JP2005329929A - 車両用温度検出装置および車両用空調装置 - Google Patents

車両用温度検出装置および車両用空調装置 Download PDF

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Abstract

【課題】 ウインドウからの冷輻射の影響を検出し、これに基づき冷輻射の影響を緩和して快適な空調を行うようにする。
【解決手段】 車室内の天井の中央に配置した非接触温度センサ70a、70bにより、後席左右の乗員の肩、胸および膝の表面温度(着衣温度)と、リアウインドウ90下の内装部(リアトレイ91またはヘッドレスト部310c、310d)の表面温度とを検出する。これら内装部の表面温度と各乗員の着衣温度との平均値をそれぞれ乗員表面温度として、この平均温度に基づき、それぞれの空調ゾーンにおける目標吹出温度を算出して、これにより空調制御を行う。平均温度には、リアウインドウからの冷輻射および後方日射の影響を直接受ける内装部の温度が反映しているので、快適な空調を行うことができる。
【選択図】 図4

Description

本発明は、乗員の表面温度を非接触で検出する非接触温度センサを備えた車両用温度検出装置に関し、さらには、検出された乗員の表面温度に応じて車室内の空調状態を制御する車両用空調装置に関する。
従来の車両用空調制御装置では、室内温センサにより検出される室内温度とカウルパネルに配置された焦電型温度センサにより検出される乗員の着衣温度とに応じて、車室内への目標吹出温度を算出するものがあった(例えば、特許文献1参照)。
特開昭62−299420号公報
冬期の高速走行時には、車体が相対的に強い風速の風を受けることにより過度に冷やされ、その結果車室内には外気により冷却された車体ウインドウからの冷輻射が発生する。乗員はこの冷輻射のため、肩や膝などが冷えるという不快感を覚えることになる。
上記従来技術では、このような冷輻射の影響を検出し、これを空調制御に反映させることができなかった。また、車室内への日射の影響を検出し、これを空調制御に反映させることができなかった。
さらに、上記従来技術では、乗員の体格差あるいは姿勢差がある場合、正確な乗員温度を検出できないため、これに基づき算出される目標吹出温度は乗員の温感に適合したものとはならならず、快適な空調環境を創出することが困難であった。
本発明は、上記点に鑑み、冷輻射の影響を検出できる車両用温度検出装置を提供することを目的とする。さらに、乗員の体格または姿勢の変化があっても、乗員の表面温度を正しく検出できるようにすることを目的とする。また、冷輻射の影響を緩和して快適な空調を行うようにすることを目的とする。さらに、日射の影響を緩和した快適な空調を行うようにすることを目的とする。
上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明では、車室内(1)の所定の検温範囲内の対象物の表面温度を非接触で検出する非接触温度センサ(70a、70b)を備える車両用温度検出装置であって、非接触温度センサは、リアウインドウ(90)下の内装部(91、310c、310d)を検温範囲として設定されていることを特徴とする。
これにより、リアウインドウ下の車室内装部はリアウインドウからの冷輻射の影響および後方日射の影響を直接受けるので、リアウインドウ下の車室内装部の表面温度を検出することにより、これら冷輻射の影響および後方日射の影響を検出することができる。
この内装部は、請求項2に記載のようにリアトレイ部(91)、あるいは、請求項3に記載のように後席シートバック部(310c、310d)とすることができる。
非接触温度センサは、請求項4に記載のように、複数の検温範囲を備えるマトリクスIR(70a、70b)であり、複数の検温範囲のうち1つの検温範囲内の対象物をリアウインドウ下の内装部とし、他の少なくとも1つの検温範囲内の対象物を後席乗員となるよう設定するようにすれば、複数の部位の温度を1つの非接触温度センサにより検出することができ、簡易なシステム構成とすることができる。
非接触温度センサは、請求項5に記載のように、後席乗員の上方に配置するようにすれば、後席乗員を上方から見ることができるので、リアウインドウ下の内装部の表面温度を検出できるとともに、後席乗員の体格や着座姿勢が変化しても、非接触温度センサの検温範囲から後席乗員が外れることが少なくなり、正確な乗員の表面温度を検出することができる。
また、請求項6に記載のように、非接触温度センサは、車室内の天井の左右中央に配置されるとともに、後席右側乗員と後席左側乗員とを各検温範囲として設定すれば、車室内の左右中央に配置した非接触温度センサで後席左右の乗員の表面温度とリアウインドウ下の内装部の表面温度とをともに検出することができる。
請求項7に記載の発明は、車室内の空調状態を調整する空調手段(6)と、請求項1ないし6のいずれか1つに記載の非接触温度センサにより検出される対象物の表面温度に基づき目標吹出温度を算出し、目標吹出温度に基づき空調状態を調整するように空調手段を制御する制御手段(8)とを備えることを特徴とする。
この発明によれば、非接触温度センサにより、リアウインドウからの冷輻射および後方日射の影響を直接受けるリアウインドウ下の内装部の表面温度を検出して、この表面温度に基づいて算出した目標吹出温度に応じて車室内の空調を制御するので、リアウインドウからの冷輻射および後方日射の影響を緩和した快適な空調空間を創出することができる。
また、請求項8に記載のように、車室内の空調状態を調整する空調手段(6)と、車室内のリアウインドウ(90)下の内装部(91、310c、310d)と後席乗員とを検温範囲とし、検温範囲内の対象物の表面温度を検出する非接触温度センサ(70a、70b)と、非接触温度センサにより検出される内装部の表面温度と後席乗員の表面温度との和に基づき目標吹出温度を算出する目標吹出温度算出手段(S123)と、目標吹出温度に基づき前記空調状態を調整するように前記空調手段を制御する制御手段(S128)と、を備えるように構成することができる。
なお、請求項9に記載のように、非接触温度センサは、後席乗員の複数部位の表面温度を検出し、目標吹出温度算出手段は、内装部の表面温度と後席乗員の複数部位の表面温度との平均値に基づき目標吹出温度を算出するようにすれば、内装部の表面温度と乗員の表面温度とを同時に目標吹出温度に反映させることができる。
請求項10に記載の発明は、車室内(1)の空調状態を調整する空調手段(6)と、車室内のウインドウ(T11、T12、90)下の内装部(T14、T27、T15、T28、91、T41、T42、T43、T48)を検温範囲とし、検温範囲内の対象物の表面温度を検出する非接触温度センサ(700、701)と、非接触温度センサにより検出されるウインドウ下の内装部の表面温度に応じて空調状態を調整するように空調手段を制御する制御手段(S128)と、を備えることを特徴とする。
この発明によれば、非接触温度センサにより、ウインドウ温度と同様に車外からの冷輻射や日射の影響を受けるとともに、ウインドウの開閉によらず安定して検出できるウインドウ下の内装部の表面温度を検出して、この表面温度に応じて車室内の空調状態を制御するので、ウインドウの開閉によらず安定して冷輻射や日射の影響を考慮した快適な空調空間を得ることができる。
なお、請求項11に記載のように、非接触温度センサは、ウインドウ下の内装部および内装部近傍の複数箇所(T14、T27、T15、T28、T41、T42、T43、T48)の表面温度を検出し、制御手段は、検出された複数箇所の表面温度のうち最も低い検出温度に応じて空調状態を調整するようにすれば、ウインドウ下の内装部にこの内装部の表面温度よりも高い温度の部位、例えば、乗員の顔や手などがあっても、これら高い検出温度に影響されず、冷輻射や日射の影響を反映したウインドウ下の内装部の温度を精度よく検出してこれに応じて快適な空調制御を行うことができる。
請求項12に記載の発明は、車室内(1)の各空調ゾーンの空調状態を調整する空調手段(6)と、車室内のリアウインドウ(90)下の内装部(91、T41、T42、T43、T48)を検温範囲とし、検温範囲内の対象物の表面温度を検出する非接触温度センサ(701)と、車室内の前席空調ゾーンに設けられ、車室内への日射方向を検出する日射方向検出手段(83)と、非接触温度センサにより検出されるリアウインドウ下の内装部の表面温度に応じて車室内への日射による熱負荷に対する補正を行うことにより空調状態を調整するように空調手段を制御する制御手段(S128)と、を備え、制御手段は、日射方向検出手段により検出される日射方向に応じて各空調ゾーンの補正量を決定することを特徴とする。
この発明によれば、非接触温度センサにより検出されたリアウインドウ下の内装部の表面温度に応じて各空調ゾーンの空調状態を制御するに際して、前席の空調ゾーンに設けられた日射方向検出手段により検出された車室内への日射方向に応じて各空調ゾーンの空調制御の補正量を決定することができる。したがって、例えば、車両後方からの日射によりリアウインドウ下の内装部の温度が上昇した場合に、日射方向が斜め後方からか否かを判定して、この日射方向に応じて左右いずれかの空調ゾーンの空調制御の補正量を決めることができるので、左右均等の空調制御においては日射が当たっていない側が過補正(過冷房)になって乗員の温感を損なうことを防止することができる。
なお、空調手段は、請求項13に記載のように、車室内へ空調風を吹き出す中央側吹出口(20a、20b、20c、20d)と左右窓側の窓側吹出口(2a、2b、2c、2d)とを備え、窓側吹出口の空調能力が中央側吹出口の空調能力より高く設定するようにすれば、窓側の冷輻射による肩寒や偏日射に対して、空調能力の高い窓側吹出口により十分な補正が可能となり、逆に、乗員の車両中央側の部位に対しては比較的低い空調能力の中央側吹出口により過補正とならず、快適な空調状態を実現することができる。
さらに、空調手段は、請求項14に記載のように、車室内へ空調風を吹き出すセンターフェイス吹出口(20a、20b、20c、20d)とサイドフェイス吹出口(2a、2b、2c、2d)とを備え、サイドフェイス吹出口の空調能力がセンターフェイス吹出口の空調能力よりも高くなるよう制御するよう構成することができる。
なお、上記各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものである。
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
(第1実施形態)
図1は本第1実施形態における車両用空調装置の室内空調ユニット部の吹出口配置状態を示す平面概要図、図2は室内空調ユニット部および制御ブロックを含む全体構成図である。
本第1実施形態は、車室内1の前後左右の計4つの空調ゾーン1a、1b、1c、1dをそれぞれ独立して空調制御する。図1、図2は右ハンドル車の場合を示しており、上記空調ゾーン1a〜1dをより具体的に説明すると、空調ゾーン1aは、前席空調ゾーンのうち右サイドウインドウ側、すなわち、運転席側に位置する。空調ゾーン1bは、前席空調ゾーンのうち左サイドウインドウ側、すなわち、助手席側に位置する。
そして、空調ゾーン1cは、後席空調ゾーンのうち右側窓(サイドウインドウ)寄りに位置し、空調ゾーン1dは、後席空調ゾーンのうち左側窓(サイドウインドウ)寄りに位置する。なお、図1中、後部座席の乗員の尻部が当たる座面をシートクッション部30、乗員の背があたる面をシートバック部31として示し、特に後席右側(左側)乗員のシートクッション部30c(30d)、シートバック部31c(31d)として図示している。また、図1中の前後左右の各矢印は、車両搭載時における前後左右の方向を示す。
車両用空調装置の室内空調ユニット部は空調手段としての前席用空調ユニット5と後席用空調ユニット6とから構成されている。前席用空調ユニット5は、前席左右の空調ゾーン1a、1bのそれぞれの空調状態(例えば、空気温度)を独立して調整するためのものであり、後席用空調ユニット6は、後席左右の空調ゾーン1c、1dのそれぞれの空調状態を独立して調整するためのものである。
前席用空調ユニット5は、車室内1の最前部の計器盤7の内側に配置されており、後席用空調ユニット6は、車室内1の最後方に配置されている。前席用空調ユニット5は、車室内1の前席側に空気を送風するためのダクト50を備えている。このダクト50の最上流部には、車室内1から内気を導入するための内気導入口50aおよび車室外から外気を導入するための外気導入口50bが設けられている。
さらに、ダクト50には、外気導入口50bおよび内気導入口50aを選択的に開閉する内外気切替ドア51が設けられており、この内外気切替ドア51には、駆動手段としてのサーボモータ510aが連結されている。
また、ダクト50内のうち外気導入口50bおよび内気導入口50aの空気下流側には、車室内1に向けて吹き出される空気流を発生させる遠心式送風機52が設けられている。遠心式送風機52は、遠心式羽根車およびこの羽根車を回転させるブロワモータ52aにより構成されている。なお、図2において、この羽根車は図の簡略化のため軸流式羽根車を示しているが、実際は遠心式の羽根車が使用されている。
さらに、ダクト50内にて遠心式送風機52の空気下流側には、空気を冷却する空気冷却手段としてのエバポレータ53が設けられており、さらに、このエバポレータ53の空気下流側には、空気加熱手段としてのヒータコア54が設けられている。
そして、ダクト50内のうちエバポレータ53の空気下流側には仕切り板57が設けられており、この仕切り板57により、ダクト50内の空気通路を車両左右両側の2つの通路、すなわち、運転席側通路50cと助手席側通路50dとに仕切っている。
運転席側通路50cのうちヒータコア54の側方には、バイパス通路51aが形成されており、バイパス通路51aは、ヒータコア54に対して、エバポレータ53により冷却された冷風をバイパスさせる。
同様に、助手席側通路50dのうちヒータコア54の側方には、バイパス通路51bが形成されており、バイパス通路51bは、ヒータコア54に対して、エバポレータ53により冷却された冷風をバイパスさせる。
運転席側通路50cおよび助手席側通路50dにおいてヒータコア54の空気上流側に、それぞれ、エアミックスドア55a、55bが独立に操作可能に設けられている。運転席側のエアミックスドア55aは、その開度により、運転席側通路50cを流通する冷風のうちヒータコア54を通る量(温風量)とバイパス通路51aを通る量(冷風量)との比を調整して、前席運転席側の空調ゾーン1aへの吹出空気温度を調整する。
同様に、助手席側のエアミックスドア55bは、その開度により、助手席側通路50dを流通する冷風のうちヒータコア54を通る量(温風量)とバイパス通路51bを通る量(冷風量)との比を調整して、前席助手席側の空調ゾーン1bへの吹出空気温度を調整する。
なお、前席左右のエアミックスドア55a、55bには、駆動手段としてのサーボモータ550a、550bがそれぞれ連結されており、エアミックスドア55a、55bの開度は、サーボモータ550a、550bによって、それぞれ独立に調整される。
エバポレータ53は、図示しないコンプレッサ、凝縮器、受液器、減圧器とともに、周知の冷凍サイクルを構成している低圧側の冷却用熱交換器である。このエバポレータ53は、ダクト50内を流れる空気から低圧側冷媒が蒸発潜熱を吸熱して蒸発することにより、ダクト50内の空気を冷却する。なお、冷凍サイクルのコンプレッサは、車両エンジンに電磁クラッチ(図示しない)を介して連結され、電磁クラッチを断続制御することによって駆動停止制御される。
ヒータコア54は、車両エンジンからの温水(エンジン冷却水)を熱源とする加熱用熱交換器であり、このヒータコア54は蒸発器53通過後の空気を加熱する。
運転席側通路50cおよび助手席側通路50dのうちヒータコア54の空気下流側(最下流部)には、運転席側フェイス吹出口2aおよび助手席側フェイス吹出口2bが設けられている。
運転席側フェイス吹出口2aは、運転席側通路50cから運転席に着座する運転席乗員の上半身に向けて空気を吹き出す。また、助手席側フェイス吹出口2bは、助手席側通路50dから助手席に着座する助手席乗員の上半身に向けて空気を吹き出す。
さらに、運転席側通路50cおよび助手席側通路50dのうち運転席側フェイス吹出口2aおよび助手席側フェイス吹出口2bの各空気上流部には、それぞれ、運転席側フェイス吹出口2aを開閉する吹出口切替ドア56aおよび助手席側フェイス吹出口2bを開閉する吹出口切替ドア56bが設けられている。これら吹出口切替ドア56aおよび56bは、それぞれ駆動手段としての運転席側のサーボモータ560a、および助手席側のサーボモータ560bによって、開閉駆動される。
なお、運転席側フェイス吹出口2aと助手席側フェイス吹出口2bは、具体的には図1に示すようにそれぞれ、計器盤7の左右方向の中央部寄り部位に位置するセンターフェイス吹出口と計器盤7の左右方向の両端部付近に位置するサイドフェイス吹出口とに分けて配置される。
また、図1、図2には図示していないが、運転席側通路50cの最下流部には、上記運転席側フェイス吹出口2aの他に、運転席側フット吹出口および運転席側デフロスタ吹出口が設けられている。運転席側フット吹出口は運転席側通路50cから運転者の下半身に空気を吹き出す。運転席側デフロスタ吹出口は運転席側通路50cからフロントガラスの内表面のうち運転席側領域に空気を吹き出す。
同様に、助手席側通路50dの最下流部には、上記助手席側フェイス吹出口2bの他に、助手席側フット吹出口および助手席側デフロスタ吹出口が設けられている。助手席側フット吹出口は助手席側通路50dから助手席乗員の下半身に空気を吹き出す。助手席側デフロスタ吹出口は助手席側通路50dからフロントガラスの内表面のうち助手席側領域に空気を吹き出す。
そして、運転席側通路50cにおいて運転席側フット吹出口および運転席側デフロスタ吹出口の空気上流部には、それぞれの吹出口を開閉する吹出口切替ドア(図示せず)が設けられている。そして、これら運転席側のフェイス、フットおよびデフロスタの各吹出口切替ドアは、上述した運転席側のサーボモータ560aにより連動して開閉駆動される。
また、助手席側通路50dにおいて助手席側フット吹出口および助手席側デフロスタ吹出口の空気上流部には、それぞれの吹出口を開閉する吹出口切替ドア(図示せず)が設けられている。そして、これら助手席側のフェイス、フットおよびデフロスタの各吹出口切替ドアは、上述した助手席側のサーボモータ560bにより連動して開閉駆動される。
後席用空調ユニット6は、車室内1に送風するためのダクト60を備えている。このダクト60内の最上流部には、車室内1から内気導入口60aを通して内気のみを導入する内気導入ダクト60bが接続されている。
内気導入ダクト60bの空気下流側には、車室内1に向けて吹き出される空気流を発生させる遠心式送風機62が設けられている。遠心式送風機62は、遠心式羽根車およびこの羽根車を回転させるブロワモータ62aにより構成されている。なお、この羽根車も図2において、上記と同様、図の簡略化のため軸流式羽根車を示しているが、実際は遠心式の羽根車が使用されている。
さらに、ダクト60内において遠心式送風機62の空気下流側には、空気を冷却する空気冷却手段としてのエバポレータ63が設けられており、このエバポレータ63の空気下流側には、空気を加熱する空気加熱手段としてのヒータコア64が設けられている。
そして、ダクト60内のうちエバポレータ63の下流部分には仕切り板67が設けられており、この仕切り板67により、ダクト60内の空気通路を車両左右両側の2つの通路、すなわち、後席右側通路(後席運転席側通路)60cと後席左側通路(後席助手席側通路)60dとに仕切っている。
後席右側通路60cのうちヒータコア64の側方には、バイパス通路61aが形成されており、バイパス通路61aは、ヒータコア64に対してエバポレータ63により冷却された冷風をバイパスさせる。
また、後席左側通路60dのうちヒータコア64の側方には、バイパス通路61bが形成されており、バイパス通路61bは、ヒータコア64に対してエバポレータ63により冷却された冷風をバイパスさせる。
後席右側通路60cおよび後席左側通路60dにおいてヒータコア64の空気上流側には、それぞれエアミックスドア65a、65bが独立に操作可能に設けられている。これら後席右側および後席左側のエアミックスドア65a、65bには、駆動手段としてのサーボモータ650a、650bがそれぞれ連結されており、後席右側および後席左側のエアミックスドア65a、65bの開度は、サーボモータ650a、650bによって、それぞれ独立に調整される。
そして、後席右側および後部左側のエアミックスドア65a、65bは、それぞれ、その開度により、後席右側通路60cおよび後席左側通路60dを流通する冷風のうちヒータコア64を通る量(温風量)とバイパス通路61aおよび61bとを通る量(冷風量)との比を調整して、後席右側および後席左側の空調ゾーン1c、1dへの吹出空気温度を調整する。
エバポレータ63は、上述した周知の冷凍サイクルにおいて前席側のエバポレータ53に対して並列的に配管結合される冷却用熱交換器である。また、ヒータコア64は、車両エンジンからの温水(エンジン冷却水)を熱源とする加熱用熱交換器であり、ヒータコア64は、温水回路において前席側のヒータコア54に対し並列的に接続され、エバポレータ63通過後の空気を加熱する。
ダクト60内の後席右側通路60cのうちヒータコア64の空気下流側(最下流部)には、後席右側フェイス吹出口2cが設けられている。後席右側フェイス吹出口2cは、後席右側通路60cから後席の右側(すなわち、後席運転席側)に着座する乗員(以下、後席右側乗員という)の上半身に向けて空気を吹き出す。
また、ダクト60内の後席左側通路60dのうちヒータコア64の空気下流側(最下流部)には、後席左側フェイス吹出口2dが設けられている。後席左側フェイス吹出口2dは、後席左側通路60dから後席の左側(すなわち、後席助手席側)に着座する乗員(以下、後席左側乗員という)の上半身に向けて空気を吹き出す。
ここで、後席左右の各フェイス吹出口2c、2dの空気上流部には、それぞれ吹出口切替ドア66a、66bが設けられ、後席左右の各フェイス吹出口2c、2dを開閉するようになっている。この後席左右の吹出口切替ドア66a、66bは、駆動手段としてのサーボモータ660a、660bによって開閉駆動される。
そして、図1、図2には図示しないが、後席右側通路60cの最下流部には、後席右側フェイス吹出口2cの他に後席右側フット吹出口が設けられている。この後席右側フット吹出口は、後席右側通路60cから空気を後席右側乗員の下半身に向けて吹き出す。
同様に、後席左側通路60dの最下流部には、後席左側フェイス吹出口2dの他に後席左側フット吹出口が設けられている。この後席左側フット吹出口は、後席左側通路60dから空気を後席左側乗員の下半身に向けて吹き出す。
この後席左右の各フット吹出口の空気上流部には、それぞれ吹出口切替ドア(図示せず)が設けられており、この後席左右の各吹出口切替ドアは、上記サーボモータ660c、660dによってそれぞれ開閉駆動される。
制御手段(空調制御装置)としてのエアコンECU8の入力側には、外気温度センサ81、冷却水温度センサ82、日射センサ83、内気温度センサ84および蒸発器温度センサ86、87が接続されている。
外気温度センサ81は、車室外温度を検出しその検出温度に応じた外気温度信号TamをエアコンECU8に出力する。冷却水温度センサ82は、エンジンの冷却水(すなわち温水)の温度を検出しその検出温度に応じた冷却水温度信号TwをエアコンECU8に出力する。
日射センサ83は、フロントウインドウの内側にて車両左右方向の略中央部分に配置された周知の2素子(2D)タイプの日射センサであり、車室内の運転席側空調ゾーン1aに入射される日射量と助手席側空調ゾーン1bに入射される日射量とを検出し、それら検出した各日射量に応じた日射量信号TsDrおよびTsPaをエアコンECU8に出力する。すなわち、日射センサ83は、車室内の前席空調ゾーンに設けられ、車室内への日射方向を検出する日射方向検出手段である。
内気温度センサ84は、車室内の前方に配置され、車室内の空気温度を検出しその検出温度に応じた内気温度信号TrをエアコンECU8に出力する。
蒸発器温度センサ86は、エバポレータ53の吹出空気温度を検出しその検出温度に応じた蒸発器吹出温度信号TeFrをエアコンECU8に出力するもので、蒸発器温度センサ87は、エバポレータ63の吹出空気温度を検出しその検出温度に応じた蒸発器吹出温度信号TeRrをエアコンECU8に出力する。
また、エアコンECU8には、空調ゾーン1a、1b、1c、1dのそれぞれの希望温度TsetFrDr、TsetFrPa、TsetRrDr、TsetRrPaが乗員により設定される温度設定スイッチ9、10、11、12、および、後席右側の空調ゾーン1cおよび後席左側の空調ゾーン1dの各ゾーンの表面温度を検出するための各非接触温度センサ70aおよび70bが接続されている。なお、温度設定スイッチ9、10、11、12のそれぞれ近傍には、希望温度等の設定内容を表示する希望温度表示手段としてのディスプレイ9a、10a、11a、12aが備えられている。
後席用の非接触温度センサ70a、70bは、入力される赤外線量の変化に対応した起電力変化を温度変化として検出するサーモパイル型検出素子が用いられた、いわゆるマトリクスIRセンサである。この非接触温度センサ70a、70bは、1つケースに収納され、ともに同一の構成を備えている。
すなわち、非接触温度センサ70a、70bは、図3に示すように、検知部71を有しており、検知部71は、基板71a、この基板71a上に設置されるセンサチップ72、および、このセンサチップ72を覆うように配設される赤外線吸収膜73を備えている。
検知部71は、台座71c上に配置されるとともに、カップ状のケース71bによって覆われている。ケース71bの底部には、四角形の窓71dがあけられ、この窓71dにはレンズ71eが填め込まれている。また、赤外線吸収膜73は、空調ゾーン1c、1dの各検温対象物からレンズ71eを通して入射される赤外線を吸収して熱に変換する役割を果たす。
センサチップ72上には、8個の熱電対部Dr1〜Dr4およびPa1〜Pa4が縦4列、横2列のマトリクス状に配列されている。これらの熱電対部Dr1〜Dr4、Pa〜Pa4は、それぞれ、赤外線吸収膜73から発生する熱を電圧(電気エネルギー)にそれぞれ変換する温度検出素子である。
1つのケースに収納されたこれらの非接触温度センサ70a、70bは、図4に示すように車室内天井のほぼ中央部で、後席乗員のやや前方に配置され、それぞれ空調ゾーン1c、1dを検温範囲とするよう配置されている。このように、非接触温度センサ70a、70bを後席乗員の上方に配置して、上方から乗員を見るようにしたので、後席乗員の体格(座高など)や着座姿勢が変化しても、検温範囲から乗員が外れにくくなるので、正確な乗員の表面温度を検出することができる。
なお図4では、後席用の非接触温度センサ70aについて、その検温範囲を詳しく示しており、他方の非接触温度センサ70bの検温範囲については、簡略化している。
すなわち、後席用の非接触温度センサ70aの温度検出素子である熱電対部Dr1、Dr2、Dr3、Dr4はそれぞれ、図4における検温範囲(1)、(2)、(3)、(4)の対象物の表面温度を検出する。検温範囲(1)は、リアウインドウ90の下に配置される内装部であるリアトレイ91を検温範囲としている。なお、検温範囲(1)として、図15に示すように、リアウインドウ90の下に配置される内装部である後部座席のシートバック31cの上端部であるヘッドレスト部310cを検温範囲としてもよい。
検温範囲(2)、(3)、および(4)は、それぞれ、空調ゾーン1cにある後席右側座席に着座している乗員の左肩部、左側胸腹部、および左大腿部を検温範囲としている。
したがって、非接触温度センサ70aからは、上記4箇所に位置する対象物の表面温度が出力される。
後席用の非接触温度センサ70bの温度検出素子である4つの熱電対部Pa1〜Pa4も、同様に、リアトレイ91(および/または、後席シートバック31dのヘッドレスト部310d)と、空調ゾーン1dの後部左側座席に着座している乗員の右肩部、右側胸腹部および右大腿部をそれぞれ検温範囲としている。
エアコンECU8は、アナログ/デジタル変換器、マイクロコンピュータ等を有して構成される周知のものであり、各非接触温度センサ70a、70b、日射センサ83、各温度センサ81、82、84、86、87および温度設定スイッチ9、10、11、12からそれぞれ出力される出力信号は、アナログ/デジタル変換器によりアナログ/デジタル変換されてマイクロコンピュータにそれぞれ入力されるように構成されている。
マイクロコンピュータは、ROM、RAMなどのメモリ、およびCPU(中央演算装置)等から構成される周知のもので、イグニッションスイッチがオンされたときに、図示しないバッテリから電力供給される。
次に、上記の構成において本第1実施形態の作動を図5〜図14に基づいて説明する。
エアコンECU8は、電源が投入されると、メモリに記憶された制御プログラム(コンピュータプログラム)がスタートして、図5に示すフローチャートにしたがって空調制御処理を実行する。ここで、前席空調処理および後席空調処理は、それぞれ交互に実行されるもので、前席空調処理および後席空調処理は、それぞれ、一定期間Ts(具体的には、250ms)毎に実行される。なお、以下に、前席空調処理および後席空調処理を分けて図5を参照して説明する。図5は各空調処理の内容を示している。また、以下では、特にことわらずに、前席側をFr、後席側をRr、車両右側をDr、車両左側をPaと表し、これらを組み合わせることにより、各空調ゾーン1a〜1dの座席を表すこととする。
<前席空調処理>
まず、前席空調処理について説明する。前席右側および左側はそれぞれで演算処理されるので、以下では、主として右側の空調ゾーン1aについて説明するものとし、左側の空調ゾーン1bに関しては( )内に記載して説明を簡略化する。
まず、ステップS121で、温度設定スイッチ9、10から設定温度信号TsetFrDr、TsetFrPaを読み込む。さらに、ステップS122で、外気温度センサ81及び日射センサ83から外気温度信号Tam、日射量信号TsDr、TsPaを読み込むとともに、内気温度センサ84から内気温度Trを読み込む。
次にステップS123で、設定温度信号TsetFrDr、外気温信号Tam、日射量信号TsDr、内気温度信号Trを数式1に代入して、車室内に吹き出す空気の目標吹出温度TAOFrDrを算出する。この目標吹出温度TAOFrDrは、車両環境条件(空調熱負荷条件)の変動にかかわらず、前席右側(運転席)空調ゾーン1aの温度を設定温度TsetFrDrに維持するために必要な目標温度である。
TAOFrDr=KsetFrDr×TsetFrDr−Kr×Tr
−Kam×Tam−KsDr×TsDr−CFrDr
・・・(数式1)
なお、KsetFrDr(=7.0)、Kr(=3.0)、Kam(=1.1)、KsDr(=1.5)は、それぞれ定数である。また、CFrDrは、前席右側用補正値であり、外気温Tamの関数として、図6に示すような予め設定されたマップにより与えられる。これは、乗員の着衣量を外気温Tamにより推定するものである。すなわち、外気温Tamが高くなると乗員は薄着になるので、この補正値CFrDrにより外気温Tamが高くなるほど目標吹出温度TAOFrDrを低めに補正することにより、乗員の温熱感に、より適応した目標吹出温度TAOFrDrとすることができる。
次に、外気温信号Tam、設定温度信号TsetFrPa、日射量信号TsPa、内気温度Trを数式2に代入して、車室内に吹き出す空気の目標吹出温度TAOFrPaを算出する。この目標吹出温度TAOFrPaは、前席左側(助手席)空調ゾーン1bの温度を設定温度TsetFrPaに維持するために必要な目標温度である。
TAOFrPa=KsetFrPa×TsetFrPa−Kr×Tr
−Kam×Tam−KsPa×TsPa−CFrPa
・・・(数式2)
なお、KsetFrPa(=7.0)、Kr(=3.0)、Kam(=1.1)、KsPa(=1.5)は、それぞれ定数である。また、CFrPaは、前席右側用補正値であり、上記CFrDrと同様、外気温Tamの関数として、図6に示すような予め設定されたマップにより与えられる。
次に、ステップS124で、TAOFrDrとTAOFrPaとの平均値(=(TAOFrDr+TAOFrPa)/2、以下、前席用目標平均値という)に基づいて、図7の制御マップにより、内外気モードを決定する。なお、図7中、SW1は内外気切替ドア51の目標開度であり、この目標開度SW1を変化させて内気モード(内気100%)と外気モード(外気100%)とを連続的に切り替える。この内外気切替ドア51の切り替えにより、内気モード(内気循環モード)では、内気導入口50aより車室内空気(内気)を導入し、外気モード(外気導入モード)では、外気導入口50bより車室外空気(外気)を導入する。
具体的には、図7に示すように、前席用目標平均値(図7中のTAOに相当する)が所定温度以下となる領域(最大冷房域)では、内外気切替ドア51により内気導入口50aを全開し、外気導入口50bを全閉する内気循環モードを選択し、前席用目標平均値が所定温度より高くなると、内外気切替ドア51により外気導入口50bを全開し、内気導入口50aを全閉する外気導入モードを選択する。また、前席用目標平均値(TAO)が両者の中間的な温度領域にあるときは内外気モードを内気と外気の両方が同時に導入される内外気混入モードとする。
次に、ステップS125で、図8により吹出口モードを前席側空調ゾーン1a、1bに対して個別に決定する。図8は、予めROMに記憶されている吹出口モード決定の制御マップであって、本例では、TAOFrDr(図8中のTAOに相当する)が上昇するにつれて、空調ゾーン1aの吹出口モードをフェイス(FACE)モード→バイレベル(B/L)モード→フット(FOOT)モードと順次自動的に切り替える。また、TAOFrPa(図8中のTAOに相当する)が上昇するにつれて、空調ゾーン1bの吹出口モードをフェイス(FACE)モード→バイレベル(B/L)モード→フット(FOOT)モードと順次自動的に切り替えるようになっている。
ここで、フェイスモードとは、フェイス吹出口だけから空調風を吹き出すモードであり、フットモードとは、フット吹出口だけから空調風を吹き出しモードである。また、バイレベルモードとは、フェイス吹出口およびフット吹出口から空調風を吹き出すモードである。
たとえば、フェイスモードでは、吹出口切替ドア56a(56b)にてフェイス吹出口2a(2b)を開口し、フェイス吹出口2a(2b)のみから空調風が車室内の乗員上半身側へ吹き出す。バイレベルモードでは、吹出口切替ドア56a(56b)にてフェイス吹出口2a(2b)およびフット吹出口(図示せず)を開口し、空調風がフェイス吹出口2a(2b)およびフット吹出口から車室内の乗員上半身側および乗員下半身側へ同時に吹き出す。フットモードでは、吹出口切替ドア(図示せず)にてフット吹出口を全開し、フット吹出口から主に空調風が車室内の乗員下半身側へ吹き出す。
このように、空調ゾーン毎に吹出口モードを決定すると、各吹出口切替ドアのそれぞれのサーボモータを空調ゾーン毎に制御して、空調ゾーン毎にこの決定される吹出口モードとなるように各吹出口切替ドアをそれぞれ開閉させる。
次に、ステップS126で、上述の前席用目標平均値(目標吹出温度TAOFrDrとTAOFrPaとの平均値)に基づいて、送風機モータ52aに印加するブロワ電圧を決定する。このブロワ電圧としては、送風機52の風量を制御するためのもので、前席用目標平均値に基づいて、予めROM内に記憶された図9の制御マップにしたがって決定されるものである。
図9の制御マップにおいて、図9中のTAOが前席用目標平均値に相当し、この平均値(=TAO)が中間領域内にあるときには、ブロワ電圧(すなわち送風機52の風量)が一定値となり、TAOが中間領域より大きい場合にはこのTAOが大きくなるほどブロワ電圧(すなわち送風機52の風量)が大きくなる。また、TAOが中間領域より小さい場合にはTAOが小さくなるほどブロワ電圧(すなわち送風機52の風量)が小さくなる。このようにして、ブロワ電圧が決定される。
次に、ステップS127にて、エアミックスドア55a、55bの目標開度θ1、θ2を次の数式3、4によって算出する。
θ1={(TAOFrDr−TeFr)/(Tw−TeFr)}×100(%)
・・・(数式3)
θ2={(TAOFrPa−TeFr)/(Tw−TeFr)}×100(%)
・・・(数式4)
なお、数式3、4において、TeFrは蒸発器温度センサ86の蒸発器吹出温度信号、Twは冷却水温度センサ82の冷却水(温水)温度信号である。θ1=0%およびθ2=0%は、最大冷房位置であり、運転席側通路50cおよび助手席側通路50dにおいて、前席側のエバポレータ53通過後の空気(冷風)の全量がバイパス通路51a、51bを流れる。また、θ1=100%およびθ2=100%は、最大暖房位置であり、運転席側通路50cおよび助手席側通路50dにおいて、前席側のエバポレータ53通過後の空気(冷風)の全量がコアヒータ54に流入して加熱される。
以上のように決定した内外気切替モード、目標開度θ1、θ2、吹出口モード、ブロワ電圧のそれぞれを示す各制御信号をサーボモータ510a、550a、550b、560a、560bおよび送風機モータ52a等に出力して内外気切替ドア51、エアミックスドア55a、55b、吹出口切替ドア56a、56b、送風機52等の各作動を制御する(ステップS128)。
その後、ステップS129で一定期間経過すると、ステップS121の処理に戻り、上述の空調制御処理(ステップS121〜S129)が繰り返される。このような演算、処理の繰り返しによって前席空調ゾーン1a、1bの空調が自動的に制御されることになる。
<後席空調処理>
次に、後席空調処理について説明する。後席の空調処理においても、図5に示す制御ルーチンにより空調処理される。
まず、ステップS121で、温度設定スイッチ11、12から設定温度信号TsetRrDr、TsetRrPaを読み込む。さらに、ステップS122で、外気温度センサ81及び日射センサ83から外気温度信号Tam、日射量信号TsDr、TsPaを、内気温度センサ84から内気温度Trを読み込む。また、非接触温度センサ70aの熱電対部Dr1〜Dr4から検出温度信号Tir1〜Tir4を読み込み、非接触温度センサ70bの熱電対部Pa1〜Pa4から検出温度信号Tir1〜Tir4を読み込む。
なお、この後席用の非接触温度センサ70a(70b)からの検出温度信号Tir1〜Tir4は、それぞれ、空調ゾーン1c(1d)の乗員である後席右側乗員(後席左側乗員)の左(右)肩部、左側(右側)胸腹部、左(右)大腿部の各部位の表面温度に相当する。
そして、次のステップS123で、後席側の空調ゾーン1c(1d)毎に、設定温度信号TsetRrDr(TsetRrPa)、非接触温度センサ70a(70b)からの検出信号の平均値(後述の数式9)としての後席右側(左側)温度TirRrDr(TirRrPa)、外気温信号Tam、日射量信号TsDr(TsPa)を数式5(数式6)に代入して、車室内に吹き出す空気の目標吹出温度TAORrDr(TAORrPa)を算出する。この目標吹出温度TAORrDr(TAORrPa)は、車両環境条件、すなわち空調熱負荷条件の変動にかかわらず、後席右側(後席左側)空調ゾーン1c(1d)の温度を設定温度TsetRrDr(TAORrPa)に維持するために必要な目標温度である。
TAORrDr=KsetRrDr×TsetRrDr
−KirRrDr×TirRrDr−Kam×Tam
−KsDr×TsDr+KatoRrDr+RirekiRrDr
−CRrDr ・・・ (数式5)
TAORrPa=KsetRrPa×TsetRrPa
−KirRrPa×TirRrPa−Kam×Tam
−KsPa×TsPa+KatoRrPa+RirekiRrPa
−CRrPa ・・・ (数式6)
ただし、KsetRrDr=KsetRrPa(=7.0)、KirRrDr=KirRrPa(=3.0)、Kam(=1.1)、KsDr=KsPa(=1.5)は定数である。また、CRrDr(CRrPa)は、後席右側(左側)用補正値であり、上記CFrDr、CFrPaと同様、外気温Tamの関数として、図6に示すような予め設定されたマップにより与えられる。
また、過渡期補正値KatoRrDr(KatoRrPa)は、空調状態が定常時と過渡時とで内気温度Trの目標吹出温度TAORrDr(TAORrPa)への寄与度を変えるための補正値であり、また、熱履歴補正値RirekiRrDr(RirekiRrPa)は乗員の車両乗り込み時における乗員の着衣温度の熱履歴を補正するもので、ともに、後述する。
次に、内外気モードの決定処理(ステップS124)を実行せずに(これは、後席空調では外気モードが設定されていないため)、次のステップS125にて、吹出口モードの決定処理を実行する。
すなわち、図8により吹出口モードを後席側空調ゾーン1c、1dに対して個別に決定する。図8は、予めROMに記憶されている吹出口モード決定の制御マップであって、本例では、TAORrDr(図8中のTAOに相当する)が上昇するにつれて、空調ゾーン1cの吹出口モードをフェイス(FACE)モード→バイレベル(B/L)モード→フット(FOOT)モードと順次自動的に切り替える。また、TAORrPa(図8中のTAOに相当する)が上昇するにつれて、空調ゾーン1dの吹出口モードをフェイス(FACE)モード→バイレベル(B/L)モード→フット(FOOT)モードと順次自動的に切り替えるようになっている。
ここで、フェイスモードとは、フェイス吹出口だけから空調風を吹き出すモードであり、フットモードとは、フット吹出口だけから空調風を吹き出しモードである。また、バイレベルモードとは、フェイス吹出口およびフット吹出口から空調風を吹き出すモードである。
たとえば、フェイスモードでは、吹出口切替ドア66a(66b)にてフェイス吹出口2c(2d)を開口し、フェイス吹出口2c(2d)のみから空調風が車室内の乗員上半身側へ吹き出す。バイレベルモードでは、吹出口切替ドア66a(66b)にてフェイス吹出口2c(2d)およびフット吹出口(図示せず)を開口し、空調風がフェイス吹出口2c(2d)およびフット吹出口から車室内の乗員上半身側および乗員下半身側へ同時に吹き出す。フットモードでは、吹出口切替ドア(図示せず)にてフット吹出口を全開し、フット吹出口から主に空調風が車室内の乗員下半身側へ吹き出す。
このように、空調ゾーン毎に吹出口モードを決定すると、各吹出口切替ドアのそれぞれのサーボモータを空調ゾーン毎に制御して、空調ゾーン毎にこの決定される吹出口モードとなるように各吹出口切替ドアをそれぞれ開閉させる。
次に、ステップS126で、目標吹出温度TAORrDrとTAORrPaとの平均値(=(TAORrDr+TAORrPa)/2、以下、後席用目標平均値という)に基づいて、送風機モータ62aに印加するブロワ電圧を決定する。このブロワ電圧としては、送風機62の風量を制御するためのもので、TAORrDr、TAORrPaの平均値に基づいて、予めROM内に記憶された図9の制御マップにしたがって決定されるものである。
図9の制御マップにおいて、後席用目標平均値(=TAO)が中間領域内にあるときには、ブロワ電圧(すなわち送風機62の風量)が一定値となり、TAOが中間領域より大きい場合にはこのTAOが大きくなるほどブロワ電圧(すなわち送風機62の風量)が大きくなる。また、TAOが中間領域より小さい場合にはTAOが小さくなるほどブロワ電圧(すなわち送風機62の風量)が小さくなる。このようにして、ブロワ電圧が決定される。
次に、ステップS127で、エアミックスドア65a、65bの目標開度θ3、θ4を次の数式7、8によって算出する。
θ3={(TAORrDr−TeRr)/(Tw−TeRr)}×100(%)
・・・ (数式7)
θ4={(TAORrPa−TeRr)/(Tw−TeRr)}×100(%)
・・・ (数式8)
なお、数式7、8において、TeRrは蒸発器温度センサ87の蒸発器吹出温度信号、Twは冷却水温度センサ82の冷却水(温水)温度信号である。θ3=0%およびθ4=0%は、最大冷房位置であり、後席右側通路60cおよび後席左側通路60dにおいて、後席側のエバポレータ63通過後の空気(冷風)の全量がバイパス通路61a、61bを流れる。また、θ3=100%およびθ4=100%は、最大暖房位置であり、後席右側通路60cおよび後席左側通路60dにおいて、後席側のエバポレータ63通過後の空気(冷風)の全量がコアヒータ64に流入して加熱される。
以上のように決定した目標開度θ3、θ4、吹出口モード、ブロワ電圧のそれぞれを示す各制御信号を、サーボモータ650a、650b、660a、660bおよび送風機モータ62a等に出力して、エアミックスドア65a、65b、吹出口切替ドア66a、66b、送風機62の作動を制御する(ステップS128)。
その後、ステップS129で一定期間経過すると、ステップS121の処理に戻り、上述の空調制御処理(ステップS121〜S129)が繰り返される。このような演算、処理の繰り返しによって後席空調ゾーン1c、1dの空調が自動的に制御されることになる。
次に、上記数式5(数式6)において演算される目標吹出温度TAORrDr(TAORrPa)の算出処理について、図10に基づき説明する。図10は、後席空調処理における上記メインルーチンのステップS123での処理の詳細を示すフローチャートである。
まず、ステップS200で、空調ゾーン1c(1d)の対象物すなわち後席乗員の表面温度TirRrDr(TirRrPa)が、非接触温度センサ70a(70b)により検出された上記4つの部位(リアウインドウ90下の内装部としてのリアトレイ91、肩部、胸腹部、大腿部)の表面温度の平均値として、数式9により演算される。
TirRrDr(TirRrPa)=(Tir1+Tir2+Tir3+Tir4)/4 ・・・ (数式9)
このように、非接触温度センサ70a(70b)の検出対象物として、後席乗員の肩部、胸腹部および大腿部の3つの部位のほかに、後席乗員の後方にあるリアウインドウ90下の内装部としてのリアトレイ91も検温範囲内となるよう設定し、これら4つの部位の表面温度の平均値を、車室内の対象物の表面温度としている。したがって、この表面温度には、乗員の着衣温度およびリアトレイ91の表面温度の影響も反映されている。
特に冬期の高速走行時、車体が相対的に強い風速の風を受けることにより過度に冷やされ、その結果車室内には外気により冷却された車体のサイドウインドウおよびリアウインドウからの冷輻射が発生する。乗員はこの冷輻射のため、肩や膝などが冷えるという不快感を覚えることになる。後席乗員は特にリアウインドウからの冷輻射により肩の冷え(肩寒)を感じる。
リアトレイ91(および後席シートバック部310c、310d)は、リアウインドウ90からの冷輻射の影響を直接受けているので、このリアトレイ91(および後席シートバック部310c、310d)の表面温度は、リアウインドウ90の冷輻射を反映したものとなっている。また、リアウインドウ90の温度はサイドウインドウの温度に等しくなっているので、このリアトレイ91の表面温度は、サイドウインドウからの冷輻射の影響をも反映したものである。
また、リアトレイ91(および後席シートバック部310c、310d)は、後方からの日射の影響を直接受ける部位でもある。したがって、リアトレイ91(および後席シートバック部310c、310d)の表面温度を検出することにより、通常は検出が困難な後方日射の影響も検出することができる。
したがって、本第1実施形態では、非接触温度センサ70a(70b)による、乗員の着衣温度とリアトレイ91(および後席シートバック部310c、310d)の表面温度との平均値を後席乗員の表面温度とみなして、この表面温度TirRrDr(TirRrPa)に基づいて、数式5(数式6)により算出される目標吹出温度TAORrDr(TAORrPa)は、乗員の着衣温度とリアウインドウ90からの冷輻射および日射の影響とをともに反映したものとすることができる。したがって、この目標吹出温度TAORrDr(TAORrPa)により空調制御を行えば、後席乗員付近には、冷輻射の影響が緩和されて肩部や膝部の冷えが低減される、または後方日射の影響が緩和される空調空間を創出できる。
次にステップS210で、内気温Trのバランス点TrBおよび定常・過渡指標を次のように算出する。Trバランス点Trは図11に示すマップが予め設定され、このマップに基づき、検出された外気温Tamに応じたバランス点TrBが算出される。この内気温のバランス点TrBは、各外気温Tamにおいて、車室内の空調状態が定常状態となっているときの車室内の空気温度Trの平衡温度として実験的に得られたものである。
また、空調ゾーン1c(1d)における定常・過渡指標を、内気温バランス点TrB、設定温度TsetRrDr(TsetRrPa)、内気温検出値Trを用いて数式10により演算する。
定常・過渡指標=(TrB+(TsetRrDr−25))−Tr
定常・過渡指標=(TrB+(TsetRrPa−25))−Tr
・・・ (数式10)
なお、数式10中、(TsetRrDr−25)は、設定温度TsetRrDrと基準温度25℃との偏差を表し、設定温度TsetRrDrを変更した場合、変更分だけ定常・過渡指標をシフトさせて、定常状態の判定を設定温度にかかわらず一定の基準で行うものである。
このようにして演算された定常・過渡指標は、その値が0および0付近では検出された内気温TrがTrのバランス点(平衡温度)TrBに等しいまたは近い状態であり、空調の定常状態を表している。また、定常・過渡指標が負の値となる状態は、Tr>TrBに相当し、実際の内気温Trが内気の平衡温度TrBよりも高いためクールダウンが必要な状態である過渡状態に相当する。また、定常・過渡指標が正の値となる状態は、Tr<TrBに相当し、実際の内気温Trが内気の平衡温度より低いためウォームアップが必要な状態である過渡状態に相当する。
次に、ステップS220にて、過渡期補正値KatoRrDr(KatoRrPa)が、図12に示す制御マップに基づき、定常・過渡指標の値に応じて連続的に変化する値として算出される。すなわち、図12において、空調が定常状態とみなせる−1.0<定常・過渡指標<+1.0の範囲で、過渡期補正値KatoRrDr(KatoRrPa)が0となっている。また、クールダウン側の定常・過渡指標≦−8.0の過渡状態では過渡期補正値は−25.0とされ、ウォームアップ側の定常・過渡指標≧8.0の過渡状態では+50.0とされている。
このように算出される過渡期補正値KatoRrDr(KatoRrPa)は、上記数式5(数式6)において、空調状態に応じて、目標吹出温度TAORrDr(TAORrPa)の値に対する寄与度が変化している。
具体的には、空調状態が定常時には、過渡期補正値KatoRrDr(KatoRrPa)が0となり、その結果、内気温Trの大きさが目標吹出温度TAORrDr(TAORrPa)に反映されず、したがって内気温Trが変化しても空調制御に影響を与えない。換言すれば、空調状態が定常時には後席用の非接触温度センサ70a(70b)による車室内の後席側の対象物の表面温度を目標吹出温度TAORrDr(TAORrPa)、すなわち空調制御特性に反映させることができる。
ところで、空調状態が定常時に、内気温Trの目標吹出温度TAORrDr(TAORrPa)への寄与度が大きいと、非接触温度センサ70a(70b)による対象物の表面温度TirRrDr(TirRrPa)を目標吹出温度TAORrDr(TAORrPa)に反映させても、実際の内気温Trが変化してこれを目標吹出温度に反映させることとなり、結局、非接触温度センサ70a(70b)の検出値による空調制御の効果が打ち消されてしまう。
それに対して、本第1実施形態では、空調状態が定常時において、内気温Trの目標吹出温度TAORrDr(TAORrPa)への寄与度を小さくしているので、非接触温度センサ70a(70b)の検出値による空調制御への影響をキャンセルすることがない。
すなわち本第1実施形態では、空調状態が定常時に、例えば日射等の影響で乗員の着衣温度が少し変化したときなどでも、この対象物の表面温度としての着衣温度TirRrDr(TirRrPa)を非接触温度センサ70a(70b)により検出して目標吹出温度TAORrDr(TAORrPa)へ反映させることができるので、空調状態をこの日射による着衣温度の変化に対応して制御することができる。
一方、空調状態がクールダウン側の過渡時には、過渡期補正値KatoRrDr(KatoRrPa)は負の値(≧−25)となり、その結果、目標吹出温度TAORrDr(TAORrPa)は低く補正され、クールダウン時の目標吹出温度として適正な値に補正される。
また、空調状態がウォームアップ側の過渡時には、過渡期補正値KatoRrDr(KatoRrPa)は正の値(≦50)となり、その結果、目標吹出温度TAORrDr(TAORrPa)は高く補正され、ウォームアップ時の目標吹出温度として適正な値に補正される。
しかも、通常、暖房時には内気温Trは時間とともに上昇してしまうが、本第1実施形態では、ウォームアップ側での過渡期補正値KatoRrDr(KatoRrPa)により目標吹出温度TAORrDr(TAORrPa)は高く補正されるので、このような暖房時の内気温上昇を緩和することができ、空調快適性を向上させることができる。
さらにまた、過渡期補正値KatoRrDr(KatoRrPa)は、暖房時であるウォームアップ側で大きさが50とされ、冷房時であるクールダウン側での大きさ25よりも、目標吹出温度TAORrDr(TAORrPa)への寄与度が大きく設定されている。すなわち、暖房時には冷房時よりも快適と感じられるまでの時間が長く必要となるため、着衣温度よりも温度上昇しにくい空気温度、すなわち内気温Trの寄与度を冷房時よりも暖房時の方を大きくすることにより、強い暖房感を得ることができ、空調快適性が向上する。
以上のように過渡期補正値KatoRrDr(KatoRrPa)が算出されたのち、ステップS230にて、熱履歴補正値RirekiRrDr(RirekiRrPa)を算出する。この演算処理手順を図13のフローチャートに基づき説明する。
ステップS300で、乗員の乗り込み判定と乗り込みが発生した場合の乗り込み時からの経過時間の計測を行う。
乗り込み判定は、概略、次のように行う。まず、非接触温度センサ70a(70b)の各熱電対部により検出された、肩温度RrDr2(RrPa2)、胸腹温度RrDr3(RrPa3)および大腿部温度RrDr4(RrPa4)のうち、2つ以上が同時に、夏期では2.5℃以上上がったとき、あるいは冬期では3℃以上下がったときを、非接触温度センサ70a(70b)の検温範囲の空調ゾーン1a(1b)に乗員が乗り込んだものと判定する。
判定基準温度差の違いは、夏期では冬期と比べて、乗員乗り込み時の温度変化が少ないことを考慮したものである。また、夏期または冬期の判定は、外気温Tamが所定温度(例えば、10℃)以上のときを夏期、外気温Tamが所定温度未満のときを冬期とする。
なお、温度上昇、または下降は、250ms毎に読み込まれる非接触温度センサ70a(70b)の各熱電対部による検出値を、それぞれ、例えば4sec毎に16個のサンプリング値を時間平均するときの前回平均値と今回平均値との差分により判定される。
また、この4sec毎の4つの部位(リアウインドウ90下の内装部としてのリアトレイ91、肩部、胸腹部、大腿部)の各時間平均値の4点による平均値を、各非接触温度センサ70a(70b)による各空調ゾーン1c(1d)における対象物の表面温度(乗員の着衣温度)TirRrDr(TirRrPa)とする。
そして、ステップS302にて、上記のように乗員の乗り込みが発生した時点からの経過時間に応じて補正係数f1を図14に示す特性に基づき算出する。すなわち、乗り込み判定直後にはf1=1、乗り込み後2分までf1は直線的に減少し、乗り込み後2分以降はf1=0と設定される。そして、このように算出された補正係数f1を用いて、熱履歴補正値RirekiRrDr(RirekiRrPa)を、数式11により演算する。
RirekiRrDr=f1×3×(TirRrDr(*)−TirRrDr)
RirekiRrPa=f1×3×(TirRrPa(*)−TirRrPa)
・・・ (数式11)
なお、表面温度の平衡温度TirRrDr(*)、TirRrPa(*)は予め設定されたもので、それぞれ設定温度TsetRrDr、TsetRrPaが基準温度(25℃)に設定されているとき、空調制御が定常状態になったときの各非接触温度センサ70a(70b)の4つの部位の検出値の平均値TirRrDr(TirRrPa)に相当する。
すなわち、熱履歴補正値RirekiRrDr(RirekiRrPa)は、乗員の乗り込み直後から所定時間(2分)の間、非接触温度センサ70a(70b)による乗員着衣温度の目標吹出温度TAORrDr(TAORrPa)への寄与度を大きくするものである。
このように算出された過渡期補正値KatoRrDr(KatoRrPa)および熱履歴補正値RirekiRrDr(RirekiRrPa)を、上記数式5(数式6)に代入することにより、後席側の空調ゾーン1c(1d)における目標吹出温度TAORrDr(TAORrPa)が算出される。
したがって、目標吹出温度TAORrDr(TAORrPa)は、過渡期補正値KatoRrDr(KatoRrPa)により、空調状態が定常時には内気温Trの寄与度を小さくまたは「0」とするとともに、熱履歴補正値RirekiRrDr(RirekiRrPa)により乗員の乗り込み直後には車室内対象物の表面温度の寄与度を大きくするように設定され、空調状態が定常時および過渡時において、ともに乗員の温熱感に適合した空調快適性を得ることができる。
また、過渡期補正値KatoRrDr(KatoRrPa)および補正値CRrDr(CRrPa)は、外気温Tamの影響を反映したものとなっているので、目標吹出温度TAORrDr(TAORrPa)は車室内外の熱負荷を総合的に反映したものとすることができ、乗員の温熱感に適合した空調快適性を得ることができる。
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態について説明する。本第2実施形態は、上記第1実施形態とは、非接触温度センサの配置位置および検温範囲が異なるとともに、各空調ゾーン毎の目標吹出温度の算出方法(式)、および、この目標吹出温度に非接触温度センサにより検出された車室内各部の上下方向の温度差に応じた補正値を加味する点が異なっている。一方、算出された各空調ゾーン毎の目標吹出温度に応じて各空調ゾーン毎に空調状態を制御する点は、上記第1実施形態と同様である。
以下、第2実施形態について、上記第1実施形態と同じ構成部分については、同一符号を付して説明を省略するとともに、異なる点を中心に説明を行う。また、前席側をFr、後席側をRr、車両右側をDr、車両左側をPaとそれぞれ表記することは、上記第1実施形態と同じである。
図16は、本第2実施形態における車両用空調装置の車室内空調ユニット部の吹出口配置状態を示す平面概要図、図17はFr側またはRr側のセンターおよびサイドフェイス吹出口とダクトの概略構成図、図18は室内空調ユニット部および制御ブロックを含む全体構成図である。
本第2実施形態においては、上記第1実施形態とは、リアトレイ部91の中央側にRrセンターフェイス吹出口20a、20bを設けた点が異なる。すなわち、図17、図18に示すように、Fr側においてはDr側センターフェイス吹出口20aおよびPa側センターフェイス吹出口20bと、Dr側サイドフェイス吹出口2aおよびPa側サイドフェイス吹出口2bとを設け、Rr側においてはDr側センターフェイス吹出口20cおよびPa側センターフェイス吹出口20dと、Dr側サイドフェイス吹出口2cおよびPa側サイドフェイス吹出口2dとを設けている。
なお、Rr側のサイドフェイス吹出口2c、2dは、例えば後席窓寄りの天井(ルーフサイド)に設けて、Rr側乗員の主に窓側の顔付近に空調風を吹き出すようにすることができる。
また、本第2実施形態においては、図17に示すように、FrDr、FrPaおよびRrDr、RrPaのいずれの空調ゾーン1a、1b、1c、1dにおいても、センター側のフェイス吹出口20a、20b、20c、20dよりもサイド側のフェイス吹出口2a、2b、2c、2dの開口面積を大きく、通風抵抗を小さくしている。
すなわち、例えば、空調ゾーン1aではFrDrセンターフェイス吹出口20aよりもFrDrサイドフェイス吹出口2aの方が開口面積が大きく通風抵抗が小さく設定されているため、FrDrサイドフェイス吹出口2aからの風量はFrDrセンターフェイス吹出口20aからの風量よりも常に一定比率多くなっている。これにより、空調ゾーン1aの乗員は、窓側の肩や顔が、センター側の肩や顔よりも高い空調能力による空調状態を得ることができる。他の空調ゾーン1b、1c、1dにおいても、同様に、このようなセンターフェイス吹出口の開口面積よりもサイドフェイス吹出口の開口面積を大きくしている。
次に、制御手段(空調制御装置)としてのエアコンECU8の入力信号について第1実施形態と異なる構成について説明する。図18に示すように、第1実施形態における各センサ群のほかに、車速Vhを検出する車速センサ88と、内外気切替ドア51の開度を検出するポテンショメータなどで構成される内気導入率センサ89とが接続されている。そして、ECU8において内気導入率センサ89による検出信号が入力されて、これに応じて内気導入率ψが算出される。
エアコンECU8に接続されている非接触温度センサ700は、上記第1実施形態におけるものと同様の構造を有する複数の検知部71がマトリクス状に配列されたマトリクスIRセンサである。この非接触温度センサ700は、図19に示すようにFr側の中央で、ルームミラー近傍に配置され、図20に示すように少なくとも20個の検知部71の検温範囲(T11)〜(T30)が設定されている。なお、以下では、各検温範囲における対象物の表面温度を単に温度というとともに、各検温範囲における検出温度信号、例えばTir11をT11のように表記する。
すなわち、本第2実施形態における非接触温度センサ700の検温範囲は、左右のFrウインドウの位置に相当する(T11)および(T12)と、それらウインドウ下の内装部の位置に相当する(T14)、(T27)および(T15)、(T28)と、左右のFr乗員の上半身部またはシートバック部の位置に相当する(T13)および(T16)と、左右のFr乗員の下半身部またはシートクッション部の位置に相当する(T21)および(T22)と、左右のFrドア内側の位置に相当する(T20)および(T23)と、車両中央の天井の位置に相当する(T24)と、Rr中央寄りの足元部の位置に相当する(T25)と、センターコンソール部の位置に相当する(T19)と、Fr中央寄りの足元部の位置に相当する(T30)とを含むように形成されている。
これら検温範囲のうち、特にウインドウ下の内装部(T14)、(T27)および(T15)、(T28)は、それぞれの検知部71における内装部の占める視野を80%以上とすることで、各内装部の温度検出に際してFrウインドウの開閉の影響を十分小さくすることができる。
また、Frウインドウには曇り取り用の熱線が入っていないので、Frウインドウ(T11)、(T12)および、ウインドウ下の内装部(T14)、(T27)および(T15)、(T28)において誤検出の可能性を小さくすることができる。
次に、上記構成において、本第2実施形態の作動を説明する。エアコンECU8は、電源が投入されると、上記第1実施形態と同様、図5に示すメインルーチンにしたがって、前席空調処理および後席空調処理を交互に実行する。以下、第1実施形態と異なる処理内容を中心に説明する。
<前席空調処理>
ステップS121で、温度設定スイッチ9、10から設定温度信号TsetFrDr、TsetFrPaを読み込む。さらに、ステップS122で、外気温度センサ81及び日射方向検出手段としての日射センサ83から、それぞれ外気温度信号Tamおよび日射量信号TsDr、TsPaを読み込む。また、本第2実施形態では、前席空調処理のために、非接触温度センサ700から、検出温度信号T11〜T30を読み込む。
次に、ステップS123において、数式12、13に基づき、空調ゾーン1aおよび1bに対する目標吹出温度TAOFrDrおよびTAOFrPaを算出する。なおこの数式12、および13の具体的な算出方法は後述する。
TAOFrDr=KsetFr×TsetFrDr−KrFr×f17
−KamFr×Tam−KsFr×TsDr+C2Fr
+f6+f14 ・・・(数式12)
TAOFrPa=KsetFr×TsetFrPa−KrFr×f18
−KamFr×Tam−KsFr×TsPa+C2Fr
+f7+f15 ・・・(数式13)
ここで、KsetFr、KrFr、KamFr、KsFrは、各信号のゲイン、C2Frは定数である。
このように算出される目標吹出温度TAOFrDrおよびTAOFrPaは、車両環境条件(空調熱負荷条件)の変動にかかわらず、FrDr側空調ゾーン1aおよびFrPa側空調ゾーン1bの温度を、それぞれ設定温度TsetFrDrおよびTsetFrPaに維持するために必要な目標温度である。
次に、ステップS124で、第1実施形態と同様、前席用目標平均値(=(TAOFrDr+TAOFrPa)/2)に基づいて、図7の制御マップにより、内外気モード、すなわち、内外気切替ドア51の目標開度SW1を決定する。
次のステップS125で、第1実施形態と同様、図8の制御マップに基づき、数式12、13により算出されたTAOFrDr、TAOFrPaのそれぞれに応じて、吹出口モードをFr側の空調ゾーン1a、1bに対して個別に決定する。
さらにステップS126で、第1実施形態と同様、図9の制御マップに基づき、上述の前席用目標平均値をTAOとしてこれに応じたブロワ電圧(すなわち送風機52の風量)を決定する。
次にステップS127で、エアミックスドア55a、55bの目標開度θ1、θ2を、第1実施形態と同様、上記数式3および数式4によって算出する。
そして、ステップS128で、第1実施形態と同様、以上のように決定した内外気切替モード、目標開度θ1、θ2、吹出口モード、ブロワ電圧のそれぞれを示す各制御信号をサーボモータ510a、550a、550b、560a、560bおよび送風機モータ52a等に出力して内外気切替ドア51、エアミックスドア55a、55b、吹出口切替ドア56a、56b、送風機52等の各作動を制御する。
その後、ステップS129を経てステップS121の処理に戻り上述の空調制御処理(ステップS121〜S129)が繰り返されて、Fr側空調ゾーン1a、1bの空調状態が自動的に制御されることになる。
次に、上記数式12および数式13において演算されるFr側の目標吹出温度TAOFrDrおよびTAOFrPaの算出処理について、図21〜図23に基づき説明する。図21、22は、空調処理における上記メインルーチンのステップS123での処理の詳細を示すフローチャートであり、前席空調処理ルーチンおよび後席空調処理ルーチンを同時に示している。
まず、ステップS400にて、Dr側およびPa側の第1温度差補正項f2、f3を、図21に示す制御マップに基づき算出する。具体的には、Dr側では、第1温度差補正項f2は、数式14で算出されるDr側ウインドウ下の内装部温度MIN(T27、T14)と前席足元温度T30との車室内上下方向における温度差ΔT1FrDrが大きくなる、すなわちDr側ウインドウ下の内装部温度が上昇するに応じて負方向に絶対値が増加し、(f2≦0)、温度差ΔT1FrDr≦0では0と設定される。
ΔT1FrDr=MIN(T27、T14)−T30 ・・・(数式14)
なお、T27、・・・は、上述のように、図20に示す非接触温度センサ700の各検温範囲の検出値を示している。また、MINは、カッコ内の複数の値のうち、最小値を選択する演算子である。
Pa側も同様に、第1温度差補正項f3は、数式15で算出されるPa側ウインドウ下の内装部温度MIN(T28、T15)と前席足元温度T30との車室内上下方向における温度差ΔT1FrPaが大きくなる、すなわちPa側ウインドウ下の内装部温度が上昇するに応じて負方向に絶対値が増加し(f3≦0)、温度差ΔT1FrPa≦0では0と設定される。
ΔT1FrPa=MIN(T28)、T15)−T30 ・・・(数式15)
なお、このステップS400における足元温度はT30の代わりにRr側足元温度T25を用いてもよい。
ここで、ウインドウ下の内装部温度は、ウインドウ温度と同様に、冷輻射および日射の影響を受けるとともに、開閉されるウインドウと異なり安定した温度となる。また、リアウインドウと異なり防曇用の熱線が入っていないため、この熱線の影響を受けることがない。したがって、ウインドウ下の内装部温度により安定して冷輻射および日射の影響を反映した空調負荷を検出することができる。
なお、ウインドウ近傍に乗員の顔や手が近づいている状況では、非接触温度センサにより検出されるウインドウ近傍の温度は、比較的温度が高い顔や手の影響で、正確な値とならなくなる。本第2実施形態では、ウインドウ下の内装部温度としてMIN(T27、T14)、MIN(T28、T15)を用いているので、ウインドウ近傍に乗員の顔や手が存在しても、これらの影響を排除して正確なウインドウ下内装部温度を検出することができる。
次に、ステップS410にて、Dr側およびPa側の第2温度差補正項f4、f5を、図21に示す制御マップに基づき算出する。具体的には、Dr側では、第2温度差補正項f4は、数式16で算出されるDr側乗員の上半身温度T13と下半身温度T20、T21との車室内上下方向の温度差ΔT2FrDrが大きくなる、すなわちDr側の上半身温度が上昇するに応じて負方向に絶対値が増加し(f4≦0)、温度差ΔT2FrDr≦0では0と設定される。
ΔT2FrDr=T13−AVG(T20、T21) ・・・(数式16)
なお、AVGはカッコ内の複数の値の単純相加平均を算出する演算子である。したがって、乗員の下半身温度は、ドア内側温度T20も含む比較的広い範囲の平均温度としている。
Pa側も同様に、第2温度差補正項f5は、数式17で算出されるPa側乗員の上半身温度T16と下半身温度T22、T23との車室内上下方向における温度差ΔT2FrPaが大きくなる、すなわちPa側の上半身温度が上昇するに応じて負方向に絶対値が増加し(f5≦0)、温度差ΔT2FrPa≦0では0と設定される。
ΔT2FrPa=T16−AVG(T22、T23) ・・・(数式17)
そして、次のステップS420にて、数式18に示すように、Dr側の第1および第2温度差補正項f2、f4の小さいほう、すなわち絶対値の大きいほうを選択してDr側の負側補正値f6を算出する。同様に、数式19に示すように、Pa側の第1および第2温度差補正項f3、f5の小さいほう、すなわち絶対値の大きいほうを選択してPa側の負側補正値f7を算出する。
f6=MIN(f2、f4)≦0 ・・・(数式18)
f7=MIN(f3、f5)≦0 ・・・(数式19)
このように算出される負側補正値f6、f7は、ΔT1FrDr、ΔT1FrPaが大きくなる、すなわち、乗員近傍のウインドウ下の内装部温度が高くなるに応じて負の大きさが大きくなるf2、f3と、ΔT2FrDr、ΔT2FrPaが大きくなる、すなわち、乗員の上半身温度が高くなるに応じて負の大きさが大きくなるf4、f5との大きさ(絶対値)が大きいほう(負の値が小さいほう)として選択される。これにより、負側補正値f6、f7は、それぞれDr側およびPa側において、日射による温度上昇がより大きい部位(ウインドウ下の内装部および乗員上半身)の温度に基づいて算出される。
ところで、ウインドウ下の内装部の温度は、車両の構造上、横方向から日射が当たったときの方が、正面から日射が当たった場合より温度上昇が大きくなる。なぜなら、正面からの日射は、サイドバイザーで遮られてウインドウ下の内装部に当たりにくいためである。一方、乗員上半身は、正面からの日射が最もよく当たり、この場合の温度上昇も大きくなる。
このことから、ウインドウ下の内装部温度および乗員上半身の温度を検出することにより、日射の方向を把握することができるとともに、各部位の温度上昇に応じて大きさが大きくなるよう設定された補正項f2、f3、f4、f5のうち絶対値の大きいほうの補正項を選択することにより、日射方向に応じた負側補正値f6、f7とすることができる。
したがって、この負側補正値f6、f7によって、数式12、13で示される目標吹出温度TAOFrDr、TAOFrPaを低下させるよう補正することにより、どの方向からの日射に対しても、その日射の影響を抑制して乗員の温感に適応した空調制御が可能となる。
次にステップS430にて、Dr側およびPa側の第3温度差補正項f8、f9を、図22に示す制御マップに基づき算出する。具体的には、Dr側では、第3温度差補正項f8は、上記数式14で示される温度差ΔT1FrDrが負方向に絶対値が増加するに応じて、すなわち、Dr側ウインドウ下の内装部温度が低下するに応じて、正の値として増加するものである(f8≧0)。
Pa側でも同様に、第3温度差補正項f9は、上記数式15で示される温度差ΔT1FrPaが負方向に絶対値が増加するに応じて、すなわち、Pa側ウインドウ下の内装部温度が低下するに応じて、正の値として増加するものである(f9≧0)。
さらに、次のステップS440にて、Dr側およびPa側の第4温度差補正項f10、f11を、図22に示す制御マップに基づき算出する。具体的には、Dr側では、第4温度差補正項f10は、上記数式14で示される温度差ΔT1FrDrが負方向に絶対値が増加するに応じて、すなわち、Dr側ウインドウ下の内装部温度が低下するに応じて、正の値増加するものである(f10≧0)。
Pa側でも同様に、第4温度差補正項f11は、上記数式15で示される温度差ΔT1FrPaが負方向に絶対値が増加するに応じて、すなわち、Pa側ウインドウ下の内装部温度が低下するに応じて、正の値増加するものである(f11≧0)。
なお、この第4温度差補正項f10、f11は、上記第3温度差補正項f8、f9よりも同一温度差ΔT1FrDr、ΔT1FrPaにおいて比較的低い値として設定されている。
そして、次のステップS450にて、数式20に示すように、Dr側の第3および第4温度差補正項f8、f10に基づいてDr側の正側補正値f14を算出する。同様に、数式21に示すように、Pa側の第3および第4温度差補正項f9、f11に基づいてPa側の正側補正値f15を算出する。
f14=MAX(f8×f12、f10×f13)≧0 ・・・(数式20)
f15=MAX(f9×f12、f11×f13)≧0 ・・・(数式21)
なお、補正係数f12は、図23(a)に示されるように、車速センサ88により検出された車速Vhの増加に比例する値である。したがって、車速Vhが大きくなるに応じて、第3温度差補正項f8、f9は大きくなるように補正される。
また、補正係数f13は、図23(b)に示されるように、内気導入率センサ89により検出された内気導入率ψの増加に応じて比例する値である。したがって、内気導入率ψが大きくなるに応じて、第4温度差補正項f10、f11は大きくなるように補正される。
このように、正側補正値f14、f15は、Dr側およびPa側それぞれにおいて、車速Vhに応じて補正された第3温度差補正項f8、f9と内気導入率ψに応じて補正された第4温度差補正項f10、f11との大きい方が選択される。
すなわち、正側補正値f14、f15は、乗員近傍のウインドウ下の内装部の温度が低下するほど、さらには車速Vhが大きくなるほど、あるいは、内気導入率ψが高くなるほど、外気により冷却されたウインドウによる冷輻射の影響が高くなるものとして、大きい補正値となるよう設定される。
したがって、この正側補正値f14、f15によって、数式12、13で示される目標吹出温度TAOFrDr、TAOFrPaを上昇させるよう補正することにより、冷輻射の影響を抑制して乗員の温感に適応した空調制御が可能となる。
次のステップS460では、FrDr側の内気温度に相当する温度として、非接触温度センサ700による検出温度に基づく平均温度f17を、数式22により算出する。同様に、FrPa側の内気温度に相当する温度として、非接触温度センサ700による検出温度に基づく平均温度f18を、数式23により算出する。
f17=AVG(T20、T21、T19) ・・・(数式22)
f18=AVG(T22、T23、T19) ・・・(数式23)
そしてステップS470にて、Dr側、Pa側に対して、以上のように算出された平均温度f17、f18、負側補正値f6、f7、正側補正値f14、f15を上記数式12、数式13に、それぞれ代入することにより、Fr側空調ゾーン1a、1bにおける目標吹出温度TAOFrDr、TAOFrPaが算出される。
なお、上記非接触温度センサ700による検出温度f17、18を車室内温度として目標吹出温度TAOFrDr、TAOFrPaを算出するので、内気温度センサを省略することができる。
<後席空調処理>
次に、第2実施形態における後席空調処理について説明する。後席の空調処理においても、上記前席空調処理と同様、図5に示す制御ルーチンにより空調処理される。以下の説明では、上記前席空調処理または上記第1実施形態の後席空調処理と同じ構成、処理内容の部分については説明を省略または簡略化する。
ステップS121で、温度設定スイッチ11、12から設定温度信号TsetRrDr、TsetRrPaを読み込み、ステップS122で、外気温度センサ81及び日射方向検出手段としての日射センサ83から、それぞれ外気温度信号Tamおよび日射量信号TsDr、TsPaを読み込むとともに、非接触温度センサ700から、検出温度信号T11〜T30を読み込む。
次に、ステップS123において、上記第1実施形態とは異なる数式24、25に基づき、Rr側の空調ゾーン1cおよび1dに対する目標吹出温度TAORrDrおよびTAORrPaを算出する。なお、この数式24、および数式25の具体的な算出方法は後述する。
TAORrDr=KsetRr×TsetRrDr−KrRr×f19
−KamRr×Tam−KsRr×TsDr+C2Rr
+f6+f14 ・・・(数式24)
TAORrPa=KsetRr×TsetRrPa−KrRr×f19
−KamRr×Tam−KsRr×TsPa+C2Rr
+f7+f15 ・・・(数式25)
ここで、KsetRr、KrRr、KamRr、KsRrは、各信号のゲイン、C2Rrは定数である。
このように算出される目標吹出温度TAORrDrおよびTAORrPaは、車両環境条件(空調熱負荷条件)の変動にかかわらず、RrDr側空調ゾーン1cおよびRrPa側空調ゾーン1dの温度を、それぞれ設定温度TsetRrDrおよびTsetRrPaに維持するために必要な目標温度である。
次に、内外気モードの決定処理(ステップS124)を実行せずに(これは、後席空調では外気モードが設定されていないため)、次のステップS125にて、上記前席空調処理と同様に、吹出口モードの決定処理を実行する。すなわち、図8の制御マップに基づき、上記数式24、25により算出されたTAORrDr、TAORrPaのそれぞれに応じて、吹出口モードをRr側の空調ゾーン1c、1dに対して個別に決定する。
以下、ステップS126ないしS129において第1実施形態の後席空調制御と同様の処理を行う。
すなわち、ステップS126で、図9の制御マップに基づき、後席用目標平均値(=(TAORrDr+TAORrPa)/2)をTAOとしてこれに応じたブロワ電圧(すなわち送風機62の風量)を決定する。
次のステップS127では、エアミックスドア65a、65bの目標開度θ3、θ4を、上記第1実施形態と同様、数式7、8によって算出する。
そして、ステップS128で、第1実施形態と同様、以上のように決定した目標開度θ3、θ4、吹出口モード、ブロワ電圧のそれぞれを示す各制御信号を、サーボモータ650a、650b、660a、660bおよび送風機モータ62a等に出力して、エアミックスドア65a、65b、吹出口切替ドア66a、66b、送風機62等の各作動を制御する。
その後、ステップS129を経てステップS121の処理に戻り上述の空調制御処理(ステップS121〜S129)が繰り返されて、Rr側空調ゾーン1c、1dの空調状態が自動的に制御されることになる。
次に、上記数式24および数式25において演算されるRr側の目標吹出温度TAORrDrおよびTAORrPaの演算処理について説明する。この演算処理は、基本的に上記第2実施形態の前席空調処理における演算処理と同様である。
すなわち、図21におけるステップS400、S410およびS420と、図22におけるステップS430、S440およびS450は、上記第2実施形態の前席空調処理における演算処理と同じ演算を行う。
そして、ステップS460で、Rr側の内気温度に相当する温度として、非接触温度センサ700による検出温度に基づく平均温度f19を、数式26により算出する。
f19=AVG(T24、T25) ・・・(数式26)
そしてステップS470にて、Dr側、Pa側に対して、以上のように算出された平均温度f19、負側補正値f6、f7、正側補正値f14、f15を上記数式24、数式25に代入することにより、Rr側空調ゾーン1c、1dにおける目標吹出温度TAORrDr、TAORrPaが算出される。
なお、本第2実施形態では、冷輻射や日射の車室内空間に与える空調負荷への影響は、車両の前後(FrDrとRrDr、または、FrPaとRrPa)でほぼ等しいものとしている。したがって、このRr側の目標吹出温度TAORrDr、TAORrPaの、日射に対する正側補正値f6、f7および、冷輻射に対する負側補正値f14、f15は、上記Fr側目標吹出温度TAOFrDr、TAOFrPaと同じ補正値を用いることができる。
以上のように構成された第2実施形態における主な効果について説明する。本第2実施形態では、車室内のフロントウインドウ上端中央付近に配置した非接触温度センサ700で、冷輻射や偏日射の影響を反映しているウインドウ下の内装部温度T14、T27、T15、T28を検出している。このウインドウ下内装部温度T14、T27、T15、T28は、ウインドウの開閉および防曇用の熱線に影響されないので、安定して冷輻射や偏日射の影響を検出することができる。
また、本第2実施形態では、ウインドウ下の内装部の複数箇所の温度T14、T27およびT15、T28を検出し、それらの最も小さい温度を抽出してウインドウ下の内装部温度としているので、ウインドウ近傍に高い温度の乗員の顔や手が位置していても、これらの高い温度の影響を排除して正確なウインドウ下内装部温度を検出することができる。
さらに、本第2実施形態では、ウインドウ下の内装部温度の低下に応じてこのウインドウ側(Dr側またはPa側)の目標吹出温度を増加させるよう補正量f14、f15を決めるので、冷輻射の影響を抑制して快適な空調空間を得ることができる。
また、本第2実施形態では、ウインドウ下の内装部温度の上昇および乗員上半身温度の上昇のそれぞれの上昇温度の大きさに応じて設定される補正値f2、f4およびf3、f5のうち大きさが大きいほうの補正値f6、f7により目標吹出温度を低下させるよう補正するので、偏日射の影響を抑制して快適な空調空間を得ることができる。
そして、本第2実施形態では、Fr側およびRr側の各フェイス吹出口は、窓側のサイドフェイス吹出口2a、2bおよび2c、2dが、それぞれ対応する車両中央側のセンターフェイス吹出口20a、20bおよび20c、20dよりも吹出風量が一定比率多くなるよう開口面積が設定されている。したがって、冷輻射による肩寒に対しても、偏日射に対しても、乗員の窓側に対しては十分な空調補正が可能となり、かつ、乗員の車両中央側に対しては過補正になることを防止することができる。
(第3実施形態)
次に、本発明の第3実施形態について説明する。本第3実施形態は、上記第1実施形態とは、後席用の非接触温度センサの配置位置および検温範囲が異なるとともに、日射センサにより検出される日射方向と後席側の上下方向の温度差とに応じて、中央側および窓側の配風制御を行う点が異なっている。一方、各空調ゾーン毎の目標吹出温度の算出方法(式)および算出された各目標吹出温度に応じて各空調ゾーン毎に空調状態を制御する点は、上記第1実施形態と同様である。
以下、第3実施形態について、上記第1実施形態と同じ構成部分については、同一符号を付して説明を省略するとともに、異なる点を中心に説明を行う。
図24は、第3実施形態における車室内空調ユニットおよび制御ブロックを含む全体構成図であり、図25はFr側またはRr側のセンターおよびサイドフェイス吹出口とダクトの概略構成図である。なお、車室内空調ユニット部の吹出口配置状態は前記第2実施形態と同様、図16に示すように構成されている。
本第3実施形態においては、上記第1実施形態とは、リアトレイ部91の中央側にRrセンターフェイス吹出口20a、20bを設けた点が異なる。すなわち、図24、図25に示すように、Fr側においてはDr側センターフェイス吹出口20aおよびPa側センターフェイス吹出口20bと、Dr側サイドフェイス吹出口2aおよびPa側サイドフェイス吹出口2bとを設け、Rr側においてはDr側センターフェイス吹出口20cおよびPa側センターフェイス吹出口20dと、Dr側サイドフェイス吹出口2cおよびPa側サイドフェイス吹出口2dとを設けている。
なお、Rr側のサイドフェイス吹出口2c、2dは、例えば後席窓寄りの天井(ルーフサイド)に設けて、Rr側乗員の主に窓側の顔付近に空調風を吹き出すようにすることができる。あるいは、Rr側のサイドフェイス吹出口2c、2dを、Bピラー(センターピラー)に設けてBピラー吹出口を形成し、Rr側乗員の主に窓側の顔付近に空調風を吹き出すようにすることも可能である。
なお、本第3実施形態においては、図25に示すように、FrDr、FrPaおよびRrDr、RrPaのいずれの空調ゾーン1a、1b、1c、1dにおいても、センター側のフェイス吹出口20a、20b、20c、20dとサイド側のフェイス吹出口2a、2b、2c、2dとは、ほぼ同程度の開口面積(通風抵抗)とし、それぞれサイドフェイス吹出口とセンターフェイス吹出口との分岐部にて両者の配風割合を調節する配風ドア68a、68b、68c、68dを設けている。この配風ドア68a、68b、68c、68dの開度はそれぞれエアコンECU8により制御される各アクチュエータ(図示せず)により調節される。
次に、制御手段(空調制御装置)としてのエアコンECU8の入力信号について第1実施形態と異なる構成について説明する。本第3実施形態のエアコンECU8に接続されている非接触温度センサ701は、上記第1実施形態におけるものと同様の構造を有する複数の検知部71がマトリクス状に配列されたマトリクスIRセンサである。この非接触温度センサ701は、図26に示すように、RrDr側の乗員の上方前方の天井で、ウインドウ寄りの位置に配置され、図27に示すように少なくとも13個の検知部71の検温範囲(T41)〜(T53)が設定されている。なお、本第3実施形態においても、各検温範囲における対象物の表面温度を単に温度というとともに、各検温範囲における検出温度信号、例えばTir41をT41のように表記する。
すなわち、本第3実施形態における非接触温度センサ701の検温範囲は、最上位列に、RrDr側乗員の顔または乗員が着座していない場合のリアトレイの位置に相当する(T41)、(T42)と、車両中央部のリアトレイの位置に相当する(T43)とRrPa側乗員の顔または乗員が着座していない場合のリアトレイの位置に相当する(T48)とが形成されている。
非接触温度センサ701の2段目の検温範囲は、RrDr側乗員の肩の位置に相当する(T44)、(T45)とRrPa側乗員の肩の位置に相当する(T49)とが形成されている。3段目の検温範囲は、RrDr側乗員の胸腹部の位置に相当する(T52)とPrPa側乗員の胸腹部の位置に相当する(T53)とが形成されている。
そして、最下段の4段目の検温範囲は、RrDr側乗員の大腿部の位置に相当する(T46)、(T47)と、Rr側座席の中央部のシートクッションの位置に相当する(T51)と、RrPa側乗員の大腿部の位置に相当する(T50)とが形成されている。
このように、非接触温度センサ701は、RrDr側乗員の上方に配置して、上方からRr側の乗員を見るようにしたので、上記第1実施形態と同様、Rr側乗員の体格や着座姿勢が変化しても、検温範囲からRr側乗員が外れにくくなるので、正確な乗員の表面温度を検出することができる。
次に、上記構成において、本第3実施形態の作動を説明する。上述のように、本第3実施形態では、上記第1実施形態と同様の空調制御を基本とする。すなわち、本第3実施形態においても、上記数式1ないし数式11および図5ないし図14に示す制御ルーチン、および制御特性に基づき、Fr側およびRr側の空調処理が行われるので、以下では、この基本的な空調制御の作動についての説明は省略する。
但し、本第2実施形態においては、後席の空調ゾーン1c、1dを検出する非接触温度センサ701の、RrDr側およびRrPa側それぞれのリアトレイ部(T43共通)、肩部(T45、T49)、胸腹部(T52、T53)、大腿部(T47、T50)の各検温範囲を、上記第1実施形態における非接触温度センサ70a、70bのそれぞれの検温範囲に対応させる。すなわち、数式9において、TirRrDr=(T43+T45+T52+T47)/4、および、TirRrPa=(T43+T49+T53+T40)/4とすることにより、上記第1実施形態と同様、Rr側乗員の着衣温度およびリアトレイ91の表面温度の影響も反映された温度として算出できる。
これにより、本第3実施形態においても、上記第1実施形態と同様、Fr側の空調ゾーン1a、1bにおいては数式1、2に基づき算出される目標吹出温度TAOFrDr、TAOFrPaに応じて自動的に空調が制御される。また、Rr側の空調ゾーン1c、1dにおいては、数式5、6に基づき算出される目標吹出温度TAORrDr、TAORrPaに応じて、冷輻射および後方日射の影響を緩和するよう、かつ、クールダウン時、ウォームアップ時および乗員の乗り込み直後などの空調状態の過渡的変化に対応した空調制御を行うことができる。
この基本的な空調制御に加えて、本第3実施形態では、さらに、図5におけるステップS123、詳しくは図10におけるステップS240にて、各空調ゾーンにおける目標吹出温度を算出したのち、Dr側およびPa側のTAOの補正値ComTAODrおよびComTAORrを、次の数式27、数式28により算出する。
ComTAODr=3×MIN((f21×f23)、(f22×f24))≦0
・・・(数式27)
ComTAOPa=3×MIN((f25×f27)、(f26×f28))≦0
・・・(数式28)
ここで、補正項f21は、Dr側の側方および後方日射条件に対応する補正項であり、図28(a)に示すように、下記の数式29による車室内の上下方向の温度差であるΔT3が大きくなる、すなわち車室内上方にあるリアトレイ91付近の温度が高くなるに応じて、負の大きさが大きくなるよう設定される。
ΔT3=MIN(T41、T42、T43、T48)
−AVG(T46、T47、T51)) ・・・(数式29)
すなわち、温度差ΔT3は、車室内上方にあるリアウインドウ90下のリアトレイ91またはRr乗員の顔や頭部の温度のうち、日射により高い温度となる乗員の顔の影響を排除した最も低い温度(リアトレイ91の温度に相当)と、車室内下方にあり日射の影響を受けにくいRrDr側乗員の大腿部位置の平均温度との差に相当し、RrDr側空調ゾーン1cへの側方および後方からの日射の影響を反映した温度差である。
したがって、Dr側の側方および後方日射条件に対応する補正項f21は、リアトレイ91の温度に応じた日射負荷に対応する空調補正量に相当する。
また、f23は、図28(b)に示すように、日射センサ83により検出された2つの日射量信号TsDr、TsPaに基づき数式30により算出される日射方向αに応じて設定されるDr側の側方および後方日射重み係数で、後方日射およびDr側日射では1、Pa側日射では1ないし0となるよう設定される。
α=TsDr/(TsDr+TsPa) ・・・(数式30)
ただし、数式30において、太陽の方向が車両後方側であるときや、日射量が少ない曇天さらには夜間の場合など、TsDr+TsPa≦1.0となるときには、α=0.5とする。
すなわち、後方日射の場合、フロントウインドウ内側の左右中央部分に配置された日射センサ83によって日射が検出できないときは、α=0.5として後方日射とみなすことができる。また、斜め後方の日射であれば、日射がある側の検出値(TsDrまたはTsPa)が高くなるので、例えば、Dr側斜め後方日射ではα=0.55、Pa側斜め後方日射ではα=0.45となって、αにより日射方向が把握できる。
したがって、Dr側の側方および後方日射補正量(f21×f23)は、上下方向の温度差ΔT3が大きくなるほど、かつ、後方日射およびDr側側方日射の場合に重みf23が大きくされて、負の大きな補正量となる。
同様に、補正項f22は、Dr側の斜め45度の日射条件に対応する補正項であり、図28(c)に示すように、下記数式31による車室内の上下方向の温度差であるΔT4が大きくなる、すなわち車室内上方の乗員肩位置の温度が高くなるに応じて、負の大きさが大きくなるよう設定される。
ΔT4=AVG(T44、T45)−AVG(T46、T47、T51))
・・・(数式31)
すなわち、温度差ΔT4は、RrDr側乗員の肩部位置の平均温度と、RrDr側乗員の大腿部位置の平均温度との差に相当し、RrDr側空調ゾーン1cへの斜め45度からの日射の影響を反映した温度差である。
また、f24は、図28(d)に示すように、上記数式30により算出される日射方向αに応じて設定されるDr側の斜め45度日射重み係数であり、Dr側日射では1、後方日射では1ないし0、およびPa側日射では0となるよう設定されている。
したがって、Dr側の斜め45度日射補正量(f22×f24)は、上下方向の温度差ΔT4が大きくなるほど、かつ、Dr側日射の場合に重みf24が大きくされて、負の大きな補正量となる。
したがって、Dr側のTAO補正値ComTAODrは、上記数式27に示すように、Dr側の側方および後方日射補正量(f21×f23)と斜め45度日射補正量(f22×f24)との小さいほう、すなわち絶対値の大きい方の負の値が選択される。
Pa側でもDr側と同様に、Pa側の側方および後方日射条件に対応する補正項f25を、図29(a)に示すように、下記数式32による車室内の上下方向の温度差であるΔT5が大きくなる、すなわち車室内上方にあるリアトレイ91付近の温度が高くなるに応じて、負の大きさが大きくなるよう設定される。
ΔT5=MIN(T41、T42、T43、T48)−AVG(T50、T51))
・・・(数式32)
すなわち、温度差ΔT5は、リアウインドウ90下のリアトレイ91またはRr乗員の頭部の温度のうち日射により高い温度となる乗員の顔の影響を排除した最も低い温度(リアトレイ91の温度に相当)と、RrPa側乗員の大腿部位置の平均温度との差に相当し、RrPa側空調ゾーン1dへの側方および後方からの日射の影響を反映した温度差である。
したがって、Pa側の側方および後方日射条件に対応する補正項f25は、リアトレイ91の温度に応じた日射負荷に対応する空調補正量に相当する。
また、f27は、図29(b)に示すように、上記数式30により算出される日射方向αに応じて設定されるPa側の側方および後方日射重み係数で、Pa側日射および後方日射では1、Dr側日射では1ないし0となるよう設定される。
したがって、Pa側の側方および後方日射補正量(f25×f27)は、上下方向の温度差ΔT5が大きくなるほど、かつ、Pa側側方日射および後方日射の場合に重みf27が大きくされて、負の大きな補正量となる。
同様に、Pa側の斜め45度の日射条件に対応する補正項f26は、図29(c)に示すように、下記数式32による車室内の上下方向の温度差であるΔT6が大きくなる、すなわち車室内上方の乗員肩位置の温度が高くなるに応じて、負の大きさが大きくなるよう設定される。
ΔT6=T49−AVG(T46、T47、T51)) ・・・(数式32)
すなわち、温度差ΔT6は、RrPa側乗員の肩部位置の温度と、RrPa側乗員の大腿部位置の平均温度との差に相当し、RrPa側空調ゾーン1dへの斜め45度からの日射の影響を反映した温度差である。
また、f28は、図29(d)に示すように、上記数式30により算出される日射方向αに応じて設定されるPa側の斜め45度日射重み係数であり、Pa側日射では1、後方日射では1ないし0、およびDr側日射では0となるよう設定されている。
したがって、Pa側の斜め45度日射補正量(f26×f28)は、上下方向の温度差ΔT6が大きくなるほど、かつ、Dr側日射の場合に重みf28が大きくされて、負の大きな補正量となる。
したがって、Pa側のTAO補正値ComTAOPaは、上記数式28に示すように、Pa側の側方および後方日射補正量(f25×f27)と斜め45度日射補正量(f26×f28)との小さいほう、すなわち絶対値の大きい方の負の値が選択される。
次に、このように算出されたDr側およびPa側のTAO補正値ComTAODr、ComTAOPaに対して、図30(a)〜(d)に示すように、各空調ゾーン1a〜1dにおけるサイドフェイス吹出風量とセンタフェイス吹出風量との割合(吹出割合)が算出される。
すなわち、FrDr側空調ゾーン1aにおいては、上記前席空調処理により制御されるFrDr側の吹出口切替ドア56aにより決められた風量を100%とするとき、FrDr側のサイドフェイス吹出口2aからの吹出風量割合を、図30(a)に示すようにTAO補正値ComTAODrの負の大きさが大きくなるに応じてその10%から90%へと増加させる。このとき、FrDr側のセンタフェイス吹出口20aからの吹出風量は90%から10%へと減少する。
同様に、FrPa側空調ゾーン1bにおいては、上記前席空調処理により制御されるFrPa側の吹出口切替ドア56bにより決められた風量を100%とするとき、FrPa側のサイドフェイス吹出口2bからの吹出風量割合を、図30(b)に示すようにTAO補正値ComTAOPaの負の大きさが大きくなるに応じてその10%から90%へと増加させる。このとき、FrPa側のセンタフェイス吹出口20bからの吹出風量は90%から10%へと減少する。
Rr側もFr側と同様、RrDr側空調ゾーン1cにおいては、上記後席空調処理により制御されるRrDr側の吹出口切替ドア66aにより決められた風量を100%とするとき、RrDr側のサイドフェイス吹出口2cからの吹出風量割合を、図30(c)に示すようにTAO補正値ComTAODrの負の大きさが大きくなるに応じてその10%から90%へと増加させる。このとき、RrDr側のセンタフェイス吹出口20cからの吹出風量は90%から10%へと減少する。
また、RrPa側空調ゾーン1dにおいては、上記後席空調処理により制御されるRrPa側の吹出口切替ドア66bにより決められた風量を100%とするとき、RrPa側のサイドフェイス吹出口2dからの吹出風量割合を、図30(d)に示すようにTAO補正値ComTAOPaの負の大きさが大きくなるに応じてその10%から90%へと増加させる。このとき、RrPa側のセンタフェイス吹出口20dからの吹出風量は90%から10%へと減少する。
なお、Rr側の左右のサイドフェイス吹出口2c、2dは、上述のようにサイドルーフに設けた吹出口でも、Bピラー部に設けたBピラー吹出口でもいずれでも、窓側からRrDr側およびRrPa側乗員の上半身に対して空気を吹き出すことができる。したがって、図30(c)、(d)にはそれらを併記している。
このように決定された各吹出割合に基づき、図5におけるステップS128にて、各配風ドア68a、68b、68c、68dの開度が各アクチュエータ(図示せず)により制御される。
このように配風ドア68a、68b、68c、68dによる配風制御の効果について、具体例に基づき説明する。
後方日射の場合、α=0.5として、各重み係数は、図28(b)、(d)、図29(b)、(d)より、f23=1、f24=0、f27=1、f28=0である。これより、Dr側およびPa側のTAO補正値は、ComTAODr=3×f21、ComTAOPa=3×f25となる。なお、後方日射においては、f21≒f25である。
したがって、図30の配風制御マップより、Dr側およびPa側ともに、サイドフェイス(またはBピラー)吹出割合はほぼ等しくなるので、車両の左右の空調ゾーン1aと1b、および1cと1dは、それぞれ均等に空調される。
Dr側日射の場合、α=0.6として、各重み係数は、図28、29よりf23=f24=1、f27=f28=0である。これより、Dr側およびPa側のTAO補正値は、ComTAODr=3×MIN(f21、f22)、ComTAOPa=0となる。
したがって、図30の配風制御マップより、Fr側およびRr側ともにPa側のサイドフェイス(またはBピラー)吹出割合は最小値10%(すなわちPa側センタフェイス吹出割合は最大値90%)となって、車両のPa側窓方向からの空調は抑制される。一方、Fr側およびRr側ともにDr側のサイドフェイス(またはBピラー)吹出割合は、Dr側日射によって増加したRrDr側の上下方向の温度差ΔT3およびΔT4に応じた大きさの補正値ComTAODrにより、最小値よりも大きいに設定され、これにより、日射方向のDr側窓側の空調能力が最大値へと増加され、日射のないPa側窓側の空調能力は最小値に抑制される。
なお、Pa側日射の場合もα=0.4として、上記Dr側日射の場合と同様、Pa側窓側の空調能力が増加される。
Dr側斜め45度日射の場合、α=0.55として、各重み係数は、図28、29より、f23=f24=f27=1、f28=0である。これにより、Dr側およびPa側のTAO補正値は、ComTAODr=3×MIN(f21、f22)、ComTAOPa=3×f25となる。ここで、Dr側からの日射方向に応じて、通常は、温度差ΔT3>ΔT5、ΔT4>ΔT6であるので、ComTAODr<ComTAOPaとなって、補正量(補正値の大きさ)はDr側の方が大きくなる。
したがって、図30の配風制御マップより、Fr側およびRr側ともに、日射方向であるDr側のサイドフェイス(またはBピラー)吹出割合が増加され、反対側の日射のないPa側のサイドフェイス(またはBピラー)吹出割合が減少される。
なお、Pa側斜め45度日射の場合も、α=0.45として、上記Dr側斜め45度日射の場合と同様、Pa側窓側の空調能力が増加される。
このように、日射がない側に比べて、日射がある側の補正量を多くすることができ、乗員の温感に合った空調を行うことができる。
以上のように構成された第3実施形態における主な効果について説明する。本第3実施形態では、車室内のRrDr側乗員の上方前方の天井窓寄りに配置した非接触温度センサ701で、冷輻射や偏日射の影響を反映しているリアウインドウ90下の内装部であるリアトレイ91と、Rr側左右の乗員の頭部位置とを含む複数部位の温度T41、T42、T43、T48を検出している。そして、それらの最も小さい温度を抽出してリアウインドウ下の内装部温度、すなわちリアトレイの温度としているので、リアウインドウ近傍に高い温度の乗員の顔が位置していても、これらの高い温度の影響を排除して正確なリアトレイの温度を検出することができる。
さらに、本第3実施形態では、Fr側ウインドウ下に設けた日射センサにより日射方向を検出し、この日射方向に応じて、車両の左右それぞれ(Dr側およびPa側)において、非接触温度センサにより検出される車室内の上下方向の温度差に応じて設定される補正量を重み付けし、この重み付けされた補正量に応じて各空調ゾーンにおける窓側のサイド吹出と中央側のセンタ吹出との吹出割合を制御する。したがって、日射方向に応じて日射がある側の補正量を多く(風量を大きくし)、日射のない側の補正量を小さくすることにより、日射の影響を緩和して乗員の温感に合った空調を行うことが可能である。
そして、本第3実施形態では、Fr側およびRr側の各フェイス吹出口は、窓側のサイドフェイス吹出口2a、2bおよび2c、2dが、それぞれ対応する車両中央側のセンターフェイス吹出口20a、20bおよび20c、20dよりも空調能力が向上するよう制御されるので、冷輻射による肩寒に対しても、偏日射に対しても、乗員の窓側に対しては十分な空調補正が可能となり、かつ、乗員の車両中央側に対しては過補正になることを防止することができる。
本発明の第1実施形態における車両用空調装置の室内空調ユニット部の吹出口配置状態を示す平面概要図の概略を示す模式図である。 図1の車両用空調装置の室内空調ユニット部および制御ブロックを含む全体構成図である。 非接触温度センサの構成を示す図である。 第1実施形態における非接触温度センサの配置および検温範囲を示す図である。 エアコンECUによる空調制御処理を示すフローチャートである。 目標吹出温度における補正値を決めるためのマップを示す図である。 図5の空調制御処理中において内外気モードを決めるための制御マップを示す図である。 図5の空調制御処理中において吹出口モードを決めるための制御マップを示す図である。 図5の空調制御処理中においてブロワ電圧を決めるための制御マップを示す図である。 後席側の目標吹出温度の演算処理を示すフローチャートである。 内気温Trのバランス点を決めるためのマップを示す図である。 過渡期補正値を決めるためのマップを示す図である。 図10において熱履歴補正値の演算処理を示すフローチャートである。 熱履歴補正値における補正係数f1を決めるためのマップを示す図である。 非接触温度センサの検温範囲の他の例を示す図である。 第2実施形態における車両用空調装置の車室内空調ユニット部の吹出口配置状態を示す平面概要図である。 図16におけるFr側またはRr側のセンターおよびサイドフェイス吹出口とダクトの概略構成図である。 図16における車両用空調装置の室内空調ユニット部および制御ブロックを含む全体構成図である。 第2実施形態における非接触温度センサの配置位置を示す図である。 第2実施形態における非接触温度センサの検温範囲を示す図である。 第2実施形態における目標吹出温度の演算処理を示すフローチャートの一部である。 第2実施形態における目標吹出温度の演算処理を示すフローチャートの一部である。 (a)は車速に対する補正係数f12のマップであり、(b)は内気導入率に対する補正係数f13のマップである。 第3実施形態における車両用空調装置の室内空調ユニット部および制御ブロックを含む全体構成図である。 図24におけるFr側またはRr側のセンターおよびサイドフェイス吹出口とダクトの概略構成図である。 第3実施形態における非接触温度センサの配置位置を示す図である。 第3実施形態における非接触温度センサの検温範囲を示す図である。 (a)ないし(d)は、Dr側のTAO補正値を決める各ファクターのマップである。 (a)ないし(d)は、Pa側のTAO補正値を決める各ファクターのマップである。 (a)ないし(d)は、第3実施形態の配風制御の各空調ゾーンにおける制御マップである。
符号の説明
1a、1b、1c、1d…空調ゾーン、5…前席空調システム、
6…後席空調システム、70a、70b、700、701…非接触温度センサ、
8…エアコンECU、83…日射センサ。

Claims (14)

  1. 車室内(1)の所定の検温範囲内の対象物の表面温度を非接触で検出する非接触温度センサ(70a、70b)を備える車両用温度検出装置であって、
    前記非接触温度センサは、リアウインドウ(90)下の内装部(91、310c、310d)を前記検温範囲として設定されていることを特徴とする車両用温度検出装置。
  2. 前記内装部は、リアトレイ部(91)であることを特徴とする請求項1に記載の車両用温度検出装置。
  3. 前記内装部は、後席シートバック部(310c、310d)であることを特徴とする請求項1に記載の車両用温度検出装置。
  4. 前記非接触温度センサは、複数の検温範囲を備えるマトリクスIR(70a、70b)であり、前記複数の検温範囲のうち1つの検温範囲内の対象物を前記内装部とし、他の少なくとも1つの検温範囲内の対象物を後席乗員となるよう設定されていることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1つに記載の車両用温度検出装置。
  5. 前記非接触温度センサは、前記後席乗員の上方に配置されていることを特徴とする請求項4に記載の車両用温度検出装置。
  6. 前記非接触温度センサは、前記車室内の天井の左右中央に配置されるとともに、後席右側乗員と後席左側乗員とを前記各検温範囲として設定されていることを特徴とする請求項5に記載の車両用温度検出装置。
  7. 車室内の空調状態を調整する空調手段(6)と、
    請求項1ないし6のいずれか1つに記載の非接触温度センサにより検出される前記対象物の表面温度に基づき目標吹出温度を算出し、該目標吹出温度に基づき前記空調状態を調整するように前記空調手段を制御する制御手段(8)と
    を備えることを特徴とする車両用空調装置。
  8. 車室内の空調状態を調整する空調手段(6)と、
    前記車室内のリアウインドウ(90)下の内装部(91、310c、310d)と後席乗員とを検温範囲とし、該検温範囲内の対象物の表面温度を検出する非接触温度センサ(70a、70b)と、
    前記非接触温度センサにより検出される前記内装部の表面温度と後席乗員の表面温度との和に基づき目標吹出温度を算出する目標吹出温度算出手段(S123)と、該目標吹出温度に基づき前記空調状態を調整するように前記空調手段を制御する制御手段(S128)と、
    を備えることを特徴とする車両用空調装置。
  9. 前記非接触温度センサは、前記後席乗員の複数部位の表面温度を検出し、
    前記目標吹出温度算出手段は、前記内装部の表面温度と前記後席乗員の複数部位の表面温度との平均値に基づき前記目標吹出温度を算出することを特徴とする請求項8に記載の車両用空調装置。
  10. 車室内(1)の空調状態を調整する空調手段(6)と、
    前記車室内のウインドウ(T11、T12、90)下の内装部(T14、T27、T15、T28、91、T41、T42、T43、T48)を検温範囲とし、該検温範囲内の対象物の表面温度を検出する非接触温度センサ(700、701)と、
    前記非接触温度センサにより検出される前記ウインドウ下の内装部の表面温度に応じて前記空調状態を調整するように前記空調手段を制御する制御手段(S128)と、
    を備えることを特徴とする車両用空調装置。
  11. 前記非接触温度センサは、前記ウインドウ下の内装部および前記内装部近傍の複数箇所(T14、T27、T15、T28、T41、T42、T43、T48)の表面温度を検出し、
    前記制御手段は、前記検出された複数箇所の表面温度のうち最も低い検出温度に応じて前記空調状態を調整することを特徴とする請求項10に記載の車両用空調装置。
  12. 車室内(1)の各空調ゾーンの空調状態を調整する空調手段(6)と、
    前記車室内のリアウインドウ(90)下の内装部(91、T41、T42、T43、T48)を検温範囲とし、該検温範囲内の対象物の表面温度を検出する非接触温度センサ(701)と、
    前記車室内の前席空調ゾーンに設けられ、前記車室内への日射方向を検出する日射方向検出手段(83)と、
    前記非接触温度センサにより検出される前記リアウインドウ下の内装部の表面温度に応じて前記車室内への日射による熱負荷に対する補正を行うことにより前記空調状態を調整するように前記空調手段を制御する制御手段(S128)と、を備え、
    前記制御手段は、前記日射方向検出手段により検出される日射方向に応じて前記各空調ゾーンの補正量を決定することを特徴とする車両用空調装置。
  13. 前記空調手段は、前記車室内へ空調風を吹き出す中央側吹出口(20a、20b、20c、20d)と左右窓側の窓側吹出口(2a、2b、2c、2d)とを備え、前記窓側吹出口の空調能力が前記中央側吹出口の空調能力より高く設定されることを特徴とする請求項10ないし12のいずれか1つに記載の車両用空調装置。
  14. 前記空調手段は、前記車室内へ空調風を吹き出すセンターフェイス吹出口(20a、20b、20c、20d)とサイドフェイス吹出口(2a、2b、2c、2d)とを備え、サイドフェイス吹出口の空調能力がセンターフェイス吹出口の空調能力よりも高くなるよう制御されることを特徴とする請求項10ないし12のいずれか1つに記載の車両用空調装置。
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