JP2007261695A - シート給送装置及び画像形成装置 - Google Patents

Abstract

【課題】シートを吸着して搬送するときに、シートの幅方向中央部と端部とに高低差が生じていてもシートを確実に搬送することができるシート給送装置及びこれを備えた画像形成装置を提供する。
【解決手段】シートを載置するためのシート台２と、シート台２に支持されたシートにエアを吹き付けるノズル９と、ノズル９によるエア吹き付けにより浮上したシートを吸着して搬送するための搬送ベルト10と、搬送ベルト10よりもシート搬送方向下流側に配置され、搬送ベルト10により搬送されたシートを搬送する引き抜きローラ対16と、搬送ベルト10から引き抜きローラ対16へ搬送されるシートをガイドする搬送ガイド17と、を有し、搬送ガイド17はシート搬送方向と直交するシート幅方向の中央部から両端部に向けて、シート搬送方向上流側から下流側に傾斜する傾斜部17ａ，17ｂを有することを特徴とする。
【選択図】図２

Description

本発明は積載したシートにエアを吹き付けてシートを分離して搬送するシート給送装置及びそのシート給送装置を備えた画像形成装置に関する。

従来、プリンタや複写機等の画像形成装置において、収納部に収納したシート束から１枚ずつ給送するために、シート束端部にエアを吹き付けて分離給送するエアシート給送装置を用いたものがある。これは、図10に示すように、収納部100に収納されたシート束端部に捌きノズル101及び分離ノズル102から気体を吹き付けて上部の複数枚のシートを浮上、分離させる。そして、最上位のシートを搬送ベルト103に吸着して搬送し、そのシートを搬送ガイド104でガイドしつつ下流側にある引き抜きローラ対105へ搬送するものである（特許文献１参照）。

特開平７−１９６１８７号（第９頁、図6）

しかし、上記のようにシートを搬送ベルト102に吸着して搬送するシート給送装置にあっては、シートの垂れ下がりによる搬送不良が生ずることがある。これを図11乃至図13を用いて説明する。

図11は図10の装置を左側から見た側面図である。浮上しているシート106Ａ及び106Ｂの中央部は捌きノズル101から吹き付けられるエアによって十分浮上している。しかし、シート搬送方向と直交するシート幅方向の両端部は浮上させることができないため、垂れ下がってしまう。特に搬送ベルト103に吸着した後の最上位シート106Ｂについては、高低差が最も顕著に表れる（図11のＢ−Ｐ）。これはシートのサイズが大きくなるほど、また、シートの剛性が小さくなるほど、前記高低差は大きくなる。

図12は図10のエア吹き付け付近の正面詳細図である。搬送ベルト103に吸着させた最上位のシート106Ｂをなるべく早く引抜きローラ対105に受け渡すため、搬送ベルト103と引き抜きローラ対105は近接して配置されている。このようなスペースの中で、前述した高低差のある状態で給送されるシート106Ｂを受け取るため、搬送ガイド104には急角度の斜面が設けられている。

実際に給送を開始すると、図13に示すように、シート106Ｂの端部が搬送ガイド104の斜面に引っ掛かり、丸まりながら搬送ガイド104の斜面を登っていくことがある。このまま下流のガイド間に案内されたり、引き抜きローラ対105に案内されると、角部が折れ、紙詰まりの原因になる。

仮に途中でシートの丸まりが解消されたとしても、丸まりが発生した側に搬送抵抗が生じ、搬送距離の差ができて、斜送してしまうこともある。すると、画像形成位置の精度が低下したり、紙詰まりの原因にもなる。

本発明は上記点に鑑みてなされたものである。その目的は、シートを吸着して搬送するときに、シートの幅方向中央部と端部とに高低差が生じていてもシートを確実に搬送することができるシート給送装置及びこれを備えた画像形成装置を提供するものである。

上記課題を解決するための本発明における代表的な手段は、積載したシートにエアを吹き付けてシートを分離して搬送するシート給送装置において、シートを収納するための収納手段と、前記収納手段に収納されたシートにエアを吹き付けるエア吹き付け手段と、前記エア吹き付け手段によるエア吹き付けにより浮上したシートを吸着して搬送するための吸着搬送手段と、前記吸着搬送手段よりもシート搬送方向下流側に配置され、前記吸着搬送手段により搬送されたシートを搬送するシート搬送手段と、前記吸着搬送手段から前記シート搬送手段へ搬送されるシートをガイドする搬送ガイドと、を有し、前記搬送ガイドはシート搬送方向と直交するシート幅方向の中央部から両端部に向けて、シート搬送方向上流側から下流側に傾斜する傾斜部を有することを特徴とする。

本発明は吸着搬送手段で搬送されるシートに垂れ下がりが生じていても、該垂れ下がり部分は搬送ガイド傾斜部によって持ち上げられつつスムーズに下流のシート搬送手段に導かれる。このため、垂れ下がったシートであっても斜行やシート詰まりを生じさせることなく、給送することができる。

次に本発明の一実施形態に係るシート給送装置及びこれを備えた画像形成装置について、図面を参照して説明する。

［画像形成装置の全体構成］
まず、画像形成装置の全体構成について画像形成動作とともに説明する。

図５はシート給送装置を備えた画像形成装置の概略断面説明図である。本実施形態に係る画像形成装置は、図５に示すように、装置本体の下部にシート給送装置Ａが配置され、その上部にはシート給送装置Ａから給送されたシートに画像を形成する画像形成部Ｂが配置されている。また、装置本体の上部には原稿を搬送してその情報を光学的に読み取るとともにデジタル信号に変換して画像信号を得る画像読取部Ｃが配置されている。

画像形成に際しては、画像読取部Ｃで読み取った画像信号を画像形成手段となる画像形成部Ｂへ送信し、その信号に基づいてシートに画像を形成する。本実施形態における画像形成は電子写真方式によるものである。具体的には、画像形成信号を入力すると感光体ドラム50が回転するとともに、その表面が帯電器51によって帯電される。その感光体ドラム50に前述した読み取り画像信号に基づいてレーザスキャナ52からレーザ光が照射され、感光体ドラム50上に静電潜像が形成される。その潜像を現像器53によってトナー現像して可視像化する。

一方、上記トナー像の形成と同期するように、後述するシート給送装置Ａからシートが感光体ドラム50と転写帯電器54との間へ搬送され、転写帯電器54へのバイアス印加によって感光体ドラム50上のトナー像がシートへ転写される。そして、そのシートは定着器55へ搬送されて加熱、加圧処理されてトナー像が永久定着された後、排出ローラ対56によって排出トレイ57へと排出される。

［シート給送装置］
次に本実施形態に係るシート給送装置Ａの構成について、シートの分離給送動作とともに説明する。

図６及び図７は本実施形態のシート給送装置の概略説明図である。本実施形態のシート給送装置Ａはエアを吹き付けてシートを分離給送するエアシート給送装置である。

図６において、シートを収納するための収納手段１には複数枚のシートが支持されるシート台２、シートの搬送方向上流側（以下、単に「上流側」という）を規制する後端規制板３、搬送方向と直交する方向であるシート幅方向を規制する側端規制板４を有する。この後端規制板３及び側端規制板４はシートのサイズによって位置を任意に変えられるように構成されている。

また、収納手段１にはスライドレール５が設けられており、装置本体に挿入、引き出し可能となっている。

図７において、ユーザが収納手段１を引き出し、シート台２にシート束をセットして収納手段１を所定の位置に格納すると、不図示の駆動手段によってシート台２が図７の矢印Ａ方向に上昇し始める。そして、シート台２はシート束の最上位のシートが吸着搬送ベルト10と予め設定された距離Ｂになる位置で停止して給送信号に備える。

図８及び図９はエア分離機構を示す部分断面説明図である。

図８に示すように、収納手段１のシート搬送方向下流側（以下、単に「下流側」という）近傍には収納手段１に収納されたシートにエアを吹き付けるエア吹き付け手段となる分離ファン６、分離ダクト７、捌きノズル８、分離ノズル９が設けられている。このエア吹き付け手段は、給送信号を検知すると分離ファン６が作動し、図８の矢印Ｃ方向へエアを吸い込む。このエアは分離ダクト７を介して捌きノズル８、分離ノズル９からそれぞれ図８の矢印Ｄ、Ｅ方向からシート束に吹き付けられる。すると、シート束Ｓのうちの上位の数枚のシートＳ1は図８に示すように浮上する。

一方、シート束の上方にはエア吹き付け手段によるエア吹き付けによって浮上したシートを吸着して搬送するための吸着搬送手段が設けられている。この吸着搬送手段は吸引孔10ａ（図２参照）を有するエンドレスの搬送ベルト10が駆動ローラ11及び従動ローラ12に掛け渡されて回転可能に設けられている。また、吸着搬送手段は吸着ファン13が設けられており、この吸着ファン13を作動させ、図８の矢印Ｆ方向にエアを吐き出すことでシート束の最上位のシートを搬送ベルト10に吸着するように構成している。なお、吸着ファン13のダクト14内には吸着シャッタ15が設けられており、この吸着シャッタ15を開閉することで搬送ベルト10へのシート吸着、非吸着を制御するようになっている。

前記吸着シャッタ15はエア吹き付け手段によるエア吹き付けによりシートが浮上した当初はまだ閉じられている。そして、給送信号を検知してから所定時間が経過し、シートＳ1の浮上が安定したところで、図９に示すように、吸着シャッタ15を矢印Ｇ方向に回転させる。これにより、搬送ベルト10にあけられた吸引孔から矢印Ｈ方向への吸引力が発生し、最上部のシートＳ2が吸着される。この状態で駆動ローラ11を回転させることで搬送ベルト10にシートを吸着した状態で搬送することができる。

前記吸着搬送手段よりも下流側には搬送ベルト10によって搬送されたシートを搬送するシート搬送手段である引き抜きローラ対16が配置されている。そして、搬送ベルト10に吸着されて搬送されたシートは引き抜きローラ対16によって次に搬送路へとおくられ、画像形成部へと搬送される。

［搬送ガイド］
本実施形態のシート給送装置Ａは搬送ベルト10から引き抜きローラ対16へ搬送されるシートをガイドする搬送ガイド17が設けられている。次にこの搬送ガイド17の構成について、図１乃至図４を参照して説明する。

図１は本実施形態に係る搬送ガイド17の正面説明図（シートの搬送方向と直交する水平方向から見た図）である。本実施形態の搬送ガイド17は、従来の急斜面を備えた搬送ガイド104（図12参照）とは異なり、図１に示すように、シートの搬送方向と直交する水平方向から見た場合、ガイド面がほとんど傾斜していないことがわかる。

わずかに傾斜しているのは、搬送中心寄りに配置される捌きノズル８、分離ノズル９の先端の通紙リブ面８ａ，９ａよりも搬送ガイド17の中央寄りの先端部17ａが低くなるようにして、通紙が確実に行われるようにするためである。したがって、捌きノズル８、分離ノズル９の配置関係によっては、搬送ガイド17を傾斜をさせずに水平に配置することも可能である。

すなわち、搬送ガイド17の最上流側端部の鉛直方向の高さが搬送ベルト10のシート吸着面よりも低くなるように構成すれば、搬送ベルト10で吸着搬送されるシートは確実に搬送ガイド17でガイドされるようになる。

また、搬送ガイド17の最上流側端部は、搬送ベルト10の下側で、搬送ベルト10の下流側端部よりも上流側に位置している。これにより、搬送ベルト10で吸着される部分を確実に案内することができる。

図２は搬送ガイド17の上視説明図である。搬送ガイド17のガイド面は図２の矢印に示すシート搬送方向に向かって、シート幅方向中央部から両端部へ向けて、上流側から下流側に傾斜する傾斜部17ａ，17ｂが形成されている。搬送ガイド17は板金によって形成され、上流側端辺の前記傾斜部17ａ，17ｂは下向きに曲げ加工が施されている。

前記傾斜部17ａ，17ｂは後述するように、垂れ下がったシートを搬送ガイド17上に乗り上げさせるようにガイドするが、このときシートが傾斜部17ａ，17ｂに摺擦するときの負荷を軽減するために、前記曲げ加工は効果的である。前記傾斜部17ａ，17ｂを単純なエッジにしてもシートを乗り上げさせる効果は変わらないが、その場合はシートの引っ掛かりがないように型バリの除去などを十分に注意して行う必要がある。このため、本実施形態のように曲げ加工を施すことが望ましい。

また傾斜部17ａ，17ｂはシート幅方向にシート搬送中心に対して対称形状をしている。そして、搬送ガイド17は前記傾斜部17ａ，17ｂの端部がシート幅方向において搬送可能な最大シート幅よりも外側に位置するように大きく構成されている。

図３及び図４は搬送ガイド17によって垂れ下がったシートがガイドされる状態を示す説明図である。図に示すように、搬送ベルト10に吸着されたシートＳ2は、搬送ガイド17に当接する前は図のシートＳ21の状態に垂れ下がっておいる。このシートＳ21が搬送ベルト10によって搬送され、シートＳ21のエッジが搬送ガイド17の傾斜部17ａ1の位置に接触する。すると、傾斜部の曲げ外面にそって、シートが持ち上げられる。

さらにシートが搬送されるにしたがって、傾斜部17ａとの接触点は徐々にシートの外側17ａ2，17ａ3に移動していき、シートはＳ22，Ｓ23の姿勢に変化していく。つまり、シートの垂れ下がった部分は搬送ガイド17の傾斜部17ａによって持ち上げられつつスムーズに下流のシート搬送手段に導かれる。なお、前記説明は一方側の傾斜部17ａのみについて説明したが、他方側の傾斜部17ｂにおいても同様にシートをガイドする。その結果、垂れ下がったシートであっても折れることなく搬送ガイド17に乗り上げてガイドされる。そのため、垂れ下がったシートでもシート詰まりを生ずることなく画像形成部へと搬送される。

また、本実施形態にあっては傾斜部17ａ，17ｂがシート搬送中心にシート幅方向に対称形状であるため、垂れ下がったシートが搬送ガイド17に乗り上げるときの負荷は左右均等になる。このため、シートは斜行を生ずることなく搬送される。

よって、本実施形態に係るシート給送装置は剛性が低い、薄くて大きなサイズのシートや、吸湿して垂れ下がりが大きくなるようなシート環境において特に有効である。

搬送ガイドの正面説明図である。 搬送ガイドの上視説明図である。 搬送ガイドによって垂れ下がったシートがガイドされる状態を示す説明図である。 搬送ガイドによって垂れ下がったシートがガイドされる状態を示す説明図である。 シート給送装置を備えた画像形成装置の概略断面説明図である。 シート給送装置の概略説明図である。 シート給送装置の概略説明図である。 シート給送装置の概略説明図である。 エア分離機構を示す部分断面説明図である。 従来技術に係るシート給送装置の概略説明図である。 従来技術に係る垂れ下がったシートがガイドされる状態を示す説明図である。 従来技術に係る垂れ下がったシートがガイドされる状態を示す説明図である。 従来技術に係る垂れ下がったシートがガイドされる状態を示す説明図である。

符号の説明

Ａ …シート給送装置
Ｂ …画像形成部
Ｃ …画像読取部
Ｓ …シート束
Ｓ1 …シート
Ｓ2 …シート
１ …収納手段
２ …シート台
３ …後端規制板
４ …側端規制板
５ …スライドレール
６ …分離ファン
７ …分離ダクト
８ …捌きノズル
８ａ，９ａ …通紙リブ面
９ …分離ノズル
10 …搬送ベルト
11 …駆動ローラ
12 …従動ローラ
13 …吸着ファン
14 …ダクト
15 …吸着シャッタ
16 …引き抜きローラ対
17 …搬送ガイド
17ａ，17ｂ …傾斜部
50 …感光体ドラム
51 …帯電器
52 …レーザスキャナ
53 …現像器
54 …転写帯電器
55 …定着器
56 …排出ローラ対
57 …排出トレイ

Claims (6)

1. 積載したシートにエアを吹き付けてシートを分離して搬送するシート給送装置において、
   シートを収納するための収納手段と、
   前記収納手段に収納されたシートにエアを吹き付けるエア吹き付け手段と、
   前記エア吹き付け手段によるエア吹き付けにより浮上したシートを吸着して搬送するための吸着搬送手段と、
   前記吸着搬送手段よりもシート搬送方向下流側に配置され、前記吸着搬送手段により搬送されたシートを搬送するシート搬送手段と、
   前記吸着搬送手段から前記シート搬送手段へ搬送されるシートをガイドする搬送ガイドと、
   を有し、
   前記搬送ガイドはシート搬送方向と直交するシート幅方向におけるシート搬送中心から両端部に向けて、シート搬送方向上流側から下流側に傾斜する傾斜部を有することを特徴とするシート給送装置。
2. 前記搬送ガイドは、シート搬送方向上流側端部の鉛直方向の高さが前記吸着搬送手段により吸着して搬送されるシート搬送面よりも低いことを特徴とする請求項１記載のシート給送装置。
3. 前記搬送ガイドは、前記シート幅方向におけるシート搬送中心に対して対称形状であることを特徴とする請求項１又は請求項２に記載のシート給送装置。
4. 前記搬送ガイドは、前記傾斜部の両端部が前記シート幅方向において搬送可能な最大シート幅よりも外側に位置することを特徴とする請求項１乃至請求項３のいずれか１項に記載のシート給送装置。
5. 前記傾斜部はシート搬送方向上流側端辺が曲げ加工されていることを特徴とする請求項１又は請求項４に記載のシート給送装置。
6. シートを給送して画像を形成する画像形成装置において、
   請求項１乃至請求項５のいずれか１項に記載のシート給送装置と、
   前記シート給送装置から送り出されたシートに画像を形成する画像形成部と、
   を備えたことを特徴とする画像形成装置。

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