JP2007261369A - 車両用空調装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】日射によるガラス温度の変化の応答遅れを補正して応答性のよい日射量を得る。
【解決手段】左右のガラス温度TwinDr、TwinPaがともに時間taで上昇し(S120)、左右の乗員上層(上半身)温度TfrDr、TfrPaがともにta間で上昇した(S130)場合、過渡状態と判定しガラス温度補正値αDr、αPaを乗員上層温度の増加分に応じて徐変させる。このガラス温度補正値を実際のガラス温度に加えることで、ガラス温度上昇の応答性を向上させる。この補正されたガラス温度の左右差ΔTwinにより、日射方向および日射量割合を示す日射補正割合f1を算出し、これにより空調ゾーン毎の目標吹出温度における日射量を、それぞれ応答性のよい値として算出することができる。
【選択図】図8

Description

本発明は、左右のそれぞれの日射量に応じて左右の空調目標値を算出し、左右の空調状態を制御する車両用空調装置に関する。
従来より、車両の左右のウインドシールド(ガラス)の表面温度を赤外線温度センサにより検出し、それらの温度差より左右それぞれに照射している日射量を推定して、これに基づいて左右の空調状態を独立に制御するものがある(例えば、特許文献1参照)。
特開2005−59678号公報
しかし、例えば、車両の方向転換時やトンネル出口などにおいて日射量が変化する場合、ガラス温度の変化は実際の日射量の変化に比べて遅く、ガラス温度が一定値まで上昇して定常状態となるのに時間を要する。したがって、定常状態に至るまでの過渡状態においては、左右のガラス温度差に基づいて算出される左右の日射量は正確ではなく、これに基づく空調補正量によっては、過渡状態における日射による熱負荷の増加に適合できないという問題があった。
本発明は、上記点に鑑み、日射によるガラス温度の変化の応答遅れを補正して応答性のよい日射量を得ることを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明は、検出された車両の左右のウインドシールドの温度の温度差に基づいて左右の日射補正割合を算出し、その左右の日射補正割合に応じて左右の日射量を算出することにより、左右の日射量に基づく車両の左右それぞれの目標吹出温度を算出する車両用空調装置において、日射による熱負荷が過渡状態であるか否かを判定する過渡状態判定手段と、過渡状態判定手段により過渡状態であると判定された場合に、過渡時温度補正量を算出する補正量算出手段と、算出された過渡時温度補正量により左右のウインドシールドの温度を補正するガラス温度補正手段とを備え、温度差算出手段は、過渡時温度補正量により補正された左右のウインドシールドの温度の温度差を算出することを特徴とする。
これにより、日射による熱負荷が過渡状態にあると判定された場合、ウインドシールドのガラス温度を過渡時温度補正量により補正するので、ウインドシールドの温度上昇の応答性を向上することができる。
より具体的には、温度検出手段が、車室内部位の温度も検出するとともに、過渡状態判定手段は、検出された左右のウインドシールドの温度および車室内部位の温度のそれぞれの時間的変化に応じて過渡状態であるか否かを判定し、補正量算出手段は、車室内部位の温度の増加量に応じて過渡時温度補正量を算出することができる。
すなわち、ガラスより熱容量の小さい車室内部位の温度により、日射による熱負荷の変化をより正確に把握することができ、この車室内部位の温度に応じてレスポンスよくウインドシールドの温度を補正することができる。
なお、車室内部位の温度は、乗員の上層部の温度、すなわち、上半身の衣服温度や顔や頭部の皮膚温度、およびシート表面温度の少なくともいずれか一方とすることができ、いずれも、ガラスより熱容量が小さい部位である。
さらに、過渡状態判定手段が非過渡状態である定常状態であると判定した場合は、補正量算出手段は、漸減する定常時温度補正量を算出するとともに、温度差算出手段は定常時温度補正量により左右のウインドシールドの温度を補正することができる。
これにより、日射による熱負荷が定常状態になった場合には、温度補正量を徐々に小さくすることにより、目標吹出温度を定常状態の値に戻すことができる。
なお、特許請求の範囲およびこの欄で記載した各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものである。
(第1実施形態)
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。図1、図2は本発明に係る車両用空調装置の第1実施形態を示したもので、本実施形態は、車室内1のうち前席側の左右、および後席側の左右に位置する空調ゾーン1a、1b、1c、1dをそれぞれ独立して空調制御する車両用空調装置に、本発明を適用したものである。
図1は、空調ゾーン1a、1b、1c、1dの配置を示す模式図であり、空調ゾーン1aは、前席空調ゾーンのうち右側に位置し、空調ゾーン1bは、前席空調ゾーンのうち左側に位置する。空調ゾーン1cは、後席空調ゾーンのうち右側に位置し、空調ゾーン1dは、後席空調ゾーンのうち左側に位置する。
また、右側前席(運転席)91aの外側(右側)のドアには前席右側サイドウインドシールド90aが設けられ、左側前席(助手席)91bの外側(左側)のドアには前席左側サイドウインドシールド90bが設けられている。同様に、右側(運転席側)後席91cの外側(右側)のドアには後席右側サイドウインドシールド90cが設けられ、左側(助手席側)後席91dの外側(左側)のドアには後席左側サイドウインドシールド90dが設けられている。なお、図1中の矢印は、自動車の前後左右の方向を示すものである。
図2は、本実施形態の車両用空調装置の全体構成を示す全体構成図であり、この車両用空調装置は、空調ゾーン1a、1bをそれぞれ独立に空調するための前席空調システム5と、空調ゾーン1c、1dとをそれぞれ独立に空調するための後席空調システム6とから構成されている。前席空調システム5は、計器盤7内側に配置されており、後席空調システム6は、車室内1の最後方に配置されている。
前席空調システム5は、車室内1に送風するためのダクト50を備えており、このダクト50には、車室内1から内気を導入するための内気導入口50a、および、車室外から外気を導入するための外気導入口50bが設けられている。
さらに、ダクト50には、外気導入口50bおよび内気導入口50aを選択的に開閉する内外気切替ドア51が設けられており、この内外気切替ドア51には、駆動手段としてのサーボモータ51aが連結されている。
また、ダクト50内のうち外気導入口50bおよび内気導入口50aの空気下流側には、車室内1に向けて吹き出される空気流を発生させる遠心式送風機52が設けられており、遠心式送風機52は、羽根車およびこの羽根車を回転させるブロアモータ52aを有して構成されている。
さらに、ダクト50内にて遠心式送風機52の空気下流側には、空気を冷却する空気冷却手段としてのエバポレータ53が設けられており、さらに、このエバポレータ53の空気下流側には、空気加熱手段としてのヒータコア54が設けられている。
そして、ダクト50内のうちエバポレータ53の空気下流側には仕切り板57が設けられており、この仕切り板57は、ダクト50内を運転席側通路50cおよび助手席側通路50dに仕切っている。
ここで、運転席側通路50cのうちヒータコア54の側方には、バイパス通路51aが形成されており、バイパス通路51aは、ヒータコア54に対してエバポレータ53により冷却された冷風をバイパスさせる。
そして、助手席側通路50dのうちヒータコア54の側方には、バイパス通路51bが形成されており、バイパス通路51bは、ヒータコア54に対してエバポレータ53により冷却された冷風をバイパスさせる。
ヒータコア54の空気上流側には、エアミックスドア55a、55bが設けられており、エアミックスドア55aは、その開度により、運転席側通路50cを流通する冷風のうちヒータコア54を通る量とバイパス通路51aとを通る量との比を調整する。
また、エアミックスドア55bは、その開度により、助手席側通路50dを流通する冷風のうちヒータコア54を通る量とバイパス通路51bを通る量との比を調整する。
ここで、エアミックスドア55a、55bには、駆動手段としてのサーボモータ550a、550bがそれぞれ連結されており、エアミックスドア55a、55bの開度は、サーボモータ550a、550bによって、それぞれ、調整される。
また、エバポレータ53は、図示しないコンプレッサ、凝縮器、受液器、減圧器とともに、周知の冷凍サイクルを構成している熱交換器であり、このエバポレータ53は、ダクト50内を流れる空気を冷却する。
ここで、コンプレッサは、当該自動車のエンジンに電磁クラッチ(図示しない)を介して連結されるものであり、このコンプレッサは、電磁クラッチを断続制御することによって駆動停止制御される。
ヒータコア54は、当該自動車のエンジン冷却水(温水)を熱源とする熱交換機であり、このヒータコア54は、エバポレータ53によって冷却された冷風を加熱する。
また、ダクト50のうちヒータコア54の空気下流側には、運転席側フェイス吹出口1FrDrが開口されており、運転席側フェイス吹出口1FrDrは、運転席側通路50cから運転席2に着座する運転者の上半身に向けて空気を吹き出す。
ここで、ダクト50のうちフェイス吹出口1FrDrの空気上流部には、フェイス吹出口1FrDrを開閉する吹出口切換ドア56aが設けられており、この吹出口切換ドア56aは、駆動手段としてのサーボモータ560aによって、開閉駆動される。
また、図には省略されているが、ダクト50には、運転席側通路50cから運転者の下半身に空気を吹き出す運転席側フット吹出口、およびフロントガラスの内表面のうち運転席側領域に空気を吹き出す運転席側デフロスタ吹出口が設けられている。
そして、運転席側フット吹出口および運転席側デフロスタ吹出口の空気上流部には、それぞれの吹出口を開閉する吹出口切換ドアが設けられており、それぞれの吹出口切換ドアは、サーボモータによって、開閉駆動される。
また、後席空調システム6は、車室内1に送風するためのダクト60を備えており、このダクト60内には、車室内1から内気導入口60aを通して内気のみが導入される。
ここで、内気導入口60aの空気下流側には、車室内1に向けて吹き出される空気流を発生させる遠心式送風機62が設けられており、遠心式送風機62は、羽根車およびこの羽根車を回転させるブロアモータ62aを有して構成されている。
さらに、ダクト60内において遠心式送風機62の空気下流側には、空気を冷却する空気冷却手段としてのエバポレータ63が設けられており、このエバポレータ63の空気下流側には、空気を加熱する空気加熱手段としてのヒータコア64が設けられている。
そして、ダクト60内のうちエバポレータ63の下流部分には仕切り板67が設けられており、この仕切り板67は、ダクト60内を運転席側通路60cおよび助手席側通路60dに仕切っている。
ここで、運転席側通路60cのうちヒータコア64の側方には、バイパス通路61aが形成されており、バイパス通路61aは、ヒータコア64に対してエバポレータ63により冷却された冷風をバイパスさせる。
そして、助手席側通路60dのうちヒータコア64の側方には、バイパス通路61bが形成されており、バイパス通路61bは、ヒータコア64に対してエバポレータ63により冷却された冷風をバイパスさせる。
ヒータコア64の空気下流側には、エアミックスドア65a、65bが設けられており、エアミックスドア65aは、その開度により、運転席側通路60cを流通する冷風のうちヒータコア64を通る量とバイパス通路61aとを通る量との比を調整する。
また、エアミックスドア65bは、その開度により、助手席側通路60dを通過する冷風のうちヒータコア64を通る量と、バイパス通路61bを通る量との比を調整する。
そして、エアミックスドア65a、65bには、駆動手段としてのサーボモータ650a、650bがそれぞれ連結されており、エアミックスドア65a、65bの開度は、サーボモータ650a、650bによって、それぞれ、調整される。
ここで、エバポレータ63は、上述のエバポレータ53に対して並列的に配管結合されるものであって、上述した周知の冷凍サイクルの一構成要素をなす熱交換器である。
ヒータコア64は、当該自動車のエンジン冷却水(温水)を熱源とする熱交換機であり、ヒータコア64は、上述のヒータコア54に対し並列的に接続されて、エバポレータ63によって冷却される冷風を加熱する。
また、ダクト60のうちヒータコア64の空気下流側には、運転席側フェイス吹出口1RrDrが開口されており、運転席側フェイス吹出口1RrDrは、運転席側通路60cから後席4の右側(すなわち、運転席の後側)に着座する乗員(以下、後部右側乗員という)の上半身に向けて空気を吹き出す。
ここで、フェイス吹出口1RrDrの空気上流部には、フェイス吹出口1RrDrを開閉する吹出口切換ドア66aが設けられており、この吹出口切換ドア66aは、駆動手段としてのサーボモータ660aによって、開閉駆動される。
そして、図には、省略されているが、ダクト60には、運転席側通路60cから後部右側乗員の下半身に空気を吹き出す運転席側フット吹出口が設けられている。
また、当該運転席側フット吹出口の空気上流部には、吹出口を開閉する吹出口切換ドアが設けられており、この吹出口切換ドアは、サーボモータによって、開閉駆動される。
また、ダクト60のうちヒータコア64の空気下流側には、フェイス吹出口1RrPaが開口されており、このフェイス吹出口1RrPaは、助手席側通路60dから後席の左側(すなわち、助手席の後側)に着座する乗員(以下、後部左側乗員という)の上半身に向けて空気を吹き出す。
ここで、フェイス吹出口1RrPaの空気上流部には、フェイス吹出口1RrPaを開閉する吹出口切換ドア66bが設けられており、この吹出口切換ドア66bは、駆動手段としてのサーボモータ660bによって、開閉駆動される。
また、図には省略されているが、ダクト60には、助手席側通路60dから後部左側乗員の下半身に空気を吹き出すフット吹出口が設けられている。このフット吹出口の空気上流部には、吹出口を開閉する吹出口切換ドアが設けられており、この吹出口切換ドアは、サーボモータによって、開閉駆動される。
また、車両用空調装置には、前席空調システム5および後席空調システム6をそれぞれ制御するための電子制御装置(以下、エアコンECU8という)が設けられている。
エアコンECU8には、車室外の外気温度Tamを検出する外気温度センサ81、エンジンの冷却水温度Twを検出する冷却水温度センサ82、例えば、インストルメントパネル上にて配置されて車室内に照射される日射量Tsを検出する一素子タイプ(1Dタイプ)の日射センサ83、空調ゾーン1a、1b(前側空調領域)の空気温度TrFrを検出する内気温度センサ84、および空調ゾーン1c、1d(後側空調領域)の空気温度TrRrを検出する内気温度センサ85が接続されている。
また、エアコンECU8には、エバポレータ53から吹き出される冷風空気の温度(以下、蒸発器吹出温度TeFrという)を検出する蒸発器吹出温度センサ86、エバポレータ63から吹き出される冷風空気の温度(以下、蒸発器吹出温度TeRrという)を検出する蒸発器吹出温度センサ87、空調ゾーン1a、1b、1c、1dの希望温度TsetFrDr、TsetFrPa、TsetRrDr、TsetRrPaが乗員により設定される温度設定スイッチ9、10、11、12、各空調ゾーン1a、1b、1c、1dの各部位の温度と右側サイドウインドシールド90a、90cの表面温度および左側サイドウインドシールド90b、90dの表面温度とを検出する赤外線温度センサ部70が接続されている。
ここで、赤外線温度センサ部70は、車室内天井の車両前方にあるルームミラー(図示せず)近傍に配置され前席側の空調ゾーン1a、1bの各部の温度を非接触で検出する前側赤外線温度センサ70aと、後席乗員の前方の車室内天井中央部に配置され後席側の空調ゾーン1c、1dの各部の温度を非接触で検出する後側赤外線温度センサ70bとを備えている。
前側赤外線温度センサ70aと後側赤外線温度センサ70bとは、同一構成を備えており、以下、前側赤外線温度センサ70aの構成を示す図3を用いて説明する。なお、図3中、後側赤外線温度センサ70bの同一構成部分の符号も記載している。
図3に示すように、前側赤外線温度センサ70aは、右側センサチップ71aDr、左側センサチップ71aPa、レンズ75aDr、75aPa、電子回路装置77a、およびコネクタ78aから構成されている。なお、以下では、車室内の運転席側(右側)の空調ゾーン1a、1cを検出するセンサチップを右側センサチップといい、車室内の助手席側(左側)の空調ゾーン1b、1dを検出するセンサチップを左側センサチップという。
右側および左側センサチップ71aDr、71aPaは、それぞれ車両中心に対して左右対称に配置された2組のセンサエレメント701〜708から構成されている。なおセンサエレメント701〜708としては、入力される赤外線量の変化に対応した起電力変化を温度変化として検出するサーモパイル型検出素子がそれぞれ用いられている。
一方の右側センサチップ71aDrは、図4(a)に示すように、右側センサチップ71aDrを構成する2×4のマトリックス状に配置されたセンサエレメント701〜708によりレンズ75aDrを介して前席運転席側(右側)領域1aの各部の表面温度を検出する。そのうち、センサエレメント701、702は、レンズ75aDrを介して前席右側(運転席側)サイドウインドシールド90aの表面から入射される赤外線を検出する。
また、この右側センサチップ71aDrのうち、センサエレメント705〜708は、レンズ75Drを介して前席運転席91aに着座する乗員から入射される赤外線を検出する。このうち特に、センサエレメント705〜707は運転席乗員の上層部から入射される赤外線を検出する。なお、乗員が運転席91aに着座していない場合は、センサエレメント705〜708は、運転席91aのシート表面から入射される赤外線を検出する。
他方の左側センサチップ71aPaは、上記右側センサチップ71aDrのセンサエレメントと左右対称となるよう2×4のマトリックス状に配置されたセンサエレメント701〜708(図示せず)によりレンズ75aPaを介して前席助手席側領域1bの各部の表面温度を検出する。
そして、上記と同様、左側センサチップ71aPaのセンサエレメント701、702は、レンズ75Paを介して前席左側(助手席側)サイドウインドシールド90bの表面から入射される赤外線を検出し、センサエレメント705〜708は、レンズ75aPaを介して前席助手席91bに着座する乗員から入射される赤外線を検出する。このうち特に、センサエレメント705〜707は助手席乗員の上層部から入射される赤外線を検出する。なお、乗員が助手席91bに着座していない場合は、センサエレメント705〜708は助手席91bのシート表面から入射される赤外線を検出する。
後側赤外線温度センサ70bも、図3に示す前側赤外線温度センサ70aと同様、右側センサチップ71bDr、左側センサチップ71bPa、レンズ75bDr、75bPa、電子回路装置77b、およびコネクタ78bから構成されている。右側および左側センサチップ71bDr、71bPaは、それぞれ車両中心に対して左右対称に配置された2組のセンサエレメント710〜717を備えている。
一方の右側センサチップ71bDrは、図4(b)に示すように、右側センサチップ71bDrを構成する2×4のマトリックス状に配置されたセンサエレメント710〜717によりレンズ75bDrを介して後席運転席側領域1cの各部の表面温度を検出する。そのうち、センサエレメント710、711は、レンズ75bDrを介して後席右側(運転席側)サイドウインドシールド90cの表面から入射される赤外線を検出する。
また、この右側センサチップ71bDrのうち、センサエレメント714〜717は、レンズ75brを介して右側(運転席側)後席91cに着座する乗員から入射される赤外線を検出する。このうち特に、センサエレメント714〜716は右側後席乗員の上層部から入射される赤外線を検出する。なお、乗員が右側後席91cに着座していない場合は、センサエレメント714〜717は、右側後席91cのシート表面から入射される赤外線を検出する。
他方の左側センサチップ71bPaは、上記右側センサチップ71bDrのセンサエレメントと左右対称となるよう2×4のマトリックス状に配置されたセンサエレメント710〜717(図示せず)によりレンズ75bPaを介して後席助手席側(左側)領域1dの各部の表面温度を検出する。
そして、上記と同様、左側センサチップ71bPaのセンサエレメント710、711は、レンズ75bPaを介して後席左側(助手席側)サイドウインドシールド90dの表面から入射される赤外線を検出し、センサエレメント714〜717は、レンズ75bPaを介して左側(助手席側)後席91dに着座する乗員まわりから入射される赤外線を検出する。このうち特に、センサエレメント714〜716は左側後席乗員の上層部から入射される赤外線を検出する。なお、乗員が左側後席91dに着座していない場合は、センサエレメント714〜717は、左側後席91dのシート表面から入射される赤外線を検出する。
電子回路装置77a、77bは、各センサチップ71aDr、71aPa、71bDr、71bPaのそれぞれのセンサエレメント701〜708、710〜717で検出される入射赤外線量に基づいて、センサエレメント701〜708、710〜717による検出温度W1〜W8、W10〜W17を示す電気信号をコネクタ78a、78bを介してエアコンECU8に出力する。
また、温度設定スイッチ9、10、11、12のそれぞれ近傍には、希望温度等の設定内容を表示する希望温度表示手段としてのディスプレイ9a、10a、11a、12aが備えられている。
一方、エアコンECU8は、アナログ/デジタル変換器、マイクロコンピュータ等を有して構成される周知のものであり、各センサ81、82、83、84、85、86、87、70a、70bおよび温度設定スイッチ9、10、11、12からそれぞれ出力される出力信号は、アナログ/デジタル変換器によりアナログ/デジタル変換されてマイクロコンピュータにそれぞれ入力されるように構成されている。
マイクロコンピュータは、ROM、RAMなどのメモリ、およびCPU(中央演算装置)等から構成される周知のもので、イグニッションスイッチがオンされたときに、図示しないバッテリから電力供給される。
次に、本実施形態の作動について説明する。まず、エアコンECU8の自動空調制御処理について説明する。この自動空調制御処理は、よく知られた手順で行われる。
エアコンECU8のマイクロコンピュータは、メモリに記憶されるメインルーチンのコンピュータプログラムを実行する。なお、このメインルーチンは、一定の演算周期ta(例えば、ta=4秒)で繰り返し実行される。
先ず、RAMに記憶されるデータなどをリセット(初期化)すると、各センサ81、82、83、84、85、86、87、70a、70bの検出信号をアナログ/デジタル変換したデジタル信号(Tam、Tw、Ts、TrFr、TrRr、TeFr、TeRr、W1〜W8、W10〜W17)を読み込む。
これに加えて、温度設定スイッチ9、10、11、12により設定される希望温度TsetFrDr、TsetFrPa、TsetRrDr、TsetRrPaを読み込む。
次に、このように読み込んだデジタル信号、および、希望温度を用いて、空調ゾーン1a、1b、1c、1dに吹き出す空気の目標吹出温度TAOFrDr、TAOFrPa、TAORrDr、TAORrPaを、次の数式1〜数式4に基づいて、空調ゾーン毎に演算する。
TAOFrDr=KsetFrDr×TsetFrDr
−Kir×FrDrTir−KrFr×TrFr
−KsFr×TsFrDr−Kam×Tam+CFrDr
・・・(数式1)
TAOFrPa=KsetFrPa×TsetFrPa
−Kir×FrPaTir−KrFr×TrFr
−KsFr×TsFrPa−Kam×Tam+CFrPa
・・・(数式2)
TAORrDr=KsetRrDr×TsetRrDr
−Kir×RrDrTir−KrRr×TrRr
−KsRr×TsRrDr−Kam×Tam+CRrDr
・・・(数式3)
TAORrPa=KsetRrPa×TsetRrPa
−Kir×RrPaTir−KrRr×TrRr
−KsRr×TsRrPa−Kam×Tam+CRrPa
・・・(数式4)
ここで、上記数式1〜数式4中、FrDrTir、FrPaTirはそれぞれ右側前席および左側前席の各乗員温度で、前側赤外線温度センサ70aの右側センサチップ71aDrおよび左側センサチップ71aPaの各組のセンサエレメント705〜708により検出されるW5〜W8の平均値{=(W5+W6+W7+W8)/4}である。
また、RrDrTir、RrPaTirはそれぞれ右側後席および左側後席の各乗員温度で、後側赤外線温度センサ70bの右側センサチップ71bDrおよび左側センサチップ71bPaの各組のセンサエレメント714〜717により検出されるW14〜W17の平均値{=(W14+W15+W16+W17)/4}である。
また、TsFrDr、TsFrPa、TsRrDr、TsRrPaは、それぞれ、前席右側領域、前席左側領域、後席右側領域、後席左側領域への日射量であり、これらの算出方法については後述する。
なお、上記数式1〜数式4中、〔i〕を添字FrDr、FrPa、RrDr、RrPaのいずれか、および〔j〕を添字Fr、Rrのいずれかと表記するとき、Kset〔i〕、Kir、Kr〔j〕、Ks〔j〕、Kamは、係数であり、C〔i〕は定数である。
次に、メモリに予め記憶される次の数式5に基づいて、上述のごとく算出される空調ゾーン毎の目標吹出温度(TAOFrDr、TAORrDr、TAOFrPa、TAORrPa)を用いて、エアミックスドア55a、55b、65a、65bのそれぞれの開度AMFrDr、AMFrPa、AMRrDr、AMRrPaを算出する。
AMj={(TAOi−Tej)/(Tw−Tej)}×100(%)
・・・(数式5)
ここで、iは添字FrDr、FrPa、RrDr、RrPaのいずれかを表し、jは添字Fr、Rrのいずれかを表す。
そして、目標吹出温度TAOFrDr、TAOFrPaのうち一方を求めるときには、Tejとして蒸発器吹出温度TeFrを用い、目標吹出温度TAORrDr、TAORrPaのうち一方を求めるときには、Tejとして蒸発器吹出温度TeRrを用いる。
ここで、この決定される開度AMFrDr、AMFrPa、AMRrDr、AMRrPaに基づき、サーボモータ560a、560b、660a、660bを制御して、エアミックスドア55a、55b、65a、65bの夫々を駆動する。
これに伴って、エアミックスドア55a、55b、65a、65bのそれぞれの開度が、開度AMFrDr、AMFrPa、AMRrDr、AMRrPaに近づくようなる。
次に、メモリに予め記憶される図5の特性、および目標吹出温度TAOFrDr、TAOFrPa、TAORrDr、TAORrPaを用いて、空調ゾーン1a、1b、1c、1dにそれぞれ必要な風量に対応するブロア電圧VMFrDr、VMFrPa、VMRrDr、VMRrPaを算出する。
ここで、メモリに予め記憶される下記の数式6を用いて、空調ゾーン1a、1bのそれぞれに必要なブロア電圧VMFrDr、VMFrPaを平均化して前席空調ゾーンにそれぞれ必要なブロア電圧VMFを算出する。
VMF=(VMFrDr+VMFrPa)/2 ・・・(数式6)
このようにブロア電圧VMFを算出すると、このブロア電圧VMFをブロアモータ52aに印加する。これに伴い、遠心式送風機52が、空気流を発生させることになる。
また、メモリに予め記憶される下記の数式7を用いて、空調ゾーン1c、1dのそれぞれに必要なブロア電圧VMRrDr、VMRrPaを平均化して後席空調ゾーンにそれぞれ必要なブロア電圧VMRを算出する。
VMR=(VMRrDr+VMRrPa)/2 ・・・(数式7)
このようにブロア電圧VMRを算出すると、このブロア電圧VMRをブロアモータ62bに印加する。これに伴い、遠心式送風機62が、空気流を発生させることになる。
次に、メモリに予め記憶される図6の特性、および目標吹出温度TAOFrDr、TAOFrPa、TAORrDr、TAORrPaを用いて、フットモード(FOOT)、バイレベルモード(B/L)、フェイスモード(FACE)のうち1つのモードを吹出口モードとして空調ゾーン毎に決める。
ここで、フェイスモードとは、フェイス吹出口だけから空調風を吹き出すモードであり、フットモードとは、フット吹出口だけから空調風を吹き出すモードであり、バイレベルモードとは、フェイス吹出口およびフット吹出口から空調風を吹き出すモードである。
このように空調ゾーン毎に吹出口モードを決定すると、各吹出口切換ドアのそれぞれのサーボモータを空調ゾーン毎に制御して、空調ゾーン毎にこの決定される吹出口モードとなるように各吹出口切換ドアをそれぞれ開閉させる。
次に、メモリに予め記憶される図7の特性、および目標吹出温度TAOFrDr、TAOFrPaを用いて、前席空調システム5の内外気切換ドア51の目標開度SW1を求める。
すなわち、目標吹出温度の平均値TAOav{=(TAOFrDr+TAOFrPa)/2}を求めるとともに、メモリに予め記憶される図8の特性に基づき、平均値TAOavに対応する内外気切換ドア51の目標開度SW1を求めることになる。
なお、本実施形態では、内気導入口50aを全閉し、外気導入口50bを全開する場合を目標開度SW1=100%とし、内気導入口50aを全開し、外気導入口50bを全閉する場合を目標開度SW1=0%とする。
このように目標開度SW1を決定すると、この目標開度SW1に基づき、サーボモータ51aを制御して、内外気切換ドア51の開度を目標開度SW1に近づけるようにする。
次に、蒸発器吹出温度TeFr、TeRrを一定温度に近づけるように自動車のエンジン及びコンプレッサの間に連結される電磁クラッチを断続制御する。
これに伴い、冷凍サイクル内を流れる冷媒の流量が制御されて、エバポレータ53、63の冷却性能が調整されることになる。その後、上述の各制御処理が繰り返される。
次に、各空調ゾーン毎の目標吹出温度TAOFrDr、TAOFrPa、TAORrDr、TAORrPaの算出処理について、図8の処理ルーチンを示すフローチャートを用いて説明する。図8の処理ルーチンは、前席(Fr)側の目標吹出温度TAOFrDr、TAOFrPaの演算処理を示すもので、上記メインルーチンの処理と同様、一定の演算周期taで繰り返し実行される。なお、後席(Rr)側の目標吹出温度TAORrDr、TAORrPaの算出処理は、図8に示す処理ルーチンと同じ処理を、前席側の演算に引き続き行う。
まず、ステップS100で、前席右側空調ゾーン1aのガラス温度補正量αDrおよび前席左側空調ゾーン1bのガラス温度補正量αPaの初期化処理として、αDr=αPa=0とする。
次に、ステップS110で、前席右側および前席左側のサイドウインドシールド90a、90bの表面温度(ガラス温度)TwinDr、TwinPa、および、右側前席および左側前席の乗員の上層温度TfrDr、TfrPaを検出し、記憶する。
TwinDrは、右側センサチップ71aDrのセンサエレメント701、702により検出されるW1、W2の平均値{=(W1+W2)/2}であり、TwinPaは、左側センサチップ71aPaのセンサエレメント701、702により検出されるW1、W2の平均値{=(W1+W2)/2}である。
また、TfrDrは、右側前席の乗員の上層温度の検出値であり、右側センサチップ71aDrのセンサエレメント705、706、707により検出されるW5、W6、W7の平均値{=(W5+W6+W7)/3}であり、TfrPaは、左側前席の乗員の上層温度の検出値であり、左側センサチップ71aPaのセンサエレメント705、706、707により検出されるW5、W6、W7の平均値{=(W5+W6+W7)/3}である。
なお、これら各部の検出温度TwinDr、TwinPa、およびTfrDr、TfrPaは、次の演算周期までRAMに記憶されている。以下、添字oldにより1演算周期ta前の検出値を示し、添字newにより現在の検出値を示す。
次に、ステップS120およびS130にて、日射による熱負荷状態が過渡状態か定常状態かを判定する。まずステップS120にて、次に示す数式8および数式9がともに成立するかを判定し、判定結果がYESならばステップS130へ移行し、判定結果がNOならば定常時と判定しステップS150へ移行する。
TwinDr_old<TwinDr_new ・・・(数式8)
TwinPa_old<TwinPa_new ・・・(数式9)
したがって、このステップS120では、右側サイドウインドシールド90aのガラス温度および左側サイドウインドシールド90bのガラス温度が、ともに、時間ta前と比べて上昇している場合、YESと判定することを示している。
次のステップS130では、次に示す数式10および数式11がともに成立するかを判定し、判定結果がYESならば、過渡時と判定してステップS140へ移行し、判定結果がNOならば定常時と判定してステップS150へ移行する。
TfrDr_old<TfrDr_new ・・・(数式10)
TfrPa_old<TfrPa_new ・・・(数式11)
したがって、ステップS130では、右側前席の乗員の上層温度および左側前席の乗員の上層温度が、ともに、時間ta前と比べて上昇している場合、YESと判定することを示している。
なお、上記数式10、数式11において、各席に乗員が着座していない場合は、TfrDr、TfrPaはシート表面温度となる。乗員の上層部またはシート表面は、いずれも、ガラスと比べて熱容量が小さく、日射によりガラス温度よりも乗員上層温度またはシート表面温度の方が温度上昇が早い。
したがって、前席側において、左右ともサイドウインドシールド90a、90bのガラス温度が上昇し、かつ、左右の乗員上層温度(またはシート表面温度)が上昇した場合に、日射量増加があったがガラス温度が安定していない状態にある、すなわち、日射による熱負荷状態が過渡状態にあると判定する。また、ガラス温度および乗員上層温度(またはシート表面温度)の少なくとも一方が、温度上昇していない場合は定常状態にあると判定する。
ステップS140では、過渡時のガラス温度補正量αDr、αPaを、次の数式12、数式13により算出する。
αDr=MIN((αDr+ΔTfrDr×1.2)、5) ・・・(数式12)
αPa=MIN((αPa+ΔTfrPa×1.2)、5) ・・・(数式13)
ここで、上記数式12、数式13のそれぞれの右辺のαDr、αPaは、1演算周期ta前における値(前回値)である。また、ΔTfrDr、ΔTfrPaは、それぞれTfrDr、TfrPaが1演算周期ta間に上昇した温度であり、ΔTfrDr=TfrDr_new−TfrDr_old、ΔTfrPa=TfrPa_new−TfrPa_oldである。
これら数式12、数式13により、過渡状態にある場合は、ガラス温度補正量αDr、αPaは時間ta毎に、前回値に乗員上層温度の増加分ΔTfrDr、ΔTfrPaを1.2倍した値を足し合わせることで、目的とするガラス温度上昇のレスポンスを向上させている。
なお、上記数式12、数式13において、このガラス温度補正量αDr、αPaに対して定数5との最小値(MIN)を算出しているが、これは、乗員上層温度の増加分ΔTfrDr、ΔTfrPaに異常値が入力された場合のガードであり、この場合1演算周期ta毎に更新されるガラス温度補正量αDr、αPaは最大5に抑制される。
一方、ステップS120、S130にて定常状態と判定された場合、ステップS150にて、定常時のガラス温度補正量αDr、αPaを、次の数式14、数式15により算出する。
αDr=MAX((αDr×0.9)、0) ・・・(数式14)
αPa=MAX((αPa×0.9)、0) ・・・(数式15)
ここで、上記数式14、数式15の右辺のαDr、αPaは、1演算周期ta前における値(前回値)である。したがって、αDr、αPaは前回値に対し、0.9を乗じて0に向けて徐変する。また、このαDr、αPaと0との最大値(MAX)が算出されるが、これは過渡時と同様、異常値に対するガードである。
これにより、左右のサイドウインドシールドのガラス温度および乗員上層温度(またはシート表面温度)のいずれもが上昇している場合以外のとき、すなわち、ガラス温度補正を必要とする日射量変化直後でない場合、あるいはレスポンス向上のためのガラス温度補正が終了した場合は、ガラス温度補正量αDr、αPaを0にする、または徐々に0に徐変させることができ、違和感なく、従来行われていた左右のガラス温度差のみによる日射量算出に戻すことができる。
そして、次のステップS160にて、次の数式16、数式17を用いて、右側および左側のガラス温度TglassDr、TglassPaを、今回の検出したガラス温度TwinDr、TwinPaにガラス補正量αDr、αPaを加算することにより補正する。
TglassDr=TwinDr+αDr ・・・(数式16)
TglassPa=TwinPa+αPa ・・・(数式17)
次のステップS180では、上記補正されたガラス温度TglassDr、TglassPaの差ΔTwin(=TglassDr−TglassPa)を算出し、このガラス温度差ΔTwinと図8のS180中に示す特性線図とから、右側(Dr側)日射補正割合f1を算出する。なお、左側(Pa側)日射補正割合は(1−f1)となる。すなわち、ガラス温度差ΔTwinが正か負かにより日射方向を検出し、日射補正割合f1の大きさにより、左右における日射量の大きさ割合を検出することができる。
次のステップS190にて、各席の日射量を算出する。具体的には、次の数式18、数式19により、前席右側領域および前席左側領域への日射量TsFrDr、TsFrPaを、日射センサ83により検出された日射量TsにDr側およびPa側の日射補正割合f1、1−f1を掛けることにより算出する。
TsFrDr=Ts×f1 ・・・(数式18)
TsFrPa=Ts×(1−f1) ・・・(数式19)
そして、ステップS200にて、上記数式1、数式2により前席右側空調ゾーン1aおよび前席左側空調ゾーン1bにおける目標吹出温度TAOFrDr、TAOFrPaを算出する。その後、1演算周期taが経過した後、次の演算周期においては、ステップS110より制御処理が繰り返される。
なお、図8では、前席側の空調ゾーン1a、1bにおける目標吹出温度の算出処理ルーチンを示したが、後席側の空調ゾーン1c、1dにおける目標吹出温度は、上記前席側の算出処理に引き続き、図8の処理ルーチンと同様の処理ルーチンを行うことにより算出することができる。以下、後席側について、前席側と異なる点についてのみ簡単に説明する。
ステップS100では、後席右側空調ゾーン1cのガラス温度補正量αDrおよび後席左側空調ゾーン1dのガラス温度補正量αPaの初期化処理として、αDr=αPa=0とする。
ステップS110では、後席右側および後席左側のサイドウインドシールド90c、90dの表面温度(ガラス温度)の検出値TwinDr、TwinPa、および、右側後席および左側後席の乗員の上層温度の検出値、TrrDr、TrrPaを読み込む。
TwinDrは、後側赤外線温度センサ70bの右側センサチップ71bDrのセンサエレメント710、711により検出されるW10、W11の平均値{=(W10+W11)/2}であり、TwinPaは、後側赤外線温度センサ70bの左側センサチップ71bPaのセンサエレメント710、711により検出されるW10、W11の平均値{=(W10+W11)/2}である。
また、TrrDrは、右側後席の乗員の上層温度の検出値であり、右側センサチップ71bDrのセンサエレメント714、715、716により検出されるW14、W15、W16の平均値{=(W14+W15+W16)/3}であり、TrrPaは、左側後席の乗員の上層温度の検出値であり、左側センサチップ71bPaのセンサエレメント714、715、716により検出されるW14、W15、W16の平均値{=(W14+W15+W16)/3}である。
ステップS120では、後席右側および後席左側のウインドシールド90c、90dのガラス温度TwinDr、TwinPaが時間taの間に増加したかが判定され、ステップS130では、右側後席および左側後席の乗員上層温度TrrDr、TrrPaが時間taの間に増加したかが判定される。これら、S120、S130における判定結果により、上記前席側と同様、過渡状態か定常状態かが判定される。
ステップS140では、過渡時のガラス温度補正量が、上記数式12、数式13において、ΔTfrDr、ΔTfrPaの代わりに、ΔTrrDr(=TrrDr_new−TrrDr_old)、ΔTrrPa(=TrrPa_new−TrrPa_old)を用いて算出される。
ステップS160〜S180では、上記前席側における処理と同様の処理が行われ、次のステップS190では、後席側の空調ゾーン1c、1dにおける日射量TsRrDr、TsRrPaが、上記数式18、数式19の右辺により算出される。そして、ステップS200にて、後席側の空調ゾーン1c、1dにおける目標吹出温度TAORrDr、TAORrPaが、上記数式3、数式4により算出される。
このように、後席側の空調ゾーンにおいても、後席側の左右のガラス温度がともに上昇し、かつ、後席側の左右の乗員上層温度がともに上昇したときに、日射の熱負荷状態が過渡状態にあると判定し、後席側の左右のガラス温度TglassDr、TglassPaをそれぞれ左右の乗員上層温度の増加分ΔTrrDr、ΔTrrPaに応じたガラス補正量αDr、αPaにより補正する。そして、このように補正されたガラス温度の左右差ΔTwinにより、前席側と同様、左右における日射補正割合f1、1−f1を求め、この左右の日射補正割合により日射センサの検出値Tsを補正してTsRrDr、TsRrPaとし、目標吹出温度TAORrDr、TAORrPaにおける日射量の項として用いる。
ここで、上記ステップS110は温度検出手段に相当し、ステップS120、S130は過渡状態判定手段に相当する。ステップS140、S150は補正量算出手段に相当し、ステップS160はガラス温度補正手段に相当する。ステップS170は温度差算出手段に相当し、ステップS180は日射方向推定手段に相当する。また、ステップS190、S200は目標値演算手段に相当する。
図9に、本実施形態における制御結果を時間線図で示す。図9において、縦軸は、日射補正割合f1であり、この値f1が大きいほど右席側(Dr側)の日射補正制御を強くし、逆に小さいほど左席側(Pa側)の日射補正制御を強くするための係数(偏日射補正係数)である。また、図9において横軸は経過時間であり、t1の時点で、任意の方角より日射が照射された場合の、本実施形態による制御と特許文献1に示される従来制御の日射補正割合の推移を示している。また、図9には、あわせて、日射量Tsの時間変化および、ガラス温度補正量αDr、αPaの時間変化も示している。なお、図9では、車両の右側(Dr側)より太陽光が照射される例を示している。
従来制御でのf1は、図中点線で示されるように、t1の時点で日射によりガラス温度が緩やかに上昇し、そのガラス温度の上昇に伴い、f1はt3の時点で真値Aに到達する。これは、ガラスの熱容量が大きいため、日射によるガラス温度の上昇を検出できなかったり、ガラス温度が安定するまでの過渡期間ではガラス温度差が安定しないためf1に誤差が生じやすいという問題がある。
これに対して、本実施形態では、時間t1において日射が開始されると、ガラス温度および乗員上層温度ともに上昇が開始し、図8の制御ルーチンにおける日射変化の過渡時(および定常時)判定(S120、S130)が行われる。
その後、日射補正制御が開始されるが、ガラス温度よりも早く上昇する乗員上層温度でのガラス温度補正量αDr、αPaにより、時間t3よりも早いt2の時点で、真値Aに近い値Bまで、日射補正割合f1が上昇し、偏日射制御のレスポンス向上が可能となる。
その後、ガラス温度の上昇がなくなるt3の時点で、定常時判定(S120、S130)が行われ、補正項の減算処理(S150)により、緩やかにかつ違和感なく従来制御へ移行する。
なお、上記実施形態では、後席側の日射量TsRrDr、TsRrPaは、インストルメントパネル上に配置された日射センサ83により検出された日射量Tsを用いて、これに左右の日射補正割合f1、1−f1を掛けて算出する例を示したが、これに限らず、後席側の空調ゾーン1c、1dに照射される日射量TsRrを検出する後席用日射センサを、前席用の日射センサ83とは別にリヤトレー上に設けて、TsRrDr=TsRr×f1、TsRrPa=TsRr×(1−f1)により算出してもよい。これにより、より正しい後席側の日射量TsRrDr、TsRrPaを得ることができる。この場合は、前席側の日射量は、上記実施形態と同様に算出する。
本発明に係る車両用空調装置の一実施形態の概略を示す模式図である。 図1の車両用空調装置の概略構成を示す模式図である。 図2の赤外線温度センサ部の構成を示す図である。 赤外線温度センサ部の検出エリアの一部を示す図であり、(a)は前側赤外線温度センサの右側センサチップの検出エリアを示す図、(b)は後側赤外線温度センサの右側センサチップの検出エリアを示す図である。 エアコンECUにてブロア電圧を決めるための特性図である。 エアコンECUにて吹出口モードを決めるための特性図である。 エアコンECUにて内外気モードを決めるための特性図である。 エアコンECUにおける制御ルーチンを示すフローチャートである。 本実施形態における制御結果を示す時間線図である。
符号の説明
1a…前席右側(運転席側)空調ゾーン、1b…前席左側(助手席側)空調ゾーン、
1c…後席右側空調ゾーン、1d…後席左側空調ゾーン、8…エアコンECU、
70…赤外線温度センサ、83…日射センサ、90a…前席右側ウインドシールド、
90b…前席左側ウインドシールド、90c…後席右側ウインドシールド、
90d…後席左側ウインドシールド。

Claims (4)

  1. 車両の左右のウインドシールドの温度を検出する温度検出手段と、前記左右のウインドシールドの温度の温度差を算出する温度差算出手段と、前記温度差に基づいて左右の日射補正割合を算出する日射方向推定手段と、前記左右の日射補正割合に応じて左右の日射量を算出するとともに、前記左右の日射量に基づいて前記車両の左右それぞれの目標吹出温度を算出する目標値演算手段とを備えた車両用空調装置において、
    前記日射による熱負荷が過渡状態であるか否かを判定する過渡状態判定手段と、
    前記過渡状態判定手段により過渡状態であると判定された場合に、過渡時温度補正量を算出する補正量算出手段と、
    前記算出された過渡時温度補正量により前記左右のウインドシールドの温度を補正するガラス温度補正手段とを備え、
    前記温度差算出手段は、前記過渡時温度補正量により補正された前記左右のウインドシールドの温度の温度差を算出することを特徴とする車両用空調装置。
  2. 前記温度検出手段は、前記車室内部位の温度を検出し、
    前記過渡状態判定手段は、検出された前記左右のウインドシールドの温度および前記車室内部位の温度のそれぞれの時間的変化に応じて前記過渡状態であるか否かを判定し、
    前記補正量算出手段は、前記車室内部位の温度の増加量に応じて前記過渡時温度補正量を算出することを特徴とする請求項1に記載の車両用空調装置。
  3. 前記車室内部位の温度は、乗員の上層部の温度およびシート表面温度の少なくともいずれか一方であることを特徴とする請求項2に記載の車両用空調装置。
  4. 前記過渡状態判定手段が非過渡状態である定常状態であると判定した場合は、補正量算出手段は、漸減する定常時温度補正量を算出するとともに、前記温度差算出手段は前記定常時温度補正量により補正された前記左右のウインドシールドの温度差を算出することを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1つに記載の車両用空調装置。
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