JP4196800B2 - 車両用空調装置 - Google Patents

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本発明は、乗員の表面温度に応じて車室内の空調状態を制御する車両用空調装置に関する。
従来、車両用空調装置においては、車室内の表面温度を非接触で検出する各熱電対部をマトリックス状に配置されてなるマトリックス型の赤外線温度センサと、車室内の空気温度などの空調状態を調整する空調ユニット、赤外線温度センサにより検出される表面温度に基づき、空調ユニットにより空調状態を調整させる電子制御装置と、を備えるものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特開10−230728号公報
ところで、本発明者らは、上述の車両用空調装置を用いて4席独立空調制御を行う為に、後部乗員温度、サイドウインドウの温度、前部乗員温度などを個別に赤外線温度センサにより検出することについて検討した。
この本発明らの検討によれば、赤外線温度センサとしては、各熱電対部を隙間無くn×m(m、nは整数)の長方形状(或いは、正方形)に配列したものを用いると、各熱電対部のいずれかは、後部乗員温度、サイドウインドウの温度、前部乗員温度以外の検温の必要のない部位の温度を検出することになる。
すなわち、赤外線温度センサとしては、各熱電対部を隙間無くn×m(m、nは整数)の長方形状に配列したものを用いると、例えば、後部乗員温度およびサイドウインドウの間に位置する余分な部位の表面温度を検出する不必要な熱電対部を採用してしまうことになり、熱電対部の数の無駄に増加させてしまうことになる。
本発明は、各検出素子を有する非接触温度センサを用いて車室内の空調状態を制御する車両用空調装置において、検出素子の数を減らすようにすることを目的とする。
上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明においては、車室内の空調状態を調整する空調手段(5、6)と、
台座(72a)と、この台座上に配置されて前記車室内の前部座席に着座した乗員の上半身に対向して前記前部座席に着座した乗員の上半身からから入射される赤外線に応じて、前記前部座席に着座した乗員の上半身の表面温度を非接触で検出する複数の第1熱電対部(Fr7、Fr8)と、前記台座上に配置されて前記車室内の後部座席に着座した乗員の上半身に対向して前記後部座席に着座した乗員の上半身から入射される赤外線に応じて、前記後部座席に着座した乗員の上半身の表面温度を非接触で検出する複数の第2熱電対部(Rr1〜Rr8)と、を有する非接触温度センサ(70a、70b、70c)と、
前記複数の第1熱電対部で検出される温度と前記複数の第2熱電対部で検出される温度とを用いて、前記空調状態を調整するように前記空調手段を制御する制御手段(8)と、を備え、
前記非接触温度センサは、前記前部座席に着座した乗員の頭部よりも車両前側に配置されており、
前記台座上で前記複数の第1熱電対部と前記複数の第2熱電対部との間には隙間(S2)が設けられており、
前記第1熱電対部の個数よりも前記第2熱電対部の個数の方が多いことを特徴とする。
これにより、複数の被検温範囲のうち対応する被検温範囲以外の余分部位の表面温度を検出する不必要な検出素子を採用することがなくなるので、検出素子の数を減らすことができる。
請求項2に係る発明では、前記複数の第1熱電対部(Fr7、Fr8)は、前記複数の第1熱電対部、前記隙間、および前記複数の第2熱電対部の並び方向に直交する方向に偏って配置されていることを特徴とする。
請求項3に記載の発明では、前記複数の第1熱電対部、前記隙間、および前記複数の第2熱電対部の並び方向に直交する方向において前記複数の第2熱電対部の検出範囲が前記複数の第1熱電対部の検出範囲よりも大きくなるように前記複数の第2熱電対部が配置されていることを特徴とする。
請求項4に記載の発明では、前記非接触温度センサ(70c)は、右側センサチップ(72)および左側センサチップ(72)を備え、
前記右側センサチップは、前記台座と、当該台座上に配置された前記複数の第1熱電対部および前記複数の第2熱電対部とを備え、
前記右側センサチップの前記複数の第1熱電対部は、前記車室内の右側の前記前部座席に着座した乗員の上半身に対向して前記右側の前部座席に着座した乗員の上半身から入射される赤外線に応じて、前記右側の前部座席に着座した乗員の上半身の表面温度を非接触で検出し、
前記右側センサチップの前記複数の第2熱電対部は、前記車室内の右側の前記後部座席に着座した乗員の上半身に対向して前記右側の後部座席に着座した乗員の上半身から入射される赤外線に応じて、前記右側の後部座席に着座した乗員の上半身の表面温度を非接触で検出し、
前記左側センサチップは、前記台座と、当該台座上に配置された前記複数の第1熱電対部および前記複数の第2熱電対部とを備え、
前記左側センサチップの前記複数の第1熱電対部は、前記車室内の左側の前記前部座席に着座した乗員の上半身に対向して前記左側の前部座席に着座した乗員の上半身から入射される赤外線に応じて、前記左側の前部座席に着座した乗員の上半身の表面温度を非接触で検出し、
前記左側センサチップの前記複数の第2熱電対部は、前記車室内の左側の前記後部座席に着座した乗員の上半身に対向して前記左側の後部座席に着座した乗員の上半身から入射される赤外線に応じて、前記左側の後部座席に着座した乗員の上半身の表面温度を非接触で検出することを特徴とする。
請求項5に係る発明では、車室内の空調状態を調整する空調手段(5、6)と、
台座(72a)と、この台座上に配置されて前記車室内の前部座席に着座した乗員の上半身に対向して前記前部座席に着座した乗員の上半身から入射される赤外線に応じて、前記前部座席に着座した乗員の上半身の表面温度を非接触で検出する複数の第1熱電対部(Fr7、Fr8)と、前記台座上に配置されて前記車室内の前部サイドウインドウに対向して前記前部サイドウインドウのから入射される赤外線に応じて、前記前部サイドウインドウの表面温度を非接触で検出する複数の第2熱電対部(Fr1、Fr2)と、を有する非接触温度センサ(70a、70b、70c)と、
前記複数の第1熱電対部で検出される温度と前記複数の第2熱電対部で検出される温度とを用いて、前記空調状態を調整するように前記空調手段を制御する制御手段(8)と、を備え、
前記非接触温度センサは、前記前部座席に着座した乗員の頭部よりも車両前側に配置されており、
前記台座上で前記複数の第1熱電対部と前記複数の第2熱電対部との間には隙間(S1)が設けられており、
前記複数の第1熱電対部の並ぶ方向と前記複数の第2熱電対部が並ぶ方向とが平行になるように前記複数の第1熱電対部と前記複数の第2熱電対部とが配置されており、
前記複数の第1熱電対部および前記複数の第2熱電対部のうちいずれか一方が並ぶ方向において、前記複数の第1熱電対部と前記複数の第2熱電対部とがずれて配置されていることを特徴とする。
具体的には、請求項に記載の発明では、前記非接触温度センサ(70c)は、
右側センサチップ(72)と左側センサチップ(72)とを備え、
前記右側センサチップは、前記台座(72a)と、当該台座上に配置された前記複数の第1熱電対部および前記複数の第2熱電対部とを備え、
前記右側センサチップの前記複数の第1熱電対部は、前記車室内の右側の前記前部座席に着座した乗員の上半身に対向して前記右側の前部座席に着座した乗員の上半身から入射される赤外線に応じて、前記右側の前部座席に着座した乗員の上半身の表面温度を非接触で検出し、
前記右側センサチップの前記複数の第2熱電対部は、前記車室内の右側の前部サイドウインドウに対向して前記右側の前部サイドウインドウから入射される赤外線に応じて、前記右側の前部サイドウインドウの表面温度を非接触で検出し、
前記左側センサチップは、前記台座(72a)と、当該台座上に配置された前記複数の第1熱電対部および前記複数の第2熱電対部とを備え、
前記左側センサチップの前記複数の第1熱電対部は、前記車室内の左側の前記前部座席に着座した乗員の上半身に対向して前記左側の前部座席に着座した乗員の上半身から入射される赤外線に応じて、前記左側の前部座席に着座した乗員の上半身の表面温度を非接触で検出し、
前記左側センサチップの前記複数の第2熱電対部は、前記車室内の左側の前部サイドウインドウに対向して前記左側の前部サイドウインドウから入射される赤外線に応じて、前記左側の前部サイドウインドウの表面温度を非接触で検出することを特徴とする。
ここで、空調手段としては、請求項に記載の発明のように、車室内の空調状態を前後左右の座席毎に独立して調整するものを用いることが好ましい。
ところで、蓋が開閉可能な開閉式小物入れよりも、非接触温度センサを前側に配置すると、蓋が開いたときに、蓋により非接触温度センサの視野が塞がれる可能性がある。
そこで、請求項に記載の発明では、非接触温度センサとしては、車室内天井側において蓋(704a)が開閉可能な開閉式小物入れ(704)の車両後側に配置することにより、蓋により非接触温度センサの視野が塞がれることを未然に防止することができる。
また、車室内天井側にて操作部よりも前側に非接触温度センサを配置すると、乗員が操作部を操作するとき乗員の手により非接触温度センサの視野が塞がれる可能性がある。
そこで、請求項に記載の発明では、非接触温度センサは、車室内天井側において乗員により操作される操作部(703、705、706)の車両後側に配置されているので、乗員が操作部を操作するとき乗員の手により非接触温度センサの視野が塞がれることを未然に防止することができる。
なお、上記各手段の括弧内の符号は、後述する一実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものである。
図1、図2は本発明に係る車両用空調装置がシート空調装置を備える車両に適用された一実施形態を示したもので、本実施形態は、車室内1のうち前席側の左右、および後席側の左右に位置する空調ゾーン1a、1b、1c、1dをそれぞれ独立して空調制御する車両用空調装置に、本発明を適用したものである。
図1は、空調ゾーン1a、1b、1c、1dの配置を示す模式図であり、空調ゾーン1aは、前席空調ゾーンのうち右側に位置し、空調ゾーン1bは、前席空調ゾーンのうち左側に位置する。空調ゾーン1cは、後席空調ゾーンのうち右側に位置し、空調ゾーン1dは、後席空調ゾーンのうち左側に位置する。なお、図1中の矢印は、自動車の前後左右の方向を示すものである。
図2、図3は、本実施形態の車両用空調装置の全体構成を示す全体構成図であり、この車両用空調装置は、空調ゾーン1a、1bのそれぞれの空調状態(例えば、空気温度)を独立して調整するための前席用空調ユニット5と、空調ゾーン1c、1dのそれぞれの空調状態を独立して調整するための後席用空調ユニット6とから構成されている。前席用空調ユニット5は、計器盤7内側に配置されており、後席用空調ユニット6は、車室内1の最後方に配置されている。
前席用空調ユニット5は、車室内1に送風するためのダクト50を備えており、このダクト50には、車室内1から内気を導入するための内気導入口50a、および、車室外から外気を導入するための外気導入口50bが設けられている。
さらに、ダクト50には、外気導入口50bおよび内気導入口50aを選択的に開閉する内外気切替ドア51が設けられており、この内外気切替ドア51には、駆動手段としてのサーボモータ51aが連結されている。
また、ダクト50内のうち外気導入口50bおよび内気導入口50aの空気下流側には、車室内1に向けて吹き出される空気流を発生させる遠心式送風機52が設けられており、遠心式送風機52は、羽根車およびこの羽根車を回転させるブロアモータ52aを有して構成されている。
さらに、ダクト50内にて遠心式送風機52の空気下流側には、空気を冷却する空気冷却手段としてのエバポレータ53が設けられており、さらに、このエバポレータ53の空気下流側には、空気加熱手段としてのヒータコア54が設けられている。
そして、ダクト50内のうちエバポレータ53の空気下流側には仕切り板57が設けられており、この仕切り板57は、ダクト50内を運転席側通路50cおよび助手席側通路50dに仕切っている。
ここで、運転席側通路50cのうちヒータコア54の側方には、バイパス通路51aが形成されており、バイパス通路51aは、ヒータコア54に対してエバポレータ53により冷却された冷風をバイパスさせる。
そして、助手席側通路50dのうちヒータコア54の側方には、バイパス通路51bが形成されており、バイパス通路51bは、ヒータコア54に対してエバポレータ53により冷却された冷風をバイパスさせる。
ヒータコア54の空気上流側には、エアミックスドア55a、55bが設けられており、エアミックスドア55aは、その開度により、運転席側通路50cを流通する冷風のうちヒータコア54を通る量とバイパス通路51aとを通る量との比を調整する。このことにより、ヒータコア54を通る空気とバイパス通路51aを通る空気とが混合されることにより、空気温度が調節されることになる。なお、以下、この混合された空気を、運転席側通路50cでの混合空気という。
また、エアミックスドア55bは、その開度により、助手席側通路50dを流通する冷風のうちヒータコア54を通る量とバイパス通路51bを通る量との比を調整する。このことにより、ヒータコア54を通る空気とバイパス通路51bを通る空気とが混合されることにより、空気温度が調節されることになる。なお、以下、この混合された空気を、助手席側通路50dでの混合空気という。
ここで、エアミックスドア55a、55bには、駆動手段としてのサーボモータ550a、550bがそれぞれ連結されており、エアミックスドア55a、55bの開度は、サーボモータ550a、550bによって、それぞれ、調整される。
また、エバポレータ53は、図示しないコンプレッサ、凝縮器、受液器、減圧器とともに、周知の冷凍サイクルを構成している熱交換器であり、このエバポレータ53は、ダクト50内を流れる空気を冷却する。
ここで、コンプレッサは、当該自動車のエンジンに電磁クラッチ(図示しない)を介して連結されるものであり、このコンプレッサは、電磁クラッチを断続制御することによって駆動停止制御される。
ヒータコア54は、当該自動車のエンジン冷却水(温水)を熱源とする熱交換機であり、このヒータコア54は、エバポレータ53によって冷却された冷風を加熱する。
また、ダクト50内のうちヒータコア54の空気下流側には、フットダクト300a、分流ダクト301aが設けられており、フットダクト300a、分流ダクト301aには、運転席側通路50cでの混合空気がそれぞれ流入する。
ここで、フットダクト300a及び分流ダクト301aの空気上流部には、ダクト300a、301aのいずれか一方の流入口を開閉する吹出口切換ドア56aが設けられており、この吹出口切換ドア56aは、駆動手段としてのサーボモータ560aによって、開閉駆動される。
一方、フットダクト300aは、運転席側フット吹出口100aまで混合空気を送り、運転席側フット吹出口100bは、運転席側通路50cから運転席に着座する運転者の下半身に向けて空気を吹き出す。
分流ダクト301aには、フェイスダクト302aおよびサイドウインドウダクト303aが連通されており、フェイスダクト302aは、運転席側通路50cからの混合空気を運転席側フェイス吹出口100aまで送る。運転席側フェイス吹出口100aは、運転席側通路50cから運転席に着座する運転者の上半身に向けて空気を吹き出す。
ここで、フェイス側ダクト302a内には、電気ヒータ201a、冷却素子211aが配設されており、電気ヒータ201aは、例えばPTCヒータであって、エアコンECU8により制御されて、混合空気を暖める。冷却素子211aは、例えば、ペルチェ素子であって、エアコンECU8により制御されて、混合空気を冷やす。
一方、サイドウインドウダクト303aは、分流ダクト301aから流入される空気と後述する冷風バイパス通路304aから流入される冷風とを混合してその混合空気を運転席側サイドウインドウ吹出口100eに向けて吹き出す。
ここで、サイドウインドウダクト303a内には、電気ヒータ202aが配設されており、電気ヒータ202aは、例えばPTCヒータであって、エアコンECU8により制御されて、混合空気を暖める。
また、冷風バイパス通路304aは、運転席側通路50cに対してエバポレータ53により冷却された冷風をバイパスさせるものであり、冷風バイパス通路304aの流入口には、冷風の流入量を調整するために開閉する冷風バイパスドア58aが設けられている。
そして、冷風バイパスドア58aには、駆動手段としてのサーボモータ580aが連結されており、冷風バイパスドア58aの開度は、サーボモータ580aによって調整される。
また、ダクト50内のうちヒータコア54の空気下流側には、フットダクト300b、分流ダクト301bが設けられており、フットダクト300b、分流ダクト301bには、助手席側通路50dでの混合空気がそれぞれ流入する。
ここで、フットダクト300b及び分流ダクト301bの空気上流部には、ダクト300b、301bのいずれか一方の流入口を開閉する吹出口切換ドア57aが設けられており、この吹出口切換ドア57aは、駆動手段としてのサーボモータ570aによって、開閉駆動される。
一方、フットダクト300bは、助手席側フット吹出口100bまで混合空気を送り、助手席側フット吹出口100dは、助手席側通路50dから助手席に着座する乗員の下半身に向けて空気を吹き出す。
また、分流ダクト301bには、フェイスダクト302bおよびサイドウインドウダクト303bが連通されており、フェイスダクト302bは、助手席側通路50dからの混合空気を助手席側フェイス吹出口100dまで送る。助手席側フェイス吹出口100dは、助手席側通路50dから助手席に着座する乗員の上半身に向けて空気を吹き出す。
ここで、フェイス側ダクト302b内には、電気ヒータ201b、冷却素子211bが配設されており、電気ヒータ201bは、例えばPTCヒータであって、エアコンECU8により制御されて、混合空気を暖める。冷却素子211bは、例えば、ペルチェ素子であって、エアコンECU8により制御されて、混合空気を冷やす。
一方、サイドウインドウダクト303bは、分流ダクト301bから流入される空気と後述する冷風バイパス通路304bから流入される冷風とを混合してその混合空気を助手席側サイドウインドウ吹出口100fに向けて吹き出す。
ここで、サイドウインドウダクト303b内には、電気ヒータ202bが配設されており、電気ヒータ202bは、例えばPTCヒータであって、エアコンECU8により制御されて、混合空気を暖める。
また、冷風バイパス通路304bは、助手席側通路50dに対してエバポレータ53により冷却された冷風をバイパスさせるものであり、冷風バイパス通路304bの流入口には、冷風の流入量を調整するために開閉する冷風バイパスドア58bが設けられている。
そして、冷風バイパスドア58bには、駆動手段としてのサーボモータ580bが連結されており、冷風バイパスドア58bの開度は、サーボモータ580bによって調整される。
また、後席用空調ユニット6は、車室内1に送風するためのダクト60を備えており、このダクト60内には、車室内1から内気導入口60aを通して内気のみが導入される。
ここで、内気導入口60aの空気下流側には、車室内1に向けて吹き出される空気流を発生させる遠心式送風機62が設けられており、遠心式送風機62は、羽根車62bおよびこの羽根車62bを回転させるブロアモータ62aを有して構成されている。
さらに、ダクト60内において遠心式送風機62の空気下流側には、空気を冷却する空気冷却手段としてのエバポレータ63が設けられており、このエバポレータ63の空気下流側には、空気を加熱する空気加熱手段としてのヒータコア64が設けられている。
そして、ダクト60内のうちエバポレータ63の下流部分には仕切り板67が設けられており、この仕切り板67は、ダクト60内を運転席側通路60cおよび助手席側通路60dに仕切っている。
ここで、運転席側通路60cのうちヒータコア64の側方には、バイパス通路61aが形成されており、バイパス通路61aは、ヒータコア64に対してエバポレータ63により冷却された冷風をバイパスさせる。
そして、助手席側通路60dのうちヒータコア64の側方には、バイパス通路61bが形成されており、バイパス通路61bは、ヒータコア64に対してエバポレータ63により冷却された冷風をバイパスさせる。
ヒータコア64の空気下流側には、エアミックスドア65a、65bが設けられており、エアミックスドア65aは、その開度により、運転席側通路60cを流通する冷風のうちヒータコア64を通る量とバイパス通路61aとを通る量との比を調整する。
また、エアミックスドア65bは、その開度により、助手席側通路60dを通過する冷風のうちヒータコア64を通る量と、バイパス通路61bを通る量との比を調整する。
そして、エアミックスドア65a、65bには、駆動手段としてのサーボモータ650a、650bがそれぞれ連結されており、エアミックスドア65a、65bの開度は、サーボモータ650a、650bによって、それぞれ、調整される。
ここで、エバポレータ63は、上述のエバポレータ63に対して並列的に配管結合されるものであって、上述した周知の冷凍サイクルの一構成要素をなす熱交換器である。
ヒータコア64は、当該自動車のエンジン冷却水(温水)を熱源とする熱交換機であり、ヒータコア64は、上述のヒータコア54に対し並列的に接続されて、エバポレータ63によって冷却される冷風を加熱する。
また、ダクト60のうちヒータコア64の空気下流側には、運転席側フット吹出口100gおよび運転席側フェイス吹出口100hが設けられており、運転席側フェイス吹出口100gは、運転席側通路60cから後席の右側(すなわち、運転席の後側)に着座する乗員(以下、後部右側乗員という)の上半身に向けて空気を吹き出す。運転席側フット吹出口100gは、運転席側通路60cから後部右側乗員の下半身に向けて空気を吹き出す。
ここで、運転席側フット吹出口100gおよび運転席側フェイス吹出口100hの空気上流部には、吹出口100g、100hのいずれか一方を開閉する吹出口切換ドア66aが設けられており、この吹出口切換ドア66aは、駆動手段としてのサーボモータ660aによって、開閉駆動される。
また、ダクト60のうちヒータコア64の空気下流側には、助手席側フェイス吹出口100iおよび助手席側フット吹出口100jが開口されており、助手席側フェイス吹出口100iは、助手席側通路60dから後席の左側(すなわち、助手席の後側)に着座する乗員(以下、後部左側乗員という)の上半身に向けて空気を吹き出す。助手席側フット吹出口100jは、助手席側通路60dから後部左側乗員の下半身に向けて空気を吹き出す。
ここで、吹出口100i、100jの空気上流部には、吹出口100i、100jのいずれか一方を開閉する吹出口切換ドア66bが設けられており、この吹出口切換ドア66bは、駆動手段としてのサーボモータ660bによって、開閉駆動される。
また、図には省略されているが、ダクト60には、助手席側通路60dから後部左側乗員の下半身に空気を吹き出すフット吹出口が設けられている。このフット吹出口の空気上流部には、吹出口を開閉する吹出口切換ドアが設けられており、この吹出口切換ドアは、サーボモータによって、開閉駆動される。
また、車両用空調装置には、前席用空調ユニット5および後席用空調ユニット6をそれぞれ制御するための電子制御装置(以下、エアコンECU8という)が設けられている。
エアコンECU8には、車室外の外気温度Tamを検出する外気温度センサ81、エンジンの冷却水温度Twを検出する冷却水温度センサ82、車室内に一面にて照射される日射量Tsを検出する1素子タイプ(1Dタイプの)日射センサ83、空調ゾーン1a、1b(前側空調領域)の空気温度TrFrを検出する温度センサ84、および空調ゾーン1c、1d(後側空調領域)の空気温度TrRrを検出する温度センサ85が接続されている。
また、エアコンECU8には、エバポレータ53から吹き出される冷風空気の温度(以下、蒸発器吹出温度TeFrという)を検出する温度センサ86、エバポレータ63から吹き出される冷風空気の温度(以下、蒸発器吹出温度TeRrという)を検出する温度センサ87、空調ゾーン1a、1b、1c、1dの希望温度TsetFrDr、TsetFrPa、TsetRrDr、TsetRrPa、右側サイドウインドウの希望温度TsetFrDrが乗員により設定される温度設定スイッチ9、10、11、12、空調ゾーン1a、1c(すなわち、右側領域)の表面温度を検出するための赤外線温度センサ70a、および空調ゾーン1b、1d(すなわち、左側領域)の表面温度を検出するための赤外線温度センサ70bが接続されている。
赤外線温度センサ70a、70bは、図4に示すように、ルームランプユニット700の後壁にて車両後方に向けて配置されており、ルームランプユニット700は、車室内天井部の車両左右方向中央部(車両幅方向)にてフロントウインドウFrw側に配設されている。なお、ルームランプユニット700については後述する。
以上により、赤外線温度センサ70a、70bは、前側運転席および前側助手席に着座するそれぞれの乗員の頭部よりも車両前側になるように配置されていることになる。なお、図4中の符号Hは、前側運転席(前側助手席)が標準位置に設定されたときの乗員頭部の位置を示す
ここで、赤外線温度センサ70a、70bとしては、入力される赤外線量の変化に対応した起電力変化を温度変化として検出するサーモパイル型検出素子がそれぞれ用いられている。以下、赤外線温度センサ70a、70bの具体的な構成について図5〜図7を用いて説明する。
図5は、赤外線温度センサ70a(70b)の概略構造を示す図であり、図6は、赤外線温度センサ70aの被検温範囲を示す図であり、図7は、赤外線温度センサ70a、70bの被検温範囲の詳細を示す図である。
先ず、赤外線温度センサ70aは、図5に示すように、検知部71を有しており、検知部71は、基板71a、この基板71a上に設置されるセンサチップ72、および、このセンサチップ72を覆うように配設される赤外線吸収膜を備えている。
そして、検知部71は、カップ状の金属製ケース71cによって覆われており、ケース71cの底部には、四角形の窓71dがあけられ、この窓71dにはシリコン製のレンズ71eが填め込まれている。
ここで、赤外線吸収膜は、空調ゾーン1a、1cの検温対象物からレンズ71eを通して入射される赤外線を吸収して熱に変換する役割を果たす。
一方、センサチップ72は、台座72a上に配列される熱電対部Fr1、Fr2、Fr7、Fr8、Rr1〜Rr8を備えており、熱電対部Fr1、Fr2、Fr7、Fr8、Rr1〜Rr8は、それぞれ、赤外線吸収膜から発生する熱を電圧(電気エネルギー)にそれぞれ変換する素子である。
具体的には、熱電対部Fr1、Fr2と、熱電対部Fr7、Fr8とは、隙間S1を開けて縦2列ずつ並べられている。このことにより、熱電対部Fr1、Fr2と、熱電対部Fr7、Fr8とが、それぞれの被検温範囲の位置に対応して隙間S1を開けてそれぞれ配置されていることになる。
ここで、熱電対部Fr1、Fr2は、右側サイドウインドウに対向するもので、右側サイドウインドウから入射される赤外線に基づいて、電圧を発生する。一方、熱電対部Fr7、Fr8は、前部右側乗員の上半身に対向するもので、前部右側乗員の上半身から入射される赤外線に基づいて、電圧を発生する。
このことにより、熱電対部Fr1、Fr2は、右側サイドウインドウの表面温度を電圧として検出し、熱電対部Fr7、Fr8は、前部右側乗員の上半身の表面温度を電圧として検出することになる。
一方、熱電対部Rr1〜Rr8は、熱電対部Fr7、Fr8に対して隙間S2を開けて並べられている。このことにより、熱電対部Rr1〜Rr8と、熱電対部Fr7、Fr8とが、それぞれの被検温範囲の位置に対応して隙間k2を開けて配置されることになる。
ここで、熱電対部Rr1〜Rr8は、後部右側乗員の上半身に対向するもので、後部右側乗員の上半身だけから入射される赤外線に基づいて、電圧を発生するものである。このことにより、熱電対部Rr1〜Rr8は、後部右側乗員の表面温度を電圧として検出することになる。
一方、赤外線温度センサ70bも、赤外線温度センサ70と同様に、熱電対部Fr1、Fr2、Fr7、Fr8、熱電対部Rr1〜Rr8を備えており、熱電対部Fr1、Fr2は、助手席側サイドウインドウの表面温度を電圧として検出する。
そして、熱電対部Fr7、Fr8は、前部左側乗員の上半身の表面温度を電圧として検出し、熱電対部Rr1〜Rr8は、後部左側乗員の表面温度を電圧として検出することになる。
一方、エアコンECU8は、アナログ/デジタル変換器、マイクロコンピュータ等を有して構成される周知のものであり、センサ81、82、83、84、85、86、87およびスイッチ9、10、11、12からそれぞれ出力される出力信号は、アナログ/デジタル変換器によりアナログ/デジタル変換されてマイクロコンピュータにそれぞれ入力されるように構成されている。
マイクロコンピュータは、ROM、RAMなどのメモリ、およびCPU(中央演算装置)等から構成される周知のもので、イグニッションスイッチがオンされたときに、図示しないバッテリから電力供給される。
次に、ルームランプユニット700の具体的な構成について図4を用いて説明すると、ルームランプユニット700は、ケース701、ランプ702、ランプスイッチ703、サングラスホルダー704、ETC機器705、およびカードホルダ706を有して構成されている。
ケース701は、天井面から下側に配置されて、ランプ702及びETC機器705を収納している。ランプ702は、車室内を照明するためのものであり、ETC機器705は、アンテナを通して路上機と無線通信して、通行料金の徴収を行うものである。
ランプスイッチ703は、ケース701の下側に配置されて、ランプ702の点灯、消灯のための操作されるスイッチである。サングラスホルダー704は、蓋704aを開閉可能に構成されて、ケース701の中空部内にケース下側からサングラス等の小物を収納するための小物入れである。なお、図4中の矢印Kは、蓋704aの開閉範囲を示す。また、符号MRはムーンルーフを示す。
次に、本実施形態の車両用空調装置の作動について図8〜図15を用いて説明する。図8は、エアコンECU8の自動空調制御処理を示すフローチャートである。図9は、後述する右側日射補正割合fl(左側日射補正割合fl)と温度差ΔTとの関係を示すグラフである。温度差ΔTは、左側サイドウインドウの表面温度と右側サイドウインドウの表面温度の温度差である。図14、図15は、図8中の電気ヒータ/冷却素子の制御処理(S155)の詳細を示すフローチャートである。
エアコンECU8のマイクロコンピュータは、図7に示すフローチャートにしたがって、メモリに記憶されるコンピュータプログラムを実行する。
先ず、RAMに記憶されるデータなどをリセット(初期化)すると(S100)、センサ81、82、83、84、85、86、87の検出信号をアナログ/デジタル変換したデジタル信号(Tam、Tw、Ts、TrFr、TrRr、TeFr、TeRr、dirF1〜dirF8、dirR1〜dirR8)を読み込む。
これに加えて、温度設定スイッチ9、10、11、12により設定される希望温度(TsetFrDr、TsetFrPa、TsetRrDr、TsetRrPa)を読み込む。
次に、このように読み込んだデジタル信号、および、希望温度を用いて、空調ゾーン1a、1b、1c、1dに吹き出す空気の目標吹出温度を、メモリに予め記憶される数式1〜4に基づいて、空調ゾーン毎に演算する(S110)。
先ず、前席右側の空調ゾーン1aの目標吹出温度TAOFrDrとしては、数式1を用いて算出する。
TAOFrDr=KsetFrDr×TsetFrDr
−Kir×FrDrTir−KrFr×TrFr
−KsFr×TsFrDr−Kam×Tam+CFrDr…(数式1)
具体的には、赤外線温度センサ70aの熱電対部Fr7、Fr8により検出される温度dirF7、dirF8の平均値{=(dirF7+dirF8)/2}を求めるとともに、この求められる平均値を、前席右側の乗員(運転者)の表面温度FrDrTirとする。
次に、図9の特性図を用いて右側領域に入射される日射量TsFrDrを求める。
すなわち、赤外線温度センサ70aの熱電対部Fr1〜Fr4により検出される温度dirF1、dirF2の平均値{=(dirF1+dirF2)/2}を求めるとともに、この求められる平均値を右側サイドウインドウの検出温度とする。
さらに、赤外線温度センサ70bの熱電対部Fr1、Fr2により検出される温度dirF1、dirF2の平均値{=(dirF1+dirF2)/2}を求めるとともに、この求められる平均値を左側サイドウインドウの検出温度とする。
その後、右側サイドウインドウの検出温度と左側サイドウインドウの検出温度との温度差ΔTを求めるとともに、この求められた温度差ΔTと図9とに基づき、右側日射補正割合fl、左側日射補正割合flを求める。
ここで、右側日射補正割合flは、車室内に照射される日射量のうち、右側領域に照射される日射量の割合を示す値であり、左側日射補正割合flは、車室内に照射される日射量のうち、左側領域にて照射される日射量の割合を示す値である。
そして、右側日射補正割合flは、温度差ΔTが中間領域(−0、5<ΔT、0、5)にあるときには、一定値となり、温度差ΔT>中間領域のときには、温度差ΔTに比例して大きくなり、温度差ΔT<中間領域のときには、温度差ΔTに比例して小さくなる。
一方、左側日射補正割合flは、温度差ΔTが中間領域(−0、5<ΔT、0、5)にあるときには、一定値となり、温度差ΔT<中間領域のときには、温度差ΔTに比例して大きくなり、温度差ΔT>中間領域のときには、温度差ΔTに比例して小さくなる。
以上のように右側日射補正割合fl及び左側日射補正割合flを求めると、
日射センサ83に検出される日射量Tsと右側日射補正割合flを掛けてその乗算値Ts×flを日射量TsFrDrとする。一方、日射センサ83に検出される日射量Tsと左側日射補正割合flを掛けてその乗算値Ts×flを日射量TsFrPaとする。
このように、乗員の表面温度FrDrTir、日射量TsFrDrを求めると、この求められる表面温度FrDrTir、日射量TsFrDrとともに、希望温度TsetFrDr、前側空調領域の空気温度TrFr、および外気温度Tamを数式1に代入して目標吹出温度TAOFrDrを求める。
なお、数式1中のKsetFrDr、Kir、KrFr、KsFr、Kamは、係数であり、CFrDrは定数である。
次に、後席右側の空調ゾーン1cの目標吹出温度TAORrDrとして、数式2を用いて算出する。
TAORrDr=KsetRrDr×TsetRrDr
−Kir×RrDrTir−KrRr×TrRr
−KsRr×TsRrDr−Kam×Tam+CRrDr…(数式2)
具体的には、赤外線温度センサ70aの熱電対部Rr1〜Rr8により検出される温度dirR1〜dirR8の平均値{=(dirR1+dirR2+dirR3…+dirR7+dirF8)/8}を求めるとともに、この求められる平均値を乗員の表面温度RrDrTirとする。
そして、日射量TsRrDrとしては、上述のごとく求めた日射量TsFrDrと同一値を用いて、この日射量TsRrDrおよび表面温度RrDrTirとともに、希望温度TsetRrDr、後側空調領域の空気温度TrRr、外気温Tamを数式2に代入して目標吹出温度TAORrDrを求める。
なお、数式2中のKsetRrDr、Kir、KrRr、KsRr、Kamは、補正係数であり、CRrDrは常数である。
次に、前席左側の空調ゾーン1bの目標吹出温度TAOFrPaとしては、数式3を用いて算出する。
TAOFrPa=KsetFrPa×TsetFrPa
−Kir×FrPaTir−KrFr×TrFr
−KsFr×TsFrPa−Kam×Tam+CFrPa…(数式3)
具体的には、赤外線温度センサ70bの熱電対部Fr7、Fr8により検出される温度dirF7、dirF8の平均値{=(dirF7+dirF8)/2}を求めるとともに、この求められる平均値を、前席左側の乗員(助手席者)の表面温度FrPaTirとする。
そして、この表面温度FrPaTirおよび上述の如く求めた日射量TsFrPaとともに、希望温度TsetFrPa、前側空調領域の空気温度TrFr、外気温Tamを数式3に代入して目標吹出温度TAOFrPaを求める。
なお、数式3中のKsetFrPa、Kir、KrFr、KsFr、Kamは、係数であり、CFrPaは定数である。
次に、後席左側の空調ゾーン1dの目標吹出温度TAORrPaとして、数式4を用いて算出する。
TAORrPa=KsetRrPa×TsetRrPa
−Kir×RrPaTir−KrRr×TrRr
−KsRr×TsRrPa−Kam×Tam+CRrPa…(数式4)
この場合、赤外線温度センサ70bの熱電対部Rr1〜Rr8により検出される温度dirR1〜dirR8の平均値{=(dirR1+dirR2+dirR3…+dirR7+dirF8)/8}を求めるとともに、この求められる平均値を乗員の表面温度RrPaTirとする。
そして、日射量TsPaDrとしては、上述のごとく求めた日射量TsFrPaと同一値を用いて、この日射量TsPaDrおよび表面温度RrPaTirとともに、希望温度TsetRrPa、後側空調領域の空気温度TrRr、外気温Tamを数式4に代入して目標吹出温度TAORrPaを求める。
なお、数式4中のKsetRrPa、Kir、KrRr、KsRr、Kamは、補正係数であり、CRrPaは常数である。
次に、メモリに予め記憶される数式5に基づいて、上述のごとく算出される空調ゾーン毎の目標吹出温度(TAOFrDr、TAORrDr、TAOFrPa、TAORrPa)を用いて、エアミックスドア55a、55b、65a、65bのそれぞれの開度SW_fr、SW_fl、SW_rr、SW_rlを算出する。
SW_i={(TAO_i−Te)/(Tw−Tei)}×100(%)
…(数式5)
ここで、iは添字fr、fl、rr、rlのいずれかを表し、添字frは空調ゾーン1a、添字flは空調ゾーン1c、添字rrは空調ゾーン1b、添字rlは空調ゾーン1dを示す。
そして、目標吹出温度TAOFrDr、TAOFrPaのうち一方を求めるときには、Teiとして蒸発器吹出温度TeFrを用いる一方、目標吹出温度TAORrDr、TAORrPaのうち一方を求めるときには、Teiとして蒸発器吹出温度TeRrを用いる。
ここで、この決定される開度SW_fr、SW_fl、SW_rr、SW_rlに基づき、サーボモータ550a、550b、650a、650bを制御して、エアミックスドア55a、55b、65a、65bの個々を駆動する(S120)。
これに伴って、エアミックスドア55a、55b、65a、65bのそれぞれの開度が、開度SW_fr、SW_fl、SW_rr、SW_rlに近づくようなる。
次に、メモリに予め記憶される図10の特性、および目標吹出温度(TAOFrDr、TAORrDr、TAOFrPa、TAORrPa)を用いて、空調ゾーン1a、1b、1c、1dにそれぞれ必要なブロア電圧(VM_fr、VM_fl、VM_rr、VM_rl)(すなわち、空調ゾーン1a、1b、1c、1dにそれぞれに必要な風量)を算出する。
ここで、メモリに予め記憶される下記の数式6を用いて、空調ゾーン1a、1bのそれぞれに必要なブロア電圧VM_fr、VM_flを平均化して前席空調ゾーンにそれぞれ必要なブロア電圧VMFを算出する。
VMF=(VM_fr+VM_fl)/2……(数式6)
このようにブロア電圧VMFを算出すると、このブロア電圧VMFをブロアモータ52aに印加する(S130)。これに伴い、遠心式送風機52が、空気流を発生させることになる。
また、メモリに予め記憶される下記の数式7を用いて、空調ゾーン1c、1dのそれぞれに必要なブロア電圧VM_rr、VM_rlを平均化して後席空調ゾーンにそれぞれ必要なブロア電圧VMRを算出する。
VMR=(VM_rr+VM_rl)/2……(数式7)
このようにブロア電圧VMRを算出すると、このブロア電圧VMRをブロアモータ62bに印加する。これに伴い、遠心式送風機62が、空気流を発生させることになる。
次に、メモリに予め記憶される図11の特性、および目標吹出温度(TAOFrDr、TAORrDr、TAOFrPa、TAORrPa)を用いて、フットモード(FOOT)、バイレベルモード(B/L)、フェイスモード(FACE)のうち1つのモードを吹出口モードとして空調ゾーン毎に決める(S140)。
ここで、フェイスモードとは、フェイス吹出口だけから空調風を吹き出すモードであり、フットモードとは、フット吹出口だけから空調風を吹き出すモードであり、バイレベルモードとは、フェイス吹出口およびフット吹出口から空調風を吹き出すモードである。また、前席用空調ユニット5では、フェイスモードが吹出口モードとして決められたときには、サイドウインドウ吹出口からも空調風を吹き出す。
そして、空調ゾーン毎に吹出口モードを決定すると、それぞれのサーボモータ560a、570a、660a、670aを空調ゾーン毎に制御して、空調ゾーン毎にこの決定される吹出口モードとなるように吹出口切換ドア56a、57a、66a、67aをそれぞれ開閉させる。
例えば、空調ゾーン1aにてフットモードが決定されると、サーボモータ560aを制御して、分流ダクト301aの流入口を全閉し、フットダクト300を全開する。一方、空調ゾーン1aにてフェイスモードが決定されると、サーボモータ560aを制御して、分流ダクト301aの流入口を全開し、フットダクト300を全閉する。そして、バイレベルモードが決定されると、サーボモータ560aを制御して、分流ダクト301aおよびフットダクト300の双方の流入口を開ける。
次に、メモリに予め記憶される図12の特性、および目標吹出温度(TAOFrDr、TAOFrPa)を用いて、前席用空調ユニット5の内外気切換ドア51の目標開度SW1を求める。
すなわち、目標吹出温度の平均値TAOav{=(TAOFrDr+TAOFrPa)/2}を求めるとともに、メモリに予め記憶される図12の特性に基づき、平均値TAOavに対応する内外気切換ドア51の目標開度SW1を求めることになる。
なお、本実施形態では、内気導入口50aを全閉し、外気導入口50bを全開する場合を目標開度SW1=100%とし、内気導入口50aを全開し、外気導入口50bを全閉する場合を目標開度SW1=0%とする。
このように目標開度SW1を決定すると、この目標開度SW1に基づき、サーボモータ51aを制御して、内外気切換ドア51の開度を目標開度SW1に近づけるようにする(S150)。
次に、メモリに予め記憶される図13の特性、および希望温度TsetFrDr、TsetFrPa、右側サイドウインドウの検出温度(以下、検出温度TswDrという)および左側サイドウインドウの検出温度(以下、検出温度TswPaという)に基づき、冷風バイパスドア58a、58bの目標開度RH1、RH2を求める。
先ず、希望温度TsetFrDrと右側サイドウインドウの検出温度TswDrとの温度差ΔTk(TsetFrDr−TswD)を求めるとともに、この求められる温度差ΔTkと図13の特性とから冷風バイパスドア58aの目標開度RH1を求める。
一方、希望温度TsetFrPaと左側サイドウインドウの検出温度TswPaとの温度差ΔTk(TsetFrPa−TswPa)を求めるとともに、この求められる温度差ΔTkと図13の特性とから冷風バイパスドア58bの目標開度RH2を求める。
なお、図13の特性では、温度差ΔTkが大きくなるにつれて、目標開度RH1(RH2)が大きくなる。また、本実施形態では、冷風バイパス通路304a(304b)の流入口を全開する場合を目標開度RH1(RH2)=100%とし、冷風バイパス通路304a(304b)の流入口を全閉する場合を目標開度RH1(RH2)=0%とする。
このように求められた目標開度RH1、RH2を求めると、この目標開度RH1、RH2に基づき、サーボモータ580a、580bを制御して、冷風バイパスドア58b、58bの開度を目標開度RH1、RH2に近づけるようにする(S154)。
次に、電気ヒータ/冷却素子の制御処理を行う(S154)。以下、運転席側の電気ヒータ/冷却素子の制御処理について図14、図15のフローチャートを用いて説明すると、先ず、右側サイドウインドウの検出温度TswDrおよびグラフG1に基づいて、次に進むべき処理を判定する。なお、図14、図15では、希望温度TsetFrDr、TsetFrPaとしては、例えば23℃が、用いられている。
すなわち、検出温度TswDrが22.5(=TsetFrDr−0.5)℃未満のとき、S1512に進み、検出温度TswDrが22.5℃以上で、かつ23.5(=TsetFrDr+0.5)℃未満のとき、S1514に進み、検出温度TswDrが22.5℃以上のとき、S1513に進む。
先ず、S1513の処理においては、温度差ΔTk(検出温度TswDr−希望温度TsetFrDr)およびグラフG2に基づき、冷風バイパスドア58aの目標開度の補正量Δrhを求める。
ここで、グラフG2によれば、温度差ΔTkが零未満のとき補正量Δrhは零のままで、温度差ΔTkが零以上のとき、温度差ΔTkが高くなるにつれて、補正量Δrhは大きくなる。このような補正量Δrhを求めると、RH1+Δrhを目標開度として、サーボモータ580aを制御して、補正量Δrh分だけ冷風バイパスドア58aの開度を調整する。このことにより、冷風バイパス通路304aに流れ込む風量が調整される。その後、S1514に進む。
一方、S1512の処理においては、温度差ΔTk(検出温度TswDr−希望温度TsetFrDr)およびグラフG3に基づき、電気ヒータ202aに流す電流値を求める。
ここで、グラフG3によれば、温度差ΔTkが零未満のとき、温度差ΔTkが低くなるにつれて、電流値は大きくなる。このようなグラフG3から電流値を求め、この求めた電流値を電気ヒータ202aに通電した場合には、電気ヒータ202aが当該電流値に基づきサイドウインドウダクト303a内の通風空気を暖める。
その後、S1514に進むと、前席右側乗員の表面温度FrDrTirおよびグラフG4から次に進むべき処理を判定する。
すなわち、表面温度FrDrTirが22.5(=TsetFrDr−0.5)℃未満のとき、処理を終了して、表面温度FrDrTirが22.5℃以上で、かつ23.5(=TsetFrDr+0.5)℃未満のとき、S1515に進み、表面温度FrDrTirが23.5℃以上のとき、S1516に進む。
先ず、S1515においては、表面温度FrDrTirと希望温度TsetFrDrとの温度差ΔTDr(FrDrTir−TsetFrDr)と、グラフG5から冷却素子211aに流す電流量を求める。
ここで、グラフG5によれば、冷却素子211aに流す電流量は、温度差ΔTDrが零未満のとき、零のままで、温度差ΔTDrが零以上のとき、温度差ΔTDrが大きくなるにつれて、大きくなる。このようなグラフG5から電流値を求め、この求めた電流値を冷却素子211aに通電した場合には、冷却素子211aが当該電流値に基づきフェイス側ダクト302a内の通風空気を冷やすことになる。
一方、S1516においては、温度差ΔTDr(FrDrTir−TsetFrDr)と、グラフG6から電気ヒータ201aに流す電流量を求める。
ここで、グラフG6によれば、電気ヒータ201aに流す電流量は、温度差ΔTDrが零以上のとき、零のままで、温度差ΔTDrが零未満のとき、温度差ΔTDrが小さくなるにつれて、大きくなる。このようなグラフG6から電流値を求め、この求めた電流値を電気ヒータ201aに通電した場合には、電気ヒータ201aが当該電流値に基づきフェイス側ダクト302a内の通風空気を暖めることになる。
また、助手席側の冷風バイパスドア58bの開度調整、および電気ヒータ201b、202b、冷却素子211bの通電制御についても、運転席側の冷風バイパスドア58aの開度調整(S1513)、および電気ヒータ201a、202a、冷却素子211aの通電制御(S1512、S1515、S1516)の場合と実質的同様に、行う。
次に、蒸発器吹出温度TeFr、TeRrを一定温度に近づけるように自動車のエンジン及びコンプレッサの間に連結される電磁クラッチを断続制御する(S160)。これに伴い、冷凍サイクル内を流れる冷媒の流量が制御されて、エバポレータ53、63の冷却性能が調整されることになる。
その後、一定期間経過すると(S170:YES)、S110に移行して、目標吹出温度算出処理(S110)、エアミックスドア制御処理(S120)、ブロア制御処理(S130)、吹出口モード切替制御処理(S150)、冷風バイパス制御処理(S154)、電気ヒータ/冷却素子の制御処理(S155)、コンプレッサ制御処理(S160)が繰り返されることになる。
以上により、前席用空調ユニット5において、内気導入口50aおよび外気導入口50bの少なくとも一方からダクト50内に空気が導入される。この導入される空気は、エバポレータ53を通過する際に冷媒と熱交換されて冷却されて、運転席側通路50c、助手席側通路50d、冷風バイパス通路304a、304bに流入される。
ここで、運転席側通路50cでは、エアミックスドア55aによって、ヒータコア54を通過する空気量とバイパス通路51aを通過する空気量との割合が調節される。その後、ヒータコア54を通過する空気とバイパス通路51aを通過する空気とが混合される。
このことにより、運転席側通路50c内を流れる空気温度が調節されることになる。その後、この温度調節される空気が、上述のように決定される空調ゾーン1aの吹出口モードに対応して開口されている吹出口から吹き出される。
また、助手席側通路50dでは、エアミックスドア55bによって、ヒータコア54を通過する空気量とバイパス通路51bを通過する空気量との割合が調節される。その後、ヒータコア54を通過する空気とバイパス通路51bを通過する空気とが混合される。
このことにより、助手席側通路50d内を流れる空気温度が調節されることになる。その後、この温度調節される空気が、上述のように決定される空調ゾーン1bの吹出口モードに対応して開口されている吹出口から吹き出される。
また、後席用空調ユニット6においては、内気導入口60aからダクト60内に空気が導入されて、この導入される空気は、エバポレータ63を通過する際に冷媒と熱交換されて冷却されて、運転席側通路60c、助手席側通路60dに流入される。
ここで、運転席側通路60cでは、エアミックスドア65aによって、ヒータコア64を通過する空気量とバイパス通路61aを通過する空気量との割合が調節される。その後、ヒータコア64を通過する空気とバイパス通路61aを通過する空気とが混合される。
このことにより、運転席側通路60c内の通風空気の温度が調節されて、この温度調整された空気が運転席側フット吹出口100a、運転席側フェイス吹出口100b、運転席側サイドウインドウ吹出口100eのいずれかから吹き出されることになる。
ここで、冷風バイパス通路304aに流れ込む風量が調整されたり、電気ヒータ202aによりサイドウインドウダクト303a内の通風空気を暖めたりすることにより、運転席側サイドウインドウ吹出口100eから吹き出される空気温度が調整されることになる。
一方、電気ヒータ201aに通電したり、冷却素子211bに通電することにより、運転席側フェイス吹出口100bから吹き出される空気温度が調整されることになる。
以上により、運転席側フェイス吹出口100b、運転席側サイドウインドウ吹出口100e、運転席側フット吹出口100aから吹き出される空気の温度が独立して調整されることになる。
また、助手席側通路60dでは、エアミックスドア65bによって、ヒータコア64を通過する空気量とバイパス通路61bを通過する空気量との割合が調節されて、この温度調整された空気が助手席側フット吹出口100c、助手席側フェイス吹出口100d、助手席側サイドウインドウ吹出口100fのいずれかから吹き出されることになる。
この場合も、冷風バイパス通路304bに流れ込む風量が調整されたり、電気ヒータ202bによりサイドウインドウダクト303b内の通風空気を暖めたりすることにより、助手席側サイドウインドウ吹出口100fから吹き出される空気温度が調整されることになる。
一方、電気ヒータ201bに通電したり、冷却素子211bに通電することにより、助手席側フェイス吹出口100dから吹き出される空気温度が調整されることになる。
以上により、助手席側サイドウインドウ吹出口100f、助手席側フェイス吹出口100d、助手席側フット吹出口100cから吹き出される空気の温度が独立して調整されることになる。
次に、本実施形態の作用効果について説明する。すなわち、本実施形態の車両用空調装置は、車室内の空調ゾーン1a、1b、1c、1dの空調状態(例えば、吹出空気温度、送風量)を独立して調整する空調ユニット5、6と、前記車室内にて、右側サイドウインドウ、前部右側乗員の上半身、および後部右側乗員の上半身の表面温度をそれぞれ非接触で検出する熱電対部Fr1、FR2、FR7、Fr8、Rr1〜Rr8を有する赤外線温度センサ70aと、左側サイドウインドウ、前部左側乗員の上半身、および後部左側乗員の上半身の表面温度をそれぞれ非接触で検出する熱電対部Fr1、Fr2、Fr7、Fr8、Rr1〜Rr8を有する赤外線温度センサ70bと、赤外線温度センサ70a、70bでそれぞれ検出される温度を用いて、空調ゾーン1a、1b、1c、1dの空調状態を独立して調整するように空調ユニット5、6を制御するエアコンECU8と、を備えている。
ここで、赤外線温度センサ70aにおいては、熱電対部Fr1、Fr2、熱電対部Fr7、Fr8、熱電対部Rr1〜Rr8が、右側サイドウインドウ、前部右側乗員の上半身、および後部右側乗員の上半身のうち対応する検温範囲の表面温度だけを検出するように隙間S1、S2を開けてそれぞれ配置されていることを特徴とする。
以上により、赤外線温度センサ70a(70b)においては、右側サイドウインドウ(左側サイドウインドウ)、前部右側乗員の上半身(前部左側乗員の上半身)、および後部右側乗員の上半身(後部左側乗員の上半身)以外の範囲の表面温度を検出する熱電対部、すなわち、余分な熱電対部を採用する必要が無くなるので、熱電対部の数を減らすことができる。これに伴い、赤外線温度センサ70a(70b)、ひいては、車両用空調装置のコストを低減させることが可能になる。
また、サングラスホルダー704が、赤外線温度センサ70a、70bよりも前側に配置されていると、サングラスホルダー704の蓋704aを開けたとき、蓋704aにより赤外線温度センサ70a、70bの視野が塞がれて、赤外線温度センサ70a、70bが乗員やサイドウインドウなどの表面温度を検出できなくなる可能性がある。
これに対して、本実施形態では、赤外線温度センサ70a、70bは、サングラスホルダー704の後方に配置されている。したがって、サングラスホルダー704の蓋704aを開けたときにこの蓋704aにより赤外線温度センサ70a(70b)の視野が塞がれてしまうことを未然に防止することができる。
また、ルームランプユニット700には、サングラスホルダー704以外にも、ランプスイッチ703、ETC機器705、およびカードホルダ706が設けられている。
ここで、例えば、ランプスイッチ703、ETC機器705、およびカードホルダ706よりも、赤外線温度センサ70a、70bを前側に配置すると、乗員が、ランプスイッチ703、ETC機器705、およびカードホルダ706のいずれかを操作するとき、その乗員の手により、赤外線温度センサ70a、70bの視野が塞がれる可能性がある。
これに対して、本実施形態では、ランプスイッチ703、ETC機器705、およびカードホルダ706よりも、赤外線温度センサ70a、70bを後側に配置している。このため、乗員が、ランプ702、ランプスイッチ703、ETC機器705、およびカードホルダ706のいずれかを操作するとき、その乗員の手により、赤外線温度センサ70a(70b)の視野が塞がれてしまうことを未然に防止することができる。
また、サイドウインドウ吹出口100e、100dからサイドウインドウに向けて空調風を吹き出しているので、サイドウインドウから冷輻射されて、乗員の肩、膝などが寒くなることを未然に防止することができる。
なお、前部座席が前後方向の標準位置に設定されているとき、赤外線温度センサ70a、70bとしては、乗員の頭部よりも、前側に位置するように配置されているため、赤外線温度センサ70a、70bとしては、前部座席の乗員(運転者、助手席者)の表面温度を検出することが可能になる。
(第2実施形態)
上述の第1の実施形態では、運転席側サイドウインドウ、前部右側席の乗員、および後部右側席の乗員等を含む右側被被検温範囲の表面温度と、助手席側サイドウインドウ、前部左側席の乗員、および後部左側席の乗員等を含む左側被被検温範囲の表面温度のそれぞれを検出するのに、個々にレンズを備える赤外線温度センサ70a、70bを用いる例を示したが、本第2実施形態では、1つの赤外線温度センサ70cで、右側被被検温範囲の表面温度と、左側被被検温範囲の表面温度のそれぞれを検出する。この場合の赤外線温度センサ70cの概略構成を図16に示す。
図16において、赤外線温度センサ70cは、運転席側サイドウインドウ、前部右側席乗員の上半身、および後部右側席乗員の上半身のそれぞれから赤外線が入射される右側レンズ802(図17参照)と、前記右側レンズ802に入射される赤外線に基づいて、運転席側サイドウインドウ、前部右側席乗員の上半身、および前記後部右側席乗員の上半身のそれぞれの表面温度を検出する右側センサチップ72とを備えている。
さらに、赤外線温度センサ70cは、助手席側サイドウインドウ、前部左側席乗員の上半身、および後部左側席乗員の上半身それぞれから赤外線が入射される左側レンズ802と(図17参照)、左側レンズ802に入射される赤外線に基づいて、助手席側サイドウインドウ、前部左側席乗員、および、後部左側席乗員のそれぞれの表面温度をそれぞれ検出する左側センサチップ72と、を備えている。
また、赤外線温度センサ70cには、右側センサチップ72及び左側センサチップ72からの出力信号を信号処理してコネクタ800を介してエアコンECU8に出力する回路装置801が設けられている。なお、符号Reはレンズ802への赤外線の入射範囲、符号Ueは、赤外線温度センサ70cの非被検温範囲である。
ここで、右側被被検温範囲の表面温度と、左側被被検温範囲の表面温度とを1つのレンズを用いて温度検出する赤外線温度センサを用いると、この1つのレンズとしては、広角度の範囲から赤外線を集める必要があるので、広角レンズを必要として、コスト高を招く。
これに対して、本実施形態によれば、右側被被検温範囲の表面温度と、左側被被検温範囲の表面温度とのそれぞれに対してレンズを採用しているので、レンズ単体としては、広角範囲からの赤外線が入射される高機能なレンズを用いる必要が無く、安価なレンズを用いることが可能になる。
(第3実施形態)
上述の第2実施形態では、センサチップ72で、前席乗員、後席乗員だけでなく、サイドウインドウの表面温度を検出する例について説明したが、これに代えて、本第3実施形態では、センサチップ72で、前席乗員の表面温度、後席乗員の表面温度だけを検出する。
具体的には、図18に示すように、赤外線温度センサ70cは、前部右側席乗員の上半身、および後部右側席乗員の上半身のそれぞれから赤外線が入射される右側レンズ802と、前記右側レンズ802に入射される赤外線に基づいて、前部右側席乗員の上半身、および前記後部右側席乗員の上半身のそれぞれの表面温度を検出する右側センサチップ72とを備えている。なお、図18中の符号Reは、センサチップ72の視野角を示し、符号Veは、センサチップ72の非検温範囲を示す。
さらに、赤外線温度センサ70cは、前部左側席乗員の上半身、および後部左側席乗員の上半身それぞれから赤外線が入射される左側レンズ802と(図17参照)、左側レンズ802に入射される赤外線に基づいて、前部左側席乗員、および、後部左側席乗員のそれぞれの表面温度をそれぞれ検出する左側センサチップ72と、を備えている。
(その他の実施形態)
上述の実施形態では、赤外線温度センサとして、サーモパイル型検出素子を用いたセンサを例示したが、温度係数の大きな抵抗で構成されたボロメータ型検出素子を用いたセンサや、他の形式の赤外線センサを用いることもできる。
以下、上記実施形態と特許請求項の範囲の構成との対応関係について説明すると、前席用空調ユニット5、後席用空調ユニット6が、「車室内の空調状態を調整する空調手段」に相当し、熱電対部Fr1〜Fr8、Rr1〜Rr8が、「車室内の複数の被検温範囲の表面温度をそれぞれ非接触で検出する各検出素子」に相当し、赤外線温度センサ70a、70bが非接触温度センサに相当し、エアコンECU8が、「各検出素子でそれぞれ検出される温度を用いて空調状態を調整するように空調手段を制御する制御手段」に相当し、第2実施形態に記載の右側センサチップが、請求項3に記載の「右側レンズに入射される赤外線に基づいて、前記複数の右側被検温範囲のそれぞれの表面温度をそれぞれ検出する右側検出部」に相当し、第2実施形態に記載の左側センサチップ72が請求項3に記載の「左側レンズに入射される赤外線に基づいて、前記複数の左側被検温範囲のそれぞれの表面温度をそれぞれ検出する」に相当する。
また、第2実施形態に記載の右側レンズ802が、「複数の右側被検温範囲のそれぞれから赤外線が入射される右側レンズ」に相当し、第2実施形態に記載の左側レンズ802が、「複数の左側被検温範囲のそれぞれから赤外線が入射される左側レンズ」に相当する。
本発明に係る車両用空調装置の一実施形態の概略を示す模式図である。 図1の車両用空調装置の概略構成の一部を示す模式図である。 図1の車両用空調装置の概略構成の残りを示す模式図である。 図2の非接触温度センサの配置を示す図である。 図2の赤外線温度センサの構成を示す図である。 図2の赤外線温度センサの被検温範囲を示す図である。 図2の赤外線温度センサの被検温範囲を示す図である。 図2の赤外線温度センサのセンサセルの選択を示す図である。 上記第1実施形態にて日射量を算出するための特性図である。 図2のエアコンECUにてブロア電圧を決めるための特性図である。 図2のエアコンECUにて内外気モードを決めるための特性図である。 図2のエアコンECUにて吹出モードを決めるための特性図である。 図2のエアコンECUにて冷風バイパスドアの開度を決めるための特性図である。 図2のエアコンECUの処理の一部を示すフローチャートである。 図2のエアコンECUの処理の残りを示すフローチャートである。 本発明の第2実施形態における赤外線温度センサの構成を示す図である。 上記第2実施形態における赤外線温度センサの被検温範囲を示す図である。 本発明の第3実施形態における赤外線温度センサの被検温範囲を示す図である。
符号の説明
1a、1b、1c、1d…空調ゾーン、6…後席用空調ユニット、
8…エアコンECU、
70a、70b…赤外線温度センサ。

Claims (9)

  1. 車室内の空調状態を調整する空調手段(5、6)と、
    台座(72a)と、この台座上に配置されて前記車室内の前部座席に着座した乗員の上半身に対向して前記前部座席に着座した乗員の上半身からから入射される赤外線に応じて、前記前部座席に着座した乗員の上半身の表面温度を非接触で検出する複数の第1熱電対部(Fr7、Fr8)と、前記台座上に配置されて前記車室内の後部座席に着座した乗員の上半身に対向して前記後部座席に着座した乗員の上半身から入射される赤外線に応じて、前記後部座席に着座した乗員の上半身の表面温度を非接触で検出する複数の第2熱電対部(Rr1〜Rr8)と、を有する非接触温度センサ(70a、70b、70c)と、
    前記複数の第1熱電対部で検出される温度と前記複数の第2熱電対部で検出される温度とを用いて、前記空調状態を調整するように前記空調手段を制御する制御手段(8)と、を備え、
    前記非接触温度センサは、前記前部座席に着座した乗員の頭部よりも車両前側に配置されており、
    前記台座上で前記複数の第1熱電対部と前記複数の第2熱電対部との間には隙間(S2)が設けられており、
    前記第1熱電対部の個数よりも前記第2熱電対部の個数の方が多いことを特徴とする車両用空調装置。
  2. 前記複数の第1熱電対部(Fr7、Fr8)は、前記複数の第1熱電対部、前記隙間、および前記複数の第2熱電対部の並び方向に直交する方向に偏って配置されていることを特徴とする請求項1に記載の車両用空調装置。
  3. 前記複数の第1熱電対部、前記隙間、および前記複数の第2熱電対部の並び方向に直交する方向において前記複数の第2熱電対部の検出範囲が前記複数の第1熱電対部の検出範囲よりも大きくなるように前記複数の第2熱電対部が配置されていることを特徴とする請求項1または2に記載の車両用空調装置。
  4. 前記非接触温度センサ(70c)は、右側センサチップ(72)および左側センサチップ(72)を備え、
    前記右側センサチップは、前記台座と、当該台座上に配置された前記複数の第1熱電対部および前記複数の第2熱電対部とを備え、
    前記右側センサチップの前記複数の第1熱電対部は、前記車室内の右側の前記前部座席に着座した乗員の上半身に対向して前記右側の前部座席に着座した乗員の上半身から入射される赤外線に応じて、前記右側の前部座席に着座した乗員の上半身の表面温度を非接触で検出し、
    前記右側センサチップの前記複数の第2熱電対部は、前記車室内の右側の前記後部座席に着座した乗員の上半身に対向して前記右側の後部座席に着座した乗員の上半身から入射される赤外線に応じて、前記右側の後部座席に着座した乗員の上半身の表面温度を非接触で検出し、
    前記左側センサチップは、前記台座と、当該台座上に配置された前記複数の第1熱電対部および前記複数の第2熱電対部とを備え、
    前記左側センサチップの前記複数の第1熱電対部は、前記車室内の左側の前記前部座席に着座した乗員の上半身に対向して前記左側の前部座席に着座した乗員の上半身から入射される赤外線に応じて、前記左側の前部座席に着座した乗員の上半身の表面温度を非接触で検出し、
    前記左側センサチップの前記複数の第2熱電対部は、前記車室内の左側の前記後部座席に着座した乗員の上半身に対向して前記左側の後部座席に着座した乗員の上半身から入射される赤外線に応じて、前記左側の後部座席に着座した乗員の上半身の表面温度を非接触で検出することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1つに記載の車両用空調装置。
  5. 車室内の空調状態を調整する空調手段(5、6)と、
    台座(72a)と、この台座上に配置されて前記車室内の前部座席に着座した乗員の上半身に対向して前記前部座席に着座した乗員の上半身から入射される赤外線に応じて、前記前部座席に着座した乗員の上半身の表面温度を非接触で検出する複数の第1熱電対部(Fr7、Fr8)と、前記台座上に配置されて前記車室内の前部サイドウインドウに対向して前記前部サイドウインドウのから入射される赤外線に応じて、前記前部サイドウインドウの表面温度を非接触で検出する複数の第2熱電対部(Fr1、Fr2)と、を有する非接触温度センサ(70a、70b、70c)と、
    前記複数の第1熱電対部で検出される温度と前記複数の第2熱電対部で検出される温度とを用いて、前記空調状態を調整するように前記空調手段を制御する制御手段(8)と、を備え、
    前記非接触温度センサは、前記前部座席に着座した乗員の頭部よりも車両前側に配置されており、
    前記台座上で前記複数の第1熱電対部と前記複数の第2熱電対部との間には隙間(S1)が設けられており、
    前記複数の第1熱電対部の並ぶ方向と前記複数の第2熱電対部が並ぶ方向とが平行になるように前記複数の第1熱電対部と前記複数の第2熱電対部とが配置されており、
    前記複数の第1熱電対部および前記複数の第2熱電対部のうちいずれか一方が並ぶ方向において、前記複数の第1熱電対部と前記複数の第2熱電対部とがずれて配置されていることを特徴とする車両用空調装置。
  6. 前記非接触温度センサ(70c)は、
    右側センサチップ(72)と左側センサチップ(72)とを備え、
    前記右側センサチップは、前記台座(72a)と、当該台座上に配置された前記複数の第1熱電対部および前記複数の第2熱電対部とを備え、
    前記右側センサチップの前記複数の第1熱電対部は、前記車室内の右側の前記前部座席に着座した乗員の上半身に対向して前記右側の前部座席に着座した乗員の上半身から入射される赤外線に応じて、前記右側の前部座席に着座した乗員の上半身の表面温度を非接触で検出し、
    前記右側センサチップの前記複数の第2熱電対部は、前記車室内の右側の前部サイドウインドウに対向して前記右側の前部サイドウインドウから入射される赤外線に応じて、前記右側の前部サイドウインドウの表面温度を非接触で検出し、
    前記左側センサチップは、前記台座(72a)と、当該台座上に配置された前記複数の第1熱電対部および前記複数の第2熱電対部とを備え、
    前記左側センサチップの前記複数の第1熱電対部は、前記車室内の左側の前記前部座席に着座した乗員の上半身に対向して前記左側の前部座席に着座した乗員の上半身から入射される赤外線に応じて、前記左側の前部座席に着座した乗員の上半身の表面温度を非接触で検出し、
    前記左側センサチップの前記複数の第2熱電対部は、前記車室内の左側の前部サイドウインドウに対向して前記左側の前部サイドウインドウから入射される赤外線に応じて、前記左側の前部サイドウインドウの表面温度を非接触で検出することを特徴とする請求項5に記載の車両用空調装置。
  7. 前記空調手段は、前記車室内の空調状態を前後左右の座席毎に独立して調整することを特徴とする請求項1ないし6のいずれか1つに記載の車両用空調装置。
  8. 前記非接触温度センサは、車室内天井側において蓋(704a)が開閉可能な開閉式小物入れ(704)の車両後側に配置されていることを特徴とする請求項1ないし7のいずれか1つに記載の車両用空調装置。
  9. 前記非接触温度センサは、車室内天井側において乗員により操作される操作部(703、705、706)の車両後側に配置されていることを特徴とする請求項1ないし8のいずれか1つに記載の車両用空調装置。
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