に溶解させてプロトン核磁気共鳴法によってその重合組成の確認をおこなったところ、請求項に記載した範囲の組成であることが確認できた。得られた重合体は(b−5)、(b−6)の構造を含んでいた。評価結果を表1に示す。
[実施例2]
予め1,3−ジオキソラン86.4gとアルコール類として(B−II)1,4−ビス(2−ヒドロキシエチロキシ)ベンゼン15.4g、さらに溶媒を均一とするための溶媒として、重合不活性である1,4−ジオキソラン(東京化成、試薬)136mlを混合、攪拌し、均一溶液とした。
その後は、トリオキサン3.5kg/hr、1,3−ジオキソラン、(B−II)2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、1,4−ジオキソランの混合溶液111.1g/h(トリオキサン100molに対して、1,3−ジオキソラン1.5mol、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン0.1mol)を連続的に添加する以外は実施例1同様に重合を行った。得られた重合体は(b−7)、(b−8)の構造を含んでいた。評価結果を表1に示す。
[実施例3]
予め1,3−ジオキソラン86.4gとアルコール類として(B−III)ベンゼン−1,4−ジオール8.6gを混合し、均一溶液とした。
その後は、トリオキサン3.5kg/hr、1,3−ジオキソラン、(B−III)ヒドロキノンの混合溶液を111.1g/h(トリオキサン100molに対して、1,3−ジオキソラン1.5mol、ベンゼン−1,4−ジオール0.1mol)を連続的に添加する以外は実施例1同様に重合を行った。得られた重合体は(b−3)、(b−6)の構造を含んでいた。評価結果を表1に示す。
[比較例1]
トリオキサン3.5kg/hr、1,3−ジオキソラン43.2g/h、連鎖移動剤として(C−I)ジメチロキシメタン3.5g/h(トリオキサン100molに対して、1,3−ジオキソラン1.5mol、ジメチロキシメタン0.1mol)を連続的に添加する以外は実施例1同様に重合を行った。評価結果を表1に示す。
[比較例2]
トリオキサン3.5kg/hr、1,3−ジオキソラン43.2g/h、コモノマーとしてスチレンオキシド4.7g/h、連鎖移動剤として(C−I)ジメチロキシメタン3.5g/h(トリオキサン100molに対して、1,3−ジオキソラン1.5mol、スチレンオキシド0.1mol、ジメチロキシメタン0.1mol)を連続的に添加する以外は実施例1同様に重合を行った。評価結果を表1に示す。
[比較例3]
トリオキサン3.5kg/hr、1,3−ジオキソラン43.2g/h、コモノマーとして1,2−エポキシ−3−フェニロキシプロパン5.8g/h、連鎖移動剤として(C−I)ジメチロキシメタン3.5g/h(トリオキサン100molに対して、1,3−ジオキソラン1.5mol、1,2−エポキシ−3−フェニロキシプロパン0.1mol、ジメチロキシメタン0.1mol)を連続的に添加する以外は実施例1同様に重合を行った。評価結果を表1に示す。
Figure 2007238875
本発明の変性ポリアセタール重合体は、剛性に優れるため、自動車、電気電子、その他工業などの分野で好適に利用できる。

Claims (12)

  1. 下記一般式(b−1)、(b−2)、(b−3)、(b−4)、(b−5)、(b−6)、(b−7)、(b−8)のいずれかの構造を含むポリアセタ−ル重合体。
    Figure 2007238875
    Figure 2007238875
    Figure 2007238875
    Figure 2007238875
    Figure 2007238875
    Figure 2007238875
    Figure 2007238875
    Figure 2007238875
    式中芳香族環の一部、またはすべての水素は、ハロゲン基、脂肪族炭化水素基、芳香族炭化水素基で置換されていてもよい。また、mは1以上の整数を示し、Rは脂肪族炭化水素基または芳香族炭化水素基を示し、Aはオキシアルキレンポリマ−を示す。
  2. オキシアルキレンポリマ−が(a−1)オキシメチレンユニットおよび(a−2)炭素数2以上10以下のオキシアルキレンユニットからなることを特徴とする請求項1に記載のポリアセタ−ル重合体。
  3. オキシアルキレンポリマ−が(a−1)オキシメチレンユニット300モルに対して、(a−2)炭素数2以上10以下のオキシアルキレンユニット0.1〜10.0モルからなることを特徴とする請求項2に記載のポリアセタ−ル重合体。
  4. (ア)ホルムアルデヒド、環状エ−テル、環状ホルマ−ルから選ばれた少なくとも一種類100モルに対して、(イ)芳香族アルコ−ル化合物0.0001〜1モルを重合して得られる請求項1から3いずれかに記載の変性ポリアセタ−ル重合体。
  5. (ア)が環状エ−テルまたは環状ホルマ−ルであることを特徴とする請求項4に記載の変性ポリアセタ−ル重合体。
  6. (ア)がトリオキサンおよび1,3−ジオキソランであることを特徴とする請求項4から5いずれかに記載の変性ポリアセタ−ル重合体。
  7. (ア)がトリオキサン100モルに対して、1,3−ジオキソランが0.1モル〜10モルであることを特徴とする請求項4から6いずれか記載の変性ポリアセタ−ル重合体。
  8. メルトフロ−インデックスMFI(ASTM−D1238で測定)0.1g/10分〜150g/10分であることを特徴とする請求項1から7いずれかに記載の変性ポリアセタ−ル重合体。
  9. (ア)ホルムアルデヒド、環状エ−テル、環状ホルマ−ルから選ばれた少なくとも一種類100モルに対して、(イ)芳香族アルコ−ル化合物0.0001〜1モルを重合する請求項1〜8いずれかに記載のポリアセタ−ル重合体の製造方法。
  10. (ア)が環状エ−テルまたは環状ホルマ−ルであることを特徴とする請求項9記載の変性ポリアセタ−ル重合体の製造方法。
  11. (ア)がトリオキサンおよび1,3−ジオキソランであることを特徴とする請求項9または10いずれかに記載の変性ポリアセタ−ル重合体の製造方法。
  12. (ア)がトリオキサン100モルに対して、1,3−ジオキソランが0.1モル〜10モルであることを特徴とする請求項9から11のいずれかに記載の変性ポリアセタ−ル重合体の製造方法。
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CN115926077A (zh) * 2023-02-08 2023-04-07 常州工程职业技术学院 一种利用三氟化硼配合物催化制备聚缩醛共聚物的制备方法
WO2023171316A1 (ja) * 2022-03-11 2023-09-14 ポリプラスチックス株式会社 ポリアセタール共重合体およびその重合方法

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