JP2005059679A - 車両用空調装置 - Google Patents

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Yoshinori Isshi
好則 一志
Tatsumi Kumada
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Abstract

【課題】 空調ゾーン1b、1dの空調状態を良好にすることを可能にする。
【解決手段】 車両用空調装置は、空調ゾーン1a、1b、1c、1dの空調状態を独立して調整する空調システム5、6と、赤外線温度センサ70a、70b、70c、70dと、赤外線温度センサ70a、70b、70c、70dによる検出温度に基づいて、車室内の空調状態を座席毎に調整するように空調システム5、6を制御するエアコンECU8とを備え、エアコンECU8は、車室内の右側後側座席に対して暖房が行われているときには、後側座席に対して暖房および冷房のいずれも行われていないときと比べて、後席空調システム6の制御に対して赤外線温度センサ70b、70dによる検出温度の寄与度を低下させる。
【選択図】 図2

Description

本発明は、車室内の乗員の表面温度を非接触で検出する非接触温度センサを用いて、車室内を空調する車両用空調装置に関する。
従来、車両用空調装置では、各センサセルをマトリックス状に配置されてなるマトリックス型の赤外線温度センサを備え、この赤外線温度センサを用いて座席に着座する乗員の表面温度を検出するとともに、この検出される表面温度に基づき、乗員まわりの空気温度を制御するものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
また、車室内の座席の表面(以下、シート面という)から空調風を吹き出してシート面の温熱感を希望温度に合わせるようにするシート空調装置が提案されている(例えば、特許文献2参照)。
特開10−230728号公報 特開2001−206055号公報
ところで、本発明者等が、シート空調装置を備える車両に対して、上述の赤外線温度センサを備える車両用空調装置を適用することを検討した。
この検討によれば、シート空調装置が動作してシート面から温風を吹き出しているとき、上述の赤外線温度センサにより乗員の表面温度を検出する場合には、赤外線温度センサの視野内に乗員以外に座席のシート面の一部が入ると、赤外線温度センサとしては、乗員以外に座席のシート面の温度も検出してしまうことになると考えられる。
この場合、シート面の温度も温風により暖められており、赤外線温度センサの検出温度を乗員の表面温度として車室内の空調制御に用いると、車室内の空気温度を低く調整してしまい、乗員が寒く感じる可能性がある。
本発明は、非接触温度センサを用いて空調を行う車両用空調装置において、シート空調装置が動作しているときでも、車室内の空調状態を良好にすることを可能にすることを目的とする。
上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明では、車室内の座席の表面温度を調整するシート温度調整手段(704)を備える車両に適用されて、車室内の空調状態を調整する空調手段(5、6)と、座席に着座する乗員及び座席を含む第1の領域の表面温度を非接触で検出する非接触温度センサ(70a、70b、70c、70d)と、非接触温度センサによる検出温度に基づいて、車室内の空調状態を調整するように空調手段を制御する制御手段(8)と、を備える車両用空調装置であって、シート温度調整手段により座席の表面温度が調整されているときには、制御手段は、座席の表面温度の調整が停止されているときに比べて、空調手段による制御に対して非接触温度センサによる検出温度の寄与度を低下させるようにすることを特徴とする。
これにより、空調手段による制御に対して、座席の表面温度の影響が少なくなるので、空調状態を良好にすることを可能になる。
請求項2に記載の発明では、空調手段は、座席に着座する乗員を含む第1の空調ゾーンの空調状態、およびこの第1の空調ゾーンに隣接する第2の空調ゾーンの空調状態をそれぞれ独立して調整するものであり、第1、第2の空調ゾーンのそれぞれの第1、第2の希望空気温度が設定される温度設定手段(9〜12)を備えており、シート温度調整手段により座席の表面温度が調整されているときには、制御手段は、第1、第2の希望空気温度の温度差に基づき、第2の空調ゾーンの空調状態に対して第1の空調ゾーンの空調状態をオフセットするように空調手段を制御することを特徴とする。
ここで、一般的に、第1の空調ゾーンに隣接する第2の空調ゾーンの空調負荷は、第1の空調ゾーンの空調負荷に近いものになる。
そこで、請求項2に記載の発明のように、第1、第2の希望空気温度の温度差に基づき、第2の空調ゾーンの空調状態に対して第1の空調ゾーンの空調状態がオフセットされることになるので、第1の空調ゾーンの空調状態をより一層良好にすることが可能になる。
さらに、請求項3に記載の発明では、非接触温度センサは、第2の空調ゾーンに含まれる第2の領域の表面温度をも非接触で検出するものであり、シート温度調整手段により座席の表面温度が調整されているときには、制御手段は、検出される第1、第2の領域の表面温度の温度差に応じて、第2の空調ゾーンの空調状態に対して第1の空調ゾーンの空調状態をオフセットするように空調手段を制御することを特徴とする。
このことにより、第1、第2の領域の表面温度の温度差に応じて、第2の空調ゾーンの空調状態に対して第1の空調ゾーンの空調状態がオフセットされることになるので、さらに、第1の空調ゾーンの空調状態をより一層良好にすることが可能になる。
ここで、非接触温度センサによる検出温度の寄与度が変更されたとき、この変更に併せて第1の空調ゾーンの空調状態を急激に変更したとき、乗員に違和感を与える可能性がある。
請求項4に記載の発明では、非接触温度センサによる検出温度の寄与度が変更されたとき、制御手段は、変更された寄与度に基づき算出される目標状態まで第1の空調ゾーンの空調状態を徐々に変化させるように空調手段を制御することを特徴とする。
これにより、検出温度の寄与度が変更されたとき、空調ゾーンの空調状態が徐々に変化するので、乗員に違和感を与えることを抑制することができる。
なお、上記各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものである。
図1、図2は本発明に係る車両用空調装置がシート空調装置を備える車両に適用された一実施形態を示したもので、本実施形態は、車室内1のうち前席側の左右、および後席側の左右に位置する空調ゾーン1a、1b、1c、1dをそれぞれ独立して空調制御する車両用空調装置に、本発明を適用したものである。
図1は、空調ゾーン1a、1b、1c、1dの配置を示す模式図であり、空調ゾーン1aは、前席空調ゾーンのうち右側に位置し、空調ゾーン1bは、前席空調ゾーンのうち左側に位置する。空調ゾーン1cは、後席空調ゾーンのうち右側に位置し、空調ゾーン1dは、後席空調ゾーンのうち左側に位置する。なお、図1中の矢印は、自動車の前後左右の方向を示すものである。
図2は、本実施形態の車両用空調装置の全体構成を示す全体構成図であり、この車両用空調装置は、空調ゾーン1a、1bをそれぞれ独立に空調するための前席空調システム5と、空調ゾーン1c、1dとをそれぞれ独立に空調するための後席空調システム6とから構成されている。前席空調システム5は、計器盤7内側に配置されており、後席空調システム6は、車室内1の最後方に配置されている。
前席空調システム5は、車室内1に送風するためのダクト50を備えており、このダクト50には、車室内1から内気を導入するための内気導入口50a、および、車室外から外気を導入するための外気導入口50bが設けられている。
さらに、ダクト50には、外気導入口50bおよび内気導入口50aを選択的に開閉する内外気切替ドア51が設けられており、この内外気切替ドア51には、駆動手段としてのサーボモータ51aが連結されている。
また、ダクト50内のうち外気導入口50bおよび内気導入口50aの空気下流側には、車室内1に向けて吹き出される空気流を発生させる遠心式送風機52が設けられており、遠心式送風機52は、羽根車およびこの羽根車を回転させるブロアモータ52aを有して構成されている。
さらに、ダクト50内にて遠心式送風機52の空気下流側には、空気を冷却する空気冷却手段としてのエバポレータ53が設けられており、さらに、このエバポレータ53の空気下流側には、空気加熱手段としてのヒータコア54が設けられている。
そして、ダクト50内のうちエバポレータ53の空気下流側には仕切り板57が設けられており、この仕切り板57は、ダクト50内を運転席側通路50cおよび助手席側通路50dに仕切っている。
ここで、運転席側通路50cのうちヒータコア54の側方には、バイパス通路51aが形成されており、バイパス通路51aは、ヒータコア54に対してエバポレータ53により冷却された冷風をバイパスさせる。
そして、助手席側通路50dのうちヒータコア54の側方には、バイパス通路51bが形成されており、バイパス通路51bは、ヒータコア54に対してエバポレータ53により冷却された冷風をバイパスさせる。
ヒータコア54の空気上流側には、エアミックスドア55a、55bが設けられており、エアミックスドア55aは、その開度により、運転席側通路50cを流通する冷風のうちヒータコア54を通る量とバイパス通路51aとを通る量との比を調整する。
また、エアミックスドア55bは、その開度により、助手席側通路50dを流通する冷風のうちヒータコア54を通る量とバイパス通路51bを通る量との比を調整する。
ここで、エアミックスドア55a、55bには、駆動手段としてのサーボモータ550a、550bがそれぞれ連結されており、エアミックスドア55a、55bの開度は、サーボモータ550a、550bによって、それぞれ、調整される。
また、エバポレータ53は、図示しないコンプレッサ、凝縮器、受液器、減圧器とともに、周知の冷凍サイクルを構成している熱交換器であり、このエバポレータ53は、ダクト50内を流れる空気を冷却する。
ここで、コンプレッサは、当該自動車のエンジンに電磁クラッチ(図示しない)を介して連結されるものであり、このコンプレッサは、電磁クラッチを断続制御することによって駆動/停止制御される。
ヒータコア54は、当該自動車のエンジン冷却水(温水)を熱源とする熱交換機であり、このヒータコア54は、エバポレータ53によって冷却された冷風を加熱する。
また、ダクト50のうちヒータコア54の空気下流側には、運転席側フェイス吹出口1FrDrが開口されており、運転席側フェイス吹出口1FrDrは、運転席側通路50cから運転席2に着座する運転者の上半身に向けて空気を吹き出す。
ここで、ダクト50のうちフェイス吹出口1FrDrの空気上流部には、フェイス吹出口1FrDrを開閉する吹出口切換ドア56aが設けられており、この吹出口切換ドア56aは、駆動手段としてのサーボモータ560aによって、開閉駆動される。
また、図には省略されているが、ダクト50には、運転席側通路50cから運転者の下半身に空気を吹き出す運転席側フット吹出口、およびフロントガラスの内表面のうち運転席側領域に空気を吹き出す運転席側デフロスタ吹出口が設けられている。
そして、運転席側フット吹出口および運転席側デフロスタ吹出口の空気上流部には、それぞれの吹出口を開閉する吹出口切換ドアが設けられており、それぞれの吹出口切換ドアは、サーボモータによって、開閉駆動される。
また、後席空調システム6は、車室内1に送風するためのダクト60を備えており、このダクト60内には、車室内1から内気導入口60aを通して内気のみが導入される。
ここで、内気導入口60aの空気下流側には、車室内1に向けて吹き出される空気流を発生させる遠心式送風機62が設けられており、遠心式送風機62は、羽根車およびこの羽根車を回転させるブロアモータ62aを有して構成されている。
さらに、ダクト60内において遠心式送風機62の空気下流側には、空気を冷却する空気冷却手段としてのエバポレータ63が設けられており、このエバポレータ63の空気下流側には、空気を加熱する空気加熱手段としてのヒータコア64が設けられている。
そして、ダクト60内のうちエバポレータ63の下流部分には仕切り板67が設けられており、この仕切り板67は、ダクト60内を運転席側通路60cおよび助手席側通路60dに仕切っている。
ここで、運転席側通路60cのうちヒータコア64の側方には、バイパス通路61aが形成されており、バイパス通路61aは、ヒータコア64に対してエバポレータ63により冷却された冷風をバイパスさせる。
そして、助手席側通路60dのうちヒータコア64の側方には、バイパス通路61bが形成されており、バイパス通路61bは、ヒータコア64に対してエバポレータ63により冷却された冷風をバイパスさせる。
ヒータコア64の空気下流側には、エアミックスドア65a、65bが設けられており、エアミックスドア65aは、その開度により、運転席側通路60cを流通する冷風のうちヒータコア64を通る量とバイパス通路61aとを通る量との比を調整する。
また、エアミックスドア65bは、その開度により、助手席側通路60dを通過する冷風のうちヒータコア64を通る量と、バイパス通路61bを通る量との比を調整する。
そして、エアミックスドア65a、65bには、駆動手段としてのサーボモータ650a、650bがそれぞれ連結されており、エアミックスドア65a、65bの開度は、サーボモータ650a、650bによって、それぞれ、調整される。
ここで、エバポレータ63は、上述のエバポレータ63に対して並列的に配管結合されるものであって、上述した周知の冷凍サイクルの一構成要素をなす熱交換器である。
ヒータコア64は、当該自動車のエンジン冷却水(温水)を熱源とする熱交換機であり、ヒータコア64は、上述のヒータコア54に対し並列的に接続されて、エバポレータ63によって冷却される冷風を加熱する。
また、ダクト60のうちヒータコア64の空気下流側には、運転席側フェイス吹出口1RrDrが開口されており、運転席側フェイス吹出口1RrDrは、運転席側通路60cから後席4の右側(すなわち、運転席の後側)に着座する乗員(以下、後部右側乗員という)の上半身に向けて空気を吹き出す。
ここで、フェイス吹出口1RrDrの空気上流部には、フェイス吹出口1RrDrを開閉する吹出口切換ドア66aが設けられており、この吹出口切換ドア66aは、駆動手段としてのサーボモータ660aによって、開閉駆動される。
そして、図には、省略されているが、ダクト60には、運転席側通路60cから後部右側乗員の下半身に空気を吹き出す運転席側フット吹出口が設けられている。
また、当該運転席側フット吹出口の空気上流部には、吹出口を開閉する吹出口切換ドアが設けられており、この吹出口切換ドアは、サーボモータによって、開閉駆動される。
また、ダクト60のうちヒータコア64の空気下流側には、フェイス吹出口1RrPaが開口されており、このフェイス吹出口1RrPaは、助手席側通路60dから後席の左側(すなわち、助手席の後側)に着座する乗員(以下、後部左側乗員という)の上半身に向けて空気を吹き出す。
ここで、フェイス吹出口1RrPaの空気上流部には、フェイス吹出口1RrPaを開閉する吹出口切換ドア66bが設けられており、この吹出口切換ドア66bは、駆動手段としてのサーボモータ660bによって、開閉駆動される。
また、図には省略されているが、ダクト60には、助手席側通路60dから後部左側乗員の下半身に空気を吹き出すフット吹出口が設けられている。このフット吹出口の空気上流部には、吹出口を開閉する吹出口切換ドアが設けられており、この吹出口切換ドアは、サーボモータによって、開閉駆動される。
また、車両用空調装置には、前席空調システム5および後席空調システム6をそれぞれ制御するための電子制御装置(以下、エアコンECU8という)が設けられている。
エアコンECU8には、車室外の外気温度Tamを検出する外気温度センサ81、エンジンの冷却水温度Twを検出する冷却水温度センサ82、車室内右側領域に照射される日射量TsDrおよび車室内右側領域に照射される日射量TsPaを検出する2素子タイプ(2Dタイプの)日射センサ83、空調ゾーン1a、1b(前側空調領域)の空気温度TrFrを検出する温度センサ84、および空調ゾーン1c、1d(後側空調領域)の空気温度TrRrを検出する温度センサ85が接続されている。
また、エアコンECU8には、エバポレータ53から吹き出される冷風空気の温度(以下、蒸発器吹出温度TeFrという)を検出する温度センサ86、エバポレータ63から吹き出される冷風空気の温度(以下、蒸発器吹出温度TeRrという)を検出する温度センサ87、空調ゾーン1a、1b、1c、1dの希望温度TsetFrDr、TsetFrPa、TsetRrDr、TsetRrPaが乗員により設定される温度設定スイッチ9、10、11、12、前席右側の乗員(運転者)の表面温度および後席右側の乗員の表面温度をそれぞれ検出するための赤外線温度センサ70a、70b、および前席左側の乗員(助手席者)の表面温度および後席左側の乗員の表面温度を検出するための赤外線温度センサ70c、70dが接続されている。
ここで、赤外線温度70aは、図3に示すように、センサセル77〜82を3行2列に配置して構成されるマトリックス式の非接触温度センサであり、赤外線温度70bは、センサセル71〜76を3行2列に配置して構成されるマトリックス式の非接触温度センサである。
そして、赤外線温度70a、70bは、図4に示すように、前席右側乗員の表面および後席右側乗員の表面のそれぞれから入射される赤外線をレンズを介して検出する。
また、赤外線温度70c、70dは、赤外線温度70a、70bと同様、センサセル77〜82、71〜76から構成されるマトリックス式の非接触温度センサであり、赤外線温度70c、70dは、前席左側乗員の表面および後席左側乗員の表面のそれぞれから入射される赤外線をレンズを介して検出する。
なお、赤外線温度70a、70b、70c、70dとしては、入力される赤外線量の変化に対応した起電力変化を温度変化として検出するサーモパイル型検出素子がそれぞれ用いられている。
また、温度設定スイッチ9、10、11、12のそれぞれ近傍には、希望温度等の設定内容を表示する希望温度表示手段としてのディスプレイ9a、10a、11a、12aが備えられている。
一方、エアコンECU8は、アナログ/デジタル変換器、マイクロコンピュータ等を有して構成される周知のものであり、センサ81、82、83、84、85、86、87およびスイッチ9、10、11、12からそれぞれ出力される出力信号は、アナログ/デジタル変換器によりアナログ/デジタル変換されてマイクロコンピュータにそれぞれ入力されるように構成されている。
マイクロコンピュータは、ROM、RAMなどのメモリ、およびCPU(中央演算装置)等から構成される周知のもので、イグニッションスイッチがオンされたときに、図示しないバッテリから電力供給される。
次に、本実施形態の作動の説明に先だって、シート空調装置について図5、図6を用いて概略説明する。
すなわち、シート空調装置は、後側右側座席および後側左側座席のシート面温熱感(すなわち、シート面温度)をそれぞれ調整するものであり、後側右側座席および後側左側座席の実質的に同様の構成であるため、後側右側座席(以下、後側座席703という)について、概略説明する。
先ず、後側座席703は、シートクッション706とシートバック707とにより構成されている。これらのシートクッション706とシートバック707は、それぞれ通気性を有するシート表面材708、709により覆われている。
そして、シートクッション706の内部には、シート空調ユニット704の空気下流側に接続されるシート内通風路721と、このシート内通風路721より分岐してシートクッション706の表面へ伸びる複数のエア吹出孔722が設けられている。また、シートバック707の内部には、シート内通風路721の空気下流側に接続されるシート内通風路723と、このシート内通風路723より分岐してシートバック707の表面へ伸びる複数のエア吹出孔724が設けられている。
これにより、シート空調ユニット704より供給された空調風は、シート内通風路721、723を通って各エア吹出孔722、724へ分配されて、各エア吹出孔22、24よりシート表面材8、9を通過してフロントシート3に着座する前席側乗員の臀部および背中部へ吹き付けられる。
そして、シート内通風路721の空気上流側には、シート空調ユニット704の空気下流側に連通する連通路725が設けられている。また、シート内通風路723の空気上流側には、シート内通風路721の空気下流側に連通する連通路726が設けられている。
シート空調ユニット704は、車両空調装置の後席空調システム6のダクト60の空気下流側に連結するシート送風用ダクト731と、このシート送風用ダクト31の空気下流側に連結するシート空調ケース732と、このシート空調ケース732内に収容されるシート空調用送風機734とを備えている。
シート送風用ダクト731は、後席空調システム6のダクト60の冷風通路711に連通する冷風通風路741と、温風通路712に連通する温風通風路742と、冷風通風路741と温風通風路742との開口割合を調整する冷温風切替ドア743とを有している。
ここで、冷風通路711は、ダクト60の図示しない開口部を介してエバポレータ63からの冷風が通風する通路であり、温風通路712は、ダクト60の図示しない開口部を介してヒータコア64からの温風が通風する通路である。なお、冷温風切替ドア743は、サーボモータ等のアクチュエータ744により駆動される。
シート空調ケース732は、冷風通風路741、温風通風路742からからの空調風を吸い込むための空調風吸込口745と、車両の車室内風を吸い込むための室内風吸込口746と、空調風吸込口745と室内風吸込口746との開口割合を調整する室内風切替ドア747とを有している。
なお、室内風切替ドア747は、サーボモータ等のアクチュエータ748により駆動される。また、749はシート空調ケース32内に形成されるシート空調用通風路である。
シート空調用送風機734は、シート空調ケース732内において後側座席703に向かう空気流を発生させる遠心式ファン735、およびこの遠心式ファン735を回転駆動するブロワモータ736等からなり、空調風吸込口745または室内風吸込口746から吸い込んだ空気を後側座席703へ強制送風するものである。
このブロワモータ736は、例えばブロワ駆動回路(図示せず)を介して印加されるブロワ制御電圧に基づいて、送風量(遠心式ファン735の回転速度)が制御される。
シート空調ECU705は、CPU、ROM、RAM等からなるマイクロコンピュータを有し、各種センサからセンサ信号が入力回路(図示せず)によってA/D変換された後にマイクロコンピュータに入力されるように構成されている。 シート空調ECU705は、エアコンECU8からの車両空調装置の吹出口モードの判定結果、目標吹出温度、送風機62送風量、シート面温熱感設定ダイアル756、シート空調作動ON−OFFスイッチ57等の各種スイッチからのスイッチ信号に基づいて、シート空調用送風機734のブロワモータ736に印加するブロワレベル、冷温風切替ドア743のアクチュエータ44および室内風切替ドア747のアクチュエータ748等を制御する。
このことにより、シート面温熱感設定ダイアル756のダイアル調整に基づき、暖房、或いは冷房が行われて、エア吹出孔722、724から温風、或いは冷風を吹き出される
ここで、シート面温熱感設定ダイアル756は、エア吹出孔722、724から吹き出す空気の希望温度(すなわち後側座席のシート表面の希望温度)を設定するシート温調設定器で、後側座席毎に設けられている。また、シート空調作動ON−OFFスイッチ757は、シート空調ユニット704の各空調手段の作動指令または停止指令を行うシート空調用メインスイッチである。
次に、本実施形態の車両用空調装置の作動について図7〜図12を用いて説明する。図5は、エアコンECU8の自動空調制御処理を示すフローチャートである。
エアコンECU8のマイクロコンピュータは、図7に示すフローチャートにしたがって、メモリに記憶されるコンピュータプログラムを実行する。
先ず、RAMに記憶されるデータなどをリセット(初期化)すると(S100)、センサ81、82、83、84、85、86、87の検出信号をアナログ/デジタル変換したデジタル信号(Tam、Tw、Ts、TrFr、TrRr、TeFr、TeRr、dir71〜dir76、dir77〜dir82)を読み込む。これに加えて、温度設定スイッチ9、10、11、12により設定される希望温度(TsetFrDr、TsetFrPa、TsetRrDr、TsetRrPa)を読み込む。
次に、このように読み込んだデジタル信号、および、希望温度を用いて、空調ゾーン1a、1b、1c、1dに吹き出す空気の目標吹出温度を、メモリに予め記憶される数式1〜4に基づいて、空調ゾーン毎に演算する(S110)。
先ず、前席右側の空調ゾーン1aの目標吹出温度TAOFrDrとしては、数式1を用いて算出する。
TAOFrDr=KsetFrDr×TsetFrDr
−Kir×FrDrTir−KrFr×TrFr
−KsFr×TsDr−Kam×Tam+CFrDr…(数式1)
具体的には、赤外線温度センサ70aのうちセンサセル77〜82により検出される温度dir77〜dir82の平均値{(=dir77+dir78+dir79+dir80+dir81+dir82)/6}を求めるとともに、この求められる平均値を、前席右側の乗員(運転者)の表面温度FrDrTirとする。
このように、乗員の表面温度FrDrTirを求めると、この求められる表面温度FrDrTirとともに、日射量TsDr、希望温度TsetFrDr、前側空調領域の空気温度TrFr、および外気温度Tamを数式1に代入して目標吹出温度TAOFrDrを求める。
なお、数式1中のKsetFrDr、Kir、KrFr、KsFr、Kamは、係数であり、CFrDrは定数である。
次に、後席右側の空調ゾーン1cの目標吹出温度TAORrDrを数式2、数式3のうち一方を用いて算出する。
例えば、赤外線温度センサ70bの視野内には、図8に示すように、乗員以外に後席右側座席が入り、シート空調ユニット704により後席右側座席暖房に対して(或いは、冷房)が行われているときには、乗員表面温度の検出にあたり、後席右側座席の表面温度が外乱の原因となる。
そこで、シート空調ECU705からの出力信号に基づきシート空調ユニット704により後席右側座席に対して暖房(或いは、冷房)が行われているとしてS111でYESと判定すると、数式2を用いて目標吹出温度TAORrDrを算出する。
TAORrDr=TAOFrDr+
(KsetRrDr×(TsetRrDr−TsetFrDr)) −((TirRrDr−TirFrDr)×1.0)
+CRrDr…(数式2)
具体的には、赤外線温度センサ70bを構成するセンサセル71〜76により検出される温度dir71〜dir76の平均値{(=dir71+dir72+dir73+dir74+dir75+dir76)/6}を求めるとともに、この求められる平均値を、後席右側座席の乗員表面温度(後席Dr側乗員温度)RrDrTirとする。
このように求められる乗員表面温度RrDrTirとともに、TirFrDr、希望温度TsetRrDr、TsetFrDr、TAOFrDrを数式2に代入して目標吹出温度TAORrDrを求める。
一方、シート空調ECU705からの出力信号に基づきシート空調ユニット704により後席右側座席に対して暖房、冷房のいずれも行われていないとしてS111でNOと判定したとき、数式3を用いて目標吹出温度TAORrDrを算出する。
TAORrDr=KsetRrDr×TsetRrDr
−KirRrDr×TirRrDr−KrRr×TrRr
−KsDr×TsDr−Kam×Tam+CRrDr…(数式3)
この場合、赤外線温度センサ70bを構成するセンサセル71〜76により検出される温度dir71〜dir76の平均値{(=dir71+dir72+dir73+dir74+dir75+dir76)/6}を乗員表面温度RrDrTirとして算出する。
この算出される乗員表面温度RrDrTirとともに、希望温度TsetRrDr、空気温度TrRr、日射量TsDr、外気温Tamが数式3を代入して、目標吹出温度TAORrDrを算出する。
なお、数式3中のKsetRrDr、KirRrDr、KrRr、KsDr、Kamは、補正係数であり、CRrDrは常数である。
次に、前席左側の空調ゾーン1bの目標吹出温度TAOFrPaとしては、数式4を用いて算出する。
TAOFrPa=KsetFrPa×TsetFrPa
−Kir×FrPaTir−KrFr×TrFr
−KsFr×TsPa−Kam×Tam+CFrPa…(数式4)
具体的には、赤外線温度センサ70cのうちセンサセル77〜82により検出される温度dir77〜dir82の平均値{(=dir77+dir78+dir79+dir80+dir81+dir82)/6}を求めるとともに、この求められる平均値を、前席左側の乗員(運転者)の表面温度FrPaTirとする。
このように、乗員の表面温度FrPaTirを求めると、この求められる表面温度FrPaTirとともに、日射量TsPa、希望温度TsetFrPa、前側空調領域の空気温度TrFr、および外気温度Tamを数式4に代入して目標吹出温度TAOFrPaを求める。
なお、数式3中のKsetFrPa、Kir、KrFr、KsFr、Kamは、係数であり、CFrPaは定数である。
次に、後席左側の空調ゾーン1dの目標吹出温度TAORrPaを、数式5、数式6の一方を用いて算出する。
例えば、赤外線温度センサ70dの視野内にも、乗員以外に後席左側座席が入り、シート空調ユニット704により後席左側座席に対して暖房(或いは、冷房)が行われているときには、乗員表面温度の検出にあたり、後席左側座席の表面温度が外乱の原因となる。
そこで、シート空調ECU705からの出力信号に基づきシート空調ユニット704により後席左側座席に対して暖房(或いは、冷房)が行われていると判定すると、数式5を用いて目標吹出温度TAORrPaを算出する。
TAORrPa=TAOFrPa+
(KsetRrPa×(TsetRrPa−TsetFrPa)) −((TirRrPa−TirFrPa)×1.0)
+CRrPa…(数式5)
具体的には、赤外線温度センサ70dを構成するセンサセル71〜76により検出される温度dir71〜dir76の平均値{(=dir71+dir72+dir73+dir74+dir75+dir76)/6}を、後席左側座席の乗員表面温度RrPaTirとする。
このように求められる乗員表面温度RrPaTirとともに、TirFrPa、希望温度TsetRrPa、TsetFrPa、TAOFrPaを数式5に代入して目標吹出温度TAORrPaを求める。
一方、シート空調ECU705からの出力信号に基づきシート空調ユニット704により後席左側座席に対して暖房、冷房のいずれも行われていないと判定したとき、数式6を用いて目標吹出温度TAORrPaを算出する。
TAORrPa=KsetRrPa×TsetRrPa
−KirRrPa×TirRrPa−KrPa×TrRr
−KsPa×TsPa−Kam×Tam+CRrPa…(数式6)
この場合、赤外線温度センサ70dを構成するセンサセル71〜76により検出される温度dir71〜dir76の平均値{(=dir71+dir72+dir73+dir74+dir75+dir76)/6}を乗員表面温度RrPaTirとして算出する。
この算出される乗員表面温度RrPaTirとともに、希望温度TsetRrPa、空気温度TrRr、日射量TsPa、外気温Tamが数式6を代入して、目標吹出温度TAORrPaを算出する。
なお、数式6中のKsetRrPa、Kir、KrRr、KsPa、Kamは、補正係数であり、CRrPaは常数である。
次に、メモリに予め記憶される数式7に基づいて、上述のごとく算出される空調ゾーン毎の目標吹出温度(TAOFrDr、TAORrDr、TAOFrPa、TAORrPa)を用いて、エアミックスドア55a、55b、65a、65bのそれぞれの開度SW_fr、SW_fl、SW_rr、SW_rlを算出する。
SW_i={(TAO_i−Te)/(Tw−Tei)}×100(%)
…(数式7)
ここで、iは添字fr、fl、rr、rlのいずれかを表し、添字frは空調ゾーン1a、添字flは空調ゾーン1c、添字rrは空調ゾーン1b、添字rlは空調ゾーン1dを示す。
そして、目標吹出温度TAOFrDr、TAOFrPaのうち一方を求めるときには、Teiとして蒸発器吹出温度TeFrを用いる一方、目標吹出温度TAORrDr、TAORrPaのうち一方を求めるときには、Teiとして蒸発器吹出温度TeRrを用いる。
ここで、この決定される開度SW_fr、SW_fl、SW_rr、SW_rlに基づき、サーボモータ550a、550b、650a、650bを制御して、エアミックスドア55a、55b、65a、65bの個々を駆動する(S120)。
これに伴って、エアミックスドア55a、55b、65a、65bのそれぞれの開度が、開度SW_fr、SW_fl、SW_rr、SW_rlに近づくようなる。
次に、メモリに予め記憶される図10の特性、および目標吹出温度(TAOFrDr、TAORrDr、TAOFrPa、TAORrPa)を用いて、空調ゾーン1a、1b、1c、1dにそれぞれ必要なブロア電圧(VM_fr、VM_fl、VM_rr、VM_rl)(すなわち、空調ゾーン1a、1b、1c、1dにそれぞれに必要な風量)を算出する。
ここで、メモリに予め記憶される下記の数式8を用いて、空調ゾーン1a、1bのそれぞれに必要なブロア電圧VM_fr、VM_flを平均化して前席空調ゾーンにそれぞれ必要なブロア電圧VMFを算出する。
VMF=(VM_fr+VM_fl)/2……(数式8)
このようにブロア電圧VMFを算出すると、このブロア電圧VMFをブロアモータ52aに印加する(S130)。これに伴い、遠心式送風機52が、空気流を発生させることになる。
また、メモリに予め記憶される下記の数式9を用いて、空調ゾーン1c、1dのそれぞれに必要なブロア電圧VM_rr、VM_rlを平均化して後席空調ゾーンにそれぞれ必要なブロア電圧VMRを算出する。
VMR=(VM_rr+VM_rl)/2……(数式9)
このようにブロア電圧VMRを算出すると、このブロア電圧VMRをブロアモータ62bに印加する。これに伴い、遠心式送風機62が、空気流を発生させることになる。
次に、メモリに予め記憶される図11の特性、および目標吹出温度(TAOFrDr、TAORrDr、TAOFrPa、TAORrPa)を用いて、フットモード(FOOT)、バイレベルモード(B/L)、フェイスモード(FACE)のうち1つのモードを吹出口モードとして空調ゾーン毎に決める(S140)。
ここで、フェイスモードとは、フェイス吹出口だけから空調風を吹き出すモードであり、フットモードとは、フット吹出口だけから空調風を吹き出すモードであり、バイレベルモードとは、フェイス吹出口およびフット吹出口から空調風を吹き出すモードである。
このように空調ゾーン毎に吹出口モードを決定すると、各吹出口切換ドアのそれぞれのサーボモータを空調ゾーン毎に制御して、空調ゾーン毎にこの決定される吹出口モードとなるように各吹出口切換ドアをそれぞれ開閉させる。
次に、メモリに予め記憶される図12の特性、および目標吹出温度(TAOFrDr、TAOFrPa)を用いて、前席空調システム5の内外気切換ドア51の目標開度SW1を求める。
すなわち、目標吹出温度の平均値TAOav{=(TAOFrDr+TAOFrPa)/2}を求めるとともに、メモリに予め記憶される図12の特性に基づき、平均値TAOavに対応する内外気切換ドア51の目標開度SW1を求めることになる。
なお、本実施形態では、内気導入口50aを全閉し、外気導入口50bを全開する場合を目標開度SW1=100%とし、内気導入口50aを全開し、外気導入口50bを全閉する場合を目標開度SW1=0%とする。
このように目標開度SW1を決定すると、この目標開度SW1に基づき、サーボモータ51aを制御して、内外気切換ドア51の開度を目標開度SW1に近づけるようにする(S150)。
次に、蒸発器吹出温度TeFr、TeRrを一定温度に近づけるように自動車のエンジン及びコンプレッサの間に連結される電磁クラッチを断続制御する(S160)。これに伴い、冷凍サイクル内を流れる冷媒の流量が制御されて、エバポレータ53、63の冷却性能が調整されることになる。
その後、一定期間経過すると(S170:YES)、S110に移行して、目標吹出温度算出処理(S110)、エアミックスドア制御処理(S120)、ブロア制御処理(S130)、吹出口モード切替制御処理(S150)、コンプレッサ制御処理(S160)が繰り返されることになる。
以上により、前席空調システム5において、内気導入口50aおよび外気導入口50bの少なくとも一方からダクト50内に空気が導入される。この導入される空気は、エバポレータ53を通過する際に冷媒と熱交換されて冷却されて、運転席側通路50c、助手席側通路50dに流入される。
ここで、運転席側通路50cでは、エアミックスドア55aによって、ヒータコア54を通過する空気量とバイパス通路51aを通過する空気量との割合が調節される。その後、ヒータコア54を通過する空気とバイパス通路51aを通過する空気とが混合される。
このことにより、運転席側通路50c内を流れる空気温度が調節されることになる。その後、この温度調節される空気が、上述のように決定される空調ゾーン1aの吹出口モードに対応して開口されている吹出口から吹き出される。
また、助手席側通路50dでは、エアミックスドア55bによって、ヒータコア54を通過する空気量とバイパス通路51bを通過する空気量との割合が調節される。その後、ヒータコア54を通過する空気とバイパス通路51bを通過する空気とが混合される。
このことにより、助手席側通路50d内を流れる空気温度が調節されることになる。その後、この温度調節される空気が、上述のように決定される空調ゾーン1bの吹出口モードに対応して開口されている吹出口から吹き出される。
また、後席空調システム6においては、内気導入口60aからダクト60内に空気が導入されて、この導入される空気は、エバポレータ63を通過する際に冷媒と熱交換されて冷却されて、運転席側通路60c、助手席側通路60dに流入される。
ここで、運転席側通路60cでは、エアミックスドア65aによって、ヒータコア64を通過する空気量とバイパス通路61aを通過する空気量との割合が調節される。その後、ヒータコア64を通過する空気とバイパス通路61aを通過する空気とが混合される。
このことにより、運転席側通路60c内を流れる空気温度が調節されることになる。その後、この温度調節される空気が、上述のように決定される空調ゾーン1cの吹出口モードに対応して開口されている吹出口から吹き出される。
また、助手席側通路60dでは、エアミックスドア65bによって、ヒータコア64を通過する空気量とバイパス通路61bを通過する空気量との割合が調節される。その後、ヒータコア64を通過する空気とバイパス通路61bを通過する空気とが混合される。
このことにより、助手席側通路60d内を流れる空気温度が調節されることになる。その後、この温度調節される空気が、上述のように決定される空調ゾーン1dの吹出口モードに対応して開口されている吹出口から吹き出される。
次に、本実施形態の作用効果について説明する。
すなわち、本実施形態の車両用空調装置は、車室内の後側座席の表面温熱感を希望温度となるように調整するシート空調装置を備える車両に適用されて、空調ゾーン1a、1b、1c、1dの空調状態を独立して調整する空調システム5、6と、座席毎に乗員を含む領域の表面温度を非接触で検出する赤外線温度センサ70a、70b、70c、70dと、赤外線温度センサ70a、70b、70c、70dによる検出温度に基づいて、車室内の空調状態を座席毎に調整するように空調システム5、6を制御するエアコンECU8とを備えている。
そして、エアコンECU8は、車室内の右側後側座席(左側後側座席)に対して暖房(或いは、冷房)が行われているときには、上述のごとく、数式2(数式5)を用いて、目標吹出温度TAORrDr(目標吹出温度TAORrPa)を算出している。
例えば、目標吹出温度TAORrDrとしては、数式2から分かるように、目標吹出温度TAOFrDrに対して、希望温度TsetFrDr、TsetRrDr(第1、第2の希望空気温度)の温度差分(TsetFrDr−TsetRrDr)および乗員表面温度TirRrDr、TirFrDの温度差(TirRrDr−TirFrDr)分、オフセットしただけである。
一方、後側座席に対して暖房、および冷房のいずれも行われていないときには、目標吹出温度TAORrDrとしては、センサセル71〜76により検出される温度dir71〜dir76の平均値を用いて算出されている。
このため、シート空調装置により車室内の後側座席に対して暖房(或いは、冷房)が行われているときには、後側座席に対して暖房、および冷房のいずれも行われていないときと比べて、後席空調システム6の制御に対して赤外線温度センサ70b、70dによる検出温度の寄与度を低下させることができる。
これにより、エアコンECU8による後席空調システム6の制御に対して、後側座席の表面温度の影響が少なくなるので、空調ゾーン1b、1dの空調状態を良好にすることを可能になる。
一般的に、第1の空調ゾーンに隣接する第2の空調ゾーンの空調負荷は、第1の空調ゾーンの空調負荷に近いものになる。一方、車室内の右側後側座席(左側後側座席)に対して暖房(或いは、冷房)が行われているときには、上述のごとく、目標吹出温度TAOFrDrに対して、希望温度TsetFrDr、TsetRrDr(第1、第2の希望空気温度)の温度差分(TsetFrDr−TsetRrDr)、オフセットしてある。
これにより、空調ゾーン1aの空調状態(すなわち、空気温度、送風量)に対して、希望温度TsetFrDr、TsetRrDrの温度差に応じて、空調ゾーン1cの空調状態をオフセットすることができるので、空調ゾーン1cの空調状態を乗員の温感に合うように制御することができる。
また、後側座席の表面温度としては、シート空調装置により調整されているため、この調節された温度分を乗員表面温度TirRrDr、TirFrDの温度差(TirRrDr−TirFrDr)として設定し、目標吹出温度TAORrDrとしては、目標吹出温度TAOFrDrに対して温度差(TirRrDr−TirFrDr)分オフセットしてある。
これにより、空調ゾーン1aの空調状態に対して、空調ゾーン1cの空調状態を温度差(TirRrDr−TirFrDr)分オフセットすることができるので、空調ゾーン1cの空調状態をより一層乗員の温感に合うように制御することができる。
(第2実施形態)
本第2実施形態では、エアコンECU8は、シート空調装置が暖房(或いは、冷房)を開始したとき、赤外線温度センサ70b、70dによる検出温度の寄与度を低下するように目標吹出温度TAORrDr(TAORrPa)を算出するものの、その変更直後にて、寄与度の低下前の目標吹出温度(以下、変更前TAOという)から、寄与度の低下後の目標吹出温度(以下、変更後TAOという)急激に変更するのではなく、変更前TAOから変更後TAOに徐々に変更させる。
例えば、目標吹出温度としては、変更前TAOからセル変更後TAOに徐々に変化して、変更後30秒で、目標吹出温度としては、{係数0.63×(変更前TAO−変更後TAO)+変更前TAO}となるようにすることが好ましい。
(第3実施形態)
上述の第1、第2の実施形態では、赤外線温度センサ70a、70b、70c、70dとしては複数のセンサエレメントから構成される、いわゆる、“複眼タイプ”のもので温度検出している例を示したが、これに代えて、赤外線温度センサ70a、70b、70c、70dとしてはそれぞれ1つのセンサエレメントから構成される、いわゆる“単眼タイプ”のものを用いても良い。
ここで、“単眼タイプ”のセンサエレメントとしては、例えば、図15に示すように、車室内の壁内に埋め込まれるカバー部材301、このカバー部材301の断面テパー状開口部の奥側に設けられた缶状部材302、この缶状部材302の開口部に填め込まれたレンズ(フィルタ)302、缶状部材302の中空部内に配設されるセンサエレメント303とから構成されている。
(その他の実施形態)
上述の実施形態では、シーク空調装置としては、シートクッション706、シートバック707のエア吹出孔722、724から空調風を吹き出してシート面の温度を調整するものを示したが、これに代えて、シートクッション706、シートバック707の内部に電気ヒータやペルチェ素子などの埋め込み、シートクッション706、シートバック707を直接的に暖めたり、冷やしたりしてシート面の温度を調整するようにしてもよい。
上述の実施形態では、シーク空調装置としては、シートクッション706、シートバック707のエア吹出孔722、724から空調風を吹き出してシート面の温度を調整するものを示したが、これに代えて、シートクッション706、シートバック707の内部に空調風が循環する構造にして、この循環する空調風によりシート表面の温度を調整するようにしても良い。
上述の実施形態では、シーク空調装置としては、後部座席にだけ適用した例について説明したが、これに限らず、前側座席にも、適用してもよい。
本発明に係る車両用空調装置の一実施形態の概略構成を示す模式図である。 図1の車両用空調装置の概略構成を示す模式図である。 図2の赤外線温度センサの構成を示す図である。 図2の赤外線温度センサの検出エリアを示す図である。 上記実施形態のシート空調装置の概略構成を示す図である。 上記実施形態のシート空調装置の制御部を示すブロック図である。 図2のエアコンECUの処理の一部を示すフローチャートである。 図2の赤外線温度センサのセンサセルの選択を示す図である。 図2のエアコンECUの処理の残りを示すフローチャートである。 図2のエアコンECUにてブロア電圧を決めるための特性図である。 図2のエアコンECUにて内外気モードを決めるための特性図である。 図2のエアコンECUにて吹出モードを決めるための特性図である。 本発明の第2実施形態における作動を示すタイミングチャートである。 本発明の第3実施形態における作動の説明図である。 上記第3実施形態における赤外線センサの構成を示す断面図である。
符号の説明
1a、1b、1c、1d…空調ゾーン、6…後席空調システム、
8…エアコンECU、71〜82…センサエレメント、
70b…赤外線温度センサ。

Claims (4)

  1. 車室内の座席の表面温度を調整するシート温度調整手段(704)を備える車両に適用されて、
    前記車室内の空調状態を調整する空調手段(5、6)と、
    前記座席に着座する乗員及び前記座席を含む第1の領域の表面温度を非接触で検出する非接触温度センサ(70a、70b、70c、70d)と、
    前記非接触温度センサによる検出温度に基づいて、前記車室内の空調状態を調整するように前記空調手段を制御する制御手段(8)と、を備える車両用空調装置であって、
    前記シート温度調整手段により前記座席の表面温度が調整されているときには、前記制御手段は、前記座席の表面温度の調整が停止されているときに比べて、前記空調手段による制御に対して前記非接触温度センサによる検出温度の寄与度を低下させるようにすることを特徴とする車両用空調装置。
  2. 前記空調手段は、前記座席に着座する乗員を含む第1の空調ゾーンの空調状態、およびこの第1の空調ゾーンに隣接する第2の空調ゾーンの空調状態をそれぞれ独立して調整するものであり、
    前記第1、第2の空調ゾーンのそれぞれの第1、第2の希望空気温度が設定される温度設定手段(9〜12)を備えており、
    前記シート温度調整手段により前記座席の表面温度が調整されているときには、前記制御手段は、前記第1、第2の希望空気温度の温度差に基づき、前記第2の空調ゾーンの空調状態に対して前記第1の空調ゾーンの空調状態をオフセットするように前記空調手段を制御することを特徴とする請求項1に記載の車両用空調装置。
  3. 前記非接触温度センサは、前記第2の空調ゾーンに含まれる第2の領域の表面温度をも非接触で検出するものであり、
    前記シート温度調整手段により前記座席の表面温度が調整されているときには、前記制御手段は、前記検出される第1、第2の領域の表面温度の温度差に応じて、前記第2の空調ゾーンの空調状態に対して前記第1の空調ゾーンの空調状態をオフセットするように前記空調手段を制御することを特徴とする請求項1または2に記載の車両用空調装置。
  4. 前記非接触温度センサによる検出温度の寄与度が変更されたとき、前記制御手段は、前記変更された寄与度に基づき算出される目標状態まで前記第1の空調ゾーンの空調状態を徐々に変化させるように前記空調手段を制御することを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1つに車両用空調装置。
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